JP2013239056A - メンテナンス手法選択装置、メンテナンス手法選択方法およびプログラム - Google Patents

メンテナンス手法選択装置、メンテナンス手法選択方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】リスクベースメンテナンスを適用すべき範囲等を簡便にスクリーニングできるメンテナンス手法選択装置、メンテナンス手法選択方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】検出部33は、所定の範囲に含まれる電柱間における劣化度データの分布と時間データの分布と関係を検出する。判定部34は、検出部33が検出した関係に基づいて所定の範囲に含まれる電柱に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する。これにより、リスクベースメンテナンスを適用すべき範囲等を簡便にスクリーニングすることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複数の設備に対して実施するメンテナンス手法を選択するメンテナンス手法選択装置に関するものである。
現代生活の利便性は、工場やオフィスビルから家庭にまで設けられている多くの設備によって支えられている。この設備に対しては、期待される機能を維持するために点検や保全作業などのメンテナンスが行われる。このメンテナンスは、主に使用時間や一定の点検間隔に基づいて行われる手法(以下、「タイムベースメンテナンス」と言う。)と、リスク評価に基づいて行われる手法(以下、「リスクベースメンテナンス」と言う。)とに大別することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
具体的には、タイムベースメンテナンスとは、対象となる設備が時間の経過とともに、または所定の時間が経過すると、所定の機能を維持できなくなるという事象に基づいてメンテナンス計画を策定するものである。このため、例えばメンテナンスの対象となる設備の使用年数やメンテナンスを行う時間間隔等を決定してしまえば、基本的に時間以外の基準を用いることなく運用できるので、ユーザにとって使いやすい手法である。法律等で定められている点検、いわゆる法定点検は、その多くがほとんどがタイムベースメンテナンスである。
一方、リスクベースメンテナンスは、設備の各部位や設置地域等ごとにメンテナンスの重要度や緊急度の評価、および優先順位付け等によってリスク評価を行い、この結果に基づいてメンテナンス計画を策定するものである(例えば、特許文献1〜3参照。)。これにより、リスクの高い設備については、例えば事故の発生確率を下げる対応や事故発生時の影響を最小化するような対応を行い、逆にリスクの低い設備については点検周期を伸ばすなど、安全性や信頼性を維持または向上させながら、コストの削減も図れるという効果を期待することができる。
これまでは、多くの設備に対してタイムベースメンテナンスが行われてきている。ところが、近年ではメンテナンスの効率化が求められていたり、豊富な経験に基づいてタイムベースメンテナンスを行ってきたベテラン技術者が大量退職したり、そのベテラン技術者からの技術継承が困難であったりするため、タイムベースメンテナンスからリスクベースメンテナンスへの移行が望まれている。
ところが、タイムベースメンテナンスからリスクベースメンテナンスに移行しようとすると、次のような問題が発生してしまう。
例えば、タイムベースメンテナンスとリスクベースメンテナンスとでは、上述したようにメンテナンス計画の策定原理が異なるので、実施に必要とするデータ、メンテナンスの手順、点検項目などが異なる場合がある。これらを変更しようとすると、運用上の問題が発生することがある。例えば、リスクベースメンテナンスを実施するには、設備の各部位に対するメンテナンスの重要度や緊急度を評価する必要があるが、タイムベースメンテナンスの実施に要求されるデータにはこれらを導く際に必要なデータが含まれていない場合があり、このデータを得るために余分な点検を実施しなければならなくなってしまう。
このため、タイムベースメンテナンスからリスクベースメンテナンスに移行するには、全ての設備に対して一斉にリスクベースメンテナンスを適用するのではなく、リスクベースメンテナンスを優先して適用すべき場所、箇所、範囲等を選択(スクリーニング)した上で、この選択された設備からリスクベースメンテナンスを順次適用してゆくのが現実的である。そこで、まず、タイムベースメンテナンスからリスクベースメンテナンスへの移行を過大な負担なく実現するために、リスクベースメンテナンスによって所定の機能や安全性・経済性等を維持・向上すべき範囲等と、従来のタイムベースメンテナンスによって維持・向上できる範囲等をスクリーニングする必要がある。
特開2005−148955号公報 特開2005−085178号公報 特開2006−252311号公報
木原重光他、リスク評価におよるメンテナンス RBI/RBM入門、JIPMソリューション、2002
しかしながら、従来より、リスクベースメンテナンスを優先して適用すべき範囲等を選択することについては、何ら検討されていなかった。
そこで、本発明は、リスクベースメンテナンスを適用すべき範囲等を簡便にスクリーニングできるメンテナンス手法選択装置、メンテナンス手法選択方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係るメンテナンス手法選択装置は、複数の設備に対して設備の劣化の度合いに応じて行うリスクベースメンテナンスと設備の使用時間に応じて行うタイムベースメンテナンスの何れを実施するかを選択するメンテナンス手法選択装置であって、複数の設備のそれぞれについて、設備の劣化の度合いに関する劣化度データと、この劣化度データを取得した時点における設備の使用時間に関する時間データとを取得する取得手段と、複数の設備間における劣化度データの分布と時間データの分布との関係を検出する検出手段と、この検出手段により検出された関係に基づいて、複数の設備に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
上記メンテナンス手法選択装置において、検出手段は、劣化度データの大きさに応じて対応する複数の設備の時間データを並べたとき、時間データの変化の傾向が劣化度データの変化の傾向と同じ傾向を示す設備の数量を求め、複数の設備の数量に対する割合を検出し、選択手段は、検出手段により検出された割合に基づいて、複数の設備に対してタイムベースメンテナンスまたはリスクベースメンテナンスの何れかを実施すると判定するようにしてもよい。
また、上記メンテナンス手法選択装置において、検出手段は、劣化度データの大きい順に対応する複数の設備の時間データを並べたとき、時間データの変化の傾向が劣化度データの変化の傾向と同じく下降傾向を示す設備の数量を求め、複数の設備の数量に対する割合を検出し、選択手段は、検出手段により検出された割合としきい値とを比較し、この比較結果に基づいて複数の設備に対してタイムベースメンテナンスまたはリスクベースメンテナンスの何れかを実施すると判定するようにしてもよい。
また、本発明に係るメンテナンス手法選択方法は、複数の設備に対して設備の劣化の度合いに応じて行うリスクベースメンテナンスと設備の使用時間に応じて行うタイムベースメンテナンスの何れを実施するかを選択するメンテナンス手法選択方法であって、複数の設備のそれぞれについて、設備の劣化の度合いに関する劣化度データと、この劣化度データを取得した時点における設備の使用時間に関する時間データとを取得する取得ステップと、複数の設備間における劣化度データの分布と時間データの分布との関係を検出する検出ステップと、この検出ステップにより検出された関係に基づいて、複数の設備に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する判定ステップとを有することを特徴とするものである。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記メンテナンス手法選択装置の各手段として機能させることを特徴とするものである。
本発明によれば、複数の設備間における劣化度データの分布と時間データの分布との関係を検出し、この検出手段により検出された関係に基づいて、複数の設備に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定することにより、リスクベースメンテナンスを適用すべき範囲等を簡便にスクリーニングすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るメンテナンスシステムの構成を模式的に示す図である。 図2は、設備DBに記憶されるデータ構成を模式的に示す図である。 図3は、メンテナンス手法選択装置の構成を示すブロック図である。 図4は、メンテナンス手法選択装置の動作を示すフローチャートである。 図5Aは、劣化度データおよび時間データに関するグラフである。 図5Bは、劣化度データおよび時間データに関するグラフである。 図6Aは、図5Aにおいて変化点を説明するための図である。 図6Bは、図5Bにおいて変化点を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、メンテナンスを行う設備として電柱を適用した場合を例に説明する。
<メンテナンスシステムの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係るメンテナンスシステムは、広域に多数設置された電柱に対するメンテナンスを計画する担当者が使用するクライアント端末1と、電柱に関する各種情報を記憶した情報サーバ2と、電柱に対してリスクベースメンテナンスとタイムベースメンテナンスの何れを行うかを選択するメンテナンス手法選択装置3とを備えている。このようなメンテナンスシステムの各構成要素は、それぞれネットワーク4に接続されており、このネットワーク4を介して互いに各種情報の送受信を行う。
≪クライアント端末の構成≫
クライアント端末1は、公知のPC(Personal Computer)等からなり、メンテナンスを計画する計画担当者が使用する端末装置である。このようなクライアント端末1は、所定の範囲に含まれる電柱に対して行うべきメンテナンス手法を問い合わせるために、その所定の範囲に関する操作入力を検出すると、この内容(以下、「問い合わせ情報」と言う。)をメンテナンス手法選択装置3に送信し、この問い合わせ情報に対してメンテナンス手法選択装置3から受信した回答を出力する。ここで、問い合わせ情報には、上記所定の範囲に関する情報が少なくとも含まれる。この所定の範囲とは、電柱をグループ分けする特定の条件を示すものであり、例えば、○○区××町1丁目に設置された電柱といった特定の地域などの地理的な条件、2010年1月から2011年12月に製造された電柱といった製造日などの時間的な条件が含まれる。
≪情報サーバの構成≫
情報サーバ2は、各種情報を記憶する公知の記憶装置から構成され、メンテナンスシステムの動作等に関する各種情報を記憶する。この各種情報は、電柱の設置やメンテナンスを行う作業員による操作入力、ネットワーク4や公知の記憶媒体を介して情報を受信する等により入力される。このような情報サーバ2には、設備DB21と、点検DB22とが少なくとも含まれている。
設備DB21には、電柱に関する各種情報が記憶されている。本実施の形態においては、図2に示すように、電柱の種類を識別する情報からなる種別データと、各電柱を識別するための情報からなる識別データと、電柱が設置された位置情報からなる位置データと、電柱の劣化の度合いを示す情報からなる劣化度データと、この劣化度データを取得した時点における電柱の使用時間に関する時間データとが、電柱ごとに対応付けて記憶されている。これらのデータは何れも、従来からのタイムベースメンテナンスを実施する際に必要とされていたデータであり、通常のタイムベースメンテナンスから取得可能なデータである。
具体的には、種別データとしては、電柱の種類に関する識別番号などが含まれる。このような種別データは、なお、図2おける種別データは、電柱の種類を示す識別番号を示している。
また、識別データとしては、電柱を特定するための識別番号や製造番号などが含まれる。なお、図2に示す識別データは、電柱を特定する識別番号を示している。
また、位置データとしては、電柱が設置された地域を示す識別番号、電柱が設置された座標、電柱が設置された住所などが含まれる。なお、図2における位置データは、電柱が設置された地域の識別番号を示している。
また、劣化度データとしては、所定の機能を維持している程度を示す情報からなり、電柱の劣化度合いを示す数値、計測値、指標、故障情報などが含まれる。なお、図2における劣化度データは、電柱の劣化度合いを示す数値を示している。この数値は、例えば電柱が鉄鋼からなる場合、電柱と地面との境界の状態を作業員が目視により確認し、電柱の腐食の度合いを複数の段階の中から評価した値である。
また、時間データとしては、劣化度データを取得した時点における、電柱が設置されてからの経過時間や電柱が製造されてからの経過時間などが含まれる。なお、図2における時間データは、電柱が設置されてから最新の劣化度データを判定した時点までの経過時間を示している。
これらのデータうち、種別データ、識別データおよび位置データは、例えば、設備DB21に最初に電柱の各情報を登録したときに生成される。また、劣化度データおよび時間データは、作業員が劣化度を評価した値を設備DB21に入力したときに生成される。なお、時間データについては、設備DB21に電柱の使用開始日時に関する情報を登録しておき、劣化度データが入力されたときにこの入力日時とその使用開始日時に基づいて生成するようにしてもよい。
一方、点検DB22には、タイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスにおける点検項目などメンテナンスに関する各種情報が記憶されている。
≪メンテナンス手法選択装置の構成≫
メンテナンス手法選択装置3は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置、外部との情報の送受を行うI/F(Interface)装置、カメラや赤外線センサなどの外部から情報を取得する装置、および、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成されている。このようなメンテナンス手法選択装置3は、上記プログラムにより上記ハードウェア資源が制御されて、ハードウェア資源とソフトウェアが協働することにより、図3に示すように、データ受信部31、データ取得部32、検出部33、判定部34および結果出力部35が実現される。
データ受信部31は、クライアント端末1からの問い合わせ情報を受信する機能部である。
データ取得部32は、データ受信部31が問い合わせ情報を受信すると、その問い合わせ情報に含まれる所定の範囲に関する情報に基づいて、この所定の範囲に含まれる複数の電柱の劣化度データおよび時間データを、情報サーバ2の設備DB21から取得する機能部である。このようなデータ取得部31は、例えば取得手段として機能する。
検出部33は、データ取得部32により取得された劣化度データの分布と時間データの分布との関係を検出する機能部である。具体的には、劣化度データの大きさに応じて対応する所定の範囲に含まれる電柱の時間データを並べたとき、時間データの変化の傾向が劣化度データの変化の傾向と同じ傾向を示す電柱の数量を求め、複数の電柱の数量に対する割合を検出する。本実施の形態においては、劣化度データの大きい順に対応する所定の範囲に含まれる電柱の時間データを並べたとき、時間データの変化の傾向が劣化度データの変化の傾向と同じく下降傾向を示す電柱の数量(変化点)を検出する。このような検出部33は、例えば検出手段として機能する。
判定部34は、検出部33により検出された所定の範囲に含まれる電柱間における劣化度データの分布と時間データの分布との関係に基づいて、所定の範囲に含まれる電柱に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する機能部である。具体的には、検出部33により検出された時間データの変化の傾向が劣化度データの変化の傾向と同じ傾向を示す電柱の数量の割合に基づいて、所定の範囲に含まれる電柱に対してタイムベースメンテナンスまたはリスクベースメンテナンスの何れかを実施すると判定する。本実施の形態においては、検出部33により検出された変化点と、所定のしきい値とを比較することにより判定を行う。ここで、所定のしきい値は、例えば、上記計画担当者や作業員などにより、メンテナンス手法選択装置3のメモリに予め記憶されている。このような判定部34は、例えば判定手段として機能する。
結果出力部35は、判定部34による判定結果をクライアント端末1に出力する機能部である。
<メンテナンス手法選択装置の動作>
次に、メンテナンス手法選択装置3の動作について、図4を参照して説明する。
まず、計画担当者は、例えば、所定の地域に設置された電柱に対してメンテナンスを計画する際、タイムベースメンテナンスとリスクベースメンテナンスの何れを行うかを決定するために、その所定の地域に関する操作入力をクライアント端末1に対して行う。この操作入力を検出すると、クライアント端末1は、その操作入力に関する問い合わせ情報をメンテナンス手法選択装置3に送信する。ここで、問い合わせ情報には、上述したように、メンテナンスを計画する所定の地域に関する情報が少なくとも含まれている。
メンテナンス手法選択装置3のデータ受信部31により、クライアント端末1からの問い合わせ情報が受信されると(ステップS1)、メンテナンス手法選択装置3のデータ取得部32は、その問い合わせ情報により特定される所定の地域に設置された電柱の劣化度データおよび時間データを、サーバ2の設備DB21から取得する(ステップS2)。具体的には、データ取得部31は、問い合わせ情報に含まれる所定の地域に関する情報と、設備DB21に含まれる位置データとを比較し、これらが一致する電柱の劣化度データと時間データを設備DB21から抽出する。これにより、所定の地域に設置された各電柱の劣化度データおよび時間データを取得することができる。
所定の地域に設置された各電柱の劣化度データおよび時間データを取得すると、検出部33は、時間データを対応する劣化度データの降順、すなわち、劣化度データの値が大きい順に並べ替えてグラフ化する(ステップS3)。
経年変化を踏まえると、通常、使用時間が長ければ長いほど劣化度も高くなる。このような傾向を示す電柱に対しては、劣化の度合いを使用時間から判断できる可能性が高いので、タイムベースメンテナンスとの適合性がよいと言うことができる。ところが、例えば、設置される地域や製造された年代などによって、使用時間が長くても劣化度が低い場合がある。このような傾向を示す電柱に対しては、劣化の度合いを使用時間のみで判断することが困難であり、使用時間に左右されない何らかの要因の影響が強く出ていると考えられるので、リスクベースメンテナンスとの適合性がよいと言うことができる。このように、劣化度データと時間データとの間に何らかの関係が強く見られる範囲については、使用時間に応じて行われるタイムベースメンテナンス、その関係が弱い範囲については、リスク評価を基に行われるリスクベースメンテナンスを適用することにより、劣化の度合い等に応じた実際的なメンテナンスを実施することが可能となる。
そこで、本実施の形態では、所定の地域に設置された電柱の時間データを対応する劣化度データの降順に並べ、時間データの値が劣化度データとが正の相関を示す、すなわち、同様の下降傾向を示す電柱の範囲と、時間データの値が劣化度データとが負の相関を示す、すなわち、同様の下降傾向を示さない電柱の範囲との境界である変化点を検出し、この変化点を基準としてその所定の地域に設置された電柱に対するメンテナンス手法を選択するようにしている。
一例として、図5A,図5Bに、時間データを劣化度データの降順に並べたグラフを示す。ここで、図5A,図5Bは、異なる地域に設置された電柱の劣化度データおよび時間データに関するグラフである。なお、図5A,図5Bは、時間データを折れ線グラフ(符号a,b)として記載するとともに、対応する劣化度データについても棒グラフで記載している。図5A,図5Bにおいて、縦軸は、時間データまたは劣化度データの値、横軸は電柱の数量を示している。さらに、本実施の形態においては、時間データの値に、例えば前後の5つの時間データとの平均値など、いわゆる移動平均の値を用いている。これにより、図5A,図5Bの符号a,bに示すような曲線の折れ線グラフを生成することができる。
時間データを劣化度データの降順に並べてグラフ化すると、検出部33は、そのグラフにおける時間データの増減傾向の変化点を検出する(ステップS4)。例えば、時間データの折れ線グラフは、図6A,図6Bの符号a’,b’で示すように、劣化度データの値が大きい範囲では劣化度データとともに連続した下降傾向を示しているが、途中から変化してその下降傾向が失われている。そこで、検出部33は、符号a,bで示す折れ線グラフにおいて下降傾向が変化する変化点X1(x1,y1),X2(x2,y2)を検出する。なお、x1,x2は下降傾向を示す電柱の数量、y1,y2は、その下降傾向が終了する値点の時間データの値を意味する。また、このような変化点の検出は、公知の変化点検出アルゴリズムにより実現することができる。
ここで、劣化度データの値が、変化点における劣化度データの値よりも大きい範囲に含まれる電柱については、劣化度データと時間データとの間に正の相関が見られ、時間データが連続した下降傾向を示しているので、タイムベースメンテナンスとの適合性がよいと言うことができる。一方、劣化度データの値が、変化点における劣化度データ値よりも小さい範囲に含まれる電柱については、電柱の劣化を使用時間のみで判断することが困難であるので、リスクベースメンテナンスとの適合性がよいと言うことができる。
変化点を検出すると、判定部34は、その変化点と所定のしきい値とを比較する(ステップS5)。具体的には、例えば図6Aの場合、変化点X1の横軸、すなわち電柱の数量x1と、しきい値αとを比較する。同様に、例えば図6Bの場合、変化点X2のx1としきい値αとを比較する。ここで、しきい値αとしては、各地域の変化点の平均値、オペレータの経験に基づく値、電柱の劣化の癖を加味した値、または、これらを適宜組み合わせた値などを用いることができる。
変化点がしきい値よりも小さい場合(ステップS5:YES)、リスクベースメンテナンスとの適合性がよい電柱の数量が多いので、判定部34は、リスクベースメンテナンスを適用すると判定する(ステップS6)。
一方、変化点がしきい値以上の場合(ステップS5:NO)、判定部34は、タイムベースメンテナンスと適合性がよい電柱の数量が多いので、タイムベースメンテナンスを適用すると判定する(ステップS8)。
適用するメンテナンスが判定されると、結果出力部35は、その判定結果をクライアント端末1に送信する(ステップS7)。
クライアント端末1では、メンテナンス手法選択装置3から判定結果を受信すると、この判定結果を表示画面等に表示する。これにより、計画担当者は、判定結果で指定されるメンテナンス手法を、所定の地域に設置された電柱のメンテナンスを行う作業員に伝える。これにより、その所定の地域に設置された電柱には、メンテナンス手法選択装置3により選択されたメンテナンス手法でメンテナンスが行われることとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、検出部33により、所定の範囲に含まれる電柱間における劣化度データの分布と時間データの分布と関係を検出し、判定部34により、検出部33が検出した関係に基づいて所定の範囲に含まれる電柱に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定することにより、リスクベースメンテナンスを適用すべき範囲等を簡便にスクリーニングすることができる。
また、劣化度データや時間データは、上述したように従来からのタイムベースメンテナンスを実施する際に必要とされていたデータ、あるいはタイムベースメンテナンス結果や設備データから容易に算出可能なデータである。このため、本実施の形態では、通常のタイムベースメンテナンスの結果や設備データから得られるデータ項目のみでスクリーニングが実施可能であり、スクリーニングのために特別なデータを用意する必要がない。
これに対して、例えば特許文献3は、プラント設備・機器の保全活動において、例えば時間計画保全(TBM)、状態監視保全(CBM)、事後保全(BDM)、オンライン保全(ULM)およびこれらの組合せの中から適切な保全方式を選択することを提案しているが、対象設備に関する詳細なデータや入力データを作成するための新たなデータや判断が必要とするものである。したがって、特許文献3では、通常のタイムベースメンテナンスで得られるデータのみで算出することが困難である。
このように、本実施の形態は、より簡便にスクリーニングを実現することができる。
なお、本実施の形態では、変化点としきい値とを比較することにより、メンテナンス手法を選択する場合を例に説明したが、メンテナンス手法を選択する方法はこれに限定されず、例えば、異なる地域においてそれぞれの変化点を検出し、この変化点を比較し、変化点の値が小さい方がタイムベースメンテナンス、変化点の値が大きい方がリスクベースメンテナンスとするようにしてもよい。また、時間データと劣化度データとが同じ傾向を示す電柱の数量が、同じ傾向を示さない電柱の数量よりも大きい場合にはタイムベースメンテナンス、逆に小さい場合にはリスクベースメンテナンスを選択するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、変化点における電柱の数量としきい値とを比較する場合を例に説明したが、数量の代わりに割合を用いてもよいことは言うまでもない。このとき、当然ではあるがしきい値についても割合が用いられる。これにより、所定の範囲に含まれる電柱の数量に関わらず、メンテナンス手法の判定を行うことができる。
また、本実施の形態としては、メンテナンスを行う対象設備として電柱を適用した場合を例に説明したが、その対象設備は電柱に限定されず、メンテナンスが行われる装置や機器であれば各種設備を適用できることは言うまでもない。
また、上述したように、本実施の形態に係るメンテナンス手法選択装置3は、コンピュータとプログラムによって実現され、そのプログラムを記録媒体に記録したり、ネットワークを介して送信することにより、提供することもできる。
本発明は、タイムベースメンテナンスとリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを選択するための各種システムに適用することができる。
1…クライアント端末、2…情報サーバ、3…メンテナンス手法選択装置、4…ネットワーク、21…設備DB、22…点検DB、31…データ受信部、32…データ取得部、33…検出部、34…判定部、35…結果出力部。

Claims (5)

  1. 複数の設備に対して前記設備の劣化の度合いに応じて行うリスクベースメンテナンスと前記設備の使用時間に応じて行うタイムベースメンテナンスの何れを実施するかを選択するメンテナンス手法選択装置であって、
    前記複数の設備のそれぞれについて、前記設備の劣化の度合いに関する劣化度データと、この劣化度データを取得した時点における前記設備の使用時間に関する時間データとを取得する取得手段と、
    前記複数の設備間における前記劣化度データの分布と前記時間データの分布との関係を検出する検出手段と、
    この検出手段により検出された前記関係に基づいて、前記複数の設備に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する判定手段と
    を備えることを特徴とするメンテナンス手法選択装置。
  2. 前記検出手段は、前記劣化度データの大きさに応じて対応する前記複数の設備の前記時間データを並べたとき、前記時間データの変化の傾向が前記劣化度データの変化の傾向と同じ傾向を示す設備の数量を求め、前記複数の設備の数量に対する割合を検出し、
    前記選択手段は、前記検出手段により検出された割合に基づいて、前記複数の設備に対して前記タイムベースメンテナンスまたは前記リスクベースメンテナンスの何れかを実施すると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載のメンテナンス手法選択装置。
  3. 前記検出手段は、前記劣化度データの大きい順に対応する前記複数の設備の前記時間データを並べたとき、前記時間データの変化の傾向が前記劣化度データの変化の傾向と同じく下降傾向を示す設備の数量を求め、前記複数の設備の数量に対する割合を検出し、
    前記選択手段は、前記検出手段により検出された割合としきい値とを比較し、この比較結果に基づいて前記複数の設備に対して前記タイムベースメンテナンスまたは前記リスクベースメンテナンスの何れかを実施すると判定する
    ことを特徴とする請求項2記載のメンテナンス手法選択装置。
  4. 複数の設備に対して前記設備の劣化の度合いに応じて行うリスクベースメンテナンスと前記設備の使用時間に応じて行うタイムベースメンテナンスの何れを実施するかを選択するメンテナンス手法選択方法であって、
    前記複数の設備のそれぞれについて、前記設備の劣化の度合いに関する劣化度データと、この劣化度データを取得した時点における前記設備の使用時間に関する時間データとを取得する取得ステップと、
    前記複数の設備間における前記劣化度データの分布と前記時間データの分布との関係を検出する検出ステップと、
    この検出ステップにより検出された前記関係に基づいて、前記複数の設備に対してタイムベースメンテナンスおよびリスクベースメンテナンスの何れを実施するかを判定する判定ステップと
    を有することを特徴とするメンテナンス手法選択方法。
  5. コンピュータを、請求項1乃至3の何れか1項に記載のメンテナンス手法選択装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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