JP2013234883A - 接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法およびその評価装置 - Google Patents

接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法およびその評価装置 Download PDF

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隆之 川村
Yoshinori Sugisaki
良典 杉崎
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Abstract

【課題】 接触機械要素を構成する材料に侵入する拡散性水素を、接触機械要素の使用状況に近い条件下で精度良く検出して、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を正確に評価することができる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法を提供する。
【解決手段】 接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片7を、拡散性水素検出室2に裏側面を露出させて配置し、試験片7の表側面に摺動部材15を押し付けて摺動させ、水素を発生させる。発生した水素のうち、試験片7に侵入した後、この試験片7を透過して拡散性水素検出室2に放出された水素Hを検出することで、接触機械要素構成材料の耐水素性を評価する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、転がり軸受の軌道輪および転動体や歯車などの接触機械要素を構成する材料への拡散性水素の侵入を評価する接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法、およびその評価装置に関する。
転がり軸受、歯車などの接触機械要素は、すべりを伴う条件下で使用されると、潤滑剤やそれに含まれる水が分解して水素が発生し、その水素が鋼中に侵入することで早期損傷が起きることがある。接触機械要素間の接触面で金属接触が起き、金属新生面が露出すると、水や潤滑剤の分解による水素の発生、鋼中への水素の侵入が促進される。鋼中に侵入する水素のうち、早期損傷をもたらすのは拡散性水素である。拡散性水素とは、鋼中の原子空孔や転位などに弱くトラップされた水素であり、鋼に対し昇温速度180℃/min程度の昇温離脱水素分析を行うと、100℃付近にピークを持って放出される。このことは、水が潤滑油を滴下しながらエメリー紙で接触機械要素鋼をアブレシブ摩耗させた後に昇温離脱水素分析を行った結果、鋼中から拡散性水素が明瞭に検出された実験事実によって証明されている(非特許文献1)。
谷本啓,田中宏昌,杉本丈一,トライボロジー会議予稿集,(2010-5東京),203-204. ワイ.マツバラ(Y.Matsubara)andエイチ.ハマダ(H.Hamada)共著,ベアリング スティール テクノロジー(Bearing Steel Technology),エーエスティーエム エスティーピー(ASYM STP)1465,ジェイ エム ベズウィック イーディー(J.M.Beswick Ed.),(2007),153-166. 長尾彰英,倉本繁,菅野幹宏,白神哲夫,鉄と鋼,Vol.86(2000)No.1,24-31.
非特許文献1によると、接触機械要素の新生面を積極的に露出させると、潤滑剤やそれに含まれる水から水素が発生し、鋼中に侵入しやすくなる。水素は接触機械要素に用いられるような高強度鋼の疲労強度を著しく低下させるため(非特許文献2)、さほど大きくない最大接触面圧でも、鋼中に水素が侵入すれば早期損傷が起きる。接触機械要素は、今後ますます水素が発生しやすい条件で使用される傾向にある。したがって、鋼中に侵入する拡散性水素を、鋼同士が擦れ合うような使用状況に近い条件下で精度良く分析し、拡散性水素が鋼中に侵入し易い条件を把握することにより、水素脆性起因の早期損傷を抑制する必要がある。
この発明の目的は、接触機械要素を構成する材料に侵入する拡散性水素を、接触機械要素の使用状況に近い条件下で精度良く検出して、材料の耐水素性、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を正確に評価することができる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法を提供することである。
この発明の他の目的は、接触機械要素を構成する材料に侵入する拡散性水素を、接触機械要素の使用状況に近い条件下で精度良く検出して、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を正確に評価することができる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置を提供することである。
この発明の接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法は、接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を、拡散性水素検出室に裏側面を露出させて配置し、前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させ、この摺動により発生する水素のうち、前記試験片に侵入した後、この試験片を透過して前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出することで、前記材料の耐水素性を評価することを特徴とする。
この明細書で「接触機械要素」とは、隣接する部材に対して転がり接触またはすべり接触する部材のことであり、例えば、転がり軸受の軌道輪および転動体、歯車、直動装置や自在継手の構成部品などを言う。なお、試験片の表裏は、説明の便宜上で用いた用語であり、摺動部材を摺動させる側の面を表側としている。
試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させることにより、試験片の表側面に付着している潤滑剤やそれに含まれている水が分解されて水素が発生する。発生した水素の多くは試験片の表側の空間に飛散するが、一部は摺動により露出した新生面から試験片の内部に侵入して拡散性水素となる。拡散性水素が応力誘起拡散する性質などを利用して、試験片に侵入している拡散性水素を拡散性水素検出室内に放出させる。そして、拡散性水素検出室内に放出された水素を検出する。
このような試験を、各種条件を変えて複数回行い、それらの試験結果を分析することにより、接触機械要素構成材料に対して拡散性水素が侵入しやすい条件が分かる。また、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を評価することができる。この方法によると、試験片と摺動部材を互いに摺動させるため、接触機械要素の実際の使用状況に近い条件を再現することができ、正確な評価結果が得られる。この評価結果を把握した上で接触機械要素を適正な条件で使用することにより、水素脆弱起因の早期損傷を抑制することが可能になる。
この発明において、前記試験片に対する前記摺動部材の摺動を、前記拡散性水素検出室と前記試験片を介して隔てられた真空摺動室内で行い、この摺動により発生する水素のうち、前記真空摺動室に飛散した水素と、前記試験片に侵入した後、この試験片を透過して前記拡散性水素検出室に放出された水素とを別々に検出するようにしても良い。
この場合、真空環境や比較的潤滑条件が厳しくない条件で使用される接触機械要素構成材料の耐水素性を好適に評価することができる。
上記の場合、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させるときから、前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出するまでの間、前記拡散性水素検出室を前記真空摺動室よりも低圧に真空引きするのが良い。例えば、この間、前記真空摺動室の圧力を10−5Paのオーダー以下に保ち、かつ拡散性水素検出室の圧力を10−7Paのオーダー以下に保つ。
拡散性水素検出室を真空摺動室よりも低圧にすることで、圧力差により試験片下面に引張応力が作用するため、摺動により試験片上面で潤滑剤成分が分解し、発生した微量な水素のうち、一部(極微量)は試験片を透過して拡散性水素検出室内に拡散しやすくなる。真空摺動室の10−5Paのオーダー以下の圧力は、接触機械要素構成材料が使用される真空環境を再現したものであり、また、仮に摺動条件が厳しくない条件で、拡散性水素検出室内に拡散する水素があまりにも微量すぎて耐水素性を評価するのが困難な場合でも、摺動により潤滑剤成分が分解し、発生した微量な水素を感度良く定量することができる圧力である。摺動により潤滑剤成分が分解し、発生した微量な水素のうち、大部分は真空摺動室に拡散し検出されるが、一部(極微量)は試験片を透過して拡散性水素検出室内に拡散する。拡散性水素検出室の10−7Paのオーダー以下の圧力は、その拡散した極微量の水素を感度良く検出できる圧力である。
この発明において、前記試験片に対する前記摺動部材の摺動を、大気圧の下で行ってもよい。
この場合、大気圧環境で使用される接触機械要素構成材料の耐水素性を好適に評価することができる。また、大気圧の下であれば試験を行う空間の汚染を心配しなくてもよいため、厳しい条件で試験片に摺動部材を摺動させることができる。
上記の場合、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させるときから、前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出するまでの間、拡散性水素検出室の圧力を10−7Paのオーダー以下に保つのが良い。
これにより、摺動により潤滑剤成分が分解し、発生した微量な水素のうち、大部分は真空摺動室に拡散し検出されるが、一部(極微量)は試験片を透過して拡散性水素検出室内に拡散する。その拡散した極微量の水素を感度良く検出できる。
この発明において、前記試験片の表側面に潤滑剤または潤滑添加材を塗布し、その試験片の表面側に前記摺動部材を押し付けて摺動させると良い。
試験片の表側面に潤滑剤または潤滑添加材を塗布すると、摺動部材を押し付けて摺動させることにより、潤滑剤または潤滑添加材や、これらに含まれる水から水素が発生する。接触機械要素は表面に潤滑剤または潤滑添加材が付着した状態で使用されることが多いから、実際の使用状況に近い条件下で試験を行うことができる。潤滑剤や潤滑添加材を変えて試験を行うことで、潤滑剤や潤滑添加材の耐水素性を評価できる。
この発明において、前記試験片の表側面に垂直な回転軸回りに回転する前記摺動部材を前記試験片の表側面に押し付けることで、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させてもよい。
この構成であると、簡単な機構でありながら、試験片に対して摺動部材を摺動させることができる。
例えば、前記摺動部材を回転させる回転駆動手段は、前記真空摺動室の室外に設けたモータと、このモータの回転を前記摺動部材に伝達する回転伝達機構とを有する構成とする。その場合、回転伝達機構の軸のシール部は、磁性流体シールとするのが良い。
真空摺動室の室外に設けることで、真空摺動室内が簡素な構成となる。磁性流体シールは非常に漏れが少ないので、真空摺動室を低圧に真空引きするのに適している。
この発明において、前記試験片の表側面に前記摺動部材を押し付けて摺動させるとき、前記試験片に対して前記拡散性水素検出室側への静的引張応力を作用させても良い。
材料に侵入した拡散性水素は応力誘起拡散する性質を有するため、上記のように静的引張応力を作用させることにより、試験片に侵入した拡散性水素を積極的に拡散性水素検出室内へ放出させることができる。
前記試験片に前記静的引張応力を作用させるために、前記摺動部材よりも外径が大きいリング部品を、前記拡散性水素検出室と反対側から前記試験片に押し付けるとよい。
この場合、試験片に対して周方向にほぼ均等に静的引張応力を作用させることができる。
前記リング部品の最小直径は、摺動部材の最大直径に対して1.2倍以上であるのが望ましい。
なぜなら、リング部品の最小直径が大きすぎるのは、摺動部材の外径側を支持する部材に作用する圧縮応力が大きくなるため好ましくないからである。
また、前記リング部品が前記試験片を押し付ける平均接触圧力は、1GPa以下であるのが望ましい。
上記圧力値とすることで、試験片をリークや破損させずに、試験片に対して水素の拡散を促進させるのに適した静的引張応力を作用させることができる。
さらに、前記リング部品は、前記試験片よりも硬さが低いのが良い。
リング部品が試験片よりも硬いと、試験片が塑性変形してしまい、試験片に静的引張応力を作用させることができなくなる。
さらに、周方向の4箇所以上に配置された押付手段により、前記リング部品を前記試験片に押し付けると良い。その場合、より好ましくは、前記押付手段を周方向に等間隔で配置する。
押付手段を上記のように配置すると、試験片に対して、より一層周方向ほぼ均一に静的引張応力を作用させることができなくなる。
この発明において、前記摺動部材における前記試験片と接触する箇所に研磨紙を貼り付けると良い。研磨紙の砥粒の材質は、例えばエメリーとする。
これにより、試験片の摩耗が促進され、発生した水素が試験片に侵入しやすくなる。
この発明において、前記試験片を定められた適正温度に保持すると良い。その場合の温度調整は、例えば、試験片の直下に設けたランプにより試験片を加熱する方法を採用できる。
試験片を常温よりも高温の適正温度に加熱することで、接触金属要素構成材料からなる試験片からの拡散性水素の放出が促進される。
摺動部材の摺動を大気圧の下で行う場合、前記試験片を定められた適正温度に保持すると良い。その場合の温度調整は、例えば、大気圧側からヒータにより試験片を加熱する方法を採用できる。
試験片を適正温度に保持することで、接触金属要素構成材料からなる試験片からの拡散性水素の放出が促進される。
また、大気圧側に試験片を囲う空間を設け、この空間内の雰囲気温度を制御してもよい。
この場合、試験片の温度調整が容易である。
さらに、上記空間内の絶対湿度も制御してもよい。絶対湿度とは、一定体積(1m)の空気中に含まれる水の重量を言う。
絶対湿度を制御することで、発生する水素量を調整することができる。
前記真空摺動室内の水素の検出や前記拡散性水素検出室内の水素の検出は、四重極質量分析器を用いて行うと良い。
四重極質量分析器は、水素を精度良く検出することができる。
前記試験片の厚さは、1.5mm以下であるのが良い。
試験片に侵入した水素が1時間以内に試験片を透過できる厚さが1.5mm以下であることから、限られた時間内に試験を終了するためには、試験片の厚さを上記寸法とするのが良い。
この発明の接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置は、拡散性水素検出室と、接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を前記拡散性水素検出室に裏側面を露出させて設置する試験片設置台と、この試験片設置台に設置された前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させる摺動機構と、前記拡散性水素検出室内の水素を検出する拡散性水素検出手段とを備える。
試験片設置台の上に試験片を設置し、その試験片に対して、摺動機構により試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させると、試験片の表側面に付着している潤滑剤やそれに含まれている水が分解されて水素が発生する。発生した水素の多くは試験片の表側の空間に飛散するが、一部は摺動により露出した金属新生面から試験片の内部に侵入して拡散性水素となる。拡散性水素が応力誘起拡散する性質などを利用して、試験片に侵入している拡散性水素を拡散性水素検出室内に放出させる。そして、拡散性水素検出室内に放出された水素を、拡散性水素検出手段により検出する。
このような試験を、各種条件を変えて複数回行い、それらの試験結果を分析することにより、接触機械要素構成材料に対して拡散性水素が侵入しやすい条件が分かる。また、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を評価することができる。この方法によると、試験片と摺動部材を互いに摺動させるため、接触機械要素の実際の使用状況に近い条件を再現することができ、正確な評価結果が得られる。この評価結果を把握した上で接触機械要素を適正な条件で使用することにより、水素脆弱起因の早期損傷を抑制することが可能になる。
この発明の評価装置において、前記拡散性水素検出室と前記試験片を介して隔てられ、内部に前記摺動機構の前記摺動部材を収容した真空摺動室と、この真空摺動室内の水素を検出する飛散水素検出手段とを設けてもよい。
その場合、前記真空摺動室を真空引きする真空摺動室真空引き装置、および前記拡散性水素検出室を前記真空摺動室よりも低圧に真空引きする拡散性水素検出室真空引き装置を設けると良い。
上記評価装置では、試験片の周囲環境の温度および絶対温度を制御する温度・絶対湿度制御装置を設けることが望ましい。
制御装置により試験片の周囲環境の温度および絶対温度を制御することで、より一層精度の高い試験を行える。
この発明の接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法は、接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を、拡散性水素検出室に裏側面を露出させて配置し、前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させ、この摺動により発生する水素のうち、前記試験片に侵入した後、この試験片を透過して前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出することで、前記材料の耐水素性を評価するため、接触機械要素を構成する材料に侵入する拡散性水素を、接触機械要素の使用状況に近い条件下で精度良く検出して、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を正確に評価することができる。
この発明の接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置は、拡散性水素検出室と、接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を前記拡散性水素検出室に裏側面を露出させて設置する試験片設置台と、この試験片設置台に設置された前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させる摺動機構と、前記拡散性水素検出室内の水素を検出する拡散性水素検出手段とを備えるため、接触機械要素を構成する材料に侵入する拡散性水素を、接触機械要素の使用状況に近い条件下で精度良く検出して、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を正確に評価することができる。
この発明の一実施形態にかかる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置の概略構成を示す図である。 同評価装置における試験片周辺部の概略構成を示す図である。 図2の平面図である。 同評価装置の静的引張応力作用機構の要部を詳細に示す図である。 試験片に潤滑油を塗布した状態を示す図である。 評価装置における大気開放試験部の異なる実施形態の概略構成を示す図である。 同大気開放試験部のさらに異なる実施形態の概略構成を示す図である。 摺動部材に研磨紙を貼り付けた状態を示す図である。 接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置の参考例の概略構成を示すである。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、この発明の接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置の概略構成を示す図である。この評価装置1は、真空摺動試験部1Aと大気開放摺動試験部1Bとでなる。
真空摺動試験部1Aは、下側の拡散性水素検出室2と、上側の真空摺動室3と、これらの間に位置する中間室4とを備える。拡散性水素検出室2と真空摺動室3は、中央開口部5aを有する隔壁5で仕切られている。隔壁5の中央開口部5aには、開閉バルブ(図示せず)を有するゲート6が設けられている。中間室4は、前記中央開口部5aの上方にあって、後記試験片設置台8によって外周側面が真空摺動室3と隔てられている。中間室4は上方に開口していて、通常時は真空摺動室3と繋がっているが、試験片設置台8に試験片7を設置することで、試験片7を介して中間室4と真空摺動室3とが隔てられる。請求項で言うところの「拡散性水素検出室」は、拡散性水素検出室2に加えて中間室4を含む空間のことである。
拡散性水素検出室2および真空摺動室3は、拡散性水素検出室真空引き装置30および真空摺動室真空引き装置31によってそれぞれ真空引される。拡散性水素検出室真空引き装置30は、ドライポンプ、ロータリポンプなどの低真空用ポンプP1と、ターボ分子ポンプなどの高真空用ポンプP2と、クライオポンプP3とを組み合わせたものである。また、真空摺動室真空引き装置31は、ドライポンプ、ロータリポンプなどの低真空用ポンプP1と、ターボ分子ポンプなどの高真空用ポンプP2とを組み合わせたものである。図の例では、低真空用ポンプP1および高真空用ポンプP2の吸引経路が切換可能となっており、拡散性水素検出室真空引き装置30と真空摺動室真空引き装置31で、低真空用ポンプP1および高真空用ポンプP2が共用とされている。各真空引き装置31,32に、低真空用ポンプP1および高真空用ポンプP2を個別に設けてもよい。
後で説明する試験では、拡散性水素検出室2を10−7Paのオーダー以下に真空引きする。その方法は、ゲート6の開閉バルブを閉じた状態で、初めに低真空用ポンプP1により低真空にし、その後、高真空用ポンプP2により高真空(10−5Pa程度)にし、さらにクライオポンプP3により数日かけて10−7Paのオーダー以下にする。また、真空摺動室3は10−5Paのオーダー以下に真空引きする。この場合は、低真空用ポンプP1と高真空用ポンプP2だけを用いる。中間室4も、真空摺動室3と同様に、10−5Paのオーダー以下に真空引きする。
前記隔壁5の上には、試験片7を設置する試験片設置台8が設けられている。図2、図3に示すように、試験片設置台8は、隔壁5の中央開口部5aの外周を囲む環状台部8aの上に、この環状台部8aよりも内径側に張り出した環状のフランジ部8bをボルト9で固定してなる。環状台部8aとフランジ部8bの接触面は、ガスケット10により漏れ止めされている。
試験片7としては、接触機械要素の構成材料を円板状に成形したものが用いられる。試験片7の厚さは、1.5mm以下とする。厚さ1.5mmは、試験片7に侵入した水素が静的引張応力の作用する側へ略1時間以内に透過できる厚さである。静的引張応力については、後で説明する。この試験片7を、前記試験片設置台8のフランジ部8bの上に載せ、ボルト11により固定する。その際、フランジ部8bの上面に形成された凹部にシール部材12を嵌め込むことで、フランジ部8bと試験片7との隙間を密封する。シール部材12としては、例えばOリングや中空メタルOリングを用いる。
真空摺動室3には、試験片設置台8に設置された試験片7の表側面(上面)に摺動部材15を押し付けて摺動させる摺動機構16が設けられている。摺動部材15は、試験片7よりも小径の円板状であり、例えば、試験片7とした材料からなる接触機械要素が接触する部材と同じ材質とする。
摺動機構16は、真空摺動室3の上方に設置したモータ17と、このモータ17の回転を真空摺動室3内へ伝達する回転軸18と、この回転軸18の下端に設けられたホルダ19とを有し、ホルダ19に摺動部材15が取り付けられている。ホルダ19は、規制された範囲内で回転軸18に対して昇降自在であり、ホルダ19に重り20を取り付けることで、摺動部材15を試験片7に押し付ける。その状態で、モータ17を回転させると、摺動部材15が試験片7の表側面(上面)に垂直な回転軸回りに回転することにより、試験片7に対して摺動部材15が摺動する。
前記回転軸18は、真空摺動室3の室外上部に設けた磁性流体シール21により回転自在に支持されている。磁性流体シール21を用いると、回転軸18の支持部のシール性を高めることができるため、真空摺動室3を低圧に真空引きすることができる。また磁性流体シール21は、メンテナンスがほとんど必要でないという利点がある。
また、真空摺動室3内には、試験片7に対して拡散性水素検出室2側への静的引張応力を作用させる静的引張応力作用機構22が設けられている。静的引張応力作用機構22は、図2、図3のように、円環状のリング部品23を試験片7の表側面に押し付けることで、試験片7に静的引張応力を作用させる機構である。正確には、図4のように、リング部品23に固定された固定部品23aを押付部品24で下向きに押すことで、リング部品23を試験片7の表側面に押し付ける。押付部品24は周方向の複数箇所に配置されており、押付手段25(図1)により下向きの押付動作が与えられる。
リング部品23は、最大直径が試験片設置台8のフランジ部8bの内径より小さく、かつ最小直径D1が摺動部材15の最大直径D2の1.2倍以上とする。その理由は、リング部品23が摺動部材15と干渉することを避けつつ、試験片設置台8に作用する圧縮応力を小さく抑えるためである。なお、図例の場合、固定部品23aの最小直径をリング部品23の最小直径D1としている。
リング部品23は、試験片7よりも硬さが低い材質とする。リング部品23が試験片7よりも硬いと、試験片7が塑性変形してしまい、試験片7に静的引張応力を作用させることができなくなるからである。
リング部品23が試験片7を押し付ける平均接触圧力は、1GPa以下とする。1GPaは、試験片7をリークや破損させずに、試験片7に対して水素の拡散を促進させるのに適した静的引張応力を作用させる圧力値である。
拡散性水素検出室2には、試験片7を下方から加熱するランプ26が設けられている。また、拡散性水素検出室2および真空摺動室3には、室内の水素Hや有機ガスCを検出する拡散性水素検出手段27および飛散水素検出手段28がそれぞれ設けられている。こられ水素検出手段27,28としては、例えば四重極質量分析器が用いられる。四重極質量分析器は、水素Hや有機ガスCを精度良く検出することができる。
大気開放摺動試験部1Bは、真空摺動室3は無く、拡散性水素検出室2と中間室4を備える。真空摺動試験部1Aと同様に、拡散性水素検出室2と中間室4との間に、ゲート6が設けられている。図の例では、真空摺動試験部1Aの拡散性水素検出室2と大気開放摺動試験部1Bの拡散性水素検出室2は分離壁32によって分かれているが、両試験部1A,1Bの拡散性水素検出室2が一体に形成されていてもよい。その場合、拡散性水素検出手段27は一つだけ設ければよい。
大気開放摺動試験部1Bも、拡散性水素検出室2の上部を覆う隔壁6の上に、真空摺動試験部1Aと同様の試験片設置台8が設けられている。試験片設置台8に試験片7を設置した状態では、拡散性水素検出室2と大気空間とが試験片7によって隔てられる。また、図示は省略してあるが、真空摺動試験部1Aと同様の摺動機構16および静的引張応力作用機構22が設けられている。ただし、大気開放摺動試験部1Bの摺動機構16は、回転軸18の支持部に高度のシール性を要求されないので、回転軸18の支持に、磁性流体シール21以外の比較的安価な軸受を用いてもよい。
この接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置1を使用して行う真空摺動試験および大気開放摺動試験について説明する。真空摺動試験は、真空環境で使用される接触機械要素構成材料の耐水素性を評価するのに行われる。大気開放摺動試験は、大気圧環境で使用される接触機械要素構成材料の耐水素性を評価するのに行われる。これら真空摺動試験と大気開放摺動試験は、接触機械要素構成材料の使用条件に合わせてどちらか一方だけ行なえばよいが、両方の試験を行って良好な試験結果が出た方を採用してもよい。また、薬品などを用いて試験片に厳しい条件を与えて摺動部材を摺動させる場合などのように、真空摺動室3が汚染する恐れがあり真空摺動試験を実施できないときには、大気開放摺動試験だけを行う。
真空摺動試験は、真空摺動試験部1Aにて行う。その方法は、以下の通りである。
(1)まず、ゲート6の開閉バルブを閉じて拡散性水素検出室2と中間室4を遮断し、拡散性水素検出室真空引き装置4により、拡散性水素検出室2の圧力を10−7Paのオーダー以下にする。拡散性水素検出室2の圧力が10−7Paのオーダー以下で安定したら、試験を開始する。
(2)図3のように、試験片7における静的引張応力作用機構22のリング部品23が押し付けられる箇所よりも内側に、複数のひずみゲージ35を等配で貼り付ける。そして、リング部品23を試験片7に押し付けた場合に、周方向で均一に静的引張応力が作用されることを確認する。
(3)真空摺動室3を大気開放し、図5のように、試験片7の表側面(上面)に少量の潤滑油36を均一に塗布する。例えば、潤滑油36の膜厚は、数μm程度とする。潤滑油36を塗布した試験片7を、試験片設置台8のフランジ部8bに固定する。
(4)静的引張応力作用機構22により、試験片7に静的引張応力を作用させる。その際、前記ひずみゲージ35により、周方向で均一な静的引張応力が作用していることを確認しながら行う。その後、ひずみゲージ35を取外す。
(5)摺動機構16の準備をする。すなわち、摺動部材15を試験片7の表側面に接する状態で摺動部材ホルダ19に取り付け、その摺動部材ホルダ19に重り20を取り付け、摺動部材ホルダ19を回転軸18に固定する。
(6)真空摺動室3を閉じ、真空摺動室真空引き装置5により、真空摺動室3および中間室4の圧力を10−5Paのオーダー以下にする。
(7)中間室4の圧力が10−5Paのオーダー以下に到達したら、ゲート6の開閉バルブを開放する。それにより、拡散性水素検出室2の真空度が低下、つまり圧力が上昇する。拡散性水素検出室真空引き装置4により、拡散性水素検出室2の圧力を10−7Paのオーダー以下にする。
(8)拡散性水素検出室2の圧力が10−7Paのオーダー以下になったことを確認した後、試験片7に対して摺動部材15を摺動させ、試験片7に塗布した潤滑油36から水素を発生させる。発生した水素のうち真空摺動室3内に飛散した水素H、有機ガスCなどを、飛散水素検出手段28で検出する。
(9)発生した水素のうち、試験片7に侵入し、さらに試験片7を透過して拡散性水素検出室2内に放出された拡散性水素Hを、拡散性水素検出手段27で検出する。拡散性水素Hは、応力誘起拡散する性質を有する。そのため、試験片7に拡散性水素検出室2側への静的引張応力を作用させることで、試験片7に侵入した拡散性水素Hを積極的に拡散性水素検出室2内へ放出させることができる。
このような試験を、各種条件を変えて複数回行い、それらの試験結果を分析することにより、接触機械要素構成材料に対して拡散性水素が侵入しやすい条件が分かる。また、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を評価することができる。この方法によると、試験片7と摺動部材15を互いに摺動させるため、接触機械要素の実際の使用状況に近い条件を再現することができ、正確な評価結果が得られる。この評価結果を把握した上で接触機械要素を適正な条件で使用することにより、水素脆弱起因の早期損傷を抑制することが可能になる。
また、試験片7の表側面に潤滑油36を塗布した状態で、摺動部材15を押し付けて摺動させることにより、潤滑油36から水素を発生させることができる。接触機械要素は表面に潤滑油36が付着した状態で使用されることが多いから、実際の使用状況に近い条件下で試験を行うことができる。なお、磁性流体シール21から出るガスの影響を少なくするためには、潤滑油やグリースなどの液体潤滑剤ではなく、固体潤滑膜や固体潤滑玉を使用してもよい。
大気開放摺動試験は、大気開放摺動試験部1Bにて行う。その方法は、以下の通りである。
(1)まず、ゲート6を閉じて拡散性水素検出室2と中間室4を隔離し、拡散性水素検出室真空引き装置4により、拡散性水素検出室2の圧力を10−7Paのオーダー以下にする。拡散性水素検出室2の圧力が10−7Paのオーダー以下で安定したら、試験を開始する。
(2)図3のように、試験片7における静的引張応力作用機構22のリング部品23が押し付けられる箇所よりも内側に、複数のひずみゲージ35を等配で貼り付ける。そして、リング部品23を試験片7に押し付けた場合に、周方向で均一に静的引張応力が作用されることを確認する。
(3)前記同様に、試験片7の表側面(上面)に少量の潤滑油36を均一に塗布し、その試験片7を試験片設置台8のフランジ部8bに固定する。
(4)静的引張応力作用機構22により、試験片7に静的引張応力を作用させる。その際、前記ひずみゲージ35により、周方向で均一な静的引張応力が作用していることを確認しながら行う。その後、ひずみゲージ35を取外す。
(5)真空摺動試験の場合と同じ順序で、摺動機構16の準備をする。
(6)真空摺動真空引き装置31により、中間室4の圧力を10−5Pa以下のオーダーにする。
(7)中間室4の圧力が10−5Paのオーダー以下に到達したら、ゲート6の開閉バルブを開放する。それにより、拡散性水素検出室2の真空度が低下、つまり圧力が上昇する。拡散性水素検出室真空引き装置4により、拡散性水素検出室2の圧力を10−7Paのオーダー以下にする。
(8)拡散性水素検出室2の圧力が10−7Paのオーダー以下になったことを確認した後、試験片7に対して摺動部材15を摺動させ、試験片7に塗布した潤滑油36から水素を発生させる。
(9)発生した水素のうち、試験片7に侵入し、さらに試験片7を透過して拡散性水素検出室2内に放出された拡散性水素Hを、拡散性水素検出手段27で検出する。
大気開放摺動試験も、真空摺動試験と同様に、各種条件を変えて複数回行い、それらの試験結果を分析することにより、接触機械要素構成材料に対して拡散性水素が侵入しやすい条件が分かる。また、材料、潤滑剤、潤滑添加剤などの耐水素性を評価することができる。
大気開放摺動試験では、試験片7の温度調整を、図6のように大気空間側からヒータ40によって加熱して行ってもよい。あるいは、図7のように、ポリカーボネートなどのプラスチック容器41により試験片7と装置の一部を囲い、その内部空間42内の雰囲気を管理するようにしてもよい。例えば、温度・湿度制御装置43により温度と湿度が制御された空気を内部空間42に導入することで、内部空間42の温度と絶対湿度を一定に保つ。絶対湿度とは、体積1mの空気中に含まれる水の重量(単位g:グラム)を言う。制御できる絶対湿度の範囲は、温度30℃において9〜30g/mである。絶対湿度を制御することで、発生する水素量を調整することができる。
また、真空摺動試験および大気開放摺動試験の両方において、試験片7の表側面をより積極的に摩耗させるために、図8に示すように、摺動部材15における試験片7と接触する面に研磨紙45を貼り付けてもよい。研磨紙45の砥粒の材質は、例えばエメリーとする。研磨紙45を貼り付けた摺動部材15で試験片7を摺動すると、試験片7の摩耗が促進されてアブレシブ摩耗となる。アブレシブ摩耗が生じると、新生面の露出が増えて、水素が試験片7に侵入しやすくなる。これにより、拡散性水素検出室2で検出できる拡散性水素量を増やすことができる。
<参考>
摺動によらずに試験片7の新生面の露出を増やす方法として、試験片7を静的破壊する方法がある。例えば、図9(A)のように、真空試験室50の内部に試験片7を両端支持で設置し、同図(B)のように、の試験片7の中央部に荷重を与えることで試験片7を静的破壊する。静的破壊により、試験片7に新生面51が露出する。この場合、曲げ試験と同じように、試験片7の荷重を受ける箇所に疲労予亀裂52を入れておくと良い。なお、試験片7に荷重を与える棒状部材53を真空ベローズ54の中空部に挿通して設けると、真空試験室50の密封性を保持することができる。
有機ガス導入装置55により、潤滑剤をガス状にした有機ガスを真空試験室50内に導入しておくことで、この有機ガスが試験片7の新生面上で分解され、水素や有機物が発生する。この水素Hや有機物Cを、水素検出手段56で検出する。水素検出手段56としては、例えば四重極質量分析器を用いる。
1…接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置
2…拡散性水素検出室
3…真空摺動室
7…試験片
8…試験片設置台
15…摺動部材
16…摺動機構
21…磁性流体シール
27…拡散性水素検出手段
28…飛散水素検出手段
30…拡散性水素検出室真空引き装置
31…真空摺動室真空引き装置
36…潤滑油
40…ヒータ
45…研磨紙

Claims (14)

  1. 接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を、拡散性水素検出室に裏側面を露出させて配置し、前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させ、この摺動により発生する水素のうち、前記試験片に侵入した後、この試験片を透過して前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出することで、前記材料の耐水素性を評価することを特徴とする接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  2. 請求項1において、前記試験片に対する前記摺動部材の摺動を、前記拡散性水素検出室と前記試験片を介して隔てられた真空摺動室内で行い、この摺動により発生する水素のうち、前記真空摺動室に飛散した水素と、前記試験片に侵入した後、この試験片を透過して前記拡散性水素検出室に放出された水素とを別々に検出する接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  3. 請求項2において、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させるときから、前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出するまでの間、前記真空摺動室および前記拡散性水素検出室における水素検出時に、前記拡散性水素検出室を前記真空摺動室よりも低圧に真空引きする接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  4. 請求項3において、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させるときから、前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出するまでの間、前記真空摺動室の圧力を10−5Paのオーダー以下に保ち、かつ前記拡散性水素検出室の圧力を10−7Paのオーダー以下に保つ接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  5. 請求項1において、前記試験片に対する前記摺動部材の摺動を、大気圧の下で行う接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  6. 請求項5において、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させるときから、前記拡散性水素検出室に放出された水素を検出するまでの間、前記拡散性水素検出室の圧力を10−7Paのオーダー以下に保つ接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記試験片の表側面に潤滑剤または潤滑添加材を塗布し、その試験片の表面側に前記摺動部材を押し付けて摺動させる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記試験片の表側面に垂直な回転軸回りに回転する前記摺動部材を前記試験片の表側面に押し付けることで、前記試験片に対して前記摺動部材を摺動させる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記試験片の表側面に前記摺動部材を押し付けて摺動させるとき、前記試験片に対して前記拡散性水素検出室側への静的引張応力を作用させる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  10. 請求項9において、前記摺動部材よりも外径が大きいリング部品を、前記拡散性水素検出室と反対側から前記試験片に押し付けることで、前記試験片に対して静的引張応力を作用させる接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記試験片を定められた適正温度に保持する接触機械要素構成材料の耐水素性の評価方法。
  12. 拡散性水素検出室と、接触機械要素を構成する材料からなる板状の試験片を前記拡散性水素検出室に裏側面を露出させて設置する試験片設置台と、この試験片設置台に設置された前記試験片の表側面に摺動部材を押し付けて摺動させる摺動機構と、前記拡散性水素検出室内の水素を検出する拡散性水素検出手段とを備えたことを特徴とする接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置。
  13. 請求項12において、前記拡散性水素検出室と前記試験片を介して隔てられ、内部に前記摺動機構の前記摺動部材を収容した真空摺動室と、この真空摺動室内の水素を検出する飛散水素検出手段とを設けた接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置。
  14. 請求項13において、前記真空摺動室を真空引きする真空摺動室真空引き装置、および前記拡散性水素検出室を前記真空摺動室よりも低圧に真空引きする拡散性水素検出室真空引き装置を設けた接触機械要素構成材料の耐水素性の評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022270248A1 (ja) * 2021-06-24 2022-12-29 日本精工株式会社 白色組織剥離の可能性評価方法およびその評価方法に用いる測定装置

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