JP2013244095A - 生体穿刺補助装置と生体穿刺装置 - Google Patents

生体穿刺補助装置と生体穿刺装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 生体の穿刺対象部位、例えば、生体の尾部を確実に固定し、容易に安定した穿刺を行うことができる生体穿刺補助装置と生体穿刺装置を提供すること。
【解決手段】 基台と、上記基台に設けられ基台との間に生体の穿刺対象部位を挟み込んで固定する複数の固定用部材と、を具備したものであり、それによって、上記生体の穿刺対象部位、例えば、マウスの尾部のような極めて固定し難いような穿刺対象部位であっても、これを容易に固定して安定した穿刺を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マウス等の生体に対して穿刺を行う際に上記生体の穿刺対象部位を安定した状態で固定することを可能にする生体穿刺補助装置とこの生体穿刺補助装置を使用した生体穿刺装置に係り、特に、上記穿刺対象部位を確実に固定して安定した穿刺を容易に行うことができるように工夫したものに関する。
例えば、非特許文献1に示すように、医学や薬学等の実験において、マウス等の生体に注射器等による穿刺を行う場合がある。
従来、上記生体に対して穿刺を行う場合、例えば、特許文献1〜特許文献3に示すような方法により上記生体を固定していた。
また、特許文献4に記載されたものは上記生体に穿刺を行うものではなく、体表から放出されるガスを収集するものであるが、同様に上記生体を固定するものである。
特開2008−212410号公報 実開平2−86513号公報 実開昭61−174915号公報 特開2010−54489号公報
今淳著 「ヒアルロン酸ノックダウンマウスの開発および病態解析への適用」 Inflammation and Regeneration 2008 Vol.28 No.1 日本炎症・再生医学会刊
上記従来の構成によると、次のような問題点があった。
上記生体における穿刺部位には様々なものがある。例えば、マウスの尾部に穿刺を行う場合もある。しかしながら、特許文献1〜特許文献4に記載されている生体の固定方法や構成は、何れもマウス本体を固定するものであってマウスの尾部を固定するようなものではない。その為、マウスの尾部に穿刺を行う場合には、例えば、尾部を手で引っ張って固定しなければならず、煩雑な作業を余儀なくされてしまうという問題があった。
また、マウスの尾部は柔らかい上に伸縮・屈曲し易いために、仮に、尾部を手で引っ張って固定したとしても安定した状態を維持することは困難であり、結局、注射器による穿刺を安定した状態で行うことができないという問題があった。
本願発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、生体の穿刺対象部位、例えば、マウスの尾部を確実に固定して容易に安定した穿刺を行うことができる生体穿刺補助装置と生体穿刺装置を提供することにある。
上記課題を解決するべく請求項1に記載された生体穿刺補助装置は、基台と、上記基台に設けられ基台との間に生体の穿刺対象部位を挟み込んで固定する複数の固定用部材と、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載された生体穿刺補助装置は、請求項1記載の生体穿刺補助装置において、上記固定用部材は上記基台に対して回転可能に設置され回転することにより上記基台との間の間隔を変化させる偏芯カムであり、上記偏芯カムを適宜の方向に回転させることにより上記穿刺対象部位の固定/解放を行うことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載された生体穿刺補助装置は、請求項2記載の生体穿刺補助装置において、上記基台には上記穿刺対象部位を押圧する押圧部材が設けられており、この押圧部材は上記穿刺対象部位を押圧する方向に移動可能であって、穿刺対象部位の太さに応じて揺動可能に設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載された生体穿刺補助装置は、請求項3記載の生体穿刺補助装置において、上記偏芯カムにはV字型溝が形成されており、上記穿刺対象部位はこのV字型溝と上記基台との間に挟み込まれて固定されることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載された生体穿刺補助装置は、請求項4記載の生体穿刺補助装置において、上記押圧部材にはV字型溝が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載された生体穿刺装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載された生体穿刺補助装置と、上記生体穿刺補助装置に対して穿刺方向に沿って移動可能に設置されたマイクロニードルアレイと、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載された生体穿刺装置は、請求項6に記載された生体穿刺装置において、上記生体穿刺補助装置の基台には上記マイクロニードルアレイをガイドするガイド部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載された生体穿刺装置は、請求項7記載の生体穿刺装置において、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルの流出口が上記生体穿刺補助装置によって遮蔽されていないことを特徴とするものである。
以上述べたように、請求項1記載の生体穿刺補助装置は、基台と、上記基台に設けられ基台との間に生体の穿刺対象部位を挟み込んで固定する複数の固定用部材と、を具備したものであるため、上記生体の穿刺対象部位を固定して安定した穿刺を行うことができる。
また、請求項2記載の生体穿刺補助装置は、請求項1記載の生体穿刺補助装置において、上記固定用部材は上記基台に対して回転可能に設置され回転することにより上記基台との間の間隔を変化させる偏芯カムであり、上記偏芯カムを適宜の方向に回転させることにより上記穿刺対象部位の固定/解放を行うようになっているため、例えば、太さが一定でない穿刺対象部位であっても、個々の偏芯カムと基台との間隔を個別に設定することで、容易に上記穿刺対象部位を固定して安定した穿刺を行うことができる。
また、請求項3記載の生体穿刺補助装置は、請求項2記載の生体穿刺補助装置において、上記基台には上記穿刺対象部位を押圧する押圧部材が設けられており、この押圧部材は上記穿刺対象部位を押圧する方向に移動可能であって、穿刺対象部位の太さに応じて揺動可能に設けられているため、上記押圧部材を揺動させることで上記穿刺対象部位の形状に対応して、穿刺時における上記穿刺対称部位の変形を効果的に防ぐことができる。
また、請求項4記載の生体穿刺補助装置は、請求項3記載の生体穿刺補助装置において、上記偏芯カムにはV字型溝が形成されており、上記穿刺対象部位はこのV字型溝と上記基台との間に挟み込まれて固定されるため、上記V字型溝によって上記穿刺対象部位を確実に保持することができる。
また、請求項5記載の生体穿刺補助装置は、請求項4記載の生体穿刺補助装置において、上記押圧部材にはV字型溝が形成されているため、穿刺時における上記穿刺対称部位の変形を確実に防ぐことができる。
また、請求項6記載の生体穿刺装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載された生体穿刺補助装置と、上記生体穿刺補助装置に対して穿刺方向に沿って移動可能に設置されたマイクロニードルアレイと、を具備したため、上記生体の穿刺対象部位を安定・保持した状態で上記マイクロニードルアレイによる安定した穿刺を行うことができる。
また、請求項7記載の生体穿刺装置は、請求項6に記載された生体穿刺装置において、上記生体穿刺補助装置の基台には上記マイクロニードルアレイをガイドするガイド部が設けられているため、上記ガイド部を利用して上記マイクロニードルアレイを穿刺方向に正確に移動させて上記マイクロニードルアレイによる安定した穿刺を確実に行うことができる。
また、請求項8記載の生体穿刺装置は、請求項7記載の生体穿刺装置において、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルの流出口が上記生体穿刺補助装置によって遮蔽されていないため、上記マイクロニードルアレイによる上記穿刺対象部位への穿刺状態の確認や上記穿刺対象部位の穿刺された部位の観察を容易に行うことができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置及び生体穿刺装置の使用状態を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置及び生体穿刺装置を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置及び生体穿刺装置を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置の偏芯カム付近を示す拡大断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置の偏芯カムを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図4の偏芯カムのVI−VI断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図7(a)は本実施の形態による生体穿刺装置の第1偏芯カム付近を示す拡大側面図であり、図7(b)は本実施の形態による生体穿刺装置の第2偏芯カム付近を示す拡大側面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図8(a)は本実施の形態による生体穿刺装置の穿刺対象であるマウスを示す図であり、図8(b)は図8(a)のb部分の拡大図、図8(c)は図8(b)の左側端面、図8(d)は図8(b)の右側端面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置の偏芯カムの偏芯量の算出を説明するために使用した模式図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺補助装置のスライダを示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺装置のマイクロニードルアレイ装置を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺装置のマイクロニードルアレイ装置の断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による生体穿刺装置のマイクロニードルアレイ及び押圧部材付近を示す拡大平面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図14(a)は本実施の形態による生体穿刺装置のマイクロニードルアレイ及び押圧部材付近を示す拡大断面図、図14(b)はマイクロニードルによって生体の穿刺対象部位が穿刺された様子を示す拡大断面図である。
以下、図1乃至図14を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態による生体穿刺装置1の全体構成と使用状態を示す斜視図である。本実施の形態による生体穿刺装置1は、図1に示すように、生体穿刺補助装置1aと、マイクロニードルアレイ装置1bとから構成されている。上記生体穿刺補助装置1aによってマウス(生体)3の穿刺対象部位としての尾部3aを固定し、上記マイクロニードルアレイ装置1bによって上記尾部3aに対する穿刺を行う。
また、図1に示すように、上記マイクロニードルアレイ装置1bには、チューブ4aを介して、薬液供給装置としてのシリンジ4bが接続されており、このシリンジ4bから上記マイクロニードルアレイ装置1bに薬液が供給される。以上が本実施の形態による生体穿刺装置1の概略の構成である。以下、各部の構成を順次詳細に説明する。
まず、上記生体穿刺補助装置1aの構成について説明する。上記生体穿刺補助装置1aには、図1乃至図3に示すように、基台5がある。この基台5には、図2、図3に示すように、本体5aがあり、この本体5aの後端側(図2中右上側)からは上方(図2中上側)に向かって突出された固定用凸部5b、5bが形成されている。これら固定用凸部5b、5bの間には、マイクロニードルアレイ装置用ガイド溝5cが形成されている。
また、上記本体5aの前端側(図2中左下側)にはスライダ用ガイド溝5dが形成されている。また、図3に示すように、上記本体5aの固定用凸部5b、5bの前方側(図3中左下側)には、複数の(本実施の形態の場合には2つ)偏芯カム用貫通孔5e、5eが形成されている。この偏芯カム用貫通孔5eは、図4に示すように、生体穿刺補助装置1a表側(図4中上側)の小径部5eと生体穿刺補助装置1a裏側(図4中下側)の大径部5eとから構成されている。また、上記小径部5eと上記大径部5eとの境界にはバネ用係合部5eが形成されている。また、上記スライダ用ガイド溝5dの底部(図3中下側)には雌ネジ部5fが形成されている。
また、図2や図3に示すように、上記基台5には、固定用部材としての複数の(本実施の形態の場合には2つ)偏芯カム、すなわち、第1偏芯カム7aと第2偏芯カム7bが設置されている。上記第1偏芯カム7aは、例えば、樹脂又は金属製であり、図4乃至図6に示すような構成を成している。
まず、その側面にV字型溝7aが環状に形成された偏芯カム本体7aがある。上記V字型溝7aは、図4乃至図6に示すように、その溝深さが図4中右側から左側に向かうほど大きくなっており、右側で最小値dminとなっているとともに左側で最大値dmaxとなっている。また、上記V字型溝7aのV字溝角度は90°である。
また、図4及び図5に示すように、上記偏芯カム本体7aの上端面(図4中上側端面)には回転摘み部材7aが突出・形成されている。また、上記偏芯カム本体7aの下端面(図4中下側端面)には回転軸部材7aが突出・形成されている。例えば、図6に示すように、上記回転摘み部材7aの中心軸と回転軸部材7aの中心軸とは、図6中左右方向の位置及び図6中紙面垂直方向の位置が一致するようになっている。
図4及び図6中、上記偏芯カム本体7aの回転軸部材7aの回転中心位置を一点鎖線で図示するとともに符号Cで示す。一方、上記偏芯カム本体7aの上記V字型溝7aの中心位置における断面をみると、図6に示すように、上記回転軸部材7aの回転中心位置Cに対して偏芯・配置されている。図4及び図6中、その偏芯した中心位置を一点鎖線で図示するとともに符号Cで示す。上記中心位置Cは回転中心位置Cに対してxだけ偏芯している。この偏芯量xについては追って詳細に説明する。また、図6に示すように、上記第1偏心カム7aの偏心カム本体7aの最外径の中心(図6中符号Cで示す)に対しても、上記回転軸7aの回転中心位置Cが偏心している。このことについても追って説明する。
なお、図6に示すように、上記第1偏芯カム7aの横断面形状は円形である。
また、上記回転軸部材7aには、生体穿刺補助装置1a裏側(図4中下側)には開口部が設けられていてこの開口部には雌ネジ部7aが形成されている。
また、上記第2偏芯カム7bは上記第1偏芯カム7aと同様の構成を成す部材である。すなわち、V字型溝7bが形成された形状を成す偏芯カム本体7b、回転摘み部材7b、回転軸部材7bから構成されており、上記回転軸部材7bには雌ネジ部7bが形成されている。
上記第1偏芯カム7aはその回転軸部材7aを偏芯カム用貫通孔5e内に挿入された状態で、上記基台5に設置されている。また、上記第1偏芯カム7aの回転軸部材7aの雌ネジ部7aにはネジ9が螺合されている。このネジ9は頭部9aと雄ネジ部9bとから構成されており、上記頭部9aの上記第1偏芯カム7a側(図4中上側)には上記雄ネジ部9bに貫通されたワッシャ11が設置されている。そして、このワッシャ11と上記偏芯カム用貫通孔5eのバネ用係合部5eとの間には、上記ネジ9の雄ネジ部9bによって貫通されたコイルバネ13が介挿されている。このコイルバネ13によって、上記ネジ9を介して上記第1偏芯カム7aが上記基台5の本体5a側に常時付勢されている。
また、上記第2偏芯カム7bも、同様にして、上記基台5に設置されている。
また、図7に示すように、マウス3の尾部3aは、上記第1偏芯カム7aのV字型溝7aと固定用凸部5bとの間に挟み込まれるとともに、上記第2偏芯カム7bのV字型溝7bと上記基台5の固定用凸部5bとの間に挟み込まれることになる。
なお、図7中の一点鎖線で示す直線Xは、上記固定用凸部5bや上記固定用凸部5bの上記第1偏芯カム7a及び上記第2偏芯カム7b側の先端面の位置を示すものである。また、図7中の一点鎖線で示す直線YはV字型溝7aやV字型溝7bの溝中心位置の高さ(図7中上下方向の位置)を示すものである。
また、上記マウス3の尾部3aは、図8に示すように、基部側(図8(a)中左側)から先端側(図8(a)中右側)に向かうほど径が小さくなっている。本実施の形態においては、図1に示すように、上記尾部3aの基部側(図1中左上側)の任意の位置を上記第1偏芯カム7aによって固定するようにし、上記尾部3aの先端側(図1中右下側)の任意の位置を上記第2偏芯カム7bによって固定するようにしている。
ここで、先に説明した偏芯量xについて詳細に説明する。
図8に示すように、本実施の形態による生体穿刺補助装置1aによって固定可能な尾部3aの最大半径をR、最小半径をrとする。まず、最大半径Rの位置を固定する場合から説明する。最大半径Rの位置を固定した状態を図9の上側に示す。この図において、上記尾部3aの中心からV字型溝7aの底までの距離は√2×Rとなる。そのため、直線Xから上記V字型溝7aの底までの距離Lは次の式(I)によって示されるものとなる。
=R+√2×R―――式(I)
但し、
:直線XからV字型溝7aの底までの距離
R :尾部3aの固定可能な最大半径
一方、最小半径rの位置を固定した状態を図9の下側に示す。この図において、上記尾部3aの直線Xから上記V字型溝7bの底までの距離Lは次の式(II)によって示される。
=r+√2×r―――式(II)
但し、
:直線XからV字型溝7bの底までの距離
r :尾部3aの固定可能な最小半径
上記距離Lと距離Lと差が必要な偏芯量xとなる。すなわち、偏芯量xは次の式(III)によって表される。
x=L−L=(R−r)(1+√2)―――式(III)
以上のようにして、必要な偏芯量xが設定される。
そして、このような偏芯量xを設定することにより、上記第1偏芯カム7aや上記第2偏芯カム7bによって、尾部3aの最小半径rから上記最大半径Rまでを固定することが可能になる。
また、前述したように、上記第1偏心カム7aの偏心カム本体7aや上記第2偏心カム7bの偏心カム本体7bの最外径の中心(図6中符号Cで示す)に対しても、上記回転軸7a、7bの回転中心位置Cが偏心している。このようにすることで上記偏心量xをより大きく設定して、上記最大半径Rと上記最少半径rの差が大きい尾部3aであっても固定することが可能となる。
なお、上記第1偏芯カム7aや上記第2偏芯カム7bの基台5の本体5aに対する取付位置は、V字型溝7aやV字型溝7bを最大に拡げた状態で、尾部3の最大半径Rの部分を固定できるような所定位置に設定されている。
また、図2や図3に示すように、上記基台5のスライダ用ガイド溝5d内には、スライダ15が摺動可能に設置されている。このスライダ15にはスライダ本体15aがあり、このスライダ本体15aが上記スライダ用ガイド溝5d内に摺動可能に設置される。また、図10に示すように、上記スライダ本体15aには長孔15bと雌ネジ部15cが形成されている。上記長孔15bはスライダ本体15aの長さ方向(図10中左下から右上に向かう方向)に延長・形成されており、上記スライダ本体15aの高さ方向(図10中上下方向)に貫通している。
また、上記スライダ15には押圧部材15dが揺動可能に設けられている。上記押圧部材15dには、その幅方向(図10中右下から左上に向かう方向)に延長・形成されたV字型溝15dが形成されている。図1に示すように、上記押圧部材15dの幅方向両端は、既に説明した固定用凸部5b、5bにそれぞれ対向・配置されている。そして、上記マウス3の尾部3aは、押圧部材15d幅方向両側と上記V字型溝15d1、固定用凸部5b、5bとの間にも挟み込まれることになる。
また、上記押圧部材15dには高さ方向(図10中上下方向)に指向した形成された貫通孔15dが設けられている。そして、上記押圧部材15dは、上記貫通孔15dを貫通して上記スライダ本体15aの雌ネジ部15cに螺合されるネジ15eによって揺動可能に取り付けられる。すなわち、上記押圧部材15dは上記ネジ15eを軸として揺動可能になっているものである。
また、上記スライダ本体15aの長孔15bを貫通し、上記基台5の雌ネジ部5fに螺合されるネジ16がある。このネジ16を締めると上記ネジ16の頭部によって上記スライダ15が基台5側(図2中下側)に押圧されることで固定され、上記ネジ16を緩めることで上記スライダ15の上記スライダ用ガイド溝5dに沿った移動が許容される。
また、上記スライダ15が上記基台5に設置された際、上記V字型溝15d、上記第1偏芯カム7aのV字型溝7a、及び、上記第2偏芯カム7bのV字型溝7bの高さが揃うように構成されている。
以上が生体穿刺補助装置1aの構成の説明である。
次に、マイクロニードルアレイ装置1bの構成について説明する。
まず、図1乃至図3、図11に示すように、ホルダ17がある。このホルダ17には、略板状の底部17aがあり、この底部17aの幅方向(図11中右下から左上に向かう方向)両端から上方向(図11中上方向)に突出されるとともに長さ方向(図11中左下から右上に向かう方向)に延長されたリテーナ用ガイド部17b、17bが形成されている。また、上記リテーナ用ガイド部17b、17bの間には、リテーナ用移動規制部17cが形成されている。このリテーナ用移動規制部17cは、底部17aの長さ方向(図11中左下から右上に向かう方向)に延長された凸部である。
また、上記ホルダ17の前端(図11中左下側端)にはマイクロニードル位置決め用凸部17d、17dが形成されている。このマイクロニードル位置決め用凸部17dは、上側(図11中上側)に突出・形成された略四角柱状の凸部であり、その上端側(図11中上側)には上記ホルダ17の後端側(図11中右上側)に向けて僅かに突出された凸部17dが形成されている。また、上記底部17aの上記マイクロニードル位置決め用凸部17dと上記リテーナ用ガイド部17bとの間には凹部17eが形成されている。また、上記リテーナ用移動規制部17cには上面(図11中上側の面)に開口された開口部が形成されていて、この開口部には雌ネジ部17fが形成されている。
また、上記マイクロニードルアレイ装置1bにはリテーナ19が設置されている。このリテーナ19は略直方体系形状を成しており、中央にリテーナ19の長さ方向(図11中左下から右上に向かう方向)に延長された貫通孔19aが形成されている。また、上記リテーナ19の前端(図11中左下側端)からは前方(図11中左下方向)に向けてマイクロニードル接続部19b、19bが突出・形成されている。また、上記マイクロニードル接続部19bには、その上下方向(図11中上下方向)両面に開口された貫通孔19cが形成されている。
上記リテーナ19は、上記リテーナ用ガイド部17b、17b間に摺動可能に設置されている。また、図12に示すように、上記リテーナ19の貫通孔19aは上記リテーナ用移動規制部17cによって貫通されている。また、図11に示すように、上記リテーナ19の貫通孔19aの幅(図11中右下から左上に向かう方向の長さ)と上記リテーナ用移動規制部17cの幅(図11中右下から左上に向かう方向の長さ)とは略同じに設定されているとともに、上記リテーナ19の貫通孔19aの長さ(図11中左下から右上に向かう方向の長さ)よりも上記リテーナ用移動規制部17cの長さ(図11中左下から右上に向かう方向の長さ)が短く設定されている。
また、上記リテーナ19の貫通孔19aを貫通し上記リテーナ用移動規制部17cの雌ネジ部17fに螺合されるリテーナ固定ネジ21がある。このリテーナ固定ネジ21の頭部21aの径は上記リテーナ19の貫通孔19aの幅(図11中左上から右下に向かう長さ)よりも大きく設定されているとともに、図12に示すように、上記ホルダ17の上記リテーナ用移動規制部17cの高さ(図12中上下方向の長さ)は、上記リテーナ19の高さ(図12中上下方向の長さ)よりも低く設定されている。そのため、上記リテーナ19は上記リテーナ固定ネジ21の頭部21aと上記ホルダ17との間に挟み込まれて固定できるようになっている。
また、上記リテーナ19のマイクロニードル接続部19c、19cには接続アダプタ23が固着されている。上記接続アダプタ23には、略直方体形状のアダプタ本体23aがある。そして、このアダプタ本体23aから上方(図11中上側)に突出・形成された1つのチューブ接続部23bと、前方側(図11中左下側)に突出・形成された複数(本実施の形態の場合は6つ)のマイクロニードル側凸部23cが設けられている。上記チューブ接続部23bには、図1に示したチューブ4aが接続される。
また、図12に示すように、上記接続アダプタ23内には流路23dが形成されている。この流路23dは、上記チューブ接続部23bの端面(図12中上側の面)と個々の上記マイクロニードル側凸部23cの端面(図12中左側の面)に開口されている。
また、上記アダプタ本体23aには、図11に示すように、上面(図11中上側の面)に開口された雌ネジ部23e、23eが形成されている。そして、上記接続アダプタ23は、上記リテーナ19のマイクロニードル接続部19c、19cの貫通孔19c、19cを貫通し上記接続アダプタ23の雌ネジ部23e、23eに螺合されるネジ25、25によって、上記リテーナ19に固着されている。
また、図11に示すように、上記接続アダプタ23には弾性部材からなる接続ブッシュ27が接続されている。この接続ブッシュ27は略直方体形状を成しており、複数(本実施の形態の場合は6つ)の貫通孔27aが形成されている。これら貫通孔27aのそれぞれに上記接続アダプタ23の対応するマイクロニードル側凸部23cが挿入・係合されることで、上記接続ブッシュ27と上記接続アダプタ23とが接続される。また、上記接続アダプタ23の流路23dと上記接続ブッシュの貫通孔27aとが連通するようになっている。
また、上記接続ブッシュ27にはマイクロニードルアレイ29が接続されている。このマイクロニードルアレイ29はまず略直方体形状の本体29aがあり、この本体29aには後方側(図11中右上側)に突出された複数(本実施の形態の場合は6つ)のアダプタ側凸部29bと、前方側(図11中左下側)に突出された複数(本実施の形態の場合は6つ)のマイクロニードル29cとが形成されている。
また、上記本体29aの個々の上記アダプタ側凸部29bの端面(図11中右上側の端面)には流入口29dが形成されており、個々の上記マイクロニードル29cの先端側(図11中左下側)の上面(図11中上側の面)には流出口29eが形成されている。また、図12に示すように、上記マイクロニードルアレイ29内には、対応する上記流入口29dと流出口29eとを接続する流路29fが形成されている。すなわち、上記マイクロニードルアレイ29内には、複数(本実施の形態の場合は6つ)の上記流路29fが形成されていることになる。
また、上記マイクロニードルアレイ29の個々のアダプタ側凸部29bが上記接続ブッシュ27の対応する貫通孔27a内に挿入・係合されることにより、上記マイクロニードルアレイ29と上記接続ブッシュ27とが接続されている。また、上記接続ブッシュ27の貫通孔27aと上記マイクロニードルアレイ29の対応する流路29fとが連通するようになっている。すなわち、上記接続アダプタ23の流路23dと上記マイクロニードルアレイ29の流路29fとが、直接、若しくは、上記接続ブッシュ27の貫通孔27aを介して間接的に、接続・連通されることとなる。(図12においては、上記接続アダプタ23のマイクロニードル側凸部23cの端面と上記マイクロニードルアレイ29のアダプタ側凸部29bの端面とが当接しており、上記流路23dと上記流路29fとが直接的に接続・連通されている。)
また、図3や図12に示すように、上記マイクロニードルアレイ29は本体29aの前端面(図12中左側の面)の幅方向(図12中紙面垂直方向)両端側を上記ホルダ17のマイクロニードル位置決め用凸部17d、17dに当接させた状態で設置されている。また、このとき、上記マイクロニードルアレイ29の本体29aの上面(図12中上側の面)の幅方向(図12中紙面垂直方向)両端側は、上記マイクロニードル位置決め用凸部17d、17dの凸部17d、17dの下面(図12中下側の面)に当接している。また、上記マイクロニードルアレイ29の本体29aの下面(図12中下側の面)の幅方向(図12中紙面垂直方向)両端側は、上記ホルダ17の凹部17eの幅方向(図12中紙面垂直方向)両外側の縁部(図12中上側の面)に当接している。
そして、上記リテーナ19は、長さ方向(図11中左下から右上に向かう方向)に、ホルダ17のリテーナ用ガイド17bに沿って移動可能となっている。これによって、上記リテーナ19は、上記接続アダプタ23、上記接続ブッシュ27、及び、上記マイクロニードルアレイ29を先端側(図11中左下側)へ押圧するようになっている。
また、上記ホルダ17のリテーナ用移動規制部17cが上記リテーナ19の貫通孔19a内の前後端(図12中右端及び左端)に当接することによって、上記リテーナ19の移動量が制限されるようになっている。これにより、上記リテーナ19による先端側(図11中左下側)への押圧力が制限されることとなる。また、上記リテーナ19、ひいては、マイクロニードルアレイ29の移動は、リテーナ固定ネジ21を緩めることによって許可され、上記リテーナ固定ネジ21を示すことによって規制されることになる。
また、上記リテーナ19を上記接続アダプタ23と接続ブッシュ27を介して、上記マイクロニードルアレイ29をマイクロニードル位置決め用凸部17d、17d側に付勢した状態で固定し、上記マイクロニードルアレイ29、接続ブッシュ27、及び、接続アダプタ23同士を確実に接続している。
また、上記リテーナ固定ネジ21を緩めて、上記リテーナ19を後退(図11右上側に移動)させることで、上記マイクロニードルアレイ29、接続ブッシュ27、又は、接続アダプタ23の交換を行うことができるようになっている。
また、上記マイクロニードルアレイ装置1bは、図1や図2に示すように、基台5のマイクロニードルアレイ装置用ガイド溝5c内に配置されるとともに、上記マイクロニードルアレイ装置用ガイド溝5cに沿って前後方向(図2中右上から左下に向かう方向)両側にガイドされる。
以上が、マイクロニードルアレイ装置1bの構成についての説明である。
以上の構成を基に生体穿刺装置1や生体穿刺補助装置1aの作用について説明する。
上記生体穿刺装置1を用いたマウス3の穿刺対象部位である尾部3aへの穿刺は、次のようにして行われる。
まず、上記マウス3に対して、麻酔等の処理を行う。
また、ネジ16を緩め、スライダ15を所定の待機位置に後退させておく(図1中左下側に移動させておく)。
次に、第1偏芯カム7aを回転摘み部材7aによって回転させ、V字型溝7aの最も深い部分が基台5の固定用凸部5b側(図1中右上側)を向くようにする。また、同様にして、第2偏芯カム7bもV字型溝7bの最も深い部分が基台5の固定用凸部5b側(図1中右上側)を向くようにする。それによって、第1偏芯カム7a及び第2偏芯カム7bと固定用凸部5b、5bとの間隔を最大に設定する。
次に、上記マウス3の尾部3aを、その先端側(図1中右端側)から、上記第1偏芯カム7aと基台5の固定用凸部5bとの間に通すとともに、上記第2偏芯カム7bと上記基台5の固定用凸部5bとの間にも通す。そして、穿刺を行う範囲がマイクロニードルアレイ装置1bの前方(図1中左下側)となるように上記尾部3aの位置を調整する。
次に、回転摘み部材7aによって上記第1偏芯カム7aを上記生体穿刺装置1の上面側から見て時計回り方向に回転させて、図7(a)に示すように、上記尾部3aの基部側(図1中左上側)を上記V字型溝7aと上記基台5の固定用凸部5bとの間に挟み込んで固定する。
次に、上記尾部3aの先端側(図1中右下側)を引っ張った状態とする。このとき、上記尾部3aがその先端側に移動しようとすることによって上記第1偏心カム7aが上記生体穿刺装置1の上面側から見て時計回り方向に回転しようとするが、これにより、上記尾部3aの基部側は上記第1偏心カム7aによって更に押さえつけられることになり、上記尾部3aの基部側の固定が解除されることはない。
そして、上記第1偏芯カム7aと同様に上記第2偏芯カム7bを上記生体穿刺装置1の上面側から見て時計回り方向に回転させて、図7(b)に示すように、上記尾部3aを上記V字型溝7bと上記基台5の固定用凸部5bとの間に上記尾部3aを挟み込むようにして、上記尾部3aの先端側を固定する。このようにして、上記尾部3aを屈曲していない状態で固定する。このときも、第2偏芯カム7bの時計方向への回転により、尾部3aがその先端側に引っ張られることになり、それによって、上記第1偏心カム7aが上記生体穿刺装置1の上面側から見て時計回り方向に回転しようとするが、これにより、上記尾部3aの基部側は上記第1偏心カム7aによって更に押さえつけられることになり、上記尾部3aの基部側の固定が解除されることはない。
また、この後、必要に応じて、上記尾部3aの先端側を更に引っ張って、上記尾部3aの屈曲や変形を抑えた状態とすることも考えられる。この場合も、上記第1偏心カム7aや上記第2偏心カム7bは上記生体穿刺装置1の上面側から見て時計回り方向に回転しようとするが、上記尾部3aは上記第1偏心カム7aや上記第2偏心カム7bによって更に押さえつけられることになり、上記尾部の固定が解除されることはない。
また、上記尾部3aは、上記第1偏芯カム7aによって上記固定用凸部5bに押さえ付けられるとともに、上記第2偏芯カム7bによって上記固定用凸部5bに押さえ付けられているため、図13に示すように、上記尾部3aのマイクロニードルアレイ装置1b側(図13中上側)が一直線上に揃えられている。
次に、ネジ16を緩めた状態にし、図13に示すように、スライダ15を上記尾部3a側に移動させ、図14(a)に示すように、上記押圧部材15dのV字型溝15d内に上記尾部3aが当接した状態とする。このとき、図13に示すように、押圧部材15dは上記尾部3aの上記押圧部材15d側(図13中下側)の形状に沿って揺動される。また、上記尾部3aの押圧部材15d幅方向(図13中左右方向)両側も上記V字型溝15dと上記基台5の固定用凸部5b、5bとの間に挟まれて固定された状態となる。
そして、上記ネジ16を締めて、上記スライダ15を固定する。
このようにして、生体穿刺補助装置1aによる上記尾部3aの固定が行われる。
次に、マイクロニードルアレイ装置1bを上記基台5のマイクロニードルアレイ装置用ガイド溝5cによってガイドさせ、上記尾部3a側(図13中下側)に移動させる。そして、上記マイクロニードルアレイ装置1bの複数(本実施の形態の場合は6つ)のマイクロニードル29cを上記尾部3aに対して穿刺させる。このとき、前述したように、上記尾部3aのマイクロニードルアレイ装置1b側(図13中上側)が一直線上に揃っているため、個々の上記マイクロニードル29cは全て同じ深さで穿刺されることになる。
また、このとき、上記尾部3aの反マイクロニードルアレイ装置1b側(図13中下側)が上記押圧部材15dに当接しているため、上記マイクロニードルアレイ装置1bによる穿刺の際に上記尾部3aが図13中下側に移動してしまうことを防止している。また、前述したように、上記押圧部材15dは上記尾部3aの上記押圧部材15d側(図13中下側)の形状に沿って揺動された状態となっているため、上記尾部3aのマイクロニードルアレイ装置1b側(図13中上側)の一直線上に揃った形状を維持している。
また、図14(b)に示すように、上記マイクロニードル29cの上面側(図14(b)中上側)に流出口29eが開口されており、上記生体穿刺装置1には上記流出口29eの上面側(図14中上側)を覆い隠すような部材は一切設けられていない。そのため、必要に応じて上記マイクロニードル29cによって穿刺される部位を観察しながら穿刺を行うことも考えられる。
そして、上記マイクロニードル29cによって上記尾部3aに対する穿刺を行った後、薬液供給装置4bから接続アダプタ23のチューブ接続部23bに接続されたチューブ4aを介して、上記マイクロニードルアレイ装置1bのマイクロニードルアレイ29の流路29f内に薬液が供給され、上記流出口29eから上記尾部3a内に上記薬液の注射が行われる。
また、上記尾部3aを生体穿刺補助装置1aから開放する場合は、第1偏芯カム7aや第2偏芯カム7bを回転させ、第1偏芯カム7a及び第2偏芯カム7bと固定用凸部5b、5bとの間隔を再び広げることで、上記尾部3aの固定を解除する。
次に、本実施の形態による生体穿刺装置1及び生体穿刺補助装置1aの効果について説明する。
まず、マウス3の穿刺対象部位である尾部3aを、固定用部材としての第1偏芯カム7aと固定用凸部5bや第2偏芯カム7bと固定用凸部5bとの間に挟み込んで固定しているため、上記尾部3aに対するマイクロニードルアレイ装置1bによる穿刺を安定して行うことができる。
また、固定用部材として、上記第1偏芯カム7aや上記第2偏芯カム7bを用いているため、上記第1偏芯カム7aや上記第2偏芯カム7bを回転させることにより、上記第1偏芯カム7aの表面と上記固定用凸部5bとの間の距離や上記第2偏芯カム7bの表面と上記固定用凸部5bとの間の距離を変化させて、容易に上記尾部3aの固定を行うことができる。
また、上記第1偏芯カム7aの表面と上記固定用凸部5bとの間の距離と上記第2偏芯カム7bの表面と上記固定用凸部5bとの間の距離は、個別に設定することが出来るため、基部から先端に向かってその径が変化していく上記尾部3aを確実に固定することができる。また、これによって、上記尾部3aのマイクロニードルアレイ装置1b側の面を一直線に揃え、マイクロニードルアレイ29の個々のマイクロニードル29cによる穿刺深さをそろえることができる。
また、上記偏芯カム本体7a、7bの上記V字型溝7a、bの中心位置は回転軸部材7a、7bに対して偏芯量xだけ偏芯した位置に設定されており、この偏芯量xは上記偏芯カム本体7a、7bによって固定することができる上記尾部3aの最小半径rと最大半径Rから求められるものである。そのため、上記偏芯カム本体7a、7bによって、最小半径rから最大半径Rまでの上記尾部3aを固定することができる。
また、上記尾部3aを固定する際、上記第1偏芯カム7aによって上記尾部3aの基部側(径の大きい側)を固定し、上記第2偏芯カム7bによって上記尾部3aの基部側(径の小さい側)を固定するとともに、上記第1偏芯カム7aや第2偏芯カム7bを上記生体穿刺補助装置1aの上面側から見て時計回り方向に回転させて上記尾部3aの固定を行う。そのため、上記尾部3aを固定する過程において、上記尾部3aを真っ直ぐにするために上記尾部3aをその先端側に引っ張ったとしても、上記第1偏芯カム7aや上記第2偏芯カム7bは上記尾部3aを固定する方向に回転されるため、上記尾部3aの固定が不要に解除されてしまうことを防止できる。また、このことによって、上記尾部3aを屈曲や変形がない真っ直ぐな状態で、容易に固定することができる。
また、上記第1偏芯カム7aにはV字型溝7aが形成されているとともに、上記第2偏芯カム7bにはV字型溝7bが形成されており、上記V字型溝7aやV字型溝7b内に上記尾部3aが固定されるため、確実に上記尾部3aを固定することができる。
また、上記生体穿刺補助装置1aには、揺動可能な押圧部材15dを備えたスライダ15が設けられている。そのため、上記マイクロニードルアレイ装置1bによって穿刺を行う際、上記尾部3aが反マイクロニードルアレイ装置1b側に付勢されても、上記押圧部材15dによって上記尾部3aの移動を防ぐことができ、これによって安定した穿刺を行うことができる。また、上記押圧部材15dは揺動可能であり、上記尾部3aの形状に合わせて揺動した状態となるため、図13に示すように、上記尾部3aのマイクロニードルアレイ装置1b側(図13中上側)を一直線に揃えた状態で上記尾部3aの移動を防ぐことができる。これによっても、上記マイクロニードルアレイ29の個々のマイクロニードル29cによる穿刺深さをそろえることができる。
また、上記マイクロニードルアレイ装置1bは、上記生体穿刺補助装置1aの基台5に設けられたマイクロニードルアレイ装置用ガイド溝5cに沿ってガイドされるため、上記マイクロニードルアレイ装置1bによる安定した穿刺を確実に行うことができる。
また、図14(b)に示すように、上記マイクロニードル29cの上面側(図14(b)中上側)に流出口29eが開口されており、上記生体穿刺装置1には上記流出口29eの上面側(図14中上側)を覆い隠すような部材は一切設けられていないため、必要に応じて上記マイクロニードル29cによって穿刺される部位を観察しながら穿刺を行うこともできる。
また、上記第1偏芯カム7aや第2偏芯カム7bは、コイルバネ13によって上記基台5の本体5a側に常時付勢されているため、回転操作されやすいものとなっている。
また、例えば、図6に示すように、上記回転摘み部材7a、7bの中心軸と回転軸部材7a、7bの中心軸とは、図6中左右方向の位置及び図6中紙面垂直方向の位置が一致するようになっているため、上記回転摘み部材7a、7bによる上記回転軸部材7a、7bを中心とした回転操作が行い易くなっている。
なお、本発明は前述した一実施の形態に限定されない。
第1偏芯カム7aや第2偏芯カム7bの全周にわたってV字型溝を形成したが、一部、例えば、半周だけでもよい。このような場合は、上記第1偏芯カム7aや第2偏芯カム7bの回転方向を間違って操作してしまうことを防止できるものの、生体穿刺補助装置1aに対するマウス3の設置位置が制限されてしまうことになる。
また、固定部材(偏芯カム)の数は、複数であれば様々な場合が考えられる。
また、生体穿刺装置1や上記生体穿刺補助装置1aは、マウス3以外の他の種類の生体に用いられる場合も考えられる。また、穿刺対象部位も尾部3a以外に様々な場合が考えられる。
また、上記生体穿刺補助装置1aによって生体を固定して、他の穿刺装置、例えば、シリンジに注射針が接続された注射器を用いて穿刺・注射を行ってもよい。
また、マウス3の尾部3a以外の部位を固定する他の装置とともに用いることも考えられる。
また、各部材の形状、寸法、材質等は、前述の一実施の形態の場合に限られない。
本発明は、生体に対して穿刺を行う際に上記生体の穿刺対象部位を固定することができる生体穿刺補助装置と生体穿刺装置に係り、特に、上記穿刺対象部位を確実に固定し、容易に安定した穿刺を行うことができるように工夫したものに係り、特に、マウスの尾部の穿刺補助装置や穿刺装置に好適である。
1 生体穿刺装置
1a 生体穿刺補助装置
1b マイクロニードルアレイ装置
3 マウス(生体)
3a 尾部(穿刺対象部位)
5 基台
5c マイクロニードルアレイ装置用ガイド溝
7a 第1偏芯カム(固定用部材)
7a V字型溝
7b 第2偏芯カム(固定用部材)
7b V字型溝
15d 押圧部材
15d V字型溝
29c マイクロニードル
29e 流出口

Claims (8)

  1. 基台と、
    上記基台に設けられ基台との間に生体の穿刺対象部位を挟み込んで固定する複数の固定用部材と、
    を具備したことを特徴とする生体穿刺補助装置。
  2. 請求項1記載の生体穿刺補助装置において、
    上記固定用部材は上記基台に対して回転可能に設置され回転することにより上記基台との間の間隔を変化させる偏芯カムであり、
    上記偏芯カムを適宜の方向に回転させることにより上記穿刺対象部位の固定/解放を行うことを特徴とする生体穿刺用補助装置。
  3. 請求項2記載の生体穿刺補助装置において、
    上記基台には上記穿刺対象部位を押圧する押圧部材が設けられており、
    この押圧部材は上記穿刺対象部位を押圧する方向に移動可能であって、穿刺対象部位の太さに応じて揺動可能に設けられていることを特徴とする生体穿刺用補助装置。
  4. 請求項3記載の生体穿刺補助装置において、
    上記偏芯カムにはV字型溝が形成されており、
    上記穿刺対象部位はこのV字型溝と上記基台との間に挟み込まれて固定されることを特徴とする生体穿刺補助装置。
  5. 請求項4記載の生体穿刺補助装置において、
    上記押圧部材にはV字型溝が形成されていることを特徴とする生体穿刺補助装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載された生体穿刺補助装置と、
    上記生体穿刺補助装置に対して穿刺方向に沿って移動可能に設置されたマイクロニードルアレイと、を具備したことを特徴とする生体穿刺装置。
  7. 請求項6に記載された生体穿刺装置において、
    上記生体穿刺補助装置の基台には上記マイクロニードルアレイをガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする生体穿刺装置。
  8. 請求項7記載の生体穿刺装置において、
    上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルの流出口が上記生体穿刺補助装置によって遮蔽されていないことを特徴とする生体穿刺装置。
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