JP2013253967A - 金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの製造方法 - Google Patents

金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属棚や金属箱、引出し、金庫、金属机等の広い面上の空間でも直交する3方向の磁界を発生させることができる金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの製造方法を提供する。
【解決手段】平板状の磁性体6と、磁性体6に複数巻回される第一のコイルLxと、第一のコイルLxと直交するように磁性体6に複数巻回される第二のコイルLyと、を備え、第一のコイルLx及び第二のコイルLyは、複数巻回されるコイルに流れる電流の振幅及び又は位相差により隣り合う巻線の間から磁界が形成されるように間隔をあけて磁性体6に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
【選択図】図14

Description

本発明は、金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの製造方法に関するものである。詳しくは、コイルによる磁界を用いたRFID(Radio Frequency IDentification)タグ用のセンサを主に金属面上で用いるためのセンサで、どの方向を向いたRFIDタグでも感知できるセンサシステムに関する。
非接触IC(Integrated Circuit)カード(以下、単にカードともいう)並びにICとコイルを用いたRFIDタグ(以下、単にタグともいう)やこれらの情報を検知するためのセンサは高周波振動による電磁界を用いており、RFIDタグに用いられるコイル(以下、タグコイルともいう)の中心部を通る磁界により、即ちコイルと鎖交する磁束により感応するように作られているため、タグコイルの向きによってセンサと感応しない不感方向が発生する。また特にセンサが金属面近くに設置されると影像効果(イメージ効果)による逆相の誘導電流の惹起により電界や磁界が打ち消され、タグとセンサの相互の通信が著しく損なわれる。
金属面と平面形RFIDタグ用のセンサコイルとの間に磁気シートを挟み、磁界の逃げ場を作るものもあるが、金属による逆相電流の悪い影響は磁性体比透磁率μの大きなものあるいは磁性体の厚みが厚いものを使わない限り取除けない。
また、x,y,z方向に磁極を持つようにして、コイルを3方向に巻いたタグもあるが、コイルを通る磁束を3方向に受けられるようにしたもので、金属対応のものでもない。また、立体的な構造となるためのセンサ系の用途には使用が困難となる。
このほか、コイルの枠の大型なものを作り、x,y,zの3方向に磁界が発生するようにして、このコイルの中側にタグを置いて、センシング(検知)するものも考えられている。この場合は、コイルの枠が大きくなるし、金属が床や壁に存在するとその影響を受けたり、コイルの枠の中に対象物やタグを配置しなければならないため、コイルが邪魔になり、収納が不便であったり不可能であったり、タグが取付けられる品物がコイルの枠体より小さくなければならない等の不自由さがあった。
また、金属面に沿った方向と垂直方向に磁界を発生させる仕組みのセンサやタグも発明されているが、どの方向でも磁界を発生させたり、受信させたりする方式ではない(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3121577号公報
金属棚や金属箱、金属机等の上に置かれた品物に取付けられるタグをセンシングする場合には、金属棚や金属箱の中に直接取付けられるセンサが必要で、直接センサを取付けても感度の低下や劣化が生じないようなものでなければならない。
しかも、センサの厚みが厚いものであると、この上に乗せる物の収容量が減ることになるので、センサの厚みは薄い方が望ましい。
タグがどの方向を向いていてもどの方向の磁界でも、それに対応できる磁界がセンサ側から発生していればセンサとタグとの結合が自由にできる。
しかし、センサコイルの軸方向に置かれたタグは一般に検出できるが、センサコイルの外部の磁界を利用するものは一般には検出の感度が弱くなり、センサコイルとの通信が取り難い。
また、タグの方向が定まらずタグが取付けられている品物の下部、あるいは上部あるいは側部に付けられた場合、タグの方向が定まっていないので、センサは全方向の磁界を発生したり、受信したりしなければならない。
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、コイルの枠内にタグを収納するものでもなく、基本的にはコイルの枠外の磁界を利用し、金属面の近くで行うタグとの通信においても金属面を気にすることなく、金属棚や金属箱、引出し、金庫、金属机等の広い面上の空間でも直交する3方向の磁界を発生させることができる金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は下記の構成を備えることにより、上記課題を解決できるものである。
(1)平板状の磁性体と、前記磁性体に複数巻回される第一のコイルと、
前記第一のコイルと直交するように前記磁性体に複数巻回される第二のコイルと、を備え、前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、前記複数巻回されるコイルに流れる電流の振幅及び又は位相差により隣り合う巻線の間から磁界が形成されるように間隔をあけて前記磁性体に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(2)前記(1)に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記磁性体の片側の面に金属板を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(3)平板状の磁性体と、前記磁性体に複数巻回される第一のコイルと、
前記第一のコイルと直交するように前記磁性体に複数巻回される第二のコイルと、前記第一のコイル及び前記第二のコイルに直交し、前記磁性体の片側の面に渦巻き状に形成される第三のコイルと、を備え、前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、前記複数巻回されるコイルに流れる電流の振幅及び又は位相差により隣り合う巻線の間から磁界が形成されるように間隔をあけて前記磁性体に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(4)前記(3)に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第三のコイルが形成された面とは反対側の前記磁性体の面に金属板を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(5)前記(2)又は(4)に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルは絶縁され、絶縁された前記第一のコイル及び前記第二のコイルが前記金属板に絶縁体を介して接することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(6)前記(2)又は(4)に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルと前記金属板との間に磁性体を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルが、直径0.1〜1mmの線状の巻線で構成され、前記磁性体に複数回並列に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(8)前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルが、幅0.5〜10mmの金属帯状部材で構成されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(9)前記(3)又は(4)に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第三のコイルは、無給電コイルとコンデンサによるLCの共振をとることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(10)前記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、それぞれ別々に給電されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(11)前記(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記磁性体と前記第一のコイルとの間にプラスチックや紙のスペーサを備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(12)前記(1)乃至(11)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記磁性体の両端部又は中心部に、コイルとコンデンサによる共振回路を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(13)前記(1)乃至(12)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、前記磁性体の上部のプラスチック板と、前記プラスチック板を支えるためのスペーサと、を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(14)前記(3)、(4)及び(9)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサと、前記第一のコイル、前記第二のコイル及び前記第三のコイルに別々に電力を供給する給電部と、別々に整合を取るための整合器と、を備えることを特徴とするセンサシステム。
(15)前記(2)、(4)及び(6)のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサと、別々に整合を取るための整合器と、前記金属面用多極磁界センサで検知した情報を読み取るリーダライタを備え、前記リーダライタから前記整合器までを同軸ケーブルで接続して給電を行い、グランド側は前記金属板に近い前記第一のコイル又は前記第二のコイルに接続し、前記磁性体の中心部側はコンデンサや前記整合器を介して、前記金属板側と反対側の前記磁性体の上部の前記第一のコイル又は前記第二のコイルの端に接続することを特徴とするセンサシステム。
(16)前記(15)に記載のセンサシステムにおいて、前記同軸ケーブルのグランド側を前記金属板の面と同一ポテンシャルにし、又は、コンデンサ系を介して接地することを特徴とするセンサシステム。
(17)前記(15)又は(16)に記載のセンサシステムにおいて、前記第一のコイル及び前記第二のコイルに給電する構造として、前記同軸ケーブルで前記第一のコイル及び前記第二のコイルの中心部に給電部を設ける場合は、前記第一のコイル及び前記第二のコイルの両端を前記同軸ケーブルの外部導体側と前記金属板の面とを接続しグランドとする構造を有し、前記第一のコイル及び前記第二のコイルの両端に給電する場合には前記中心部をグランドとする構造と、を有することを特徴とするセンサシステム。
(18)前記(14)又は(17)に記載のセンサシステムにおいて、前記給電部及び前記整合器を前記金属面用多極磁界センサのコーナーや片側に設置し、また、上又は下にL字形に設け、共振用コンデンサや整合用コンデンサを設けることを特徴とするセンサシステム。
(19)前記(15)乃至(18)のいずれか1項に記載のセンサシステムが、前記金属面用多極磁界センサで検知した情報を読み取るリーダライタを備え、且つ該リーダライタに接続されるコンピュータを備え、前記リーダライタの信号を前記コンピュータで管理することを特徴とするセンサシステム。
(20)前記(1)乃至(13)のいずれか1項に記載の金属板用多極磁界センサを備え、前記金属板用多極磁界センサを複数並べ、非接触ICカード又はRFIDタグを有する商品の情報を読み取ることを特徴とするセンサシステム。
(21)断面矩形筒状のプラスチック部材に隣り合う巻線を間隔をあけて複数巻回し第一のコイルを形成して第一の箱体を形成する工程と、断面矩形筒状のプラスチック部材に隣り合う巻線を間隔をあけて複数巻回し第二のコイルを形成して第二の箱体を形成する工程と、プリント基板やプラスチック部材の面上に渦巻き状の第三のコイルを形成する工程と、平板状の磁性体を前記第一の箱体に挿入する工程と、前記磁性体が挿入された前記第一の箱体を、前記第一のコイルと前記第二のコイルとが直交するように前記第二の箱体に挿入する工程と、前記第一の箱体が挿入された前記第二の箱体の面上に、前記第三のコイルが形成されたプリント基板やプラスチック部材を貼り付ける工程と、前記第三のコイルが形成されたプリント基板やプラスチック部材を貼り付けた面とは反対側の前記第二の箱体の面に金属板を貼り付ける工程と、を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサの製造方法。
本発明によれば、金属棚や金属箱、引出し、金庫、金属机等の広い面上の空間でも直交する3方向の磁界を発生させることができる。
また、金属面に沿う電流や磁流を励振し、かつ金属面を積極的に利用して、影像(イメージ)を作り、感度を上げ、どの方向の磁界でも励振できるようなコイルを配置し、コイルのコアに透磁率μの高い磁性体を用いることにより、コイルの高さ即ち磁路を構成する磁性体の厚み、即ちコイルの断面積が小さくても比透磁率μの大きなものにより、等価的にμ倍の断面積の大きい中空コイルと同等の磁束を得ることができる。
また、厚さ0.1mmから15mm前後の磁性体の板に直角に巻かれたコイルによりコイルの軸方向の磁界、即ち磁性体の厚みに沿った水平磁界(磁束)と、これによる外部の水平磁界(磁束)とコイルの線間から磁性体の表面部分に発生する垂直磁界が得られると、金属棚の厚みや金属箱の厚み、金属机の上や横の空間をセンサの大きさで埋めることなく、薄いセンサ形状のまま上部に直交する磁界空間を作り、ごく自然な形で直交する磁界を外部に発生するセンサを設置することができる。センサは一般には金属棚や金属箱の面に載せるような形で取付けることができるが、場合によっては側面の金属面に取付けたり、上から覆せるようにして金属箱や金属トレイの中にある金属対応タグが取付けられたりしている品物を識別する目的にも用いることができる。
このようにコイルの枠内にタグを収納するものでもなく、基本的にはコイルの枠外の磁界を利用し、金属面の近くで検知を行うセンサとタグとの通信も、金属面の存在を気にすることなく、金属棚や金属箱、引出し、金庫、金属机等の広い面上の空間でも直交する磁界を発生させることができる。
即ち、本発明によれば、金属棚や金属箱等の金属面上に置かれる、タグが取付けられた品物の品種を見分ける場合、本発明に係る金属面用多極磁界センサであるコイルを巻かれた薄い平板状磁性体センサを品物と金属面の間に挿入し、金属面による感度の劣化なしにタグの情報を読み取ることができる。これにより、タグが置かれる方向と関係なく、センサの場所もとらず、かつ金属面による影像(イメージ)を利用し、センサ感度の劣化もなく、どんな条件下の使用にも対応でき、従来の難解なRFID用センサの問題を解決し、容易に使用できる金属面用多極磁界センサ、センサシステム及び金属面用多極磁界センサの方式と製造方法を提供することができる。
(a)磁性体6に直交して巻かれるコイルセンサの電流上より発生する磁界とその分布の説明図、(b)x方向からみた磁性体がない場合に発生する磁界の分布の説明図、(c)x方向からみた磁性体がある場合に発生する磁界の分布の説明図 磁性体6に直交して巻かれるコイルセンサが金属面Mの上に置かれた時のコイル電流による磁界の状態を示す説明図 (a)金属面上に垂直に置かれたコイルの磁界とイメージ効果を表わす説明図、(b)コイル断面が2倍の面積になったものと等価であることを説明する図、(c)(a)においてコイルが磁性体のコアに巻かれた場合を説明する図、(d)コイル断面がμre倍になったものと等価であることを説明する図、(e)枠形コイルの場合に発生する磁界を説明する図 x,y,zの3軸の磁界を発生させる仕組を説明する図 コイルLx、Lyの位置を平行移動させた場合にx,y,zの3軸に発生する磁界を説明する図 磁性体6に直交して巻かれたコイルLxとLyに加えて磁性体6の上面に枠形のループコイルLzを貼り付けた場合の説明図で、(a)コイルLzを直接励振する場合を示す図、(b)コイルLx,Lyと結合させコイルLzに誘起電圧を発生させる場合を示す図 磁性体の中央部からx軸に沿ってコイルを複数回巻いた場合を示す図 磁性体の中央部からy軸に沿ってコイルを複数回巻いた場合を示す図 (a)従来形のソレノイドコイルの一部の断面図、(b)従来形のソレノイドコイルの全体の説明図 (a)本実施例の金属面用多極磁界センサによりどのように磁界が発生するかを説明する図、(b)I、Iの合成ベクトルを説明する図 (a)〜(d)磁性体6にコイルが巻かれたセンサの断面図のさまざまな実施例を示す図 (a)x方向に銅テープでコイルを巻いた場合に発生する磁界Hy,Hzの状態を示す説明図、(b)y方向に銅テープでコイルを巻いた場合に発生する磁界Hx,Hzの状態を示す説明図 金属リボンテープをx方向とy方向に直交するように巻いた場合にx方向から見た様子を示す断面図 図13を斜め上から見た様子を示す斜視図 (a)図12の一部のコイルLxfとLxrの部分を大きくした説明図、(b)コイルLyfを流れる電流Iyにより水平磁界Hxと垂直磁界Hzが発生する様子を示す図 水平磁界Hx,Hyに強弱が現れた場合に水平磁界を励振し補正するための無給電コイルLxp、Lypを説明する図 (a)直交するコイルLx,Ly,Lzに流れる電流Ix,Iy,Iφにより発生する磁界を説明するための斜視図、(b)電流Iφ,Ixによる磁界Hyを説明する断面図 本実施例の金属面用多極磁界センサと整合部、リーダライタ、PCからなるセンサシステムを示す図 (a)〜(c)本実施例の金属板用多極磁界センサに給電部と制御部を取り付けて一体とする場合の例を示す図 (a)コイルを片側から巻き片側で給電しアンバランス給電を行う場合を示す図、(b)コイルを中心部から巻き中心部で給電しバランス給電を行う場合を示す図、(c)(イ)〜(ハ)整合回路の例を示す図 本実施例の金属面用多極磁界センサを上下に2枚用いる場合を説明する図 本実施例の金属面用多極磁界センサを横に並べて用いる場合を示す図 本実施例の金属面用多極磁界センサの面の上に薄いプラスチック板を配置し商品の加重を分散して支えるようにした場合を示す図 本実施例の金属面用多極磁界センサをプラスチック箱の中におさめ蓋ができるような構造とした場合の断面図 (a)〜(d)本実施例の金属面用多極磁界センサの立体的な構成方法の一例を示す図 (a)〜(d)フィルムシートにコイルに相当する導線を作ることによりコイルを構成する方法を示す図 (a)〜(c)中心部で給電を行う場合のコイルを形成する導線の形状を説明する図
以下本発明を実施するための最良の形態を実施例より詳しく説明する。
図1(a)は、平板形磁性体6(以下、単に磁性体6ともいう)にコイルの軸方向が横になるようにそれぞれ絶縁するコイル2xと2yを直交して巻いた場合のセンサを示す。なお、コイル2xが巻かれた方向をx方向、コイル2yが巻かれた方向をy方向とする。もし磁性体6がない場合はコイルの軸方向の磁界(図中、破線で示す)の励振も弱くコイルの周辺に磁界が集まり、軸方向の磁界やコイルの側方(上下)の磁界の広がりも弱く、図1(b)のように円形の磁界強度が上下に得られる。
しかるに、図1(c)のように磁性体6にコイルが数ターン巻かれていた場合には、模式的に磁性体に沿って磁界が誘導され、かつコイルによって挟まれた磁性体6の中と外とに磁界が現れるため、中心部ではやや高くなるが、図のような比較的平坦な広がりをもつ水平磁界が得られる。これについては後にもっと詳しく説明する。この場合には磁界がコイル2xが巻かれた磁性体6の上下に存在し、水平磁界が得られているので、平面形タグやカードが垂直にたてられた場合でもセンシングすることができる。なお、図1(b)、図1(c)は、例えばx方向から見た図である。
図1(a)においては、図1(c)の状態でかつ2xと2yのコイルが直交し、磁界も直交しているので、直交する磁界が得られ、磁性体6に対して垂直に置かれるタグやカードがどの方向を向いていてもセンシングすることができる。
図2には磁性体6にコイル2x、2yを巻いたものの下面に金属面Mを置いたもの、即ち、図1(a)のセンサを金属面M上に乗せた構造となるものを示す。同図の構造は金属対応センサとして用いられ、金属面Mの金属面の上のみに感度が得られ、下方にあった磁界が上方に移ったような状態となる。即ち、金属による影像効果(イメージエフェクト)によって磁界は2倍となる。また、図2において6−1〜6−6は、磁性体6の各面を示す符号である。
ここで、x方向に巻かれたコイル2xの面6−1に沿った部分をコイルLxf、面6−6に沿った部分をコイルLxrとする。同様に、y方向に巻かれたコイル2yの面6−1に沿った部分をコイルLyf、面6−6に沿った部分をLyrとする。そして、コイルLxf、Lxrに流れる電流をIx、コイルLyf、Lyrに流れる電流をIyとすると、それぞれ電流Ixと電流Iyとによる磁界は破線のようになり、垂直にたてたタグコイル(このコイルはタグのコイルである)CxとCyとに結合し、タグのコイルを励振し、電圧が発生し、タグのICに電圧、電流が供給され、タグのICによる信号電流が再びコイルCx、Cyに流れ、センサのコイル2xまたは2yを励振することになる。このようにして金属上に置かれた直交するコイルが巻かれた磁性体6による平板形センサにより、平板形センサの上面に置かれたタグの情報を読むことができる。実際には1本のコイル2xや2yでは理想的な平面の磁界は得られず、コイルの傍に近い所に強い磁界が、やや離れた所に弱い磁界ができ、一方、コイルが複数巻き巻かれている場合は、多少は凸凹となるが全体にコイルが巻かれているのでほぼ均一となり、端部の方がやや弱くなる。
図3は、金属面Mに対して垂直に立てた枠形コイル2が図3(a)で示すように金属面Mの面上に絶縁されて設けられることにより、コイルに流れる電流Iの向きが影像(イメージ)による等大逆方向になり、Irは金属面の誘導電流により打ち消され、結果、図3(b)のように2倍の大きさになったものと等価になることを説明する図である。金属面Mに平行な部分のコイルの電流(Ir)は、逆相の誘導電流(Ir’)によりほぼ打ち消されて、上方に流れる電流Iuはあたかも連続するように流れ、下方に流れる電流Idはあたかも上下連続するように流れ、全体として2倍の大きさの枠形ループに電流が連続して流れる場合と等価になり、物理的に2倍となることがわかる。したがって、2倍の大きさのループコイルの断面は2倍となり誘起電圧も2倍となる。なお、図中、ILはコイル2(2x又は2y)の上部に流れる電流であり、Ir’、Id’、IL’、Iu’は影像効果による電流である。
図3(c)、図3(d)には磁性体6のコアに巻かれた場合を示し、コイルの断面は同じ大きさでも、磁性体6の比透磁率μが大きいための等価的な透磁率μreと考えると断面積がμre倍の大きさの枠形コイルと同じ効果が得られ(6−6a)、薄い磁性体でも等価的には比較的大きな枠形コイルと同じ性能が得られる。なお、6aは影像効果による磁性体6のイメージである。透磁率μreは略数倍から数十倍が一般的である。また、磁性体の厚みは材質にもよるが、0.1〜15mm程度であり、2〜3cm角の小形のセンサの場合は0.1から1mm、20〜30cm角の大きさの場合は、5〜10mm程度が一般的に用い易い。一般的にセンサの大きさが大きい程通信距離も伸びるし、磁性体厚が厚い程通信距離が伸びる。特別な場合、もっと磁性体を厚くし、上部の磁界を更に強くすることができる。
図3(e)は、図1や図2のように偏平な枠形コイルの場合、上のコイルの電流(Electric Current)Iにより主にコイルを囲む磁界(Magnetic Field)Hが発生し、金属面に沿った磁流(Magnetic Current)Hmを励振することを示している。金属面M(Metal M)に近いコイルの電流は金属面の影像(イメージ)により打ち消されることになる。なお、金属面Mの下に破線で示された枠線は金属板Mの映像効果による枠線と電流である。
図4には、図1、図2等に示すものと同様に、zx面、yz面上に備えられた直交するコイルLx(2x)、Ly(2y)に対して、更にxy面に平行な面で磁性体6の面6−1上に存在する、もう一つの直交コイルLzを備えた場合を説明のために示す。このコイルLzに流れる電流Iφにより、更にz軸方向の磁界Hzが励振されることを示す。したがって、金属面上の薄い磁性体板(磁性体6)に巻かれたzx面内のコイルLx、yz面内のコイルLyとxy面内のコイル(磁性体上面であるためz≠0である)LzによりHx,Hy,Hzの3方向の磁界が励振され、これらのコイルを巻かれた磁性体上面の空間にタグが存在すると、どの方向に向いたタグでもセンシングすることができる。実際にはx方向のコイルやy方向のコイルは一巻ではなく、数本が巻かれており、それぞれ、y方向の磁界Hy、x方向の磁界Hxを励振するのみでなく、コイルの隙間から垂直方向の磁界Hzも励振している。これについては後述する。なお、コイルLx、Ly、Lzには電圧Vx、Vy、Vzを供給している。また、コイルLx、Ly、Lzが巻回された磁性体6の下面には金属板MBが接している。
図5は、図4と同様な効果を得るように、図1、図2のコイルのコイルLx(2x)やLy(2y)の位置を平行移動させた場合の説明図である。後述する図に示すように、多数巻きをしたコイルはそれぞれのコイルが直列や並列に連続して巻かれている場合の部分と考えられる。磁性体の中心部に設置されたコイルLx,Lyの説明を端部においても成り立つことを示している。また、この端部のコイルとLx,Lyの電流の磁界により、第3のコイルLzとの結合が大きく、従って第3のコイルLzの励振電流を大きくすることができることにもなる。磁性体の中心部から端部の間の途中におけるコイルについても、図1、図2、図4のコイルが平行移動したものと考えることができる。
図6(a)は更に磁性体6の上面に置かれたコイルLzを図4(a)のように直接励振する場合を示す。また図6(b)は、x方向に巻くコイルLxと、y方向に巻くコイルLyとに結合させ、コイルLzに誘起電圧を発生させ、このコイルに直列に接続したコンデンサCzと共振をとることにより、コイルLzに大きな共振電流を流し、無給電状態でも垂直な磁界Hzを励振することができることを示す。このような無給電のコイルLzとコンデンサCzによる共振電流で強い磁界Hzを作ることができる。このコイルに流れる電流の位相がLxやLyにより発生する磁界を助長するような位相の電流を流すようにするのでよい結果が得られる。共振周波数は中心周波数(f)よりやや高い方が容量性の電流が流れるので結果がよい。垂直磁界Hzを均一にするためコイルLzは数巻されている。
図7は、実施例の1つを示す。平板形磁性体6にx方向に沿ってコイル2を巻いた場合を示す。磁性体6の面6−4から0.3〜1mmφの太さの巻線あるいは帯状コイルを中心部FPから左右に分けて2本巻き始める。間隔Pを10、Pを20mm(10〜30mm)前後間隔をあけて、磁性体面6−1を中央部から向う側に巻き始め(例えば、2xP1)、裏側6−6で手前に戻り、ピッチ分だけ左右へずれて(例えば、2xP2)、また向う側に上の面を通ってコイルが巻かれる場合を示している。説明では2本を左右に並列に巻いているが、磁性体の厚みや大きさにより適宜並列の本数を増やすことができる。実施例では、磁性体6が厚み5mm〜10mmの大きさ15cm〜40cmのほぼ四角形ないしは矩形の磁性体板の場合であり、20mm前後のピッチでコイルを巻いている。
例えば、25mmの間隔で2本左右に並列に巻いた場合、ピッチの幅も25mmとなるので厚み5mm、奥行30cm角の磁性体の場合、61cmで1ターンとなるので、片側5ターンの場合は5×61=305cmとなり、約30cmの幅の磁性体に、ほぼ均一にコイルを巻くことができる。実際に左右に4〜6ターン巻いた場合に所定の特性が得られる。左右にコイルを巻いているのでコイル長は約6mとなる。厚み10mmの場合には62cmで1ターンとなるので、5ターンの場合310cmとなる。コイル長は両側に巻くのでこの2倍となる。なお、Ix、Ix、Ix、Ixは、コイルに流れる電流である。
図8は、図7の場合と直角な方向の面6−2の方向には、x方向のコイルと同じようにy方向のコイルが並列に2′yP1,2′yP1と間隔P1(10mm前後)をあけて、中央から対称に巻き始め、右側の端面6−3で裏側の面6−6で左側に捩るようにして(2′yP2,2′yP2)巻かれている場合を示す。巻き始めは図中左中央としているが、磁界の分布のバランスや給電の容易さ等によって、中央または左右と定めることができる。下方には金属板MBや金属面Mを備え、上方のみに磁界を発生させ、図2、図3で説明したように、上方の磁界を2倍に強めている。図7、図8では金属板MBを下方に備える構成をとっている。巻き終りや接地については後述するが、バランス形を採用するかアンバランス形を採用するかがある。またコイルの巻き方についても片端からコイルを巻いて行ってもよいし、本実施例のように中央から左右対称に巻いて行ってもよいが、中央からコイルを巻いた方が均一な磁界が有効に得られ易い。
金属面M上や金属板MB上で使用する場合、誘導ノイズ等を考慮して接地した場合が有利なことがある。また、給電は主として同軸ケーブルである場合が多く、整合回路もアンバランス構造で組まれている場合が多いので、中央給電で終端接地のアンバランス形のセンサの方が作り易く、バランスアンバランス変換もでき、整合もとれやすく、不要放射も低減できる。なお、Iy、Iy、Iy、Iyは、コイルに流れる電流である。
図9には従来形とソレノイドコイルによる磁界分布を示す。一般にソレノイド形コイルの説明を行っているものは、波長に比べコイル自体が小形であるため、それぞれのコイルに流れる電流の振幅や位相が同一であり、均一な電流によるものとしている。コイルは、一個一個の微小ループの集合であり、これを直列にしたものとして扱ってよい。一方、波長に近い大形のコイルの場合はループ空中線アレイとして放射電磁界を扱い、電流分布は正弦波や余弦波と近似し、これによる放射指向性も発明者の論文や学会発表によっても明確となっている。
本発明で扱っている金属面多極磁性体センサシステムの場合は、主に周波数f=13.56MHzの周波数であるため、HAMの周波数よりやや低めであり、アンテナとしても小形であるため放射インピーダンスも低く、放射電磁界を扱うのではなく、誘導磁界を扱うような領域である。しかしながら、センサ等として用いる場合にはセンサの大きさや、比誘電率εや磁性体の比透磁率μが無視できなくなり、かつ、磁性体の損失等にもより電流の振幅も変わって来るので、これも考慮に入れなければならなくなる。
図9の従来形のソレノイドコイルの説明に戻ると、図9(a)はコイルの断面を図示するもので、一般にはコイルは密巻(巻数をnとする)であり、それぞれのコイル電流I,I,I,…,Iを囲む磁界は左右のコイルにより発生する磁界の、上下に向う磁界のベクトルは打ち消され、水平に向う左右のベクトルのみが残り加算されるため、コイルの軸方向の中心部では左側に向う磁界のみとなり、コイルの外側では右側に向う磁界のみとなることを示している。図9(b)はソレノイドコイルを総合的に見ると、コイルの中の磁界と外の磁界があたかも棒磁石のように構成されていることが説明されている。今迄はこのような単純な解析が行われている。本発明で扱う金属面多極磁性体センサシステムは、このような単純なものではなく後述するようにコイルに流れる電流の振幅も位相も異なっている。
図10は本発明の金属面多極磁性体センサシステムの磁界分布を説明するもので、従来のソレノイド形コイルとの根本的な違いを説明する。
まず、先にも述べたように、それぞれのコイルに流れる電流I,I,I,…,Iは同一振幅でもなく、且つ位相も異なっている。即ち、I≠I≠I≠,…,≠Iである。ここでn巻目に流れる電流Iはコイルの相互結合(Mutual Inductance)等も考慮して次のように表わすことができる。
Figure 2013253967
ここでKはコイルのピッチ角の相違により異なる相互インダクタンスや損失等を含める振幅の定数である。αはコイル1巻毎の減衰定数であり、lは1巻に要するコイルの長さ、e−α1はこの減衰量を示す。βはコイル1巻毎の位相変化を示す等価的位相定数であり、e−jβlのlは1巻に要するコイルの長さであるので、一巻の位相遅れを示す。
磁性体板のx軸方向の大きさとy軸方向の大きさが同じであれば、多少の違いはあっても電流Ixと電流Iyの分布は相似となるが、一般の磁性体板はx軸方向の大きさとy軸方向の大きさが異なる矩形状をしているため、Ix,Iyはそれぞれ異なる値となり、次の式で表される。電流IxとIyは多少結合があり、周囲条件もあり多少異なる。
Figure 2013253967
で示される。
実際には磁性体が単純フェライト板であったり、ゴムで粘ったフェライト板であったりするが、今全体の等価的比透磁率μre=14とし、比誘電率εを2と仮定する。
ポリエチレン等の絶縁体の場合はε=2.3程度であり、この場合の波長短縮率は、
Figure 2013253967
で示される。この場合、
Figure 2013253967
となり、短縮率は66%となる。
また磁性体板を用いた場合、この値は、
Figure 2013253967
となり、仮にε=2、μ=14とすると、
Figure 2013253967
となり19%の短縮率となり、実際の波長がかなり短縮されているように見えることがわかる。従って、コイルが1巻されるごとに、すでに隣のコイルとのこれだけの位相差が発生していることになる。今仮にこの値の目安を求めることにする。
=13.56MHzであるので、この時の波長はλ=22.1mとなり、短縮された実効波長λはλ=22.1×0.189=4.2mとなり、コイルを線路と考えると、この線路の実行波長は4.2mとなることがわかる。
従ってこの線路の位相定数βは、
Figure 2013253967
となり、1巻コイルの長さをlとし、先の例のコイルの1辺の長さが0.3m厚み0.005mの磁性体板として、一巻コイルの長さlはl≒0.305×2=0.61[m]であるので、1巻で発生する位相角βは、
Figure 2013253967
となる。2πを360°で表わすと位相角はβ=52.2°となる。即ち、一巻毎上に52.2°の位相差が現れることになり、相当大きな位相差が発生していることがわかる。先に説明したように1ピッチPの中心点P/2では、この位相差がなければI,Iの電流により発生する磁界は等大、同位相であるため垂直成分の磁界は打ち消されることになるが、例えば中心点P/2においてIによる磁界を1とするとIによる磁界は反対の向きのベクトルでこの位相が加わるため、おおよそ次のような値となる。
図10(b)には、図10(a)に示すP/2における電流I,Iの合成ベクトルを示す。
Figure 2013253967
これは三角函数で次のように表わすことができる。
Figure 2013253967
Hの絶対値をH1とすると、
Figure 2013253967
このように中心点P/2においても1に近い垂直磁界が存在することがわかる。まして振幅が減衰することにより、更に中心点の垂直成分の落ち込みは少なくなる。この状況は中心点のみならずどの場所でも同様な状態となり、垂直成分の磁界は磁性体の表面のどこにでも得られることがわかる。
更にI,I,…,Iによっても電流Iからの距離が長くなるため影響は弱くなるものの消えることはなく、更に合成ベクトルが増えることになり垂直磁界Hvも合成になることがわかる。更に振幅も異なるので位相が逆相部でも磁界が残る。
ある点の垂直磁界はそれより左側のコイルによって生じる合成された磁界Hv1+Hv2+Hv3+,…,+Hvm−1、それより右側のHvm+Hvm+1+,…,+Hvnの合成によって生じることになる。振幅位相の異なる磁界の合成であるので、Hvは零とはならない。
このように磁性体板に粗に巻いたコイルにより、水平磁界Hhのみならず、垂直磁界Hvも得られることが理解でき、この原理が今まで説明されている一般の等振幅等位相の電流が流れるソレノイドコイルとは異なるところであることが理解される。
図11には平面形磁性体6をコイル2(図中、Wireと記す)を巻く場合、エナメル線(ネオマール線やフォーマル線)等の絶縁層の薄いコイルを巻く場合とビニールやポリエチレン等のプラスチックで被覆した線を巻く場合の例を示すと共に、金属板MBを下方にあらかじめ当てる場合、絶縁されたコイルに直かに当てるか、薄い絶縁層Insulatorを介して当てる場合を図11(a)に示す。更にその下方に磁性体シートMSを備える場合を図11(b)に、プラスチック絶縁線(Insulator Wire)を巻き、金属板MBを添える場合を図11(c)に、その下方に絶縁層Insulatorを添える場合を図11(d)に示す。ここで、図2の金属面Mと図11のMetalは同じものである。
磁性体シートを金属板MBとコイルとの間に挟むことはコイル電流Iの金属面の影響を少なくすることに役には立ち、共振周波数のずれ等が避けられるが、逆に磁界の逃げ道を作るために面電流や面磁流を完全に励振できないため、イメージにより磁界を2倍にする効果は少々減じられる。
図11(d)は銅やアルミ等のテープ等の幅広の金属リボンテープを用い、銅線を並列に巻かなくても同様の効果を持たせることもできることを示す図である。凹凸が改善されるが、前述のエナメル線と大きくは差がない。粘つきテープを用いる場合はコイルがずれず安定した巻き方ができる特徴がある。
図12(a)はx方向に銅テープ2Wでコイルを巻いた場合を示す。銅テープの幅は0.5mm〜8mm幅を用いるが、細い場合には一般のコイルと変わりがなく、インダクタンスは高い値とすることができる。エッチングによる場合はもっと細くできる。しかし、銅テープ2Wの幅が広くなると分布容量が増し、インダクタンスは低くなり従ってQ(Q Factor)も低くなる。従って、銅テープ2w2による1ターンは向う側(6−5)で磁性体面の裏側6−6にもぐり、手前に戻って来るようになり、第2巻(2w1)に入るときにはピッチP2で始まることになる。電流I(銅テープ2w1には電流Ix1が、銅テープ2w2には電流Ix2が流れる)による磁界HzとHyが励振されHz(αIx1),Hy(αIx1)となる。図12(b)はy方向に巻かれた銅テープ2aw(2aw1と2aw2)の巻き方の例で、同様に電流Iy(銅テープ2aw1には電流Iy1が、銅テープ2aw2には電流Iy1が流れる)による磁界HzとHxが励振される様子を示す。この場合も磁界Hz,Hxは電流Iyの強さに比例する。同センサアンテナの下方にはあらかじめ当てられた金属板MBにより特性が調整され金属面Mの上に載せられることを示している。
図13は2〜10mm厚で約300〜400mm角の磁性体板6に金属リボンテープをx方向とy方向に巻いた場合を示す。x方向のコイルLxfとLxrは、実施例として後述するy方向のコイルの外側に巻かれており、手前から紙面に向って表側に巻かれるコイルLxfを示す。向う側で折り返されて裏面にもぐって返って来るコイルLxrを示す。一方、y方向のコイルLyfとLyrは絶縁面F2を介してコイルLxf,Lxrの内側にこれと直交して巻かれる。
例えば、磁性体板6の面の上面の紙面左から右へ巻かれたコイルをLyfとすると、磁性体板6の断面を下へ向って折れ曲がり、更に下方の面を右から左へ向って巻かれるコイルLyrとなり、左側の断面を上に向って折れ曲がり、磁性体板6を囲むようにしてコイルLyが巻かれている様子を示す。コイルLyと磁性体板6との間に、薄いプラスチック面による絶縁層F3があり、これにコイルLyは巻かれている。更に外側のコイルLxrの外側にはプラスチックによる絶縁層F1(Ins)があり、更にこの下方には金属板MBが敷かれており、金属面Mの上に載せられている構造となっている。カードサイズが更に小形のセンサの場合には磁性体板6の厚みは0.1〜1mm程度のものを用い、コイルは0.08〜0.1φの細径を用いてコイル間の間隔は6〜15mm程度とする場合がある。原理的には同様である。後述するようにポリイミドの基板や薄い基板とエッチング等の金属コイルにより構成することもできる。
図14は図13を斜め上からみた斜視図で、特にコイルLxとLyの関係とコイルに流れる電流IxとIyにより発生する磁界Hx,Hy,Hzの様子を示したものである。磁性体板6の上面6−1のx方向に巻かれたコイルLxfに流れる電流Ixにより発生する磁界HyとHzを破線で示す。
また、磁性体板6の裏側を廻るコイルLxrを破線で示す。先にも述べたようにコイルとコイルの間が1〜3cmあいていることと、磁性体板6に沿って磁界が導かれ易く、他のコイルの磁界も加わったり、電流IxとIyの位相や振幅の違い等にもより、コイルとコイルの間から垂直磁界Hzが発生し易くなり、コイルが密に巻かれている場合には打ち消されて発生し難った垂直磁界Hzも容易に発生するようになり、磁界Hzも連続して磁性体面6−1の表面に現れる。水平方向の磁界Hyはどの場所でも連続して現れることがわかる。また電流Iyによる磁界HzとHxについても同様なことがいえる。
図15(a)は図12の一部のコイルLxfとLxrの部分を大きくし、分かり易く描いた説明図である。巻線Lxf1,Lxf2,Lxf3は10〜30mmの間隔をあけて巻かれており、従って線間より垂直磁界が漏れ易くなっている。
磁性体板6の表面より磁性体板6を伝った磁界(磁束)が漏れて破線のような磁界を作る。もし電流の振動と位相が同じになり線間の中心部では垂直磁界Hzは零となる筈である。
しかし、1ターンは巻き線長が長いためと磁性体板6の比透磁率μや比誘電率εにより、遅波率
Figure 2013253967
が発生するため、巻線が多くなるにつれ、位相定数
Figure 2013253967
と線長lによるβlの遅れが発生するため、電流の位相が遅れを発生し、これによる磁界もβlの遅れが出てくるため、隣り同士の磁界により完全に打ち消し合うことはない。また、コイルが多数巻かれており、多数の電流により励振された大きさと位相の異なる磁界が重畳されて合成されるために、垂直磁界Hzや水平磁界Hyも両磁界とも存在することになる。
図15(b)はコイルLyfを通る電流Iyにより、水平磁界Hxと垂直磁界Hzが発生する様子を示す。
このように直交して巻かれたコイルLxfとLyf中を流れる電流IxとIyにより、直交する水平磁界Hx,Hyと垂直磁界Hzが発生する。一般にRFIDのリーダライタR/Wは、チャンネルの切換えを行い、x方向に巻かれるコイル、y方向に巻かれるコイル、z方向に巻かれるコイルは別々に切換えながら励振されることになる。
一般にはかなり良い結果を得るが、それぞれのコイルの電流の位相や振幅が異なるために磁界が一様とならない場合もあり、磁性体板6の面上の空間の合成された水平磁界HxやHyやHzに強弱が現れることがあり、これを補正しなければならない場合がある。
図16はこのような場合を示しており、水平磁界Hx,Hyの弱い部分に水平磁界を励振するための無給電コイルLxp(Lxpf,Lxps,Lxpc)やLyp(Lypf,Lyps,Lypc)を1〜3巻し、このコイルの終端に共振用コンデンサCrを取付け、共振回路による大きな電流と磁界を発生させ上部に強に水平磁界Hx、HyやHzを発生させることができる。
インダクティブな電流とならないよう共振周波数は14〜14.2MHz程度に調整した方が効果があった。使用周波数f=13.56MHzの場合、コイルの給電部は中心周波数f=13.56MHzに整合がとれるように調整するとよいが、無給電共振回路はやや高い方の周波数14MHz前後に調整する方が導波効果が出易い。共振周波数が中心周波数よりやや低めの場合、金属面Mによる誘電電流と同じような遅れ位相の電流となるため、磁界を打ち消す、あるいは阻止する電流となる場合があるので注意が必要である。実際の構成を行った場合、中心部に無給電コイルLxpc,Lypcを1〜3回巻きを行う場合と、両サイドに近い部分に無給電コイルLxps,Lypsを1〜3回巻を行うことにより、ほぼ均一な磁界を得ることができた。
図17は図4,図5,図6に示す直交する3種類のコイルLx,Ly,Lzに流れる電流Ix,Iy,Iφにより発生する磁界を説明するための図である。
コイルLxとLyは別々に給電し、コイルLzはLxに沿った方向に結合する線方向とLyに沿って結合する線方向とを持つため、Lx,Lyのように直接給電を行わなくとも結合のみで励振することができる。結合によって誘起された電圧により、直列にコンデンサCrを持続し、大きな共振電流Iφを流すことにより、Iφによる磁界Hzを得ることができるので、最初から存在するIx,Iyによる垂直磁界Hzと同相に共振電流で励振できるので、この場合には給電部を一部省略することができる。実際の場合には図5のように端部に近い電流IxやIyとIφが結合するので、コイルLxとの結合や励振は容易にできる。
一般にカードやタグをたてる方向(カードの横方向)即ち、Hx,Hyの磁界による結合の方が、カードを横にする方向、即ち、カードの軸方向の磁界よりも弱い約1/2となるため、垂直磁界の励振は重畳磁界も得られるため、充分となる。もし垂直磁界Hzの強度が充分に得られない場合はコイルを無給電素子とせず、直接給電を行えば充分な励振を行うことができる。後述するように(図25参照)周辺のコイルLzを給電し、内側のコイルLzpを無給電とする組合せでもよい特性が得られる。
図17(b)に水平ループコイルLzの電流Iφによる磁界Hy,Hzと直交する垂直ループIxによる磁界Hyを重畳して描いてある。なお、図17(b)で、一点鎖線で示した金属面Mの下の破線で描いたものは金属面Mによるイメージを示す。
図17の説明も分かり易いように総てのコイルが3ターンで説明してあるが、実際にはx方向,y方向に巻くコイルLx,Lyも共に数ターンであり、磁性体板6面に巻くコイルLzも外側に2ターン、内側に別に数ターン渦巻状に巻いた場合と渦巻き状にコイルと直列に巻きコンデンサを挿入し、共振をとった場合がある。図1,図2,図3,図4,図5についても分かり易く、1ターンで説明しているが、実際はコイルは数ターン巻き励振する磁界を強くしている。
図18には上下面あるいは上面のみにx,y,zの3軸の直交磁界Hx,Hy,Hzを発生させるようにした本発明のセンサ(Sensor)1の出力に整合用の回路Mat(以下、整合部Matともいう)を取付け、リーダライタ(R/W)に接続し、この出力をパーソナルコンピュータPCに接続し、カード(Card)又はタグ(Tag)に保持された情報を読み取る場合の使用法を示している。なお、リーダライタR/WとPCとの間の接続は、USBケーブルや、RS−232C、LAN等の接続が考えられる。センサ1に接続されるケーブルは3本の例を示している。前に説明したように、給電は2本でも3本でもよく、場合によっては1本で給電して、それを整合回路や位相回路等を設け分岐するような方法でもよい。タグやカードに届くパワーや更に信号が受信されるための結合やCやLによって行われ、受信感度が確保できれば一本でもよい。状況に合わせて給電方法を選ぶことができる。一般のリーダの場合、切換には入出力端子は4〜6個であるので、多数のセンサを扱う場合には給電部が少ない方が扱い易い場合もある。感度をあげて使用したい場合には、それぞれ3軸ともに給電する方がよい。この場合にはリーダライタR/Wの入出力端子(分岐端子)を多くした方がよい。実際に使用される状況において、一棚に3〜4枚のセンサを用いた場合、1センサ当たり3個の給電を行うと、9〜12個の供電線が必要となる。このように1個のリーダライタR/Wで多数の給電端子が備わっている方が望ましい。
図19(a)には給電用の回路基板PCB(以下、給電部PCBともいう)とし、給電部と整合部Matを1つにしセンサ1の端部に取付た場合を示す。センサ1の端部には一般にタグやカードは来ない(実際に使用する場合は、棚の奥となりタグを取付ける商品が来ない)ので、この部分に給電部PCBを持って来ることもできる。図19(b)には整合部Matをセンサ1に対して直角に構成し、商品が不感部に乗らないように構成した場合を示す。図19(c)は、図19(a)の場合に給電端子を横から出しているのに対し上から給電端子を出している場合を示す。
図20にはコイルを給電する場合、金属板により片側を接地し、同軸ケーブルの外部導体と同一ポテンシャルにしてコイルを片側から巻きアンバランス給電をする方法と(図20(a))、中心部で給電し、バランス給電を行う方法(図20(b))の両方を示す。何れの場合も複雑になるのでx方向のみのコイルを示している。
同軸ケーブル(Coax)で給電された内部導体には整合回路として図20(c)(イ)〜(ハ)のようにコンデンサCやインダクタンスLが取付けられ、コイルに給電される。図20(a)では整合部Matの筐体Boxを省略して内部構造が見えるように描いている。図20(a)ではx方向の4巻コイルのみしか示していないが、実際には直交するy方向の4巻〜8巻コイルが巻かれ、別の給電部で同様に給電されている。外部導体は下方の金属板に接地され、コイルの他端に直接あるいはコンデンサCを介してコイルは接地や接続される。図20(b)の場合には、同様に一部のコイルのみしか示していないが、実際には両側にそれぞれ4〜5巻のコイルが巻かれている。
次に、金属板MBの取付けと上に載せる商品の荷重を支える方法について説明する。
図21は、本発明の金属面用多極磁界センサを上下に2枚用いた場合を示す。下方のSensor1は今まで説明してきたように、金属棚(Shelf)あるいは金属面Mの上に載せられており、従って磁界は上方に発生する。しかし、カードやタグとの通信距離が20〜30cmになるのでそれ以上の通信距離を望むときには、上にSensor2を追加し、下方に向けて磁界を発生させることによりカードやタグと通信できる範囲lを30〜60cm程度に広げることができるようになる。本発明の金属面用多極磁界センサであるSensor1やSensor2を設置する金属棚を考えると、一般に棚間の間隔は通常40cm〜60cm程度になるので、上方の金属棚にはSensor2のセンサ面を下方に向けて取付穴等により金属棚に取付けることができ、下方の空間に磁界を発生させカードやタグと通信を行わせることができる。もし棚がプラスチック、木材、ガラス等の材質で電界、磁界が通る場合には、図1に示す上下に磁界を発生させるセンサを用いることにより、一台のセンサで上下のカードやタグを読み取ることができ、センサの数を減らすことができる。なお、図21でSensor2の上部に破線でカードやタグを示しているが、これは、図1に示すような上下に磁界を発生させるセンサを用いた場合にこのような位置でセンシングできることを示すものである。
実際にリーダライタR/WおよびPCでカードやタグの情報を読み取り、記録制御を行う場合を示している。
図22には、センサを複数台横に並べ(Sensor1、Sensor2、Sensor3)、棚一面をカバーする例を示している。実施例としては90cm幅の一棚にセンサを3枚並べている例を示すが、もう少し大きめのセンサを2枚並べてもよい。
棚数が大きくなってきた場合には、このような実施例の棚を横や縦に並べる方式をとれば目的が達せられる。また、金属面用多極磁界センサを複数台横に並べる場合、センサのはじのつなぎめで磁界が落ちることを防ぐ目的で、補助センサを用いることとしてもよい。
図23は更に面の上に薄いプラスチックコマSPをコイルを避けて配置し、商品の荷重を分散して支えるようにした場合を示す。磁性体板6は磁性体ゴムシートあるいは磁性体をプラスチックに混ぜたシートを用いているため、フレキシブル(可撓性)であり、割れ難く扱い易い。しかし、焼結した磁性体をそのまま利用する場合は、固いのでそのまま荷重が支えられるかも知れないが、割れることも注意しなければならない。
図24には積層されたセンサ1の断面の一例を示してある。一番下には金属板MBが敷かれ、絶縁板あるいはフィルムINSを介してコイルLxやLyがあり、中心部には磁性体板6があり、磁性体板6の上面にはコイルLyやLzがあり、支柱や支持用コマSPがあり、この上にプラスチック箱の蓋PBLが載っている。プラスチック箱の蓋PBLは蓋のような構造で脇も覆うカバーとして構成され、下の箱PBに覆せるよう構成することもできる。図には薄いプラスチックシートは描かれていないが、磁性体面、コイルLyやコイルLxを巻いた後、固定用と安定用にプラスチックシートを挟めてもよい。
図25は、x軸,y軸並びにxy平面に巻かれるコイルの立体的な構成の方法の一例を示す。
図25(a)はコア部を構成する磁性体板6を示す。図25(b)はマッチ箱の外側のような構造のプラスチック等により構成された箱体FBをコアとし、先に説明したx軸方向に巻いたコイルLxを構成し、これを前述の磁性体板6にかぶせるように収容する。LxおよびLyどちらを先に構成しても基本的には同じである。図25(c)のように図25(b)の箱体FBを収容できる一サイズ大きめの、すでに同様な方法でコイルLyを巻いた箱体FBに滑り込ませて直交するコイルLx、Lyを構成する。
次に図25(c)の箱体FBの上には、図25(d)に示すようにコイルLが構成されるための薄いプラスチックフィルムあるいはプラスチック基板PCBにエッチングや印刷、蒸着等の方法でコイルが構成されている。このような3組のコイル(図25(b)、図25(c)、図25(d))を独立に製造することにより、後に組み上げて一体のセンサとして製造できるので、製造能率を上げることができる。図25(d)に示すように3つのコイルを組み立てた後、金属板MBを下方に当て、両面テープあるいは粘等で接着するようにする。それぞれの線は絶縁線を用いるが、もし絶縁されていない線やテープを用いるときは絶縁フィルムやテープやプラスチック薄板を当て絶縁しなければならない。上にのるLzのコイルを構成する基板PCBにより作られる二つのコイルの一方は給電を行っているコイルLzfと無給電のコイルLzpにより構成される。なお、FPは給電端子、Vは電圧Vをかけることを示す。
図26はコイルを巻く場合、手巻きにしろ、自動巻きにしろ手間がかかるので、絶縁フィルムシートやフィルム基板FPCBにコイルに相当する導線をエッチングあるいは印刷をし、これを折り曲げ、端部を熱、超音波等により融着、圧着、半田、導電物質で導通させることにより導線部が接続され、コイルを構成する方式を示す。図26(a)の導線は斜になっているので1ピッチ分の進みができ、これを折り曲げ合わせることにより、例えば右の端部2と左の端部3とが折り曲げ接着させた場合導線は連続し、同様に4と5が接着し、6と7が接着し、次々に連続するコイルを構成することができる。コイルLは片端から巻く構造の場合の例である。中心部で給電する場合の例は後に示す。図26(b)は更に直交するコイルを形成するために絶縁フィルムシートやフィルム基板を重ね巻きする場合を示す。高価にはなるが、ポリイミドの基板を用いることもできる。
内側に導体があり、これをそのまま巻き、外側が絶縁体となる構造で、端部で融着させる等の方法もあるが、導体をむき出しにしないためにも絶縁フィルムを着けたり、レジストをかけたり、絶縁塗料を塗り絶縁膜を導体の上に構成してもよい。両端の部分は後に接着させるので、絶縁しないようにしなければならない。
外部端子1や10をリード線で外部に接続したり、整合器や給電部のための基板PCBを接続する場合、基板PCBに上記端子1や10を圧着や融着、半田付け、導電物質等で接続することもできる。また貫通孔を設け、片側の面に外部接続のための端子を印刷を行い金属性のピンや、鳩目等で接続し、更に半田付けを行うこともできる。ポリイミド基板のように比較的固い折り曲げ難い基板を用いるときは上下の基板を分け、両端で前述のような接続方法をとることも行うことができる。
図26(c)はフィルムシートを折り曲げて片側で合わせて融着させた場合を示す。合わせて融着させた場合は横につき出すようになる。このつき出し部に基板PCBを図26(a)のように一部に接続してもよいし、縁全体に貼りつけ、端子部のみ導電用金属箔と前記導通方法等により接続して外部接続を行ってもよい。
図26(d)は横に合わせ目がつき出るのを防ぐため、更に横に折り曲げ、形を整えた場合を示す。
図27は、実際、中心給電を行う場合のコイルを形成する導線の形状を示す。
センサ表面のコイルは一辺に直角になるようにパターンを構成し、裏面で1ピッチずつ進めるようにしている。表面、裏面ともに磁性体板6を一巡するため同じ長さであるが、板厚の厚み分THは中心部に余剰に追加している。また、合わせ目の所でも板厚分余剰の長さと合わせ目分を加えた幅TETを確保しておけなければならない。
図27(b)はピッチ分の導線の傾斜を表面裏面両方で持たせる場合を示している。
図27(a)、図27(b)両場合ともに、例えば2と3,4と5,……2’と3’と4’と5’を合わせて融着させ、コイル状の構造とするものである。コイルの中心部は端子1となり、この部分Tcでコイルに給電を行うことになる。センサ中心のTc(FP)部で同軸ケーブル等の中心導体に接続される。
端子10,10’は両側のコイルの巻き終りT(End)で同軸ケーブルの外部導体等に接続されることになる。一般には下方に取付けられる金属板MBに接続され、誘導電流や雑音がセンサ全体に表われないようにする。
もし、最初から両面基板のように両面に直交する導線を用いるときは一度に中と外で直交するコイルを形成することもできる。
以上のような空間に3軸方向の磁界を発生させるために、大きな枠形コイルを空間に立体的に張るのではなく、金属棚にシート状の薄いセンサを置くだけで金属棚の上に乗る商品や物に取付けられたタグが如何なる方向に向いても通信が行えるセンサを提供でき、かつ金属面上でも感度を落とさずセンシングできる技術を確立できた。
[本発明に包含される関連技術]
なお、以下に本発明を包含する関連技術を挙げる。
(1)絶縁されたコイルのピッチをある程度設け、直交するように磁性体板に巻かれたコイルにより、磁性体板の3軸方向の両側に直交する磁界面を形成することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(2)金属面で影像を作るように金属面上に設置される絶縁された直交する2個以上のコイルがほぼ平板よりなる磁性体を直交するような構造で巻かれており、それぞれのコイル面が金属面に等価的に垂直であり、このコイルの軸方向が金属面と平行となり、それぞれのコイルの軸方向がほぼ直交し、金属面と反対側のコイルの外側に強い直交する外部磁界を発生させることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(3)前記(1)、(2)において、磁性体の広い面に2組のコイルの軸と直交する第3のコイルを巻くことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(4)前記(1)において、絶縁されたコイルが直接金属面に接して巻かれることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(5)前記(1)において、コイルが薄い磁性体を介して金属面に接することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(6)前記(1)において、コイルが0.1〜1φの線状で構成され、1本から数本並列に巻かれていることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(7)前記(1)において、コイルが0.5〜10mm程度の金属帯状で構成され、請求項4と等価な幅で巻かれていることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(8)前記(1)において、磁性体を直交するような構造で巻かれる2組のコイルは、それぞれ別々に給電し、磁性体の上面に巻かれる第3のコイルは無給電コイルとコンデンサによるLCの共振をとることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(9)前記(1)において、磁性体を直交するような構造で巻かれる2組のコイルは、それぞれ別々に給電し、磁性体の上面に巻かれる第3のコイルも給電することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(10)前記(1)において、磁性体の上にプラスチックや紙等のスペーサを置き、この外側にコイルを巻くことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(11)前記(1)において、コイルを巻くための枠(ボビン)をマッチ箱の外枠のような構造とし、これを直交させ2重箱構造とし、組立が容易となるようにすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(12)前記(1)において、金属コイルは平面上の印刷やエッチングで構成され、折り曲げることによりピッチに合わせて端部で接続し、コイルを形成することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(13)前記(1)において、コイルの巻き数が少ない場合や多い場合に表面の磁界が凹凸になるのを改善均一にするための磁性体の両端や中心部に、コイルとコンデンサによるL.Cの共振回路を構成すると、この部分の磁界を励振し、強くすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(14)磁性体上部のプラスチック板の上に乗せる荷重を支えるために磁性体の上部にプラスチック等のスペーサを乗せその上に更にプラスチックの薄板を載せて平面とすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(15)金属面用多極磁界センサを複数台横に並べる場合、センサのはじのつなぎめで磁界が落ちることを防ぐ目的で、補助センサを用いることを特徴する金属面用多極磁界センサ。
(16)直交するコイルの給電部はそれぞれ別々に行い、それぞれ別々の整合器で整合を取ることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(17)リーダライタから整合器までを同軸ケーブルで給電を行い、グラント側は磁性体板のセンサ下部の金属側に近いコイルに接続し、中心部側はコンデンサや整合回路を介して、金属側と反対側の磁性体板上部のコイル端に接続する方式とすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(18)前記(14)において、同軸ケーブルのグランド側を金属面と同一ポテンシャルにするかコンデンサ系を介して接地し、多少金属板よりポテンシャルを上げるように接地することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(19)コイルをバランの構造とし、同軸ケーブルでセンサコイルの中心部に給電部を設け、コイルの両端を同軸ケーブルの外部導体側と金属面を接続しグランドすることとし、コイルの両端に給電する場合には中心部をグランドすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(20)給電部および整合部をセンサのコーナーや片側に設置し、また、上または下にL字形に設け、共振用コンデンサや整合用コンデンサを設けることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(21)前記(1)において、センサをR/Wに接続し、R/Wの信号をコンピュータで管理することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(22)前記(1)、(2)において、センサを上下に並べこの間の品物につけられたタグを読み取ったり、センサを複数同一面に並べてこの上の品物につけたタグを読み取ることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(23)磁性体板を包むように薄いプラスチックフィルムまたはテープを巻き、この上に第1コイルを巻き、更にこの上に第2の薄いプラスチックフィルムまたはテープを巻き、この上に第2のコイルを第1のコイルに直交して巻き、更に第3の薄いプラスチックフィルムまたはテープを巻きこれを覆い、更に金属面と反対側に第3のコイルを渦巻き状に貼り付け、これを固定することによる金属面用多極磁界センサの製造方法。
(24)大きさの異なりはめ合わせのできるマッチ箱構造のプラスチックフレームにそれぞれコイルを巻き、別に用意した芯となる磁性体板を小さいほうのマッチ箱の中に収め、更に大きなほうのマッチ箱の中にコイルが直交するように収め、更に第3の基板状に構成されたコイルを貼り付けることにより構成する金属面用多極磁界センサの製造方法。
(25)芯となる磁性体板の上にあらかじめコイルとなる導線を構成した薄いプラスチックフィルムを該磁性体板を巻くようにのり等のねん着物でとり付け、側面に端子が来るようにし、更にこれに直交するようにもう一枚の同様にコイルとなるプラスチックフィルムを巻きつけ、のり等のねん着物で貼りつけ、上方の片面には平面コイルを構成した薄い基板をはりつけることにより構成する金属面用多極磁界センサの製造方法。
また、他の関連技術として以下のものを包含する。
(1)0.1mm〜15mm程度の厚みの平板状の磁性体板に2個以上の絶縁された0.08〜1φのコイルが、平板面上で直交するような構造で巻かれており、それぞれのコイルの軸が磁性体中において、ほぼ直交しており、コイルのピッチが大きいためコイルの間の間隙があけられるように粗に巻かれており、磁性体面から漏洩磁界が直角方向と平行な直交磁界を発生することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(2)前記(1)に記載の2組の直交するコイルが巻かれた磁性体板の片面に第3の平面形コイルを巻き、更に平面と直角方向の磁界を強化発生させることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(3)前記(2)に記載の3組のコイルが巻かれた磁性体板の第3の平面形コイルが巻かれていない側に金属板を当て、金属が当てられていない面側、即ち第3のコイルが巻かれている側の上方に直交する3方向の磁界を発生させることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(4)前記(1)に記載の、直交して巻かれている絶縁された2組のコイルに直接金属板を当てることを特徴とする金属板用多極磁界センサ。
(5)前記(4)記載のコイル面と金属面の間に薄い磁性体シートを当てることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(6)前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のコイルが線状であり、平列に数本に構成され、巻かれていることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(7)前記(2)乃至(6)のいずれかにおいて、片面の2組のコイルは直交するように巻かれ、金属面側のコイルはコイルのピッチに合わせて斜めにすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(8)前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のコイルが0.5〜10mm程の帯状であり、前記(6)に記載のコイルとほぼ等価となるインダクタンスで構成されていることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(9)前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の直交する2組のコイルは、それぞれ別々に給電し、磁性体の上面に巻かれる3番目のコイルは無給電コイルとすることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(10)前記(1)ないし(8)のいずれかに記載の直交するコイルはそれぞれ別々に給電し、磁性体上面に巻かれている3番目のコイルも別に給電し、3方向の磁界を発生させることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(11)前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の金属面用多極磁界センサにおいて、磁性体の上にプラスチックや紙等のスペーサを置き、これを介してコイルを巻くことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(12)前記(1)乃至(8)記載のコイルを巻くためのマッチ箱の外枠のような構造の枠体(ボビン)にコイルを巻き、外枠の中にもう一つのコイルを巻いた枠体(ボビン)が滑り込むことができ、かつ内側の枠体には磁性体がコアとして滑り込む構造とし、これにより磁性体の周囲に直交するコイルが構成されるような構造とし、組立が容易になるようにしたことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(13)前記(1)乃至(3)のコイルをプラスチックフィルムに印刷やエッチング等で導線部を構成し、コイルのピッチに合わせて折り曲げることにより、フィルムの端部に近い導線の端部にコイルを形成するようにピッチに合わせてシールをし、融着や圧着等により導線端部と導通を行うことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(14)前記(1)乃至(3)のコイルが巻かれている場合、磁性体表面あるいはコイルの外側の磁界の強さが不均一なのを改善するための磁界の発生の弱い部分の両端や中心部にL,Cの無給電共振回路を構成するようにコイルを巻き、コンデンサの両端に取付けことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(15)前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の金属面用多極磁性体センサを複数台横に並べる場合、センサの縁のつなぎめで磁界が落ちることを防ぐ目的で、隣とのセンサの間に補助センサを用いることを特徴とする多極磁界センサシステム。
(16)前記(1)乃至(3)のいずれか記載の直交するコイルの給電はそれぞれ独立に給電を行い、整合を行うことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(17)前記(2)又は(3)記載の金属面用多極磁界センサにおいて、リーダライタ(R/W)から整合器までを同軸ケーブルで行い、同軸ケーブルの内部導体側に共振用や整合用コンデンサを設け、コイルに接続するとともに外部導体側はコイルの他端に接続すると共に、金属板に直接接地し、給電を行うことを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(18)前記(2)又は(3)記載の金属面用多極磁界センサにおいて、コイルをバランス給電を行うため、磁性体に巻かれたコイルの中心部で同軸ケーブルの中心導体で給電する場合、コイルの両端は接地することとし、コイルの両端より給電する場合はコイルの中心部を接地することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(19)前記(1)又は(3)に記載の直交するコイルの給電部を、磁性体のコーナーや片側に設置したり、上または下にL字形を設け、共振用コンデンサや整合用コンデンサを設けることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
(20)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の金属面用多極磁界センサにおいて、リーダライタ(R/W)を介してタグの情報をコンピュータで管理することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
6 磁性体
Cx,Cy タグコイル
Ins 絶縁板あるいはフィルム
Lx x軸方向に巻回されたコイル(第一のコイル)
Ly y軸方向に巻回されたコイル(第二のコイル)
Lz xy平面に平行な磁性体面に形成されたコイル(第三のコイル)
M 金属面
MB 金属板
Mat 整合部
PC パーソナルコンピュータ
R/W リーダライタ
SP スペーサ

Claims (21)

  1. 平板状の磁性体と、
    前記磁性体に複数巻回される第一のコイルと、
    前記第一のコイルと直交するように前記磁性体に複数巻回される第二のコイルと、
    を備え、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、前記複数巻回されるコイルに流れる電流の振幅及び又は位相差により隣り合う巻線の間から磁界が形成されるように間隔をあけて前記磁性体に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  2. 請求項1に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記磁性体の片側の面に金属板を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  3. 平板状の磁性体と、
    前記磁性体に複数巻回される第一のコイルと、
    前記第一のコイルと直交するように前記磁性体に複数巻回される第二のコイルと、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルに直交し、前記磁性体の片側の面に渦巻き状に形成される第三のコイルと、
    を備え、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、前記複数巻回されるコイルに流れる電流の振幅及び又は位相差により隣り合う巻線の間から磁界が形成されるように間隔をあけて前記磁性体に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  4. 請求項3に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第三のコイルが形成された面とは反対側の前記磁性体の面に金属板を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  5. 請求項2又は4に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルは絶縁され、
    絶縁された前記第一のコイル及び前記第二のコイルが前記金属板に絶縁体を介して接することを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  6. 請求項2又は4に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルと前記金属板との間に磁性体を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルが、直径0.1〜1mmの線状の巻線で構成され、前記磁性体に複数回並列に巻回されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルが、幅0.5〜10mmの金属帯状部材で構成されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  9. 請求項3又は4に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第三のコイルは、無給電コイルとコンデンサによるLCの共振をとることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルは、それぞれ別々に給電されることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記磁性体と前記第一のコイルとの間にプラスチックや紙のスペーサを備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記磁性体の両端部又は中心部に、コイルとコンデンサによる共振回路を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサにおいて、
    前記磁性体の上部のプラスチック板と、
    前記プラスチック板を支えるためのスペーサと、
    を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサ。
  14. 請求項3、4及び9のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサと、
    前記第一のコイル、前記第二のコイル及び前記第三のコイルに別々に電力を供給する給電部と、
    別々に整合を取るための整合器と、
    を備えることを特徴とするセンサシステム。
  15. 請求項2、4及び6のいずれか1項に記載の金属面用多極磁界センサと、
    別々に整合を取るための整合器と、
    前記金属面用多極磁界センサで検知した情報を読み取るリーダライタを備え、
    前記リーダライタから前記整合器までを同軸ケーブルで接続して給電を行い、グランド側は前記金属板に近い前記第一のコイル又は前記第二のコイルに接続し、前記磁性体の中心部側はコンデンサや前記整合器を介して、前記金属板側と反対側の前記磁性体の上部の前記第一のコイル又は前記第二のコイルの端に接続することを特徴とするセンサシステム。
  16. 請求項15に記載のセンサシステムにおいて、
    前記同軸ケーブルのグランド側を前記金属板の面と同一ポテンシャルにし、又は、コンデンサ系を介して接地することを特徴とするセンサシステム。
  17. 請求項15又は16に記載のセンサシステムにおいて、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルに給電する構造として、
    前記同軸ケーブルで前記第一のコイル及び前記第二のコイルの中心部に給電部を設ける場合は、前記第一のコイル及び前記第二のコイルの両端を前記同軸ケーブルの外部導体側と前記金属板の面とを接続しグランドとする構造を有し、
    前記第一のコイル及び前記第二のコイルの両端に給電する場合には前記中心部をグランドとする構造と、を有することを特徴とするセンサシステム。
  18. 請求項14又は17に記載のセンサシステムにおいて、
    前記給電部及び前記整合器を前記金属面用多極磁界センサのコーナーや片側に設置し、また、上又は下にL字形に設け、共振用コンデンサや整合用コンデンサを設けることを特徴とするセンサシステム。
  19. 請求項15乃至18のいずれか1項に記載のセンサシステムが、
    前記金属面用多極磁界センサで検知した情報を読み取るリーダライタを備え、且つ該リーダライタに接続されるコンピュータを備え、
    前記リーダライタの信号を前記コンピュータで管理することを特徴とするセンサシステム。
  20. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の金属板用多極磁界センサを備え、
    前記金属板用多極磁界センサを複数並べ、非接触ICカード又はRFIDタグを有する商品の情報を読み取ることを特徴とするセンサシステム。
  21. 断面矩形筒状のプラスチック部材に隣り合う巻線を間隔をあけて複数巻回し第一のコイルを形成して第一の箱体を形成する工程と、
    断面矩形筒状のプラスチック部材に隣り合う巻線を間隔をあけて複数巻回し第二のコイルを形成して第二の箱体を形成する工程と、
    プリント基板やプラスチック部材の面上に渦巻き状の第三のコイルを形成する工程と、
    平板状の磁性体を前記第一の箱体に挿入する工程と、
    前記磁性体が挿入された前記第一の箱体を、前記第一のコイルと前記第二のコイルとが直交するように前記第二の箱体に挿入する工程と、
    前記第一の箱体が挿入された前記第二の箱体の面上に、前記第三のコイルが形成されたプリント基板やプラスチック部材を貼り付ける工程と、
    前記第三のコイルが形成されたプリント基板やプラスチック部材を貼り付けた面とは反対側の前記第二の箱体の面に金属板を貼り付ける工程と、
    を備えることを特徴とする金属面用多極磁界センサの製造方法。
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