以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤8を備えている。遊技盤8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図6)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に左始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。このうち左始動入賞口6は遊技領域8aの下部分の中央に位置しており、始動ゲート20は遊技領域8aの右側部分でその上部寄りに位置している。また、3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに位置している。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分にあって、始動ゲート20の下方に位置しており、その直下方に可変始動入賞装置28が配置されている。また、可変入賞装置30は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに位置し、左始動入賞口26の右方に並んで配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、左始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)したりする。なお、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に左始動入賞口26に入球(入賞)するか、もしくは普通入賞口22に入球(入賞)する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、普通入賞口25に入球(入賞)するか、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、左始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球(入賞)した遊技球は遊技板(遊技盤8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28aへの入球(入賞)を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28bを有しており、これら開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の開閉部材28bは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき右始動入賞口28aへの入球(入賞)は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28bはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、右始動入賞口28aへの入球(入賞)を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。また、遊技盤8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28a)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で規定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、大入賞口(図示せず)への入球(入賞)を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aもまた、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき大入賞口への入球は不能(大入賞口が閉鎖中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態、つまり入球が可能な開放状態となり、大入賞口への入賞という事象(抽選契機)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。ここでも同様に、遊技盤8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(作動時の大入賞口)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の可変入賞装置30に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,25や可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。本実施形態では1つの特別図柄を使用しているため、特別図柄表示装置34として1個の7セグメントLEDを設ければよいが、図4に示されるように、予め2個の7セグメントLEDを実装しておくことで、2つの特別図柄を使用する他の機種にも同じハードウェア構成(統合表示基板89)を適用することができる。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。また、1つの特別図柄を2個の7セグメントLEDで表示してもよい。その他、特別図柄表示装置34は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38d、右打ち表示ランプ38eにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40k,40mを備えている。装飾部品40b,40c,40k,40mはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が左始動入賞口26の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある左始動入賞口26を通過しやすくなる(ただし、常に通過するわけではない。)。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
次に、図5に基づいて、可動役物装置301及び可動役物装置302の構成について説明する。図5は、可動役物装置の構成例及び動作例を示す図である。ここで、図5中(A)は可動役物装置301及び可動役物装置302の構成例を示す図であり、図5中(B)は可動役物装置301及び可動役物装置302の動作例を示す図である。
〔可動役物装置301の構成〕
図5中(A)に示すように、可動役物装置301(可動体駆動手段)は、右側シャッタ部310と、この右側シャッタ部310を移動させるための機構である右側シャッタ移動機構340と、これらの部材を取り付けるための取付部材360とを有している。
右側シャッタ部310は、コ字状の透明基板311の面上に、右半分のハート形の枠形状を有した発光部312(可動体)が配置された構成となっている。透明基板311の上部には、ガイド部315が上方に向かって突設されている。また、発光部312は、内側にLEDやランプ等の複数の発光手段が埋め込まれている。
取付部材360の上部には、ガイド部315が摺動可能(スライド可能)に挿入されるガイドレール361が設けられている。
右側シャッタ移動機構340は、取付部材360の下部の背面側に固定されたモータM3と、モータM3の駆動軸に固定されたモータギア341と、このモータギア341と噛み合わされ、取付部材360の下部に設けられた軸に回転自在に設けられた中間ギア342と、取付部材360の下部に固定された移動部343とを有している。
移動部343は、中間ギア342と噛み合わされた鋸刃状の歯列部344と、取付部材360に設けられた軸が挿通され、左右方向に延在するガイド溝345とを有している。
また、移動部343の上部には、右側シャッタ部310の下部が固定されている。
したがって、モータM3が回転駆動することで、その回転力がモータギア341を介して中間ギア342へと伝達され、中間ギア342の回転力が歯列部344において左右方向への力に変換されて、移動部343を左右方向へと移動する。
これにより、モータM3の回転方向に応じて、移動部343に固定された右側シャッタ部310が、ガイド溝345及びガイドレール361に沿って左右方向に移動する。
〔可動役物装置302の構成〕
一方、図5中(A)に示すように、可動役物装置302(可動体駆動手段)は、左側シャッタ部320と、この左側シャッタ部320を移動させるための左側シャッタ移動機構350と、これらの部材を取り付けるための部材であって、可動役物装置301と共通の取付部材360とを有している。
左側シャッタ部320は、透明基板311を左右反転した形状の透明基板321の面上に、左半分のハート形の枠形状を有した発光部322(可動体)が配置された構成となっている。透明基板321の上部には、ガイド部325が上方に向かって突設されている。このガイド部325は、取付部材360の上部に配置されたガイドレール361に摺動可能に挿入されている。また、発光部322は、内側にLEDやランプ等の複数の発光手段が埋め込まれている。
左側シャッタ移動機構350は、取付部材360の下部の背面側に固定されたモータM4と、モータM4の駆動軸に固定されたモータギア351と、このモータギア351と噛み合わされ、取付部材360の下部に設けられた軸に回転自在に設けられた中間ギア352と、取付部材360の下部に固定された移動部353とを有している。
移動部353は、中間ギア352と噛み合わされた鋸刃状の歯列部354と、取付部材360に設けられた軸が挿通され、左右方向に延在するガイド溝355とを有している。
また、移動部353の上部には、左側シャッタ部320の下部が固定されている。
したがって、モータM4が回転駆動することで、その回転力がモータギア351を介して中間ギア352へと伝達され、中間ギア352の回転力が歯列部354において左右方向への力に変換されて、移動部353を左右方向へと移動する。
これにより、モータM4の回転方向に応じて、移動部353に固定された左側シャッタ部320が、ガイド溝355及びガイドレール361に沿って左右方向に移動する。
また、取付部材360の右下端部にはフォトセンサ760が設けられており、移動部343の右側面には、フォトセンサ760の被検出部であるインデックスリブ770が突設されている。
フォトセンサ760は、光を照射する光照射部と、光照射部から照射された光を受光す
る受光部とを有し、光照射部と受光部とは所定の間隙を空けて対向配置されている。
フォトセンサ760の光照射部及び受光部と、インデックスリブ770とは、移動部343が右方向の最大移動位置(基準位置)にあるときに、インデックスリブ770が光照射部及び受光部の間に挿入されて、光照射部から受光部へと照射される光を遮断する状態となる。このため、演出制御装置124は、フォトセンサ760が遮光状態であるときに(フォトセンサ760から遮光状態である旨の検出信号を受信したときに)、右側シャッタ部310が基準位置にあると判断することができる。
また、取付部材360の左下端部にはフォトセンサ780が設けられており、移動部353の左側面には、フォトセンサ780の被検出部であるインデックスリブ790が突設されている。なお、フォトセンサ780は、フォトセンサ760と同じ構成のセンサである。
フォトセンサ780の光照射部及び受光部と、インデックスリブ790とは、移動部353が左方向の最大移動位置(基準位置)にあるときに、インデックスリブ790が光照射部及び受光部の間に挿入されて、光照射部から受光部へと照射される光を遮断する状態となる。このため、演出制御装置124は、フォトセンサ780が遮光状態であるときに(フォトセンサ780から遮光状態である旨の検出信号を受信したときに)、左側シャッタ部320が基準位置にあると判断することができる。
〔可動役物装置301及び可動役物装置302の動作例〕
ここで、モータM3及びモータM4の回転駆動によって、右側シャッタ部310が左方向に移動し、左側シャッタ部320が右方向に移動すると、図5中(B)に示すように、2つのシャッタ部は閉じる方向(互いに近づく方向)に移動する。そして、両方のシャッタ部が最大移動位置まで移動すると、最終的に、発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が形成される。
可動役物装置301及び可動役物装置302は、例えばリーチ演出や状態非開示演出、状態開示演出等の演出処理において駆動され、右側シャッタ部310及び左側シャッタ部320の移動による形態の変化や、発光部312,322の点灯状態の組み合わせによって、遊技の興趣を向上させることができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、左始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して左始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、左始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、上記のように可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
特に図示していないが、遊技盤8には磁気センサや振動センサもまた設置されており、このうち磁気センサは、その設置位置で遊技盤8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また振動センサは、その設置位置で遊技盤8に加えられる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。これら磁気センサや振動センサの検出信号は、例えばパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,48,50,52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作すると、それぞれ接点信号(押し込み操作時)又は回転角信号(回転操作時)がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。なお、バックライトにLEDアレイを用いる場合、インバータ基板158に代えてLED駆動基板(図示していない)を設置することができる。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56、可動体40fを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(例えば24ビットカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図7及び図8は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図8に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図10中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図10中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図10)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図9は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図7)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図10は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、左始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、左始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図11は、スイッチ入力イベント処理(図10中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図10)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図12は、第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図11)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図10中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が時間短縮機能作動中であるか否か、あるいは、大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であって時間短縮機能が非作動であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。時間短縮機能が作動中であるか、もしくは大当り中のいずれかであれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、先ず大当り中は先読みによる演出を行わないためである。また大当り中以外では、第1特別図柄の作動記憶と第2特別図柄の作動記憶がともに残存する場合、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動を優先して行う(第2特別図柄の作動記憶を優先して消費する)こととしており、特に時間短縮機能作動中は可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるからである。なお、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の当選確率が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の変動を優先しても、その作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄について優先順位を設けることなく、これらを入賞発生順に当り判定(変動)することとしてもよい。なおステップS36は、例えば「時間短縮機能作動中」を判定するステップS36aと「大当り中」を判定するステップS36bの2つに分割してもよい。
ステップS37:現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中以外であって時間短縮機能が非作動の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図11)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図13は、第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図11)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図12)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図10中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図12)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図12)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図12)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図12)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、先のステップS45aで大当り中か否かだけを判定し、変動時間短縮機能の作動状態を判定していないのは、上記のように本実施形態では、大当り中以外の遊技において第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させるため、大当り中以外は変動時間短縮機能の作動状態に関わらず、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図11)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図14は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS37,図13中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(左始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図12)又は第2特別図柄記憶更新処理(図13)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図12)又は第2特別図柄記憶更新処理(図13)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図10)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図15は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の両方)が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、始動条件(第1始動条件、第2始動条件)を満たすとして主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が通常の長さ(例えば、合計記憶数に応じて2秒〜12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「15ラウンド確変大当り」、(2)「15ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類(特殊当選種類)として例えば(3)「2ラウンド確変大当り」、(4)「2ラウンド通常大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド確変大当り」は「15ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「15ラウンド通常大当り」は「15ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「2ラウンド確変大当り」は「2ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド通常大当り」は「2ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。このため「15ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。これら「15ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。なお、ここでは開放時間を極端な短時間に設定した例を挙げているが、2ラウンドの大当り遊技であっても、例えば1ラウンド中に複数個(例えば9個程度)の遊技球の入賞が可能となる充分な開放時間を設定することとしてもよい。この場合、ある程度の賞球払い出しという特典を付与した上で、「高確率状態」に移行する特典を遊技者に享受させることができる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔2ラウンド通常図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。しかも、当選種類が「2ラウンド通常図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後には、「確率変動機能」も「時間短縮機能」も作動されない。その結果として、大当り前の状態が「高確率状態」であれば「低確率状態」に移行されるし、大当り前の状態が「低確率状態」であれば、その「低確率状態」が維持される。このような「2ラウンド通常図柄」については、「高確率状態」を終了させる意義を有している。なお、ここでは開放時間を極端な短時間に設定した例を挙げているが、2ラウンドの大当り遊技であっても、例えば1ラウンド中に複数個(例えば9個程度)の遊技球の入賞が可能となる充分な開放時間を設定することとしてもよい。この場合、「高確率状態」は終了したとしても、ある程度の賞球払い出しによる特典を遊技者に付与することができる。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図16は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図10中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の特別図柄当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図10中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)することになる。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.0秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図17は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(図14)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図16:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて4種類が用意されている。4種類の内訳は、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」である。なお、4種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「15ラウンド確変図柄」であれば、「15ラウンド確変図柄a」、「15ラウンド確変図柄b」、「15ラウンド確変図柄c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄」又は「15ラウンド確変図柄」が選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図18は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図18に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「10」,「20」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「2ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)である。また、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は70%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「2ラウンド通常図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図19は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図19に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「30」,「70」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の70(=70%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は70%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「15ラウンド通常図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、第2特別図柄についての当選種類から「2ラウンド大当り」を除外しておけば、特に「高確率状態」及び「時間短縮状態」で「2ラウンド大当り」を引きにくくなるため、それだけ遊技者に煩わしさを感じさせることが少ないという利点がある。
〔図16:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、15ラウンド大当り(15ラウンド通常大当り又は15ラウンド確変大当り)に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図20は、15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、15ラウンド大当りに当選した場合に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図16:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「2ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「15ラウンド通常図柄」又は「2ラウンド通常図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」、「2ラウンド確変図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。ただし、「2ラウンド確変図柄」については、内部状態が高確率状態である場合に限られる(いわゆる潜伏確変状態での2ラウンド確変当選については電チューサポートが付加されることになる。)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合に、はずれ変動時と同等の変動パターンを選択している。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図15:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図16中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図21は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図16中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図16)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図22は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図15中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図16中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「15ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図23は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図10中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図24は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図25は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図15)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については2秒程度、「15ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図16中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図26は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図25中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図25中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図27は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図24中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図25中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図24中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図28は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図16中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図16中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグ(変動時間短縮機能作動フラグ)の値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図15中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
なお、具体的な演出図柄を用いた変動表示演出の例として、本実施形態で採用されている変動1回ごとの基本的な演出の例を2つと、大当り遊技中に実行される大役中演出例及びモード移行演出例を2つと、大当り期待度の高い特殊なモードにおける演出の例を2つ挙げ(計6例)図面を用いて説明する。
(1)変動表示演出と停止表示演出(はずれ時)(図29、図30)
(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(はずれ時及び大当り時)(図31〜図33)
(3)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(確変図柄当選時)(図34)
(4)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(通常図柄当選時)(図35)
(5)先読み時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出(図36〜図41)
(6)当該変動時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出(図42〜図45)
〔(1)変動表示演出と停止表示演出(はずれ時)の例〕
図29、図30は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、左始動入賞口26に入賞してから、第1特別図柄に関する内部抽選が行われるなどした後に、第1特別図柄が変動表示を開始し、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
〔変動表示前〕
図29中(A):例えば、前回の内部抽選においてはずれ(非当選)となり、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)により第1特別図柄が非当選を表す態様で停止表示されている場合、あるいはパチンコ機1においてその営業日の最初に遊技を開始する場合(いわゆる電源投入後、朝一の状態)を想定する。このとき液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様で停止表示演出(結果表示演出としてもよい)が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の表示画面上で左・中・右に並んで表示される。このうち、左演出図柄と右演出図柄については、それぞれ表示画面の左領域と右領域に比較的大きいサイズで表示されているが、中演出図柄は表示画面の中領域に比較的小さいサイズで表示されている。
各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。なお、左・中・右の演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を潜在的に構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示されるが、停止表示時には図柄列中で1つの演出図柄(図29の例では「3」−「4」−「7」)が表示画面に表示される。
図29には示されていないが、表示画面には上記の「野外ステージ」又は「海岸ステージ」に対応する背景画像が表示されている。演出図柄は背景画像の手前に重なるようにして表示されるが、変動表示中(スクロール中)は演出図柄全体が透けた(透過)状態で表示されるため、背景画像の視認性が向上する。これにより、遊技者に対して演出上の滞在ステージを明確に認識させることができる。
〔作動記憶表示マーカ〕
表示画面の下部分には、作動記憶の存在を表すマーカ画像を表示するための領域が帯状に形成されている。第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する作動記憶はそれぞれ遊技中に4個(上限数)まで蓄積可能であるため、図中に波線の円(図中に参照符号M1,M2を付す)を並べて示すように、画面下部の帯状領域には、マーカ画像を左右に分かれて4個ずつ、最大で8個まで並べて表示可能となっている。遊技中に作動記憶が発生すると、その存在を表すマーカ画像が帯状領域に表示される。このうち、左側に表示される最大4個のマーカ画像は第1特別図柄の作動記憶に対応しており、右側に表示される最大4個のマーカ画像は第2特別図柄の作動記憶に対応しているものとする。これらマーカ画像は、例えば中央から外側へ記憶の古い順に並べて表示され、新しく追加された作動記憶に対応するマーカ画像は、最も外側に順次追加して表示される。
〔当該変動中領域〕
また、表示画面下部で帯状領域の中央位置には当該変動中領域HAが形成されている。この当該変動中領域HAには、今回の変動で消費された作動記憶に対応するマーカ画像が一定時間に表示されるものとなっている。作動記憶が次の変動開始によって消費されると、当該変動中領域HAの隣(左右の各列の先頭)に表示されているマーカ画像が当該変動中領域HAに移動し、そこで一定時間(例えば1〜2秒程度)表示される。なお本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させることとしているので、左右両側にマーカ画像が表示されている場合、右側のマーカ画像が優先して当該変動中領域HAに移動するが、左側だけにマーカ画像が表示されている場合、左側のマーカ画像のうち、最も中央寄りのものが当該変動中領域HAに移動する。なお、移動後に帯状領域の左右でいずれかのマーカ画像が残っていれば、最も中央寄りのマーカ画像が抜けた後を詰めるようにマーカ画像を順次中央に移動(シフト)させる表示が行われる。なお当該変動中領域HAにマーカ画像が表示されて一定時間が経過するか、もしくは第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中でない場合、図示のように当該変動中領域HAはグレイアウト表示されている。
その他、表示画面の右上隅位置には、第1特別図柄及び第2特別図柄にそれぞれ対応する第4図柄Z1,Z2が表示されている。これら第4図柄Z1,Z2は、左・中・右の3つの演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
また第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「2ラウンド大当り」や「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤色表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔記憶数表示演出〕
図29中(B):遊技者が遊技球を借り受け、発射操作を行うことで遊技が開始されると、やがて左始動入賞口26(又は右始動入賞口28a)に遊技球が入賞することで、抽選契機が発生する。この例では、左始動入賞口26への入賞が発生したことで、第1特別図柄に対応する作動記憶が1個発生したため、画面下部の帯状領域に作動記憶1個の増加を表す態様でマーカM1が新たに表示されている(記憶数表示演出実行手段)。主制御CPU72による制御上、ここで発生した作動記憶はそのまま消費されるため、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは点灯表示されないか、もしくは記憶数1個を表す態様で点灯表示された後、直ちに非点灯となる。ただし、演出上ではマーカM1を短時間内に表示することで、遊技者に対して「新たに作動記憶が発生した」ということを明確に知らせることができる。なお、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄が変動表示を開始している場合、第4図柄Z1が変動表示中の態様で表示される。ここで、マーカM1、M2は、視覚的な判別を容易にするため、第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば青色表示色の円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM1が例えば赤色表示色の円(○)の図形で表示される。他にも、大当り期待度の高い演出が行われる際には、キャラクターの画像で表示されたり、表示色を点滅などさせたりしてもよい。
〔作動記憶消費演出〕
図29中(C):作動記憶の消費に伴い、表示画面下部の帯状領域の左側に表示されたマーカM1を当該変動中領域HAに移動させる演出が行われる(記憶数表示演出実行手段)。これにより、遊技者に対して作動記憶を1個消費して内部抽選が行われたことを演出上でわかりやすく教示することができる。なお、当該変動中領域HAに移動したマーカM1(参照符号なし)は拡大表示されることで、いわゆる「保留」との識別が図られている。また、このとき当該変動中領域HA内でのマーカM1の態様を変化させることで、期待度を予告的に教示することとしてもよい。
〔変動表示演出〕
また、第1特別図柄の変動表示に同期させて、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動表示に合わせて、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されていることは既に述べたとおりである。
この場合の背景画像は、例えば「昼間の屋外にある自然」の風景を表現したものである。このような背景画像は、上記の「ステージ演出」として実行されているものであり、演出上での滞在ステージが例えば「野外ステージ」であることを表現している。本実施形態において「野外ステージ」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のステージ・ゾーン・モードが設けられており、各種のステージ・ゾーン・モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらステージ・ゾーン・モードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。また、演出図柄の変動表示中は第4図柄Z1も変動表示されており、第4図柄Z1は引き続き、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図30中(D):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
また、当該変動中に重ねて左始動入賞口26への入賞が発生したことにより、新たに作動記憶が1個追加されたため、表示画面下部の帯状領域の左側に新たなマーカM1が1個表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶の増加とその個数(作動記憶数)をわかりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
当該変動中領域HAは、マーカM1のシフト表示から一定時間が経過したことにより、当該変動中のマーカM1は非表示となり、グレイアウト表示に変化している。これにより、当該変動で作動記憶が消費されたことを遊技者に対してさらに明確に伝達することができる(記憶数表示演出実行手段)。
〔右演出図柄停止〕
図30中(E):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「6」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「4」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「6」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「1」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「5」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
なお、この間に作動記憶がさらに1個追加されたため、追加された作動記憶の存在を表すマーカM1(2個目)が帯状領域の左側に追加して表示されている。
〔停止表示演出〕
図30中(F):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「5」−「2」−「6」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図30中(G):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計2個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
すなわち、次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が2個存在していたが、マーカM1において最も中央寄りに表示されていた最も以前の(古い)ものが当該変動中領域HAにシフト表示され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶が消費されたことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図30中(G)の例においては、記憶順で先頭(最も中央寄り)にあった作動記憶を表すマーカM1が当該変動中領域HAに移動することで、当該作動記憶は消費されて残りが1個になったことが演出上で表される。また、帯状領域の左側に表示されていた残り1個のマーカM1は1つずつ中央寄りにずれ、次回以降の変動まで待機する演出が行われる。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
以上のように、本実施形態における変動1回ごとの基本的な演出について、(1)変動表示演出と停止表示演出(はずれ時)を例にして説明した。次に、(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(はずれ時及び大当り時)を例にして説明する。
〔(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(はずれ時及び大当り時)の例〕
図31〜図33は、演出図柄による変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出の例を示す連続図である。
〔変動表示開始〕
図31中(A):第1特別図柄の変動表示に同期させて、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が行われる。すなわち、第1特別図柄の変動表示に合わせて、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。
〔左図柄停止〕
図31中(B):その後、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「7」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔右図柄停止〕
図31中(C):またこの後、左演出図柄に続いて右演出図柄が停止表示し、リーチ状態を発生させる演出が行われる。この例では、演出図柄の組み合わせが「7」−「変動中(↓)」−「7」となって演出上でリーチ状態が発生していることを表している。
〔リーチ状態の発生〕
図32中(D):リーチ状態が発生した後、「リーチ」等の文字画像が合わせて表示される。これにより、遊技者に対してリーチ状態が発生したことを訴求することができる。また、このときスピーカ54,55,56から「リーチ」等の音声を出力させる態様であってもよい。
〔リーチ発生後予告〕
図32中(E):リーチ状態が発生した表示画面内では、暫くして例えばその中央位置に「チャンス」の文字画像が表示されるとともに、周囲に放射状のフラッシュ画像が表示されるリーチ発生後予告演出が行われる。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「チャンス」の音声や効果音が出力される態様であってもよい。このような感覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の発展〕
図32中(F):この後、リーチ状態となった演出図柄が表示画面の左上隅位置に縮小表示されるとともに、例えば左側に「提灯お化け」を模したキャラクターの画像が出現し、その右側に「女性キャラクター」の画像が出現し、中央位置に「VS」の文字の画像が出現する演出が行われる。これにより、遊技者に対してこれからバトルリーチ演出が始まるということを教示することができる。なお、表示画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「7」−「変動中」−「7」)。
〔リーチ演出の進行〕
図32中(G):表示画面内では、例えば「提灯お化け」が口を大きくあけて「かみつき」の技を繰り出す演出が行われている。そして、女性キャラクターが驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
図33中(H):表示画面内では、今度は「女性キャラクター」が団扇(武器)を取り出し、その団扇によって「提灯お化け」に立ち向かう準備をしながら気合いを貯めている演出が行われている。
図33中(I):そして表示画面内では、いよいよ「提灯お化け」が口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、「女性キャラクター」がその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で「提灯お化け」が勝利すればはずれとなり、「女性キャラクター」が勝利すれば大当りとなる展開である。したがって、この局面はバトルリーチ演出の最終段階であり、遊技としても最も盛り上がる部分である。そのため、適宜カットイン予告や別の「女性キャラクター」が助けに入る助っ人登場予告等をこの場面で同時に行ってもよい。あるいは、演出切替ボタン45の押下操作を促す情報(「ボタンを押してね!」等の文字画像)を表示画面内に表示させ、それに応じて演出切替ボタン45が実際に押下操作されると、色付きセリフカットイン予告等の大当り信頼度を表す予告演出を合わせて実行することとしてもよい。
〔結果表示演出(はずれ時)〕
図33中(J):表示画面内において、「敗北・・」の文字画像とともに「提灯お化け」が大きく表示され、「女性キャラクター」が小さく表示される。これにより、今回の抽選結果がはずれ(非当選)であったことを表す結果表示演出が行われる。また表示画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で結果表示演出が実行されている(「7」−「8」−「7」)。
図33中(K):表示画面内では、第1特別図柄の確定停止表示に同期して、演出図柄の確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。図示の例では、画面に数字で「7」−「8」−「7」のはずれ目の組み合わせで演出図柄が停止したことを表しており、この場合、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示される。
以上は第1特別図柄に対応する内部抽選の結果が非当選に該当した場合の流れであるが、当選に該当した場合は以下の流れで演出が行われる。
〔結果表示演出(当り時)〕
図33中(L):表示画面内では、「勝利!!」の文字とともに「女性キャラクター」が大きく表示され、「提灯お化け」が小さく表示されることで、大当り(当選)を意味する態様の結果表示演出が行われる。また、表示画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で結果表示演出が実行されている(「7」−「7」−「7」)。
図33中(M):そして、表示画面内では、第1特別図柄の確定停止表示に同期して、演出図柄の確定停止表示が行われる。はずれ時と同様に演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に図示しない第4図柄Z1は、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば赤色表示色)で停止表示される。
以上のように、本実施形態における変動1回ごとの基本的な演出について、(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(はずれ時及び大当り時)を例にして説明した。上記で説明したように、変動表示演出及びリーチ演出(バトルリーチ演出)を行うことによって、遊技者に対して、大当りに対する期待感を大いに抱かせることができる。次に、(3)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(確変図柄当選時)例について説明する。
〔(3)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(確変図柄当選時)の例〕
図34は、「15ラウンド確変大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出例及びモード移行演出例を部分的に示す連続図である。この大役中演出は、上記のリーチ演出を経て演出図柄が「7」−「7」−「7」の3つ揃いの組み合わせで停止表示された場合に実行される。
〔大役中演出(特別遊技演出)〕
〔1ラウンド〕
図34中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の左下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示されている。このため、今回の大当りは、通常の大当りとは異なる特別な大当りであるということを遊技者に伝達することができる。
〔15ラウンド〕
図34中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の15ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND15」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
〔花火モード突入演出〕
図34中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」(高確率状態かつ時間短縮状態)に移行することを遊技者に教示することができる。
以上のように、本実施形態における特別図柄の変動終了後(当選時)に行われる大当り遊技の基本的な演出について、(3)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(確変図柄当選時)を例にして説明した。次に、15ラウンド確変図柄ではなく15ラウンド通常図柄に当選した場合において、(4)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(通常図柄当選時)例について説明する。
〔(4)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出(通常図柄当選時)の例〕
図35は、「15ラウンド通常大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出例及びモード移行演出例を部分的に示す連続図である。この大役中演出は、上記のリーチ演出を経て演出図柄が「8」−「8」−「8」の3つ揃いの組み合わせで停止表示された場合に実行される。
〔大役中演出(特別遊技演出)〕
〔1ラウンド〕
図35中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「8」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「8の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の左下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示されている。このため、今回の大当りは、通常の大当りとは異なる特別な大当りであるということを遊技者に伝達することができる。
〔15ラウンド〕
図35中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の15ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND15」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「8」)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図35中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「ナイトモード突入」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(低確率状態かつ時間短縮状態)に移行することを遊技者に教示することができる。
以上のように、本実施形態における特別図柄の変動終了後(当選時)に行われる大当り遊技の基本的な演出について、(3)及び(4)大当り遊技中に実行される大役中演出とモード移行演出を例にして説明した。次に、大当り終了後に行われる高確率状態や時間短縮状態を表すモード移行演出とは異なり、大当り期待度の高い特殊なモードに移行する演出について、(5)先読み時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出を例にして説明する。
図36〜図41は、先読み時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、この「先読み時から開始される」とは、当該変動時とその前に行われる変動を含めた、複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われることを表している。具体的には、大当り期待度の高い特殊なモードを「ハートゾーン」として、複数回(例えば、3変動、もしくは、4変動)にわたって行われた場合について説明する。
〔右図柄停止〕
図36中(A):例えば、特別図柄の変動表示が開始されてからある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、左演出図柄が最初に変動を停止し、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「5」と「6」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔作動記憶増加〕
また、変動中に重ねて左始動入賞口26への入賞が発生したことにより、新たに作動記憶が1個追加されたため、表示画面下部の帯状領域の左側に新たなマーカM1が1個追加され合計4個表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶の増加とその個数(作動記憶数)をわかりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
ここで、この新たな4個目の変動に関して、取得時(入賞して作動記憶が記憶された時)に行われる演出抽選において「ハートゾーン」での演出に当選した場合を想定する。また、「ハートゾーン」での演出が行われることに伴い、その4個目の変動が開始されるまでに行われる先の3個分の変動に関してもモード移行が可能である場合、「ハートゾーン」での演出が行われることが決定される。したがって、例えば、現在のモード(「野外ステージ」)から「ハートゾーン」に変更されることが決定される。
〔停止表示演出〕
図36中(B):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「5」−「2」−「6」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図36中(C):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計4個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。
〔可動役物装置による演出〕
また、変動開始と同時に、液晶画面の前面に収納されていた発光部312が右側から中央にスライドし、発光部322が左側から中央にスライドしてくる演出が行われる。そして、発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成される。
〔モード移行演出〕
図37中(D):液晶画面の前面において発光部312、322が結合されて1つのハート形の形状が形成されると、そのハート形状の領域Xでは、画面内に「ハートゾーン突入」といった文字情報が表示される。これにより、モードが通常モード(例えば、「野外ステージ」)から「ハートゾーン」に移行したことを遊技者に教示することができる。また、発光部312、322による可動役物装置による演出をすることで、可動役物装置による物理的な演出を液晶画面での演出と合わせて実行することにより、通常とは異なる特別なモードに移行したことを遊技者に教示することができる。
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示されている。ハート形状の領域Xの外側の左下隅位置に、第1特別図柄に関する作動記憶のマーカM1(合計3個)が移動して表示され、右下隅位置に、第2特別図柄に関する作動記憶のマーカM2(0個)が移動して表示される。なお、第4図柄Z1については同位置で引き続き変動表示が行われる。
〔遊技説明演出〕
図37中(E):そして、液晶画面に女性キャラクターが出現すると共に、「ボタンプッシュで(?)を選んでね!」といった文字情報が表示される。これにより、演出切替ボタン45を押下して小さなハートを模したものを選択するとチャンスを得られるかもしれないといった遊技の説明を行うことができる。
〔演出選択表示演出〕
図37中(F):遊技説明が終了すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「V」、「残念」、「残念」といった文字情報が表示されている。したがって、「残念」ではなく「V」が選択されれば「大当り」になるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下演出〕
図38中(G):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、次第に回転速度を増していき、最終的には各アイコンに表示されている文字情報が視認不可能になる程度にまで回転速度が上昇する。このとき、液晶画面の中央部分には、演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図38中(H):遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「残念」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ悲壮感漂う女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「6」−「3」−「4」)、第4図柄Z1についても、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、今回の第1特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図38(I):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計3個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。これにより、「ハートゾーン」が継続して行われることを遊技者に教示することができる。
〔演出選択表示演出〕
図39中(J):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「残念」、「リーチ」、「SP」といった文字情報が表示されている。したがって、「残念」ではなく「リーチ」が選択されれば「リーチ」になるといったことを、「SP」が選択されれば通常のリーチ演出とは異なるスペシャルリーチ演出(例えば、バトル演出(図32〜図33))が開始されるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図39中(K):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われた後に、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「残念」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「4」−「1」−「5」)、第4図柄Z1についても、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、今回の第1特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図39中(L):次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。これにより、「ハートゾーン」が継続して行われることを遊技者に教示することができる。
〔演出選択表示演出〕
図40中(M):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「残念」、「SP」、「SP」といった文字情報が表示されている。
〔ボタン押下の結果演出〕
図40中(N):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われた後に、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「残念」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「7」−「7」−「4」)、第4図柄Z1についても、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、今回の第1特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図40中(O):次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。ここで、この変動が作動記憶増加時に「ハートゾーン」での演出に当選した変動に相当する(図36中(A))。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。
〔演出選択表示演出〕
図41中(P):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「SP」、「V」、「V」といった文字情報が表示されている。
〔ボタン押下演出〕
図41中(Q):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、次第に回転速度を増していき、最終的には各アイコンに表示されている文字情報が視認不可能になる程度にまで回転速度が上昇する。このとき、液晶画面の中央部分には、演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。なお、遊技者が演出切替ボタン45を押下しなくても、「SP」もしくは「V」のいずれかのアイコンが選択されることとなる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図41中(R):遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「SP」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ歓喜溢れる女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択の結果「SP(スペシャル)リーチ」に発展することが確定したことを遊技者に教示することができる。
〔その後〕
その後、通常のリーチよりは大当り期待度の高いスペシャルリーチ(例えば、図32、図33で説明したバトルリーチ)が開始され、第1特別図柄の変動が終了すると共にスペシャルリーチ演出も終了し、内部抽選結果を表す態様で演出図柄が停止表示されることとなる。なお、この変動が終了すると、ハートゾーンでの演出は終了することとなる。
このように、新たに入賞したことで行われる作動記憶の増加時(取得時)に、それに対応する演出が「ハートゾーン」での特殊な演出に当選した場合、その変動(演出)が開始されるまでの複数回の変動にわたって発光部312、322を用いた先読み演出が行われる。また、可動役物装置による物理的な演出を液晶画面での演出と合わせて実行することにより、通常とは異なる特別なモードにおいて大当り期待度が非常に高い状態にあることを遊技者に教示することができ、遊技の興趣の低下を抑えることができる。また、「ハートゾーン」特有の演出を実行することで、例えば、複数のアイコン(はずれ系のアイコン(残念アイコン)やリーチ演出系のアイコンのみならず、当り系のアイコン(Vアイコン))を用いた演出を実行することで、遊技者参加型演出の演出の幅を広げて遊技の多様性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態における演出について、(5)先読み時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出を例にして説明した。次に、先読み時からではなく当該変動時から大当り期待度の高い特殊なモードに移行する演出について、(6)当該変動時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出を例にして説明する。
図42〜図45は、当該変動時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、この「当該変動時に行われる」とは、上記の先読み時から開始される複数回の変動にわたって行われる演出とは異なり、当該変動時だけで行われることを表している。具体的には、当該変動が開始されると大当り期待度の高い特殊なモード(「ハートゾーン」)に突入して、その変動内にハートゾーン専用の演出が行われ、変動が終了すると共にハートゾーンも終了するといった演出を表している。
〔変動表示前〕
図42中(A):前回の内部抽選においてはずれ(非当選)となり、第1特別図柄表示装置34により第1特別図柄が非当選を表す態様で停止表示されている場合、あるいはパチンコ機1においてその営業日の最初に遊技を開始する場合(いわゆる電源投入後、朝一の状態)を想定する。このとき液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様(「8」−「7」−「3」)で停止表示演出(結果表示演出としてもよい)が行われている。
〔作動記憶増加〕
ここで、左始動入賞口26への入賞が発生したことにより、新たに作動記憶が1個追加されたため、表示画面下部の帯状領域の左側に新たなマーカM1が1個表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶の増加とその個数(作動記憶数)をわかりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
ここで、この新たな1個目の変動に関して、取得時(入賞して作動記憶が記憶された時)に行われる演出抽選において「ハートゾーン」での演出に当選しなかった場合を想定する。したがって、取得時においては、「ハートゾーン」には移行されず、現在のモード(「野外ステージ」)での演出が決定される。
〔作動記憶消費演出〕
図42中(B):作動記憶の消費に伴い、表示画面下部の帯状領域の左側に表示されたマーカM1を当該変動中領域HAに移動させる演出が行われる(記憶数表示演出実行手段)。これにより、遊技者に対して作動記憶を1個消費して内部抽選が行われたことを演出上でわかりやすく教示することができる
〔可動役物装置による演出〕
また、変動開始と同時に、液晶画面の前面に収納されていた発光部312が右側から中央にスライドし、発光部322が左側から中央にスライドしてくる演出が行われる。そして、発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成される。
〔モード移行演出〕
図42中(C):液晶画面の前面において発光部312、322が結合されて1つのハート形の形状が形成されると、そのハート形状の領域Xでは、画面内に「ハートゾーン突入」といった文字情報が表示される。これにより、モードが通常モード(例えば、「野外ステージ」)から「ハートゾーン」に移行したことを遊技者に教示することができる。また、発光部312、322による可動役物装置による演出をすることで、可動役物装置による物理的な演出を液晶画面での演出と合わせて実行することにより、通常とは異なる特別なモードに移行したことを遊技者に教示することができる。
ここで、先に行われた取得時における演出抽選では「ハートゾーン」での演出には当選しなかったのに対し、作動記憶の消費に伴い行われる内部抽選と同時に行われる消費時の演出抽選では「ハートゾーン」での演出に当選した場合を想定する。したがって、「ハートゾーン」での演出は、取得時と消費時の2回行われる演出抽選のいずれかで当選すると行われるということを表している。
〔遊技説明〕
図43中(D):その後、液晶画面に女性キャラクターが出現すると共に、「ボタンプッシュで(?)を選んでね!」といった文字情報が表示される。これにより、演出切替ボタン45を押下して小さなハートを模したものを選択するとチャンスを得られるかもしれないといった「ハートゾーン」特有の遊技の説明を行うことができる。
〔演出選択表示演出〕
図43中(E):遊技説明が終了すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「SP」、「V」といった文字情報が表示されている。したがって、「SP」が選択された場合は、「スペシャルリーチ演出」が開始され、「V」が選択されれば「大当り」になるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下演出〕
図43中(F):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、次第に回転速度を増していき、最終的には各アイコンに表示されている文字情報が視認不可能になる程度にまで回転速度が上昇する。このとき、液晶画面の中央部分には、演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図44中(G):遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「V」の文字情報が表示されたアイコンSE2が選択されたことが表現されている。このように、「V」の文字情報が表示されたアイコンSE2が選択されると、その時点で大当りしていることが明確となる。画面の中央下隅位置では、「7」の演出図柄が縮小された状態で3つ揃いしている。
〔当選演出〕
図44中(H):液晶画面の前面に位置していた発光部312及び発光部322が元の収納位置に戻ることにより、液晶画面に形成されていたハート形状の領域Xがなくなり、女性キャラクターと男性キャラクターとが微笑みながら登場する演出が実行されている。
〔結果表示演出〕
図45中(I):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる(「7」−「7」−「7」)。また、第4図柄Z1についても、大当りに対応する態様(例えば赤色表示色)で停止表示される。これにより、今回の第1特別図柄の変動表示の結果は「大当り」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔大当り遊技〕
図45中(J):特別図柄が「15ラウンド確変図柄」に対応する態様で停止表示されたことを契機として、15ラウンド大当り遊技が開始される。
このように、作動記憶の取得時に「ハートゾーン」での演出に当選していなくても、作動記憶の消費時に当選することで開始することができる。
以上のように、本実施形態における演出について、(6)当該変動時から開始される大当り期待度の高い特殊なモードにおける変動表示演出を例にして説明した。(5)の演出例で説明した、複数回の変動にわたって行われる特別な先読み演出や、(6)の演出例で説明した当該変動時において行われる特別な演出は、通常とは異なる特別なモードにおいて行われることとなる。この特別なモードにおける演出により、大当り期待度が非常に高い状態にあることを遊技者に教示することができ、遊技の興趣の低下を抑えることができるため、この特別なモードにおける演出をパチンコ機1の見せ場となる1つのキー演出として取り扱うことができる。したがって、遊技中にキー演出を出現させることで、遊技者の遊技に対する飽きを防止することができる。なお、上記において2つの特別なモードによる演出(複数回の変動にわたって行う「ハートゾーン」や当該変動時だけで行う「ハートゾーン」での演出)をパチンコ機1の見せ場となるキー演出の例として説明したが、これらの2つの演出に限定せずにさらに他の演出も含めてもよい。したがって、キー演出が複数個設定されていてもよい。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出、大当り中演出、ハートゾーン演出、各種モード演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。また、上記キー演出の出現率をコントロールする制御も行われる。
〔演出制御処理〕
図46は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする(変動表示演出パターン選択手段、回数進行手段)。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(擬似連変動開始予告演出、演出ボタン予告演出、ボタン演出、リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択したり、付加演出(セリフ演出)の演出パターンを選択したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば、演出図柄の変動表示演出パターンの選択に用いられる乱数(変動演出パターン決定乱数)、予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数、特別な擬似連変動演出に対応する作動記憶の増加時の演出パターンの選択に用いられる乱数(特別演出作動記憶増加時演出乱数)等がある。また、これらの乱数は、例えば、ソフトウェア乱数であり、0〜255までのいずれかの数値がRAM130のカウンタ領域内のそれぞれの乱数値にセットされる。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図6中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図47は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS704を実行する。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加演出選択処理を実行する。具体的には、特別図柄に関する変動に対応する作動記憶の増加時の演出についての内容(演出パターン)を選択的に決定し、決定した演出パターンを設定する処理が実行される。例えば、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。演出制御CPU126は次にステップS703を実行する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先判定演出選択処理を実行する。具体的には、主制御CPU72により実行された取得時演出判定処理により生成された変動パターン先判定コマンドに基づいて、当該変動が開始される前に事前に演出内容を選択的に決定し、決定した演出パターンを記録する処理が実行される。なお、先判定演出選択処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図46)に復帰する。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。具体的には、特別図柄に関する変動に対応する作動記憶の減少時の演出についての内容(演出パターン)を選択的に決定し、決定した演出パターンを設定する処理が実行される。例えば、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出や、マーカM1,M2を消費させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図46)に復帰する。
〔先判定演出選択処理〕
図48は、先判定演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS720:演出制御CPU126は、特殊演出フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている特殊演出フラグ値を参照し、参照した値が01Hにセットされているか、00Hにリセットされているかを確認する。
ここで、特殊演出フラグ値は、パチンコ機1の見せ場となる複数のキー演出の1つの演出に対応するフラグ値であり、例えば、複数回の変動にわたって行われる特別な先読み演出の実行が予定されていることを表すフラグ値である。すなわち、現在行われている変動では特別な先読み演出が実行されていないが今後行われる変動において特別な先読み演出が実行される予定であることを表すフラグ値である。具体的には、この特殊演出フラグ値がセットされていれば(値が01Hであれば)、上記の(5)の演出例で説明した「ハートゾーン」といった大当り期待度の高い特殊なモードが複数回の変動にわたって行われる演出が、今後行われる予定であることを表している。すなわち、この先判定演出選択処理における処理の契機となった新たに記憶された作動記憶に対応する変動の前に行われる少なくとも1回の変動で実行されることが確定しいることを表している。また、「ハートゾーン」での演出が実行されると、特殊演出フラグ値が01Hから00Hにリセットされる。
この確認の結果、特殊演出フラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS726を実行する。一方、特殊演出フラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS722を実行する。
ステップS722:演出制御CPU126は、第1リミット値を1減算する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第1リミット値を参照し、参照した値から1だけ減算し再度保存する。
ここで、第1リミット値は、上記のパチンコ機1の見せ場となる複数のキー演出の1つの演出が選択される抽選確率に対応したものであり、具体的には、そのキー演出が選択される抽選確率を向上させるまでの変動回数のカウント値に対応するものである。例えば、キー演出が実行された次の変動時には、第1リミット値は30回に設定され、その後、30回の間キー演出が実行されなければ第1リミット値は0回となり、キー演出を出現させる抽選確率が上昇しキー演出が選択されやすくなる(なお、0回になったとしてもキー演出が選択されるとは限らない)。そして、その後何変動後にキー演出が選択され実行されると、第1リミット値も50回(上記30回とは限らない)に設定され、キー演出を出現させる抽選確率も元に戻されることとなる。
なお、参照した第1リミット値が0であった場合、この減算処理を実行せずに、ステップS728を実行してもよい。演出制御CPU126は次にステップS724を実行する。
ステップS724:演出制御CPU126は、第1リミット値が0より大きいか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第1リミット値を参照し、参照した値が0より大きいか否かを確認する。この確認の結果、第1リミット値が0より大きい場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS726を実行する。一方、第1リミット値が0より大きくない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS728を実行する。
ステップS726:演出制御CPU126は、先判定時基本テーブル参照処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS730を実行する。
ステップS728:演出制御CPU126は、先判定時特殊演出特化テーブル参照処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS730を実行する。
ステップS730:演出制御CPU126は、変動演出パターン先判定抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした変動演出パターン決定乱数と、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(解析した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号)と、参照する変動演出パターン選択テーブルに基づいて演出図柄の変動演出パターン番号を選択的に決定する。具体的には、演出制御CPU126は、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、参照するいずれかの変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
また、変動演出パターン番号の決定に加え、演出図柄による停止表示の態様等についてもこの処理において決定してもよい。具体的には、演出図柄による擬似連変動演出の仮停止時の態様(例えば、左・中・右演出図柄による「5」−「6」−「6」の出目)や、リーチ状態発生時の態様(例えば、左・右演出図柄による「7」−「変動中」−「7」の出目)や、停止表示時の態様(例えば、「7」−「8」−「7」のはずれ目)を決定してもよい。演出制御CPU126は次にステップS732を実行する。
〔先判定時基本テーブル参照処理〕
図49は、先判定時基本テーブル参照処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS740:演出制御CPU126は、先判定時の結果の変動がはずれ時の変動か否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターン先判定コマンドがはずれ時に対応したコマンドであるか否かを確認する。この確認の結果、はずれ時の変動である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS742を実行する。一方、はずれ時の変動ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS744を実行する。
ステップS742:演出制御CPU126は、先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS744:演出制御CPU126は、先判定時の結果の変動が大当り時の変動か否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターン先判定コマンドが大当り時に対応したコマンドであるか、小当り時に対応したコマンドであるかを確認する。この確認の結果、大当り時の変動である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS746を実行する。一方、小当り時の変動である場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS748を実行する。
ステップS746:演出制御CPU126は、先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS748:演出制御CPU126は、先判定時用小当り時基本変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
以上のいずれかのテーブルの参照処理を終えると、演出制御CPU126は、先判定演出選択処理(図48)に復帰する。
〔先判定時特殊演出特化テーブル参照処理〕
図50は、先判定時特殊演出特化テーブル参照処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS750:演出制御CPU126は、先判定時の結果の変動がはずれ時の変動か否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターン先判定コマンドがはずれ時に対応したコマンドであるか否かを確認する。この確認の結果、はずれ時の変動である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS752を実行する。一方、はずれ時の変動ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS754を実行する。
ステップS752:演出制御CPU126は、先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS754:演出制御CPU126は、先判定時の結果の変動が大当り時の変動か否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターン先判定コマンドが大当り時に対応したコマンドであるか、小当り時に対応したコマンドであるかを確認する。この確認の結果、大当り時の変動である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS756を実行する。一方、小当り時の変動である場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS758を実行する。
ステップS756:演出制御CPU126は、先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS758:演出制御CPU126は、先判定時用小当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
以上のいずれかのテーブルの参照処理を終えると、演出制御CPU126は、先判定演出選択処理(図48)に復帰する。
〔先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル〕
図51、図52は、先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルは、当該変動が開始される変動前に参照されるのではなく、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターン先判定コマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、はずれ時の変動パターン番号が「6」(リーチ後はずれ変動パターン6)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「39322」、・・・、「64881」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「101601」〜「101620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号101601」〜「変動演出パターン番号101620」に対応する変動演出パターン内容として、「はずれ時先読みリーチ変動演出パターン001」〜「はずれ時先読みリーチ変動演出パターン019」、「はずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001」が規定されている。これら20個の変動演出パターン内容は、同一の変動時間内に行うこととなる演出の内容(種類)が異なっており、例えば、リーチ煽り演出(すべり演出や通常の擬似連変動演出等)や、リーチ演出等が異なって設定されている。なお、「変動演出パターン」の個数は20個に限定されず、それ以上でもそれ以下であってもよい。
ここで、「はずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001」についての演出は、他の19個の演出とは異なっており、上記(5)の演出例の少なくとも1回以上の変動にわたる「ハートゾーン」での演出に対応するもの、すなわち、キー演出に対応するものとなる。また、変動パターン番号が「6」の際に、20個の変動演出パターンが選択される比率は調整されており、例えば、「変動演出パターン番号」の「101601」や「101602」についてはそれぞれ20%、「101603」や「101604」についてはそれぞれ10%といったように調整されている。また、「はずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001」に対応する「変動演出パターン番号101620」が選択される比率は、約1%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、先判定時(作動記憶の取得時)に、特殊演出フラグがONであった場合や、第1リミット値が0より大きかった場合、この「変動演出パターン番号101620」は100回に1回の割合でしか選択されないことを表している。
他のはずれ時の変動パターン番号「1」〜「5」、「7」、「8」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、変動パターン番号「7」及び「8」についても、キー演出に対応するものが設定されており、約1%の確率で選択されるように予め調整されている。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。例えば、変動パターン番号が「6」であり、変動演出パターン決定乱数値が「17777」であったとすると、最初の比較値「13107」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、演出制御CPU126は次の比較値「26214」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、演出制御CPU126は対応する変動演出パターン番号として「101602」を選択する。
〔先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル〕
図53、図54は、先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、当該変動が開始される変動前に参照されるのではなく、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターン先判定コマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、はずれ時の変動パターン番号が「6」(リーチ後はずれ変動パターン6)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「38666」、・・・、「63570」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「101601」〜「101620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号101601」〜「変動演出パターン番号101620」に対応する変動演出パターン内容として、「はずれ時先読みリーチ変動演出パターン001」〜「はずれ時先読みリーチ変動演出パターン019」、「はずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001」が規定されている。
ここで、これら20個の「変動演出パターン番号」及び「変動演出パターン内容」は、上記「先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル」と同一の番号、及び、内容に設定されている。しかしながら、20個の変動演出パターンが選択される比率は、上記「先判定時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル」と異なって設定されている。例えば、「変動演出パターン番号」の「101604」については9%、「はずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001」に対応する「変動演出パターン番号101620」が選択される比率は、約3%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、先判定時(作動記憶の取得時)に、第1リミット値が0より大きくなかった場合、この「変動演出パターン番号101620」は100回に3回の割合でしか選択されないことを表しており、第1リミット値が0より大きかった場合よりも3倍高い確率で選択されることを表している。
他のはずれ時の変動パターン番号「1」〜「5」、「7」、「8」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、変動パターン番号「7」及び「8」についても、キー演出に対応するものが設定されており、約3%の確率で選択されるように予め調整されており、第1リミット値が0より大きかった場合よりも約3倍高い確率で選択されることとなる。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、上記と同様に、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この先判定時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
〔先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル〕
図55、図56は、先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルは、当該変動が開始される変動前に参照されるのではなく、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターン先判定コマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、大当り時の変動パターン番号が「18」(リーチ後当り変動パターン18)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「38666」、・・・、「58982」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「103601」〜「103620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号103601」〜「変動演出パターン番号103620」に対応する変動演出パターン内容として、「大当り時先読みリーチ変動演出パターン501」〜「大当り時先読みリーチ変動演出パターン519」、「大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン006」が規定されている。これら20個の変動演出パターン内容は、同一の変動時間内に行うこととなる演出の内容(種類)が異なっており、例えば、リーチ煽り演出(すべり演出や通常の擬似連変動演出等)や、リーチ演出等が異なって設定されている。なお、「変動演出パターン」の個数は20個に限定されず、それ以上でもそれ以下であってもよい。
ここで、「大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン006」についての演出は、他の19個の演出とは異なっており、上記(5)の演出例の少なくとも1回以上の変動にわたる「ハートゾーン」での演出に対応するもの、すなわち、キー演出に対応するものとなる。また、変動パターン番号が「18」の際に、20個の変動演出パターンが選択される比率は調整されており、例えば、「変動演出パターン番号」の「103601」や「103602」についてはそれぞれ20%、「103603」や「103604」についてはそれぞれ10%と9%といったように調整されている。また、「大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン006」に対応する「変動演出パターン番号103620」が選択される比率は、約10%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、先判定時(作動記憶の取得時)に、特殊演出フラグがONであった場合や、第1リミット値が0より大きかった場合、この「変動演出パターン番号103620」は100回に10回の割合でしか選択されないことを表している。
他の大当り時の変動パターン番号「13」〜「17」、「19」、「20」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、全ての変動パターン番号「13」〜「20」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約10%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、大当り時であり、第1リミット値が0より大きかった場合、100回に10回の確率で先判定時(作動記憶が取得された際に)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、上記と同様に、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
〔先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル〕
図57、図58は、先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、当該変動が開始される変動前に参照されるのではなく、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターン先判定コマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、大当り時の変動パターン番号が「18」(リーチ後当り変動パターン18)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「31457」、「36700」、・・・、「45875」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「103601」〜「103620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号103601」〜「変動演出パターン番号103620」に対応する変動演出パターン内容として、「大当り時先読みリーチ変動演出パターン501」〜「大当り時先読みリーチ変動演出パターン519」、「大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン006」が規定されている。
ここで、これら20個の「変動演出パターン番号」及び「変動演出パターン内容」は、上記「先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル」と同一の番号、及び、内容に設定されている。しかしながら、20個の変動演出パターンが選択される比率は、上記「先判定時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル」と異なって設定されている。例えば、「変動演出パターン番号」の「103603」、「103604」については8%、「大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン006」に対応する「変動演出パターン番号101620」が選択される比率は、約30%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、先判定時(作動記憶の取得時)に、第1リミット値が0より大きくなかった場合、この「変動演出パターン番号101620」は100回に30回の割合で選択されることを表しており、第1リミット値が0より大きかった場合よりも約3倍高い確率で選択されることを表している。
他の大当り時の変動パターン番号「13」〜「17」、「19」、「20」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、全ての変動パターン番号「13」〜「20」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約30%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、大当り時であり、第1リミット値が0より大きくなかった場合、100回に30回の確率で先判定時(作動記憶が取得された際に)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、上記と同様に、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この先判定時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
〔先判定演出選択処理:図48参照〕
ステップS732:演出制御CPU126は、先の変動演出パターン先判定抽選処理(ステップS730)において選択された抽選結果が特殊演出パターンであるか否かを確認する。具体的には、選択された変動演出パターン内容がはずれ時先読みリーチ変動特殊演出パターン001〜003のいずれか、もしくは、大当り時先読みリーチ変動特殊演出パターン001〜008のいずれかであるか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果が特殊演出パターンである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS736を実行する。一方、抽選結果が特殊演出パターンではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS734を実行する。
ステップS734:演出制御CPU126は、先変動基本演出設定記憶処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の変動演出パターン先判定抽選処理(ステップS730)において選択された演出内容(演出スケジュール)を記憶する。演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図47)に復帰する。
ステップS736:演出制御CPU126は、先変動特殊演出設定記憶処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の変動演出パターン先判定抽選処理(ステップS730)において選択された特殊演出内容(演出スケジュール)を記憶する。例えば、当該変動の前に実行される変動についての演出内容を「ハートゾーン」での演出に設定するといった演出内容(演出スケジュール)を記憶する。演出制御CPU126は次にステップS738を実行する。
ステップS738:演出制御CPU126は、特殊演出フラグをONにセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている特殊演出フラグ値を01Hにセットして再度保存する。以上の手順を終えると、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図47)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図59は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図15中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したり、付加演出(セリフ演出)についての演出パターンを選択したりする(変動表示演出パターン選択手段、回数進行手段)。また、演出パターンを選択すると、演出テーブルを参照し、演出パターンに対応する演出図柄の演出スケジュール(変動演出時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定したり、付加演出(セリフ演出)に対応する予告演出スケジュール(予告演出のタイミングや表示時間等)を決定したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行する。
また、この処理において、特殊なゾーンでの演出が終了した際に、次のモードを決定する処理(特殊ゾーン終了時処理)が実行される。例えば、「ハートゾーン」での演出が終了した場合、次の変動開始時に通常モードの「野外ステージ」や「海岸ステージ」などに移行する設定が実行される。なお、この特殊ゾーン終了時処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容(演出パターン)を選択する。例えば15ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
あるいは、「2ラウンド大当り」に該当していた場合(高確率状態での2ラウンド確変当選を除く)、演出制御CPU126はモード移行演出(特に図示していない)を実行させる制御を行うこととしてもよい。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126はモード移行演出(特に図示していない)と同様の演出を実行させる制御を行うこととしてもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
図60は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図46中のステップS404)、ランプ駆動処理(図46中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する(変動表示演出パターン選択手段、回数進行手段)。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を抽選によって決定する。演出パターン番号は、1つの変動パターンコマンドに対して予め複数用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する(変動表示演出パターン選択手段)。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)(又は、変動パターンコマンドを解析した結果の変動パターン番号)に基づいて、そのときの演出パターン番号を抽選によって決定する。また、ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)とすることができる。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
大当り時の変動演出パターン番号は、小当り時と同様に、1つの変動パターンコマンドに対して予め複数用意されており、演出制御CPU126は演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また小当り時と同様に、演出パターン番号が選択されると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「大当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。なお、大当り時変動演出パターン選択処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する(変動表示演出パターン選択手段)。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)(又は、変動パターンコマンドを解析した結果の変動パターン番号)に基づいて、その時のはずれ時の演出パターン番号を抽選によって決定する。演出パターン番号は、1つの変動パターンコマンドに対して予め複数用意されており、演出制御CPU126は演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。変動演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール、停止表示の態様等を決定する。なお、はずれ時変動演出パターン選択処理の具体的な内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図61は、大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、現在のモードが特殊ゾーンでの演出中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先の作動記憶演出管理処理内(図47)の先判定演出選択処理(ステップS703)において特殊演出パターンが選択され、すでにその特殊演出が実行されているかいなか、すなわち、当該変動におけるモードが「通常モード、ナイトモード、祭りモードなど」ではなく「ハートゾーン」であるか否かを確認する。この確認の結果、現在のモードが特殊ゾーンである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS642を実行する。一方、特殊ゾーン演出中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS622を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、特殊演出フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている特殊演出フラグ値を参照し、参照した値が01Hにセットされているか、00Hにリセットされているかを確認する。この確認の結果、特殊演出フラグがONにセットされている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS624を実行する。一方、特殊演出フラグがOFFにリセットされている場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS626を実行する。
ステップS624:演出制御CPU126は、特殊演出フラグをOFFにリセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている特殊演出フラグ値を00Hにリセットし、再度保存する。演出制御CPU126は次にステップS638を実行する。
ステップS626:演出制御CPU126は、第2リミット値を1減算する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第2リミット値を参照し、参照した値から1だけ減算し再度保存する。
ここで、第2リミット値は、上記のパチンコ機1の見せ場となる複数のキー演出の1つの演出が選択される抽選確率に対応したものであり、具体的には、そのキー演出が選択される抽選確率を向上させるまでの変動回数のカウント値に対応するものである。例えば、キー演出が実行された次の変動時には、第2リミット値は70回に設定され、その後、70回の間キー演出が実行されなければ第2リミット値は0回となり、キー演出を出現させる抽選確率が上昇しキー演出が選択されやすくなる(なお、0回になったとしてもキー演出が選択されるとは限らない)。そして、その後何変動後にキー演出が選択され実行されると、第2リミット値も60回(上記70回とは限らない)に設定され、キー演出を出現させる抽選確率も元に戻されることとなる。
なお、参照した第2リミット値が0であった場合、この減算処理を実行せずに、ステップS632を実行してもよい。演出制御CPU126は次にステップS628を実行する。
ステップS628:演出制御CPU126は、第2リミット値が0より大きいか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第2リミット値を参照し、参照した値が0より大きいか否かを確認する。この確認の結果、第2リミット値が0より大きい場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS630を実行する。一方、第2リミット値が0より大きくない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS632を実行する。
ステップS630:演出制御CPU126は、当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS632:演出制御CPU126は、当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
いずれかの変動演出パターン選択テーブルの参照処理を終了すると、演出制御CPU126は次にステップS634を実行する。
ステップS634:演出制御CPU126は、変動演出パターン抽選を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした変動演出パターン決定乱数と、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(解析した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号)と、参照する変動演出パターン選択テーブルに基づいて演出図柄の変動演出パターン番号を選択的に決定する。具体的には、演出制御CPU126は、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、参照するいずれかの変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
また、変動演出パターン番号の決定に加え、演出図柄による停止表示の態様等についてもこの処理において決定してもよい。具体的には、演出図柄による擬似連変動演出の仮停止時の態様(例えば、左・中・右演出図柄による「5」−「6」−「6」の出目)や、リーチ状態発生時の態様(例えば、左・右演出図柄による「7」−「変動中」−「7」の出目)や、停止表示時の態様(例えば、「7」−「7」−「7」の大当り目)を決定してもよい。演出制御CPU126は次にステップS636を実行する。
〔当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル〕
図62、図63は、当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルは、作動記憶が取得された際に参照されるのではなく、当該変動が開始される変動前に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターンコマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、大当り時の変動パターン番号が「18」(リーチ後当り変動パターン18)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「38666」、・・・、「60948」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「104601」〜「104620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号104601」〜「変動演出パターン番号104620」に対応する変動演出パターン内容として、「大当り時リーチ変動演出パターン501」〜「大当り時リーチ変動演出パターン519」、「大当り時リーチ変動特殊演出パターン006」が規定されている。これら20個の変動演出パターン内容は、同一の変動時間内に行うこととなる演出の内容(種類)が異なっており、例えば、リーチ煽り演出(すべり演出や通常の擬似連変動演出等)や、リーチ演出等が異なって設定されている。なお、「変動演出パターン」の個数は20個に限定されず、それ以上でもそれ以下であってもよい。
ここで、「大当り時リーチ変動特殊演出パターン006」についての演出は、他の19個の演出とは異なっており、上記(6)の演出例の「ハートゾーン」での演出に対応するもの、すなわち、キー演出に対応するものとなる。また、変動パターン番号が「18」の際に、20個の変動演出パターンが選択される比率は調整されており、例えば、「変動演出パターン番号」の「104601」や「104602」についてはそれぞれ20%、「104603」や「104604」についてはそれぞれ10%と9%といったように調整されている。また、「大当り時リーチ変動特殊演出パターン006」に対応する「変動演出パターン番号104620」が選択される比率は、約7%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、当該時(変動前の演出抽選時)に、特殊演出フラグがOFFであった場合や、第2リミット値が0より大きかった場合、この「変動演出パターン番号104620」は100回に7回の割合でしか選択されないことを表している。
他の大当り時の変動パターン番号「13」〜「17」、「19」、「20」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、全ての変動パターン番号「13」〜「20」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約7%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、大当り時であり、第2リミット値が0より大きかった場合、100回に7回の確率で当該時(変動前の演出抽選時)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。例えば、変動パターン番号が「18」であり、変動演出パターン決定乱数値が「17777」であったとすると、最初の比較値「13107」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、演出制御CPU126は次の比較値「26214」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、演出制御CPU126は対応する変動演出パターン番号として「104602」を選択する。
〔当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル〕
図64、図65は、当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、作動記憶が取得された際に参照されるのではなく、当該変動が開始される変動前に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターンコマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、大当り時の変動パターン番号が「18」(リーチ後当り変動パターン18)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「31457」、「36700」、・・・、「52429」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「104601」〜「104620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号104601」〜「変動演出パターン番号104620」に対応する変動演出パターン内容として、「大当り時リーチ変動演出パターン501」〜「大当り時リーチ変動演出パターン519」、「大当り時リーチ変動特殊演出パターン006」が規定されている。
ここで、これら20個の「変動演出パターン番号」及び「変動演出パターン内容」は、上記「当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル」と同一の番号、及び、内容に設定されている。しかしながら、20個の変動演出パターンが選択される比率は、上記「当該時用大当り時基本変動演出パターン選択テーブル」と異なって設定されている。例えば、「変動演出パターン番号」の「104603」、「104604」については8%、「大当り時リーチ変動特殊演出パターン006」に対応する「変動演出パターン番号104620」が選択される比率は、約20%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、当該時(変動前の演出抽選時)に、第2リミット値が0より大きくなかった場合、この「変動演出パターン番号104620」は100回に20回の割合で選択されることを表しており、第2リミット値が0より大きかった場合よりも約3倍高い確率で選択されることを表している。
他の大当り時の変動パターン番号「13」〜「17」、「19」、「20」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、全ての変動パターン番号「13」〜「20」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約20%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、大当り時であり、第2リミット値が0より大きくなかった場合、100回に20回の確率で当該時(変動前の演出抽選時)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、上記と同様に、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この当該時用大当り時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
〔大当り時変動演出パターン選択処理:図61参照〕
ステップS636:演出制御CPU126は、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS634)において選択された抽選結果が特殊演出パターンであるか否かを確認する。具体的には、選択された変動演出パターン内容が大当り時リーチ変動特殊演出パターン001〜008のいずれかであるか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果が特殊演出パターンである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS638を実行する。一方、抽選結果が特殊演出パターンではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS644を実行する。
ステップS638:演出制御CPU126は特殊演出リミット値リセット処理を実行する。この処理は、これから特殊なモードにおける演出が開始されることに伴い、上記の第1リミット値及び第2リミット値を再設定(すなわち、初期化)する処理である。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS640を実行する。
〔特殊演出リミット値リセット処理〕
図66は、特殊演出リミット値リセット処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS680:演出制御CPU126は、特殊演出用の第1リミット値の抽選を実行する。具体的には、第1リミット値用抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした第1リミット値用の乱数値に基づき第1リミット値を選択的に決定する。例えば、30回、40回、50回、・・・といった複数種類の値の中からいずれかの値(回数)を選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS682を実行する。
ステップS682:演出制御CPU126は、第1リミット値をセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第1リミット値を、先の第1リミット値抽選処理(ステップS680)において決定した値に変更して保存する。演出制御CPU126は次にステップS684を実行する。
ステップS684:演出制御CPU126は、特殊演出用の第2リミット値の抽選を実行する。具体的には、第2リミット値用抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした第2リミット値用の乱数値に基づき第2リミット値を選択的に決定する。例えば、30回、40回、50回、・・・といった複数種類の値の中からいずれかの値(回数)を選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS686を実行する。
ステップS686:演出制御CPU126は、第2リミット値をセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、保存されている第2リミット値を、先の第2リミット値抽選処理(ステップS684)において決定した値に変更して保存する。
ここで、第1リミット値と第2リミット値とに区別せずに、1つの共通のリミット値として取り扱ってもよい。また、本実施形態においては2つの特別なモードによる演出(複数回の変動にわたって行う「ハートゾーン」や当該変動時だけで行う「ハートゾーン」での演出)をパチンコ機1の見せ場となるキー演出として説明したが、これらの2つの演出に限定せずにさらに他の演出も含めてもよい。したがって、キー演出が複数個設定されている場合、その個数に応じてリミット値についても複数個設定してもよく、この処理においてそれぞれのリミット値を再設定(初期化)してもよい。以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大当り時変動演出パターン選択処理(図61)に復帰する。
〔大当り時変動演出パターン選択処理:図61参照〕
ステップS640:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は、特殊なゾーンである「ハートゾーン」に突入する演出内容(演出スケジュール)の設定を実行する。例えば、上記(6)の演出例で説明した可動役物装置による演出(図42中(B))、モード移行演出(図42中(C))、遊技説明演出(図43中(D))などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。演出制御CPU126は次にステップS642を実行する。
ステップS642:演出制御CPU126は、特殊演出パターンの設定を行う。具体的には、演出制御CPU126は、特殊なゾーンである「ハートゾーン」での演出などの設定を実行する。例えば、上記(5)や(6)の演出例で説明した演出選択表示演出(図37中(F)、図43中(E)など)、ボタン押下演出(図38中(G)、図43中(F)など)、ボタン押下の結果演出(図38中(H)、図44中(G)など)、ハートゾーン継続演出(図38中(I)など)、当選演出(図44中(H))などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。他にも、各演出図柄(左・中・右)の停止表示の態様(停止表示時の組み合わせ)を決定する。
なお、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS634)において変動演出パターンが選択されずに(ステップS620:Yes)、先の先判定演出選択処理内のステップS736においてすでに特殊演出パターンの設定が記憶されている場合は、その記憶された設定に基づいて特殊演出パターンの設定が行われる。演出制御CPU126は次にステップS646を実行する。
ステップS644:演出制御CPU126は、変動演出パターンの設定を行う。具体的には、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS634)において選択的に決定された変動演出パターン内容に基づいて、演出内容(演出スケジュール)の設定を実行する。例えば、上記(1)や(2)の演出例で説明した演出(図29〜図31)の設定を行う。他にも、各演出図柄(左・中・右)の仮停止表示を含めた停止表示時の態様(組み合わせ)を決定する。演出制御CPU126は次にステップS646を実行する。
ステップS646:演出制御CPU126は、その他の演出設定を行う。具体的には、選択的に決定された変動演出パターン内容に基づいて、リーチ演出などの設定を実行する。例えば、上記(2)の演出例で説明したリーチ演出(図32、図33)などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図60)に復帰する。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図67は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。なお、上記大当り時変動演出パターン選択処理と同様の処理内容については簡単に説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、現在のモードが特殊ゾーンでの演出中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先の作動記憶演出管理処理内(図47)の先判定演出選択処理(ステップS703)において特殊演出パターンが選択され、すでにその特殊演出が実行されているかいなかを確認する。この確認の結果、現在のモードが特殊ゾーンである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。一方、特殊ゾーン演出中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS652を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、特殊演出フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特殊演出フラグがONにセットされている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS653を実行する。一方、特殊演出フラグがOFFにリセットされている場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS656を実行する。
ステップS653:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入演出が実行可能か否かを確認する。なお、特殊ゾーンへの突入演出で終了することはなく、特殊ゾーン中の演出の実行の可否も含まれている。具体的には、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(解析した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号)に基づいて、すなわち、変動パターン番号に対応した変動時間に基づいて、特殊なゾーンである「ハートゾーン」に突入する演出及び特殊ゾーンでの演出を実行することが可能であるか否かを確認する。例えば、上記(5)や(6)の演出例で説明した可動役物装置による演出(図36中(C)、図42中(B))、モード移行演出(図37中(D)、図42中(C))、遊技説明演出(図37中(E)、図43中(D))、演出選択表示演出(図37中(F)、図43中(E))、ボタン押下演出(図38中(G)、図43中(F))、ボタン押下の結果演出(図38中(H)、図44中(G))などを、変動パターン番号に対応した変動時間内で実行可能か否かを確認する。この確認の結果、特殊ゾーン突入演出が実行可能である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS654を実行する。一方、特殊ゾーン突入演出が実行可能ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS658を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、特殊演出フラグをOFFにリセットする。演出制御CPU126は次にステップS668を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、第2リミット値を1減算する。なお、第2リミット値が0であった場合、この減算処理を実行せずに、ステップS662を実行してもよい。演出制御CPU126は次にステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、第2リミット値が0より大きいか否かを確認する。この確認の結果、第2リミット値が0より大きい場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS660を実行する。一方、第2リミット値が0より大きくない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS662を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
ステップS662:演出制御CPU126は、当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルを参照する。具体的な内容については、別の図を用いてさらに後述する。
いずれかの変動演出パターン選択テーブルの参照処理を終了すると、演出制御CPU126は次にステップS664を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、変動演出パターン抽選を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした変動演出パターン決定乱数と、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(解析した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号)と、参照する変動演出パターン選択テーブルに基づいて演出図柄の変動演出パターン番号を選択的に決定する。具体的には、演出制御CPU126は、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、参照するいずれかの変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
また、変動演出パターン番号の決定に加え、演出図柄による停止表示の態様等についてもこの処理において決定してもよい。具体的には、演出図柄による擬似連変動演出の仮停止時の態様(例えば、左・中・右演出図柄による「5」−「6」−「6」の出目)や、リーチ状態発生時の態様(例えば、左・右演出図柄による「7」−「変動中」−「7」の出目)や、停止表示時の態様(例えば、「7」−「8」−「7」のはずれ目)を決定してもよい。演出制御CPU126は次にステップS666を実行する。
〔当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル〕
図68、図69は、当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルは、作動記憶が取得された際に参照されるのではなく、当該変動が開始される変動前に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターンコマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、はずれ時の変動パターン番号が「6」(リーチ後はずれ変動パターン6)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「39322」、・・・、「64881」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「102601」〜「102620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号102601」〜「変動演出パターン番号102620」に対応する変動演出パターン内容として、「はずれ時リーチ変動演出パターン001」〜「はずれ時リーチ変動演出パターン019」、「はずれ時リーチ変動特殊演出パターン001」が規定されている。これら20個の変動演出パターン内容は、同一の変動時間内に行うこととなる演出の内容(種類)が異なっており、例えば、リーチ煽り演出(すべり演出や通常の擬似連変動演出等)や、リーチ演出等が異なって設定されている。なお、「変動演出パターン」の個数は20個に限定されず、それ以上でもそれ以下であってもよい。
ここで、「はずれ時リーチ変動特殊演出パターン001」についての演出は、他の19個の演出とは異なっており、上記(6)の演出例の「ハートゾーン」での演出に対応するもの、すなわち、キー演出に対応するものとなる。また、変動パターン番号が「6」の際に、20個の変動演出パターンが選択される比率は調整されており、例えば、「変動演出パターン番号」の「102601」や「102602」についてはそれぞれ20%、「102603」や「102604」についてはそれぞれ10%といったように調整されている。また、「はずれ時リーチ変動特殊演出パターン001」に対応する「変動演出パターン番号102620」が選択される比率は、約1%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、当該時(変動前の演出抽選時)に、特殊演出フラグがOFFであった場合や、第2リミット値が0より大きかった場合、この「変動演出パターン番号102620」は100回に1回の割合でしか選択されないことを表している。
他のはずれ時の変動パターン番号「1」〜「5」、「7」、「8」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、変動パターン番号「7」、「8」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約1%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、はずれ時であり、第2リミット値が0より大きかった場合、100回に1回の確率で当該時(変動前の演出抽選時)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。例えば、変動パターン番号が「6」であり、変動演出パターン決定乱数値が「17777」であったとすると、最初の比較値「13107」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、演出制御CPU126は次の比較値「26214」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、演出制御CPU126は対応する変動演出パターン番号として「102602」を選択する。
〔当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル〕
図70、図71は、当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、作動記憶が取得された際に参照されるのではなく、当該変動が開始される変動前に参照されるテーブルである。また、このテーブルには、主制御CPU72から送られてきた変動パターンコマンドに基づいた変動パターン番号毎にそれぞれ予め複数種類の演出に対応した変動演出パターン番号が規定されており、その中からいずれかの変動演出パターン番号が選択される。なお、特定の変動演出パターン番号が選択される選択比率については、変動前に参照されるテーブルと、作動記憶が取得された際に参照されるテーブルとは異ならせて設定されているものもある。
この当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブルは、例えば、変動パターン番号毎に、その先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動演出パターン番号」をそれぞれセットにして記憶する構造である。例えば、はずれ時の変動パターン番号が「6」(リーチ後はずれ変動パターン6)の場合、「比較値」には、例えば20個の段階的に異なる値「13107」、「26214」、「32768」、「39322」、・・・、「64881」、「65535(FFFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動演出パターン番号」の「102601」〜「102620」が割り当てられている。これらの「変動演出パターン番号102601」〜「変動演出パターン番号102620」に対応する変動演出パターン内容として、「はずれ時リーチ変動演出パターン001」〜「はずれ時リーチ変動演出パターン019」、「はずれ時リーチ変動特殊演出パターン001」が規定されている。
ここで、これら20個の「変動演出パターン番号」及び「変動演出パターン内容」は、上記「当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル」と同一の番号、及び、内容に設定されている。しかしながら、20個の変動演出パターンが選択される比率は、上記「当該時用はずれ時基本変動演出パターン選択テーブル」と異なって設定されている。例えば、「はずれ時リーチ変動特殊演出パターン001」に対応する「変動演出パターン番号102620」が選択される比率は、約2%になるように「比較値」が予め調整されている。したがって、当該時(変動前の演出抽選時)に、第2リミット値が0より大きくなかった場合、この「変動演出パターン番号102620」は100回に2回の割合で選択されることを表しており、第2リミット値が0より大きかった場合よりも約2倍高い確率で選択されることを表している。
他のはずれ時の変動パターン番号「1」〜「5」、「7」、「8」についても、同様に、「比較値」と「変動演出パターン番号」がそれぞれセットにして20個設けられており、「変動演出パターン番号」毎に「変動演出パターン内容」がそれぞれ規定されている。また、変動パターン番号「7」、「8」についても、キー演出に対応するものが設定されており、それぞれ約2%の確率で選択されるように予め調整されている。したがって、はずれ時であり、第2リミット値が0より大きくなかった場合、100回に2回の確率で当該時(変動前の演出抽選時)にキー演出が選択されることを表している。
演出制御CPU126が変動演出パターン番号を決定する際には、上記と同様に、シフトした変動演出パターン決定乱数値を、この当該時用はずれ時特殊演出特化変動演出パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動演出パターン番号を選択する(変動演出パターン決定手段)。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理:図67参照〕
ステップS666:演出制御CPU126は、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS664)において選択された抽選結果が特殊演出パターンであるか否かを確認する。具体的には、選択された変動演出パターン内容がはずれ時リーチ変動特殊演出パターン001〜003のいずれかであるか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果が特殊演出パターンである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS668を実行する。一方、抽選結果が特殊演出パターンではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS674を実行する。
ステップS668:演出制御CPU126は特殊演出リミット値リセット処理を実行する。なお、具体的な説明は上記(図66)で説明したので省略する。演出制御CPU126は次にステップS670を実行する。
ステップS670:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は、特殊なゾーンである「ハートゾーン」に突入する演出内容(演出スケジュール)の設定を実行する。例えば、上記(5)の演出例で説明した可動役物装置による演出(図36中(C))、モード移行演出(図37中(D))、遊技説明演出(図37中(E))などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。
ステップS672:演出制御CPU126は、特殊演出パターンの設定を行う。具体的には、演出制御CPU126は、特殊なゾーンである「ハートゾーン」での演出などの設定を実行する。例えば、上記(5)や(6)の演出例で説明した演出選択表示演出(図37中(F)、図43中(E)など)、ボタン押下演出(図38中(G)、図43中(F)など)、ボタン押下の結果演出(図38中(H)、図44中(G)など)、ハートゾーン継続演出(図38中(I)など)などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。他にも、各演出図柄(左・中・右)の停止表示の態様(停止表示時の組み合わせ)を決定する。
なお、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS664)において変動演出パターンが選択されずに(ステップS650:Yes)、先の先判定演出選択処理内のステップS736においてすでに特殊演出パターンの設定が記憶されている場合は、その記憶された設定に基づいて特殊演出パターンの設定が行われる。演出制御CPU126は次にステップS676を実行する。
ステップS674:演出制御CPU126は、変動演出パターンの設定を行う。具体的には、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS664)において選択的に決定された変動演出パターン内容に基づいて、演出内容(演出スケジュール)の設定を実行する。例えば、上記(1)や(2)の演出例で説明した演出(図29〜図31)の設定を行う。他にも、各演出図柄(左・中・右)の仮停止表示を含めた停止表示時の態様(組み合わせ)を決定する。演出制御CPU126は次にステップS676を実行する。
ステップS676:演出制御CPU126は、その他の演出設定を行う。具体的には、選択的に決定された変動演出パターン内容に基づいて、リーチ演出などの設定を実行する。例えば、上記(2)の演出例で説明したリーチ演出(図32、図33)などの演出内容(演出スケジュール)の設定を行う。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図60)に復帰する。
〔図60:演出図柄変動前処理を参照〕
以上の小当り時変動演出パターン選択処理(ステップS608)(図示せず)、大当り時変動演出パターン選択処理(ステップS610)(図61)、又は、はずれ時変動演出パターン選択処理(ステップS612)(図67)のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)、現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)、先の変動演出パターン選択処理において選択された演出パターン番号等に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図59中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出(通常の擬似連変動演出や特別な擬似連変動演出を含む)及び結果表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出(特別な擬似連変動中の演出を含む)が実行される。また、その他、ここで選択されたセリフ演出パターンに基づいて、付加演出が実行され(演出実行手段)、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
また、演出図柄停止表示中処理(図59中のステップS506)において、特殊なゾーンでの演出が終了した際に、次のモードを決定する処理(特殊ゾーン終了時処理)が実行される。
〔特殊ゾーン終了時処理〕
図72は、特殊ゾーン終了時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS690:演出制御CPU126は、変動表示時の演出パターンが特殊演出パターンであったか否かを確認する。具体的には、演出図柄変動中処理(図59中のステップS504)において実行されていた演出が特殊演出内容、すなわち、当該変動で最後の「ハートゾーン」での演出であったか否かを確認する。この確認においては、例えば、フラグバッファ領域に特定のフラグを予め設定しておき、当該変動で最後の「ハートゾーン」演出実行時はそのフラグをONにセット、「ハートゾーン」以外のモードでの演出実行時や当該変動で最後の「ハートゾーン」ではない演出時はフラグをOFFにリセットしてもよい。この確認の結果、変動表示時の演出パターンが特殊演出パターンであった場合、演出制御CPU126は次にステップS692を実行する。一方、変動表示時の演出パターンが特殊演出パターンでなかった場合、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図59)に復帰する。
ステップS692:演出制御CPU126は、特殊ゾーン終了演出設定処理を実行する。例えば、図示していないが、当該変動で最後の「ハートゾーン」での演出がはずれ時の演出であった場合、可動役物装置による演出、すなわち、発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成される演出のままであるため、その可動役物装置を収納する演出が設定され実行される。なお、大当り時において、発光部312及び発光部322が結合されたままである場合は、同様に収納する演出が設定され実行される。演出制御CPU126は次にステップS694を実行する。
ステップS694:演出制御CPU126は、はずれであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターンコマンドを参照し、はずれ時の変動コマンドに対応するか否かを確認する。この確認の結果、はずれであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS696を実行する。一方、はずれでなかった場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図59)に復帰する。
ステップS696:演出制御CPU126は、モード抽選を実行する。具体的には、図示しないモード抽選テーブルを参照し、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした所定の乱数に基づいて、次の変動から開始するモードを選択的に決定する。例えば、「野外モード」や「海岸モード」といったモードを選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS698を実行する。
ステップS698:演出制御CPU126は、モードを変更する設定を実行する。具体的には、次の変動開始時に背景画像を、先のモード抽選(ステップS696)において決定されたモードに基づいた背景画像に変更する設定が実行される。
なお、これらの特殊ゾーン終了時処理は、演出図柄変動前処理の予告選択処理において実行されてもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図59)に復帰する。
上記のように本実施形態においては、先判定演出選択処理(図48)で第1リミット値が0より大きいか否か、はずれ時変動演出パターン選択処理(図67)や大当り時変動演出パターン選択処理(図61)で第2リミット値が0より大きいか否かを確認し、キー演出が選択されやすい選択テーブルを参照するか否かを決定していた。また、キー演出が実行された場合、特殊演出リミット値リセット処理(図66)で第1リミット値及び第2リミット値をリセットし再設定していた。これにより、第1リミット値に相当する回数だけ特別図柄の変動表示が実行されたにもかかわらずキー演出(複数回の変動にわたる「ハートゾーン」での先読み演出)が実行されなかった場合、又は、第2リミット値に相当する回数だけ特別図柄の変動表示が実行されたにもかかわらずキー演出(当該変動における「ハートゾーン」での演出)が実行されなかった場合、キー演出が出現しやすい選択テーブルに変更し、キー演出の出現をコントロールして飽きを防止し、キー演出を個人の引きによる体感頻度の差を極力なくすことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができた。
しかしながら、上記実施形態に限定せずに、全変動回数あたりのキー演出(複数回の変動にわたる「ハートゾーン」での先読み演出)が実行された変動回数の割合(履歴)に基づいてキー演出が選択されやすい選択テーブルを参照するか否かを決定してもよい。例えば、第1リミット値として5%(変動20回あたりに1回キー演出が実行されることに相当)と規定し、全変動回数あたりのキー演出が実行された回数の割合が第1リミット値以下である場合、キー演出が選択されやすい選択テーブルを参照し、その割合が第1リミット値より大きい場合、基本の選択テーブルを参照する。具体的には、キー演出がこれまで実行されずに作動記憶が記憶された際の変動回数が70回目である場合、全変動回数あたりのキー演出が実行された変動回数の割合は0/70=0%であるためキー演出が選択されやすい選択テーブルが参照されることなり、キー演出が77回実行され作動記憶が記憶された際の変動回数が1000回目である場合、全変動回数あたりのキー演出が実行された変動回数の割合は77/1000=7.7%であるため基本の選択テーブルが参照されることなる。したがって、キー演出の出現をコントロールして飽きを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。また、第2リミット値に対応するキー演出(当該変動における「ハートゾーン」での演出)についても同様に設定し(例えば、2%)、判定処理することで参照する選択テーブルを選択し、同様にキー演出の出現をコントロールして飽きを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
また、本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
また、その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な設定値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。