JP2013256764A - 防水扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上方が開口した収納体21と、通常時には倒伏状態で収納体21の蓋となるとともに、洪水時には起立状態で前後方向を止水する扉体22と、一端側23a及び他端側23bにそれぞれ水道管24A,24Bが接続され、水道管24A,24Bを介した水道水圧によって扉体22を倒伏状態から起立状態まで回動させる水圧シリンダー23を備える防水扉30において、水圧シリンダー23の一端側23a及び他端側23bに接続される凍結防止管31,31A,31Bと、凍結防止管31,31A,31Bに設けられ、所定温度以下になると開状態となって水道管24A,24B内の水を凍結防止管31,31A,31Bから排出可能にする凍結防止弁32を備える。
【選択図】図2
Description
他方で、地球温暖化等の影響により局所的な集中豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)が発生し易くなっている。
地下に雨水が浸透し難いこのような都市において局所的な集中豪雨が発生すると、下水道に流れ込む雨水の量が下水道の計画機能を上回り易いので、下水道から水が溢れ出し、全国各地において毎年のように地下街等の水没や建物の床上・床下浸水といった甚大な被害が発生している。
図13及び図14の防水扉10は、収納体11と、扉体12と、シリンダー13を備え、マンション・ビル等の建物の出入口や地下鉄・地下街・地下駐車場等への出入口に設置される。
一方、降水量が所定量を越えた洪水時には、図14に示すように、扉体12が起立状態になって前後方向を止水する。
そして、ピストン13cがシリンダー13内で移動することでロッド13dが伸びて、これに伴い倒伏状態であった扉体12を起立状態にする。
シリンダー13は扉体12の重さや幅に応じて複数設けられてもよく、このように複数のシリンダー13がある場合には、洪水時において複数のシリンダー13が同時に作動してバランスよく扉体12を起立状態にする。
ここで、ジャッキハンドル式のシリンダー13は手動でジャッキハンドルを回すことで作動する。一方、電動式のシリンダー13は電力を用い、スイッチ操作により作動する。
そして、洪水時には扉体12が起立状態となるので、防水扉10が設置された出入口から建物等の内部への浸水を防止できる。
ジャッキハンドル式のシリンダー13を備える防水扉10の場合、手動でジャッキハンドルを回して扉体12を起立状態とするので、洪水とともに停電になったとしても停電の影響を受けず、確実に防水扉10を作動させることができる。
また、電動式のシリンダー13を備える防水扉10の場合、スイッチ操作のみで扉体12を起立状態とするので、力の無い女性やお年寄りであっても扉体12を起立状態にして洪水に対応可能である。
また、一般的に洪水時には停電になり易いが、電動式のシリンダー13の場合、停電になると作動しないという問題がある。
また、ジャッキハンドル式及び電動式の両方に共通する問題点として、グリースを定期的に交換する必要があるが、そのグリース交換は専門業者に依頼することが多いので、メンテナンスの費用が嵩んでしまう。
この防水扉20は、ジャッキハンドル式や電動式のシリンダー13に代えて、水圧シリンダー23により扉体22を回動させる。
これとは逆に、図16に示すように、切り替えスイッチ25を切り替えて水圧シリンダー23の他端側23bから水を注入すると、水圧によりピストン23cが水圧シリンダー23内で他端側23bから一端側23aに移動してロッド23dが縮む。これにより、起立状態であった扉体22が倒伏状態になる。
なお、収納体21や扉体22は図13及び図14の防水扉10のものと同じである。
また、電力を用いないので、洪水時に停電になっても確実に防水扉20を作動させることができる。
さらに、水圧シリンダー23は年一回、内部の水を排出するだけのメンテナンスで済むので、専門業者によるメンテナンスは不要になる場合が多く、メンテナンスの費用がほとんど掛からない。
また、凍結で水が膨張して水圧シリンダー23等が破損することがあり、水圧シリンダー23の破損に気付かずそれが放置されると、いざ洪水が発生したときにそれが夏であっても防水扉20が作動しない。
なお、凍結防止管は下流において一本にまとめられ、そのまとめられた一本の凍結防止管に一つの凍結防止弁が設けられてもよく、また複数の凍結防止管のそれぞれに凍結防止管が設けられてもよい。
よって、洪水が発生したときに、確実に防水扉を作動させることができる。
もちろん、水圧シリンダーによって扉体を回動させるので、スイッチ操作一つで扉体を自動的に起立状態とすることができる。また、水圧シリンダーは作動時に電力を用いないので、停電になっても扉体を確実に起立状態にすることができる。また、年一回、水圧シリンダー内部の水を排出するだけのメンテナンスで済むので、専門業者によるメンテナンスは不要で、メンテナンスの費用がほとんど掛からない。
また、凍結防止管の内径を水道管の内径よりも小さくしたので、凍結防止管からの排水を効率よく行うことができる。
この防水扉30は、主に収納体21と、扉体22と、水圧シリンダー23と、凍結防止管31,31A,31Bと、凍結防止弁32を備える。そして、防水扉30は建物や地下街等の出入口に設置され、集中豪雨等により洪水となった場合に建物等の内部への浸水を防止する。
なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
その内部には水圧シリンダー23等の防水扉30の構成部品が収納されている。
収納体21の左右方向の幅は、防水扉30が設置されている出入口の幅に略等しい。
倒伏状態において扉体22は出入口における床の一部であるので、通行人等が扉体22の上を通過する。よって、本実施形態では、扉体22に自動車が上を通過しても変形・破損しないだけの強度を持たせている。
一方、降水量が所定量を越えた洪水時には、図4に示すように、扉体22は起立状態となって前後方向(図4における左右方向)を止水する。なお、図4における扉体22の右側に水が溜まり、扉体22の左側に水が流れ込まないように堰き止める。一方、それとは逆に図4における左側に水を溜めるように防水扉30を設置する場合もある。
本実施形態では図1に示すように、一つの防水扉30について二つの水圧シリンダー23が設けられている。この二つの水圧シリンダー23は同時に作動してバランスよく扉体22を起立状態にする。
そして、水圧シリンダー23の一端側23a及び他端側23bにはそれぞれ軟質チューブ製の水道管24A,24Bが接続されている。この水圧シリンダー23は、水道管24A,24Bを介した水道水圧によってロッド23dを伸縮させ、扉体22を倒伏状態から起立状態まで回動させる。
凍結防止管31,31A,31Bの内径は、水道管24A,24Bの内径よりも小さい。
また、凍結防止管31,31A,31Bの最も上流部分(水圧シリンダー23に近い部分)には逆止弁33がそれぞれ設けられている。そして、凍結防止管31,31A,31Bの下流部分は排水路に通じている。
一方、開状態であった凍結防止弁32は外気温が4.4℃以上になると自動的に閉状態となり、水道管24A,24B内の水は凍結防止管31,31A,31Bから排出されなくなる。
本実施形態で用いた凍結防止弁32の作動温度差はこのように2.7℃であって、応答性に優れている。
このショックアブソーバー26によって、扉体22が起立状態になるとき、及び倒伏状態になるときの衝撃を低減させる。なお、起立状態及び倒伏状態の両方の衝撃を低減させることに限らず、例えば倒伏状態になるときの衝撃を低減させることができればよい。
そして、扉体22が起立状態となったときに、支持バー27が伸びて、扉体22の起立状態を確実に保持できるように水圧シリンダー23を補助する。つまり、支持バー27が伸びた状態において、ロック可能な構造になっている。
切り替えスイッチ25を「起立」側に倒すと(図4の状態)、水圧シリンダー23の一端側23aから水が注入される。これにより、水圧シリンダー23のピストン23cが一端側23aから他端側23bに移動してロッド23dが伸び、扉体22が起立状態となる。
一方、切り替えスイッチ25を「倒伏」側に倒すと(図5の状態)、水圧シリンダー23の他端側23bから水が注入される。これにより、水圧シリンダー23のピストン23cが他端側23bから一端側23aに移動してロッド23dが縮み、扉体22が倒伏状態となる。
また、切り替えスイッチ25を「凍結防止」にすると(図1及び図2の状態)、水圧シリンダー23の一端側23a及び他端側23bの両方に水圧が掛かる。このとき、ロッド23dの伸縮はない。
(1)所定温度以上の通常時
図2に示すように、操作盤28内の切り替えスイッチ25を手動で「凍結防止」に入れておき、水圧シリンダー23の一端側23a及び他端側23bの両方に水道水圧を掛けておく。基本的に、この状態で洪水の発生に備える。
このとき、凍結防止弁32は閉状態であるので、凍結防止管31には水が流れない。
図2に示す状態において外気温が下がって所定温度以下となると、図3に示すように、凍結防止弁32は自動的に開状態となる。それに伴って凍結防止弁32より下流に水道管24A,24B内の水がちょろちょろと流れ、その水は排水路に排出される。
水道管24A,24B内に水が滞留することを防止できればよく、この排出される水は最小限のものである。
図2に示す状態(所定温度以上のとき)において洪水が発生した場合には、図4に示すように、操作盤28内の切り替えスイッチ25を手動で「起立」に入れ、水圧シリンダー23の一端側23aから水が注入されるように水道水圧を掛ける。
これにより、扉体22は倒伏状態から起立状態になり、洪水を堰き止める。
なお、局所的な集中豪雨は冬にはあまり発生しないので、図4に示す状態が最も一般的な洪水発生時における防水扉30の作動である。
図4に示す状態を経て洪水が収まり、防水扉30を元の状態に戻すときには、図5に示すように、操作盤28内の切り替えスイッチ25を手動で「倒伏」に入れ、水圧シリンダー23の他端側23bから水が注入されるように水道水圧を掛ける。
これにより、扉体22は起立状態から倒伏状態になり、収納体21の蓋となる。
ここで、扉体22の起立状態において支持バー27がロックされているような場合には、切り替えスイッチ25操作の前に(なお、後であってもよい)そのロックを解除する必要がある。
図3に示す状態において洪水が発生した場合には、図6に示すように、操作盤28内の切り替えスイッチ25を手動で「起立」に入れ、水圧シリンダー23の一端側23aから他端側23bに水が流れるように水道水圧を掛ける。
これにより、扉体22は倒伏状態から起立状態になり、洪水を堰き止める。
なお、所定温度以下であるので凍結防止弁32が開状態であるが、凍結防止弁32よりも下流に設けられた手動バルブ37を締めておき、凍結防止管31からの水の流出を止めて、扉体22を起立状態とさせる。
凍結防止管31,31A,31Bから水が流れ出ているが、その量は水圧シリンダー23内を流れる水の量に比べてわずかであるので、問題なく扉体22は起立状態となる。
図6に示す状態を経て洪水が収まり、防水扉30を元の状態に戻すときは、図7に示すように、操作盤28内の切り替えスイッチ25を手動で「倒伏」に入れ、水圧シリンダー23の他端側23bから水を注入するように水道水圧を掛ける。
この場合も凍結防止弁32が開状態なので、手動バルブ37を締めてから扉体22を起立状態とさせる。
また、扉体22の起立状態において支持バー27がロックされているような場合には、切り替えスイッチ25操作の前に(後でもよい)そのロックを解除する必要がある。
よって、洪水が発生したときに、確実に防水扉30を作動させることができる。
次に図9と図10を参照して、本発明の第二実施形態に係る防水扉30を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、断水時にも防水扉30を作動可能にした点にあり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
なお、図9及び図10では凍結防止管31,31A,31B及び凍結防止弁32の記載を省略している。
そこで、本実施形態に係る防水扉30はそのような断水時であっても作動可能にした。
すなわち、図9のように切り替えスイッチ25を「起立」に入れた状態で水圧シリンダー23に空気を送り込むとロッド23dが伸び、図10のように切り替えスイッチ25を「倒伏」に入れた状態で水圧シリンダー23に空気を送り込むとロッド23dが縮む。
これにより、停電だけではなく断水となった場合でも、洪水に対応可能である。
次に図11と図12を参照して、本発明の第三実施形態に係る防水扉30を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、洪水時には防水扉30を自動的に作動可能にした点にあり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
また、図11及び図12では凍結防止管31,31A,31B及び凍結防止弁32の記載を省略している。
そして、図12に示すように、洪水になって容器35内に水が溜まると、その水にフロート36が浮いて切り替えスイッチ25が「起立」側に自動的に切り替わる。
この水圧シリンダー23のそれぞれに対して凍結防止管31,31A,31Bが設けられ、その下流において凍結防止管31,31A,31Bは一本にまとめられている。そして、そのまとめられた一本の凍結防止管31に一つの凍結防止弁32が設けられている。なお、複数の凍結防止管31,31A,31Bのそれぞれに凍結防止弁32を設けてもよい。
さらに、凍結防止管31,31A,31Bの内径を水道管24A,24Bの内径よりも小さくしている。それぞれの凍結防止管31,31A,31Bの内径は全て同じ大きさである。
これにより、水圧シリンダー23を複数有するような大型の防水扉30であっても凍結を防止し、確実に作動させることができる。
このように凍結防止管31,31A,31Bの内径を変えていることにより、排水が集まり易い左右方向中央部における排出量を低減でき、中央部及び端部側のいずれの箇所でも均等に排水することができる。
11 収納体
12 扉体
13 シリンダー
13a 一端側
13b 他端側
13c ピストン
13d ロッド
20 防水扉
21 収納体
22 扉体
23 水圧シリンダー
23a 一端側
23b 他端側
23c ピストン
23d ロッド
24A 水道管
24B 水道管
25 スイッチ
26 ショックアブソーバー
26a 一端側
26b 他端側
27 支持バー
27a 一端側
27b 他端側
28 操作盤
30 防水扉
31 凍結防止管
31A 凍結防止管
31B 凍結防止管
32 凍結防止弁
33 逆止弁
34 手動式空気入れ
35 容器
36 フロート
37 手動バルブ
Claims (3)
- 上方が開口した収納体と、
通常時には倒伏状態で前記収納体の蓋となるとともに、洪水時には起立状態で前後方向を止水する扉体と、
一端側及び他端側にそれぞれ水道管が接続され、前記水道管を介した水道水圧によって前記扉体を倒伏状態から起立状態まで回動させる水圧シリンダーを備える防水扉において、
前記水圧シリンダーの一端側及び他端側に接続される凍結防止管と、
前記凍結防止管に設けられ、所定温度以下になると開状態となって前記水道管内の水を前記凍結防止管から排出可能にする凍結防止弁を備えることを特徴とする防水扉。 - 前記水圧シリンダーを左右方向に複数配置し、前記凍結防止管を前記水圧シリンダーのそれぞれに対して設けるとともに前記凍結防止管の下流に前記凍結防止弁を設け、
しかも前記凍結防止管の内径を前記水道管の内径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の防水扉。 - 前記左右方向中央部の前記凍結防止管の内径を絞る内径調整機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載の防水扉。
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2012
- 2012-06-11 JP JP2012132039A patent/JP2013256764A/ja active Pending
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