JP2013235812A - 燃料電池用電極触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い質量活性を有する貴金属担持電極触媒、及びその簡便で経済的な貴金属担持電極触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子と、該触媒粒子を担持する担体とを含む電極触媒であって、粒径が3.5nm以下であり、かつ遷移金属の含有率が3原子%以上である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して50%以上である上記電極触媒に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い質量活性を有する貴金属担持電極触媒、及びその簡便で経済的な貴金属担持電極触媒の製造方法に関する。
従来から、高分子型燃料電池の電極触媒の触媒成分として、白金等の貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。しかしながら、従来の燃料電池においては、触媒成分として用いられる白金が長期間使用するうちに酸化や溶融等により性能が低下するため、白金を多く使用する必要があり、資源及びコストの面で問題があった。例えば自動車用燃料電池に関しては、自動車1台あたりの白金使用量が多く、将来の普及のためには白金の使用量を大幅に低減させる必要性があった。
特許文献1には、導電性担体上に、貴金属及び遷移金属の1種以上からなる合金が担持され、且つ水浸pHが6.0以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒が記載されている。特許文献1には、触媒の表面特性を水浸pHが6.0以上として触媒表面を疎水性にすることにより、MEAにしたときに排水性がよくなり(フラッディング現象を抑制する)、水生成量が多い高電流域での電圧低下を抑制できることが記載されている。また特許文献1には、触媒粒子の粒径は5nm以下であることが好ましいことが記載されている。しかしながら、実施例において触媒粒子の粒径が5nm以下である電極触媒は得られているものの、触媒粒子におけるコバルトの含有率が低く、比活性(Specific Activity:SA)が低い点で問題があった。また、特許文献1の実施例に記載される電極触媒の製造方法においては、カーボン担体に白金を還元担持させ、これを乾燥・粉砕後、コバルトを担持し、また乾燥・粉砕後、熱処理により白金とコバルトを合金化して酸素還元活性を持たせており、製造工程が煩雑であるという点で問題があった。
特許文献2には、陽イオン交換膜燃料電池用のPt−M/C(Mは,遷移金属又は遷移金属の合金)担持電極触媒の製造方法が記載されている。具体的には、まず、遷移金属の前駆体をエチレングリコールに溶解させ、その溶液を担体と初期湿潤法を利用して混合し、次に、前記混合物を攪拌しつつ、50〜95℃まで加熱して乾燥させた後に真空で乾燥させている。特許文献2に記載の方法によれば、得られた電極触媒中の白金及び遷移金属が均一に分布した電極触媒が得られるとされているが、このことは具体的には示されていない。
非特許文献1には、有機溶媒を使用したポリオール還元法で表面が有機保護剤で覆われたPtNiCo等のナノ粒子を合成し、これをカーボン担体に担持し、熱処理により保護剤を除去することにより、高い酸素還元活性を示す電極触媒が得られることが記載されている。しかしながら、有機溶媒として使用されているオクチルエーテル等の原料が非常に高価であるため、量産性が低いという問題があった。また、熱処理により保護剤が十分除去できない可能性があるという問題があった。
したがって、貴金属の量をさらに低減すべく、より質量活性(Mass Activity:MA)の高い電極触媒、及びより簡便で経済的な電極触媒の製造方法を開発することが望まれていた。
特開2006−179427号公報 特開2006−253147号公報
本発明は、高い質量活性を有する貴金属担持電極触媒、及びその簡便で経済的な貴金属担持電極触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子と、該触媒粒子を担持する担体とを含む電極触媒において、粒径が3.5nm以下であり、かつ遷移金属の含有率が3原子%以上である触媒粒子を、触媒粒子全体の個数に対して50%以上存在させることにより、質量活性を高めることが可能となることを見出した。また、担体への担持工程において溶媒としてエチレングリコールを用い、その後150℃以上に昇温することにより、より簡便で経済的に電極触媒を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子と、該触媒粒子を担持する担体とを含む電極触媒であって、
粒径が3.5nm以下であり、かつ遷移金属の含有率が3原子%以上である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して50%以上である上記電極触媒。
(2)触媒粒子の平均粒径が2.0〜3.5nmである、上記(1)に記載の電極触媒。
(3)触媒粒子において、貴金属の遷移金属に対する組成比が、原子%で1〜30である、上記(1)又は(2)に記載の電極触媒。
(4)触媒粒子の含有量が、電極触媒100質量部に対して、5〜60質量部である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電極触媒。
(5)触媒粒子が遷移金属原子を均一に含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電極触媒。
(6)貴金属が白金である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電極触媒。
(7)遷移金属が、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)及び金(Au)からなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電極触媒。
(8)遷移金属がコバルトである、上記(7)に記載の電極触媒。
(9)担体が、活性炭、伝導性炭素、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンモレキュラーシーブ及びカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電極触媒。
(10)(a)貴金属の前駆体、遷移金属の前駆体及び担体をエチレングリコールに分散させる工程、及び
(b)得られた分散液を150℃以上まで加熱して、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子を担体上に形成させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
(11)工程(a)の後かつ工程(b)の前に、得られた分散液に還元促進剤を加える工程(a1)をさらに含む、上記(10)に記載の方法。
(12)工程(a1)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程(a2)をさらに含む、上記(11)に記載の方法。
(13)工程(a)において、貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後に、担体を加えて分散させる、上記(10)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ担体を加えて分散させる前に、還元促進剤を加える、上記(13)に記載の方法。
(15)貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ還元促進剤を加える前に、水を加える、上記(14)に記載の方法。
(16)還元促進剤を加えた後、かつ担体を加えて分散させる前に、水を加える、上記(14)に記載の方法。
(17)担体を加えて分散させた後に、水を加える、上記(14)に記載の方法。
(18)工程(a)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程をさらに含む、上記(10)及び(13)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19)還元促進剤を、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の3.5〜7.0倍当量加える、上記(11)、(12)及び(14)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(20)水を、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の20〜100倍mol加える、上記(15)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(21)工程(b)の後に、担体上に形成された触媒粒子を不活性ガス雰囲気中200〜1000℃で焼成する工程(c)をさらに含む、上記(10)〜(20)のいずれかに記載の方法。
(22)貴金属の前駆体が、白金の塩又は錯体である、上記(10)〜(21)のいずれかに記載の方法。
(23)遷移金属の前駆体が、遷移金属の塩又は錯体である、上記(10)〜(22)のいずれかに記載の方法。
(24)遷移金属がコバルトである、上記(23)に記載の方法。
本発明によれば、高い質量活性を有する貴金属担持電極触媒、及びその簡便で経済的な貴金属担持電極触媒の製造方法を提供することができる。さらには、本発明によれば、電極触媒の製造に使用する貴金属の量を低減させることができる。
図1は、実施例1の電極触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す図である。 図2は、TEM像から測定した、実施例1及び比較例1、2の電極触媒の触媒粒子の粒子径分布を示す図である。 図3は、TEMを用いたEDX点分析による、触媒粒子中央部分(右上)及び触媒粒子が存在しない部分(右下)の元素分析結果を示す図である。 図4は、実施例1及び比較例1の電極触媒について、触媒粒子の粒径に対してコバルト含有率をプロットしたグラフを示す図である。 図5は、実施例2−14の電極触媒について、加えた水酸化ナトリウムの量に対してコバルト含有率をプロットしたグラフを示す図である。 図6は、実施例2−5、9及び15−18の電極触媒について、加えた水の量に対して反応面積(ECA)をプロットしたグラフを示す図である。
本発明の電極触媒は、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子と、該触媒粒子を担持する担体とを含む電極触媒であり、粒径が3.5nm以下であり、かつ遷移金属の含有率が3原子%以上である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して50%以上であることを特徴とする。本発明の電極触媒は、触媒粒子の粒径が小さいために反応面積が大きく、合金触媒として反応に寄与できる触媒粒子を多く含むために比活性が従来のものより優れる。これにより、本発明の電極触媒は質量活性に優れる。上記粒径はTEM像から測定することができる。好ましくは、本発明の電極触媒は、粒径が1.0〜3.5nmであり、かつ遷移金属の含有率が3〜15原子%である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して50〜80%である。
本発明の電極触媒は、粒径が3.5nm以下である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが特に好ましい。
本発明の電極触媒は、粒径が3.0nm以下である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して20〜80%であることが好ましく、25〜70%であることが特に好ましい。
本発明の電極触媒は、触媒表面の面積を増大させ、また、より多くの触媒粒子が反応に寄与することを可能として、触媒活性を向上させる観点から、触媒粒子の平均粒径が2.0〜3.5nmであることが好ましく、2.2〜3.0nmであることが特に好ましい。触媒粒子の平均粒径は、X線回析(X−ray diffraction:XRD)法により(220)面のピーク位置から算出することができる。
本発明の電極触媒は、触媒粒子において、貴金属の遷移金属に対する組成比が、比活性向上の観点から、原子%で1〜30であることが好ましく、3〜25であることが特に好ましい。貴金属の使用量を低減する観点から、遷移金属を多く含むことが好ましい。
本発明の電極触媒は、触媒粒子の含有量が、電極触媒100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、15〜35質量部であることが特に好ましい。
本発明の電極触媒は、比活性向上の観点から、触媒粒子が遷移金属原子を均一に含有することが好ましい。ここで、「均一」であることは、例えば、TEM−EDXにより遷移金属を含む触媒粒子の割合が高いこと、又は貴金属が白金である場合には、XRDにおいて、Pt(111)又はPt(220)ピークのシフトから固溶度を計算することにより推測することができる。
本発明の電極触媒に使用される貴金属としては、白金(Pt)を使用することが好ましい。白金は高価な貴金属であるため、少ない担持量で十分な性能を発揮させることが好ましい。
本発明の電極触媒に使用される遷移金属としては、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)及び金(Au)からなる群から選択される少なくとも1種であるものが挙げられ、これらの中で、コバルト、イリジウム、鉄、ニッケル、パラジウム、クロム、マンガン及び金が好ましく、コバルトが特に好ましい。
本発明の電極触媒に使用される担体としては、触媒粒子を担持できるとともに、それ自体が導電性を具備するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、活性炭、伝導性炭素、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンモレキュラーシーブ及びカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1種であるものが挙げられる。これらの中で、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー及びカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックが特に好ましい。触媒粒子を担持する目的のために、導電性を具備し、かつ比表面積が大きい担体材料が好ましい。前記のような特徴を具備する担体を用いることにより、より広い触媒担持面積を確保することが可能となる。これによって、担持される触媒粒子の微小化を図ることができるため、結果として触媒活性を向上させることが可能となる。よって、これらの中では、Ketjen EC(ケッチェンブラックインターナショナル製)、アセチレンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル製)、バルカンXC−72R(Cabot製)、デンカブラック(DENKA製)のようなカーボン粉末が好ましい。
本発明の電極触媒の、貴金属の表面積(Electro Chemical Area:ECA)は、50〜100m/gであることが好ましく、65〜90m/gであることが特に好ましい。
本発明の電極触媒の、貴金属に対するCO吸着量は、30〜100ml/gであることが好ましく、35〜80ml/gであることが特に好ましい。
本発明の電極触媒の製造方法は、
(a)貴金属の前駆体、遷移金属の前駆体及び担体をエチレングリコールに分散させる工程、及び
(b)得られた分散液を150℃以上まで加熱して、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子を担体上に形成させる工程を含むことを特徴とする。本発明の電極触媒の製造方法において、エチレングリコールは、溶媒、還元剤及び触媒粒子保護剤として用いることができるため、オクチルエーテル等の高価な溶媒を使用する必要がない。エチレングリコールは穏和な条件下で還元作用を示すという点でも優れる。また、貴金属の前駆体、遷移金属の前駆体及び担体の分散液を150℃以上に昇温することにより、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子を担体上に直接担持することができる。よって、本発明の電極触媒の製造方法によれば、より簡便で経済的に電極触媒を製造することができる。
工程(a)において使用される貴金属の前駆体は、貴金属の塩又は錯体であることが好ましい。貴金属が白金である場合、白金の塩又は錯体としては、例えば、塩化白金酸六水和物、二価の塩化白金(II)、臭化白金(II)、ヨウ化白金(II)、白金(II)アセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸白金(II)、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウム、ビス(エチレンジアミン)白金(II)クロリド 、ジクロロビス(ピリジン)白金(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、ジクロロジアンミン白金(II)、1,1-シクロブタンジカルボシラトジアンミン白金(II)、亜硝酸ジアンミン白金(II)、二臭化(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金(II)、ジクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)、ジクロロ(ジシクロペンタジエニル)白金(II)、ジヨード(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)、ジメチル(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)、炭酸水素テトラアンミン白金(II)、及び硝酸テトラアミン白金(II)等が挙げられ、これらの中で、溶媒への溶解性及び価格の観点から、塩化白金酸六水和物等が好ましい。
工程(a)において使用される遷移金属の前駆体は、遷移金属の塩又は錯体であることが好ましい。遷移金属の塩としては、上記に挙げられる遷移金属の塩化物、窒化物、酸化物及びハロゲン化物等が挙げられる。遷移金属の錯体としては、配位子として、アシル、カルボニル、チオシアネート、イソシアネート、シアネート、イソシアネート、アルコキシド、ハロゲン原子等の単座配位子、アセチルアセトネート、各種カルボン酸等の二座配位子等を有するものが挙げられ、溶媒への溶解性及び価格の観点から、塩化物及びハロゲン化物等を有するものが好ましい。遷移金属がコバルトである場合、コバルトの塩又は錯体としては、塩化コバルト、酢酸コバルト、コバルト錯体(III)アセチルアセトネート、コバルトオクタカルボニルビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ジコバルトオクタカルボニル、ヘキサアンミンコバルト(III) クロリド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)二水和物等が挙げられ、これらの中で、溶媒への溶解性及び価格の観点から、塩化コバルト及び酢酸コバルト等が好ましい。
工程(b)において、エチレングリコールの酸化を促進し、貴金属及び遷移金属の還元を促進するために、得られた分散液を150℃以上、好ましくは170〜197℃に加熱し、好ましくは還流させた状態で、0.5〜2時間保持する。尚、エチレングリコールの沸点は、197.3℃である。貴金属及び遷移金属の還元速度を制御する観点から、昇温速度を制御することが好ましい。
工程(b)において、後処理として、常圧又は減圧下における生成物の乾燥処理を行ってもよい。
本発明の電極触媒の製造方法は、工程(a)の後かつ工程(b)の前に、得られた分散液に還元促進剤を加える工程(a1)をさらに含んでもよい。還元促進剤を添加することにより、水酸化物の生成を促進し、これにより、貴金属及び遷移金属の還元を促進することができる。還元促進剤としては、水酸化物の生成を促進することができるものであれば特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明の電極触媒の製造方法は、工程(a1)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程(a2)をさらに含んでもよい。不活性ガスをバブリングすることにより、貴金属及び遷移金属の酸化及び凝集を抑制することができる。不活性ガスとしては、希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン及びアルゴン等)、窒素等、及びこれらの混合気体が挙げられ、価格の観点から、窒素を用いることが好ましい。
本発明の電極触媒の製造方法の工程(a)において、貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後に、担体を加えて分散させてもよい。
工程(a)は、触媒粒子中の遷移金属の含有率を増加させて電極触媒の比活性や反応面積を向上させる観点から、さらに還元促進剤及び/又は水を添加する工程を含むことが好ましい。還元促進剤としては、水酸化物の生成を促進することができるものであれば特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好ましい。還元促進剤は安全性の観点からエチレングリコールに溶解させて添加することが好ましい。
還元促進剤は、貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ担体を加えて分散させる前に加えることができる。貴金属や遷移金属の水酸化物が担体上に塊で析出、吸着してエチレングリコールを介した反応が阻害されることを回避し、貴金属と遷移金属とがより均一に分散した電極触媒を得る観点から、還元促進剤を担体よりも前に加えることが好ましい。
水は、貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ還元促進剤を加える前(方法I)、還元促進剤を加えた後、かつ担体を加えて分散させる前(方法II)、又は、担体を加えて分散させた後(方法III)に加えることができる。金属塩が還元促進剤と前駆体を形成する前に水相へ拡散してエチレングリコールを介した反応が阻害されることを回避する観点から、水を添加する前に還元促進剤を加える方法II及び方法IIIが好ましい。
還元促進剤は、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の3.5〜7.0倍当量、好ましくは3.7〜6.5倍当量加えることができる。また、水は、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の20〜100倍mol、好ましくは30〜60倍mol加えることができる。還元促進剤の添加量及び/又は水の添加量を制御することで、遷移金属の水酸化物の析出を促進し、触媒粒子中の遷移金属の含有率を増加させることにより、得られる電極触媒の比活性や反応面積を向上させることができる。遷移金属の水酸化物の析出速度は水系にあるOH-が遷移金属イオンが存在する非水系に拡散する速度で決まると考えられる。そして、還元促進剤及び/又は水の添加による遷移金属の水酸化物の析出速度の制御と、主にエチレングリコールを使用することによる貴金属の析出速度の制御を組み合わせて行うことにより、触媒粒子の粒子径と構造(均一性)を最適化することができる。ここで、「遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量」とは、例えば、遷移金属の前駆体として塩化コバルト(II)を使用した場合、対応する水酸化物であるCo(OH)の生成に必要な水酸化物イオンの量を意味し、添加した塩化コバルト中のコバルトのモル数に2を乗じた値となる。
本発明の電極触媒の製造方法は、工程(a)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程をさらに含んでもよい。不活性ガスをバブリングすることにより、貴金属及び遷移金属の酸化及び凝集を抑制することができる。不活性ガスとしては、希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン及びアルゴン等)、窒素等、及びこれらの混合気体が挙げられ、価格の観点から、窒素を用いることが好ましい。
本発明の電極触媒の製造方法は、触媒粒子の合金化を促進するために、工程(b)の後に、担体上に形成された触媒粒子を不活性ガス雰囲気中200〜1000℃、好ましくは400〜800℃で焼成する工程(c)をさらに含んでもよい。不活性ガスとしては、希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン及びアルゴン等)、窒素等、及びこれらの混合気体が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
実施例1及び比較例1−3
[実施例1]
塩化白金酸六水和物[アルドリッチ製]0.392g及び塩化コバルト0.098gをエチレングリコール[ナカライテスク製]250mLに溶解した。この溶液にエチレングリコール中の1M水酸化ナトリウム溶液を数mL滴下した。これに、細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3gを添加し、スターラーで撹拌した。
次に、窒素ガスを用いて、この溶液を30分以上バブリングした。その後、撹拌・バブリングを続けながら、溶液の温度を上げて2時間還流させた。次に、溶液を室温まで下げて濾過し、得られた生成物を60℃の純水300mLで撹拌・濾過し、これを5回繰り返した。生成物を自然乾燥させた。
これを197℃で減圧乾燥・粉砕し、アルゴンガス流中、400℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。得られた電極触媒は、電極触媒100質量部に対して、18質量部の白金及び0.63質量部のコバルトを含有した。
[比較例1]
純水500mLに細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3g添加し、これに塩化白金酸六水和物0.8gを添加し、還元促進剤としてアンモニア溶液数mLを添加し、スターラーで撹拌後濾過し、生成物を60℃の純水で洗浄し、自然乾燥させ、これを粉砕して白金担持カーボンを得た(白金担持カーボン100質量部に対して白金を50質量部含む)。
得られた白金担持カーボン0.6gを純水500mLに分散させ、塩化コバルト0.1gを添加し、還元促進剤としてアンモニア溶液数mLを添加し、スターラーで撹拌後濾過し、生成物を60℃の純水で洗浄し、自然乾燥させ、これを粉砕した。
これをアルゴンガス流中、800℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。得られた電極触媒は、電極触媒100質量部に対して、43質量部の白金及び1.7質量部のコバルトを含有した。
[比較例2]
純水500mLに細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3g添加し、これに塩化白金酸六水和物0.392gを添加し、還元促進剤としてアンモニア溶液数mLを添加し、スターラーで撹拌後濾過し、生成物を60℃の純水で洗浄し、自然乾燥させ、これを粉砕して白金担持カーボンを得た(白金担持カーボン100質量部に対して白金を30質量部含む)。
得られた白金担持カーボン0.43gを純水500mLに分散させ、塩化コバルト0.098gを添加し、還元促進剤としてアンモニア溶液数mLを添加し、スターラーで撹拌後濾過し、生成物を60℃の純水で洗浄し、自然乾燥させ、これを粉砕した。
これをアルゴンガス流中、800℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。得られた電極触媒は、電極触媒100質量部に対して、28質量部の白金及び1.0質量部のコバルトを含有した。
[比較例3]
白金ジアセチルアセトネート(Pt(acac))1.57g及びコバルトジアセチルアセトネート(Co(acac))1.57gをオクチルエーテル450mLに溶解した。これに、ヘキサデカンジオール4.2g、オレイン酸3mL、オレイルアミン3mLを順次溶解させた。
次に、窒素ガスを用いて、この溶液を30分以上バブリングした。その後、撹拌・バブリングを続けながら、溶液の温度を260℃まで上げて、2時間還流させた。次に、溶液を室温まで下げ、溶液をエタノール1000mLに加えて撹拌後放置し、上澄みを除去した。得られた固形分(保護剤で被覆された白金コバルト粒子)0.10gをヘキサン100mLに再度分散させた。これに、カーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.15g(白金100質量部に対して30質量部)をヘキサン250mLに分散し、これを白金コバルト粒子が分散された上記溶液に添加し、撹拌後放置し、上澄みを除去した。
これを水素/窒素ガス流中、400℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。得られた電極触媒は、電極触媒100質量部に対して、28質量部の白金及び8質量部のコバルトを含有した。
実施例2−18
[実施例2]
1.塩化白金酸六水和物[アルドリッチ製]0.392g及び塩化コバルト0.098gをエチレングリコール[ナカライテスク製]250mLに溶解した。
2.この溶液にエチレングリコール中の1M水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム4gをエチレングリコール97gに溶解させたもの)を5.5mL滴下した。
3.これに、細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3gを添加し、スターラーで撹拌した。
4.水を1g添加した。
5.次に、窒素ガスを用いて、この溶液を30分以上バブリングした。
6.その後、撹拌・バブリングを続けながら、溶液の温度を上げて2時間還流させた。
7.次に、溶液を室温まで下げて濾過し、得られた生成物を60℃の純水300mLで撹拌・濾過し、これを5回以上繰り返した。生成物を自然乾燥させた。
8.これを197℃で減圧乾燥・粉砕し、アルゴンガス流中、600℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。
[実施例3]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を8mL滴下し、工程(4)において水を0.6g添加したこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例4]
1.塩化白金酸六水和物[アルドリッチ製]0.392g及び塩化コバルト0.098gをエチレングリコール[ナカライテスク製]250mLに溶解した。
2.この溶液にエチレングリコール中の1M水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム4gをエチレングリコール97gに溶解させたもの)を11.2mL滴下した。
3.水を1.2g添加した。
4.これに、細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3gを添加し、スターラーで撹拌した。
5.次に、窒素ガスを用いて、この溶液を30分以上バブリングした。
6.その後、撹拌・バブリングを続けながら、溶液の温度を上げて2時間還流させた。
7.次に、溶液を室温まで下げて濾過し、得られた生成物を60℃の純水300mLで撹拌・濾過し、これを5回以上繰り返した。生成物を自然乾燥させた。
8.これを197℃で減圧乾燥・粉砕し、アルゴンガス流中、600℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。
[実施例5]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を9.3mL滴下し、工程(4)において水を2g添加したこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例6]
工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例7]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を1.5mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例8]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を4mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例9]
工程(4)において水を添加せず、工程(6)において溶液の温度を3.2℃/分で上げたこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例10]
工程(4)において水を添加せず、工程(6)において溶液の温度を4.9℃/分で上げたこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例11]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を7.9mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例12]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を11.2mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例13]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を12.2mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例14]
工程(2)において1M水酸化ナトリウム溶液を14mL滴下し、工程(4)において水を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例15]
工程(4)において水を0.2g添加したこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例16]
工程(4)において水を3.6g添加したこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例17]
工程(4)において水を10g添加したこと以外は、実施例2と同様にして電極触媒を得た。
[実施例18]
1.塩化白金酸六水和物[アルドリッチ製]0.392g及び塩化コバルト0.098gをエチレングリコール[ナカライテスク製]250mLに溶解した。
2.これに、細かく粉砕したカーボンブラック[ケッチェンブラックインターナショナル製、(商品名)Ketjen Black EC300]0.3gを添加し、スターラーで撹拌した。
3.この溶液にエチレングリコール中の1M水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム4gをエチレングリコール97gに溶解させたもの)を11.2mL滴下した。
4.水を1.2g添加した。
5.次に、窒素ガスを用いて、この溶液を30分以上バブリングした。
6.その後、撹拌・バブリングを続けながら、溶液の温度を上げて2時間還流させた。
7.次に、溶液を室温まで下げて濾過し、得られた生成物を60℃の純水300mLで撹拌・濾過し、これを5回以上繰り返した。生成物を自然乾燥させた。
8.これを197℃で減圧乾燥・粉砕し、アルゴンガス流中、600℃で2時間焼成して、電極触媒を得た。
1.金属担持密度、触媒粒子の粒径及び触媒粒子の組成
実施例1及び比較例1−3により得られた電極触媒について、金属担持密度、触媒粒子の粒径及び触媒粒子の組成を測定した。
<金属担持密度>
白金及びコバルトの担持密度は、得られた電極触媒を灰化、酸溶解し、プラズマ発光分析装置(株式会社住化分析センター)を用いて誘導結合プラズマ原子発光法(ICP−AES)法にて分析した。結果を表1に示す。
Figure 2013235812
<触媒粒子の粒径>
触媒粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(Cs−TEM)(日立ハイテクノロジーズ社製、HD−2700)の画像から測定した。図1に実施例1の電極触媒のTEM像を示す。
図2に実施例1及び比較例1、2の電極触媒の触媒粒子の粒子径分布を示す。図2より、実施例1の電極触媒の触媒成分の粒径は、比較例1と比較して狭い範囲に分布しており均一であることがわかる。
図2より、3.5nm以下の粒子径を有する触媒粒子の割合は、実施例1の電極触媒については81%、比較例1の電極触媒については29%、比較例2の電極触媒については43%、比較例3の電極触媒については60%であった。また、3.0nm以下の粒子径を有する触媒粒子の割合は、実施例1の電極触媒については65%、比較例1の電極触媒については17%、比較例2の電極触媒については25%、比較例3の電極触媒については40%であった。
<触媒粒子の組成>
触媒粒子の組成は、上記Cs−TEMにて、触媒粒子中央をEDX点分析(ビーム径1nm以下)を行うことにより求めた。EDX点分析とは、TEMに付属しているEDX(エネルギー分散型X線分析装置)を用いた方法であり、電子を当てたときに出てくる特性X線により元素分析を行うものである。実施例1についての結果を図3に示す。図3において1−7、1−8及び1−18は触媒粒子の中央に位置するスポットであり、1−51C,1−52C及び1−55Cは触媒粒子が存在しない部分のスポットである。図3の結果より、触媒粒子中は白金及びコバルトを含むのに対し、触媒粒子が存在しない部分にはコバルトが存在しないことがわかる。
図4に、実施例1及び比較例1の電極触媒について20点以上のEDX点分析をし、各触媒粒子の粒径に対してコバルト含有率をプロットしたものを示す。図4から、粒子径が3.5nm以下であり、かつコバルト含有率が3%以上である触媒粒子の個数の割合は、実施例1の電極触媒は66%であり、比較例1の電極触媒は48%であることが算出された。
2.電極触媒の物性評価
実施例1及び比較例1−3並びに実施例2−18により得られた電極触媒について、以下の方法により、反応面積(ECA)及び質量活性(MA)を測定し、比活性(SA=MA/ECA)を算出した。
<反応面積(ECA)>
回転ディスク電極(RDE)に電極触媒を塗布してサイクリックボルタンメトリ(CV)測定(条件:N飽和、0.1M HClO、27℃、50mV/sec)を行うことにより求めた。
<質量活性(MA)>
回転ディスク電極(RDE)に電極触媒を塗布してリニアスイープボルタンメトリ(LSV)測定(条件:O飽和、0.1M HClO、27℃、10mV/sec、1600rpm)を行うことにより求めた。
表2に、実施例1及び比較例1−3の電極触媒の平均粒子径と反応面積(ECA)、質量活性(MA)及び比活性(SA)を示す。触媒粒子の平均粒子径は、XRD法により(220)面のピーク位置から算出した。
Figure 2013235812
また、COパルス吸着法によりCO吸着量を測定したところ、実施例1の電極触媒は40ml/g−Pt、比較例1の電極触媒は24ml/g−Pt、比較例2の電極触媒は26ml/g−Pt、比較例3の電極触媒は26ml/g−Ptであった。
表3に、実施例2−18の電極触媒の反応面積(ECA)、質量活性(MA)及び比活性(SA)を示す。
Figure 2013235812
図5に示すように、還元促進剤の添加量をCo(OH)の生成に必要な水酸化物イオンの量の3.5〜7倍当量とした場合にコバルトの含有率が向上する。さらに、実施例2と実施例6、9及び10、実施例3と実施例11、及び実施例4と実施例12を比較することにより、還元促進剤にさらに水を添加することによりコバルトの含有率がさらに向上することがわかる。
図6に示すように、水の添加量をCo(OH)の生成に必要な水酸化物イオンの量の20〜100倍molとした場合に反応面積(ECA)がさらに向上する。
本発明の電極触媒は、固体高分子型燃料電池に好ましく適用できる。

Claims (24)

  1. 貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子と、該触媒粒子を担持する担体とを含む電極触媒であって、
    粒径が3.5nm以下であり、かつ遷移金属の含有率が3原子%以上である触媒粒子の個数が、触媒粒子全体の個数に対して50%以上である上記電極触媒。
  2. 触媒粒子の平均粒径が2.0〜3.5nmである、請求項1に記載の電極触媒。
  3. 触媒粒子において、貴金属の遷移金属に対する組成比が、原子%で1〜30である、請求項1又は2に記載の電極触媒。
  4. 触媒粒子の含有量が、電極触媒100質量部に対して、5〜60質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒。
  5. 触媒粒子が遷移金属原子を均一に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極触媒。
  6. 貴金属が白金である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒。
  7. 遷移金属が、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)及び金(Au)からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極触媒。
  8. 遷移金属がコバルトである、請求項7に記載の電極触媒。
  9. 担体が、活性炭、伝導性炭素、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンモレキュラーシーブ及びカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極触媒。
  10. (a)貴金属の前駆体、遷移金属の前駆体及び担体をエチレングリコールに分散させる工程、及び
    (b)得られた分散液を150℃以上まで加熱して、貴金属と遷移金属の合金からなる触媒粒子を担体上に形成させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
  11. 工程(a)の後かつ工程(b)の前に、得られた分散液に還元促進剤を加える工程(a1)をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(a1)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程(a2)をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(a)において、貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後に、担体を加えて分散させる、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ担体を加えて分散させる前に、還元促進剤を加える、請求項13に記載の方法。
  15. 貴金属の前駆体及び遷移金属の前駆体をエチレングリコールに分散させた後、かつ還元促進剤を加える前に、水を加える、請求項14に記載の方法。
  16. 還元促進剤を加えた後、かつ担体を加えて分散させる前に、水を加える、請求項14に記載の方法。
  17. 担体を加えて分散させた後に、水を加える、請求項14に記載の方法。
  18. 工程(a)の後かつ工程(b)の前に、不活性ガスをバブリングする工程をさらに含む、請求項10及び13〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 還元促進剤を、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の3.5〜7.0倍当量加える、請求項11、12及び14〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 水を、遷移金属の水酸化物の生成に必要な水酸化物イオンの量の20〜100倍mol加える、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  21. 工程(b)の後に、担体上に形成された触媒粒子を不活性ガス雰囲気中200〜1000℃で焼成する工程(c)をさらに含む、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 貴金属の前駆体が、白金の塩又は錯体である、請求項10〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 遷移金属の前駆体が、遷移金属の塩又は錯体である、請求項10〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 遷移金属がコバルトである、請求項23に記載の方法。
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