JP2013248941A - パワーステアリングシステム、それを搭載した車両、及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプのエネルギ損失を最大限に抑制し、ドライバに最適な操舵アシスト力を提供するパワーステアリングシステムと、それを搭載した車両、及びその制御方法を提供する。
【解決手段】ハンドル8の操舵性を補助するパワーステステアリング11に作動油を供給するポンプ12と、ポンプ12の作動油の吐出流量Q_outを制御するECU13と、を備え、ECU13が、車両状態と道路状態とに基づいて目標操舵角δと目標操舵角速度δ’とを算出し、算出した目標操舵角δと目標操舵角速度δ’の増加に伴って増加する基本流量Q_baseをファジィルールR1に基づいて算出する基本流量算出手段S1と、ポンプ12の吐出流量Q_outを基本流量Q_baseになるように制御する第1吐出流量制御手段S2と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ポンプのエネルギ損失を最大限に抑制し、ドライバに最適な操舵アシスト力を提供するパワーステアリングシステムと、それを搭載した車両、及びその制御方法に関する。
近年、可変容量パワーステアリングポンプを利用して、吐出流量を可変することによって、操舵によるエネルギを低減化する技術が提案され、実用化されている。例えば、高速以外の車速に対して、操舵角、操舵角速度、操舵加速度に基づいて、可変容量パワーステアリングポンプの指示電流を計算する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この装置は車速が所定車速以上である場合を直進走行状態とみなし、操舵角、操舵角速度、操舵加速度をゼロとして必要最小限の目標吐出流量から指令電流を算出する。この制御により、直進走行状態において、僅かなステアリング操舵、キックバックなどの外乱による可変容量パワーステアリングポンプの吐出流量が過敏に増加しなくなり、エネルギ損失を低減することができる。
しかしながら、上記の装置にあっては、車速が操縦性とエネルギ損失低減の重み設定の重要なファクタである。そして、車速が低いほど、操舵性を満足するため、基本流量を高く設定するようになっており、これによって、ポンプの省エネルギ運転領域が狭くなるという問題がある。
また、吐出流量がドライバの操舵操作(例えば、操舵角、操舵角速度、及び操舵加速度が変化する操作)に応じて変化し、ドライバの操舵操作による吐出流量の反応時間において遅れが発生するため、最適なアシスト力を発揮できない場合が発生する。この場合は、ドライバの修正操舵操作が増えて、ポンプのエネルギ損失の悪化を招くという問題がある。さらに、車速と操舵情報のみに応じて発生させる吐出流量の変化では、路面の凸凹によって発生すべき操舵アシスト力に対応不能のため、ドライバが保舵又は操舵する時に操作しづらい感覚が発生する。
一方、車両の走行速度と操舵角速度に基づいて算出される保舵度合係数の増加に伴って目標アシスト量を増加するファジィルールによって目標アシスト量を設定する装置がある(例えば、特許文献2参照)。この装置は、操舵容易性と操舵安定性の両方を向上すると共に、ファジィルールにより簡単で細かい制御を可能とする。
しかしながら、ファジィルールにより簡単で細かい制御が可能になっても、車速と操舵角速度に基づいた保舵度合係数を用いているために、前述と同様の問題が発生する。
特開2011−973号公報 特開平7−186992号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ドライバが操舵する前に、最適な目標操舵角と目標操舵角速度を算出し、その目標操舵角と目標操舵角速度に
応じた基本流量に基づいてポンプを制御することで、エネルギ損失を低減すると共に、応答性を向上して、最適な操舵アシスト力を提供することができるパワーステアリングシステム、それを搭載した車両、及びその制御方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明のパワーステアリングシステムは、ハンドルの操舵性を補助する操舵補助装置に作動油を供給するポンプと、前記ポンプの作動油の吐出流量を制御する制御装置と、を備えるパワーステアリングシステムにおいて、前記制御装置が、車両状態と道路状態とに基づいて、状態方程式から目標操舵角と目標操舵角速度とを算出し、算出した前記目標操舵角と前記目標操舵角速度の増加に伴って増加する基本流量を算出する基本流量算出手段と、前記ポンプの吐出流量を前記基本流量になるように制御する第1吐出流量制御手段と、を備えて構成される。
この構成によれば、車速や操舵角などの車両状態だけではなく、道路状態を用いて算出した目標操舵角と目標操舵角速度に基づいた基本流量を算出し、その基本流量になるようにポンプの吐出流量を制御することができる。これにより、ドライバが操舵操作する前にポンプの吐出流量を制御し、応答性を向上すると共にドライバの修正操舵を低減して、ポンプのエネルギ損失の悪化を抑制することができる。
また、車速とドライバの操舵操作に基づいて吐出流量を制御する場合と比較して、ポンプの省エネルギ運転域が広く、省エネルギ化を図ることができると共に、予め予測したドライバの操舵操作に基づいてポンプの吐出流量を制御するので、応答性を向上して、最適な操舵アシスト力を提供することができる。
また、上記のパワーステアリングシステムにおいて、前記基本流量算出手段に、検知又は計測した車速と道路曲率とに基づいてヨー角とヨー角速度を算出するヨー角度算出第1手段、又は、検知又は計測したヨー角速度からヨー角を算出するヨー角算出第2手段のどちらか一方と、前記ヨー角と前記ヨー角速度を用いた車両の状態方程式から前記目標操舵角と前記目標操舵角速度とを算出する目標操舵角算出手段と、を備えると、ヨー角とヨー角速度から目標操舵角と目標操舵角速度を算出することができる。
ヨー角度算出第1手段を用いる場合は、ヨー角を検知又は計測するヨーレートセンサを設ける必要がなくなるので、コストを低減することができる。
加えて、上記のパワーステアリングシステムにおいて、前記目標操舵角と実操舵角度との角度偏差値と、前記目標操舵角速度と実操舵角速度との角速度偏差値とから、車両が急操舵されたか否かを判定する急操舵判定手段と、前記急操舵判定手段で車両が急操舵されたと判定すると、前記角度偏差値と前記角速度偏差値の増加に伴って増加する急操舵時追加流量を算出する急操舵時追加流量算出手段と、前記基本流量に前記急操舵時追加流量を加算して第1補正流量を算出する第1補正流量算出手段と、前記ポンプの吐出流量を前記第1補正流量になるように制御する第2吐出流量制御手段と、を備えることが好ましい。
さらに、上記のパワーステアリングシステムにおいて、車両上下加速度、ロール加速度、又はピッチ角速度の少なくとも一つから車両が凸凹を走行中か否かを判定する凸凹判定手段と、前記凸凹判定手段で車両が凸凹を走行中と判定すると、前記車両上下加速度、前記ロール加速度、又は前記ピッチ角速度の少なくとも一つの増加に伴って増加する凸凹時追加流量を算出する凸凹時追加流量算出手段と、前記基本流量に前記凸凹時追加流量を加算して第2補正流量を算出する第2補正流量算出手段と、前記ポンプの吐出流量を前記第2補正流量になるように制御する第3吐出流量制御手段と、を備えることが好ましい。
上記の構成によれば、基本流量をベースとして、車両を急操舵する時に、及び凸凹の道路を車両が走行する時に、その基本流量に急操舵による急操舵時追加流量を、若しくは凸凹の大きさによる凸凹時追加流量を加えることができるので、適切なポンプの吐出流量の設定を図ることができる。これにより、省エネルギ運転域を広くしたまま、最適な操舵アシスト力を提供して、操舵性を保持することができる。
その上、上記の問題を解決するための車両は、上記に記載のパワーステアリングシステムを搭載して構成される。この構成によれば、ポンプのエネルギ損失を最大限に抑制するので、燃費を向上することができ、また、ドライバに最適な操舵アシスト力を提供することで、運転の快適性を向上することができる。
また、上記の問題を解決するためのパワーステアリングシステムの制御方法は、ハンドルの操舵性を補助する操舵補助装置に作動油を供給するポンプの作動油の吐出流量を制御するパワーステアリングシステムの制御方法において、車両状態と道路状態とに基づいて、状態方程式から目標操舵角と目標操舵角速度とを算出し、算出した前記目標操舵角と前記目標操舵角速度の増加に伴って増加する基本流量を算出する基本流量算出工程と、前記ポンプの吐出流量を前記基本流量になるように制御する第1吐出流量制御工程と、を含むことを特徴とする方法である。
加えて、上記のパワーステアリングシステムの制御方法において、前記基本流量算出工程に、検知又は計測した車速と道路曲率とに基づいてヨー角とヨー角速度を算出するヨー角度算出第1工程、又は、検知又は計測したヨー角速度からヨー角を算出するヨー角算出第2工程のどちらか一方と、前記ヨー角と前記ヨー角速度を用いた車両の状態方程式から前記目標操舵角と前記目標操舵角速度とを算出する目標操舵角算出工程と、を含むことが好ましい。
さらに、上記のパワーステアリングシステムの制御方法において、前記第1吐出流量制御工程の前に、前記目標操舵角と実操舵角度との角度偏差値と、前記目標操舵角速度と実操舵角速度との角速度偏差値とから、車両が急操舵されたか否かを判定する急操舵判定工程と、前記急操舵判定工程で車両が急操舵されたと判定すると、前記角度偏差値と前記角速度偏差値の増加に伴って増加する急操舵時追加流量を算出する急操舵時追加流量算出工程と、前記基本流量に前記急操舵時追加流量を加算して第1補正流量を算出する第1補正流量算出工程と、前記ポンプの吐出流量を前記第1補正流量になるように制御する第2吐出流量制御工程と、を含むことが好ましい。
その上、上記のパワーステアリングシステムの制御方法において、前記第1吐出流量制御工程の前に、車両上下加速度、ロール加速度、又はピッチ角速度の少なくとも一つから車両が凸凹を走行中か否かを判定する凸凹判定工程と、前記凸凹判定工程で車両が凸凹を走行中と判定すると、前記車両上下加速度、前記ロール加速度、又は前記ピッチ角速度の少なくとも一つの増加に伴って増加する凸凹時追加流量を算出する凸凹時追加流量算出工程と、前記基本流量に前記凸凹時追加流量を加算して第2補正流量を算出する第2補正流量算出工程と、前記ポンプの吐出流量を前記第2補正流量になるように制御する第3吐出流量制御工程と、を含むことが好ましい。
本発明によれば、ドライバが操舵する前に、最適な目標操舵角と目標操舵角速度を算出し、その目標操舵角と目標操舵角速度に応じた基本流量に基づいてポンプを制御することで、エネルギ損失を低減すると共に、応答性を向上して操舵性を向上することができる。
本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両を示す概略図である。 本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムのポンプを示す概略図である。 本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法を示すフローチャートである。 本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法に用いるファジィルールを示した図である。 本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法に用いるファジィ集合を示すグラフであり、(a)は目標操舵角のファジィ集合を示し、(b)は目標操舵角速度のファジィ集合を示し、(c)は基本流用のファジィ集合を示す。 本発明に係る第2の実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両を示す概略図である。 本発明に係る第2の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法に用いるファジィルールを示した図である。 本発明に係る第3の実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両を示す概略図である。 本発明に係る第3の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法を示すフローチャートである。 本発明に係る第3の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法に用いるファジィルールを示した図である。 本発明に係る第4の実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両を示す概略図である。 本発明に係る第4の実施の形態のパワーステアリングシステムの制御方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態のパワーステアリングシステム、それを搭載した車両、及びその制御方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図1に示すように、実施の形態の車両1として、ボディ2、キャブ3、及びシャーシ4を備える所謂キャブオーバー型のトラックを例に説明するが、本発明はボンネット型の一般車両にも適用することができる。また、実施の形態の車両1として、車軸の構造が前輪5、後駆動輪6、及び後輪7からなる6×2(前1軸、後2軸/1軸駆動)の所謂ワンデフ車を例に説明するが、本発明は車軸の構造が4×2や、6×4の構造のものにも適用することができる。
まず、本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステムについて、図1及び図2を参照しながら説明する。図1に示すように、車両1は、ドライバがハンドル(ステアリングホイールともいう)8を操舵することにより、前輪5が操舵され、旋回する。このとき、ドライバの操舵を補助するシステムとして、パワーステアリングシステム10を備える。このパワーステアリングシステム10は、油圧式の操舵補助装置(以下、パワーステアリングという)11とポンプ12を備えると共に、ECU(制御装置)13、カメラ(映像取得装置、又は画像取得装置)14と車速センサ15を備える。
このECU13は、エンジンコントロールユニットと呼ばれる装置であり、エンジンの制御を行う装置であるが、それとは別にポンプ12の吐出流量を制御する制御装置として設けてもよい。
図2に示すように、このパワーステアリングシステム10のポンプ12は可変容量型ベ
ーンポンプであって、アダプタ21、カムリング22、ロータ23、ベーン24、ピン25、リリーフバルブ26、差圧制御バルブ27、電磁弁28を備え、ECU13が電磁弁28を作動させることにより、電磁弁28の上流側と下流側との差圧、つまりリリーフバルブ26と差圧制御バルブ27との両圧力の差圧を可変制御することによって弁体の軸方向の位置を制御し、これによってカムリング22の偏心量を制御することで吐出流量を制御するものである。
この第1の実施の形態のパワーステアリングシステム10は、ECU13に、車両状態と道路状態に基づいて、事前にドライバの操舵動作(目標操舵角δ(deg)と目標操舵角速度δ’(deg/s))を推測し、その推測した操舵動作によって基本流量Q_baseを算出する基本流量算出手段S1と、ポンプ12の吐出流量Q_outがその基本流量Q_baseになるように制御する第1吐出流量制御手段S2とを備える。
詳しくは、基本流量算出手段S1は、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’の増加に伴って基本流量Q_baseを増加するファジィルールに基づいて基本流量Q_baseを算出している。
また、基本流量算出手段S1に、車速センサ15で検知した車速V(m/s)とカメラ14で計測した道路曲率ρ(−)とに基づいてヨー角φ(deg)とヨー角速度φ’(deg/s)を算出するヨー角算出第1手段S3と、ヨー角φとヨー角速度φ’に基づいた車両1の状態方程式から目標操舵角δ(deg)と目標操舵角速度δ’(deg/s)を算出する目標操舵角算出手段S4とを備える。
次に、本発明に係る第1の実施の形態のパワーステアリングシステム10の制御方法について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3のフローチャートに示すように、まず、ECU13が必要パラメータを読み込むステップS110を行う。このステップS110では、ECU13に予め記憶されている定数として、車両1の慣性モーメントI(kg・m)、車両1の質量M(kg)、前輪5のコーナリングパワーK(N/rad)、後駆動輪6のコーナリングパワーK(N/rad)、車両1の重心点(図示しない)から前輪軸(前輪5の回転軸)までの距離l(m)、及び車両1の重心点から後輪軸(後駆動輪6の回転軸)までの距離l(m)を呼び出す。また、検知又は計測された道路状態としてカメラ14で計測した道路曲率ρ(−)と、検知又は計測された車両状態として車速センサ15で検知した車速V(m/s)を読み込む。
次に、ECU13のヨー角算出第1手段S3が、ステップS110で読み込んだパラメータを用いて、ヨー角φとヨー角速度φ’を演算するステップS120を行う。ヨー角φは、道路曲率ρと車速Vから下記の数式(1)より求める。
ヨー角φが算出されると、そのヨー角φを時間で微分して、ヨー角速度φ’を算出する。ヨー角φとヨー角速度φ’を道路曲率ρと車速Vから求めることで、例えばヨーレートセンサが必要なくなるので、コストを低減することができる。
次に、ECU13の目標操舵角算出手段S4が、ヨー角φとヨー角速度φ’を用いて、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’を演算するステップS130を行う。目標操舵角δは、下記の数式(2)〜(8)で示されるパワーステアリングシステム10の状態方程式よ
り求める。
目標操舵角δが算出されると、次に、その目標操舵角δを時間で微分して、目標操舵角速度δ’を算出する。
次に、ECU13の基本流量算出手段S1が、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’を用いて、基本流量Q_baseを演算するステップS140を行う。このステップS140では、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’の大きさによって、ポンプ12の基本流量Q_baseを図4に示すファジィルールR1で決める。
ここでいう、ファジィルールR1とは、ファジィ集合S1を、図5の(a)と(b)を入力のファジィ集合として、図5の(c)を出力のファジィ集合として、作られた推論則である。詳しくは、目標操舵角δがbig(大きい)、且つ目標操舵角速度δ’がbigの場合の基本流量Q_baseをbigとし、目標操舵角δがmiddle、且つ目標操舵角速度δ’がmiddleの場合の基本流量Q_baseをmiddleとし、目標操舵角δがsmall(小さい)、且つ目標操舵角速度δ’がsmallの場合の基本流量Q_baseをsmallとする。
つまり、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’の増加に伴って基本流量Q_baseを増加するファジィルールR1に基づいて基本流量Q_baseを算出しており、ドライバの感覚に近い結果を得ることができ、操舵に関するドライバのノウハウを推論として利用することができる。
次に、ECU13の第1吐出流量制御手段S2が、ポンプ12の吐出流量Q_outが、基本流量Q_baseとなるように電磁弁28を制御するステップS150を行って、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、ドライバがハンドル8を操舵操作する前に、車両状態と道路状態(ステップS110で読み込まれるパラメータ)から、目標操舵角δと目標操舵角速度δ’を算出し、その目標操舵角δと目標操舵角速度δ’からファジィルールR1に応じた基本流量Q_baseを算出することができる。
これにより、ドライバがハンドル8を操舵するときの応答性を向上して、最適な操舵アシスト力を提供すると共に、ポンプ12のエネルギ損失を抑制することができる。また、事前にドライバの操舵動作を推測し、操舵操作の必要がある場合に基本流量Q_baseを大きくするので、ポンプ12の省エネルギ運転域が広く、消費されるエネルギを低減することができる。
なお、この実施の形態では、前輪5のコーナリングパワーK、後駆動輪6のコーナリングパワーKを定数とし、輪荷重に比例する値としたが、例えば、スリップ角を考慮して算出された変数を用いてもよい。また、カメラ14による道路曲率ρを計測する方法は、例えば、特開2001−10518号公報で開示されている公知の方法などを用いることができ、その計測方法については限定しない。
次に、本発明に係る第2の実施の形態のパワーステアリングシステムについて、図6を参照しながら説明する。このパワーステアリングシステム30は、図1のパワーステアリングシステム10のカメラ14に換えて、図6に示すように、道路状態取得装置31を備え、加えて、ハンドル角度センサ32を備える。
道路状態取得装置31は、カーナビゲーションのように地図と衛生測位システム(全地球航法衛星システムともいう;GPS、GLONASS、ガリレオなど)とから車両1の現在位置を把握して、車両1がこれから走行する道路の道路状態として道路曲率ρを取得する装置である。この道路状態取得装置31の代わりにカーナビゲーションを用いてもよい。
この実施の形態のパワーステアリングシステム30は、ECU13に、前述した基本流量算出手段S1と、第1吐出流量制御手段S2に加えて、目標操舵角δと実操舵角θとの角度偏差値(δ−θ)(以下、角度偏差値Δδとする)と、目標操舵角速度δ’と実操舵角速度θ’との角速度偏差値(δ’−θ’)(以下、角速度偏差値Δδ’とする)の大きさによって基本流量Q_baseに追加する急操舵時追加流量Q_steを算出する急操舵時追加流量算出手段S5と、急操舵時追加流量Q_steがゼロより大きい場合に、基本流量Q_baseに急操舵時追加流量Q_steを加算した第1補正流量Q_corr1を算出する第1補正流量算出手段S6と、ポンプ12の吐出流量Q_outがその第1補正流量Q_corr1になるように制御する第2吐出流量制御手段S7と、を備える。
次に、本発明に係る第2の実施の形態のパワーステアリングシステム30の制御方法について、図7と図8を参照しながら説明する。ここでは、図3に示す制御方法と同様のステップについては同様の符号を用いて、その説明については省略する。
まず、図7に示すように、ECU13が必要パラメータを読み込むステップS210を行う。このステップS210では、ステップS110のパラメータの道路曲率ρに換えて、道路状態取得装置31で計測した道路曲率ρと、それに加えて、ハンドル角センサ32で検知した実操舵角θ(deg)と、その実操舵角θを時間で微分した実操舵角速度θ’(deg/s)も読み込む。
次に、ステップS120からステップS140まで行うと、次に、ECU13の急操舵
時追加流量算出手段S5が、目標操舵角δと実操舵角θとの角度偏差値Δδと、目標操舵角速度δ’と実操舵角速度θ’との角速度偏差値Δδ’とを演算するステップS220を行う。
次に、角度偏差値Δδと角速度偏差値Δδ’を用いて、急操舵時追加流量Q_corr1を演算するステップS230を行う。このステップS230では、角度偏差値Δδと角速度偏差値Δδ’の大きさによって、基本流量Q_baseに追加する急操舵時追加流量Q_corr1を図8に示すファジィルールR2で決める。ここで、操舵角速度感度パラメータをLとする。
このファジィルールR2は、ファジィ集合S2を用いて作られた推論則である。詳しくは、角度偏差値Δδに、操舵角速度感度パラメータLと角速度偏差値Δδ’を積算した値を加算した値がbigの場合に、ドライバの急操舵意識が強い(又は、車両1が急操舵されている)と判断し、角度偏差値Δδと角速度偏差値Δδ’の大きさに応じて、急操舵時追加流量Q_steをbigとし、また、角度偏差値Δδに、操舵角速度感度パラメータLと角速度偏差値Δδ’を積算した値を加算した値がsmallの場合に、外乱として処理し、急操舵時追加流量Q_steをゼロとする。
この操舵角速度感度パラメータLは、実験的に求めた任意の値に設定することができるが、小さい値に設定すると、操舵速度に対する感度を高くすることができ、大きい値に設定すると、操舵速度に対する感度を低くすることができる。
ステップS230で、急操舵時追加流量Q_steがゼロの場合は、次に、ステップS150を行いこの制御方法は完了する。一方、ステップS230で、急操舵時追加流量Q_steがゼロでない場合は、次に、ECU13の第1補正流量算出手段S6が、ステップS140で算出した基本流量Q_baseに急操舵時追加流量Q_steを加算して、第1補正流量Q_corr1を演算するステップS240を行う。
次に、ECU13の第2吐出流量制御手段S7が、ポンプ12の吐出流量Q_outが、第1補正流量Q_coor1となるように、電磁弁29を制御するステップS250を行い、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、事前に推測したドライバの操舵操作以上にドライバがハンドル8を操舵操作しても、その急操舵を判定することができ、その急操舵に伴った急操舵時追加流量Q_steを基本流量Q_baseに追加することができる。これにより、ドライバが急操舵しても応答性を低下することなく、最適な操舵アシスト力を提供して、操舵性能を保持することができる。
また、道路曲率ρをこの実施の形態では、地図と衛生測位システムを有する道路状態取得装置31を用いたが、例えば、衛星測位システムと操舵レコーダ(ドライバが同じ路線を走ったときの操舵操作を記録する装置)を有する道路状態取得装置を用いてもよい。
次に、本発明に係る第3の実施の形態のパワーステアリングシステムについて、図9を参照しながら説明する。このパワーステアリングシステム40は、図1のパワーステアリングシステム10に加えて、図9に示すように、加速度センサ41を備える。
この加速度センサ41は、車両1の上下加速度Z(m/s)、ロール加速度α(m/s)、及びピッチ加速度β(m/s)を計測することができればよく、三軸加速度センサが好ましく、また、ジャイロセンサを代わりに用いることができる。
このパワーステアリングシステム40は、ECU13に、上下加速度Z、ロール加速度α、及びピッチ加速度βの大きさによって基本流量Q_baseに追加する凸凹時追加流量Q_rouを算出する凸凹時追加流量算出手段S8と、凸凹時追加流量Q_rouがゼロより大きい場合に、基本流量Q_baseに凸凹時追加流量Q_rouを加算した第2補正流量Q_corr2を算出する第2補正流量算出手段S9と、ポンプ12の吐出流量Q_outがその第2補正流量Q_corr2になるように制御する第3吐出流量制御手段S10と、を備える。
次に、本発明に係る第3の実施の形態のパワーステアリングシステム40の制御方法について、図10と図11を参照しながら説明する。ここでは、図3に示す制御方法と同様のステップについては同様の符号を用いて、その説明については省略する。
まず、図10に示すように、ECU13が必要パラメータを読み込むステップS310を行う。このステップS310では、ステップS110のパラメータに加えて、加速度センサ41で検知した車両1の上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βも読み込む。
次に、ステップS120からステップS140まで行うと、次に、ECU13の凸凹時追加流量算出手段S8が、上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βを用いて、凸凹時追加流量Q_rouを演算するステップS320を行う。このステップS320では、上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βの大きさによって、基本流量Q_baseに追加する凸凹時追加流量Q_rouを図11に示すファジィルールR3で決める。
このファジィルールR3は、ファジィ集合S3を用いて作成される推論則である。詳しくは、上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βがbigの場合に、ドライバが操舵しづらい(又は、車両1が走行している道路の凸凹が大きい)と判断し、上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βの大きさに応じて、凸凹時追加流量Q_rouをbigとし、上下加速度Ζ、ロール加速度α、及びピッチ加速度βがsmallの場合に、外乱として処理し、凸凹時追加流量Q_rouをゼロとする。
ステップS320で、凸凹時追加流量Q_rouがゼロの場合は、次に、ステップS150を行いこの制御方法は完了する。一方、ステップS320で、凸凹時追加流量Q_rouがゼロでない場合は、次に、ECU13の第2補正流量算出手段S9が、ステップS140で算出した基本流量Q_baseに凸凹時追加流量Q_rouを加算して、第2補正流量Q_corr2を演算するステップS330を行う。
次に、ECU13の第3吐出流量制御手段S10が、ポンプ12の吐出流量Q_outが、第2補正流量Q_coor2となるように、電磁弁28を制御するステップS340を行い、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、車両1の上下加速度Ζ、ロール角速度α、及びピッチ角速度βによって、路面の凸凹の大きさを判断することができ、その路面の凸凹の大きさに応じてポンプ12の吐出流量Q_outを増加することができる。これにより、ドライバが凸凹の路面で保舵操作又は操舵操作するときに、ハンドル8を捉えられて、保舵操作又は操舵操作がしづらい感覚を抑制することができる。
従来のように、車速Vの高低によって流量を決定することは、路面の凸凹に応じた適当な流量を設定することができず、流量を高く設定すると省エネルギ領域が狭くなり、低く設定すると路面の凸凹に対して流量が足りずに操舵性が悪くなる。本発明は基本流量Q_
baseに路面の凸凹の大きさに応じた凸凹時追加流量Q_rouを追加することで、その問題を解決することができる。
次に、本発明に係る第4の実施の形態のパワーステアリングシステムについて、図12を参照しながら説明する。このパワーステアリングシステム50は、図1に示す第1の実施の形態のパワーステアリングシステム10のカメラ14に換えて、図12に示すように、ヨーレートセンサ51を備え、加えて、ハンドル角センサ52と加速度センサ53を備える。
このパワーステアリングシステム50は、ECU13に、ヨーレートセンサ51が検知するヨー角φと、そのヨー角φを時間で微分してヨー角速度φ’を算出するヨー角算出第2手段を有する基本流量算出手段S11、第1吐出流量制御手段S2、急操舵時追加流量算出手段S5、第1補正流量算出手段S6、第2吐出流量制御手段S7、凸凹時追加流量算出手段S8、第2補正流量算出手段S9、及び第3吐出流量制御手段S10を備える。
加えて、急操舵時追加流量Q_steと凸凹時追加流量Q_rouがそれぞれゼロより大きい場合に、基本流量Q_baseに急操舵時追加流量Q_steと凸凹時追加流量Q_rouとを加算した第3補正流量Q_corr3を算出する第3補正流量算出手段S12と、ポンプ12の吐出流量Q_outがその第3補正流量Q_corr3になるように制御する第4吐出流量制御手段S13と、を備える。
次に、本発明に係る第4のパワーステアリングシステム50の制御方法について、図13を参照しながら説明する。図3、図7、及び図10に示す制御方法と同様のステップについては同様の符号を用いて、その説明については省略する。
まず、ECU13が必要パラメータを読み込むステップS410を行う。このステップS410では、ステップS110のパラメータに換えて、ヨーレートセンサ51が検知するヨー角φと、そのヨー角φを時間で微分したヨー角速度φ’と、ハンドル角センサ52で検知した実操舵角θ(deg)と、その実操舵角θを時間で微分した実操舵角速度θ’(deg/s)と、加速度センサ53で検知した車両1の上下加速度Ζ(m/s)、ロール加速度α(m/s)、及びピッチ加速度β(m/s)を読み込む。
次に、ステップS130からステップS140まで行うと、次に、ステップS320を行う。このステップS320で、凸凹時追加流量Q_rouがゼロでない場合は、次に、ステップS330を行ってから次のステップS220へ進む。
一方、凸凹時追加流量Q_rouがゼロの場合は、ステップS330を行わずに、次に、ステップS220からステップS230を行う。
このステップS230で、凸凹時追加流量Q_rouがゼロ、且つ急操舵時追加流量Q_steがゼロの場合は、次に、ステップS150を行い、この制御方法は完了する。また、凸凹時追加流量Q_rouがゼロ、且つ急操舵時追加流量Q_steがゼロより大きい場合は、次に、ステップS240からステップS250までを行い、この制御方法は完了する。加えて、凸凹時追加流量Q_rouがゼロより大きく、且つ急操舵時追加流量Q_steがゼロの場合は、ステップS340を行い、この制御方法は完了する。
さらに、凸凹時追加流量Q_rouがゼロより大きく、且つ急操舵時追加流量Q_steがゼロより大きい場合は、ECU13が、第3補正流量算出手段S12が、ステップS140で算出した基本流量Q_baseに凸凹時追加流量Q_rouと、急操舵時追加流量Q_steとを加算して、第3補正流量Q_corr3を算出するステップS420を
行う。
次に、ECU13の第4吐出流量制御手段S13が、ポンプ12の吐出流量Q_outが、第3補正流量Q_coor3となるように、電磁弁28を制御するステップS430を行い、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、基本流量Q_baseをベースとして、急操舵時に、及び凸凹の道路を走行時に、その基本流量Q_baseに急操舵による急操舵時追加流量Q_steと凸凹の大きさによる凸凹時追加流量Q_rouを加えることができるので、吐出流量Q_outを適切に設定することができる。これにより、省エネルギ運転域を広くしたまま、操舵性を保持することができる。
上記の第1〜第4の実施の形態のパワーステアリングシステム10、30、40、又は50を搭載する車両1は、ポンプ12のエネルギ損失を最大限に抑制するので、燃費を向上することができ、また、ドライバに最適な操舵アシスト力を提供することで、運転の快適性を向上することができる。
なお、ヨー角φとヨー角速度φ’を得るまでの工程については、第1の実施の形態の制御方法で説明したカメラ14を用いた算出方法、第2の実施の形態の制御方法で説明した道路状態取得装置31を用いた算出方法、又は、第4の実施の形態の制御方法で説明したヨーレートセンサ51を用いた方法のどれか一つを用いればよい。
また、急操舵時追加流量Q_steを演算するステップS230と、凸凹時追加流量Q_rouを演算するステップS320を実施の形態では、基本流量Q_baseを演算するステップS140の後に行ったが、ステップS140の前で、必要パラメータを読み込んだ後に、行なってもよい。
加えて、上記の第1〜第4の実施の形態の制御方法は、予め定めた時間毎に行うように設定するか、各演算に必要なパラメータ(例えば、道路曲率ρ、実操舵角度θ、車両1の上下加速度Ζなど)が変化したときに行うように設定するとよい。
さらに、ステップS140、ステップS230、及びステップS320で用いるファジィルールR1、R2、及びR3は車両状態、路面状態、若しくは操舵操作の状態などにより任意に設定することができ、実施の形態で説明した以外のルールを追加する、及び説明したルールを削除するなどしてもよく、上記に限定しない。
本発明のパワーステンなリングシステムは、ドライバが操舵する前に、最適な目標操舵角と目標操舵角速度を算出し、その目標操舵角と目標操舵角速度に応じた基本流量に基づいてポンプを制御することで、エネルギ損失を低減すると共に、応答性を向上して操舵性を向上することができるので、油圧式のパワーステアリングシステムを搭載した車両に適用することができる。
1 車両
2 ボディ
3 キャブ
4 シャーシ
5 前輪
6 後駆動輪
7 後輪
8 ハンドル(ステアリングホイール)
10、30、40、50 パワーステアリングシステム
11 パワーステアリング(操舵補助装置)
12 ポンプ
13 ECU(制御装置)
14 カメラ(映像取得装置、又は画像取得装置)
15 車速センサ
31 道路状態取得装置
32、52 ハンドル角センサ(操舵角センサ)
41、53 加速度センサ
51 ヨーレートセンサ
S1 基本流量算出手段
S2 第1吐出流量制御手段
S3 ヨー角算出第1手段
S4 目標操舵角算出手段
S5 急操舵時追加流量算出手段
S6 第1補正流量算出手段
S7 第2吐出流量制御手段
S8 凸凹時追加流量算出手段
S9 第2補正流量算出手段
S10 第3吐出流量制御手段
S11 基本流量算出手段(ヨー角算出第2手段を備える基本流量算出手段)
S12 第3補正流量算出手段
S13 第4吐出流量算出手段

Claims (9)

  1. ハンドルの操舵性を補助する操舵補助装置に作動油を供給するポンプと、前記ポンプの作動油の吐出流量を制御する制御装置と、を備えるパワーステアリングシステムにおいて、
    前記制御装置が、
    車両状態と道路状態とに基づいて目標操舵角と目標操舵角速度とを算出し、算出した前記目標操舵角と前記目標操舵角速度の増加に伴って増加する基本流量を算出する基本流量算出手段と、
    前記ポンプの吐出流量を前記基本流量になるように制御する第1吐出流量制御手段と、を備えることを特徴とするパワーステアリングシステム。
  2. 前記基本流量算出手段に、
    検知又は計測した車速と道路曲率とに基づいてヨー角とヨー角速度を算出するヨー角度算出第1手段、又は、検知又は計測したヨー角速度からヨー角を算出するヨー角算出第2手段のどちらか一方と、
    前記ヨー角と前記ヨー角速度を用いた車両の状態方程式から前記目標操舵角と前記目標操舵角速度とを算出する目標操舵角算出手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリングシステム。
  3. 前記目標操舵角と実操舵角度との角度偏差値と、前記目標操舵角速度と実操舵角速度との角速度偏差値とが大きい場合に、車両が急操舵されたと判定して急操舵時追加流量を算出する急操舵時追加流量算出手段と、
    前記基本流量に前記急操舵時追加流量を加算して第1補正流量を算出する第1補正流量算出手段と、
    前記ポンプの吐出流量を前記第1補正流量になるように制御する第2吐出流量制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリングシステム。
  4. 車両上下加速度、ロール加速度、又はピッチ角速度の少なくとも一つから車両が凸凹を走行中か否かを判定する凸凹判定手段と、
    前記凸凹判定手段で車両が凸凹を走行中と判定すると、前記車両上下加速度、前記ロール加速度、又は前記ピッチ角速度の少なくとも一つの増加に伴って増加する凸凹時追加流量を算出する凸凹時追加流量算出手段と、
    前記基本流量に前記凸凹時追加流量を加算して第2補正流量を算出する第2補正流量算出手段と、
    前記ポンプの吐出流量を前記第2補正流量になるように制御する第3吐出流量制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーステアリングシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパワーステアリングシステムを搭載したことを特徴とする車両。
  6. ハンドルの操舵性を補助する操舵補助装置に作動油を供給するポンプの作動油の吐出流量を制御するパワーステアリングシステムの制御方法において、
    車両状態と道路状態とに基づいて、状態方程式から目標操舵角と目標操舵角速度とを算出し、算出した前記目標操舵角と前記目標操舵角速度の増加に伴って増加する基本流量を算出する基本流量算出工程と、
    前記ポンプの吐出流量を前記基本流量になるように制御する第1吐出流量制御工程と、を含むことを特徴とするパワーステアリングシステムの制御方法。
  7. 前記基本流量算出工程に、
    検知又は計測した車速と道路曲率とに基づいてヨー角とヨー角速度を算出するヨー角度算出第1工程、又は、検知又は計測したヨー角速度からヨー角を算出するヨー角算出第2工程のどちらか一方と、
    前記ヨー角と前記ヨー角速度を用いた車両の状態方程式から前記目標操舵角と前記目標操舵角速度とを算出する目標操舵角算出工程と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のパワーステアリングシステムの制御方法。
  8. 前記第1吐出流量制御工程の前に、前記目標操舵角と実操舵角度との角度偏差値と、前記目標操舵角速度と実操舵角速度との角速度偏差値とから、車両が急操舵されたか否かを判定する急操舵判定工程と、
    前記急操舵判定工程で車両が急操舵されたと判定すると、前記角度偏差値と前記角速度偏差値の増加に伴って増加する急操舵時追加流量を算出する急操舵時追加流量算出工程と、
    前記基本流量に前記急操舵時追加流量を加算して第1補正流量を算出する第1補正流量算出工程と、
    前記ポンプの吐出流量を前記第1補正流量になるように制御する第2吐出流量制御工程と、を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のパワーステアリングシステムの制御方法。
  9. 前記第1吐出流量制御工程の前に、車両上下加速度、ロール加速度、又はピッチ角速度の少なくとも一つから車両が凸凹を走行中か否かを判定する凸凹判定工程と、
    前記凸凹判定工程で車両が凸凹を走行中と判定すると、前記車両上下加速度、前記ロール加速度、又は前記ピッチ角速度の少なくとも一つの増加に伴って増加する凸凹時追加流量を算出する凸凹時追加流量算出工程と、
    前記基本流量に前記凸凹時追加流量を加算して第2補正流量を算出する第2補正流量算出工程と、
    前記ポンプの吐出流量を前記第2補正流量になるように制御する第3吐出流量制御工程と、を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のパワーステアリングシステムの制御方法。
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