JP2013240223A - 誘導電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】開スロットと閉スロットとの組合せにより、誘導電動機の特性を確保しながら二次導体のロータスロットからの離脱を防止して、ロータの機械的強度の確保を図った誘導電動機を提供すること。
【解決手段】ロータコア11aのうちステータコア15に対向する領域Aには開スロット35aが配置されており、ステータコア15からの磁束が有効に開スロット35aを周回してステータコア15に戻り、誘導電動機において良好な動作特性を得ることができる。また、ステータコア15より外方の領域Bには閉スロット36aが配置されており、閉スロット36aの外径側が閉塞されていることから、遠心力による二次導体13の離脱を防止することができる。
【選択図】図3
【解決手段】ロータコア11aのうちステータコア15に対向する領域Aには開スロット35aが配置されており、ステータコア15からの磁束が有効に開スロット35aを周回してステータコア15に戻り、誘導電動機において良好な動作特性を得ることができる。また、ステータコア15より外方の領域Bには閉スロット36aが配置されており、閉スロット36aの外径側が閉塞されていることから、遠心力による二次導体13の離脱を防止することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は誘導電動機に関し、特に、ロータコアの回転に伴う二次導体の外径方向への離脱防止に係る誘導電動機の機械的強度の確保に関する。
ロータコアの回転軸方向に沿って二次導体が配設されるスロットは、電動機の特性の観点からは、外径方向に開口される開スロットとすることがスロット周りに有効に磁束を周回させることができ、スロット周りを周回しない漏れ磁束が少ない点で好ましい。その一方で、開スロットでは、ロータコアの回転に伴う遠心力により二次導体に外径方向への力が加わり、二次導体がスロットから離脱してしまうおそれがある。
この対策として、特許文献1には、回転子の外周壁の外周に炭素繊維を巻回し、更に、炭素繊維の外周にSiC膜を被着させ、遠心力による破損を防止することが開示されている。
また、遠心力による二次導体の外径方向への離脱を防止するためには、外径方向が閉塞されて開口がない閉スロットを備えることが考えられる。この点、技術的観点は異なるが、特許文献2には、ロータを形成するロータコアのうち両端の1ないし複数枚のみをエンクローズドスロットとし、他をセミオープンスロットとする小型インダクションモータが開示されている。特許文献2では、電動機の特性低下を招かずに端部バリの発生をなくすために、端部バリの発生が避けられない両端のセミオープンスロットを、1ないし複数枚のみエンクローズドスロットとすることが開示されている。
特許文献1では、ロータ(回転子)の外周壁を、炭素繊維とSiC膜とで二重に保護する。ロータ(回転子)の回転に伴う遠心力により二次導体が外径方向に離脱することを防止でき、ロータ(回転子)の機械的強度の向上に資するものではある。
しかしながら、ロータ(回転子)と、ロータ(回転子)の外周壁を取り巻いて配置されるステータとの間隙は、炭素繊維の巻回の厚みと被覆されるSiC膜の膜厚とを合わせた厚み以上とせざるを得ない。このため、ロータ(回転子)とステータとの間隙の距離が長くなってしまうおそれがある。両者間を周回する磁束の磁気抵抗や間隙を通過する際の漏れ磁束が大きくなり、電動機の特性悪化を招来するおそれがある。
また、特許文献2では、ロータコアのうち両端の1ないし複数枚のみに配設されるエンクローズドスロットにより、ロータの回転に伴う遠心力に抗して二次導体の外径方向への離脱が防止されるものではある。
しかしながら、エンクローズドスロットは、ステータコアと対向する位置に配置されているため、ステータコアからの磁束の一部は、エンクローズドスロットを周回しないで外径端部で短絡されてステータコアに戻る短絡磁束となるおそれがある。この短絡磁束は電磁的な力として作用しないため、電動機の特性劣化を招来してしまうおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、開スロットと閉スロットとの組合せにより、電動機の特性を確保しながら二次導体のロータスロットからの離脱を防止して、ロータの機械的強度の確保を図る誘導電動機を提供することを目的とする。
本発明に係る誘導電動機は、円環状のステータコアと、周面がステータコアに対向して、回転軸方向にステータコアの端部を越えて延設されるロータコアとを備える。ロータコアは、二次導体が収納されるスロットであって、ステータコアに対向する領域に周面が開口されて配設される開スロットと、二次導体が収納されるスロットであって、ステータコアより外方の少なくとも一端の領域に周面が閉塞されて配設され、開スロットに連通する閉スロットとを備える。つまり、ステータコアより外方の領域に開スロットが存在していてもよいが、ステータコアより外方の領域の中でどこかに閉スロットを有していればよい。
更に、ロータコアの端部にあって二次導体を連結する短絡環と、ステータコアに巻装されるコイルの折り返し部分であって、ステータコアの端部から回転軸方向に突出してなるコイルエンド部とを備える。短絡環の端部は、回転軸方向において、コイルエンド部の端部を越えない位置にある。
更に、ロータコアにおいて、開スロットが配設される領域の径は、閉スロットが配設される領域の径より小径である。
更に、ロータコアは、ステータコアより外方の一端の領域に閉スロットが配設され、ステータコアに対向する領域およびステータコアより外方の他端の領域に開スロットが配設されている。ステータコアより外方の他端の領域にある開スロットを閉塞する補強リングを備える。
本発明に係る誘導電動機は、ロータコアのうち、周面がステータコアに対向する領域は、周面が開口される開スロットが配設される領域である。これにより、ステータコアからの磁束の一部がスロットを周回しないでスロットの外径端部で短絡されてステータコアに戻る、所謂、短絡磁束を防止することができ、誘導電動機において良好な動作特性を確保することができる。また、ステータコアより外方の少なくとも一端の領域までロータコアが延設され、この領域には閉スロットが配設されている。閉スロットの周面は閉塞されているので、二次導体の外径方向への移動が規制され、遠心力による二次導体の外径方向への離脱を防止することができる。二次導体の外径方向への離脱防止といった機械的強度の確保のために補強用部品や加熱加工処理などの追加の部材や処理が不要となる。また、ロータコアとステータコアとの間に補強用部品を介在させる必要はなく、両者の間隙を狭く維持することができる。これにより、誘導電動機において良好な動作特性を確保することができる。また、閉スロットがステータコアに対向する領域より外方にあるので、ステータコアからの磁束が閉スロットに起因して短絡磁束として浪費されてしまうことを防止でき、誘導電動機の特性向上に資することができる。
また、一般に誘導電動機の体格は、回転軸方向へのステータコアからのコイルエンド部の飛び出しの長さに応じて決まる。本発明に係る誘導電動機のロータコアでは、閉スロットの配設される領域がステータコアより外方であり、更にその外方に短絡環が備えられるものではあるものの、短絡環の回転軸方向の端部がコイルエンド部の端部を越えない位置に配置される。これにより、誘導電動機の体格に影響を及ぼすことなく本願を実現することができ、本願により誘導電動機が大型化されることはない。
また、ステータコアより外方の一端の領域が閉スロットであり、他端の領域が開スロットであれば、ロータコアをステータコアに挿入した後に、他端に補強リングを装着して開スロットの周面にある開口を閉塞することができる。この場合、開スロットが配設されている領域の径が、閉スロットが配設されている領域の径に比して小径であれば、組み付け時にロータコアのステータコアへの挿入を容易にすることができる。組み付け時の作業性を容易にしながらロータコアの回転時の機械的強度を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る誘導電動機について、図1乃至図5を参照に説明する。第1実施形態では、ロータ12Aは、後述するように、ステータコア15に対向する領域での径が、ステータコア15より外方の領域での径より小径である構造を有している。図2、図3では、ロータコアの第1例であるロータコア11aについて説明し、図4、図5では、ロータコアの第2例であるロータコア11bについて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る誘導電動機は、外形形状が略円筒状のフレーム(不図示)とフレームの両端面を閉塞する略円形状のブラケット(不図示)とで構成されるケースに収納される。両端面を区画する一対のブラケットの中心部にはベアリング(不図示)が備えられ、ロータ12Aの回転中心に配設される回転軸10aが回転可能に軸支される。
回転軸10aには円柱状のロータコア11a(第1例)、11b(第2例)が同軸に固定されている。ロータコア11a、11bの外周面は、ステータコア15の内周面に対向する領域Aと、ステータコア15より外方の領域Bとの、2つの領域に区画される。領域Aには、周方向に均等に並び回転軸10aの方向に沿って開孔されると共に、ロータコア11a、11bの外径方向に開口された開スロットが配設されている。領域Bには、開スロットに連通して閉スロットが配設されている。閉スロットは、開スロットと同様に、周方向に均等に並び回転軸10aの方向に沿って開孔されてはいるが、外径方向には開口されずロータコア11a、11b内に閉塞されたスロットである。開スロット及び閉スロットには、ダイカスト鋳造により二次導体13が埋め込まれている。また、ロータコア11a、11bの回転軸10a方向の端部には短絡環14が備えられている。短絡環14は、各端部において各々の二次導体13を互いに連結し、いわゆるかご型の誘導電動機が形成されている。
ステータコア15はフレームの内周壁に固定される。ステータコア15の回転軸10aの方向には、通常、ステータコア15からコイルエンド部17が突出して備えられる。ここで、ロータコア11a、11bの回転軸方向にも、閉スロットが配設される領域B及びその外方に短絡環14が突出して備えられ、回転軸方向への突出長が長くなってはいる。 しかしながら、その突出長は、コイルエンド部17による突出長の範囲内に収まるように構成されている。ブラケットにより区画される回転軸方向の長さは、通常のステータ16の体格で規定されるため、誘導電動機の体格は通常のものと変わりがない。
次に、第1実施形態のロータ12Aに備えられる第1例のロータコア11aについて、構造及びその加工方法について図2及び図3を参照に説明する。
図2に、外径切削してロータコア11aを成型する前の状態として電磁鋼板を積層した状態を示す。積層される電磁鋼板は1種類である。電磁鋼板には、最外周部を残した内径側に円周上に沿って所定の間隔で均等に配置される開孔部37が打ち抜かれて開孔されている。開孔部37は、内周側と外周側とにそれぞれ開孔された矩形状の形状が連結された形状である。内周側には矩形状の第1矩形部37Aが開孔されている。外周側には第1矩形部37Aに比して周方向に幅が狭い矩形状の第2矩形部37Bが開孔されている。
開孔された電磁鋼板は開孔部37が一致するように積層される。積層により開孔部37が連結されて回転軸方向となる積層方向に貫通する開孔が形成される。この貫通した開孔にアルミニウムなどの金属融解物を流し込む、いわゆるダイカスト鋳造が行われ、二次導体13が充填される。
二次導体13が充填された状態では、積層された開孔部37により形成されるスロットは周方向が閉塞された閉スロットの状態である。この状態から領域Aの周面を外径切削する。積層された電磁鋼板の周面を外径切削代Tの幅だけ切削して、2点鎖線TLまで同心状に切削する。領域Aにおいて、第2矩形部37Bの外径側端部が切削され、開孔部37は、第2矩形部37Bの周方向に沿った1辺の幅が開口され、二次導体13が露出する。 これにより、ステータコア15の内周面に対向する領域Aには開スロット35aが形成され、ステータコア15より外方の領域Bには外径切削による加工はなされないので閉スロット36aが残り、ロータコア11aが形成される(図3、参照)。ロータコア11aは外径切削をしているので、ステータコア15に対向する領域Aでの径RA(図1、参照)は、ステータコア15より外方の領域Bでの径RB(図1、参照)より小径となる。
次に、第1実施形態のロータ12Aに備えられる第2例のロータコア11bについて、図4、図5を参照に説明する。
ロータコア11bは、回転軸10aの沿ったステータコア15より外方の一方領域B1については外径切削がされず、第1例のロータコア11aの場合と同様に閉スロットが配置される。これに対してステータコア15より外方の他方領域B2については、ステータコア15の内周面に対向する領域Aと同様に外径切削がされ、第1例のロータコア11aの場合と同様に開スロット35a(不図示)が形成される。
外径切削のため、ステータコア15より外方の他方領域B2はステータコア15の内周面に対向する領域Aと同様に、ステータコア15より外方の一方領域B1より小径となる。これにより、図4に示すように、ロータコア11bのステータコア15への挿入を他方領域B2から行えば、挿入を容易に行うことができる。他方領域B2での二次導体13の外径方向への離脱防止のために、ロータコア11bのステータコア15への挿入の後に、他方領域B2に補強リング18を装着する(図5、参照)。補強リング18の材質は、磁束を通さず機械的強度に優れたものならば何でもよく、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)等が利用できる。
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る誘導電動機は、ロータコア11a、11bにおいて、ステータコア15に対向する領域Aには周面が開口される開スロット35aが配設される。これにより、ステータコア15からの磁束は有効に開スロット35aを周回して、誘導電動機として良好な動作特性に資することができる。また、ステータコア15より外方の両端の領域B、またはB1、B2に閉スロット36aが配設される。これにより、ロータコア11a、11bの両端部において、二次導体13の外径方向への移動が規制され、遠心力による二次導体13の外径方向への離脱を防止することができる。二次導体13の外径方向への離脱防止といった機械的強度の確保のために、補強用部品や加熱加工処理などの追加の部材や処理が不要となる。また、ロータコア11a、11bとステータコア15とが対向する領域Aにおいて、両者の間隙に補強用部品が介在することはなく、間隙を狭く維持することができる。誘導電動機において良好な動作特性を確保することができる。また、閉スロット36aがステータコア15より外方の領域B、またはB1、B2にあるので、ステータコア15からの磁束が閉スロット36aに起因して短絡磁束として浪費されてしまうことを防止でき、誘導電動機の特性向上に資することができる。また、閉スロット36aの配設される領域B、またはB1、B2がステータコア15より外方の領域であり、更にその外方に短絡環14が備えられるものではあるものの、短絡環14の回転軸方向の端部がコイルエンド部17の端部を越えない位置とされるため、コイルエンド部17の端部で体格が確定する通常の誘導電動機と同様の体格とすることができ、誘導電動機が大型化されることはない。
ロータコア11aでは、ステータコア15に対向する領域Aを選択的に外径切削するので、積層する電磁鋼板は1種類で良く、組立時の効率向上に資することができる。
ロータコア11bでは、ステータコア15より外方の他方領域B2は、ステータコア15に対向する領域Aと共に外径切削されることから、一方領域B1に比較して小径に成型される。このため、組み付け時に、他方領域B2からステータコア15に挿入してやれば挿入作業を容易にすることができる。また、ロータコア11bをステータコア15に挿入した後に他方領域B2に補強リング18を装着してやれば、他方領域B2にある開口を閉塞して閉スロット36aとすることができる。これにより、組み付け時の作業を容易にしながらロータコア11bの回転時の機械的強度を確保することができる。
また、ステータコア15より外方にもロータおよび二次導体が存在するため、ステータコア15からの磁束のうち、回転軸方向成分を持ったような磁束(軸方向の漏れ磁束)をも、領域Bや一方領域B1、他方領域B2で受け取ることができ、磁束を有効利用することができる。
また、ステータコア15より外方にもロータおよび二次導体が存在するため、ステータコア15からの磁束のうち、回転軸方向成分を持ったような磁束(軸方向の漏れ磁束)をも、領域Bや一方領域B1、他方領域B2で受け取ることができ、磁束を有効利用することができる。
次に、第2実施形態に係る誘導電動機について、図6乃至図8を参照に説明する。尚、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
第2実施形態では、ロータ12Bは、第1実施形態のロータ12Aとは異なり、ステータコア15との配置位置の関係に拘わらず同じ径で構成されている。図7では、ロータコアの第1例として外径切削により成型されるロータコア11cについて説明し、図8では、ロータコアの第2例として二次導体13を圧入により挿入するロータコア11dについて説明する。
第2実施形態の誘導電動機では、ロータ12Aに代えてロータ12Bを備えている。ロータ12Bは、同径の電磁鋼板が積層された構成を有しており、ステータコア15と対向する領域A、ステータコア15より外方の領域Bは、何れも同じ径である。
第2実施形態のロータ12Bに備えられる第1例のロータコア11cについて説明する。ロータコア11cは外径切削により成型される。図7には、外径切削する前の状態として電磁鋼板を積層した状態を示す。2種類の電磁鋼板を積層する。ステータコア15に対向する領域Aに積層される電磁鋼板は、第1実施形態と同様の開孔部37が開孔された電磁鋼板である。ステータコア15より外方の領域Bに積層される電磁鋼板は最外周部を残した内径側に円周上に沿って所定の間隔で均等に配置される第1矩形部37Aのみからなる開孔部38を有する電磁鋼板である。
2種類の電磁鋼板は、開孔部37の第1矩形部37Aと開孔部38の第1矩形部37Aが一致するように積層される。積層により開孔部37、38が連結されて回転軸方向となる積層方向に貫通する開孔が形成される。この貫通した開孔にアルミニウムなどの金属融解物を流し込んでダイカスト鋳造が行われ、二次導体13が充填される。
第2実施形態の第1例では、領域A、Bの全ての領域に対して、図7に示す外径切削代Tの幅で外径切削され、図7中の2点鎖線TLまで同心状に切削される。これにより、ステータコア15に対向する領域Aでは、第1実施形態の場合と同様に、第2矩形部37Bの外径側端部が切削され開孔部37は開口され、二次導体13が露出する。領域Aに配設される開孔部37は開スロットとなる。一方、ステータコア15より外方の領域Bも外径切削されるが、領域Bに積層される電磁鋼板での開孔部38は、第1矩形部37Aが第2矩形部37Bより内径側であって外径切削代Tの内径側に位置するため、外径切削では開孔部38が外径方向に開口されることはない。外径切削に拘わらず領域Bに配設される開孔部38は閉スロットに維持される。領域A、Bの両領域に対して外径切削代Tの外径切削を行うことにより、領域Aには開スロットが形成され、領域Bには閉スロットが形成される。この場合、第1実施形態とは異なり、領域A,Bに共通に外径切削を行うので、ロータコア11cにおいて、領域A、B間での段差は形成されない。
第2実施形態の第1例のロータコア11cでは、第1実施形態の効果と同様の作用効果を奏するものである。また、その他の作用効果として、領域A、Bの別なく外径切削が行われるため、外径切削の際、切削位置の位置決めを行う必要はなく、外径切削をする際の作業負荷を軽減することができる。また、ロータコア11cにおいて、ステータコア15に対向する領域Aとステータコア15より外方の領域Bとで径が同じであり、領域間での段差はない。このため、ロータコア11cをステータコア15に挿入する際の作業が容易になる。
次に、第2実施形態のロータ12Bに備えられる第2例のロータコア11dについて説明する。ロータコア11dは二次導体13の圧入により成型される。
図8に示すように、ロータコア11dでは、2種類の電磁鋼板を積層する。ステータコア15に対向する領域Aに積層される電磁鋼板は、円周上に沿って所定の間隔で均等に配置される開孔部39が打ち抜かれて開孔されている。開孔部39は、第1実施形態の場合と同様に、内周側と外周側とにそれぞれ開孔された矩形状の形状が連結されている。内周側には矩形状の第1矩形部37Aが開孔されている。外周側には第1矩形部37Aに比して周方向に幅が狭い矩形状の第2矩形部37Cが開孔されている。第2矩形部37Cは、第1実施形態の第2矩形部37B場合とは異なり、電磁鋼板の最外周部を貫いて外径側に開孔されている。ステータコア15より外方の領域Bに積層される電磁鋼板は、第2実施形態の第1例と同様に、開孔部38が開孔されている。開孔部38は第1矩形部37Aが開孔されるに留まる形状である。
図8に示すように、ロータコア11dでは、2種類の電磁鋼板を積層する。ステータコア15に対向する領域Aに積層される電磁鋼板は、円周上に沿って所定の間隔で均等に配置される開孔部39が打ち抜かれて開孔されている。開孔部39は、第1実施形態の場合と同様に、内周側と外周側とにそれぞれ開孔された矩形状の形状が連結されている。内周側には矩形状の第1矩形部37Aが開孔されている。外周側には第1矩形部37Aに比して周方向に幅が狭い矩形状の第2矩形部37Cが開孔されている。第2矩形部37Cは、第1実施形態の第2矩形部37B場合とは異なり、電磁鋼板の最外周部を貫いて外径側に開孔されている。ステータコア15より外方の領域Bに積層される電磁鋼板は、第2実施形態の第1例と同様に、開孔部38が開孔されている。開孔部38は第1矩形部37Aが開孔されるに留まる形状である。
2種類の電磁鋼板は、開孔部39の第1矩形部37Aと開孔部38の第1矩形部37Aとが一致するように積層される。積層により回転軸方向である積層方向に貫かれた第1矩形部37Aによる開孔に二次導体13が圧入される。この場合、開孔部39の第2矩形部37Cは外径方向への開口を確保するためのものであり、二次導体13が圧入されない。
第2実施形態の第2例のロータコア11dは、第1実施形態の効果と同様の作用効果を奏するものである。また、第2実施形態の第1例のロータコア11cと同様に、ステータコア15に対向する領域Aとステータコア15より外方の領域Bとで径が同じであり領域間での段差を生じないので、ロータコア11dをステータコア15に挿入する組み付け作業が容易である。また、第1例のロータコア11cとは異なり、第2例のロータコア11dでは外径切削が不要になる。
以上、説明したように、本発明の実施形態によれば、ロータコア11a、11b、11c、11dのうち、ステータコア15に対向する領域Aには周面が開口される開スロットが配設される。これにより、ステータコア15からの磁束の一部が開スロットを有効に周回してステータコア15に戻り、誘導電動機において良好な動作特性を確保することができる。また、ステータコア15より外方の領域Bには閉スロットが配設される。これにより、二次導体13の外径方向への移動が規制され、遠心力による二次導体13の外径方向への離脱を防止することができる。二次導体13の外径方向への離脱防止といった機械的強度の確保のために、補強用部品や加熱加工処理などの追加の部材や処理が不要となり、ロータコア11a、11b、11c、11dとステータコア15との間隙も狭く維持することができる。誘導電動機において良好な特性を確保することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態の第1例ではダイカスト鋳造により二次導体13をロータスロット内に挿入したが、本願はこれに限定されるものではなく、二次導体13を圧入により配設してもよい。
また、上記実施形態では、ステータコア15に対向する領域を開スロットとし、ステータコア15より外方の領域を閉スロットとしたが、これはステータコア15より外方の領域すべてが閉スロットである場合に限るものではない。これに限られず、少なくとも一部が閉スロットであればよい。つまり、ステータコア15より外方の領域にも開スロットが存在してもよい。ステータコア15より外方の領域のうち、ステータコア15側の部分にも開スロットが存在すれば、ステータコア15からの磁束のうち、回転軸方向成分を持ったような磁束を利用する場合にも、短絡磁束を抑制でき、さらに磁束を有効利用することができる。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態の第1例ではダイカスト鋳造により二次導体13をロータスロット内に挿入したが、本願はこれに限定されるものではなく、二次導体13を圧入により配設してもよい。
また、上記実施形態では、ステータコア15に対向する領域を開スロットとし、ステータコア15より外方の領域を閉スロットとしたが、これはステータコア15より外方の領域すべてが閉スロットである場合に限るものではない。これに限られず、少なくとも一部が閉スロットであればよい。つまり、ステータコア15より外方の領域にも開スロットが存在してもよい。ステータコア15より外方の領域のうち、ステータコア15側の部分にも開スロットが存在すれば、ステータコア15からの磁束のうち、回転軸方向成分を持ったような磁束を利用する場合にも、短絡磁束を抑制でき、さらに磁束を有効利用することができる。
10a 回転軸
11a、11b、11c、11d ロータコア
12A、12B ロータ
13 二次導体
14 短絡環
15 ステータコア
16 ステータ
17 コイルエンド部
18 補強リング
35a 開スロット
36a 閉スロット
37A 第1矩形部
37B、37C 第2矩形部
37、38、39 開孔部
A ステータコア15の内周面に対向する領域
B ステータコア15より外方の領域
B1 ステータコア15より外方の一方領域
B2 ステータコア15より外方の他方領域
T 外径切削代
11a、11b、11c、11d ロータコア
12A、12B ロータ
13 二次導体
14 短絡環
15 ステータコア
16 ステータ
17 コイルエンド部
18 補強リング
35a 開スロット
36a 閉スロット
37A 第1矩形部
37B、37C 第2矩形部
37、38、39 開孔部
A ステータコア15の内周面に対向する領域
B ステータコア15より外方の領域
B1 ステータコア15より外方の一方領域
B2 ステータコア15より外方の他方領域
T 外径切削代
Claims (4)
- 円環状のステータコアと、
周面が前記ステータコアに対向して、回転軸方向に該ステータコアの端部を越えて延設されるロータコアとを備え、
前記ロータコアは、
二次導体が収納されるスロットであって、前記ステータコアに対向する領域に前記周面が開口されて配設される開スロットと、
前記二次導体が収納されるスロットであって、前記ステータコアより外方の少なくとも一端の領域に前記周面が閉塞されて配設され、前記開スロットに連通する閉スロットとを備えることを特徴とする誘導電動機。 - 前記ロータコアの端部にあって前記二次導体を連結する短絡環と、
前記ステータコアに巻装されるコイルの折り返し部分であって、前記ステータコアの端部から回転軸方向に突出してなるコイルエンド部とを備え、
前記短絡環の端部は、回転軸方向において、前記コイルエンド部の端部を越えないことを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機。 - 前記ロータコアにおいて、
前記開スロットが配設される領域の径は、前記閉スロットが配設される領域の径より小径であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導電動機。 - 前記ロータコアは、前記ステータコアより外方の一端の領域に前記閉スロットが配設され、前記ステータコアに対向する領域および前記ステータコアより外方の他端の領域に前記開スロットが配設されており、
前記ステータコアより外方の他端の領域にある前記開スロットを閉塞する補強リングを備えることを特徴とする請求項3に記載の誘導電動機。
Priority Applications (1)
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JP2012112615A JP2013240223A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | 誘導電動機 |
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JP2012112615A JP2013240223A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | 誘導電動機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102019205639B3 (de) | 2019-04-17 | 2020-07-30 | Magna powertrain gmbh & co kg | Verfahren zur Herstellung eines Blechpakets eines Rotors |
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2012
- 2012-05-16 JP JP2012112615A patent/JP2013240223A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10811917B2 (en) | 2017-07-31 | 2020-10-20 | Fanuc Corporation | Rotor of electric motor |
CN109327084B (zh) * | 2017-07-31 | 2021-04-02 | 发那科株式会社 | 转子 |
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