(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図39にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、単に「遊技機」と示す)10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。
前枠13の正面視における中央部には、窓口13aが形成されているとともに、この窓口13aの下方には、遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)14が一体に形成されている。また、前枠13の裏側には、機内部に配置された遊技盤15を保護し、且つ窓口13aを覆う大きさの保護ガラスが組み付けられている。なお、遊技盤15は、中枠12に装着されている。前枠13の前面側には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯や点滅)により、遊技演出としての発光演出を実行する演出実行手段(発光演出実行手段)としての装飾ランプ16が設けられている。また、外枠11の上部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出としての音声演出を実行する演出実行手段(音声演出実行手段)としてのスピーカ17が設けられている。
また、中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿14から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤15に発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される発射装置19が装着されている。遊技機10では、遊技者が発射装置19の発射ハンドル19aを把持して回動操作すると、上皿14に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤15に向けて発射される。
次に、遊技盤15の構成を図2にしたがって詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤15の前面には、発射ハンドル19aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域15aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤15には、該遊技盤15の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路15bが形成されるとともに、誘導レール20の内側にほぼ円形の遊技領域15aが形成される。また、遊技盤15の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域15a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域15cとされている。
なお、誘導路15bの最下流には、誘導路15bから遊技領域15aに発射された遊技球が誘導路15bに逆戻りすることを防止する逆戻り防止弁20aが設けられている。逆戻り防止弁20aは、誘導路15bの最下流に位置する誘導レール20の先端に固定されている。
遊技機10の遊技盤15のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段、演出表示手段、及びゲーム表示手段としての演出表示装置21が配設されている。演出表示装置21には、複数の図柄列(本実施形態では3列)の図柄を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の遊技演出としての表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置21の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。演出表示装置21の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。なお以下の説明では、飾り図柄を単に「飾図」と示すものとする。
また、演出表示装置21の右下には、8セグメント型の第1特別図柄表示装置22と第2特別図柄表示装置23とが配設されている。第1特別図柄表示装置22又は第2特別図柄表示装置23では、特別図柄(以下「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、特別当りとしての大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)、及び小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下の説明では、第1特別図柄表示装置22の図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第1特別図柄表示装置22の図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
第1特別図柄表示装置22と第2特別図柄表示装置23には、複数種類の特図の中から、当り抽選(大当り抽選や小当り抽選)の結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る大当り表示結果としての大当り図柄と、小当りを認識し得る小当り表示結果としての小当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与されるとともに、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。したがって、本実施形態の特図変動ゲームは、当り抽選結果(大当り抽選結果及び小当り抽選結果)を導出する結果導出演出として把握できる。
本実施形態の遊技機10において、特図変動ゲームの開始時は、遊技機10の内部的な処理の上では特図変動ゲームを開始させるときに実行される特別図柄開始処理の開始時(実行時)となり、遊技者から見た場合には特図(及び飾図)の変動開始時となる。特別図柄開始処理については、後に詳しく説明する。なお、厳密に言えば、遊技機10において内部的に実行される特別図柄開始処理の開始時と、遊技者が視認する特図(及び飾図)の変動開始時との間にはごく僅かな時間差がある。本明細書における「同時」及び「同一時間」には、このような時間差を含め、遊技者が「同時」及び「同一時間」と認識し得る範囲の時間差が存在する場合をも含むことを意図している。
また、本実施形態の遊技機10において、特図変動ゲームの終了時は、遊技機10の内部的な処理の上では上記特別図柄開始処理において決定された特図変動ゲームの変動時間の経過時となり、遊技者から見た場合には特図(及び飾図)の確定停止表示時となる。本実施形態の特図変動ゲームは、特図の変動開始(特別図柄開始処理の開始)から確定停止表示(変動時間の経過)までを1回として実行される。
また、演出表示装置21には、図柄列毎に複数種類の飾図が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置21、第1特別図柄表示装置22、及び第2特別図柄表示装置23において、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態である。
演出表示装置21は、第1特別図柄表示装置22及び第2特別図柄表示装置23に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、専ら演出表示装置21に確定停止表示された飾図から大当り、小当り、又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置21には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置21にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ(例えば[222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームで小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置21にも小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される。特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置21にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお本実施形態において、飾図による小当り図柄及びはずれ図柄は、何れも全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば[135]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば[767]など)とされている。このように、本実施形態の遊技機10では、飾図の図柄組み合わせのうち、大当り図柄を除く飾図の図柄組み合わせ(以下「非大当り図柄」と示す)をはずれ図柄、及び小当り図柄として設定している。このため、本実施形態の遊技機10では、飾図の図柄変動ゲームにおいて導出される図柄組み合わせから、小当り及びはずれの何れであるのかを認識し難くなっている。
また、演出表示装置21では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。なお、一旦停止表示とは、図柄がゆれ変動状態で表示されている状態であり、確定停止表示とは、図柄が確定停止されている状態である。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
本実施形態の演出表示装置21では、飾図の図柄変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、上記表示演出(遊技演出)の1つとしてリーチ演出が行われる。本実施形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ演出や、ノーマルリーチ演出において中列の図柄を導出した後、又は中列の変動中にその演出内容を発展させて行うスーパーリーチ演出が用意されている。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。また、本実施形態の遊技機10では、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。
第1特別図柄表示装置22の上方には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置22aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置22aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下の説明では、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤15に配設した第1始動入賞口24に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口24へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の記憶上限数(本実施形態では4)まで累積される。第1保留記憶数は、実行が保留されている第1特図変動ゲームの回数を示す。本実施形態では、第1保留記憶数が保留数、及び第1保留数となる。
第2特別図柄表示装置23の上方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置23aが配設されている。第2特別図柄保留表示装置23aは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤15に配設した第2始動入賞口25に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口25へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の記憶上限数(本実施形態では4)まで累積される。第2保留記憶数は、実行が保留されている第2特図変動ゲームの回数を示す。本実施形態では、第2保留記憶数が保留数、及び第2保留数となる。
また、本実施形態の遊技機10では、演出表示装置21においても上述した第1保留記憶数、及び第2保留記憶数が報知される。演出表示装置21の画像表示部GHには、機内部に記憶された特図1用の始動保留球(保留中の第1特図変動ゲーム)に各別に対応させて、保留表示情報としての保留画像Gを表示するための第1保留表示領域21a〜21dが設定されている。同様に、演出表示装置21の画像表示部GHには、機内部に記憶された特図2用の始動保留球(保留中の第2特図変動ゲーム)に各別に対応させて、保留画像Gを表示するための第2保留表示領域21p〜21sが設定されている。
第1保留表示領域21aに表示される保留画像Gは、機内部に記憶されている特図1用の始動保留球のうち、最も早く記憶された特図1用の始動保留球(第1保留記憶数=1)に対応し、第1保留表示領域21bに表示される保留画像Gは、2番目に早く記憶された特図1用の始動保留球(第1保留記憶数=2)に対応する。また、第1保留表示領域21cに表示される保留画像Gは、機内部に記憶されている特図1用の始動保留球のうち、3番目に早く記憶された特図1用の始動保留球(第1保留記憶数=3)に対応し、第1保留表示領域21dに表示される保留画像Gは、4番目に早く(最も遅く)記憶された特図1用の始動保留球(第1保留記憶数=4)に対応する。
また、第2保留表示領域21pに表示される保留画像Gは、機内部に記憶されている特図2用の始動保留球のうち、最も早く記憶された特図2用の始動保留球(第2保留記憶数=1)に対応し、第2保留表示領域21qに表示される保留画像Gは、2番目に早く記憶された特図2用の始動保留球(第2保留記憶数=2)に対応する。また、第2保留表示領域21rに表示される保留画像Gは、機内部に記憶されている特図2用の始動保留球のうち、3番目に早く記憶された特図2用の始動保留球(第2保留記憶数=3)に対応し、第2保留表示領域21sに表示される保留画像Gは、4番目に早く(最も遅く)記憶された特図2用の始動保留球(第2保留記憶数=4)に対応する。したがって、本実施形態の遊技機10では、演出表示装置21が保留表示手段としても機能する。
また、第1特別図柄表示装置22及び第2特別図柄表示装置23の下方には、普通図柄表示装置26が配設されている。普通図柄表示装置26では、複数種類の普通図柄(以下「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、後述する第2始動入賞口25の開閉羽根27を開状態とすることにより、第2始動入賞口25への入球率が向上される普図当り遊技(普通当り遊技)を付与する普図当り(普通当り)か否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
普通図柄表示装置26の右方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置26aが配設されている。普通図柄保留表示装置26aは、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤15に配設した後述の各作動ゲート28a,28bに遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中に各作動ゲート28a,28bを遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行が保留されている普図ゲームの回数を示す。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置21の下方には、遊技球の入球口としての第1入賞口24aを有する第1始動口としての第1始動入賞口24が配設されている。第1始動入賞口24の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。第1始動入賞口24は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(例えば3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態の遊技機10では、第1始動口スイッチSW1が第1始動入賞口24に入球した遊技球を検知する入球検知手段、第1入球検知手段、特別入球検知手段、及び始動検知手段として機能する。
また、第1始動入賞口24の下方には、当該第1始動入賞口24とは別に、遊技球の入球口としての第2入賞口25aを有する第2始動口としての第2始動入賞口25が配設されている。第2始動入賞口25は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図9に示す)の作動により開閉動作を行う開閉装置(開閉手段)としての開閉羽根27を備えている。開閉羽根27は、第2始動入賞口25へ遊技球が入球容易な開状態、及び第2始動入賞口25へ遊技球が入球困難(又は入球不能)な閉状態に動作可能である。本実施形態の遊技機10において、第2始動入賞口25は、普図当り遊技中に開閉羽根27の開動作によって開放されることで遊技球の入球率が向上される。
第2始動入賞口25の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図9に示す)が配設されている。第2始動入賞口25は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(例えば第1始動入賞口24と同数である3個や、第1始動入賞口24より少ない1個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態の遊技機10では、第2始動口スイッチSW2が第2始動入賞口25に入球した遊技球を検知する入球検知手段、第2入球検知手段、特別入球検知手段、及び始動検知手段として機能する。
また、演出表示装置21の左方には、第1作動ゲート28aが配設されている。第1作動ゲート28aの奥方には、通過(入球)した遊技球を検知する普通入球検知手段としての第1ゲートスイッチSW4(図9に示す)が配設されている。第1作動ゲート28aは、通過した遊技球を第1ゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。また、演出表示装置21の右方には、第2作動ゲート28bが配設されている。第2作動ゲート28bの奥方には、通過(入球)した遊技球を検知する普通入球検知手段としての第2ゲートスイッチSW5(図9に示す)が配設されている。第2作動ゲート28bは、通過した遊技球を第2ゲートスイッチSW5で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。本実施形態の各作動ゲート28a,28bは、各始動入賞口24,25とは別の普通始動口となる。
また、第2始動入賞口25の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図9に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29aを備えた特別入賞口としての大入賞口29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図9に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口29は、大当り遊技中、及び小当り遊技中に大入賞口扉29aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、及び小当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。これら大当り遊技、及び小当り遊技については後述する。
また、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として確率変動状態(以下「確変状態」と示す)が付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率(大当り確率、当り確率)が低確率から高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利である。本実施形態では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りとなる。なお、以下の説明では、確変状態が付与されていない状態を「非確変状態」と示し、確変状態が終了することを「確変状態から非確変状態へ移行(転落)する」と示す場合がある。
また、本実施形態の遊技機10では、確変状態から非確変状態へ移行(転落)させるか否かを確変転落抽選によって決定するとともに、前述した確変状態は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されてから、確変転落抽選に当選する迄の間、又は確変転落抽選に当選する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、この本実施形態の遊技機10において、確変転落抽選に当選する転落確率は、確変状態における大当り確率よりも低確率に設定されている。また、確変転落抽選を行う場合であっても、確変状態中に大当り抽選に当選したときには、大当り遊技の開始に伴って非確変状態へ移行する。
また、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として変動短縮状態(以下「変短状態」と示す)が付与される。変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態、以下「非変短状態」と示す)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の当選確率(普通当り確率)が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根27の開放時間が、非変短状態中と比較して長くなる。
このように、変短状態は、開閉羽根27が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口25への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根27の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。なお、本実施形態の遊技機10において、変短状態では、変短状態が付与されていないときと比べて、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が短い変動時間で実行され易くなる。本実施形態の遊技機10では、普図当り抽選の当選確率、普図ゲームの変動時間、普図当り抽選における1回の当選に基づく開閉羽根27の開放時間により、開閉羽根27の動作態様が構成される。また、本実施形態の遊技機10では、非変短状態における開閉羽根27の動作態様が通常動作態様となり、変短状態における開閉羽根27の動作態様が特別動作態様となる。以下の説明では、変短状態が終了されることを「非変短状態へ移行(転落)される」と示す場合がある。
そして、本実施形態において変短状態は、変短状態を終了させる条件として予め定めた複数種類の変短終了条件のうち何れかの変短終了条件が成立する迄の間、付与される。ここで、本実施形態の遊技機10における変短終了条件について詳しく説明する。
本実施形態の遊技機10では、変短終了条件として「回数切終了条件」、「分岐回数終了条件」、「抽選終了条件」、及び「大当り終了条件」の4つが設定されている。
「回数切終了条件」は、大当り遊技が終了してから、予め定めた変短上限回数(本実施形態では、50回又は100回)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が実行されることで成立する変短終了条件である。この回数切終了条件が成立する場合、変短状態は、上記変短上限回数目の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了した時点で終了する。
また、「分岐回数終了条件」は、大当り遊技が終了してから、予め定めた分岐回数(本実施形態では、100回)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が実行される迄の間に、確変転落抽選に当選(非確変状態へ転落)していることで成立する変短終了条件である。この分岐回数終了条件が成立する場合、変短状態は、上記分岐回数目の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了した時点で終了する。本実施形態では、この分岐回数終了条件が特定条件となる。
本実施形態の遊技機10では、大当り遊技が終了してから分岐回数の特図変動ゲームが実行される迄の間に確変転落抽選に当選しない場合、分岐回数終了条件が不成立となる。この場合、変短状態は、分岐回数の特図変動ゲームの終了を契機として終了されることなく継続され、分岐回数を超えて付与される。
「抽選終了条件」は、分岐回数終了条件が不成立であることに伴って分岐回数を超えて変短状態が付与される場合において、確変転落抽選に当選することで成立する変短終了条件である。この抽選終了条件が成立する場合、変短状態は、確変転落抽選に当選したときに確変状態とともに終了する。
また、「大当り終了条件」は、変短状態において大当り抽選に当選し、大当り遊技が付与されることで成立する変短終了条件である。この大当り終了条件が成立する場合、大当り遊技(オープニング演出)が開始されるときに変短状態が終了することになる。
なお、本実施形態の遊技機10における遊技状態には、非変短状態で且つ非確変状態である「変短なし非確変状態(通常状態)」、非変短状態で且つ確変状態である「変短なし確変状態」、変短状態で且つ非確変状態である「変短あり非確変状態」、及び変短状態で且つ確変状態である「変短あり確変状態」がある。
次に、本実施形態の遊技機10に規定する大当り、及び小当りについて、図3に基づき説明する。
図3は、本実施形態の遊技機10における大当り及び小当りと、その当りによって付与される遊技特典(当り遊技の仕様及び変短状態の付与条件)を示す。
本実施形態の遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態では、特図1として1種類のはずれ図柄と、100種類の大当り図柄と、1種類の小当り図柄が設定されているとともに、特図2として1種類のはずれ図柄と、100種類の大当り図柄と、1種類の小当り図柄が設定されている。そして、これらの大当り図柄は、特図毎に分類される。
特図Aには、特図1の大当り図柄として10図柄が、特図Bには、特図1の大当り図柄として15図柄が、特図Cには、特図1の大当り図柄として75図柄が振分けられている。そして、特図変動ゲームを開始させるための特別図柄開始処理において、特図1の大当り抽選に当選した場合に決定される特図1の大当り図柄の割合は、特図Aが「10%」、特図Bが「15%」、特図Cが「75%」に設定されている。この割合は、特図振分乱数の振分け態様によって設定される。また、特図Dには、特図1の小当り図柄として1図柄が振り分けられている。
特図aには、特図2の大当り図柄として50図柄が、特図bには、特図2の大当り図柄として35図柄が、特図cには、特図2の大当り図柄として15図柄が振分けられている。そして、前記特別図柄開始処理において、特図2の大当り抽選に当選した場合に決定される特図2の大当り図柄の割合は、特図aが「50%」、特図bが「35%」、特図cが「15%」に設定されている。この割合は、特図振分乱数の振分け態様によって設定される。また、特図dには、特図1の小当り図柄として1図柄が振り分けられている。
以下、各特図A〜C,a〜cの大当りに基づき付与される遊技特典(大当り遊技、確変状態、及び変短状態)について図3にしたがって説明する。
特図A〜C,a〜cの大当りは、遊技特典として大当り遊技を付与する。本実施形態の遊技機10では、大当り遊技が付与されている状態が大当り状態となり、大当り遊技が付与されていない状態が非大当り状態となる。大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口扉29aが開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口29の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口29は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球する第1終了条件、及び規定時間(ラウンド遊技時間)が経過する第2終了条件の何れかが成立する迄の間、開放される。本実施形態の遊技機10では、前記規定個数として10個、規定時間として25秒が設定されている。
なお、ラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。なお、本実施形態の大当り遊技において、オープニング演出、及びエンディング演出の演出時間は、何れも10秒に設定されているとともに、ラウンド遊技間のインターバル時間は2秒に設定されている。
また、特図A〜C,a〜cの大当りは、前記遊技特典として大当り遊技の終了後に確変状態を付与する。したがって、特図A〜C,a〜cに基づく大当りでは、確変状態が大当り遊技の終了後、確変転落抽選に当選する迄の間、又は確変転落抽選に当選する迄の間に大当りが生起される迄の間、継続する。
また、特図A,aの大当りは、大当り遊技の終了後に、変短終了条件として回数切終了条件、及び大当り終了条件の何れかの成立を設定し、且つ変短上限回数として「100回」を設定して変短状態を付与する。したがって、特図A,aに基づく大当りでは、大当り遊技の終了後、100回の特図変動ゲームが終了する迄の間、又は100回の特図変動ゲームが終了する迄の間に大当りが生起される迄の間、変短状態が継続される。
また、特図B,bの大当りは、大当り遊技の終了後に、変短終了条件として、分岐回数終了条件、抽選終了条件、及び大当り終了条件の何れかの成立を設定し、且つ分岐回数として「100回」を設定した変短状態を付与する。したがって、特図B,bに基づく大当りでは、大当り遊技の終了後、少なくとも100回の特図変動ゲームが終了する迄の間、又は100回の特図変動ゲームが終了する迄の間に大当りが生起される迄の間、変短状態が継続される。本実施形態の遊技機10では、上述した変短上限回数、及び分岐回数が非移行回数となる。また、大当りB,bに基づく大当りでは、100回の特図変動ゲームが終了する迄の間に確変転落抽選に当選していないこと(分岐回数終了条件の不成立)を条件として、変短状態が100回の特図変動ゲームを超えて継続される。この場合、変短状態は、確変転落抽選に当選する迄の間(図3では「+α」で示す)、又は確変転落抽選に当選する迄の間に大当りが生起される迄の間、継続する。
また、特図C,cの大当りは、大当り遊技の終了後に、変短終了条件として回数切終了条件、及び大当り終了条件の何れかの成立を設定し、且つ変短上限回数として「50回」を設定した変短状態を付与する。したがって、特図C,cに基づく大当りでは、大当り遊技の終了後、50回の特図変動ゲームの実行が終了する迄の間、又は50回の特図変動ゲームの実行が終了する迄の間に大当りが生起される迄の間、変短状態が継続される。
このように、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技が付与された場合には、大当りの種類に関係なく確変状態が付与されるとともに、変短状態が付与される。以下の説明では、特図A,aに基づく大当りを「変短100回大当り」と示し、特図B,bに基づく大当りを「特殊変短大当り」と示し、特図C,cに基づく大当りを「変短50回大当り」と示す場合がある。
本実施形態の遊技機10では、大当り遊技、確変状態、及び変短状態から大当りに伴って遊技者に付与される特典が構成される。そして、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後に付与される変短状態の期間の長短(特図変動ゲームの回数)という観点から、変短50回大当り<変短100回大当り<特殊変短大当りの順に利益の大きな特典が付与される大当りとなる。
以下の説明では、大当り遊技が終了してから分岐回数(100回)の特図変動ゲームが終了する迄の期間、及び大当り遊技が終了してから変短上限回数(50回又は100回)の特図変動ゲームが終了する迄の期間を第1変短期間T1と示す。また、本実施形態では、分岐回数終了条件が成立しない場合において、分岐回数の特図変動ゲームの実行が終了する迄の期間が経過してから、抽選終了条件が成立する迄の期間を第2変短期間T2と示す。本実施形態では、第1変短期間T1が第1期間となり、第2変短期間T2が第2期間となる。
次に、図柄D,dの小当りについて説明する。
小当りは、遊技特典として小当り遊技を付与する。小当り遊技は、特図変動ゲームにて小当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。本実施形態の小当り遊技では、オープニング演出の演出時間として0秒が設定されており、実質的にオープニング演出が行われない。また小当り遊技では、大入賞口29の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるとともに、1回の開閉動作において大入賞口29は、規定個数(入球上限個数、本実施形態では15個)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(本実施形態では1.7秒)が経過するまでの間、開放される。また、小当り遊技では、エンディング演出の演出時間として1.5秒が設定されている。
また、小当りは、小当り遊技の前後を通して小当り抽選の当選時における遊技状態を維持するようになっている。即ち、小当りでは、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されている場合、小当り遊技の終了後にも確変状態を付与する一方で、小当り抽選の当選時に非確変状態が付与されている場合、小当り遊技の終了後にも非確変状態を付与する。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されている場合、小当り遊技の終了後にも変短状態を付与する一方で、小当り抽選の当選時に非変短状態が付与されている場合、小当り遊技の終了後にも非変短状態を付与する。このように、本実施形態の小当りは、小当り遊技の前後を通して遊技状態を移行させず、小当り抽選の当選時における遊技状態を維持する当りとなる。
したがって、本実施形態の小当りは、当選時における遊技状態に関係なく当り遊技の終了後に確変状態及び変短状態を付与するか否かという観点や、大入賞口29の合計開放時間の長短(獲得し得る賞球数の多寡)という観点からは、大当りA〜Cよりも利益が小さい。しかしながら、本実施形態の小当りは、大入賞口29が開放されない「はずれ」と比較した場合、賞球を獲得し得るという観点から、遊技者にとって利益が大きいと言える。
また、本実施形態の遊技機10では、特図変動ゲームに伴わせて各種の遊技演出を実行可能に構成されている。以下、本実施形態の遊技機10に用意された遊技演出について図4〜図8にしたがって説明する。
図4に示すように、本実施形態の遊技機10では、遊技機10の遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであるかを遊技者に示唆するモード演出を実行可能に構成されている。このモード演出は、所定条件の成立を契機として演出モードを移行させる態様により実行され、滞在している演出モードの種類に応じて遊技機10の遊技状態が確変状態である可能性の高低を示す確変期待度を遊技者に報知する。
本実施形態の遊技機10では、モード演出に用いられる演出モードとして、複数種類の演出モードが用意されている。詳しく説明すると、非変短状態における演出モードには、第1非変短モードM1、及び第2非変短モードM2があるとともに、変短状態における演出モードには、第1変短モードM3、及び第2変短モードM4がある。
本実施形態の各演出モードM1〜M4では、それぞれ異なる背景画像が演出表示装置21に表示される。このため、本実施形態の遊技機10において、遊技者は、演出表示装置21に表示される背景画像から、現在滞在している演出モードの種類を認識できる。なお、各演出モードM1〜M4の背景画像は、演出表示装置21における図柄変動ゲームに用いられる飾図とは別に、各列の飾図の背面側に重ね合わせて表示される画像である。
第1非変短モードM1は、変短なし非確変状態(通常状態)である場合に滞在する演出モードである。本実施形態において第1非変短モードM1は、他の演出モードと比較して最も確変期待度が低い演出モードである。
第1変短モードM3は、変短あり確変状態である場合に滞在する演出モードである。第1変短モードM3へは、遊技機10の遊技状態(滞在中の演出モードの種類)に関係なく大当りA〜Cに当選したことにより移行する。本実施形態の第1変短モードM3は、確変状態である場合にのみ滞在可能であることから、遊技機10の遊技状態が確変状態であることを確定的に認識できる確変確定の演出モードとなる。
また、第2変短モードM4は、変短あり非確変状態、及び変短あり確変状態の何れかである場合に滞在する演出モードである。第2変短モードM4へは、変短あり確変状態(第1変短モードM3滞在中)において、確変転落抽選に当選したことにより、移行する。また、第2変短モードM4へは、変短あり確変状態(第1変短モードM3の滞在中)において、後述するモード移行抽選に当選したことによっても移行する。
また、第2非変短モードM2は、変短なし非確変状態、及び変短なし確変状態の何れかである場合に滞在する演出モードである。第2非変短モードM2には、変短あり確変状態、及び変短あり非確変状態の何れかにおいて、変短終了条件の成立に伴って変短状態が終了したことにより、移行する。
また、第1非変短モードM1へは、変短なし確変状態(第2非変短モードM2滞在中)において、確変転落抽選に当選したことにより移行する。また、第1非変短モードM1へは、変短なし非確変状態(第2非変短モードM2滞在中)において、後述するモード移行抽選に当選したことによっても移行する。なお、小当りの場合には、小当り抽選の当選時に滞在している演出モードから他の演出モードへ移行されることなく、継続して滞在する。
また、本実施形態の遊技機10は、1回の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の実行中に、大当り確率が高確率から低確率へ移行される可能性があることを報知する非特定遊技演出としての予告演出を実行可能に構成されている。本実施形態の予告演出は、大当り抽選に当選している可能性を示す大当り期待度、及び確変継続期待度のうち少なくとも一方(本実施形態では両方)を報知する遊技演出でもある。また、本実施形態の予告演出は、大当り確率が高確率から低確率へ移行される可能性があること、及び小当り遊技が付与される可能性があることの少なくとも一方(本実施形態では両方)を報知する遊技演出でもある。
本実施形態の予告演出は、特図変動ゲームの開始に伴って、演出表示装置21における画像表示部GH(画像表示領域)の全部または一部を恰も覆うように、所定のキャラクタを模した画像を所定時間(例えば2秒)にわたって表示する態様で実行される。以下の説明では、予告演出を「カットイン予告」と示す。本実施形態のカットイン予告は、「黄色の星」を模した画像、又は「赤色の星」を模した画像を演出表示装置21に表示して実行される。
また、本実施形態の遊技機10は、確変状態から非確変状態へ移行(転落)せずに維持される可能性の高低を示す高確率継続期待度としての確変継続期待度(非転落期待度)を遊技者に報知するための第1シナリオ演出を実行可能に構成されている。本実施形態の第1シナリオ演出は、大当り期待度及び確変継続期待度のうち少なくとも一方(本実施形態では両方)を報知する報知演出となる。また、本実施形態の第1シナリオ演出は、確変転落抽選に当選することにより遊技状態が確変状態から非確変状態へ転落(移行)されることを示唆する転落示唆演出でもある。
本実施形態の第1シナリオ演出は、特図変動ゲームに伴わせて演出表示装置21に表示される表示演出の1つであり、1回の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)中に実行が開始され、且つその1回の特図変動ゲームが終了する迄の間に終了し、複数回の特図変動ゲームを跨いで実行されることがない。以下、第1シナリオ演出について、図5にしたがって説明する。
図5(a)に示すように、第1シナリオ演出では、演出表示装置21において飾図の変動表示が開始されると、図5(b)に示すように、第1シナリオ演出が開始されることを報知する開始報知演出EAとして「モヤが発生した様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される。
図5(c)に示すように、第1シナリオ演出では、開始報知演出EAに続けて、「モヤが晴れて誰も居ない様子」を模した画像が演出表示装置21に表示され、第1シナリオ演出が終了される場合がある。図5(d)に示すように、第1シナリオ演出では、開始報知演出EAに続けて、第1シナリオ演出の経過を示す第1経過演出EBとして「人影が見える様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。また、図5(e)に示すように、第1シナリオ演出では、開始報知演出EAに続けて、第1シナリオ演出の経過を示す第2経過演出ECとして「モヤに主人公が引きずり込まれる様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
そして、図5(f)に示すように、第1シナリオ演出では、第1経過演出EBが表示された場合、当該第1経過演出EBに続けて、大当り抽選に当選していることを報知する第1大当り結果演出EDaとして、「味方キャラが登場する様子」を模した画像、及び当該画像に続けて「敵キャラを発見する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図5(g)に示すように、第1シナリオ演出では、第1経過演出EBが表示された場合、当該第1経過演出EBに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第1継続結果演出EEaとして、「味方キャラが登場する様子」を模した画像、及び当該画像に続けて「敵キャラを発見できない様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
そして、図5(h)に示すように、第1シナリオ演出では、第1経過演出EBが表示された場合、当該第1経過演出EBに続けて、大当り抽選に当選していることを報知する第2大当り結果演出EDbとして、「敵キャラが登場する様子」を模した画像、及び当該画像に続けて「敵キャラとの戦いに勝利する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図5(k)に示すように、第1シナリオ演出では、第1経過演出EBが表示された場合、当該第1経過演出EBに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第2継続結果演出EEbとして、「敵キャラが登場する様子」を模した画像、及び当該画像に続けて「敵キャラとの戦いに敗北する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
図5(m)に示すように、第1シナリオ演出では、第2経過演出ECが表示された場合、当該第2経過演出ECに続けて、大当り抽選に当選していることを報知する第2大当り結果演出EDbが演出表示装置21に表示される場合がある。図5(n)に示すように、第1シナリオ演出では、第2経過演出ECが表示された場合、当該第2経過演出ECに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第2継続結果演出EEbが演出表示装置21に表示される場合がある。
図5(o)に示すように、第2経過演出ECが表示された場合、当該第2経過演出ECに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第3継続結果演出EEcとして、「モヤが晴れて誰も居ない様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
そして、図5(p)に示すように、第1シナリオ演出では、第2経過演出ECが表示された場合、当該第2経過演出ECに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していることを報知する移行結果演出としての転落結果演出EFとして、「濃い霧がたちこめる様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。即ち、転落結果演出EFは、確変状態から非確変状態へ転落されることを報知(示唆)する転落示唆演出(遊技演出)となる。
したがって、本実施形態の遊技機10では、大当り結果演出EDa,EDb、継続結果演出EEa〜EEc、及び転落結果演出EFが第1シナリオ演出の結果を示す結果演出となるとともに、第1経過演出EB、及び第2経過演出ECが、これらの結果演出を導出するための経過演出となる。また、本実施形態では、第1経過演出EBが大当り結果演出EDa,EDb、及び継続結果演出EEa,EEbの何れかが導出されることを報知する移行無し経過演出となる。また、本実施形態では、第2経過演出ECが第2大当り結果演出EDb、継続結果演出EEb,EEc、及び転落結果演出EFの何れかが導出されることを報知する移行有り経過演出となる。
そして、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出EBと、大当り結果演出EDa,EDb、及び継続結果演出EEa,EEbの何れかとの組み合わせにより、第1演出態様による第1シナリオ演出(報知演出)が構成される。以下の説明では、第1経過演出EBを経由して実行される第1シナリオ演出を、特に第1ルートによる第1シナリオ演出と示す場合がある。本実施形態において、この第1ルートによる第1シナリオ演出は、大当り期待度を遊技者に提示する第1提示演出でもある。
また、本実施形態の遊技機10では、第2経過演出ECと、第2大当り結果演出EDb、継続結果演出EEb,EEc、及び転落結果演出EFの何れかとの組み合わせにより第2演出態様による第1シナリオ演出(報知演出)が構成される。以下の説明では、第2経過演出ECを経由して実行される第1シナリオ演出を特に第2ルートによる第1シナリオ演出と示す場合がある。本実施形態において、この第2ルートによる第1シナリオ演出は、確変継続期待度を遊技者に提示する第2提示演出でもある。
また、本実施形態の第1シナリオ演出では、第1経過演出EBを経由して行われる第1シナリオ演出と、第2経過演出ECを経由して行われる第1シナリオ演出とで、共通(同一又は略同一)である開始報知演出EAが実行される。ここで、本明細書において「同一又は略同一の演出態様(演出内容)」には、同一(又は略同一)である演出態様(演出内容)のほか、遊技者が同一又は略同一であると認識する程度に異なる演出態様(演出内容)をも含むものとする。
また、本実施形態の遊技機10では、演出表示装置21における第1保留表示領域21a〜21dに表示される保留画像Gの表示態様を相互に異なる複数種類の表示態様の何れかに変化させる第1保留変化演出を実行可能に構成されている。なお、本実施形態の遊技機10において、第1保留変化演出は、変短なし非確変状態(第1非変短モードM1滞在時)に実行されるようになっている。
本実施形態の遊技機10では、保留画像Gの表示態様として、「無色の球体」を模した第1表示態様としての無色球体画像G1a、「青色の球体」を模した第2表示態様としての青色球体画像G1b、及び「赤色の球体」を模した第3表示態様としての赤色球体画像G1cの3種類が設定されている。
また、本実施形態の遊技機10は、確変継続期待度(非転落期待度)を遊技者に報知するための第2シナリオ演出を実行可能に構成されている。本実施形態の第2シナリオ演出は、大当り期待度、及び確変継続期待度のうち少なくとも一方(本実施形態では両方)を報知する特定遊技演出及び報知演出となる。また、本実施形態の第2シナリオ演出は、大当り確率が高確率から低確率へ移行される可能性があること、及び小当り遊技が付与される可能性があることの少なくとも一方を報知する特定遊技演出である。さらに、本実施形態の第2シナリオ演出は、確変転落抽選に当選することにより遊技状態が確変状態から非確変状態へ転落(移行)されることを示唆する転落示唆演出でもある。
本実施形態の第2シナリオ演出は、特図変動ゲームに伴わせて演出表示装置21に表示される表示演出の1つであり、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の実行に伴って開始されるとともに、当該開始された第2シナリオ演出は、連続して行われる複数回の特図変動ゲームに跨って実行され得る。以下、第2シナリオ演出について、図6にしたがって詳しく説明する。
図6(a)に示すように、第2シナリオ演出が跨る複数回の特図変動ゲームのうち、1回目の特図変動ゲームでは、演出表示装置21において飾図の変動表示が開始されると、図6(b)に示すように、第2シナリオ演出が開始されることを報知する開始報知演出FAとして「障子が閉じられた様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される。
続けて、図5(d)に示すように、1回目の特図変動ゲームでは、開始報知演出FAに続けて、「障子の奥から敵キャラAが登場する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。1回目の特図変動ゲームにおいて「障子の奥から敵キャラAが登場する様子」を模した画像が表示された場合には、図6(e)及び図6(f)に示すように、第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち、2回目から最終回の特図変動ゲームに亘って「敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される。本実施形態では、図6(d)〜図6(f)に示すように、「敵キャラA」を模した画像を表示する表示演出が、第2シナリオ演出の経過を示す第1経過演出FBとなる。
そして、図6(g)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、第1経過演出FBに続けて、大当り抽選に当選していることを報知する大当り結果演出FDとして、「敵キャラAとのバトルに勝利し、さらに登場する敵キャラCとのバトルにも勝利する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図6(h)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、第1経過演出FBに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第1継続結果演出FEaとして、「敵キャラAとのバトルに勝利するものの、さらに登場する敵キャラCとのバトルに敗北する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図6(k)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第2継続結果演出FEbとして、「敵キャラAとのバトルに敗北する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図5(m)に示すように、1回目の特図変動ゲームでは、開始報知演出FAに続けて、「障子の奥から敵キャラBが登場する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。1回目の特図変動ゲームにおいて「障子の奥から敵キャラBが登場する様子」を模した画像が表示された場合には、図6(n)及び図6(o)に示すように、第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち、2回目から最終回の特図変動ゲームに亘って「敵キャラBとのバトルの様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される。本実施形態では、図6(m)〜図6(o)に示すように、「敵キャラB」を模した画像を表示する表示演出が、第2シナリオ演出の経過を示す第2経過演出FCとなる。
そして、図6(p)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、第2経過演出FCに続けて、大当り抽選に当選していることを報知する大当り結果演出FDが演出表示装置21に表示される場合がある。また、図6(q)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、第2経過演出FCに続けて、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していないことを報知する第1継続結果演出FEaが演出表示装置21に表示される場合がある。
また、図6(r)に示すように、最終回の特図変動ゲームでは、大当り抽選に当選しておらず且つ確変転落抽選に当選していることを報知する移行結果演出としての転落結果演出FFとして、「敵キャラBとのバトルに敗北する様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される場合がある。即ち、転落結果演出FFは、確変状態から非確変状態へ転落されることを報知(示唆)する転落示唆演出(遊技演出)となる。なお、図6には示さないが、本実施形態の第2シナリオ演出では、例外的に1回の特図変動ゲームにおいて、開始報知演出FAが実行された後、大当り結果演出FD、又は第1継続結果演出FEaが実行される場合がある。
したがって、本実施形態の遊技機10では、大当り結果演出FD、継続結果演出FEa,FEb、及び転落結果演出FFが第2シナリオ演出の結果を示す結果演出となるとともに、第1経過演出FB、及び第2経過演出FCが、これらの結果演出を導出するための経過演出となる。また、本実施形態では、第1経過演出FBが大当り結果演出FD、及び継続結果演出FEa,FEbの何れかが導出されることを報知する移行無し経過演出となる。また、本実施形態では、第2経過演出FCが大当り結果演出FD、継続結果演出FEb、及び転落結果演出FFの何れかが導出されることを報知する移行有り経過演出となる。
そして、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出FBと、大当り結果演出FD、及び継続結果演出FEa,FEbの何れかとの組み合わせにより、第1演出態様による第2シナリオ演出(報知演出)が構成される。以下の説明では、敵キャラAを登場させて実行する第2シナリオ演出を第1ルートによる第2シナリオ演出と示す場合がある。本実施形態において、この第1ルートによる第2シナリオ演出は、大当り期待度を遊技者に提示する第1提示演出でもある。
また、本実施形態の遊技機10では、第2経過演出FCと、大当り結果演出FD、継続結果演出FEa、及び転落結果演出FFの何れかとの組み合わせにより第2演出態様による第2シナリオ演出(報知演出)が構成される。以下の説明では、敵キャラBを登場させて実行する第2シナリオ演出を第2ルートによる第2シナリオ演出と示す場合がある。本実施形態において、この第2ルートによる第2シナリオ演出は、確変継続期待度を遊技者に提示する第2提示演出でもある。
また、本実施形態の第2シナリオ演出では、第1経過演出FBを経由して行われる第2シナリオ演出と、第2経過演出FCを経由して行われる第2シナリオ演出とで、共通(同一又は略同一)である開始報知演出FAが実行される。
また、本実施形態の遊技機10では、第2シナリオ演出における第1経過演出FBの実行中、及び第2シナリオ演出における第2経過演出FCの実行中に亘って、演出表示装置21における第2保留表示領域21p〜21sに表示される保留画像Gの表示態様を、相互に異なる複数種類の表示態様の何れかに変化させる第2保留変化演出を実行可能に構成されている。
図7(a)に示すように、本実施形態の遊技機10では、第2保留変化演出の非実行時における保留画像Gの表示態様として、「無色の球体」を模した第1表示態様としての無色球体画像G2aが設定されている。また、本実施形態の遊技機10では、第2保留変化演出に用いる保留画像Gの表示態様として、「手裏剣」を模した第2表示態様としての手裏剣画像G2b、「日本刀」を模した第3表示態様としての日本刀画像G2c、及び「巻物」を模した第4表示態様としての巻物画像G2dが設定されている。
そして、本実施形態の第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち2回目〜4回目の特図変動ゲームにおいて、第1経過演出FBは、実行される特図変動ゲームに対応する保留画像Gが示す「武器」を用いて行う「敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像を演出表示装置21に表示する態様で実行される。同様に、本実施形態の第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち2回目〜4回目の特図変動ゲームにおいて、第2経過演出FCは、実行される特図変動ゲームに対応する保留画像Gが示す「武器」を用いて行う「敵キャラBとのバトルの様子」を模した画像を演出表示装置21に表示する態様で実行される。例えば、今回の特図変動ゲームに対応する保留画像Gが日本刀画像G2cである場合には、当該日本刀画像G2cが示す武器である「日本刀」を用いて行う「敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像が演出表示装置21に表示される。
また、図8に示すように、本実施形態の遊技機10は、遊技状態が変短あり確変状態(第1変短モードM3滞在中)であって第2変短期間T2であるときに、遊技機10の遊技状態が変短状態から非変短状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数を報知する回数報知演出及び第2回数報知演出としての継続回数報知演出を実行可能に構成されている。換言すれば、継続回数報知演出は、普通当り確率が高確率から低確率へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数を報知する遊技演出でもある。さらに、前述のように、本実施形態の遊技機10では、第2変短期間T2において抽選終了条件が成立した場合、非変短状態への移行と同時に非確変状態へ移行されることから、上記継続回数報知演出は、遊技機10の遊技状態が確変状態から非確変状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数を報知する遊技演出でもある。また、本実施形態の継続回数報知演出は、大当り期待度、及び確変継続期待度のうち少なくとも一方(本実施形態では確変継続期待度)を報知する特定遊技演出でもある。本実施形態において、継続回数報知演出は、変短状態及び確変状態が維持される特図変動ゲームの残回数を示す残回数画像G3を演出表示装置21に表示する態様で実行される。
また、本実施形態の遊技機10は、継続回数報知演出によって報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、更に遊技機10の遊技状態が変短状態から非変短状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数を追加的に報知する追加回数報知演出を実行可能に構成されている。本実施形態において、追加回数報知演出は、遊技機10の遊技状態が確変状態から非確変状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数を追加的に報知する遊技演出でもある。また、本実施形態の追加回数報知演出は、大当り期待度、及び確変継続期待度のうち少なくとも一方(本実施形態では確変継続期待度)を報知する特定遊技演出でもある。本実施形態において、継続回数報知演出は、変短状態及び確変状態が維持される特図変動ゲームの残回数を追加的に示す追加回数画像G4を演出表示装置21に表示する態様で実行される。本実施形態の遊技機10では、第1,第2保留変化演出、第2シナリオ演出、及び継続回数報知演出(追加回数報知演出)が複数回の特図変動ゲームを跨いで実行される先読み演出(所謂、連続演出)となる。
次に、遊技機10の制御構成を図9にしたがって説明する。
遊技機10(中枠12)の裏側には、遊技機10の機全体を制御する主制御手段(メイン制御手段)としての主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機10の機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。ここで「遊技機の機全体を制御する」とは、主制御基板30が出力する制御指令によって直接的に制御することのほか、主制御基板30が出力する制御指令によって他の制御装置に制御させる場合のように、間接的に制御することをも含む。また、遊技機10(中枠12)の裏側には、副制御手段(サブ制御手段)としての演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力する情報(制御情報)としての前記制御指令にしたがって各種の遊技演出の実行を制御する。即ち、演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置21の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や、ランプ16の発光態様、スピーカ17の音声出力態様を制御する。以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について、図9にしたがって説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30c、及びハードウェア乱数を生成する乱数生成手段としての乱数生成器30dが設けられている。なお、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、及び乱数生成器30dは、1チップに集積されてマイクロプロセッサを構成している。
主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置22、第2特別図柄表示装置23、第1特別図柄保留表示装置22a、第2特別図柄保留表示装置23a、普通図柄表示装置26、普通図柄保留表示装置26a、普通電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、乱数生成器30dには、第1ハードウェア乱数を生成する第1乱数生成手段としての第1乱数生成回路R1と、第1乱数生成回路とは別に第2ハードウェア乱数を生成する第2乱数生成手段としての第2乱数生成回路R2が設けられている。第1乱数生成回路R1は、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、第1ハードウェア乱数を生成する。また、第2乱数生成回路R2は、前記クロック回路から供給される内部システムクロックの1周期毎に値を1更新することにより、第2ハードウェア乱数を生成する。本実施形態の遊技機10において、第1,第2ハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535までの全65536通りの整数値とされている。
本実施形態の遊技機10では、第1乱数生成回路R1が生成する第1ハードウェア乱数の値と、第2乱数生成回路R2が生成する第2ハードウェア乱数の値とが同期しない設定がなされている。第1,第2ハードウェア乱数の値を非同期とするためには、例えば、各乱数生成回路R1,R2において、発生させるハードウェア乱数の値のスタート値(初期値)を異ならせる設定をすることができる。また、第1,第2ハードウェア乱数の値を非同期とするためには、例えば、各ハードウェア乱数の値が0〜65535まで更新される迄を1回とする更新周期毎に、発生させる乱数列の並び順を変更する設定をすることもできる。このため、本実施形態の第1,第2ハードウェア乱数は、一時的に同値となる可能性があるものの、完全に同期することがない。
そして、本実施形態の遊技機10において、第1ハードウェア乱数は、大当り抽選となる大当り判定に用いられる大当り判定用乱数、及び普図当り抽選となる普図当り判定に用いられる普図当り判定用乱数として使用される一方で、第2ハードウェア乱数は、確変転落抽選となる確変転落判定に用いられる転落判定用乱数として使用される。なお、大当り判定用乱数は、小当り抽選となる小当り判定にも使用される。本実施形態では、大当り判定用乱数が特別当り判定用乱数、及び第1判定用乱数となり、転落判定用乱数が移行判定用乱数及び第2判定用乱数となる。
なお、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aが実行する当り判定及び特別当り判定としての大当り判定には、特図変動ゲームが開始されるとき(特別図柄開始処理)に実行される開始期(開始時)大当り判定と、特図変動ゲームが開始されるときよりも前(後述する特別図柄入力処理)に実行される開始前大当り判定とがある。したがって、本実施形態の遊技機10では、後述のように開始期大当り判定、及び開始前大当り判定を実行する主制御用CPU30aが大当り判定手段(当り判定手段、特別当り判定手段)として機能する。
また、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aが実行する小当り判定には、特図変動ゲームが開始されるとき(特別図柄開始処理)に実行される開始期(開始時)小当り判定と、特図変動ゲームが開始されるときよりも前(後述する特別図柄入力処理)に実行される開始前小当り判定とがある。したがって、本実施形態の遊技機10では、後述のように開始期小当り判定、及び開始前小当り判定を実行する主制御用CPU30aが小当り判定手段として機能する。
また、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aが実行する移行判定としての確変転落判定には、特図変動ゲームが開始されるとき(特別図柄開始処理)に実行される開始期(開始時)転落判定と、特図変動ゲームが開始されるときよりも前(後述する特別図柄入力処理)に実行される開始前転落判定とがある。したがって、本実施形態の遊技機10では、後述のように開始期転落判定、及び開始前転落判定を実行する主制御用CPU30aが移行判定手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。したがって、本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30a及び主制御用RAM30cによって乱数生成手段が構成されているとも把握できる。なお、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aの制御周期は、例えば4msであり、第1,第2ハードウェア乱数の値が1更新される時間よりも長い時間に設定されている。
本実施形態において、主制御用RAM30cには、上記ソフトウェア乱数として、第1ソフトウェア乱数と、第2ソフトウェア乱数と、第3ソフトウェア乱数とが記憶されており、各ソフトウェア乱数はその取り得る数値の範囲が異なっている。第1ソフトウェア乱数は、大当り判定で肯定判定された場合に、大当りの種類(特図の大当り図柄)を決定する際に用いる特別図柄振分用乱数として使用される。なお、本実施形態の特別図柄振分用乱数の値は、0〜99までの全100通りの整数値であるとともに、前述した全100種類の特図の大当り図柄に対して各別に対応付けられている。
また、第2ソフトウェア乱数は、大当り判定及び小当り判定で否定判定された場合に、リーチ演出を実行可能とするか否かを決定するリーチ判定(リーチ抽選)に用いるリーチ判定用乱数として使用される。なお、本実施形態の遊技機10では、リーチ判定として、特図変動ゲームが開始されるとき(特別図柄開始処理)に実行される開始期(開始時)リーチ判定と、特図変動ゲームが開始されるときよりも前(後述する特別図柄入力処理)に実行される開始前リーチ判定とがある。また、第3ソフトウェア乱数は、後述の変動パターン(メイン変動パターン)を選択する際に用いる変動パターン振分用乱数として使用される。
また、主制御用RAM30cには、上記乱数値に加えて、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報として、タイマ値や、制御フラグなどが記憶(設定)される。ここで、本実施形態の遊技機10において、主制御用RAM30cに設定される各種の制御フラグ(情報)について説明する。
主制御用RAM30cには、実行する特図変動ゲームが、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームのうち何れであるかを特定可能な値が設定される特図変動処理フラグが記憶されている。特図変動処理フラグには、実行する特図変動ゲームが第1特図変動ゲームである場合には「0」が設定される一方で、実行する特図変動ゲームが第2特図変動ゲームである場合には「1」が設定される。
また、主制御用RAM30cには、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを特定可能な値が設定される確変フラグが記憶されている。確変フラグには、確変状態でない場合は「0」が設定される一方で、確変状態である場合は「1」が設定される。したがって、本実施形態の遊技機10では、確変フラグが大当り確率を特定可能な確率情報となり、確変フラグに設定される情報としての「0」の値が、大当り確率を低確率とすることを特定可能な低確率情報となり、確変フラグに設定される情報としての「1」の値が、大当り確率を高確率とすることを特定可能な高確率情報となる。そして、主制御用RAM30cは、確率情報記憶手段として機能する。
本実施形態の遊技機10では、確変フラグに「1」が設定されることにより確変状態が開始されるとともに、確変フラグに「0」が設定されることにより確変状態が終了される。即ち、本実施形態の遊技機10において、非確変状態へ転落(移行)することは、確変フラグに「1」が設定されている状態において、確変転落抽選(確変転落判定)の結果に基づいて確変フラグに「0」が設定されることである。
また、主制御用RAM30cには、遊技機10の遊技状態が変短状態であるか否かを特定可能な値が設定される作動フラグが記憶されている。作動フラグには、非変短状態である場合は「0」が設定される一方で、変短状態である場合は「1」が設定される。したがって、本実施形態の遊技機10では、作動フラグが開閉羽根27の動作態様を特定可能な動作情報となり、作動フラグに設定される情報としての「0」の値が、開閉羽根27の動作態様を非変短状態用の動作態様(通常動作態様)とすることを特定可能な通常動作情報となる。また、作動フラグに設定される情報としての「1」の値が開閉羽根27の動作態様を、非変短状態用の動作態様と比較して第2始動入賞口25への遊技球の入球率が向上される変短状態用の動作態様(特別動作態様)とすることを特定可能な特別動作情報となる。
さらに、本実施形態の遊技機10において、作動フラグは、普通当り確率(普図当り抽選の当選確率)を特定可能な確率情報となり、作動フラグに設定される情報としての「0」の値が、普通当り確率を低確率とすることを特定可能な第1確率情報となり、「1」の値が、普通当り確率を高確率とすることを特定可能な第2確率情報となる。そして、主制御用RAM30cは、動作情報記憶手段、及び確率情報記憶手段として機能する。
また、主制御用RAM30cには、変短終了条件が抽選終了条件であるか否かを特定可能な値が設定されるアルファフラグが記憶されている。アルファフラグには、変短終了条件を抽選終了条件としていない場合は「0」が設定される一方で、変短終了条件を抽選終了条件としている場合には「1」が設定される。即ち、アルファフラグには、変短終了条件を回数切終了条件又は分岐回数終了条件としている場合は「0」が設定される一方で、変短終了条件を回数切終了条件又は分岐回数終了条件としていない場合には「1」が設定される。このため、作動フラグに「1」が設定されており、且つアルファフラグに「0」が設定されている場合には、変短終了条件が回数切終了条件又は分岐回数終了条件であることを特定可能である。
また、主制御用RAM30cには、確変転落抽選に当選したか否かを特定可能な値が設定される確変転落フラグが記憶されている。確変転落フラグには、確変転落抽選に当選していない場合、及び確変転落抽選を実行していない場合には「0」が設定される一方で、確変転落抽選に当選した場合には「1」が設定される。
また、主制御用RAM30cには、前述した変短上限回数、又は分岐回数が設定される作動回数カウンタが記憶されている。この作動回数カウンタには、大当り遊技の終了を契機として変短上限回数、又は分岐回数が設定されるとともに、作動回数カウンタは、特図変動ゲームが実行(終了)される毎に1減算されるようになっている。
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムやテーブルに加えて、各種の判定値(大当り判定値、転落判定値、小当り判定値、リーチ判定値、及び普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の取り得る数値(0〜65535の全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として第1個数としての289個の値が設定されており、大当り抽選に当選する確率は65536分の289(約226.77分の1)となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値として1093個の値が設定されており、大当り抽選に当選する確率は65536分の1093(約59.96分の1)となる。
本実施形態において、第1大当り判定値としての非確変用判定値は、0〜288までの289個に設定されている。一方、本実施形態の第2大当り判定値としての確変用判定値は、上記0〜288までの289個の値に、289〜1092までの804個の値を加えた合計1093個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では0〜288)が非確変用判定値及び確変用判定値の何れにも含まれる共通判定値としての共通値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(0〜288までの289個)を除く、他の値(289〜1092までの804個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。即ち、本実施形態の遊技機10において、確変用判定値は、非確変用判定値を構成する判定値の一部又は全部(本実施形態では全部)と、非確変用判定値を構成する判定値とは異なる判定値とを含み、非確変用判定値の289個より多い第2個数としての1093個の判定値から構成される。したがって、共通値に一致する大当り判定用乱数の値は、確変状態時及び非確変状態時の何れであっても大当り判定値に一致する一方で、共通値に一致せず且つ非共通値に一致する大当り判定用乱数の値は、確変状態時にのみ大当り判定値と一致し、非確変状態時には大当り判定値と一致しない。
転落判定値は、確変転落抽選(確変転落判定)で用いる判定値であり、転落判定用乱数(第2ハードウェア乱数)の取り得る数値(0〜65535の全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、転落判定値として1001個の値が設定されており、確変転落抽選に当選する確率は65536分の1001(約65.47分の1)となる。
リーチ判定値は、リーチ抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜230での全241通りの整数)の中から定められている。
小当り判定値は、小当りか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いられる判定値であり、大当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の取り得る数値(0〜65535の全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、小当り判定値として2621個の値が設定されており、小当り抽選に当選する確率は65536分の2621(約25分の1)となる。
普図当り判定値は、普図当りか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の取り得る数値(0〜65535の全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として8192個の値が設定されており、普図当り抽選に当選する確率は65536分の8192(8分の1)となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として65535個の値が設定されており、普図当り抽選に当選する確率は65536分の65535(約1分の1)となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の導出パターンとしての変動パターン(メイン変動パターン)が記憶されている。変動パターンは、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が開始してから終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定可能である。そして、変動パターンは、大当り変動用、リーチあり変動用、リーチなし変動(通常変動)用、及び転落示唆演出変動用からなる変動内容毎に分類可能である。
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。また、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。
リーチあり変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せず、且つリーチ抽選に当選した場合に行われる変動である。リーチあり変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる一方で、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に非大当り図柄(はずれ図柄又は小当り図柄)を確定停止表示させる。
リーチなし変動(通常変動)は、大当り抽選に当選しなかった場合であって、小当り抽選に当選したときと、小当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかったときとに行われる変動である。リーチなし変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄、又は小当り図柄を確定停止表示させる一方で、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的に非大当り図柄(はずれ図柄又は小当り図柄)を確定停止表示させる。
また、転落示唆演出変動は、確変転落抽選に当選した場合に行われる変動である。転落示唆演出変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄を確定停止表示させる。一方、転落示唆演出変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、転落示唆演出として、演出モードが移行されることを報知するモード移行演出、第1シナリオ演出、又は第2シナリオ演出を経て、最終的に非大当り図柄を確定停止表示させる。
次に、主制御用ROM30bに記憶されている変動パターンについて、図10〜図12にしたがって説明する。なお、図10〜図12には、本実施形態の遊技機10に用意された変動パターンのうち、一部の変動パターンP1,P2,P3a〜P9a,P3b〜P9b,P10が示されている。図10〜図12に示すように、本実施形態の各変動パターンP1,P2,P3a〜P9a,P3b〜P9b,P10には、それぞれ図中で「変動時間」の欄に示すように、特図変動ゲームの変動時間が特定されている。
本実施形態の遊技機10において、リーチなし変動用の変動パターンには、変動パターンP1,P2が分類される。
変動パターンP1に基づく特図変動ゲームでは、特図変動ゲームの開始から13秒後に、演出表示装置21において非大当り図柄が導出される変動内容を特定可能である。また、変動パターンP2に基づく特図変動ゲームでは、特図変動ゲームの開始から6秒後に、演出表示装置21において非大当り図柄が導出される変動内容を特定可能である。なお、変動パターンP1,P2に基づく特図変動ゲームでは、演出表示装置21においてリーチ演出は行われない。
リーチあり変動用の変動パターンには、変動パターンP3a〜P8aが分類され、大当り変動用の変動パターンには、変動パターンP3b〜P8bが分類される。また、転落示唆演出変動用の変動パターンには、変動パターンP9a,P9b,P10が分類される。
変動パターンP3a,P3b(以下「変動パターンP3」と示す)は、特図変動ゲームの変動内容として、演出表示装置21において「ノーマルリーチ演出」を実行することを特定可能な変動パターンである。変動パターンP3a,P3bに基づく特図変動ゲームでは、演出表示装置21において、原則として特図変動ゲームの開始から13秒後にリーチが形成されるとともに、13秒〜25秒にかけてノーマルリーチ演出が実行される。
変動パターンP4a,P4b(以下「変動パターンP4」と示す)は、特図変動ゲームの変動内容として、演出表示装置21において「スーパーリーチ演出」を実行することを特定可能な変動パターンである。変動パターンP5a,P5b(以下「変動パターンP5」と示す)、変動パターンP6a,P6b(以下「変動パターンP6」と示す)、変動パターンP7a,P4b(以下「変動パターンP7」と示す)、変動パターンP8a,P8b(以下「変動パターンP8」と示す)についても同様である。
変動パターンP4〜P8に基づく特図変動ゲームでは、演出表示装置21において、原則として特図変動ゲームの開始から13秒後にリーチが形成され、13秒〜25にかけてノーマルリーチ演出が実行され、さらに25秒から45秒にかけてスーパーリーチ演出が実行される。
変動パターンP4〜P8では、各変動パターンからそれぞれ特定可能なスーパーリーチ演出の演出内容(実行態様)が異ならされている。具体的に説明すると、変動パターンP4〜P6では、所定のキャラクタを登場させる態様によりスーパーリーチ演出を実行させる変動内容を特定可能である。なお、変動パターンP4〜P6では、スーパーリーチ演出の演出内容(例えば登場させるキャラクタの種類)が異なる。
また、変動パターンP7では、スーパーリーチ演出を一部に含み、変動パターンP7の変動時間にかけて第1シナリオ演出を実行させる変動内容を特定可能である。変動パターンP8では、スーパーリーチ演出を一部に含み、変動パターンP8の変動時間にかけて第2シナリオ演出を実行させる変動内容を特定可能である。
また、変動パターンP9aは、特図変動ゲームの変動内容として、モード移行演出、又は第1シナリオ演出を実行することを特定可能な変動パターンである。変動パターンP9aに基づく特図変動ゲームでは、特図変動ゲームの開始に伴ってモード移行演出、又は第1シナリオ演出が実行されるとともに、特図変動ゲームの開始からから25秒後に飾図の大当り図柄、又は非大当り図柄が導出される。また、変動パターンP9bは、特図変動ゲームの変動内容として、リーチを形成することなく飾図の大当り図柄(大当り表示結果)を導出させる変動内容(所謂、突当り演出)を特定可能な変動パターンである。
また、変動パターンP10は、特図変動ゲームの変動内容として、モード移行演出、第1シナリオ演出、又は第2シナリオ演出を実行することを特定可能な変動パターンである。変動パターンP10に基づく特図変動ゲームでは、特図変動ゲームの開始に伴って、演出表示装置21においてモード移行演出、第1シナリオ演出、又は第2シナリオ演出が実行されるとともに、特図変動ゲームの開始からから25秒後に飾図の大当り図柄、又は非大当り図柄が導出される。
本実施形態の変動パターンP1〜P7,P9は、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合に選択され得る変動パターンである。また、変動パターンP1,P2,P3,P7,P8,P10は、遊技機10の遊技状態が変短状態である場合のうち、第1変短期間T1において選択され得る変動パターンである。また、変動パターンP1,P2,P3,P10は、遊技機10の遊技状態が変短状態である場合のうち、第2変短期間T2において選択され得る変動パターンである。
本実施形態の遊技機10において、変動パターンP1,P2,P3a,P4〜P6,P7a,P8aは、確変転落抽選に当選しない場合に選択され得る第1グループに属する変動パターンとなる一方で、本実施形態の遊技機10において、P3b,P7b,P8b,P9,P10は、確変転落抽選に当選する場合に選択され得る第2グループに属する変動パターンとなる。即ち、本実施形態の遊技機10では、確変転落抽選に当選しない場合、第1グループに属する変動パターンが決定される一方で、確変転落抽選に当選する場合、第1グループに属する変動パターンとは異なる変動パターンからなる第2グループに属する変動パターンが決定される。
また、変動パターンP1,P2,P9a,P10は、小当り抽選に当選する場合と、小当り抽選に当選しない場合とで選択可能な変動パターンである。したがって、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aは、小当り抽選に当選する場合と、小当り抽選に当選しない場合とで同一(又は略同一)の変動時間を特定可能な変動パターンを選択可能となる。
次に、図9に示す演出制御基板31について説明する。
図9に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置21が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプ16が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカ17が接続されている。
演出制御用CPU31aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、演出制御用RAM31cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aの制御周期(割込み周期)は、主制御用CPU30aの制御周期(割込み周期)よりも長い時間(例えば16ms)に設定されている。
演出制御用RAM31cには、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(ソフトウェア乱数の値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用RAM31cには、上記ソフトウェア乱数の値として、例えば実行可否判定用乱数、パターン選択用乱数、及び演出モード判定用乱数など、各種乱数の値が記憶されている。実行可否判定用乱数は、前述した先読み演出を実行するか否かを判定する際に用いられる乱数であり、パターン選択用乱数は、先読み演出の演出内容を特定可能な内容パターンや、予告演出(カットイン予告)の演出内容を特定可能な予告パターンを選択する際に用いる乱数である。また、演出モード判定用乱数は、演出モードを移行させるか否かを判定する際に用いられる乱数である。
なお、演出制御用RAM31cに記憶される各種フラグについては、演出制御用CPU31aが実行する各種制御に関する説明とあわせて、その都度説明する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。また、演出制御用ROM31bには、演出表示装置21に表示する飾図による図柄変動ゲームの具体的な変動内容(演出内容)を特定可能な演出パターン(サブ変動パターン)が記憶されている。この演出パターンについては後述する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが主制御用ROM30bに記憶されている制御プログラムにしたがって実行する各種処理について詳しく説明する。
最初に、主制御用CPU30aが所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に実行するタイマ割込み処理について、図13にしたがって説明する。なお、図13には、主制御用CPU30aがタイマ割込み処理において実行する各種処理の一部が示されている。
図13に示すように、タイマ割込み処理において主制御用CPU30aは、図示しない出力バッファに設定された各種の制御コマンドを演出制御基板31に出力するコマンド出力処理を実行する(ステップSa1)。
また、主制御用CPU30aは、コマンド出力処理の実行後に、各始動口スイッチSW1,SW2や、各ゲートスイッチSW4,SW5からの検知信号に基づき各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cに記憶するための入力処理を実行する(ステップSa2)。ステップSa2の入力処理には、後述する特別図柄入力処理や普通図柄入力処理が含まれる。また、主制御用CPU30aは、入力処理の実行後に、前述の乱数更新処理を実行する(ステップSa3)。
主制御用CPU30aは、乱数更新処理の実行後に、転落判定用乱数の値を用いる開始期転落判定(確変転落抽選)、及び大当り判定用乱数の値を用いる開始期大当り判定(大当り抽選)を含み、これらの判定結果に基づき特図変動ゲームを開始させる特別図柄開始処理を実行する(ステップSa4)。なお、特別図柄開始処理では、開始期転落判定、及び開始期大当り判定などの判定結果に基づき、変動パターン振分用乱数の値を用いて前述の変動パターンが選択される。
主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理の実行後に、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)に伴う各種演出(オープニング演出やエンディング演出など)を決定するとともに、大入賞口29の大入賞口扉29aの開放態様(開放/閉鎖)などを制御する当り中処理を実行する(ステップSa5)。
また、主制御用CPU30aは、当り中処理の実行後に、作動フラグに設定する値を変更するとともに、変短終了条件を設定するための作動フラグ設定処理を実行する(ステップSa6)。
主制御用CPU30aは、作動フラグ設定処理の実行後に、普図当り判定用乱数の値を用いた普図当り判定(普図当り抽選)を実行し、当該判定の結果に基づき普図ゲームを開始させる普通図柄開始処理を実行する(ステップSa7)。
主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理の実行後に、開閉羽根27の開放態様(開放/閉鎖)を制御する普通電動役物処理を実行する(ステップSa8)。
また、主制御用CPU30aは、普通電動役物処理の実行後に、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の実行に伴って、1回のタイマ割込み処理において保留記憶数が変化した場合、変化後の保留記憶数を指定する保留記憶コマンドを出力バッファに設定する記憶コマンド設定処理を実行する(ステップSa9)。
そして、主制御用CPU30aは、タイマ割込み処理に設定された各種の制御処理を終了すると、次回のタイマ割込み処理を実行する迄の間、待機する。
次に、タイマ割込み処理における入力処理(ステップSa2)で実行される特別図柄入力処理について、図14に基づき説明する。なお、特別図柄入力処理と同じく入力処理において実行される普通図柄入力処理については後述する。
図14に示すように、特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号(第1検知信号)を入力しているか否かに基づき、第1始動入賞口24に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSb1)。本実施形態の主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号(第1検知信号)を入力する検知信号入力手段として機能する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSb6の処理へ移行する。一方、ステップSb1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSb2)。ステップSb2の判定結果が否定である場合(第1保留記憶数=4である場合)、主制御用CPU30aは、ステップSb6の処理へ移行する。
一方、ステップSb2の判定結果が肯定である場合(第1保留記憶数<4である場合)、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップSb3)。即ち、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口24で入球検知された遊技球を第1始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。本実施形態の主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1による入球検知を契機に第1保留記憶数を主制御用RAM30cに記憶させる保留記憶制御手段として機能する。また、ステップSb3の処理は、第1検知信号の入力を契機として、当該第1検知信号に対応する第1保留記憶数に加算して記憶させる加算記憶処理となる。第1保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄表示装置22の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30c及び乱数生成器30dから各種乱数の値を読み出して取得し、当該取得した各種乱数の値を主制御用RAM30cにおいて第1保留記憶数に対応付けられた記憶領域に設定する(ステップSb4)。詳しく説明すると、ステップSb4において主制御用CPU30aは、第1乱数生成回路R1から大当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の値を取得するとともに、第2乱数生成回路R2から転落判定用乱数(第2ハードウェア乱数)の値を取得する。同様に、ステップSb4において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから特別図柄振分用乱数(第1ソフトウェア乱数)の値、リーチ判定用乱数(第2ソフトウェア乱数)の値、及び変動パターン振分用乱数(第3ソフトウェア乱数)の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて第1保留記憶数=1〜4に対応付けられた4つの記憶領域のうちステップSb3で1加算した更新後の第1保留記憶数に対応する記憶領域に、取得した各種乱数の値を記憶させる。
したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1による遊技球の入球検知を契機として各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、当該取得した各種乱数の値を第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに記憶させる乱数取得手段及び特別乱数取得手段として機能する。また、本実施形態の遊技機10では、主制御用RAM30cが乱数記憶手段及び特別乱数記憶手段として機能する。
例えば、主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数が4である場合、第1保留記憶数=4に対応する記憶領域に取得した各乱数の値を記憶させる。このため、本実施形態において第1保留記憶数は、第1始動入賞口24への入球検知を契機として主制御用RAM30cに記憶されている乱数の値(転落判定用乱数、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値の組)の個数を示すともいえる。そして、ステップSb4の処理を終了した主制御用CPU30aは、ステップSb5の処理へ移行する。
ステップSb5において主制御用CPU30aは、ステップSb4で取得した各種乱数の値に基づき第1事前判定処理を実行する(ステップSb5)。この第1事前判定処理については後述する。
次に、主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号(第2検知信号)を入力しているか否かに基づき、第2始動入賞口25に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSb6)。本実施形態の主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号(第2検知信号)を入力する検知信号入力手段として機能する。ステップSb6の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップSb6の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSb7)。ステップSb7の判定結果が否定(第2保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップSb7の判定結果が肯定(第2保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップSb8)。即ち、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口25で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。本実施形態の主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2による入球検知を契機に第2保留記憶数を主制御用RAM30cに記憶させる保留記憶制御手段として機能する。また、ステップSb8の処理は、第2検知信号の入力を契機として、当該第2検知信号に対応する第2保留記憶数に加算して記憶させる加算記憶処理となる。第2保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30c及び乱数生成器30dから各種乱数の値を読み出して取得し、当該取得した各種乱数の値を主制御用RAM30cにおいて第2保留記憶数に対応付けられた記憶領域に設定する(ステップSb9)。詳しく説明すると、ステップSb9において主制御用CPU30aは、第1乱数生成回路R1から大当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の値を取得するとともに、第2乱数生成回路R2から転落判定用乱数(第2ハードウェア乱数)の値を取得する。同様に、ステップSb9において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから特別図柄振分用乱数(第1ソフトウェア乱数)の値、リーチ判定用乱数(第2ソフトウェア乱数)の値、及び変動パターン振分用乱数(第3ソフトウェア乱数)の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて第2保留記憶数=1〜4に対応付けられた4つの記憶領域のうちステップSb8で1加算した更新後の第2保留記憶数に対応する記憶領域に、取得した各種乱数の値を記憶させる。
したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2による遊技球の入球検知を契機として各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、当該取得した各種乱数の値を第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに記憶させる乱数取得手段及び特別乱数取得手段として機能する。
例えば、主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数が4である場合、第2保留記憶数=4に対応する記憶領域に取得した各乱数の値を記憶させる。このため、本実施形態において第2保留記憶数は、第1始動入賞口24への入球検知を契機として主制御用RAM30cに記憶されている乱数の値(転落判定用乱数、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値の組)の個数を示すともいえる。
そして、ステップSb9の処理を終了した主制御用CPU30aは、ステップSb9で取得した各種乱数の値に基づき第2事前判定処理を実行する(ステップSb10)。この第2事前判定処理については後述する。そして、ステップSb10の処理を終了した主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
なお、第1事前判定処理及び第2事前判定処理を含む特別図柄入力処理の実行に伴って出力バッファに設定された各種コマンドは、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理によって順次、演出制御基板31へ出力される。
次に、特別図柄入力処理のサブルーチンとして実行される第1事前判定処理(ステップSb5)について、図15にしたがって説明する。第1事前判定処理は、特別図柄入力処理のステップSb3で取得された各種乱数の値に基づく第1特図変動ゲームを開始させるときよりも前に、当該各種乱数の値に基づく第1特図変動ゲームの変動内容を事前に判定し、当該判定結果に関する情報を特定可能な先読みコマンドを生成するための処理である。
図15に示すように、第1事前判定処理において主制御用CPU30aは、先読みコマンドの出力(情報出力)が許容される遊技機10の遊技状態として「大当り状態(大当り遊技中)ではなく、且つ非変短状態」であるか否かを判定する(ステップSc11)。ステップSc11の判定結果が否定の場合(大当り状態又は変短状態である場合)、主制御用CPU30aは、第1事前判定処理を終了する。したがって、本実施形態の遊技機10では、大当り状態及び変短状態において、第1特図変動ゲームに関する先読みコマンドが生成されず、先読みコマンドが演出制御基板31に出力されないようになっている。
このように、ステップSc11の処理を実行する主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態を判定する遊技状態判定手段として機能する。また、ステップSc11の処理は、遊技機10の遊技状態を判定した判定結果に基づき先読みコマンド(情報)を出力するか否かに関する情報出力判定となるとともに、主制御用CPU30aは、情報出力判定手段として機能する。このため、タイマ割込み処理のコマンド出力処理において主制御用CPU30aは、このステップSc11の判定結果が肯定となることを条件として先読みコマンド(情報)を出力することになる。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り状態又は変短状態である場合に、第1特図変動ゲームを対象とした先読み演出の実行を規制する規制手段(禁止する禁止手段)としても把握できる。
一方、ステップSc11の判定結果が肯定の場合(大当り状態ではなく、且つ非変短状態である場合)、主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップSc12)。ステップSc12において主制御用CPU30aは、演出制御用RAM31cに記憶されている確変フラグに、確変状態であることを特定可能な情報として「1」が設定されている場合に肯定判定する一方で、非確変状態であることを特定可能な情報として「0」が設定されている場合に否定判定する。ステップSc12の判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、主制御用CPU30aは、先読みコマンドを生成するための確変状態用コマンド設定処理を実行する(ステップSc13)。その後、主制御用CPU30aは、第1事前判定処理を終了する。
一方、ステップSc12の判定結果が否定の場合(非確変状態である場合)、主制御用CPU30aは、先読みコマンドを生成するための非確変状態用コマンド設定処理を実行する(ステップSc14)。その後、主制御用CPU30aは、第1事前判定処理を終了する。なお、確変状態用コマンド設定処理、及び非確変状態用コマンド設定処理については、後述する。
次に、特別図柄入力処理のサブルーチンとして実行される第2事前判定処理(ステップSb10)について、図16にしたがって説明する。第2事前判定処理は、特別図柄入力処理のステップSb9で取得された各種乱数の値に基づく第2特図変動ゲームを開始させるときよりも前に、当該各種乱数の値に基づく第2特図変動ゲームの変動内容を事前に判定し、当該判定結果に関する情報を特定可能な先読みコマンドを生成するための処理である。
図16に示すように、第2事前判定処理において主制御用CPU30aは、コマンド出力処理によって先読みコマンドの出力(情報出力)が許容される遊技状態として「大当り状態(大当り遊技中)又は変短状態」であるか否かを判定する(ステップSc21)。ステップSc21の判定結果が否定の場合(大当り状態ではなく、且つ変短状態ではない場合)、主制御用CPU30aは、第2事前判定処理を終了する。したがって、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技中ではなく、且つ変短状態ではない場合に、第2特図変動ゲームに関する先読みコマンドが生成されず、先読みコマンドが演出制御基板31に出力されないようになっている。
このように、ステップSc21の処理を実行する主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態を判定する遊技状態判定手段として機能する。また、ステップSc21の処理は、遊技機10の遊技状態を判定した判定結果に基づき先読みコマンド(情報)を出力するか否かに関する情報出力判定となるとともに、主制御用CPU30aは、情報出力判定手段として機能する。このため、タイマ割込み処理のコマンド出力処理において主制御用CPU30aは、このステップSc21の判定結果が肯定となることを条件として先読みコマンド(情報)を出力するようになっている。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り遊技中ではなく且つ変短状態ではない場合に、第2特図変動ゲームを対象とした先読み演出の実行を規制する規制手段(禁止する禁止手段)としても把握できる。
一方、ステップSc21の判定結果が肯定の場合(大当り状態又は変短状態である場合)、主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップSc22)。ステップSc22において主制御用CPU30aは、演出制御用RAM31cに記憶されている確変フラグに「1」が設定されている場合に肯定判定する一方で、「0」が設定されている場合に否定判定する。ステップSc22の判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、主制御用CPU30aは、先読みコマンドを生成するための確変状態用コマンド設定処理を実行する(ステップSc23)。その後、主制御用CPU30aは、第2事前判定処理を終了する。
一方、ステップSc22の判定結果が否定の場合(非確変状態である場合)、主制御用CPU30aは、先読みコマンドを生成するための非確変状態用コマンド設定処理を実行する(ステップSc24)。その後、主制御用CPU30aは、第2事前判定処理を終了する。なお、確変状態用コマンド設定処理、及び非確変状態用コマンド設定処理については、後述する。
次に、特別図柄入力処理の第1事前判定処理におけるサブルーチンとして実行される確変状態用コマンド設定処理(ステップSc13)、及び第2事前判定処理のサブルーチンとして実行される確変状態用コマンド設定処理(ステップSc23)について、図17及び図18にしたがって説明する。
なお、第1事前判定処理におけるサブルーチンとしての確変状態用コマンド設定処理(ステップSc13)では、特別図柄入力処理のステップSb4において同じ入球検知(検知信号の入力)を契機に取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値が用いられる。また、第1事前判定処理におけるサブルーチンとしての確変状態用コマンド設定処理(ステップSc13)では、保留記憶数として、特別図柄入力処理のステップSb3で1加算された更新後の第1保留記憶数が用いられる。
また、第2事前判定処理におけるサブルーチンとしての確変状態用コマンド設定処理(ステップSc23)は、特別図柄入力処理のステップSb9において同じ入球検知(検知信号の入力)を契機に取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値が用いられる。また、第2事前判定処理におけるサブルーチンとしての確変状態用コマンド設定処理(ステップSc23)では、保留記憶数として、特別図柄入力処理のステップSb8で1加算された更新後の第2保留記憶数が用いられる。
図17に示すように、確変状態用コマンド設定処理において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理にて取得した転落判定用乱数の値と、転落判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始前転落判定を実行する(ステップSd1)。即ち、ステップSd1において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された転落判定用乱数の値を用いて実行される確変転落判定(後述の開始期転落判定)で肯定判定されるか否かを、当該確変転落判定に先駆けて事前判定している。本実施形態の遊技機10では、この開始前転落判定が、大当り確率が高確率から低確率へ移行されるか否かや、後述する特別図柄開始処理において主制御用RAM30cに記憶された確変フラグに非確変状態を示す「0」が設定する確率移行制御が実行されるか否かの開始前移行判定となる。また本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30aが開始前移行判定手段として機能する。
また前述のように、本実施形態の遊技機10において、変短終了条件として抽選終了条件が設定されている場合(第2変短期間T2)には、確変転落判定(開始期転落判定)で肯定判定された場合、確変状態とともに変短状態が終了される。即ち、第2変短期間T2における開始前転落判定(ステップSd1)では、確変状態から非確変状態へ転落(移行)されるか否かの転落判定、及び変短状態から非変短状態へ転落(移行)されるか否かの転落判定を同時に行うことになる。したがって第2変短期間T2での開始前転落判定は、特図変動ゲームの開始時より前に、当該特図変動ゲームにて作動フラグに「0」を設定する特別情報制御が実行されるか否かの動作情報判定ともなる。そして、本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30aが動作情報判定手段として機能する。
ステップSd1の判定結果が肯定の場合(転落判定用乱数の値と転落判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値と、大当り判定値のうち前述した非確変用判定値(共通値)とを比較し、両値が一致するか否かの開始前大当り判定を実行する(ステップSd2)。即ち、ステップSd2において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値を用いて実行される大当り判定(開始期大当り判定)で肯定判定されるか否かを、当該大当り判定に先駆けて事前判定している。このように、開始期大当り判定は、特図変動ゲームが開始されるとき(特図変動ゲームの開始時)より前に、当該特図変動ゲームにおける開始期大当り判定に用いられる大当り判定用乱数の値を用いて、その大当り判定用乱数の値を用いる開始期大当り判定の判定結果が肯定となるか否かの判定となる。したがって、ステップSd2の処理を実行する主制御用CPU30aは、開始前大当り判定手段として機能する。
次に、ステップSd2の判定結果が肯定の場合(大当り判定値と非確変用判定値とが一致する場合)、特別図柄入力処理で取得された特別図柄振分用乱数の値に対応付けられた特別図柄の大当り図柄の種類を判定する開始前大当り種判定(開始前特図判定)を実行する(ステップSd3)。ステップSd3において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された特別図柄振分用乱数の値を用いて決定される特図の大当り図柄(大当りの種類)を、特別図柄開始処理における大当り図柄の選択処理に先駆けて事前判定している。
次に、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された変動パターン振分用乱数の値をもとに変動パターン振分テーブルを参照し、変動パターン振分用乱数の値に対応付けられた変動パターンを判定する開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd4)。
ステップSd4において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合、図10に示す第1変動パターン振分テーブルTa1を参照する。また、主制御用CPU30aは、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合、図11に示す第2変動パターン振分テーブルTa2、又は図12に示す第3変動パターン振分テーブルTa3を参照する。より具体的に言えば、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」が設定されており、且つ変短終了条件を抽選終了条件としていないこと(第1変短期間T1であること)を特定可能な情報として「0」がアルファフラグに設定されている場合、第2変動パターン振分テーブルTa2を参照する。また、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」が設定されており、且つ変短終了条件を抽選終了条件としていること(第2変短期間T2であること)を特定可能な情報として「1」がアルファフラグに設定されている場合、第3変動パターン振分テーブルTa3を参照する。なお、アルファフラグに値を設定する処理については後述する。
第1変動パターン振分テーブルTa1、第2変動パターン振分テーブルTa2、及び第3変動パターン振分テーブルTa3は、主制御用ROM30bに記憶されている。ここで、各変動パターン振分テーブルTa1〜Ta3について、図10〜図12をもとに説明する。
図10に示すように、第1変動パターン振分テーブルTa1において、各変動パターンP1〜P7,P9には、確変転落判定の判定結果と、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果とに区分して、変動パターン振分用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態の遊技機10において、第1変動パターン振分テーブルTa1は、非変短状態用の変動パターン振分テーブルとなる。
また、図11に示すように、第2変動パターン振分テーブルTa2において、各変動パターンP1〜P3,P7,P8,P10には、確変転落判定の判定結果と、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果とに区分して、変動パターン振分用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態の遊技機10において、第2変動パターン振分テーブルTa2は、変短状態のうち第1変短期間T1用の変動パターン振分テーブルとなる。
また、図12に示すように、第3変動パターン振分テーブルTa3において、各変動パターンP1〜P3,P10には、確変転落判定の判定結果と、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果とに区分して、変動パターン振分用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態の遊技機10において、第3変動パターン振分テーブルTa3は、変短状態のうち第2変短期間T2用の変動パターン振分テーブルとなる。なお、各変動パターン振分テーブルTa1〜Ta3は、後述する特別図柄開始処理において変動パターンを選択し決定する処理においても参照されるテーブルである。
例えば、第1事前判定処理の確変状態用コマンド設定処理におけるステップSd4では、第1変動パターン振分テーブルTa1が参照されるとともに、ステップSd1(開始前転落判定)の判定結果が肯定で、且つステップSd2(開始前大当り判定)の判定結果が肯定であることから、100分の100の確率で変動パターンP9b(モード移行演出)と判定される。このように、ステップSd4において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された変動パターン振分用乱数の値を用いて選択される変動パターンの種類を、特別図柄開始処理における変動パターンの選択処理に先駆けて事前判定している。
確変状態用コマンド設定処理の説明に戻り、図17に示すように、ステップSd4の処理を実行した主制御用CPU30aは、ステップSd1〜Sd4の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンド(事前判定コマンド)を演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd5)。本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドを生成する主制御用CPU30aは、開始前情報生成手段として機能する。
ここで、本実施形態の遊技機10に用意された先読みコマンドについて図19にしたがって説明する。図19に示すように、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは、1バイト(8ビット)の数値からなる第1制御コマンドとしての上位コマンドと、1バイト(8ビット)の数値からなる第2制御コマンドとしての下位コマンドとから構成されている。以下の説明では、先読みコマンドを構成する上位コマンドを「先読み上位コマンド」と示し、先読みコマンドを構成する下位コマンドを「先読み下位コマンド」と示す。
図19(a)に示すように、本実施形態の遊技機10では、先読み上位コマンドの値として、D0H(11010000B)〜DBH(11011011B)までの全12種類が用意されている。
各先読み上位コマンドD0H〜DBHには、確変転落判定(開始前転落判定)の判定結果に関する情報として、確変転落判定の判定結果が肯定となるか否かが特定されており、各先読み上位コマンドの値から確変転落判定の判定結果を特定可能である。具体的に言えば、先読み上位コマンドD0H,D2H,D4H,D6H,D8H,DAHは、確変転落判定(開始前転落判定)の判定結果が否定であることを特定可能な先読み上位コマンドである。即ち、先読み上位コマンドD0H,D2H,D4H,D6H,D8H,DAHは、確変状態から非確変状態へ転落しないで確変状態に維持されることを特定可能な先読み上位コマンドとなる。
また、先読み上位コマンドD1H,D3H,D5H,D7H,D9H,DBHは、確変転落判定(開始前転落判定)の判定結果が肯定となることを特定可能な先読み上位コマンドである。即ち、先読み上位コマンドD1H,D3H,D5H,D7H,D9H,DBHは、確変状態から非確変状態へ転落することを特定可能な先読み上位コマンドとなる。したがって、本実施形態の先読みコマンドは、大当り確率が高確率から低確率へ移行されるか否かに関する情報を特定可能な開始前移行情報となる。また、本実施形態の先読みコマンドは、特図変動ゲームの開始に伴って作動フラグに「0」を設定する制御が実行されるか否か、即ち変短状態から非変短状態へ移行されるか否かに関する情報を特定可能な開始前移行情報でもある。
また、各先読み上位コマンドD0H〜DBHには、大当り判定(開始前大当り判定)の判定結果に関する情報、及び小当り判定(開始前小当り判定及び開始期小当り判定)の判定結果に関する情報として、大当り、小当り、及びはずれの何れとなるかが特定されている。したがって、各先読み上位コマンドの値からは、大当り判定(開始前大当り判定)、及び小当り判定(開始前小当り判定)の判定結果を特定可能である。
具体的に言えば、先読み上位コマンドD0H,D1H,D6H,D7Hは、大当り判定(開始前大当り判定)の判定結果、及び小当り判定(開始前小当り判定)の判定結果が何れも否定であることを特定可能な先読み上位コマンドである。即ち、先読み上位コマンドD0H,D1H,D6H,D7Hは、はずれとなることを特定可能な先読み上位コマンドとなる。
また、先読み上位コマンドD2H,D3H,D8H,D9Hは、大当り判定(開始前大当り判定)の判定結果が肯定であることを特定可能な先読み上位コマンドである。即ち、先読み上位コマンドD2H,D3H,D8H,D9Hは、大当りとなることを特定可能な先読み上位コマンドとなる。したがって、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは開始期大当り判定の判定結果が肯定となるか否かに関する情報を特定可能な開始前大当り情報となる。
さらに、先読み上位コマンドD4H,D5H,DAH,DBHは、小当り判定(開始前小当り判定)の判定結果が肯定であることを特定可能な先読み上位コマンドである。即ち、先読み上位コマンドD4H,D5H,DAH,DBHは、小当りとなることを特定可能な先読み上位コマンドとなる。したがって、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは開始期小当り判定の判定結果が肯定となるか否かに関する情報を特定可能な開始前小当り情報となる。
また、各先読み上位コマンドD0H〜DBHには、各先読み上位コマンドD0H〜DBHで特定可能な情報が、特図1及び特図2の何れの特図変動ゲームに関する情報であるかが特定されており、各先読み上位コマンドの値から特図1及び特図2の何れの特図変動ゲームに関する情報であるかを特定可能である。具体的に言えば、先読み上位コマンドD0H〜D5Hは、特別図柄の種類として特図1(第1特図変動ゲーム)を特定可能な先読み上位コマンドであるとともに、先読み上位コマンドD6H〜DBHは、特別図柄の種類として特図2(第2特図変動ゲーム)であることを特定可能な先読み上位コマンドである。
したがって、例えば、先読み上位コマンドD3Hでは、特図1の特図変動ゲームに関して、確変転落判定(開始期転落判定)の判定結果が肯定となり、且つ大当り判定(開始期大当り判定)の判定結果が肯定となることを特定可能である。即ち、本実施形態の先読み上位コマンドは、開始前転落判定などの判定結果に加えて、その開始前転落判定の判定結果に関する先読み上位コマンドの生成が第1始動口スイッチSW1からの検知信号、及び第2始動口スイッチSW2からの検知信号の何れの検知信号の入力を契機に行われたかに関する情報を特定可能である。以上のように、本実施形態の遊技機10において、先読み上位コマンドからは、特図変動ゲームの実行に関する複数の情報を特定可能に構成されている。
また、図19(b)及び図19(c)に示すように、先読み下位コマンドでは、1又は複数のビット(桁)毎に、特図変動ゲームに関して異なる情報を特定可能に構成されている。
先読み下位コマンドにおいて、ビット0〜1(0〜1桁)には、保留記憶数(第1保留記憶数、又は第2保留記憶数)を特定可能な値が設定される。具体的に言えば、先読み下位コマンドにおいて、ビット0〜1には、保留記憶数=1であることを特定可能な値として00が、保留記憶数=2であることを特定可能な値として01が、保留記憶数=3であることを特定可能な値として02が、保留記憶数=4であることを特定可能な値として11が設定される。なお、先読み下位コマンドから特定可能な保留記憶数が第1保留記憶数、及び第2保留記憶数の何れであるかは、先読み上位コマンドで特定可能な特別図柄の種類によって特定できる。即ち、先読み上位コマンドの値がD0H〜D5Hである場合には、先読み下位コマンドから特定可能な保留記憶数が第1保留記憶数であることを特定できる。また、先読み上位コマンドの値がD6H〜DBHである場合には、先読み下位コマンドから特定可能な保留記憶数が第2保留記憶数であることを特定できる。したがって、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数(第1,第2保留記憶数)に関する情報を特定可能な保留数情報となる。
また、先読み下位コマンドにおいて、ビット2〜3(2〜3桁)には、大当りの種類(特図の大当り図柄)、又はリーチ判定(開始前リーチ判定)の判定結果を特定可能な値が設定される。具体的に言えば、先読み下位コマンドにおいて、ビット2〜3には、大当りA(特図A,a)、又はリーチ判定の判定結果が肯定であることを特定可能な値として00が、大当りB(特図B,b)又はリーチ判定の判定結果が否定であることを特定可能な値として01が、大当りC(特図C,c)であることを特定可能な値として10が設定される。
なお、先読み下位コマンドが大当りの種類、及びリーチ判定の判定結果の何れを特定しているかは、先読み上位コマンドで特定可能な大当り判定及び小当り判定の判定結果によって特定できる。即ち、先読み上位コマンドの値がD2H,D3H,D8H,D9Hの何れかである場合(大当りの場合)には、先読み下位コマンドのビット2〜3の値から大当りの種類(特図)を特定できる。また、先読み上位コマンドの値がD0H,D1H,D6H,D7H(はずれの場合)である場合には、先読み下位コマンドのビット2〜3の値から、リーチ判定の判定結果を特定できる。したがって、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは、主制御用CPU30aが決定する大当りの種類に関する情報を特定可能な開始前大当り種情報となる。
なお、本実施形態の遊技機10において、先読み上位コマンドD0H,D1H,D6H,D7Hが生成される場合(はずれの場合)には、先読み下位コマンドのビット2〜3には00又は01が設定される一方で10が設定されない。また、本実施形態の遊技機10において、先読み上位コマンドD4H,D5H,DAH,DBHが生成される場合(小当りの場合)には、先読み下位コマンドのビット2〜3に10が設定される一方で00及び01が設定されない。
また、先読み下位コマンドにおいて、ビット4〜6(4〜6桁)には、変動パターン振分用乱数の値を用いて選択される変動パターンの種類を特定可能な値が設定される。
具体的に言えば、ビット4〜6には、変動パターンP3であること、又は変動パターンP9a,P10の何れかであることを特定可能な値として000が、変動パターンP4又は変動パターンP7であることを特定可能な値として001が、変動パターンP5又は変動パターンP8であることを特定可能な値として010が設定される。また、ビット4〜6には、変動パターンP6であることを特定可能な値として011が、変動パターンP7であることを特定可能な値として100が設定される。したがって、本実施形態の遊技機10において、先読みコマンドは、開始期大当り判定の判定結果に基づき選択される変動パターンに関する情報を特定可能な開始前変動情報となる。
ここで、先読み下位コマンドから特定可能な変動パターンが複数ある場合、特定可能な複数の変動パターンの何れであるかは、遊技機10の遊技状態(変短状態、非変短状態の何れであるか)によって特定できる。
即ち、例えば、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合、先読み下位コマンドのビット4〜6の値が000のときには変動パターンP3を、001のときには変動パターンP4を、010のときには変動パターンP5を特定できる。また、例えば、遊技機10の遊技状態が変短状態である場合、先読み下位コマンドのビット4〜6の値が000のときには変動パターンP3を、001のときには変動パターンP7を、010のときには変動パターンP8を特定できる。なお、本実施形態の遊技機10において、遊技状態が変短状態である場合には、先読み下位コマンドのビット4〜6に000〜010の何れかが設定される一方で011〜100が設定されない。
以上のように、本実施形態の先読み下位コマンドによれば、作動フラグに「1」が設定されている場合と「0」が設定されている場合とで、異なる変動パターンの判定結果(後述する開始前変動パターン判定の判定結果)を特定可能である。また前述のように、特図1に関する第1事前判定処理では、大当り状態ではなく、且つ非変短状態であることを条件に特図1に関する先読みコマンドが生成される一方で、特図2に関する第2事前判定処理では、変短状態であることを条件に特図2に関する先読みコマンドが生成される。したがって、本実施形態の先読みコマンドでは、先読み上位コマンドが第1始動口スイッチSW1からの検知信号の入力を契機に生成されている場合(特図1を特定可能である場合)と、第2始動口スイッチSW2からの検知信号の入力を契機に生成されている場合(特図2を特定可能である場合)とで、異なる変動パターンを特定可能であると把握することもできる。
また、本実施形態の遊技機10において、先読み上位コマンドD1H,D3H,D5H,D7H,D9H,DBHが生成される場合(非確変状態へ転落する場合)には、先読み下位コマンドのビット4〜6に000が設定される一方で000〜100が設定されない。したがって、先読み下位コマンドのビット4〜6の値が000である場合であって、先読み上位コマンドの値がD1H,D3H,D5H,D7H,D9H,DBHの何れかである場合(非確変状態へ転落する場合)には、先読み下位コマンドから変動パターンP9及び変動パターンP10の何れかであることを特定可能である。以上のように、本実施形態の先読み下位コマンドでは、先読み上位コマンドに特定される確変転落判定の判定結果(確変状態から転落するか否か)に応じても異なる変動パターン(特図変動ゲームの変動内容及び変動時間)を特定可能である。なお、先読み下位コマンドのビット7には、常に0が設定されるようになっている。
確変状態用コマンド設定処理の説明に戻り、図17に示すように、ステップSd5において主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd2の判定結果に対応する先読み上位コマンドの値としてD3H又はD9Hを選択する。即ち、主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD3Hを選択し、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD9Hを選択する。
また、ステップSd5において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数に対応するビット0〜1の値、ステップSd3で判定した大当りの種類(特図の大当り図柄)に対応するビット2〜3の値、及びステップSd4で判定した変動パターンに対応するビット4〜6の値を加算(演算)し、先読み下位コマンドを生成する。そして、主制御用CPU30aは、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定するとともに、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd2の判定結果が否定の場合(大当り判定値と非確変用判定値とが一致しない場合)、ステップSd2の判定に用いた大当り判定用乱数の値と、小当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始前小当り判定を実行する(ステップSd6)。即ち、ステップSd6において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値を用いて実行される小当り判定(開始期小当り判定)で肯定判定されるか否かを、当該小当り判定に先駆けて事前判定している。したがって、主制御用CPU30aは、開始前小当り判定手段として機能する。
ステップSd6の判定結果が肯定の場合(大当り判定値と小当り判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、前述したステップSd4の処理と同様にして開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd7)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd2,Sd6,Sd7の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd8)。即ち、ステップSd8において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD5Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にDBHを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd6の判定結果が否定の場合(大当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得されたリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始前リーチ判定を実行する(ステップSd9)。即ち、ステップSd9において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得されたリーチ判定用乱数の値を用いて実行される開始期リーチ判定で肯定判定されるか否かを、当該開始期リーチ判定に先駆けて事前判定している。
ステップSd9の判定結果が肯定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、前述したステップSd4の処理と同様にして開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd10)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd2,Sd6,Sd9,Sd10の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd11)。即ち、ステップSd11において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD1Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD7Hを先読み上位コマンドとしてとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd9の判定結果が否定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd2,Sd6,Sd9の判定結果、及び更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算(生成)し、出力バッファに設定する(ステップSd12)。即ち、ステップSd12において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD1Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD7Hを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
ステップSd1の判定結果が否定の場合(転落判定用乱数の値と転落判定値とが一致しない場合)、図18に示すように、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値と、大当り判定値のうち前述した確変用判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始前大当り判定を実行する(ステップSd13)。即ち、ステップSd13において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値を用いて実行される大当り判定(開始期大当り判定)で肯定判定されるか否かを、当該大当り判定に先駆けて事前判定している。ステップSd13の処理を実行する主制御用CPU30aは、開始前大当り判定手段として機能する。
次に、ステップSd13の判定結果が肯定の場合(大当り判定用乱数の値と確変用判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、ステップSd3の処理と同様にして特別図柄の大当り図柄の種類を判定する(ステップSd14)。また、主制御用CPU30aは、前述したステップSd4の処理と同様にして開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd15)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd13〜Sd15の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd16)。即ち、ステップSd16において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD2Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD8Hを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd13の判定結果が否定の場合(大当り判定値と確変用判定値とが一致しない場合)、ステップSd6の処理と同様にして開始前小当り判定を実行する(ステップSd17)。ステップSd17の処理を実行する主制御用CPU30aは、開始前小当り判定手段として機能する。ステップSd17の判定結果が肯定の場合(大当り判定値と小当り判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、前述したステップSd4の処理と同様にして開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd18)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd13,Sd17,Sd18の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd19)。即ち、ステップSd19において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD4Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にDAHを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd17の判定結果が否定の場合(大当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSd9の処理と同様にして開始前リーチ判定を実行する(ステップSd20)。ステップSd20の判定結果が肯定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、前述したステップSd4の処理と同様にして開始前変動パターン判定を実行する(ステップSd21)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd13,Sd17,Sd20,Sd21の判定結果、及び特別図柄入力処理で更新した更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算し、生成するとともに、生成した先読みコマンドを出力バッファに設定する(ステップSd22)。即ち、ステップSd22において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD0Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD6Hを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
また、ステップSd20の判定結果が否定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSd1,Sd13,Sd17,Sd20の判定結果、及び更新後の保留記憶数を特定可能な先読みコマンドを演算(生成)し、出力バッファに設定する(ステップSd23)。即ち、ステップSd23において主制御用CPU30aは、第1事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD0Hを、第2事前判定処理のサブルーチンとして確変状態用コマンド設定処理を実行している場合にD6Hを先読み上位コマンドとして選択する。また、主制御用CPU30aは、ステップSd5の処理と同様にして先読み下位コマンドを演算して生成し、生成した先読みコマンド(先読み上位コマンド及び先読み下位コマンド)を出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、確変状態用コマンド設定処理を終了する。
次に、特別図柄入力処理の第1事前判定処理(ステップSb5)におけるサブルーチンとして実行される非確変状態用コマンド設定処理(ステップSc13)、及び第2事前判定処理(ステップSb10)のサブルーチンとして実行される非確変状態用コマンド設定処理(ステップSc23)について、図20にしたがって説明する。本実施形態の遊技機10において、非確変状態用コマンド設定処理には、確変状態用コマンド設定処理におけるステップSd1の開始前転落判定に相当する処理が含まれていない。したがって、主制御用CPU30aは、開始前転落判定の判定結果が否定(非転落)であるものとして、非確変状態用コマンド設定処理に含まれる各処理を実行する。なお、非確変状態用コマンド設定処理におけるステップSd31〜Sd41の処理内容は、前述した確変状態用コマンド設定処理におけるステップSd2〜Sc12の処理内容と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
非確変状態用コマンド設定処理を実行する主制御用CPU30aは、開始前大当り判定手段、及び開始前小当り判定手段として機能する。なお、第1事前判定処理、及び第2事前判定処理によって出力バッファに設定された各先読みコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップSa1)によって演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力される。以上のように、確変状態用コマンド設定処理、及び非確変状態用コマンド設定処理を実行する主制御用CPU30aは、情報出力手段、及び開始前情報出力手段として機能する。
次に、タイマ割込み処理における特別図柄開始処理(ステップSa4)について、図21及び図22にしたがって説明する。
図21に示すように、特別図柄開始処理において主制御用CPU30aは、特図変動ゲーム中又は大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップSe1)。ステップSe1の判定結果が肯定の場合(特図変動ゲーム中又は大当り遊技中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップSe1の判定結果が否定の場合(特図変動ゲーム中でなく、且つ大当り遊技中でもない場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第2保留記憶数を読み出す(ステップSe2)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe2で読み出した第2保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップSe3)。ステップSe3の判定結果が否定の場合(第2保留記憶数=0である場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第1保留記憶数を読み出す(ステップSe4)。次に、主制御用CPU30aは、ステップSe4で読み出した第1保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップSe5)。ステップSe5の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数=0であるの場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップSe5の判定結果が肯定の場合(第1保留記憶数>0である場合)、主制御用CPU30aは、第1特図変動ゲームを実行することを特定可能な情報として、主制御用RAM30cに記憶される特図変動処理フラグに「0」を設定する(ステップSe6)。前述のように、特図変動処理フラグは、実行する特図変動ゲームが第1特図変動ゲーム及び第2特図変動ゲームの何れであるかを特定するための制御フラグである。
次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算して更新する(ステップSe7)。第1保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄表示装置22の表示内容を制御する。このステップSe7の処理は、第1特図変動ゲームの開始時に大当り判定用乱数の値が対応付けられた第1保留記憶数から減算して記憶させる減算記憶処理となる。ステップSe7の処理を実行する主制御用CPU30aは、保留記憶制御手段として機能する。
次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特図振分用乱数)の値を読み出す(ステップSe8)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて、第1保留記憶数=1〜4にそれぞれ対応付けられた4つの記憶領域のうち、最も早く記憶した第1保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出す。そして、ステップSe8において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数=n(但しn=2〜4)に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第1保留記憶数=n−1に対応付けた記憶領域に記憶させる更新記憶処理(所謂シフト処理)を実行する。
即ち、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第1保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶させる。主制御用CPU30aは、第1保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第1保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶する。主制御用CPU30aは、第1保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第1保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶する。
次に、ステップSe8の処理を実行した主制御用CPU30aは、図22に示すステップSe12以降の処理を実行する。なお、このステップSe12以降の処理については後述する。
ステップSe3の判定結果が肯定の場合(第2保留記憶数>0である場合)、主制御用CPU30aは、第2特図変動ゲームを実行することを示す情報として、主制御用RAM30cに記憶される特図変動処理フラグに「1」を設定する(ステップSe9)。
次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算して更新する(ステップSe10)。第2保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。このステップSe10の処理は、第2特図変動ゲームの開始時に大当り判定用乱数の値が対応付けられた第2保留記憶数から減算して記憶させる減算記憶処理となる。ステップSe10の処理を実行する主制御用CPU30aは、保留記憶制御手段として機能する。
次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特図振分用乱数)の値を読み出す(ステップSe11)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて、第2保留記憶数=1〜4にそれぞれ対応付けられた4つの記憶領域のうち、最も早く記憶した第2保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出す。そして、ステップSe11において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数=n(但しn=2〜4)に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第2保留記憶数=n−1に対応付けた記憶領域に記憶させる更新記憶処理(所謂シフト処理)を実行する。
即ち、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第2保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶させる。主制御用CPU30aは、第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第2保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶する。主制御用CPU30aは、第2保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶する。そして、ステップSe11の処理を実行した主制御用CPU30aは、図22に示すステップSe12以降の処理を実行する。
続けて、ステップSe8、又はステップSe11の処理を終了した主制御用CPU30aが実行するステップSe12以降の処理について説明する。
なお、特別図柄開始処理におけるステップSe12以降の処理では、ステップSe8から移行される場合、当該ステップSe8で読み出された同じ入球検知(検知信号の入力)を契機に取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値が用いられる。また、特別図柄開始処理におけるステップSe12以降の処理では、ステップSe11から移行される場合、当該ステップSe11で読み出された同じ入球検知(検知信号の入力)を契機に取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値が用いられる。
図22に示すように、主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップSe12)。具体的に言えば、ステップSe12において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている前述の確変フラグに、確変状態であることを特定可能な情報として「1」が設定されている場合には、肯定判定する一方で、非確変状態であることを特定可能な情報として「0」が設定されている場合には否定判定する。
ステップSe12の判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、主制御用CPU30aは、ステップSe8、又はステップSe11の処理で読み出した転落判定用乱数の値と、転落判定値とを比較して、両値が一致するか否かの開始期転落判定(転落抽選)を実行する(ステップSe13)。この開始期転落判定(ステップSe13)は、特図変動ゲームを開始させるとき(特図変動ゲームの開始時)に行う、大当り確率を高確率から低確率へ移行させるか否かの開始期移行判定(開始時移行判定)となる。また、主制御用CPU30aは、開始期移行判定手段(開始時移行判定手段)として機能する。
ステップSe13の判定結果が肯定の場合(転落判定用乱数の値と転落判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態を確変状態から非確変状態へ移行させることを決定するとともに、主制御用RAM30cに記憶されている確変フラグに、非確変状態であることを示す情報として「0」を設定する(ステップSe14)。本実施形態の遊技機10では、このステップSe14の処理が確率移行制御となる。本実施形態の主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが後述する大当り判定(開始期大当り判定)の判定結果に基づき実行される場合において、確変状態から非確変状態へ移行させるときには演出制御用RAM31cに非確変状態であることを示す情報として「0」を記憶させる確率情報制御手段として機能する。また、ステップSe14において主制御用CPU30aは、確変状態が終了したことを特定可能な確変終了コマンドを生成し、出力バッファに設定する。
次に、主制御用CPU30aは、確変転落判定で肯定判定されたこと(確変転落抽選に当選したこと)を特定可能な情報として、主制御用RAM30cに記憶されている確変転落フラグに「1」を設定する(ステップSe15)。前述のように、確変転落フラグは、特別図柄開始処理において確変転落判定(確変転落抽選)の結果を特定可能なフラグである。
ステップSe15の処理を実行した主制御用CPU30aは、ステップSe16の処理へ移行する。また、ステップSe12の判定結果が否定の場合(非確変状態の場合)、及びステップSe13の判定結果が否定の場合(転落判定用乱数の値と転落判定値とが一致しない場合)についても、主制御用CPU30aは、ステップSe16の処理へ移行する。このため、遊技機10の遊技状態が非確変状態である場合、及び遊技機10の遊技状態が確変状態である場合であって非確変状態への転落が決定されなかった場合には、確変フラグの値が書き換えられない。
ステップSe16において主制御用CPU30aは、ステップSe8、又はステップSe11において読み出した大当り判定用乱数の値と、大当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始期大当り判定を実行する(ステップSe16)。このとき、主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「1」である場合(確変状態である場合)、大当り判定値のうち確変用判定値を用いて開始期大当り判定を実行する。その一方で、主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「0」である場合(非確変状態である場合)、大当り判定値のうち非確変用判定値(=共通値)を用いて開始期大当り判定を実行する。即ち、本実施形態の主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている確変フラグの値(確率情報)から特定可能な大当り確率により開始期大当り判定(大当り判定,大当り抽選)を実行する。
このような構成によれば、本実施形態の主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームを開始させるとき(開始時)に、第2保留記憶数(第2始動保留球)が記憶されていない場合(第2保留記憶数=0の場合)であって第1保留記憶数(第1始動保留球)が記憶されている場合(第1保留記憶数>0の場合)、第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値を用いて開始期大当り判定を実行する。一方、本実施形態の主制御用CPU30aは、第2保留記憶数(第2始動保留球)が記憶されている場合(第2保留記憶数>0)、第1保留記憶数(第1始動保留球)が記憶されているか否かにかかわらず、第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値を用いて開始期大当り判定を実行する。したがって、本実施形態の遊技機10では、仮に第1特図変動ゲームの実行が保留されている場合であっても、保留中の第2特図変動ゲームがある場合、当該保留中の第2特図変動ゲームを割り込ませて優先的に実行させる。
ステップSe16の判定結果が肯定の場合(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致した場合)、主制御用CPU30aは、大当りとすることを決定するとともに、ステップSe8、又はステップSe11において読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定する(ステップSe17)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、ステップSe8、又はステップSe11において読み出した特別図柄振分用乱数の値に対応付けられた特図による大当り図柄を決定する。
特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、ステップSe17で決定された大当り図柄は、第1特図変動ゲームを表示する第1特別図柄表示装置22に確定停止表示させる大当り図柄となる。その一方で、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、ステップSe17で決定された大当り図柄は、第2特図変動ゲームを表示する第2特別図柄表示装置23に確定停止表示させる大当り図柄となる。前述のように、本実施形態の遊技機10では、大当りの種類が大当り図柄に対応付けられていることから、大当り図柄が決定されることにより大当りの種類が決定される。したがって、本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30aが大当りの種類を決定する大当り種決定手段として機能する。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe16の判定結果、各種フラグに設定されている値、及びステップSe8,Se11で読み出した変動パターン振分用乱数の値をもとに変動パターンを選択し、決定する(ステップSe18)。
具体的に言えば、ステップSe18において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている作動フラグに、遊技機10の遊技状態が非変短状態であることを特定可能な情報として「0」が設定されている場合、前述の第1変動パターン振分テーブルTa1を選択する(図10に示す)。また、主制御用CPU30aは、作動フラグに変短状態であることを特定可能な情報として「1」が設定されており、且つ変短終了条件を抽選終了条件としていないこと(第1変短期間T1であること)を特定可能な情報として「0」がアルファフラグに設定されている場合、第2変動パターン振分テーブルTa2を選択する(図11に示す)。また、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」が設定されており、且つ変短終了条件を抽選終了条件としていること(第2変短期間T2であること)を特定可能な情報として「1」がアルファフラグに設定されている場合、第3変動パターン振分テーブルTa3を選択する(図12に示す)。
そして、図21に示すように、主制御用CPU30aは、確変転落フラグの値から特定可能な確変転落判定(ステップSe13)の判定結果、及び開始期大当り判定(ステップSe16)の判定結果と、ステップSe8,Se11で読み出された変動パターン振分用乱数の値をもとに、選択した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。
次に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの実行にかかわる各種処理を実行する(ステップSe19)。ステップSe19において、主制御用CPU30aは、変動パターンを特定可能であるとともに飾図の図柄変動ゲームの開始を指示するための変動情報としての変動パターン指定コマンドを生成し、出力バッファに設定する。なお、図10〜図12に示すように、本実施形態の遊技機10では、第1特図変動ゲームに関する変動パターンであることを特定可能な特図1用のコマンド値と、第2特図変動ゲームに関する変動パターンであることを特定可能な特図2用のコマンド値とが変動パターン毎に設定されている。例えば、変動パターン指定コマンド8001Hでは、変動パターンP1に基づき第1特図変動ゲームが実行されることを特定可能であり、変動パターン指定コマンド8101Hでは、変動パターンP1に基づき第2特図変動ゲームが実行されることを特定可能である。
ステップSe19において、主制御用CPU30aは、特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、変動パターン指定コマンドの値として特図1用のコマンド値を用いる一方で、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、変動パターン指定コマンドの値として特図2用のコマンド値を用いる。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが開始時情報生成手段として機能する。また、ステップSe19において、主制御用CPU30aは、決定した特図(特図の種類)を特定可能な特図指定コマンドを生成し、出力バッファに設定する。
また、ステップSe19において、主制御用CPU30aは、特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、特図1の変動表示を開始させるように第1特別図柄表示装置22の表示内容を制御する。一方、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、主制御用CPU30aは、特図2の変動表示を開始させるように第2特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンから特定可能な特図変動ゲームの変動時間(演出時間)の計測を開始する。
また、ステップSe19において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている確変転落フラグの値として「1」が設定されている場合に「0」を設定し、確変転落フラグをクリアする。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理の実行に伴って出力バッファに設定された各種コマンドは、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理によって順次、演出制御基板31へ出力される。
また、ステップSe16の判定結果が否定の場合(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSe16の開始前大当り判定に用いた大当り判定用乱数の値と、小当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始期小当り判定を実行する(ステップSe20)。したがって、主制御用CPU30aは、開始期小当り判定手段として機能する。
ステップSe20の判定結果が肯定の場合(大当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、小当りとすることを決定するとともに特図による小当り図柄を決定する(ステップSe21)。特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、ステップSe21で決定された小当り図柄は、第1特図変動ゲームを表示する第1特別図柄表示装置22に確定停止表示させる小当り図柄となる。その一方で、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、ステップSe21で決定された小当り図柄は、第2特図変動ゲームを表示する第2特別図柄表示装置23に確定停止表示させる小当り図柄となる。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe16,Se20の判定結果、各種フラグに設定されている値、及びステップSe8,Se11で読み出した変動パターン振分用乱数の値をもとに、前述したステップSe18と同様にして変動パターンを選択し、決定する(ステップSe22)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSe19の処理へ移行する。
また、ステップSe20の判定結果が否定の場合(大当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、はずれを決定するとともに、ステップSe8又はステップSe11で読み出したリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値とを比較し、両値が一致するか否かの開始期リーチ判定を実行する(ステップSe23)。
ステップSe23の判定結果が肯定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、特図によるはずれ図柄を決定する(ステップSe24)。特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、ステップSe24で決定されたはずれ図柄は、第1特図変動ゲームを表示する第1特別図柄表示装置22に確定停止表示させるはずれ図柄となる。その一方で、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、ステップSe24で決定されたはずれ図柄は、第2特図変動ゲームを表示する第2特別図柄表示装置23に確定停止表示させるはずれ図柄となる。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe16,Se20,Se23の判定結果、各種フラグに設定されている値、及びステップSe8,Se11で読み出した変動パターン振分用乱数の値をもとに、前述したステップSe18と同様にして変動パターンを選択し、決定する(ステップSe25)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSe19の処理へ移行する。
また、ステップSe23の判定結果が否定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、特図によるはずれ図柄を決定する(ステップSe26)。特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、ステップSe26で決定されたはずれ図柄は、第1特図変動ゲームを表示する第1特別図柄表示装置22に確定停止表示させるはずれ図柄となる。その一方で、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、ステップSe26で決定されたはずれ図柄は、第2特図変動ゲームを表示する第2特別図柄表示装置23に確定停止表示させるはずれ図柄となる。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe16,Se20,Se23の判定結果、各種フラグに設定されている値、及びステップSe8,Se11で読み出した変動パターン振分用乱数の値をもとに、前述したステップSe18と同様にして変動パターンを選択し、決定する(ステップSe27)。
なお、ステップSe27において主制御用CPU30aは、変動パターンP1,P2の何れかを選択する場合、作動フラグに「0」が設定されているときには、第1保留記憶数及び第2保留記憶数の合算値をもとに第1変動パターン振分テーブルTa1を参照して変動パターンを選択する。その一方で、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」が設定されている場合には、第2保留記憶数をもとに第2変動パターン振分テーブルTa2を参照して変動パターンを選択する。したがって、本実施形態の遊技機10では、各保留記憶数の合算値、又は第2保留記憶数が2以上の場合、2未満の場合と比較して変動パターンP2が選択される割合が高くなる。このため、各保留記憶数の合算値、又は第2保留記憶数が2以上の場合には、各保留記憶数の合算値、又は第2保留記憶数が2未満の場合と比較して、特図変動ゲームの変動時間の平均が短くなる。本実施形態の遊技機10では、ステップSe18,Se22,Se25,Se27において変動パターンを選択(決定)する主制御用CPU30aが変動パターン選択手段、及び導出パターン選択手段として機能する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSe19の処理へ移行する。
そして、本実施形態の遊技機10において、主制御用CPU30aは、上述した特別図柄開始処理とは別の特別図柄変動処理(図示しない)において、決定した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、確定停止表示させる特図として決定した特図を確定停止表示させるように各特別図柄表示装置22,23の表示内容を制御する。具体的に説明すると、特図変動処理フラグに「0」が設定されている場合、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンから特定可能な変動時間(演出時間)の経過時に、特別図柄開始処理で決定した特図1を確定停止表示させるように第1特別図柄表示装置22の表示内容を制御する。また、特図変動処理フラグに「1」が設定されている場合、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンから特定可能な変動時間(演出時間)の経過時に、特別図柄開始処理で決定した特図2を確定停止表示させるように第2特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンに定められている変動時間(演出時間)の経過時に、飾図の図柄変動ゲームを終了させるためのゲーム終了コマンドを出力バッファに設定し、演出制御基板31に出力させる。
したがって、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理(第1,第2事前判定処理)は、第1始動入賞口24又は第2始動入賞口25への入球検知時に実行される処理となり、当該入球検知に基づく特図変動ゲームを開始させるとき(特別図柄開始処理の実行)よりも前に実行される処理となる。
そして、本実施形態の遊技機10において、特図変動ゲームを開始させるときより前(特別図柄入力処理)に実行される開始前転落判定では、特図変動ゲームを開始させるとき(特別図柄開始処理)に実行される開始期転落判定に用いられる転落判定用乱数の値と、転落判定値とが一致するか否かを事前判定している。したがって、開始前転落判定の判定結果と、開始期転落判定の判定結果とは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
また、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理で実行される開始前大当り判定では、特別図柄開始処理に実行される開始期大当り判定に用いられる大当り判定用乱数の値と、大当り判定値とが一致するか否かを事前判定している。したがって、開始前大当り判定の判定結果と、開始期大当り判定の判定結果とは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
また、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理で実行される開始前大当り種判定(開始前特図判定)では、特別図柄開始処理において大当りの種類(特図の大当り図柄)を決定する際に用いる特別図柄振分用乱数の値に対応付けられた特図の大当り図柄(大当りの種類)を事前判定している。したがって、開始前大当り種判定(開始前特図判定)で判定された大当り図柄(大当りの種類)と、特別図柄開始処理において決定される大当り図柄(大当りの種類)とは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
また、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理に実行される開始前小当り判定では、特別図柄開始処理に実行される開始期小当り判定に用いられる大当り判定用乱数の値と、小当り判定値とが一致するか否かを事前判定している。したがって、開始前小当り判定の判定結果と、開始期小当り判定の判定結果とは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
また、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理に実行される開始前リーチ判定では、特別図柄開始処理に実行される開始期リーチ判定に用いられるリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値とが一致するか否かを事前判定している。したがって、開始前リーチ判定の判定結果と、開始期リーチ判定の判定結果とは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
また、本実施形態の遊技機10において、特別図柄入力処理にて実行される開始前変動パターン判定では、特別図柄開始処理において変動パターンを決定する際に用いられる変動パターン振分用乱数の値と、変動パターン振分テーブルTa1〜Ta3を用いて変動パターンを事前判定している。したがって、開始前変動パターン判定により判定される変動パターンと、特別図柄開始処理において決定される変動パターンとは、遊技機10の遊技状態が変化しない限りにおいて一致する。
次に、タイマ割込み処理における当り中処理(ステップSa5)について説明する。なお、以下の説明では、当り中処理に含まれる各種処理の実行によって主制御用CPU30aが行う処理(動作)について簡単に説明する。
直前に実行された特図変動ゲームの特別図柄開始処理において、大当りが決定されている場合、主制御用CPU30aは、当り中処理の実行によって大当り遊技を付与する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、大当りの特図変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示する大当り遊技用のオープニングコマンドを生成し、出力バッファに設定する。
次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間(本実施形態では10秒)の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを生成し、出力バッファに設定する。また、主制御用CPU30aは、大入賞口ソレノイドSOL2を制御することにより、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉29aを開動作させて大入賞口29を開放させるとともに、前述した第1終了条件、又は第2終了条件の成立を契機に大入賞口扉29aを閉動作させて大入賞口29を閉鎖させる。
そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示する大当り遊技用のエンディングコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
また、直前に実行された特図変動ゲームの特別図柄開始処理において、小当りが決定されている場合、主制御用CPU30aは、当り中処理の実行によって小当り遊技を付与する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、小当りの特図変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示する小当り遊技用のオープニングコマンドを生成し、出力バッファに設定する。
次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間(本実施形態では0秒)の経過後、大入賞口ソレノイドSOL2を制御することにより大入賞口扉29aを開動作させて大入賞口29を開放させる。なお、本実施形態の主制御用CPU30aは、小当り遊技に関しても、前述した第1終了条件、又は第2終了条件の成立を契機に大入賞口扉29aを閉動作させて大入賞口29を閉鎖させる。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口29を閉鎖させると、エンディング演出の実行を指示する小当り遊技用のエンディングコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間(本実施形態では1.5秒)の経過時にエンディング演出を終了させることによって小当り遊技を終了させる。
なお、当り中処理の実行に伴って出力バッファに設定された各種コマンドは、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップSa1)の実行によって演出制御基板31へ順次、出力される。したがって、本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30aが大入賞口29の開放態様を制御して大当り遊技及び小当り遊技を付与する開放制御手段、及び開放態様制御手段として機能する。
次に、タイマ割込み処理における作動フラグ設定処理(ステップSa6)について、図23にしたがって説明する。
図23に示すように、作動フラグ設定処理において主制御用CPU30aは、大当り遊技が開始したか否かを判定する(ステップSf1)。具体的に言えば、ステップSf1において主制御用CPU30aは、同じ制御周期にて行われた当り中処理にて、大当り遊技用のオープニングコマンドを生成して出力バッファに設定したか否かを判定する。ステップSf1の判定結果が肯定の場合(大当り遊技が開始される場合)、主制御用CPU30aは、今回の大当り遊技の直前に実行された特図変動ゲームの特別図柄開始処理にて決定された大当りの種類(大当り図柄)を特定可能な情報として、大当り情報(例えば制御フラグなど)を主制御用RAM30cに記憶させる(ステップSf2)。次に、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定する(ステップSf4)。その後、主制御用CPU30aは、作動フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップSf1の判定結果が否定の場合(大当り遊技が開始されない場合)、主制御用CPU30aは、大当り遊技が終了したか否かを判定する(ステップSf4)。具体的に言えば、ステップSf4において主制御用CPU30aは、前述した当り中処理の実行によって大当り遊技用のエンディングコマンドを生成して出力バッファに設定してから、エンディング時間(本実施形態では10秒)が経過したか否かを判定する。
ステップSf4の判定結果が肯定の場合(大当り遊技が終了した場合)、主制御用RAM30cに記憶されている前述のアルファフラグに、変短終了条件を抽選終了条件としていないことを特定可能な情報として「0」を設定する(ステップSf5)。前述のように、このアルファフラグには、変短終了条件が回数切終了条件又は分岐回数終了条件である場合には「0」が、抽選終了条件である場合には「1」が設定される。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数カウンタに、ステップSf2で設定されている大当り情報から特定可能な大当りの種類に設定された変短上限回数又は分岐回数を設定する(ステップSf6)。具体的に説明すると、大当り情報から大当りA,a(変短100回大当り)が特定される場合、主制御用CPU30aは、変短上限回数として設定された「100回」を作動回数カウンタに設定する。また、大当り情報から大当りB,b(特殊変短大当り)が特定される場合、主制御用CPU30aは、分岐回数として設定された「100回」を作動回数カウンタに設定する。また、大当り情報から大当りC,c(変短50回大当り)が特定される場合、主制御用CPU30aは、変短上限回数として設定された「50回」を作動回数カウンタに設定する。したがって、本実施形態の遊技機10では、主制御用CPU30aが非移行回数となる変短上限回数、及び分岐回数を特定する非移行回数特定手段として機能する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている作動フラグに、変短状態であることを特定可能な情報として「1」を設定する(ステップSf7)。また、作動フラグに「1」を設定した主制御用CPU30aは、変短状態であることを特定可能な変短作動コマンドを生成し、出力バッファに設定する。また、ステップSf7において主制御用CPU30aは、確変フラグに「1」を設定するとともに、遊技機10の遊技状態が確変状態であることを特定可能な確変開始コマンドを生成し、出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、作動フラグ設定処理を終了する。
また、ステップSf4の判定結果が否定の場合(大当り遊技が終了しない場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されているアルファフラグに「0」が設定されているか否かを判定する(ステップSf8)。ステップSf8の判定結果が肯定の場合(変短終了条件が回数切終了条件又は分岐回数終了条件である場合)、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を実行する(ステップSf9)。この回数契機変短処理については後述する。その後、主制御用CPU30aは、作動フラグ設定処理を終了する。また、ステップSf8の判定結果が否定の場合(変短終了条件が抽選終了条件である場合)、主制御用CPU30aは、抽選契機変短処理を実行する(ステップSf10)。この抽選契機変短処理については後述する。その後、主制御用CPU30aは、作動フラグ設定処理を終了する。
次に、作動フラグ設定処理のサブルーチンとして実行される回数契機変短処理(ステップSf9)について、図24にしたがって説明する。
図24に示すように、回数契機変短処理において主制御用CPU30aは、まず特図変動ゲームが終了したか否かを判定する(ステップSg1)。具体的に言えば、ステップSg1において主制御用CPU30aは、今回の制御周期においてゲーム終了コマンドを生成し出力バッファに設定したか否かを判定する。そして、ステップSg1の判定結果が否定の場合(特図変動ゲームを終了させない場合)、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。一方、ステップSg1の判定結果が肯定の場合(特図変動ゲームを終了させる場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数カウンタに設定された特図変動ゲームの回数が1以上であるか否かを判定する(ステップSg2)。なお、このステップSg2の判定結果が肯定となる場合は、大当り遊技の終了後に分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームが終了していないときである。
ステップSg2の判定結果が否定の場合(作動回数カウンタ=0である場合)、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。一方、ステップSg2の判定結果が肯定の場合(作動回数カウンタ≧1である場合)、主制御用CPU30aは、作動回数カウンタに設定されている特図変動ゲームの回数から1減算し、作動回数カウンタに設定されている値を更新する(ステップSg3)。ステップSg2において主制御用CPU30aは、更新後の作動回数カウンタに示される特図変動ゲームの回数を特定可能な非移行回数情報としての作動回数コマンドを生成し、出力バッファに設定する。
次に、主制御用CPU30aは、減算後の作動回数カウンタに設定された特図変動ゲームの回数が0(零)であるか否かを判定する(ステップSg4)。即ち、ステップSg4において主制御用CPU30aは、作動回数カウンタに設定された変短上限回数、又は分岐回数分の特図変動ゲームが終了したか否かを判定する。ステップSg4の判定結果が否定の場合(作動回数カウンタ≧1の場合)、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。
一方、ステップSg4の判定結果が肯定の場合(作動回数カウンタ=0の場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている大当り情報から特定される大当りの種類が大当りB,b(特殊変短大当り)であるか否かを判定する(ステップSg5)。即ち、ステップSg5において主制御用CPU30aは、前回付与された大当り(直近に付与された大当り)の種類が大当りB,b(特殊変短大当り)であるか否かを判定することにより、分岐回数終了条件及び回数切終了条件の何れを変短終了条件とするのかを判定している。
ステップSg5の判定結果が肯定の場合(直近に付与された大当りが大当りB,bである場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている確変フラグに、確変状態であることを特定可能な情報として「1」が設定されているか否かを判定する(ステップSg6)。即ち、ステップSg6において主制御用CPU30aは、大当りB,bに基づく大当り遊技の終了後から分岐回数分の特図変動ゲームが終了した時点において、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを判定することにより、分岐回数終了条件が成立していないか否かを判定している。
ステップSg6の判定結果が肯定の場合(分岐回数終了条件が成立していない場合)、主制御用CPU30aは、変短終了条件を抽選終了条件とすることを特定可能な情報として「1」を主制御用RAM30cに記憶されているアルファフラグに設定する(ステップSg7)。即ち、ステップSg7において主制御用CPU30aは、アルファフラグの値を「0」から「1」の更新することにより、変短終了条件を分岐回数終了条件から抽選終了条件へ切り替える。また、アルファフラグの値に「1」を設定した主制御用CPU30aは、分岐回数分の特図変動ゲームの終了(第1変短期間T1の経過)に伴って、第2変短期間T2が開始されることを特定可能な第2変短期間開始コマンドを生成し、出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。
同様に、ステップSg6の判定結果が否定の場合(分岐回数終了条件が成立している場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている作動フラグに、非変短状態であることを特定可能な情報として「0」を設定する(ステップSg8)。即ち、ステップSg8において主制御用CPU30aは、分岐回数終了条件が成立している場合に、作動フラグの値を「1」から「0」へ更新することによって、変短状態から非変短状態へ移行(転落)させ、変短状態を終了させる。このように、分岐回数終了条件が成立する場合、変短状態は、特図変動ゲームが終了するとき(終了時)に終了する。したがってステップSg8の処理は、第1変短期間T1において分岐回数終了条件が成立する場合に、分岐回数の特図変動ゲームの実行に伴って作動フラグに「0」を設定する通常動作態様移行制御となる。また、作動フラグに「0」を設定した主制御用CPU30aは、非変短状態であることを特定可能な変短終了コマンドを生成し、出力バッファに設定する。この変短終了コマンドは、変短状態が終了されることを特定可能な制御コマンドとして把握することもできる。その後、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。
また、ステップSg5の判定結果が否定の場合(直近に付与された大当りが大当りB,bではない場合)、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定する(ステップSg8)。なお、ステップSg5の判定結果が否定となる場合は、直近に付与された大当りが大当りA,a,C,cの何れかである場合であって、作動回数カウンタに設定された回数分の特図変動ゲームが終了、即ち回数切終了条件が成立した場合である。この場合、主制御用CPU30aは、作動フラグの値を「1」から「0」へ更新することによって、変短状態から非変短状態へ移行(転落)させ、変短状態を終了させる。このように、回数切終了条件が成立する場合、変短状態は、特図変動ゲームが終了するとき(終了時)に終了する。また、作動フラグに「0」を設定した主制御用CPU30aは、変短終了コマンドを生成し出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、回数契機変短処理を終了する。なお、回数契機変短処理の実行によって出力バッファに設定されたコマンドは、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップSa1)の実行によって演出制御基板31へ順次、出力される。
次に、作動フラグ設定処理のサブルーチンとして実行される抽選契機変短処理(ステップSf10)について、図25にしたがって説明する。なお、この抽選契機変短処理は、作動フラグ設定処理におけるステップSf8の判定結果が否定の場合(変短終了条件として抽選終了条件が設定されている場合)にのみ実行される処理である。
図25に示すように、抽選契機変短処理において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている確変転落フラグに、特別図柄開始処理における確変転落判定(ステップSe14)の判定結果が肯定となったことを特定可能な情報として「1」が設定されているか否かを判定する(ステップSh1)。即ち、ステップSh1において主制御用CPU30aは、今回の制御周期において、特別図柄開始処理における確変転落判定の判定結果が肯定となることで、抽選終了条件が成立したか否かを判定している。
ステップSh1の判定結果が否定の場合(今回の制御周期における確変転落判定の判定結果が否定である場合)、主制御用CPU30aは、主制御用CPU30aは、抽選契機変短処理を終了する。
一方、ステップSh1の判定結果が肯定の場合(今回の制御周期における確変転落判定の判定結果が肯定である場合)、主制御用CPU30aは、確変転落フラグに「0」を設定してクリアする(ステップSh2)。次に、主制御用CPU30aは、アルファフラグに「0」を設定しクリアする(ステップSh4)。次に、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定する(ステップSh4)。即ち、ステップSh4において主制御用CPU30aは、抽選終了条件が成立している場合、作動フラグの値を「1」から「0」へ更新することによって、変短状態から非変短状態へ移行(転落)させ、変短状態を終了させる。また、作動フラグに「0」を設定した主制御用CPU30aは、非変短状態であることを特定可能な変短終了コマンドを生成し、出力バッファに設定する。このように、抽選終了条件が成立する場合、変短状態は、特図変動ゲームを開始させるとき(開始時)に終了する。
したがって、本実施形態の遊技機10では、ステップSh4の処理が、主制御用RAM30cに記憶されている確変フラグに「0(=低確率情報)」を設定することに伴って、主制御用RAM30cに記憶されている作動フラグに「0(=通常動作情報)」を記憶させる特別情報制御、及び動作態様移行制御となる。また、ステップSh4の処理は、第1変短期間T1において分岐回数終了条件が成立しない場合に、開始期転落判定の判定結果が肯定となることを条件として作動フラグに「0」を設定する特別動作態様移行制御となる。そして、ステップSh4を実行する主制御用CPU30aは、動作情報制御手段として機能する。
さらに、ステップSh4の処理は、第1変短期間T1において分岐回数終了条件が成立しない場合に、開始期転落判定の判定結果が肯定となることを条件として、普通当り確率を高確率から低確率へ移行させる場合、主制御用RAM30cに記憶されている作動フラグに「0」を設定する確率移行制御となる。そして、ステップSh4を実行する主制御用CPU30aは、確率情報制御手段として機能する。したがって、前述した特別図柄開始処理のステップSe13は、特図変動ゲームを開始させるときよりも前に、当該特図変動ゲームの開始に伴ってステップSh4の処理(確率移行制御)が実行されるか否かを判定する開始前移行判定となる。その後、主制御用CPU30aは、抽選契機変短処理を終了する。なお、抽選契機変短処理の実行によって出力バッファに設定されたコマンドは、前述したタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップSa1)の実行によって演出制御基板31へ順次、出力される。
次に、タイマ割込み処理における入力処理(ステップSa2)で実行される普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において主制御用CPU30aは、各ゲートスイッチSW4,SW5から検知信号を入力したか否かに基づき、各ゲート28a,28bに遊技球が通過(入球)したか否かの通過判定(入球判定)を実行する。この通過判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。その一方で、前記通過判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留数判定を実行する。この保留数判定の判定結果が否定の場合(普図保留記憶数=4である場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。一方、前記保留数判定の判定結果が肯定の場合(普図保留記憶数<4である場合)、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算し、普図保留記憶数を書き換える。普図保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置26aの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、乱数生成器30d(第1乱数生成回路R1)から普図当り判定用乱数(第1ハードウェア乱数)の値を取得し、当該取得した普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cにおいて普図保留記憶数に対応付けられた記憶領域に設定する。したがって、主制御用RAM30cは、普通乱数記憶手段として機能するとともに、主制御用CPU30aは、普通乱数取得手段として機能する。その後、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理における普通図柄開始処理(ステップSa6)について、図26にしたがって説明する。
図26に示すように、普通図柄開始処理において主制御用CPU30aは、普図ゲーム中であるか否か、及び普図当り遊技中であるか否かを判定する(ステップSi1)。ステップSi1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、ステップSi1の判定結果が否定の場合(普図ゲーム中でなく、且つ、普図当り遊技中でない場合)、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を読み出す(ステップSi2)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSi2で読み出した普図保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップSi3)。ステップSi3の判定結果が否定の場合(普図保留記憶数=0である場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、ステップSi3の判定結果が肯定の場合(普図保留記憶数>0)、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数から1減算して更新する(ステップSi4)。普図保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置26aの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す(ステップSi5)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて、普図保留記憶数=1〜4にそれぞれ対応付けられた4つの記憶領域のうち、最も早く記憶した普図保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSi5で読み出した普図当り判定用乱数の値と、普図当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かの普図当り抽選及び普通当り判定としての普図当り判定を実行する(ステップSi6)。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグの値が「1」である場合(変短状態である場合)、変短状態用の普図当り判定値を用いて普図当り判定を実行する。その一方で、主制御用CPU30aは、作動フラグの値が「0」である場合(非変短状態である場合)、非変短状態用の普図当り判定値を用いて普図当り判定を実行する。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、普図ゲームを開始させるときに、演出制御用RAM31cに記憶されている普図当り判定用乱数の値を用いて、作動フラグに設定されている値から特定可能な普通当り確率により普図当り判定を実行する普通当り判定手段として機能する。
そして、ステップSi6の判定結果が肯定の場合(普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、普図当りとすることを決定するとともに、普通図柄表示装置26に確定停止表示させる普図として普通当り図柄を決定する(ステップSi7)。その後、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を決定する(ステップSi8)。ステップSi8において主制御用CPU30aは、作動フラグの値が「1」である場合(変短状態である場合)、作動フラグの値が「0」である場合(非変短状態である場合)と比較して短い時間を普図ゲームの変動時間として決定する。なお、本実施形態の遊技機10では、変短状態である場合における普図ゲームの変動時間を0.52(秒)とし、非変短状態である場合における普図ゲームの変動時間を12(秒)としている。そして、ステップSi8の処理を実行した主制御用CPU30aは、ステップSi9の処理へと進む。
一方、ステップSi6の判定結果が否定の場合(普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、普図はずれとすることを決定するとともに、普通図柄表示装置26に確定停止表示させる普図として普通はずれ図柄を決定する(ステップSSi10)。次に、主制御用CPU30aは、ステップSi8の処理と同様にして普図ゲームの変動時間を決定する(ステップSi11)。ステップSi11の処理を実行した主制御用CPU30aは、ステップSi9の処理へと進む。
ステップSi9において主制御用CPU30aは、普図ゲームにかかわる各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、普通図柄の変動表示(普図ゲーム)を開始させるように普通図柄表示装置26の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間(演出時間)の計測を開始する。
なお、主制御用CPU30aは、上述した普通図柄開始処理とは別の普通図柄変動処理(図示しない)において、決定している普図ゲームの変動時間の経過時に、決定している普図を確定停止表示させるように普通図柄表示装置26の表示内容を制御する。
次に、タイマ割込み処理における普通電動役物処理(ステップSa8)について説明する。なお、以下の説明では、当該普通電動役物処理に含まれる各種処理の実行によって主制御用CPU30aが行う処理(動作)について簡単に説明する。
直前に実行された普図ゲームの普通図柄開始処理において、普図当りが決定されている場合、主制御用CPU30aは、普通電動役物処理の実行によって普図当り遊技を付与する。主制御用CPU30aは、普図当りの普図ゲームが終了した後、変短状態であるか否かに応じて普通電動役物ソレノイドSOL1を制御し、遊技機10の遊技状態に応じた開放パターン(開放態様)により開閉羽根27を開放させる。
具体的に言えば、作動フラグに「0」が設定されている場合(非変短状態である場合)、主制御用CPU30aは、開閉羽根27を第1回数(本実施形態では1回)開放させるとともに、開閉羽根27を開放させてから予め定めた第1開放時間(本実施形態では0.1秒)が経過する迄の間、開放させる。
一方、作動フラグに「1」が設定されている場合(変短状態である場合)、主制御用CPU30aは、開閉羽根27を第1回数より多い第2回数(本実施形態では2回)開放させるとともに、各回の開放において、開閉羽根27を開放させてから第1開放時間より長い第2開放時間(本実施形態では2.7秒)が経過する迄の間、開放させる。なお、主制御用CPU30aは、開閉羽根27を開放させている間に、第2始動入賞口25に入球した遊技球の個数が予め定めた入球上限個数(本実施形態では9個)に達した場合、開放時間の経過前であっても開閉羽根27を閉鎖させる。
したがって、上記普通図柄開始処理、及び普通電動役物処理を実行する主制御用CPU30aは、作動フラグに設定された値で特定可能な動作態様に開閉羽根27を制御する開閉制御手段として機能する。即ち、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」が設定されている場合には、遊技機10の遊技状態を非入球率向上状態に制御する一方で、作動フラグに「1」が設定されている場合には、遊技機10の遊技状態を入球率向上状態に制御する。
次に、タイマ割込み処理における記憶コマンド設定処理(ステップSa9)について、図27にしたがって説明する。
図27に示すように、記憶コマンド設定処理において、主制御用CPU30aは、まず主制御用RAM30cに記憶されている第1前回記憶数と、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数とが一致するか否かを判定する(ステップSj1)。ここで、第1前回記憶数は、前回(直近)のタイマ割込み処理(制御周期)において、記憶コマンド設定処理を実行した時点の第1保留記憶数を示す制御情報(フラグなど)である。
本実施形態のタイマ割込み処理において、記憶数コマンド設定処理(ステップSa9)は、第1保留記憶数に1加算される可能性のある特別図柄入力処理(ステップSa2)、及び第1保留記憶数が1減算される可能性のある特別図柄開始処理(ステップSa4)が実行されたあとに実行される。したがって、ステップSj1において主制御用CPU30aは、今回のタイマ割込み処理において、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理が実行されることに伴って第1保留記憶数が変化したか否かを判定している。
例えば、1回のタイマ割込み処理(制御周期)内において、第1始動口スイッチSW1からの検知信号の入力に基づき第1保留記憶数が1加算され、且つ第1特図変動ゲームの開始に伴って第1保留記憶数が1減算された場合には、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の開始前と開始後とで第1保留記憶数が変化しない。具体的な例を挙げれば、例えば第1保留記憶数が0(零)であり、且つ第1特図変動ゲームが実行されていない状態において、第1始動入賞口24に遊技球が入球した場合や、第1保留記憶数が1〜3である場合であって、第1特図変動ゲームが開始されるタイマ割込み処理(制御周期)内において、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力する場合が考えられる。
また、1回のタイマ割込み処理(制御周期)内において、第1始動口スイッチSW1からの検知信号の入力に基づき第1保留記憶数が1加算され、且つ第1特図変動ゲームが開始されない場合には、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の開始前と開始後とで第1保留記憶数が1増加(変化)する。また、1回のタイマ割込み処理(制御周期)内において、第1始動口スイッチSW1からの検知信号の入力がなされず、且つ第1特図変動ゲームの開始に伴って第1保留記憶数が1減算された場合には、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の開始前と開始後とで第1保留記憶数が1減少(変化)する。
ステップSj1の判定結果が否定の場合(第1前回保留数と第1保留記憶数とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、変化後の第1保留記憶数を特定可能な保留数変化情報としての第1保留記憶コマンドを生成し、出力バッファに設定する(ステップSj2)。
ステップSj2の処理を終了した場合、又はステップSj1の判定結果が肯定の場合(第1前回保留数と第1保留記憶数とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数を読み出すとともに、当該読み出した第1保留記憶数を第1前回記憶数として主制御用RAM30cに設定する(ステップSj3)。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2前回記憶数と、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数とが一致するか否かを判定する(ステップSj4)。第2前回記憶数は、前回(直近)のタイマ割込み処理(制御周期)において、記憶コマンド設定処理を実行した時点の第2保留記憶数を示す制御情報(フラグなど)である。ステップSj4において主制御用CPU30aは、ステップSj1の処理と同様に、今回のタイマ割込み処理において、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理が実行されることに伴って第2保留記憶数が変化したか否かを判定している。
ステップSj2の判定結果が否定の場合(第2前回保留数と第2保留記憶数とが一致しない場合)、主制御用CPU30aは、変化後の第2保留記憶数を特定可能な保留数変化情報としての第2保留記憶コマンドを生成し、出力バッファに設定する(ステップSj5)。
ステップSj5の処理を終了した場合、又はステップSj4の判定結果が肯定の場合(第2前回保留数と第2保留記憶数とが一致する場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数を読み出すとともに、当該読み出した第2保留記憶数を第2前回記憶数として主制御用RAM30cに設定する(ステップSj6)。その後、主制御用CPU30aは、記憶コマンド設定処理を終了する。なお、記憶コマンド設定処理の実行に伴って出力バッファに設定された第1保留記憶コマンド、及び第2保留記憶コマンドは、次回以降のタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理によって演出制御基板31に出力される。
以上のように、本実施形態の主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている同じ保留記憶数について、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の一方が1の制御周期(1回のタイマ割込み処理)内に実行されることにより保留記憶数が変化する場合、当該変化後の保留記憶数に関する情報を特定可能な保留記憶コマンドを生成する。
その一方で、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている同じ保留記憶数について、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の両方が1の制御周期(1回のタイマ割込み処理)内に実行されることにより、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の実行前と実行後とで保留記憶数が変化しない場合、保留記憶コマンドを生成しないことにより非出力とする。本実施形態の遊技機10では、記憶コマンド設定処理、及びコマンド出力処理を実行する主制御用CPU30aが保留数変化情報出力手段として機能する。
このため、本実施形態の遊技機10では、特別図柄入力処理(第1,第2事前判定処理)の実行により先読みコマンドが演出制御基板31に出力される場合、原則として、先読みコマンドとともに保留記憶コマンドが出力されるものの、1回のタイマ割込み処理において保留記憶数が変化しない場合、先読みコマンドのみが出力される。なお、上記記憶コマンド設定処理によれば、特図の種類として特図1を特定可能な先読みコマンドが出力される場合、原則として、第1保留記憶コマンドが生成され演出制御基板31に出力される。その一方で、特図の種類として特図2を特定可能な先読みコマンドが出力される場合、原則として、第2保留記憶コマンドが生成され演出制御基板31に出力される。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが、演出制御用ROM31bに記憶されている制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。なお、以下に説明する各種処理のうち、保留記憶処理、先読みコマンド入力処理、及びゲーム開始処理は、演出制御用CPU31aにより所定の制御周期(本実施形態では16ms)ごとに実行される。
最初に、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)が付与された際に演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り遊技用、又は小当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のオープニング演出を実行させるように、演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、最初のラウンド遊技開始コマンドを入力すると、最終回のラウンド遊技が終了するまでの間(エンディングコマンドを入力するまでの間)、予め決められた演出内容のラウンド演出を実行させるように、演出表示装置21の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技用、又は小当り遊技のエンディングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のエンディング演出を実行させるように、演出表示装置21の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンド、エンディングコマンド、及び各ラウンドコマンドを入力すると、演出表示装置21の他に、装飾ランプ16の発光態様及びスピーカ17の音声出力態様を制御する。
次に、主制御基板30(主制御用CPU30a)から第1保留記憶コマンド、又は第2保留記憶コマンドを入力した場合に演出制御用CPU31aが実行する保留記憶処理について説明する。
保留記憶処理において、演出制御用CPU31aは、第1保留記憶コマンドを入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(第1保留記憶コマンドを入力している場合)、演出制御用CPU31aは、入力した第1保留記憶コマンドにて特定可能な第1保留記憶数を演出制御用RAM31cに記憶させ、当該演出制御用RAM31cに記憶されている第1保留記憶数を更新する。
また、第1保留記憶数を更新した場合、又は第1保留記憶コマンドを入力していない場合、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶コマンドを入力しているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(第2保留記憶コマンドを入力している場合)、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶コマンドにて特定可能な第2保留記憶数を演出制御用RAM31cに記憶させ、当該演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数を更新する。そして、第2保留記憶数を更新した場合、又は第2保留記憶コマンドを入力していない場合、演出制御用CPU31aは、保留記憶処理を終了する。したがって、演出制御用RAM31cは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から入力した第1保留記憶コマンド、及び第2保留記憶コマンドに基づき対応する保留記憶数を記憶する保留数記憶手段として機能する。
次に、演出制御用CPU31aが遊技機10の遊技状態を判定(特定)する際に参照する各種制御フラグ、及び当該制御フラグを演出制御用RAM31cに設定するための処理内容について説明する。
演出制御用RAM31cには、遊技機10の遊技状態が変短状態であるか否かを特定するための副作動フラグが記憶されている。演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から変短開始コマンドを入力すると、遊技機10の遊技状態が変短状態であることを特定可能な情報として「0」を副作動フラグに設定する。また、演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から変短終了コマンドを入力すると、遊技機10の遊技状態が非変短状態であることを特定可能な情報として「0」を副作動フラグに設定する。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、副作動フラグの値を参照することにより、遊技機10の遊技状態が変短状態、及び非変短状態の何れであるかを特定できる。
また、演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から作動回数コマンドを入力すると、当該作動回数コマンドに示される特図変動ゲームの回数を副作動回数カウンタに設定する。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、この副作動回数カウンタの値を参照することによって、分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームの残回数を特定できる。
また、演出制御用RAM31cには、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを特定するための副確変フラグが記憶されている。演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から確変開始コマンドを入力すると、遊技機10の遊技状態が確変状態であることを特定可能な情報として「0」を副確変フラグに設定する。また、演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から確変終了コマンドを入力すると、遊技機10の遊技状態が非確変状態であることを特定可能な情報として「0」を副確変フラグに設定する。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、副確変フラグの値を参照することにより、遊技機10の遊技状態が確変状態、及び非確変状態の何れであるかを特定できる。
また、演出制御用RAM31cには、遊技機10の遊技状態が変短状態である場合、第1変短期間T1及び第2変短期間T2の何れであるかを特定可能な副アルファフラグが記憶されている。演出制御用CPU31aは、変短状態において主制御基板30(主制御用CPU30a)から第2変短期間開始コマンドを入力すると、第2変短期間T2であることを特定可能な情報として「1」を副アルファフラグに設定する。また、演出制御用CPU31aは、変短状態において主制御基板30(主制御用CPU30a)から変短終了コマンドを入力すると、第2変短期間T2ではないことを特定可能な情報として「0」を副アルファフラグに設定する。したがって、演出制御用CPU31aは、副作動フラグに「1」が設定されており、且つ副アルファフラグに「0」が設定されている場合には、第1変短期間T1であることを特定できる。
次に、主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力した場合に演出制御用CPU31aが実行する先読みコマンド入力処理について、図28にしたがって説明する。なお、この先読みコマンド入力処理は、1回の制御周期内において保留記憶処理のあとに実行される。
図28に示すように、先読みコマンド入力処理において演出制御用CPU31aは、まず主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力したか否かを判定する(ステップSk1)。ステップSk1の判定結果が否定の場合(先読みコマンドを入力していない場合)、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。一方、ステップSk1の判定結果が肯定の場合(先読みコマンドを入力している場合)、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの値を、当該先読みコマンドで特定可能な特図の種類、及び保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶させる(ステップSk2)。
なお、本実施形態の遊技機10では、非変短状態の場合(大当り状態ではなく、且つ変短状態ではない場合)、先読みコマンドのうち第1特図変動ゲーム(特図1)に関する先読みコマンドのみが入力され得る。その一方で、本実施形態の遊技機10では、変短状態である場合、又は大当り状態(大当り遊技中)である場合、先読みコマンドのうち第2特図変動ゲーム(特図2)に関する先読みコマンドのみが入力され得る。
演出制御用RAM31cには、第1保留記憶数=1〜4に対応付けられた4つの記憶領域、及び第2保留記憶数=1〜4に対応付けられた4つの記憶領域が設定されており、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドから特定可能な特図の種類、及び保留記憶数に対応付けられた記憶領域に先読みコマンドの値を記憶させる。例えば、先読みコマンドD813H(先読み上位コマンド11011000B+先読み下位コマンド00010011B)を入力した場合には、当該先読みコマンドから特図の種類が特図2(第2特図変動ゲーム)であり、且つ第2保留記憶数=4であることを特定可能である。この場合、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの値「D813H」を、演出制御用RAM31cにおいて第2保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中ではないか否かを判定する(ステップSk3)。ステップSk3において演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から大当り遊技用のオープニングコマンドを入力してから、エンディングコマンドの入力後さらに大当り遊技のエンディング時間が経過する迄の期間である場合に否定判定し、当該期間ではない場合に肯定判定する。ステップSk3の判定結果が否定の場合(大当り遊技中である場合)、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。即ち、本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中である場合に先読み演出を実行させないようになっている。
一方、ステップSk3の判定結果が肯定の場合(大当り遊技中ではない場合)、演出制御用CPU31aは、遊技機10の遊技状態が変短状態であるか否かを判定する(ステップSk4)。ステップSk4の判定結果が肯定の場合(非変短状態である場合)、演出制御用CPU31aは、非変短状態において実行可能な先読み演出(第1保留変化演出)を実行させるための第1先読み演出設定処理を実行する(ステップSk5)。この第1先読み演出設定処理(ステップSk5)については後述する。その後、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。
一方、ステップSk4の判定結果が否定の場合(変短状態である場合)、演出制御用CPU31aは、変短状態において実行可能な先読み演出(第2シナリオ演出(第2保留変化演出))を実行させるための第2先読み演出設定処理を実行する(ステップSk6)。この第2先読み演出設定処理(ステップSk6)については、後述する。その後、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。
次に、先読みコマンド入力処理のサブルーチンとして実行される第1先読み演出設定処理(ステップSk5)について、図29にしたがって説明する。
図29に示すように、第1先読み演出設定処理において、演出制御用CPU31aは、まず先読み演出を非実行中であるか否かを判定する(ステップSm1)。ステップSm1において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグに、先読み演出など複数変動に跨る遊技演出を非実行中であることを特定可能な情報として「0」が設定されている場合に肯定判定する一方で、「0」以外の値(1〜3の何れか)が設定されている場合に否定判定する。
なお、演出フラグに「1」が設定されている場合には、第1保留変化演出を実行中であることを特定できる。また、演出フラグに「2」が設定されている場合には、第2シナリオ演出(第2保留変化演出)を実行中であることを特定できる。また、演出フラグに「3」が設定されている場合には、継続回数報知演出(追加回数報知演出)を実行中であることを特定できる。
ステップSm1の判定結果が否定の場合(先読み演出を実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。即ち、本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、既に先読み演出を実行中させている場合、新たに先読み演出を開始させないようになっている。
ステップSm1の判定結果が肯定の場合(先読み演出を非実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、今回の制御周期で入力した先読みコマンドに対応する第1特図変動ゲーム以外の第1特図変動ゲームとして、確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第1特図変動ゲームのみが保留されているか否かを判定する(ステップSm2)。ステップSm2において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて、今回入力した先読みコマンドで特定可能な第1保留記憶数より小さい第1保留記憶数に対応付けて記憶されている先読みコマンドを全て参照し、その参照した先読み上位コマンドが何れもD0Hであるか否かを判定している。ステップSm2の判定結果が否定の場合(確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第1特図変動ゲームのみが保留されていない場合)、演出制御用CPU31aは、第1先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSm2の判定結果が肯定の場合(確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第1特図変動ゲームのみが保留されている)、演出制御用CPU31aは、非変短状態用の先読み演出(第1保留変化演出)を実行するか否かを判定する(ステップSm3)。具体的に言えば、ステップSm3において演出制御用CPU31aは、まず演出制御用RAM31cから実行可否判定用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得した実行可否判定用乱数の値と、先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに、図30(a)に示す第1先読み演出判定用テーブルTb1を参照し、第1保留変化演出を実行するか否かを判定する。この第1先読み演出判定用テーブルTb1は、演出制御用RAM31cに記憶されている。
ここで、第1先読み演出判定用テーブルTb1について詳しく説明する。図30(a)に示すように、第1先読み演出判定用テーブルTb1には、先読みコマンドから特定可能な特図変動ゲームの変動内容毎に区分して、先読み演出(第1保留変化演出)の非実行及び実行に対して、実行可否判定用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜99までの全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。なお、第1先読み演出判定用テーブルTb1における実行可否判定用乱数の値の振分け態様によれば、先読みコマンドから特定可能な変動内容にかかわらず、100分の90の確率で第1保留変化演出の非実行が決定される一方で、100分の10の確率で第1保留変化演出の実行が決定され得る。
第1先読み演出設定処理の説明に戻り、図29に示すように、ステップSm3の判定結果が否定の場合(先読み演出を実行しないと判定された場合)、演出制御用CPU31aは、第1先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSm3の判定結果が肯定の場合(先読み演出を実行すると判定された場合)、演出制御用CPU31aは、先読み演出の演出内容を特定可能な内容パターンを選択する(ステップSm4)。具体的に言えば、ステップSm4において演出制御用CPU31aは、まず演出制御用RAM31cからパターン選択用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得したパターン選択用乱数の値と、先読みコマンド入力処理で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに、図30(b)に示す第1内容パターンテーブルTc1を参照し、第1保留変化演出の内容パターンを選択する。この第1内容パターンテーブルTc1は、演出制御用RAM31cに記憶されている。
ここで、第1内容パターンテーブルTc1について詳しく説明する。図30(b)に示すように、第1内容パターンテーブルTc1には、第1保留変化演出の演出内容を特定可能な内容パターンとして、保留画像Gとして青色球体画像G1bを表示させる演出内容を特定可能な内容パターンYa1、及び保留画像Gとして赤色球体画像G1cを表示させる演出内容を特定可能な内容パターンYa2が対応付けられている。
そして、第1内容パターンテーブルTc1では、先読みコマンドから特定可能な特図変動ゲームの変動内容毎に区分して、各内容パターンYa1,Ya2に対して、パターン選択用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜199までの全200通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。この第1内容パターンテーブルTc1によれば、例えば、先読みコマンドにより、開始前転落判定の判定結果が否定で、開始前大当り判定の判定結果が肯定であり、且つ変動パターンP3bであることが特定される場合、200分の50の確率で内容パターンYa1が、200分の150の確率で内容パターンYa2が決定され得る。
第1内容パターンテーブルTc1におけるパターン選択用乱数の値の振分け態様によれば、内容パターンYa1(青)<内容パターンYa2(赤)の順に、大当りの場合に選択される割合と、はずれの場合に選択される割合との合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高い。即ち、本実施形態の第1保留変化演出では、内容パターンYa1(青)<内容パターンYa2(赤)の順に大当り期待度が高くなる。
また、第1内容パターンテーブルTc1によれば、内容パターンYa1(青)<内容パターンYa2(赤)の順に、確変転落判定で肯定判定される場合に選択される割合と、否定判定される場合に選択される割合との合算割合に占める否定判定される場合に選択される割合が高い。即ち、本実施形態の第1保留変化演出では、内容パターンYa1(青)<内容パターンYa2(赤)の順に確変継続期待度が高くなる。したがって、第1保留表示領域21a〜21dにおける保留画像Gの表示態様には、相互に異なる複数種類の表示態様があり、これら複数種類の表示態様には、相互に異なる大当り期待度、及び確変継続期待度が設定されている。
以上のように、ステップSm2,Sm4において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容(開始前転落判定、開始前大当り判定、及び開始前小当り判定の判定結果や、変動パターンの種類など)を判定し、当該判定した変動内容をもとに第1保留変化演出の実行可否や、内容パターンYa1,Ya2を決定している。したがって、ステップSm2,Sm4の処理を実行する演出制御用CPU31aは、演出制御基板31側における開始前移行判定手段、開始前大当り判定手段、開始前小当り判定手段、及び開始前変動判定手段として機能し、さらに特定内容パターン決定手段としても機能する。
第1先読み演出設定処理の説明に戻り、図29に示すように、ステップSm4の処理を終了した演出制御用CPU31aは、第1保留変化演出を実行中であることを示す情報として、演出フラグに「1」を設定する(ステップSm5)。また、ステップSm5において演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な第1保留記憶数を、先読み演出を跨って実行させる特図変動ゲームの残回数を示す演出残回数として決定し、演出制御用RAM31cに記憶させる。この演出残回数は、内容パターンYa1,Ya2による保留画像Gを表示させる第1保留表示領域を特定するための変化位置情報でもある。
即ち、演出残回数(変化位置情報)=1である場合には、選択した内容パターンYa1,Ya2による保留画像Gを、第1保留記憶数=1に対応付けられた第1保留表示領域21aに表示させることを特定可能である。同様に、演出残回数(変化位置情報)=2である場合には第1保留記憶数=2に対応付けられた第1保留表示領域21bに、演出残回数(変化位置情報)=3である場合には第1保留記憶数=3に対応付けられた第1保留表示領域21cに、演出残回数(変化位置情報)=4である場合には第1保留記憶数=4に対応付けられた第1保留表示領域21dに、内容パターンYa1,Ya2による保留画像Gを表示させることを特定可能である。
次に、演出制御用CPU31aは、ステップSm5において決定した演出残回数と、前述した保留記憶処理によって演出制御用RAM31cに記憶されている第1保留記憶数とが一致するか否かを判定する(ステップSm6)。ステップSm6の判定結果が肯定の場合(決定した演出残回数と、記憶している第1保留記憶数とが一致する場合)、演出制御用CPU31aは、決定した演出残回数(第1保留記憶数)に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に、ステップSm4で決定した内容パターンを特定可能な情報(例えばフラグなど)を記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、演出表示装置21の表示内容を制御し、演出表示装置21における第1保留表示領域21a〜21dに保留画像Gを表示させる(ステップSm7)。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、先読み演出を非実行と判定した場合、演出表示装置21の表示内容を制御して、演出制御用RAM31cに記憶されている第1保留記憶数に対応する第1保留表示領域に無色球体画像G1aを表示させる。その一方で、先読み演出を実行すると判定した場合、演出制御用CPU31aは、演出表示装置21の表示内容を制御して、前述の演出残回数に対応する第1保留表示領域に、ステップSm4で選択された内容パターンによる保留画像G(球体画像G1b、G1c)を表示させる。
一方、ステップSm6の判定結果が否定の場合(決定した演出残回数と、記憶している第1保留記憶数とが一致しない場合)、演出制御用CPU31aは、前述した保留記憶処理によって演出制御用RAM31cに記憶されている第1保留記憶数を演出残回数(変化位置情報)として決定するとともに、演出制御用RAM31cに記憶させる(ステップSm8)。即ち、ステップSm8において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な第1保留記憶数と、保留記憶コマンドに基づき演出制御用RAM31cに記憶されている第1保留記憶数とが一致しない場合、保留記憶コマンドに基づく第1保留記憶数に演出残回数(変化位置情報)を書き換え、補正している。
そして、ステップSm8において演出制御用CPU31aは、決定した演出残回数(第1保留記憶数)に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に、ステップSm4で決定した内容パターンを特定可能な情報(例えばフラグなど)を記憶させる。ステップSm8の処理を終了した演出制御用CPU31aは、ステップSm7の処理へ移行する。
なお、前述のように、本実施形態の遊技機10では、1回の制御周期内において特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理の実行前と実行後とで第1保留記憶数が変化しない場合、第1保留記憶コマンドが演出制御基板31に出力されない。また、演出制御用CPU31aが主制御用CPU30aの制御周期(本実施形態では4ms)とは異なる制御周期(本実施形態では16ms)で処理を行う本実施形態の遊技機10では、先読みコマンドと保留記憶コマンドとが異なる制御周期において演出制御用CPU31aに入力される可能性もある。本実施形態の遊技機10では、保留記憶コマンドに基づく第1保留記憶数を、先読みコマンドで特定可能な第1保留記憶数に優先して演出残回数(変化位置情報)に使用することにより、主制御基板30側で記憶管理している始動保留球と、第1保留変化演出の対象となる始動保留球とが一致しなくなることを抑制している。
次に、先読みコマンド入力処理のサブルーチンとして実行される第2先読み演出設定処理(ステップSk6)について、図31にしたがって説明する。
図31に示すように、第2先読み演出設定処理において、主制御用CPU30aは、まず変短状態である期間のうち第1変短期間T1であるか否かを判定する(ステップSn1)。前述のように、第1変短期間T1は、大当り遊技が終了してから分岐回数(100回)の特図変動ゲームの実行が終了する迄の期間、及び大当り遊技が終了してから変短上限回数(50回又は100回)の特図変動ゲームが終了する迄の期間である。ステップSn1の判定結果が否定の場合(変短状態である期間のうち第2変短期間T2である場合)、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSn1の判定結果が肯定の場合(変短状態である期間のうち第1変短期間T1である場合)、演出制御用CPU31aは、先読み演出を非実行中であるか否かを判定する(ステップSn2)。ステップSn1において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグに、先読み演出を非実行中であることを特定可能な情報として「0」が設定されている場合に肯定判定する一方で、「0」以外の値(1〜3の何れか)が設定されている場合に否定判定する。
ステップSn2の判定結果が否定の場合(先読み演出を実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理を終了する。即ち、本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、既に先読み演出を実行中させている場合、新たに先読み演出を開始させないようになっている。
一方、ステップSn2の判定結果が肯定の場合(先読み演出を非実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、今回の制御周期における先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で演出制御用RAM31cに記憶させた先読みコマンドにて特定可能な第2保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(ステップSn3)。ステップSn3の判定結果が否定の場合(先読みコマンドで特定可能な第2保留記憶数が3未満の場合)、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSn3の判定結果が肯定の場合(先読みコマンドで特定可能な第2保留記憶数が3以上の場合)、演出制御用CPU31aは、今回の制御周期で入力した先読みコマンドに対応する第2特図変動ゲーム以外の第2特図変動ゲームとして、確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームのみが保留されているか否かを判定する(ステップSn4)。具体的に言えば、ステップSn4において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて、今回入力した先読みコマンドで特定可能な第2保留記憶数より小さい第2保留記憶数に対応付けて記憶されている先読みコマンドを全て参照し、その参照した先読み上位コマンドが何れもD6Hであるか否かを判定している。ステップSn4の判定結果が否定の場合(確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームのみが保留されていない場合)、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSn4の判定結果が肯定の場合(確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームのみが保留されている場合)、演出制御用CPU31aは、変短状態のうち第1変短期間T1用の先読み演出(第2シナリオ演出)を実行させるか否かを判定する(ステップSn5)。
具体的に言えば、ステップSn5において演出制御用CPU31aは、まず演出制御用RAM31cから実行可否判定用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得した実行可否判定用乱数の値と、先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに、図32に示す第2先読み演出判定用テーブルTb2を参照し、先読み演出(第2シナリオ演出)を実行するか否かを判定する。この第2先読み演出判定用テーブルTb2は、演出制御用RAM31cに記憶されている。
ここで、第2先読み演出判定用テーブルTb2について詳しく説明する。図32に示すように、第2先読み演出判定用テーブルTb2には、先読みコマンドから特定可能な特図変動ゲームの変動内容毎に区分して、先読み演出(第2シナリオ演出)の非実行及び実行に対して、実行可否判定用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜99までの全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。
第2先読み演出判定用テーブルTb2における実行可否判定用乱数の値の振分け態様によれば、例えば、先読みコマンドから特定可能な変動内容が確変状態から非転落であって、且つはずれリーチなしである場合(確変転落判定、大当り判定、小当り判定、及びリーチ判定の判定結果が否定となる場合)、100分の100の確率で先読み演出を非実行と判定され得る。
第2先読み演出判定用テーブルTb2によれば、先読みコマンドから、第1シナリオ演出を特定可能な変動パターンP7が選択されることを変動内容として特定可能な場合、第2シナリオ演出の実行が決定され得ない。その一方で、第2先読み演出判定用テーブルTb2によれば、先読みコマンドから、第2シナリオ演出を特定可能な変動パターンP8が選択されることを変動内容として特定可能な場合、第2シナリオ演出の実行が必ず決定される。
以上のように、ステップSn4,Sn5において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容(開始期転落判定、開始期大当り判定、及び開始期小当り判定の判定結果や、変動パターンの種類)を判定し、当該判定した変動内容をもとに第2シナリオ演出の実行可否を決定している。したがって、ステップSn4,Sn5の処理を実行する主制御用CPU30aは、演出制御基板31側における開始前移行判定手段、開始前大当り判定手段、開始前小当り判定手段、及び開始前変動判定手段として機能し、さらに特定内容パターン決定手段としても機能する。
第2先読み演出設定処理の説明に戻り、図31に示すように、ステップSn5の判定結果が否定の場合(先読み演出を実行しないと判定された場合)、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSn5の判定結果が肯定の場合(先読み演出を実行すると判定された場合)、演出制御用CPU31aは、次に第2シナリオ演出(第2保留変化演出)を実行中であることを特定可能な情報として「2」を演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグに設定する(ステップSn6)。
また、ステップSn6において演出制御用CPU31aは、演出フラグに先読み演出を実行中であることを特定可能な値(情報)が設定されてから最初の特図変動ゲームが実行されることを特定可能な情報として「1」を、演出制御用RAM31cに記憶されている演出開始フラグに設定する。なお、演出開始フラグの値が「0」である場合には、先読み演出を実行中であることを特定可能な値(情報)が演出フラグに設定されてから、最初の特図変動ゲームではないことを特定できる。また、ステップSn6において演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な第2保留記憶数を演出残回数として決定するとともに、演出制御用RAM31cに記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、演出残回数とした第2保留記憶数と、前述した保留記憶処理によって演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数とが一致するか否かを判定する(ステップSn7)。ステップSn7の判定結果が肯定の場合(決定した演出残回数と記憶している第2保留記憶数とが一致する場合)、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
一方、ステップSn7の判定結果が否定の場合(決定した演出残回数と記憶している第2保留記憶数とが一致しない場合)、演出制御用CPU31aは、前述した保留記憶処理によって演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数を演出残回数として決定するとともに、演出制御用RAM31cに記憶させる(ステップSn8)。即ち、ステップSn8において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な第2保留記憶数と、保留記憶コマンドに基づき演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数が一致しない場合、保留記憶コマンドに基づく第2保留記憶数に演出残回数(変化位置情報)を書き換え、補正している。その後、演出制御用CPU31aは、第2先読み演出設定処理を終了する。
次に、主制御基板30(主制御用CPU30a)から変動パターン指定コマンド、及び特図指定コマンドを入力した際に、演出制御用CPU31aが実行するゲーム開始処理について、図33にしたがって説明する。
図33に示すように、ゲーム開始処理において、演出制御用CPU31aは、まず変動パターン指定コマンド、及び特図指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップSo1)。ステップSo1の判定結果が否定の場合(変動パターン指定コマンド、及び特図指定コマンドを入力していない場合)、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理を終了する。
一方、ステップSo1の判定結果が肯定の場合(変動パターン指定コマンド、及び特図指定コマンドを入力している場合)、演出制御用CPU31aは、現在の保留記憶数から1減算した保留記憶数に新たに対応付けて先読みコマンドの値、及び保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報を演出制御用RAM31cに記憶する更新記憶処理(シフト処理)を実行する。なお、保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報には、前述した第1保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報の他にも、第2シナリオ演出に伴わせて実行させる第2保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報がある。
具体的に説明すると、ステップSo2において演出制御用CPU31aは、特図1用の変動パターンを特定する変動パターン指定コマンドを入力している場合、第1保留記憶数=n(n=2〜4)に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンド、及び第1保留変化演出の内容パターンを特定する情報を、第1保留記憶数=n−1に対応付けた記憶領域に記憶させる。また、ステップSo2において演出制御用CPU31aは、特図2用の変動パターンを特定可能な変動パターン指定コマンドを入力している場合、第2保留記憶数=n(n=2〜4)に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンド、及び第2保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報を、第2保留記憶数=n−1に対応付けた記憶領域に記憶させる。
このような構成によれば、始動入賞口24,25で入球検知されたことを契機として主制御用RAM30cに記憶された各種乱数の値(始動保留球)に対応する先読みコマンドの値、及び保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報は、対応する各種乱数の値(始動保留球)に基づく特図変動ゲームが開始される迄の間、演出制御用RAM31cに記憶保持される。
次に、演出制御用CPU31aは、更新記憶処理によって更新した更新後の保留記憶数に対応する保留表示領域に保留画像Gが表示されるように演出表示装置21を制御するシフト表示処理を実行する(ステップSo3)。
具体的に言えば、ステップSo3において演出制御用CPU31aは、特図1用の変動パターン指定コマンドを入力している場合、第1保留記憶数=1に対応する第1保留表示領域21aに表示させている保留画像Gを消去させる。そして、ステップSo3において演出制御用CPU31aは、第1保留記憶数=n(n=2〜4)に対応する第1保留表示領域に表示させている保留画像Gを、第1保留記憶数=n−1に対応付けた第1保留表示領域に移動表示させる。
一方、ステップSo3において演出制御用CPU31aは、特図2用の変動パターン指定コマンドを入力している場合、第2保留記憶数=1に対応する第2保留表示領域21pに表示させている保留画像Gを消去させる。そして、ステップSo3において演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数=n(n=2〜4)に対応する第2保留表示領域に表示させている保留画像Gを、第2保留記憶数=n−1に対応付けた第2保留表示領域に移動表示させる。なお、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドとともに入力する保留記憶コマンドで指定された保留記憶数を超える保留記憶数に対応する保留表示領域について、保留画像Gが消去されるように演出表示装置21を制御する。
またこのとき、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて各保留記憶数に対応する記憶領域に保留変化演出の内容パターンを特定可能な情報が記憶されている場合、当該情報が記憶されている記憶領域の保留記憶数に対応する保留表示領域に、その情報に対応する保留画像Gを表示させる。例えば、演出制御用RAM31cにおいて第1保留記憶数=2に対応する記憶領域に第1保留変化演出の内容パターンYa1を特定する情報が記憶されている場合、演出制御用CPU31aは、第1保留記憶数=2に対応する第1保留表示領域21bに青色球体画像G1bを表示させる。また、この場合において、演出制御用CPU31aは、例えば、特図1の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの入力を契機としてシフト表示処理を実行する場合、第1保留表示領域21bに表示されている青色球体画像G1bが第1保留表示領域21aに移動されるかのように表示させる。このように、演出制御用CPU31aは、実行が保留されている特図変動ゲームを示す保留画像Gを、主制御用RAM30cに記憶されている各種乱数の値と対応付けた状態で第1保留表示領域21a〜21d、及び第2保留表示領域21p〜21sに表示させる保留表示制御手段として機能する。
次に、演出制御用CPU31aは、遊技機10の遊技状態が変短状態であるか否かを判定する(ステップSo4)。ステップSo4の判定結果が肯定の場合(変短状態である場合)、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンをもとに、演出表示装置21における飾図による図柄変動ゲームの具体的な演出内容(変動内容)を特定可能な演出パターンを選択する(ステップSo5)。
ここで本実施形態の遊技機10に用意された演出パターンについて図35〜図37にしたがって説明する。図35〜図37に示すように、本実施形態の遊技機10では、演出制御用CPU31aが選択可能な演出パターンとして、演出パターンp1〜p35,pA,pBが演出制御用ROM31bに記憶されている。
本実施形態の演出パターンp1〜p35,pA,pBには、図35〜図37における「具体的な変動内容」の欄に示すように、演出パターンp1〜p35,pA,pBが対応付けられた変動パターンで特定可能な変動時間内で実行する遊技演出の具体的な演出内容を特定可能である。以下、具体的に説明する。
演出パターンp1,p7,p12,p16,p29〜p34は、第1シナリオ演出、及び第2シナリオ演出を実行することなく、各演出パターンが対応付けられた変動パターンにて特定可能なリーチ演出(NR演出又はSR演出)をそのまま実行する演出内容を特定可能な演出パターンである。また、演出パターンp28は、当該演出パターンが対応付けられた変動パターンにて特定可能な変動時間内において、前述したモード移行演出を実行させる演出内容を特定可能な演出パターンである。
また、演出パターンp35は、当該演出パターンが対応付けられた変動パターンにて特定可能な変動時間内において、リーチを形成することなく飾図の大当り図柄(大当り表示結果)を導出させる演出内容を特定可能な演出パターンである(所謂、突当り演出)。
また、演出パターンp3〜p6,p8〜p11,p15,p22〜p25,p27,pA,pBは、第2シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。第2シナリオ演出用の演出パターンのうち、演出パターンp3,p5,p8,p10,p15,p22,p24は、第1ルートによる第2シナリオ演出を実行させることを演出内容として特定可能な演出パターンである。
このうち、演出パターンp3,p8は、第1ルートによる第2シナリオ演出を開始させる最初の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)で用いられる演出パターンであり、開始報知演出FAを実行させた後に第1経過演出FBを実行させる演出内容を特定可能である。また、演出パターンp5,p10は、第1ルートによる第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち2回目、又は3回目の特図変動ゲームに用いられる演出パターンであり、第1経過演出FBを実行させる演出内容を特定可能である。
演出パターンp15,p22,p24は、第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち最終回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)に用いられる演出パターンである。演出パターンp15は、第1経過演出FBの実行後に第2継続結果演出FEbを実行させる演出内容を特定可能である。また、演出パターンp22は、第1経過演出FBの実行後に第1継続結果演出FEaを実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp24は、第1経過演出FBの実行後に大当り結果演出FDを実行させる演出内容を特定可能である。
また、第2シナリオ演出用の演出パターンのうち、演出パターンp4,p6,p9,p11,p23,p25,p27は、第2ルート(敵キャラB)による第2シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。
このうち、演出パターンp4,p9は、第2ルートによる第2シナリオ演出を開始させる最初の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)で用いられる演出パターンであり、開始報知演出FAを実行させた後に第2経過演出FCを実行させる演出内容を特定可能である。また、演出パターンp6,p11は、第2ルートによる第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち2回目、又は3回目の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)に用いられる演出パターンであり、第2経過演出FCを実行させる演出内容を特定可能である。
演出パターンp23,p25,p27は、第2ルートによる第2シナリオ演出が跨る特図変動ゲームのうち最終回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)に用いられる演出パターンである。演出パターンp23は、第2経過演出FCの実行後に第1継続結果演出FEaを実行させる演出内容を特定可能である。また、演出パターンp25は、第2経過演出FCの実行後に大当り結果演出FDを実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp27は、第2経過演出FCの実行後に転落結果演出FFを実行させる演出内容を特定可能である。
なお、演出パターンp3〜p6,p8〜p11は、開始期大当り判定の判定結果が否定であり、且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターン以外の変動パターンが指定された場合に選択可能な演出パターンである。したがって、開始報知演出FA、第1経過演出FB、又は第2経過演出FCが実行された特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行されることがない。
また、演出パターンpA,pBは、例外的に1回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)において、第1経過演出FB又は第2経過演出FCを経由させないで実行する第2シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。演出パターンpAは、開始報知演出FAの実行後に、第1継続結果演出FEaを実行させる演出内容を特定可能である。演出パターンpBは、開始報知演出FAの実行後に、大当り結果演出FDを実行させる演出内容を特定可能である。
また、演出パターンp2,p13,p14,p17〜p21,p26は、演出内容として第1シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。なお、これら第1シナリオ演出用の演出パターンには、開始報知演出EAを実行させることも演出内容として特定可能である。演出パターンp2は、開始報知演出EAを実行した後に何も出現(表示)させないガセの演出内容を特定可能である。また、第1シナリオ演出用の演出パターンのうち、演出パターンp13,p17,p18,p20は、第1経過演出EBを経由する第1ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。
具体的に言えば、演出パターンp13は、開始報知演出EA、第1経過演出EB、及び第1継続結果演出EEaの順に実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp17は、開始報知演出EA、第1経過演出EB、及び第1大当り結果演出EDaの順に実行させる演出内容を特定可能である。演出パターンp18は、開始報知演出EA、第1経過演出EB、及び第2継続結果演出EEbの順に実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp20は、開始報知演出EA、第1経過演出EB、及び第1大当り結果演出EDaの順に実行させる演出内容を特定可能である。
また、演出パターンp14,p19,p21,p26は、第2経過演出ECを経由する第2ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定可能な演出パターンである。
具体的に言えば、演出パターンp14は、開始報知演出EA、第2経過演出EC、及び第3継続結果演出EEcの順に実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp19は、開始報知演出EA、第2経過演出EC、及び第2継続結果演出EEbの順に実行させる演出内容を特定可能である。演出パターンp21は、開始報知演出EA、第2経過演出EC、及び第2大当り結果演出EDbの順に実行させる演出内容を特定可能であり、演出パターンp26は、開始報知演出EA、第2経過演出EC、及び転落結果演出EFの順に実行させる演出内容を特定可能である。
なお、本実施形態の遊技機10において、開始報知演出EAと、第1経過演出EB又は第2経過演出ECとを実行するのに要する演出時間は、特図変動ゲームの開始からリーチが形成される迄の演出時間と同じ13秒に設定されている。また、第1大当り結果演出EDa、継続結果演出EEa,EEc、及び転落結果演出EFの実行に要する演出時間は、リーチが形成されてからノーマルリーチ演出が終了される迄の演出時間と同じ12秒に設定されている。また、第2大当り結果演出EDb、及び第2継続結果演出の実行に要する演出時間は、リーチが形成されてからノーマルリーチ演出を経てスーパーリーチ演出が終了される迄の演出時間と同じ32秒に設定されている。
図35に示すように、演出パターンp1,p2,p7,p12〜p17,p26,p28,p29〜p35は、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合に選択可能な演出パターンである。図36に示すように、演出パターンp1〜p28は、遊技機10の遊技状態が変短状態であって、且つ第1変短期間T1である場合に選択可能な演出パターンである。図36に示すように、第1変短期間において選択可能な演出パターンp1〜p28では、変動パターン毎に、第2シナリオ演出を実行中であるか否か、第2シナリオ演出の内容パターンYb1,Yb2の種類、及び第2シナリオ演出を新たに開始させる特図変動ゲームであるか否かの選択条件に応じて、選択可能な演出パターンが異ならされている。なお、第2シナリオ演出の内容パターンYb1,Yb2は、後述するように第2シナリオ演出の演出内容を特定可能なパターンである。また、図36では、変動パターン、及び上記選択条件毎に選択可能な演出パターンに「○」を付している。また、図36に示す「最初」は、第2シナリオ演出を開始させる最初の特図変動ゲームである場合を示し、「最初以外」は、第2シナリオ演出が跨って実行される特図変動ゲームのうち2回目以降の特図変動ゲームである場合を示している。また、図37に示すように、演出パターンp1,p7,p12,p16,p27は、遊技機10の遊技状態が変短状態であって、且つ第2変短期間T2である場合に選択可能な演出パターンである。
そして、本実施形態の遊技機10では、変動パターン毎に選択可能な演出パターンが1つ、又は複数、対応付けられているとともに、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から、所定の乱数値を用いた抽選により1つの演出パターンを選択する。
例えば、図36に示すように、第1変短期間T1において、変動パターンP2が指定され、演出フラグに「2」が設定されており、内容パターンYb1が選択されており、且つ演出開始フラグに「1」が設定されている場合(最初の特図変動ゲームであるとき)には、演出パターンp8が選択される。その一方で、この場合において、演出開始フラグに「0」が設定されているとき(最初以外の特図変動ゲームであるとき)には、演出パターンp10が選択される。
そして、第1シナリオ演出を構成する第1大当り結果演出EDa、又は第2大当り結果演出EDbの実行を特定する演出パターンは、開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターンが指定された場合に選択され得る。また、第1継続結果演出EEa、第2継続結果演出EEb、及び第3継続結果演出EEcの何れかの実行を特定する演出パターンは、開始期大当り判定の判定結果が否定であり、且つ開始期転落判定の判定結果が否定である場合に選択可能な変動パターンが指定された場合に選択され得る。また、転落結果演出EFの実行を特定可能な演出パターンp27は、開始期大当り判定の判定結果が否定であり、且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターンが指定された場合に選択され得る。
また、本実施形態の遊技機10において、第1ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定する演出パターンは、開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合、又は開始期大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始期転落判定の判定結果が否定である場合に選択可能な変動パターンが指定されている場合に選択され得る。一方、本実施形態の遊技機10において、第2ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定する演出パターンは、開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合、開始期大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合、又は開始期大当り判定及び開始期転落判定の判定結果が否定である場合に選択可能な変動パターンが指定されている場合に選択され得る。
このような構成から、本実施形態の第1シナリオ演出では、開始報知演出EAの実行後に、第1経過演出EBを経由して遊技演出が進行する場合(第1ルート)、転落結果演出EFが実行されることがないこと、即ち確変転落抽選に当選していないことを遊技者に認識させ得る。また、本実施形態の遊技機10において、第1シナリオ演出では、開始報知演出EAの実行後に、第2経過演出FCを経由して遊技演出が進行する場合(第2ルート)、転落結果演出EFが実行される可能性があること、即ち確変転落抽選に当選している可能性があることを遊技者に認識させ得る。
また、本実施形態の遊技機10において、第2ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定する演出パターンは、開始期大当り判定の判定結果が否定であり、且つ開始期小当り判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターンが指定されている場合に選択され得る。
また、本実施形態の遊技機10では、大当りの変動パターンが指定されている場合に選択される割合と、はずれの変動パターンが指定されている場合に選択される割合との合算割合に占める大当りの変動パターンが指定されている場合に選択される割合が、第2ルートによる第1シナリオ演出用の演出パターンよりも、第1ルートによる第1シナリオ演出用の演出パターンのほうが高くなる。このため、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出EBを経由する第1シナリオ演出(第1ルートによる第1シナリオ演出)には、第2経過演出ECを経由する第1シナリオ演出(第2演出態様による第1シナリオ演出)に設定された大当り期待度よりも高い大当り期待度が設定される。
また、本実施形態の遊技機10では、確変転落の変動パターンが指定されている場合に選択される割合と、確変非転落の変動パターンが指定されている場合に選択される割合との合算割合に占める確変非転落の変動パターンが指定されている場合に選択される割合が、第2ルートによる第1シナリオ演出用の演出パターンよりも、第1ルートによる第1シナリオ演出用の演出パターンのほうが高くなる。このため、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出EBを経由する第1シナリオ演出(第1ルートによる第1シナリオ演出)には、第2経過演出ECを経由する第1シナリオ演出(第2ルートによる第1シナリオ演出)に設定された確変継続期待度よりも高い確変継続期待度が設定される。
また、本実施形態の遊技機10では、変短状態のうち第2変短期間T2である場合、第1シナリオ演出用の演出パターン、及び第2シナリオ演出用の演出パターンが選択され得ない。したがって、本実施形態の遊技機10において、第2変短期間T2には、第1シナリオ演出、及び第2シナリオ演出が実行されない。
ゲーム開始処理の説明に戻り、図33に示すように、ステップSo5において演出制御用CPU31aは、図35に示すように、非変短状態において、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを所定の乱数値を用いた抽選により選択する。
次に、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に実行させる予告演出(カットイン予告)の演出内容、及び演出表示装置21に確定停止表示させる飾図を決定する(ステップSo6)。
具体的に言えば、ステップSo6において演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド、及び特図指定コマンドの指示内容と、決定した演出パターンとに基づき飾図を決定する。即ち、ステップSo6において演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせ(例えば、[222]や[777])の中から確定停止表示させる飾図(大当り表示結果)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、リーチあり変動用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[424])の中から確定停止表示させる飾図(はずれ表示結果)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、リーチなし変動用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から確定停止表示させる飾図(はずれ表示結果)を決定する。
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、転落示唆演出変動用の変動パターンが指定された場合であって、演出パターンp28(モード移行演出)を決定したとき、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる飾図(はずれ表示結果)を決定する。
演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、転落示唆演出変動用の変動パターンが指定された場合であって、演出パターンp26,p27(第1,第2シナリオ演出)を決定したとき、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる飾図(はずれ表示結果)を決定する。
また、ステップSo6において演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの指示内容に基づき予告演出(カットイン予告)の演出内容を特定可能な予告パターンを決定する。本実施形態では、予告パターンが非特定内容パターン(内容パターン)となり、当該予告パターンを決定する演出制御用CPU31aが非特定内容パターン決定手段(内容パターン決定手段)として機能する。
具体的に説明すると、ステップSo6において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cからパターン選択用乱数の値を取得するとともに、取得したパターン選択用乱数の値と、指定された変動パターンとをもとに、図34に示す予告パターン選択用テーブルTyを参照して予告パターンを選択する。この予告パターン選択用テーブルTyは、演出制御用RAM31cに記憶されている。
ここで、予告パターン選択用テーブルTyについて詳しく説明する。図34に示すように、予告パターン選択用テーブルTyには、カットイン予告の非実行(なし)を特定可能な予告パターンYP0、カットイン予告の演出内容として「黄色の星」を模した画像を演出表示装置21に表示させる演出内容を特定可能な予告パターンYP1、及び「赤色の星」を模した画像を演出表示装置21に表示させる演出内容を特定可能な予告パターンYP2が対応付けられている。そして、予告パターン選択用テーブルTyでは、変動パターン毎に区分して、各予告パターンYP0〜YP2に対して、パターン選択用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜199までの全200通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。したがって、予告パターン選択用テーブルTyによれば、例えば、変動パターンP6aが指定されている場合、200分の100の確率で予告パターンYP0(なし)が、200分の50の確率で予告パターンYP1(黄色の星)が、200分の50の確率で予告パターンYP2(赤色の星)が選択され得る。
予告パターン選択用テーブルTyにおけるパターン選択用乱数の値の振分け態様によれば、予告パターンYP1(黄色の星)<予告パターンYP2(赤色の星)の順に、大当りの場合に選択される割合と、はずれの場合に選択される割合との合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高い。このため、本実施形態のカットイン予告では、予告パターンYP1(黄色の星)<予告パターンYP2(赤色の星)の順に大当り期待度が高くなる。
また、予告パターン選択用テーブルTyによれば、予告パターンYP1(黄色の星)<予告パターンYP2(赤色の星)の順に、開始期転落判定で肯定判定される場合に選択される割合と、否定判定される場合に選択される割合との合算割合に占める否定判定される場合に選択される割合が高い。なお、本実施形態の遊技機10では、変動パターンP9,P10が指定された場合が開始期転落判定で肯定判定された場合である。このため、本実施形態のカットイン予告では、予告パターンYP1(黄色の星)<予告パターンYP2(赤色の星)の順に、確変継続期待度が高くなる。
また、予告パターン選択用テーブルTyによれば、大当り変動用の変動パターンP3b〜P9bが指定された場合と、転落示唆演出用の変動パターンP9a,P10が指定された場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な予告パターンYP1,YP2が決定され得る。即ち、本実施形態の演出制御用CPU31aは、開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合と、開始期の判定結果が否定であって開始時転落判定の判定結果が肯定である場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な予告パターンYP1,YP2を決定可能に構成される。なお、変動パターンP9a,P10は、開始期転落判定の判定結果が肯定の場合であって、開始期小当り判定の判定結果が肯定の場合、又は開始期小当り判定の判定結果が否定の場合に選択され得る変動パターンである。その後、ステップSo6の処理を終了した演出制御用CPU31aは、その後にゲーム開始処理を終了する。
また、ステップSo4の判定結果が否定の場合(変短状態である場合)、演出制御用CPU31aは、変短状態のうち第1変短期間T1でるか否かを判定する(ステップSo7)。ステップSo7の判定結果が肯定の場合(変短状態である期間のうち第1変短期間T1である場合)、演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップSo8)。具体的に言えば、ステップSo8において演出制御用CPU31aは、演出フラグに第2シナリオ演出を実行中であることを特定可能な情報として「2」が設定されているか否かを判定する。前述のように、本実施形態の遊技機10では、変短状態のうち第1変短期間T1である場合にのみ、演出フラグに「2」が設定され得る。
ステップSo8の判定結果が肯定の場合(第2シナリオ演出を実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出残回数を1減算して更新する(ステップSo9)。即ち、演出残回数は、変動パターン指定コマンドを入力する毎(特図変動ゲームが開始される毎)に減算される。このため、本実施形態において演出残回数は、第2シナリオ演出を実行させると判定した先読みコマンドの値が対応付けて記憶されている第2保留記憶数と一致することになる。ステップSo8において演出制御用CPU31aは、減算後の演出残回数が0(零)となった場合、演出フラグに「0」を設定する。
次に、演出制御用CPU31aは、今回の特図変動ゲームが第2シナリオ演出を新たに開始させる特図変動ゲームであるか否かを判定する(ステップSo10)。ステップSo10において演出制御用CPU31aは、演出開始フラグの値が「1」である場合に肯定判定する一方で、演出開始フラグの値が「0」である場合に否定判定する。
ステップSo10の判定結果が肯定の場合(今回の特図変動ゲームが第2シナリオ演出を新たに開始させる特図変動ゲームである場合)、演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出の演出内容を特定可能な内容パターンを選択する(ステップSo11)。具体的に言えば、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、まず演出制御用RAM31cからパターン選択用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得したパターン選択用乱数の値と、演出制御用RAM31cにおいて、演出残回数に対応する第2保留記憶数に対応付けて記憶された先読みコマンドの値から特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに、図38(a)に示す第2内容パターンテーブルTc2を参照し、第2シナリオ演出の内容パターンを選択する。この第2内容パターンテーブルTc2は、演出制御用ROM31bに記憶されている。
ここで、第2内容パターンテーブルTc2について詳しく説明する。図38(a)に示すように、第2内容パターンテーブルTc2には、第2シナリオ演出の演出内容を特定可能な内容パターンとして、敵キャラAを登場させる演出内容(第1ルート)を特定可能な内容パターンYb1、及び敵キャラBを登場させる演出内容(第2ルート)を特定可能な内容パターンYb2が対応付けられている。
そして、第2内容パターンテーブルTc2では、演出残回数に対応する先読みコマンドから特定可能な特図変動ゲームの変動内容毎に区分して、各内容パターンYb1,Yb2に対して、パターン選択用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜199までの全200通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。したがって、第2内容パターンテーブルTc2によれば、例えば、先読みコマンドにより、開始前転落判定で肯定判定され、開始前大当り判定で肯定判定され、且つ変動パターンP8bであることが特定される場合、200分の150の確率で内容パターンYb1(第1ルート)が、200分の50の確率で内容パターンYb2(第2ルート)が決定され得る。
第2内容パターンテーブルTc2におけるパターン選択用乱数の値の振分け態様によれば、内容パターンYb2(第2ルート)<内容パターンYb1(第1ルート)の順に、大当りの場合に選択される割合と、はずれの場合に選択される割合との合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高い。このため、本実施形態の第2シナリオ演出では、内容パターンYb2(第2ルート)<内容パターンYb1(第1ルート)の順に大当り期待度が高くなる。即ち、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出FBを経由する第2シナリオ演出(第1ルートによる第2シナリオ演出)には、第2経過演出FCを経由する第2シナリオ演出(第2ルートによる第2シナリオ演出)に設定された大当り期待度よりも高い大当り期待度が設定されている。
また、第2内容パターンテーブルTc2によれば、内容パターンYb2(第2ルート)<内容パターンYb1(第1ルート)の順に、確変転落判定で肯定判定される場合に選択される割合と、否定判定される場合に選択される割合との合算割合に占める否定判定される場合に選択される割合が高い。このため、本実施形態の第2シナリオ演出では、内容パターンYb2(第2ルート)<内容パターンYb1(第1ルート)の順に、確変継続期待度が高くなる。即ち、本実施形態の遊技機10では、第1経過演出FBを経由する第2シナリオ演出(第1ルートによる第2シナリオ演出)には、第2経過演出FCを経由する第2シナリオ演出(第2ルートによる第2シナリオ演出)に設定された確変継続期待度よりも高い確変継続期待度が設定されている。
さらに、第2内容パターンテーブルTc2によれば、開始前転落判定で肯定判定される場合(変動パターンP10が指定される場合)には、内容パターンYb2(第2ルート)が選択され得る一方で、内容パターンYb1(第1ルート)が選択され得ない。即ち、演出制御用CPU31aは、開始前転落判定の判定結果が肯定である場合には、第1ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を不能に構成される一方で、開始前転落判定の判定結果が否定である場合には、第1ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を可能に構成されている。
さらに、第2内容パターンテーブルTc2によれば、開始前大当り判定の判定結果が肯定、及び否定のいずれの場合であっても内容パターンYb2(第2ルート)が選択され得る。即ち、演出制御用CPU31aは、開始前大当り判定の判定結果が肯定、及び否定のいずれである場合であっても第2ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を可能に構成されている。
したがって、本実施形態の第2シナリオ演出では、開始報知演出FAの実行後に、第1経過演出FBを経由して遊技演出が進行する場合(第1ルートの場合)、転落結果演出FFが実行されることがないこと、即ち確変転落抽選に当選していないことを遊技者に認識させ得る。一方、本実施形態の第2シナリオ演出では、開始報知演出FAの実行後に、第2経過演出FCを経由して遊技演出が進行する場合(第2ルートの場合)、転落結果演出FFが実行される可能性があること、即ち確変転落抽選に当選している可能性があることを遊技者に認識させ得る。
また、第2内容パターンテーブルTc2によれば、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドにより特定可能な変動内容が、開始前大当り判定の判定結果が肯定である場合と、開始前小当り判定の判定結果が肯定である場合と、開始前大当り判定(開始前小当り判定)の判定結果が否定であって且つ開始前転落判定の判定結果が肯定である場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な内容パターンYb1,Yb2を決定可能に構成される。
本実施形態では、第2シナリオ演出の演出内容を特定できる内容パターンYb1,Yb2が特定内容パターンとなる。また、本実施形態の演出制御用CPU31aは、先読みコマンドの値(開始前移行判定の判定結果)に基づいて第2シナリオ演出の内容パターンYb1,Yb2を決定可能な特定内容パターン決定手段として機能する。
ゲーム開始処理の説明に戻り、図33に示すように、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出の内容パターンを選択すると、当該選択した内容パターンを特定可能な情報を演出制御用CPU31aに記憶させる。
また、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出に伴わせて実行させる第2保留変化演出の演出内容を特定可能な内容パターンを決定する。具体的に言えば、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、まず演出制御用RAM31cからパターン選択用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得したパターン選択用乱数の値と、演出制御用RAM31cにおいて、演出残回数に対応する第2保留記憶数に対応付けて記憶された先読みコマンドの値から特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに、図38(b)に示す第3内容パターンテーブルTc3を参照し、第2保留変化演出の内容パターンを選択する。この第3内容パターンテーブルTc3は、演出制御用RAM31cに記憶されている。
ここで、第3内容パターンテーブルTc3について詳しく説明する。図38(b)に示すように、第3内容パターンテーブルTc3には、第2保留変化演出の演出内容(表示態様)を特定可能な内容パターンとして、保留画像Gとして手裏剣画像G2bを表示させる演出内容を特定可能な内容パターンYc1が対応付けられている。また、第3内容パターンテーブルTc3には、保留画像Gとして日本刀画像G2cを表示させる演出内容を特定可能な内容パターンYc2、及び保留画像Gとして巻物画像G2dを表示させる演出内容を特定可能な内容パターンYc3が対応付けられている。
そして、第3内容パターンテーブルTc3では、演出残回数に対応付けられた先読みコマンドから特定可能な特図変動ゲームの変動内容毎に区分して、各内容パターンYc1〜Yc3に対して、パターン選択用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜199までの全200通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。この第3内容パターンテーブルTc3によれば、例えば、先読みコマンドにより、開始前転落判定で肯定判定され、開始前大当り判定で肯定判定され、且つ変動パターンP8bであることが特定される場合、200分の40の確率で内容パターンYc1が、200分の60の確率で内容パターンYc2が、200分の100の確率で内容パターンYc3が決定され得る。
第3内容パターンテーブルTc3におけるパターン選択用乱数の値の振分け態様によれば、内容パターンYc1(手裏剣)<内容パターンYc2(日本刀)<内容パターンYc3(巻物)の順に、大当りの場合に選択される割合と、はずれの場合に選択される割合との合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高い。即ち、本実施形態の第1保留変化演出では、内容パターンYc1(手裏剣)<内容パターンYc2(日本刀)<内容パターンYc3(巻物)の順に大当り期待度が高くなる。
また、第3内容パターンテーブルTc3によれば、内容パターンYc1(手裏剣)<内容パターンYc2(日本刀)<内容パターンYc3(巻物)の順に、開始前転落判定で肯定判定される場合に選択される割合と、否定判定される場合に選択される割合との合算割合に占める否定判定される場合に選択される割合が高い。即ち、本実施形態の第2保留変化演出では、内容パターンYc1(手裏剣)<内容パターンYc2(日本刀)<内容パターンYc3(巻物)の順に、確変継続期待度が高くなる。したがって、第2保留表示領域21p〜21sにおける保留画像Gの表示態様には、相互に異なる複数種類の表示態様があり、これら複数種類の表示態様には、相互に異なる大当り期待度、及び確変継続期待度が設定されている。
以上のように、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容(開始前転落判定、開始前大当り判定、及び開始前小当り判定の判定結果や、変動パターンの種類など)を判定し、当該判定した変動内容をもとに内容パターンYb1,Yb2や、内容パターンYc1〜Yc3を決定している。したがって、ステップSo11の処理を実行する主制御用CPU30aは、演出制御基板31側における開始前移行判定手段、開始前大当り判定手段、開始前小当り判定、及び開始前変動判定手段として機能し、さらに特定内容パターン決定手段としても機能する。
ゲーム開始処理の説明に戻り、図33に示すように、ステップSo11において演出制御用CPU31aは、第2保留変化演出の内容パターンを選択すると、当該選択した内容パターンを特定可能な情報を、演出制御用RAM31cにおいて、演出残回数に対応する第2保留記憶数より小さい第2保留記憶数に対応付けられた全ての記憶領域に記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、演出表示装置21の表示内容を制御し、第2保留記憶数に対応付けた各記憶領域に記憶されている情報(内容パターン)から特定可能な保留画像Gを、当該情報が対応付けて記憶されている第2保留記憶数に応じた第2保留表示領域21p〜21sに表示させる(ステップSo12)。
ステップSo12の処理を終了した場合、ステップSo8の判定結果が否定の場合(第2シナリオ演出を実行中ではない場合)、又はステップSo10の判定結果が否定の場合(今回の特図変動ゲームが第2シナリオ演出を新たに開始させる特図変動ゲームではない場合)、演出制御用CPU31aは、ステップSo13の処理へ移行する。図36に示すように、ステップSo13において演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から、演出フラグの値、演出制御用RAM31cに記憶されている情報から特定可能な第2シナリオ演出の内容パターン、及び演出開始フラグの値をもとに第1変短期間T1用の演出パターンを選択する。ステップSo13の処理を終了した演出制御用CPU31aは、ステップSo6の処理へ移行する。
また、図33に示すように、ステップSo7の判定結果が否定の場合(第2変短期間T2である場合)、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行中であるか否かを判定する(ステップSo14)。具体的に言えば、ステップSo14において演出制御用CPU31aは、演出フラグに継続回数報知演出を実行中であることを特定可能な情報として「3」が設定されているか否かを判定する。本実施形態の遊技機10では、変短状態のうち第2変短期間T2である場合にのみ、演出フラグに「3」が設定され得る。
ステップSo14の判定結果が否定の場合(継続回数報知演出を実行中ではない場合)、演出制御用CPU31aは、保留中の第2特図変動ゲームに、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれていないか否かを判定する(ステップSo15)。具体的に言えば、ステップSo15において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて第2保留記憶数に対応付けられて記憶されている先読みコマンドを全て参照し、参照した先読み上位コマンドがD6H,D8H,DAHの何れかであるか否かを判定している。
ステップSo15の判定結果が肯定の場合(開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれていない場合)、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行するか否かを所定の乱数値を用いた抽選により判定する(ステップSo16)。ステップSo16において演出制御用CPU31aは、例えば100分の25の確率で肯定判定する一方で、100分の75の確率で否定判定する。
ステップSo16の判定結果が肯定の場合(継続回数報知演出を実行すると判定した場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶される演出フラグに「3」を設定するとともに、演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数を、継続回数報知演出において報知する報知回数として決定する(ステップSo17)。本実施形態の遊技機10では、報知回数が継続回数報知演出の演出内容を示す特定内容パターンともなる。また、ステップSo17において演出制御用CPU31aは、決定した報知回数を演出制御用RAM31cに記憶させる。
ここで、演出制御用CPU31aは、ステップSo15の判定結果が肯定である場合(開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれていない場合)に第2保留記憶数を報知回数として決定している。即ち、ステップSo15及びステップSo17の処理において演出制御用CPU31aは、実行が保留されている第2特図変動ゲームのうち、開始前転落判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが、最も早くに記憶された各種乱数の値に基づく第2特図変動ゲームから順に連続して実行される回数を計数している。そして、ステップSo17において演出制御用CPU31aは、計数された第2特図変動ゲームの回数(ここでは第2保留記憶数に等しい回数)を上限として、継続回数報知演出で報知させる報知回数を決定している。本実施形態の遊技機10では、第2特図変動ゲームが開始されること(変動パターン指定コマンドの入力)が、予め定めた判定条件となり、演出制御用CPU31aは回数計数手段として機能する。
そして、ステップSo15,So17において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容(開始前転落判定、開始前大当り判定、及び開始前小当り判定の判定結果や、変動パターンの種類)を判定し、当該判定した変動内容をもとに継続回数報知演出における報知回数を決定している。したがって、ステップSo15,So17の処理を実行する主制御用CPU30aは、演出制御基板31側における開始前移行判定手段、開始前大当り判定手段、開始前小当り判定、及び開始前変動判定手段として機能し、さらに特定内容パターン決定手段としても機能する。
ステップSo17の処理を終了した場合、ステップSo15の判定結果が否定の場合(開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれている場合)、又はステップSo16の判定結果が否定の場合(継続回数報知演出を実行しないと判定した場合)、演出制御用CPU31aはステップSo18の処理へ移行する。ステップSo18において演出制御用CPU31aは、図37に示すように、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた第2変短期間T2用の演出パターンの中から演出パターンを選択する(ステップSo18)。ステップSo18の処理を終了した演出制御用CPU31aは、ステップSo6の処理へ移行する。
また、ステップSo14の判定結果が肯定の場合(継続回数報知演出を実行中である場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている報知回数を1減算して更新する(ステップSo19)。
次に、演出制御用CPU31aは、ステップSo15の処理と同様にして、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれていない否かを判定する(ステップSo20)。ステップSo20の判定結果が肯定の場合(開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれていない場合)、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出を実行するか否かを所定の乱数値を用いた抽選により判定する(ステップSo21)。ステップSo21において演出制御用CPU31aは、例えば100分の25の確率で肯定判定する一方で、100分の75の確率で否定判定する。
ステップSo21の判定結果が肯定の場合(追加回数報知演出を実行すると判定した場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている第2保留記憶数から、演出制御用RAM31cに記憶されている報知回数を減算して、追加回数報知演出で報知させる追加報知回数を算出し、決定する(ステップSo22)。また、ステップSo22において、演出制御用CPU31aは、決定した追加報知回数と報知回数とを加算して加算後報知回数を算出し、演出制御用RAM31cに記憶させる。本実施形態の遊技機10では、追加報知回数が追加回数報知演出の演出内容を示す特定内容パターンともなる。なお、本実施形態の演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理とは別の処理において、第2特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、演出制御用RAM31cに記憶されている加算後報知回数を新たな報知回数として演出制御用RAM31cに記憶させるようになっている。
このように、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行させている期間において、新たな判定条件が成立した場合、ステップSo20,So22の処理により計数した開始前転落判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームの回数と、既に継続回数報知演出によって報知されている回数との差分を上限として追加報知回数を決定している。このため、追加報知回数は、継続回数報知演出によって報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、更に遊技機10の遊技状態が変短状態(確変状態)から非変短状態(非確変状態)へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数となる。演出制御用CPU31aは回数計数手段として機能する。
また、ステップSo20,So22において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容(開始前転落判定、開始前大当り判定、及び開始前小当り判定の判定結果や、変動パターンの種類など)を判定し、当該判定した変動内容をもとに追加回数報知演出における追加報知回数を決定している。したがって、ステップSo20,So22の処理を実行する主制御用CPU30aは、演出制御基板31側における開始前移行判定手段、開始前大当り判定手段、開始前小当り判定、及び開始前変動判定手段として機能し、さらに特定内容パターン決定手段としても機能する。
ステップSo22の処理を終了した場合、ステップSo20の判定結果が否定の場合(開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれている場合)、及びステップSo21の判定結果が否定の場合(追加回数報知演出を実行しないと判定した場合)、演出制御用CPU31aはステップSo18の処理へ移行する。なお、ステップSo20,So21において演出制御用CPU31aは、判定結果が否定となる場合であって、演出制御用RAM31cに記憶されている報知回数が0(零)である場合、演出フラグに「0」を設定する。
なお、本実施形態の演出制御用CPU31aは、所定条件の成立を契機として先読み演出に関する各種情報(演出残回数、演出フラグ、内容パターン、報知回数など)をクリアし、先読み演出を強制的に終了(キャンセル)させる。
具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の開始(大当り遊技用のオープニングコマンドの入力)を契機として、先読み演出に関する各種情報をクリアする。そして、大当り遊技の開始直前に先読み演出を実行中であった場合、当該実行中の先読み演出を大当り遊技の開始を契機として終了させる。
ただし、演出制御用CPU31aは、小当り遊技の開始(小当り遊技用のオープニングコマンドの入力)を契機として、先読み演出に関する各種情報のクリアを行わない。したがって、本実施形態の遊技機10では、演出残回数分の特図変動ゲームが終了する迄の期間において小当り遊技が付与される場合、当該小当り遊技の開始前に実行を開始させた先読み演出(本実施形態では、特に継続回数報知演出)をその小当り遊技の終了後にも継続して実行させる制御を可能である。
また、演出制御用CPU31aは、遊技状態が確変状態から非確変状態に移行された場合(確変終了コマンドを入力した場合)、先読み演出に関する各種情報をクリアする。また、演出制御用CPU31aは、遊技状態が変短状態から非変短状態に移行された場合(変短終了コマンドを入力した場合)、先読み演出に関する各種情報をクリアする。また、演出制御用CPU31aは、演出モードを移行させる場合(後述のようにモードフラグを書き換えた場合)、先読み演出に関する各種情報をクリアする。したがって、演出制御用CPU31aは、遊技状態が確変状態から非確変状態に移行された場合、変短状態から非変短状態に移行された場合、及び演出モードが移行される場合に、実行中であった先読み演出を新たな特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の開始を契機として終了させる。
次に、前述のモード演出を演出表示装置21に実行させるための制御内容(モード移行処理)について説明する。
本実施形態の遊技機10において、演出制御用RAM31cには、実行中の演出モードを特定可能な情報が設定されるモードフラグが記憶されている。このモードフラグに「1」が設定されている場合には、演出モードとして第1非変短モードM1を実行させることを特定可能であり、「2」が設定されている場合には、第2非変短モードM2を実行させることを特定可能である。また、モードフラグに「3」が設定されている場合には、第1変短モードM3を実行させることを特定可能であり、「4」が設定されている場合には、第2変短モードM4を実行させることを特定可能である。
演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、確変開始コマンド(又は変短開始コマンド)の入力を契機としてモードフラグに「3」を設定する。なお、本実施形態の遊技機10では、大当りA〜Cの何れに基づく大当り遊技の終了後にも、確変状態及び変短状態が付与される。このため、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後には、必ず第1変短モードM3に滞在する。
また、モードフラグに「3」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、変動パターンP10を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合(演出パターンp26〜p28を決定した場合)、当該変動パターンP10に基づく特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、モードフラグに「4」を設定する。なお、モードフラグに「3」が設定されている場合であって、変動パターンP10を入力する場合は、確変転落判定(開始期転落判定)の判定結果が肯定となったことに伴って確変終了コマンドを入力する場合でもある。
また、モードフラグに「3」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理において変動パターンP3aに基づき演出パターンp12(NR演出)を決定した場合、前述した演出モード判定用乱数の値を用いて第2変短モードM4へ移行させるか否かのモード移行抽選を実行する。このモード移行抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて決定した演出パターンp12を演出パターンp28(モード移行演出)に書き換える。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3a(演出パターンp28)に基づく特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、モードフラグに「4」を設定する。この場合には、遊技機10の遊技状態が確変状態のまま第2変短モードM4へ移行されることから、第2変短モードM4は、確変状態である可能性がある演出モードとなる。
また、モードフラグに「4」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理において変動パターンP3aに基づき演出パターンp12(NR演出)を決定した場合であって、且つ遊技状態が確変状態である場合、演出モード判定用乱数の値を用いて第1変短モードM3へ移行させるか否かのモード移行抽選を実行する。
このモード移行抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて決定した演出パターンp12を演出パターンp28(モード移行演出)に書き換える。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3a(演出パターンp28)に基づく特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、モードフラグに「3」を設定する。このため、本実施形態の遊技機10では、モード移行演出を経由して第1変短モードM3から第2変短モードM4へ移行(転落)された場合であっても、第1変短モードM3へ再移行される可能性がある。
また、モードフラグに「3」又は「4」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、変短終了コマンドを入力すると、モードフラグに「2」を設定する。この場合には、遊技機10の遊技状態が確変状態のまま第2非変短モードM2へ移行される可能性があることから、第2非変短モードM2は、確変状態である可能性のある演出モードとなる。
また、モードフラグに「2」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、変動パターンP9aを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合(演出パターンp26,p28を決定した場合)、当該変動パターンP9aに基づく特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、モードフラグに「1」を設定する。なお、モードフラグに「2」が設定されている場合であって、変動パターンP9aを入力する場合は、確変転落判定(開始期転落判定)の判定結果が肯定となったことに伴って確変終了コマンドを入力する場合でもある。
また、モードフラグに「2」が設定されている場合において、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理において変動パターンP3aに基づき演出パターンp12(NR演出)を決定し、且つ遊技状態が非確変状態である場合、演出モード判定用乱数の値を用いて第1非変短モードM1へ移行させるか否かのモード移行抽選を実行する。
このモード移行抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて決定した演出パターンp12を演出パターンp28(モード移行演出)に書き換える。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3a(演出パターンp28)に基づく図柄変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、モードフラグに「1」を設定する。このように、本実施形態の遊技機10では、遊技機10の遊技状態が非確変状態である場合、又は開始期転落判定の判定結果が肯定となることを条件として第1非変短モードM1へ移行されることから、第1非変短モードM1は、確変状態である可能性がない演出モードとなる。
なお、演出制御用CPU31aは、小当り遊技の付与(小当り遊技用のオープニングコマンドやエンディングコマンドの入力)を契機として、モードフラグを書き換えないようになっている。即ち、本実施形態の遊技機10では、小当り判定(開始期小当り判定)の判定結果が肯定となったことを契機として演出モードを移行させない。
次に、上記ゲーム開始処理で決定された決定内容(決定事項)、及びモードフラグに設定された値(演出モード)に基づき演出表示装置21を制御し、飾図による図柄変動ゲームを実行させる制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾図の変動表示を開始させて、飾図による図柄変動ゲームを開始させるように演出表示装置21を制御する。このとき、演出制御用CPU31aは、モードフラグに設定されている値に基づき演出モードを特定するとともに、特定された演出モードに対応する背景画像を表示するように演出表示装置21の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、ゲーム終了コマンドを入力すると、確定停止表示させる飾図として決定した飾図の図柄組み合わせ(表示結果)を演出表示装置21に確定停止表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて選択した演出パターン(サブ変動パターン)から特定可能な演出内容により遊技演出(表示演出)が展開されるように、演出表示装置21を制御する。例えば、演出制御用CPU31aは、モード移行演出用の演出パターンを選択している場合、モード移行演出が映し出されるように、演出表示装置21を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、第1シナリオ演出用の演出パターンを選択している場合、当該演出パターンにて特定される内容で第1シナリオ演出が表示されるように、演出表示装置21を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、第1シナリオ演出を実行させる場合、飾図を演出表示装置21の表示領域の一部(例えば画像表示部GHの右上隅など)に縮小表示させる。
ここで、第1シナリオ演出の実行態様について、具体例を挙げて説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、例えば、変動パターンP7b(非転落、且つ大当り)に基づいて演出パターンp20を選択した場合、演出制御用CPU31aは、飾図の変動表示を開始させると「モヤが発生した状況」を模した画像を表示させ、開始報知演出EAが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。前述のように、この開始報知演出EAは、第2ルートによる第1シナリオ演出でも共通して実行される遊技演出であることから、開始報知演出EAが実行された状況からは、実行される第1シナリオ演出が何れのルートによるものであるかを遊技者に認識させ難い。
続けて、図5(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、「人影が現れる様子」を模した画像を表示させ、第1経過演出EBが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。飾図による図柄変動ゲームにおいて、第1経過演出EBが実行された状況からは、開始期転落判定の判定結果が否定であること(非確変状態へ移行されないこと)を遊技者に認識させ得る。また、飾図による図柄変動ゲームにおいて、第1経過演出EBが実行された状況からは、第2ルートによる第1シナリオ演出が実行された状況よりも大当り期待度が高いことを遊技者に認識させ得る。
その後、図5(h)に示すように、演出制御用CPU31aは、「敵キャラが登場する様子」を模した画像、及び当該画像に続けて「敵キャラとの戦いに勝利する様子」を模した画像を表示させ、第2大当り結果演出EDbが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。したがって、飾図による図柄変動ゲームにおいて、第2大当り結果演出EDbが実行された状況からは、大当りであることを遊技者に認識させ得る。
また、図5(a)及び図5(b)に示すように、例えば、変動パターンP10(転落且つはずれ)に基づいて演出パターンp26を選択した場合、演出制御用CPU31aは、飾図の変動表示を開始させると「モヤが発生した状況」を模した画像を表示させ、開始報知演出EAが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。続けて、図5(e)に示すように、演出制御用CPU31aは、「モヤに主人公が引きずり込まれる様子」を模した画像を表示させ、第2経過演出ECが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。飾図による図柄変動ゲームにおいて、第2経過演出ECが実行された状況からは、開始期転落判定の判定結果が肯定である可能性があること(非確変状態へ移行される可能性があること)を遊技者に認識させ得る。また、飾図による図柄変動ゲームにおいて、第2経過演出ECが実行された状況からは、第1ルートによる第1シナリオ演出が実行された状況よりも大当り期待度が低いことを遊技者に認識させ得る。
その後、図5(p)に示すように、演出制御用CPU31aは、「濃い霧がたちこめる様子」を模した画像を表示させ、転落結果演出EFが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。したがって、飾図による図柄変動ゲームにおいて、転落結果演出EFが実行された状況からは、大当りとならず、且つ非確変状態へ移行(転落)したことを遊技者に認識させ得る。
また、演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出用の演出パターンを選択している場合、当該演出パターンにて特定される内容で第2シナリオ演出が映し出されるように、演出表示装置21を制御する。また、演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出用の演出パターンに基づき飾図による図柄変動ゲームを実行させる場合、当該図柄変動ゲームの開始前に第2保留変化演出として第2保留表示領域21p(第2保留記憶数=1)に表示されていた保留画像Gの武器を用いて、敵キャラA,Bを攻撃する様子が映し出されるように、演出表示装置21を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出を実行させる場合、飾図を演出表示装置21の表示領域の一部(例えば画像表示部GHの右上隅など)に縮小表示させる。
ここで、第2シナリオ演出の実行態様について、具体例を挙げて説明する。
まず、第2保留記憶数=1〜3に対応する第2特図変動ゲームの変動内容が変動パターンP1,P2(非転落且つはずれ)で、第4保留記憶数=4に対応する第2特図変動ゲームの変動内容が変動パターンP8b(非転落且つ大当り)であり、さらに内容パターンYb1(第1ルート)による第2シナリオ演出の実行が決定された状況を例に説明する。なお、ここで説明する例では、第2シナリオ演出に伴わせて実行させる第2保留変化演出の内容パターンとして、内容パターンYc1(手裏剣)が決定されているものとする。また、1回目の第2特図変動ゲームにおける演出パターンとして、演出パターンp3,p8が、2,3回目の第2特図変動ゲームにおける演出パターンとして、演出パターンp5,p10が決定され、4回目(最終回)の第2シナリオ演出における演出パターンとして、演出パターンp24が選択されるものとする。
この場合、図6(a)及び図6(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、1回目の飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)において飾図の変動表示を開始させると、「障子が閉じられた様子」を模した画像を表示させ、開始報知演出FAが開始されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。前述のように、開始報知演出FAは、第2ルートによる第2シナリオ演出でも共通して実行される遊技演出であることから、開始報知演出FAが実行された状況からは、実行される第2シナリオ演出が何れのルートによるものであるかを遊技者に認識させ難い。
次に、図6(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、「敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第1経過演出FBが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、飾図による1回目の図柄変動ゲームの開始に伴って、演出表示装置21の第2保留表示領域21p〜21rに表示させる保留画像Gを、手裏剣画像G2bに変更して表示させる。
次に、図6(e)に示すように、演出制御用CPU31aは、飾図による2回目の図柄変動ゲームにおいて、「第2保留表示領域21pに表示されていた保留画像Gに示される武器(手裏剣)を用いた敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第1経過演出FBが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また図6(e)及び図6(f)に示すように、演出制御用CPU31aは、3,4回目の図柄変動ゲームにおいて、「第2保留表示領域21pに表示されていた保留画像Gに示される武器(手裏剣)を用いた敵キャラAとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第1経過演出FBが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
飾図による1〜4回目の図柄変動ゲームにおいて、第1経過演出FBが実行された状況からは、開始前転落判定の判定結果が否定であること(保留中の第2特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行されないこと)を遊技者に認識させ得る。したがって、この場合には、非確変状態へ移行されないことを認識した遊技者に対して、主に第1ルートによる第2シナリオ演出や、第2保留変化演出の内容パターンに設定された大当り期待度に注目させることができる。即ち、遊技者は、保留画像Gに示される武器が手裏剣<日本刀<巻物である順に、保留中の第2特図変動ゲームにおいて大当りとなる可能性が高いことを把握できる。
その後、図6(g)に示すように、演出制御用CPU31aは、「敵キャラAとのバトルに勝利し、さらに登場する敵キャラCとのバトルにも勝利する様子」を模した画像を表示させ、大当り結果演出FDが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。したがって、飾図による図柄変動ゲームにおいて、大当り結果演出FDが実行された状況からは、大当りであることを遊技者に認識させ得る。
次に、第2保留記憶数=1〜3に対応する第2特図変動ゲームの変動内容が変動パターンP1,P2(非転落且つはずれ)で、第4保留記憶数=4に対応する第2特図変動ゲームの変動内容が変動パターンP10(転落且つはずれ)であり、さらに内容パターンYb2(第2ルート)による第2シナリオ演出の実行が決定された状況を例に説明する。また、1回目の第2特図変動ゲームにおける演出パターンとして、演出パターンp4,p9が、2,3回目の第2特図変動ゲームにおける演出パターンとして、演出パターンp6,p11が決定され、4回目(最終回)の第2シナリオ演出における演出パターンとして、演出パターンp27が選択されるものとする。
この場合、図6(a)及び図6(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、1回目の飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)において飾図の変動表示を開始させると、「障子が閉じられた様子」を模した画像を表示させ、開始報知演出FAが開始されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
次に、図6(m)に示すように、演出制御用CPU31aは、「敵キャラBとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第2経過演出FCが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、飾図による1回目の図柄変動ゲームの開始に伴って、演出表示装置21の第2保留表示領域21p〜21rに表示させる保留画像Gを、手裏剣画像G2bに変更して表示させる。
次に、図6(n)に示すように、演出制御用CPU31aは、飾図による2回目の図柄変動ゲームにおいて、「第2保留表示領域21pに表示されていた保留画像Gに示される武器(手裏剣)を用いた敵キャラBとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第2経過演出FCが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また図6(n)及び図6(o)に示すように、演出制御用CPU31aは、3,4回目の図柄変動ゲームにおいても、「第2保留表示領域21pに表示されていた保留画像Gに示される武器(手裏剣)を用いた敵キャラBとのバトルの様子」を模した画像を表示させ、第2経過演出FCが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
飾図による1〜4回目の図柄変動ゲームにおいて、第2経過演出FCが実行された状況からは、開始前転落判定の判定結果が肯定である可能性があること(保留中の第2特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行され得ること)を遊技者に認識させ得る。したがって、この場合には、非確変状態へ移行され得ることを認識した遊技者に対して、主に第2ルートによる第2シナリオ演出や、第2保留変化演出の内容パターンに設定された確変継続期待度に注目させることができる。即ち、遊技者は、保留画像Gに示される武器が手裏剣<日本刀<巻物である順に、保留中の第2特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行される可能性が低いことを把握できる。
その後、図6(r)に示すように、演出制御用CPU31aは、「敵キャラAとのバトルに敗北する様子」を模した画像を表示させ、転落結果演出FFが実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。したがって、飾図による図柄変動ゲームにおいて、転落結果演出FFが実行された状況からは、大当りとならず、且つ非確変状態へ移行(転落)したことを遊技者に認識させ得る。
本実施形態の遊技機10では、小当り判定の判定結果が肯定の場合にも変動パターンP10が決定され、当該変動パターンP10に基づき第1,第2シナリオ演出が実行される可能性がある。このような場合には、飾図による図柄変動ゲームにおいて転落結果演出EFや転落結果演出FFが実行された後に、小当り遊技が遊技者に付与される。このため、本実施形態の遊技機10では、確変状態から非確変状態へ移行(転落)されたことを認識した遊技者に対し、賞球を獲得するチャンスを付与することで興趣が低下することを抑制している。
このように、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力してから(開始前大当り判定が実行されてから)、先読みコマンドに対応する第2特図変動ゲームが終了される迄に間に複数回の第2特図変動ゲームが実行される場合、当該複数回の第2特図変動ゲームに跨って第1ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を可能に構成されている。また、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力してから(開始前転落判定が実行されてから)、先読みコマンドに対応する第2特図変動ゲームが終了される迄に間に複数回の第2特図変動ゲームが実行される場合、当該複数回の第2特図変動ゲームに跨って第2ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を可能に構成されている。そして、演出制御用CPU31aは、第1,第2ルートによる第2シナリオ演出の開始前に、第1ルートによる第2シナリオ演出、及び第2ルートによる第2シナリオ演出の何れかが開始されることを報知する開始報知演出FAを、同一(又は略同一)の演出態様により実行させる。
また、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出の実行(開始)を決定している場合、飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の開始に伴って、報知回数を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行させている場合、ゲーム開始処理(ステップSo19)で更新された更新後の報知回数を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出の実行を決定した場合、飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の開始に伴って、追加回数画像G4を表示させ、追加回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出を実行させた場合、追加回数報知演出の終了後に、ゲーム開始処理(ステップSo22)において決定した加算後報知回数を示す残回数画像G3を表示するように演出表示装置21の表示内容を制御する。
ここで、継続回数報知演出、及び追加回数報知演出の実行態様について、図39にしたがって具体例を挙げつつ説明する。なお、図39(a)〜図39(h)に示す「○」は、開始前転落判定及び開始前大当り判定の判定結果が否定となった第2特図変動ゲームに対応する第2始動保留球を示すものとする。図39(h)において、斜線を付した「○」は、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となった第2特図変動ゲームに対応する第2始動保留球を示すものとする。
図39(a)には、第2特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の実行中に第2始動入賞口25へ遊技球が入球し、第2保留記憶数=4となった状況(4つの第2始動保留球が記憶された状況)が示されている。この場合、保留中の第2特図変動ゲームに、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれないことから、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行すると判定可能である。
図39(b)に示すように、継続回数報知演出を実行すると判定した場合、演出制御用CPU31aは、2回目の第2特図変動ゲームの開始時点における第2保留記憶数=3を報知回数と決定する。この場合、演出制御用CPU31aは、報知回数(ここでは3回)を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
図39(b)〜図39(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、第2特図変動ゲームを開始させる毎(ゲーム開始処理毎)に報知回数が1減算されることに伴って、減算後の報知回数を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。即ち、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行させている場合、新たに第2特図変動ゲームが実行されるときに、継続回数報知演出により報知している第2特図変動ゲームの回数を減算して再報知する制御を可能に構成されている。
そして、図39(e)には、継続回数報知演出が開始されてから3回目の第2特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の実行中に、新たに3個の遊技球が第2始動入賞口25に入球した状況が示されている。この場合、保留中の第2特図変動ゲームに、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが含まれないことから、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出を実行すると判定可能である。
図39(f)に示すように、追加回数報知演出を実行すると判定した場合、演出制御用CPU31aは、4回目の第2特図変動ゲームの開始時点における第2保留記憶数=3を追加報知回数と決定する。この場合、演出制御用CPU31aは、追加報知回数(ここでは3回)を示す追加回数画像G4を表示させ、追加回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、追加報知回数(ここでは3回)と報知回数(ここでは0回)とを加算した加算後報知回数(ここでは3回)を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が継続して実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。このように、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出により報知させている第2特図変動ゲームの回数に加算する態様により、追加回数報知演出を実行させる。
したがって、継続回数報知演出が実行された状況から、少なくとも継続回数報知演出によって報知された回数分の第2特図変動ゲームが実行(終了)される迄の間、確変状態から非確変状態へ移行(転落)されないことを遊技者に認識させ得る。また、追加回数報知演出が実行された状況から、少なくとも継続回数報知演出により報知されている回数分の第2特図変動ゲームが実行されてから、さらに追加回数報知演出により報知された回数分の第2特図変動ゲームが実行(終了)される迄の間、確変状態から非確変状態へ移行(転落)されないことを遊技者に認識させ得る。
また、本実施形態の演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行させている期間に小当り遊技が付与された場合であっても、当該小当り遊技が付与される直前の特図変動ゲームにおいて演出表示装置21に表示させていた残回数画像G3を、小当り遊技の終了後に実行される最初の特図変動ゲームにおいても演出表示装置21に表示させる。例えば、図39(b)に示す1回目の第2特図変動ゲームにおいて継続回数報知演出を開始させた場合であって、1回目の特図変動ゲームで小当りとなり、当該1回目の第2特図変動ゲームの終了後に小当り遊技が付与された場合について説明する。この場合、図39(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後に実行される2回目の第2特図変動ゲームにおいて、演出表示装置21に「残2回」を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出を継続させる。このため、本実施形態の遊技機10では、継続回数報知演出の実行中に小当り遊技が付与される場合であっても、当該小当り遊技の前後を通して継続回数報知演出を継続して実行する。
また、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて選択した内容パターンから特定可能な演出内容によりカットイン予告が実行されるように、演出表示装置21の表示内容を制御する。即ち、演出制御用CPU31aは、予告パターンYP1が決定されている場合、飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の開始に伴って、「黄色の星」を模した画像を表示させ、カットイン予告が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、予告パターンYP2が決定されている場合、飾図による図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の開始に伴って、「赤色の星」を模した画像を表示させ、カットイン予告が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
なお、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて選択した演出パターン(サブ変動パターン)から特定可能な発光演出を実行するように、装飾ランプ16の発光態様を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理にて選択した演出パターン(サブ変動パターン)から特定可能な音声を出力するように、スピーカ17の音声出力態様を制御する。
以上のように、演出制御用CPU31aは、特別図柄開始処理で実行される開始期転落判定、開始期大当り判定、開始期小当り判定、及び開始期リーチ判定のうち少なくとも1つの判定の結果に基づき演出表示装置21を制御し、カットイン予告、及び第1シナリオ演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄入力処理で実行される開始前転落判定、開始前大当り判定、開始前小当り判定、及び開始前リーチ判定のうち少なくとも1つの判定の結果に基づき演出表示装置21を制御し、第1保留変化演出、第2保留変化演出、第2シナリオ演出、継続回数報知演出、及び追加回数報知演出を実行させる。したがって、本実施形態の遊技機10では、演出制御用CPU31aが演出実行制御手段、第1演出制御手段、第2演出制御手段、導出演出制御手段、及びゲーム制御手段として機能する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態の遊技機10では、特図変動ゲームの実行条件の成立を契機とした開始期転落判定の実行前に、当該開始期転落判定の判定結果が肯定となるか否かを事前に判定することから、将来的に確変状態から非確変状態へ移行されるか否かを、実際に非確変状態へ移行される特図変動ゲームの開始前に判定できる。ここで、確変状態は、大当り抽選の当選確率が非確変状態より高確率であることから、当選確率が高確率とされている状態(確変状態)は、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このため、確変状態において、遊技者は、大当り抽選に当選することに加えて、仮に開始期大当り判定で肯定判定されない場合(大当り抽選に当選しない場合)であっても、開始期転落判定で肯定判定されることなく、確変状態が継続されることに期待感を抱く。本実施形態の遊技機10では、開始前移行判定の判定結果に基づき決定された内容パターンに基づき各種の先読み演出を実行することにより、将来的に開始期転落判定で肯定判定されるか否かに応じた演出内容で各種の先読み演出を実行することができる。このため、本実施形態の遊技機10では、大当り抽選の当選確率が高確率である確変状態が継続されることに期待する遊技者の興趣を好適に高めることができる。
(2)本実施形態では、特図変動ゲームを開始させるとき(開始時)に実行される開始期転落判定に用いられる転落判定用乱数の値を用いて、開始前転落判定を実行することにより、将来的に大当り確率が高確率から低確率へ移行(転落)されるか否かを正確に判定できる。
(3)本実施形態の遊技機10では、開始期大当り判定で肯定判定された場合と、開始期大当り判定で肯定判定されず且つ開始期転落判定で肯定判定された場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な予告パターンによりカットイン予告(予告演出)が実行され得る。したがって、同一又は略同一の演出内容によるカットイン予告が特図変動ゲームの実行中に実行された場合に、当該特図変動ゲームが大当りとなる状況と、大当りとならずに非確変状態へ転落される状況とを作り出し、カットイン予告に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(4)開始前大当り判定で肯定判定された場合と、開始前大当り判定で否定判定され且つ開始前転落判定で肯定判定された場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な内容パターンに基づき第2経過演出FC(第2シナリオ演出)が実行され得る。したがって、第2経過演出FCが実行された場合に、記憶されている大当り判定用乱数の値を用いた開始期大当り判定に基づく特図変動ゲーム、即ち実行が保留されている特図変動ゲームにおいて、大当りとなる状況と、大当りとならずに非確変状態へ転落される状況とを作り出し、第2シナリオ演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(5)主制御用CPU30aは、少なくとも確変用判定値及び非確変用判定値の何れにも含まれる共通値と、入球検知を契機に取得した大当り判定用乱数の値とが一致する場合に開始前大当り判定で肯定判定する。したがって、大当り抽選の当選確率に関係なく、即ち開始期転落判定で肯定判定されるか否かに関係なく大当りとなる場合に第2シナリオ演出を実行可能とし、第2シナリオ演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(6)大当り判定用乱数及び転落判定用乱数を異なる乱数生成回路R1,R2により生成することから、両判定用乱数が同値となることによって遊技演出の演出内容に偏りが生じることを回避できる。
(7)第2変短期間T2における開始前転落判定(ステップSd1)では、確変状態から非確変状態へ転落(移行)されるか否かの転落判定、及び変短状態から非変短状態へ転落(移行)されるか否かの転落判定を同時に行う。そして、この開始前転落判定の判定結果に応じた報知回数により継続回数報知演出を実行できるとともに、追加報知回数により追加回数報知演出を実行できる。このため、本実施形態の遊技機10では、遊技者にとって有利な変短状態である状態が継続されることに期待する遊技者の興趣を高め得る。
(8)本実施形態の遊技機10では、第2始動入賞口25への入球検知を契機として記憶される第2始動保留球に基づく第2特図変動ゲームが、第1始動入賞口24への入球検知を契機として記憶される第1始動保留球に基づく第1特図変動ゲームに優先して実行される。そして、第2始動入賞口25への入球率が向上される変短状態である場合には、当該変短状態において実行される機会が多くなる第2特図変動ゲームを対象として第2シナリオ演出(第2保留変化演出)、継続回数報知演出、及び追加回数報知演出を実行することにより、変短状態における遊技者の興趣を好適に向上させている。
(9)さらに、本実施形態の遊技機10では、第2始動入賞口25への入球が困難な非変短状態である場合には、当該非変短状態において実行される機会が多くなる第1特図変動ゲームを対象として第1保留変化演出を実行することにより、非変短状態における遊技者の興趣向上を図ることができる。
(10)近時のパチンコ遊技機では、遊技演出の高度化に伴って、例えば機全体の統括的な制御を主制御基板で行う一方で、各種の遊技演出に係る制御を副制御基板で実行することにより制御負担の分散が図られている。このため、大当り確率が高確率である状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めるだけではなく、さらに例えば主制御基板及び副制御基板を設けて制御負担を分散させたパチンコ遊技機にも適用可能とすることも同時に期待されている。本実施形態の遊技機10では、主制御基板30(主制御用CPU30a)から、開始前転落判定の判定結果を特定可能な先読みコマンドを生成して演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力している。このため、本実施形態では、主制御基板30と演出制御基板31とで遊技機10の制御負担を分散させつつも、先読み演出の実行に必要な情報である開始前転落判定の判定結果を演出制御基板31側に伝達し、適切に先読み演出を実行することができる。したがって、本実施形態では、先読み演出(遊技演出)の実行に係る制御負担を分散させつつ、大当り確率が高確率である状態の継続に期待する遊技者の興趣を好適に高めることができる。
(11)特図変動ゲームの実行に伴って確変フラグに「0」が設定される場合、即ち非確変状態へ移行される場合には、第1グループとは別の第2グループに属する変動パターンP1,P2,P3〜P8,P9aが選択され、当該変動パターンに基づき特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)が実行される。したがって、確変状態から非確変状態へ移行される際に、非確変状態へ移行されない場合に選択される変動パターンとは異なる変動パターンにより特図変動ゲームを実行し、大当り確率が低確率へ移行される特図変動ゲームを特徴付けることができる。
(12)同一の先読み下位コマンドにより、遊技機10の遊技状態が変短状態である場合と非変短状態である場合とで、開始前変動パターン判定の異なる判定結果を特定可能である。このため、開始前変動パターン判定の判定結果を特定可能な先読み下位コマンドを各別に設ける構成と比較して、先読み下位コマンドの数を削減し、制御負担の増加を抑制できる。
(13)また、本実施形態の遊技機10では、同一の先読み下位コマンドにより、先読み上位コマンドが第1始動口スイッチSW1からの検知信号の入力を契機に生成されている場合(特図1を特定可能である場合)と、第2始動口スイッチSW2からの検知信号の入力を契機に生成されている場合(特図2を特定可能である場合)とで、開始前変動パターン判定の異なる判定結果を特定可能である。このため、開始前変動パターン判定の判定結果を特定可能な先読み下位コマンドを各別に設ける構成と比較して、先読み下位コマンドの数を削減し、制御負担の増加を抑制できる。
(14)本実施形態の遊技機10では、大当り遊技とは別に大入賞口29を開放する小当り遊技が付与されるか否かに応じた演出内容により第2シナリオ演出を実行可能とすることで、第2シナリオ演出を多様化させ、遊技者の興趣を一層高めることができる。
(15)特に、本実施形態の遊技機10によれば、仮に第2ルートの第2シナリオ演出が実行されるとともに、最終的に転落結果演出FFが実行された場合であっても、単に確変状態から非確変状態が転落される状況だけでなく、小当り遊技が付与される状況を作り出し、第2シナリオ演出を多様化している。
(16)また、この場合、本実施形態の遊技機10では、確変状態から非確変状態へ移行(転落)されたことを認識した遊技者に対し、賞球を獲得するチャンス(小当り遊技)を付与することで興趣が低下することを抑制できる。
(17)先読み演出(継続回数報知演出)の実行中に小当り遊技が付与される場合であっても、当該小当り遊技の前後を通して継続回数報知演出を継続して実行する。したがって、継続回数報知演出が小当り遊技によって途中で終了することによって、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(18)開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合と、開始期小当り判定の判定結果が肯定である場合と、開始期小当り判定の判定結果が否定であって且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な内容パターンYb1,Yb2により第2シナリオ演出が実行される。したがって、同一(又は略同一)の演出内容による第2シナリオ演出(第2経過演出FC)が実行された場合に、実行が保留されている特図変動ゲームにおいて大当りとなる状況と、小当りとなる状況と、大当り及び小当りの何れにもならずに非確変状態へ移行される状況とを作り出し、第2シナリオ演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(19)開始期小当り判定の判定結果が肯定となった場合と、開始期小当り判定の判定結果が否定となった場合(はずれの場合)とで、同一(又は略同一)の変動時間を特定可能な変動パターンP1,P2,P9a,P10に基づく特図変動ゲームが実行される。したがって、小当りの場合と、はずれの場合とで、同一(又は略同一)の変動時間による特図変動ゲームが行われ、特図変動ゲームにおいて小当りが付与されるか否かを遊技者に気付かせ難くすることができる。
(20)大当り判定の判定結果が肯定である場合と、小当り判定の判定結果が肯定である場合と、小当り判定及び大当り判定の判定結果が否定であって且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合とで、同一(又は略同一)の演出内容を特定可能な予告パターンYP1,YP2によりカットイン予告が実行され得る。したがって、同一(又は略同一)の演出内容によるカットイン予告が特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の実行中に出現した場合に、当該特図変動ゲームが大当りとなる状況と、小当りとなる状況と、大当り及び小当りの何れにもならずに非確変状態へ移行される状況とを作り出し、カットイン予告に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(21)第1事前判定処理のステップSc11、及び第2事前判定処理のステップSc21において遊技機10の遊技状態を判定することにより、先読みコマンドを生成するか否か、即ち先読みコマンドを出力させるか否かを判定している。したがって、本実施形態の遊技機10では、遊技機10の遊技状態を加味して先読みコマンドを出力することで、例えば、遊技状態に応じて必要な先読みコマンドのみを出力し、不要なコマンド出力の削減を図ることができる。即ち、主制御基板30(主制御用CPU30a)からのコマンドの出力回数を削減できるとともに、コマンドの誤送信そのものや、不要なコマンドの出力に伴う演出制御基板31(演出制御用CPU31a)の誤作動を抑制できる。
(22)特に、演出制御用CPU31aは、遊技機10の遊技状態が変短状態であるか否かに応じて先読みコマンドを生成するか否かを判定している。したがって、変短状態であるか否かに応じて必要な先読みコマンドのみを出力し、不要なコマンド出力の削減を図ることができる。
(23)第1事前判定処理によれば、変短状態である場合、及び大当り状態(大当り遊技中)である場合、第1始動口スイッチSW1からの第1検知信号を契機として取得された転落判定用乱数の値を用いて生成した先読みコマンドが演出制御基板に出力されない。このため、本実施形態の遊技機10では、変短状態、又は大当り状態である場合には、第1始動口スイッチSW1からの第1検知信号の入力を契機とした先読み演出が実行され得ない。したがって、例えば変短状態や大当り状態において、第1始動口スイッチSW1による入球検知に基づく第1特図変動ゲームを対象に先読み演出が実行されたにもかかわらず、第2始動口スイッチSW2による入球検知に基づく第2特図変動ゲームが優先的に(割り込んで)実行される結果、既に実行された先読み演出と、当該先読み演出が対象とした第1特図変動ゲームとの間に時間があいてしまい、却って遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(24)また、本実施形態の遊技機10では、分岐回数又は変短上限回数として100回を設定した大当りA,a,B,bの割合は、特図1の25%と比較して特図2の85%の方が高い。即ち、本実施形態の遊技機10では、第2始動入賞口25への入球検知に基づく第2特図変動ゲームのほうが、第1始動入賞口24への入球検知に基づく第1特図変動ゲームと比較して、大きな特典を設定した大当りが決定され易い。このような前提のもと、本実施形態の遊技機10では、第2始動入賞口25への入球率が向上される変短状態において、特図2と比較して不利な大当りとなる可能性のある特図1を対象として先読み演出を実行しないことで、遊技者の興趣が低下することを抑制している。
(25)第2事前判定処理によれば、変短状態である場合、及び大当り状態(大当り遊技中)である場合、第2始動口スイッチSW2からの第2検知信号の入力を契機として取得された転落判定用乱数の値を用いて生成された先読みコマンドが演出制御基板31に出力される。このため、変短状態又は大当り状態である場合には、第2始動口スイッチSW2からの第2検知信号の入力を契機とした先読み演出を実行可能となる。したがって、第1特図変動ゲームよりも第2特図変動ゲームを優先して実行する遊技機10において、優先実行される第2図柄変動ゲームを対象に先読み演出を実行し、遊技者の興趣を好適に向上できる。
(26)記憶コマンド設定処理によれば、同じ保留記憶数について、1回の制御周期内にて特別図柄開始処理及び特別図柄入力処理が実行される場合、即ち、1回の制御周期内にて保留記憶数が変化しない場合には、対応する保留記憶コマンドが演出制御基板31に出力されない。このため、演出制御基板31側において、保留記憶コマンドの入力にタイムラグが生じることで、演出制御用RAM31cに記憶されている保留記憶数と、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数とが一致しない期間が発生することを抑制できる。したがって、演出制御用RAM31cに記憶された保留記憶数を用いて先読み演出(特に第1,第2保留変化演出)を実行する場合などに、より正確な保留記憶数に基づいた先読み演出を実行させることができる。
(27)従来のパチンコ遊技機の中には、大当り遊技の終了後、遊技者に有利な有利遊技状態を付与するとともに、当該有利遊技状態を、所定の判定用乱数を用いた移行判定にて肯定判定されたことを条件として終了させるものもある。ここで、上記有利遊技状態としては、例えば大当り確率を低確率から高確率に変動させる確率変動状態や、始動口への遊技球の入球率が向上される入球率向上状態(所謂、変動時間短縮状態)などが考えられる。このようなパチンコ遊技機において、遊技者は、大当り判定の判定結果が肯定となることに加えて、仮に大当り判定の判定結果が肯定とならない場合であっても、前記移行判定で肯定判定されることなく、有利遊技状態が継続されることに期待感を抱いている。しかしながら、前述した特許文献1のパチンコ遊技機は、大当り判定の事前判定結果に基づき遊技演出を実行するものである。このため、上記のように有利遊技状態を移行判定の判定結果に基づき終了させるパチンコ遊技機の特性に注目した遊技演出を実行し、有利遊技状態の継続に期待する遊技者の興趣をさらに高めることが期待されている。
本実施形態の演出制御用CPU31aは、判定条件の成立(特図変動ゲームの開始)を契機として、先読みコマンドに示される開始前移行判定の判定結果を参照し、判定条件の成立後において、開始前移行判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが連続して実行される回数を計数する。開始前移行判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームでは、遊技機10の遊技状態が変短状態から非変短状態へ移行されることなく、変短状態に維持される。そして、本実施形態では、継続回数報知演出を実行することにより、計数された特図変動ゲームの回数を上限として、遊技機10の遊技状態が変短状態から非変短状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数が報知される。したがって、変短状態において、上述の継続回数報知演出を実行することにより、遊技機10の遊技状態が遊技者にとって有利な変短状態に維持される特図変動ゲームの回数を遊技者に認識させることができる。したがって、変短状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(28)継続回数報知演出では、新たに特図変動ゲームが実行される毎に、継続回数報知演出により報知している特図変動ゲームの回数が減算して再報知される。したがって、変短状態が確実に継続される特図変動ゲームの残回数を遊技者に容易に把握させることができる。
(29)本実施形態の遊技機10では、追加回数報知演出を実行する。したがって、追加回数報知演出の実行によって、継続回数報知演出によって既に報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、変短状態が継続される特図変動ゲームの回数を遊技者に対して追加的に報知することができる。したがって、変短状態の継続に期待する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
(30)追加回数報知演出は、継続回数報知演出により報知されている特図変動ゲームの回数に加算する態様により実行される。このため、本実施形態の遊技機10では、変短状態が継続される回数をより遊技者に明確に理解させることができる。
(31)また、本実施形態の遊技機10において、第2変短期間T2では、変短状態及び確変状態が同時に終了する。したがって、本実施形態の遊技機10において、継続回数報知演出では、確変状態から非確変状態へ移行されることなく実行される特図変動ゲームの回数が報知されるとも言える。このため、確変状態において、上述の継続回数報知演出を実行することにより、大当り確率が遊技者にとって有利な高確率に維持される特図変動ゲームの回数を遊技者に認識させることができる。したがって、大当り確率(当り確率)が高確率である状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(32)また、継続回数報知演出では、新たに特図変動ゲームが実行されるときに、さらに継続回数報知演出により報知している特図変動ゲームの回数が減算して再報知される。したがって、大当り確率が高確率である状態が確実に継続される特図変動ゲームの残回数を遊技者に容易に把握させることができる。
(33)また、追加回数報知演出の実行によって、継続回数報知演出によって既に報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、確変状態が継続される特図変動ゲームの回数を遊技者に対して追加的に報知することができる。したがって、確変状態の継続に期待する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
(34)追加回数報知演出は、継続回数報知演出により報知されている特図変動ゲームの回数に加算する態様により実行される。このため、追加回数報知演出により、確変状態が継続される回数をより遊技者に明確に理解させることができる。
(35)本実施形態の遊技機10では、第1経過演出EBを経由する第1シナリオ演出(第1ルートによる第1シナリオ演出)には、第2経過演出ECを経由する第1シナリオ演出(第2ルートによる第1シナリオ演出)よりも高い大当り期待度、及び確変継続期待度が設定される。このため、第1シナリオ演出が第1ルートにより実行された場合には、大当りとなる可能性が高く、さらに大当りとならない場合であっても、確変状態に維持される可能性が高いことを認識できるため、遊技者に安心感を与え、その興趣の向上を図ることができる。また、第1シナリオ演出が第2ルートにより実行された場合には、大当りとなる可能性が低く、さらにはずれとなった場合には非確変状態に移行される可能性が高いことを認識できるため、遊技者に緊張感を与え、これにより興趣を向上させることができる。したがって、大当り確率が高確率である状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(36)開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合、又は開始期大当り判定、及び開始期転落判定の判定結果が否定である場合に、第1ルートによる第1シナリオ演出を実行させる。したがって、第1ルートによる第1シナリオ演出の実行により、大当りとならない場合であっても、大当り確率が低確率へ移行されないことを遊技者に認識させることができる。その一方で、本実施形態では、開始期大当り判定の判定結果が肯定である場合、開始期大当り判定及び開始期転落判定の判定結果が否定である場合、又は開始期大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始期転落判定の判定結果が肯定である場合に、第2ルートによる第1シナリオ演出を実行させる。このため、第2ルートによる第1シナリオ演出の実行により、大当り確率が低確率へ移行される可能性があることを遊技者に認識させることができる。したがって、第1シナリオ演出の演出態様(ルート)に応じて遊技者に安心感や緊張感を与え、興趣を向上させることができる。
(37)本実施形態の遊技機10では、第1シナリオ演出を構成する経過演出が第1経過演出EB及び第2経過演出ECの何れであるかによって、開始期転落判定の判定結果が否定となっている可能性の有無を遊技者に認識させることができる。そして、第1シナリオ演出では、経過演出に対応する結果演出によって、開始期大当り判定、及び開始期転落判定の判定結果が遊技者に報知される。したがって、経過演出と、結果演出の少なくとも2段階によって遊技者に期待感を抱かせ、興趣の向上を図ることができる。
(38)第1ルート、又は第2ルートによる第1シナリオ演出の開始前に、各ルートによる第1シナリオ演出で同一(又は略同一)の開始報知演出EAが実行される。したがって、開始報知演出EAが実行された段階では、第1ルート及び第2ルートの何れによる第1シナリオ演出が実行されるかを遊技者が把握できないため、遊技者の期待感を好適に高めることができる。
(39)本実施形態の遊技機10では、開始期大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始期小当り判定の判定結果が肯定である場合、第2ルートによる第1シナリオ演出を実行させる制御を可能である。このため、本実施形態の遊技機10では、第2ルートによる第1シナリオ演出の実行を経て転落結果演出EFが導出され、遊技状態が非確変状態に移行される場合であっても、大入賞口29を開放する小当り遊技が付与される可能性がある。したがって、遊技状態が非確変状態に移行された場合における遊技者の興趣低下を抑制できる。
(40)本実施形態の遊技機10では、第1経過演出FBを経由する第2シナリオ演出(第1ルートによる第2シナリオ演出)には、第2経過演出FCを経由する第2シナリオ演出(第2ルートによる第2シナリオ演出)よりも高い大当り期待度、及び確変継続期待度が設定される。このため、第2シナリオ演出が第1ルートにより実行された場合には、開始前大当り判定の対象となった特図変動ゲームが大当りとなる可能性が高く、さらに大当りとならない場合であっても、開始前移行判定の対象となった特図変動ゲームにおいて確変状態に維持される可能性が高いことを認識できるため、遊技者に安心感を与え、その興趣の向上を図ることができる。また、第2シナリオ演出が第2ルートにより実行された場合には、開始前大当り判定の対象となった特図変動ゲームが大当りとなる可能性が低く、さらにはずれとなった場合には、その特図変動ゲームにおいて非確変状態に移行される可能性が高いことを認識できるため、遊技者に緊張感を与え、これにより興趣を向上させることができる。したがって、大当り確率が高確率である状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(41)開始前大当り判定の判定結果が肯定である場合、又は開始前大当り判定及び開始前転落判定の判定結果が否定である場合には、第1ルートによる第2シナリオ演出を実行させる。したがって、第1ルートによる第2シナリオ演出の実行により、開始前大当り判定の対象となった特図変動ゲームが大当りとならない場合であっても、その特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行されないことを遊技者に認識させることができる。その一方で、開始前大当り判定の判定結果が肯定である場合、開始前大当り判定及び開始前転落判定の判定結果が否定である場合、又は開始前大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始前転落判定の判定結果が肯定である場合には、第2ルートによる第2シナリオ演出を実行させる。したがって、第2ルートによる第2シナリオ演出の実行により、開始前移行判定の対象となった特図変動ゲームにおいて非確変状態へ移行される可能性があることを遊技者に認識させ得る。したがって、第2シナリオ演出の演出態様(ルート)に応じて遊技者に安心感や緊張感を与え、興趣を向上させることができる。 (42)開始前大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始前小当り判定の判定結果が肯定である場合、第2ルートによる第2シナリオ演出を実行させる制御を可能である。このため、本実施形態の遊技機10では、第2ルートによる第2シナリオ演出の実行を経て転落結果演出FFが導出され、遊技状態が非確変状態に移行される場合であっても、大入賞口29を開放する小当り遊技が付与される可能性がある。したがって、遊技状態が非確変状態に移行された場合における遊技者の興趣低下を抑制できる。
(43)演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出を複数回の特図変動ゲームに跨って実行させる制御を可能である。したがって、複数回の特図変動ゲームを跨いで遊技者に安心感、又は緊張感を与えて、より興趣の向上を図ることができる。
(44)本実施形態の遊技機10では、第2シナリオ演出を構成する経過演出が第1経過演出FB及び第2経過演出FCの何れであるかによって、開始期転落判定の判定結果が否定となる可能性の有無を遊技者に認識させることができる。そして、第2シナリオ演出では、経過演出に対応する結果演出により開始前大当り判定、及び開始前転落判定の判定結果が遊技者に報知される。したがって、経過演出と、結果演出の少なくとも2段階によって遊技者に期待感を抱かせ、興趣の向上を図ることができる。
(45)第1,第2ルートによる第2シナリオ演出の開始前に、各第2シナリオ演出で同一(又は略同一)の開始報知演出FAが実行される。したがって、開始報知演出FAが実行された段階では、第1,第2ルートの何れによる第2シナリオ演出が実行されるかを遊技者が把握できないため、遊技者の期待感を好適に高めることができる。
(46)第1,第2ルートによる第2シナリオ演出と平行して、実行が保留されている特図変動ゲームを示す保留画像Gが相互に異なる複数種類の内容パターンYc1〜Yc3(表示態様)により表示される第2保留変化演出が実行される。そして、この保留画像Gにおける複数種類の内容パターンYc1〜Yc3(表示態様)には、異なる大当り期待度が設定されている。このため、例えば第1ルートによる第2シナリオ演出が実行されている場合には、開始前移行判定の対象となった特図変動ゲームにおいて確変状態に維持される可能性が高いことを既に認識できていることから、内容パターンに設定された大当り期待度に応じて、大当りとなることに期待感を抱かせることができる。一方、例えば第2ルートによる第2シナリオ演出が実行されている場合には、開始前移行判定の対象となった特図変動ゲームにおいて非確変状態に移行される可能性が高いことを既に認識できていることから、予告パターンに設定された大当り期待度に応じて、非確変状態へ移行されないことに期待感を抱かせることができる。
(47)演出制御用CPU31aの制御により、大当り判定用乱数の値を用いる各大当り判定の判定結果に基づいて、大当り期待度を遊技者に提示する第1ルートの第1,第2シナリオ演出が実行され得る。また、演出制御用CPU31aの制御により、転落判定用乱数の値を用いる各転落判定の判定結果に基づいて、確変継続期待度を遊技者に提示する第2ルートによる第1,第2シナリオ演出が実行され得る。このため、第1ルートによる第1,第2シナリオ演出が実行された場合には、遊技者に大当り期待度を認識させ、最終的に開始期大当り判定の判定結果が肯定となることに期待感を抱かせることができる。一方、第2ルートによる第1,第2シナリオ演出が実行された場合には、開始期大当り判定の判定結果が肯定とならない場合に、開始期転落判定の判定結果が肯定となることなく確変状態が継続されることに期待感を抱かせることができる。このように、本実施形態の遊技機10では、大当り判定用乱数の値を用いる各大当り判定の判定結果に基づく第1,第2シナリオ演出と、転落判定用乱数の値を用いる各転落判定の判定結果に基づく第1,第2シナリオ演出とを実行可能とし、大当り期待度及び高確率継続期待度という異なる期待感を遊技者に抱かせ、その興趣の向上を図ることができる。したがって、乱数を用いて大当り確率を高確率から低確率へ移行させる遊技機における遊技者の興趣を高めることができる。
(48)特図変動ゲームを開始させるときよりも前に実行する開始前大当り判定の判定結果に基づき第1ルートによる第2シナリオ演出が実行されるとともに、特図変動ゲームを開始させるときよりも前に実行する開始前転落判定の判定結果に基づき第2ルートによる第2シナリオ演出が実行される。したがって、開始前大当り判定や開始前移行判定の対象となった特図変動ゲームが開始される前から第1,第2ルートによる第2シナリオ演出を実行可能とすることにより、継続して遊技者の期待感を高めることができる。
(49)開始前転落判定の判定結果が肯定である場合には、第1ルートによる第2シナリオ演出が実行されない一方で、開始前転落判定の判定結果が否定である場合には、第1ルートによる第2シナリオ演出が実行され得る。したがって、第1ルートによる第2シナリオ演出が実行される場合には、非確変状態に移行されないことを認識できることから、特図変動ゲームにおいて大当りとなるか否かという点に集中させ、遊技者に安心感を与えることができる。一方、第2ルートによる第2シナリオ演出については、開始前転落判定の判定結果が肯定、及び否定のいずれである場合であっても実行され得る。したがって、非転落状態に移行される可能性があることを認識できることから、遊技者に緊張感を与え、これにより興趣を向上させることができる。
(50)第2保留表示領域21p〜21sにおける保留画像Gの表示態様には、相互に異なる複数種類の表示態様があり、これら複数種類の表示態様には、相互に異なる大当り期待度、及び確変継続期待度が設定されている。したがって、第1ルートによる第2シナリオ演出の実行によって、非確変状態に移行されないことが認識できる状態においては、保留画像Gの表示態様(内容パターン)に設定された大当り期待度に応じて、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。また、第2ルートによる第2シナリオ演出の実行によって、非確変状態に移行される可能性があることを認識できる状態においては、保留画像Gの表示態様(内容パターン)に設定された確変継続期待度に応じて、確変状態が継続されることに期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(51)本実施形態の遊技機10では、複数回の特図変動ゲームに跨って第1,第2ルートによる第2シナリオ演出が実行され得ることから、遊技者の興趣を複数回の特図変動ゲームにわたって向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御内容についてはその説明を省略、又は簡略する。なお、本実施形態の遊技機10では、第2変短期間T2に加えて、第1変短期間T1にも継続回数報知演出、及び追加回数報知演出を実行可能に構成されている点で第1の実施形態と異なる。
図40に示すように、ゲーム開始処理において演出制御用CPU31aは、ステップSo8の判定結果が否定の場合(第2シナリオ演出を非実行中である場合)、演出制御用RAM31cに記憶された副作動回数カウンタの値を参照し、分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームの残回数が4回以上であるか否かを判定する(ステップSo30)。ステップSo30の判定結果が肯定の場合(変短残回数が4回以上の場合)、主制御用CPU30aは、継続回数報知演出を実行中であるか否かを判定する(ステップSo31)。なお、本実施形態の遊技機10では、変短状態であれば第1変短期間T1及び第2変短期間T2の何れの場合であっても演出フラグに「3」が設定され得る。
ステップSo31の判定結果が肯定の場合(継続回数報知演出を実行中の場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている報知回数を1減算して更新する(ステップSo32)。次に、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出を実行するか否かを所定の乱数値を用いた抽選により判定する(ステップSo33)。ステップSo33において演出制御用CPU31aは、例えば100分の25の確率で肯定判定する一方で、100分の75の確率で否定判定する。
ステップSo33の判定結果が肯定の場合(追加回数報知演出を実行すると判定した場合)、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出により報知する追加報知回数を決定する(ステップSo34)。具体的に言えば、ステップSo34において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている副作動回数カウンタに示される特図変動ゲームの回数を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した特図変動ゲームの回数から1減算し、さらに報知回数を減算して、追加回数報知演出で報知可能な報知可能回数を特定する。ここで、副作動回数カウンタから取得された特図変動ゲームの回数から1減算した特図変動ゲームの回数は、分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームのうち未だ実行されていない特図変動ゲームの残回数となる。したがって、本実施形態の遊技機10では、特図変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)が第1計数条件となり、ステップSo34の処理を実行する主制御用CPU30aが第1回数計数手段として機能する。なお、副作動回数カウンタから取得された特図変動ゲームの回数を1減算した結果、報知可能回数が0(零)となる場合(残回数が0(零)である場合)、演出制御用CPU31aは、追加回数報知演出の非実行を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているパターン選択用乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値と、特定した報知可能回数とをもとに図41に示す回数振分けテーブルTdを参照し、追加報知回数を決定する。この回数振分けテーブルTdは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
図41に示すように、回数振分けテーブルTdでは、「1回」〜「7回以上」の各報知可能回数に区分して、追加報知回数とする特図変動ゲームの「1回」〜「7回」までの回数毎に、パターン選択用乱数の値が、当該乱数の値の取り得る数値(0〜199までの全200通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。したがって、回数振分けテーブルTdによれば、例えば、報知可能回数として「7回以上」が決定されている場合、200分の29の確率で「1回」〜「4回」が、200分の28の確率で「5回」〜「7回」が決定され得る。
前述のように、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後、少なくとも変短上限回数、又は分岐回数の特図変動ゲームが終了する迄の間、変短状態が付与されるようになっている。したがって、ステップSo34において演出制御用CPU31aは、副作動回数カウンタに示される特図変動ゲームの回数が4回以上である場合、第2保留記憶数の上限数である4回を超える回数を追加報知回数として決定可能である。このように、ステップSo34において演出制御用CPU31aは、分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームの残回数と、既に継続回数報知演出によって報知させている特図変動ゲームの回数との差分を上限として、追加報知回数を決定している。
また、ステップSo34において演出制御用CPU31aは、決定した追加報知回数と、報知回数とを加算して加算後報知回数を算出し、演出制御用RAM31cに記憶させる。なお、本実施形態の演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理とは別の処理において、特図変動ゲームの終了(ゲーム終了コマンドの入力)を契機として、演出制御用RAM31cに記憶されている加算後報知回数を新たな報知回数として演出制御用RAM31cに記憶させるようになっている。
ステップSo34の処理を終了した場合、及びステップSo33の判定結果が否定の場合(追加回数報知演出を実行しないと判定した場合)、演出制御用CPU31aは、ステップSo13の処理へ移行する。なお、ステップSo33において演出制御用CPU31aは、当該ステップSo33の判定結果が否定となる場合であって、演出制御用RAM31cに記憶されている報知回数が0(零)である場合、演出フラグに「0」を設定する。
また、ステップSo36の判定結果が否定の場合(継続回数報知演出を実行中ではない場合)、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行するか否かを判定する(ステップSo36)。ステップSo36において演出制御用CPU31aは、例えば100分の25の確率で肯定判定する一方で、100分の75の確率で否定判定する。
ステップSo36の判定結果が肯定の場合(継続回数報知演出を実行すると判定した場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグに「3」を設定する(ステップSo37)。また、ステップSo37において演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出により報知する報知回数を決定する。具体的に言えば、ステップSo37において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている副作動回数カウンタから特図変動ゲームの回数を取得するとともに、当該取得した特図変動ゲームの回数から1減算した回数を継続回数報知演出で報知可能な報知可能回数として特定する。したがって、ステップSo37の処理を実行する主制御用CPU30aは第1回数計数手段として機能する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているパターン選択用乱数の値を取得するとともに、当該取得した乱数の値と、特定した報知可能回数とをもとに図41に示す回数振分けテーブルTdを参照し、報知回数を決定する。
前述のように、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後、少なくとも変短上限回数、又は分岐回数の特図変動ゲームが終了する迄の間、変短状態が付与されるようになっている。したがって、ステップSo37において演出制御用CPU31aは、副作動回数カウンタに示される特図変動ゲームの回数が4回以上である場合、第2保留記憶数の上限数である4回を超える回数を報知回数として決定可能である。
このように、本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、変短上限回数又は分岐回数の特図変動ゲームの残回数が第2保留記憶数の上限数(本実施形態では4回)以上である場合、変短上限回数又は分岐上限回数の特図変動ゲームの残回数をもとに報知回数、及び追加報知回数を決定するようになっている。ステップSo37の処理を終了した場合、及びステップSo36の判定結果が否定の場合(継続回数報知演出を実行しないと判定した場合)、演出制御用CPU31aは、ステップSo13の処理へ移行する。
また、ステップSo30の判定結果が否定の場合(特図変動ゲームの残回数が4回未満の場合)、演出制御用CPU31aは、変短終了条件が分岐回数終了条件であって、且つ遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップSo35)。即ち、ステップSo35では、第2変短期間T2が開始される可能性があるか否かを判定している。ステップSo35において演出制御用CPU31aは、変短終了条件が分岐回数終了条件であるか否かを、最後(直近)に付与された大当りの種類を特定可能な大当り種フラグを参照して判定する。
ここで、大当り種フラグについて詳しく説明する。本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、その直前の特図変動ゲームにおけるゲーム開始処理で指定された特図から大当りの種類を判定する。そして、演出制御用CPU31aは、判定された大当りが大当りA,a(変短100回大当り)、又は大当りC,c(変短50回大当り)である場合、大当り種フラグに「0」を設定し、大当りB,b(特殊変短大当り)である場合、大当り種フラグに「1」を設定する。
したがって、演出制御用CPU31aは、大当り種フラグに「1」が設定されており且つ確変状態である場合にステップSo35を肯定判定する。ステップSo35の判定結果が否定の場合(変短終了条件が回数切終了条件である場合、又は変短終了条件が分岐回数終了条件であり且つ非確変状態である場合)、演出制御用CPU31aは、ステップSo31の処理へ移行する。一方、ステップSo35の判定結果が肯定の場合(変短終了条件が分岐回数終了条件であって、且つ遊技機10の遊技状態が確変状態である場合)、演出制御用CPU31aは、ステップSo14の処理へ移行する。
第1の実施形態において既に説明したように、ゲーム開始処理におけるステップSo14以降の処理では、先読みコマンドにて特定可能な特図変動ゲームの変動内容をもとに継続回数報知演出及び追加回数報知演出の実行可否が判定されるとともに、報知回数、及び追加報知回数が決定される。したがって、ステップSo35において演出制御用CPU31aは、第2変短期間T2が開始される可能性がある場合に、継続回数報知演出及び追加回数報知演出に関する処理を、分岐回数に基づく処理から、先読みコマンド(事前判定結果)に基づく処理に切り替えている。なお、本実施形態の遊技機10では、第2変短期間T2における第2特図変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)が第2計数条件となり、演出制御用CPU31aが第2回数計数手段として機能する。
次に、上記ゲーム開始処理で決定された決定内容(決定事項)に基づき演出表示装置21を制御し、飾図による図柄変動ゲームを実行させる制御について、図42にしたがって説明する。
図42(a)に示すように、直近の大当り遊技が大当りA,a,C,cである場合、変短上限回数(100回又は50回)の特図変動ゲームが終了する迄の間、副作動回数カウンタから1減算して特定される特図変動ゲームの回数を上限として報知回数、及び追加報知回数が決定され得る。そして、演出制御用CPU31aは、第1変短期間T1において、決定された報知回数を示す残回数画像G3を表示させ、継続回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、第1変短期間T1において継続回数報知演出を実行させている場合、新たに特図変動ゲームが実行される毎に、継続回数報知演出により報知させている特図変動ゲームの回数を減算して再報知させる。
同様に、演出制御用CPU31aは、第1変短期間T1において、決定された追加報知回数を示す追加回数画像G4を表示させ、追加回数報知演出が実行されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。なお、第1変短期間T1において演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出により報知させている特図変動ゲームの回数に加算する態様により追加回数報知演出を実行させる。
このため、本実施形態の遊技機10では、第1変短期間T1において、報知回数を1回〜7回とした継続回数報知演出が実行され得るとともに、追加報知回数を1回〜7回とした追加回数報知演出が実行され得る。そして、変短上限回数(50回又は100回)の特図変動ゲームのうち、最後の4回の特図変動ゲームでは、変短上限回数の特図変動ゲームの残回数に応じて継続回数報知演出、及び追加回数報知演出にて報知される特図変動ゲームの回数が減少して行く。この場合には、最終的に継続回数報知演出で報知される特図変動ゲームの回数が0回となり、その後に変短状態が終了される。
また、図42(b)に示すように、直近の大当り遊技が大当りB,bである場合、演出制御用CPU31aは、大当りA,a,C,cである場合と同様にして、第1変短期間T1において継続回数報知演出、及び追加回数報知演出を実行させる。そして、分岐回数の特図変動ゲームのうち、最後の4回の特図変動ゲームでは、それ迄に非確変状態へ移行している場合(分岐回数終了条件が成立済みの場合)、分岐回数の特図変動ゲームの残回数に応じて継続回数報知演出、及び追加回数報知演出にて報知される特図変動ゲームの回数が減少して行く。この場合には、最終的に継続回数報知演出で報知される特図変動ゲームの回数が0回となり、その後に変短状態が終了される。
一方、分岐回数の特図変動ゲームのうち、最後の4回の特図変動ゲームでは、それ迄に確変状態へ移行していない場合(分岐回数終了条件が不成立の場合)、開始前転落判定の判定結果が肯定となり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームの実行が保留されていないことを条件として、第2保留記憶数の最大数である4回を上限として報知回数、及び追加報知回数が決定され得る。この場合には、分岐回数の特図変動ゲームのうち最後の4回以降の特図変動ゲームにおいて、第1の実施形態の第2変短期間T2と同様に継続回数報知演出、及び追加回数報知演出が実行され得る。そして、演出制御用CPU31aは、分岐回数の特図変動ゲームの残回数に基づく継続回数報知演出と、先読みコマンドに基づき判定した開始前転落判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが連続して実行される回数に基づく継続回数報知演出とを区別することなく連続して実行させる。
本実施形態では、第1変短期間T1に実行される継続回数報知演出が第1回数報知演出となり、第1変短期間T1に継続回数報知演出を実行させる演出制御用CPU31aが第1回数報知制御手段として機能する。また、変短状態が付与されている期間(作動フラグに「1」が設定されてから「0」が設定される迄の期間)に第1変短期間T1の終了後である第2変短期間T2が生ずる場合、当該第2変短期間T2に実行される継続回数報知演出が第2回数報知演出となる。また、第2変短期間T2に継続回数報知演出を実行させる演出制御用CPU31aは、第2回数報知制御手段として機能する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(51)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(52)第1変短期間T1においては、分岐回数又は変短上限回数の特図変動ゲームのうち未だ実行されていない特図変動ゲームの残回数が計数され、その計数された回数を上限として継続回数報知演出が実行され得る。また、少なくとも第2変短期間T2においては、開始前転落判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが連続して実行される回数を上限として、継続回数報知演出が実行され得る。このため、第1変短期間T1及び第2変短期間T2において継続回数報知演出を実行することにより、遊技機10の遊技状態が遊技者にとって有利な変短状態に維持される特図変動ゲームの回数を遊技者に認識させることができる。したがって、分岐回数及び変短上限回数の特図変動ゲームが実行される迄の第1変短期間T1と、実行された後の第2変短期間T2の何れについても、変短状態の継続に期待する遊技者の興趣を高めることができる。
(53)第1変短期間T1において追加回数報知演出を実行することにより、継続回数報知演出により既に報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、変短状態が継続される特図変動ゲームの回数を遊技者に対して追加的に報知することができる。したがって、変短状態の継続に期待する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
(54)第2変短期間T2において追加回数報知演出を実行することにより、継続回数報知演出により既に報知されている回数の特図変動ゲームの終了後、変短状態が継続される特図変動ゲームの回数を遊技者に対して追加的に報知することができる。したがって、変短状態の継続に期待する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
(55)第1変短期間T1及び第2変短期間T2の何れの期間についても、新たに特図変動ゲームが実行される毎に、継続回数報知演出により報知している特図変動ゲームの回数が減算して再報知される。したがって、変短状態が確実に継続される特図変動ゲームの残回数を遊技者に容易に把握させることができる。
(56)第1変短期間T1及び第2変短期間T2の何れの期間についても、追加回数報知演出は、継続回数報知演出により報知されている特図変動ゲームの回数に加算する態様により実行される。このため、変短状態が継続される回数をより遊技者に明確に理解させることができる。
(57)演出制御用CPU31aは、分岐回数の特図変動ゲームの残回数に基づく継続回数報知演出と、先読みコマンドに基づき判定した開始前転落判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが連続して実行される回数に基づく継続回数報知演出とを区別することなく連続して実行させる。したがって、第1変短期間T1及び第2変短期間T2に跨って継続回数報知演出が実行される場合に、遊技者に違和感を与えることを抑制できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態の遊技機10は、特図変動ゲームを開始させる場合、第1始動入賞口24又は第2始動入賞口25に遊技球が入球した順番にしたがって第1特図変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームを実行させる点で、第1の実施形態、及び第2の実施形態と異なっている。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、本実施形態において主制御用RAM30cには、第1保留記憶数の記憶上限数(本実施形態では4)と第2保留記憶数の記憶上限数(本実施形態では4)とを合算した保留記憶数=1〜8に各別に対応付けた合計8つの記憶領域が設けられている。以下の説明では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算した保留記憶数を「合算保留記憶数」と示すものとする。主制御用RAM30cにおいて、合算保留記憶数=1〜8にそれぞれ対応付けられた各記憶領域には、各種乱数の値に加えて、特図1及び特図2の何れに対応する乱数の値(始動保留球)であるかを特定可能な情報として入賞口フラグが記憶される。即ち、入賞口フラグの値からは、第1始動入賞口24及び第2始動入賞口25の何れの始動入賞口への入球検知を契機に取得した乱数の値であるかを特定できる。本実施形態の遊技機10では、入賞口フラグの値が「0」である場合には、特図1(第1特図変動ゲーム)に関する乱数の値(始動保留球)であることを特定可能である一方で、入賞口フラグの値が「1」である場合には、特図2(第2特図変動ゲーム)に関する乱数の値(始動保留球)であることを特定可能である。
そして、図14に示すように、ステップSb4において主制御用CPU30aは、取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値を、その時点における合算保留記憶数に対応付けられた記憶領域に記憶させるとともに、当該記憶領域に設定される入賞口フラグに「0」を設定する。同様に、ステップSb9において主制御用CPU30aは、取得した各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特別図柄振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数)の値を、その時点における合算保留記憶数に対応付けられた記憶領域に記憶させるとともに、当該記憶領域に設定される入賞口フラグに「1」を設定する。
このように、本実施形態の遊技機10では、合算保留記憶数=1〜8の順に、第1始動入賞口24及び第2始動入賞口25への入球検知を契機として取得された各種乱数の値を順に記憶させていくことにより、各始動入賞口24,25における入球検知の順番を特定可能となる。即ち、本実施形態の遊技機10において、各種乱数の値は入球検知の順番に対応付けて主制御用RAM30cに記憶される。したがって、本実施形態の遊技機10では、主制御用RAM30cが順番記憶手段となり、主制御用CPU30aが順番記憶制御手段となる。
また、本実施形態では、図15に示す第1事前判定処理におけるステップSc11の処理、及び図16に示す第2事前判定処理におけるステップSc21の処理を省略する。これにより、第1,第2事前判定処理において主制御用CPU30aは、遊技状態に関係なく確変状態用コマンド処理(ステップSc13,Sc23)、及び非確変状態用コマンド処理(ステップSc14,Sc24)を実行する。なお、図19(b)に示す先読み下位コマンドは、ビット数(桁数)を増やすなどして、合算保留記憶数=1〜8を特定可能に構成する。
このような構成により、本実施形態の遊技機10では、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合、変短状態である場合、及び大当り状態である場合の何れの場合であっても特図1(第1特図変動ゲーム)、及び特図2(第2特図変動ゲーム)に関する先読みコマンドが生成され、演出制御基板31に対して出力される。
次に、特別図柄開始処理について図43にしたがって説明する。
図43に示すように、特別図柄開始処理において主制御用CPU30aは、特図変動ゲーム中又は大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップSe30)。ステップSe30の判定結果が肯定の場合(特図変動ゲーム中又は大当り遊技中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップSe30の判定結果が否定の場合(特図変動ゲーム中でなく、且つ大当り遊技中でもない場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された第1保留記憶数及び第2保留記憶数から合算保留記憶数を算出し、特定する(ステップSe31)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSe31で特定した合算保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップSe32)。ステップSe32の判定結果が否定の場合(合算保留記憶数=0である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップSe32の判定結果が肯定の場合(合算保留記憶数>0である場合)、主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶された入賞口フラグの値に対応する値を主制御用RAM30cに記憶される特図変動処理フラグに設定する(ステップSe33)。具体的に言えば、ステップSe33において主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている入賞口フラグの値が「0」である場合、第1特図変動ゲームを実行することを特定可能な情報として「0」を特図変動処理フラグに設定する。また、ステップSe33において主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている入賞口フラグの値が「1」である場合、第2特図変動ゲームを実行することを特定可能な情報として「1」を特図変動処理フラグに設定する。
次に、主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶された入賞口フラグの値に対応する保留記憶数から1減算して更新する(ステップSe34)。即ち、ステップSe34において主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた入賞口フラグの値が「0」である場合、第1保留記憶数から1減算して更新する。第1保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄表示装置22の表示内容を制御する。また、ステップSe34において主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=1に対応付けられた入賞口フラグの値が「1」である場合、第2保留記憶数から1減算して更新する。第2保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、合算保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(転落判定用乱数、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特図振分用乱数)の値を読み出す(ステップSe35)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおいて、合算保留記憶数=1〜8にそれぞれ対応付けられた8つの記憶領域のうち、最も早く記憶した合算保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出す。そして、ステップSe35において主制御用CPU30aは、合算保留記憶数=n(但しn=2〜8)に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第1保留記憶数=n−1に対応付けた記憶領域に記憶させる更新記憶処理(所謂シフト処理)を実行する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSe12の処理へ移行する。これにより、本実施形態の遊技機10では、主制御用RAM30cに記憶されている各種乱数の値のうち、最も早い入球検知の順番に対応付けて記憶されている各種乱数の値を用いて、開始期転落判定、及び開始期大当り判定を含むステップSe12〜Se27の処理が実行される。
次に、演出制御用CPU31aが実行する先読みコマンド設定処理について説明する。
本実施形態の遊技機10において、演出制御用RAM31cには、合算保留記憶数=1〜8に各別に対応付けた合計8つの記憶領域が設けられている。そして、図28に示すように、ステップSk2において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて合算保留記憶数=1〜8に対応付けられた各記憶領域のうち、入力した先読みコマンドから特定可能な合算保留記憶数に対応付けられた記憶領域に先読みコマンドの値を記憶させる。
そして、本実施形態の遊技機10において、演出制御用CPU31aは、第1先読み演出設定処理、第2先読み演出設定処理、及びゲーム開始処理において、演出制御用RAM31cにおいて合算保留記憶数=1〜8に対応付けて記憶した先読みコマンドの値を参照して先読み演出を実行可能であるか否かの判定処理を実行する。
例えば、第1先読み演出設定処理のステップSm2では、演出制御用RAM31cにおいて、今回入力した先読みコマンドで特定可能な合算保留記憶数より小さい合算保留記憶数に対応付けて記憶されている先読みコマンドを全て参照し、その参照した先読み上位コマンドが何れもD0Hであるか否かを判定する。即ち、演出制御用CPU31aは、全ての保留中の特図変動ゲームを対象として判定を行う。第2先読み演出設定処理のステップSn4や、ゲーム開始処理のステップSo15,So20についても同様である。
また、演出制御用CPU31aは、第1先読み演出設定処理、第2先読み演出設定処理、及びゲーム開始処理において、合算保留記憶数から特定可能な特図変動ゲームを対象として先読み演出を実行させる。
例えば、第1先読み演出設定処理のステップSm5において、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド入力処理(ステップSk2)で記憶した先読みコマンドの値から特定可能な合算保留記憶数を、第1保留変化演出を跨って実行させる特図変動ゲームの残回数を示す演出残回数として決定し、演出制御用RAM31cに記憶させる。即ち、演出制御用CPU31aは、全ての保留中の特図変動ゲームを対象として先読み演出を実行させる。本実施形態の遊技機10では、第2先読み演出設定処理のステップSn6の処理や、ゲーム開始処理のステップSo17における報知回数や、ステップSo22における追加報知回数の決定処理についても同様に合算保留記憶数を用いて行われる。
このような構成によれば、本実施形態の遊技機10では、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合、及び変短状態である場合の何れの場合であっても特図1(第1特図変動ゲーム)、及び特図2(第2特図変動ゲーム)を対象として先読み演出が実行され得る。また、本実施形態の遊技機10では、最大で合算保留記憶数の上限数である8回の特図変動ゲームを跨いで先読み演出を実行可能となる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(7),(10)〜(20),(26)〜(51)、第2の実施形態の効果(52)〜(57)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(58)本実施形態の遊技機10では、遊技状態が非変短状態である場合、及び変短状態である場合の何れの場合であっても特図1(第1特図変動ゲーム)、及び特図2(第2特図変動ゲーム)を対象として先読み演出が実行され得る。したがって、第1特図変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームに両方において、遊技者が抱く大当りへの期待感や、確変状態が維持されることへの期待感を高め、興趣の向上を図ることができる。
(59)本実施形態の遊技機10では、最大で合算保留記憶数の上限数である8回の特図変動ゲームを跨いで先読み演出を実行可能である。したがって、本実施形態の遊技機10では、第1特図変動ゲームのみ、又は第2特図変動ゲームのみを対象として先読み演出を実行する場合と比較して、より多い回数の特図変動ゲームに亘って遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・ 第1始動入賞口24は、誘導路15bの最下流(逆戻り防止弁20a)から第2始動入賞口25へ至るまでの遊技球の流下経路上に形成することができる。このような構成によれば、特に第3の実施形態において、変短状態中に合算保留記憶数の記憶上限数まで第1,第2始動保留球を記憶させることで、より多い回数の特図変動ゲームを跨いで先読み演出を実行させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
・ 第3の実施形態において、演出制御用CPU31aは、大当り状態(大当り遊技中)にて、各始動入賞口24,25による入球検知を契機として取得された転落判定用乱数の値を用いる開始前転落判定の判定結果に基づき決定された内容パターンに基づく遊技演出を実行させる制御を可能に構成してもよい。これによれば、遊技機10の遊技状態に関係なく、常に第1特図変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームの両方を対象として先読み演出(特定遊技演出)を実行できる。特に、大当り状態(大当り遊技中)では、特図変動ゲームが実行されないことに伴って、第1保留記憶数、及び第2保留記憶数が上限まで記憶され易いことから、より多数の特図変動ゲームを対象として先読み演出を実行し、遊技者の興趣を長時間にわたって向上させることができる。
・ 演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後に、変短終了条件として抽選終了条件を設定した変短状態を付与する場合であって、大当り遊技の終了後において最初に実行される特図変動ゲームの変動内容が、開始前転落判定の判定結果が肯定であり、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定である変動内容である場合、特定内容の報知演出を実行させる制御を可能に構成してもよい。ここで、図2に示すように、本別例において、遊技盤15の遊技領域15aには、遊技釘や風車などの各種障害物が配設されており、センター役物の上方を右方向へ向かう第1転動経路40aを遊技球が転動する場合には、センター役物の左方を下方向へ向かう第2転動経路40bを遊技球が転動する場合と比較して、開閉羽根27が開状態にある第2始動入賞口25へ遊技球が入球し易くなる。また、本別例において第2作動ゲート28bは、第1転動経路40a上に形成されている。このため、第1転動経路40aは、大当り状態(大当り遊技中)及び変短状態における推奨経路になる。一方、第2転動経路40bを遊技球が転動する場合には、第1転動経路40aを遊技球が転動する場合と比較して、第1始動入賞口24に遊技球が入球し易くなる。このため、第2転動経路40bは、非変短状態における推奨経路となる。
そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、オープニング演出として「右打ちして下さい!」などの文字列を模した画像を演出表示装置21に表示させ、推奨経路となる第1転動経路40aを遊技球が転動するように発射ハンドル19aを操作する旨を促す操作示唆演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、前記特定内容の報知演出として例えば「左打ちに戻す準備をして下さい」などの文字列を模した画像をエンディング演出中に表示させ、第2転動経路40bを遊技球が転動するように発射ハンドル19aを操作する準備を促すことができる。
・ 第1,第2の実施形態において、先読み演出を大当り遊技中(大当り状態)に実行させてもよい。この場合、第2始動保留球を優先的に消化する第1,第2の実施形態において、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中において、第2始動入賞口25による入球検知を契機として取得された転落判定用乱数の値を用いる開始前転落判定の判定結果に基づき決定された内容パターンに基づく遊技演出を実行させる制御を可能に構成してもよい。例えば、演出制御用CPU31aは、大当り遊技用のエンディングコマンドの入力を契機として、第2保留記憶数に対応付けて記憶された先読みコマンドの値を参照し、開始前転落判定の判定結果が肯定で、且つ開始前大当り判定の判定結果が否定となる第2特図変動ゲームが保留されているか否かを判定する。そして、演出制御用CPU31aは、この判定結果が否定の場合(保留されていない場合)、演出表示装置21を制御して、所定のキャラクタを模した画像を表示させてもよい。これによれば、大当り遊技中において、当該大当り遊技の終了後に、確変状態に維持されることを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
・ 主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態に関係なく第1,第2事前判定処理を実行し、先読みコマンドを演出制御基板31に出力してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、遊技機10の遊技状態に応じて先読み演出の実行可否を決定するとよい。例えば、遊技機10の遊技状態が非変短状態である場合、演出制御用CPU31aは、特図1用の先読みコマンドに加えて、又は代えて特図2用の先読みコマンドを入力したことを契機として先読み演出を実行させてもよい。
また例えば、遊技機10の遊技状態が大当り状態又は変短状態である場合において、演出制御用CPU31aは、特図1用の先読みコマンドを入力したことを契機とした先読み演出を非実行とする制御を可能とする一方で、特図2用の先読みコマンドを入力したことを契機として先読み演出を実行させてもよい。また、遊技機10の遊技状態が大当り状態又は変短状態である場合において、演出制御用CPU31aは、特図1用の先読みコマンドを入力したことを契機として先読み演出の実行を決定した場合に、一旦設定した演出フラグや演出残回数をクリアすることにより先読み演出の実行をキャンセルする制御を実行可能に構成してもよい。本別例において、演出制御用CPU31aは、大当り状態又は変短状態である場合に、第1特図変動ゲームを対象とした先読み演出(特定遊技演出)の実行を規制する規制手段(禁止する禁止手段)として把握できる。なお、演出制御用CPU31aは、特図2用の先読みコマンドを入力したことを契機として先読み演出を実行させる場合、設定した演出フラグや演出残回数をクリアしない、又は一旦クリアしてから再設定するようにしてもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから特定可能な変動内容が大当りである場合、先読みコマンドから特定可能な大当りの種類に基づき第2シナリオ演出(先読み演出)の内容パターンを決定してもよい。例えば、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドにより大当りBが指定される場合にのみ、内容パターンYb1(第1ルート)を選択可能に構成してもよい。これによれば、大当りの種類を加味した内容パターンにより第2シナリオ演出(特定遊技演出)を実行可能となることから、第2シナリオ演出(特定遊技演出)に対する遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
・ 主制御用CPU30aは、開始前大当り判定、開始前小当り判定、開始前リーチ判定、及び開始前変動パターン判定のうち少なくとも1つを実行しない構成としてもよい。この場合、先読みコマンドは、省略する判定の結果を特定しなくてもよい。
・ 主制御用CPU30aは、入球検知を契機に取得した各種乱数の値そのものを特定可能な先読みコマンドを生成し、出力バッファに設定してもよい。そして、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドにて特定可能な各種乱数の値を用いて、開始前転落判定、開始前大当り判定、開始前小当り判定、開始前リーチ判定、及び開始前変動パターン判定などの各種判定を実行してもよい。
・ 主制御用CPU30aは、入球検知を契機に取得した各種乱数の値に対応付けられた先読みコマンドを選択し、出力バッファに設定してもよい。この場合、主制御用CPU30aは、各種乱数の値に対応付けられた先読みコマンドを選択することによって、開始前大当り判定、開始前小当り判定、開始前リーチ判定、及び開始前変動パターン判定を実行していると把握することもできる。
・ 先読み下位コマンドのビット2〜3では、先読み上位コマンドから特定可能な特図の種類が特図1及び特図2の何れであるかに応じて、異なる種類の大当り(特図の大当り図柄)を特定可能に構成してもよい。この場合、特図1の大当り図柄(大当りの種類)と、特図2の大当り図柄(大当りの種類)とは、少なくとも一部の大当り図柄(大当りの種類)を異ならせるとよい。
・ 先読みコマンドは、特図の大当り図柄(大当りの種類)を特定しなくてもよい。
・ 先読み下位コマンドのビット4〜6では、複数種類の変動パターンを含む変動パターンのグループを特定可能に構成されていてもよい。即ち、1の値に複数の変動パターンを対応付けておけばよい。
・ 主制御用CPU30aは、上記実施形態における先読み上位コマンドにて特定可能な情報、及び先読み下位コマンドにて特定可能な情報を全て特定可能な1つの先読みコマンドを生成し、演出制御基板31に出力してもよい。また、各情報のうち1又は複数の情報を特定する先読みコマンドを生成し、演出制御基板31に出力してもよい。
・ 主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが開始される毎や、先読みコマンドを出力する毎に、遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かを特定可能な情報(制御コマンド)、及び変短状態であるか否かを特定可能な情報(制御コマンド)を演出制御基板31に出力してもよい。
・ 主制御用CPU30aは、入球検知を契機として大当り判定用乱数の値とは異なる別の乱数の値を取得し、当該別の乱数の値を用いて小当り判定(開始前小当り判定、及び開始期小当り判定)を行ってもよい。
・ 主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを出力可能な遊技状態を変更してもよい。例えば、主制御用CPU30aは、遊技機10の遊技状態が大当り状態(大当り遊技中)であるか否かを判定し、当該判定結果が肯定である場合に先読みコマンドを生成して出力してもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、実行が保留されている特図変動ゲームのうち、開始前転落判定の判定結果が否定となった特図変動ゲームが、最も早くに記憶された各種乱数の値に基づく特図変動ゲームから順に連続して実行される回数を超えない範囲で、報知回数や継続報知回数を決定してもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、大当り遊技終了後、変短状態にて実行された特図変動ゲームの回数を累積して報知する累積回数報知演出を実行させる制御を可能に構成してもよい。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、副作動フラグに「1」が設定された状態で変動パターン指定コマンドを入力する毎に、演出制御用RAM31cに記憶されている累積回数を1加算して更新するとともに、更新後の回数を報知する回数報知画像G5を演出表示装置21に表示させる制御を実行する。なお、演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出を実行させる場合、同じ演出表示装置21、又は別の表示装置に残回数画像G3、及び回数報知画像G5を表示させることにより、継続回数報知演出及び累積回数報知演出を並行して実行させるとよい。これによれば、変短状態のもとで実行された特図変動ゲームを遊技者に容易に認識させることができる。
・ 演出制御用CPU31aは、継続回数報知演出により報知させている特図変動ゲームの回数を特図変動ゲームの実行により減算しない態様で追加回数報知演出を実行させてもよい。例えば、継続回数報知演出により報知されている特図変動ゲームの回数を固定したり、「???」などの具体的な特図変動ゲームの回数を示さない表示に変更したりするとよい。なお、第1変短期間T1及び第2変短期間T2の何れの期間に継続回数報知演出及び追加回数報知演出を実行させる場合についても同様に変更できる。これによれば、追加回数報知演出により、変短状態や確変状態が継続される回数をより遊技者に明確に理解させることができる。
・ 継続回数報知演出における報知回数や、追加回数報知演出における追加報知回数を決定するために実行する特図変動ゲームの計数は、異なる判定条件(計数条件)の成立を契機として実行してもよい。例えば、判定条件としては、特図変動ゲームの終了や、大当り遊技の終了(エンディングコマンドの入力)を設定することもできる。
・ 第2の実施形態において演出制御用CPU31aは、第1変短期間T1における報知回数及び追加報知回数として、変短上限回数及び分岐上限回数の特図変動ゲームの残回数を超えない範囲であれば、7回以上の回数を決定してもよく、7回未満の回数を決定してもよい。
・ 変動パターンとして、1回の特図変動ゲームの実行中に、飾図の変動開始(開始演出)が実行されてから飾図の一旦停止表示(終了演出)が実行される迄を1回とする変動サイクル(単位演出)を複数回、順次実行して行われる特殊導出演出としての特殊変動演出を特定可能な特殊導出パターンとしての特殊変動パターンを設けてもよい。この特殊変動演出は、演出表示装置21において恰も複数回の図柄変動ゲームが実行されたかのように表示する遊技演出である(所謂、疑似連続演出)。以下、具体例を挙げて説明する。
特殊変動パターンでは、変動時間を13秒に設定した第1変動サイクルと、変動サイクルが開始されてから13秒後にリーチを形成して各種のリーチ演出を実行する第2変動サイクルとを含む変動内容を特定している。そして、特殊変動パターンには、1回の第1変動サイクル及び1回の第2変動サイクルからなる変動内容(合計2回)の変動パターン、2回の第1変動サイクル及び1回の第2変動サイクルからなる変動内容(合計3回)の変動パターン、及び3回の第1変動サイクル及び1回の第2変動サイクルからなる変動内容(合計4回)の変動パターンを設ける。また、第1,第2変動サイクルの合計回数が2回<3回<4回の順に、高い大当り期待度及び確変継続期待度を設定する。即ち、本実施形態の特殊変動演出は、特図変動ゲームが開始されてからリーチが形成される迄の演出時間を異ならせ、当該リーチが形成される迄の演出時間が長い程、大当り期待度及び確変継続期待度が高くなる遊技演出となる。なお、第1変動サイクルは、リーチ演出を含んで構成されていてもよい。
そして、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理において特殊変動パターンを指定されると、複数回の第2特図変動ゲームに跨って第2シナリオ演出を実行させる場合と同様にして内容パターンYb1,Yb2を決定し、第2シナリオ演出を複数回の変動サイクルに跨って実行させる制御を可能に構成するとよい。これによれば、複数回の変動サイクルを跨いで遊技者に安心感、又は緊張感を与えて、より興趣の向上を図ることができる。なお、本別例において、変動サイクル間には、例えば演出表示装置21の表示内容を短時間だけ暗転させるなどして、変動サイクルの区切りであることを報知する区切り報知演出を実行するとよい。
・ 開始期転落判定及び開始期大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始期小当り判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターンに対して、第2ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定する演出パターンに加えて、又は代えて第1ルートによる第1シナリオ演出の実行を特定する演出パターンを対応付け、選択可能に構成してもよい。この場合、第1シナリオ演出の実行がなされた場合に、小当り遊技が付与される可能性があることから、第1シナリオ演出の実行に伴って大入賞口29が開放されるものの大当り確率が移行されない状況を作り出し、大当り確率の変遷にバリエーションを持たせることができる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
・ 開始前転落判定及び開始前大当り判定の判定結果が否定であり且つ開始前小当り判定の判定結果が肯定である場合に選択可能な変動パターンに対して、内容パターンYb2に加えて、内容パターンYb1を選択可能にパターン選択用乱数の値を振り分けてもよい。この場合、第2シナリオ演出の実行がなされた場合に、小当り遊技が付与される可能性があることから、第2シナリオ演出の実行に伴って大入賞口29が開放されるものの大当り確率が移行されない状況を作り出し、大当り確率の変遷にバリエーションを持たせることができる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
・ 演出制御用CPU31aは、遊技機10の遊技状態を参照しないで開始前大当り判定を実行してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、開始前転落判定で肯定判定されるか否かにかかわらず、常に非確変用判定値を用いて開始前大当り判定を実行すればよい。
・ 大入賞口29の開放態様が小当り遊技と同一(又は略同一)である大当り遊技を付与する特殊大当りを設けるとともに、当該特殊大当りへの当選時における遊技状態が変短状態である場合には大当り遊技の終了後に変短状態及び確変状態を付与する一方で、特殊大当りへの当選時における遊技状態が非変短状態である場合には大当り遊技の終了後に非変短状態及び確変状態を付与してもよい。この場合、小当り遊技、及び特殊大当りに基づく大当り遊技中において、同一(又は略同一)の演出態様による状態変化示唆演出(遊技演出)を実行するとよい。これによれば、状態変化示唆演出が実行された場合に、遊技状態が変化しない小当りであるのか、確変状態が付与される特殊大当りであるのかを遊技者に認識させ難くできる。これによれば、先読み演出の終了後に、特殊大当りに基づく大当り遊技又は小当り遊技が付与されるとともに状態変化示唆演出が実行される状況を作り出し、先読み演出を含む遊技演出の経過を多様化させ、遊技者の興趣を向上できる。
・ モード演出の演出態様を変更してもよい。例えば、演出モードは、装飾ランプ16の発光色や、スピーカ17から出力させる楽曲の種類を異ならせて実行してもよい。また、演出モードの数を変更してもよく、モード演出を実行しない遊技機10として具体化することも可能である。
・ 第1,第2保留変化演出の演出態様を変更してもよい。例えば、保留画像Gを点滅させる周期を異ならせる態様により実行させてもよい。また、例えば保留変化演出の対象となった始動保留球に基づく特図変動ゲームが実行されるときに、当該特図変動ゲームに対応する保留画像Gを画像表示部GHにおける表示領域の全体を覆うように拡大表示(全画面表示)させてもよい。
・ 第1シナリオ演出の演出態様を変更してもよい。
・ 第2シナリオ演出の演出態様を変更してもよい。例えば第2シナリオ演出は、当該第2シナリオ演出が跨って実行される特図変動ゲームが終了する迄の間(演出残回数分の特図変動ゲームが終了する迄の間)、各演出モードM1〜M4とは異なる背景画像を演出表示装置21に表示させてもよい。この場合、第2シナリオ演出は、先読み演出が実行中であることを示す特殊演出モードとして把握することもできる。
・ 第2シナリオ演出は、先読みコマンドが演出制御用CPU31aに入力されてから、演出残回数に示される回数の特図変動ゲームのうち、一部の特図変動ゲーム中に実行してもよく、特図変動ゲームの間に設定されるインターバル時間中に実行させてもよい。即ち、演出制御用CPU31aは、入球検知を契機として主制御用CPU30aが大当り判定用乱数の値、及び転落判定用乱数の値を取得してから(先読みコマンドを入力してから)、当該取得した各判定用乱数の値のうち大当り判定用乱数の値を用いた大当り判定(開始期大当り判定)の判定結果に基づく特図変動ゲームが終了する迄の期間のうち少なくとも一部の期間において第2シナリオ演出を実行させればよい。
・ 演出制御用CPU31aは、第2シナリオ演出の内容パターンYb1,Yb2、及び第2保留変化演出の内容パターンYc1,Yc2を、先読みコマンドを入力したときに選択してもよい。
・ 継続回数報知演出、及び追加回数報知演出の実行態様を変更してもよい。例えば、装飾ランプ16におけるランプ(LED)の点灯個数や、スピーカ17からの音声出力により、特図変動ゲームの回数を報知してもよい。
・ 継続回数報知演出、及び追加回数報知演出は、例えば「+○?」のように、確変状態(変短状態)に維持される特図変動ゲームの回数を示唆する態様により実行してもよい。
・ 第1,第2の実施形態において、演出制御用CPU31aは、確変状態が継続される特図変動ゲームの回数を報知する遊技演出として継続回数報知演出及び追加回数報知演出を位置付けるのであれば、第1変短期間T1において実行させる制御を可能に構成してもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、確変状態が継続される回数を報知する遊技演出として、第2シナリオ演出(第2保留変化演出)、継続回数報知演出、及び追加回数報知演出を具体化するのであれば、非変短状態において実行させる制御を可能に構成してもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、複数種類の先読み演出を並行して実行させる制御を可能に構成してもよい。
・ 第1,第2保留変化演出、及び第2シナリオ演出には、跨って実行される特図変動ゲーム(演出の対象となる特図変動ゲーム)の回数が多いほど高い大当り期待度、及び確変継続期待度を設定してもよい。
・ 各先読み演出の内容パターンは、一部の内容パターンについて同じ(又は略同じ)大当り期待度を設定した内容パターンを含んでいてもよく、一部の内容パターンについて同じ(又は略同じ)確変継続期待度を設定した内容パターンを含んでいてもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、大当り遊技の開始を契機として先読み演出に関する各種情報(演出残回数、演出フラグ、内容パターン、報知回数など)をクリアしないようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が付与される直前の特図変動ゲームにおいて先読み演出を実行中であった場合、大当り遊技中に継続して先読み演出を実行させてもよく、当該大当り遊技の終了後に再開させてもよい。なお、大当り遊技の開始を契機として先読み演出に関する各種情報をクリアする場合であって、大当り遊技におけるオープニング演出において再実行する場合は、大当り遊技中における先読み演出の実行(開始)として把握できる。
・ また、演出制御用CPU31aは、小当り遊技が付与される場合(小当り遊技用のオープニングコマンドを入力した場合)、先読み演出に関する各種情報をクリアし、先読み演出を強制的に終了(キャンセル)してもよい。
・ 図17及び図18に示す確変状態用コマンド設定処理のステップSd13において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理で取得された大当り判定用乱数の値と、大当り判定値のうち前述した非確変用判定値(共通値)とを比較して開始前大当り判定を実行してもよい。即ち、主制御用CPU30aは、少なくとも非確変用判定値(共通値)と、取得した大当り判定用乱数の値とが一致する場合に肯定判定するようにしてもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、先読みコマンドに示される特図変動ゲームの変動内容のうち、開始前転落判定の判定結果のみに基づき各先読み演出の演出内容(内容パターン)を決定してもよい。
・ 確変状態及び非確変状態における大当り確率(大当り判定値の個数)を変更してもよい。
・ 転落判定用乱数、大当り判定用乱数、及び普図当り判定用乱数は、ソフトウェア乱数としてもよい。この場合、乱数生成器30dを省略してもよい。また、変動パターン振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数は、ハードウェア乱数としてもよい。
・ 乱数生成器30d(第1乱数生成回路R1及び第2乱数生成回路R2)は、内部システムクロックの1周期毎に値をランダムに生成する構成であってもよい。
・ 乱数生成器30dは1つの乱数生成回路から形成されていてもよい。
・ 大当りの種類を変更してもよい。例えば、規定ラウンド数を8回、12回、及び16回に設定した大当り遊技を特典とする大当りを設けてもよい。また、大当り遊技の終了後に付与する変短状態の回数として、変短上限回数を50回とした大当りC,c、及び100回とした大当りA,aに加えて、又は代えて、変短上限回数を80回とした変短80回大当りを設けてもよい。また、分岐回数として50回や、80回を設定した特殊変短大当りを設けてもよい。さらに、大当り遊技の終了後に変短状態を付与しない大当り(大当り図柄)を設けてもよく、大当り遊技の終了後に分岐回数を設定することなく、はじめから抽選終了条件を変短終了条件として変短状態を付与する大当り(大当り図柄)を設けてもよい。また、大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない非確変大当り(非確変の大当り図柄)を設けてもよい。
・ 演出表示装置21において、飾図による図柄変動ゲームに代えて、表示画像の内容によって開始期大当り判定及び開始期小当り判定の判定結果を導出する遊技機に具体化してもよい。この場合、大当り表示結果としては「大当り!おめでとう」などの文字列を模した画像を用い、はずれ表示結果としては「残念!続く」などの文字列を模した画像を用いることができる。
・ 先読み演出を実行しない遊技機10として具体化してもよい。この場合、主制御用CPU30aが実行する第1,第2事前判定処理や、演出制御用CPU31aが実行する先読みコマンド入力処理を省略してもよい。
・ 開始期転落判定は、開始期大当り判定の後に実行してもよい。また、開始期転落判定は、遊技機10の遊技状態にかかわらず常時、特別図柄開始処理において実行してもよい。
・ 主制御用CPU30aは、分岐回数終了条件、又は回数切終了条件が成立する特図変動ゲームの終了時に代えて、当該特図変動ゲームの開始時に作動フラグに「0」を設定して変短状態を終了させてもよい。即ち、主制御用CPU30aは、変短上限回数の特図変動ゲーム、又は分岐回数の特図変動ゲームの実行に伴って作動フラグに「0」を設定し、変短状態を終了させてもよい。
・ 主制御用CPU30aは、確変転落判定の判定結果が肯定となった場合、確変転落判定の判定結果が肯定となった特図変動ゲームの開始時(特別図柄開始処理の実行時)に代えて、特図変動ゲームの終了時(変動時間の経過時)に確変フラグに「0」を設定してもよい。また、次回の特図変動ゲームにおける特別図柄開始処理において確変フラグに「0」を設定してもよい。なお、第2変短期間T2においては、確変フラグと作動フラグの両方に対して「0」を設定する。
・ 主制御用CPU30aは、普図当り遊技中に作動フラグの値を「1」から「0」に変更した場合、開閉羽根27を閉動作させて普図当り遊技を途中で終了させてもよい。
・ 変短状態は、非変短状態と比較して、普図当り抽選の当選確率を低確率から高確率に向上させる制御、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間(又は平均変動時間)を短縮させる制御、普図当り抽選における1回の当選に基づく開閉羽根27の開放回数を増加させる制御、及び開閉羽根27の1回の開放時間を増加させる制御の各制御のうち1つの制御により、又は複数の制御の組み合わせにより構成してもよい。
・ 特別図柄開始処理のステップSe27において、主制御用CPU30aは、非変短状態である場合に変動パターンP1を選択し、変短状態である場合に変動パターンP2を選択してもよい。即ち、変短状態である場合には、非変短状態である場合よりも常に短い変動時間を特定可能な変動パターンにより特図変動ゲームを実行させてもよい。
・ 特別図柄開始処理のステップSe27において、主制御用CPU30aは、変短状態、及び非変短状態の何れであるかにかかわらず同じ割合で変動パターンP1,P2を選択してもよい。
・ 演出制御基板31をサブ統括制御基板とし、演出制御基板31とは別に演出表示装置21を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプ16を専門に制御するランプ制御基板、及びスピーカ17を専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、ゲーム開始処理において選択した演出パターン(サブ変動パターン)を表示制御基板、ランプ制御基板、及び音声制御基板に出力し、各制御基板を統括的に制御可能に構成するとよい。本別例では、サブ統括制御基板、表示制御基板、ランプ制御基板、及び音声制御基板が副制御手段を構成する。
・ 本発明は、特図のみを用いる遊技機10に具体化してもよい。