以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、弾球遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。またさらに上受け皿ユニット8には、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この枠演出ボタン13は、遊技者が操作可能な手操作手段として働く。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像(動画像を含む)により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48が遊技領域3aのほぼ中央部に配置されており、これにより、遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるようになっている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ねじなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の始動手段:第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の始動手段:第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、演出画像とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。ラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知するラウンド表示手段として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、規定ラウンド数が報知される。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41(普通変動入賞手段:普通電動役物)は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50(大入賞手段)を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別変動入賞手段:特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。勿論、普通図柄始動口37に入賞があった場合にも賞球数を払い出すように構成しても良い。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全体を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20:主制御手段)
主制御部(主制御手段)20は、遊技動作制御を統括的に司る主制御手段として機能し、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また図示はしていないが、主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに係る抽選用乱数を生成するための乱数生成回路、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路なども備えている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。またCPU201は、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備えている。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、複合表示装置38cに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、パチンコホールの遊技機を統括的に管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部20側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、具体的には、賞球の払い出しに不具合(払い出しエラー:たとえば、玉詰まりや賞球の払い出し不足)が発生したか否かを監視している。
また主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報を乗せた演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
(2−2.演出制御部24:演出制御手段)
演出制御部(演出制御手段)24は、演出動作制御を統括的に司る演出制御手段として機能し、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、およびタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、光演出や音演出を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物モータ61に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な枠演出ボタン13が接続され、演出制御部24は、枠演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能となっている。また演出制御部24には、可動体役物の動作を制御するための可動体役物モータ61が接続され、演出制御部24は、可動体役物モータ61を制御するための制御信号を送信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターンが時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
たとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、つまり、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大15ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当り(当選)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」と、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報)を含む「装飾図柄指定コマンド」とを演出制御部24に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。
なお上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出の発生に関する情報、たとえば、後述のリーチ状態を経由するリーチ演出や、疑似変動を伴う疑似連演出など、特定の予告演出の発生を指定する情報を含むことができる。詳しくは、上記特別図柄の変動パターンには、大当り抽選結果情報に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、リーチ状態を経由するリーチ演出指定用の変動パターン(以下、「リーチ変動パターン」と称する)と、リーチ状態を経由しない非リーチ演出指定用の変動パターン(以下、「通常変動パターン」と称する)とが含まれる。また疑似連を経由させる場合には、疑似連演出指定用のリーチ変動パターン(以下、「疑似連有りリーチ変動パターン」と称する)と、疑似連演出指定用の通常変動パターン(以下、「疑似連有り通常変動パターン」と称する)とが含まれる。これら疑似連有りとする変動パターンには、疑似連回数を指定する情報も含むことができる。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。たとえば、各図柄ごとに異なる作動保留球数の最大記憶数を設定しても良い(たとえば、特別図柄1側を最大4個、特別図柄2側を最大2個、普通図柄側を最大6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選による結果により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の作動保留球数の最大記憶数を多く設定しても良い。たとえば、特別図柄2に係る大当り抽選が相対的に利益が高い大当り種が得られる場合や、当該利益が高い大当り種の当選確率が特別図柄2の方が相対的に高い場合には、特別図柄2側を最大4個、特別図柄1側を最大1個などに設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また大当り中は、全機能が非作動となり、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し’(以下、「電サポ無し状態」と称する)となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り’(以下、「電サポ有り状態」と称する)となる。
なお本実施形態では、遊技状態に関連した演出の多様化を図るために、一の遊技状態をさらに分類して管理している。具体的には、「通常遊技状態」には、「通常遊技状態A(通常A)」、「通常遊技状態B(通常B)」、および「通常遊技状態C(通常C)」といった複数種類の通常遊技状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。すなわち、同じ通常遊技状態であっても特別図柄の変動パターンを選択する際の条件(変動パターン選択モード)が異なるようになっている。これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「通常遊技状態」でありながらも、演出に関しては「通常A」〜「通常C」という複数種類の遊技状態ごとに対応した演出を発生させるこができるようになる。さらに本実施形態では、内部遊技状態は同じ「潜確状態」でありながらも、演出に関しては、「通常A」、「通常B」、または「通常C」として管理し、上述した通常遊技状態下の「通常A」〜「通常C」と同じ遊技状態に対応した演出を発生させるこができるようなっている(各遊技状態の移行条件については後述する)。本実施形態において、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態、潜確状態、および確変状態が含まれ、また演出の決定に着目した場合の「遊技状態(変動パターン選択モード)」の種類には、通常A、通常B、通常C、および確変状態が含まれる。
このように本実施形態では、大当り抽選確率や電サポの有無に着目した遊技状態(内部遊技状態)と、演出の決定に着目した遊技状態とを異なるものとして管理することで、内部遊技状態が同じであっても、複数種類の演出モードを実現させることができるようになっている。これにより、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。なお本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と演出の決定に着目した場合の上記遊技状態とを同列に扱う。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選を行うようになっている。この当り種別には、「15R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り(小当りA、小当りB、および小当りC)」などの複数種類の当りが含まれる。
これら当りのうち、「15R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態への移行契機となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「15R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとなっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.15R長開放確変大当りによる当り遊技)
15R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「15R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を15ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の15ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の10R長開放確変大当りによる当り遊技、2R短開放潜確大当りによる当り遊技についても同様)。
なお、ラウンド遊技間における上記「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでの時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は無効なものとして扱われるようになっている。
(4−2−2.10R長開放確変大当りによる当り遊技)
10R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した15R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記15R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、5ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)では、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。ここで「短開放時間」とは、大入賞口への入賞自体を困難とする時間幅として定めたものである。本実施形態では、発射装置の性能(たとえば単位時間あたりの遊技球の連射速度性能)や大入賞口の形成位置などにより、上記「短開放時間」内に大入賞口閉鎖条件の一つである「最大入賞数」に達することが不可能なようになっている。2R潜確大当り遊技では、大入賞口50が短開放時間しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口50の入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は極めて低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
以上のように本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り遊技中の賞球数、換言すれば、遊技者が獲得し得る遊技球数(獲得賞球数)が異なるように構成されている。なお、2R潜確大当り遊技では最大開放時間を上記短開放時間に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、大入賞口50への入賞がある程度許容されるように、15R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技と同じ長開放時間を設定しても良いし、上記最大入賞数に達することは困難または不可能であるが、大入賞口50への入賞球数をある程度確保できるような開放時間(長開放時間よりも短く、短開放時間よりも長い中間的な開放時間:たとえば、5秒)に設定しても良い。また、賞球数を異ならせるために、大当りの種類に応じて、上記最大入賞数をそれぞれ異なる個数に設定しても良い。
(4−2−4.小当り(小当りA〜小当りC)による当り遊技)
小当りA〜小当りCによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。この点も2R潜確大当り遊技と同じである。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一または酷似する動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と同一または酷似する演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、2R短開放潜確大当りへの当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(4−3−1.15R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
15R確変大当り遊技後は、図示のように、その大当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)。以下同じ):たとえば70回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定する(特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示され、大当り遊技の発生が確定した場合。なお、大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)まで当該確変状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常A(内部遊技状態は通常遊技状態)」に移行されるようになっている。本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当り(小当りは除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。
(4−3−2.10R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
15R確変大当り遊技後は、その大当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行され、この確変状態となってからの遊技状態遷移は、上述した15R確変大当りの場合と同じである。
(4−3−3.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その大当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態「通常A」〜「通常C」であった場合(内部遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であった場合)には「通常C(内部遊技状態は潜確状態)」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。ここでの「通常C」は、先に述べたように、内部遊技状態が通常遊技状態の「通常C」と同じ遊技状態として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が潜確状態の「通常C(潜確)」である。
2R潜確大当り遊技終了後の「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームが第1の所定回数(たとえば30回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行される。つまり、規定ST回数を前半区間と後半区間とで区切った場合、前半区間は「通常C」下に置かれ、後半区間は「通常A」下に置かれることになる。したがって、この「通常C」から「通常A」へと移行された場合は、内部遊技状態が潜確状態の「通常A」に移行される。
上記潜確状態の「通常A」となった後、前半区間の「通常C」中を含めた特別図柄変動表示ゲームの実行回数が規定ST回数(70回)終了するまでの間か、またはその規定ST回数内で大当り(小当りを含む)が確定するまで「通常A」が継続し、その規定ST回数内で大当り(小当りを含む)が確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、高確率状態が終了となり、次ゲームから通常遊技状態の「通常A」に移行される。つまり、2R潜確大当り遊技終了後に「通常C」となった後、上記規定ST回数(たとえば、70回)以内に大当りに当選しなかった場合は、内部遊技状態が潜確状態の「通常C(特別図柄変動表示ゲームの実行回数30回)」→同状態の「通常A(特別図柄変動表示ゲームの実行回数40回)」(ST規定回数終了)→内部遊技状態が通常遊技状態の「通常A」、といった遊技状態遷移となる。
なお本実施形態では、どの大当りに当選しても「時短状態」が発生しない構成となっているが本発明はこれに限らず、大当り遊技終了後に時短状態を発生させる他の大当り(非確変大当り:時短大当り)を設けても良い(本実施形態の大当りの一種(たとえば、10R長開放確変大当り)を時短大当りとしても良い)。この場合、時短状態の終了条件としては、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまでを条件とすることができる。また本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(規定ST回数)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまで当該高確率状態が継続するものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りが確定または当選するまで高確率状態を継続させる他の大当り(非ST確変大当り)を設けても良い(本実施形態の大当りの一種(たとえば、15R長開放確変大当り)を非ST確変大当りとしても良い)。また本実施形態の15R・10R長開放確変大当りのような回数切り確変への移行契機となる「ST確変大当り」、2R短開放潜確大当りのような潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、上記時短状態への移行契機となる「時短大当り」、または上記非STの確変状態に移行契機となる「非ST確変大当り」などは、それぞれ1または複数種類含むことができる。。また、当り遊技後に何ら特典を付与しない、つまり通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けても良い。
(4−4.小当り遊技終了後の遊技状態)
次に小当り遊技後の遊技状態について説明する。ここで小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続されるようになっている。つまり、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。このため、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。しかし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、‘遊技状態’の移行制御は行うようになっている。これにより、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ遊技状態に移行させた場合には、双方で同じ演出をなす演出モードに滞在させることができる。つまり、小当り遊技後であっても2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。以下、図4を参照しながら、小当りA〜小当りCに当選した場合における各小当り遊技終了後の遊技状態について詳細に説明する。
(4−4−1.小当りAに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りAによる小当り遊技後は、図示のように、その大当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常B」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。上記「通常B」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームが所定回数(たとえば100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常B」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常B」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。
(4−4−2.小当りBに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りBによる小当り遊技後は、図示のように、その大当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常C」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。この小当りBによる「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームが第2の所定回数(たとえば15回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。
(4−4−3.小当りCに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りCによる小当り遊技後は、図示のように、その大当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常C」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。この小当りCによる「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームが第3の所定回数(好ましくは、「上記第2の所定回数<第3の所定回数」および「第1の所定回数=第3の所定回数」の少なくともいずれか一方の関係を満たす回数。本実施形態では、たとえば30回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。したがって、上述の小当りC当選に起因して移行される「通常C」と上記小当りB当選に起因して移行される「通常C」とは同一の遊技状態である。ただし、「通常C」の滞在期間が、特別図柄変動表示ゲーム30回(図中の「通常C(30回)」)で終了するものであるか、15回(図中の「通常C(15回)」)で終了するものであるかという点が異なる。
ここで上述の「通常C」は、2R潜確大当り遊技終了後にも移行し得る遊技状態である。このため、2R短開放潜確大当り当選、小当りB当選、または小当りC当選に起因して「通常C」に移行された場合は、それぞれ「通常C」に対応した演出をなす演出モード(後述の「通常C演出モード」)に滞在することになり、演出上において、内部遊技状態が「潜確状態」であるか否か、つまり大当り当選確率状態が高確率状態であるか低確率状態であるか否かが秘匿される。本実施形態では、通常遊技状態と潜確状態とで特別図柄確変機能の作動状況に違いはあるものの、外観上に現れる機械的な遊技動作状態が同じ状態となることに着目し(双方ともに‘電サポ無し状態’)、遊技者側に演出上からもどのような遊技状態であるかを察知されないようにすることで、高確率状態の期待感を遊技者に与えることができるようになっている。特に、大当りまたは小当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲーム15回を終了し、次ゲームも「通常C」に対応する演出をなす演出モードに滞在している場合には、小当りC当選か、または2R短開放潜確大当り当選かの限定されるため、「通常C(15回)」よりも「通常C(30回)」の方が高確率状態に突入したかも知れないという期待感がより一層高まる。
なお「通常C」から「通常A」に移行された場合であっても、遊技者に高確率状態の期待感を残すため、「通常C」の継続回数は、規定ST回数よりも少ない回数であることが好ましい。また特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)に応じて、上記「通常C」から「通常A」への移行させるだけなく、「通常C」に滞在中に特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数終了した後、特別図柄変動表示ゲーム実行毎に、所定の移行抽選を行い、その移行抽選に当選した場合には当該「通常C」から「通常A」へと移行させても良い。たとえば、2R短開放潜伏確変大当りまたは小当りCに当選した場合は第1の所定回数(たとえば30回)終了した後、上記移行抽選を行い、小当りBに当選した場合は第2の所定回数(たとえば15回)終了した後、上記移行抽選を行う。さらに、規定ST回数が終了するまで、上記移行抽選に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、強制的に「通常A」に移行させることが好ましい。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、各遊技状態下に対応する演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、現在の遊技状態に関連した演出をなす演出モードを設け、その演出モード間を行き来可能に構成している。具体的には、「通常A」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常A演出モード」と、「通常B」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常B演出モード」と、「通常C」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常C演出モード」と、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」とを含む各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。なお上記「通常C」に対応する「通常C演出モード」は、演出上、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とし、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす「秘匿演出モード」としての役割を果たす。
演出制御部24(CPU241)は、演出モードを移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有し、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド:現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行される旨を知らせたりする演出制御コマンド)に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、これらの演出モード間を移行制御可能に構成されている。
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、たとえば「通常A演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景画像表示演出(以下、「背景演出」と略す):第1の背景演出)、「通常B演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)、「通常C演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)、「確変演出モード」下では季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)にそれぞれ切り替え制御される。
なお本実施形態の「通常C演出モード」は、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同じ演出モードであると説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、主制御部20から演出制御部24に対して、所定のタイミングで内部遊技状態情報を含む演出制御コマンド(たとえば、「変動パターン指定コマンド」、「装飾図柄指定コマンド」、「遊技状態指定コマンド」、当り中に送信されるコマンド(「大当り開始コマンド」や「大当り終了コマンド」など))を送信することで、内部遊技状態に応じて、潜確状態(高確率状態)下における「本物の通常C演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態)下における「ガセの通常C演出モード(第2の秘匿演出モード)」とに移行制御可能に構成しても良い。
たとえば、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘小当りB’または‘小当りC’に当選し、当該通常遊技状態が維持される場合には、その小当り遊技終了後に「通常C演出モード」のうち上記「ガセの通常C演出モード(低確)」に移行させ、他方、内部遊技状態が「通常遊技状態」中または「潜確状態」中に‘2R短開放潜確大当り’に当選し、潜確状態に移行される場合には、その2R潜確大当り遊技終了後に「通常C演出モード」のうち上記「本物の通常C演出モード(高確)」に移行制御可能な構成とすることができる。この場合、各演出モード下における演出に関しては、上記「本物の通常C演出モード(高確)」と上記「ガセの通常C演出モード(低確)」の双方の背景演出を同じにて(たとえば、双方ともに、季節‘秋’を連想させる背景演出)、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態としつつ、上記「本物の通常C演出モード(高確)」と上記「ガセの通常C演出モード(低確)」とで、特定の演出の発生確率を異ならせるようにし、高確率状態であるか否かの推測要素を遊技者に与えることができるようになる(たとえば、上記「ガセの通常C演出モード」よりも「本物の通常C演出モード」の方が特定の演出(潜確状態の可能性がある旨を示唆、暗示させる潜確期待演出)の発生確率を高める、といった形態があげられる)。これにより、現在の内部遊技状態が潜確状態であるか否かの潜確期待感を遊技者に与え、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、図柄変動表示ゲーム中において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な予告演出を、上述した演出モード下で現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。斯様な演出態様には、「リーチ演出(リーチ変動パターンに係る演出態様)」に代表される予告演出の他、これらの演出に付随して、または単独的に発生するものが含まれる。これらの演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として機能する。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(5−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終結果を表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いことを遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示しているといった、いわゆる「聴牌状態(リーチ図柄)」を呈している。但し、最終的に導出される結果が必ずしも大当り発生を示す表示態様、たとえば「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」が導出されるとは限らない)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)、またはリーチ図柄の一部または全部の装飾図柄とともに、いまだ導出表示されていない装飾図柄が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当り種別への当選可能性がある旨を予告(示唆)するものであり、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ状態を伴うリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ状態(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’)を伴うリーチ演出が出現した場合に比べて、当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ状態を伴うリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。このSPリーチの多くは、当り当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。斯様なSPリーチには、Nリーチを経由してからSPリーチへと段階的に発展するステップアップ的なリーチ演出が含まれる。なお「リーチ演出」には、リーチ状態を経由するNリーチやSPリーチの他、あたかもリーチ状態を経由しない非リーチ演出(いわゆる、「通常変動」)の如く装い、最終的に導出された結果(装飾図柄の組合せ)が大当りを示す停止表示態様となる、といった遊技者の意表を突くリーチ演出(突然当りリーチ演出)や、リーチ状態を経由し、またはこれを経由せずに、所定の変動時間、大当りを示す表示態様を保持したままで変動表示を行い、大当り当選確定を予告するといったプレミアム的なリーチ演出(全回転リーチ演出)を含むことができる。これらの特殊なリーチ演出は、大当りになること(大当り当選確定)を予告する演出態様として利用される。
本実施形態のリーチ演出には、次のような複数種類のリーチ演出が設けられている。まずリーチ演出を大別すると、「通常A」または「通常B」専用の「Nリーチ、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、および強SPリーチB」種別や、「通常C」専用の「特殊リーチ」種別や、「確変状態」専用の「確変中リーチ」種別などが設けられている。これらのリーチ演出種別には、1または複数種類の変動パターンが含まれる。たとえば「弱SPリーチ」種別には‘弱SPリーチ1〜3’が、「強SPリーチ種別」には‘強SPリーチ1〜3’が、「特殊リーチ」種別には‘特殊リーチ1〜3’が、「確変中リーチ」種別には‘確変中リーチ1〜3’が含まれる。
リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。具体的には、一の遊技状態(たとえば、通常A)において、一のリーチ演出(たとえば、強SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、当該リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている(後述の予告演出に対する当り当選期待度も同じように、「当選時の予告演出の出現率/当該予告演出の全出現率」で示される)。したがって当り当選期待度が高いほど、ハズレ時に出現しにくく、大当り時に出現しやすい演出となる。本実施形態では、異種のリーチ種別間では「Nリーチ<弱SPリーチ<強SPリーチ」の関係で、また同種類のリーチ間では、番号が大きいほど(たとえば、「Nリーチ1<Nリーチ2<Nリーチ3」、「弱SPリーチ1<弱SPリーチ2<弱SPリーチ3」の関係)当り当選期待度が高くなるように、各種の演出の選択率が定められている。なお、実際の当り当選期待度は、他の予告演出が伴うか否かに応じて変化しうる。たとえば、上記弱SPリーチが出現した場合であっても、当り当選期待度の高い予告演出(たとえば、後述の疑似連や期待予告演出)が絡めば、上記強SPリーチと同等もしくはそれ以上の当り当選期待度となりうる。
(5−2.期待予告演出)
本実施形態では、大当りである旨を示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由するようになっている。このため、遊技者にとって、リーチ演出の発生の有無が大当りの可能性を知る手がかりとなる。そこで、リーチ演出の発生可能性を予告(示唆)する演出態様、換言すれば、当り当選期待度をさらに明確に予告しうる演出態様として、複数種類の「期待予告演出」が設けられている。この「期待予告演出」は、当り当選期待度を予告する煽り演出としての役割を担うものであるが、特定の演出(たとえば、リーチ演出)が発生する可能性がある旨を予告したり、特定の演出の発生が確定する旨を予告したりする役割も担う。したがって、リーチ演出のような特定の演出が発生する演出シナリオでは、期待予告演出が当該特定の演出が発生する前段階で発生し、リーチ演出の発生可能性を予告するとともに、当り当選期待度を予告する場合がある。つまり、単にリーチ演出が単独で発生する場合よりも、期待予告演出が伴えば、当り当選期待度がより明確化され、遊技者の当り当選期待感を煽ることができるようになっている。また期待予告演出は、大当り抽選結果に関連して、1または複数種類の期待予告演出が複合して発生する場合があり、複数種類の期待予告演出が複合することで、より明確な当り当選期待度が示されるようになっている。たとえば、当り当選期待度が高い期待予告演出が発生すれば、当り当選期待度がより高まることになる。
次に、本実施形態の「期待予告演出」について説明する。なお本実施形態では、大当りである旨を示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由する関係上、本明細書中では、上記「期待予告演出」の発生タイミングに着目し、リーチ演出前に発生しうる予告演出を「前予告演出」と、リーチ演出中に発生しうる予告演出を「後予告演出」と称して説明する。
(5−2−1.疑似連(疑似連演出))
本実施形態では、上記「期待予告演出」の一態様として、疑似連演出(以下、「疑似連」と略す)が設けられている。
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、具体的には、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、一セットとする変動動作があたかも複数回実行されているかの如く表現するような変動表示態様をいう。この疑似変動を行う場合には、仮リーチ状態(リーチ状態を形成するかの如く装う仮停止状態)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動動作を行ったり、または通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませて仮停止状態としてから再変動動作を行う、といったように、特殊な装飾図柄を含ませて仮停止させることにより、疑似変動が行われる旨、またはその可能性がある旨を遊技者に示唆する場合もある。斯様な「疑似連」は、主として、リーチ演出発生前に展開される「前予告演出」として働き、疑似連回数が多くなるほど当り当選期待度が高まるようにその発生率(疑似連回数に応じた疑似連の発生確率)が定められている。換言すれば、疑似連回数が多くなるほど当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の発生が期待できるようになっている。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ演出に係るリーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、リーチ演出の発生可能性がある旨の予告として、たとえば仮停止状態時の停止図柄の組合せを構成する一部または全部の停止図柄が、リーチ状態が形成されるときのリーチ図柄の組合せを構成する可能性を示唆する疑似変動動作を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由して、最終的なゲーム結果が導出されることになる。なお、リーチ演出を含まない演出シナリオの場合(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由せずに最終的なゲーム結果が導出されることになる。
本実施形態では、疑似連が発生した時点で、リーチ演出の発生が確定し、疑似連回数が3回以上発生した時点で、弱SPリーチ種別または強SPリーチ種別の発生が確定するようになっている(図22〜図23参照)。ここで、上記疑似変動が終了した後に展開される変動表示を「本変動」とも称し、本実施形態では、「疑似N回(N=2、3、4)」と表記する場合、疑似連と本変動を含めた一連の変動表示回数N回を意味する。たとえば、「疑似2」と表記する場合は、疑似変動1回+本変動回、つまり疑似連1回後、本変動表示とする、見かけ上、計2回の変動表示動作が行われることを意味し、また「疑似3(または疑似4)」と表記する場合は、疑似連2回(または疑似3回)後、本変動表示とする、見かけ上、計3回(または計4回)の変動表示動作が行われることを意味する。
(5−3.他の期待予告演出:図24、図25)
上述した「疑似連」は、主として、装飾図柄の変動表示および停止表示状態に関する演出態様である。本実施形態では、上記疑似連のような装飾図柄の変動表示態様を利用した予告演出態様とは別の予告演出態様として、複数種類の前予告演出および後予告演出が設けられている。これらの予告演出は、装飾図柄の変動表示態様を利用しない演出態様であり、上記疑似連とは区別され、疑似連中においても複合発生しうる予告演出態様となっている。なお以下に説明する予告演出は、疑似連が発生する演出シナリオの場合には当該疑似連と重複して発生しうる予告演出であり、疑似連回数と当該予告演出とにより当り当選期待度が示唆されるようになっている。
(5−3−1.前予告演出:図24)
先ず図24を参照して前予告演出1〜6について説明する。図24は、本実施形態に係る前予告演出の一例を示したものである。
図24を参照して、前予告演出1〜5は、図示のように当り当選期待度がそれぞれ異なる複数種類の予告演出を含み、演出制御部24は、変動パターンの内容(変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報)に基づいて、いずれの前予告演出種別を発生させるかを決定し、その決定された前予告演出種別に属する複数種類の予告演出のうちからいずれかの予告演出を選択する。
なお説明の便宜上、本明細書中では、前予告演出1〜5および後述の後予告演出1〜2は、この番号順に、時系列的に開始タイミングの優先順位が定められているものとする。ただし前予告演出6については、例外的に、構成される演出シナリオに応じて開始タイミングが定められ、前予告演出1〜5のいずれかの開始前後または同時に開始される場合があるものとする。また本実施形態では、演出態様の性格上、一の期待予告演出と他の期待予告演出とが複合して発生しない場合がある。本実施形態では、前予告演出2と前予告演出3(時系列的に同一の開始タイミングで現出させる)、前予告演出4と前予告演出5とが同じ特性(時系列的に同一の開始タイミングで現出させ、かつ後述のステップアップ予告演出態様に属する予告演出)を有し、演出シナリオ上、これらが複合して発生しないように当該演出の選択が行われるようになっている。
上記前予告演出1〜5および後述の後予告演出1〜2の開始タイミングについて、たとえば、当該予告演出1〜8(ただし前予告演出2と前予告演出3、または前予告演出4と前予告演出55についてはいずれか一方が選択される)のすべての予告演出を発生させる演出シナリオの場合、「前予告演出1(図柄変動表示開始とともに発生)→前予告演出2(または前予告演出3)→前予告演出4(または前予告演出5)→前予告演出6→リーチ演出→後予告演出1(リーチ状態形成とともに発生)→後予告演出2(リーチ状態形成後、所定時間経過後に発生)」という順序で開始される。また図示はしていないが、各期待予告演出は、その演出時間幅があらかじめ定められており、演出時間幅によっては、一の前予告演出が終了する前に他の予告演出が開始される場合がある。したがって、複数種類の期待予告演出が重複発生可能な構成となっている。また、必ずしもすべての期待予告演出が現出されるわけではなく、変動パターン種別と現在の演出モード種別とに基づいて、現出すべき期待予告演出を抽選により決定するようになっている。
図25を参照して、前予告演出1について説明する。本実施形態の前予告演出1は、大当り抽選結果に関連した画像表示演出の所謂「背景変化予告演出」に属するもので、現在の背景画像を特定の背景画像へと変化させ、その変化後の背景画像種に応じて当り当選期待度が予告(示唆)されるといった予告演出態様である。本実施形態では、図柄変動表示ゲームの開始とともに、花(花冠(corolla))を表現した背景画像を利用する画像表示演出が発生し、これにより背景表示の変化が起こるようになっている。上記前予告演出1に属する各演出(演出番号1〜5)は、背景画像が変化するとともに、所定の音演出または/および光演出が発生するという狭義の演出シナリオとなっているが、当該音演出と光演出は、各演出同士で同じものとなっている。なお他の期待予告演出種別に属する演出同士でも、所定の音演出、光演出、または画像表示演出が共通した演出を含んだ狭義の演出シナリオで構成される。
具体的には、上記前予告演出1には、花柄(本実施形態では、花冠を模した図柄または模様)およびその花に因んで付された花弁色(本実施形態では、花弁に付された色彩)の組合せがそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類の背景画像が出現するかにより、当り当選期待度が予告されるようになっている。遊技者は、液晶表示装置36の画面上に出現する背景画像に表現された花柄(花の種類とその花弁色)の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出1に属する各予告演出(演出番号1〜5)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せ(結合)は、上記背景画像が、白色の花弁を持つ「百合」の花柄(白色をした百合の花模様:背景百合柄予告演出)、青色の花弁を持つ「紫陽花」の花柄(青色の紫陽花の花模様:背景紫陽花柄予告演出)、黄色の花弁を持つ「菊」の花柄(黄色をした菊の花模様:背景菊花柄予告演出)、赤色の花弁を持つ「牡丹」の花柄(赤色の牡丹の花模様:背景牡丹柄予告演出)、および虹色の花弁を持つ「藤」の花柄(虹色を付したの藤の花模様(本実施形態では、最も高い当選期待度を示唆するため、例外的に、花弁色に艶やかな「虹色」を付している):背景藤柄予告演出)となっており、この花柄(模様および色彩の組合せ)の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。
本実施形態では、各期待予告演出に属する演出群のうち、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、大当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当り当選期待度を持つ予告演出として、たとえば当り当選期待度が所定の期待値以上(本実施形態では、当り当選期待度20%以上を持つ予告演出)のものを高信頼度予告演出と称し、それ以外を低信頼度予告演出と称して説明する。上記前予告演出1に属する演出番号4の「背景牡丹柄予告演出(当り当選期待度20.5%)」と演出番号5の「背景藤柄予告演出(当り当選期待度52.6%)」は、上述の高信頼度予告演出に属し、その他の予告演出は低信頼度予告演出に属する。このような高信頼度予告演出が発生すると、遊技者は、大当り当選に大きな期待を寄せることになる。
次に、前予告演出2について説明する。本実施形態の前予告演出2は、大当り抽選結果に関連した演出として、特定の画像が表示されるといった、所謂「画像表示予告演出」に属するもので、当該特定画像として、本実施形態では、着物を着用したキャラクタを表現したキャラクタ画像が表示され、そのキャラクタの種類に応じて当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。上記前予告演出2に属する各演出(演出番号6〜10)は、特定画像表示に伴い、所定の音演出または/および光演出が発生するという狭義の演出シナリオとなっているが、当該音演出と光演出は、各演出同士で同じものとなっている(後述の前予告演出3〜5も同様)。
具体的には、上記前予告演出2には、キャラクタが着用する着物に付された花柄(模様、図柄)およびその花に因んで付された花弁色(色彩)の組合せがそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類のキャラクタが出現するかにより、当り当選期待度が予告されるようになっている。遊技者は、液晶表示装置36の画面上に出現したキャラクタが着用する着物の柄の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出2に属する各予告演出(演出番号6〜10)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せは、キャラクタが着用する着物に付された柄が、白色の花弁を持つ「百合」の花(花冠)柄(百合模様キャラ予告演出)、青色の花弁を持つ「紫陽花」の花柄(紫陽花模様キャラ予告演出)、黄色の花弁を持つ「菊」の花柄(菊花模様キャラ予告演出)、赤色の花弁を持つ「牡丹」の花柄(牡丹模様キャラ予告演出)、および虹色の花弁を持つ「藤」の花柄(藤模様キャラ予告演出)となっており、この花柄種の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。つまり、上記前予告演出2は、前予告演出1と共通する(同一または酷似する)模様と色彩との組合せに対応した当り当選期待度となっている。換言すれば、前予告演出2が属する演出群の模様および色彩の少なくとも一方を見れば、遊技者が他の特定の予告演出(たとえば、上記前予告演出1)により示される当り当選期待度(当り当選期待度の順位、または当り当選期待度の値、もしくはその概略値を含む)を連想可能な画像表示演出となっている(後述の前予告演出3〜6、後予告演出1〜2についても同様)。本実施形態では、前予告演出2に属するキャラクタ出現予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号9の「牡丹模様キャラ予告演出(当り当選期待度27.5%)」と、演出番号10の「藤模様キャラ予告演出(当り当選期待度42%)」となっている。
次に、前予告演出3について説明する。本実施形態の前予告演出3は、上述した前予告演出2と同じ「画像表示予告演出」に属するもので、特定画像として、夜空に開く打上花火を表現した画像が表示され、その花火の種類に応じて当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。
具体的には、この前予告演出3には、上記花火(本実施形態では、花火として、花冠を模した図柄または模様)およびその花火の色(本実施形態では、花火に付された色彩)の組合せがそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類の花火が出現するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。遊技者は、液晶表示装置36の画面上に出現した花火の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出3に属する各予告演出(演出番号11〜15)に係る模様と色彩との組合せは、花火に色彩が付されておらず(すべて同一色が付されている)ものであって、「百合」の花(花冠)を表現した花火(百合模様打上花火予告演出)、「紫陽花」の花を表現した花火(紫陽花模様キャラ予告演出)、「菊」の花を表現した花火(菊花模様打上花火予告演出)、「牡丹」の花を表現した花火(牡丹模様打上花火予告演出)、および「藤」の花を表現した花火(虹色の藤の花模様:藤模様キャラ予告演出)となっており、この花火種の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。すなわち上記前予告演出3に属する演出群は、夜空に開く花火が当該前予告演出1または前予告演出2などにより表現される花柄(模様)と関連性を有し、前予告演出1、2と共通する(同一または酷似する)模様に対応した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出3に属する打上花火予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号14の「牡丹模様打上花火予告演出(当り当選期待度33.3%)」と、演出番号15の藤模様打上花火予告演出(当り当選期待度47.5%)となっている。
なお前予告演出3に属する予告演出は、模様と色彩を組合せた予告演出態様としても良く、たとえば、花火に色彩を付し、白色の花弁を持つ「百合」の花(花冠)を表現した花火(百合模様打上花火予告演出)、青色の「紫陽花」の花を表現した花火(紫陽花模様キャラ予告演出)、黄色の「菊」の花を表現した花火(菊花模様打上花火予告演出)、赤色の「牡丹」の花を表現した花火(牡丹模様打上花火予告演出)、および虹色の「藤」の花を表現した花火(虹色の藤の花模様:藤模様キャラ予告演出)とし、前予告演出1、2と共通する模様と色彩の組合せに関連する当り当選期待度としても良い。
次に、前予告演出4について説明する。本実施形態の前予告演出4は、特定の演出が段階的に発展しうるといった、所謂「ステップアップ予告演出」に属するもので、あらかじめ定められた順番に1段階目の演出から複数段階目の演出まで段階的に行い、より先の段階に発展した場合、当り当選期待度が高まる(最終段階目まで発展した場合は当り当選期待度が最も高い)といった予告演出態様である。換言すれば、図柄変動表示ゲーム結果を大当りとする場合はハズレの場合よりも高確率で、より先の段階目の演出まで発展していくといった予告演出態様である。前予告演出4は、1段階目(当り当選期待度最低)〜5段階目(最終段階目:当り当選期待度最高)まで発展しうるステップアップ予告演出であって、花瓶(模様、図柄)に付された色(色彩)がそれぞれ異なる複数種類のステップアップ予告演出用の画像表示演出が用意されており、どの色の花瓶の演出まで発展するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。なお、前予告演出4における花瓶の図柄または模様は、各ステップ予告演出において同一のものとなっている。したがって前予告演出4では、遊技者は、主として、最終的に発展したときの花瓶に付された色(色彩)の違いにより、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出4に属する各予告演出(演出番号16〜20)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せは、花瓶に付された模様がそれぞれ同じものであって、花瓶色が、「白色」の花瓶(白色花瓶予告演出:1段階目(SU1))、「青色」の花柄(青色花瓶予告演出:2段階目(SU2))、「黄色」の花瓶(黄色花瓶予告演出:3段階目(SU3))、「赤色」の花瓶(赤色花瓶予告演出:4段階目(SU4))、および「虹色」の花瓶(虹色花瓶予告演出:5段階目(SU5))となっており、この花瓶種の順により先の段階目の演出に発展するごとに、当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。この前予告演出4に属する各演出は、それぞれ花瓶の図柄が同一であるが、花瓶に付された色彩を異ならせることにより、上記した前予告演出1〜3など共通する(同一または酷似する)色彩に関連した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出4に属する予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、4段階目に対応する演出番号19の赤色花瓶予告演出(当り当選期待度25%)と、最終段階目(5段階目)に対応する演出番号20虹色花瓶予告演出(当り当選期待度50%)となっている。
なお上記前予告演出4が「疑似連」中に発生する場合には、複数回の疑似変動に亘り、疑似連回数ごとに予告演出を段階的に発展させることができる。たとえば、疑似連が2回(疑似変動1回+本変動)の場合、初回の変動動作(疑似連1回目)では1段階目の白色花瓶予告演出が、2回目の変動動作(本変動)では、2段階目の青色花瓶予告演出に発展する、といった演出態様とすることができる。また初回の変動動作(疑似連1回目)では1段階目から複数段階目の演出(たとえば、2段階目の青色花瓶予告演出)に発展させることもできる。この場合、2回目の変動動作(本変動)では、前回の変動表示動作において発展したその段階目以降の演出に発展させることができる。たとえば、初回の変動動作(疑似連1回目)で2段階目の青色花瓶予告演出に発展した場合、2回目の変動動作(疑似連2回目)では、その2段階目の青色花瓶予告演出と同じか、またはそれより上の段階目である黄色花瓶予告演出以上の演出まで順次発展させることができる。
次に、前予告演出5について説明する。本実施形態の前予告演出5は、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様をいい、「遊技者参加型」の予告演出態様である。この「ボタン予告演出」では、所定の操作受付期間中に枠演出ボタン13が操作された場合、現在の現出中の演出態様が他の演出態様に変化(たとえば現出中のキャラクター表示が変化したり、特殊な効果音が発生したりする)し、当該変化した演出態様の種類に応じて当り当選期待度を予告する予告演出態様となっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
上記前予告演出5は、前予告演出4と同じ「ステップアップ予告演出」に属するものであるが、次の点が異なる。前予告演出5では、必ずしも1段階目に対応した演出から開始されるわけではなく、途中の段階目に対応する演出(たとえば、2段階目の演出)から開始される場合がある。また初回の演出の発生中における所定の期間(ボタン操作許容期間)中に、枠演出ボタン13の操作された場合、現段階目の演出が維持されるか(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後も当該1段階目の演出が維持される)、または次の段階目の演出に発展するか(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後、当該2段階目の演出に発展)、もしくは次の段階目の演出を経由せずに複数段回目の演出まで一気に発展しうる(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後、最終段階目の演出に発展)、といったステップアップ予告演出態様となっている。演出制御部24は、上記予告演出態様として、ステップアップ予告演出(本実施形態では、前予告演出5)を選択した場合、変動パターンの内容に基づいて、当該ステップアップ予告演出として、第1段階目から複数段階目のうちのいずれの段階目のステップアップ予告演出まで発展させるかを選択(変動パターンに基づいて、抽選により選択)する。
当り当選期待度については、上記前予告演出4のステップアップ予告演出と同じく、より先の段階目の演出に発展した場合、当り当選期待度が高まる。この前予告演出5は、画面上に表示されるキャラクタの台詞の文字色がそれぞれ異なる複数種類のボタン予告演出用の画像表示演出が用意されており、枠演出ボタン13の操作後にどの色の文字に発展するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。遊技者は、最終的に発展したときの台詞の文字色の違いにより、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出5に属する各予告演出(演出番号21〜25)に係る模様(ここでは、文字の画像)と色彩との組合せは、上記台詞の文字色が、白色の文字(台詞文字白色予告演出:SU1)、青色の文字(台詞文字青色予告演出:SU2)、黄色の文字(台詞文字黄色予告演出:SU3)、赤色の文字(台詞文字赤色予告演出:SU4)、および虹色の文字(台詞文字虹色予告演出:SU5)となっており、この文字色種の順に当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。この前予告演出5に属する各演出は、それぞれ台詞は同一であるが、文字色を異ならせることにより、前予告演出4と同じく、上記した前予告演出1〜3と共通する(同一または酷似する)色彩に関連した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出5に属する予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、4段階目に対応する演出番号24の台詞文字赤色予告演出(当り当選期待度25%)と、5段階目に対応する演出番号25の台詞文字虹色予告演出(当り当選期待度50%)となっている。
次に、前予告演出6について説明する。本実施形態の前予告演出6は、可動体役物(図示せず)の動作パターンおよび/または遊技機に配設された特定の装飾ランプ45による光演出により、当り当選期待度を示唆する予告演出態様であり、ここでは、装飾ランプ45の発光色の違いにより当り当選期待度を示唆するようになっている。上記前予告演出6の光演出は、発光色が、白色(役物演出白色予告演出)、青色(役物演出青色予告演出)、黄色(役物演出黄色予告演出)、赤色(役物演出赤色予告演出)、および虹色(役物演出虹色予告演出)となっており、この発光色種の順に当り当選期待度が高くなるように定められている(図24参照)。この前予告演出5に属する各演出は、上記した前予告演出1〜5と共通する(同一または酷似する)色彩に対応した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出6に属する予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号29の役物演出赤色予告演出(当り当選期待度22.5%)と、演出番号30の役物演出虹色予告演出(当り当選期待度37.5%)となっている。
(5−3−2.後予告演出:図25)
次に図25を参照して、後予告演出1および後予告演出2について説明する。図25に、本発明の一実施形態に係る遊技機における後予告演出を例示する。なお上記前予告演出で説明した内容と同じ点は、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
本実施形態の後予告演出1〜8は、リーチ変動パターンに基づく演出シナリオ(リーチ演出が含まれる演出シナリオ)に限り発生する予告演出態様である。
本実施形態の後予告演出1は、前予告演出2〜3と同じ所謂「画像出現予告演出」に属するもので、特定画像として、複数の花弁が舞い落ちる様を表現した画像が表示され、この舞い落ちる花弁の種類に応じて当り当選期待度が示唆されるといった予告演出態様である。この前予告演出7には、花弁(模様、図柄)およびその花に因んで付された花弁色(色彩)がそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類の花弁が出現するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。
上記後予告演出1に属する各予告演出(演出番号31〜36)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せは、白色の「百合」の花弁(百合花弁落下予告演出)、青色の「紫陽花」の花弁(紫陽花花弁落下予告演出)、黄色の「菊」の花弁(菊花弁落下予告演出)、赤色の「牡丹」の花弁(牡丹花弁落下予告演出)、および虹色の「藤」の花弁(藤花弁落下予告演出)となっており、この花弁種の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図25参照)。なお、ハズレの場合には選択されることのないプレミアム的な演出(プレミアム演出)として、全種花弁が舞い落ちる様を表現したプレミアム画像が出現する演出番号36の全種花弁群落下予告演出を設けてあり、この全種花弁群落下予告演出が現出された場合は、当り当選期待度が100%(当選確定)となる。後予告演出1は、上述のプレミアム演出を除き、上記前予告演出種別と共通する模様と色彩との組合せに関連した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出7に属する予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号34の牡丹花弁落下予告演出(当り当選期待度35%)と、演出番号35の藤花弁落下予告演出(当り当選期待度55%)となっている。
次に、後予告演出2について説明する。本実施形態の後予告演出2は、上記前予告演出5と同じ、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、上記前予告演出遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様である。後予告演出2は、後予告演出1の所定時間経過後に現出される。
上記後予告演出2には、予告演出態様として、キャラクタがそれぞれ異なる複数種類のボタン予告演出用の画像表示演出が用意されており、所定の操作受付期間中に枠演出ボタン13の操作された場合、キャラクタがカットインする様を表現した画像表示演出が現出され、どの種類のキャラクタがカットイン表示されるかにより、当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。なおここで出現するキャラクタに関しては、前予告演出2と同一または類似するものであり、花柄の着物を着用したキャラクタがカットイン表示される点と、当り当選期待度とが異なる点以外は、実質的に同じものであるので、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。本実施形態では、後予告演出2に属する予告演出のうち、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号40の牡丹模様キャラ出現(赤色)予告演出(当り当選期待度36%)と藤模様キャラ出現(虹色)予告演出(当り当選期待度62.5%)となっている。
以上に説明した各期待予告演出(前予告演出1〜6および後予告演出1〜2)は、その演出内容(または狭義の演出シナリオ)がそれぞれ異なる複数種類の予告演出種別に属する複数種類の予告演出を含み、同種の予告演出種別に属する一の予告演出と他の予告演出とで、当り当選期待度がそれぞれ異なるように定められている(図24、図25参照)。また上記の各期待予告演出では、これらに属する予告演出間、または上記高信頼度予告演出に属する予告演出間の関係に着目すれば、模様(または図柄)および色彩(装飾ランプに係る演出においては発光色)の少なくともいずれか一方が共通する(同一または酷似する)演出態様であり、その共通の演出同士が示す当り当選期待度(当り当選期待度の高低を示す順位、または当り当選期待度の値、もしくはその概略値を含む)が対応関係にある。つまり、同種の期待予告演出種別に属する複数種類の予告演出は、当該模様および色彩の少なくともいずれか一方を異ならせることにより、それぞれの当り当選期待度の違いを表現するものであって、一の上記期待予告演出種別に属する予告演出群と他の上記期待予告演出種別に属する予告演出群とで、当り当選期待度の違いの表現の仕方が相互に対応関係を有するように定められている。したがって、これらの予告演出は、演出内容は異なるが、相互に当り当選期待度を遊技者が容易に連想できる関係となっている。
斯様な期待予告演出を複数種類を設けることで、図柄変動表示ゲーム中の種々のタイミングで遊技者の当り当選期待感を煽ることが可能になり、遊技に対する面白みを増すことができる。上記前予告演出1〜6および後予告演出1〜8の各予告演出に属する高信頼度予告演出が複数回発生した場合は、それ自体発生しなかった場合か、または1回だけ高信頼度予告演出が発生した場合よりも当り当選期待度が相対的に高まることになり、また当り当選期待度がより明確化されるので、遊技者に対して大当りへの緊張感や高揚感を与えることができる。
すなわち、高信頼度予告演出が比較的多く発生した場合や、最も高い当り当選期待度を持つ期待予告演出(最高期待度予告演出)が複数回発生した場合には、遊技者は「大当りになる可能性が極めて高い」と推測し、過度な当り当選期待感を抱くことになる。ところが、当選期待感が非常に高まっていたにもかかわらず、遊技結果として「ハズレ」が導出されてしまうと、過度な当り当選期待感を抱いていた反動により失望落胆してしまい、かえって遊技機に対する不信感を与えてしまう。また、このようなケースを複数回経験してしまうと、予告演出に対する信頼感を失なったり、高信頼度予告演出が複数回発生したとしても「恐らくハズレであろう」という先入観にとらわれてしまい、大当りへの当選期待感を与えるといった、元来、予告演出が有する意義が没却される恐れが生じる。
そこで本実施形態では、大当り抽選結果が「ハズレ」である場合、高信頼度予告演出の出現回数を抑制することで、遊技者に対して過度な当り当選期待感を与えてしまうことを極力抑えるようにしている。詳述するに、演出制御部24は、主制御部20から送られてくる変動パターン指定コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、上記各期待予告演出の一部または全部を対象に、これらに属する複数種類の予告演出のうちから1または複数種類の予告演出を現出させるか否かを決定する(予告演出決定手段)。このとき、ハズレ時のハズレ変動パターン指定コマンドを受信した場合においては、予告演出抽選により当選した高信頼度予告演出が所定の制限数を超えて現出されないように制御し、これにより高信頼度予告演出の現出を抑制する、といった構成となっている。
なお以上に説明した各期待予告演出は、本発明に係る演出態様の一例を示したものであって、当該各期待予告演出とは何ら関係性のない模様(または図柄)および色彩による他の演出態様を含むことができる。他の演出としては、当り当選期待度を予告する煽り演出として働くものであっても良いし、当り当選期待度とは予告しない非煽り演出態様(たとえば、単に、遊技方法の説明を表示する演出)であっても良い。
またパチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。上記演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば、いずれも本発明における演出手段として採用することができる。装飾ランプ45やLED装置、スピーカ46、液晶表示装置36などの光発生手段、音響発生装置、演出表示装置、ないし操作者の体に振動を伝える加振装置、あるいは視覚的演出効果がある可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、枠演出ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い煽り演出(たとえば、上記高信頼度予告演出が発生中の一部または全期間)、操作不能状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下できないようにする)または操作困難状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
<主制御部側の処理:図5〜図11B>
次に図5〜図11Bを参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図5)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図6)とを含んで構成される。
<6.主制御側メイン処理:図5>
図5は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図5に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS11)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次いで、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップS12)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS12の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS16)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次いで、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」が初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS17)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS18)。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS19)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS20〜S22)。この各種乱数更新処理(ステップS21)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数1カウンタ、変動パターン用乱数2カウンタなどが設けられいる。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS21の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数1カウンタ、変動パターン用乱数2カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数1カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数1の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS12の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、初期化スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS12:YES)。そこで、このような場合、ステップS12の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS13)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘**H’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS13:NO)、ステップS16の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS13:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS14)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS14の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS14の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS14:NO)、ステップS16の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS14:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行する。
ステップS15の遊技復旧処理を終えると、ステップS19の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS20〜S22)。
<7.主制御側タイマ割込処理:図6>
次に図6を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図6は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図6において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS51)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS52)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS53)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において入賞を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。また上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。本実施形態では、RAM203の所定領域に、上始動口34用の上始動口入賞カウンタ、下始動口35用の下始動口入賞カウンタ、普通図柄始動口37用の普通図柄始動口入賞カウンタ、大入賞口50大入賞口50用の大入賞口入賞カウンタ、一般入賞口43用の一般入賞口用の入賞カウンタなどが設けられている。またこの入力管理処理では、入賞検出スイッチからの検出情報が入賞を許容すべき期間中に入賞したか否かに基づいて、不正入賞があったか否かも監視される。たとえば、可動翼片47が作動中でないにもかかわらず下始動口センサ35aが遊技球を検出したり、大当り遊技中でないにもかかわらず大入賞口センサ52aが遊技球を検出したりした場合は、これを不正入賞とみなして入賞検出情報を無効化し、その無効化した旨を外部に報知するべく後述のエラー管理処理(ステップS55)において所定のエラー処理が行われるようになっている。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS54)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS55)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常として、たとえば、基板間に断線が生じたか否かを監視したり、不正入賞があったか否かを監視したりしたりして、これらの動作異常(エラー)が発生した場合には、そのエラーに対応した所定のエラー処理を行う。エラー処理としては、たとえば、所定の遊技動作(たとえば、遊技球の払い出し動作や遊技球の発射動作など)の進行を停止させたり、エラー報知用コマンドを演出制御部24に送信して、これにより演出制御部24が、演出手段に対し上記エラーが発生した旨を報知させたりする。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS56)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS57)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS58)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS57)の補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。なお普通電動役物管理処理は、補助当り制御手段として機能する。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS59)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図7にて後述する。
次に、特別電動役物管理処理を行う(ステップS60)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS61)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、発射位置として右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(右打ち指示情報)を報せる「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるケースで、上記電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、この右打ち報知情報管理処理において、演出制御コマンドとして、上記発射位置誘導演出の実行指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24では、上記発射位置誘導演出を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS62)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a,38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS57の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS59の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図7のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS63)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。上記動作状態情報には、大当り遊技が発生した旨(条件装置が作動した旨)、小当り遊技が発生した旨、図柄変動表示ゲームが実行された旨(特別図柄変動表示ゲームの開始または終了した旨)、入賞情報(始動口や大入賞口に入賞した旨やそれに起因する賞球数の払い出し情報)などの情報が含まれる。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS64)。このソレノイド管理処理では、ステップS58の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS60の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定のパターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。このS64のソレノイド管理処理とステップS60の特別電動役物管理処理の処理は、図柄表示手段に大当りを示す特定の図柄表示態様が停止表示された後、特別変動入賞手段(特別変動入賞装置52)の入賞口(大入賞口50)を所定のパターンに従い開閉制御して、遊技者に有利な特別遊技状態(当り遊技(本実施形態では、当選種別(大当りまたは小当り種別)に応じた当り遊技))を実行制御するための当り遊技制御手段として機能する。
以上のステップS51〜ステップS64の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS65)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
(8.特別図柄管理処理:図7)
次に、図6中の特別図柄管理処理(ステップS59)について説明する。図7は、ステップS59の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図7において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、小当り中フラグの状態を判定する(ステップS303)。この「小当り中フラグ」とは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS303:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、小当り遊技中でもなく大当り遊技中でもない場合(ステップS303:≠5AH、かつステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(ステップS303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、小当り遊技中または大当り遊技中のいずれかである場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、小当り後または大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお、上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308:)の詳細は、後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図6のLED管理処理(ステップS62)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図6のステップS60の特別電動役物管理処理に進む。
(8−1.特図1始動口チェック処理、特図2始動口チェック処理:図8)
まず、特図1始動口チェック処理(図7のステップS301)について説明する。図8は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などが行われる。なお特図2始動口チェック処理(ステップS302)は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と基本的に同じ処理手順を踏む。本明細書中では、重複記載を避けるために、特図1始動口チェック処理についてのみ説明し、特図2始動口チェック処理(ステップS302)についての説明は省略する。
図8において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、変動パターン用乱数2の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。また大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数値をカウントするための大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から取得される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。
次いで、保留加算コマンドを作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS315:保留加算コマンド送信処理)。この保留加算コマンドは、保留球数情報が含まれる。本実施形態では、作動保留球数が4以上の場合に新たな入賞があった場合にもオーバーフロー(overflow)入賞時の保留加算コマンド(以下、「OF保留加算コマンド」と略す)が作成され、演出制御部24に送信されるようになっている。なおCPU201は、作成した上記「保留加算コマンド」をRAM203に格納することなく、演出制御部24に送信する。
保留加算コマンドをRAM203に格納しない理由は次の通りである。上記保留加算コマンドが主制御部20から演出制御部24に送られた後は、演出制御部24側において、演出手段(たとえば、液晶表示装置36)に対して、専ら今回の作動保留球数情報の報知や、入賞があった旨を示す入賞演出(たとえば、始動口に入賞した旨を示す音演出や光演出)を現出を際に利用され、その後、特に利用されるものではない。したがって、保留加算コマンドをRAM203に格納せずに、始動口チェック処理(ステップS301、S302)を抜けても特に問題はない。本実施形態では、保留加算コマンドをRAM203に格納することなく、上記始動口チェック処理を終えるといった処理を採用することで、ROMやRAMのメモリ容量を削減し、制御負担を軽減させることを可能にしている。
(8−3.特別図柄変動開始処理:図9)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS305)について説明する。図9は、図7の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。しかし特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
なお特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS419)。演出制御部24は、このデモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、保留加算コマンドや変動パターン指定コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなし、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報が含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS408)。この「残り時短回数コマンド」は、演出制御部24側において、残りの時短回数情報を報知する際に利用される。
次いで、特別電役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)か、または特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)を取得し、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得するし、大当り、小当り、およびハズレの別の抽選を行う。この当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)、低確率状態(低確))と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)に応じて当落種別(大当りか小当りかハズレの別)を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当りか小当りかハズレかの別が決定されるようになっている。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」となるといったように、当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で、大当りに当選するようになっており、小当りの当選確率は、大当りの当選確率よりも低い、約1/585となっている。しかし本発明はこれに限らず、小当りと大当りとの当選確率の同一またはそれよりも高く定めても良い。
この当落抽選により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH」に設定され、大当り判定フラグが「5AH」となる判定値以外は、「大当り非当選」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH」となり、それ以外の判定値に属する場合には、「小当り非当選」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ’となる。なお本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム2による当落抽選(特図1作動保留球を対象とした当落抽選)では、小当り当選となる判定値自体が存在していない。すなわち、特別図柄変動表示ゲーム1では、大当り、小当り、およびハズレが当落抽選対象とされるが、特別図柄変動表示ゲーム2では、大当りとハズレだけが当落抽選対象とされる。勿論、特図2用当り乱数判定テーブルについても、小当りを当落抽選対象として定めても良い。なお、特図2用当り乱数判定テーブルにおける大当りの当選確率は、特図1用当り乱数判定テーブルと同じ当選確率となっている。
ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。ここではまず、まず判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、次いで、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、つまり大当り判定フラグと小当り判定フラグとを取得する。そして、特別図柄作動確認データに基づき、特図1用図柄テーブル(図示せず)か、または特図2用図柄テーブル(図示せず)を取得する。上記の図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当り(当選)種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、当り種別を識別するための特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは当り種別、つまり2R短開放潜確大当り、10R長開放確変大当り、15R長開放確変大当り、小当りA〜C、ハズレA〜Cのいずれかに当選した旨を識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当り種別情報が必要とされる処理(たとえば、遊技状態移行制御に関する処理(後述の図9のステップS411の遊技状態移行準備処理)、特別図柄の変動パターン決定処理(後述の図9のステップS412の特別図柄変動パターン作成処理)、および大当り遊技の実行制御に関する処理(特別電動役物管理処理(ステップS60)など)において利用されるデータである。また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。
上記図柄テーブル(特図1用図柄テーブル、特図2用図柄テーブル)には、たとえば、当落抽選結果が大当り当選である場合において、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜119の範囲に属する場合には「2R短開放潜確大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):120/200)、判定値120〜179の範囲に属する場合には「10R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:60/200)、判定値180〜199の範囲に属する場合には「15R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:20/200)、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当り(具体的には、特別図柄判定データとこれに対応する特別停止図柄番号)が、所定の図柄選択率で決定されるようになっている。なお、当落抽選結果が小当り当選である場合も同様に、小当り種別(小当りA〜C)が図柄選択率で決定されるようになっており、また当落抽選結果がハズレ当選も同様に、ハズレ種別(ハズレA〜C)が所定の図柄選択率で決定されるようになっている。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、大当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。ここでは、大当りである場合、大当り用遊技状態移行テーブル(図示せず)に基づき、大当り遊技後に移行される遊技状態を指定するためのデータを所定のバッファ領域(移行状態バッファ領域)に設定する。
上記大当り用遊技状態移行テーブルには、大当り遊技後の遊技状態を指定するために必要なデータ群が定められている。具体的には、上記大当り用遊技状態移行テーブルには、後述の、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、および特別図柄変動回数カウンタバッファに格納するための各種のデータが定められている。これらのバッファに格納された値は、大当り遊技の終了時(ステップS60の特別電動役物管理処理中のラウンド遊技の実行回数が規定ラウンド数に達したときに実行されるものであって、大当り終了後の遊技状態移行に必要な設定をする処理:図示せず)に読み出され、RAM203に設けられた所定のフラグ記憶領域や所定のカウンタ記憶領域(遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、および特別図柄変動回数カウンタ)に設定されて、大当り遊技後に移行される遊技状態が定まるようになっている。本実施形態では、大当り遊技後の内部遊技状態については、15Rまたは10R長開放確変大当りの場合には、当選時の内部遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であれば「確変状態」に、2R短開放潜確大当りの場合には、当選時の内部遊技状態が通常遊技状態または潜確状態あれば「潜確状態」に移行されるようにになっており、遊技状態(通常A〜C、確変状態)については、図4に示すように、各大当り種別に応じた遊技状態に移行されるようになっている。以下に、上述の各種バッファと各種フラグの役割について説明しておく。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短状態移行状態バッファ)
「特別図柄時短状態移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図11BのステップS481参照)。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数(本実施形態では、70回))を計数するためのカウンタである。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、現在の遊技状態を識別するデータであり、遊技状態に応じた特別図柄の変動パターンを選択する際の条件を定める‘変動パターン選択モード’として働く。たとえば、変動パターン振分指定番号(Tcode)が「00H」の場合は「通常A」を示し、「01H」の場合は「通常B」を示し、「02H」の場合は「通常C」を示し、「03H」の場合は「確変状態(確変)」を示す。本実施形態では、この変動パターン振分指定番号(Tcode)に関連する複数種類の特別図柄の変動パターンが設けてあり、当該変動パターンは、この変動パターン振分指定番号(Tcode)と、上記変動パターン用乱数値1、2とにより、複数種類の特別図柄の変動パターンから択一的に決定されるようになっている(詳細は後述する)。上記変動パターン振分指定番号(Tcode)は、内部遊技状態が変化あった場合ではなく、遊技状態に変化があった場合に変更される。つまり変動パターン振分指定番号(Tcode)は、確変状態、通常A、通常B、または通常Cのいずれであるか、といった現在の「遊技状態」種を識別するデータである。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定される。なお内部遊技状態を識別するデータとして、本実施形態では、遊技状態判定番号(YJ)を設けてある。この「遊技状態判定番号(YJ)」は、「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」、「潜確状態(電サポ無し状態、高確)」または「確変状態(電サポ有り状態、高確)」のいずれであるか、といった現在の「内部遊技状態」種を識別するデータであり、変動パターン振分指定番号(Tcode)とは区別される。
(特別図柄変動回数カウンタバッファ)
「特別図柄変動回数カウンタバッファ」は、特別図柄変動回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄変動回数カウンタ」とは、遊技状態移行条件となる特別図柄の変動回数(以下、「遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。本実施形態では、たとえば、「小当りC」や「2R短開放潜伏確変大当り」に当選した場合、「通常C」から「通常A」の遊技状態移行条件として、遊技状態移行規定回数の30回が設定される。
なおステップS411の遊技状態移行準備処理では、小当り当選時の遊技状態移行に関する設定処理は行われず、小当り当選の場合には、ステップS60の特別電動役物管理処理中の小当り遊技を実行制御する小当り処理(図示せず)において、小当り遊技後の遊技状態の移行制御処理が行われる。具体的には、小当り遊技後の遊技状態を指定するために必要なデータ群が定められた小当り用遊技状態移行テーブルに基づき、小当り遊技後の遊技状態が指定される。なお小当りの場合は、内部遊技状態の移行はないので、ここでは、変動パターン振分指定番号と特別図柄変動カウンタに小当り種別に応じた所定値を設定して、小当り遊技後の遊技状態を指定する。たとえば、小当りCに当選し、その当選時の遊技状態が「通常A」であった場合、変動パターン振分指定番号に「通常C」を指定するデータ(02H)が格納され、特別図柄変動回数カウンタに遊技状態移行規定回数の「30回」を指定するデータが格納される。これにより、小当り遊技後の遊技状態が「通常A」から「通常C(30回)」に移行されることになる(図4参照)。
再び図9の説明に戻り、ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2を利用し、今回の変動表示動作に供される特別図柄の変動パターン(特別図柄の変動時間(変動表示動作時間)を含む)を決定するとともに、演出制御コマンドとして、その変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを作成する。
変動パターンの決定は、次のような階層的な処理により決定する。最初の第1階層目の処理として、CPU201は、まず変動パターン振分指定番号(現在の遊技状態(通常A〜通常C、確変状態))と、大当り抽選結果とに関連付けられた複数種類の基本パターンのうちから、変動パターン用乱数値1(乱数の大きさ:238)を利用した抽選処理により、いずれかの「基本パターン」を決定する。この「基本パターン」とは、複数種類の変動パターンをその変動態様の特徴に着目して、同じ系統の変動パターンを纏めてグループ化した‘変動パターン種別(たとえば、同系統の変動パターンとして、弱SPリーチ1〜3指定の各変動パターンが属する「弱SPリーチA」種別や、強SPリーチ1〜3指定の各変動パターンが属する「強SPリーチ」種別など)’を指す。次いで、第2階層目の処理として、変動パターン用乱数値2を用いた抽選処理により、基本パターンの具体的内容である「詳細パターン」を決定する。この「詳細パターン」とは、上記基本パターン(変動パターン種別)に含まれる‘変動パターンの種類’(たとえば、「弱SPリーチ1〜3」や、「強SPリーチ1〜3」などの個々の変動パターン)を指す。本実施形態では、第1階層、第2階層といった階層構造を有して第1階層から順番に実行される階層的な処理を利用し、複数種類の変動パターン用乱数値を順次判定していくことにより、目的とする変動パターン(変動開始時の変動パターン)が決定されるようになっている。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、主に、当り・ハズレの別の当落抽選結果(詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)、現在の遊技状態種別、変動時間、リーチ演出種(Nリーチ、弱SPリーチ1〜3、または強SPリーチ1〜3)指定情報、および疑似連回数(図中の「疑似2連、疑似3連、疑似4連」の表記は、それぞれ疑似連回数を示す)指定情報が含まれる。CPU201は、その内容を特定可能とする「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。
(C−1:変動パターン指定コマンド一覧:図22、図23)
図22と図23に、上記ステップS412の変動パターン指定コマンド作成処理で作成される変動パターン指定コマンドの一覧を示す。図22は当り変動パターン指定コマンドの一覧を、図23はハズレ変動パターン指定コマンドの一覧を示した一覧表である。
本実施形態の変動パターン指定コマンドには、変動パターン情報(変動パターンの内容)として、として「当り変動パターンA1〜A30」および「ハズレ変動パターンH1〜H40」を指定する複数種類の変動パターン指定コマンドが含まれ、図示はしていないが、それぞれ所定の抽選確率を以って決定されるようになっている。本実施形態では、同じ遊技状態では、番号が大きくなるほど出現率が低く定められており、たとえば、遊技状態が通常Aまたは通常Bの下では、ハズレ変動パターンH1〜H30の順に出現率が低く定められている。また当り変動パターンの一部(たとえば、当り変動パターンA1〜A21)とハズレリーチ変動パターンの一部(たとえば、ハズレリーチ変動パターンH10〜H30)とは、当落抽選結果を除き、変動パターンの内容は同じものとなっている。したがって、たとえば、ハズレ変動パターンH20が選択された場合であっても、当り変動パターンA11と同じ疑似連回数やリーチ演出が選択されるので、当り当選期待度は、付随する期待予告演出より示唆されることになる。
この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、これに続き、後述の装飾図柄指定コマンドが送信されるようになっている(図9のステップS415)。これらのコマンドを受けた演出制御部24は、各コマンドに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の現出する演出(リーチ図柄や最終的に停止させる装飾図柄態様を含む)を決定し、その演出に基づく演出制御処理を行う。かくして、図柄変動表示ゲーム中の装飾図柄の変動表示動作とこれに付随して発生する各種の演出が実現される。
ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVNET)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別情報と大当り抽選結果情報(図柄抽選結果情報)とが含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せを決定する際に利用される。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図7の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS59)を抜けて、図6の特別電動役物管理処理(ステップS60)に進む。
(8−2.特別図柄変動中処理:図10)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図10は、図7の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図10において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより、演出制御部24側では、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了される。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図7のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図6のステップS60の特別電動役物管理処理に進む。
(8−3.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図11Aおよび図11B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図11Aおよび図11Bは、図7の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図11Aおよび図11Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図10のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常A指定)を格納し、複合表示装置38cがその機能を担う遊技状態報知LEDの点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報の一部または全部を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、小当り判定フラグを取得し、小当り判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。小当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、ステップS478の処理に進む。小当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、小当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477)。ここでは、小当り図柄停止時の各種設定処理(小当り遊技開始前処理)として、小当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、小当り中フラグに5AH(ON状態)を格納する。上記小当り図柄停止時の各種設定処理を終えると、ステップS478の処理に進む。
ステップS478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数の70回に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数の70回に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。演出制御部24は、この時短終了コマンドを受信することで、次ゲームから電サポ無し状態となる旨を把握する。
次いでステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS488の処理に進む。
特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST規定回数(70回)に達していないので、何もせずにステップS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数がST規定回数の70回に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、潜確状態終了または確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。なお潜確状態の場合には、特別図柄時短回数カウンタがゼロに設定されるので(図9のステップS411の遊技状態移行準備処理)、この確変終了時の設定処理において潜確状態の終了タイミングが管理されている。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、ステップS487の処理に進み、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(「通常B」移行時:遊技状態移行規定回数100回、「通常C」移行時:15回または30回)がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
上記減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。一方、上記減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、「通常A」への移行設定処理を行う(ステップS490)。ここでは、「通常A」への移行設定処理として、変動パターン振分指定番号(Tcode)に「00H(通常A指定)」を格納する。これにより、特別図柄の変動パターンの選択条件が変更されることになる。このステップS490処理は、所定の選択変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を切替制御するための選択条件切替手段として働く。これにより、次回以降の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常A」が継続する限り、「通常A」下における変動パターンが選択される。
次いで、演出制御コマンドとして、「通常A」移行情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS491)。この「遊技状態指定コマンド」により演出制御部24側は、今回のゲームで「通常B」または「通常C」が終了し、次ゲームから「通常A」となる旨を把握する。これにより、演出制御部24は、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常A演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替え、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図7のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図6のステップ60の特別電動役物管理処理に進む。
<演出制御部側の処理:図12〜図21>
次に、図12〜図21を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図12)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図14)とを含んで構成される。
<11.演出制御側メイン処理:図12>
図12は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図12に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS71)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS71の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS73〜S78のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS80の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS72の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS72)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図のステップS96)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS72:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS79:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS72:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS73)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。たとえば変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(特別図柄の変動時間、当選種別、および変動開始時の変動パターンなどの情報)と現在の作動保留球数情報とに基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターン(たとえば、予告演出:疑似連、リーチ演出、期待予告演出など)は、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。
続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケージュールを決定し、これにより演出シナリオを構成する。そして、この演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、決定された演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込む場合、枠演出ボタン13が操作されなかった場合の「非操作用演出」を組み込んだ演出シナリオを「基本演出シナリオ」として構築しておく。ボタン予告演出中の操作許容期間内に枠演出ボタン13が操作された場合、非操作用演出を差し替えて、枠演出ボタン13が操作された場合の「操作用演出」の組み込んだ演出シナリオに変更しなければならない。このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるステップS74の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
ステップS73の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS74)。このシナリオ更新処理では、演出の現出制御に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の開始タイミングやその演出の実行時間(演出時間)のタイムスケジュールを管理する「演出シナリオタイマ」である。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に対して現出させるかの時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS75)や演出役物制御データ更新処理(ステップS77)においても利用される。ここでは、上記演出シナリオタイマを監視し、演出シナリオを構成する一の演出の開始時期が到来すると、当該演出内容に従い、必要に応じて、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS75)で、可動体役物モータ61用の制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ77)で作成される。
またシナリオ更新処理では、上述の受信コマンド解析処理(ステップS73)において作成された基本演出シナリオを必要に応じて書き換える処理も行う。たとえば、上記基本演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込んだ場合は、枠演出ボタン13が操作されたことを確認した場合、現在の非操作用予告演出シナリオから操作用演出シナリオ(たとえば、非操作用のパーツ演出とボタン操作用のパーツ演出とを入れ替える)に変更し、その変更した演出シナリオデータを上記シナリオ設定領域に再設定する。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS75)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図14のステップS95)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS76)。このサウンド出力処理では、ステップS74のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS77)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物用のモータ制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図14のステップS94)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS78)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS80の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(12.コマンド受信割込処理:図13)
次に図13を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図13は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図14)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図34に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS81)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS82)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS83)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(13.演出制御側タイマ割込処理:図14)
次に図14を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図14は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図14において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS91)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS92)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS93)。この液晶コマンド送信処理では、図12の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS74)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS94)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS77)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ61に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS95)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS75)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS96)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS91〜ステップS96の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS97)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図15〜図21>
図37〜図39は受信コマンド解析処理(図34のステップS73)で実行される処理のうち、先読み予告演出と関連性の深いものを示したものである。以下、「変動パターン指定コマンド」、「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
(15.変動パターン指定コマンド受信処理:図15)
図15は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図9の特別図柄変動パターン作成処理のステップS412で送信される演出制御コマンドである。
図15において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(ステップS732)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオが決定されるようになっている。
(16.装飾図柄指定コマンド受信処理:図16)
図16は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図9の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。この処理では、図15の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、最終的に停止表示される装飾図柄の組合せなど)が決定され、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出される演出の演出シナリオが構成される。
図16において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS751)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS752)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が15R長開放確変大当りである場合、当該15R長開放確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定し、決定された左図柄と右図柄とに基づき、15R長開放確変大当りに関連した装飾図柄列が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納される。
次いで、期待予告抽選処理を行う(ステップS753〜S754)。この抽選処理では、現在の演出モードと変動パターンの内容とに基づき、現出すべき予告演出(期待予告演出)を抽選により決定する。
まずステップS753の処理では、演出モード別分岐抽選テーブル(後述の図26参照)を参照し、現在の演出モードと変動パターンとに基づき、予告演出抽選テーブル指定テーブル(後述の図27参照)を決定する(演出モード分岐抽選処理:ステップS753)。
(T−1:演出モード別分岐抽選テーブル:図26)。
図26に、上記演出モード別分岐抽選テーブルを示す。なお図26の(イ)〜(ロ)は、各遊技状態に対応した演出モードの演出モード別分岐抽選テーブルを例示した図である。
本実施形態の演出モード別分岐抽選テーブルには、演出モードに対応した複数種類のと演出モード別分岐抽選テーブルが含まれる。これら演出モード別分岐抽選テーブルには、変動パターンの内容と後述の予告演出抽選テーブル指定テーブル(図27)とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターン情報と演出用乱数とに基づき、複数種類の予告演出抽選テーブル指定テーブルのうちからいずれかの一つの予告演出抽選テーブル指定テーブルが抽選により決定されるようになっている(図中の分数表記は選択率を表す)。図26には、各演出モードに対応した演出モード別分岐抽選テーブルを示し、代表的に、今回の変動パターンが変動パターンH1(通常変動パターン種別)、変動パターンH4(通常中Nリーチ変動パターン種別)、変動パターンH10(通常中弱SPリーチ変動パターン種別)、または変動パターンH19(通常中強SPリーチ変動パターン種別)であった場合に選択されうる予告演出抽選テーブル指定テーブル(G_TBLA〜G_TBLF)を例示してある。図中の分数の表記は、予告演出抽選テーブル指定テーブルの選択割合を示している。なお他の変動パターンの場合については、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。
次いで、ステップS754の処理では、ステップS753で決定された予告演出抽選テーブル指定テーブル(後述の図27参照)に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出すべき期待予告演出を抽選により決定する(予告演出抽選処理)。
(T−2:予告演出抽選テーブル指定テーブル:図27)。
図27に、演出モード別分岐抽選テーブルにより選択される予告演出抽選テーブル指定テーブル(G_TBLA〜G_TBLE)を示す。
本実施形態の予告演出抽選テーブル指定テーブルには、抽選対象となる期待予告演出種別が定められている。詳しくは、たとえば、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」には、前予告演出2に属する予告演出(演出番号6〜10:図24参照)を決定するための予告演出抽選テーブル(前予告演出2_TBL)と、前予告演出3に属する予告演出(演出番号11〜16:図24参照)を決定するための予告演出抽選テーブル(前予告演出3_TBL)とが定められている。なお予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLC」〜「G_TBLF」は、リーチ変動パターン種別の場合に選択されうるものであり、これら予告演出抽選テーブル指定テーブルには、リーチ演出中に現出される後予告演出種別が抽選対象として含まれる(図27のG_TBLC〜G_TBLCの欄参照)。一方、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」、「G_TBLB」は、通常変動種別の場合に選択されうるものであり、これら予告演出抽選テーブル指定テーブルには、リーチ演出中に現出される後予告演出種別が抽選対象として除外されている(図27のG_TBLA、G_TBLBの欄参照)。
(T−3:予告演出抽選テーブル)。
上記予告演出抽選テーブル(前予告演出1_TBL〜前予告演出6_TBL、後予告演出1_TBL〜後予告演出2_TBL:図示せず)には、変動パターンの内容と予告演出とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターンの内容と演出用乱数(予告演出決定用乱数)とに基づき、期待予告演出種別(図24、図25参照)に属する複数種類の予告演出のうちからいずれかの一つの予告演出が抽選により決定されるようになっている。なお図示はしていないが、予告演出抽選テーブルには、各期待予告演出種別(前予告演出1〜6、後予告演出1〜2)に属する予告演出(演出番号1〜41)が図24〜図25に示す当り当選期待度となるように、各変動パターンに応じてその選択率(出現率)が定められている。なお演出モードに応じて、図24〜図25に示す各期待予告演出種別に属する予告演出の当り当選期待度の順位を変更しない範囲(各予告演出間の当り当選期待度の対応関係を変更しない範囲)で、各予告演出の選択率を異ならせ、その当選期待度を変更しても良い。
再びステップS754の処理の説明に戻り、CPU241は、上記予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定される予告演出抽選テーブルを参照して、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出すべき予告演出を抽選により決定していく。詳しくは、たとえば、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合、これにより指定される予告演出抽選テーブルは、「前予告演出2_TBL」および「前予告演出6_TBL」である。CPU241は、まず最初に「前予告演出2_TBL」を参照して、前予告演出2に属する複数種類の予告演出(演出番号6〜10)のうちからいずれかを抽選により決定する。そして、上記「前予告演出2_TBL」に基づく抽選を終えると、直ちに「前予告演出3_TBL」に基づく抽選は行わずに、後述のステップS755の高信頼度予告演出抑制処理〜S756の演出情報設定処理を実行して、今回の上記予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定される予告抽選処理がすべて終了した否かを判定する(ステップS757)。ここでは、未だ「前予告演出6_TBL」に基づく抽選処理が実行されていないので、ステップS757の判定結果は‘NO’となり、再びステップS754の予告演出抽選処理を実行する。
再度、ステップS754の予告演出抽選処理に入ると、CPU241は、次いで「前予告演出2_TBL」に基づく抽選処理を実行し、前予告演出3に属する複数種類の予告演出(演出番号6〜10)のうちからいずれかを決定する。これにより、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合の予告抽選が終了したことになる。次いで、再度、後述のステップS755(高信頼度予告演出抑制処理)〜S756の処理(演出情報設定処理)を実行し、予告抽選がすべて終了した否かを判定する(ステップS757)。今回、ステップS757の判定処理を通過するときは、予告演出に係る抽選がすべて終了しているので、その判定結果は‘YES’となり、後述のステップS758の演出シナリオ設定処理が実行される。
上述の予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択されたケースでは、計2種類の予告演出抽選テーブルによる抽選が順次行われ、予告演出として、前予告演出2に属する演出番号6〜10のいずれかと、前予告演出6に属する演出番号26〜30のいずれかとが、図柄変動表示ゲーム中に現出されることになる。ただし、変動パターン種別によっては、予告演出の抽選対象となるがその選択率が0%、つまり選択されないものも含まれる。たとえば、上記「前予告演出2_TBL」では、変動パターンが通常変動パターンH1である場合、演出番号5の背景藤柄(虹色)予告演出の選択率を‘0%’と定めることができる。
なお、他の予告演出抽選テーブル指定テーブルが選択された場合も同様の処理手順である。たとえば予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLE」が選択された場合、これにより指定される予告演出抽選テーブルは、「前予告演出1_TBL、前予告演出3_TBL、前予告演出4_TBL、前予告演出6_TBL、および後予告演出1_TBL、および後予告演出2」であり、これら計6種の予告演出抽選テーブルに基づく抽選が順次行われることになる。また本実施形態では、予告演出抽選テーブル指定テーブルに基づく抽選順序は、図の上から下の順番、たとえば予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合は「前予告演出2_TBL→前予告演出6_TBL」の順に、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLD」が選択された場合には、「前予告演出1_TBL→前予告演出3_TBL→前予告演出4_TBL→前予告演出6_TBL→後予告演出1_TBL→後予告演出2_TBL」の順に、予告演出に係る抽選処理が行われるようになっている(他の予告演出抽選テーブル指定テーブルに関しても同様)。なお上述の抽選順序は、各期待予告演出が開始タイミングの順序と同じとなっているが本発明はこれに限らず、一の予告演出抽選テーブル指定テーブルと他の一の予告演出抽選テーブル指定テーブルとで抽選順番が異なるようにしても良く、その順番は適宜変更することができる。
ステップS754の予告演出抽選処理を終えると、次いで、高信頼度予告演出抑制処理を行う(ステップS755)。この高信頼度予告演出抑制処理では、上記ステップS754の予告演出抽選処理で高信頼度予告演出が決定された場合、高信頼度予告演出の現出回数を制限するべく、当該高信頼度予告演出を現出させるか否かを決定する。なお、高信頼度予告演出抑制処理の詳細は図17にて後述する。
ステップS755の高信頼度予告演出抑制処理を終えると、次いで、演出情報設定処理を行う(ステップS756)。この演出情報設定処理では、後述の抑制カウンタをクリアし、ステップS753〜S755を経て決定された予告演出に関する演出情報を設定する。ここでは、後述のステップS758の演出シナリオ設定処理で演出シナリオを構築する際に必要となる演出情報(たとえば決定された予告演出の種類を特定可能とする情報)が設定される。
ステップS756の演出情報設定処理を終えると、上記予告演出抽選テーブル指定テーブルで指定された、予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理がすべて終了したか否かを判定する(ステップS757)。予告演出抽選処理がすべて終了していない場合(ステップS757:NO)、ステップS754の処理に戻り、残りの予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理を行う。一方、予告演出抽選処理がすべて終了した場合(ステップS757:YES)、次いで、演出シナリオ設定処理を行う(ステップS758)。
ステップS758の演出シナリオ設定処理では、上記演出情報に基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲームにおいて現出させる演出の演出シナリオを構築する。各予告演出は、図柄変動表示ゲーム中における開始タイミングや、演出が現出される期間(演出時間幅)があらかじめ定められており、ステップS753〜S755を経て決定された予告演出と、今回の変動パターンの内容(変動時間、リーチ演出の有無、リーチ演出有りの場合はその種別、疑似連の有無、疑似連有りの場合はその疑似連回数など)とに基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に展開させる各種演出の演出シナリオが構築される。この演出シナリオのデータは、RAM243のシナリオ設定領域に格納される。
なお上記演出シナリオ設定処理では、作動保留球の保留表示に関する保留表示制御処理を含め、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理も行う。上記保留表示制御処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用演出データが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出データを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。
ステップS758の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、上記演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(16−1.高信頼度予告演出抑制処理:図17)
次に図17を参照して、上記の高信頼度予告演出抑制処理(ステップS755)について説明する。図17は、図16の高信頼度予告演出抑制処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、CPU201は、まず今回の変動パターンの内容が、当り時の当り変動パターンであるか否かを判定する(ステップS801)。具体的には、当り変動パターンA1〜A30(図22参照)のいずれかであるか否かを判定する。当り変動パターンである場合(ステップS801:YES)、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。当り変動パターンの場合にこの高信頼度予告演出抑制処理を抜ける理由は、次の通りである。当り変動パターンの場合には、高信頼度予告演出が複数回発生したとしてもゲーム結果が「当り」となるため、遊技者を失望感を与えることがなく、それ故、高信頼度予告演出の現出回数を制限する必要性に乏しいからである。
当り変動パターンでない場合(ステップS801:NO)、つまりハズレ変動パターンである場合(ハズレ変動パターンH1〜H40のいずれかである場合)、ステップS754の予告演出抽選処理で決定された予告演出が、高信頼度予告演出であるか否かを判定する(ステップS802)。たとえば、高信頼度予告演出に該当する予告演出であるか否かを識別するための識別情報をあらかじめ用意しておき、当該識別情報に基づき、高信頼度予告演出であるか否かを判定することができる。
高信頼度予告演出に該当しない場合(ステップS802:NO)、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。一方、高信頼度予告演出に該当する場合(ステップS802:NO)、次いで、抑制カウンタが所定の制限値(ここでは「1」としている)であるか否かを判定する(ステップS803)。この「抑制カウンタ」とは、ステップS754の処理で抽選された高信頼度予告演出数を計数するための高信頼度予告演出現出数計数手段として機能する。
抑制カウンタが1でない場合(ステップS803:NO)、抑制カウンタに1加算して(抑制カウンタ+1:ステップS804)、この高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。しかし抑制カウンタが1である場合(ステップS803:YES)、高信頼度予告演出を他の演出に変更またはキャンセルするための高信頼度予告演出変更処理を行う(ステップS805)。
この高信頼度予告演出変更処理では、ステップS754の予告演出抽選処理で決定された高信頼度予告演出を、他の演出に変更、またはその高信頼度予告演出の現出予定自体をキャンセル(無効化)する。本実施形態では、抑制カウンタが制限値「1」である場合、高信頼度予告演出変更処理を実行され、高信頼度予告演出の現出が1回だけに制限される、といった構成となっている。なお上記制限値は任意の値に適宜変更可能であるが、高信頼度予告演出が何回も現出されると遊技者に過度な当り当選期待感を抱かせてしまうという観点から、当該制限値を1または2とし、高信頼度予告演出の現出回数を2回以下に制限することが好ましい。
ここで上記の「高信頼度予告演出をキャンセルする」とは、変更対象の高信頼度予告演出が現出しない(無効化する)処理を行うことであり、これにより当該高信頼度予告演出自体を現出させないようにすることができる。また上記「他の演出に変更」については、以下の(1)〜(3)ような変更処理を行うことができる。
(1)変更対象の高信頼度予告演出を、当該高信頼度予告演出が属する期待予告演出種別とは異なる他の期待予告種別に属する低信頼度予告演出に変更することができる。たとえば、変更対象となる高信頼度予告演出が、図24に示す「前予告演出3」に属する‘藤模様花火予告(演出番号15)’であった場合、変更先の演出として、これとは異なる期待予告演出種別に属する低信頼度予告演出、たとえば「前予告演出3」に属する‘百色花瓶予告(演出番号16)’、‘青色花瓶予告(演出番号17)’、または‘黄色花瓶予告(演出番号18)’のいずれかに変更することができる。この場合、いずれの低信頼度予告演出に変更するかは、自由である。たとえば、最低の信頼度を持つ予告演出を変更先の演出として決定しても良いし、低信頼度予告演出が複数種類ある場合には、これらのうちから抽選により変更先の演出を決定しても良い。
なお上記変更先として選択する期待予告演出種別は、今回の予告演出に係る抽選対象とはならない期待予告演出種別であることが好ましい。これは、今回の予告演出に係る抽選対象となっている他の期待予告演出種別に属する予告演出に変更してしまうと、図柄変動表示ゲーム中に、全く同じ予告演出が複数回発生してしまう可能性があり、またこれを回避するための演出制御処理を設けるなどの不都合が生じうるからである。予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLE」が選択されたケースを例にとって説明すれば、このテーブル「G_TBLE」では、「前予告演出2_TBL」と「前予告演出5_TBLが抽選対象外となっており、これら前予告演出種別に属する予告演出は一切選択されないので、変更先の演出として、当該前予告演出種別に属する低信頼度予告演出に決定することが好ましい。また演出シナリオに不都合が生じないように、変更対象となる高信頼度予告演出が属する期待予告演出種別が、前予告演出種別に属する場合には他の前予告演出種別に属する低信頼度予告演出に、後予告演出種別に属する場合には他の後予告演出種別に属する低信頼度予告演出に変更する。変更の際は、変更対象となる高信頼度予告演出と演出時間幅が同一または類似の他の期待予告演出種別に属する低信頼度予告演出を設けている場合には、当該低信頼度予告演出に変更することが好ましい。
(2)変更対象の高信頼度予告演出を、当該高信頼度予告演出が属する期待予告演出種別と同一種別内の低信頼度予告演出に変更することができる。たとえば、変更対象となる高信頼度予告演出が、図24に示す「前予告演出3」に属する‘藤模様花火予告(演出番号15)’であった場合、変更先の演出として、同じ「前予告演出3」種別に属する高信頼度予告演出以外の演出、具体的には、同一種別内の低信頼度予告演出として、‘百合模様花火予告(演出番号11)’、‘紫陽花模様花火予告(演出番号12)’、または‘菊花模様花火予告(演出番号13)’のいずれかの演出に変更することができる。変更対象の高信頼度予告演出と変更先の低信頼度予告演出とが上述のように同一種別内である場合、双方の演出時間幅および開始タイミングが同じであるので、変更した演出を現出したときの違和感が無く、また演出シナリオを構築する際の処理が複雑化しないという利点がある。
(3)上述の(1)または(2)のように変更対象の高信頼度予告演出を期待予告演出種別に属する低信頼度予告演出に変更するのではなく、予告演出とは無関係の非予告演出に変更することができる。また図24および図25に例示した記期待予告演出種別に属する予告演出群との関連性のない模様(または図柄)、色彩による他の予告演出態様を1または複数種類を設けている場合、当該他の予告演出に変更することができる。また高信頼度予告演出を上記(1)〜(3)の変更、またはキャンセルする場合、対象となる高信頼度予告演出が属する期待予告演出種別に応じて、上記(1)〜(3)のいずれの変更処理を行うか、またはキャンセルする処理を行うかを適宜定めることができる。
上記のステップS805の高信頼度予告演出変更処理を終えると、この高信頼度予告演出抑制処理を抜けて図16のステップS756の演出情報設定処理に進む。
〔第2実施形態〕
次に上記実施形態(以下、「第1実施形態」と称する)の変形例(第2実施形態)について説明する。上記第1実施形態では、演出モードに関係なく、高信頼度予告演出が現出される回数を所定の上限回数まで制限する構成について説明した。しかし第2実施形態は、演出モードに応じて、高信頼度予告演出の制限される回数が異なる構成となっている。なお第1実施形態と第2実施形態とは、ステップS755の高信頼度予告演出抑制処理内容が異なり、他の構成要素については同じであるので、上記第1実施形態と同じ構成要素の詳細は重複記載を避けるために適宜省略して説明し、以下では、第2実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理について説明する。
(16−2.第2実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理:図18)
図18に、第2実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理のフローチャートを示す。
図18において、CPU241は、まず今回の変動パターンの内容が、当り時の当り変動パターンであるか否かを判定する(ステップS831)。
当り変動パターンでない場合(ステップS831:NO)、ステップS754の予告演出抽選処理で決定された予告演出が、高信頼度予告演出であるか否かを判定する(ステップS832)。高信頼度予告演出に該当しない場合(ステップS832:NO)、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。
一方、高信頼度予告演出に該当する場合(ステップS832:NO)、次いで、現在の演出モードが確変演出モードであるか否かを判定する(ステップS833)。
(確変演出モードである場合)
現在の演出モードが確変モードである場合(ステップS833:YES)、抑制カウンタが第1の制限値(ここでは「2」としている)あるか否かを判定し(ステップS844)、抑制カウンタが2でない場合(ステップS834:NO)、抑制カウンタに1加算して(ステップS847)、高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。しかし抑制カウンタが2である場合(ステップS834:YES)、ステップS845に進み、第1実施形態と同様の高信頼度予告演出変更処理を行い、これを終えた後、この高信頼度予告演出抑制処理を抜けて図16のステップS756の演出情報設定処理に進む。
(確変演出モード以外である場合)
現在の演出モードが確変モードでない場合(ステップS833:NO)、つまり通常A〜通常Cのいずれかである場合、抑制カウンタが第2の制限値(ここでは「1」としている)あるか否かを判定し(ステップS836)、抑制カウンタが1でない場合(ステップS836:NO)、抑制カウンタに1加算して(ステップS837)、高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。しかし抑制カウンタが1である場合(ステップS836:YES)、ステップS835に進み、第1実施形態と同様の高信頼度予告演出変更処理を行い、これを終えた後、この高信頼度予告演出抑制処理を抜けて図16のステップS756の演出情報設定処理に進む。
以上のように第2実施形態に係る高信頼度予告演出変更処理では、演出モード(大当り抽選確率に関連する演出モード)に応じて、現出予定の高信頼度予告演出の制限回数が異なる構成となっている。本実施形態では、通常A〜Cに対応する演出モードの場合よりも確変状態に対応する「確変演出モード」の場合の方が、高信頼度予告演出が現出されることを厳しく制限している。本実施形態では、確変演出モード下では高信頼度予告演出の現出を2回まで許容し、他の演出モード下ではそれよりも少ない回数である1回まで許容する構成となっている。このようにする理由は次の通りである。
確変演出モードは、遊技状態が確変状態、すなわち大当り抽選確率が高確率であることを報知する演出モードである。本実施形態では、既に説明したように、「確変演出モード」下では季節‘冬’を連想させるといった雪山の背景画像を表示する背景演出が現出され、遊技者は、現在の遊技状態が上記高確率状態であることを知ることができる。上記高確率状態である遊技状態下では、低確率状態である遊技状態下よりも容易に大当り当選を得ることができることから、遊技者が当り当選期待感を大きく抱くのは、大当り当選が難しい「低確率状態」中であると知り得た状況下で、当り当選期待感が高まる高信頼度予告演出が現出された場合である。それ故、「低確率状態」中に高信頼度予告演出が現出され、その後に「ハズレ」が導出されると、遊技者の失望感は大きい。これに対し、遊技者が高確率状態中であると知り得た状況下で、高信頼度予告演出が現出され、その後「ハズレ」が導出された場合では、高確率状態が継続する限りは大当り当選を得ることが容易なことから、低確率状態下で高信頼度予告演出が現出された場合よりも失望感は小さい。このような遊技者の心境を考慮し、高信頼度予告演出の現出を抑制した上で、演出のバリーエーションを豊富にさせて遊技の面白みを高めるには、演出モードに応じて、高信頼度予告演出の制限される回数を異なる構成とすることが好ましいからである。また、すべての演出モード下において高信頼度予告演出の現出回数を同じ制限数に定めてしまうと、高信頼度予告演出が当該制限数超えて現出された場合には、その時点で当り当選確定であることが明白になってしまうことから、演出のバリーエーションを豊富にするといった観点からは、演出モードに応じて高信頼度予告演出の制限される回数を異なる構成とすることが好ましいからである。ただし本実施形態では、大当り抽選確率が秘匿される演出モード(たとえば、通常C演出モード)では、確変演出モードのように大当り抽選確率が明白とはならないことから、通常遊技状態を示唆する演出モード(たとえば、通常A演出モード)と同じ制限を課している。また第2実施形態の変形例として、確変演出モード下では、高信頼度予告演出の現出を抑制しない構成としても良い。具体的には、ステップS833の判定結果がYESの場合、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜けて図16のステップS756の演出情報設定処理に進む、といった処理手順としても良い。
なお上記の第2実施形態では、特に、特定の大当り(たとえば、非ST確変大当り)に当選を契機に、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りが確定または当選するまで高確率状態が継続される遊技状態や、規定ST回数が定められていても、確率的に当該規定ST回数内に大当り当選が確実視される遊技状態(たとえば、高確率状態の大当り当選確率に対し、規定ST回数がその逆数の数百倍に設定されており、当該規定ST回数内に大当りに当選する確率が限りなく100%近い値となる場合(実質的に規定ST回数が定められていても、それが上述の非ST大当りに当選を契機に移行される遊技状態と等価的な遊技状態となる場合):一例を示せば、高確率状態での大当り当選確率が39.9分の1で、規定ST回数が1万回に定められている場合)に移行されるといった、次回大当り当選まで高確率状態の継続が確定的である遊技状態を設けた場合に有用である。これは本実施形態のように、高確率状態での大当り当選確率に対し、規定ST回数がその逆数の1倍〜数倍程度に定められ、確率的に大当り当選が確実に見込めるとは限らないような構成とした場合、たとえば、高確率状態での大当り当選確率が39.9分の1、規定ST回数が70回とした場合、規定ST回数内に大当りに当選する確率は、83%程度(規定ST回数内での連続当選(連荘)回数は平均6回程度)であり、規定ST回数内に大当り当選が単発で終了してしまう可能性も十分ありうる。このような機種においては、規定ST回数終了間近(たとえば、残りST回数が5回)において上記高信頼度予告演出が比較的多い回数現出されたにもかかわらず、このときのゲーム結果が「ハズレ」となってしまうと、遊技者は「このまま規定ST回数に到達して確変状態が終了してしまう」と落胆し、遊技者の失望感が大きくなってしまうからである。
したがって、規定ST回数内に大当りに当選が確実に見込めるとは限らないといった、規定ST回数と大当り当選確率との関係を有した遊技機においては、規定ST回数を前半区間と後半区間とに区切り、当該前半区間よりも後半区間の方が、高信頼度予告演出の現出回数を少ない回数に制限しても良い。なお、前半区間をN回、後半区間をM回(規定ST回数−N回)とした場合、N≦Mの関係を満たすことが好ましい(たとえば、N=規定ST回数の1/5〜1/2(本実施形態では、N=14〜35回の範囲)。これは、前半区間を極端に多い回数としてしまうと、規定ST回数終了間近(たとえば、上記のように残りST回数が5回)に高信頼度予告演出が多数現出し「ハズレ」となる、といった上述のような状況が発生しうるからである。
また上記第2実施形態では、演出モード種別に応じて高信頼度予告演出の現出回数を異ならせた構成について説明したが、この変形例として、リーチ種別に応じて高信頼度予告演出の現出回数を異ならせた構成としても良い。本実施形態では、リーチ演出種別のうち、「強SPリーチ」種別が最も当り当選期待度が高いリーチ種別として定められている。すなわち、この「強SPリーチ種」が出現した場合、他のリーチ演出種が現出された場合に比べて、他の予告演出が絡まなくとも当り当選期待度が相対的に高まることになる。したがって「SPリーチ種」が出現した上に、高信頼度予告演出が比較的多く出現し、ゲーム結果が「ハズレ」となってしまうと、遊技者の失望感が大きくなってしまう。したがって、リーチ種別のうち、上記「強SPリーチ種」以外の場合には(たとえば、Nリーチ種別や弱SPリーチ種別の場合)高信頼度予告演出の現出を2回まで許容し、「強SPリーチ種」の場合にはそれよりも少ない回数である1回まで許容する構成とすることができる。このようにしても、本発明の効果を奏することができる。
〔第3実施形態〕
次に上記第1実施形態(以下、「第1実施形態」と称する)の第2の変形例(第3実施形態)について説明する。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態に係る予告演出抽選処理の処理手順(図16のステップS754)が異なり、これに伴い高信頼度予告演出抑制処理も異なる構成となっている。なお以下では、上記第1実施形態と同じ構成要素の詳細については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(16.第3実施形態に係る装飾図柄指定コマンド受信処理:図19)
図19は、第3実施形態に係る装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。
図19において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS771)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行い(ステップS772)、期待予告抽選処理を行う(ステップS773〜S754)。
ステップS773の処理は、第1実施形態の処理手順と同じであり、演出モード別分岐抽選テーブル(図26参照)を参照し、現在の演出モードと変動パターンとに基づき、予告演出抽選テーブル指定テーブル(図27参照)を決定する。
ただしステップS774の処理は、上記第1実施形態の処理内容と異なる。上記第1実施形態では、ステップS754の予告演出抽選処理において予告演出を決定する度に、後段階のステップS755の高信頼度予告演出抑制処理〜S756の演出情報設定処理を行い、予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定されるすべての予告演出抽選テーブルに基づく予告抽選処理がすべて終了するまで、これを繰り返す処理手順となっている。つまり上記第1実施形態では、ステップS754の予告演出抽選処理で一の予告演出が決定される度に、ステップS755の高信頼度予告演出抑制処理を行うといった簡易な構成となっているが、抽選順序が先の期待予告演出種別に属する高信頼度予告演出が決定に起因して、上記抑制カウンタが制限値に達すれば、その後に抽選される期待予告演出種別に属する高信頼度予告演出がすべて変更対象となってしまう。
しかしこの第3実施形態では、先ずステップS774の予告演出抽選処理において、予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定されるすべての予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理を行った後(ステップS774〜S775:NOの処理ルート)、ステップS775の高信頼度予告演出抑制処理を行う構成とし(ステップS774〜S775:YESの処理ルート)、すべての予告演出抽選テーブルに基づき抽選された高信頼度予告演出のうちから、所定の変更優先順位に基づき、変更対象となる高信頼度予告演出が決定される。なおこれについての詳細は後述する。
上述のように、すべての予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理を行った後、演出情報設定処理を行う(ステップS756)。この演出情報設定処理の内容は第1実施形態と同であり、ここでは、ステップS773〜S774の処理を経て決定された予告演出に関する演出情報を設定する。
次いで、高信頼度予告演出抑制処理を行う(ステップS777)。この高信頼度予告演出抑制処理の内容は基本的には上記第1実施形態と同じであり、上記ステップS774の予告演出抽選処理で高信頼度予告演出が複数種類決定された場合、高信頼度予告演出の現出回数を制限し、いずれの高信頼度予告演出を現出させるか否かを決定する。なお、この高信頼度予告演出抑制処理の詳細は図20にて後述する。
ステップS777の高信頼度予告演出抑制処理を終えると、次いで、演出シナリオ設定処理を行う(ステップS778)。この演出シナリオ設定処理では、ステップS777の高信頼度予告演出抑制処理を経て最終的に決定された演出情報に基づいて、今回の図柄変動表示ゲームにおいて現出させる演出の演出シナリオを構築する。上記演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(16−3.第3実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理:図20)
次に図20を参照して、本発明の第3実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理(ステップS775)について説明する。図20は、図19の高信頼度予告演出抑制処理の詳細を示すフローチャートである。
図20において、CPU201は、まず今回の変動パターンの内容が、当り時の当り変動パターンであるか否かを判定する(ステップS871)。当り変動パターンである場合(ステップS871:YES)、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。
当り変動パターンでない場合(ステップS871:NO)、ステップS756で設定された演出情報に基づき、ステップS774の予告演出抽選処理で決定された予告演出のうち、高信頼度予告演出数(高信頼度予告演出の種類数)が所定の制限数(ここでは、「2」)であるか否かを判定する(ステップS872)。高信頼度予告演出数が上記制限数の「2」未満の場合(ステップS872:NO)、何もせずにそのまま高信頼度予告演出抑制処理を抜ける。本実施形態では、制限数「2」以上である場合、つまり決定された高信頼度予告演出が複数種類の場合には、後述のステップS833の変更対象予告演出検索処理とステップS834の高信頼度予告演出変更処理とが実行され、いずれの高信頼度予告演出を変更またはキャンセルするかを決定し、高信頼度予告演出の現出が制限数未満の1回だけに制限される、といった構成となっている。
高信頼度予告演出数が上記制限数「2」以上である場合(ステップS872:YES)、変更対象となる高信頼度予告演出種別を検索する変更対象予告演出検索処理を行う(ステップS873)。この変更対象予告演出検索処理では、ステップS774の予告演出抽選処理で決定された複数種類の高信頼度予告演出のうち、いずれの高信頼度予告演出を他の演出に変更またはキャンセルするかを決定する。なお、この変更対象予告演出検索処理の詳細は図21にて後述する。
ステップS873の変更対象予告演出検索処理を終えると、次いで、高信頼度予告演出変更処理を行う(ステップS874)。この高信頼度予告演出変更処理では、ステップS873の変更対象予告演出検索処理で変更対象として決定された高信頼度予告演出を、他の演出に変更またはキャンセルするための処理を行う。なお、この高信頼度予告演出変更処理の詳細は図21にて後述する。
次いで、最終的に決定された予告演出に関する演出情報を設定する(ステップS875:演出情報再設定処理)。この演出情報は、上記演出シナリオ設定処理(図19のステップS778)において、今回の図柄変動表示ゲームにおいて現出させる演出の演出シナリオを構築する際に利用される。
なお上記第3実施形態に係る高信頼度予告演出抑制処理では、高信頼度予告演出数(高信頼度予告演出の種類数)が所定の制限数(ここでは、「2」)である場合(ステップS872:YES)、ステップS873の変更対象予告演出検索処理とステップS874の高信頼度予告演出変更処理とが実行される例を説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、現在の演出モードに応じて、上記制限数を異なる数値に定めても良い。この場合、たとえば第2実施形態と同じく、現在の演出モードが確変演出モード以外の演出モードである場合よりも、確変演出モードである場合の方が上記制限数を多い数に設定することができる。
(16−4.第3実施形態に係る変更対象予告演出検索処理および高信頼度予告演出変更処理:図21)
図21に、第3実施形態に係る変更対象予告演出検索処理および高信頼度予告演出変更処理のフローチャートを示す。図示では、上記ステップS873の変更対象予告演出検索処理に対応する処理内容と、上記ステップS874に対応する高信頼度予告演出変更処理内容とを例示する。なお図(イ)および(ロ)は、図20のステップS872の判定結果が‘YES’である場合に実行される上記ステップS873〜S874の構成例を例示したものである。
(16−4−1.構成例1:図21(イ))
まず図21(イ)を参照して、上記ステップS873〜S874の構成例1について説明する。なお図21(イ)のステップS873−1は上記ステップS873の変更対象予告演出検索処理に対応し、ステップS874−1〜S874−2は上記ステップS874の高信頼度予告演出変更処理に対応する処理内容となっている。
図21(イ)において、CPU241は、まず上記ステップS774の予告演出抽選処理(図19参照)で決定された(当選となった)複数種類の高信頼度予告演出のうちから、所定の変更優先順位に基づき、変更すべき高信頼度予告演出を決定する(ステップS873−1)。なお本実施形態では、高信頼度予告演出数が上記制限数「2」以上である場合(ステップS872:YES)に変更対象予告演出検索処理が行われるようになっているので、、説明の便宜上、代表的に、予告演出抽選テーブル指定テーブルG_TBLE(図27参照)に起因して決定された予告演出として、図24に示す「前予告演出1」に属する演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’と、同図に示す「前予告演出3」に属する演出番号14の‘牡丹模様花火予告’と、同図に示す「前予告演出6」に属する演出番号29の‘赤色役物演出予告’の3種類が決定されたケースを例にとって説明する。
上記ステップS873−1の処理では、上記所定の変更優先順位として、上記決定された高信頼度予告演出のうちから、最も高い当り当選期待度を持つ高信頼度予告演出を検索する。ここでは、その検索処理として、上記演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’(当選期待度52.6%)’と、上記演出番号14の‘牡丹模様花火予告(当選期待度33.3%)’と、上記演出番号29の‘赤色役物演出予告(当選期待度22.5%)’の3種類のうち、いずれの高信頼度予告演出が最も高い信頼度を持つものであるかを判定する。このケースでは、3種類のうち、最も高い当り当選期待度52.6%を誇る上記演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’’が変更またはキャンセル対象(変更対象)として決定される。なお変更優先順位である当り当選期待度を識別する情報(期待度識別情報(変更優先順位決定テーブル))は、あらかじめROM242に格納されており、この識別情報に基づき、最も高い信頼度を持つ高信頼度予告演出を検索可能に構成されている。
次いで、変更対象として決定された高信頼度予告演出(ここでは、演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’)を他の演出に変更、またはその高信頼度予告演出の現出予定自体をキャンセル(無効化)する(ステップS874−1)。この処理は、上記第1実施形態の高信頼度予告演出変更処理と同じ処理内容とすることができる。
次いで、高信頼度予告演出数(種類数)が所定の制限値(ここでは、制限値=2)未満になったか否かを判定する(ステップS874−2)。高信頼度予告演出数が‘2’未満である場合(ステップS874−2:YES)、後述のステップS835の演出情報再設定処理に進む。
一方、高信頼度予告演出数が‘2’未満でない場合(ステップS874−2:NO)、再度、ステップS873−1の処理に戻り、残りの高信頼度予告演出、つまり「前予告演出3」に属する演出番号14の‘牡丹模様花火予告’と、「前予告演出6」に属する演出番号29の‘赤色役物演出予告’の2種類のうち、いずれの高信頼度予告演出が最も高い信頼度を持つものであるかを判定する。今回は、この2種類のうち、当り当選期待度33.3%持つ上記演出番号14の‘牡丹模様花火予告’が変更対象として決定される。そして、ステップS874−1の処理に進み、変更対象として決定された高信頼度予告演出(ここでは、演出番号14の‘牡丹模様花火予告’)を他の演出に変更、またはその高信頼度予告演出の現出予定自体をキャンセル(無効化)する(ステップS874−1)。
次いで、再度、高信頼度予告演出数が所定の制限値(制限値=2)未満(高信頼度予告演出数=1)になったか否かを判定する(ステップS874−2)。今回この処理を通過するときには、最初に決定された上記3種類の高信頼度予告演出のうち、上記演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’と演出番号14の‘牡丹模様花火予告’との2種類が、ステップS874−1の処理により低信頼度予告演出に変更、またはキャンセルされた状態となっており、残りの高信頼度予告演出は、演出番号29の‘赤色役物演出予告’の1種類のみとなっている。したがって今回のステップS874−2の判定処理結果は‘YES’となり、一連の変更対象予告演出検索処理および高信頼度予告演出を抜けて、ステップS835の演出情報再設定処理を行う。これにより、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出される高信頼度予告演出は、‘演出番号29の‘赤色役物演出予告(当選期待度22.5%)’となる。
以上のように本実施形態に係る構成例1では、上記所定の制限値未満の高信頼度予告演出数まで、当り当選期待度が相対的に高い順に排除されるようになっている。これにより、高信頼度予告演出の現出回数を制限することができる。本実施形態では、上記制限値を‘2’としているので、ステップS774の予告抽選処理で決定された高信頼度予告演出のうち、相対的に低い信頼度を持つ高信頼度予告演出の現出が1回だけに制限される、といった構成となっている。なお以上では、上記所定の制限値未満の高信頼度予告演出数まで、当り当選期待度が相対的に高い順に排除される形態について説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、図19のステップS774の予告抽選で最初に決定された高信頼度予告演出のうち、当り当選期待度が最も低い高信頼度予告演出に制限しても良い。この場合も、上述のケースでは、‘演出番号29の‘赤色役物演出予告(当選期待度22.5%)’
の現出が許容されることになる。また、当り当選期待度が相対的に高い順に排除される形態ではなく、逆に、当り当選期待度が相対的に低い順に排除に排除される形態であっても良い。この場合、上述のケースでは、「前予告演出1」に属する演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’の現出が許容される。ただし、遊技者に対し、過度な大当り当選期待感を与えないという事情に鑑みれば、構成例1のように、当り当選期待度が相対的に高い順に排除することがより好ましいといえる。
(構成例2:図21(ロ))
次に図21(ロ)を参照して、上記ステップS873〜S874の構成例2について説明する。なお図(ロ)の構成例2は、同図(イ)の構成例1のステップS873−1の処理(ステップS873の変更対象予告演出検索処理に対応する処理)が異なるだけであり、他の処理内容は実質的に同じ内容となっているので、同じ処理内容については、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。また図21(イ)の構成例1と同じ処理には同じステップ番号を付してある。
図21(ロ)において、CPU241は、まず上記ステップS774の予告演出抽選処理(図19参照)で決定された(当選となった)複数種類の高信頼度予告演出のうち、所定の変更優先順位に基づき、変更対象となる高信頼度予告演出を決定する(ステップS873−1)。ここでは説明の便宜上、上記構成例1と同じく、代表的に、予告演出抽選テーブル指定テーブルG_TBLE(図27参照)に起因して決定された高信頼度予告演出として、「前予告演出1」に属する演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’と、「前予告演出3」に属する演出番号14の‘牡丹模様花火予告’と、「前予告演出6」に属する演出番号29の‘赤色役物演出予告’の3種類が決定されたケースを例にとって説明する。
上記ステップS873−1の処理では、上記所定の変更優先順位として、上記決定された高信頼度予告演出のうち、演出の開始タイミングが時系列的に最後となる高信頼度予告演出を検索する。ここでは、検索処理として、上記3種類の高信頼度予告演出うち、いずれの高信頼度予告演出が最も遅く開始されるものであるかを判定する。このケースでは、3種類のうち、開始タイミングが最も遅く定められた上記演出番号29の‘赤色役物演出予告’が変更対象として決定される。なお変更優先順位である開始タイミングの相違を識別する情報(開始時期順位識別情報(変更優先順位決定テーブル))は、あらかじめROM242に格納されており、この識別情報に基づき、開始タイミングが相対的に遅い高信頼度予告演出を検索可能に構成されている。
次いで、変更対象として決定された高信頼度予告演出(ここでは、演出番号29の‘赤色役物演出予告’)を他の演出に変更、またはその高信頼度予告演出の現出予定自体をキャンセル(無効化)する(ステップS874−1)。
次いで、高信頼度予告演出数(種類数)が所定の制限値(ここでは、制限値=2)未満になったか否かを判定する(ステップS874−2)。高信頼度予告演出数が‘2’未満である場合(ステップS874−2:YES)、後述のステップS835の演出情報再設定処理に進む。
一方、高信頼度予告演出数が‘2’未満でない場合(ステップS874−2:NO)、再度、ステップS873−1の処理に戻り、残りの高信頼度予告演出、つまり上記演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’と上記演出番号14の‘牡丹模様花火予告’の2種類のうち、いずれの高信頼度予告演出が最も遅く開始されるものであるかを判定する。今回は、この2種類のうち、開始タイミングが最も遅く定められた上記演出番号14の‘牡丹模様花火予告’が変更対象として決定される。そして、ステップS874−1の処理に進み、変更対象として決定された高信頼度予告演出(ここでは、演出番号14の‘牡丹模様花火予告)を他の演出に変更、またはその高信頼度予告演出の現出予定自体をキャンセル(無効化)する(ステップS874−1)。
次いで、再度、高信頼度予告演出数が所定の制限値(制限値=2)未満になったか否かを判定する(ステップS874−2)。今回この処理を通過するときには、最初に決定された上記3種類の高信頼度予告演出のうち、上記演出番号14の‘牡丹模様花火予告’と、上記演出番号29の‘赤色役物演出予告’の2種類が、ステップS874−1の処理により低信頼度予告演出に変更、またはキャンセルされた状態となっており、残りの高信頼度予告演出は、上記演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’の1種類のみとなっている。したがって今回のステップS874−2の判定処理結果は‘YES’となり、一連の変更対象予告演出検索処理および高信頼度予告演出を抜け、ステップS835の演出情報再設定処理を行う。これにより、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出される高信頼度予告演出は、演出番号5の‘背景藤柄(虹色)予告’となる。
以上のように本実施形態に係る構成例2では、上記所定の制限値未満の高信頼度予告演出数まで、演出の開始タイミングが相対的に遅い順に排除されるようになっている。これにより、高信頼度予告演出の現出を制限することができる。本実施形態では、上記所定の制限値を‘2’としているので、ステップS774の予告抽選処理で決定された高信頼度予告演出のうち、演出の開始タイミングが最も早い高信頼度予告演出の現出が1回だけに制限される、といった構成となっている。なお以上では、上記所定の制限値未満の高信頼度予告演出数まで、演出の開始タイミングが相対的に遅い順に排除される形態について説明したが本発明はこれに限らず、演出の開始タイミングが相対的に早い順に排除される形態であっても良い。この場合、上述のケースでは、「前予告演出6」に属する演出番号29の‘赤色役物演出予告’の現出が許容される。
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、予告演出の一態様として、以下に説明する「先読み予告演出」を発生可能に構成した例について説明する。
演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球は発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる。
さらに上記先読み当り判定結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターンを事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる。この先読み変動パターン判定では、変動パターン種別(通常変動種別、Nリーチ種別、弱SPリーチ種別、強SPリーチ種別など)が事前に判定される。なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、変動パターン種別だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターン判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
上記先読み判定を行う場合、図8の始動口チェック処理において、上記先読み判定に関する処理を行うように構成する。詳しくは、図8の始動口チェック処理のステップS314において取得される大当り抽選に利用される各種の乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、変動パターン用乱数2)を利用して、上記先読み判定を行うことができる。主制御部20は、この先読み判定結果情報を上記「保留加算コマンド」に含ませて、演出制御部24に送信する。この保留加算コマンドは2バイトで構成され、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト側のデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データとから構成される(図28参照)。
演出制御部24については、上記保留加算コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる先読み判定結果情報を取得し、その内容に基づいて、先読み予告演出に関する演出制御処理を実行可能に構成する。ただし演出制御部24は、保留加算コマンドを受信した場合に必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行可否を抽選により決定し、先読み予告演出実行可と決定した場合には、先読み変動パターン情報に基づいて、複数種類の先読み予告演出うちから、いずれかの先読み予告演出を抽選により決定し、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させることができる。
なお、作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「強SPリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「強SPリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、変動開始時の変動パターンの骨子である「強SPリーチ」種別である旨、具体的には、「強SPリーチ」という同系統の変動パターン(強SPリーチ1〜3)を纏めて分類した「強SPリーチ種別」である旨が指定される。本ケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「強SPリーチ種別」に関連した演出態様が現出されることになる。したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、大当りの当選可能性が高いか低いか、換言すれば、当り当選期待度が高い煽り演出が発生する可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を、作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(5−3−1.先読み予告演出態様:図28、図29)
次に図28および図29を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図28および図29は、上記先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図28を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている(図5(ロ)参照)。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図図柄1側に対応)、a2〜d2(特図図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記保留加算コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選に係る作動保留球が先読み予告演出の対象となった作動保留球となる(たとえば、図28のハッチングを施した保留表示部b2が該当する)。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。上記先読み予告演出の出現率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が高く、かつ当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高くなる傾向となるように定めてあり、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の白色から、予告表示の青色、黄色、緑色、赤色、または虹色などの特殊な保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。また、緑色、赤色、虹色で表示される先読み予告演出は上記高信頼度予告演出に属するものであり、通常時の白色を含め、青色、黄色は、上記低信頼度予告演出に属するものである。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定され、当り当選期待度が高い変動パターン種別であるほど、当り当選期待度が高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、特殊なキャラクタを模したアイコンなどに変化するようにしても良い。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出と称される。
ここで現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能に構成することができる。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行し連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する全ての保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にする。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全ての図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。
なお、先読み予告演出の実行形態を次のような形態とすることができる。(イ)入賞時変化系(保留表示変化系)だけを実行する、(ロ)変動開始時変化系(画像表示変化系)だけを実行する、(ハ)入賞時変化系(保留表示変化系)と変動開始時変化系(画像表示変化系)の双方を実行する、などといった1またはこれらを組合せた複数種類の実行形態とすることができる。したがって、「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らず、またその逆に、「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らないようにすることができる。また入賞時変化系(保留表示変化系)」の先読み予告演出と「変動開始時変化系(画像表示変化系)」の先読み予告演出とが同時に発生させることもできる。どのような実行形態とするかは、適宜決定することができる。
また上記入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出実行中および/または(少なくともいずれか一方の意)上記変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出実行中に、あるいは単独で、可動体役物(図示せず)を、先読み専用の動作パターンで動作させても良い。この可動体役物による演出も、「変動開始時変化系」や「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。
このように演出制御部24は、作動保留球(保留データ)に基づき、当該作動保留球が図柄遊技の実行(図柄の変動表示動作)に供される前に、その内容(当該作動保留球を対象とした大当り抽選結果、または図柄遊技の実行に供された際の変動パターンの内容)を先読み判定する先読み判定手段と、この先読み判定手段の判定結果に基づき、上記先読み予告演出を現出制御する先読み予告演出現出制御手段と、を含むことができる。また先読み判定手段の判定結果に基づき、先読み予告演出の実行可否を決定(たとえば、抽選により決定)する先読み予告演出実行可否判定手段を含むことができる。なお先読み予告演出は、当り当選期待度が異なるように定められた複数種類の先読み予告演出を含むことができ、この場合、上記先読み予告演出現出制御手段は、上記先読み判定手段の先読み判定結果に基づき、複数種類の先読み予告演出のうちからいずれかを選択(たとえば、抽選により選択)することができる。
次に図28を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、高信頼度予告演出(「変動開始時変化系」の先読み予告演出)として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させることができる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。なお同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を示したものである。このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。そして今回の図柄変動表示ゲーム中に、当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ)、または期待予告演出など)が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。なお保留アイコンの保留色による当り当選期待度と上記稲妻演出による当り当選期待度とは、密接な関連性を持ち、保留先読み予告演出が単独で出現した場合よりも保留先読み予告演出と背景先読み予告演出とが重複して出現した場合の方が、より明確に当り当選期待度が示唆されるようになっている。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
以上に説明した先読み予告演出には、上述したように、高信頼度予告演出が含まれる。したがって先読み予告演出に係る高信頼度予告演出が現出される場合、上記第1実施形態および第2実施形態における高信頼度予告演出抑制処理(図17、図18)では、高信頼度予告演出が既に選択されたものとして処理するように構成することができる。具体的には、既に抑制カウンタが1加算された状態で、高信頼度予告演出抑制処理を行うように構成することができる。これは、作動保留球が実際に図柄変動表示動作に供される前に、当該作動保留球に関連する高信頼度予告演出が選択されている状態となっているからである。また第3実施形態における高信頼度予告演出抑制処理(図19)では、ステップS774の予告演出抽選処理で決定された高信頼度予告演出数に、上記先読み予告演出に係る高信頼度予告演出数を加算した値を、ステップS872の処理で判定対象となる「高信頼度予告演出数」として判定することができる。なお「入賞時変化系」の先読み予告演出の高信頼度予告演出と「変動開始時変化系」の先読み予告演出とを別々にカウントして、先読み予告演出に係る高信頼度予告演出数を2種類あるものとしても良いし、双方の先読み予告演出をまとめて、1種類としてカウントしても良い。
〔第5実施形態〕
また他の実施形態として、作動保留球数に応じて、高信頼度予告演出の現出を制限する制限回数を異なる構成とすることができる。以下、この実施形態(第5実施形態)について説明する。
近年、弾球遊技機においては、作動保留球が比較的多く保留されている場合、現存する作動保留球をなるべく早く消化させて遊技機の稼動率を向上させるべく、ハズレ時の図柄の変動時間を短くしたり、リーチ演出の出現率を低くなるように構成したものが主流である。この種の遊技機の場合、現存する作動保留球のうち、最も古い(最先の)作動保留球の変動開始時に、当該最も古い作動保留球を除き、たとえば、残存する作動保留球数0〜1個である場合よりも2〜3個である場合の方が、平均的な図柄の変動時間、つまり平均的な図柄変動表示ゲーム時間が短縮され、これに伴い、リーチ演出の出現率(特に、演出時間幅が長いSPリーチ種別の出現率)が低くなるように構成されている。特に最大保留記憶数の保留記憶がある場合(残存する作動保留球数が3個となる場合)において、最も古い作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム時間(図柄変動時間)の短縮傾向が顕著になる。
つまり、この種の弾球遊技機では、残存する作動保留球数が比較的多い2〜3個となる場合において、最も古い作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム中に「SPリーチ」種別が現出した場合、残存する作動保留球数がそれよりも少ない0〜2個の場合よりも「SPリーチ」種別の出現率が低く設定されている分、当り当選期待度は相対的に高まることになる。したがって、残存する作動保留球数が比較的多い場合において、最も古い作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム中に、高信頼度予告演出が多数回現出され、かつSPリーチが現出されたにもかかわらず、「ハズレ」が導出されてしまうと、遊技者の失望感は極めて大となる。
そこで、この実施形態では、最も古い作動保留球が図柄の変動表示動作に供される際、残存する作動保留球数が多いほど、ハズレ時の高信頼度予告演出が現出されることを厳しく制限する。たとえば、最大保留記憶数未満時において最も古い作動保留球が図柄変動表示動作に供される場合には、当該作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム中の高信頼度予告演出の現出回数を2回に制限し、最大保留記憶数時において最も古い作動保留球が図柄変動表示動作に供される場合には当該高信頼度予告演出の現出回数をそれよりも少ない1回まで許容する構成とすることができる。なお、残存する作動保留球数については上記「保留減算コマンド」により演出制御部24側が把握することができる。本実施形態は上記第1〜第4実施形態と組合せて構成することもでき、たとえば、第2実施形態において、確変演出モード以外である場合、1回だけ高信頼度予告演出の現出を許容する構成となっているが、確変演出モード以外であっても最大保留記憶数未満であれば、2回まで許容する構成とすることができる。
〔その他の変形例〕
以上に説明した各実施形態においては、変更対象となる高信頼度予告演出について、当り当選期待度が所定値以上(たとえば、20%以上のもの)となる予告演出として説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、各期待予告演出種別に属する予告演出群うち、最も高い当り当選期待度を持つ(最高当選期待度)を持つ予告演出を高信頼度予告演出として定めても良い。また当り当選期待度が所定値以上であるか否かにかかわらず、期待予告演出種別に属する予告演出群のうち、当り当選期待度値に基づく順位が相対的に高いもの、たとえば、上位2種類(たとえば「前予告演出1」の場合、当該前予告演出1に属する予告演出群のうち、最高当選期待度を持つ背景藤柄(虹色)予告(当り当選期待度1位:当り当選期待度52.6%)と、その次に高い当り当選期待度を持つ背景牡丹柄(赤色)予告(当り当選期待度2位:当り当選期待度20.5%)の上位2種類が該当する)を高信頼度予告演出として定めても良い。