以下、図面を参照して、本発明に係る駆動制御装置を備えた画像形成装置の一例として電子写真方式のフルカラーレーザービームプリンタに適用した場合について説明する。但し、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更出来る。従って、本発明の範囲を以下の実施形態のみに限定するものではない。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて、本発明に係る駆動制御装置28を備えた画像形成装置100の構成について説明する。図1は、フルカラーレーザービームプリンタからなる画像形成装置100の全体構成を示す。画像形成装置100の構成は、トナー像を担持する複数の像担持体である感光ドラム1を略水平方向に並べて配置したタンデム型で中間転写ベルト方式の電子写真カラー(多色画像)プリンタである。本実施形態の画像形成装置100は大別して画像形成部10、給送部16、定着部23、排出部26からなり、図1の中央部に画像形成部10が配置されている。また、図1の向かって右手下方から右手中央にかけて給送部16が配置され、図1の右手上方に定着部23、及び排出部26が配置されている。
画像形成装置100は、水平方向に並設された4個の像担持体としてのドラム状の電子写真感光体からなる感光ドラム1を備えている。尚、図1では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各感光ドラム1を1a,1b,1c,1dのように符号を付与する。尚、説明の都合上、単に感光ドラム1で代表的に表わす場合もある。他の部材に関しても同様に表わして以下に説明する。
これらの4つの感光ドラム1は、図示しない駆動手段によって、図1の時計回り方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、該感光ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2を有する。更に、画像情報に基づいて光像を照射する露光手段となるスキャナユニット3が配置される。スキャナユニット3は、画像情報に基づいてレーザービームを照射して感光ドラム1上(像担持体上)に静電潜像を形成する。
感光ドラム1の周りには、該感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置4が設けられる。更に、感光ドラム1上のトナー像を複数の感光ドラム1に対向するベルトとなる中間転写ベルト11に一次転写させる中間転写ユニット5が配置されている。
中間転写ユニット5に設けられる中間転写ベルト11と、各感光ドラム1とが当接する一次転写部から中間転写ベルト11の搬送方向下流側(図1の右側)に、該中間転写ベルト11上のトナー像を記録材9に二次転写させる二次転写ユニット24が配置されている。
感光ドラム1の周りには、トナー像が転写されて感光ドラム1の表面に残った転写残トナーを除去するクリーニングブレード6が配置されている。
本実施形態では、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、クリーニングブレード6は、一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ7を構成しており、該プロセスカートリッジ7が画像形成装置100本体に対して着脱可能に構成されている。これにより、プロセスカートリッジ7が交換可能に構成されている。
本実施形態の中間転写ベルト11は、周長約700mm、厚み約150μmの無端ベルトで構成される。中間転写ベルト11は、駆動ローラ13、テンションローラ14の二本の張架ローラにより掛け渡されている。そして、各色の感光ドラム1上に形成したそれぞれのトナー像を中間転写ベルト11を介して記録材9に転写させるべく図1の矢印a方向に循環移動する。
中間転写ベルト11の内側には、該中間転写ベルト11を挟んで4個の感光ドラム1に相対し、該感光ドラム1上(像担持体上)のトナー像を中間転写ベルト11に転写する複数の転写手段となる一次転写ローラ12が並設されている。これら一次転写ローラ12から正極性の電荷が中間転写ベルト11に印加され、この電荷による電界により、感光ドラム1上の負極性のトナー像が中間転写ベルト11上に一次転写される。
中間転写ユニット5の駆動ローラ13に対向した位置に二次転写ローラ25が配置される。一次転写ローラ12と同様に、該二次転写ローラ25から正極性の電荷が二次転写部まで搬送された記録材9に印加される。この電荷による電界により、該中間転写ベルト11上に一次転写された負極性のトナー像が該中間転写ベルト11に接触中の記録材9に二次転写される。これにより、中間転写ベルト11が循環移動して感光ドラム1上に形成されたトナー像が記録材9に転写される。
中間転写ユニット5のテンションローラ14に対向した位置には、二次転写後に中間転写ベルト11上に残った不要なトナー像を除去するためのクリーニング手段となるクリーニング装置15が配置される。そして、クリーニング装置15により除去された残トナーは図示しない廃トナー搬送路を通過して廃トナー回収容器に回収される。
画像形成時には給送ローラ18が給送カセット17上の最上部の記録材9を給送し、該記録材9の先端はレジストローラ19に突き当たり一旦停止してループを形成する。その後、中間転写ベルト11の回転と画像書出し位置との同期をとって、レジストローラ19によって二次転写部へと給送されていく。
定着手段となる定着ユニット20は、記録材9に転写された複数色のトナー像を定着させるものである。定着ユニット20は、搬送される記録材9の画像形成面側に配置される発熱手段を有する定着ローラ21と、該定着ローラ21に対向する加圧手段である加圧ローラ22とを有して構成される。図示しない加圧バネによって定着ローラ21と、加圧ローラ22とにより記録材9を狭持して所定の圧力で加圧する。加圧ローラ22が回転駆動することにより記録材9の画像形成面側を定着ローラ21で加熱し、非画像形成面側を加圧ローラ22で加圧し、トナー像を溶融して記録材9にトナー像を定着させる。
定着ユニット20の記録材搬送方向下流側には排出部26が配置されている。排出部26は、搬送ローラ231と、該搬送ローラ231よりも更に記録材搬送方向下流側に配置された排出ローラ232とが設けられており、記録材9を画像形成装置100本体の外部に排出する。
<画像形成動作>
画像形成装置100の画像形成動作としては、プロセスカートリッジ7において、画像形成タイミングに合わせて感光ドラム1が、図1の時計回り方向に回転駆動される。そして、全てのプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が駆動される。感光ドラム1の回転過程で、それぞれ図示しない電源回路から帯電ローラ2に帯電バイアスが印加され、感光ドラム1の周面が所定の極性及び電位に一様に帯電処理される。
スキャナユニット3は、感光ドラム1の周面に画像信号に応じてフルカラー画像の色分解成分像であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像パターンに従った光像露光を行い、感光ドラム1の周面上に静電潜像を形成する。
その静電潜像がそれぞれの現像装置4内の現像ローラ41によって、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて、それぞれ4つの感光ドラム1の周面上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を所定のタイミングで形成する。電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分像であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像をそれぞれ4つの感光ドラム1の周面上に形成する。
感光ドラム1の周面上に形成された各色のトナー像は、画像位置の同期をとって、感光ドラム1との周速度が略等速度で回転駆動される中間転写ベルト11上に重畳転写される。中間転写ベルト11上の一次転写部において一次転写ローラ12に図示しない電源回路から印加される一次転写バイアスによって感光ドラム1の周面上に形成された各色のトナー像が順次に中間転写ベルト11上に重畳転写される。
このとき、全ての色のトナー像が中間転写ベルト11上に一次転写された段階で、該中間転写ベルト11上に未定着のフルカラートナー像(鏡像)が形成される。
それぞれの画像形成部において、中間転写ベルト11に対するトナー像の一次転写後に各感光ドラム1上に残った転写残トナーはクリーニング装置8のクリーニングブレード6によって除去され、該クリーニング装置8内の貯留部に貯留される。
その後、中間転写ベルト11の外周面上のフルカラートナー像の先端が、二次転写ローラ25が対向する二次転写部に搬送されてくる。このタイミングで、中間転写ベルト11上のトナー像先端に記録材9の画像形成開始位置が一致するように、レジストローラ19が回転を開始して記録材9を二次転写部へ給送する。
二次転写ローラ25に図示しない電源回路から印加される二次転写バイアスによって中間転写ベルト11と二次転写ローラ25との間に電界が形成され、記録材9は搬送されながら中間転写ベルト11上のフルカラートナー像が転写される。中間転写ベルト11上に残った転写残トナーはクリーニング装置15に設けられたクリーニングブレードによって除去され、図示しない廃トナーボックスに送られて貯留される。
その後、フルカラートナー像が転写された記録材9は、二次転写部から定着ユニット20に搬送される。記録材9は、定着ユニット20でトナー像が熱定着された後、搬送ローラ231及び排出ローラ232によって、排出部26から画像形成面を下にした状態で画像形成装置100本体外に排出される。
尚、本実施形態の画像形成装置100は、図3に示すように、全ての一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して感光ドラム1に当接したフルカラー画像を形成し得る。更に、図4に示すように、イエロー、マゼンタ、シアンの一次転写ローラ12a,12b,12cが感光ドラム1a,1b,1cから離間して各プロセスカートリッジ7a,7b,7cを動作させずにモノクロ画像を形成し得る。
モノクロ画像を形成する場合には、図4に示すように、ブラックの一次転写ローラ12dのみを中間転写ベルト11を介して感光ドラム1dに当接させる。そして、他のイエロー、マゼンタ、シアンの各一次転写ローラ12a,12b,12cを中間転写ベルト11から離間させる。そして、中間転写ベルト11に対してブラックのプロセスカートリッジ7dで形成したトナー像のみを転写することでモノクロ画像を得るものである。
<接離機構>
図3はフルカラー画像を形成するフルカラーモードである。図4はモノクロ画像を形成するモノクロモードである。それらのモード時は、図2〜図4に示すように、一次転写ローラ12を中間転写ベルト11を介して相対する感光ドラム1に接離する接離手段となる接離機構29によって切り替えられる。接離機構29は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各一次転写ローラ12を中間転写ベルト11を介して相対する感光ドラム1に接離することで各モードを切り替える。
また、装置停止時には、図2に示すように、全ての一次転写ローラ12を中間転写ベルト11から離間した全離間モードに設定される。このように、接離機構29は、図2に示す全離間モードと、図3に示すフルカラーモードと、図4に示すモノクロモードとの3つのモードに切り替えられる。
接離機構29は、一端部に一次転写ローラ12を回転可能に軸支すると共に、装置フレームに設けられた回動軸123を中心に回動可能に設けられた軸受部材121を有する。更に、一端が装置フレームに係止され、他端が軸受部材121に係止されて、一次転写ローラ12を相対する感光ドラム1に向けて押圧する複数の押圧手段となる一次転写ローラバネ122を有する。
更に、装置フレームに対して、一次転写ローラバネ122の押圧方向(図3及び図4の上下方向)と直交する方向(図2〜図4の左右方向)に移動可能に設けられたカムスライダ111a,111bを有する。カムスライダ111a,111bには、軸受部材121の回動軸123を中心に一次転写ローラ12とは反対側に設けられたカムフォロア124が当接摺動するカム面112が設けられている。
更に、カムスライダ111a,111bを図2〜図4の左右方向に移動するための離間カム113a,113bを有する。離間カム113a,113bは回転軸114を中心に回転する。そして、各カムスライダ111a,111bの一部に設けられたカムフォロア117a,117bに離間カム113a,113bのカム面が当接摺動する。そして、カムスライダ111a,111bを図2〜図4の左右方向に移動する。
更に、離間カム113a,113bを回転軸114を中心に所定量回転させるための出力ギアとなる図5(a)〜図6(a)、図9(a)〜図10(a)、図11(a)〜図12(a)、図13(a)〜図14(a)に示す離間カムギア115を有している。
接離機構29は、図3に示すフルカラーモード時の一次転写ローラ12a〜12dの状態がある。更に、図4に示すモノクロモード時の一次転写ローラ12dの状態がある。このように、各一次転写ローラバネ122により各一次転写ローラ12を相対する感光ドラム1に向けて押圧する転写可能な当接位置を有する。
更に、図2に示す全離間モード時の一次転写ローラ12a〜12dの状態がある。更に、図4に示すモノクロモード時の一次転写ローラ12a,12b,12cの状態がある。このように、カムスライダ111a,111bが図2及び図4の右方向に移動して軸受部材121の端部に設けられたカムフォロア124がカムスライダ111a,111bのカム面112に当接摺動する。
そして、一次転写ローラバネ122の押圧力に抗して軸受部材121を回動軸123を中心に図2及び図4の反時計回り方向に回動させる。そして、カムフォロア124が該カム面112の最下面に当接して各一次転写ローラ12を中間転写ベルト11から離間させる。このような相対する感光ドラム1から離間させた転写不可能な離間位置を有する。そして、接離機構29は、各一次転写ローラ12を転写可能な当接位置と、転写不可能な離間位置とに選択的に移動させる。
そして、駆動制御装置28は、所定のタイミングで、駆動源となるモータ31の回転軸31aに固定して設けられたギア31bに噛合して接続された入力ギアとなる駆動ギア55から出力ギアとなる離間カムギア115に駆動を伝達する。駆動制御装置28は、図5(a)〜図6(a)、図9(a)〜図10(a)、図11(a)〜図12(a)、図13(a)〜図14(a)に示される各状態に動作する。
そして、駆動制御装置28により離間カムギア115を駆動制御し、該離間カムギア115に連結された離間カム113a,113bを介して接離機構29を駆動制御する。
<駆動制御装置>
次に図5〜図14を用いて接離機構29の駆動制御装置28の構成について説明する。本実施形態では駆動制御装置28によって接離機構29の駆動制御を行う。
図5及び図6に示すように、離間カム113a,113bの回転軸114と同軸上に固定して設けられた離間カムギア115には二段ギア30の小径ギア30bが噛合している。更に二段ギア30の大径ギア30aにはギア116が噛合されている。
駆動制御装置28により離間カムギア115が駆動制御される。そして、該離間カムギア115と同軸上に互いに固定された離間カム113a,113bが回転する。すると、該離間カム113a,113bのカム形状に追従するカムフォロア117a,117bを介してカムスライダ111a,111bが図2〜図4の左右方向に所定量移動する。
このカムスライダ111a,111bの往復直線移動により一次転写ローラ12を回転可能に保持している軸受部材121の一端部に設けられたカムフォロア124がカムスライダ111a,111bに設けたカム面112の傾斜面に当接摺動して昇降する。
そして、一次転写ローラバネ122の押圧力により軸受部材121が回動軸123を中心に図3及び図4の時計回り方向に回動して一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して感光ドラム1に対して当接する。或いは、一次転写ローラバネ122の押圧力に抗して軸受部材121が回動軸123を中心に図2及び図3の反時計回り方向に回動して一次転写ローラ12が中間転写ベルト11から離間する。
このように、離間カム113a,113bが所定量回転する。これにより、カムスライダ111a,111bを移動し、所定の一次転写ローラ12を感光ドラム1に対して接離させる。これにより、図2に示す全離間モードと、図3に示すフルカラーモードと、図4に示すモノクロモードとが適宜選択可能である。
本実施形態の駆動制御装置28は、図5及び図6に示すように、駆動ギア55と噛合可能に設けられ、欠け歯部511を備える第一の欠け歯ギア51を有する。更に、該第一の欠け歯ギア51と同軸上に並列配置され、駆動ギア55と噛合可能に設けられ、且つ欠け歯部521を備える第二の欠け歯ギア52を有する。
更に、第一の欠け歯ギア51に設けられた係止部となる係止爪512にソレノイドフラッパ531が係止して所定のタイミングで該第一の欠け歯ギア51の回転を規制するソレノイド53を有する。更に、第二の欠け歯ギア52に設けられたカム部523の一部に形成された係合部となる係合溝522に隙間dを保った状態で係合して該第二の欠け歯ギア52の回転を規制する規制部材となるホームポジションレバー54を有する。
ホームポジションレバー54は装置フレームに設けられた回動軸54aを中心に回動可能に設けられている。ホームポジションレバー54の一端部には、第二の欠け歯ギア52に設けられたカム部523のカム面に当接摺動する先端爪部54bが設けられている。
そして、ホームポジションレバー54の他端部には、一端が装置フレームに係止された付勢手段となるバネ57の他端が係止されている。これにより、バネ57の引っ張り力によりホームポジションレバー54の先端爪部54bを第二の欠け歯ギア52に設けられたカム部523の一部に形成された係合溝522に向かって付勢する。
装置フレームの所定の位置には位置規制部材となるストッパ58が設けられている。ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けられたカム部523の一部に形成された係合溝522に隙間dを保った状態で係合する。
そのとき、隙間形成手段となるストッパ58は、図7に示すように、ホームポジションレバー54の背面に当接する。これにより、該先端爪部54bと係合溝522との対面部において、第二の欠け歯ギア52のラジアル方向(径方向)に該先端爪部54bと係合溝522との間に所定の隙間dを形成する。
本実施形態のストッパ58は、バネ57の引っ張り力により第二の欠け歯ギア52に設けられたカム部523の一部に形成された係合溝522に向かって付勢されるホームポジションレバー54の先端爪部54bの位置を規制する。ストッパ58は、バネ57がホームポジションレバー54に係合する係合位置の近傍で該ホームポジションレバー54の背面側に配置されている。
本実施形態の駆動制御装置28は、第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52とを1周毎に回転制御している。第二の欠け歯ギア52が1周すると、該第二の欠け歯ギア52に一体的に設けられた小径ギア527、該小径ギア527に噛合するギア116、該ギア116に噛合する二段ギア30の大径ギア30aが回転する。
更に、該大径ギア30aと一体的に回転する小径ギア30b、該小径ギア30bに噛合する離間カムギア115を介して該離間カムギア115と一体的に回転する離間カム113が回転する。
これにより、前述したように、カムスライダ111a,111bを所定量移動させて一次転写ローラ12の離間状態を図2に示す全離間モード、図3に示すフルカラーモード、図4に示すモノクロモードの順に1モード毎に移行する。
従って、画像形成装置100において、フルカラー印字をする場合は、図2に示す全離間モードから第二の欠け歯ギア52を1周回転駆動して図3に示すフルカラーモードに移行してから画像形成動作を行う。そして、画像形成動作の終了後に、第二の欠け歯ギア52を初期状態から2周回転駆動して図4に示すモノクロモードを通過して再び図2に示す全離間モードに移行する。
画像形成装置100において、モノクロ印字をする場合は、図2に示す全離間モードから第二の欠け歯ギア52を初期状態から2周回転駆動して図3に示すフルカラーモードを通過して図4に示すモノクロモードに移行してから画像形成動作を行う。そして、画像形成動作の終了後に、第二の欠け歯ギア52を1周回転駆動して再び図2に示す全離間モードに移行する。
第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52とは、互いのギア部516,526が駆動ギア55と噛合することでモータ31から該駆動ギア55に伝達された駆動力が伝達される。更に、第二の欠け歯ギア52は該第二の欠け歯ギア52に固定されて一体的に回転する小径ギア527を介して駆動力をギア116に伝達する。
第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52とのそれぞれのギア部516,526の延長周上の一部には、それぞれ駆動ギア55と噛合し得ない欠け歯部511,521が形成されている。
図5(a)及び図6(b)に示すように、第一の欠け歯ギア51の円周上でギア部516から軸方向に外れた所定位置には、係止部となる係止爪512が形成されている。そして、この係止爪512にソレノイド53により操作されるソレノイドフラッパ531が係止することで第一の欠け歯ギア51の回転が規制される。このとき、図5(a)に示すように、第一の欠け歯ギア51の欠け歯部511が駆動ギア55に対向するように配置される。
第二の欠け歯ギア52は、図5(b)及び図6(a)に示すように、大径のギア部526と、小径ギア527の2種類のギアが一体的に固定して設けられた段ギアである。一方のギア部526の外径は、第一の欠け歯ギア51のギア部516の外径と同径で所定の回転位相で第一の欠け歯ギア51の回転をチャージバネ59を介して補助する。もう一方の小径ギア527は、ギア116と噛合し、駆動ギア55からの駆動力をギア部516、小径ギア527、ギア116、二段ギア30の大径ギア30a、小径ギア30bを介して離間カムギア115に伝達する。そして、該離間カムギア115に連結された離間カム113a,113bを回転駆動する。
第二の欠け歯ギア52は、第一の欠け歯ギア51に設けた軸部51aに対して回転自在に取り付けられている。図5(a)及び図6(b)に示すように、第二の欠け歯ギア52の第一の欠け歯ギア51に対面する側面に突出して設けられた規制爪513が第一の欠け歯ギア51に設けられたガイド溝514に嵌入されて摺動自在に係止される。これにより第二の欠け歯ギア52のスラスト方向(軸方向)における第二の欠け歯ギア52の抜け止めが規制されている。
ガイド溝514は第一の欠け歯ギア51の軸部51aを中心に所定の径を有する円周上の一部に所定の長さを有して第一の欠け歯ギア51の本体内に貫通して設けられている。
第二の欠け歯ギア52には一体的に回転するカム部523が設けられている。そして、回動軸54aを中心に回動可能なホームポジションレバー54がバネ57の引っ張り力によって図6(a)の時計回り方向に付勢されている。ホームポジションレバー54の背面はストッパ58に当接して保持される。
そして、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52のカム部523に設けられた係合溝522にラジアル方向(径方向)に所定の隙間dを持って係合する。
これによって、駆動制御装置28が動作していないときは、第二の欠け歯ギア52の欠け歯部521が駆動ギア55に対向して駆動伝達が出来ない状態で配置される。
第二の欠け歯ギア52のカム部523において係合溝522の該第二の欠け歯ギア52の図6(a)の反時計回り方向側には、傾斜面524が形成されている。該傾斜面524は、バネ57の引っ張り力により生じるホームポジションレバー54の付勢力が作用して該第二の欠け歯ギア52に図6(a)の反時計回り方向に回転力を働かせる。そのために傾斜面524の傾斜角度は急峻な斜面で形成されている。
また、第二の欠け歯ギア52のカム部523において係合溝522の該第二の欠け歯ギア52の図6(a)の時計回り方向側には、傾斜角度が緩慢な傾斜面525が形成されている。これにより係合溝522は、断面略V字形状を有している。
これによって、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが係合溝522にラジアル方向(径方向)に所定の隙間dを持って係合すると、第二の欠け歯ギア52の図6(a)の時計回り方向と、反時計回り方向の両方向の回転が規制される。そして、各画像形成モードで回転停止している離間カム113a,113bの回転位相がずれることの無いように第二の欠け歯ギア52が回転停止される。
第二の欠け歯ギア52のカム部523に係合溝522に隣接して傾斜面525が無い場合を考える。その場合には、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが傾斜面524を付勢することで生じる第二の欠け歯ギア52の図6(a)の反時計回り方向への回転力を規制することが出来ない。この場合には、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが係合溝522に係合することなく通り越してしまう。
その結果、第二の欠け歯ギア52が停止時の回転位相が所定の位相からずれてしまう。これにより、離間カム113a,113bを介してカムスライダ111a,111bを所定量移動することが出来ず、一次転写ローラ12を中間転写ベルト11に対して確実に接離出来ない。また、第二の欠け歯ギア52の欠け歯部521が駆動ギア55に対向せずにギア部526が該駆動ギア55に噛み合ってしまい、第二の欠け歯ギア52の回転を制御出来ない。
第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52との間には、回転力伝達手段となるチャージバネ59が配置して取り付けられている。図6(a)に示すように該チャージバネ59は圧縮コイルばねで構成され、一方の端部を第一の欠け歯ギア51に設けたコの字型のリブ27に、他方の端部を第二の欠け歯ギア52に設けたボス部32に取り付けられている。そして、該チャージバネ59によって、一方の欠け歯ギアの回転力を所定のタイミングで他方の欠け歯ギアへ伝達する。即ち、互いの欠け歯ギアが自身の回転方向に他方の欠け歯ギアを付勢するように構成されている。
接離機構29が動作しないときは、図5(a)に示すように、ソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51の係止爪512に係止して欠け歯部511が駆動ギア55と対向した状態で第一の欠け歯ギア51の回転が停止している。
また、第二の欠け歯ギア52も同様に、図6(a)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。そして、図5(a)に示すように、欠け歯部521が駆動ギア55と対向した状態で第二の欠け歯ギア52の回転が停止している。
このとき、第一の欠け歯ギア51と第二の欠け歯ギア52との間に設けたチャージバネ59には、詳しくは、図14(a)に示して後述するように、先の第二の欠け歯ギア52の回転力を受けてバネ力が蓄えられた状態を維持している。
接離機構29を動作させて、図3に示すフルカラーモードや、図4に示すモノクロモードに切り替える。その場合には、駆動制御装置28は図5及び図6に示す状態から、図9及び図10に示すように、ソレノイド53を駆動する。そして、ソレノイドフラッパ531を動作させて係止爪512との係止状態を解除する。
ソレノイドフラッパ531と係止爪512との係止状態が解除される。すると、図9及び図10に示すように、第一の欠け歯ギア51は、第二の欠け歯ギア52との間に組み込まれたチャージバネ59に蓄積されたバネ力により回転方向に付勢される。そして、図9(a)の時計回り方向に回転動作を開始する。
そして、第一の欠け歯ギア51のギア部516が駆動ギア55と噛合し始める。このとき、第二の欠け歯ギア52は、図10(a)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合して停止状態を維持している。
即ち、本実施形態のチャージバネ59は、ソレノイド53による第一の欠け歯ギア51の回転規制を解除したときに、先の第二の欠け歯ギア52の回転に伴なって該第二の欠け歯ギア52の回転力をバネ力として蓄積する。そして、そのバネ力を放出して第一の欠け歯ギア51に回転力として伝達して第一の欠け歯ギア51のギア部516が駆動ギア55と噛み合う位置まで該第一の欠け歯ギア51を回転させる。
第一の欠け歯ギア51のギア部516と駆動ギア55とが噛み合った直後に、第二の欠け歯ギア52の側面に突出して設けた規制爪513と、該規制爪513を摺動自在にガイドする第一の欠け歯ギア51に設けたガイド溝514の端部とが突き当たる。これにより、第二の欠け歯ギア52は第一の欠け歯ギア51に連れ回る。
ここで、第二の欠け歯ギア52の側面に突出して設けた規制爪513と、該規制爪513を摺動自在にガイドする第一の欠け歯ギア51に設けたガイド溝514の端部とは、第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52との間に配置される。そして、一方の欠け歯ギアの回転力を所定のタイミングで他方の欠け歯ギアへ伝達する回転力伝達手段として構成される。
そして、第二の欠け歯ギア52の側面に突出して設けた規制爪513と、該規制爪513を摺動自在にガイドする第一の欠け歯ギア51に設けたガイド溝514の端部とが係合する。その係合により、第一の欠け歯ギア51の回転に伴なって該第一の欠け歯ギア51の回転力を第二の欠け歯ギア52に伝達する。
そして、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の傾斜面524に当接摺動する。そして、バネ57の引っ張り力に抗してホームポジションレバー54を回動軸54aを中心に図10(a)の反時計回り方向に押し上げる。
これにより、ホームポジションレバー54の先端爪部54bを第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522から解除する。そして、第二の欠け歯ギア52を図10(a)の時計回り方向に回転させて該第二の欠け歯ギア52のギア部526が駆動ギア55に噛み合う位置まで該第二の欠け歯ギア52を回転させる。
これにより、第二の欠け歯ギア52に駆動ギア55の駆動力が伝達され、第二の欠け歯ギア52が図10(a)の時計回り方向に回転する。そして、第二の欠け歯ギア52に固定されて一体的に回転する小径ギア527に噛合するギア116が図10(a)の反時計回り方向に回転する。
そして、該ギア116に噛合する二段ギア30の大径ギア30aが図10(a)の時計回り方向に回転する。そして、該大径ギア30aに軸30cを介して固定された小径ギア30bも図10(a)の時計回り方向に回転する。そして、該小径ギア30bに噛合された離間カムギア115が図10(a)の反時計回り方向に回転する。
そして、離間カムギア115に連結された図2〜図4に示す離間カム113a,113bが回転してカムフォロア117a,117bを介してカムスライダ111a,111bを図2〜図4の左右方向に適宜移動する。そして、図2に示す全離間モードから図3に示すフルカラーモードや、図4に示すモノクロモードに切り替える。
その後、第一の欠け歯ギア51と第二の欠け歯ギア52とが図5及び図6に示す状態から1周弱回転する。すると、図11及び図12に示すように、再び、第一の欠け歯ギア51の欠け歯部511が駆動ギア55に対向して駆動ギア55から第一の欠け歯ギア51に駆動力が伝達されなくなる。
そのときからソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512に係止するまでは、該第一の欠け歯ギア51はチャージバネ59を介して第二の欠け歯ギア52の回転力を受けて回転する。そして、ソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512に係止することにより第一の欠け歯ギア51の回転が停止する。
また、第一の欠け歯ギア51の回転が停止してから、該第一の欠け歯ギア51と、第二の欠け歯ギア52との間に設けられたチャージバネ59が該第二の欠け歯ギア52の回転力により圧縮され、これによりバネ力が蓄えられる。
その後、第二の欠け歯ギア52の欠け歯部521が駆動ギア55に対向する位置に到達した直後からホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。それまでは、図13及び図14に示すように、バネ57の引っ張り力によってホームポジションレバー54が回動軸54aを中心に図14(a)の時計回り方向に常時、付勢されている。
そして、該ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の傾斜面524を付勢する。これにより、該第二の欠け歯ギア52に図14(a)の反時計回り方向の回転力が生じる。そして、該第二の欠け歯ギア52はチャージバネ59の圧縮力に抗して回転する。そして、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合して第二の欠け歯ギア52が停止する。
チャージバネ59は、このときの第二の欠け歯ギア52の回転力により圧縮されてバネ力が蓄積される。図9に示して前述したように、ソレノイド53を駆動して、ソレノイドフラッパ531を動作させて係止爪512との係止状態を解除する。その際に、チャージバネ59のバネ力が放出されて駆動ギア55にギア部516が噛合していない状態の第一の欠け歯ギア51に回転力を付与する。
<本実施形態の特徴的な構成>
本実施形態の特徴的な構成は、回動軸54aを中心に回動可能に軸支され、一方の端部がバネ57により常時、引っ張られているホームポジションレバー54の回動範囲を規制するストッパ58を装置フレームに設けたことである。
従来の駆動制御装置28では、図8に示すように、ホームポジションレバー54の回動範囲を規制するストッパ58を設けていなかった。
本実施形態では、従来よりも接離機構29の動作時間を短縮するために第二の欠け歯ギア52の回転速度を1.5倍増速している。また、画像形成装置100の長寿命化に対応するために接離機構29の動作負荷が大きくなることに対応する必要がある。そのため、バネ57の引っ張り力を強くしてホームポジションレバー54の第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523に対する付勢力を大きくした。
これによって、図14(a)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の傾斜面524を滑り下りるときの加速度が増加した。その結果、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に係合したときに該第二の欠け歯ギア52に伝わる衝撃力が増えた。
この衝撃力が、ある一定の度合いを超えると、第二の欠け歯ギア52自体を揺らし、その結果、図5(a)に示す状態のソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512から外れる場合がある。
即ち、従来の駆動制御装置28では、格別問題にならなかったが、接離機構29の動作時間の短縮化や動作負荷が大きい場合に対応する上では無視出来ない新たな課題になる。
ソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512から外れると、第一の欠け歯ギア51のギア部516が再び駆動ギア55に噛合して、所定の回転数よりも1回転多く第一の欠け歯ギア51及び第二の欠け歯ギア52が回転する。その結果、所定の画像形成モードに移行しない。これによって、所望の画像形成が出来ない状態に至る。
そこで、本実施形態では、図7(a)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。そのときに、該第二の欠け歯ギア52のラジアル方向(径方向)に直接、衝撃力が伝わらないようにするためにホームポジションレバー54の背面が当接するストッパ58を装置フレームに設けた。
このストッパ58は、図7(b)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522の壁面に完全に当接出来ないようにホームポジションレバー54の回動範囲を規制する。
本実施形態では、図7(b)に示すように、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。その状態では、ホームポジションレバー54の先端爪部54bと、係合溝522の壁面との間において第二の欠け歯ギア52のラジアル方向に隙間dを設けている。
図8に示す従来の駆動制御装置28ではバネ57の引っ張り力によりホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522の壁面に激突する。その際の衝撃によりホームポジションレバー54の弾性変形が発生する。本実施形態では、図7(a)に示すように、ホームポジションレバー54の一端部に係合するバネ57の係合部の近傍にストッパ58を設ける。これにより、バネ57の引っ張り力によりホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522の壁面に激突しない。また、ホームポジションレバー54の弾性変形も発生しない。
その結果、図8に示す従来の駆動制御装置28のホームポジションレバー54が弾性変形する分だけバネ57の使用時の長さを長くする。これにより、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合し始めるとき(即ち、ホームポジションレバー54が弾性変形する直前)のバネ57の荷重を減らすことが出来る。
これにより、図8に示す従来の駆動制御装置28ではホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522の壁面に激突する。その際の衝撃によるホームポジションレバー54の弾性変形による第二の欠け歯ギア52の回転位相への影響やバネ57の荷重への影響を本実施形態では考慮する必要が無くなる。
そして、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合するときの第二の欠け歯ギア52の回転位相のずれを抑えながら衝撃力を減少させることが出来る。
本実施形態では、ソレノイドフラッパ531に発生する振動加速度を測定するための加速度計のピックアップを該ソレノイドフラッパ531に取り付けて該ソレノイドフラッパ531に発生する振動加速度を測定した。
ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。その際に、ソレノイドフラッパ531に伝わる衝撃力を測定した。
図8に示す従来の駆動制御装置28のソレノイドフラッパ531には352m/sec2の振動加速度が計測された。一方、図7に示す本実施形態の駆動制御装置28のソレノイドフラッパ531には170m/sec2の振動加速度が計測された。従って、図7に示す本実施形態の駆動制御装置28では、図8に示す従来の駆動制御装置28と比較して、ソレノイドフラッパ531に発生する衝撃力が50%に低減したことが確認出来た。
本実施形態で、ソレノイドフラッパ531に発生する衝撃力が従来のソレノイドフラッパ531に発生する衝撃力の50%程度生じた理由は、ホームポジションレバー54が第二の欠け歯ギア52のラジアル方向に与える衝撃力ではなかった。
それは、ホームポジションレバー54の背面がストッパ58に突き当る際の衝撃力がホームポジションレバー54を保持する装置フレームを介してソレノイド53を保持する装置フレームに伝達される。更に、ソレノイドフラッパ531に伝わった振動加速度が測定されたものである。
図8に示す従来の駆動制御装置28のホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に当接係合する。その際の衝撃力によりソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512から外れる。このようなことを本実施形態では無くすことが出来た。
これにより、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。そのときに、該先端爪部54bと係合溝522の壁面との対面部において、第二の欠け歯ギア52のラジアル方向に隙間dを設ける。更に、ホームポジションレバー54の回動範囲を規制するストッパ58をホームポジションレバー54の一端部に係合されるバネ57の係合部の近傍に設ける。
これにより、ホームポジションレバー54の先端爪部54bが第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522に隙間dを保持した状態で係合する。そのときに、該ホームポジションレバー54から第二の欠け歯ギア52のラジアル方向に伝わる衝撃力を緩和することが出来る。そして、その衝撃力によってソレノイドフラッパ531が第一の欠け歯ギア51に設けられた係止爪512から外れることを防止することが出来る。
尚、本実施形態において、図7(b)に示すホームポジションレバー54の先端爪部54bと、第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522との間の隙間dは0.5mmとした。該隙間dは第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522にホームポジションレバー54の先端爪部54bが係合しているときの回転位相のバラツキをできる限り小さくする観点からできる限り小さくするべきである。本実施形態では0<d<2mm程度が望ましい。但し、この数値は第二の欠け歯ギア52に設けたカム部523の係合溝522の溝形状によって決まるものであり、隙間dの適用値はこの限りでは無い。
これにより、本実施形態によれば、駆動制御装置28の動作時間の短縮化や、駆動制御装置28の出力側の負荷トルクが増加した場合でも確実に接離機構29を駆動制御することが出来る。
また、ホームポジションレバー54の回動範囲を規制するストッパ58をホームポジションレバー54の一端部に係合されるバネ57の係合部の近傍に設ける。これにより、ホームポジションレバー54の弾性変形が殆んど無く、第二の欠け歯ギア52のラジアル方向に伝わる衝撃力を無くすことが出来る。
尚、図1では、感光ドラム1の表面に形成したトナー像を中間転写ベルト11に一次転写し、該中間転写ベルト11上に一次転写したトナー像を記録材9に二次転写する構成の画像形成装置100の一例について説明した。他に、図17に示すように感光ドラム1の表面に形成したトナー像を本発明に係るベルトとなる記録材搬送ベルト61に担持搬送される記録材9に直接転写する構成の画像形成装置100にも適用出来る。複数の転写手段となる転写ローラ12が該記録材搬送ベルト61を挟んで感光ドラム1に相対する位置に設けられる。
そして、その転写ローラ12を相対する感光ドラム1に向けて押圧する複数の押圧手段を設ける。そして、その押圧手段により転写ローラ12を相対する感光ドラム1に向けて押圧する転写可能な当接位置と、転写不可能な離間位置とに選択的に移動させる接離手段を設ける。そして、その接離手段を前述した駆動制御装置28により駆動制御する構成でも良い。他の構成は前記実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。