JP2013245896A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置41は、空調負荷上限回転速度に基づき圧縮機12の回転速度の上限を制御し、暖房運転時にあっては高側圧力センサ43により検出された高圧相当温度が所定の終了時高側温度を下回ることを終了条件に上限制御を終了して、高圧相当温に基づく要求回転速度に基づいて圧縮機12の回転速度を制御する。空調負荷上限回転速度は、室内機30における吸込温度及び設定温度の温度差に基づいて空調負荷温度差を演算し、今回の空調負荷温度差から前回の空調負荷温度差を減じて制御効果量を演算し、制御効果量及び今回の空調負荷温度差に基づいて前回の空調負荷上限回転速度に対して補正する制御量を演算することで求められる。制御量は、圧縮機12の回転速度の上限制御の終了がしにくくなるように、高圧相当温度に基づいて補正される。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1の空気調和装置では、制御上の空調負荷を「室内吸込空気温度と室内設定温度の差」として算出し、その値が予め定められている複数の温度領域のいずれに該当するかにより、圧縮機の駆動周波数の上限周波数を段階的に変化させることが提案されている。例えば空調負荷が大きい温度領域に属する場合には圧縮機の上限周波数を増加させ、反対に空調負荷が小さい温度領域に属する場合には圧縮機の上限周波数を減少させるようにしている。このように、制御上の空調負荷によって圧縮機の上限周波数を定め、圧縮機の駆動周波数(以下、圧縮機の回転速度という)を抑制するとともにそのハンチング幅を抑制することで省エネルギー性の向上が図れるとしている。
図1に示すように、ヒートポンプ式の空気調和装置1は、室外機10と、複数の室内機30とを備えて構成されている。なお、複数の室内機30の各々は、その設置される空間(部屋)のサイズ等に合わせてその容量が選択・設定されており、少なくとも一つの室内機30の容量がその他の室内機30の容量と異なっていてもよい。
まず、冷房運転時において、圧縮機12の吐出管12bを出た冷媒は、四方弁14を通過した後、凝縮器として機能する室外機熱交換器15に導かれる。室外機熱交換器15において、冷媒は室外の空気(外気)により熱を奪われ、凝縮・液化する。その後、逆止弁21を介して室内機30に導かれた冷媒は、電子膨張弁32において減圧されるとともに、蒸発器として機能する室内機熱交換器31において、室内の空気の熱を奪い気化する。その後、冷媒は、四方弁14及びアキュームレータ18を介して圧縮機12の吸入管12aに戻る。以上の過程を経ることで、室内が冷房される。
図1に示すように、室外機10には、ガスエンジン11及び四方弁14等を駆動制御する制御装置41が設けられている。この制御装置41は、マイコンを主体に構成されており、前記吸入管12aの冷媒圧力PLを検出する低側検出手段としての低側圧力センサ42及び前記吐出管12bの冷媒圧力PHを検出する高側検出手段としての高側圧力センサ43にそれぞれ電気的に接続されている。また、制御装置41は、ガスエンジン11の回転速度を検出する回転速度センサ44に電気的に接続されている。
[1]ガスエンジン11の実際の回転速度
[2]ガスエンジン11に回転駆動される圧縮機12の接続台数
[3]ガスエンジン11の回転速度を著しく低下させることなく空調能力を低減するために、圧縮機12の吸入管12a及び吐出管12b間をバイパスするバイパス管13jに設けられた容量調整弁25の開度
従って、みかけ回転速度とは、冷媒流量と1対1で対応するようにこれらの要素を考慮して導入されたガスエンジン11の回転速度の概念である。例えばガスエンジン11の実際の回転速度が同一であるとして、圧縮機12の接続台数が多くなればその分、みかけ回転速度が大きく計算・設定され、反対に圧縮機12の接続台数が少なくなればその分、みかけ回転速度が小さく計算・設定される。あるいは、ガスエンジン11の実際の回転速度が同一であるとして、圧縮機12の容量調整弁25の開度が小さくなればその分、みかけ回転速度が大きく計算・設定され、反対に圧縮機12の容量調整弁25の開度が大きくなればその分、みかけ回転速度が小さく計算・設定される。
まず、省エネルギー制御モード指示の有無に関わらず、使用領域最大回転速度Nmaxを上限にガスエンジン11のみかけ回転速度の要求回転速度が計算される。ガスエンジン11のみかけ回転速度が要求回転速度に制御される要求回転速度制御の実施時は、ガスエンジン11のみかけ回転速度即ち空調能力が十分に確保され、各室内機30が設置されている空間での快適性が迅速に向上される。なお、使用領域最大回転速度Nmaxは、例えば制御装置41等の異常過熱や圧縮機12の過負荷運転等を回避し得る規格上(システム)の上限回転速度である。
空調負荷温度差ΔTs=(運転中の各室内機30の(容量PW×(吸込温度Ts−設定温度Tm))を運転中の全ての室内機30で合計した値)÷(運転中の各室内機30の容量PWを運転中の全ての室内機30で合計した値)
…(1)
このように演算された空調負荷温度差ΔTsには、運転中の各室内機30の容量PWが盛り込まれている。
(iは制御周期の回数)
ただし、
前回制御量ΔN(i−1)=前回の空調負荷上限回転速度N(i−1)−前々回の空調負荷上限回転速度N(i−2)
制御効果量E(i)=今回の空調負荷温度差ΔTs(i)−前回の空調負荷温度差ΔTs(i−1)
…(2)
なお、空調負荷上限回転速度制御の開始時、初期回転速度としてガスエンジン11の現在のみかけ回転速度に「0.9」を乗じた値を与えたとき、前回制御量の初期値としてガスエンジン11のみかけ回転速度に「0.1」を乗じた値が採用される。
[1]目標とする空調負荷に到達してからの経過時間
[2]ガスエンジン11のみかけ回転速度(圧縮機12の回転速度、接続台数、容量調整弁開度)の空調負荷上限回転速度
従って、例えば目標とする空調負荷に到達してからの経過時間が所定時間Tth以上となり、ガスエンジン11のみかけ回転速度の空調負荷上限回転速度が所定値Nth未満となり、ガスエンジン11のみかけ回転速度が所定値NGth未満となるとき(圧縮機12の回転速度が所定値NCth未満となり、且つ、容量調整弁開度が所定値Ath未満となるとき相当)、室外機10の運転が停止されるようになっている。なお、吸込温度Tsが設定温度Tmより所定温度以上離れた場合など再び室内機30から温調要求があった場合、運転停止後所定時間経過の後に室外機10の運転を再開する。
…(3)
そして、室内機30の操作パネルやリモコンのオンにより室外機10(ガスエンジン11)を始動してから所定時間(例えば5分)以上を経過すると、制御装置41は、冷媒の高圧相当温度THが所定の開始時高側温度CTh(例えば39°C)以上となり、且つ、空調負荷温度差ΔTsが開始閾値としての所定温度差DTh(例えば2°C)を下回ることを開始条件に、前述の空調負荷上限回転速度制御を開始する(開始手段)。開始時高側温度CThは、室内機30において快適と感じられる吹出し温度に基づき設定されている。
省エネルギー制御モード指示があるときは、制御装置41は、図5に従って省エネルギー率に対応する開始条件補正係数αを設定する。この開始条件補正係数αは、空調負荷上限回転速度制御の開始条件に係る前記所定温度差DTc,DThを補正するものである。具体的には、開始条件補正係数αは、省エネルギー率が0%のときに零であって、省エネルギー率が大きくなるに従って、大きくなるように設定されている。そして、省エネルギー率が0%のときの空調負荷上限回転速度制御の開始条件であるΔTs<DTc,DThを、ΔTs<DTc,DTh+αと補正する。つまり、開始条件補正係数αは、空調負荷上限回転速度制御の開始条件を緩和してこれを開始しやすくするためのものである。
…(4)
そして、特に暖房運転時において省エネルギー制御モード指示があるときは、制御装置41は、空調負荷上限回転速度制御の終了条件に係る冷媒の高圧相当温度THに基づいて制御量ΔN自体を補正する(制御量補正手段)。具体的には、制御装置41は、図9に従って暖房運転時における高圧相当温度THに対応する制御量補正係数δを設定する。この制御量補正係数δは、高圧相当温度THが所定温度A(例えば39°C)未満のときに「1」に設定され、所定温度A以上であり、且つ、所定温度B(例えば42°C)未満のときに「0」に設定される。また、制御量補正係数δは、高圧相当温度THが所定温度B以上であり、且つ、所定温度C(例えば45°C)未満のときに「0.5」に設定され、所定温度C(例えば39°C)以上のときに「1」に設定される。
空調負荷上限回転速度N(i)=前回の空調負荷上限回転速度N(i−1)+制御量ΔN(i)×δ
…(5)
従って、制御量ΔNは、冷媒の高圧相当温度THが空調負荷上限回転速度制御を終了させる終了時高側温度CTh1に比較的近い温度領域(A<高圧相当温度TH≦C)のときに低減されるように補正される。これは、空調負荷上限回転速度制御が終了しやすい状況下で空調負荷上限回転速度Nを著しく変動させて空調負荷上限回転速度制御が終了しやすくなることを回避するためである。
図3に示すように、室内機30の操作パネルやリモコンのオンにより処理がこのルーチンに移行すると、前述の態様で要求回転速度制御時のガスエンジン11のみかけ回転速度が計算・設定され(S1)、続いて空調負荷上限回転速度制御時のガスエンジン11のみかけ回転速度が計算・設定される(S10)。
室外機10が始動されると、通常は空調負荷が大きいことから、省エネルギー制御モード指示の有無に関わらず、要求回転速度制御が実施される。要求回転速度制御の実施に伴い、目標とする空調負荷に近付くと、省エネルギー制御モード指示がある場合には前述の条件を満たすことで空調負荷上限回転速度制御が開始・実施される。これにより、空調負荷から本来要求されているガスエンジン11のみかけ回転速度の上限がより正確に計算され、室外機10(ガスエンジン11等)の発停回数が抑制される。
(1)本実施形態では、ガスエンジン11のみかけ回転速度(圧縮機12の回転速度)の上限である空調負荷上限回転速度は、制御効果量及び今回の空調負荷温度差ΔTs(ΔTs’)に基づく制御量ΔNで前回の空調負荷上限回転速度を補正することで演算される。このように、空調負荷上限回転速度の演算に際し、制御効果量及び今回の空調負荷温度差ΔTs(ΔTs’)が反映されることで、空調負荷から本来要求されているガスエンジン11のみかけ回転速度(圧縮機12の回転速度)の上限をより正確に計算することができる。そして、室外機10(ガスエンジン11、圧縮機12等)の発停回数の抑制により省エネルギー性を向上しつつも、室内機30が設置されている空間の吸込温度Tsを設定温度Tmに近付けることができる。
・前記実施形態において、低圧相当温度TL又は高圧相当温度THに代えて、各々に相関する吸入管12aの冷媒圧力PL又は吐出管12bの冷媒圧力PHをそのまま所要の演算等に利用してもよい。
・前記実施形態において、圧縮機12の回転速度を監視して、該圧縮機12の回転速度を直接制御するようにしてもよい。
(イ)請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気調和装置において、
省エネルギー制御モード時、前記室内機における実際の空気温度が目標空気温度に収束しにくくなるように前記空調負荷温度差を補正する空調負荷温度差補正手段を備えたことを特徴とする空気調和装置。同構成によれば、省エネルギー制御モード時、前記室内機における実際の空気温度が目標空気温度に収束しにくくなるように前記空調負荷温度差補正手段により制御上の空調負荷としての前記空調負荷温度差が補正されることで、前記圧縮機の発停回数を更に抑制することができ、省エネルギー性を更に向上することができる。
前記室内機は複数であって、
前記空調負荷温度差演算手段は、
前記複数の室内機のうち運転中の全ての容量をそれぞれ取得する容量取得手段と、
前記複数の室内機のうち運転中の全てにおける実際の空気温度及び目標空気温度の温度差をそれぞれ取得する温度差取得手段とを備え、
前記各室内機に対して取得された前記容量及び前記温度差の乗算値を全ての前記室内機で合計した値を、前記各室内機に対して取得された前記容量を全ての前記室内機で合計した値で除して前記空調負荷温度差を演算することを特徴とする空気調和装置。同構成によれば、制御上の空調負荷としての前記空調負荷温度差の計算に、運転中の各室内機の容量(馬力)が盛り込まれる。そして、前記圧縮機の回転速度の上限は、前記演算された空調負荷温度差に基づいて制御される。従って、例えば小容量室内機のみが設置されている空間(部屋)と大容量室内機が設置されている空間とが混在する場合であっても、各室内機において空調負荷に対応する最適な空調能力を確保することができ、該各室内機が設置されている空間での快適性を向上することができる。また、前記圧縮機の不要な運転停止を回避することができ、省エネルギー性を向上することができる。
Claims (3)
- 回転に伴い冷媒を圧縮する圧縮機及び冷房運転時は前記冷媒の凝縮器として機能し暖房運転時は前記冷媒の蒸発器として機能する室外機熱交換器を有する室外機と、冷房運転時は前記冷媒の蒸発器として機能し暖房運転時は前記冷媒の凝縮器として機能する室内機熱交換器を有する室内機とを備える空気調和装置において、
空調負荷上限回転速度演算手段により演算された空調負荷上限回転速度に基づき前記圧縮機の回転速度の上限を制御する空調負荷上限回転速度制御手段と、
冷房運転時にあっては低側検出手段により検出された前記冷媒の低圧相当温度が所定の終了時低側温度を超えることを終了条件に、暖房運転時にあっては高側検出手段により検出された前記冷媒の高圧相当温度が所定の終了時高側温度を下回ることを終了条件に、前記圧縮機の回転速度の上限制御を終了する終了手段と、
前記圧縮機の回転速度の上限制御の終了後、冷房運転時にあっては前記低圧相当温度に基づく要求回転速度に基づいて、暖房運転時にあっては前記高圧相当温度に基づく要求回転速度に基づいて、使用領域最大回転速度を上限に、前記圧縮機の回転速度を制御する要求回転速度制御手段とを備え、
前記空調負荷上限回転速度演算手段は、
前記室内機における実際の空気温度及び目標空気温度の温度差に基づいて空調負荷温度差を演算する空調負荷温度差演算手段と、
今回の前記空調負荷温度差から前回の前記空調負荷温度差を減じて制御効果量を演算する制御効果量演算手段と、
前記制御効果量及び今回の前記空調負荷温度差に基づいて、前回の前記空調負荷上限回転速度に対して補正する制御量を演算する制御量演算手段と、
前記終了手段による前記圧縮機の回転速度の上限制御の終了がしにくくなるように、少なくとも暖房運転時にあっては前記高圧相当温度に基づいて前記制御量を補正する制御量補正手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1に記載の空気調和装置において、
冷房運転時にあっては前記低圧相当温度が所定の開始時低側温度を下回り、且つ、前記空調負荷温度差が開始閾値を下回ることを開始条件に、暖房運転時にあっては前記高圧相当温度が所定の開始時高側温度を超え、且つ、前記空調負荷温度差が開始閾値を下回ることを開始条件に、前記要求回転速度制御手段による前記圧縮機の回転速度の制御を終了して、前記空調負荷上限回転速度制御手段による前記圧縮機の回転速度の上限制御を開始する開始手段と、
前記開始手段による前記圧縮機の回転速度の上限制御の開始がしにくくなるように、少なくとも暖房運転時にあっては前記高圧相当温度に基づいて前記空調負荷温度差を補正する開始条件補正手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1又は2に記載の空気調和装置において、
前記終了手段は、前記空調負荷温度差が終了閾値を超えることの論理和を前記終了条件として、前記空調負荷上限回転速度制御手段による前記圧縮機の回転速度の上限制御を終了するものであり、
省エネルギー制御モード時、前記空調負荷温度差が前記終了閾値を超えにくくなるように補正する終了条件補正手段を備えたことを特徴とする空気調和装置。
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