以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図30)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、右始動入賞口26(第1事象発生手段、第1始動入賞口)、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30、球振り分け装置200等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、球振り分け装置200を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や右始動入賞口26、可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って左始動入賞口28a(第2事象発生手段、第2始動入賞口)への入賞を容易化する(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき左始動入賞口28aへの入賞は容易化されていない(遊技球が流入できる開口幅が狭められた状態)となっている。なお、このとき入賞は容易化されていないが、入賞の発生自体は可能な状態である。すなわち、左右一対の可動片28bの上方には流入路28c及び2本の障害釘(命釘)が配置されており、2本の障害釘(参照符号なし)の間から流入路28cに流入した遊技球は、流入路28c内を流下して左始動入賞口28aへ入賞することができる。
一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が容易化された状態となり、非作動時と比較して左始動入賞口28aへの入賞を容易に発生させる。なお、非作動時又は作動時のいずれであるかに関わらず、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
ここで、球放出路40fの下方部分であって、可変始動入賞装置28及び右始動入賞口26の上方部分には、球振り分け装置200が配置されている。なお、球振り分け装置200の構造の詳細及び動作については後述する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、演出ユニット40の上端部の左側に配置された装置であり(いわゆる上方アタッカー)、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態(演出ユニット40と連続している状態)で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして左方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ84を通過して入賞を検出された後、回収通路(参照符号なし)を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品(参照符号なし)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。また液晶表示器42の右側上方部には、比較的大型の大型ランプ57が配置されている。大型ランプ57は、大当り時や、特別図柄の変動中における一発告知用のランプとして用いられる。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路(参照符号なし)が形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路は遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある球振り分け装置200に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔メモリ表示装置ユニット〕
演出ユニット40の下側縁部及び右側縁部には、メモリ表示装置ユニット400が設置されている。メモリ表示装置ユニット400は、8個の可動体41a〜41h(演出用可動体)を含んでいる。このうち左側4個の可動体41a〜41dは、液晶表示器42の表示画面の下側に列をなして配置されている。また、右側4個の可動体41e〜41hは、液晶表示器42の表示画面の下側から液晶表示器42の表示画面の右側に向かって列をなして配置されている。
8個の可動体41a〜41hは、それぞれ麻雀牌を模した部材である。各可動体の上面には、それぞれ数字の「1」〜「8」が遊技者から視認しやすい態様で付されている。また、これら複数の可動体には、それぞれ図示しない発光器(LED)が内蔵されており、その点灯状態(点灯色、点灯パターン)を変化させることによって、各可動体は個別の発光による演出動作を行うことができる。
8個の可動体41a〜41hは、演出用の可動体としても利用することができる。遊技盤8の裏側には、8個の可動体41a〜41hを可動させるための2つのモータが設置されており、これらモータを駆動源として、図示しないリンク機構や歯車伝導機構等を用いて各可動体を可動させることができる。なお、可動体を作動させるための機構や、可動体の具体的な演出態様については後述する。
また、メモリ表示装置ユニット400は、メモリ表示ランプ340を含んでいる。メモリ表示ランプ340は、8個の可動体41a〜41hと球振り分け装置200との間に配置されている。メモリ表示ランプ340は、8つのランプによって構成されており、8つのランプには、それぞれ図示しない発光器(LED)が内蔵されており、その点灯状態(点灯色、点灯パターン)を変化させることによって記憶数を表現することができる。
本実施形態では、第1特別図柄に対応する記憶の場合、図示しない発光器を青色で発光させることにし、第2特別図柄に対応する記憶の場合、図示しない発光器を赤色で発光させることにしている。そして、第1特別図柄の記憶が1つ増加するとメモリ表示ランプ340が1つ点灯し、第2特別図柄の記憶が1つ増加してもメモリ表示ランプ340が1つ点灯する。
例えば、特別図柄の抽選要素の記憶数が「0」である場合はいずれのランプも点灯しない。そして、記憶数が「0」の状態から、第1特別図柄の抽選要素の記憶数が1つ増加した場合は一番左側のランプが青色に点灯し、それに続けて第2特別図柄の抽選要素の記憶数が1つ増加した場合は左から2番目のランプが赤色に点灯する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、右始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図4は、遊技盤8の一部を複数箇所(窓4a内の右下位置及び液晶表示器42の直下位置)について拡大して示す正面図である。このうち図4中(A)は、第1特別図柄や第2特別図柄を含む遊技状態の表示が行われる箇所を拡大して示している。また図4中(B)は、上記の球振り分け装置200(第1構造例)を拡大して示している。
図4中(A):先ず第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の右始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で右始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ37a,37b,37c、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔球振り分け装置(第1構造例)〕
図4中(B):第1構造例の球振り分け装置200は、遊技状態にかかわらず右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が交互に発生することを促進する装置である。
球振り分け装置200は、遊技球が1つ通過し得る程度の幅を有する振分誘導路201を備えている。振分誘導路201は、トンネル状の構造であり、1つの流入口202に対して2つの出口(第1放出口204及び第2放出口203)が形成されている。したがって、流入口202に流入した遊技球は、第1放出口204又は第2放出口203のいずれかへと導かれる。振分誘導路201は、透明な部材で構成されており、その内部での遊技球の視認性は確保されている。
振分誘導路201の中央部分には、円柱形状の空間が形成されており、その空間には風車形の回転体205が配置されている。回転体205は、その中心軸から放射状に延びた3つの羽部材205a,205b,205cを有している。回転体205は、電気的又はその他の動力による動作を行うものではなく、遊技球が羽部材205a,205b,205cに衝突することにより回転する。
ここで、回転体205の下方部分の振分誘導路201(第2放出口203と第1放出口204の中間付近)には、回転体205の回転を規制する2つの突起部206a,206bが設けられている。そして、これら突起部206a,206bに羽部材205a,205bが接触することにより、回転体205の回転が規制される。
図5及び図6は、第1構造例の球振り分け装置200の動作原理について説明する図である。図5は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示しており、図6は右始動入賞口26への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示している。
〔可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分け〕
図5中(A)に示すように、最初の状態では、回転体205の羽部材205bが右側の突起部206bと接触している状態である。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205aと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって回転体205が左回り(反時計回り)に回転する。
そして、図5中(B)に示すように、回転体205が左回りに回転することにより、遊技球300が第2放出口203に導かれ、遊技球300が可変始動入賞装置28側へ振り分けられる。回転体205の羽部材205aは、左側の突起部206aに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。
第2放出口203は下向きに開口しており、この開口端から可変始動入賞装置28の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている。したがって、可変始動入賞装置28側へ振り分けられた遊技球300は、そのまま可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて可変始動入賞装置28に入賞しない場合もある。また、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由せずに、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する遊技球300もある。なお、左始動入賞口28aとその上方の障害釘との間にある流入路28cは、上記のように単なるゲート状の誘導体である。
なお流入路28cは、可変始動入賞装置28の非作動時において、一対の障害釘とともに左始動入賞口28aの開口幅W1を通常の大きさに規定しており、この場合の開口幅W1は遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている(例えば直径の百数%程度)。また、可変始動入賞装置28の作動時には、上記のように一対の可動片28bが幅方向に開放されるため、左始動入賞口28aの開口幅W2(一対の可動片28bの先端間隔に相当)は通常よりも拡張される。また、ここでは流入路28cの大きさをある程度縦方向に長く(右始動入賞口26の縦寸法と同程度)設定した形態を例に挙げているが、流入路28cの縦寸法は遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。
〔右始動入賞口26側への振り分け〕
上述したように、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分けが行われた場合には、回転体205の羽部材205aが左側の突起部206aと接触している状態となる。
図6中(A)に示すように、この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205bと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって今度は回転体205が右回り(時計回り)に回転する。
そして、図6中(B)に示すように、回転体205が右回りに回転することにより、遊技球300が第1放出口204に導かれ、遊技球300が右始動入賞口26側へ振り分けられる。回転体205の羽部材205bは、右側の突起部206bに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。
第1放出口204も同様に下向きに開口しており、この開口端から右始動入賞口26の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dもまた、例えば遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている。したがって、右始動入賞口26側へ振り分けられた遊技球は、上述した可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)と同様に、そのまま右始動入賞口26に入賞する場合もあるし、右始動入賞口26の上方の釘に弾かれて右始動入賞口26に入賞しない場合もある。また、遊技領域8a内に配置された他の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由せずに、右始動入賞口26に入賞する遊技球300もある。
本実施形態では、このような球振り分け装置200を採用しているため、右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が比較的高頻度で交互に発生することを促進することができる。ただし、球振り分け装置200は右始動入賞口26で発生し得る無作為な入賞と、可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)で発生し得る無作為な入賞とを交互に促進するものであり、必ず交互に入賞させる態様で振り分け動作を行うものではない。
すなわち、球振り分け装置200による第1放出口204からの遊技球300の放出は、右始動入賞口26での無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第1機会付与動作)である。また、球振り分け装置200による第2放出口203からの遊技球300の放出は、左始動入賞口28aでの無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第2機会付与動作)である。そして、右始動入賞口26や左始動入賞口28aでは、球振り分け装置200による振り分けの動作とは無関係にそれぞれ遊技領域4a内からの入賞が無作為に発生し得るため、右始動入賞口26での入賞の発生が連続することもあり得るし、左始動入賞口28aでの入賞の発生が連続することもあり得る。
〔球振り分け装置(第2構造例)〕
次に、第2構造例の球振り分け装置200について説明する。
図7は、第1構造例に代えて第2構造例の球振り分け装置200を配置した遊技盤8を単独で示した正面図である。第2構造例の球振り分け装置200も同様に、球放出路40fの下方部分であって、可変始動入賞装置28及び右始動入賞口26の上方部分に配置されている。なお、ここでは球振り分け装置200の構造以外で遊技盤8の構成に大きな変更はない。
図8は、第2構造例の球振り分け装置200を単独で示す正面図(A)及び部分断面図(B)である。以下、第1構造例(図4中(B)等)と対比しつつ説明する。なお、以下の説明中で第1構造例と共通する要素には同じ符号を付している。
第2構造例の球振り分け装置200は、例えばフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bが球振り分け装置200の本体部分(装置本体)を主に構成している。このうちリヤパーツ200bは、遊技盤8の板材(例えばベニヤ板、透明樹脂板)に対してその一部を嵌め込んだ状態で取り付けられる。すなわちリヤパーツ200bは、その大部分が盤面に沿って拡がったプレート状をなしているが、両端部分にはそれぞれ、盤面の奧方向へ突出した部分(図8では示さず)が一体に形成されている。これら突出部分は、遊技盤8の板材に形成された貫通孔(図示していない)に嵌め込まれている。またリヤパーツ200bは、遊技盤8に取り付けられた状態でプレート状の部分が盤面に沿って広がり、盤面の一部を装飾する。
フロントパーツ200aは、例えば透明樹脂材料で構成されており、その内部には盤面に沿って左右方向に延びる振分誘導路201が形成されている。またフロントパーツ200aの内部には、振分誘導路201の中央位置に回転体205が配置されている。回転体205の形状は第1構造例と異なっているが、その主な機能(遊技球300の重みによって時計回り、反時計回りに回転しながら交互に遊技球300を振り分ける機能)は同じである。
フロントパーツ200aはリヤパーツ200bの前面に取り付けられ、この状態で両パーツ200a,200bの上部位置に流入口202が形成されている。なお第2構造例においても、流入口202は上向きに開口している。
第2構造例の球振り分け装置200は、第1放出口204及び第2放出口203の形態が第1構造例と異なっている。すなわち、第1構造例では第1放出口204及び第2放出口203が下向きに開放していたが、第2構造例の場合、第1放出口204及び第2放出口203がいずれも前面に向けて開放している。したがって第2構造例の場合、第1放出口204及び第2放出口203の各開口面が遊技盤8の前面(盤面)と平行に配置されている。
前面向きの第1放出口204及び第2放出口203を形成するため、第2構造例の球振り分け装置200には、正面視で縦型の整流誘導路208,209が形成されている。これら整流誘導路208,209は、振分誘導路201の両端にそれぞれ連なり、そこから盤面の奥側へ向けて屈曲されている。そして各整流誘導路208,209は、盤面の奧で下方に潜り込み、さらに盤面の前面側へ折り返すようにして反転している。そして第1放出口204及び第2放出口203は、各整流誘導路208,209が反転した終端(開放端)に位置している。なお整流誘導路208,209は、上述したリヤパーツ200bの各突出部分に形成されている。
図9及び図10は、第2構造例の球振り分け装置200の構成をより詳細に示す分解斜視図である。このうち図9は球振り分け装置200を斜め上前方から示し、図10は球振り分け装置200を斜め上後方から示している。
上記のように球振り分け装置200は、その装置本体を構成するフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bは前後方向(図中Z軸方向)に組み合わせられる。このとき回転体205はフロントパーツ200aとリヤパーツ200bとの間に挟み込まれるようにして配置され、各パーツ200a,200bにピン接合された状態で回転自在に支持される。
なお回転体205には、例えば1つの羽部材205cにリンクロッド205dが形成されており、このリンクロッド205dは、回転体205の回転軸線に沿って奧方向へ突出している。これに対してリヤパーツ200bには挿通孔200eが形成されており、フロントパーツ200a及びリヤパーツ200bに回転体205が支持された状態で、リンクロッド205dは挿通孔200e内に挿入されるものとなっている。
ここで、第2構造例の球振り分け装置200は節度機構を有しており、節度機構は上記のリンクロッド205dの他に、梃子部材205e及びカウンタウエイト205fを組み合わせて構成されている。また、リヤパーツ200bの背面にはケース体200cが取り付けられており、節度機構を構成する部品はこのケース体200cに収容されるものとなっている。
上記の梃子部材205eは、リヤパーツ200b及びケース体200cにそれぞれピン接合された状態で、例えば回転体205と同じ回転軸線上にて回転自在に支持される。このとき回転体205のリンクロッド205dが挿通孔200eを通じて後方に突出し、その突出端にて梃子部材205eの一端部(短アーム)に接合されるものとなっている。梃子部材205eの他端部(長アーム)には、その長手方向に沿って長孔(参照符号なし)が形成されており、この長孔内にカウンタウエイト205fの一端がスライダ接合されるものとなっている。カウンタウエイト205fもまたリヤパーツ200b及びケース体200cにそれぞれピン接合され、その下端ピン(参照符号なし)を軸線として回転自在に支持される。
このような節度機構は、回転体205が時計回り又は反時計回りのいずれかに回転し、羽部材205a,205bのいずれかが突起部206a,206bに接触して回転が規制されると、この状態で回転体205に節度を付与(姿勢を保持)することができる。具体的には、回転体205の回転が規制されると、梃子部材205eが左右いずれかに傾斜した姿勢となるが、このときカウンタウエイト205fによって梃子部材205eが中立姿勢(直立姿勢)に復元しようとする動きが抑えられる。これにより、回転体205は遊技球300を振り分けた後の姿勢に保持されることになる。
なお、節度機構による回転体205の姿勢の保持は、突起部206a,206bと接触していない方の羽部材205a,205bに対して遊技球300の荷重が加わると解除される。すなわち節度機構は、遊技球300の荷重に抗してまで回転体205の姿勢を保持することはないため、その振り分け動作が阻害されることはない。
図9に示されているように、リヤパーツ200bの突出部分200dは中空をなしており、この中空の内部に上記の整流誘導路208,209が形成されている。また図10に示されているように、フロントパーツ200aには左右の突出部分200dに相対して一対の傾斜板201aが形成されており、フロントパーツ200aがリヤパーツ200bに組み合わされると、各傾斜板201aの先端部分はそれぞれ対応する突出部分200dの内部に張り出した状態となる。
各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端に連なって形成されている。振分誘導路201は、中央位置から左右両端の方向に向かって下り傾斜し、それぞれ終端に段差が設けられている。そして各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端より一段下がった位置から盤面の奧方向(後方:図中Z軸方向)に向かって下り傾斜している。
また図10に示されているように、フロントパーツ200aの内部には、振分誘導路201の左右両端に各傾斜板201aが連なる隅角部にコーナーリブ201bが形成されている。コーナーリブ201bは隅角部に沿う円弧形状をなしており、その円弧面にて遊技球300の方向変換を案内することができる。
〔遊技球の流下態様〕
図11は、第2構造例の球振り分け装置200における遊技球の流下態様を示す斜視図である。なお図11では煩雑化を防止するため、外観上で表出していない構成要素については図示を省略している。
図11中(A):例えば、回転体205の羽部材205aが突起部206aに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球300が球振り分け装置200に流入すると、回転体205が正面視で時計回り方向に回転し、遊技球300は正面視で振分誘導路201の右方向に誘導される。そして、遊技球300が振分誘導路201の右終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向へ転動する。そして、遊技球300は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路209内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第1放出口204を通じて前方へ放出される。
図11中(B):あるいは、回転体205の羽部材205bが突起部206bに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球300が球振り分け装置200に流入すると、今度は回転体205が正面視で反時計回り方向に回転し、遊技球300は正面視で振分誘導路201の左方向へ誘導される。そして、遊技球300が振分誘導路201の左終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向に転動する。そして、遊技球300は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路209内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第2放出口203を通じて前方へ放出される。
上記いずれの場合についても、遊技球300の荷重によって節度機構による回転体205の姿勢保持は解除される。また、遊技球300を振り分けたことで回転体205の回転が規制されると、節度機構が働いて回転体205の姿勢が保持される。
図12及び図13は、第2構造例の球振り分け装置200の動作原理について説明する図である。このうち図12は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示しており、図13は右始動入賞口26への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示している。
〔可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分け〕
図12中(A):例えば最初の状態で、回転体205の羽部材205bが右側の突起部206bと接触しているとする。このとき回転体205には、節度機構による姿勢保持が作用している。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205aと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって節度機構が解除され、回転体205は左回り(反時計回り)に回転する。
そして、図12中(B)に示すように、回転体205が左回りに回転することにより、遊技球300が振分誘導路201の左方向へ誘導され、左側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、傾斜板201aの傾斜に沿って左側の整流誘導路208に流下する。そして、遊技球300は整流誘導路208に案内されて方向変換し、第2放出口203から前面側へ放出される。これにより、遊技球300が可変始動入賞装置28側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205aは、左側の突起部206aに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球300の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
より好ましくは、整流誘導路208,209内にはそれぞれUターンリブ200fが形成されており、このUターンリブ200fは、整流誘導路208,209の上面から奥側の壁面、及び底面に至る領域内に形成されている。Uターンリブ200fは全体としてU字形状をなし、その湾曲した円弧面に沿って遊技球300のスムーズな流下を案内する。
第2構造例において第2放出口203は前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から可変始動入賞装置28の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第2放出口203から遊技領域8a(図12には示さず)に再放出された遊技球300は、無作為な流下に伴って可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて可変始動入賞装置28に入賞しない場合もある。また第1構造例の場合と同様に、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する遊技球300もある。
〔右始動入賞口26側への振り分け〕
図13中(A):次に、回転体205の羽部材205aが左側の突起部206aと接触している状態を想定する。このときも回転体205には、節度機構による姿勢保持が作用している。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、今度は回転体205における羽部材205bと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって節度機構が解除され、回転体205は右回り(時計回り)に回転する。
そして、図13中(B)に示すように、回転体205が右回りに回転することにより、遊技球300が振分誘導路201の右方向へ誘導され、右側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、傾斜板201aの傾斜に沿って右側の整流誘導路209に流下する。そして、遊技球300は整流誘導路209に案内されて方向変換し、第1放出口204から前面側へ放出される。これにより、遊技球300が右始動入賞口26側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205bは、右側の突起部206bに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球300の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
第2構造例において、第1放出口204もまた前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から右始動入賞口26の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第1放出口204から遊技領域8a(図13には示さず)に再放出された遊技球300は、無作為な流下に伴って右始動入賞口26に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて右始動入賞口26に入賞しない場合もある。ここでも第1構造例の場合と同様に、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から右始動入賞口26に入賞する遊技球300もある。
図14は、球振り分け装置200の内部構造を示す縦断面図(図13中のXIV−XVI線に沿う断面図)である。なお、ここでは右側の整流誘導路209を例に挙げているが、左側の整流誘導路208についても構造は同じである。
上記のように、遊技盤8の板材8bには貫通孔8cが形成されており、リヤパーツ200bの突出部分200dは貫通孔8c内に嵌め込まれている。このため整流誘導路209は、板材8bの内部(肉厚部分)を盤面より奥側へ延び、この奧の位置で下方へ屈曲された後に盤面の前面側へ折り返すようにして延びている。なお図14には、Uターンリブ200fの側面形状が示されている。
また第1放出口204は、前後方向(図中Z軸方向)でみて盤面とほぼ同じ位置(リヤパーツ200bのプレート状部分の厚み分前方)にて開口しており、その開口面は盤面と平行であることが分かる。
〔遊技球の整流作用〕
第2構造例の球振り分け装置200によれば、遊技球300の流下に対して以下の誘導や整流が行われる。
(1)先ず、流入口202を通じて流入した遊技球300を回転体205及び振分誘導路201により盤面に沿って左右いずれかの方向へ交互に振り分ける。
(2)次に、振分誘導路201の左右両端では、それぞれコーナーリブ201b及び傾斜板201aにより盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿って奥側へ遊技球300の転動方向を変換する。
(3)左右の整流誘導路208,209内では、盤面より奧の位置でその軸線(図中Z軸線)に沿って遊技球300をUターンさせる。このとき遊技球300は、盤面の奧で下方に潜り込むようにして反転する。
(4)Uターンされた遊技球300は、前面に向けて開放した第1放出口204又は第2放出口203を通じて遊技領域8a内に再度放出される。
上記(2)から(3)の過程を通じて、遊技球300の流下の態様は左右方向から上下方向へ整えられており、上記(1)で与えられた左右方向への勢いが殺される(整流作用)。これにより、第1放出口204又は第2放出口203から放出された遊技球300の流下方向がほとんど下向きで安定し、左右方向に暴れにくくなるため、放出された遊技球300を右始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)へ高頻度で入賞させやすくすることができる。
したがって、本実施形態において第2構造例の球振り分け装置200を用いた場合でも、流入口202に遊技球300が流入したことに起因して、右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が比較的高頻度で交互に発生することを促進することができる。ただし、ここでも同様に、球振り分け装置200は右始動入賞口26で発生し得る無作為な入賞と、可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)で発生し得る無作為な入賞とを交互に促進するものであり、必ず交互に入賞させる態様で振り分け動作を行うものではない。
すなわち、第2構造例の球振り分け装置200についても、その第1放出口204からの遊技球300の放出は、右始動入賞口26での無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第1機会付与動作)である。また、球振り分け装置200による第2放出口203からの遊技球300の放出は、左始動入賞口28aでの無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第2機会付与動作)である。そして、右始動入賞口26や左始動入賞口28aでは、球振り分け装置200による振り分けの動作とは無関係にそれぞれ遊技領域8a内からの入賞が無作為に発生し得るため、右始動入賞口26での入賞の発生が連続することもあり得るし、左始動入賞口28aでの入賞の発生が連続することもあり得る。
〔球振り分け装置の特性〕
第1構造例及び第2構造例の球振り分け装置200は、右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に対して必ず交互に入賞を発生させるものではなく、あくまで無作為に入賞が発生する機会を交互に付与するものである。したがって、球振り分け装置200の流入口202に遊技球が流入しても、その時点で直ちに「入賞球」には該当せず、流入口202は「入賞口」に該当しない。
このため、本実施形態ではあくまで右始動入賞口26や可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)がそれぞれ「入賞口」となり、たとえ球振り分け装置200を経由して遊技球が右始動入賞口26に入賞した場合であっても、球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで右始動入賞口26への入賞の発生を契機として第1特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。また、球振り分け装置200を経由して遊技球が可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞した場合であっても、同じく球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞の発生を契機として第2特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。
これにより、球振り分け装置200内に入賞検出用の右始動入賞口スイッチや左始動入賞用スイッチをわざわざ組み込む必要がなく、球振り分け装置200の構造を簡素化することができる。また、右始動入賞口26や可変始動入賞装置28の部品を専用に設計する必要がなく、従来使用されている共通部品を球振り分け装置200に合わせてレイアウトするだけで、本実施形態の遊技盤8を実現することができる。
次に、メモリ表示装置ユニット400の詳細について説明する。
図15及び図16は、メモリ表示装置ユニット400の周辺を示す正面図である。なお、図15は、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態の様子を示しており、図16は、8個の可動体41a〜41hをすべて起立させた状態の様子を示している。また図16ではコイルバネの図示を省略してある。
図15に示すように、メモリ表示装置ユニット400は、8個の可動体41a〜41hを備えている。
一番左の可動体41aから左から4番目の可動体41dまでは、演出ユニットのベース部材に対して横一線に水平に配置されており、左から5番目の可動体41eから一番右の可動体41hまでは、演出ユニットのベース部材の湾曲した局面にそって上方向に並べて配置されている。
また、一番左の可動体41aから左から4番目の可動体41dまでは、略同一の大きさの部材であるが、左から5番目の可動体41eから一番右の可動体41hまでは、各表示体の大きさが徐々に大きくなっている。
また、8個の可動体41a〜41hの下部には、第1モータ310及び第2モータ320といった2つのモータが配置されている。第1モータ310及び第2モータ320は、正逆回転可能である。そして、一番左の可動体41aから左から4番目の可動体41dまでは、第1モータ310によって駆動され、左から5番目の可動体41eから一番右の可動体41hまでは、第2モータ320によって駆動される。
このように、本実施形態では、モータは、8個の可動体41a〜41hの数よりも少ない数で配置されているので、第1モータ310及び第2モータ320は、それぞれ4つの可動体を可動させることになる。このため、1つの可動体に1つのモータを割り当てる場合と比較して、部品点数を減少させることができ、構造物の省スペース化を図ることができる。
ここで、第1モータ310及び第2モータ320を一定の方向にかつ一定の位置まで回転させると、図16に示すように、8個の可動体41a〜41hは、すべて起立した状態となる。各可動体41が起立した状態となると、各可動体の上面がより遊技者の方向に向くため、遊技者に対して可動体の上面の視認性を向上させるとともに、可動体の可動による驚きを与えることができる。
図17及び図18は、メモリ表示装置ユニット400の周辺を示す裏面図である。なお、図17は、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態の様子を示しており、図18は、8個の可動体41a〜41hをすべて起立させた状態の様子を示している。
図17に示すように、メモリ表示装置ユニット400は、第1モータ310の出力軸312に取り付けられた第1モータギヤ314を備えている。
第1モータギヤ314には第4中間ギヤ440が噛み合わされており、第4中間ギヤ440には第4カムギヤ540が噛み合わされている。
また、第4カムギヤ540には、第3中間ギヤ430が噛み合わされており、第3中間ギヤ430には第3カムギヤ530が噛み合わされている。
さらに、第3カムギヤ530には、第2中間ギヤ420が噛み合わされており、第2中間ギヤ420には第2カムギヤ520が噛み合わされている。
さらにまた、第2カムギヤ520には、第1中間ギヤ410が噛み合わされており、第1中間ギヤ410には第1カムギヤ510が噛み合わされている。
そして、これらのギヤからなる歯車列は、第1モータ310(第1モータギヤ314)の回転に伴い、その動力を伝達する。
歯車列については、その始端に位置する第1モータギヤ314よりも歯数の多い(大径)の中間ギヤと、中間ギヤよりも歯数の多い(大径)のカムギヤにより構成されている。このため、第1モータギヤ314の回転は、中間ギヤで減速され、カムギヤでさらに減速されることになる。なお、第1モータギヤ314の回転が各カムギヤから各中間ギヤに伝達される際には、回転速度は一旦加速されることになる。
また、メモリ表示装置ユニット400は、第2モータ320の出力軸322に取り付けられた第2モータギヤ324を備えている。
第2モータギヤ324には第5中間ギヤ450が噛み合わされており、第5中間ギヤ450には第5カムギヤ550及び第6カムギヤ560が噛み合わされている。
また、第6カムギヤ560には、第6中間ギヤ460が噛み合わされており、第6中間ギヤ460には第7カムギヤ570が噛み合わされている。
さらに、第7カムギヤ570には、第7中間ギヤ470が噛み合わされており、第7中間ギヤ470には第8カムギヤ580が噛み合わされている。
そして、これらのギヤからなる歯車列は、第2モータ320(第2モータギヤ324)の回転に伴い、その動力を伝達する。
歯車列については、その始端に位置する第2モータギヤ324よりも歯数の多い(大径)の中間ギヤと、中間ギヤよりも歯数の多い(大径)のカムギヤにより構成されている。このため、第2モータギヤ324の回転は、中間ギヤで減速され、カムギヤでさらに減速されることになる。なお、第2モータギヤ324の回転が各カムギヤから各中間ギヤに伝達される際には、回転速度は一旦加速されることになる。
また、第4カムギヤ540及び第5カムギヤ550の手前側には、2つの位置検出装置370が設置されている。位置検出装置370は、第1フォトセンサ350及び第2フォトセンサ360と、2つの遮光板372とにより構成されている(図19参照)。
第1フォトセンサ350及び第2フォトセンサ360は、光を照射する照射部及び光を受光する受光部を有し、照射部と受光部とは所定の間隔を空けて対向配置されている。
遮光板372は、カムギヤの側面であってフォトセンサの照射部と受光部との間を通過する位置に配置され、カムギヤと一体に回転する板状の部材である。
そして、カムギヤが回転し、遮光板372が原点位置にあるとき、フォトセンサは遮光状態となる。このため、演出制御装置124は、フォトセンサが遮光状態であるときに(第1フォトセンサ350又は第2フォトセンサ360フォトセンサから遮光状態である旨の検出信号を受信しているときに)、カムギヤが原点位置にあると判断することができる。
図18に示すように、第1モータ310を駆動させて、第1モータギヤ314を図中時計回りに回転させると、第4カムギヤ540、第3カムギヤ530、第2カムギヤ520及び第1カムギヤ510も同様に、図中時計回りに回転する。
一方、第1モータ310を駆動させて、第1モータギヤ314を図中時計回りに回転させると、第4中間ギヤ440、第3中間ギヤ430、第2中間ギヤ420及び第1中間ギヤ410はこれとは逆に、図中反時計回りに回転する。
また、第2モータ320を駆動させて、第2モータギヤ324を図中時計回りに回転させると、第8カムギヤ580、第7カムギヤ570、第6カムギヤ560及び第5カムギヤ550も同様に、図中時計回りに回転する。
一方、第2モータ320を駆動させて、第2モータギヤ324を図中時計回りに回転させると、第7中間ギヤ470、第6中間ギヤ460及び第5中間ギヤ450はこれとは逆に、図中反時計回りに回転する。
このように、第1モータ310及び第2モータ320を駆動させると、第1モータギヤ314及び第2モータギヤ324が回転するため、これに追従する各中間ギヤや各カムギヤを連動させて回転させることができる。そして、一定の方向にかつ一定の位置まで第1モータ310及び第2モータ320を回転させると、図18に示すように、8個の可動体41a〜41hは、すべて起立した状態となる。8個の可動体41a〜41hが起立した状態になると、各可動体の上面がより遊技者の方向に向くため、遊技者に対して可動体の上面の視認性を向上させるとともに、可動体の可動による驚きを与えることができる。
図19及び図20は、メモリ表示装置ユニット400の周辺を示す平面図である。なお、図19は、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態の様子を示しており、図20は、8個の可動体41a〜41hをすべて起立させた状態の様子を示している。
図19に示すように、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態では、8個の可動体41a〜41hにおける上面の大部分が、遊技盤の上方部分を向くことになる。なお、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態であっても、8個の可動体41a〜41hは完全にねかされた状態ではなく、わずかに傾斜した状態を維持しており、可動体の上面は遊技者側に向いている。また、8個の可動体41a〜41hの背面部分には、上記の第1フォトセンサ350及び第2フォトセンサ360及び2つの遮光板372が配置されている。
一方、図20に示すように、8個の可動体41a〜41hをすべて起立させた状態では、8個の可動体41a〜41hにおける上面の大部分が遊技者側に向くことになる。このため、遊技者に対しては8個の可動体41a〜41hにおける上面の視認性を向上させるとともに、可動体の可動による驚きを与えることができる。
図21は、1つの可動体の周辺部分を単独で示す分解斜視図である。なお、図21中(A)は可動体を正面側の右斜め上方からみた様子を示しており、図21中(B)は可動体を裏面側の左斜め下方からみた様子を示している。
図示の例では、1つの可動体として、左から4番目の可動体41dを示しているが、その他の可動体も基本的な構成は同様である。
可動体41dは、図21中(A)に示すように、その外形が扁平な立方体形状となっており、手前側の上面角部分には傾斜の大きな面取り部370を有する。また、可動体41dは、図21中(B)に示すように、内部が中空の部材となっている。さらに、可動体41dは、内部に配置される図示しない発光ダイオードにより発光される光を透過する樹脂等により構成されている。
可動体41dの左右の側面であって面取り部370の下方部分には、円柱形状の凸部372が形成されており、その凸部372は、演出ユニット40の円形の凹部(不図示)に挿入される。
また、可動体41dの下面には半円盤状の突起部374が形成されている。突起部374には、貫通孔376が形成されており、その貫通孔376には、棒状のリンクシャフト380が挿入される。
第4カムギヤ540は、一方の端面に歯車列を構成する歯部541が形成されており、他方の端面に所定の形状を有するカム部542が形成されている。また、歯部541には、遮光板372が取り付けられている。
第4スライダ640は、縦長薄板状の本体部642と、本体部642の上端に形成された断面コの字状の引っ掛け部644と、本体部642の表面に形成された鉤型のフック646と、本体部642の裏面に形成された円筒形状のコロ59とを備える。
引っ掛け部644にはリンクシャフト380が挿入され、コロ59はカム部542の外縁に当接する。また、フック646には、コイルバネ390が取り付けられており、コイルバネ390によってコロ59は、カム部542に付勢されている。なお、コイルバネ390の一端はフック646に引っ掛けられ、コイルバネ390の他端はネジ391によって図示しない演出ユニットに固定される。
そして、第4カムギヤ540の回転に伴ってカム部542が回転すると、カム部542に当接しているコロ59は、カム部542の外形形状に沿って上下に移動することになる。コロ59は、本体部642に結合されているため、コロ59が上下に移動することにより、本体部642も上下に移動する。
そして、本体部642が上昇すると、本体部642の上端に形成された引っ掛け部644も上昇するため、引っ掛け部644の内部に配置されているリンクシャフト380も合わせて上昇することになる。
このとき、リンクシャフト380は単純に上昇するのではなく、凸部372を回転中心として円弧状の軌跡を辿って上昇する。このため、本体部642が上昇すると、可動体41aは、その上面を遊技者に向けて起立する。
このように、本実施形態では、カム部542の起伏量に応じて第4スライダ640が移動し、第4スライダ640の移動に伴って可動体41dが可動することになる。このため、駆動源となるモータからの動力は、カム部542から第4スライダ640に伝わり、それが直接的に可動体41dに伝達されることになる。したがって、本実施形態によれば、カム部542の起伏差によって直接的に可動体41dを可動させる駆動機構となるため、カム部542の起伏差を増幅させる機構は必要なく、シンプルな構造で可動体41dを可動させることができる。
図22〜図25は、カムギヤ及びカム部の詳細について説明するための図である。
なお、図22及び図23は、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態のカム部の様子を示す図である。また、図24及び図25は、8個の可動体41a〜41hをすべて起立させた状態のカム部の様子を示す図である。ここで、図22及び図24は正面図を示しており、図23及び図25は斜視図を示している。
本実施形態の各カムギヤは、それぞれ異なる形状のカム部を有する。
具体的には、各図に示すように、第1カムギヤ510は第1カム部512を有し、第2カムギヤ520は第2カム部522を有し、第3カムギヤ530は第3カム部532を有し、第4カムギヤ540は第4カム部542を有し、第5カムギヤ550は第5カム部552を有し、第6カムギヤ560は第6カム部562を有し、第7カムギヤ570は第7カム部572を有し、第8カムギヤ580は第8カム部582を有する。
また、各カム部は、その側面に可動位置用カム面K1、退避位置用カム面K2、及び中間カム面K3を備えている。
可動位置用カム面K1は、可動体41a等を可動位置(起立させた位置)に配置させるためのカム面である。このため、可動位置用カム面K1は、各カムギヤの端面の最も外周側に配置される周方向に沿った面となる。
退避位置用カム面K2は、可動体41a等を退避位置(倒れた位置)に配置させるためのカム面である。このため、退避位置用カム面K2は、カムギヤの端面の最も内周側に配置される周方向に沿った面となる。
中間カム面K3は、可動体41a等を退避位置から可動位置に、又は可動位置から退避位置に移行させるためのカム面である。このため、退避位置用カム面K2は、カムギヤの端面の可動位置用カム面K1と退避位置用カム面K2との間に配置される面となる。
そして、各カム部に設けられたそれぞれの可動位置用カム面K1は、各スライダを端から順に移動させて各可動体を端から順に可動させるために、段階的に長さが短くなるカム面を有する。
具体的には、左側4つのカムギヤについては、第1カムギヤ510の可動位置用カム面K1が最も長く、第2カムギヤ520の可動位置用カム面K1が次に長く、第3カムギヤ530の可動位置用カム面K1がその次に長く、第4カムギヤ540の可動位置用カム面K1が最も短い。
また、右側4つのカムギヤについては、第5カムギヤ550の可動位置用カム面K1が最も長く、第6カムギヤ560の可動位置用カム面K1が次に長く、第7カムギヤ570の可動位置用カム面K1がその次に長く、第8カムギヤ580の可動位置用カム面K1が最も短い。
このため、本実施形態によれば、可動位置用カム面K1の長さを段階的に短くするといった簡単な構成によって8個の可動体41a〜41hを端から順に可動させることができ、駆動機構の複雑化を回避することができる。
また、カム部に設けられたそれぞれの中間カム面K3は、8個の可動体41a〜41hを同時に可動させるために、その一部に同一位相かつ同一形状となるカム面を有する。
具体的には、第1カムギヤ510の右側の中間カム面K3、第2カムギヤ520の右側の中間カム面K3、第3カムギヤ530の右側の中間カム面K3、第4カムギヤ540の右側の中間カム面K3が、同一位相かつ同一形状となるカム面となっている。
また、第5カムギヤ550の右側の中間カム面K3、第6カムギヤ560の右上側の中間カム面K3、第7カムギヤ570の上側の中間カム面K3、第8カムギヤ580の左側の中間カム面K3が、同一位相かつ同一形状となるカム面となっている。なお、第5カムギヤ550から第8カムギヤ580については、中間カム面K3の配置位置が段階的にずれているが、これは可動体(スライダ)の突出方向が異なるためであり、各カムギヤの回転方向に対しては、同一位相かつ同一形状となるカム面となっている。
このため、同一位相となる部分に同一形状のカム面を有する中間カム面K3においては、複数の可動体が同一の動きによって駆動されることになる。このように、各中間カム面K3の一部の形状を統一することにより、簡単な構成によって複数の可動体を同時に可動させることができ、駆動機構の複雑化を回避することができる。
ここで、左側4つの可動体41a〜41dは、左右方向(所定の方向)に並べて4個配置されている(図15参照)。
また、左側4つの第1カムギヤ510〜第4カムギヤ540は、4つの可動体41a〜41dに応じて4個配置されている。
そして、左側4つの第1カムギヤ510〜第4カムギヤ540は、左右方向(所定の方向;図中X方向)と直交する上下方向(図中Y方向)における2つの異なる位置(上方の第1位置Y1及び下方の第2位置Y2)に交互に配置されている。すなわち、第1カムギヤ510及び第3カムギヤ530は上方の第1位置Y1に配置され、第2カムギヤ520及び第4カムギヤ540は下方の第2位置Y2に配置されている。
このように、本実施形態では、4つの第1カムギヤ510〜第4カムギヤ540を2つの異なる位置(第1位置Y1及び第2位置Y2)に交互に配置しているため、複数のカムギヤを横一線に配置する場合と比較して、4つの第1カムギヤ510〜第4カムギヤ540をより近接させて配置することができ、構造物の省スペース化を図ることができる。
ここで、図22及び図23に示す例では、8個の可動体41a〜41hをすべて倒した状態のカム部の様子を示しているため、図23に示すように、各カム部に当接するコロ59は、カムギヤの回転中心に寄って配置される。
一方、図24及び図25に示す例では、8個の可動体41a〜41hを起立させた状態のカム部の様子を示しているため、図25に示すように、各カム部に当接するコロ59は、カムギヤの回転中心から離れて配置される。
図26及び図27は、左側4つの可動体41a〜41dの動作例について示す図である。図26は、左側4つの可動体41a〜41dをすべて倒した状態の様子を示しており、図27は、左側4つの可動体41a〜41dをすべて起立させた状態の様子を示している。
〔反時計回り時〕
ここでは、まず、第1モータ310を図中反時計回りに回転させた場合の動作について説明する。
図26に示す状態から、第1モータ310を図中反時計回りに回転させると、第1モータ310の出力軸312も反時計回りに回転する。なお、ここでは第1モータ310の出力軸312を図示するため、モータギヤの図示は省略してある。
これにより、第1モータ310の出力軸312に取り付けられたモータギヤも、反時計回りに回転する。
モータギヤが反時計回りに回転すると、第4中間ギヤ440は図中時計回りに回転する。
第4中間ギヤ440が時計回りに回転すると、第4カムギヤ540は反時計回りに回転する。これと同様に、第3中間ギヤ430、第2中間ギヤ420及び第1中間ギヤ410は時計回りに回転する。一方、第3カムギヤ530、第2カムギヤ520及び第1カムギヤ510は反時計回りに回転する。
これにより、各カム部に当接しているコロ59は、各カム部の外形形状に沿って上昇することになる。コロ59が上昇すると、コロ59を有する第1スライダ610、第2スライダ620、第3スライダ630及び第4スライダ640も合わせて上昇する。
そして、各スライダが上昇すると、図27に示すように、4つの可動体41a〜41dがすべて同時に起立する。なお、図27において、コイルバネの図示は省略してある。
〔時計回り時〕
次に、第1モータ310を図中時計回りに回転させた場合の動作について説明する。
図26に示す状態から、第1モータ310を図中時計回りに回転させると、第1モータ310の出力軸312も時計回りに回転する。
これにより、第1モータ310の出力軸312に取り付けられたモータギヤも、時計回りに回転する。
モータギヤが時計回りに回転すると、第4中間ギヤ440は図中反時計回りに回転する。
第4中間ギヤ440が反時計回りに回転すると、第4カムギヤ540は時計回りに回転する。これと同様に、第3中間ギヤ430、第2中間ギヤ420及び第1中間ギヤ410は反時計回りに回転する。一方、第3カムギヤ530、第2カムギヤ520及び第1カムギヤ510は時計回りに回転する。
これにより、各カム部に当接しているコロ59は、各カム部の外形形状に沿って上昇することになる。この場合、各カム部の外形形状は異なるため、コロ59は左側から順番に上昇する。コロ59が左側から順番に上昇すると、コロ59を有する第1スライダ610、第2スライダ620、第3スライダ630及び第4スライダ640も左側から順番に上昇する。
そして、各スライダが左側から順番に上昇すると、4つの可動体41a〜41dも左側から順番に起立していく。
図28及び図29は、右側4つの可動体41e〜41hの動作例について示す図である。図28は、右側4つの可動体41e〜41hをすべて倒した状態の様子を示しており、図29は、右側4つの可動体41e〜41hをすべて起立させた状態の様子を示している。
〔反時計回り時〕
ここでは、まず、第2モータ320を図中反時計回りに回転させた場合の動作について説明する。
図28に示す状態から、第2モータ320を図中反時計回りに回転させると、第2モータ320の出力軸も反時計回りに回転する。なお、第2モータ320の出力軸及びモータギヤは、第2モータ320の裏側に配置されている。
第2モータ320の出力軸が反時計回りに回転すると、第2モータ320の出力軸に取り付けられたモータギヤも、反時計回りに回転する。
モータギヤが反時計回りに回転すると、第5中間ギヤ450は図中時計回りに回転する。
第5中間ギヤ450が時計回りに回転すると、第5カムギヤ550及び第6カムギヤ560は反時計回りに回転する。これと同様に、第6中間ギヤ460及び第7中間ギヤ470は時計回りに回転する。一方、第7カムギヤ570及び第8カムギヤ580は反時計回りに回転する。
これにより、各カム部に当接しているコロ59は、各カム部の外形形状に沿って各カムギヤの回転中心から離れた位置に移動することになる。コロ59が移動すると、コロ59を有する第5スライダ650、第6スライダ660、第7スライダ670及び第8スライダ680も合わせて移動する。
そして、各スライダが移動すると、図29に示すように、4つの可動体41a〜41dがすべて同時に起立する。なお、図29において、コイルバネの図示は省略してある。
〔時計回り時〕
次に、第2モータ320を図中時計回りに回転させた場合の動作について説明する。
図28に示す状態から、第2モータ320を図中時計回りに回転させると、第2モータ320の出力軸も時計回りに回転する。なお、第2モータ320の出力軸及びモータギヤは、第2モータ320の裏側に配置されている。
第2モータ320の出力軸が時計回りに回転すると、第2モータ320の出力軸に取り付けられたモータギヤも、時計回りに回転する。
モータギヤが時計回りに回転すると、第5中間ギヤ450は図中反時計回りに回転する。
第5中間ギヤ450が反時計回りに回転すると、第5カムギヤ550及び第6カムギヤ560は時計回りに回転する。これと同様に、第6中間ギヤ460及び第7中間ギヤ470は反時計回りに回転する。一方、第7カムギヤ570及び第8カムギヤ580は時計回りに回転する。
これにより、各カム部に当接しているコロ59は、各カム部の外形形状に沿って各カムギヤの回転中心から離れた位置に移動することになる。この場合、各カム部の外形形状は異なるため、コロ59は左側から順番に移動する。コロ59が左側から順番に移動すると、コロ59を有する第5スライダ650、第6スライダ660、第7スライダ670及び第8スライダ680も左側から順番に移動する。
そして、各スライダが左側から順番に移動すると、4つの可動体41e〜41hも左側から順番に起立していく。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図30は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、右始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、右始動入賞口26、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、上記のように可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、大型ランプ57、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に第1モータ310、第2モータ320、可動体ランプ330、メモリ表示ランプ340、第1フォトセンサ350、第2フォトセンサ360が接続されている。第1モータ310及び第2モータ320は、それぞれの駆動機構を介して8個の可動体41a〜41hを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53、第1モータ310、第2モータ320、可動体ランプ330及びメモリ表示ランプ340にそれぞれ印加される。一方、第1フォトセンサ350及び第2フォトセンサ360からの出力信号は、パネル電飾基板138を経由して演出制御装置124(演出制御CPU126)に入力される。なお、可動体ランプ330は、8個の可動体41a〜41hの内部に配置されており、各可動体は光を透過する材質で構成されているため、可動体ランプ330が発光すると、あたかも可動体自体が発光している効果を発揮することができる。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、演出表示制御装置144、インバータ基板158に分配されている。なお演出表示制御表示装置144及びインバータ基板158には演出制御装置124を経由して電力が供給されており、液晶表示器42には演出表示制御装置144及びインバータ基板158をそれぞれ経由して電力が供給されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図31及び図32は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図32に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図34中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図34中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図34)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図33は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図31)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図34は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、右始動入賞口スイッチ80又は左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、右始動入賞口スイッチ80又は左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図35は、スイッチ入力イベント処理(図34中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図34)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図36は、第1特別図柄記憶更新処理(図35中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図34中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第8)が設定されており、現段階で第1〜第8の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第8セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できないこととなっている(第2特別図柄についても同様)。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中以外である場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図37は、第2特別図柄記憶更新処理(図35中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図36)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図34中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図36)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図36)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図36)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図36)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、先のステップS45aで大当り中か否かを判定しているのは、大当り中以外は、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図38は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図36中のステップS37,図37中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(右始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図36中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図37中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間短縮機能の作動状態別、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数別等の各種条件に応じて設定される変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は、例えば「合計記憶数別時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(非時間短縮状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「合計記憶数別通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図36)又は第2特別図柄記憶更新処理(図37)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図36中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図37中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図36)又は第2特別図柄記憶更新処理(図37)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図34)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図39は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の両方)が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、始動条件(第1始動条件、第2始動条件)を満たすとして主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が「16ラウンド大当り」又は「4ラウンド大当り」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば4回、16回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として「16ラウンド大当り」や「4ラウンド大当り」だけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また「16ラウンド大当り」や「4ラウンド大当り」についても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図34中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が通常の長さ(例えば、合計記憶数に応じて2秒〜12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「16ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「16ラウンド確変大当り1」、(2)「16ラウンド確変大当り2」が設けられている(これ以上があってもよい)。また、上記の「4ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(3)「4ラウンド確変大当り1」、(4)「4ラウンド確変大当り2」が設けられている(これ以上があってもよい)。さらに、本実施形態では複数の当選種類(特殊当選種類)として(5)「2ラウンド確変大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「16ラウンド確変大当り1」は「16ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り2」は「16ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また「4ラウンド確変大当り1」は「4ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「4ラウンド確変大当り2」は「4ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「2ラウンド確変大当り」は「2ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔16ラウンド確変図柄〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄1」又は「16ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ウンド目まで継続する。これら「16ラウンド確変図柄1」又は「16ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、それぞれが16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔4ラウンド確変図柄〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「4ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ウンド目まで継続する。これら「4ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、それぞれが4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、16ラウンドの大当り遊技や4ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。なお、ここでは開放時間を極端な短時間に設定した例を挙げているが、2ラウンドの大当り遊技であっても、例えば1ラウンド中に複数個(例えば9個程度)の遊技球の入賞が可能となる充分な開放時間を設定することとしてもよい。この場合、ある程度の賞球払い出しという特典を付与した上で、「高確率状態」に移行する特典を遊技者に享受させることができる。また、本実施形態では、「非時間短縮状態」にて「2ラウンド確変図柄」に該当した場合は「時間短縮状態」に移行させないことにしており、「時間短縮状態」にて「2ラウンド確変図柄」に該当した場合は「時間短縮状態」に移行させることにしている。
いずれにしても、当選図柄が上記の「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図40は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図34中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図34中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図34中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かにより、また、変動開始時(変動表示開始時)の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数によって異なってくる。この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認し、また、第1特別図柄作動記憶数の値と第2特別図柄作動記憶数の値をそれぞれロードする。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば合計記憶数別に4.0秒〜1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図41は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン7,8(変動パターン番号「7」,「8」)に関しては、比較的長めの変動時間(例えば1分以上)が設定されており、「特定種類の変動パターン」として規定されており、例えば、通常のリーチ演出よりも比較的長めのスーパーリーチ演出が実行される。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(図38)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図42は、特別図柄の変動時間について説明する図である。
本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間は、リーチ変動を行う場合を除き、変動開始時(記憶シフト処理後)における第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数(いわゆる合計保留の数)に基づいて変更される。なお、この表は上記のはずれ時変動パターン選択テーブル(図41参照)中の変動パターン1〜5が選択された場合に適用される。具体的な数値は以下の通りである。
〔第1特別図柄及び第2特別図柄に共通〕
(合計記憶数0)変動時間;12秒程度
(合計記憶数1)変動時間;10秒程度
(合計記憶数2)変動時間;10秒程度
(合計記憶数3)変動時間;2.0秒程度
(合計記憶数4)変動時間;2.0秒程度
(合計記憶数5)変動時間;2.0秒程度
(合計記憶数6)変動時間;2.0秒程度
(合計記憶数7)変動時間;6.0秒程度
なお上記の合計記憶数「0〜7」は、特別図柄記憶エリアシフト処理(ステップS2200)で第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数を減算した後の値を合算したものである。したがって、同処理で記憶シフト(作動記憶数カウンタが減算)される前の合計記憶数は「1〜8」である。
このように本実施形態では、変動開始時の合計記憶数が例えば3個〜6個であった場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間として、通常の長さに設定された通常変動時間(10秒〜12秒)に代えて、通常変動時間よりも短縮された第1短縮変動時間(2.0秒程度)が設定される(第1短縮変動時間設定手段)。
一方、変動開始時の合計記憶数が例えば7個(記憶シフト前において規定値の8個)であった場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間は、通常変動時間よりも短縮されているが、第1短縮変動時間よりも長い第2短縮変動時間(6.0秒程度)が設定される(第2短縮変動時間設定手段)。
このように、変動開始時の合計記憶数が7個の場合に第2短縮変動時間を設定しているのは以下の理由による。すなわち本実施形態では、特に「時間短縮状態」であるか「非時間短縮状態」であるかに関わらず、球振り分け装置200によって右始動入賞口26への入賞と可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を交互に発生させることができる(あるいは、交互に入賞が発生することを促進することができる)。このため、遊技球の打ち出しが特に大きく中断されていなければ、第1特別図柄の作動記憶数と第2特別図柄の作動記憶数がそれぞれ最大値(4個)に達することで、通常状態での遊技中に合計記憶数が規定値(それぞれの最大値を合算した値の8個)に達することは充分にあり得る。そしてこの際、合計記憶数が規定値に達したことを強調するための特定演出を実行することもできる。本実施形態において変動開始時の合計記憶数が7個の場合に第2短縮変動時間を設定している理由は、このような特定演出を実行する際の演出尺を確保するためである。
〔図40:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて5種類が用意されている。5種類の内訳は、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄」である。なお、5種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「16ラウンド確変図柄1」であれば、「16ラウンド確変図柄1a」、「16ラウンド確変図柄1b」、「16ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が同一である。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時にも、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時にも、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄」のいずれかが選択される。ただし、主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図43は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図43に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「54」,「4」,「29」,「0.5」,「12.5」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の54(=54%)であり、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「4ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の29(=29%)、「4ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の0.5(=0.5%)である。また「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の12.5(=12.5%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は100%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図44は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図44に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「54」,「4」,「29」,「0.5」,「12.5」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の54(=54%)であり、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「4ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の29(=29%)、「4ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の0.5(=0.5%)である。また「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の12.5(=12.5%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は100%である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
本実施形態では球振り分け装置200を用いて通常遊技中から第2特別図柄についても、第1特別図柄と略同じペースで作動記憶を増加させることができるため、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで当選図柄の選択比率に違いを設けることなく、双方で同じ選択比率を採用している。
〔図40:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、16ラウンド大当り又は4ラウンド大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、16ラウンド大当り又は4ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図45は、大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、16ラウンド大当り又は4ラウンド大当りに当選した場合に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図40:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「4ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。ただし、「2ラウンド確変図柄」については、時間短縮状態である場合に限られる。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合に、はずれ変動時と同等の変動パターンを選択している。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図39:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図40中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図46は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図40中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第1特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものでないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄(変動の対象となる特別図柄)として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものであることを確認した場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象特別図柄について、主制御CPU72は作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」を設定することとする。ここで設定した「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」は、例えばこの後、はずれ時変動パターン決定処理(図40中のステップS2405)において、合計記憶数別の変動時間を設定する際に参照することができる。
ステップS2222:また主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図40)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図47は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図39中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄1」又は「16ラウンド確変図柄2」であれば、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。大当り図柄の種類が「4ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄2」であれば、連続作動回数ステータスには「4ラウンド」に対応する値がセットされる。さらに大当り図柄の種類が「2ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数ステータスには「2ラウンド」に対応する値がセットされる。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図40中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄1」又は「16ラウンド確変図柄2」のいずれかであれば、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また大当り図柄の種類が「4ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄2」のいずれかであれば、連続作動回数コマンドは「4ラウンド」を表す値として生成される。さらに「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば70回)に設定され、「時間短縮状態」ではなく単独の「高確率状態」だけに移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば70回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば70回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。なお、「時間短縮状態」ではなく単独の「高確率状態」だけに移行されている場合、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て高確率状態や時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図48は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図34中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ37a,37b,37cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ37a,37b,37cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ37a,37b,37cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ37cに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ37bに対して点灯信号を出力する。さらに連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ37aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図49は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図50は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図39)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については2秒程度、「16ラウンド図柄」又は「4ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図40中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「16ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また当選図柄として「4ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を4回に設定する。さらに当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、4回なら「3」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図51は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図50中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図50中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図52は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図49中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回、4回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図50中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図49中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図53は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図40中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば70回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変機;ST機)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しないが、本実施形態は確変比率が100%であるため、ステップS5508は必ず実行される。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図40中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグ(変動時間短縮機能作動フラグ)の値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば70回)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図39中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔球振り分け装置による有用性〕
以上が主制御CPU72により実行される各種制御処理の内容であるが、本実施形態では第1構造例又は第2構造例の球振り分け装置200を用いることにより、パチンコ機1の遊技において以下の有用性を発揮することができる。なお、以下では遊技球の参照符号を適宜省略する。
(1)球振り分け装置200を遊技領域8a内に配置することで、変動時間短縮機能が非作動の通常状態であっても、左始動入賞口28aへの入賞と可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)への入賞とが交互に発生することを促進することができる。
(2)上記(1)により、通常状態の遊技中においても、第1特別図柄作動記憶数及び第2特別図柄作動記憶数がそれぞれ最大値(例えば4個)に達した状態となることを容易化することができる。
(3)上記(2)により、第1特別図柄作動記憶数と第2特別図柄作動記憶数の各最大値を合計した合計記憶数(例えば8個)を活用して内部抽選を実行することができ、それだけ内部抽選が行われる頻度を高くすることができる。
(3)また、右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞がそれぞれ発生した時点から、各種抽選用乱数が取得されるまでのタイミングを安定化させることができる。
(4)すなわち、上記(3)では、球振り分け装置200による遊技球の振り分け動作に要する時間にばらつきが生じたとしても、それによって「入賞」の発生時点から乱数が取得されるまでのタイミングに影響が生じることがない。これにより、遊技の公正を害することなく、第1特別図柄と第2特別図柄の合計記憶数(8個)を用いた遊技性を実現することができる。
(5)たとえ球振り分け装置200内で遊技球300の停留等が発生しても、球振り分け装置200以外からも右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞は引き続き可能であるため、引き続き入賞を保証することができる。このため、球振り分け装置200内でのトラブルに起因して遊技の進行が大きく阻害されることがなく、機械トラブルによって遊技者が不利益を被るのを軽減することができる。
図54及び図55は、メモリ表示装置ユニット400の制御方法を示す概念図である。なお、図54は左側4個の可動体41a〜41dを可動させる際の制御方法を示しており、図55は右側4個の可動体41e〜41hを可動させる際の制御方法を示している。
〔第1モータ関連〕
図54に示すように、最上段カラムには、第1モータ310のステップ数が表示されている。第1モータ310のステップ数は、「0」から「700」までの値をとり、ステップ数が「700」まで進むと「0」に戻る。
上から2番目のカラムには、第1フォトセンサ350の「通光状態」及び「遮光状態」が表示されている。図示の例では、第1モータ310のステップ数が「0」から「23」までの間と、第1モータ310のステップ数が「677」から「700」までの間は、第1フォトセンサ350が「遮光状態」となる。また第1モータ310のステップ数が「23」から「677」までの間は、第1フォトセンサ350が「通光状態」となる。
上から3番目のカラムには、メモリ表示装置ユニット400の動作状態が表示されている。動作状態には、左側4個の可動体41a〜41d(第1可動体〜第4可動体)の項目が含まれている。なお、図中において、第1可動体は可動体41aに対応し、第2可動体は可動体41bに対応し、第3可動体は可動体41cに対応し、第4可動体は可動体41dに対応する。
〔第1可動体〕
第1可動体は、第1モータ310のステップ数が「0」から「102」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
また、第1可動体は、第1モータ310のステップ数が「102」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらに、第1可動体は、第1モータ310のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
さらにまた、第1可動体は、第1モータ310のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
〔第2可動体〕
第2可動体は、第1モータ310のステップ数が「0」から「140」までの間、及び、第1モータ310のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第2可動体は、第1モータ310のステップ数が「140」から「241」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第2可動体は、第1モータ310のステップ数が「241」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第2可動体は、第1モータ310のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
〔第3可動体〕
第3可動体は、第1モータ310のステップ数が「0」から「280」までの間、及び、第1モータ310のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第3可動体は、第1モータ310のステップ数が「280」から「381」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第3可動体は、第1モータ310のステップ数が「381」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第3可動体は、第1モータ310のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
〔第4可動体〕
第4可動体は、第1モータ310のステップ数が「0」から「420」までの間、及び、第1モータ310のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第4可動体は、第1モータ310のステップ数が「420」から「521」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第4可動体は、第1モータ310のステップ数が「521」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第4可動体は、第1モータ310のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
図中において、最下段のカラムには、第1モータ310の回転方向が表示されている。
第1モータ310が時計回り(CW)に回転すると、第1モータ310のステップ数は減少し、第1モータ310が反時計回り(CCW)に回転すると、第1モータ310のステップ数は増加する。なお、第1モータ310のステップ数が「0」からさらに減少すると、ステップ数は「700」に戻る。なお、ここでの時計回りとは、モータの出力軸の先端側からモータ側をみた場合の回転方向を示している。
〔第2モータ関連〕
図55に示すように、最上段カラムには、第2モータ320のステップ数が表示されている。第2モータ320のステップ数は、第1モータ310のステップ数と同様に、「0」から「700」までの値をとり、ステップ数が「700」まで進むと「0」に戻る。
上から2番目のカラムには、第2フォトセンサ360の「通光状態」及び「遮光状態」が表示されている。図示の例では、第2モータ320のステップ数が「0」から「23」までの間と、第2モータ320のステップ数が「677」から「700」までの間は、第2フォトセンサ360が「遮光状態」となる。また第2モータ320のステップ数が「23」から「677」までの間は、第2フォトセンサ360が「通光状態」となる。
上から3番目のカラムには、メモリ表示装置ユニット400の動作状態が表示されている。動作状態には、右側4個の可動体41e〜41h(第5可動体〜第8可動体)の項目が含まれている。なお、図中において、第5可動体は可動体41eに対応し、第6可動体は可動体41fに対応し、第7可動体は可動体41gに対応し、第8可動体は可動体41hに対応する。
〔第5可動体〕
第5可動体は、第2モータ320のステップ数が「0」から「102」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
また、第5可動体は、第2モータ320のステップ数が「102」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらに、第5可動体は、第2モータ320のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
さらにまた、第5可動体は、第2モータ320のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
〔第6可動体〕
第6可動体は、第2モータ320のステップ数が「0」から「140」までの間、及び、第2モータ320のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第6可動体は、第2モータ320のステップ数が「140」から「241」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第6可動体は、第2モータ320のステップ数が「241」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第6可動体は、第2モータ320のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
〔第7可動体〕
第7可動体は、第2モータ320のステップ数が「0」から「280」までの間、及び、第2モータ320のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第7可動体は、第2モータ320のステップ数が「280」から「381」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第7可動体は、第2モータ320のステップ数が「381」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第7可動体は、第2モータ320のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
〔第8可動体〕
第8可動体は、第2モータ320のステップ数が「0」から「420」までの間、及び、第2モータ320のステップ数が「661」から「700」までの間では、「倒れ」の動作を維持する。
また、第8可動体は、第2モータ320のステップ数が「420」から「521」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「倒れ」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「起立」の動作を行う。
さらに、第8可動体は、第2モータ320のステップ数が「521」から「560」までの間では、「起立」の動作を維持する。
さらにまた、第8可動体は、第2モータ320のステップ数が「560」から「661」までの間では、「起立」又は「倒れ」の動作を行う。具体的には、第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると「起立」の動作を行い、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると「倒れ」の動作を行う。
図中において、最下段のカラムには、第2モータ320の回転方向が表示されている。
第2モータ320が時計回り(CW)に回転すると、第2モータ320のステップ数は減少し、第2モータ320が反時計回り(CCW)に回転すると、第2モータ320のステップ数は増加する。なお、第2モータ320のステップ数が「0」からさらに減少すると、ステップ数は「700」に戻る。
そして、フォトセンサの通光状態や遮光状態、ステップ数等によってモータを駆動制御することにより、演出制御装置124は、8個の可動体41a〜41hを自在に可動させることができる。
具体的には、8個の可動体41a〜41hを以下のように可動させることができる。なお、以下の可動例は好ましい例示である。
(1)8個の可動体41a〜41hが倒れた状態から、8個の可動体41a〜41hを左側から順番に起立させることができる。
(2)8個の可動体41a〜41hが倒れた状態から、8個の可動体41a〜41hを同時に起立させることができる。
(3)8個の可動体41a〜41hが倒れた状態から、左側4個の可動体41a〜41dだけ、又は右側4個の可動体41e〜41hだけを同時に起立させることができる。
(4)8個の可動体41a〜41hが倒れた状態から、左側4個の可動体41a〜41dを左側から順番に1つずつ、かつ、右側4個の可動体41e〜41hを左側から順番に1つずつ起立させることができる。
(5)8個の可動体41a〜41hを起立させた状態から、8個の可動体41a〜41hを右側から順番に倒れさせることができる。
(6)8個の可動体41a〜41hを起立させた状態から、8個の可動体41a〜41hを同時に倒れさせることができる。
(7)8個の可動体41a〜41hを起立させた状態から、左側4個の可動体41a〜41dだけ、又は右側4個の可動体41e〜41hだけを同時に倒れさせることができる。
(8)8個の可動体41a〜41hを起立させた状態から、左側4個の可動体41a〜41dを右側から順番に1つずつ、かつ、右側4個の可動体41e〜41hを右側から順番に1つずつ倒れさせることができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
なお、具体的な演出図柄を用いた変動表示演出の例として、本実施形態で採用されている変動1回ごとの基本的な演出例を2つと、16ラウンド大当り遊技中に実行される大役中演出例及びモード移行演出例と、16ラウンド大当り遊技後に実行される基本的な演出例と、2ラウンド大当り時における変動演出例、大役中演出例及びモード移行演出例と、可動装置による記憶数表示演出例と、作動記憶が最大個数記憶された際に実行される特殊演出による演出例と、可動装置を用いた特殊可動演出例と、特殊ゾーン演出が実行される際の演出例を2つ挙げ(計10例)図面を用いて説明する。
(1)予告演出を伴う変動表示演出と停止表示演出(はずれ時)(図56〜図58)
(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(大当り時)(図59)
(3)16ラウンド大当り遊技中に実行される大役中演出及びモード移行演出(図60)
(4)16ラウンド大当り遊技後に実行される基本的な演出(図61)
(5)2ラウンド大当り時における変動演出、大役中演出及びモード移行演出(図62、図63)
(6)可動装置による記憶数表示演出(図64、図65)
(7)作動記憶が最大個数記憶された際に実行される特殊演出による演出(図66、図67)
(8)可動装置を用いた特殊可動演出(図68〜図73)
(9)特殊ゾーン演出が実行される際の演出(特殊ゾーン突入時)(図74〜図82)
(10)特殊ゾーン演出が実行される際の演出(特殊ゾーン突入ガセ時)(図83)
〔(1)予告演出を伴う変動表示演出と停止表示演出(はずれ時)の例〕
図56〜図58は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる予告演出を伴う変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、左始動入賞口28a(又は右始動入賞口26)に入賞してから、第1特別図柄(又は第2特別図柄)に関する内部抽選が行われるなどした後に、第1特別図柄(又は第2特別図柄)が変動表示を開始し、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
〔変動表示前〕
図56中(A):例えば、前回の内部抽選においてはずれ(非当選)となり、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)により第1特別図柄が非当選を表す態様で停止表示されている場合、あるいはパチンコ機1においてその営業日の最初に遊技を開始する場合(いわゆる電源投入後、朝一の状態)を想定する。このとき液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様で停止表示演出(結果表示演出としてもよい)が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の表示画面上で左・中・右に並んで表示される。このうち、左演出図柄と右演出図柄については、それぞれ表示画面の左領域と右領域に比較的大きいサイズで表示されているが、中演出図柄は表示画面の中領域に比較的小さいサイズで表示されている。
各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。なお、左・中・右の演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を潜在的に構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示されるが、停止表示時には図柄列中で1つの演出図柄(図29の例では「3」−「4」−「7」)が表示画面に表示される。
また、表示画面には上記の「野外ステージ」又は「海岸ステージ」に対応する背景画像が表示されている。演出図柄は背景画像の手前に重なるようにして表示されるが、変動表示中(スクロール中)は演出図柄全体が透けた(透過)状態で表示されるため、背景画像の視認性が向上する。これにより、遊技者に対して演出上の滞在ステージを明確に認識させることができる。
ここでは、特別図柄の抽選要素は1つも記憶されていないため、可動体41a〜41h及びメモリ表示ランプ340はいずれも点灯表示されていない。
なお、特に図示はしていないが、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部に第4図柄を表示してもよい。第4図柄は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。第4図柄は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
〔記憶数表示演出〕
図56中(B):遊技者が遊技球を借り受け、発射操作を行うことで遊技が開始されると、やがて右始動入賞口26(又は左始動入賞口28a)に遊技球が入賞することで、抽選契機が発生する。この例では、いずれかの始動入賞口への入賞が発生したことで、特別図柄の作動記憶が1個発生したため、メモリ表示ランプ340のうち、一番左側のランプが点灯する演出が行われている。このような演出は、例えばそれまでメモリ表示ランプ340が点灯していなかった位置のランプを点灯させることで、特別図柄の作動記憶数が1つ増加したことを演出上で遊技者に教示する目的で行われる。
さらに、図示の例では、一番左側の可動体41aが点灯している。メモリ表示ランプ340の点灯は、予め定められた規定の順序に従って(例えば左側のランプから順番に)点灯表示されるものであり、8個の可動体41a〜41hの点灯も予め定められた規定の順序に従って(例えば左側の可動体から順番に)点灯表示されるものである。なお、各可動体やメモリ表示ランプ340は、第1特別図柄に対応する記憶が増加した場合は青色で点灯し、第2特別図柄に対応する記憶が増加した場合は赤色で点灯するものであるが、図示の例では表示色を特に区別していない。
また、抽選要素の記憶表示に関して、8個の可動体41a〜41h及びメモリ表示ランプ340といった2つの擬似メモリを搭載している理由は、8個の可動体41a〜41hはメモリの表示に加えて各種演出に用いられる場合もあるため、8個の可動体41a〜41hに加えてメモリ表示ランプ340を搭載することにより、より明確な記憶表示を実現するためである。
〔作動記憶消費演出〕
図56中(C):作動記憶の消費に伴い、メモリ表示ランプ340が1つ消灯する演出が行われる。これにより、遊技者に対して作動記憶を1個消費して内部抽選が行われたことを演出上でわかりやすく教示することができる。なお、メモリ表示ランプ340が1つ消灯されたことに伴い、8個の可動体41a〜41hも1つ消灯される演出が行われる。この例では、一番左側のメモリ表示ランプ340と可動体41aがそれぞれ消灯する演出が行われている。
〔変動表示演出〕
また、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示に同期させて、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動表示に合わせて、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されていることは既に述べたとおりである。
〔セリフ予告演出その1〕
図57中(D):変動表示演出の比較的初期において、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが発するセリフが出現するセリフ予告演出が実行される。ここで、女性キャラクターが発するセリフには演出切替ボタン45を模した画像が表記されており、演出切替ボタン45の押下を遊技者に促すことができる。
〔セリフ予告演出その2〕
図57中(E):遊技者による演出切替ボタン45の押下が確認された場合、又は、ある程度の時間が経過した場合、女性キャラクターが「チャンス??」といったセリフを発するセリフ予告演出が実行される。
〔左図柄停止〕
また、このとき、変動表示演出の中期にさしかかったことから、左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔セリフ予告演出その3〕
図57中(F):その後、女性キャラクターが発した「チャンス??」といったセリフに重なる形態で演出切替ボタン45を模した画像が出現するセリフ予告演出が実行され、再度演出切替ボタン45の押下を遊技者に促すこととなる。
〔セリフ予告演出その4〕
図58中(G):遊技者による演出切替ボタン45の押下が確認された場合、又は、ある程度の時間が経過した場合、女性キャラクターが「だめね!」といったセリフを発するセリフ予告演出が実行される。
〔右図柄停止〕
また、このとき、変動表示演出の後期にさしかかったことから、左演出図柄に続いて、右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の右位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「6」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「4」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「1」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「5」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図56中(E):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「5」−「2」−「6」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。
〔(2)変動表示演出、リーチ演出、及び、停止表示演出(大当り時)の例〕
図59は、「16ラウンド図柄」又は「4ラウンド図柄」での大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄又は第2特別図柄が「16ラウンド確変図柄」又は「4ラウンド確変図柄」を示す態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお図59中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図59中(A):第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図59中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図59中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図59中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図59中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図59中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」−「変動中」−「6」と「7」−「変動中」−「7」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「6」と「7」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、本実施形態では、数字の「6」が揃っても、数字の「7」が揃っても確率変動大当りとなるため、演出図柄が3つ揃いするチャンスが2回訪れるという期待感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「6」と「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図59中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図59中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「6」又は「7」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「大当り」であり、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残っても「大当り」であるが、数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、数字の「7」が消去された後の画面上に例えば数字の「8」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「5」の順番が近づくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「4」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「5」が消去されると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図59中(H):リーチ演出が終盤に近づいたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されれば、次に「6」−「6」−「6」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「6」までが消去されてしまい、最後に数字の「7」が消去されずに残れば、「7」−「7」−「7」の大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「7の演出図柄により大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図59中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「16ラウンド確変図柄1」に該当しているため、演出上で奇数の「7」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、今回は「7の演出図柄で大当りした」ことを遊技者に教示する演出が行われている。
図59中(J):そして、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「6」や「7」以外の数字「5」や「8」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔(3)16ラウンド大当り遊技中に実行される大役中演出及びモード移行演出の例〕
図60は、「16ラウンド確変大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド開始時〕
図60中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で大当りした」という情報を引き続き教示することができる。
〔16ラウンド〕
図60中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行する。このとき、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が継続して表示されている。
〔大役終了時〕
図60中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率状態」かつ「時間短縮状態」の「花火モード」に移行することを遊技者に教示することができる。
〔(4)16ラウンド大当り遊技後に実行される基本的な演出の例〕
〔花火モードの演出例〕
図61は、花火モードの演出例を示す連続図である。この花火モードは、「4ラウンド確変大当り1」、「4ラウンド確変大当り2」、「16ラウンド確変大当り1」、「16ラウンド確変大当り2」又は「2ラウンド確変大当り(時間短縮状態での当選時)」に該当した場合の大役遊技後に移行されるモードであり、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」に該当する。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図61中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火モードの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。
図61中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。
図61中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。そして、この「花火モード」は、特別図柄が70回変動するまで継続される。なお、花火モードは、時間短縮状態であるため、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われることになり、遊技球の打ち出しを停止しない限り、大当り遊技終了後から2回目以降の変動表示は、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。
〔(5)2ラウンド大当り時における変動演出、大役中演出及びモード移行演出の例〕
図62及び図63は、「2ラウンド確変図柄」での当選時に実行される演出例及びモード移行演出例を示す連続図である。
この演出例では、演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。さらにモード移行演出は内部状態を分かりにくくするための演出である。なお、以下の説明では、上述した16ラウンド大当り当選時等の演出例と共通する事項については、その説明を適宜省略する。
〔変動表示演出開始前〕
図62中(A):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。演出図柄は、数字の「4」−「6」−「7」の組み合わせで停止表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図62中(B):液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
〔左図柄停止〕
図62中(C):画面の中段位置に数字の「1」を表す左演出図柄が停止する。
〔右演出図柄停止〕
図62中(D):画面の中段位置に数字の「5」を表す右演出図柄が停止する。
〔停止表示演出〕
図62中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われるが、ここでは「2ラウンド確変図柄」の態様で特別図柄が停止表示されているので、中演出図柄に特殊演出図柄を用いた態様で停止表示演出が行われる。
図示の例では、画面の中段位置に「祭」の文字を有する特殊演出図柄を停止させている。この例のように中演出図柄に特殊演出図柄を停止させることで、何らかの当りに該当した可能性があることを遊技者に対して教示(示唆)することができる。これにより、以後の遊技において遊技者に「隠し確変(潜伏確変)」の状態に移行した可能性があることを想起させ、遊技意欲の減退を抑えることができる。なお、「2ラウンド確変図柄」に該当した場合、このような特殊な演出図柄を停止させるのではなく、特定の並び順(チャンス目、順目等)で演出図柄を停止表示させてもよい。
〔モード移行演出例〕
そして、2ラウンド確変図柄の大当り時には、モード移行演出が実行される。このモード移行演出は、例えば上記の「2ラウンド確変図柄」の大当りが発生したタイミングで実行される。
〔扉閉演出〕
図63中(F):例えば、それまでの背景画像が「通常モード」に対応する画像であったとすると、2ラウンド大当り中(特殊遊技実行中)に表示画面の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでの表示画面を一旦覆い隠すことで、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔扉開演出〕
図63中(G):次に、閉じていた扉が表示画面の左右に素早く移動して、扉が大きく開かれる動作を表す演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出は、例えば遊技者に対して、扉が開いた先の結果に興味を抱かせる意味で行われる。
〔モード移行(背景チェンジ)演出〕
図63中(H):扉が開かれた段階で、例えば「祭りモード突入!」の文字情報とともに、背景画像が「祭りモード」を表す態様に変化する。「祭りモード」の背景画像は、祭りを深く印象付けるために、「太鼓」や「提灯」、「うちわ」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。このようなモード移行演出を実行することにより、演出上で異なるモードに移行したことを遊技者に対して視覚的に訴求させることができ、それによって「高確率状態」の可能性を想起させ、次の当選が得られるまで(次の当選に向けて)遊技を継続しようとするモチベーションを維持させることができる。なお、本実施形態では、小当りに該当した場合も、このような「祭りモード」に突入することにしている。このため、「小当り」に該当した場合と「2ラウンド確変」に該当した場合との差異がなくなり、内部状態を遊技者に推測させることにして、遊技に対する継続意欲を向上させている。
〔祭りモード演出〕
図63中(I):モード移行演出に続き、次の特別図柄の変動表示に略同期して演出図柄の変動表示演出が実行される。このときの背景画像は既に「祭りモード」の態様に切り替わっている。これにより扉の開閉動作を経て、演出上で「通常モード」から「祭りモード」に移行したことが遊技者に知らされる。なお、ここでは「通常モード」から「祭りモード」に移行するパターンを例に挙げているが、その他のモード(ステージ)に移行させる場合も同様の流れの演出を実行してもよい。
なお、上記の例では、内部状態が非時間短縮状態である場合に「2ラウンド確変図柄」に当選した例を示している。内部状態が時間短縮状態である場合に「2ラウンド確変図柄」に当選すると、上記のモード移行演出を経て直接「花火モード」に突入する。
〔(6)可動装置による記憶数表示演出の例〕
図64及び図65は、8個の可動体41a〜41h及びメモリ表示ランプ340を用いた記憶数表示演出の演出例を示す連続図である。
図64中(A):例えば特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始されている。ここでは、特別図柄の抽選要素は1つも記憶されていないため、可動体41a〜41h及びメモリ表示ランプ340はいずれも点灯表示されていない。
図64中(B):液晶表示器42の表示画面上では、3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が継続されている。
〔作動記憶数増加時の演出例〕
また、この間に抽選要素が記憶されたことにより、作動記憶数が1つ増加した(例えば右始動入賞口26への入賞が発生した)ことで、メモリ表示ランプ340のうち、一番左側のランプが点灯する演出が行われている。このような演出は、例えばそれまでメモリ表示ランプ340が点灯していなかった位置のランプを点灯させることで、第1特別図柄に対応する作動記憶数が1つ増加したことを演出上で遊技者に教示する目的で行われる。
さらに、図示の例では、一番左側の可動体41aが点灯している。メモリ表示ランプ340の点灯は、予め定められた規定の順序に従って(例えば左側のランプから順番に)点灯表示されるものであり、8個の可動体41a〜41hの点灯も予め定められた規定の順序に従って(例えば左側の可動体から順番に)点灯表示されるものである。なお、各可動体は、第1特別図柄に対応する記憶が増加した場合は青色で点灯し、第2特別図柄に対応する記憶が増加した場合は赤色で点灯するものであるが、図示の例では表示色を特に区別していない。
また、抽選要素の記憶表示に関して、8個の可動体41a〜41h及びメモリ表示ランプ340といった2つの擬似メモリを搭載している理由は、8個の可動体41a〜41hはメモリの表示に加えて各種演出に用いられる場合もあるため、8個の可動体41a〜41hに加えてメモリ表示ランプ340を搭載することにより、より明確な記憶表示を実現するためである。
図64中(C):現在変動表示中の演出図柄について、例えば左演出図柄が停止した段階にまで進行している(「2」−「変動中」−「変動中」)。これと並行して、さらに特別図柄に対応する記憶数が1つ増加した場合を想定する(左始動入賞口28aでの入賞の発生)。
この場合、メモリ表示ランプ340のうち、左側から2番目のランプが点灯する演出が行われる。また、左から2番目の可動体41bも点灯する演出が行われる。
図65中(D):現在変動表示中の演出図柄について、例えば右演出図柄が停止した段階にまで進行している(「2」−「変動中」−「9」)。これと並行して、さらに特別図柄に対応する記憶数が1つ増加した場合を想定する(右始動入賞口26での入賞の発生)。
この場合、メモリ表示ランプ340のうち、左側から3番目のランプが点灯する演出が行われている。また、左から3番目の可動体41cも点灯する演出が行われる。
〔停止表示演出〕
図65中(E):それまで変動表示中であった演出図柄について、最後の中演出図柄の変動表示が停止することで、停止表示演出が実行されている(「2」−「3」−「9」)。このとき第1特別図柄表示装置34においては、非当選時の態様(中央のバー「−」)による停止表示が行われる。これと並行して、さらに特別図柄に対応する記憶数が1つ増加した場合を想定する(左始動入賞口28aでの入賞の発生)。
この場合、メモリ表示ランプ340のうち、左側から4番目のランプが点灯する演出が行われる。また、左から4番目の可動体41dも点灯する演出が行われる。
〔次変動の開始〕
図65中(F):この後、例えば第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、次の始動条件が満たされることで第1特別図柄の変動表示が開始される。またこれに伴い、画面内においては、演出図柄を用いた変動表示演出が開始される。このときは、最も古い記憶に対応する抽選要素が消費されて内部抽選が実行されることになる。図示の例では、左から4番目の可動体41d及び左から4番目のメモリ表示ランプ340が消灯している。
可動体及びメモリ表示ランプの消灯については、概念的には一番左側のランプが消灯し、その後に残りの3つの点灯表示が左側にスライドすることになるが、実際にはそれらが同時に行われ、結果的に左から4つ目の点灯表示が消灯している状態となる。
〔(7)作動記憶が最大個数記憶された際に実行される特殊演出による演出の例〕
図66及び図67は、合計記憶数が規定数(例えば8個)に到達したことを条件として実行される同時可動演出の演出例について示す連続図である。以下、演出の流れに沿って説明する。
図66中(A):例えば特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始されている。ここでは、合計記憶数が7個(規定数の手前)まで増加していた場合を想定する。この場合、左側の7つの可動体41a〜41gが点灯している。またメモリ表示ランプ340も、左側から7番目までが点灯している。
〔合計記憶数8個到達時演出〕
図66中(B):そして、合計記憶数が規定数(例えば8個)に到達すると、一番右側の可動体41hも含めて、全ての可動体41a〜41hが点灯状態となる。またメモリ表示ランプ340も、すべてのランプが点灯状態となる。
〔同時可動演出〕
図66中(C):全ての可動体41a〜41hが点灯状態となると、全ての可動体41a〜41hが倒れた状態から起立した状態に可動する同時可動演出が実行される。これにより、遊技者に対しては「記憶を最大限まで貯めた」という満足感や達成感を与えるとともに、可動体41a〜41hの動作によって新たな驚きを与えることができる。
図67中(D):この後、例えば特別図柄が停止表示されたことにより、液晶表示器42の表示画面内では演出図柄による停止表示演出が行われている。また引き続き、全ての可動体41a〜41hは、起立した状態を維持している。
〔次変動の開始〕
図67中(E):この後、特別図柄の停止表示時間が経過すると、次の始動条件が満たされることで次の特別図柄の変動表示が開始される。またこれに伴い、画面内においては、演出図柄を用いた変動表示演出が開始される。このときは、最も古い記憶に対応する抽選要素が消費されて内部抽選が実行されることになる。図示の例では、一番右側の可動体41h及び一番右側のメモリ表示ランプ340が消灯している。
このとき、一番右側の可動体41hに関しては、起立した状態から倒れた状態に戻されている。このような可動体の個別の動作を行うことにより、「最大限に貯まっている記憶が1つ消費された」ということを遊技者に対して印象深く教示することができる。
そして、この後は、記憶の消化に合わせて各可動体を右側から順番に起立した状態から倒れた状態に移行させる演出が実行される。このため、すべての記憶が消費されると、すべての可動体41a〜41hは、倒れた状態となる。なお、すべての記憶が消費される前に、再び合計記憶数が規定数(例えば8個)に到達すると、全ての可動体41a〜41hが点灯状態、かつ、起立した状態となる。
〔(8)可動装置を用いた特殊可動演出の例〕
図68〜図73は、特殊可動演出の演出例を部分的に示す連続図である。
ここで、「特殊可動演出」とは、全ての可動体41a〜41hを同時に起立させ、その後に全ての可動体41a〜41hを同時に倒れさせるといった動作を繰り返し行う演出である。特殊可動演出は、遊技中のどのような場面で実行してもよいが、本実施形態ではリーチ演出の実行中に大当り期待度を高めるチャンスアップ演出として実行している。
〔変動表示演出〕
図68中(A):特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。図示の例では、抽選要素が2つ記憶されており、最も古い記憶に対応する抽選要素が消費されて内部抽選が実行されている。このため、左から2番目の可動体41b及び左から2番目のメモリ表示ランプ340が消灯している。
〔段階進行予告演出(1段階目)〕
図68中(B):次に、変動表示演出の実行中において、女性キャラクターの絵柄画像(参照符号SU1)を用いた1段階目の段階進行予告演出(リーチ発生前予告演出)が行われる。この段階進行予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。この段階進行予告演出で用いられる絵柄画像は、液晶画面の隅位置に突然出現する態様により表示される。なお、ここでいう「段階進行予告演出」は、演出の進行具合に応じて、演出図柄が当選の態様で停止表示される可能性があることを示唆する内容の予告演出である。
〔段階進行予告演出(2段階目)〕
図68中(C):1段階目の段階進行予告演出に続けて、2段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、画面の右下位置から別の女性キャラクターSU2が追加で出現し、先に表示されていた女性キャラクターSU1とともに画面上に表示されている。
〔段階進行予告演出(3段階目)〕
図69中(D):2段階目の段階進行予告演出に続けて、3段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、画面の左上位置から3番目の女性キャラクターSU3が追加で出現し、先に表示されていた女性キャラクターSU1,SU2とともに画面上に表示されている。
〔段階進行予告演出(4段階目)〕
図69中(E):3段階目の段階進行予告演出に続けて、4段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、画面の右上位置から4番目の女性キャラクターSU4が追加で出現し、先に表示されていた女性キャラクターSU1〜SU3とともに画面上に表示されている。
〔段階進行予告演出(5段階目)〕
図69中(F):4段階目の段階進行予告演出に続けて、5段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、画面の中央位置に5番目の女性キャラクターSU5が大写しで登場し、先に表示されていた女性キャラクターSU1〜SU4とともに画面上に表示されている。また、この時点では、画面の中段位置に数字の「5」を表す左演出図柄が停止表示されている。
〔リーチ状態の発生〕
図70中(G):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が停止表示される。この時点では、画面の中段位置に数字の「5」を表す右演出図柄が停止表示されている。右演出図柄が停止表示されることにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「5」−「変動中」−「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図70中(H):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば猫のキャラクターを表す画像が群をなして画面上を右から左に通過していくリーチ発生後予告演出(群予告演出)が行われる。このようなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔ストーリーリーチ演出〕
図70中(I):リーチ後予告演出が実行された後もリーチ状態は継続しており、これ以降はストーリーリーチ演出に発展していく。図示の例では、特殊な女性キャラクターが車に乗って登場するストーリーリーチ発展演出が実行されている。なお、画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「5」−「変動中」−「5」)。
〔特殊可動演出の開始〕
またこのとき、すべての可動体41a〜41hが同時に起立する特殊可動演出が開始される。特殊可動演出は、ストーリーリーチ演出の大当り期待度を高める演出であり、遊技者の期待を向上させることができる。
図71中(J):例えば車が停止する演出が実行され、その車の中から女性キャラクターが登場し、「私が相手よ!!」という台詞を発する演出が実行される。このように、特殊な女性を出現させることにより、遊技者に対して大当りの期待度が高いということを示唆することができる。
また、先の特殊可動演出は継続して実行されている。具体的には、すべての可動体41a〜41hが同時に倒れる演出が実行されている。
図71中(K):例えば画面の左側に「提灯お化け」の画像が出現し、画面の右側に「女性キャラクター」の画像が出現し、画面の中央に「VS」の文字の画像が出現する演出が行われる。これにより、遊技者に対してこれからストーリーリーチ演出が始まるということを教示することができる。
また、先の特殊可動演出は継続して実行されている。具体的には、すべての可動体41a〜41hが同時に起立する演出が実行されている。
図71中(L):そして、この後はストーリーリーチ演出が具体的に進行する。例えば「提灯お化け」が口を大きくあけて「かみつき」の技を繰り出す演出が行われている。そして、女性キャラクターが驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
また、先の特殊可動演出は継続して実行されている。具体的には、すべての可動体41a〜41hが同時に倒れる演出が実行されている。
このように、特殊可動演出では、すべての可動体41a〜41hが「起立」→「倒れる」→「起立」→「倒れる」といった動作を繰り返し実行することになり、遊技者に対してさらなる驚きを与え、そこに新たな遊技性を発揮することができる。なお、特殊可動演出はここで終了である。
図72中(M):今度は「女性キャラクター」がうちわ(武器)を取り出し、そのうちわによって「提灯お化け」と戦う演出が行われている。
図72中(N):そして、「提灯お化け」が口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、「女性キャラクター」がその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で「提灯お化け」が勝利すればはずれとなり、「女性キャラクター」が勝利すれば当りとなる展開である。したがって、この局面はストーリーリーチ演出の最終段階であり、遊技としても最も盛り上がる部分である。
図72中(O):ストーリーリーチ演出の最終段階では、カットイン予告演出が実行される。図示の例では、画面上を斜めにカットされた領域の中に3人の女性キャラクターが表示され、すべての女性キャラクターが両手を合わせて祈りをささげている情景が表示されている。
図73中(P):「勝利!!」の文字とともに、「女性キャラクター」が大きく表示され、「提灯お化け」が小さく表示されると、当り(当選)であることを意味している。画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行されている(「5」−「5」−「5」)。ただし、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、特別図柄は変動中の状態である。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「提灯お化け」が大きく表示され、「女性キャラクター」が小さく表示され、画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行される(例えば「5」−「6」−「5」)。
図73中(Q):そして、「女性キャラクター」が一方の腕を上方に突き上げ、「一丁あがり!!」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して「提灯お化けに勝利した」という余韻を感じさせることができ、遊技者の満足感を向上させることができる。なお、この時点でも、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、特別図柄は変動中の状態である。
図73中(R):特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。
また、図示の例では、女性キャラクターが乗ってきた車に再度乗り込む演出が実行され、大当りを祝福するために「Congratulation」の文字情報が表示されている。そして、この後は大当り遊技状態に突入し、画面上では大役中演出が実行される。
〔(9)特殊ゾーン演出が実行される際の演出(特殊ゾーン突入時)の例〕
図74〜図82は、特殊ゾーン演出が実行される際における特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。
ここで、「特殊ゾーン演出」とは、作動記憶が新たに記憶された際に、変動演出時に実行される演出がスーパーリーチ演出であったり、大当り時の演出であったりする場合に、それらの演出が開始されるかもしれないといったことを煽る演出であり、所謂先読み演出である。したがって、作動記憶が複数存在している際に、この「特殊ゾーン演出」が実行されると、存在している中のいずれかの作動記憶に対応する変動においてスーパーリーチ演出や大当り時の演出が実行されるかもしれない(実行される場合もあり、実行されない場合もある)といったことを遊技者に教示することができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
〔左図柄停止〕
図74中(A):例えば、特別図柄の変動表示が開始されてからある程度時間が経過すると、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動する変動表示演出中に左演出図柄が停止する。図示の例では、画面の左位置に数字の「5」を表す左演出図柄が停止している。
また、このとき、全可動体41a〜41hは倒れた状態にあり、その内の可動体41a〜41fについて点灯状態にあり、それらに対応したメモリ表示ランプ340も点灯状態にある。したがって、特別図柄に関する作動記憶が合計6個記憶されているといったことを表している。
〔右図柄停止〕
図74中(B):その後、ある程度時間が経過すると、画面の右位置に数字の「6」を表す右演出図柄が停止する。
〔作動記憶数増加演出〕
また、このとき、抽選要素が新たに記憶されたことにより、作動記憶数が1つ増加した(例えば右始動入賞口26への入賞が発生した)ことで、メモリ表示ランプ340のうち、左から7番目のランプが点灯する演出が行われ、そのメモリ表示ランプ340に対応した可動体41gも点灯する演出が行われる。これにより、新たに作動記憶数が1つ増加したことを演出上で遊技者に教示することができる。
〔特殊ゾーン煽り出現演出〕
また、このとき、画面内に「ハートゾーン」に関連するハート形状を形作るための画像312と画像322が画面外からスライドしてくる演出が行われる。なお、ハート形状の画像312と画像322は、離れた状態で停止しており、完全なハート形状を形成していないことを表している。したがって、これから行われる7つの作動記憶に対応する変動のいずれかにおいて、先読み特殊ゾーンである「ハートゾーン」に突入するかもしれないといったことを遊技者に教示することができる。すなわち、これから行われる変動の中に、「ハートゾーン」の突入条件であるスーパーリーチ演出が行われる変動又は大当り時の変動が存在しているかもしれないといったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
図74中(C):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔次変動開始〕
図75中(D):特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で特別図柄の作動記憶(合計7個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して7番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41gが消灯する演出が行われる。
〔特殊ゾーン前兆演出〕
また、このとき、変動開始と同時に、画面内に表示されていたハート形状の画像312と画像322とがさらに近づく演出が行われる。これにより「ハートゾーン」への突入が近づいていることを遊技者に教示することができ、今後行われる変動に対する遊技の興趣を高めることができる。
〔セリフ予告演出〕
また、このとき、上記で説明したセリフ予告演出も同時に実行される。具体的には、ハート形状の画像322より手前に女性キャラクターが登場し、遊技者に演出切替ボタン45の押下を促す演出が実行される。したがって、背景画像も「公園ステージ」であり、通常の予告演出も実行されていることから、現在の状態が通常時の状態であるということが表されている。なお、このセリフ予告演出に限らずに、上記で説明したリーチ前予告演出やリーチ後予告演出も同様に実行される。
〔停止表示演出〕
図75中(E):その後、時間経過と共に左演出図柄、右演出図柄の変動表示が順にそれぞれ数字の「6」と「4」を表す演出図柄で停止して、その後特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔次変動開始〕
図75中(F):特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で特別図柄の作動記憶(合計6個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して6番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41fが消灯する演出が行われる。
〔特殊ゾーン前兆演出〕
また、このとき、変動開始と同時に、画面内に表示されていたハート形状の画像312と画像322とがさらに近づく演出が行われる。これにより「ハートゾーン」への突入が近づいていることを遊技者に教示することができ、今後行われる変動に対する遊技の興趣を高めることができる。
〔停止表示演出〕
図76中(G):その後、時間経過と共に左演出図柄、右演出図柄の変動表示が順にそれぞれ数字の「7」と「3」を表す演出図柄で停止して、その後特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔次変動開始〕
図76中(H):特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で特別図柄の作動記憶(合計5個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して5番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41eが消灯する演出が行われる。
〔特殊ゾーン突入演出〕
また、このとき、変動開始と同時に、画面内に表示されていたハート形状の画像312と画像322とが近づき結合する演出が行われる。
〔特殊ゾーン突入演出〕
図76中(I):画面内においてハート形状の画像312、322が結合されて1つのハート形の形状が形成されると、そのハート形状内に「ハートゾーン突入!!」といった文字情報が表示される。これにより、モードが通常モード(例えば、「野外ステージ」)から「ハートゾーン」に移行したことを遊技者に教示することができる。なお、背景画像は、「野外ステージ」を表す背景画像から「ハートゾーン」を表す背景画像(図示せず)に変更されることとなる。このように、ハート形状の画像312、322による結合演出をすることで、通常とは異なる特別なモードに移行したことを遊技者に教示することができる。
なお、このとき、演出図柄によるスクロール変動演出は縮小されて画面の中央下隅位置で実行される。これにより、現在演出図柄による変動表示演出が実行中であることを遊技者に教示することができる。
〔遊技説明演出〕
図77中(J):そして、液晶画面に女性キャラクターが出現すると伴に、「ボタンプッシュで(?)を選んでね!」といった文字情報が表示される。これにより、演出切替ボタン45を押下して小さなハートを模したものを選択するとチャンスを得られるかもしれないといった遊技の説明を行うことができる。
〔演出選択表示演出〕
図77中(K):遊技説明が終了すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「V」、「残念」、「残念」といった文字情報が表示されている。したがって、「残念」ではなく「V」が選択されれば「大当り」になるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下演出〕
図77中(L):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、次第に回転速度を増していき、最終的には各アイコンに表示されている文字情報が視認不可能になる程度にまで回転速度が上昇する。このとき、液晶画面の中央部分には、演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図78中(M):遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「残念」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ悲壮感漂う女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「8」−「4」−「5」)。これにより、今回の特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図78(N):特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で特別図柄の作動記憶(合計4個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の特別図柄の変動表示が開始される。次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して4番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41dが消灯する演出が行われる。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。これにより、「ハートゾーン」が継続して行われることを遊技者に教示することができる。
〔演出選択表示演出〕
図78中(O):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「残念」、「リーチ」、「SP」といった文字情報が表示されている。したがって、「残念」ではなく「リーチ」が選択されれば「リーチ」になるといったことを、「SP」が選択されれば通常のリーチ演出とは異なるスーパーリーチ演出(例えば、バトル演出(図71〜図63))が開始されるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図79中(P):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われた後に、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「残念」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「4」−「1」−「5」)。これにより、今回の特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図79中(Q):次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して3番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41cが消灯する演出が行われる。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。これにより、「ハートゾーン」が継続して行われることを遊技者に教示することができる。
〔特殊ゾーン専用予告演出〕
図79中(R):液晶表示器42の中央部分に、可動役物ユニットの本体ユニットと羽ユニットとが出没する予告演出が実行される(役物可動演出)。この際、合わせて背景画像として稲妻又は爆発が発生した様子を示す画像が表示される。この役物可動演出は、リーチ発生後予告演出の中でも大当り期待度が高い演出であり、遊技者の期待を大いに向上させることができる。
〔特殊ゾーン昇格演出〕
図80中(S):その後、画面内のハート形状内に「スーパーハートゾーン突入!!」といった文字情報が表示される。また、ハート形状の画像312、322の表示色が変化する演出(例えば、黄色から赤色に変化する演出)や、可動体41a、41bの表示色が変化する演出(例えば、黄色から赤色に変化する演出)が実行される。これにより、通常とは異なる特別なモードであって、さらに大当り期待度が高いモードに移行したことを遊技者に教示することができる。
〔特殊ゾーン専用予告演出〕
図80中(T):また、画面内のハート形状内に女性キャラクターが登場し、「チャンス!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、例えば、リーチ演出に発展するかもしれないといった期待を遊技者に与えることができる。
〔演出選択表示演出〕
図80中(U):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「次回」、「SP」、「SP」といった文字情報が表示されている。ここで、「次回」といったアイコンが選択された場合、次回変動に期待できるといったことを遊技者に教示することができる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図81中(V):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われた後に、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「次回」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択では「はずれ」であるが、次回変動に期待できるといったことを遊技者に教示することができる。
〔停止表示演出〕
また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で停止表示され(「9」−「3」−「2」)。これにより、今回の特別図柄の変動表示の結果は「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。これにより、遊技者に対して「特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図81中(W):次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して2番目のメモリ表示ランプ340とそれに対応した可動体41bが消灯する演出が行われる。
〔ハートゾーン継続演出〕
また、画面にはお願いをしているポーズの女性キャラクターが登場し、遊技者の選択が成功することを願っている様子が表示されている。また、画面の中央下隅位置には、3つの演出図柄が縮小された状態で変動表示が行われる。
〔演出選択表示演出〕
図81中(X):ハートゾーン演出が進行すると、ハート形状の領域Xでは、3つのアイコンSE1、SE2、SE3が表示される演出が行われる。図示の例では、小さなハートを模したアイコンSE1、SE2、SE3が3つ表示され、各アイコンの中には「SP」、「V」、「V」といった文字情報が表示されている。
〔ボタン押下演出〕
図82中(Y):そして、液晶画面のハート形状の領域Xに表示された3つのアイコンSE1、SE2、SE3が回転し始め、次第に回転速度を増していき、最終的には各アイコンに表示されている文字情報が視認不可能になる程度にまで回転速度が上昇する。このとき、液晶画面の中央部分には、演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。なお、遊技者が演出切替ボタン45を押下しなくても、「SP」もしくは「V」のいずれかのアイコンが選択されることとなる。
〔ボタン押下の結果演出〕
図82中(Z):遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、選択されたアイコンを持った女性キャラクターが登場する演出が行われる。図示の例では、「SP」といった文字情報が表示されたアイコンを持つ歓喜溢れる女性キャラクターが表示されている。したがって、今回の選択の結果「SP(スーパー)リーチ」に発展することが確定したことを遊技者に教示することができる。
〔特殊ゾーン専用予告演出〕
図82中(a):その後、スーパーリーチ演出が開始される前に、女性キャラクターが登場し、「大チャンス!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、スーパーリーチ演出において大当りになる確率が非常に高いことを遊技者に教示することができる。その後、例えば、バトル演出(図71〜図63)が実行される。なお、図示していないが、バトル演出が実行されると画面内に形成されていたハート形状を構成する画像312、322は消去され、そのバトル演出が終了するとモード(ステージ)は「ハートゾーン(スーパーハートゾーン)」から通常モード(大当り遊技が開始されるとその大当りに対応したモード)に変更されることとなる。したがって、次回の変動表示演出は通常モードでの変動表示演出になる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、先読み演出等の進行対応演出や、これに連動した付加演出、モード移行演出、同時可動演出、特殊可動演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図84は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、同時可動演出管理処理(ステップS400a)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド等がある。
ステップS400a:同時可動演出管理処理では、演出制御CPU126は記憶数が最大値に達した場合に実行される演出の実行を制御する(同時可動演出実行手段)。なお、同時可動演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は8個の可動体41a〜41hやメモリ表示ランプ340を用いた記憶数表示演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。他にも、先読み演出を実行するか否かを決定する際に用いられる先読み演出用乱数、特殊ゾーンに突入する際の煽り演出に関するシナリオを決定する際に用いられる特殊ゾーン突入煽り時演出用乱数、特殊ゾーン中の演出に関するシナリオを決定する際に用いられる特殊ゾーン中演出用乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体(可動体41a〜41h)の駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体は第1モータ310及び第2モータ320等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これら第1モータ310及び第2モータ320等の駆動源は、例えば図30中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される同時可動演出管理処理の内容について説明する。
〔同時可動演出管理処理〕
図85は、同時可動演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS800:先ず演出制御CPU126は、現在の合計記憶数が規定数に達したか否かを確認する。この確認は、例えば主制御CPU72から受信した第1特別図柄の作動記憶数増加時演出コマンドで示される値(第1特別図柄作動記憶数)及び第2特別図柄の作動記憶数増加時演出コマンドで示される値(第2特別図柄作動記憶数)に基づいて行うことができる。その結果、合計記憶数が規定値(例えば8個)に達している場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。
ステップS802:この場合、演出制御CPU126は同時可動演出用の演出パターンをセットする。具体的には、すべての可動体41a〜41hを同時に起立させる演出パターンを選択し、その次の変動以降で、一番右側の可動体41hから順に1つずつ可動体を倒していく演出パターンを選択する。
〔合計記憶数が規定数未到達時〕
一方、合計記憶数が未だ規定数(例えば8個)に達していなければ(ステップS800:No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図84)に復帰する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図86は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS704を実行する。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する(記憶数表示演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄又は第2特別図柄の記憶の表示態様に対応したメモリ表示ランプ340及び8個の可動体41a〜41hのいずれかを新たに点灯させる演出パターン(可動体ランプ330の点灯パターン及びメモリ表示ランプ340の点灯パターン)を選択する。
ここで、現在の作動記憶数の合計個数についての作動記憶合計個数フラグをセットしてもよい。例えば、現在の第1特別図柄に関する作動記憶数が2個、第2特別図柄に関する作動記憶数が3個の場合、作動記憶数の合計値である5個を表す値(05H)をフラグバッファ領域に作動記憶合計個数フラグ値として保存してもよい。また、作動記憶数増加時演出コマンドと同時にコマンドバッファ領域に保存されることとなる変動パターン先判定コマンドを、対応する変動が実行されるまでフラグバッファ領域に変動パターン先判定フラグとして保存してもよい。例えば、上記のように作動記憶合計個数が5個存在し、それぞれに対応した変動パターン番号が変動される順に(記憶された順に)、3,5,4,1,15といった値をフラグバッファ領域の変動パターン先判定フラグ値として保存してもよい。演出制御CPU126は次にステップS703を実行する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先判定演出選択処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS704を実行する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する(記憶数表示演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶の表示態様に対応したメモリ表示ランプ340及び点灯表示されている可動体41a〜41hのうち一番右側の可動体の点灯表示を消灯させる演出パターン(可動体ランプ330の消灯パターン及びメモリ表示ランプ340の消灯パターン)を選択する。また、演出制御CPU126は、同時可動演出を実行した後には、作動記憶が減少するたびに、8個の可動体41a〜41hを右側から順番に倒していく演出パターンを選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図84)に復帰する。
〔先判定演出選択処理〕
図87は、先判定演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS730:演出制御CPU126は、先読み演出抽選処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は先読み演出を実行するか否かの抽選を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS732を実行する。
ステップS732:演出制御CPU126は先読み演出を実行するか否かを確認する。具体的には、先の先読み演出抽選処理(ステップS730)の抽選結果が先読み演出を実行する結果に該当したか否かを確認する。この確認の結果、先読み演出を実行する結果に該当した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS734を実行する。一方、先読み演出を実行しない結果に該当した場合(No)、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図86)に復帰する。
ステップS734:演出制御CPU126は先読み演出シナリオ抽選処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は実行することとなった先読み演出のシナリオ(内容)を選択的に決定する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS736を実行する。
ステップS736:演出制御CPU126は先読み演出シナリオを設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、先の先読み演出シナリオ抽選処理(ステップS734)において決定した先読み演出のシナリオをシナリオデータとしてバッファ領域に保存する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図86)に復帰する。
〔先読み演出抽選処理〕
図88は、先読み演出抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS740:演出制御CPU126は、先読み演出シナリオが存在するか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、先読み演出のシナリオ(データ)が保存されているか否かを確認する。この確認の結果、先読み演出シナリオが存在する(シナリオデータが保存されている)場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS742を実行する。一方、先読み演出シナリオが存在しない(シナリオデータが保存されていない)場合(No)、演出制御CPU126は先判定演出選択処理(図87)に復帰する。
ステップS742:演出制御CPU126は、先読み演出抽選処理を実行する。具体的には、図示しない先読み演出選択テーブルを参照し、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した先読み演出用乱数に基づいて、先読み演出を実行するか否かを選択的に決定する。ここで、この先読み演出選択テーブルについては、作動記憶数の個数に対応して参照するテーブルを変更してもよい。例えば、作動記憶数の個数が1個の場合は、先読み演出の実行が選択される確率よりも先読み演出を実行しない確率の方を高く設定したテーブルを参照したり、作動記憶数の個数が7個の場合は、先読み演出の実行が選択される確率よりも先読み演出を実行しない確率の方を低く設定したテーブルを参照したり、作動記憶数の個数が8個の場合は、先読み演出の実行が選択される確率を非常に高く設定したテーブルを参照したりしてもよい。すなわち、作動記憶数の個数に基づいて先読み演出の実行が選択される確率が調整された先読み演出選択テーブルを参照してもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は先判定演出選択処理(図87)に復帰する。
〔先読み演出シナリオ抽選処理〕
図89は、先読み演出シナリオ抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS750:演出制御CPU126は、作動記憶数をチェックする。具体的には、演出制御CPU126は現在の第1特別図柄に関する作動記憶数と第2特別図柄に関する作動記憶数との合計個数をチェックする。例えば、先の作動記憶増加時演出選択処理(図86中ステップS702)において、セットした作動記憶合計個数フラグを参照してもよい。演出制御CPU126は次にステップS752を実行する。
ステップS752:演出制御CPU126は変動パターンをチェックする。具体的には、演出制御CPU126は現在保存されている作動記憶に対応した変動パターン先判定コマンドについて確認を行う。例えば、現在記憶されている全ての作動記憶(第1特別図柄に関する作動記憶と第2特別図柄に関する作動記憶)について、それぞれの作動記憶に対応して先判定された変動パターン番号をチェックする。例えば、先の作動記憶増加時演出選択処理(図86中ステップS702)において、セットした変動パターン先判定フラグを参照してもよい。演出制御CPU126は次にステップS754を実行する。
ステップS754:演出制御CPU126は特殊ゾーン演出が実行することが可能か否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、先の処理(ステップS750、ステップS752)でチェックした作動記憶の合計個数や、記憶されている作動記憶に対応する全ての変動パターン番号に基づいて、特殊な先読みゾーン演出を実行する条件が満たされているか否かを確認する。例えば、ハートゾーン演出を実行する条件として、記憶されている作動記憶内のいずれかの作動記憶に対応する変動パターン(変動パターン先判定コマンド)が特定種類の変動パターンである、といった条件が規定されている。具体的には、変動パターン(変動パターン先判定コマンド)がスーパーリーチ演出の実行に対応した変動パターン(変動パターン番号「7」又は「8」)、又は、大当りに対応した変動パターン(変動パターン番号「13」〜「20」のいずれか)に対応した作動記憶が含まれる場合、ハートゾーン演出を実行することが可能であるということが確認される。他にも、作動記憶の合計個数が8個であり、かつ、スーパーリーチ演出の実行に対応した変動パターン(変動パターン番号「7」又は「8」)、又は、大当りに対応した変動パターン(変動パターン番号「13」〜「20」のいずれか)に対応した作動記憶が含まれる場合、特殊な先読みゾーン演出を実行することが可能であるということが確認される。この確認の結果、特殊な先読みゾーン演出(例えば、ハートゾーン演出)を実行することが可能である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS756を実行する。一方、特殊な先読みゾーン演出(例えば、ハートゾーン演出)を実行することが可能ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS766を実行する。
ステップS756:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入演出シナリオ設定テーブルを参照する。例えば、図示しない特殊ゾーン突入演出シナリオ設定テーブルは、「ハートゾーン」に突入するまでに変動演出中にどのような演出を実行させるかといった内容(先読み演出のシナリオ)が、作動記憶の個数に対応して予め複数種類規定されたものである。具体的には、先読み演出シナリオ設定処理後に実行される特殊ゾーン煽り出現演出(例えば、図74中(B))、特殊ゾーン突入演出が実行されるまで変動演出中に実行される特殊ゾーン前兆演出(図74〜図76)、特殊ゾーン突入演出(例えば、図76(H)、(I))が実行される変動回数(何変動目に実行するか)についてのシナリオが作動記憶の合計個数に対応して予め規定されている。なお、特殊ゾーン突入演出が実行される予定の変動回数については無作為に抽選により決定されてもよい。
なお、特殊ゾーン突入演出については、短い時間(例えば、6秒間)や長い時間(例えば、13秒間)にわたって演出される複数種類の特殊ゾーン突入演出が規定されていてもよい。例えば、短い時間(例えば、6秒間)にわたる特殊ゾーン突入演出では、ハートの左片側を表す画像322とハートの右片側を表す画像312が離れた状態から近づき合体してハートを完成する演出を実行し、その後、「ハートゾーン突入!!」といった文字情報や、「ハートゾーン」演出中での説明情報を表示するといった演出が実行される。一方、短い時間(例えば、6秒間)にわたる特殊ゾーン突入演出では、「ハートゾーン突入!!」といった文字情報や、「ハートゾーン」演出中での説明情報を表示するといった演出は同様に実行されるが、ハートを完成させるまでの演出を画像322と画像321とが近接離間を繰り返す完成を煽る演出が実行される。演出制御CPU126は次にステップS758を実行する。
ステップS758:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入演出シナリオの抽選を実行する。具体的には、先の処理で参照した特殊ゾーン突入演出シナリオ設定テーブルと、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した特殊ゾーン突入煽り時演出用乱数とに基づいて、特殊ゾーンに突入するまでの各変動における演出のシナリオを選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS760を実行する。
ステップS760:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出シナリオ設定テーブルを参照する。例えば、図示しない特殊ゾーン中演出シナリオ設定テーブルは、作動記憶の合計個数に対応して、何変動目に特殊ゾーン昇格演出(例えば、図79、図80)を実行するか、何変動目にスーパーリーチに発展する特殊ゾーン演出(例えば、図82)を実行するかなどといった変動毎に実行する演出のシナリオが予め規定されている。さらに、変動中に実行される演出選択表示演出や、ボタン押下演出、ボタン押下の結果演出、停止表示演出、次変動開始時の演出など、「ハートゾーン」中に行われる演出の内容についてのシナリオも予め規定されている。
ステップS762:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出シナリオの抽選を実行する。具体的には、先の処理で参照した特殊ゾーン中演出シナリオ設定テーブルと、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した特殊ゾーン中演出用乱数とに基づいて、特殊ゾーン中の各変動における演出のシナリオを選択的に決定する。この処理を終えると、演出制御CPU126は先判定演出選択処理(図87)に復帰する。
ステップS766:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入ガセ演出シナリオ設定テーブルを参照する。例えば、図示しない特殊ゾーン突入ガセ演出シナリオ設定テーブルは、先読み演出シナリオ設定処理後に特殊ゾーン煽り出現演出(例えば、図74中(B))を実行することや、作動記憶の合計個数に対応して、何変動目に特殊ゾーン突入ガセ演出(例えば、図83)を実行するかなどといった変動毎に実行する演出のシナリオが予め規定されている。なお、特殊ゾーン突入ガセ演出についても、短い時間(例えば、6秒間)や長い時間(例えば、13秒間)にわたって演出される複数種類の特殊ゾーン突入ガセ演出が規定されていてもよい。
ここで、特殊ゾーン突入ガセ演出と、特殊ゾーン突入演出とをまとめて特殊ゾーン突入煽り演出と呼称することとする。すなわち、特殊ゾーン突入煽り演出が実行された場合、成功時には特殊ゾーンに突入することを表し、失敗時には特殊ゾーンには突入せずガセであったことを表している。演出制御CPU126は次にステップS758を実行する。
ステップS768:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入ガセ演出シナリオの抽選を実行する。具体的には、先の処理で参照した特殊ゾーン突入ガセ演出シナリオ設定テーブルと、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した特殊ゾーン突入煽り時演出用乱数とに基づいて、特殊ゾーンガセ演出が実行される変動が終了するまでの各変動における演出のシナリオを選択的に決定する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は先判定演出選択処理(図87)に復帰する。なお、先判定演出選択処理に復帰後、演出制御CPU126は、上記のステップS758及びステップS762、又は、ステップS768において選択的に決定したシナリオをRAM130のバッファ領域に保存する(ステップS736)。
〔演出図柄管理処理〕
図90は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図39中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
また、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に作動記憶が新たに記憶され(増加し)、特殊ゾーンに関する先読み演出が実行されることとなった場合、特殊ゾーン突入煽り演出が実行される前に実行される特殊ゾーン煽り出現演出を実行するか否かを設定する特殊ゾーン煽り出現時処理が実行される。この特殊ゾーン煽り出現時処理の具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。なお、この特殊ゾーン煽り出現時処理は、演出図柄の停止表示演出の実行中にも行われ、可変入賞装置が作動する大役中演出の実行中にも行われる。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行する。
また、この処理において、特殊なゾーンでの演出が終了した際に、次のモードを決定する処理(特殊ゾーン終了時処理)が実行される。例えば、「ハートゾーン」での演出が終了した場合、次の変動開始時に通常モードの「野外ステージ」や「海岸ステージ」などに移行する設定が実行される。なお、この特殊ゾーン終了時処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
また、4ラウンド確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、4ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
あるいは、「2ラウンド確変大当り」に該当していた場合(時間短縮状態での2ラウンド確変当選を除く)、演出制御CPU126はモード移行演出(特に図示していない)を実行させる制御を行うこととしてもよい。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126はモード移行演出(特に図示していない)と同様の演出を実行させる制御を行うこととしてもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
図91は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図84中のステップS404)、ランプ駆動処理(図84中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
また、演出パターン番号の選択の他に、予告演出に関する予告演出パターン番号の選択も実行する。例えば、今回の変動表示演出中に実行する予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。また、上記の特殊可動演出も予告演出の一種であり、例えばスーパーリーチ演出が実行される場合であって、特定の演出実行条件が満たされた場合に、演出制御CPU126は予告演出パターンとして選択する(特殊可動演出実行手段)。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、「16ラウンド大当り」や「4ラウンド大当り」、「2ラウンド大当り」に該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示中に行われる演出図柄に関する演出、リーチ演出、予告演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示中に行われる演出図柄に関する演出、リーチ演出、予告演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理の実行を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図90中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図92は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、変動演出パターンの抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。演出制御CPU126は次にステップS621を実行する。
ステップS621:演出制御CPU126は、特殊ゾーン演出中か否かを確認する。例えば、現在の演出中のモードが「野外モード」、「海岸モード」、「花火モード」、「祭りモード」といったモードではなく、特殊な先読みモードである「ハートゾーン」であるか否かを確認する。この確認の結果、特殊ゾーン演出中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS622を実行する。一方、特殊ゾーン演出中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS623を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は特殊ゾーン中に実行する演出、例えば、上記で説明した「ハートゾーン」中の演出(図77〜図82)の設定を行う。なお、この処理は、後述するステップS628の処理後に実行してもよい。例えば、特殊ゾーンに突入した後の演出の設定を行ってもよい。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS632を実行する。
ステップS623:演出制御CPU126は、予告演出パターンの抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は図示しない予告演出パターン選択テーブルを参照し、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した予告演出用の乱数に基づいて予告演出パターン番号を選択的に決定する。決定された予告演出パターン番号については、RAM130のバッファ領域に一時保存され、予告演出パターンの設定時に消費されることとなる。ここで、変動中に予告演出が実行されない予告演出パターン番号については00Hとして規定してもよい。なお、予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて変更され、すなわち、それらの結果や内部状態に基づいて参照する予告演出パターン選択テーブルが変更される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである(例えば、図57、図75)。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。また、上記の特殊可動演出も予告演出の一種であり、例えばスーパーリーチ演出が実行される場合であって、特定の演出実行条件が満たされた場合に、演出制御CPU126は予告演出パターンとして選択する(特殊可動演出実行手段)。演出制御CPU126は次にステップS625を実行する。
ステップS625:演出制御CPU126は、先読み演出シナリオが存在するか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、先読み演出のシナリオが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、先読み演出シナリオが存在する(保存されている)場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS627を実行する。一方、先読み演出シナリオが存在しない(保存されていない)場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS630を実行する。
ステップS627:演出制御CPU126は、はずれ時特殊ゾーン突入前演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、当該変動がはずれ時の変動の際に、特殊ゾーン(「ハートゾーン」)に突入する前に実行される演出についての内容(スケジュール)を設定する。なお、この処理において、「ハートゾーン」へ突入する演出の内容(スケジュール)が設定された場合、演出制御CPU126は先の予告演出パターン抽選処理(ステップS623)において決定した予告演出パターン番号を消去、具体的には、RAM130のバッファ領域に一時保存された予告演出パターン番号をリセットして予告演出を実行しない予告演出パターン番号(00H)に設定して再保存する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS628を実行する。
ステップS628:演出制御CPU126は、予告演出パターンが消去済みであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、先のはずれ時特殊ゾーン突入前演出設定処理(ステップS627)において、予告演出パターン番号が消去されたか否か、すなわち、予告演出を実行しない予告演出パターン番号(00H)に再設定したか否かを確認する。したがって、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている予告演出パターン番号が00Hであるか否かを確認することを表している。この確認の結果、予告演出パターンが消去済みである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS632を実行する。一方、予告演出パターンが消去済みではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS630を実行する。
ステップS630:演出制御CPU126は、予告演出パターンの設定を実行する。具体的には、先の予告演出パターン抽選処理(ステップS623)において決定した予告演出パターン番号に基づいて、図示しない予行演出テーブルを参照し、予告演出の内容(スケジュール)を設定する。演出制御CPU126は次にステップS632を実行する。
ステップS632:演出制御CPU126は、変動演出パターンの設定を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS620)で決定したはずれ時の演出パターン番号に基づいて、図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図91)に復帰する。
〔はずれ時特殊ゾーン突入前演出設定処理〕
図93は、はずれ時特殊ゾーン突入前演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS635:演出制御CPU126は、当該変動が特殊ゾーン煽り出現演出を実行する変動に設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオの内容を確認し、シナリオで当該変動が特殊ゾーン煽り出現演出を実行する変動に対応付けられているか否かを確認する。この確認の結果、当該変動が特殊ゾーン煽り出現演出を実行する変動に設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS636を実行する。一方、当該変動が特殊ゾーン煽り出現演出を実行する変動に設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS638を実行する。
ステップS636:演出制御CPU126は、特殊ゾーン煽り出現演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン煽り出現演出の内容(スケジュール)を設定する。この処理を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
ステップS638:演出制御CPU126は、当該変動が特殊ゾーン前兆演出を実行する変動に設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオの内容を確認し、シナリオで当該変動が特殊ゾーン前兆演出を実行する変動に対応付けられているか否かを確認する。この確認の結果、当該変動が特殊ゾーン前兆演出を実行する変動に設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS639を実行する。一方、当該変動が特殊ゾーン前兆演出を実行する変動に設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS638を実行する。
ステップS639:演出制御CPU126は、特殊ゾーン前兆演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン前兆演出の内容(スケジュール)を設定する。この処理を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
ステップS640:演出制御CPU126は、当該変動が特殊ゾーン突入煽り演出を実行する変動に設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオの内容を確認し、シナリオで当該変動が特殊ゾーン突入煽り演出を実行する変動に対応付けられているか否かを確認する。この確認の結果、当該変動が特殊ゾーン突入煽り演出を実行する変動に設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS642を実行する。一方、当該変動が特殊ゾーン突入煽り演出を実行する変動に設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS644を実行する。
ステップS642:演出制御CPU126は、当該変動で特殊ゾーン突入煽り演出を実行できるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先読み演出のシナリオで設定された特殊ゾーン突入煽り演出が当該変動の変動時間内に実行可能であるか否かを、変動パターン(変動時間)に基づいて確認する。例えば、先読み演出のシナリオで設定された特殊ゾーン突入煽り演出(特殊ゾーン突入演出又は特殊ゾーン突入ガセ演出)の演出時間と、変動パターンの変動時間とを比較し、演出時間が変動時間以内に収まっている場合、当該変動で特殊ゾーン突入煽り演出を実行できると確認し、演出時間が変動時間以内に収まっていない場合、当該変動で特殊ゾーン突入煽り演出を実行できないと確認することができる。この確認の結果、当該変動で特殊ゾーン突入煽り演出を実行できる場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS645を実行する。一方、当該変動で特殊ゾーン突入煽り演出を実行できない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS644を実行する。
ステップS644:演出制御CPU126は、先読み演出のシナリオで設定されている次変動の内容を特殊ゾーン突入煽り演出に変更する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオに設定されている次変動の演出内容を、特殊ゾーン突入煽り演出に変更して再度保存する。
ここで、当該変動がシナリオで設定されている最終変動であった場合、すなわち、当該変動で特殊ゾーン突入ガセ演出を実行するといった演出内容であったにもかかわらずその特殊ゾーン突入ガセ演出ができない場合、当該変動でハート形状の画像312や画像322を消去するといった演出を実行してもよい。なお、シナリオにおいて何も設定されていなかった次変動について特殊ゾーン突入ガセ演出を実行する変動に設定してもよい。
他にも、次変動の演出内容を変更する際に、次変動が特殊ゾーン昇格演出を実行するといった演出内容に対応していた場合は、その特殊ゾーン昇格演出を特殊ゾーン突入演出に変更してもよいし、特殊ゾーン突入演出の後に特殊ゾーン昇格演出を実行するといった演出内容に変更してもよい。
以上のようにシナリオ内の次変動の演出内容を変更する処理を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
ステップS645:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入煽り演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン突入演出又は特殊ゾーン突入ガセ演出の内容(スケジュール)を設定する。演出制御CPU126は次にステップS646を実行する。
ステップS646:演出制御CPU126は、選択された予告演出パターンを消去する。具体的には、上記で説明したように、演出制御CPU126は先の予告演出パターン抽選処理(ステップS623)において決定された予告演出パターン番号をリセットして予告演出を実行しない予告演出パターン番号(00H)に設定し直し、RAM130のバッファ領域に再度保存する。したがって、「ハートゾーン」に突入する演出が実行される場合においては、上記で説明した予告演出(例えば、図57、図58中のセリフ予告演出、図59中のリーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出、図68、図69中の段階進行予告演出等)は実行されないことを表している。演出制御CPU126は次にステップS648を実行する。
ステップS648:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン中に行われる演出の内容(スケジュール)を設定する。例えば、「ハートゾーン」中に行われるハート形状の領域内に表示する小さなハートを模したアイコンを複数出現させたり、その複数のアイコンを回転させたり、演出切替ボタン45画像を出現させたり、女性キャラクターが1つのアイコンを選択したり、といった演出の内容(スケジュール)を設定する。なお、これらの演出内容はこの処理において図示しない演出テーブルから選択的に決定したものを設定してもよいし、先読みのシナリオを決定する際に詳細な演出内容(スケジュール)も決定されている場合は、それに基づいて設定してもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
〔特殊ゾーン中演出設定処理〕
図94は、特殊ゾーン中演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、当該変動が特殊ゾーン昇格演出を実行する変動に設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオの内容を確認し、シナリオで当該変動が特殊ゾーン昇格演出を実行する変動に対応付けられているか否かを確認する。この確認の結果、当該変動が特殊ゾーン昇格演出を実行する変動に設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS651を実行する。一方、当該変動が特殊ゾーン昇格演出を実行する変動に設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS652を実行する。
ステップS651:演出制御CPU126は、特殊ゾーン昇格演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン昇格演出の内容(スケジュール)を設定する。この処理を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
ステップS652:演出制御CPU126は、特殊ゾーン専用の予告演出パターンの抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は図示しない特殊ゾーン専用の予告演出パターン選択テーブルを参照し、先の演出乱数更新処理(ステップS410)で更新した予告演出用の乱数(特殊ゾーン専用の乱数でもよい)に基づいて特殊ゾーン専用の予告演出パターン番号を選択的に決定する。なお、特殊ゾーン専用の予告演出の内容は、通常の予告演出の内容と同様に、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて変更され、すなわち、それらの結果や内部状態に基づいて参照する予告演出パターン選択テーブルが変更される。上記のように特殊ゾーン専用の予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである(例えば、図80中(T)、図82中(a))。したがって、非当選時には特殊ゾーン専用の予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、特殊ゾーン専用の予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。演出制御CPU126は次にステップS653を実行する。
ステップS653:演出制御CPU126は、特殊ゾーン専用の予告演出パターンの設定を実行する。具体的には、先の特殊ゾーン専用予告演出パターン抽選処理(ステップS652)において決定した特殊ゾーン専用の予告演出パターン番号に基づいて、図示しない特殊ゾーン専用の予行演出テーブルを参照し、特殊ゾーン専用の予告演出の内容(スケジュール)を設定する。演出制御CPU126は次にステップS655を実行する。
ステップS655:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン中に行われる演出の内容(スケジュール)を設定する。設定する内容は上記のステップS648と同様に、例えば、「ハートゾーン」中に行われるハート形状の領域内に表示する小さなハートを模したアイコンを複数出現させたり、その複数のアイコンを回転させたり、演出切替ボタン45画像を出現させたり、女性キャラクターが1つのアイコンを選択したり、といった演出の内容(スケジュール)を設定する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126ははずれ時変動演出パターン選択処理(図92)に復帰する。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図95は、大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。なお、上記はずれ時変動演出パターン選択処理内の処理と処理内容が同じ処理については説明を省略して説明する。
ステップS660:演出制御CPU126は、演出制御CPU126は、変動演出パターンの抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、大当り時の演出パターン番号を決定する。演出制御CPU126は次にステップS661を実行する。
ステップS661:演出制御CPU126は、特殊ゾーン演出中か否かを確認する。この確認の結果、特殊ゾーン演出中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS662を実行する。一方、特殊ゾーン演出中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS663を実行する。
ステップS662:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は特殊ゾーン中に実行する演出、例えば、上記で説明した「ハートゾーン」中の演出(図77〜図82)の設定を行う。なお、この処理は、後述するステップS628の処理後に実行してもよい。例えば、特殊ゾーンに突入した後の演出の設定を行ってもよい。具体的な処理の内容については、図94を参照しながら上記で説明したため省略する。演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。
ステップS663:演出制御CPU126は、演出制御CPU126は、予告演出パターンの抽選を実行する。具体的な処理の内容については、上記ステップ623と同様であるため説明は省略する。演出制御CPU126は次にステップS665を実行する。
ステップS665:演出制御CPU126は、先読み演出シナリオが存在するか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、先読み演出のシナリオが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、先読み演出シナリオが存在する(保存されている)場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS667を実行する。一方、先読み演出シナリオが存在しない(保存されていない)場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS670を実行する。
ステップS667:演出制御CPU126は、大当り時特殊ゾーン突入前演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、当該変動が大当り時の変動の際に、特殊ゾーン(「ハートゾーン」)に突入する前に実行される演出についての内容(スケジュール)を設定する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。
ここで、はずれ時変動演出パターン選択処理においては、この処理に対応するはずれ時特殊ゾーン突入前演出設定処理(図92中ステップS627)の後に予告演出パターンが消去されたか否かを確認する処理(図92中ステップS628)が存在していたが、この大当り時変動演出パターン選択処理においては、予告演出パターンが消去されたか否かを確認する処理は存在しない。これは、特殊ゾーンに突入する演出の実行条件がスーパーリーチ演出の実行又は大当り時であることとなっていることにより、当該変動において必ず特殊ゾーン(「ハートゾーン」)に突入するため、予告演出パターンは必ず消去されているからである。したがって、大当り時特殊ゾーン突入前演出設定処理(ステップS667)の後に予告演出パターン設定処理(S670)を実行せずに、次に変動演出パターン設定処理(ステップS672)を実行する。
ステップS670:演出制御CPU126は、予告演出パターンの設定を実行する。具体的には、先の予告演出パターン抽選処理(ステップS663)において決定した予告演出パターン番号に基づいて、図示しない予行演出テーブルを参照し、予告演出の内容(スケジュール)を設定する。演出制御CPU126は次にステップS672を実行する。
ステップS672;演出制御CPU126は、変動演出パターンの設定を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の変動演出パターン抽選処理(ステップS660)で決定した大当り時の演出パターン番号に基づいて、図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間、リーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「7」−「7」等)を決定する。ここで決定される停止表示の態様(演出図柄の種類)は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)とすることができる。なお、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図91)に復帰する。
〔大当り時特殊ゾーン突入前演出設定処理〕
図96は、大当り時特殊ゾーン突入前演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS675:演出制御CPU126は、特殊ゾーン突入煽り演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン突入演出の内容(スケジュール)を設定する。なお、当該変動開始までに、特殊ゾーン煽り出現演出を実行していない場合、特殊ゾーン煽り出現演出の内容(スケジュール)についても設定してもよい。演出制御CPU126は次にステップS677を実行する。
ステップS677:演出制御CPU126は、選択された予告演出パターンを消去する。具体的には、上記で説明したように、演出制御CPU126は先の予告演出パターン抽選処理(ステップS663)において決定された予告演出パターン番号をリセットして予告演出を実行しない予告演出パターン番号(00H)に設定し直し、RAM130のバッファ領域に再度保存する。演出制御CPU126は次にステップS679を実行する。
ステップS679:演出制御CPU126は、特殊ゾーン中演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動時に実行する特殊ゾーン中に行われる演出の内容(スケジュール)を設定する。例えば、「ハートゾーン」中に行われるハート形状の領域内に表示する小さなハートを模したアイコンを複数出現させたり、その複数のアイコンを回転させたり、演出切替ボタン45画像を出現させたり、女性キャラクターが1つのアイコンを選択したり、といった演出の内容(スケジュール)を設定する。なお、これらの演出内容はこの処理において図示しない演出テーブルから選択的に決定したものを設定してもよいし、先読みのシナリオを決定する際に詳細な演出内容(スケジュール)も決定されている場合は、それに基づいて設定してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時変動演出パターン選択処理(図95)に復帰する。
〔特殊ゾーン煽り出現時処理〕
図97は、特殊ゾーン煽り出現時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS680:演出制御CPU126は、現在実行されている演出中に新たに特殊ゾーン煽り出現演出を実行できるか否かを確認する。具体的には、特殊ゾーン煽り出現演出におけるハート形状の画像312と画像322とを出現させる演出を実行してもよいか否かを確認する。例えば、長時間にわたる予告演出やリーチ演出等の実行中に、ハート形状の画像312と画像322とを出現させる演出を実行してしまうと、「ハートゾーン」とは関係のない演出と関係のある演出とが同時に実行されてしまうため、遊技者を戸惑わせることとなる。したがって、「ハートゾーン」に関係のない演出が実行されているか否かを確認することで、新たに特殊ゾーン煽り出現演出を実行できるか否かが確認することができる。この確認の結果、この確認の結果、特殊ゾーン煽り出現演出を実行できる場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS682を実行する。一方、当該変動で特殊ゾーン煽り出現演出を実行できない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS683を実行する。
ステップS682:演出制御CPU126は、特殊ゾーン煽り出現演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は特殊ゾーン煽り出現演出の内容(スケジュール)を設定する。
ステップS683:演出制御CPU126は、先読み演出のシナリオで設定されている次変動の内容に特殊ゾーン煽り出現演出を追加する変更を行う。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオに設定されている次変動の演出内容に、特殊ゾーン煽り出現演出を追加変更して再度保存する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は演出図柄変動中処理(図90中ステップS504)に復帰する。
〔特殊ゾーン終了時処理〕
図98は、特殊ゾーン終了時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS690:演出制御CPU126は、先読み演出シナリオが存在するか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、先読み演出のシナリオが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、先読み演出シナリオが存在する(保存されている)場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS692を実行する。一方、先読み演出シナリオが存在しない(保存されていない)場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図90中ステップS506)に復帰する。
ステップS692:演出制御CPU126は、当該変動が特殊ゾーン終了時の変動に設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出のシナリオの内容を確認し、シナリオで当該変動が特殊ゾーン終了時の変動に対応付けられているか否かを確認する。例えば、当該変動でスーパーリーチ演出、大当り時の変動演出、又は、特殊ゾーン突入ガセ演出が実行された場合が特殊ゾーン終了時の変動に対応付けられている。この確認の結果、当該変動が特殊ゾーン終了時の変動に設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS692を実行する。一方、当該変動が特殊ゾーン終了時の変動に設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図90中ステップS506)に復帰する。
ステップS693:演出制御CPU126は、特殊ゾーン終了時の演出の実行を設定する。具体的には、演出制御CPU126は特殊ゾーン終了時の演出の内容(スケジュール)を設定する。例えば、図示していないが、当該変動で最後の「ハートゾーン」での演出がはずれ時の演出であった場合、ハート形状の画像312及び画像322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成される演出のままであるため、その画像312及び画像322を液晶画面外にスライドさせる演出が設定され実行される。なお、大当り時において、画像312及び画像322が結合されたままである場合は、同様に液晶画面外にスライドさせる演出が設定され実行される。演出制御CPU126は次にステップS694を実行する。
ステップS694:演出制御CPU126は、先読み演出シナリオを消去する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、保存されている先読み演出シナリオを消去する(シナリオデータを消去する)。これにより、後に先読み演出のシナリオが存在するか否かの確認において、存在しないといったことが確認されることとなる。演出制御CPU126は次にステップS696を実行する。
ステップS696:演出制御CPU126は、当該変動終了後は大当り遊技が開始されるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている変動パターンコマンドを参照し、大当り時の変動コマンドに対応するか否かを確認する。この確認の結果、当該変動終了後は大当り遊技が開始される場合(Yes)、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図59)に復帰する。一方、当該変動終了後は大当り遊技が開始されない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS697を実行する。
ステップS697:演出制御CPU126は、モード抽選を実行する。具体的には、図示しないモード抽選テーブルを参照し、先の演出乱数更新処理(図46中ステップS410)でシフトした所定の乱数に基づいて、次の変動から開始するモードを選択的に決定する。例えば、「野外モード」や「海岸モード」といったモードを選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS699を実行する。
なお、大当り時においては、当選図柄の種類に応じて大当り終了後に設定されるモードが決定されるため(例えば、「祭りモード」や「花火モード」)、この特殊ゾーン終了時処理においては決定されない。
ステップS699:演出制御CPU126は、モードを変更する設定を実行する。具体的には、次の変動開始時に背景画像を、先のモード抽選(ステップS697)において決定されたモードに基づいた背景画像に変更する設定が実行される。
なお、これらの特殊ゾーン終了時処理は、演出図柄変動前処理の予告選択処理において実行されてもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(図59)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態では、「ハートゾーン演出」といった先読み演出の実行を決定した際に、作動記憶に対応した変動時間について確認する処理を行わず、記憶されている作動記憶数に基づいてシナリオ(「ハートゾーン突入演出」の実行予定)を作成している。したがって、先読み演出に関するシナリオの作成において自由度を持たせることができる。また、作成したシナリオで「ハートゾーン突入演出」の実行予定の変動に到達した際に、「ハートゾーン突入演出」を実行することが不可能であった場合、次回の変動を「ハートゾーン突入演出」の実行予定とするシナリオに変更しているため、柔軟な対応が可能な処理で遊技を制御することができる。
また、「ハートゾーン演出」が実行されていない場合、変動開始時に予告演出抽選を実行しており、その変動時の変動時間に基づき「ハートゾーン突入演出」が実行可能であると確認された場合、予告演出抽選で選択された予告演出の実行予定をキャンセルし、「ハートゾーン突入演出」が実行可能ではないと確認された場合、選択されていた予告演出は予定通り実行されることとなる。したがって、「ハートゾーン突入演出」が実行されている際に、「チャンス!」や「リーチ!」といった予告演出が実行されることがないため、遊技者に違和感を与えることなく、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
また、予告演出を選択する処理(予告演出の抽選処理)は、変動表示演出の実行に際して常に行われる処理であり、「ハートゾーン突入演出」が実行される際にも行われる。これは、稀に行われる、「ハートゾーン突入演出」のために予告演出の抽選処理を実行してもよいか否かといった判定処理を常に実行しないからであり、遊技機の処理にかかる負荷や制御処理プログラムの増加を軽減する目的から行われている。
また、以上説明したように、本実施形態では、カム部512等の起伏量に応じてスライダ610等が移動し、スライダ610等の移動に伴って可動体41a等が可動することになる。このため、駆動源となるモータからの動力は、カム部からスライダに伝わり、それが直接的に演出用可動体に伝達されることになる。したがって、本実施形態によれば、カム部512等の起伏差によって直接的に可動体41a等を可動させる駆動機構となるため、カム部512等の起伏差を増幅させる機構は必要なく、シンプルな構造で可動体41a等を可動させることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
一実施形態では、球振り分け装置200を転動ステージ40eと別体にして配置した例を挙げているが、例えば転動ステージ40e(いわゆるステージ役物)に球振り分け装置200が一体に組み込まれていてもよい。この場合、例えば転動ステージ40eの中央奧位置に流入口202を形成し、転動ステージ40eを転動する遊技球が無作為に流入口202に入り込むと、転動ステージ40eと一体の球振り分け装置200の内部で一実施形態と同様の振り分け動作が行われ、第1放出口204又は第2放出口203から遊技領域8a内に放出されることとしてもよい。そして放出された遊技球は、無作為に右始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞することができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な設定値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。