JP2013238788A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より少ない粒子量で,帯電装置から感光体(像担持体)への放電生成物の付着を好適に防止できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置(プリンター1)は,感光体21と,帯電装置22と,露光装置23と,感光体の表面の静電潜像をマイナス帯電トナーで可視像化する現像装置24とを備える。プリンター1は,画像形成時でないときに,感光体上にプラス帯電粒子Rを含む保護層領域Sを形成し,保護層領域が帯電装置に対向する位置まで感光体を回転させる。これによれば,帯電装置から出る放電生成物を保護層領域に積極的に吸着させることができるので,感光体の表面に放電生成物が付着するのを防止することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は,帯電装置中の放電生成物が感光体(像担持体)へ付着するのを防止する画像形成装置に関する。
ファクシミリやプリンター,複写機などの電子写真方式を用いた画像形成装置では,感光体(像担持体)表面を所定電位に一様に帯電させた後,感光体表面を露光して画像情報に対応した静電潜像を形成する。そして,形成された静電潜像を現像装置によってトナー現像して,可視像化する。次いで,感光体表面のトナー画像は,用紙上に転写された後,加熱・加圧されて用紙に定着される。
ここで,感光体表面を一様に帯電させる帯電装置としては,種々のタイプのものが知られている。例えば,コロナ放電により感光体を帯電させるものが広く用いられている。このような帯電装置を用いて感光体表面を帯電させると,オゾンや窒素酸化物などの放電生成物が発生する。発生した放電生成物は,消滅することなく帯電装置の周辺に滞留する。このため,感光体を長時間停止させていると,感光体表面の,帯電装置と対向している部分に,放電生成物が徐々に付着し蓄積する。放電生成物は,吸湿性が高く,高湿環境下で吸湿して,感光体における付着部分の抵抗値を低下させる。よって,放電生成物が付着したままであると,感光体表面に形成される静電潜像が乱れて,いわゆる「像流れ」という画像の不具合が生じる。
このような不具合の発生を防止するための技術として,例えば下記特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術では,まず,画像形成動作以外のときに感光体の表面にマイナス帯電トナーを付着させてトナー担持領域を形成する。その後,感光体を画像形成時とは逆向きに回転させて,トナー担持領域を帯電装置に対向させる。すなわち,帯電装置と感光体の間にマイナス帯電トナーの層を介在させる。これにより,特許文献1の技術では,帯電装置からの放電生成物が感光体表面に直接付着するのを防止できるとされている。
特開2008−310080号公報
しかしながら,上記文献に記載の技術には,次のような問題点があった。すなわち,上記文献に記載の技術では,放電生成物がマイナス帯電トナーに積極的に吸引されるわけではない。そのため,放電生成物の感光体への付着を完全に防ぐには,多くのマイナス帯電トナーを感光体に付着させ,マイナス帯電トナーの層を厚くする必要があった(上記文献の段落[0027]参照)。
本発明は,上記問題点を解決することを課題としてなされたものである。すなわち,その課題とするところは,より少ない粒子量で,帯電装置から感光体(像担持体)への放電生成物の付着を好適に防止できる画像形成装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,像担持体と,像担持体の表面を非接触で一様に帯電させる帯電装置と,像担持体の帯電された表面に露光により静電潜像を書き込む露光装置と,像担持体の表面の静電潜像をマイナス帯電トナーで可視像化する現像装置と,を備える。さらに画像形成装置は,画像形成時でないときに,像担持体の表面上に,プラスに帯電した粒子(以下「プラス帯電粒子」という)を含む保護層領域を形成する保護層形成部と,保護層形成部により保護層領域が形成されると,像担持体を回転させてその保護層領域が帯電装置に対面する状態とする保護回転制御部とを有する。
本発明によれば,長時間画像形成を行わない場合に,保護層形成部により,プラス帯電粒子を含む保護層領域を形成し,保護回転制御部により,保護層領域を帯電装置に対向させることで,帯電装置からの放電生成物を,保護層領域に吸着させることができる。放電生成物が保護層領域に吸着されるのは,保護層領域がプラス帯電粒子を含むのに対して,窒素酸化物などの放電生成物はマイナスに帯電しているものだからである。よって本発明によれば,マイナス帯電トナーによって保護層領域を形成した場合に比べて,保護層領域が放電生成物を積極的に吸着する分,より少ない粒子量で,放電生成物が像担持体表面に付着するのを防ぐことができる。
ここで本発明の画像形成装置は,保護層形成部による保護層領域形成時に,像担持体の電位に対して現像装置をプラス電位にする保護層形成バイアス制御部を有し,現像装置は,マイナス帯電トナーとプラス帯電粒子とを含む現像剤を用いるものであり,現像装置と保護層形成バイアス制御部とが保護層形成部を構成していることが望ましい。
このように構成すれば,保護層形成バイアス制御部が像担持体の電位に対して現像装置をプラス電位にしたときに,現像剤に含まれるプラス帯電粒子が,現像装置から像担持体上へ付着する。このため,像担持体上に,プラス帯電粒子からなる保護層領域を形成することができる。
また本発明の画像形成装置では,保護層形成部は,プラス帯電粒子を固形化した固形物と,固形物からプラス帯電粒子を掻き取って像担持体の表面に付着させる掻き取り部材とを有するとともに,掻き取り部材が,像担持体に接触する接触状態と,接触しない退避状態とを取るものである構成とすることができる。
このように構成すれば,接触状態にある掻き取り部材により,固形物からプラス荷電粒子を掻き取って,像担持体の表面に塗布することができる。よって,像担持体上に,プラス帯電粒子からなる保護層領域を形成することができる。また,掻き取り部材を退避状態とすることで,画像形成時に像担持体に書き取り部材が当たるのを防止できる。
さらに本発明の画像形成装置は,保護層形成部による保護層領域形成時に,像担持体と掻き取り部材とを互いにカウンター方向に回転させる保護層形成回転制御部を有する構成とすることが望ましい。
このように構成すれば,掻き取り部材によってプラス帯電粒子を像担持体の表面上になすりつけることができるからである。
また本発明の画像形成装置は,像担持体上の可視像を被転写媒体に転写する転写部と,転写後における像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング部とを有し,保護回転制御部は,像担持体を,画像形成時の回転方向とは逆向きに回転させるものであることが望ましい。
このように構成すれば,像担持体の表面上に形成した保護層領域を,クリーニング部により除去されることなく,帯電装置に対向させることができるからである。
また本発明の画像形成装置では,保護層形成部は,最後に画像形成が行われてから,あらかじめ定められた基準時間が経過したときに,保護層領域の形成を行うものであることが望ましい。
長時間画像形成が行われない場合に,像担持体に対する放電生成物の付着を防止する必要があるからである。本発明では,画像形成後であって基準時間が経過したときに,保護層領域を形成し帯電装置と対向させることで,放電生成物を原因とする画像ノイズを確実に防止できる。
また本発明の画像形成装置は,現在時刻を出力する計時部を備え,保護層形成部は,計時部が出力する現在時刻が,あらかじめ定められた基準時刻になったときに,保護層領域の形成を行うものである構成とすることができる。
オフィスに設置された画像形成装置は,昼休みの時間帯は利用されないことが多い。このような場合には,像担持体に放電生成物が付着するおそれが高いので,像担持体に保護層領域を形成して,放電生成物の付着を防止しておくことが好ましい。そこで,基準時刻として,昼休みが開始する時刻(例えば12時)を定めておくことで,昼休みの間に放電生成物が付着するのを防止できる。すなわち本発明では,ユーザーの使用状況に応じて,放電生成物の付着を効果的に防止できる。
本発明によれば,より少ない粒子量で,帯電装置から感光体(像担持体)への放電生成物の付着を好適に防止できる。
第1の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 同画像形成装置が備えるイメージングユニットの概略構成図である。 図4とともに,第1の形態における保護層形成動作を説明する図である。 第1の形態における保護層形成動作を説明する図であり,図3の次の動作を示す図である。 第2の形態の画像形成装置が備えるイメージングユニットの概略構成図である。 図7とともに,第2の形態における保護層形成動作を説明する図である。 第2の形態における保護層形成動作を説明する図であり,図6の次の動作を示す図である。
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は,本発明に係る画像形成装置の一例を示す図である。図1の画像形成装置は,タンデム型デジタルカラープリンター(以下,単に「プリンター」と記載する)である。もちろん,プリンターのほか,さらにスキャナを有する複写機,ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。
プリンター1は,その内部のほぼ中央部に中間転写ベルト11を備えている。中間転写ベルト11は,ローラー12,テンションローラー13,ガイドローラー14,15の外周部に掛け渡されて反時計回りに回転駆動する。テンションローラー13は,外側へスライド可能に取り付けられていると共に,バネ10によって中間転写ベルト11の内側から外側に向かって付勢されている。これにより,中間転写ベルト11は,常に張力がかかった状態となっている。
中間転写ベルト11の下方には,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つのイメージングユニット2Y,2M,2C,2Kが,中間転写ベルト11に沿ってこの順に並んで配置されている。各イメージングユニット2Y,2M,2C,2Kは,感光体(像担持体に相当する)21Y,21M,21C,21Kをそれぞれ有している。各感光体21Y,21M,21C,21Kの周囲には,画像形成時の回転方向(正回転方向ともいう,図中時計回り方向)に沿って順に,帯電装置22Y,22M,22C,22Kと,露光装置23Y,23M,23C,23Kと,現像装置24Y,24M,24C,24Kと,クリーニング装置25Y,25M,25C,25Kとがそれぞれ配置されている。なお,以下において,イエロー(Y),マゼ
ンタ(M),シアン(C)またはブラック(K)の区別が必要である場合を除いて,各色を表す添え字を省略して説明する。
帯電装置22は,感光体21に非接触のものであり,感光体21の表面を一様に帯電させるものである。帯電装置22の詳細については,後述する。
露光装置23は,帯電した感光体21を,作像色に応じた画像データに基づいて露光する。これにより,感光体21には,画像データに基づく静電潜像が形成される。
現像装置24は,画像形成時の帯電極性が負である負帯電性トナー(以下「マイナス帯電トナー」ともいう)とキャリアを含む現像剤を利用する二成分系の現像装置である。現像装置24は,現像ローラー34(図2参照)と,攪拌機構とを備える。攪拌機構は,マイナス帯電トナーとキャリアを攪拌してマイナス帯電トナーの濃度を均一にする。現像ローラー34は,所定の電位に帯電して,攪拌された現像剤を感光体21へ移動させる。これにより,感光体21に形成された静電潜像が可視像化される。すなわち,感光体21にトナー像が形成される。第1の形態に係るプリンター1では,反転現像方式を採用している。すなわち,感光体21のうち露光装置によって露光された部分が,トナー像が形成される部分である。なお,現像装置24は,キャリアを含まない現像剤を利用する一成分系の現像装置であってもよい。
クリーニング装置(クリーニング部に相当する)25は,短冊状のクリーニングブレード38(図2参照)を備える。クリーニングブレード38は,短手方向の一端側を感光体21の外周面に圧接させている。クリーニングブレード38は,感光体21に形成されたトナー像が一次転写された後,感光体21の表面に残留している残留トナーを掻き落とすものである。
また図1に示すように,中間転写ベルト11を挟んで,各感光体21Y,21M,21C,21Kと対向する位置には,1次転写ローラー30Y,30M,30C,30Kが設けられている。また,中間転写ベルト11のローラー12で支持された部分には,2次転写ローラー16が圧接されている。2次転写ローラー16と中間転写ベルト11とのニップ部が2次転写領域17となる。この2次転写領域17において中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が,搬送されてきた用紙(被転写媒体に相当する)Pに転写される。
プリンター1の下部には,給紙カセット91が着脱可能に配置されている。給紙カセット91内に積載収容された用紙Pは,給紙ローラー92の回転によって最上部のものから1枚ずつ引き出されて搬送路93に送り出される。搬送路93は,給紙カセット91から,タイミングローラー対94のニップ部,2次転写領域17,および定着ユニット95を通って排紙トレイ98まで延びている。給紙カセット91から送り出された用紙Pは,タイミングローラー対94に搬送され,ここで所定のタイミングで2次転写領域17に送り出される。
定着ユニット95は,中空円筒状で,ヒーター99を内部に備えた定着ローラー96と,この定着ローラー96に圧接されて従動回転する加圧ローラー97とを備える。定着ローラー96と加圧ローラー97とにより形成されるニップ部を,トナー像が2次転写さ
れた用紙Pが通過することにより,用紙Pにトナー像が定着される。
このような構成のプリンター1の画像形成動作について簡単に説明する。まず,カラー画像を出力するフルカラーモードの場合,例えばパソコンなどの外部装置からプリンター1の制御部90に画像信号が入力されると,制御部90は,この画像信号をイエロー,シアン,マゼンタ,ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し,このデジタル画像信号に基づいて,各イメージングユニット2の露光装置23を発光させて,感光体21を露光する。なお,露光前に,各感光体21の表面は,帯電装置22により一様に帯電される。露光は,露光装置23Y,23M,23C,23Kの順にそれぞれ時間差をもって行われる。これにより,各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面に各色用の静電潜像がそれぞれ形成される。
各感光体21Y,21M,21C,21K上に形成された静電潜像は,各現像装置24Y,24M,24C,24Kによってそれぞれ現像されて各色のトナー像となる。そして,各色のトナー像は,各1次転写ローラー30Y,30M,30C,30Kの作用により,図1中反時計回りに回転する中間転写ベルト11上に順次一次転写されて重ね合わせられる。本形態では,負帯電性トナーを使用しているので,転写時には,感光体21の表面電位に比較して正側の電圧が1次転写ローラー30に印加される。これにより,負に帯電されたトナーは1次転写ローラー30に引き寄せられ,感光体21から中間転写ベルト11へと移動する。このとき転写されずに感光体21に残留したトナーが残留トナーとなる。感光体21に付着している残留トナーは,感光体21の回転に伴い,クリーニングブレード38により掻き落とされる。
中間転写ベルト11上に一次転写されたトナー像は,中間転写ベルト11の移動にしたがって2次転写領域17に達する。一方,給紙カセット91から搬送路93に送り出された用紙Pは,タイミングローラー対94によって,トナー像が2次転写領域17に達するタイミングに合わせて2次転写領域17へ搬送される。そして,2次転写ローラー16には,トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより,2次転写領域17において,トナー像は中間転写ベルト11から用紙Pに2次転写される。
トナー像が2次転写された用紙Pは,搬送路93を通って定着ユニット95に送られる。そこで,定着ローラー96と加圧ローラー97とにより形成されるニップ部を通過することにより,用紙Pにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Pは,排紙トレイ98に排出される。
一方,用紙Pに転写されることなく中間転写ベルト11上に残った残留トナーは,ベルトクリーニング装置9で掻き取られ,中間転写ベルト11の外周面から除去される。その後,感光体21及び中間転写ベルト11の回転駆動が停止される。
図2は,イメージングユニット2を拡大して示す図である。なお図2においては,現像装置24として,現像装置24が備える現像ローラー34のみを記載し,クリーニング装置25として,クリーニング装置25が備えるクリーニングブレード38のみを記載する。図2に示すように,帯電装置22は,放電電極51と,シールドケース52と,メッシュ状のグリッド電極53とを備える。放電電極51は,感光体21の回転軸方向と略平行にシールドケース52内に張架されている。放電電極51は,のこぎり歯状又は針状の形状である。放電電極51には,画像形成時に電源(不図示)から絶対値で数kVの電圧が印加される。これにより,放電電極51の先端と感光体21との間でコロナ放電が発生する。なお,放電電極51は,タングステンなどのワイヤーを用いた電極形状やピン状電極であってもよい。シールドケース52は,放電電極51の気中放電を安定させるための箱形の部材であって,感光体21と対向する側面が開口している。そして,シールドケー
ス52の開口側面を覆うようにグリッド電極53が取り付けられている。グリッド電極53は,厚さ0.1〜0.2mm程度の薄肉のステンレス製である。
このように構成された帯電装置22では,放電電極51に絶対値で数kVの高電圧が印加されると,放電電極51周囲の空気が電離してイオン状態となる。イオン化した荷電粒子は,シールドケース52の開口に向かって移動する。その際,他の気体分子に運動エネルギーが与えられるため,シールドケース52の開口から外方向に向かうイオン風が発生する。荷電粒子は,このイオン風にのって,グリッド電極53のメッシュ孔を通過して感光体21へ至る。これにより,感光体21の表面が帯電する。このような感光体21の帯電処理に伴って,帯電装置22内には,放電生成物(例えばオゾン(O)や窒素酸化物(NOx)等)が発生する。発生した放電生成物は,シールドケース52やグリッド電極53の表面に付着する。そして,プリンター1が画像形成動作をしていない間(例えばスリープモード中)に気化して,感光体21の表面に付着する。感光体21に放電生成物が付着すると,感光体21の表面の抵抗が低下し,いわゆる「像流れ」などの不具合が生じて,画像品質が大幅に低下する。
そこで,第1の形態に係るプリンター1では,次のような構成を採用する。これにより,感光体21の表面に保護層領域S(図3参照)を形成して,帯電装置22におけるシールドケース52の開口に対向させることとしている。すなわち第1の形態に係るプリンター1では,現像装置24は,現像剤として,キャリアとマイナス帯電トナーの他に,プラスに帯電しやすい樹脂粒子と,この樹脂粒子をプラスに帯電させるための添加材とを加えた現像剤を利用する。以下,プラスに帯電した樹脂粒子を「プラス帯電粒子R」と称し,図2〜4において符号Rとして示す。
ここでプラス帯電粒子Rについて詳述しておく。第1の形態では,プラス帯電粒子Rは,平均粒径14μm,断面形状の円形度0.8の比較的凹凸を有する無色の樹脂粒子である。樹脂粒子の材料は,プラスに帯電する材料であれば特に問わない。帯電性の低い樹脂材料であっても,添加剤の作用により現像剤中でプラスに帯電するものであれば利用可能である。第1の形態では,現像剤に占める樹脂粒子の比率は,1重量パーセント程度である。なお,現像剤に,樹脂粒子相互の付着力を低減するための外添剤を混入してもよい。
第1の形態に係るプリンター1は,通常の画像形成時には,制御部90は,図2に示すように,感光体21をマイナス帯電させ,現像ローラー34にマイナスの電位(Vb1)を印加する。これにより,現像剤中のキャリア及びマイナス帯電トナーが,現像ローラー34から感光体21へ移動し,感光体21の露光部の表面にトナー像が形成される。なお,通常の画像形成において,プラス帯電粒子Rが現像装置24内から感光体21の背景部へ移動しないように,現像ローラー34および感光体21の電位設定は行われている。
一方,画像形成時以外には,保護層領域Sの形成が行われる。その場合には,図3に示すように,制御部90は,感光体21を無帯電状態(すなわち接地状態)とする。また制御部90は,感光体21の電位に対してプラスの電位(Vb2)を現像ローラー34に印加する。感光体21を無帯電状態とし,感光体21の電位に対してプラスの電位(Vb2)を現像ローラー34に印加すると,現像剤中のプラス帯電粒子Rが現像ローラー34から感光体21へ移動する。また制御部90は,保護層領域Sの形成にあたって,現像ローラー34を図中反時計方向に回転させるとともに,感光体21を図中反時計方向(画像形成時とは反対方向)に回転させる。これにより,感光体21の周方向に沿って,帯電装置22の開口長さ以上の長さの保護層領域Sを形成する。なお,形成された保護層領域Sには,プラス帯電粒子Rが均一に分布している。プラス帯電粒子Rにより保護層領域Sを形成する理由は,窒素化合物NOなどの放電生成物がマイナスに帯電しているので,保護層領域Sを放電生成物と逆属性とするためである。放電生成物と逆属性のプラス帯電
粒子Rで保護層領域Sを形成すれば,放電生成物を保護層領域Sに積極的に吸着させることができる。
なお,仮に保護層領域Sの形成時に,感光体21上に,前回の画像形成時の静電潜像が残っていたとしても,保護層領域Sの形成には問題ない。また,感光体21の表面を無帯電状態とせず,現像ローラー34に印加するプラスの電位(Vb2)よりも小さい値でのプラス帯電状態としてもよい。このような電位設定によっても,プラス帯電粒子Rを感光体21へ付着させることができる。また,保護層領域Sを形成する際の現像ローラー34および感光体21の回転方向は,逆でもよい。また,プラス帯電粒子Rは,現像装置24から感光体21へと移動するものである。そのため,現像剤中のプラス帯電粒子Rが少なくなった場合には,補充する必要がある。プラス帯電粒子Rの現像剤への補充方法としては,現像装置24内のトナーが減った時に,トナーと同時に補給する方法が採用できる。
感光体21上に保護層領域Sを形成した後は,図4に示すように,制御部90は,感光体21を通常の画像形成時とは逆回転(図4中反時計方向に回転)させる。そして,保護層領域Sを帯電装置22に対向させたところで止める。この状態では,感光体21における帯電装置22に対向している部分全体が保護層領域Sで覆われている。これにより,画像形成をしていないときに帯電装置22内から出てくる放電生成物は,感光体21の表面に直接付着することなく,保護層領域Sに吸着されるようになる。なお,保護層領域Sを帯電装置22に対向させる際の感光体21の回転量は,感光体21の駆動モーターM1(図2〜4参照)の仕様を考慮しつつ,イメージングユニット2の構造の設計情報から予め算出して,ちょうど保護層領域Sが帯電装置22に対向する量としている。感光体21の駆動モーターM1は,制御部90により駆動を制御される。
形成された保護層領域Sは,プリンター1が再び画像形成を行う際に,クリーニング装置25により除去される。すなわち,画像形成動作に伴って感光体21が正回転することにより,保護層領域Sは,クリーニング装置25を通過することになるので,この際に,クリーニング装置25により除去される。より具体的には,放電生成物の付着した保護層領域Sが,放電生成物ごと,クリーニングブレード38により掻き取られる。保護層領域Sがクリーニングブレード38により掻き取られることを考慮して,保護層領域Sを形成するプラス帯電粒子Rには,クリーニングブレード38により容易に除去可能な樹脂粒子が用いられている。なお,クリーニング装置25による保護層領域Sの除去は,通常の画像形成動作における感光体21の回転に伴ってなされるものであり,保護層領域Sの除去のために,別途動作を必要とするものではない。
次に,保護層領域Sの形成動作の実行タイミングについて詳述する。第1の形態に係るプリンター1は,通常稼働モードと,スリープモードと,停止モードとをとることができるよう構成されている。通常稼働モードとは,画像形成可能なモードである。停止モードとは,画像形成できないモードである。スリープモードとは,画像形成できないが,通常稼働モードよりも消費電力が少なく,停止モードからよりも通常稼働モードへの移行時間が短いモードである。言い換えれば,スリープモードとは,再使用時に即座に画像形成できる程度の機能を保ったまま,各部の電源をオフし,消費電力を抑えるためのモードである。第1の形態に係るプリンター1は,予め定められた基準時間,画像形成を行わない場合に,通常稼働モードからスリープモードへ移行するように構成されている。なお,スリープモードへの移行契機となる基準時間は,ユーザーが任意に設定できるものであってもよい。
保護層領域Sの形成は,通常稼働モードからスリープモードへの移行時に行われる。すなわち,プリンター1の制御部90は,通常稼働モードにおいて,予め定められた基準時間,画像形成が行われなかった場合には,各部の機能を停止させ,スリープモードへ移行させる。このスリープモードへの移行処理の中で,制御部90は,感光体21を無帯電状態とし,現像ローラー34にプラス電位を印加して,感光体21の表面に保護層領域Sを形成する(図3参照)。そして,感光体21を逆回転させて,保護層領域Sを帯電装置22に対向させる(図4参照)。
ここで,スリープモードへの移行によって停止する機能には,例えば,定着ユニット95の温度調節機能,定着ユニット95における定着ローラー96と加圧ローラー97との圧接状態を維持する機能,ファンによる電源やプリンター本体の冷却機能などがある。これらの各機能を停止させていく途中で,制御部90は,保護層領域Sの形成動作を行う。具体的には,制御部90は,まず,定着ユニット95の温度調整機能を停止させ,定着ローラー96を加圧ローラー97から離間させる。続いて,保護層領域Sを形成するとともに帯電装置22に対向させる。その後,ファンによる電源や本体の冷却機能を停止させる。
次に,第1の形態の画像形成装置(プリンター1)による効果を確認するために行った様々な実験の結果について,下記表1に基づいて説明する。表1中,実施例1は,現像ローラー34への印加電圧を50Vとして保護層領域Sを形成した場合を示しており,実施例2は,現像ローラー34への印加電圧を80Vとして保護層領域Sを形成した場合を示している。比較例1は,保護層領域Sを形成しなかった場合を示し,比較例2は,現像ローラー34への印加電圧を10Vとして保護層領域Sを形成した場合を示し,比較例3は,現像ローラー34への印加電圧を150Vとして保護層領域Sを形成した場合を示している。
Figure 2013238788
実験は,気温30℃湿度85%の環境で行った。また,通常稼働モードで画像形成を1000枚行ったのち,スリープモードに移行させ,12時間後に再度,画像形成を行うことにより,画像ノイズの有無を確認した。画像形成装置には,コニカミノルタ製bizhubC652DSを使用した。表1中の記号の意味は以下の通りである。なお,実験環境や実験結果を示す表中の記号の意味については,後述する表2の実験についても同様である。
「キャリア消費」の項目
「○」:キャリアを消費しない
「×」:キャリアを消費する
「再印刷時画像ノイズ」の項目
「◎」 :画像ノイズが全く現れない
「○」 :画像ノイズが現れたが目視で気にならない程度である
「×」 :画像ノイズが多く発生する
「××」:×よりもひどく画像ノイズが発生する
実施例1,2および比較例1〜3において,形成された保護層領域Sにおけるプラス帯電粒子Rの付着量は,表1に示す通りである。表1から,0.5g/m以上の付着量で保護層領域Sが形成されていれば,再印刷時に画像ノイズは全く現れないことがわかった(実施例2参照)。また,0.2g/m以上の付着量で保護層領域Sが形成されていれば,再印刷時の画像ノイズは目視で気にならない程度に抑えられることがわかった(実施例1参照)。一方,保護層領域Sを形成しなかった場合(比較例1)には,再印刷時に,はっきりと画像ノイズが現れることがわかった。また,現像ローラー34への印加電圧を10Vと低電圧にした場合(比較例2)には,形成される保護層領域Sの粒子付着量が0.01g/mと少なく,感光体21への放電生成物の付着を防止して画像ノイズを防止するには不十分であることがわかった。また,現像ローラー34への印加電圧を150Vと高電圧にすると,感光体21へキャリアまで移動させてしまうという問題が生じることがわかった。
したがって,第1の形態のように,プラス帯電粒子Rを混入した現像剤を用いて保護層領域Sを形成する場合には,現像ローラー34への印加電圧は,50V〜80Vとすることが好ましい。このように現像ローラー34への印加電圧を設定すれば,キャリアを消費することなく,感光体21上への放電生成物の付着を好適に防止でき,再印刷時の画像ノイズを少なくとも目視で気にならない程度に抑えることができるからである。
以上詳細に説明したように,第1の形態に係るプリンター1は,感光体21の表面上にプラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sを形成する保護層形成部(現像装置24と制御部90により構成される)と,保護層領域Sが形成されると感光体21を回転させて保護層領域Sが帯電装置22に対面する状態とする保護回転制御部(制御部90により構成される)とを備えている。現像装置24は,マイナス帯電トナーとプラス帯電粒子Rとを含む現像剤を用いるものである。制御部90は,保護層領域Sの形成時に,感光体21を無帯電状態に制御するとともに,現像装置24を感光体21の電位に対してプラス電位にするものである。従って第1の形態に係るプリンター1によれば,感光体21を無帯電状態にし,現像装置24を感光体21に対してプラス電位にしたときに,現像剤に含まれるプラス帯電粒子Rが,現像装置24から感光体21へ移動する。このため,感光体21上に,プラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sが形成される。形成された保護層領域Sは,感光体21が逆回転されることにより,帯電装置22と対向する。よって第1の形態のプリンター1によれば,長時間画像形成を行わない場合に,帯電装置22から出た放電生成物が感光体21の表面に直接付着するのを防止できる。すなわち,マイナスに帯電している窒素酸化物などの放電生成物を,プラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sに吸着させることにより,放電生成物が感光体21の表面に直接付着するのを防止することができる。
このように第1の形態のプリンター1では,プラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sが放電生成物を積極的に吸着するため,従来技術のようにマイナス帯電トナーによって保護層を形成する場合と比べて,より少ない粒子密度で(0.2g/m程度で),すなわち,薄い層厚の保護層領域Sで,放電生成物の感光体21への付着を完全に防止することができる。
また従来技術のようにマイナス帯電トナーによって保護層を形成した場合には,マイナスに帯電しているトナーと,マイナスに帯電している放電生成物とが電気的に反発する。そのため,放電生成物が,帯電装置22内から感光体21へ移動せず,帯電装置22内に溜まってしまう。これに対して第1の形態のプリンター1では,プラス帯電粒子Rにより保護層領域Sを形成している。よって,マイナスに帯電している放電生成物を,積極的に保護層領域Sに吸着することができる。従って,帯電装置22内に放電生成物が滞留せず,帯電装置22内を放電生成物のない状態に清掃することができる。
また第1の形態では,感光体21の画像形成時の回転方向に対して,帯電装置22より下流でクリーニング装置25より上流の位置に保護層領域Sを形成し,画像形成時とは逆向きに感光体21を回転させることで保護層領域Sを帯電装置22に対向させている。そのため,保護層領域Sが,帯電装置22に対向する位置に移動する前に,クリーニング装置25によって感光体21表面から除去されることはない。また,形成された保護層領域Sは,再び画像形成を行う際に,感光体21が正回転されるのに伴って,クリーニング装置25により除去される。よって,形成された保護層領域Sがその後の画像形成に影響を与えることはない。
また第1の形態に係るプリンター1は,通常稼動モードにおいて予め定めた基準時間,画像形成が行われない場合には,通常稼動モードからスリープモードへ移行するものであり,スリープモードへの移行時に,保護層領域Sを形成し,帯電装置22に対向させるものである。放電生成物の感光体21への付着は,長時間画像形成が行われない場合に問題となるところ,スリープモードに移行した場合には,その後も継続して画像形成が行われないことが多い。そのため第1の形態のように,スリープモードへの移行時に,保護層領域Sを形成し帯電装置22と対向させる構成とすれば,放電生成物を原因とする画像ノイズを確実に防止することができる。
なお第1の形態では,感光体21上の帯電後クリーニング前の位置に保護層領域Sを形成し,保護層領域Sが帯電装置22に対向するまで感光体21を逆回転させるよう構成した。これは,形成した保護層領域Sがクリーニング装置25により除去されるのを防止するためである。したがって,形成した保護層領域Sがクリーニング装置により除去されることがない場合(例えば,クリーニング装置としてブラシレスクリーナーを用いている場合)には,感光体21に対する保護層領域Sの形成位置はどこでもよい。また,感光体21を正回転させることにより帯電装置22に対向させるものであってもよい。
「第2の形態」
第1の形態では,マイナス帯電トナーにプラス帯電粒子Rを混合した現像剤を利用して,感光体21にプラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sを形成するよう構成した。これに対して,図5〜7に示す第2の形態では,ブラシローラー60によりプラス帯電粒子Rを感光体21に塗布する構成としている。第2の形態において,現像装置24が利用する現像剤は,第1の形態のようにプラス帯電粒子Rを混入したものではなく,マイナス帯電トナーとキャリアとからなるものである。なお,第2の形態の説明において,第1の形態と同様の構成については,同様の符号を付して,説明を省略する。
第2の形態に係る画像形成装置のイメージングユニット2は,図5に示すように,プラス帯電粒子Rを固めた固形物64と,ローラー表面から放射状に延びるブラシ毛61を有するブラシローラー(掻き取り部材に相当する)60とを備えている。固形物64およびブラシローラー60は,感光体21の周囲であって,現像装置24と1次転写ローラー30との間の位置に配置されている。ブラシローラー60は,ブラシ毛61を固形物64に対して接触させている。ブラシローラー60は電動モーターM2により回転駆動される。電動モーターM2は,制御部90により駆動を制御される。
また,固形物64およびブラシローラー60は,ユニット化されており,公知の駆動機構によって,ユニット単位で移動可能に構成されている。これにより,固形物64およびブラシローラー60は,感光体21の表面からブラシ毛61が離れた退避状態(図5参照)と,感光体21に対してブラシ毛61を接触させた接触状態(図6参照)とをとることが可能となっている。公知の駆動機構としては,例えば,ブラシローラー60と固形物64からなるユニットを常時退避状態に付勢するバネと,このバネの付勢に抗してブラシローラー60と固形物64からなるユニットを接触状態に移行させる電動モーターとを備えた駆動機構が適用できる。駆動機構は,制御部90によって駆動制御される。
第2の形態に係る画像形成装置では,通常の画像形成時,制御部90は,ブラシローラー60および固形物64を,図5に示す退避状態としている。スリープモードに移行し,保護層を形成する際には,制御部90は,ブラシローラー60および固形物64を,図5に示す退避状態から図5中矢印aの方向に移動させて図6に示す接触状態とする。
接触状態においては,ブラシローラー60は,ブラシ毛61の一部を感光体21の表面に接触させているとともに,ブラシ毛61の他の一部を固形物64に接触させている。この状態において,制御部90は,ブラシローラー60を図6中反時計方向に回転させる。ブラシローラー60が回転されると,まず,ブラシ毛61が固形物64からプラス帯電粒子Rを掻き取る。そして,ブラシ毛61により掻き取られたプラス帯電粒子Rは,感光体21へ塗布される。このようなブラシローラー60の回転に伴って,制御部90は,感光体21を図6中反時計方向に徐々に回転させる。これにより,感光体21の周方向に沿って,帯電装置22の開口長さ以上の長さの保護層領域Sを形成する。なお,ブラシローラー60の回転を感光体21の回転に対するカウンター回転としているのは,ブラシ毛61により感光体21へとプラス帯電粒子Rをなすりつけるためである。その後,制御部90は,図7に示すように,感光体21を通常の画像形成時とは逆回転(図7中反時計方向に回転)させて,保護層領域Sを帯電装置22に対向させる。これにより,第2の形態においても,第1の形態と同様,帯電装置22からの放電生成物が感光体21の表面へ直接付着するのを防止することができる。
次に,第2の形態の画像形成装置による効果を確認するために行った様々な実験の結果について,下記表2に基づいて説明する。表2中,実施例3は,ブラシローラー60を60rpmの回転速度で1秒間回転させることにより保護層領域Sを形成した場合を示し,実施例4は,ブラシローラー60を120rpmの回転速度で1秒間回転させることにより保護層領域Sを形成した場合を示している。
Figure 2013238788
実施例3,4において,形成された保護層領域Sにおけるプラス帯電粒子Rの付着量は,表2に示す通りである。表2に示すように,ブラシローラー60を60rpmの回転速度で1秒間回転させた場合(実施例3)には,0.3g/mの付着量で保護層領域Sが形成され,再印刷時の画像ノイズは目視で気にならない程度に抑えられる。また,ブラシローラー60を120rpmの回転速度で1秒間回転させた場合(実施例4)には,0.8g/m以上の付着量で保護層領域Sが形成され,再印刷時に画像ノイズは全く現れない。
したがって,第2の形態のように,ブラシローラー60を用いてプラス帯電粒子Rを感光体21へ塗布する場合には,ブラシローラー60を60rpm〜120rpmの回転速度で1秒間回転させることが好ましいといえる。このようにブラシローラー60の回転速度及び回転時間を設定すれば,感光体21への放電生成物の付着を好適に防止でき,再印刷時の画像ノイズを少なくとも目視で気にならない程度に抑えることができるからである。
以上説明したように第2の形態に係る画像形成装置は,プラス帯電粒子Rを固形化した固形物64と,ブラシ毛61を有するブラシローラー60とを有している。ブラシローラー60は,ブラシ毛61を固形物64および感光体21の表面に接触させた接触状態(図6参照)と,ブラシ毛61を感光体21に接触させない退避状態(図5参照)とをとるものである。そのため,接触状態のブラシローラー60を回転させると,ブラシ毛61が固形物64からプラス荷電粒子Rを掻き取り,ブラシ毛61により掻き取られたプラス荷電粒子Rが,感光体21の表面に塗布される。よって,感光体21上に,プラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sを形成することができる。形成した保護層領域Sは,感光体21が逆回転されることにより,帯電装置22と対向する。よって第2の形態の画像形成装置によれば,第1の形態と同様,長時間画像形成を行わない場合に,帯電装置22から出た放電生成物が感光体21の表面に直接付着するのを防止できる。すなわち,マイナスに帯電している窒素酸化物などの放電生成物を,プラス帯電粒子Rからなる保護層領域Sに吸着させることにより,放電生成物が感光体21の表面に直接付着するのを防止することができる。
なお,上述した実施形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,第1の形態および第2の形態では,保護層領域Sの形成は,スリープモードへの移行時に行うよう構成した。これに対して,現在時刻に基づいて,ユーザーが予め定めた基準時刻になったときに,保護層領域Sを形成するように構成してもよい。この場合,プリンター1は,現在時刻を出力する計時部80(図1参照)を備える構成とする。計時部80は,例えば,現在時刻を測るRTC(リアルタイムクロック)により構成することができる。RTCは,例えば,制御部90が備えるCPUに付設される。RTCは,現在時刻をCPUに出力する。また,計時部80は,電波時計用の標準電波や現在時刻を計測する時刻サイトなどの外部から現在時刻の情報を取得するものであってもよい。計時部80を備える構成とすれば,ユーザーの任意の時間に保護層領域Sを形成することができる。例えば,オフィスに設置された画像形成装置は,昼休みの時間帯は利用されないことが多い。このような場合には,感光体21に放電生成物が付着するおそれが高いので,感光体21に保護層領域Sを形成して,放電生成物の付着を防止しておくことが好ましい。そこで,時刻条件として,昼休みが開始する時刻(例えば12時)を設定しておくことで,昼休みの間に放電生成物が付着するのを防止できる。このように構成すれば,ユーザーの使用状況に応じて,放電生成物の付着を効果的に防止できる。なお,保護層領域Sを形成するための時間の設定は,プリンター1の操作部からユーザーが適宜入力できるように構成する。
また,第1の形態および第2の形態では,保護層領域Sの形成は,スリープモードへの移行時に必ず行うよう構成した。これに対して,予め定めた時間帯にスリープモードへ移行しても保護層領域Sを形成しないように構成してもよい。この場合も,プリンター1は,現在時刻を取得可能な計時部80を備える構成とする。プリンター1の使用環境を考えると,夜間にスリープモードに移行した場合は,翌日まで画像形成を行わない可能性が高いが,日中など画像形成を頻繁に行う時間帯にスリープモードに移行した場合には,次に画像形成を行うまでの時間は長くないと想定される。画像形成動作のインターバルが短い場合には,放電生成物を原因とする画像ノイズが生じる恐れは少ない。そこで,このように構成し,時刻条件を例えば午後8時から翌日の午前8時までと定めておくことで,日中のスリープモード移行時に,保護層領域Sが無駄に形成されるのを防ぐことができる。なお,保護層領域Sの形成を行わない時間帯の設定は,プリンター1の操作部からユーザーが適宜入力できるように構成する。
また,帯電装置22は,コロナ放電により感光体21を帯電させるものであれば,図2等に示すものでなくてもよい。
なお,実施形態における1次転写ローラー30,中間転写ベルト11,および2次転写ローラー16は,転写部を構成する。
また,第1の形態では現像装置24および制御部90が保護層形成部を構成し,第2の形態ではブラシローラー60および固形物64が保護層形成部を構成する。
また,実施形態における制御部90は,保護回転制御部,保護層形成バイアス制御部,および保護層形成回転制御部を構成する。
1…プリンター(画像形成装置)
21…感光体(像担持体)
22…帯電装置
23…露光装置
24…現像装置
25…クリーニング装置(クリーニング部)
60…ブラシローラー(掻き取り部材)
61…ブラシ毛
64…固形物
80…計時部
P…用紙
S…保護層領域
R…プラス帯電粒子



Claims (7)

  1. 像担持体と,前記像担持体の表面を非接触で一様に帯電させる帯電装置と,前記像担持体の帯電された表面に露光により静電潜像を書き込む露光装置と,前記像担持体の表面の静電潜像をマイナス帯電トナーで可視像化する現像装置と,を備える画像形成装置において,
    画像形成時でないときに,前記像担持体の表面上に,プラスに帯電した粒子(以下「プラス帯電粒子」という)を含む保護層領域を形成する保護層形成部と,
    前記保護層形成部により保護層領域が形成されると,前記像担持体を回転させてその保護層領域が前記帯電装置に対面する状態とする保護回転制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において,
    前記保護層形成部による保護層領域形成時に,前記像担持体の電位に対して前記現像装置をプラス電位にする保護層形成バイアス制御部を有し,
    前記現像装置は,マイナス帯電トナーとプラス帯電粒子とを含む現像剤を用いるものであり,
    前記現像装置と前記保護層形成バイアス制御部とが前記保護層形成部を構成していることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において,前記保護層形成部は,
    プラス帯電粒子を固形化した固形物と,前記固形物からプラス帯電粒子を掻き取って前記像担持体の表面に付着させる掻き取り部材とを有するとともに,
    前記掻き取り部材が,前記像担持体に接触する接触状態と,接触しない退避状態とを取るものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において,
    前記保護層形成部による保護層領域形成時に,前記像担持体と前記掻き取り部材とを互いにカウンター方向に回転させる保護層形成回転制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記像担持体上の可視像を被転写媒体に転写する転写部と,転写後における前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング部とを有し,
    前記保護回転制御部は,前記像担持体を,画像形成時の回転方向とは逆向きに回転させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記保護層形成部は,最後に画像形成が行われてから,あらかじめ定められた基準時間が経過したときに,保護層領域の形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    現在時刻を出力する計時部を備え,
    前記保護層形成部は,前記計時部が出力する現在時刻が,あらかじめ定められた基準時刻になったときに,保護層領域の形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。

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