JP2013250230A - 処理装置および処理装置の校正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理装置1は、物性値が予め求められた基準流体L2を収容可能な供給部10と、作動流体L1を収容するための収容部20と、収容部に設けられ、作動流体を用いて処理を行う処理部30と、流体の物性変化を電気信号に変換し出力する検出部35と、検出部が検出した電気信号から、流体の物性値を算出する算出部55と、検出部に、収容部内の作動流体および供給部内の基準流体のいずれか一方を切り替えて供給可能な切り替え機構60と、検出部に基準流体を供給したときに検出部が出力した電気信号から算出部により算出される基準流体の物性値が、基準流体の予め求められた物性値となるように、算出部が算出する物性値を調節する調節部65と、を備える。
【選択図】図1
Description
しかしながら、このように構成された燃料電池システムでは、システムを連続して運転している場合が多いため定期的にセンサを取り外して校正することが難しく、また、センサの取り外しに多大な労力が必要となっている。
本発明の処理装置は、物性値が予め求められた基準流体を収容可能な供給部と、作動流体を収容するための収容部と、前記収容部に設けられ、前記作動流体を用いて処理を行う処理部と、流体の物性変化を電気信号に変換し出力する検出部と、前記検出部の出力した前記電気信号から、前記流体の前記物性値を算出する算出部と、前記検出部に、前記収容部内の前記作動流体および前記供給部内の前記基準流体のいずれか一方を切り替えて供給可能な切り替え機構と、前記検出部に前記基準流体を供給したときに前記検出部が出力した前記電気信号から前記算出部により算出される前記基準流体の前記物性値が、前記基準流体の予め求められた前記物性値となるように、前記算出部が算出する前記物性値を調節する調節部と、を備えることを特徴としている。
また、上記の処理装置において、前記供給部は、前記収容部と連通可能とされ、前記作動流体は、前記基準流体を含むことがより好ましい。
また、上記の処理装置において、前記基準流体の前記物性値は、温度に応じて予め求められ、前記調節部は、前記検出部に所定温度の前記基準流体を供給したときに前記検出部が検出した前記電気信号から前記算出部により算出される前記基準流体の前記物性値が、前記基準流体の予め求められた前記所定温度の前記物性値となるように、前記算出部が算出する前記物性値を調節することがより好ましい。
図1に示すように、本燃料電池システム1は、第一の供給部(供給部)10および第二の供給部15と、溶液(作動流体)L1を収容する収容部20と、収容部20に設けられた反応部(処理部)30と、流体の物性変化を電気信号に変換し出力する表面弾性波溶液センサ(検出部)35と、出力された電気信号から、流体の誘電率(物性値)を算出する誘電率算出部(算出部)55と、表面弾性波溶液センサ35に供給する流体を切り替える切り替え機構60と、誘電率算出部55が算出する誘電率を調節する調節部65とを備えている。
第二の供給部15には、第一の供給部10と同様の構成のものが用いられている。第二の供給部15内には、不図示の開口からエタノール(第二の流体)L3を収容可能となっている。
収容部20は、貯留タンク21と、両端部が貯留タンク21にそれぞれ接続された主配管22とを有している。収容部20は全体として、環状の閉流路の形状に形成されている。
主配管22には、反応部30と、後述するケース43とが設けられている。主配管22には、ケース43と貯留タンク21との間に主開閉バルブ24が、ケース43と反応部30との間に主開閉バルブ25がそれぞれ設けられている。
この例では、溶液L1は、純水L2とエタノールL3とを所定の割合で混合させた混合液となっている。
弾性表面波素子36、37は、ケース43内に収容されるとともに、圧電基板44上に互いに並列になるように配置されている。ケース43に形成された流入口43aおよび流出口43bが主配管22の管路と連通することで、主配管22にケース43が設けられ、ケース43内に溶液L1を充填させることができる。
入力電極47、50は、発振器38から分配器39を介して入力された電気信号によって、弾性表面波を励振させるために櫛形電極で構成されている。出力電極48、51は、入力電極47、50で励振され伝搬してきた弾性表面波を受信するために櫛形電極で構成されている。
なお、開放伝搬路52においても、圧電基板44上に金属膜が成膜された部分については、短絡伝搬路49と同様に電気的に短絡状態となっている。
誘電率算出部55は、不図示の演算素子およびメモリを有している。
ケース43内に溶液L1を充填した状態で、発振器38より電気信号を分配器39で分配して、弾性表面波素子36、37へ同一信号を入力する。第一弾性表面波素子36では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、短絡伝搬路49上、および短絡伝搬路49に隣接する溶液L1と接触しながら伝搬して、出力電極48で受信される。同様に、第二弾性表面波素子37では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、開放伝搬路52上、および開放伝搬路52に隣接する溶液L1と接触しながら伝搬して、出力電極51で受信される。
なお、誘電率算出部55は、後述するように、誘電率算出部55に接続された調節部65内のメモリに記憶された補正値だけ引いた補正比誘電率を出力するようになっている。
誘電率算出部55のメモリには、式(4)から式(7)が記憶されている。誘電率算出部55の演算素子は、出力信号の位相差△φを式(6)に、振幅比△ampを式(7)に代入して、速度変化量△V/V、減衰変化量△α/kを求める。そして、求めた速度変化量△V/Vを式(4)に、減衰変化量△α/kを式(5)に代入して、式(4)、(5)の連立方程式から測定対象である溶液L1の比誘電率εr ’を求める。溶液L1の誘電率は、(εr ’ε0)の式で求められる値となる。
なお、溶液L1に対する振幅比位相差検出器40で検出した出力信号の位相差△φ、振幅比△ampは、予め溶液L1と同様に標準液について検出した位相差、振幅比に対する変化量として規定化したうえで代入している。
調節部65は、内部にメモリ65aを有している。このメモリ65aには、例えば、20℃における純水L2の比誘電率(ここでは、説明を簡単にするために、この値を80とする。)が文献を調査することや実験などにより予め求められ、記憶されている。また、メモリ65aには、誘電率算出部55の算出結果を処理した値(以下、「補正値」と称する。)が記憶可能となっている。
収容部20には、不図示のポンプが設けられていて、収容部20内の溶液L1を循環させることができる。
主制御部80には、操作者が主制御部80に指示を与えるためのスイッチなどの入力部81と、後述する補正比誘電率などを表示するモニタ82とが接続されている。
主制御部80は、不図示の電源を備えていて、反応部30などの燃料電池システム1の各構成に電力を供給することができる。
接続バルブ62、補助開閉バルブ77を閉状態にしつつ補助開閉バルブ75、76を開状態にすることで、貯留タンク21と第一の供給部10とを連通させて、第一の供給部10内の純水L2を貯留タンク21に供給することができる。同様に、接続バルブ62、補助開閉バルブ76を閉状態にしつつ補助開閉バルブ75、77を開状態とすることで、貯留タンク21と第二の供給部15とを連通させて、第二の供給部15内のエタノールL3を貯留タンク21に供給することができる。
また、補助開閉バルブ75、77、主開閉バルブ25を閉状態にしつつ補助開閉バルブ76、接続バルブ62、主開閉バルブ24を開状態にすることで、第一の供給部10内の純水L2をケース43に供給することができる。
本燃料電池システム1は、製造された際に校正されていて、図3の曲線C1に示すように、ケース43内に20℃の純水L2を充填したときに、誘電率算出部55が算出する比誘電率が80となるように調節されている。また、調節部65のメモリ65aには、補正値として「0」が記憶されているとする。
まず、主制御部80は、以下に説明する処理工程を行う。
主制御部80は、主開閉バルブ24、25を開状態にするとともに、補助開閉バルブ75、76、77、接続バルブ62を閉状態にする。不図示のポンプにより収容部20内およびケース43内を溶液L1が循環する。反応部30では、溶液L1を用いて電力が取り出される。
また、反応部30で電力が取り出される間に、発振器38から分配器39を介して弾性表面波素子36、37に電気信号を入力することで、振幅比位相差検出器40で出力信号の位相差△φ、および振幅比△ampを検出し、誘電率算出部55で溶液L1の比誘電率εr ’が算出される。このとき、調節部65のメモリ65aに記憶された補正値は「0」であるため、補正比誘電率は、位相差△φおよび振幅比△ampから算出された比誘電率εr ’と等しい値となり、補正比誘電率がモニタ82に表示される。
溶液L1中のエタノールL3の濃度が変化したら、前述のように補助開閉バルブ75、76、77を操作して、純水L2やエタノールL3を貯留タンク21に適宜供給する。
操作者は、燃料電池システム1を一定時間動作させたときに、入力部81を操作して主制御部80に校正の指示を送信する。主制御部80は、処理工程を終了し、以下に説明する校正工程に移行する。
まず、前述のようにバルブの開状態と閉状態とを調節することで、第一の供給部10内の純水L2をケース43に供給する。ケース43に、例えば数秒程度純水L2を流し入れることで、弾性表面波素子36、37に接触する液体を溶液L1から純水L2に置き換えることができる。
このとき、誘電率算出部55において20℃の純水L2の比誘電率εr ’が、図3の曲線C2に示すように81と算出されたとする。誘電率算出部55で算出された比誘電率εr ’は、調節部65に送信され、調節部65のメモリ65aの補正値には、送信された値81から、既にメモリ65aに記憶されている純水L2の比誘電率80を引いた値「1」が記憶される。
これにより、再び処理工程に移行して、誘電率算出部55で溶液L1の比誘電率εr ’を算出した際には、誘電率算出部55で算出された比誘電率εr ’から、調節部65に記憶された補正値「1」を引いた値80が、補正比誘電率としてモニタ82に表示される。
表面弾性波溶液センサ35に不純物が堆積している場合であっても、ケース43に純水L2を充填したときには、図3の曲線C3に示すように補正された補正比誘電率「80」がモニタ82に表示されるようになる。
補正値の取得が終了すると、校正工程を終了し処理工程に移行する。
第一の供給部10は収容部20と連通可能となっているため、ケース43に純水L2を容易に供給することができる。また、溶液L1として純水L2を成分に含むものを用いることで、校正に用いた純水L2を廃棄せずに溶液L1の一部として用いることができる。これにより、校正に要する時間を短縮させることができる。
たとえば、前記実施形態では、検出部および算出部で算出される物性値が誘電率であるとしたが、物性値は導電率などでもよい。
燃料電池システム1のケース43に純水L2を充填させて校正するとしたが、校正に用いる基準流体は予め誘電率が求められているものであれば、溶液L1の成分であるエタノールL3を用いてもよいし、溶液L1の成分以外のものを用いてもよい。
燃料電池システム1は、供給部として第一の供給部10、第二の供給部15の2つを備えるとしたが、燃料電池システムが備える供給部の数に制限はなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
この燃料電池システムを用いた校正方法は、前記実施形態における校正方法と校正工程のみ異なる。
校正工程において、温度センサでケース43内の溶液L1の温度を測定し、測定結果を調節部65に送信する。この測定結果が例えば40℃であり、誘電率算出部55で算出された比誘電率εr ’が79.6だったとする。
このとき、調節部65のメモリ65aの補正値には、算出された値79.6から、既にメモリ65aに記憶されている40℃に対する純水L2の比誘電率79を引いた値「0.6」が記憶される。
すなわち、40℃の純水L2を基準として、燃料電池システムが校正される。
燃料電池システムをこのように構成することで、表面弾性波溶液センサ35内の溶液L1の温度が変化する場合であっても、燃料電池システムを校正することができる。
燃料電池システムに用いられる流体は、純水やエタノールに限られることなく、所望のものを適宜選択して用いることができる。
10 第一の供給部(供給部)
15 第二の供給部
20 収容部
30 反応部(処理部)
35 表面弾性波溶液センサ(検出部)
55 誘電率算出部(算出部)
65 調節部
L1 溶液(作動流体)
L2 純水(基準流体)
L3 エタノール(第二の流体)
Claims (6)
- 物性値が予め求められた基準流体を収容可能な供給部と、
作動流体を収容するための収容部と、
前記収容部に設けられ、前記作動流体を用いて処理を行う処理部と、
流体の物性変化を電気信号に変換し出力する検出部と、
前記検出部が出力した前記電気信号から、前記流体の前記物性値を算出する算出部と、
前記検出部に、前記収容部内の前記作動流体および前記供給部内の前記基準流体のいずれか一方を切り替えて供給可能な切り替え機構と、
前記検出部に前記基準流体を供給したときに前記検出部が出力した前記電気信号から前記算出部により算出される前記基準流体の前記物性値が、前記基準流体の予め求められた前記物性値となるように、前記算出部が算出する前記物性値を調節する調節部と、
を備えることを特徴とする処理装置。 - 前記収容部は、環状の閉流路として形成され、
前記検出部は前記収容部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。 - 前記供給部は、前記収容部と連通可能とされ、
前記作動流体は、前記基準流体を含むことを特徴とする請求項2に記載の処理装置。 - 第二の流体を収容可能であって、前記収容部と連通可能とされた第二の供給部を備えることを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
- 前記基準流体の前記物性値は、温度に応じて予め求められ、
前記調節部は、前記検出部に所定温度の前記基準流体を供給したときに前記検出部が出力した前記電気信号から前記算出部により算出される前記基準流体の前記物性値が、前記基準流体の予め求められた前記所定温度の前記物性値となるように、前記算出部が算出する前記物性値を調節することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の処理装置。 - 収容部に収容された作動流体を用いて処理部で処理を行うとともに、流体の物性変化を電気信号に変換し出力する検出部に前記収容部内の前記作動流体を供給し、前記検出部が出力した前記電気信号から、算出部で前記作動流体の前記物性値を算出する処理工程と、
予め前記物性値が求められた液状の基準流体を前記検出部に供給し、前記検出部が出力した前記電気信号から前記算出部により算出される前記基準流体の前記物性値が前記基準流体の予め求められた前記物性値となるように、前記算出部が算出する前記物性値を調節する校正工程と、
を備えることを特徴とする処理装置の校正方法。
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08159946A (ja) * | 1994-12-09 | 1996-06-21 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 溶液濃度の測定方法および測定装置 |
JP2007220429A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Matsushita Electric Works Ltd | 燃料電池システム |
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