JP2013236577A - 内服組成物 - Google Patents

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世高 愛宕
Kazuaki Kikuchi
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Abstract

【課題】タンパク質加水分解物の苦味が軽減された組成物の提供。
【解決手段】(A)卵黄タンパク質加水分解物と、(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを含有する内服組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は内服組成物に関する。より詳しくは、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が軽減された内服組成物に関する。
従来、タンパク質は、アミノ酸組成及び生体内での利用性等において優れた栄養学的特性を有しており、食品及び飲料等に広く利用されている。タンパク質の安定性の改善、消化吸収性の向上及び抗原性の低減等を目的として、タンパク質を加水分解したタンパク質加水分解物の利用が増加している。また、タンパク質加水分解物には、種々の生理機能が見出されている。
しかしながら、タンパク質を高度に加水分解すると、加水分解により生じた呈味性ペプチド及び/又は遊離アミノ酸等により苦味等の不快な風味が生じる場合があり、タンパク質加水分解物の利用が制限されることがある。この問題を解決するため、シュガーフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを配合してタンパク質加水分解物の苦味をマスキングする方法が報告されている(特許文献1)。しかし、この方法では別の味を付与することになるため、味のバランスが崩れるおそれがあり、また味の自由度が制限されるものである。また、別の問題解決手段として、エチルデカノエートを添加することでコラーゲン等の風味を改善する方法が報告されている(特許文献2)。しかし、エチルデカノエートは、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン、食用油等の食品添加物用有機溶剤や乳化剤等、あるいは、水に分散又は溶解させて使用する必要があるため、簡便とは言えない。従って、更なる有用な手段の開発が求められている。
特開2006−254791号公報 特開2006−197857号公報
本発明の目的は、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が軽減された組成物を提供することにある。
本発明者らは、卵黄タンパク質加水分解物とともに所定のポリフェノールを配合することで、卵黄タンパク質加水分解物の苦味を軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)卵黄タンパク質加水分解物と、(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを含有する内服組成物を提供する。また、本発明は、内服組成物中に、(A)卵黄タンパク質加水分解物と共に(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを配合することにより、内服組成物の苦味を軽減する方法を提供する。
本発明の内服組成物は、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が軽減されているため、摂取し易い。
本発明の内服組成物は、(A)卵黄タンパク質加水分解物(本明細書中、(A)成分と記載することもある)を含有する。卵黄タンパク質加水分解物の原料である卵黄は、鶏卵、アヒル卵及びウズラ卵等の鳥類の卵から卵白部を除去したものであれば特に制限されるものではないが、経済的観点から鶏卵が好ましい。卵黄は、生卵黄、凍結卵黄及び卵黄粉末等の任意の形態のものを原料として利用することができる。
また、脱脂卵黄粉末を原料として利用することができる。脱脂に用いる有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール及びヘキサン等の食品加工に一般に用いられる有機溶媒の使用が可能であるが、簡便性と安全性の点からエタノールが好ましく用いられる。
また、卵黄から卵黄油や卵黄レシチンを製造する際に副産物として生じる脱脂卵黄を原料として利用することもできる。
卵黄を加水分解処理することで、卵黄タンパク質加水分解物が得られる。加水分解は、塩酸等の酸又は水酸化ナトリウム等のアルカリで処理した後、中和する方法、タンパク質加水分解酵素で処理する方法及び高温処理する方法等の公知の方法を利用することができる。
タンパク質加水分解酵素は、植物、動物又は細菌由来のタンパク質加水分解酵素のいずれであってもよく、例えば、アスペルギルス属由来のプロテアーゼM「アマノ」SD、プロテアーゼA「アマノ」SD、プロテアーゼP「アマノ」3SD(以上、天野エンザイム社)、オリエンターゼ(登録商標)20A(以上、エイチビィアイ社)及びフレーバーザイム(登録商標)(ノボザイムズ社);リゾップス属由来のニューラーゼ(登録商標)F3G(天野エンザイム社);バシルス属由来のオリエンターゼ(登録商標)90N、オリエンターゼ(登録商標)10NL、オリエンターゼ(登録商標)22BF、ヌクレイシン(登録商標)(以上、エイチビィアイ社)、プロチンSD-AY10、プロチンSD-NY10、サモアーゼ(登録商標)PC10F(以上、天野エンザイム社)及びアルカラーゼ(登録商標)(ノボザイムズ社);動物臓器由来のパンクレアチン;植物由来のパパイン、ペプシン(EC.3.4.23.1)、トリプシン(EC.3.4.21.4)、レニン(EC.3.4.23.15)、レニンを含むチーズ用途のレンネット及びカルボキシペプチダーゼA(EC.3.4.17.1)が挙げられる。タンパク質加水分解酵素は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて卵黄タンパク質の加水分解に用いてもよい。
加水分解処理により得られる、卵黄タンパク質加水分解物を含有する処理液(抽出液)は、適宜、脱塩、遠心分離及びろ過等によって不溶物の除去を行ってもよく、さらに必要に応じてろ過助剤を用いてもよい。また、限外ろ過膜、ゲルろ過、各種カラムクロマトグラフィー、メンブレンフィルター及び等電点を利用した方法などで精製や分画してもよい。さらに、スプレードライ(噴霧乾燥)、蒸発乾燥、凍結乾燥等の方法で一旦、固化・粉末化してもよい。
卵黄タンパク質加水分解物は公知の方法に従って製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。公知の方法としては、国際公開第2006/07555号に記載された方法が挙げられる。好適な市販品としては、例えば、ボーンペップ(登録商標、ファーマフーズ社)、セイバリー(登録商標)EN−T(太陽化学社)、ペプチヨーク(登録商標、備前化成社)が挙げられる。
(A)卵黄タンパク質加水分解物は、内服固形組成物に使用可能なものであることが好ましい。本発明において、(A)卵黄タンパク質加水分解物は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
(A)卵黄タンパク質加水分解物の含有量は、特に制限されるものではないが、内服組成物が固形剤である場合には、内服組成物全量を基準として、例えば、0.002〜90W/W%、好ましくは0.02〜20W/W%、より好ましくは0.2〜2W/W%である。また、内服組成物が液剤もしくは半固形剤である場合には、内服組成物全量を基準として、例えば、0.0001〜50W/V%、好ましくは0.001〜10W/V%、より好ましくは0.01〜1W/V%である。なお、「卵黄タンパク質加水分解物の含有量」とは、複数の卵黄タンパク質加水分解物が内服組成物に含有される場合は、その合計含有量を意味する。
本発明の内服組成物は、(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノール(本明細書中、成分(B)と記載することもある)を含有する。(B)成分を含有することで、(A)成分の苦味を軽減することができる。
本発明における「(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノール」としては、(B)成分を含有する天然物から抽出・精製して得られる抽出物及び精製品、(B)成分を含有する天然物を粉末化したもの及び合成品のいずれも利用することもできる。これらのなかでも、天然物を粉末化したもの及び抽出物が安全性の面から好ましい。これらのポリフェノールは、市販品を入手するか、又は公知の方法に従って製造することができる。
本発明において(B)成分は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
(B)成分である、エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン及びルチンは、それぞれ、フリー体であっても、誘導体であっても、塩であってもよい。
本発明における「(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン及びルチンの塩」としては、エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン及びルチンの薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される任意の塩であればよい。薬理学的又は生理学的に許容できる塩としては、例えば、有機酸塩、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩〔例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等〕等が例示できる。
本発明において、これらの塩は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
エラグ酸、その誘導体及びその塩として、例えば、エラグ酸、3,4−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3’−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3’,4−トリ−o−メチルエラグ酸、3,3’,4,4’−テトラ−o−メチル−5−メトキシエラグ酸、3−o−エチル−4−o−メチル−5−ヒドロキシエラグ酸、エラジタンニン及びこれら化合物のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩及びカリウム塩)が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて、使用もよい。
エラグ酸、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、イチゴ、タラ(CaesalupiniaSpinosa)、ユーカリ材(Eucalyptus)、リンゴ、毒ウツギ(コリアリア、ヤポニカ)、ラジアタ松、クマコケモモ、クランベリー、ザクロ、アンマロク、ウキュウヨウ、エンフヨウ、ガイジチャ、カコウジュヨウ、カシ、キジュ、ケンジン、コウナカ、サンウキュウコン、サンウキュウヨウ、シュウフウボク、センクツサイ、ソウゲンロウカンソウ、ダイヒヨウソウ、ドウモウアンヨウ、ナッツ、ハオウベン、バンセキリュウカン、バンセキリュウヒ、ボウカ、モッショクシ、マンゴー、ヤトウセイカ、ヤトウセイヒ、ユカンコン、ユカンボクヒ、ユカンヨウ、ラズベリー、リュウガソウコン、バンセキリュウヨウ、ウキュウボクコンピ、シドコン、チンシュソウ及びゲンノショウコが挙げられ、エラグ酸、その誘導体及びその塩の含量が高い点から、ラズベリー、イチゴ、ザクロ、クランベリー、ナッツ及びマンゴーが好ましい。また、経済性及び入手の容易性等の観点から、イチゴが最も好ましい。
エラグ酸、その誘導体及びその塩としてイチゴを使用する場合、イチゴの花托部分を粉末化したものを使用するのが好ましい。粉末化は公知の方法が利用可能であり、例えば、イチゴの花托部分を凍結乾燥させた後に粉砕機で粉砕する方法が利用可能である。なお、イチゴ粉末には1〜500mg/100g程度のエラグ酸が含まれる。
クロロゲン酸、その誘導体及びその塩として、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸(クロロゲン酸)、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸、3−フェルリルキナ酸、4−フェルリルキナ酸、5−フェルリルキナ酸及び3−フェルリル−4−カフェオイルキナ酸が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて、使用してもよい。
クロロゲン酸、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、コーヒー生豆、ヨモギ類、ジャガイモ及びサツマイモが挙げられ、クロロゲン酸、その誘導体及びその塩の含量が高い点から、コーヒー生豆が好ましい。なお、コーヒー抽出物粉末には1000〜2000mg/100g程度のクロロゲン酸が含まれる。
没食子酸、その誘導体及びその塩として、例えば、没食子酸プロピル、デヒドロジ没食子酸、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド及び没食子酸−3,5−ジグルコシドが挙げられる。
没食子酸、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、栗、緑茶、ブドウ及びオーク樹皮が挙げられる。
ペラルゴニジン、その誘導体及びその塩として、例えば、ペラルゴニジンクロライド、ペラルゴニジングルコシド、ペラルゴンジンガラクトシド、ペラルゴニジンルチノシド、ペラルゴンジンアラビノシド、ペラルゴニジンラムノシド等の配糖体が挙げられる。
ペラルゴニジン、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、茄子、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、テンジクアオイ、ザクロ、バラ、カーネーション及びガーベラが挙げられる。
シアニジン、その誘導体及びその塩として、例えば、シアニジンクロライド、シアニジンガラクトシド、シアニジングルコシド、シアニジンルチノシド等の配糖体が挙げられる。
シアニジン、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、黒豆、紅いも、茄子、イチゴ、ブドウ、ラズベリー、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、ブラックベリー、アサイベリー、カシス、シソ、コケモモ、ハスカップ、センノウ、シクラメン、ハナショウブ及びサクランボが挙げられる。
ケルセチン、その誘導体及びその塩として、例えば、ケルセチンペンタアセタート、3−O−メチルケルセチン、3’,4’−ジ−O−メチルケルセチン、5,7−ジ−O−メチルケルセチン、ケルセチン、ヒペロシド、ケルセチン3−グルクロニド、ケルセチン4’−グルコシド、ケルセチン3−グルコシド、ケルセチン3,4’−ジグルコシド、カリアチン、3,7−ジメチルケルセチン、ケルセチン3,3’−ジメチルエーテル、イソラムネチン、ラムネチン、パキポドール、デスメトキシセンタウレイジン、ラムナジン、ケルセチン3−(6−O−マロニル)グルコシド、ケルセチン3,7−ジグルコシド、3,3’,5−トリ−O−メチルケルセチン、3’,5−ジ−O−メチルケルセチン、3−(2−O−α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−3’,4’,5,7−テトラヒドロキシフラボン、ケルセチン3−β−D−キシロピラノシド、ケルセチン3−(2−O−ガロイルグルコシド)、ケルセチン3−マロニルガラクトシド、ケルセチン3−(2−アセチルグルコシド)及びケルセチン3’−O−β−D−ガラクトピラノシドが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて、使用してもよい。
ケルセチン、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、たまねぎ、林檎、ほうれん草、松葉、ケール、パセリ、緑茶、ブドウ及びカカオ豆が挙げられ、ケルセチン、その誘導体及びその塩の含量が高い点から、たまねぎの皮が好ましい。
ルチン、その誘導体及びその塩は、例えば、ルチン(3−ラムノグルコシド−3,5,7,3’,4’−ペンタヒドロキシフラボン)が挙げられる。ルチン、その誘導体及びその塩はルチナーゼ等の酵素で処理したものであってもよく、これは糖転移ルチン或いは水溶性ルチンとも呼ばれる。
ルチン、その誘導体及びその塩を含有する天然物としては、例えば、ヘンルーダ(Ruta graveolens)、エンジュ(Sophra japonica)の花蕾及びそばが挙げられ、ルチン、その誘導体及びその塩の含量が高い点から、そばが好ましい。
本発明における(B)成分は、エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを使用することができるが、好ましくは、エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジンクロライド、シアニジンクロライド、ケルセチン、ルチンからなる群より選択される1種以上であり、さらに好ましくはエラグ酸又はクロロゲン酸である。
(B)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、(A)成分の苦みを効果的に、抑制するという観点から、内服組成物が固形剤である場合には、内服組成物全量を基準として、例えば、0.00001〜50W/W%、好ましくは0.0001〜1W/W%、より好ましくは0.0001〜0.1W/W%である。また、内服組成物が液剤もしくは半固形剤である場合には、内服組成物全量を基準として、例えば、0.0000001〜1W/V%、好ましくは0.000001〜0.1W/V%、より好ましくは0.000005〜0.05W/V%である。なお、(B)成分の含有量はHPLC法、LC−MS法、及びこれらを組み合わせた方法等、常法により測定できる。また、「(B)成分の含有量」とは、複数の(B)成分が内服組成物に含有される場合は、その合計含有量を意味する。
(A)成分に対する(B)成分の含有比率については、特に制限されるものではないが、(A)成分の苦みを効果的に、抑制するという観点から、(A)成分100重量部に対して、(B)成分の含有量が0.0001〜100重量部であることが好ましく、0.001〜25重量部であることがより好ましく、0.003〜10重量部であることがさらに好ましい。
本発明の内服組成物は、上記(A)成分及び(B)成分の他に、組成物の用途あるいは剤形に応じて、食品、医薬品に通常使用される成分を適宜含有しても良い。含有可能な成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質、多糖類、界面活性剤、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤または香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤及び光沢化剤を挙げることができる。
本発明の内服組成物の剤形は、特に限定されず、適宜公知の剤形に調製することができる。組成物の用途に応じて、食品、医薬品に通常使用され得る剤形をとることができ、内服が可能であることを限度として、特に制限されない。具体的には、錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、糖衣錠、フィルムコーティング錠及びゼリー状ドロップ剤等を含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤及びシロップ剤等を含む)及びゼリー剤等の公知の形態をとることができ、好ましくは、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤又は液剤である。また、製菓剤(キャンディー(飴)、グミ剤、ヌガー剤など)の形態であってもよい。
本発明の内服組成物の剤形が顆粒剤、細粒剤及び散剤の場合、内服組成物を水及び牛乳等の液体に溶解して摂取してもよい。
本発明の内服組成物の用途は、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、例えば医薬品、医薬部外品、食品[健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメントなど)、栄養機能食品、特定保健用食品、老人用食品、特別用途食品、機能性食品、もしくは製菓を含む]などに利用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
試験例1
表1に示す比較例1〜2及び実施例1〜3の内服組成物をそれぞれ調製して、各内服組成物の苦味を評価した。具体的には、表1に記載の各成分を秤量し、70mLの精製水に溶解した。得られた溶液を精製水で100mLとして、内服組成物を得た。内服組成物を内服した直後に感じられる「苦味」について、苦味を感じられない場合を1、苦味を最も強く感じられる場合を5とする5段階の数値すなわち苦味スコアで評価した。パネラーは、卵黄タンパク質加水分解物のみを含有する内服組成物についての苦味スコアが3以上である者を選択した。各パネラーの苦味スコアを用いて、苦味軽減率を下記により算出した:
苦味軽減率(%)={(コントロールの苦味スコア)−(各サンプルの苦味スコア)}/(コントロールの苦味スコア)×100。
なお、試験例1においては、比較例1をコントロールとした。
表1における成分含有量の単位はmg/Lであり、卵黄タンパク質加水分解物として、ボーンペップ(登録商標、ファーマフーズ社製)を用いた。他の試験例でも同様である。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物を含有する内服組成物の苦味は、エラグ酸又はクロロゲン酸を配合することで、顕著に軽減された(実施例1及び2)。これに対して、卵黄タンパク質加水分解物を含有する内服組成物の苦味は、カフェイン又はナリンジンを配合しても、苦味が軽減されないばかりか、却って苦味が強くなった(比較例2及び3)。
これらの結果から、特定のポリフェノールを配合することにより、卵黄タンパク質加水分解物の苦味を顕著に軽減できることが明らかとなった。
試験例2
表2に示す比較例4及び実施例3〜8の内服組成物をそれぞれ調製して、試験例1と同様に、各内服組成物の苦味を評価した。試験例2においては、比較例4をコントロールとして苦味軽減率を算出した。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物500mg/Lに対して、エラグ酸を0.016〜50mg/L含有する内服組成物では、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が顕著に軽減され(実施例3〜8)、エラグ酸を2mg/L含有する実施例6において、苦味軽減効果が最も高かった。
試験例3
表3に示す比較例5及び実施例9〜12の内服組成物をそれぞれ調製して、試験例1と同様に、各内服組成物の苦味を評価した。試験例3においては、比較例5をコントロールとして苦味軽減率を算出した。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物300mg/Lに対して、エラグ酸を0.08〜10mg/L含有する内服組成物では、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が顕著に軽減された(実施例9〜12)。
試験例4
試験例2の比較例4及び表4に示す実施例13〜17の内服組成物をそれぞれ調製して、試験例1と同様に、各内服組成物の苦味を評価した。試験例4においては、比較例4をコントロールとして苦味軽減率を算出した。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物500mg/Lに対して、クロロゲン酸を0.08〜50mg/L含有する内服組成物では、卵黄タンパク質加水分解物の苦味が顕著に軽減され(実施例13〜17)、クロロゲン酸を10mg/L含有する実施例16において、苦味軽減効果が最も高かった。
試験例5
試験例1の比較例1及び表5に示す実施例18〜28の内服組成物をそれぞれ調製して、試験例1と同様に、各内服組成物の苦味を評価した。試験例5においては、比較例1をコントロールとして苦味軽減率を算出した。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物を含有する内服組成物の苦味は、没食子酸、ペラルゴニジンクロライド、シアニジンクロライド、ケルセチン又はルチンを配合することで、顕著に軽減された(実施例18〜28)。
これらの結果から、没食子酸、ペラルゴニジンクロライド、シアニジンクロライド、ケルセチン又はルチンを配合することによっても、卵黄タンパク質加水分解物の苦味を顕著に軽減できることが明らかとなった。
試験例6
表6に示す比較例6〜17及び実施例29の内服組成物をそれぞれ調製して、試験例1と同様に、各内服組成物の苦味を評価した。試験例6においては、エラグ酸又はクロロゲン酸を含まない比較例をコントロールとして苦味軽減率を算出した。具体的には、比較例7においては比較例6を、比較例9においては比較例8を、比較例11においては比較例10を、比較例13及び比較例16においては比較例12を、比較例15及び比較例17においては比較例14を、実施例29においては比較例1をそれぞれコントロールとして、苦味軽減率を算出した。卵白ペプチドとして、ランペップ(登録商標)(ファーマフーズ社製)、グロビンペプチドとして、グロビン蛋白分解物(エムジーファーマ社製)、大豆ペプチドとして、ハイニュート(登録商標)DC6(不二製油社製)、魚コラーゲンペプチドとして、水溶性フィッシュコラーゲンペプチド(協和発酵バイオ社製)、豚コラーゲンペプチドとして、Peptan P5000HD(ルスロ社製)を用いた。なお、比較例1及び実施例1の結果も表6にあわせて記載した。
Figure 2013236577
卵黄タンパク質加水分解物を含有する内服組成物の苦味は、エラグ酸を配合することで、顕著に軽減された(実施例1)。これに対して、卵黄タンパク質以外のタンパク質加水分解物である、卵白ペプチド、グロビンペプチド、魚コラーゲンペプチド又は豚コラーゲンペプチドを含有する内服組成物の苦味は、エラグ酸を配合しても苦味が軽減されなかった(比較例7、9、13及び15)。さらに、大豆ペプチドを含有する内服組成物の苦味は、エラグ酸を配合しても、苦味が軽減されないばかりか却って苦味が強くなった(比較例11)。
同様に、卵黄タンパク質加水分解物を含有する内服組成物の苦味は、クロロゲン酸を配合することで、顕著に軽減された(実施例29)。これに対して、卵黄タンパク質以外のタンパク質加水分解物である、魚コラーゲンペプチド又は豚コラーゲンペプチドを含有する内服組成物の苦味は、クロロゲン酸を配合しても苦味が軽減されなかった(比較例16及び17)。
これらの結果より、特定のポリフェノールが有する苦味軽減効果は、タンパク質加水分解物の中でも卵黄タンパク質加水分解物の苦味に対して特異的であることが明らかとなった。
常法に従い、卵黄タンパク質加水分解物及び所定のポリフェノールを含む内服組成物である、製造例1〜6の組成物を製造した。表7〜8に製剤例1〜7の組成を示す。
Figure 2013236577
Figure 2013236577
Figure 2013236577

Claims (4)

  1. (A)卵黄タンパク質加水分解物と、
    (B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノール
    を含有する内服組成物。
  2. (A)成分が酵素加水分解物である、請求項1に記載の内服組成物。
  3. (A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が0.001〜25重量部である、請求項1又は2に記載の内服組成物。
  4. 内服組成物中に、(A)卵黄タンパク質加水分解物と共に(B)エラグ酸、クロロゲン酸、没食子酸、ペラルゴニジン、シアニジン、ケルセチン、ルチン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを配合することを特徴とする、内服組成物の苦味を軽減する方法。
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