JP2013237251A - 画像読み取り方法及び画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部スキャナーを不要としたシンプルな装置構成により、乾燥後の画像(テストパターン)を読み取って、正確な濃度情報等を取得可能にする技術を提供する。
【解決手段】第一プロセス(S10)において、記録部によって記録媒体上にテストパターンが記録され(S16)、読取部によりテストパターンの画像記録データが取得され(S18)、取得された画像記録データに基づいてテストパターンの位置に関する情報が解析取得され、定着部によりテストパターンが記録媒体上に定着される(S20)。その後の第二プロセス(S30)において、記録媒体が給紙部に再セットされ(S32)、読取部によりテストパターンの画像記録データが取得される(S36)。そして第一プロセス及び第二プロセスで取得されるテストパターンの位置に関する情報から記録媒体の変化情報を取得し、当該変化情報及び濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データが生成される。
【選択図】図2

Description

本発明は画像読み取り方法及び画像記録装置に係り、特に、内蔵スキャナー(インラインセンサー)を利用した簡素な装置構成により、記録部(ヘッド)により記録されるテストパターンを精度良く読み取って、記録部の吐出状態、ムラ情報、色味情報等を正確に取得することを可能にする技術に関する。
従来、インクジェット記録装置において、ヘッドシェーディングやカラーシェーディングのための検査データを取得するため、印字ヘッド等の記録手段によってシート(記録媒体)に検査パターンを記録し、外部スキャナーで記録された検査パターンを読み取っていた。このようにスキャナーで検査パターンを読み取る場合、インクの色情報(色味等)を的確に検知するため、記録された検査パターンを十分に乾燥させる必要がある。したがって、外部スキャナーを用いる場合には、インクジェット記録装置とは別個に外部スキャナーを準備しておく必要があるとともに、検査パターンの色味が安定するまでシートを十分な時間放置しておく必要があった。
図13は、用紙(記録媒体)に着弾したインクの明度の着弾直後からの経時変化の例を示すグラフであり、グラフ1及びグラフ2は異なる濃度の色インクの経時変化を示す。グラフ1及びグラフ2から明らかなように、着弾直後から一定時間経過するまでの間にインクの明度は経時的に変化し、インクの明度が安定するまでに相応の時間が必要であることが分かる。
このような事情を背景に、特許文献1では、外部スキャナーを不要にして、データの自動取得を可能にする画像形成装置が提案されている。この特許文献1に開示の画像形成装置は、プリントヘッド部(記録手段、特許文献1の図1の符号4参照)により検査パターンが記録されたシートを、乾燥部(特許文献1の符号8参照)で乾燥させた後、一旦、収納部(特許文献1の反転部、符号9参照)に巻き取って収納する(特許文献1の図12参照)。収納部に巻き取られたシートは、逆搬送されてシート供給部(特許文献1の符号1参照)で巻き取られ(特許文献1の図13参照)、その後再度、順搬送され、検査部(特許文献1の図14の符号5参照)でシートに記録された検査パターンが読み取られて、検査用データが取得されるようになっている。
このような特許文献1の画像形成装置によれば、画像形成装置が具備する検査部よって検査パターンを読み取るため、外部スキャナーが不要となる。また、特許文献1の画像形成装置では、乾燥部において検査パターン画像のインクを乾燥した後に検査部による検査パターンの読み取りが行われるので、正確な色の情報を取得することが可能となる。さらに、特許文献1の画像形成装置では、検査パターンを記録したシートを一旦収納部に収納し、逆搬送してシート供給部で巻き取って、再度順搬送するようになっているので、検査パターンの記録から読み取りまでを完全自動で行うことが可能である。
特開2011−177954号公報
上述のように、特許文献1に開示の画像形成装置によれば、外部スキャナーを別個に準備する必要はないが、装置の複雑化、大型化、及び高コスト化が問題となる。すなわち、特許文献1の画像形成装置では、装置内にシートの収納部/巻き取り部を設ける必要があるとともに、記録した用紙を検査部に戻すための逆搬送機構を設ける必要があり、これらの機構によって装置全体が複雑化、大型化、そして高コスト化する。
また特許文献1に開示の画像形成装置では、シートを逆搬送及び順搬送する必要があるが、逆搬送時と順搬送時との間においてシートの位置ズレが生じる懸念があり、そのようなシートの位置ズレによって、検査パターンの読み取り精度が損なわれる。
さらに、ジェッティングされシートに着弾したインクによってシートに変形が生じるという懸念があるが、そのようなシートの変形に対する対応について、特許文献1は何らの解決方法を提示するものではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外部スキャナーを不要としたシンプルな装置構成により、乾燥後の画像(テストパターン)を読み取って、正確な濃度情報等(色情報等を含む)を取得することを可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、記録媒体がセットされる給紙部と、前記給紙部の後段に配設され前記記録媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録部の後段に配設され前記記録媒体上の記録画像の濃度情報を取得する読取部と、前記読取部に接続され前記濃度情報を解析する解析部と、前記読取部の後段に配設され記録媒体上の記録を定着する定着部と、前記定着部の後段に配設される排紙部と、前記給紙部から前記排紙部に向かって前記記録媒体を搬送する搬送部と、を備える画像記録装置による画像読み取り方法であって、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記記録部によって前記記録媒体上にテストパターンが記録され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第一の情報が前記解析部によって解析取得され、前記定着部により前記テストパターンが前記記録媒体上に定着され、前記テストパターンが定着された前記記録媒体が前記排紙部に排出される第一プロセスと、前記第一プロセスで前記排紙部に排出された前記記録媒体が前記給紙部にセットされ、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第二の情報と前記テストパターンの濃度情報とが前記解析部によって解析取得され、前記記録媒体が前記排紙部に排出される第二プロセスと、を備え、前記解析部では、前記第一の情報と前記第二の情報とに基づいて、前記記録媒体の変化についての変化情報が取得され、当該変化情報及び前記濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データが生成される画像読み取り方法に関する。
本態様によれば、第一プロセスにおいて定着されたテストパターンの濃度情報が第二プロセスにおいて読み取られるため、定着前の濃度変化の影響を排除した、安定状態のテストパターンを読み取ることができる。また、解析部において第一の情報及び第二の情報から得られる記録媒体の変化情報に基づきテストパターンの濃度情報が補正変換されるため、第二プロセスにおける記録媒体の姿勢変化や変形などの影響も排除して、正しい濃度情報等(濃度情報、色情報、ムラ情報等)を取得することができ、濃度等の正しい補正(色補正、濃度補正、ムラ補正等)を行うことが可能である。
また、第一プロセス及び第二プロセスでは、ユーザーを介して同じ画像記録装置が用いられるため、画像記録装置内に反転機構等の装置類が不要であるとともに、画像記録装置が備える読取部によってテストパターンが読み取られるので外部スキャナーが不要であるため、装置の複雑化、大型化、あるいは高コスト化を防ぐことができる。このように、比較的簡素な構成の画像記録装置によって、乾燥後のテストパターンを読み取って、正確な濃度情報等を取得することができる。
なお、ここでいう「テストパターンの位置に関する第一の情報及び第二の情報」とは、テストパターンの位置及びサイズを直接的又は間接的に示す情報全般を含みうる。また、ここでいう「テストパターンの濃度情報」とは、テストパターンの状態を示す濃度情報全般を含みうるものであって、例えば濃度、明度、色味等の情報が含まれうる。例えば、複数のパターン構成要素(ドット等)によりテストパターンが構成され、パターン構成要素の各々が記録部の複数の吐出手段(ノズル等)の各々によって形成される場合には、パターン構成要素全体の位置だけではなく、パターン構成要素個々の位置やサイズを画像解析によって取得することで、各吐出手段の吐出状態(吐出量、吐出濃度等)を正しく検知することができる。
また、ここでいう「定着」とは、記録媒体上に記録を定着させて安定化する処理であって、いわゆる乾燥や硬化等の処理が「定着」の概念に含まれうる。特に、記録媒体上に記録されるテストパターンの画像(濃度等)を安定化させるような定着処理全般がここでいう「定着」に含まれ、記録に使用される手段(インク等)に対応する適切な定着手段を定着部は採用することができる。
また、ここでいう「変化情報」とは、記録媒体の変化に関する情報全般を指し、記録媒体の変形、姿勢変化等の情報が「変化情報」に含まれうる。
望ましくは、前記記録部によって記録媒体に記録印刷するための印刷用の画像データは、前記濃度ムラ補正データに基づいて補正される。
本態様によれば、適切に補正変換された濃度情報に基づいて印刷用の画像データが補正されるため、高品質な記録印刷を行うことができる。印刷用の画像データの補正変換例として、例えばPWM制御(ヘッドチップへ与えるおおまかな電力をコントロールし、ノズルチップ単位での平均インク吐出量の制御)、ヘッドシェーディング制御(ノズル数個単位をまとめた合計のインク吐出エネルギーを制御し、または、吐出誤差拡散パターンをコントロールすることによる濃度均一化制御)、カラーシェーディング制御(2次色や3次色を検査して、プリンタに与えられる色情報と比較することで得られる情報からノズルのインク吐出量を制御して色合わせを行う制御)等が挙げられる。なお、これらの補正変換(制御)のためには、読取部の読み取りが高階調で行われることが好ましく、例えば16ビット/ピクセルの階調での読み取りが好ましい。
前記記録部による前記記録媒体上への記録は光硬化型のインクにより行われ、前記定着部では、前記記録媒体上の記録画像が光照射により光硬化されて定着される。
本態様によれば、光硬化作用に基づいて記録媒体上の記録画像の定着が行われる。したがって、使用可能な記録媒体の自由度に柔軟性を持たせることができ、例えば非浸透性の記録媒体に対しても適切に記録画像を定着させることができる。このような光硬化型のインクとして、例えば紫外線硬化型のインクや、他の放射線(光)の照射によって硬化するインクなどがある。
望ましくは、前記第二プロセスにおいて前記読取部により前記テストパターンの前記濃度情報を取得する際の前記記録媒体の搬送速度は、前記第一プロセスにおいて前記読取部により前記テストパターンの前記濃度情報を取得する際の前記記録媒体の前記搬送速度よりも遅い。
本態様によれば、第二プロセスにおけるテストパターンの濃度情報取得時の記録媒体の搬送速度を遅くして、読み取り精度を向上させることができる。
望ましくは、前記搬送部は、前記記録媒体を搬送するドラム搬送体を含み、一つのドラム搬送体と対向する位置に前記記録部及び前記読取部の両者は配置される。
本態様によれば、一つのドラム搬送体に対して記録部及び読取部の両者が配置されるため、両者を近接配置して、記録直後に読み取りを行うことができる。また、記録部と読取部との間で記録媒体をドラム搬送体に対して移動させる必要がないため読取精度を向上させることができるだけではなく、別個にドラム搬送体を設ける必要がないためコストを低減させることができる。
望ましくは、前記記録部は、インクを吐出する複数のノズルを含み、前記読取部は、複数の読取画素を含み、前記テストパターンは、前記複数のノズルから吐出されるインクによって形成される複数のドットを含み、前記解析部において、前記第一プロセスにおいて取得される前記テストパターンの前記複数のドットの位置に関する前記第一の情報及び前記第二プロセスにおいて取得される前記テストパターンの前記複数のドットの位置に関する前記第二の情報から、前記ノズルと前記読取画素と前記テストパターンの前記濃度情報との対応関係が導き出される。
本態様によれば、いわゆるインクジェットタイプの画像記録装置に対して本願発明を応用することができ、インクを吐出するノズルの吐出状態を適切に把握することができる。
本願発明の別の態様は、記録媒体がセットされる給紙部と、前記給紙部の後段に配設され前記記録媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録部の後段に配設され前記記録媒体上の記録画像の濃度情報を取得する読取部と、前記読取部に接続され前記濃度情報を解析する解析部と、前記読取部の後段に配設され記録媒体上の記録を定着する定着部と、前記定着部の後段に配設される排紙部と、前記給紙部から前記排紙部に向かって前記記録媒体を搬送する搬送部と、少なくとも前記搬送部、前記記録部、前記読取部、前記解析部及び前記定着部を制御する制御部と、を備える画像記録装置であって、前記制御部は、第一プロセスモード及び第二プロセスモードを含む運転モードに応じて、少なくとも前記搬送部、前記記録部、前記読取部、前記解析部及び前記定着部を制御し、前記第一プロセスモードでは、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記記録部によって前記記録媒体上にテストパターンが記録され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第一の情報が前記解析部によって解析取得され、前記定着部により前記テストパターンが前記記録媒体上に定着され、前記テストパターンが定着された前記記録媒体が前記排紙部に排出されるように、前記制御部は制御を行い、前記第二プロセスモードでは、前記第一プロセスモードで前記排紙部に排出された前記記録媒体が前記給紙部にセットされ、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第二の情報と前記テストパターンの濃度情報とが前記解析部によって解析取得され、前記記録媒体が前記排紙部に排出されるように、前記制御部は制御を行い、前記解析部は、前記第一の情報と前記第二の情報とに基づいて、前記記録媒体の変化についての変化情報を取得し、当該変化情報及び前記濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データを生成する画像記録装置に関する。
本発明によれば、第一プロセスにおいて記録及び定着されたテストパターンの濃度情報が第二プロセスにおいて読み取られるため、定着後の安定状態のテストパターンを正確に読み取ることができる。また、第一プロセスで得られるテストパターンの情報(第一の情報)及び第二プロセスで得られるテストパターンの情報(第二の情報)から記録媒体の変化情報が取得され、当該変化情報に基づきテストパターンの濃度情報が補正変換されるため、記録媒体の変化(姿勢変化、変形)の影響を取り除いて、正しい濃度情報等を取得することができる。
本願発明が適用される画像記録装置の一態様の装置構成を示すブロック図である。 第一プロセス及び第二プロセスの全体の概略を示すフロー図である。 第一プロセスの処理の流れを示すフロー図である。 第二プロセスの処理の流れを示すフロー図である。 テストパターンの濃度情報に基づく解析部における解析処理(濃度情報取得プロセス)の例を示すフロー図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す全体構成図である。 図6に示すインクジェット記録装置の制御系の一例の概略構成を示すブロック図である。 第一プロセスにおけるインクジェットヘッド、用紙及びインラインセンサの関係を示す図である。 第二プロセスにおけるインクジェットヘッド、用紙、インラインセンサ、及びインラインセンサの読取画素の画素番号とテストパターンの読み取り濃度との関係を示す図である。 図8に示す第一プロセスにおける、ノズル番号、ドット番号及び画素番号の対応関係を示すチャートである。 図9に示す第二プロセスにおける、ノズル番号、ドット番号、画素番号及び濃度情報の対応関係を示すチャートである。 テストパターンのドットの濃度を、インラインセンサの読取画素の画素番号に基づいて、対応のノズルのノズル番号に変換する例について説明する図であり、(a)は、変換前のインラインセンサの読取画素の画素番号(X軸)とドットの濃度(Y軸)との対応関係を示し、(b)は変換後のノズルのノズル番号(X軸)とドットの濃度(Y軸)との関係を示す。 用紙に着弾したインクの明度の着弾直後からの経時変化の例を示すグラフであり、グラフ1及びグラフ2は異なる濃度の色インクの経時変化を示す。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、本願発明の概略について説明し(図1〜図5参照)、その後、本願発明を具体的な装置に応用した例について説明する(図6〜図12参照)。
<画像記録装置の概略>
図1は、本願発明が適用される画像記録装置の一態様の装置構成を示すブロック図である。なお後述の例(図6参照)では、ベルト搬送及びドラム搬送を利用したインクジェット記録システムに本願発明を適用した例が示されているが、本願発明はそのような例に限定されるものではなく、図1のブロック図に示される各種構成を具備する画像記録装置全般に対して応用することが可能である。
図1に示す画像記録装置80の例では、給紙部81、記録部82、読取部(インラインセンサ)83、定着部84及び排紙部85が、前段から後段に向かって順次設けられ、記録媒体(記録用紙)は、図1において太線で示される搬送部86によって給紙部81から排紙部85へ向かって順次搬送される。
給紙部81には記録媒体がセットされ、記録部82は記録媒体に対して記録を行い、読取部83は記録媒体上の記録の記録画像(画像記録データ、画像データ)を取得し、定着部84は記録媒体上の記録画像を定着する定着処理を行う。
読取部83には解析部88が接続されており、この解析部88は、読取部83で取得されて送られてくる画像記録データを解析処理する。制御部87は、給紙部81、記録部82、読取部83、定着部84、排紙部85、搬送部86及びモード入力部89に接続されており、モード入力部89を介して入力される運転モードに応じて各部を制御する。なお、図1では、解析部88が制御部87の一部を構成する例が示されているが、制御部87と解析部88とを別体として設けてもよい。制御部87と解析部88とが別体として設けられる場合には、制御部87と解析部88とは接続され、制御部87は解析部88を制御することができるようになっている。
モード入力部89を介して入力される運転モードは、本例では、通常の印刷モードの他に、テストパターンの記録及び読み取りを行う第一プロセスモード及び第二プロセスモードを含む。この第一プロセスモード及び第二プロセスモードは、通常の印刷モードの前に実行され、記録部82の複数の吐出部(ノズル)間の記録濃度のバラツキに関する情報を事前に取得する運転モードである。したがって、通常の印刷モードでは、制御部87が、記録部82によって記録媒体に記録印刷するための印刷用の画像データを、第一プロセスモード及び第二プロセスモードを経て得られる記録濃度のバラツキに関する情報に基づいて補正し、その補正後の画像データに基づいて記録印刷が行われる。これにより、記録部82の吐出部間の記録濃度のバラツキの影響を低減又は排除した、高品質な記録印刷が可能となる。
したがって、以下に説明する本例の第一プロセスモード(テストパターン記録モード)及び第二プロセスモード(濃度読取モード)によれば、インクの明度や記録媒体の経時変化に対応したテストパターンの解析を、精度良く行うことができる。
図2は、第一プロセスS10(第一プロセスモード)及び第二プロセスS30(第二プロセスモード)の全体の概略を示すフロー図である。
第一プロセスS10では、記録媒体(用紙)が給紙部81にセットされた状態で(図2のS12)、モード入力部89を介してテストパターン記録モード(第一プロセスモード)がユーザーによって選択されると(S14)、記録媒体が搬送され、記録部82でテストパターンが記録媒体に記録される(S16)。その後、記録媒体に記録されたテストパターンが読取部83によって読み取られ(S18)、定着部84においてテストパターンが記録媒体上に定着され(S20)、最終的には排紙部85に記録媒体が排出される(S22)。
第一プロセスS10を経て排紙部85に排出された記録媒体は、ユーザーによって、再び給紙部81にセットされ(S32)、第二プロセスS30が開始される。
第二プロセスS30では、記録媒体が給紙部81に再セットされた状態で、モード入力部89を介して濃度読取モード(第二プロセスモード)がユーザーによって選択されると(S34)、記録媒体は記録部において記録が行われずに読取部83まで搬送され、記録媒体に記録されたテストパターンが読取部83によって再び読み取られる(S36)。この時、テストパターンは、第一プロセスS10において定着部84により定着処理が施されており、経時変化のほとんどない安定状態にあるため、読取部83は安定状態のテストパターン(濃度)を読み取ることができる。その後、記録媒体は定着部84において定着処理が行われずに排紙部85まで送られて排紙される(S38)。
このように本例では、第一プロセスS10においてテストパターンを記録した後にテストパターンの定着処理が行われ(S16及びS20)、その後に第二プロセスS30においてテストパターンの濃度の読み取りが行われる(S36)。したがって、第二プロセスS30におけるテストパターンの読み取り時には、安定状態のテストパターンを精度良く読み取ることが可能である。
上述のように、記録媒体は、第一プロセスモード及び第二プロセスモードの各プロセスにおいて画像記録装置80の中を搬送される。したがって、第一プロセス及び第二プロセスを通じて記録媒体は計2回、画像記録装置80内を通過することから、第一プロセス及び第二プロセスの全体を総称して「2回通し」とも呼ぶ。
次に、第一プロセス及び第二プロセスの各々における詳細な処理について説明する。図3は第一プロセスの処理の流れを示すフロー図であり、図4は第二プロセスの処理の流れを示すフロー図である。
第一プロセスでは、図3に示すように、給紙部81に記録媒体(シート状の用紙)がセットされ(S40)、モード入力部89を通じてテストパターン印刷モードが選択されると(S42)、給紙部81にセットされた記録媒体が搬送部86により記録部82に搬送され(S44)、記録部82によって記録媒体上にテストパターンが記録される(S46)。このテストパターンの記録は、記録部82が制御部87により制御されて行われ、制御部87が保有するテストパターン記録用の画像データに基づき、記録部82は記録媒体にテストパターンを記録する。テストパターン記録済みの記録媒体は搬送部86によって記録部82から読取部83に搬送され(S48)、読取部83によってテストパターンが読み取られて画像記録データが取得される(S50)。
この第一プロセスにおけるテストパターンの読み取りは、主として、テストパターンの基準位置情報及び基準サイズ情報(第一の情報)を取得するためのものである。上述のように、記録媒体に記録されるインクドットの明度は安定するまで経時的に変化するため(図13参照)、記録直後のテストパターンの画像読み取り情報からテストパターンの濃度情報、色(色味)情報、ムラ情報等(以下、単に「濃度情報等」とも表記する)を取得するのは必ずしも適当ではない。しかしながら、テストパターンの記録直後はインクが記録媒体中にまだ十分に浸透する前であるため、インク浸透により変形する前の記録媒体とテストパターンとの位置関係、および、テストパターンとノズルとの位置関係を取得する観点からは、記録直後に記録媒体上のテストパターンの画像を読み取ることは好ましい。したがって、第一プロセスで読取部83によって読取取得されるテストパターンの画像記録データに基づき、解析部88は、初期状態(変形前)の記録媒体に対するテストパターンの位置及びサイズに関する情報(第一の情報)を解析取得する。なお、この第一プロセスにおいて読み取ったテストパターンの画像記録データに基づく解析部88における処理の具体例については後述する(図8参照)。
第一プロセスにおいて、読取部83でテストパターンが読み取られると、記録媒体は搬送部86によって読取部83から定着部84に搬送され(S52)、定着部84よってテストパターンが記録媒体上に定着され(S54)、テストパターンが定着された記録媒体は排紙部85に排出される(S56)。
なお、定着部84における定着処理は、記録部82による記録方式に応じた任意の手法を使用することができ、その手段は特に限定されない。例えば通常のインクによってテストパターンを記録する場合には、記録媒体上のテストパターンを加熱するヒーター等の加熱手段を定着部84は採用して、テストパターンのインクを乾燥させてもよい。また、紫外線硬化インクのような光硬化型のインクによってテストパターンを記録する場合には、紫外線等の光をテストパターンに照射する光照射手段を定着部84は採用して、テストパターンのインクを光硬化させてもよい。
一方、第二プロセスでは、図4に示すように、第一プロセスで排紙部85に排出されたテストパターン記録済みの記録媒体(用紙)がユーザー(人手)を介して給紙部81に再セットされ(S60)、モード入力部89を通じて濃度読取モードが選択されると(S62)、給紙部81に再セットされた記録媒体が搬送部86によって給紙部81から記録部82を通過して読取部83に搬送される(S64)。この時、給紙部81から読取部83までの間に、記録媒体に対して搬送以外の処理(例えば、プレコート処理、記録印刷、等の処理)は実行されない。そして、読取部83によってテストパターンが再び読み取られて画像記録データが取得される(S66)。
この第二プロセスにおけるテストパターンの読み取りは、定着後のテストパターンの位置情報及びサイズ情報(第二の情報)に加え、テストパターンの濃度情報等を取得するためのものである。記録媒体は、上述のようにテストパターンを構成するインクの浸透によって多少の変形を生じることがあり、また第一プロセスと第二プロセスとの間において記録媒体の搬送姿勢が異なることがある。第二プロセスでは、定着後のテストパターンの画像記録データが読取部83によって読み取られ、解析部88は、この定着後の画像記録データに基づいてテストパターンの位置及びサイズに関する情報(第二の情報)を解析取得する。また、定着後のテストパターンは明度(濃度)も安定しているため、解析部88は、定着後のテストパターンの画像記録データからテストパターンの明度(濃度)に関する情報(濃度情報、画像情報)を解析取得する。なお、この第二プロセスにおいて読み取ったテストパターンの画像記録データに基づく解析部88における処理の具体例については後述する(図9参照)。
このようにして定着後のテストパターンが読み取られた記録媒体は、読取部83から定着部84を通過して排紙部85に排出される(S68)。
なお、第二プロセスでは、記録部82における記録処理及び定着部84における定着処理が行われないが、これはモード入力部89を介して濃度読取モードが選択された場合に、これらの処理が行われないように制御部87が記録部82及び定着部84を制御する。
図5は、上述の第一プロセス及び第二プロセスにおいて読取部83により読み取ったテストパターンの画像記録データに基づく解析部88における解析処理(濃度情報取得プロセス)の例を示すフロー図である。
解析部88は、第一プロセスにおいて読み取ったテストパターンの基準位置情報及び基準サイズ情報(第一の情報)と、第二プロセスにおいて読み取ったテストパターンの位置情報及びサイズ情報(第二の情報)とを比較して、記録媒体の変化についての変化情報を取得する(図5のS70)。
上述のように、第一プロセスのテストパターン読み取り時から第二プロセスのテストパターン読み取り時までの間にインク浸透によって記録媒体に変形が生じたり、第一プロセスと第二プロセスとの間で記録媒体の搬送姿勢が相違したりすることがある。これらの用紙の姿勢/変形に起因して、記録媒体に記録されるテストパターンも変化して位置ズレや拡大縮小等する。したがって、解析部88では、記録直後のテストパターンの読み取り画像データと、定着処理後のテストパターンの読み取り画像データとを比較することで、記録媒体の姿勢/変形に起因したテストパターンの位置ズレ、拡大縮小、等の変化の情報を取得することができる。
そして解析部88では、このようにして取得された変化情報及び濃度情報に基づいて、濃度ムラ補正データが生成され(後述の図12(c)参照)、また第二プロセスのテストパターン読み取り時に取得したテストパターンの濃度情報等(画像情報)が補正変換される(S72)。
解析部88におけるこれらの解析処理の詳細については、後述する(図8〜図12参照)。なお、第二プロセス(濃度読み取りモード)では、記録媒体の搬送速度を、第一プロセス(テストパターン印刷モード)よりも低下させて遅くしてもよい。この場合、ノイズの影響を低減できるので、第二プロセスにおけるテストパターンの読み取り精度を向上することができる。
以上説明したように本例では、第二プロセスにおける「記録媒体(用紙)の姿勢変化(位置ズレ、回転)」や「インクジェット印刷による記録媒体の変形(サイズ変化、歪み、等)」の影響を解消するため、記録媒体の姿勢変化や用紙変形のない、または、小さい第一プロセス時のテストパターンの読み取り情報を基に補正が行われる。特に記録媒体がシート状用紙の場合には、第二プロセスでは、用紙の姿勢変化や用紙変形が比較的大きくなる傾向があるため、上述の第一プロセス及び第二プロセスに基づく補正がより有効に働く。
なお、上述の第一プロセスモード及び第二プロセスモードを含む運転モードに応じた給紙部81、記録部82、読取部83、定着部84、排紙部85、搬送部86、解析部88の制御は、制御部87がモード入力部89を介して選択入力された運転モードに応じて行っている。すなわち、第一プロセスモードでは、給紙部81にセットされた記録媒体が搬送部86により搬送され、記録部82によって記録媒体上にテストパターンが記録され、読取部83によりテストパターンの画像記録データが取得され、取得された画像記録データに基づいてテストパターンの位置及びサイズに関する情報が解析部88によって解析取得され、定着部84によりテストパターンが記録媒体上に定着され、テストパターンが定着された記録媒体が排紙部85に排出されるように、制御部87は制御を行う。また第二プロセスモードでは、第一プロセスで排紙部85に排出された記録媒体が給紙部81にセットされ、給紙部81にセットされた記録媒体が搬送部86により搬送され、読取部83によりテストパターンの画像記録データが取得され、取得された画像記録データに基づいてテストパターンの位置及びサイズに関する情報とテストパターンの画像情報(濃度情報等)とが解析部88によって解析取得され、記録媒体が排紙部85に排出されるように、制御部87は制御を行う。
次に、本願発明をより具体的なインクジェット記録装置に適用した例について説明する。 図6は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録メディア)Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV(紫外線)硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するシングルパス方式のインクジェット記録装置であり、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像記録部18と、画像記録部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、インク乾燥処理部20で乾燥処理された用紙PにUV照射処理(定着処理)を行って画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24とで構成される。
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成される。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録メディアとしての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を、給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモーターに駆動されて回転する。モーターは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、先端側が下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモーターに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がカールして形成される。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモーターに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモーターに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
〈処理液付与部(プレコート)〉
処理液付与部14は、用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成される。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモーターに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されるとともに、一部を処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬させて設置される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像記録部18で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成される。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモーターに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18と用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。すなわち、処理液中の溶媒成分が除去される。これにより、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈画像記録部〉
画像記録部18は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部18は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム(ドラム搬送体)52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ(ILS:内蔵スキャナー)58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成される。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモーターに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平坦性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引穴からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置と所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、インク乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外線(UV)を照射することにより、硬化させることができる。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像を読み取る。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像記録部18は、以上のように構成される。処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取られた画像から吐出不良(不吐出、吐出方向誤差、等を含む)等の検査が行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、たとえば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、吸着が解除された後、インク乾燥処理部20へと受け渡される。
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20は、画像が記録された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pを乾燥処理するインク乾燥処理ユニット68とで構成される。
チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ64Dとで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ64Dは、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ64Dで受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置される。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモーターが連結される。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモーターを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設される。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとで構成される。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。
第2水平搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。
傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイドは、この第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、傾斜搬送経路70Bと第2水平搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
グリッパ64Dは、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ64Dの取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pを、タイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ64Dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンションを付与する。このバックテンション付与機構66は、主として、ガイドプレート72と、そのガイドプレート72に形成される吸引穴(図示せず)から空気を吸引する吸引機構(図示せず)とで構成される。
ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成される。このガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離離間して配設される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、その裏面(画像が記録されていない側の面)が、このガイドプレート72の上面(チェーン64Cと対向する面:摺接面)の上を摺接しながら搬送される。
ガイドプレート72の摺接面(上面)には、多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで多数形成される。上記のように、ガイドプレート72は、中空のボックスプレートで形成される。吸引機構(図示せず)は、このガイドプレート72の中空部(内部)を吸引する。これにより、摺接面に形成された吸引穴から空気が吸引される。
ガイドプレート72の吸引穴から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの裏面が吸引穴に吸引される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。
インク乾燥処理ユニット68は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施す。このインク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する。インク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置される。この設置数は、インク乾燥処理ユニット68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像記録部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができるように設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、このインク乾燥処理ユニット68の能力を考慮して設定される。
なお、乾燥処理を行うことにより、インク乾燥処理部20の湿度が上がる。湿度が上がると、効率よく乾燥処理することができなくなるので、インク乾燥処理部20には、インク乾燥処理ユニット68とともに排気手段を設置し、乾燥処理によって発生する湿り空気を強制的に排気することが好ましい。排気手段は、たとえば、排気ダクトをインク乾燥処理部20に設置し、この排気ダクトによってインク乾燥処理部20の空気を排気する構成とすることができる。
インク乾燥処理部20は、以上のように構成される。画像記録部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ64Dで把持して、平面状のガイドプレート72に沿わせて用紙Pを搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたインク乾燥処理ユニット68によって乾燥処理が施される。すなわち、表面(画像記録面)に熱風が吹き当てられて、乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら乾燥処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら乾燥処理することができる。
〈UV照射処理部〉
UV照射処理部22は、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線(UV)を照射して、画像を定着させる。このUV照射処理部22は、主として、乾燥処理された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線を照射するUV照射ユニット74とで構成される。
上記のように、チェーングリッパ64とバックテンション付与機構66は、インク乾燥処理部20及び排紙部24とともに共通して使用される。
UV照射ユニット74は、チェーングリッパ64の内部(特に傾斜搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に紫外線を照射する。このUV照射ユニット74は、紫外線ランプ(UVランプ)を備え、傾斜搬送経路70Bに沿って複数配設される。そして、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に向けて紫外線を照射する。このUV照射ユニット74の設置数は、用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、用紙Pが傾斜搬送経路70Bを搬送されている間に照射した紫外線によって画像を定着させることができるように設定される。したがって、傾斜搬送経路70Bの長さも、この用紙Pの搬送速度等を考慮して設定される。
UV照射処理部22は、以上のように構成される。チェーングリッパ64に搬送されてインク乾燥処理部20で乾燥処理が施された用紙Pは、次いで、傾斜搬送経路70Bを搬送される。この傾斜搬送経路70Bを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。すなわち、UV照射ユニット74から表面に向けて紫外線が照射される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらUV照射処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながらUV照射処理を施すことができる。また、UV照射処理部22は、傾斜搬送経路70Bに設置されており、傾斜搬送経路70Bには傾斜したガイドプレート72が設置されているため、たとえ、用紙Pが搬送途中でグリッパ64Dから落下した場合であっても、ガイドプレート72上を滑らせて排出させることができる。
〈排紙部〉
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とで構成される。
上記のように、チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20及びUV照射処理部22とともに共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
《制御系》
図7は、本実施形態のインクジェット記録装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ100、通信部102、画像メモリ104、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液付与制御部114、処理液乾燥制御部116、画像記録制御部118、インク乾燥制御部120、UV照射制御部122、排紙制御部124、画像解析部126、操作部130、表示部132等が備えられる。
システムコントローラ100は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ100は、CPU、ROM、RAM等を備えており、所定の制御プログラムに従って動作する。ROMには、このシステムコントローラ100が、実行する制御プログラム、及び、制御に必要な各種データが格納される。
通信部102は、所要の通信インターフェースを備え、その通信インターフェースと接続されたホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
画像メモリ104は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ100を通じてデータの読み書きが行われる。通信部102を介してホストコンピュータから取り込まれた画像データは、この画像メモリ104に格納される。
搬送制御部110は、インクジェット記録装置10における用紙Pの搬送系11を制御する。すなわち、給紙部12におけるテープフィーダ36A、前当て38、給紙ドラム40の駆動を制御するとともに、処理液付与部14における処理液付与ドラム42、処理液乾燥処理部16における処理液乾燥処理ドラム46、画像記録部18における画像記録ドラム52の駆動を制御する。また、インク乾燥処理部20、UV照射処理部22及び排紙部24で共通して用いられるチェーングリッパ64及びバックテンション付与機構66の駆動を制御する。
搬送制御部110は、システムコントローラ100からの指令に応じて、搬送系11を制御し、給紙部12から排紙部24まで滞りなく用紙Pが搬送されるように制御する。
給紙制御部112は、システムコントローラ100からの指令に応じて給紙部12を制御する。具体的には、サッカー装置32及び給紙台昇降機構等の駆動を制御して、給紙台30に積載された用紙Pが、重なることなく1枚ずつ順に給紙されるように制御する。
処理液付与制御部114は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液付与部14を制御する。具体的には、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pに処理液が塗布されるように、処理液付与ユニット44の駆動を制御する。
処理液乾燥制御部116は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液乾燥処理部16を制御する。具体的には、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pが乾燥処理されるように、処理液乾燥処理ユニット50の駆動を制御する。
画像記録制御部118は、システムコントローラ100からの指令に応じて画像記録部18を制御する。具体的には、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに所定の画像が記録されるように、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの駆動を制御する。また、記録された画像が読み取られるように、インラインセンサ58の動作を制御する。
インク乾燥制御部120は、システムコントローラ100からの指令に応じてインク乾燥処理部20を制御する。具体的には、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに熱風が送風されるようにインク乾燥処理ユニット68の駆動を制御する。
UV照射制御部122は、システムコントローラ100からの指令に応じてUV照射処理部22を制御する。具体的には、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線が照射されるようにUV照射ユニット74の駆動を制御する。
排紙制御部124は、システムコントローラ100からの指令に応じて排紙部24を制御する。具体的には、排紙台昇降機構等の駆動を制御して、排紙台76に用紙Pがスタックされるように制御する。
画像解析部126は、システムコントローラ100からの指令に応じて、インラインセンサ58を制御し、インラインセンサ58によって得られる用紙Pに記録された画像のデータを取得して、各種の解析をする。
操作部130は、所要の操作手段(たとえば、操作ボタンやキーボード、タッチパネル等)を備え、その操作手段から入力された操作情報をシステムコントローラ100に出力する。システムコントローラ100は、この操作部130から入力された操作情報に応じて各種処理を実行する。
なお本例の操作部130は、インクジェット記録装置10の運転モードの選択入力が可能なモード入力部としての機能を有し、ユーザーは操作部130を介して各種運転モード(通常印刷モード、テストパターン印刷モード、濃度読取モード等)を選択入力することができる。
表示部132は、所要の表示装置(たとえば、LCDパネル等)を備え、システムコントローラ100からの指令に応じて所要の情報を表示装置に表示させる。
上記のように、用紙に記録する画像データは、ホストコンピュータから通信部102を介してインクジェット記録装置10に取り込まれる。取り込まれた画像データは、画像メモリ104に格納される。
システムコントローラ100は、この画像メモリ104に格納された画像データに所要の信号処理を施してドットデータを生成する。そして、生成したドットデータに従って画像記録部18の各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの駆動を制御し、その画像データが表す画像を用紙に記録する。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置10で使用するインクの各色のインク量データに変換する処理である(本例では、C、M、Y、Kの各色のインク量データに変換する。)。ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色のインク量データに対して誤差拡散等の処理で各色のドットデータに変換する処理である。
システムコントローラ100は、画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って各色のドットデータを生成する。そして、生成した各色のドットデータに従って、対応するインクジェットヘッドの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を用紙に記録する。
なお図示は省略するが、搬送系11のモーターを駆動コントロールするモータードライバ、処理液乾燥処理部16やインク乾燥処理部20のヒーターを駆動コントロールするヒータードライバー、等も適宜設けられており、例えば搬送制御部110にはモータードライバが含まれ、処理液乾燥制御部116及びインク乾燥制御部120にはヒータードライバーが含まれうる。また、システムコントローラ100の記憶部(ROM、RAM)は、各種運転モードのプログラムが格納されるプログラム格納部としても働きうる。
《作用》
以上のように構成される本実施形態のインクジェット記録装置10の作用は、次のとおりである。
操作部130を介してシステムコントローラ100に印刷ジョブの開始が指示されると、サイクルアップの処理が行われる。すなわち、安定した動作を行うことができるように、各部で準備動作が行われる。
サイクルアップが完了すると、印刷処理が開始される。すなわち、給紙部12から用紙Pが順次給紙される。
給紙部12では、給紙台30に積載された用紙Pを上から順に1枚ずつサッカー装置32で給紙する。サッカー装置32から給紙された用紙Pは、給紙ローラ対34を介して1枚ずつフィーダボード36の上に載置される。
フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36に備えられたテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を滑りながら給紙ドラム40へと搬送される。この際、順次給紙される用紙Pは、互いに重なることなく1枚ずつフィーダボード36の上を滑りながら給紙ドラム40へと搬送される。また、その搬送過程でリテーナ36Bによって上面がフィーダボード36に向けて押し付けられる。これにより、凹凸が矯正される。
フィーダボード36の終端まで搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接された後、給紙ドラム40に受け渡される。これにより、傾きを発生させることなく、一定の姿勢で用紙Pを給紙ドラム40に給紙することができる。
給紙ドラム40は、回転しながら用紙Pの先端をグリッパ40Aで把持することにより用紙Pを受け取り、用紙Pを処理液付与部14に向けて搬送する。
処理液付与部14に搬送された用紙Pは、給紙ドラム40から処理液付与ドラム42へと受け渡される。
処理液付与ドラム42は、回転しながら用紙Pの先端をグリッパ40Aで把持して受け取り、用紙Pを処理液乾燥処理部16に向けて搬送する。用紙Pは、この処理液付与ドラム42によって搬送される過程で表面に塗布ローラ44Aが押圧当接され、表面に処理液が付与(塗布)される。
表面に処理液が付与された用紙Pは、処理液付与ドラム42から処理液乾燥処理ドラム46に受け渡される。
処理液乾燥処理ドラム46は、回転しながら用紙Pの先端を把持して受け取り、用紙Pを画像記録部18に向けて搬送する。用紙Pは、この処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ユニット50から送風される熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。これにより、処理液中の溶媒成分が除去され、用紙Pの表面(画像記録面)にインク凝集層が形成される。
処理液の乾燥処理が施された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡される。
画像記録ドラム52は、回転しながら用紙Pの先端を把持して受け取り、用紙Pをインク乾燥処理部20に向けて搬送する。用紙Pは、この画像記録ドラム52によって搬送される過程でインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって表面にC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が打滴され、画像が記録される。特に本例では、第一プロセス及び第二プロセスにおいて読取解析されるテストパターンの位置に関する第一の情報と第二の情報とに基づいて用紙Pの変化情報が取得され、当該変化情報及び濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データが生成され、また当該変化情報に基づいて第二プロセスで取得されるテストパターンの画像情報(濃度情報等)が補正変換され、この濃度ムラ補正データに基づいて印刷用の画像データが補正されるため、非常に高品質の記録が可能である。具体的には、システムコントローラ100及び画像記録制御部118は、その後の用紙Pへの画像形成(記録印刷)において、補正変換後のテストパターン画像情報に基づいて得られるインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kのコントロールパラメータを用いて、各ノズルのインク吐出量を制御して濃度(色味)等の調整を行う(PWM制御、ヘッドシェーディング制御、カラーシェーディング制御、等)。その後、その搬送過程で、用紙Pに記録された画像がインラインセンサ58によって読み取られる。この際、用紙Pは、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。そして、この吸着保持された状態で画像の記録、及び、記録された画像の読み取りが行われる。これにより、高精度に画像を記録することができるとともに、高精度に画像の読み取りを行うことができる。
画像が記録された用紙Pは、画像記録ドラム52からチェーングリッパ64に受け渡される。
チェーングリッパ64は、走行するチェーン64Cに備えられたグリッパ64Dで用紙Pの先端を把持して、用紙Pを受け取り、排紙部24に向けて搬送する。
用紙Pは、このチェーングリッパ64による搬送過程で、まず、インクの乾燥処理が施される。すなわち、第1水平搬送経路70Aに設置されたインク乾燥処理ユニット68から表面に向けて熱風が吹き当てられる。これにより、乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、ガイドプレート72によって裏面を吸着保持されながら搬送され、バックテンションが付与される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら、乾燥処理することができる。
乾燥処理が終了した用紙P(インク乾燥処理部20を通過した用紙P)は、次いで、UV照射処理が施される。すなわち、傾斜搬送経路70Bに設置されたUV照射ユニット74から表面に向けて紫外線が照射される。これにより、画像を構成するインクが硬化し、画像が用紙Pに定着する。この際、用紙Pは、ガイドプレート72によって裏面を吸着保持されながら搬送され、バックテンションが付与される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら、定着処理することができる。
UV照射処理が終了した用紙P(UV照射処理部22を通過した用紙P)は、排紙部24に向けて搬送され、排紙部24においてグリッパ64Dから開放されて、排紙台76の上にスタックされる。
以上一連の動作により画像の記録処理が完了する。上記のように、給紙部12から用紙Pが連続的に給紙されるので、各部では、この連続的に給紙される用紙Pを連続的に処理して、画像の記録処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット記録装置10によれば、画像が記録された用紙Pを画像記録部18からチェーングリッパ64で受け取り、そのチェーングリッパ64による搬送過程でインクの乾燥処理、UV照射処理が行われる。チェーングリッパ64は、用紙の搬送経路の設定に自由度があり、インク乾燥処理ユニット68及びUV照射ユニット74を高密度に配置することができる。これにより、画像が記録された後の用紙Pを短時間で効率よく乾燥処理でき、インクが用紙Pに浸透する前に乾燥を促して、インク溶媒の用紙Pへの浸透を効果的に抑制することができる。これにより、用紙Pの変形を抑えることができる。同様に、UV照射処理時も短時間で効率よく処理することができる。
また、画像記録用の搬送手段(本例では画像記録ドラム52)とは別の搬送手段(本例ではチェーングリッパ64)で乾燥処理、UV照射処理を行うので、乾燥処理時やUV照射処理時に発生する熱で画像記録用の搬送手段の温度が上昇するのを抑えることができる。これにより、インクジェットヘッドに結露が生じたり、ノズルの乾燥が促進されたりするのを有効に防止することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置10では、乾燥処理及びUV照射処理を行うに際して、用紙Pにバックテンションを付与しながら行う構成としているので、用紙Pの変形を抑えて乾燥処理及びUV照射処理することができる。
さらに、本実施形態のインクジェット記録装置10では、画像記録部18にインラインセンサ58を設置し、画像記録直後に記録画像の読み取りを行う構成としているので、画像の記録結果に基づく吐出不良等の検出を迅速に行うことができる。これにより、吐出不良等が検出された場合の対応を迅速に行うことができ、損紙の発生を効果的に抑制することができる。
また、画像記録ドラム52に保持された状態(画像記録時と同じ状態)で画像を読み取る構成としているので、高精度に画像の読み取りを行うことができる。すなわち、画像記録ドラム52から用紙Pを取り外した後に画像の読み取りを行うと、用紙の状態が変化し、高精度に画像の読み取りを行うことができなくなるおそれがあるが、画像記録ドラム52に保持した状態で画像の読み取りを行うことにより、用紙Pの状態を変化させずに、画像を読み取ることができ、高精度に画像の読み取りを行うことができる。特に、本実施形態のインクジェット記録装置10では、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持して搬送するので、高精度に画像の読み取りを行うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、インク乾燥処理部20において、用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する構成としているが、いわゆるヒータ(たとえば、赤外線ヒータ)からの輻射で用紙Pを加熱して乾燥処理する構成とすることもできる。また、この加熱による乾燥処理と、熱風による乾燥とを併用することもできる。
なお、加熱に用いる熱源として、水性UVインクの顔料又は染料のみを加熱する熱源を用いることにより、用紙Pを加熱することによって生じる用紙Pの変形を抑えることができる。たとえば、NIRランプ(近赤外線ランプ)やIR−LEDを熱源として用いることができる。
また、UV照射処理部22のUV照射ユニット74に使用するUVランプは、水銀ランプ、メタルハイドライドランプ、LED等を用いることができるが、オゾンレスタイプのものを使用することが好ましい。これにより、有害なオゾンの発生を防ぐことができる。
また、オゾンレスタイプのUVランプを使用した場合には、そのUVランプで発生する熱をインク乾燥処理部20に排熱し、乾燥処理に供させることが好ましい。これにより、消費電力を抑えて、効率よく乾燥処理を行うことができる。この場合、たとえば、UV照射処理部22で発生する熱を、ダクトを介してインク乾燥処理部20に送風する構成(たとえば、ファンで送風)とすることができる。
なお、図1に示す画像記録装置80と図6及び図7のインクジェット記録装置10との間の各装置の対応は、以下の通りである。すなわち、画像記録装置80の給紙部81はインクジェット記録装置10の給紙部12に対応し、画像記録装置80の記録部82はインクジェット記録装置10の画像記録部18に対応し、画像記録装置80の読取部83はインクジェット記録装置10のインラインセンサ58に対応し、画像記録装置80の定着部84はインクジェット記録装置10のインク乾燥処理部20及びUV照射処理部22に対応し、画像記録装置80の排紙部85はインクジェット記録装置10の排紙部24に対応し、画像記録装置80の搬送部86はインクジェット記録装置10の搬送系11に対応し、画像記録装置80の解析部88はインクジェット記録装置10の画像解析部126に対応し、画像記録装置80のモード入力部89はインクジェット記録装置10の操作部130に対応し、画像記録装置80の制御部87はインクジェット記録装置10のシステムコントローラ100、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液付与制御部114、処理液乾燥制御部116、画像記録制御部118、インク乾燥制御部120、UV照射制御部122、排紙制御部124、画像解析部126及び画像メモリ104に対応する。
次に、図6及び図7に記載のインクジェット記録装置10における、テストパターンの記録及び読み取りを行う第一プロセスモード及び第二プロセスモード(図2〜図5参照)の例について説明する。
図8は、第一プロセスにおけるインクジェットヘッド(画像記録部)、用紙(記録媒体)及びインラインセンサ(読取部)の関係を示す図であり、図9は、第二プロセスにおけるインクジェットヘッド、用紙、インラインセンサ、及びインラインセンサの読取画素の画素番号とテストパターンの読み取り濃度との関係を示す図である。
なお、図5のインクジェット記録装置10では複数のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kが示されているが、図8及び図9では理解を容易にするため、これらを代表して符号「56」によりインクジェットヘッドを示す。また、インクジェットヘッドの複数のノズル及びインラインセンサの複数の読取画素の各々が直線上に一次元配列されている例を図8及び図9に示すが、一次元配列に限定されるものではなく任意の二次元配列であってもよい。さらに、図8及び図9では理解を容易にするため、ノズル200やインラインセンサ58の読取画素206が少数(数十個オーダー)である例が示されているが、実際にはそれらの数に制限はなく、数千個オーダー、数万個オーダー等の読取画素及びノズルが用いられてもよい。
上述のように第一プロセスでは、テストパターン印刷モードが選択されると、インクジェットヘッド(記録部)56によって用紙(記録媒体)Pにテストパターン204が記録される(図2のS16参照)。図8に示す例では、複数のドット202が用紙P上に二次元配列されたテストパターン204が記録される。本例のテストパターン204では、インクジェットヘッド56の各々のノズルから吐出されるインク滴により形成されるドット202が用紙搬送方向と直交する方向に並び、一つのノズルから吐出される複数のインク滴により形成されるドット202が用紙搬送方向に並ぶ。
テストパターン204が記録された用紙Pは、画像記録ドラム52の回転によりインクジェットヘッド56の直下からインラインセンサ58の直下に搬送され、用紙P上のテストパターン204がインラインセンサ58によって読み取られる。具体的には、用紙搬送方向と直交する方向に並ぶドット202の各々が、インラインセンサ58の対応の読取画素206によって読み取られ、その読取画像データが画像解析部126に送られる。
図8に示す例において、用紙搬送方向と直交する方向に関し、インクジェットヘッド56のノズル200の各々に対して番号(ノズル番号1〜33)を順次割り振り、インラインセンサ58の読取画素206の各々に対して番号(画素番号1〜37)を順次割り振り、テストパターン204のドット202の各々に対して対応のノズル(ドットを形成したノズル)の番号(ドット番号)を割り振ると、図10に示すような対応関係になる。
例えばノズル番号3のノズルにより形成されたドット(ドット番号3)は、インラインセンサ58の画素番号5の読取画素206によって読み取られることとなる。同様に、ノズル番号30のノズル200により形成されたドット(ドット番号30)は、インラインセンサ58の画素番号32の読取画素206によって読み取られることとなる。他についても同様の対応関係を有し、ノズル番号3〜30のノズル200で記録されたドット(ドット番号3〜30)は、インラインセンサ58の画素番号5〜32の読取画素206に対応する。なお図8に示す例では、インクジェットヘッド56のノズル番号1、2及び31〜33のノズル200からは、テストパターン204のドット202を形成するインク滴は吐出されないが、それらのノズル200からもインク滴を吐出してテストパターン204のドット202を形成したと仮定した場合の対応関係が、図10には示されている。
このように、用紙P上のテストパターン204のドット202のドット番号を介して、ノズル200のノズル番号と読取画素206の画素番号との対応がとられていると言える。なお、図10に示す対応関係を導き出す際には、第一プロセス読み取り時にテストパターン204の位置とサイズの情報を取得し、例えばテストパターン204の両側のエッジ位置、等から、テストパターン204のサイズとインラインセンサ58の読取画素206の位置との対応関係を求め、それを基準情報として使用することができる。
一方、第一プロセスにおいて定着処理(乾燥、硬化)を受けたテストパターンを記録した用紙Pは、第二プロセスのために給紙部12に再びセットされる。そして、濃度読取モードが選択されると、インラインセンサ58の直下まで用紙Pが搬送され、用紙P上のテストパターン204がインラインセンサ58によって読み取られる。この第二プロセスにおけるテストパターン204の読み取りでは、テストパターン204(ドット202)の位置やサイズだけではなく、テストパターン204(ドット202)の濃度情報等についても読み取って解析される。
この第二プロセスにおけるテストパターン204の読み取りの際には、用紙Pの搬送姿勢が第一プロセスにおけるテストパターン204の読み取りの際とは異なっている可能性があり、またテストパターン204を形成するインクドット202の浸透等により用紙Pが変形している可能性がある。そのような場合、第二プロセスにおけるテストパターン204のドット202とインラインセンサ58の読取画素206との対応関係は、第一プロセスにおける対応関係と同じにはならない。なお、インクジェットヘッド56とインクジェットヘッド56との位置関係は固定されているため、第二プロセスにおける両者の対応関係は第一プロセスにおける対応関係と同じになる。
図9に示す例では、ノズル番号3のノズル200によって形成されたドット(ドット番号3)がインラインセンサ58の画素番号4の読取画素206によって読み取られ、またノズル番号30のノズル200によって形成されたドット(ドット番号30)がインラインセンサ58の画素番号33の読取画素206によって読み取られることとなる。
図11には、図9に示す第二プロセスにおけるノズル番号、ドット番号、画素番号及び濃度情報の対応関係が示されており、ノズル番号については画素番号に対応づけて示されている。図11に示されるように、第二プロセスにおけるテストパターン204の読取画素206の画素番号は4〜33となり、第一プロセスにおいて使用される読取画素206の画素番号とは異なったものになる。したがって第二プロセスだけの結果だけでは、対応関係が誤ったものになる可能性がある。
しかしながら本例では、第二プロセス読み取り時に取得されるテストパターン204の位置とサイズと濃度等の情報が用いられ、例えばテストパターン204の両側のエッジ位置、等から、テストパターン204のサイズとインラインセンサ58の読取画素206の位置とが導出され、上記基準情報(第一プロセスにおける情報)が用いられて、用紙の姿勢/変形の影響が除去された、インクジェットヘッド56に対応した濃度情報等が取得可能である。
画像解析部126では、第一プロセスにおいて取得されるテストパターン204の位置及びサイズに関する情報(第一の情報)及び第二プロセスにおいて取得されるテストパターン204の位置及びサイズに関する情報(第二の情報)に基づいて、ノズル200(ノズル番号)と読取画素206(画素番号)とテストパターン204のドット202の濃度情報(画像情報)との対応関係が導き出される。すなわち、第一プロセス及び第二プロセスの両プロセスにおける対応関係から、用紙の姿勢変化やサイズ変化が算出され、第二プロセスで読み取られて解析されたテストパターン204のドット202の濃度等の情報が対応のノズル番号の情報に反映、変換される。
例えば図8及び図9に示す例では、ノズル番号6〜9のノズル200によって記録されるドット202(ドット番号6〜9)は、他のドット(例えばノズル番号3のノズル200によって記録されるドット番号3のドット202)よりもインク量が若干多くなって濃度が濃くなる。またノズル番号16〜21及び27〜28のノズル200によって記録されるドット202(ドット番号16〜21及び27〜28)も、他のドットよりもインク量が多くなって濃度が濃くなる。
このようなテストパターン204のドット202の濃度のバラツキに関する情報が、第一プロセス及び第二プロセスで得られるテストパターン204の位置及びサイズに関する情報から導き出される用紙Pの変化情報に基づいて、補正変換処理が行われる。これにより、本来の想定量のインク滴を吐出しないノズル(図8ではノズル番号6〜9、16〜21、及び27〜28)の濃度情報等を適切に把握することができる。
図12は、テストパターン204のドット202の濃度を、インラインセンサ58の読取画素206の画素番号に基づいて、対応のノズルのノズル番号に変換し、この「ドット濃度(読取濃度)−ノズル番号」の情報に基づいて、ノズル番号に対する濃度ムラ補正データを取得する例について説明する図であり、(a)は、変換前のインラインセンサ58の読取画素206の画素番号(X軸)とドット202の読取濃度(Y軸)との対応関係を示し、(b)は変換後のノズル200のノズル番号(X軸)とドット202の濃度(Y軸)との関係を示し、(c)はノズル200のノズル番号(X軸)と濃度ムラ補正データ(Y軸)との関係を示す。
図12に示すように、変換前にはインラインセンサ58の読取画素206とテストパターン204のドット202との対応関係が本来のものとズレていたとしても、本例によれば、ノズル番号と読取濃度との対応関係を適切なものに変換調整することができる。
そして、このノズル番号と読取濃度との対応関係から、ノズル番号と濃度ムラ補正データとの対応関係が取得される。濃度ムラ補正データは、ノズル200間の濃度ムラ(濃度差)を解消するための補正データであり、各ノズル間の濃度差を打ち消すようなデータ(補正値)が各ノズルに対して割り当てられる。したがって、図12(b)のグラフと図12(c)のグラフとは上下が逆転した形を有する。
以上説明したように本例のインクジェット記録装置10によれば、乾燥後のテストパターン画像を読み取ることで、乾燥前の濃度変化の影響を排除し、かつ、用紙Pの姿勢変化/変形などの影響も排除して、正しい濃度情報等(色情報、濃度情報、ムラ情報等)の取得ができるので、正しい色補正、濃度補正、ムラ補正が可能となる。
また、特許文献1とは異なり、本例では装置内に収納機構、反転機構、逆搬送機構、等が不要であるため、装置の複雑化、大型化、あるいは高コスト化を回避することができる。
また、インクジェット記録装置10に備え付けられたインラインセンサ58を利用してテストパターンの読み取りが行われるため、外部スキャナーが不要となる。したがって、外部スキャナー分のコストが不要となり、ユーザーが外部スキャナーの操作を覚える必要もなく、外部スキャナーのための設置スペースを不要にすることもできる。
また、読取部(インラインセンサ58)を記録部(インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56K)に併設できるので、図6に示すように一つの同一ドラム搬送体(画像記録ドラム52)と対向する位置に記録部及び読取部の両者を配置可能となり、装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、記録部(インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56K)の直後に読取部(インラインセンサ58)を配置することで、1つのドラムの上でテストパターン204の記録及び読み取りが可能となって低価格化を図ることができるが、記録部と読取部を異なるドラムの上に配置してもよい。
また、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56K(記録部)の吐出不良(不吐出、吐出方向誤差、等)の検知は、通常は、インラインセンサ58によりインラインで第一プロセスにおいて実施されるが、上記の2回通しの第二プロセス時にインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの吐出不良検知が行われてもよい。特に、第二プロセスにおいてインラインセンサ58(読取部)によりテストパターン204の画像記録データを取得する際の用紙Pの搬送速度を、第一プロセスにおいてインラインセンサ58によりテストパターン204の画像記録データを取得する際の用紙Pの搬送速度よりも低速とする(遅くする)ことで、吐出不良の検出精度を向上することができる。このような搬送速度の調整は、システムコントローラ100からの指示に基づき搬送制御部110が搬送系11をコントロールすることで行われる。
また、光硬化型のインク(UV硬化インクなど)を用いることで、テストパターン記録後の光硬化処理によってテストパターンの定着が確実なものになり、テストパターンの濃度を安定化状態とすることができる。したがって、第一プロセスを経て排紙されてから、ユーザーを介して、第二プロセスのために再度給紙部に用紙をセットするまでの時間間隔のバラツキの影響を低減することができる。
なお、用紙P上のテストパターン204の記録領域を複数の領域に分割して、分割領域毎に関して、上述の用紙搬送方向と直交する方向に関するテストパターン204のドット202の位置ズレ/用紙サイズ変形に関する上述の一連の処理を適用することで、局所的な用紙位置ズレ/用紙サイズ変形及び用紙の回転に関する情報を得ることが可能である。例えば、用紙P上のテストパターン204の記録領域を用紙搬送方向について複数の領域に分割したり、用紙搬送方向と直交する方向について複数の領域に分割したりすることで、用紙搬送方向、用紙搬送方向と直交する方向、及び用紙の回転に関する情報を得ることも可能である。このように、複数の分割領域の各々に関してテストパターン位置ズレ/用紙位置ズレ/用紙サイズ変形及び用紙の回転に関する情報を得る場合には、図8及び図9に示す複数の円形ドット202から成るテストパターン204の代わりに、複数の線状ドットによってテストパターン204を構成してもよい。
テストパターン204は、特に限定されず、ノズル200から吐出され用紙Pに着弾する液滴の状態を検知することが可能な任意の構成とすることができ、各ノズル200によって形成されるドットの記録媒体上の形状も特に限定されない。なお、テストパターン204を用紙送り方向に複数のブロックに分割し、これらの複数のブロック間で濃度の異なるテストパターン204にしてもよい。また、各色毎にテストパターンが形成されることが好ましい。
またテストパターン204は、用紙Pの姿勢/変形や、テストパターン204の色/濃度/ムラの情報が得られればよく、上記のテストパターン204に限られるものではない。用紙Pの位置情報取得のために、テストパターン204のエッジを利用することもできるが、エッジ以外にも、ライン(白または黒)を用いてもよい。また、用紙P内の局所的な変形の情報を得るために、エッジやラインをノズル長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)に複数箇所に配置し、局所領域ごとに、上記の位置情報取得の方法を適用することもできる。
また、基本的には第一プロセスと第二プロセスとを連続的に実行することが望ましいが、第一プロセスの目的は、ノズル番号とインラインセンサ58の読取画素206の画素番号との対応取りである。したがって、ノズル番号とインラインセンサ58の読取画素206の画素番号との関係が変化しないのであれば、第二プロセスの直前に第一プロセスを実行することなく、過去のプロセス(第一プロセス)のデータを用いてもよい。
また図6に示すインクジェット記録装置10では、インク乾燥処理部20による乾燥処理およびUV照射処理部22によるUV照射硬化処理が組み合わされて記録画像(テストパターンを含む)の定着が行われているが、乾燥処理及びUV照射硬化処理のいずれか一方、あるいは他の乾燥処理や他の硬化処理によって記録画像を安定定着させてもよい。
また、第一プロセスの排紙から第二プロセスの給紙までの間に人手が介在するために、用紙Pの順序が入れ替わる等の弊害が生じる可能性もある。そのような弊害による影響を取り除くため、インラインセンサ58によってテストパターン204の識別が可能な様に、IDマーク(テストパターン特定マーク)をテストパターン204と同時に用紙に記録してもよいし、その他のマーキング手段によって、テストパターン204の識別を可能にするマークを記録してもよい。
また、上述の例では、テストパターン204のパターン解像度(ドット解像度)と、インラインセンサ58の読み取り解像度とが、用紙搬送方向と直交する方向に関して略同一であって、1つのドット202を1つの読取画素206で読み取る例について説明したが、テストパターン204のパターン解像度とインラインセンサ58の読み取り解像度とは必ずしも一致している必要はない。すなわち、テストパターン204の各ドット202を適切に検知することができるのであれば、インラインセンサ(読取手段)58は特に限定されず、任意の読取手段を使用することが可能である。したがって、テストパターン204のパターン解像度よりもインラインセンサ58の読み取り解像度が大きい場合だけではなく、テストパターン204のパターン解像度よりもインラインセンサ58の読み取り解像度が小さい場合であっても、公知の手法(例えば特開2011−194734号公報に開示の方法、等)を用いることで、インラインセンサ58の読み取り解像度未満のパターン解像度を有するテストパターン204を適切に検知することも可能である。また、読み取り解像度と読み取り階調度とを調整可能なスキャナーを用いてもよく、例えばノズルの不吐出検知モードでは高解像度(低階調度)モードとする一方でヘッドシェーディング制御やカラーシェーディング制御では高階調度(低解像度)モードとするスキャナーをインラインセンサ58に用いてもよい。
また、テストパターン204の両側エッジの位置に基づいてテストパターン204の位置・サイズとインラインセンサ58の読み取り画素位置を導出する際に、不吐出ノズルが検知され、両側エッジを形成する予定のノズル(エッジノズル)が不吐出状態にある場合には、他の正常なノズルによってテストパターン204の両側エッジドットを形成したり、エッジノズルを本来のノズルから他のノズル(例えば隣接ノズル)に変更するとともに画像データの解析もそのような変更に応じて行ったりすることで、テストパターン204の位置・サイズ及びインラインセンサ58の読み取り画素位置を適切に導出することが可能である。
なお、搬送系11は、任意の手段によって用紙Pを搬送することができ、ドラム搬送、ベルト搬送、ステージ搬送、その他の搬送手法を適宜採用することができる。
10…インクジェット記録装置、11…搬送系、12…給紙部、14…処理液付与部、16…処理液乾燥処理部、18…画像記録部、20…インク乾燥処理部、22…UV照射処理部、24…排紙部、30…給紙台、32…サッカー装置、32A…サクションフット、34A…ローラ、34B…ローラ、36…フィーダボード、36A…テープフィーダ、36B…リテーナ、36C…コロ、40…給紙ドラム、40A…グリッパ、42…処理液付与ドラム、42A…グリッパ、44…処理液付与ユニット、44A…塗布ローラ、44B…処理液槽、44C…ローラ、46…処理液乾燥処理ドラム、46A…グリッパ、48…用紙搬送ガイド、50…処理液乾燥処理ユニット、52…画像記録ドラム、52A…グリッパ、54…ローラ、56…インクジェットヘッド、58…インラインセンサ、59…接触防止板、60…ミストフィルタ、62…ドラム冷却ユニット、62A…ダクト、64…チェーングリッパ、64A…第1スプロケット、64B…第2スプロケット、64C…チェーン、64D…グリッパ、66…バックテンション付与機構、68…インク乾燥処理ユニット、70A…第1水平搬送経路、70B…傾斜搬送経路、70C…第2水平搬送経路、72…ガイドプレート、74…UV照射ユニット、76…排紙台、80…画像記録装置、81…給紙部、82…記録部、83…読取部、84…定着部、85…排紙部、86…搬送部、87…制御部、88…解析部、89…モード入力部、100…システムコントローラ、102…通信部、104…画像メモリ、110…搬送制御部、112…給紙制御部、114…処理液付与制御部、116…処理液乾燥制御部、118…画像記録制御部、120…インク乾燥制御部、122…UV照射制御部、124…排紙制御部、126…画像解析部、130…操作部、132…表示部、200…ノズル、202…ドット、204…テストパターン、206…読取画素、P…用紙

Claims (7)

  1. 記録媒体がセットされる給紙部と、前記給紙部の後段に配設され前記記録媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録部の後段に配設され前記記録媒体上の記録画像の濃度情報を取得する読取部と、前記読取部に接続され前記濃度情報を解析する解析部と、前記読取部の後段に配設され記録媒体上の記録を定着する定着部と、前記定着部の後段に配設される排紙部と、前記給紙部から前記排紙部に向かって前記記録媒体を搬送する搬送部と、を備える画像記録装置による画像読み取り方法であって、
    前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記記録部によって前記記録媒体上にテストパターンが記録され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第一の情報が前記解析部によって解析取得され、前記定着部により前記テストパターンが前記記録媒体上に定着され、前記テストパターンが定着された前記記録媒体が前記排紙部に排出される第一プロセスと、
    前記第一プロセスで前記排紙部に排出された前記記録媒体が前記給紙部にセットされ、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第二の情報と前記テストパターンの濃度情報とが前記解析部によって解析取得され、前記記録媒体が前記排紙部に排出される第二プロセスと、を備え、
    前記解析部では、前記第一の情報と前記第二の情報とに基づいて、前記記録媒体の変化についての変化情報が取得され、当該変化情報及び前記濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データが生成される画像読み取り方法。
  2. 前記記録部によって記録媒体に記録印刷するための印刷用の画像データは、前記濃度ムラ補正データに基づいて補正される請求項1に記載の画像読み取り方法。
  3. 前記記録部による前記記録媒体上への記録は光硬化型のインクにより行われ、
    前記定着部では、前記記録媒体上の記録画像が光照射により光硬化されて定着される請求項1又は2に記載の画像読み取り方法。
  4. 前記第二プロセスにおいて前記読取部により前記テストパターンの前記濃度情報を取得する際の前記記録媒体の搬送速度は、前記第一プロセスにおいて前記読取部により前記テストパターンの前記濃度情報を取得する際の前記記録媒体の前記搬送速度よりも遅い請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読み取り方法。
  5. 前記搬送部は、前記記録媒体を搬送するドラム搬送体を含み、
    一つのドラム搬送体と対向する位置に前記記録部及び前記読取部の両者は配置される請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像読み取り方法。
  6. 前記記録部は、インクを吐出する複数のノズルを含み、
    前記読取部は、複数の読取画素を含み、
    前記テストパターンは、前記複数のノズルから吐出されるインクによって形成される複数のドットを含み、
    前記解析部において、前記第一プロセスにおいて取得される前記テストパターンの前記複数のドットの位置に関する前記第一の情報及び前記第二プロセスにおいて取得される前記テストパターンの前記複数のドットの位置に関する前記第二の情報から、前記ノズルと前記読取画素と前記テストパターンの前記濃度情報との対応関係が導き出される請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像読み取り方法。
  7. 記録媒体がセットされる給紙部と、前記給紙部の後段に配設され前記記録媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録部の後段に配設され前記記録媒体上の記録画像の濃度情報を取得する読取部と、前記読取部に接続され前記濃度情報を解析する解析部と、前記読取部の後段に配設され記録媒体上の記録を定着する定着部と、前記定着部の後段に配設される排紙部と、前記給紙部から前記排紙部に向かって前記記録媒体を搬送する搬送部と、少なくとも前記搬送部、前記記録部、前記読取部、前記解析部及び前記定着部を制御する制御部と、を備える画像記録装置であって、
    前記制御部は、第一プロセスモード及び第二プロセスモードを含む運転モードに応じて、少なくとも前記搬送部、前記記録部、前記読取部、前記解析部及び前記定着部を制御し、
    前記第一プロセスモードでは、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記記録部によって前記記録媒体上にテストパターンが記録され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第一の情報が前記解析部によって解析取得され、前記定着部により前記テストパターンが前記記録媒体上に定着され、前記テストパターンが定着された前記記録媒体が前記排紙部に排出されるように、前記制御部は制御を行い、
    前記第二プロセスモードでは、前記第一プロセスモードで前記排紙部に排出された前記記録媒体が前記給紙部にセットされ、前記給紙部にセットされた前記記録媒体が前記搬送部により搬送され、前記読取部により前記テストパターンの濃度情報が取得され、取得された前記濃度情報に基づいて前記テストパターンの位置に関する第二の情報と前記テストパターンの濃度情報とが前記解析部によって解析取得され、前記記録媒体が前記排紙部に排出されるように、前記制御部は制御を行い、
    前記解析部は、前記第一の情報と前記第二の情報とに基づいて、前記記録媒体の変化についての変化情報を取得し、当該変化情報及び前記濃度情報に基づいて濃度ムラ補正データを生成する画像記録装置。
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