JP2013255364A - ロックアウト装置 - Google Patents

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忠志 佐藤
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Abstract

【課題】断路器の操作装置のロック状態を維持した状態でグリス固着を解消することを可能にし、グリス固着に起因する動作不良の発生を低減する。
【解決手段】断路器を動作させる操作軸100に同軸に設けられ、外周の一部に切欠部10aを有する円板10と、切欠部10aに係合させて操作軸100の回転を規制するロック状態と切欠部10aから離間させて操作軸100の回転を許容するロック解除状態とに切り替えるロックレバー12と、ロックレバー12を回動自在に支持するピン14と、ロックレバー12を駆動させ、ロック状態とロック解除状態とに切り替える電磁ソレノイド16aとを備えるロックアウト装置1であって、ピン14は、ロックレバー12に対して独立して回転自在であり、ピン14を回転させる回転機構部18を更に設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、電力開閉器の一つである断路器に設けられたロックアウト装置に関する。
従来、変電所等には、変圧器、遮断器等の主要機器を送電路から切り離すための断路器が設けられている。また、断路器には、送電路からの切り離しを行うための操作装置が設けられており、更に、操作装置には、作業上の安全を確保するために操作装置のロック及びロック解除を行うロックアウト装置が備えられている。また、ロックアウト装置には、操作装置が外部から動作信号を受信した場合に、操作装置の動作を規制しているロックレバーを動作させることによってロック状態が自動的に解除されるものがある。
ところで、断路器は使用頻度が少ないため、ロックアウト装置の使用頻度も少ない。また、ロックアウト装置の動作させる機会として、例えば動作点検時においてロックアウト装置を動作させるが、ロックアウト装置の動作点検は数年に一度の割合で実施される。このように、ロックアウト装置は、実際に動作する機会が少ないことから、ロックレバーと、このロックレバーを回動可能に支持するピンとがグリス固着するおそれがある。グリス固着が発生すると、操作装置に動作信号が入力されてもロックレバーが動作しないためにロックが解除されない、という動作不良を起こすおそれがある。
そこで、従来、特許文献1に記載された技術のように、断路器動作時におけるロックアウト装置の動作時間及び動作電流を測定し、正常時と比較することでロックアウト装置の異常の有無を判別することが提案されている。
特開2008−3029号公報
特許文献1記載の技術によれば、ロックアウト装置の異常の有無を判別することができるものの、グリス固着を解消できるものではない。そこで従来においては、定期的にロックアウト装置を手動で動作させて、グリス固着を解消している。
しかしながら、手動でロックレバー等を動作させることは、操作装置のロック状態を一時的に解除することになる。このため、操作装置が誤作動しないように操作装置を別の方法でロックする作業を行う必要がある。このように、グリス固着を解消する作業には、多くの時間と手間がかかる。
本発明は、このような問題点を解決し、断路器の操作装置のロック状態を維持した状態でグリス固着を解消することを可能にし、グリス固着に起因する動作不良の発生を低減することを実現したロックアウト装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
(1) 断路器を動作させる操作軸に同軸に設けられ、外周の一部に切欠部を有する円板と、前記切欠部に係合させて前記操作軸の回転を規制するロック状態と前記切欠部から離間させて前記操作軸の回転を許容するロック解除状態とに切り替えるロックレバーと、前記ロックレバーを回動自在に支持するピンと、前記ロックレバーを駆動させ、前記ロック状態と前記ロック解除状態とに切り替える駆動部と、を備えるロックアウト装置であって、前記ピンは、前記ロックレバーに対して独立して回転自在であり、前記ピンを回転させる回転機構を更に設けたことを特徴とするロックアウト装置。
(1)によれば、ピンがロックレバーに対して独立して回転自在であるため、ロックレバーとピンとにおいてグリス固着が発生した場合、回転機構を手動又は自動で動作させることによって、操作装置のロック状態を維持した状態でピンを回転させることが可能になる。これにより、グリス固着が解消され、ロックレバーが回動可能になる。このように、グリス固着に起因する動作不良の発生を低減することが可能になる。
(2) (1)において、前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、前記回転機構は、前記操作箱の外部に設けられたハンドルと、当該ハンドルの回転を前記ピンに伝達する伝達機構とを備えることを特徴とするロックアウト装置。
(3) (2)において、前記伝達機構は、複数のギヤを歯合させることによって構成されることを特徴とするロックアウト装置。
(2)、(3)によれば、作業員が操作箱の外部に設けられたハンドルを回転させることにより、ハンドルの回転に連動してピンが回転する。これにより、例えば、操作箱の扉を開閉することなくピンを回転させることが可能になり、グリス固着を解消するための作業員の作業負担を低減させるとともに、グリス固着に起因するロックアウト装置の動作不良の発生を低減させることが可能になる。
(4) (1)において前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、前記回転機構は、前記操作箱の内部に設置され、電源を供給することによって回転駆動するモータ部と、前記モータ部に所定の期間ごとに電源を供給するタイマ部と、前記モータ部の回転を前記ピンに伝達する伝達機構とを備えることを特徴とするロックアウト装置。
(4)によれば、タイマ部が所定の期間ごとにモータ部を回転駆動させることにより、それに連動してピンが回転するため、ロックレバーとピンとのグリス固着が解消される。このため、作業員がロックレバーを手動で動作させてグリス固着を解消する、といった作業を行うことなく、グリス固着に起因するロックアウト装置の動作不良の発生を低減させることが可能になる。
(5) (1)において、前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、前記回転機構は、一端部が前記ピンに固定されるとともに巻線され、他端部が操作箱の外部に引っ張り操作可能に配置されたワイヤ部材を備えることを特徴とするロックアウト装置。
(5)によれば、ピンにワイヤ部材を固定しかつ巻き付けるという簡単な構成で、ピンを回転するための機構を実現できる。また、ワイヤを引っ張るという簡単な操作によってピンが回転し、ロックレバーとピンとのグリス固着が解消される。これにより、例えば、操作箱の扉を開閉することなくピンを回転させることが可能になり、グリス固着を解消するための作業員の作業負担を低減させることが可能になる。
(6) (1)〜(5)において、前記ピンは、前記ロックレバーが前記切欠部に入り込む回動方向にのみ回転することを特徴とするロックアウト装置。
(6)によれば、ピンは、ロックレバーが切欠部に入り込む回動方向にのみ回転するため、ピンとロックレバーとがグリス固着した状態でピンを回転させた場合に、ロックレバーが切欠部から離間してロック解除状態となることが防止される。
本発明によれば、グリス固着を容易に解消することを可能にし、グリス固着に起因する動作不良の発生を低減することを実現したロックアウト装置を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態におけるロックアウト装置の要部構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態におけるロックアウト装置の要部構成を示す平面図である。 ロックレバー12及び支持部22の構成を示す側面図である。 延在片22bにおけるピン14付近の構成を示す平面図である。 本発明の第2実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。 本発明の第3実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。 本発明の第4実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態におけるロックアウト装置の要部構成を示す平面図である。
ロックアウト装置1は、断路器(図示せず)を動作させる操作軸100のロック及びロック解除を行うものであり、円板10と、ロックレバー12と、ピン14と、駆動部16と、回転機構に相当する回転機構部18と、操作箱20と、を備えている。
円板10は、操作軸100に同軸に固定され、円板10の外周の一部に切欠部に相当する切欠部10aが形成されている。
ロックレバー12は、一端部が回動可能に設置され、他端部が一端部を支点として回動することによって切欠部10aに係合及び離間する長尺の部材である。
ピン14は、ロックレバー12の一端部を回動可能に支持する円柱状部材であり、ロックレバー12に対して独立して回転自在である。また、ピン14の軸方向は、操作軸100の軸方向に対して平行である。
駆動部16は、ロックレバー12を駆動させ、ロックレバー12の他端部が回動によって切欠部10aに係合するロック状態と、切欠部10aから離間するロック解除状態とに切り替えるものであり、電磁ソレノイド16aと、リンク機構16bとを備えている。ここで、ロック状態とは、操作軸100の回転が規制されている状態であり、ロック解除状態とは、操作軸100が回転自在である状態を指す。
また、駆動部16において、電磁ソレノイド16aは、電源のオンオフによって突出及び引込を行うソレノイド軸を備えている。リンク機構16bは、ソレノイド軸の動作をロックレバー12に伝達するものであり、一端部において電磁ソレノイド16aのソレノイド軸と連結し、他端部においてロックレバー12に連結している。本実施形態によれば、リンク機構16bは、ロックレバー12を挟むように配置される2本のアーム16c(図1、図3参照)を備えており、アーム16cの端部に、円板10の径方向に長い長孔16dが形成されている。この長孔16dに、ロックレバー12の中央部に立設しているシャフト12aが遊嵌することによって、リンク機構16bとロックレバー12とが連結している。
回転機構部18は、ハンドル18aと、ハンドル18aの回転をピン14に伝達する伝達機構18bを備えている。ハンドル18aは、操作箱20の外部に設けられており、作業員の手動操作によって回転される。ハンドル18aが回転すると、その回転が伝達機構18bによってピン14に伝達されることによって、ピン14が軸周りに独立して回転する。
操作箱20は、円板10、ロックレバー12、ピン14、駆動部16、回転機構部18、支持部22及び操作軸100の一部を収納している。
支持部22は、操作箱20の内壁に固定され、ロックレバー12の一端部をピン14によって回動可能に支持する。
また、操作箱20は、制御装置110を収納している。制御装置110は、変電所の管理室(図示せず)の制御装置からの制御信号を受信した場合に、その制御信号にしたがって所定の処理を行う。
例えば、図1に示すように、ロックアウト装置1がロック状態の場合に、管理室(図示せず)からロック解除を指示する制御信号が制御装置110に送信されると、制御装置110は、電磁ソレノイド16aに供給する電源をオンに切り替える。これにより、電磁ソレノイド16aが作動してロックレバー12が回動し、図2に示すように、ロックレバー12と切欠部10aとの係合が解除され、ロックアウト装置1がロック解除状態になる。
図3は、ロックレバー12及び支持部22の構成を示す側面図である。
ロックレバー12は、シャフト12aと、レバー板12b、12cと、係合ピン12dと、付勢用ピン12eとを備えている。
シャフト12aは、ロックレバー12の中央部に立設する円柱状部材である。レバー板12b、12cは、略矩形の長尺の板状部材からなり、中央部及び両端部に孔部が形成されている。係合ピン12dは、レバー板12b、12cにおける他端部の孔部に嵌合する円柱状部材である。付勢用ピン12eは、レバー板12b、12cにおける中央部の孔部と他端部の孔部との間に所定部位に配置される棒状部材である。
そして、ロックレバー12は、レバー板12b、12cを所定の間隔を空けて配置し、中央部の孔部にシャフト12aを嵌合し、他端部の孔部に係合ピン12dを嵌合し、更に、レバー板12b、12cの間に付勢用ピン12eを配置し、レバー板12b、12cにシャフト12a、係合ピン12d及び付勢用ピン12eを固定することによって構成される。なお、レバー板12b、12cの間隔は、円板10の厚さよりも大きくなるように設定されている。
シャフト12a及び係合ピン12dの両端部は、レバー板12b、12cの外側の板面から突出しており、このシャフト12aの両端部に一対のアーム16c、16cの長孔16d、16d(図1参照)がそれぞれ連結される。
支持部22は、固定板22aと、2枚の延在片22b、22cとを備えている。固定板22aは、操作箱20の内側に固定される板材である。2枚の延在片22b、22cは、板面が互いに対向するように所定の間隔を空けた状態で、固定板22aの板面上から垂直に立設している。ここで、2枚の延在片22b、22cの間隔は、2枚の延在片22b、22cの間にレバー板12b、12cが挿入可能な大きさに設定されている。
また、2枚の延在片22b、22cの端部には、ピン14が遊嵌可能な大きさの孔部が形成されている。更に、延在片22cには付勢用ピン22dが固定されており、付勢用ピン22dは、延在片22cの内側の板面から突出している。また、延在片22bには、伝達機構18bの一部が設置されている。なお、シャフト12a、係合ピン12d、付勢用ピン12e、付勢用ピン22d及びピン14は互いに平行である。
ロックレバー12を支持部22に設置する際には、まず、延在片22b、22cの内側にワッシャ22e、22eを配置するともに、レバー板12b、12cの一端部を、延在片22b、22cの間に挿入して、レバー板12b、12cの一端部の孔部と、ワッシャ22e、22eの孔部と、延在片22b、22cの端部の孔部とを一致させる。更に、レバー板12b、12cの間にトーションばね24を配置する。そして、ピン14を、延在片22bの孔部に差し込み、ピン14にトーションばね24のコイル状の部分を通して、延在片22cの孔部から突出させる。この時、トーションばね24の両端部が開く方向に付勢するようにトーションばね24を弾性変形させた状態で、トーションばね24の一端部を付勢用ピン12eに当接させ、トーションばね24の他端部を付勢用ピン22dに当接させる。
最後に、延在片22b、22cから突出しているピン14の両端部に形成されている貫通孔14a(図4参照)に、それぞれ割ピン50(図4参照)を差し込み、割ピン50(図4参照)の端部をピン14に巻き付けるように変形させる。これにより、ロックレバー12が支持部22に設置される。このとき、ピン14は、支持部22及びロックレバー12に対して独立して回転自在である。
ロックレバー12が支持部22に設置された場合、図1に示すように、係合ピン12dは、切欠部10aの近傍に位置づけられる。このとき、ロックレバー12は、トーションばね24によって係合ピン12dが切欠部10a側に回動するように付勢されているため、通常は、係合ピン12dが切欠部10aに係合した状態、すなわちロック状態に維持される。なお、ロックレバー12が切欠部10aに向う回動方向をロック方向、ロックレバー12が切欠部10aから離間する方向をロック解除方向と称することにする。
次に、伝達機構18bの構成について、図3を参照しながら説明する。
伝達機構18bは、ギヤ30、32と、ベベルギヤ34、36と、回転軸38とを備えている。
ギヤ30は、ピン14の上端面に同軸に固定されている。
回転軸38は、延在片22bに軸受(図示せず)を介して回転自在に設置されている。また、回転軸38は、延在片22bの外側の板面から垂直に延びており、回転軸38の軸方向はピン14に対して平行である。
ギヤ32は、回転軸38の中央部に固定されており、ギヤ30に歯合する。ベベルギヤ34は、回転軸38の先端部に、ギア面を上方に向けて固定されている。すなわち、ギヤ32とベベルギヤ34とは連動する。ベベルギヤ36は、ハンドル18aの回転軸40の先端部に固定されており、ベベルギヤ34に歯合する。
これにより、作業員がハンドル18aを回転させると、その回転は、ベベルギヤ36、ベベルギヤ34、ギヤ32及びギヤ30を介してピン14に伝達され、ピン14が独立して回転する。
図4は、延在片22bにおけるピン14付近の要部構成を示す平面図である。なお、図4においては、伝達機構18bの図示を省略している。
延在片22bには、ピン14の側方に回転片52と、規制ピン54とが設けられている。回転片52は、略矩形の板状部材と板状部材の中央部に形成された回転軸とを備えたものであり、回転片52が回転軸周りに回転する。なお、回転片52の回転軸は、ピン14の軸方向に平行である。
また、ピン14の側面から割ピン50の頭部50aが突出しており、ピン14が回転した場合の頭部50aの軌跡上に回転片52が配置され、かつ頭部50aの軌跡の外側に回転片52の回転軸が配置されている。
規制ピン54は、回転片52の回転軸の近傍に立設されている。この規制ピン54は、回転片52の板状部材に当接し、回転片52の回転を規制するものである。
次に、回転片52の動作について説明する。まず、図4(a)に示すように、割ピン50の頭部50aが回転片52から離れた位置にあるとする。この状態において、作業員がハンドル18aを回転させることによって、ピン14がロック方向に回転すると、図4(b)に示すように頭部50aが回転片52に当接する。更に、作業員がハンドル18aを回転させてピン14をロック方向に回転させると、頭部50aが回転片52を押すことによって回転片52が回転し、やがて、頭部50aが回転片52を通過する。このように、ピン14のロック方向への回転は許容される。
また、図4(a)に示す状態から、作業員がハンドル18aを逆回転させることによって、ピン14がロック解除方向に回転すると、図4(c)に示すように頭部50aが回転片52に当接する。更に、作業員がハンドル18aを逆回転させてピン14をロック解除方向に回転させると、頭部50aが回転片52を押すことによって回転片52が回転し、やがて、回転片52が規制ピン54に当接して回転片52の回転が規制される。このため、頭部50aの移動が規制され、ピン14のロック解除方向への回転が規制される。
ところで、ロックアウト装置1は実際に動作する機会が少ないことから、ロックレバー12と、ピン14とがグリス固着するおそれがある。グリス固着が発生すると、制御装置110に動作信号が入力されてもロックレバー12が動作しないためにロックが解除されない、という動作不良を起こすおそれがある。
そこで、本実施形態によれば、例えば、動作点検前といった所定の時期に、作業員がハンドル18aを回転することによって、ピン14を回転させる。この時、ピン14が独立して回転するため、ロックレバー12とピン14とがグリス固着している場合には固着状態が解除され、ロックレバー12はピン14を軸に回動自在になる。
また、ロックレバー12とピン14とのグリス固着が強固な場合には、ピン14を回転させた際に、ロックレバー12がピン14の回転にしたがって回動するおそれがある。本実施形態によれば、回転片52を設け、ピン14がロック解除方向に回転することを規制し、ロック方向に回転することを許容している。このため、作業員がハンドル18aを回転した場合に、ピン14にグリス固着したロックレバー12が、ピン14の回転に連動してロック解除方向に回動し、切欠部10aから離間してロック解除状態になってしまうことを確実に防止することが可能になる。
なお、図4に示す、ピン14の回転を規制するための機構においては、割ピン50の頭部50aを回転片52に当接させているが、それに限るものではなく、頭部50aの代わりに突起を形成してもよい。また、このような突起を複数形成することにより、ピン14におけるロック解除方向の回転量を小さくすることが可能になり、ロックレバー12がロック解除方向に回動することを抑制することが可能になる。
以上、説明したように構成された第1実施形態によれば、ピン14がロックレバー12に対して独立して回転自在であるため、ロックレバー12とピン14とにおいてグリス固着が発生した場合、ハンドル18aを操作することによって、操作軸100のロック状態を維持した状態でピン14を回転させることが可能になる。これにより、グリス固着が解消され、ロックレバー12が回動可能になる。このように、グリス固着に起因する動作不良の発生を低減することが可能になる。
また、第1実施形態によれば、作業員が操作箱20の外部に設けられたハンドル18aを回転させることにより、ハンドル18aの回転に連動してピン14が回転する。これにより、操作箱20の扉を開閉する必要がなくなる等、グリス固着を解消するための作業員の作業負担を低減させることが可能になるとともに、グリス固着に起因するロックアウト装置の動作不良の発生を低減させることが可能になる。
また、第1実施形態によれば、ピン14は、ロックレバー12が切欠部10aに入り込む回動方向にのみ回転するため、ピン14とロックレバー12とがグリス固着した状態でピン14を回転させた場合に、ロックレバー12が切欠部10aから離間してロック解除状態となることが防止される。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。
図5に示す第2実施形態におけるロックアウト装置1は、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1において伝達機構18bの構成が異なっており、それ以外の構成は、第1実施形態のロックアウト装置1と同一である。なお、第2実施形態におけるロックアウト装置1において、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1における部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略している。
第2実施形態におけるロックアウト装置1の伝達機構18bは、ギヤ30、ベベルギヤ34、36と、回転軸38と、ギヤ42、ギヤ付ベルト44とを備えており、図3に示す第1実施形態におけるギヤ32の代わりに、ギヤ32よりも小径でかつギヤ30に歯合しないギヤ42(図5参照)が回転軸38に設けられおり、更に、図5に示すように、ギヤ30とギヤ42とにギヤ付ベルト44が架設されている。
これにより、作業員がハンドル18aを回転させると、その回転は、ベベルギヤ36、ベベルギヤ34を介してギヤ42に伝達され、ギヤ42の回転がギヤ付ベルト44によってギヤ32に伝達されることにより、ピン14が回転する。
以上、説明したように構成された第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。特に、第2実施形態は、ハンドル18aからピン14までの距離が長い場合に、多くのギヤを用いる必要がなくなり、その分、低コスト化を図ることが可能になる。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。
図6に示す第3実施形態におけるロックアウト装置1は、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1において、回転機構部18の構成が異なっており、それ以外の構成は、第1実施形態のロックアウト装置1と同一である。なお、第3実施形態におけるロックアウト装置1において、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1における部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略している。
第3実施形態におけるロックアウト装置1の回転機構部18は、モータ部に相当するモータ46と、ギヤ48とを備えており、図3に示す第1実施形態におけるハンドル18a及び伝達機構18bの代わりに、図6に示すように、ギヤ48をピン14の下端面に同軸に固定し、更にこのギヤ48の近傍にモータ46を設置し、ギヤ48に、モータ46の回転軸に固定されているギヤを歯合させた構成である。なお、モータ46は制御装置110に接続されており、制御装置110によって回転駆動、回転停止の制御が行われる。
制御装置110は、電磁ソレノイド16a(図1参照)やモータ46の駆動制御等、ロックアウト装置1全体の制御を行うCPU112、電磁ソレノイド16aやモータ46の駆動させるためのプログラムやCPU112をタイマ部として機能させるプログラムが記憶されているROM114が備えられている。
CPU112は、ROM114の所定の記憶領域に記憶している現在時間のデータを一定時間ごとに一定値ずつ(例えば、1秒ごとに1ずつ)加算することによって、タイマ部として機能する。そして、CPU112は、ROM114の所定の記憶領域の値が所定の値になった場合に、モータ46に電源を一定時間供給する制御を行う。
モータ46は、電源が供給されることによって回転軸を回転させる。この回転軸の回転がギヤ48に伝達されることによってピン14が回転する。なお、CPU112は、モータ46に電源を供給する制御を行った場合に、ROM114の所定の記憶領域の値をクリアにしてタイマ部のリセットを行う。
以上、説明したように構成された第3実施形態によれば、タイマ部が所定の期間(例えば、半年間)を計時するごとに、CPU112がモータ46を回転駆動させる制御を行う。モータ46が回転すると、それに連動してピン14が独立して回転するため、ロックレバー12とピン14とのグリス固着が解消される。このため、作業員がグリス固着を解消する作業を行うことなく、グリス固着に起因するロックアウト装置1の動作不良の発生を低減させることが可能になる。
なお、上述した第3実施形態においては、タイマが計時した期間に基づいてモータ46を起動させているが、それに限らず、例えば、変電所の管理室(図示せず)の制御装置から送信される制御信号に基づいてモータ46を起動させてもよい。
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態におけるロックアウト装置1の要部構成を示す側面図である。
図7に示す第4実施形態におけるロックアウト装置1は、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1において、回転機構部18の構成が異なっており、それ以外の構成は、第1実施形態のロックアウト装置1と同一である。なお、第4実施形態におけるロックアウト装置1において、図1〜図4に示す第1実施形態のロックアウト装置1における部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略している。
第4実施形態におけるロックアウト装置1の回転機構部18は、ワイヤ60を備えている。
第4実施形態におけるロックアウト装置1の回転機構部18は、図3に示す第1実施形態におけるハンドル18a及び伝達機構18bの代わりに、図7に示すように、割ピン50の頭部50aにワイヤ60の一端部を固定し、ワイヤ60をピン14にロック解除方向に巻き付けたものである。このワイヤ60の他端部は、操作箱20の外部に引っ張り操作可能に配置されている。そして、操作箱20の外部からワイヤ60を引っ張ることによって、ピン14がロック方向に回転する。
なお、ワイヤ60を引っ張るための機構としては、図1に示すように、ハンドル18aを用いて手動で引っ張るようにしても、図6に示すように、操作箱20の内部にモータ46を設け、このモータ46を用いて引っ張るようにしてもよい。
以上、説明したように構成された第4実施形態によれば、ピン14にワイヤ60を固定しかつ巻き付けるという簡単な構成で、ピン14を回転するための機構を実現できる。また、ワイヤ60を引っ張るという簡単な操作によってピン14がロック方向に回転するため、ロックレバー12とピン14とのグリス固着が解消される。このため、グリス固着を解消するための作業員の作業負担を低減させることが可能になるとともに、グリス固着に起因するロックアウト装置1の動作不良の発生を低減させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、ピン14が操作軸100の軸方向に対して平行であり、ロックレバー12が円板10の径方向に沿って回動しているが、それに限らず、ピン14が操作軸100の軸方向に対して垂直であり、操作軸100の軸方向に沿って回動させ、ロックレバー12の他端部を上下方向に移動させる機構であってもよい。
また、第1実施形態においては、延在片22bに回転片52と規制ピン54とを設けて、ピン14の回転方向が、ロックレバー12が切欠部10aに向かう方向に沿っている場合にのみ、ピン14が回転することを許容する機構を実現しているが、それに限らず、例えば、ハンドル18aが一方向のみに回転するようにしてもよい。すなわち、ピン14が一方向、すなわちロックレバー12が切欠部10aに向かう方向にのみ回転可能となる構成であれば、適用可能である。
1 ロックアウト装置
10 円板
10a 切欠部
12 ロックレバー
12a シャフト
12b、12c レバー板
12d 係合ピン
12e 付勢用ピン
14 ピン
16 駆動部
16a 電磁ソレノイド
16b リンク機構
16c アーム
16d 長孔
18 回転機構部
18a ハンドル
18b 伝達機構
20 操作箱
22 支持部
22a 固定板
22b、22c 延在片
22d 付勢用ピン
22e ワッシャ
24 トーションばね
30、32、42、48 ギヤ
34、36 ベベルギヤ
38、40 回転軸
44 ギヤ付ベルト
46 モータ
50 割ピン
50a 頭部
52 回転片
54 規制ピン
60 ワイヤ
100 操作軸
110 制御装置
112 CPU
114 ROM

Claims (6)

  1. 断路器を動作させる操作軸に同軸に設けられ、外周の一部に切欠部を有する円板と、
    前記切欠部に係合させて前記操作軸の回転を規制するロック状態と前記切欠部から離間させて前記操作軸の回転を許容するロック解除状態とに切り替えるロックレバーと、
    前記ロックレバーを回動自在に支持するピンと、
    前記ロックレバーを駆動させ、前記ロック状態と前記ロック解除状態とに切り替える駆動部と、を備えるロックアウト装置であって、
    前記ピンは、前記ロックレバーに対して独立して回転自在であり、
    前記ピンを回転させる回転機構を更に設けたことを特徴とするロックアウト装置。
  2. 前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、
    前記回転機構は、前記操作箱の外部に設けられたハンドルと、当該ハンドルの回転を前記ピンに伝達する伝達機構とを備えることを特徴とする請求項1記載のロックアウト装置。
  3. 前記伝達機構は、複数のギヤを歯合させることによって構成されることを特徴とする請求項2記載のロックアウト装置。
  4. 前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、
    前記回転機構は、
    前記操作箱の内部に設置され、電源を供給することによって回転駆動するモータ部と、
    前記モータ部に所定の期間ごとに電源を供給するタイマ部と、
    当該モータ部の回転を前記ピンに伝達する伝達機構とを備えることを特徴とする請求項1記載のロックアウト装置。
  5. 前記円板、前記ロックレバー、前記ピン及び前記駆動部を収納する操作箱を更に備え、
    前記回転機構は、一端部が前記ピンに固定されるとともに巻線され、他端部が操作箱の外部に引っ張り操作可能に配置されたワイヤ部材を備えることを特徴とする請求項1記載のロックアウト装置。
  6. 前記ピンは、前記ロックレバーが前記切欠部に入り込む回動方向にのみ回転することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のロックアウト装置。
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