JP2013242242A - 引張試験治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 治具構造を単純にして小型化を図る。
【解決手段】 第1と第2の荷重伝達部材5と6は、荷重受けプレート14,16に基端を取り付けた荷重伝達用支柱15,17の先端部の一側面に、一対の係止部7,10を、引張試験片1のゲージ部2を挿通させるための隙間8,11を隔てて設けた構成とする。更に、各荷重伝達部材5と6の、各係止部7,10と荷重受けプレート14,16との間には、引張試験片1のつかみ部3b,3aを収容し得る空間部9,12が設けてある。引張試験を行う場合は、各荷重伝達部材5と6の係止部7と10の先端を、引張試験片1のつかみ部3aと3bに接触させて配置した状態で、各荷重受けプレート14と16に作用させる圧縮荷重を、荷重伝達用支柱15,17と各係止部7,10を介して、引張試験片1の各つかみ部3aと3bに、互いに離反させる方向の荷重として作用させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、引張載荷による静的・動的(疲労)及びクリープ材料物性を取得する試験を行う際に引張試験片の保持を行わせるための引張試験治具に関するものである。
材料試験の1つとしては、引張載荷による静的・動的(疲労)及びクリープ材料物性を取得する試験(以下、説明の便宜上、単に引張試験と云う)がある。かかる引張試験を実施する場合は、引張試験片の平行部に引張荷重を作用させて、上記平行部に生じる変形や破断等の挙動、更には、その挙動と作用させた引張荷重との関係等を基に、上記引張試験片とした材料についての機械的性質(引張特性)を調べるようにしてある。
上記引張試験を行う場合の一般的な手法は、引張試験片における平行部の両端側に設けてある各つかみ部を、個別の引張試験用の治具(保持具)に保持させ、この状態で、引張試験機により、該各治具を相対的に離反させる方向へ引っ張ることで、上記引張試験片の平行部に引張荷重を作用させるようにしてある。
上記従来の一般的な引張試験の手法では、使用する引張試験用の各治具にも引張荷重が作用するようになる。そのため、上記引張試験用の各治具は、治具自体の引張荷重に対する剛性が、引張試験片の平行部の引張荷重に対する剛性に比して高いものであることが要求される。
ところで、耐熱合金のような耐熱材料は、その使用環境に応じて、数百度という高温条件で引張試験を行うことが必要とされる場合がある。この種の高温引張試験では、引張試験片を保持するための治具も、上記高温条件に耐えるものとする必要がある。
このような高温条件に耐える材質としては、たとえば、セラミックが広く知られている。しかし、セラミック製の部材は、引張荷重に弱いというのが実状である。特に、上記従来の一般的な引張試験では、引張試験片が破断すると、該引張試験片の両端部を保持している引張試験用の各治具に対して引張方向の衝撃力が作用することがある。
このため、引張試験用の治具をセラミック製とした場合は、引張方向の荷重や衝撃力が作用することに伴い、該セラミック製の治具に割れ等の損傷が生じる可能性がある。
しかも、セラミックは、加工形状が制限され易いため、引張試験用の治具の構造が複雑な場合は、その治具の製作自体が困難になることがあり、この場合は、引張試験の実施が困難になる。
ところで、引張試験の手法としては、外部より作用させる圧縮荷重を利用して引張試験片の引張試験を実施する手法が近年提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
なお、高温引張試験を行う場合には、引張試験片の周囲に、たとえば、組立式の加熱炉を配置することが行われる。
特開2006−78365号公報 特開2011−43470号公報 特開2001−59803号公報
ところが、圧縮荷重を利用して引張試験片の引張試験を実施するために従来提案されている手法のうち、特許文献1に示されたものは、引張試験片の下端側のつかみ部を保持させるための保持部材に、該引張試験片の上端側のつかみ部に取り付ける別の保持部材と、引張試験片自体を一緒に収容するための上下方向に延びる大きな開口部を設ける必要がある。更に、上記各保持部材には、引張試験片の上下の対応する各つかみ部を、ビスを介して取り付けるようにしてあるため、該各保持部材は、上記ビスを挿通させるための孔(ばか孔)や、ビスを螺着させるためのねじ穴を設ける必要がある。そのため、上記各保持部材の構成が複雑になっている。
特許文献2に示されたものにおける引張試験用の治具は、固定チャックと可動チャックを備え、該固定チャックと可動チャックの側面に設けてある溝に、引張試験片の上端側と下端側の各つかみ部をそれぞれ挿入することで、該各チャックによる引張試験片の対応するつかみ部の保持を行わせることができるようにしてある。
しかし、上記固定チャックと可動チャックには、それぞれのチャックに設けてある支柱部材を相互にスライド可能に挿通させるための貫通孔を設ける必要がある。よって、引張試験用の治具の構造が複雑になっている。
特許文献3には、引張試験片の上端側つかみ部を保持する位置保持用のブロックと、該引張試験片の下端側つかみ部に下向きの荷重を作用させるための荷重印加用のブロックとを、単に近接状態で上下方向に相対的にスライドさせるようにした構成が示されている。しかし、上記引張試験片の上端側つかみ部は、上記位置保持用のブロックに設けてある張出部の下面に、連結部を介して取り付けてあることから、該連結部には、引張荷重が作用してしまう。
更に、上記連結部には、上記引張試験片の上端側つかみ部に設けてあるピン穴に挿入して嵌合させるためのピンを設ける必要がある。よって、特許文献3に示されたものにおける引張試験用の治具は、構成が複雑になっている。
したがって、上記各特許文献に示された引張試験用の治具(保持部材)は、いずれも構成が複雑であることから、セラミック製とすることは難しい。
ところで、引張試験片は、引張試験を実施する場合に材料の強度を出すためには、平行部の断面積が大きいほうがよい。又、引張試験結果に対する寸法効果の影響を低減させるという観点からも、引張試験片は、平行部の断面積を大きくすることが望まれる。更に、高温引張試験を行う場合は、高温条件下に配置される引張試験片に、酸化による表面部の劣化が生じることが考えられるが、平行部の比表面積が小さければ、該平行部の表面部に酸化による劣化がたとえ生じたとしても、引張試験結果への影響を低減させることができる。よって、このことからも、平行部の断面積は、できるだけ大きくすることが望まれる。
一方、引張試験装置の全体のサイズは、小型化が望まれている。特に、高温引張試験で引張試験片の周囲に加熱炉を配置する場合には、設備コストや運転コストの点から考えると、加熱炉のサイズはできるだけ小さい方が好ましい。
よって、上記加熱炉の内側に引張試験片と共に配置される引張試験用の治具は、引張試験装置や加熱炉のサイズの制限内で引張試験片の平行部の断面積をできるだけ大きくするという観点から考えると、該治具自体の構成を単純なものとして小型化を図ることが望まれる。
しかし、引張試験片の引張試験の際に引張荷重が作用することがなく、且つ構成が単純で小型化を図ることができるような引張試験用の治具は従来提案されていないというのが実状である。
そこで、本発明は、引張試験片の引張試験を実施する際に引張荷重が作用することがなく、単純な構造とすることができて小型化を図ることができる引張試験治具を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、引張試験片のゲージ部の両端部のつかみ部を保持して引張試験を行うための引張試験治具において、上記引張試験片の一端側のつかみ部に先端を係止させるための一対の係止部を設けて、該一対の係止部の間に、該引張試験片のゲージ部を挿通させる隙間を設け、且つ該引張試験片の他端側のつかみ部を収容し得る空間部を備えた第1の荷重伝達部材と、上記引張試験片の他端側のつかみ部に先端を係止させるための一対の係止部を設けて、該一対の係止部の間に、該引張試験片のゲージ部を挿通させる隙間を設け、且つ該引張試験片の一端側のつかみ部を収容し得る空間部を備えた第2の荷重伝達部材とを備えて、上記引張試験片の一端側と他端側のつかみ部にそれぞれの係止部の先端を係止させた上記第1の荷重伝達部材と第2の荷重伝達部材とを、互いに近接する方向に相対変位させて引張試験片を引っ張るようにした構成を有する引張試験治具とする。
又、上記構成において、第1の荷重伝達部材は、荷重受けプレートの一方の面に、荷重伝達用支柱の基端を取り付け、該荷重伝達用支柱の先端面を、引張試験片の一端側のつかみ部に係止させる一対の係止部を先端側に設け、更に、該一対の係止部の先端面と、上記荷重受けプレートとの間に、引張試験片の他端側のつかみ部を収容するための空間部を備えてなる構成とし、第2の荷重伝達部材は、別の荷重受けプレートの一方の面に、別の荷重伝達用支柱の基端を取り付け、該別の荷重伝達用支柱の先端面を、引張試験片の他端側のつかみ部に係止させる一対の係止部を先端側に設け、更に、該一対の係止部と、上記別の荷重受けプレートとの間に、引張試験片の一端側のつかみ部を収容するための空間部を備えてなる構成とする。
更に、上記構成において、第1の荷重伝達部材は、引張試験片の他端側のつかみ部を受け入れ可能な間隔を隔てて配置した2本の荷重伝達用支柱を備え、該各荷重伝達用支柱同士で互いに対向する側面の先端部に、引張試験片の一端側のつかみ部に先端を係止させるための係止部をそれぞれ設けてなる構成とし、第2の荷重伝達部材は、引張試験片の一端側のつかみ部を受け入れ可能な間隔を隔てて配置した2本の荷重伝達用支柱の組を、上記第1の荷重伝達部材の荷重伝達用支柱を受け入れ可能な間隔を隔てて2組備え、該各組の2本の荷重伝達用支柱同士で互いに対向する側面の先端部に、引張試験片の他端側のつかみ部に先端を係止させるための係止部をそれぞれ設けてなる構成とする。
上述の各構成において、第1の荷重伝達部材は、荷重受けプレートに、第2の荷重伝達部材に設けてある荷重伝達用支柱の先端部における係止部設置側と逆側の側面に接触させるためのストッパを備えてなる構成とし、第2の荷重伝達部材は、別の荷重受けプレートに、第1の荷重伝達部材に設けてある荷重伝達用支柱の先端部における係止部設置側と逆側の側面に接触させるための別のストッパを備えてなる構成とする。
本発明の引張試験治具によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)引張試験片の引張試験は、各荷重伝達部材に引張荷重を作用させることなく実施することができる。
(2)上記各荷重伝達部材は、ピンやピン穴、あるいは、貫通孔のない単純な構造とすることができて、小型化を図ることができる。
(3)よって、本発明の引張試験治具は、上記荷重伝達部材をセラミック製とすることが容易に実現できるため、高温引張試験に適したものとすることができる。
(4)更に、本発明の引張試験治具は、小型化できることから、引張試験装置の全体のサイズや、高温条件や低温条件の下で引張試験を行うために引張試験片の周囲に配置する温度調整機構のサイズの小型化を図ることができる。又、本発明の引張試験治具は、引張試験片のゲージ部の断面積を大きく設定する場合に、上記引張試験装置や上記温度調整機構のサイズの拡大を抑制することが可能になる。
本発明の引張試験治具の実施の一形態を示すもので、(a)は概略正面図、(b)は概略側面図である。 図1の引張試験治具の第1の荷重伝達部材と第2の荷重伝達部材を分離させた状態を示す概略斜視図である。 図1の引張試験治具を用いて引張試験を行う際に用いる圧縮荷重付与手段の概要を示す正面図である。 本発明の実施の他の形態を示すもので、(a)は概略正面図、(b)は概略側面図である。 図4の引張試験治具の第1の荷重伝達部材と第2の荷重伝達部材を分離させた状態を示す概略斜視図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(a)は第2の荷重伝達部材の荷重伝達用支柱が配置された鉛直面での断面図、(b)は第1の荷重伝達部材の荷重伝達用支柱が配置された鉛直面での断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1(a)(b)乃至図3は本発明の引張試験治具の実施の一形態を示すものである。
ここで、先ず、本発明の引張試験治具を用いて行う引張試験の対象とする引張試験片1の構成について説明する。
上記引張試験片1は、図2に示すように、従来の引張試験片の平行部と同様に引張荷重を作用させて変形や破断等の挙動を生じさせる対象となる平板状のゲージ部2と、該ゲージ部2の両端側で該ゲージ部2よりも幅広としたつかみ部3a,3bとからなる構成としてある。上記各つかみ部3a,3bは、上記ゲージ部2と同じ板厚の平板状とされている。上記ゲージ部2と各つかみ部3a,3bの間のコーナ部分は、滑らかに湾曲した形状の肩部4とされている。
以上の構成としてある引張試験片1は、上記ゲージ部2の両端側の各つかみ部3a,3bに対し、互いに離反する方向の荷重を作用させることにより、上記ゲージ部2に対して矢印xで示す方向の引張荷重を作用させて、引張試験を行うことができるようにしてある。この際、上記引張試験片1は、必要に応じて、上記ゲージ部2の外形や断面形状を、JIS規格に準拠する引張試験片の平行部と同様の形状に設定した構成とすれば、JIS規格に準拠した引張試験を実施することが可能になる。なお、上記ゲージ部2の外形や断面形状は、たとえば、断面積が一様でない等、JIS規格に準拠する形状以外に設定してもよいことは勿論である。
上記引張試験片1の引張試験に用いる本発明の引張試験治具は、図1(a)(b)及び図2に符号Iで示すもので、第1の荷重伝達部材5と、第2の荷重伝達部材6とから構成される。
上記第1の荷重伝達部材5は、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aの2つの肩部4に先端面を係止させるための一対の係止部7と、該一対の係止部7の間に設けた隙間8と、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bを収容し得る空間部9を備えた構成としてある。上記隙間8は、上記引張試験片1のゲージ部2を挿通させる寸法としてある。
上記第2の荷重伝達部材6は、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bの2つの肩部に先端面を係止させるための一対の係止部10と、該一対の係止部10の間に設けた隙間11と、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aを収容し得る空間部12を備えた構成としてある。上記隙間11は、上記引張試験片1のゲージ部2を挿通させる寸法としてある。
詳述すると、上記第1の荷重伝達部材5は、後述する圧縮荷重付与手段13より付与される圧縮荷重を一方の面に受けるための荷重受けプレート14を有し、該荷重受けプレート14の他方の面の中央付近に、該荷重受けプレート14の表面より垂直方向に突出するよう配置した荷重伝達用支柱15の基端が取り付けられた構成を備える。
上記荷重伝達用支柱15の幅寸法は、上記引張試験片1における一端側のつかみ部3aの幅寸法以上となるように設定されている。更に、上記荷重伝達用支柱15は、突出方向と平行な方向(図中のx方向)に上記引張試験片1の引張試験で作用させる引張荷重と同等の圧縮荷重が作用しても、該荷重伝達用支柱15に座屈が生じないように、たとえば、上記x方向に垂直な面内での厚み寸法を大きく設定したプレート形状とされている。
上記荷重伝達用支柱15の先端部の一側面には、上記一対の係止部7が、該荷重伝達用支柱15の表面より突出させて一体に設けられている。この一対の係止部7の上記荷重伝達用支柱15の表面からの突出量は、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aの板厚寸法に対応するように設定されている。
上記一対の係止部7の間には、上記引張試験片1のゲージ部2の幅寸法よりもわずかに広い隙間8が設けられている。更に、上記各係止部7の先端側の面と、上記隙間8に臨む面との間のコーナ部は、上記引張試験片1のゲージ部2と一端側のつかみ部3aとの間の肩部4のアールに対応するアールに形成されている。
上記第1の荷重伝達部材5における上記一対の係止部7と、上記荷重受けプレート14との間には、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bを収容し得る大きさの空間部9が設けられている。
なお、上記空間部9のx方向の寸法は、上記各係止部7の先端面を上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aの肩部4に接触させた状態のときに、該引張試験片1の他端側のつかみ部3bの端面から、上記荷重受けプレート14の表面までの距離L1(図1(b)参照)が、引張試験の際に上記ゲージ部2に生じる伸び変形量よりも大きくなるように設定してある。たとえば、繰り返し荷重による引張試験に適用する場合のように、引張試験時に引張試験片1に殆ど伸び変形が生じることなく破断に至ることが想定される場合は、上記空間部9のx方向の寸法としては、上記距離L1が数mmとなるように設定すればよい。
これにより、上記第1の荷重伝達部材5は、上記一対の係止部7の先端面を、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aの肩部4に係止させると共に、上記隙間8の内側に、該引張試験片1のゲージ部2を挿通させるようにすることにより、該引張試験片1を、上記荷重伝達用支柱15の一側面に沿わせて配置することができるようにしてある。
上記第2の荷重伝達部材6は、後述する圧縮荷重付与手段13より付与される圧縮荷重を一方の面に受けるための荷重受けプレート16を有し、該荷重受けプレート16の他方の面の中央付近に、該荷重受けプレート16の表面より垂直方向に突出するよう配置した荷重伝達用支柱17の基端が取り付けられた構成を備える。
上記荷重伝達用支柱17の幅寸法は、上記引張試験片1における他端側のつかみ部3bの幅寸法以上となるように設定されている。更に、上記荷重伝達用支柱17は、突出方向と平行な方向(図中のx方向)に上記引張試験片1の引張試験で作用させる引張荷重と同等の圧縮荷重が作用しても、該荷重伝達用支柱17に座屈が生じないように、上記第1の荷重伝達部材5の荷重伝達用支柱15と同様に、上記x方向に垂直な面内での厚み寸法を大きく設定したプレート形状とされている。
上記荷重伝達用支柱17の先端部の一側面には、上記一対の係止部10が、該荷重伝達用支柱17の表面より突出させて一体に設けられている。この一対の係止部10の上記荷重伝達用支柱17の表面からの突出量は、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bの板厚寸法に対応するように設定されている。
上記一対の係止部10の間には、上記引張試験片1のゲージ部2の幅寸法よりもわずかに広い隙間11が設けられている。更に、上記各係止部10の先端側の面と、上記隙間11に臨む面との間のコーナ部は、上記引張試験片1のゲージ部2と他端側のつかみ部3bとの間の肩部4のアールに対応するアールに形成されている。
上記第2の荷重伝達部材6における上記一対の係止部10と、上記荷重受けプレート16との間には、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aを収容し得る大きさの空間部12が設けられている。
なお、上記空間部12のx方向の寸法は、上記各係止部10の先端面を上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bの肩部4に接触させた状態のときに、該引張試験片1の一端側のつかみ部3aの端面から、上記荷重受けプレート16の表面までの距離L2(図1(b)参照)が、引張試験の際に上記ゲージ部2に生じる伸び変形量よりも大きくなるように設定してある。たとえば、繰り返し荷重による引張試験の場合には、上記空間部12のx方向の寸法としては、上記距離L2が数mmとなるように設定すればよい。
これにより、上記第2の荷重伝達部材6は、上記一対の係止部10の先端面を、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bの肩部4に係止させると共に、上記隙間11の内側に、該引張試験片1のゲージ部2を挿通させるようにすることにより、該引張試験片1を、上記荷重伝達用支柱17の一側面に沿わせて配置することができるようにしてある。
上記圧縮荷重付与手段13は、たとえば、図3にその一例の概要を示すように、枠型のフレーム18における上部と下部に、一対の押圧部材19aと19bが、対向して配置されている。更に、上記各押圧部材19aと19bは、図示しないアクチュエータやジャッキ等の駆動手段により、相対的に近接、離反する方向に移動させることができるようにした構成としてある。
更に、高温引張試験を行う場合の装置構成は、図3に二点鎖線で示すように、上記圧縮荷重付与手段13のフレーム18の内側で、後述するように引張試験片1を保持させた状態で上記各押圧部材19aと19bの間に配置する本発明の引張試験治具Iの周りを囲む位置に、組み立て式の温度調整機構としての加熱炉20を設けた構成とする。
以上の構成としてある本発明の引張試験治具Iを使用する場合は、図1(a)(b)に示すように、第1の荷重伝達部材5の係止部7を、引張試験片1の一端側のつかみ部3aに係止させ、且つ第2の荷重伝達部材6の係止部10を、該引張試験片1の他端側のつかみ部3bに係止させるようにして、該引張試験片1のゲージ部2を、上記各荷重伝達部材5と6の隙間8と11に収納させるように組み立てて、上記各荷重伝達部材5と6により引張試験片1を保持させる。
上記のようにして引張試験片1を保持させた状態の荷重伝達部材5と6は、図3に示すように、上記圧縮荷重付与手段13の一対の押圧部材19aと19bの間に配置させる。図3では、上記引張試験片1のゲージ部2が、上下方向の配置となるようにして、上記第2の荷重伝達部材6の荷重受けプレート16が、上記圧縮荷重付与手段13の下部の押圧部材19bの上側に載置され、且つ上記第1の荷重伝達部材5の荷重受けプレート14が、上記圧縮荷重付与手段13の上部の押圧部材19aの下側に接するように配置された状態とさせてある。
その後は、上記圧縮荷重付与手段13の図示しない駆動手段により上記一対の押圧部材19aと19bを相対的に近接する方向へ移動させて、上記各荷重伝達部材5と6に対し、各荷重受けプレート14と16の外側(上下両側)から、圧縮荷重を作用させる。
これにより、上記第1の荷重伝達部材5では、上記圧縮荷重を、荷重受けプレート14より荷重伝達用支柱15、及び、係止部7を経て、上記引張試験片1の一端側のつかみ部3aに対して下向きの荷重として作用させることができるようになる。
一方、上記第2の荷重伝達部材6では、上記圧縮荷重を、荷重受けプレート16より荷重伝達用支柱17、及び、係止部10を経て、上記引張試験片1の他端側のつかみ部3bに対して上向きの荷重として作用させることができるようになる。
したがって、上記引張試験片1は、上記一端側と他端側の各つかみ部3aと3bに、該各つかみ部3aと3b同士を離反させる方向の力が作用するようになることから、該引張試験片1におけるゲージ部2に、引張荷重が作用するようになる。
なお、この際、上記引張試験片1のゲージ部2に作用する引張荷重は、上記圧縮荷重付与手段13より上記各荷重伝達部材5,6に対して付与される圧縮荷重と同等である。
よって、上記圧縮荷重付与手段13における圧縮荷重の伝達経路の途中に設けた図示しないロードセル等の荷重計測手段の計測結果を基に、上記引張試験片1のゲージ部2に作用させる引張荷重が分かる。このため、上記引張荷重により生じる上記ゲージ部2の挙動、及び、その挙動と作用させた引張荷重との関係等を基に、従来と同様に、上記引張試験片1の材料について機械的性質(引張特性)を調べることができるようになる。
このように、本発明の引張試験治具Iによれば、各荷重伝達部材5,6に引張荷重を作用させることなく引張試験片1の引張試験を実施することができる。
しかも、上記各荷重伝達部材5と6は、ピンやピン穴、あるいは、貫通孔のない単純な構造とすることができて、小型化を図ることができる。
よって、本発明の引張試験治具Iは、セラミック製として高温引張試験に用いるのに適したものとすることができる。
更には、本発明の引張試験治具Iは、小型化できることから、引張試験装置の全体のサイズや、高温引張試験を行うために引張試験片1の周囲に配置する加熱炉20のサイズの低減化を図ることができる。
又、本発明の引張試験治具Iは、引張試験片1のゲージ部2の断面積を大きく設定する場合に、上記引張試験装置や上記加熱炉20のサイズの拡大を抑制することが可能になる。
なお、上記図1(a)(b)乃至図3に示した本発明の引張試験治具Iでは、引張試験片1の引張試験を行う際に、第1の荷重伝達部材5と第2の荷重伝達部材6の各荷重伝達用支柱15と17に、x方向に沿う圧縮荷重が作用するようになる。この際、該各荷重伝達部材5と6では、上記引張試験片1に荷重を作用させるための係止部7,10の位置が、各荷重伝達用支柱15,17の位置とずれているため、該各荷重伝達用支柱15と17には、曲げ方向の力が作用するようになる。
この点に鑑みて、図1(b)に二点鎖線で示すように、上記第1の荷重伝達部材5は、荷重受けプレート14における荷重伝達用支柱15の取付位置から、第2の荷重伝達部材6の荷重伝達用支柱17及び係止部10の厚み寸法分、離れた位置に、該第2の荷重伝達部材6の荷重伝達用支柱17に沿わせるためのストッパ21を、着脱可能に設けてなる構成としてもよい。
同様に、図1(b)に二点鎖線で示すように、上記第2の荷重伝達部材6は、荷重受けプレート16における荷重伝達用支柱17の取付位置から、第1の荷重伝達部材5の荷重伝達用支柱15と係止部7の厚み寸法分、離れた位置に、該第1の荷重伝達部材5の荷重伝達用支柱15に沿わせるためのストッパ22を、着脱可能に設けてなる構成としてもよい。
上記ストッパ21,22を備えた構成の引張試験治具Iを使用する場合は、引張試験片1を、前述したと同様に上記第1の荷重伝達部材5と第2の荷重伝達部材6により保持させた状態とした後、上記第1の荷重伝達部材5の荷重受けプレート14にストッパ21を取り付け、上記第2の荷重伝達部材6の荷重受けプレート16にストッパ22を取り付けるようにすればよい。
これにより、上記第1の荷重伝達部材5と第2の荷重伝達部材6は、それぞれの荷重伝達用支柱15と17で圧縮荷重を伝える際に、該荷重伝達用支柱15と17について、相互に座屈や撓み等の面外変形の発生がより確実に防止される構成とすることができる。なお、ここで云う面外変形とは、上記引張試験片1のゲージ部2に変形挙動が生じる平面(該ゲージ部2が配置されている平面)を基準にして、その基準となる平面の面外への変形を意味するものである。
次に、図4(a)(b)及び図5は本発明の実施の他の形態として、図1(a)(b)乃至図3に示す引張試験片1とは異なる引張試験片1Aを対象とする場合を示すものである。
ここで、先ず、本実施の形態の引張試験治具を用いて行う引張試験の対象とする引張試験片1Aの構成について説明する。
上記引張試験片1Aは、図5に示すように、平板状のゲージ部2の両端側に、該ゲージ部2よりも幅広で、且つ該ゲージ部2の板厚方向に拡大する厚みを有する矩形状のつかみ部23a,23bを取り付けた構成としてある。なお、上記ゲージ部2は、各つかみ部23a,23bの長手方向の中央に取り付けてあるものとする。
上記各つかみ部23a,23bは、上記ゲージ部2寄りのコーナ部分に、滑らかに湾曲した形状の肩部24が、長手方向の全長に亘り設けられている。
以上の構成としてある引張試験片1Aは、上記ゲージ部2の両端側の各つかみ部23a,23bに対し、互いに離反する方向の荷重を作用させることにより、上記ゲージ部2に対して矢印xで示す方向の引張荷重を作用させて、引張試験を行うことができるようにしてある。この際、上記引張試験片1Aのゲージ部2は、その外形や断面形状を、必要に応じて、図1(a)(b)乃至図3に示した引張試験片1のゲージ部2と同様に、JIS規格に準拠するようにした形状、又は、JIS規格に準拠する形状以外に設定しておくようにすればよい。
上記引張試験片1Aの引張試験に用いる本発明の引張試験治具は、図4(a)(b)及び図5に符号IIで示すもので、第1の荷重伝達部材25と、第2の荷重伝達部材26とから構成される。
上記第1の荷重伝達部材25は、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aの肩部24に先端面を係止させるための一対の係止部27と、該一対の係止部27の間に設けた隙間28と、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bを収容し得る空間部29を備えた構成としてある。上記隙間28は、上記引張試験片1Aのゲージ部2を挿通させる寸法としてある。
上記第2の荷重伝達部材26は、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bの肩部24に先端面を係止させるための一対の係止部30と、該一対の係止部30の間に設けた隙間31と、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aを収容し得る空間部32を備えた構成としてある。上記隙間31は、上記引張試験片1Aのゲージ部2を挿通させる寸法としてある。
詳述すると、上記第1の荷重伝達部材25は、図3に示したと同様の圧縮荷重付与手段13より付与される圧縮荷重を受けるための荷重受けプレート33を備える。該荷重受けプレート33の片面側の中央付近には、該荷重受けプレート33の表面に対し垂直方向に延びる荷重伝達用支柱34が、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bの幅寸法に対応する隙間を隔てて2本一組で配置された状態で、該2本一組の荷重伝達用支柱34の基端が、上記荷重受けプレート33の対応する個所に取り付けられている。
上記各荷重伝達用支柱34は、突出方向と平行な方向(図中のx方向)に上記引張試験片1Aの引張試験で作用させる引張荷重の1/2に相当する圧縮荷重が作用しても、該各荷重伝達用支柱34に座屈が生じないように断面形状や断面積が設定されているものとする。
上記2本一組の荷重伝達用支柱34は、先端部における相対向する内側面に、それぞれ上記係止部27が突出させて一体に設けられている。該各係止部27の上記各荷重伝達用支柱34の表面からの突出量は、該一対となる係止部27同士の間に、上記引張試験片1Aのゲージ部2の幅寸法よりもわずかに広い隙間28が形成されるように設定されている。更に、上記各荷重伝達用支柱34の先端面となる各係止部27の先端面と、上記隙間28に臨む面との間のコーナ部は、上記引張試験片1Aにおける一端側のつかみ部23aの肩部24のアールに対応するアールが形成されている。
上記第1の荷重伝達部材25における上記一対の係止部27と、上記荷重受けプレート33との間には、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bを収容し得る大きさの空間部29が設けられている。
なお、上記空間部29のx方向の寸法は、上記各係止部27の先端を上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aの肩部24に接触させた状態のときに、該引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bの端面から、上記荷重受けプレート33の表面までの距離L3(図4(a)参照)が、引張試験の際に上記ゲージ部2に生じる伸び変形量よりも大きくなるように設定してある。たとえば、繰り返し荷重による引張試験の場合には、上記空間部29のx方向の寸法としては、上記距離L3が数mmとなるように設定すればよい。
これにより、上記第1の荷重伝達部材25は、上記一対の係止部27の先端面を、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aの肩部24に係止させることにより、該引張試験片1Aのゲージ部2を上記隙間28の内側に、又、上記他端側のつかみ部23bを上記空間部29の内側に、それぞれ収容して配置できるようにしてある。
上記第2の荷重伝達部材26は、図3に示したと同様の圧縮荷重付与手段13より付与される圧縮荷重を受けるための荷重受けプレート35を備える。該荷重受けプレート35の片面の中央付近には、該荷重受けプレート35の表面に対し垂直方向に延びる荷重伝達用支柱36,36と36a,36aを配置して、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aの幅寸法に対応する隙間を隔てて配置された荷重伝達用支柱36と36の2本を一組とすると共に、荷重伝達用支柱36aと36aの2本を一組として、二組平行に配置される。該荷重伝達用支柱36と36の一方の組と36aと36aの他方の組との間隔は、図4(b)のように、上記第1の荷重伝達部材25の荷重伝達用支柱34を受け入れることができるように設定されている。
上記各組2本ずつ、合計4本の荷重伝達用支柱36,36aは、それぞれの基端が、上記荷重受けプレート35の対応する個所に取り付けられている。
上記各荷重伝達用支柱36,36aは、突出方向と平行な方向(図中のx方向)に上記引張試験片1Aの引張試験で作用させる引張荷重の1/4に相当する圧縮荷重が作用しても、該各荷重伝達用支柱34に座屈が生じないように断面形状や断面積が設定されているものとする。
上記各荷重伝達用支柱36と36aは、先端部における上記各組の荷重伝達用支柱36同士で対向する内側面と36a同士で対向する内側面に、それぞれ係止部30が突出させて一体に設けられている。該各係止部30の上記各荷重伝達用支柱36,36aの表面からの突出量は、上記各組の荷重伝達用支柱36と36a同士で対向する係止部30の間に、上記引張試験片1Aのゲージ部2の幅寸法よりもわずかに広い隙間31が形成されるように設定されている。更に、上記各係止部30の先端側の面と、上記隙間31に臨む面との間のコーナ部は、上記引張試験片1Aにおける他端側のつかみ部23bの肩部24のアールに対応するアールが形成されている。
上記第2の荷重伝達部材26における上記各係止部30と、上記荷重受けプレート35との間には、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aを収容し得る大きさの空間部32が設けられている。
なお、上記空間部32のx方向の寸法は、上記各係止部30の先端面を上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bの肩部24に接触させた状態のときに、該引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aの端面から、上記荷重受けプレート35の表面までの距離L4(図4(a)参照)が、引張試験の際に上記ゲージ部2に生じる伸び変形量よりも大きくなるように設定してある。たとえば、繰り返し荷重による引張試験の場合には、上記空間部32のx方向の寸法としては、上記距離L4が数mmとなるように設定すればよい。
これにより、上記第2の荷重伝達部材26は、上記4本の荷重伝達用支柱36,36aの各係止部30の先端面を、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bの肩部24に係止させることにより、該引張試験片1Aのゲージ部2を上記隙間31の内側に、又、上記一端側のつかみ部23aを上記空間部32の内側に、それぞれ収容して配置できるようにしてある。
上記第1の荷重伝達部材25と第2の荷重伝達部材26は、第1の荷重伝達部材25の2本の荷重伝達用支柱34の各係止部27が上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aに接触する面積と、第2の荷重伝達部材26の4本の荷重伝達用支柱36,36aの各係止部30が上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bに接触する面積が、ほぼ等しくなるように、それぞれの荷重伝達用支柱34と36,36aの幅寸法や断面積が設定してある。これにより、本実施の形態の引張試験治具IIでは、後述するように上記引張試験片1Aの引張試験を実施するときに、上記第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34と、上記第2の荷重伝達部材26の各荷重伝達用支柱36,36aについて、単位断面積当たりに作用する圧縮荷重が、均等化されるようにしてある。
その他、図1(a)(b)乃至図3に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の引張試験治具IIを使用する場合は、先ず、図4(a)(b)に示すように、第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34を、第2の荷重伝達部材26における各荷重伝達用支柱36,36aの組み同士の間に配置する。この際、上記各荷重伝達部材25と26は、それぞれの隙間28と31が揃うように配置させる。
上記のような配置とした各荷重伝達部材25と26には、それぞれの空間部29と32、及び、隙間28,31に、引張試験片1Aの対応するつかみ部23aと23b、及び、ゲージ部2を、各荷重伝達用支柱34,36,36aの長手方向に直交する方向から挿入する。これにより、上記各荷重伝達部材25と26では、それぞれの係止部27と30に、上記引張試験片1Aの一端側と他端側の各つかみ部23aと23bを係止させて、該引張試験片1Aの保持が行われるようにする。
上記のようにして引張試験片1Aを保持させた状態の荷重伝達部材25と26は、図3に示したと同様の圧縮荷重付与手段13(図3参照)の一対の押圧部材19aと19bの間に配置させる。
その後は、上記圧縮荷重付与手段13の図示しない駆動手段により上記一対の押圧部材19aと19bを相対的に近接する方向へ移動させて、上記各荷重伝達部材25と26に対し、各荷重受けプレート33と35の外側(上下両側)から、圧縮荷重を作用させる。
これにより、上記第1の荷重伝達部材25では、上記圧縮荷重を、荷重受けプレート33より各荷重伝達用支柱34、及び、各係止部27を経て、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aに対して下向きの荷重として作用させることができるようになる。
一方、上記第2の荷重伝達部材26では、上記圧縮荷重を、荷重受けプレート35より荷重伝達用支柱36,36a、及び、各係止部30を経て、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bに対して上向きの荷重として作用させることができるようになる。
したがって、上記引張試験片1Aは、上記一端側と他端側の各つかみ部23aと23bに、該各つかみ部23aと23b同士を離反させる方向の力が作用するようになることから、該引張試験片1Aにおけるゲージ部2に、引張荷重が作用するようになる。
なお、この際、上記引張試験片1Aのゲージ部2に作用する引張荷重は、上記圧縮荷重付与手段13より上記各荷重伝達部材25,26に対して付与される圧縮荷重と同等である。
よって、上記圧縮荷重付与手段13における圧縮荷重の伝達経路の途中に設けた図示しないロードセル等の荷重計測手段の計測結果を基に、上記引張試験片1Aのゲージ部2に作用させる引張荷重が分かる。このため、上記引張荷重により生じる上記ゲージ部2の挙動、及び、その挙動と作用させた引張荷重との関係等を基に、従来と同様に、上記引張試験片1Aの材料について機械的性質(引張特性)を調べることができるようになる。
このように、本実施の形態の引張試験治具IIによれば、各荷重伝達部材25,26に引張荷重を作用させることなく引張試験片1Aの引張試験を実施することができる。
しかも、上記各荷重伝達部材25と26は、ピンやピン穴、あるいは、貫通孔のない単純な構造とすることができて、小型化を図ることができる。
よって、本実施の形態の引張試験治具IIによっても、図1(a)(b)乃至図3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、本実施の形態の引張試験治具IIは、第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34より引張試験片1Aに伝える荷重の中心と、第2の荷重伝達部材26の各荷重伝達用支柱36,36aより引張試験片1Aに伝える荷重の中心のずれを防止することができる。
これにより、上記各荷重伝達部材25と26の各荷重伝達用支柱34と36,36aに作用する曲げ方向の力を低減させることが可能になるため、該各荷重伝達用支柱34と36,36aの曲げ変形に抵抗するための強度を抑えることができる。したがって、本実施の形態の引張試験治具IIでは、上記各荷重伝達部材25と26の構造をより単純化して、小型化を図るのに有利なものとすることができる。
図6(a)(b)は本発明の実施の更に他の形態として、図4(a)(b)及び図5に示した引張試験治具IIの応用例を示すものである。
すなわち、本実施の形態の引張試験治具IIは、図4(a)(b)及び図5に示したと同様の構成において、図6(a)に示すように、第1の荷重伝達部材25の荷重受けプレート33に、第2の荷重伝達部材26の各荷重伝達用支柱36,36aの先端部における外側面(係止部30の設置側と逆側の側面)に個別に接触させるためのストッパ37を設ける。
更に、第2の荷重伝達部材26の荷重受けプレート35には、図6(b)に示すように、第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34の先端部における外側面(係止部設置側と逆側の側面)に個別に接触させるためのストッパ38を設けた構成とする。
その他の構成は図4(a)(b)及び図5に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の引張試験治具IIによれば、引張試験片1Aの引張試験を実施する際には、上記第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34の外側面が、上記第2の荷重伝達部材26の対応するストッパ38によって受けられるようになる。同時に、上記第2の荷重伝達部材26の各荷重伝達用支柱36,36aの外側面が、上記第1の荷重伝達部材25の対応するストッパ37によって受けられるようになる。
このため、上記第1の荷重伝達部材25の各荷重伝達用支柱34は、上記引張試験片1Aの一端側のつかみ部23aに荷重を伝える際に、先端側が外へ広がるような面外変形がより確実に防止されるようになる。同様に、上記第2の荷重伝達部材26の各荷重伝達用支柱36,36aは、上記引張試験片1Aの他端側のつかみ部23bに荷重を伝える際に、先端側が外へ広がるような面外変形がより確実に防止されるようになる。なお、ここで云う面外変形とは、上記引張試験片1Aのゲージ部2に変形挙動が生じる平面(該ゲージ部2が配置されている平面)を基準にして、その基準となる平面の面外への変形を意味するものである。
よって、本実施の形態の引張試験治具IIは、各荷重伝達部材25と26の各荷重伝達用支柱34と36,36aに求められる面外変形に抵抗するための強度を、更に抑えることができるため、上記各荷重伝達部材25と26の構造をより単純化して、更なる小型化を図るのに有利なものとすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、各荷重伝達部材5,6,25,26における荷重受けプレート14,16,33,35の形状や厚みは、引張試験片1,1Aに作用させるべき引張荷重に対応する圧縮荷重を伝達するときに、該荷重受けプレート14,16,33,35自体の変形による荷重の逃げが生じないようにしてあれば、図示した以外の任意の形状や厚みを採用してもよい。
又、荷重伝達用支柱15,17,34,36,36aの外形、断面形状及び断面積は、引張試験片1,1Aに作用させるべき引張荷重に対応する圧縮荷重を伝達するときに、該荷重伝達用支柱15,17,34,36,36aの座屈等の面外変形による荷重の逃げが生じないようにしてあれば、図示した以外の任意の外形、断面形状及び断面積を採用してもよい。更に、上記各荷重伝達用支柱15,17,34,36,36aは、係止部7,10,27,30、あるいは、引張試験片1,1Aの配置と干渉しない側面に、圧縮荷重の伝達方向に延びるリブ等の補強部材を取り付けた構成としてもよい。
各荷重伝達部材5,6,25,26は、高温引張試験に使用する場合は、セラミック製とすることが望ましいが、高温条件が必要とされる引張試験の実施に用いるものでない場合は、引張試験片1,1Aに作用させるべき引張荷重に対応する圧縮荷重を伝達できる材質であれば、金属製とする等、セラミック以外の材質を採用してもよい。
図4(a)(b)及び図5の実施の形態、並びに、図6の実施の形態の引張試験治具IIは、第1の荷重伝達部材25と第2の荷重伝達部材26の上下の配置を逆にしてもよい。 更に、本発明の引張試験治具I,IIは、第1の荷重伝達部材5,25と、第2の荷重伝達部材6,26を、圧縮荷重付与手段13における押圧部材19a,19bの配置に応じて、水平方向や、その他、上下方向以外の任意の方向に配置して使用してもよい。
本発明の引張試験治具I,IIは、常温よりも低温の条件下で引張試験を行う場合に用いるようにしてもよい。このような低温条件下での引張試験を行う場合は、図3に示した圧縮荷重付与手段13のフレーム18の内側で、引張試験片1,1Aを保持させた状態で各押圧部材19aと19bの間に配置する本発明の引張試験治具I,IIの周りに、組み立て式の温度調整機構としての冷却手段を設けるようにすればよい。この際、本発明の引張試験治具I,IIは、小型化できることから、上記低温引張試験を行うために引張試験片1,1Aの周囲に配置する上記冷却手段のサイズの低減化を図ることができるようになる。又、引張試験片1,1Aのゲージ部2の断面積を大きく設定する場合には、引張試験装置や上記冷却手段のサイズの拡大を抑制することが可能になる。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
I,II 引張試験治具
1,1A 引張試験片
2 ゲージ部
3a 一端側のつかみ部
3b 他端側のつかみ部
4 肩部
5 第1の荷重伝達部材
6 第2の荷重伝達部材
7 係止部
8 隙間
9 空間部
10 係止部
11 隙間
12 空間部
14 荷重受けプレート
15 荷重伝達用支柱
16 荷重受けプレート
17 荷重伝達用支柱
21 ストッパ
22 ストッパ
25 第1の荷重伝達部材
26 第2の荷重伝達部材
27 係止部
28 隙間
29 空間部
30 係止部
31 隙間
32 空間部
33 荷重受けプレート
34 荷重伝達用支柱
35 荷重受けプレート
36,36a 荷重伝達用支柱
37 ストッパ
38 ストッパ

Claims (4)

  1. 引張試験片のゲージ部の両端部のつかみ部を保持して引張試験を行うための引張試験治具において、
    上記引張試験片の一端側のつかみ部に先端を係止させるための一対の係止部を設けて、該一対の係止部の間に、該引張試験片のゲージ部を挿通させる隙間を設け、且つ該引張試験片の他端側のつかみ部を収容し得る空間部を備えた第1の荷重伝達部材と、
    上記引張試験片の他端側のつかみ部に先端を係止させるための一対の係止部を設けて、該一対の係止部の間に、該引張試験片のゲージ部を挿通させる隙間を設け、且つ該引張試験片の一端側のつかみ部を収容し得る空間部を備えた第2の荷重伝達部材とを備えて、
    上記引張試験片の一端側と他端側のつかみ部にそれぞれの係止部の先端を係止させた上記第1の荷重伝達部材と第2の荷重伝達部材とを、互いに近接する方向に相対変位させて引張試験片を引っ張るようにした構成
    を有することを特徴とする引張試験治具。
  2. 第1の荷重伝達部材は、荷重受けプレートの一方の面に、荷重伝達用支柱の基端を取り付け、該荷重伝達用支柱の先端面を、引張試験片の一端側のつかみ部に係止させる一対の係止部を先端側に設け、更に、該一対の係止部の先端面と、上記荷重受けプレートとの間に、引張試験片の他端側のつかみ部を収容するための空間部を備えてなる構成とし、
    第2の荷重伝達部材は、別の荷重受けプレートの一方の面に、別の荷重伝達用支柱の基端を取り付け、該別の荷重伝達用支柱の先端面を、引張試験片の他端側のつかみ部に係止させる一対の係止部を先端側に設け、更に、該一対の係止部と、上記別の荷重受けプレートとの間に、引張試験片の一端側のつかみ部を収容するための空間部を備えてなる構成とした、
    請求項1記載の引張試験治具。
  3. 第1の荷重伝達部材は、引張試験片の他端側のつかみ部を受け入れ可能な間隔を隔てて配置した2本の荷重伝達用支柱を備え、該各荷重伝達用支柱同士で互いに対向する側面の先端部に、引張試験片の一端側のつかみ部に先端を係止させるための係止部をそれぞれ設けてなる構成とし、
    第2の荷重伝達部材は、引張試験片の一端側のつかみ部を受け入れ可能な間隔を隔てて配置した2本の荷重伝達用支柱の組を、上記第1の荷重伝達部材の荷重伝達用支柱を受け入れ可能な間隔を隔てて2組備え、該各組の2本の荷重伝達用支柱同士で互いに対向する側面の先端部に、引張試験片の他端側のつかみ部に先端を係止させるための係止部をそれぞれ設けてなる構成とした、
    請求項2記載の引張試験治具。
  4. 第1の荷重伝達部材は、荷重受けプレートに、第2の荷重伝達部材に設けてある荷重伝達用支柱の先端部における係止部設置側と逆側の側面に接触させるためのストッパを備えてなる構成とし、
    第2の荷重伝達部材は、別の荷重受けプレートに、第1の荷重伝達部材に設けてある荷重伝達用支柱の先端部における係止部設置側と逆側の側面に接触させるための別のストッパを備えてなる構成とした、
    請求項2又は3記載の引張試験治具。
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