JP2013253639A - 流体移送用多重ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な強度を有し、かつ大きな可撓性も有する構造の流体移送用多重ホースを提供する。
【解決手段】第1の流体が流れる可撓性の外管2と、外管2内に配置された第2の流体が流れる可撓性の内管3と、を備えた流体移送用多重ホース1である。内管3と外管2との間に、内管3の長さ方向に沿って内管3の外周面上を巻回する螺旋状で可撓性の支持パドル4が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体移送用多重ホースに関する。
従来、流体をホース(配管)によって移送する場合、通常は、一つのフローに対して一つのホースを用意し、このホースで上流側と下流側とを繋ぐことにより、流体を移送するようにしている。したがって、複数のフローがある場合には、それぞれにホースを用意し、複数のホースでそれぞれの流体を送るようにしている。
しかし、このようにフロー毎にそれぞれホースを用意する方式は、ホースを配置するスペースが充分にある場合には採用可能であるものの、スペースが狭い場合や、例えば小型水処理設備のようなフロー数が多い可搬式のユニット設備を相互接続する際には、接続スペースに制約があることなどによって設計上支障が生じるケースが多い。また、スペースは充分にあっても、設備間を横断するホースの本数が多いと、維持管理の面で問題が生じることがある。
そこで、特に設備間のスペースが狭く、この狭いスペースに複数のフローを設けて複数の流体を移送する方式として、二重管構造のフレキシブルホースを用いる技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術に用いられるフレキシブルホースは、外管となる低圧配管内に、内管となる高圧配管を収容した二重管である。
特開2009−166510号公報
ところで、前記特許文献1のフレキシブルホースは、エンジンの振動が伝達されないように可撓性が付与されたもので、閉じられた空間内に配置されて用いられている。したがって、不測の外力が加わったり、直接的に曲げられるような可能性がほとんどなく、そのため、外管内に内管を保持する構造については、特に考慮されていない。
しかしながら、例えば開かれた空間にて設備間に接続されるホースについては、不測の外力が加わったり、障害物を避けるために曲げられることもあるため、充分な強度を有し、かつ大きな可撓性も有する構造が必要となる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、充分な強度を有し、かつ大きな可撓性も有する構造の流体移送用多重ホースを提供することを目的としている。
本発明の流体移送用多重ホースは、第1の流体が流れる可撓性の外管と、前記外管内に配置された第2の流体が流れる可撓性の内管と、を備えた流体移送用多重ホースにおいて、
前記内管と前記外管との間に、前記内管の長さ方向に沿って該内管の外周面上を巻回する螺旋状で可撓性の支持パドルが設けられていることを特徴とする。
また、前記流体移送用多重ホースにおいて、前記支持パドルは、前記内管の外周面上に一体に設けられていることが好ましい。
また、前記流体移送用多重ホースにおいて、前記支持パドルには、その外側部に複数の切り込みが設けられていることが好ましい。
また、前記流体移送用多重ホースにおいて、前記支持パドルは、前記内管側と前記外管側との間で湾曲していることが好ましい。
本発明の流体移送用多重ホースによれば、内管と外管との間に、内管の長さ方向に沿って該内管の外周面上を巻回する螺旋状で可撓性の支持パドルを設けているので、該支持パドルを介して内管上に外管を支持することができる。したがって、長さ方向全体に亘って充分な強度を有するものとなり、不測の外力が加わった際にもこれに充分耐え得るものとなる。また、支持パドル自体も可撓性を有し、しかも螺旋状に形成されているため、支持パドルが大きな可撓性を有するものとなる。したがって、流体移送用多重ホース全体も、比較的大きな曲げが可能となる大きな可撓性を有するものとなり、例えば障害物を避けるために大きく曲げることが可能になる。
本発明に係る流体移送用多重ホースの一実施形態の概略構成図である。 本発明に係る流体移送用多重ホースの変形例を示す横断面図である。
以下、本発明の流体移送用多重ホースを詳しく説明する。
図1は、本発明に係る流体移送用多重ホースの一実施形態の概略構成図であり、先端部を破断して内部を示すようにした部分破断側面図である
図1において符号1は流体移送用多重ホースであり、この流体移送用多重ホース1は、例えば開かれた空間にて小型水処理設備のような可搬式のユニット設備に接続される流体移送用のホースとして、好適に用いられるものである。ただし、本発明の流体移送用多重ホースは、このような用途に限定されることなく、複数種(例えば二種類)の流体を同じ設備間で移送するホースであれば、対象設備や設置箇所には制限されることはない。
流体移送用多重ホース1は、可撓性の外管2と、この外管2内に配置された可撓性の内管3とを備えたものである。
外管2は、ゴムや軟質樹脂などの柔軟性材料によって形成されたもので、可撓性が充分に発揮できる厚さで形成されたものである。なお、この外管2は、前記柔軟性材料に加えて、例えば繊維やワイヤがメッシュ状に編まれてなる補強層を内部に有していてもよい。さらには、後述する支持パドルとの間の摺動性を高めるため、内面に樹脂製のコーティング層が被覆されていてもよい。
内管3は、外管2に対して充分小径に形成されたもので、これによって内管3の外面と外管2の内面との間には流路が形成されている。この内管3は、外管2と同様にゴムや軟質樹脂などの柔軟性材料によって形成されたもので、可撓性が充分に発揮できる厚さで形成されたものである。また、この内管2には、本実施形態ではその外周面上に帯状(細板状)の支持パドル4が一体に形成されている。
支持パドル4は、内管3の外周面上を所定ピッチで巻回するように螺旋状に形成されたもので、本実施形態では三つの支持パドル4が、内管3の周方向に等間隔で配置されている。これら支持パドル4は、内管2と一体成形されたことにより、該内管2の外周面上に一体に形成されたものである。したがって、これら支持パドル4は、内管3と同じ材料で形成され、さらに、内管3とほぼ同じ厚さに形成されていることにより、可撓性を有するものとなっている。
また、これら支持パドル4は、その外側端が外管2の内面に接してこれを支持するように、その幅が設定されている。これにより、内管3は、その中心軸が外管2の中心軸にほぼ一致するように、外管2内にて偏在することなく配置されている。
このような構成のもとに支持パドル4は、特に帯状で螺旋状に形成されていることにより、外管2を介して一定方向に加わる外力に対し、これを長さ方向で異なる角度で受けるようになっている。したがって、前記外力を支持パドル4の側面側で受けると、該支持パドル4は容易に内管4側に倒れることにより、撓むようになっている。よって、支持パドル4は材質に由来する可撓性に加え、形状に由来する可撓性をも有しているため、より大きな可撓性を発揮するようになっている。
なお、本実施形態では、図示しないものの、流体移送用多重ホース1の接続端側は外管2が内管3の端面より延出して形成されている。この延出した部分は、後述する接続端2aとして機能するようになっている。
このような構成からなる流体移送用多重ホース1は、内管3の外面と外管2の内面との間を第1の流路とし、ここに第1の流体(例えば液体)を流すようになっている。また、内管3内を第2の流路とし、ここに第2の流体(例えば液体)を流すようになっている。内管3内の第2の流路は、空洞であるため流動性が良く、したがって比較的粘性の高い流体(例えば汚水)を流すのに適している。一方、外管2の内面との間の第1の流路は、螺旋状の支持パドル4が三つ配置されており、これらが抵抗となるため、第2の流路に比べて相対的に流動性が悪くなっている。したがって、比較的粘性の低い流体(例えば清澄水)を流すのに適している。
なお、この第1の流路を流れる第1の流体は、螺旋状の支持パドル4に沿って流れるので、螺旋状に旋回する旋回流となる。したがって、例えば第1の流体を複数種の成分で形成する場合に、この第1の流路中で複数種の成分を良好に混合することができる。すなわち、複数種の成分からなる第1の流体を移送したい場合に、予めこれら成分を混合することなく、それぞれの成分を同時に第1の流路中に流すことにより、該第1の流路中で各成分を混合して第1の流体とすることができる。
本実施形態の流体移送用多重ホース1にあっては、内管3と外管2との間に支持パドル4を設けているので、該支持パドル4を介して内管3上に外管2を支持することができる。したがって、ホース1の長さ方向全体に亘って充分な強度を有するものとなり、不測の外力が加わった際にもこれに充分耐え得るものとなる。また、支持パドル4自体も可撓性を有し、しかも螺旋状に形成されているため、支持パドル4が大きな可撓性を有するものとなる。したがって、流体移送用多重ホース1全体も、比較的大きな曲げが可能となる大きな可撓性を有するものとなり、例えば障害物を避けるために大きく曲げることが可能になる。
また、1本のホース1で2種類の流体(液体)を同時に移送できるため、小型ユニット設備間を接続するホースの本数を、フロー毎にそれぞれホースを用意する方式に比べて半分に減らすことができる。したがって、ユニット設備の接続スペースを削減し、設計上のレイアウトの制約事項を少なくすることができる。また、ユニット設備間を横断するホースの本数を減らすことにより、維持管理性を容易にすることができる。なお、第1の流路と第2の流路とでは、同じ方向に流体を流すだけでなく、互いに反対となる方向に流体を流すこともできる。
また、本実施形態では支持パドル4を内管3に一体に形成しているので、部品点数が少なく、したがって外管2内に内管3(支持パドル4を含む)を挿通するだけで、流体移送用多重ホース1を容易に形成することができる。さらに、内管3に対して支持パドル4がずれることもないため、内管3上に外管2をほぼ均等に支持することができる。
さらに、三つの支持パドル4を、内管3の周方向に等間隔で配置しているので、内管3上に外管2を安定して支持することができ、したがって不測の外力が加わった際にもこれに充分耐え得るものとなる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記支持パドル4には、図1中に破線で示すように、その外側部に複数の切り込み5を形成してもよい。このような切り込み5を支持パドル4の長さ方向において所定間隔で形成しておくことにより、支持パドル4の可撓性をより大きくすることができる。したがって、この流体移送用多重ホース1をより大きく曲げることができる。なお、切り込み5については、図1に示したV字状以外にも、U字状など種々の形状に形成することができる。また、その大きさや深さについても任意に設計することができる。
また、各支持パドル4についても、その横断面を平板状とすることなく、湾曲した形状、すなわち図2に示すように内管3側と外管2側との間で円弧状に湾曲し、したがって内管3の半径方向で湾曲した形状に形成してもよい。このように形成することで、支持パドル4の可撓性をさらに大きくすることができる。すなわち、外管2を介して加わる外力が、支持パドル4の側端縁に対して内管3の半径方向に作用しても、支持パドル4が内管3の半径方向で湾曲しているため、前記外力を支持パドル4で受けると湾曲部分がより容易に撓むようになる。よって、この流体移送用多重ホースをより大きく曲げることができる。
また、前記実施形態では支持パドル4を内管3に一体に形成したが、これらを別体に形成してもよい。
さらに、支持パドル4を三つ設けたが、支持パドル4は螺旋状であることから、一つであっても外管2の全周を支持することが可能である。したがって、支持パドル4の数についても、三つに限定されることなく、内管3や外管2の寸法(径)等に応じて任意に設定することができる。
1…流体移送用多重ホース、2…外管、3…内管、4…支持パドル、5…切り込み

Claims (4)

  1. 第1の流体が流れる可撓性の外管と、前記外管内に配置された第2の流体が流れる可撓性の内管と、を備えた流体移送用多重ホースにおいて、
    前記内管と前記外管との間に、前記内管の長さ方向に沿って該内管の外周面上を巻回する螺旋状で可撓性の支持パドルが設けられていることを特徴とする流体移送用多重ホース。
  2. 前記支持パドルは、前記内管の外周面上に一体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の流体移送用多重ホース。
  3. 前記支持パドルには、その外側部に複数の切り込みが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体移送用多重ホース。
  4. 前記支持パドルは、前記内管側と前記外管側との間で湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体移送用多重ホース。
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