JP2013238520A - レーダ装置 - Google Patents
レーダ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013238520A JP2013238520A JP2012112474A JP2012112474A JP2013238520A JP 2013238520 A JP2013238520 A JP 2013238520A JP 2012112474 A JP2012112474 A JP 2012112474A JP 2012112474 A JP2012112474 A JP 2012112474A JP 2013238520 A JP2013238520 A JP 2013238520A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target
- wave
- radar
- eigenvalue
- reception
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/02—Systems using reflection of radio waves, e.g. primary radar systems; Analogous systems
- G01S13/06—Systems determining position data of a target
- G01S13/08—Systems for measuring distance only
- G01S13/32—Systems for measuring distance only using transmission of continuous waves, whether amplitude-, frequency-, or phase-modulated, or unmodulated
- G01S13/34—Systems for measuring distance only using transmission of continuous waves, whether amplitude-, frequency-, or phase-modulated, or unmodulated using transmission of continuous, frequency-modulated waves while heterodyning the received signal, or a signal derived therefrom, with a locally-generated signal related to the contemporaneously transmitted signal
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/02—Systems using reflection of radio waves, e.g. primary radar systems; Analogous systems
- G01S13/06—Systems determining position data of a target
- G01S13/42—Simultaneous measurement of distance and other co-ordinates
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/88—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
- G01S13/93—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes
- G01S13/931—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes of land vehicles
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S7/00—Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
- G01S7/02—Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S13/00
- G01S7/41—Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S13/00 using analysis of echo signal for target characterisation; Target signature; Target cross-section
- G01S7/411—Identification of targets based on measurements of radar reflectivity
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/88—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
- G01S13/93—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes
- G01S13/931—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes of land vehicles
- G01S2013/93185—Controlling the brakes
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/88—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
- G01S13/93—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes
- G01S13/931—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for anti-collision purposes of land vehicles
- G01S2013/9327—Sensor installation details
- G01S2013/93271—Sensor installation details in the front of the vehicles
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
- Traffic Control Systems (AREA)
Abstract
【課題】レーダ装置において、幅広物体の検出に対する信頼性を向上させること。
【解決手段】レーダ装置は、レーダ波を送信し到来波を受信した結果に基づいて、該レーダ波を反射した物標を検出し、該物標に関する情報を生成する。このレーダ装置において実行される幅広物体検出処理では、全周波数ペアのうち、1つの周波数ペアを抽出し(S510)、その抽出ペアに対する各固有値比を導出する(S520)。各固有値比に基づき、抽出ペアに対する到来波の数を表す評価値を導出し(S530)、評価値が、到来波の数Lが1であることを表す閾値よりも大きい状態が(S540:YES)、規定された送受信サイクルの回数に渡って検出されると(S570:YES)、当該抽出ペアを幅広物体であるものと判定する(S580)。
【選択図】図4
【解決手段】レーダ装置は、レーダ波を送信し到来波を受信した結果に基づいて、該レーダ波を反射した物標を検出し、該物標に関する情報を生成する。このレーダ装置において実行される幅広物体検出処理では、全周波数ペアのうち、1つの周波数ペアを抽出し(S510)、その抽出ペアに対する各固有値比を導出する(S520)。各固有値比に基づき、抽出ペアに対する到来波の数を表す評価値を導出し(S530)、評価値が、到来波の数Lが1であることを表す閾値よりも大きい状態が(S540:YES)、規定された送受信サイクルの回数に渡って検出されると(S570:YES)、当該抽出ペアを幅広物体であるものと判定する(S580)。
【選択図】図4
Description
本発明は、レーダ波を送受信した結果に基づいて物標を検出するレーダ装置に関する。
従来、規定された周期の送信サイクルで繰り返し送信アンテナからレーダ波を放射する送信部と、送信部から放射されたレーダ波が反射されることで生じた到来波を、複数のアンテナ素子からなる受信アンテナで受信する受信部と、レーダ波を送受信した結果に基づいて物標を検出する信号処理部とを備え、自動車に搭載されるレーダ装置が知られている(特許文献1参照)。
この種のレーダ装置における物標の検出方法としては、一般的に、まず、送信サイクルごとに、各物標候補の位置(即ち、各物標候補までの距離や各物標候補の方位)や、各物標候補に対応する到来波の受信電力、各物標候補との相対速度を求める。それら現時点の送信サイクルまでに求められた情報に基づいて導出した、1つの物標候補の予測位置及び予測速度が、次回の送信サイクルにて求められる物標候補の位置や相対速度から基準範囲内であれば、当該物標候補の履歴が接続されたものとしている。そして、履歴の接続が、規定された回数の送信サイクルに渡って実現された場合に、当該物標候補を物標として確定することがなされる。
ところで、急勾配を有した上り坂や大型トラックのように、自車の車幅方向に沿って幅の広い面を有した物体(以下、幅広物体と称す)が自車の進行路上に存在する場合、当該幅広物体は、レーダ装置からのレーダ波を反射する可能性が高い。
しかしながら、幅広物体(特に、上り坂の路面)におけるレーダ波の反射率は一様でなく場所によって異なる。このため、従来のレーダ装置では、送信サイクルを繰り返す過程で、幅広物体に対応する物標候補を消失してしまったり、幅広物体に対応する各物標候補の位置の変化が基準範囲内とならず、履歴を接続できなくなったりする可能性がある。
この結果、従来のレーダ装置においては、幅広物体を物標として検出することができなかったり、検出した物標の位置が不安定になったりするという問題がある。換言すれば、従来の技術では、幅広物体の検出に対する信頼性が低いという問題があった。
そこで、本発明は、レーダ装置において、幅広物体の検出に対する信頼性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、車両に搭載されるレーダ装置に関する。
この本発明のレーダ装置は、送受信手段と、物標検出手段と、波数推定手段と、判定手段とを備える。
この本発明のレーダ装置は、送受信手段と、物標検出手段と、波数推定手段と、判定手段とを備える。
送受信手段は、送信アンテナからレーダ波を送信すると共に、送信アンテナから送信したレーダ波が反射されることで生じた到来波を、複数のアンテナ素子からなる受信アンテナにて受信する。物標検出手段は、送受信手段にてレーダ波を送受信した結果に基づいて、レーダ波を反射した物標それぞれを検出する。
さらに、波数推定手段は、物標検出手段で検出した物標のそれぞれに対応する到来波の数を推定する。その波数推定手段での推定の結果、1つの物標に対して複数の到来波が存在する複数検出状態である場合、判定手段は、当該1つの物標が、自車の車幅方向に沿って規定値以上の長さを有した幅広物体であるものと判定する。
すなわち、自車両の進行路上に幅広物体が存在する場合、レーダ装置が受信する幅広物体からの到来波は、物標までの距離が同一でありつつ、かつ異なる複数のポイントにて反射されたものである可能性が高い。このため、レーダ装置では、幅広物体に対応する少なくとも1つの物標を検出すると共に、その少なくとも1つの物標に対する到来波を複数検出する可能性が高い。
したがって、本発明のレーダ装置において、複数検出状態であれば、幅広物体が存在しているものと判定できる。この結果、本発明のレーダ装置によれば、レーダ装置において、幅広物体の検出に対する信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明における送受信手段は、レーダ波を送信すると共に、受信アンテナにて到来波を受信する送受信サイクルを、予め規定された周期で繰り返し実行しても良い。この場合、物標検出手段は、送受信サイクルを実行するごとに、物標を検出しても良い。そして、本発明における判定手段は、規定された回数の送受信サイクルである規定サイクル回数に渡って、複数検出状態である場合、当該1つの物標が幅広物体であるものと判定しても良い。
このようなレーダ装置によれば、物標が幅広物体であることの検出精度をより向上させることができる。
また、本発明における物標検出手段は、受信アンテナで受信した到来波を周波数解析した結果に基づいて検出された周波数ピークそれぞれを、物標として検出しても良い。この場合、本発明の波数推定手段は、周波数ピークのそれぞれについて、アンテナ素子の各々における受信信号の相関行列を導出し、その相関行列を固有値分解した結果から1つの物標に対する到来波数を推定しても良い。
また、本発明における物標検出手段は、受信アンテナで受信した到来波を周波数解析した結果に基づいて検出された周波数ピークそれぞれを、物標として検出しても良い。この場合、本発明の波数推定手段は、周波数ピークのそれぞれについて、アンテナ素子の各々における受信信号の相関行列を導出し、その相関行列を固有値分解した結果から1つの物標に対する到来波数を推定しても良い。
相関行列の固有値分解を用いた到来方位の推定方法は、一般的に、高分解能であり、到来方位の推定精度が高い方法である。
したがって、このようなレーダ装置によれば、1つの物標に対する到来波の数の推定結果について、より信頼性の高いものとすることができ、ひいては、幅広物体の検出に対する信頼性をより向上させることができる。
したがって、このようなレーダ装置によれば、1つの物標に対する到来波の数の推定結果について、より信頼性の高いものとすることができ、ひいては、幅広物体の検出に対する信頼性をより向上させることができる。
なお、本発明の波数推定手段は、比率導出手段と、状態推定手段とを備えていても良い。
この場合、比率導出手段は、相関行列を固有値分解した結果である固有値の中で、値が最大の固有値である最大固有値と該最大固有値以外の各固有値である比較固有値との比を表す固有値比を導出する。その導出された固有値比に基づく評価値が、1つの物標に対する到来波が1つであることを表す基準として予め規定された規定閾値以上であれば、状態推定手段が、複数検出状態であるものと推定すれば良い。
この場合、比率導出手段は、相関行列を固有値分解した結果である固有値の中で、値が最大の固有値である最大固有値と該最大固有値以外の各固有値である比較固有値との比を表す固有値比を導出する。その導出された固有値比に基づく評価値が、1つの物標に対する到来波が1つであることを表す基準として予め規定された規定閾値以上であれば、状態推定手段が、複数検出状態であるものと推定すれば良い。
このようなレーダ装置によれば、到来方位の数の推定結果について、より信頼性の高いものとすることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
〈走行支援システム〉
図1に示す走行支援制御システム1は、自動車に搭載して用いられるものであり、レーダ装置30と、走行支援電子制御装置(以下、走行支援ECUとする)60とを備えている。
〈走行支援システム〉
図1に示す走行支援制御システム1は、自動車に搭載して用いられるものであり、レーダ装置30と、走行支援電子制御装置(以下、走行支援ECUとする)60とを備えている。
レーダ装置30は、ミリ波帯域の電波をレーダ波として送信し、該レーダ波が反射されることで生じた反射波(以下、到来波とも称す)を受信することで、該レーダ波を反射した物標を検出し、該物標に関する情報(以下、物標情報とする)を生成する。
なお、本実施形態における物標とは、物体において、レーダ波を反射したポイントを表すものである。通常、1つの物体は、1つの物標として検出されるものの、例えば、トラックの後部のように物体の大きさが大きい場合、1つの物体に対して複数の物標が検出されることがある。
また、本実施形態における物標情報は、検出した物標までの自車両からの距離と、予め規定された基準軸に対して物標が存在する方位(即ち、角度、以下、到来方位と称す)と、自車両と物標との間の相対速度とを少なくとも含むものである。
走行支援ECU60は、少なくともROM、RAM、CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、少なくともLAN通信バスを介して通信を行うためのバスコントローラを備えている。
また、走行支援ECU60には、図示しない警報ブザー、モニター、クルーズコントロールスイッチ、目標車間設定スイッチ等が接続されている他、LAN通信バスを介して、ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU)や、エンジン電子制御装置(エンジンECU)、シートベルト電子制御装置(シートベルトECU)等が接続されている。
つまり、走行支援ECU60は、レーダ装置30からの物標情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実行するように構成されている。本実施形態における走行支援制御としては、例えば、先行車両と自車両との車間距離を予め設定された距離に保持するアダプティブクルーズ制御や、自車両と先行車両との車間距離が予め設定された距離以下となると、警告を出力したり、シートベルトを巻き上げたりするプリクラッシュセーフティ制御がある。
〈レーダ装置〉
次に、レーダ装置30は、発振器31と、増幅器32と、分配器34と、送信アンテナ36と、受信アンテナ40と、受信スイッチ41と、増幅器42と、ミキサ43と、フィルタ44と、A/D変換器45と、信号処理部46とを備え、FMCW方式のいわゆるミリ波レーダ装置として構成されている。
〈レーダ装置〉
次に、レーダ装置30は、発振器31と、増幅器32と、分配器34と、送信アンテナ36と、受信アンテナ40と、受信スイッチ41と、増幅器42と、ミキサ43と、フィルタ44と、A/D変換器45と、信号処理部46とを備え、FMCW方式のいわゆるミリ波レーダ装置として構成されている。
発振器31は、時間に対して周波数が直線的に増加(漸増)する上り区間、及び周波数が直線的に減少(漸減)する下り区間を一変調周期として有するように変調されたミリ波帯の高周波信号を生成する。増幅器32は、発振器31が生成する高周波信号を増幅する。
分配器34は、増幅器32の出力を送信信号Ssとローカル信号Lsとに電力分配する。送信アンテナ36は、送信信号Ssに応じたレーダ波を放射する。受信アンテナ40は、レーダ波を受信するN個(Nは、2以上の自然数)のアンテナ391〜39Nを備えている。アンテナ391〜39Nは、アレイ状に配置されており、アンテナ391〜39Nのそれぞれに、チャンネルCH1〜CHNが割り当てられている。
また、受信スイッチ41は、アンテナ391〜39Nのいずれかを順次選択し、選択されたアンテナ391〜39Nからの受信信号Srを後段に供給する。増幅器42は、受信スイッチ41から供給される受信信号Srを増幅する。
ミキサ43は、増幅器42にて増幅された受信信号Srにローカル信号Lsを混合して、送信信号Ssと受信信号Srとの周波数の差を表すビート信号BTを生成する。フィルタ44は、ミキサ43が生成したビート信号BTから不要な信号成分を除去する。
A/D変換器45は、フィルタ44の出力をサンプリングしデジタルデータに変換する。信号処理部46は、ビート信号BTのサンプリングデータを用いて、レーダ波を反射した物標を検出すると共に、その物標についての物標情報を生成する物標認識処理を実行する。
この信号処理部46は、少なくとも、ROM、RAM、CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、さらに、A/D変換器45を介して取り込んだデータに対して、高速フーリエ変換(FFT)処理等を実行するための演算処理装置(例えば、DSP)を備えている。
つまり、レーダ装置30では、信号処理部46からの指令に従って発振器31が振動すると、その発振器31で生成され、増幅器32で増幅した高周波信号を、分配器34が電力分配することにより、送信信号Ss及びローカル信号Lsを生成する。さらに、レーダ装置30では、これらの信号のうちの送信信号Ssを、送信アンテナ36を介してレーダ波として送信する。
そして、送信アンテナ36から送出されて物標に反射されたレーダ波(即ち、到来波)は、受信アンテナ40を構成する全てのアンテナ391〜39Nにて受信され、受信スイッチ41によって選択されている受信チャンネルCHi(i=1〜N)の受信信号Srのみが増幅器32で増幅された後、ミキサ43に供給される。ミキサ43では、この受信信号Srに分配器34からのローカル信号Lsを混合することによりビート信号BTを生成する。そして、このビート信号BTは、フィルタ44にて不要な信号成分が除去された後、A/D変換器45にてサンプリングされ、信号処理部46に取り込まれる。
なお、受信スイッチ41は、レーダ波の一変調周期の間に、全てのチャンネルCH1からCHNが所定回(例えば、512回)ずつ選択されるよう切り替えられ、また、A/D変換器45は、この切り替えタイミングに同期してサンプリングを実行する。つまり、レーダ波の一変調周期の間に、チャンネルCH1〜CHN毎かつレーダ波の上り、及び下り区間毎にサンプリングデータが蓄積されることになる。
〈物標認識処理〉
この物標認識処理は、予め規定された周期で起動されるものである。
この物標認識処理は、起動されると、図2に示すように、まず、発振器31を起動してレーダ波の送信を開始する(S110)。続いて、A/D変換器45を介してビート信号BTのサンプリング値を取得し(S120)、必要なだけサンプリング値を取得すると、発振器31を停止することにより、レーダ波の送信を停止する(S130)。
この物標認識処理は、予め規定された周期で起動されるものである。
この物標認識処理は、起動されると、図2に示すように、まず、発振器31を起動してレーダ波の送信を開始する(S110)。続いて、A/D変換器45を介してビート信号BTのサンプリング値を取得し(S120)、必要なだけサンプリング値を取得すると、発振器31を停止することにより、レーダ波の送信を停止する(S130)。
次に、S130にて取得したサンプリング値について周波数解析(本実施形態では、FFT処理)を実行し、受信チャンネルCH1〜CHN毎かつ上り/下り区間毎にビート信号BTのパワースペクトルを求める(S140)。このパワースペクトルは、ビート信号BTに含まれる周波数と、各周波数における強度とを表したものである。
そして、上り区間について、パワースペクトル上に存在する各周波数ピークfbu1〜mを検出すると共に、下り区間について、パワースペクトル上に存在する各周波数ピークfbd1〜mを検出する(S150)。なお、検出された周波数ピークfbu,fbdの各々は、到来波の発生源となった物標の候補(以下、物標候補と称す)が存在する可能性があることを意味する。
具体的に本実施形態のS150では、受信チャンネルCH毎に求められたパワースペクトルを、全ての受信チャンネルで相加平均した平均スペクトルを導出する。そして、その平均スペクトルの中で、強度が予め設定された設定閾値を超える周波数のピーク点に対応する(即ち、平均スペクトルにおける強度が極大となる)周波数を周波数ピークfbu,fbdとして検出する。
続いて、周波数ピークfbu,fbdの各々について、当該周波数ピークfbu,fbdに対応する物標候補の方位(即ち、基準軸に対する角度)を表す到来方位、及び当該物標候補からの到来波を受信した受信電力を表す到来電力を推定する方位解析処理を実行する(S160)。この方位解析処理の詳細については、後述する。
そのS160にて推定した到来方位及び到来電力に基づいて、上り区間のビート信号BTから求められた周波数ピークfbu1〜mと、下り区間のビート信号BTから求められた周波数ピークfbd1〜mとを、同一物標にてレーダ波を反射したとみなせるもの同士でマッチングして登録するペアマッチングを実行する(S170)。以下、マッチングして登録された周波数ピークfbu,fbdの組を、周波数ペアと称す。
具体的に本実施形態のS170では、上り区間の周波数ピークfbuと下り区間の周波数ピークfbdとの全ての組合せについて、到来電力の差、及び到来方位の角度差が予め規定された許容範囲内であるか否かを判定する。その判定の結果、到来電力の差及び到来方位の角度差が共に、許容範囲内であれば、対応する周波数ピークの組を周波数ペアとする。
さらに、登録された周波数ペアに対して、FMCW方式のレーダ装置における周知の手法により、レーダ装置30から物標候補までの距離、物標候補と自車両との相対速度を導出する(S180)。本実施形態のS180では、このとき、物標候補と自車両との相対速度、及び自車両の車速に基づいて、各物標候補の速度を導出すると共に、その物標候補が、停止物体であるか移動物体であるかを判定する。それらの導出した距離及び相対速度(速度)に物標候補が存在する方位を加えた情報を、各周波数ペアと対応付けた上で、物標候補として登録する。
続いて、詳しくは後述するが、S180にて登録した周波数ペアそれぞれが、通常の物体よりも幅の広い幅広物体であるか否かを判定する幅広物体検出処理を実行する(S190)。ここで言う幅広物体とは、車両や路側物といった通常の物体よりも、自車両の車幅方向に沿って距離の長い面を有した物体であり、例えば、自車両の進行路上に位置する急勾配(傾斜)を有した道路や、自車両の進行路上に存在する大型自動車などである。
さらに、今回の送受信サイクルのS180で登録された周波数ペア(以下、今サイクルペアと称す)の情報(即ち、距離,速度,方位など)と、前回の送受信サイクルで登録された周波数ペア(以下、前サイクルペアと称す)の情報とに基づき、同一物標に対応する周波数ペアを検出する履歴追尾処理を実行する(S200)。
具体的に本実施形態の履歴追尾処理(S200)では、前サイクルペアと今サイクルペアとの全ての組み合わせ(以下、組合せペアと称す)を設定し、その組合せペアの中からいずれか1つを取り出す。そして、取り出した組合せペアにおける前サイクルペアの情報に基づいて予測され、その前サイクルペアに対応する今サイクルペアが存在する位置(以下、予測位置とする)、及び今サイクルペアの速度(以下、予測速度とする)を導出する。この予測位置及び予測速度の導出は、周知の処理であるため、ここでの詳しい説明は省略するが、例えば、カルマンフィルタなどを用いて、時系列に沿った周波数ペア(即ち、物標候補)の挙動を予測し、その予測した結果を、予測位置及び予測速度とすることが考えられる。
そして、履歴追尾処理では、導出した予測位置及び予測速度と、今サイクルペアから導出された位置及び速度とに基づいて、両者の位置差分、及び速度差分を導出する。すなわち、位置差分とは、今サイクルペアから導出された位置(即ち、今サイクルペアに対応する物標候補の位置)と予測位置との差分であり、速度差分とは、今サイクルペアから導出された速度(即ち、今サイクルペアに対応する物標候補の速度)と予測速度との差分である。
さらに、位置差分が予め規定された基準距離より小さく、かつ速度差分が予め規定された上限速度差よりも小さい場合にのみ、当該組合せペアを構成する周波数ペアは同一物標に対応するもの(即ち、履歴追尾があるもの)として、今サイクルペアの接続カウンタのカウント値を、前サイクルペアの接続カウンタのカウント値に1を加算した値へと更新する。
つまり、本実施形態の履歴追尾処理では、前サイクルペアとの履歴追尾がある今サイクルペアは、対応する前サイクルペアの情報(接続カウンタのカウント値)が引き継がれ、前サイクルペアとの履歴追尾が無い今サイクルペアについては、接続カウンタのカウント値が「0」に維持される。
物標認識処理では、さらに、予め規定された認識閾値以上の履歴追尾が確認された周波数ペアを物体として認識し登録する(S210)。具体的に本実施形態のS210では、接続カウンタのカウント値が認識閾値以上であることを、認識閾値以上の履歴追尾が確認されたものとする。
そして、S210にて登録された物標についての物標情報を、走行支援ECU60に出力する(S220)。
なお、S190の幅広物体検出処理にて、幅広物体であることを表す幅広フラグがセットされていれば、S220では、幅広物体を検出したことを含むダイアグ情報を走行支援ECU60に出力する。走行支援ECU60は、取得した情報に基づいて走行支援制御を実行する。この走行支援制御においては、幅広物体が、上り坂であるのか、大型自動車であるのかなどを特定しても良い。
なお、S190の幅広物体検出処理にて、幅広物体であることを表す幅広フラグがセットされていれば、S220では、幅広物体を検出したことを含むダイアグ情報を走行支援ECU60に出力する。走行支援ECU60は、取得した情報に基づいて走行支援制御を実行する。この走行支援制御においては、幅広物体が、上り坂であるのか、大型自動車であるのかなどを特定しても良い。
その後、今サイクルの物標認識処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
〈方位解析処理〉
方位解析処理は、物標認識処理のS160で起動されると、図3に示すように、まず、上り区間のパワースペクトルから抽出された周波数ピークfbu、及び下り区間のパワースペクトルから抽出された周波数ピークfbdのうち、本方位解析処理での処理が未処理であるものを1つ選択する(S310)。
〈方位解析処理〉
方位解析処理は、物標認識処理のS160で起動されると、図3に示すように、まず、上り区間のパワースペクトルから抽出された周波数ピークfbu、及び下り区間のパワースペクトルから抽出された周波数ピークfbdのうち、本方位解析処理での処理が未処理であるものを1つ選択する(S310)。
続いて、下記(1)式に示すように、その選択された周波数の信号成分(FFT処理結果データ)を、全チャンネルCH1〜CHNのパワースペクトルから抽出して配列してなる受信ベクトルXi(k)を生成する(S320)。本実施形態において、受信ベクトルXi(k)を生成する際には、データ数を増加するために複数のヌル(即ち、「0」値)を仮想データとして追加しても良い。
なお、(1)式において、符号“T”は、ベクトル転置を意味する。
その生成した受信ベクトルXi(k)に基づき、(2)式に従って相関行列Rxx(k)を生成する(S330)。なお、(2)式において、符号“H”は、複素転置行列を意味する。
そして、S330にて生成した相関行列Rxxの固有値λ1〜λN(但し、λ1≧λ2≧…≧λN)を求めると共に、固有値λ1〜λNに対応する固有ベクトルE1〜ENを算出する(S340)。
その固有値λ1〜λNの中で、予め規定された閾値Th以上となる固有値λの数を、到来波数L(ただし、L<N)として推定する(S350)。この到来波数Lを推定する手法は、周知の手法であり、数々の手法が提案されているので、ここでの詳しい説明は省略するが、例えば、閾値Thとして、熱雑音電力に相当する値を規定することが一例として考えられる。
そして、閾値Th以下となる(N−L)個の固有値に対応した固有ベクトルからなる雑音固有ベクトルENOを、下記(3)式で定義し、自車の進行方向を基準とした方位θに対する受信アンテナ40の複素応答をa(θ)で表すものとして、(4)式に示す評価関数PMU(θ)を求める。
この評価関数PMU(θ)から得られる角度スペクトル(MUSICスペクトル)は、到来波が到来した方向と一致する方位θにおいて発散して鋭いピークが立つように設定されている。このため、到来波の到来方位θ1〜θL、即ち、物標候補の方位は、MUSICスペクトルのピークを検出することにより求められる(S360)。なお、本実施形態のS360では、下記(5)式により表される行列Sの第i対角成分を求める。この行列Sの第i対角成分は、到来方位θiの受信電力に相当し、本実施形態では、到来方位θiの到来電力としている(ただし、i=1〜L)。なお、(5)式中のAは方向行列であり、σ2は、熱雑音電力であり、Rxx−σ2Iは、瞬時値としての自己相関行列である。
続いて、S310にて抽出した周波数ピークに対する方位情報を登録する(S370)。具体的に本実施形態のS370では、到来波の数Lが「1」であれば、その到来波の到来方位θ及び到来電力を方位情報として登録し、到来波の数Lが「2」以上(即ち、複数)であれば、各到来波の到来方位θ及び到来電力を方位情報として登録する。なお、本実施形態のS370では、各周波数ピークに対して導出された固有値λのそれぞれを、対応する周波数ピークと対応付けて登録する。
そして、全ての周波数ピークfbu、及び周波数ピークfbdに対して、S310からS370のステップを実行したか否かを判定する(S380)。その判定の結果、全ての周波数ピークfbu、及び周波数ピークfbdに対して、S310からS370のステップを実行していなければ(S380:NO)、S310へと戻る。そのS310では、S310からS370のステップを未実行の周波数ピークを抽出して、S320へと移行する。
一方、S380での判定の結果、全ての周波数ピークfbu、及び周波数ピークfbdに対して、S310からS370のステップを実行していれば(S380:YES)、本方位解析処理を終了して、物標認識処理のS170へと戻る。
〈幅広物体検出処理〉
幅広物体検出処理は、物標認識処理のS190にて起動されると、図4に示すように、まず、全ての周波数ペアのうち、本幅広物体検出処理を未実行の周波数ペアを1つ抽出する(S510)。以下、S510にて抽出した周波数ペアを抽出ペアと称す。
〈幅広物体検出処理〉
幅広物体検出処理は、物標認識処理のS190にて起動されると、図4に示すように、まず、全ての周波数ペアのうち、本幅広物体検出処理を未実行の周波数ペアを1つ抽出する(S510)。以下、S510にて抽出した周波数ペアを抽出ペアと称す。
続いて、抽出ペアに対する固有値比SlMを導出する(S520)。このS520にて導出する固有値比SlMとは、比較固有値λMのそれぞれを最大固有値λ1にて除した(SlM=λM/λ1)指標である。
ただし、ここで言う最大固有値λ1は、方位解析処理において、抽出ピークを構成する周波数ピークfbu、及び周波数ピークfbdに対して導出した固有値λ1〜λNの中で、値が最大である固有値λである。また、ここで言う比較固有値λMは、最大固有値λ1を導出した周波数ピークfbuまたは周波数ピークfbdに対する固有値λ1〜λNの中で、最大固有値λ1以外の固有値λである。よって、符号Mは、2〜Nである。
この固有値比SlMは、強い相関を有する到来波に対応する固有値λ同士の間で導出されたものであれば大きな値となり、到来波に対応する固有値λと熱雑音に対応する固有値λとの間で導出されたものであれば小さな値となる。
そして、S510にて抽出した1つの抽出ペアに対する到来波の数Lを表す評価値VB推定する(S530)。具体的には、S530では、S520で導出した固有値比SlMの中で、予め規定された基準閾値Th以上である固有値比SlMの数に応じて、到来波の数Lを推定する。すなわち、基準閾値Th以上である固有値比SlMの数が「0」であれば、抽出ペアに対する到来波の数Lは「1」である。また、基準閾値Th以上である固有値比SlMの数が「1」であれば、抽出ペアに対する到来波の数Lは「2」であり、基準閾値Th以上である固有値比SlMの数が「2」であれば、抽出ペアに対する到来波の数Lは「3」であるものと推定する。
なお、本実施形態では、この推定した到来波の数Lそのものを評価値VBとしている。
続いて、評価値VBが、規定された閾値Thbよりも大きいか否かを判定する(S540)。なお、本実施形態における閾値Thbは、到来波の数Lが1であることを表す指標である。
続いて、評価値VBが、規定された閾値Thbよりも大きいか否かを判定する(S540)。なお、本実施形態における閾値Thbは、到来波の数Lが1であることを表す指標である。
この判定の結果、評価値VBが閾値よりも大きければ(S540:YES)、即ち、S510にて抽出した抽出ペアに対する到来波の数Lが「2」以上であれば、当該抽出ペアが幅広物体である可能性を表す幅広カウンタのカウント値を1つ増加させる(S550)。その後、S570へと移行する。
一方、S540での判定の結果、評価値VBが閾値以下であれば(S540:NO)、即ち、S510にて抽出した抽出ペアに対する到来波の数Lが「1」以下であれば、幅広カウンタのカウント値を1つ減少させる(S560)。その後、S570へと移行する。
そのS580では、幅広カウンタのカウント値が、規定された規定閾値よりも大きいか否かを判定する。なお、本実施形態における規定閾値とは、抽出ペアが幅広物体であることの確からしさを確認可能な送受信サイクルの回数として規定されたものである。この規定閾値は、実験などによって規定された固定値でも良い。
このS570での判定の結果、幅広カウンタのカウント値が規定閾値よりも大きければ(S570:YES)、抽出ペアに対して幅広フラグをセットする(S580)。その後、S610へと移行する。
一方、S570での判定の結果、幅広カウンタのカウント値が規定閾値以下であれば(S570:NO)、幅広カウンタのカウント値が「0」であるか否かを判定する(S590)。このS590での判定の結果、幅広カウンタのカウント値が「0」であれば(S590:YES)、幅広フラグを解除する(S600)。その後、S610へと移行する。なお、S590での判定の結果、幅広カウンタのカウント値が「0」でなければ(S590:NO)、幅広フラグの状態を直前の状態に維持したまま、S610へと移行する。
そのS610では、全ての周波数ペアについて、S510〜S600のステップを実行したか否かを判定する。その判定の結果、全ての周波数ペアに対して、S510〜S600のステップを実行していなければ(S610:NO)、S610へと戻る。そのS610では、S510〜S600のステップを未実行である周波数ペアの中から、1つの周波数ペアを抽出して、S620へと移行する。
一方、S610での判定の結果、全ての周波数ペアに対して、S510〜S600のステップを実行済みであれば(S610:YES)、本幅広物体検出処理を終了して、物標認識処理のS200へと戻る。
つまり、レーダ装置30では、通常、1つの物標に対して1つの到来方位を検出する。しかしながら、自車両の進行路上に幅広物体が存在する場合、レーダ装置30が受信する当該幅広物体からの到来波は、物標までの距離が同一でありつつ、かつ異なる複数のポイントにて反射されたものである可能性が高い。このため、レーダ装置30では、幅広物体に対応する少なくとも1つの物標を検出すると共に、その少なくとも1つの物標に対する到来波を複数検出する可能性が高い。
このことから、本実施形態の幅広物体検出処理では、1つの物標に対する到来波の数Lが複数である複数検出状態であれば、当該1つの物標が幅広物体であるものと判定する。
[実施形態の効果]
以上説明したように、レーダ装置30によれば、複数検出状態であれば、幅広物体が存在しているものと判定できる。
[実施形態の効果]
以上説明したように、レーダ装置30によれば、複数検出状態であれば、幅広物体が存在しているものと判定できる。
特に、レーダ装置30では、1つの抽出ペアについて、複数検出状態であることを、複数回の送受信サイクルに渡って検出した場合に、当該1つの抽出ペアが幅広物体であるものと判定している。
したがって、レーダ装置30によれば、幅広物体の検出精度をより向上させることができる。
なお、レーダ装置30によれば、到来方位の推定方法として、相関行列の固有値分解を用いる方法(いわゆるMUSIC)を用いているため、到来方位の数Lの推定結果について、より信頼性の高いものとすることができる。
なお、レーダ装置30によれば、到来方位の推定方法として、相関行列の固有値分解を用いる方法(いわゆるMUSIC)を用いているため、到来方位の数Lの推定結果について、より信頼性の高いものとすることができる。
これらの結果、レーダ装置30によれば、当該レーダ装置30において、幅広物体の検出に対する信頼性を向上させることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、方位解析処理において到来方位を推定する方法として、MUSICスペクトルに基づく推定方法(Multiple Signal Classification(MUSIC))を利用していたが、到来方位の推定方法は、これに限るものでない。
すなわち、本発明において、到来方位を推定方法は、固有値分解の結果に基づく周知のAIC(Akaike information criterion)や、MDL(Minimum description length)を用いても良いし、周知のDBFを用いても良い。
ただし、到来方位の推定方法としてAICを利用する場合には、幅広物体検出処理のS550にて導出する評価値VBは、赤池の情報量規範AIC(1)とAIC(m)との比較結果であることが好ましい。到来方位の推定方法としてMDLを利用する場合には、幅広物体検出処理のS550にて導出する評価値VBは、情報量規範としてのMDL(1)とMDL(m)との比較結果であることが好ましい。なお、ここでの括弧内の数値,符号は、情報量規範それぞれの順序を表す指標である。
さらに、到来方位の推定方法としてDBFを利用する場合には、周波数ピークのそれぞれに対する角度スペクトルのサイドローブの上昇度に基づいて評価値VBを導出すればよい。これは、DBFによって到来方位を推定する場合、1つの抽出ペアに対して複数の到来波が存在すれば、電力指向性パターンは、1つの抽出ペアに対して1つの到来波が存在する場合に比べて、サイドローブの電力が上昇するためである。
さらに言えば、上記実施形態では、1つの抽出ペアに対する到来波の数Lそのものを評価値VBとしていたが、評価値VBの算出方法は、これに限るものではない。例えば、評価値VBは、1つの抽出ペアに対する固有値比SlMを演算した結果でも良く、具体的には、評価値VBは、1つの抽出ペアに対する固有値比SlMの総和であっても良いし、1つの抽出ペアに対する固有値比SlMの平均であっても良い。
また、上記実施形態では、物標認識処理のS190にて幅広物体検出処理を実行していたが、幅広物体検出処理の実行タイミングはこれに限るものではなく、例えば、方位解析処理の終了直後でも良いし、方位解析処理において、S350を実行した直後であっても良い。この場合、S350にて推定した1つの周波数ピークに対する到来波の数Lを抽出ペアに対する到来波の数Lとしても良い。
つまり、幅広物体検出処理は、1つの抽出ペアに対する到来波の数Lを推定可能なタイミングであれば、どのようなタイミングで実行されても良い。
なお、上記実施形態では、本発明を適用するレーダ装置をFMCWレーダ装置としていたが、本発明を適用するレーダ装置は、これに限るものではない。すなわち、本発明が適用されるレーダ装置は、例えば、連続波をレーダ波として送受信するレーダ装置(例えば、2周波CWレーダ)でも良いし、パルス状に変調されたレーダ波を送受信するレーダ装置(例えば、パルスレーダ)でも良い。
なお、上記実施形態では、本発明を適用するレーダ装置をFMCWレーダ装置としていたが、本発明を適用するレーダ装置は、これに限るものではない。すなわち、本発明が適用されるレーダ装置は、例えば、連続波をレーダ波として送受信するレーダ装置(例えば、2周波CWレーダ)でも良いし、パルス状に変調されたレーダ波を送受信するレーダ装置(例えば、パルスレーダ)でも良い。
換言すれば、本発明が適用されるレーダ装置は、レーダ波の送受信サイクルを、規定された周期で繰り返し実行すると共に、1つの物標に対する到来方位を推定可能なレーダ装置であれば、どのようなものでも良い。
1…走行支援制御システム 30…レーダ装置 31…発振器 32…増幅器 34…分配器 36…送信アンテナ 39…アンテナ 40…受信アンテナ 41…受信スイッチ 42…増幅器 43…ミキサ 44…フィルタ 45…A/D変換器 46…信号処理部 60…走行支援ECU
Claims (6)
- 車両に搭載されるレーダ装置であって、
送信アンテナ(36)からレーダ波を送信すると共に、前記送信アンテナから送信したレーダ波が反射されることで生じた到来波を、複数のアンテナ素子(39)からなる受信アンテナ(40)にて受信する送受信手段(46,S110)と、
前記送受信手段にて前記レーダ波を送受信した結果に基づいて、前記レーダ波を反射した物標それぞれを検出する物標検出手段(46,S140〜S180,S200,S210)と、
前記物標検出手段で検出した物標のそれぞれに対応する到来波の数を推定する波数推定手段(46,S520,S530)と、
前記波数推定手段での推定の結果、1つの物標に対して複数の到来波が存在する複数検出状態である場合、当該1つの物標が、自車の車幅方向に沿って規定値以上の長さを有した幅広物体であるものと判定する判定手段(46,S540〜S620)と
を備えることを特徴とするレーダ装置。 - 前記送受信手段は、
前記レーダ波を送信すると共に、前記受信アンテナにて到来波を受信する送受信サイクルを、予め規定された周期で繰り返し実行し、
前記物標検出手段は、
前記送受信サイクルを実行するごとに、前記物標を検出し、
前記判定手段は、
規定された回数の送受信サイクルである規定サイクル回数に渡って、前記複数検出状態である場合、当該1つの物標が前記幅広物体であるものと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。 - 前記物標検出手段は、
前記受信アンテナで受信した到来波を周波数解析した結果に基づいて検出された周波数ピークそれぞれを、前記物標として検出し、
前記波数推定手段は、
前記周波数ピークのそれぞれについて、前記アンテナ素子の各々における受信信号の相関行列を導出し、その相関行列を固有値分解した結果から1つの物標に対する前記到来波の数を推定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーダ装置。 - 前記波数推定手段は、
前記相関行列を固有値分解した結果である固有値の中で、値が最大の固有値である最大固有値と該最大固有値以外の各固有値である比較固有値との比を表す固有値比を導出する比率導出手段(46,S520)と、
前記比率導出手段で導出された固有値比に基づく評価値が、1つの物標に対する前記到来波が1つであることを表す基準として予め規定された規定閾値以上であれば、前記複数検出状態であるものと推定する状態推定手段(46,S530)と
を備えることを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。 - 前記状態推定手段は、
前記固有値比のそれぞれを、前記評価値とする
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。 - 前記状態推定手段は、
前記固有値比に基づく演算結果を、前記評価値とする
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012112474A JP2013238520A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | レーダ装置 |
PCT/JP2013/063703 WO2013172427A1 (ja) | 2012-05-16 | 2013-05-16 | レーダ装置及びレーダ装置の到来波処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012112474A JP2013238520A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | レーダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013238520A true JP2013238520A (ja) | 2013-11-28 |
Family
ID=49583828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012112474A Pending JP2013238520A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | レーダ装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013238520A (ja) |
WO (1) | WO2013172427A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013238521A (ja) * | 2012-05-16 | 2013-11-28 | Denso Corp | レーダ装置 |
WO2016010087A1 (ja) * | 2014-07-16 | 2016-01-21 | 株式会社デンソー | 検出対象に応じて処理内容を変化させる物標検出装置 |
WO2019187589A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | ソニー株式会社 | 音源方向推定装置、音源方向推定方法、プログラム |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11255955B2 (en) * | 2018-12-28 | 2022-02-22 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Estimation method, estimation device, and recording medium |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007147532A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Hitachi Ltd | レーダ装置 |
JP2009162688A (ja) * | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Honda Elesys Co Ltd | 電子走査型レーダ装置、受信波方向推定方法及び受信波方向推定プログラム |
JP5018943B2 (ja) * | 2010-09-07 | 2012-09-05 | 株式会社デンソー | レーダ装置 |
-
2012
- 2012-05-16 JP JP2012112474A patent/JP2013238520A/ja active Pending
-
2013
- 2013-05-16 WO PCT/JP2013/063703 patent/WO2013172427A1/ja active Application Filing
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013238521A (ja) * | 2012-05-16 | 2013-11-28 | Denso Corp | レーダ装置 |
WO2016010087A1 (ja) * | 2014-07-16 | 2016-01-21 | 株式会社デンソー | 検出対象に応じて処理内容を変化させる物標検出装置 |
JP2016023946A (ja) * | 2014-07-16 | 2016-02-08 | 株式会社デンソー | 物標検出装置 |
WO2019187589A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | ソニー株式会社 | 音源方向推定装置、音源方向推定方法、プログラム |
US11158334B2 (en) | 2018-03-29 | 2021-10-26 | Sony Corporation | Sound source direction estimation device, sound source direction estimation method, and program |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2013172427A1 (ja) | 2013-11-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5278484B2 (ja) | レーダ装置 | |
JP5978754B2 (ja) | レーダ装置 | |
JP6321448B2 (ja) | レーダ装置、及びプログラム | |
JP4492628B2 (ja) | 干渉判定方法,fmcwレーダ | |
JP4356758B2 (ja) | Fmcwレーダ | |
JP5018943B2 (ja) | レーダ装置 | |
EP2853915B1 (en) | Radar device and angle verification method | |
US8816900B2 (en) | Radar device, calibration system and calibration method | |
US10649074B2 (en) | Target detector and target detection method for detecting target using radar waves | |
JP6205729B2 (ja) | レーダ装置 | |
JP2009025195A (ja) | 到来波数推定方法、レーダ装置 | |
JP6413457B2 (ja) | 降水判定装置 | |
JP2012103203A (ja) | Fmcwレーダ装置 | |
JP2012112653A (ja) | レーダ装置 | |
US10983195B2 (en) | Object detection apparatus | |
JP6127554B2 (ja) | レーダ装置 | |
JP2015155807A (ja) | レーダ装置、車両制御システム、および、信号処理方法 | |
WO2013172427A1 (ja) | レーダ装置及びレーダ装置の到来波処理方法 | |
JP5983572B2 (ja) | 潜込検出装置 | |
JP6464241B2 (ja) | レーダ装置、及びプログラム |