JP2013231709A - 方向検出装置 - Google Patents

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剛志 梶本
Hiroshi Kawada
裕志 河田
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Abstract

【課題】被検知体の温度に関わらず、被検知体の移動方向を精度よく検出することができる方向検出装置を提供する。
【解決手段】逆極性に直列接続した受光素子1a,1bを有し、受光素子1a,1bの直列回路の両極から検知信号S1を出力する第1の赤外線検出部1と、受光素子2aを1つ有し、この受光素子2aが検知信号S2を出力する第2の赤外線検出部2と、検知信号S1の変動方向と検知信号S2の変動方向とに基づいて、被検知体Kの移動方向を検出する信号処理部3とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検知体の移動方向を検出する方向検出装置に関するものである。
従来、焦電型の受光素子を複数用いて、人体等の被検知体の移動方向を検出する方向検出装置がある。この方向検出装置は、並設された複数の受光素子が出力する各検知信号のピーク到達時間や、閾値到達時間などを検出し、各検知信号の位相差に基づいて、被検知体の移動方向を検出している(例えば、特許文献1参照)。
特開昭64−78186号公報
しかしながら、従来、焦電型の受光素子を用いた方向検出装置は、周囲温度に比べて被検知体の温度が高い場合と、周囲温度に比べて被検知体の温度が低い場合とでは、受光素子が出力する検知信号の変動方向が逆になる。したがって、従来の方向検出装置では、被検知体の温度によって、被検知体の移動方向を逆に検出する虞があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検知体の温度に関わらず、被検知体の移動方向を精度よく検出することができる方向検出装置を提供することにある。
本発明の方向検出装置は、被検知体から受光した赤外線に応じた信号を、極性を有する一対の電極から出力する焦電型の受光素子を用いた方向検出装置であって、第1,第2の前記受光素子を少なくとも1組有し、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた第1の検知信号を出力する第1の赤外線検出部と、第3の前記受光素子からの第2の検知信号を出力する第2の赤外線検出部と、前記第1の検知信号の変動方向と前記第2の検知信号の変動方向とに基づいて、前記被検知体の移動方向を検出する信号処理部とを備えることを特徴とする。
この発明において、前記第1の赤外線検出部は、逆極性に直列接続または逆極性に並列接続した前記第1,第2の受光素子を少なくとも1組有し、前記第1,第2の受光素子の直列回路または前記第1,第2の受光素子の並列回路の両端から前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた前記第1の検知信号を出力し、前記第2の赤外線検出部は、前記第3の受光素子を1つ有し、この第3の受光素子が前記第2の検知信号を出力することが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子の組を2組備え、一方の組の前記第1,第2の受光素子の並設方向と、他方の組の前記第1,第2の受光素子の並設方向とは、互いに直交することが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子の組において、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは、前記第3の受光素子を挟んで配置されることが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子の各々は、ベース基板に形成したダイアフラムの外周縁に沿って配置されることが好ましい。
この発明において、前記第3の受光素子は、ベース基板に形成したダイアフラムの略中心に配置されることが好ましい。
この発明において、前記第1〜第3の受光素子は、ベース基板に形成した四角状のダイアフラムに設けられ、前記第1,第2の受光素子の各組において、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは、前記ダイアフラムの互いに対向する辺の各中心を通る中心軸に対して対称に配置されることが好ましい。
この発明において、前記第1の赤外線検出部は、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子および前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を加算する加算器を有し、該加算器から前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた前記第1の検知信号を出力し、前記第2の赤外線検出部は、前記第3の受光素子を前記第2の受光素子と兼用させ、前記第2の受光素子が前記第2の検知信号を出力することが好ましい。
この発明において、前記第1の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1,第2の受光素子それぞれを合わせた出力を2回積分した結果を前記第1の検知信号として出力し、前記第2の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第2の受光素子の出力を1回積分した結果を前記第2の検知信号として出力し、前記信号処理部は、前記第1の検知信号の変動方向および前記第2の検知信号の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、前記被検知体の移動方向を検出することが好ましい。
この発明において、前記第1の赤外線検出部は、前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力とを合わせた前記第1の検知信号を出力し、前記第2の赤外線検出部は、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子および前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを加算する加算器を有し、前記第3の受光素子を前記第1の受光素子と前記第2の受光素子と兼用させ、前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを合わせた前記第2の検知信号を出力することが好ましい。
この発明において、前記第1の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力とを合わせた信号を2回積分した結果を前記第1の検知信号として出力し、前記第2の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを合わせた信号を1回積分した結果を前記第2の検知信号として出力し、前記信号処理部は、前記第1の検知信号の変動方向および前記第2の検知信号の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、前記被検知体の移動方向を検出することが好ましい。
この発明において、前記第1の受光素子と前記積分器との間に設けており前記第1の受光素子の出力のオフセット成分を除去して前記加算器に出力する第1のオフセット成分除去部と、前記第2の受光素子と前記積分器との間に設けており前記第2の受光素子の出力のオフセット成分を除去して前記加算器に出力する第2のオフセット成分除去部とを備えたことが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子それぞれは、前記第1,第2の受光素子の出力を出力電圧として検知する検出器を各別に備えており、前記積分器は、前記検出器と兼用することが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向に前記第2の受光素子と並設する第4の前記受光素子を有し、該第4の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第2,第4の受光素子ぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号を出力する第3の赤外線検出部を備え、前記信号処理部は、前記第1の検知信号が所定の第1閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向であると検出し、前記第3の検知信号が所定の第2閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第2,第4の受光素子の並設方向と直交する直交方向であると検出することが好ましい。
この発明において、前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向に前記第2の受光素子と並設する第4の前記受光素子を有し、該第4の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第2,第4の受光素子ぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号を出力する第3の赤外線検出部を備え、前記信号処理部は、少なくとも前記第1,第2,第4の受光素子それぞれに出力が生じており、前記第1の検知信号が所定の第3閾値よりも小さく且つ、前記第3の検知信号が所定の第4閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第1,第2,第4の受光素子が配置された平面と垂直な方向に沿った方向であると検出することが好ましい。
以上説明したように、本発明では、被検知体の温度に関わらず、被検知体の移動方向を精度よく検出することができるという効果がある。
実施形態1の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 同上の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 同上の第1の赤外線検出部の構成を示す回路図である。 同上の第2の赤外線検出部の構成を示す回路図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 同上の第1の赤外線検出部の構造を示す概略図である。 同上の第2の赤外線検出部の構造を示す概略図である。 同上の別の第1の赤外線検出部の構成を示す回路図である。 同上の別の第1の赤外線検出部の構造を示す概略図である。 実施形態2の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 同上の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 同上の第1の赤外線検出部の構成を示す回路図である。 (a)〜(c)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)〜(c)同上の検知信号を示す波形図である。 実施形態3の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 (a)(b)同上の受光素子間のギャップと検知信号の波形との関係を示す説明図である。 (a)(b)同上の受光素子間のギャップと検知信号の波形との関係を示す説明図である。 実施形態4の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 実施形態5の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 同上の別の赤外線検出部の構成を示す平面図である。 実施形態6の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 実施形態7の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 (a)〜(e)同上の検知信号を示す波形図である。 同上の検知信号を用いた符号情報と被検知体の移動方向と関係を示す説明図である。 同上の別の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 実施形態8の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 (a)〜(e)同上の検知信号を示す波形図である。 (a)〜(d)同上の検知信号と比較のための比較信号を示す波形図である。 実施形態9の方向検出装置の構成を示すブロック図である。 (a)(b)同上の検知信号を示す波形図である。 実施形態11の方向検出装置の要部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1に示す本実施形態の方向検出装置は、第1の赤外線検出部1と、第2の赤外線検出部2と、信号処理部3とを備える。
本実施形態の方向検出装置は、図1に示すように、被検知体Kから受光した赤外線に応じた信号を、極性を有する一対の電極から出力する焦電型の受光素子1a,1b,2aを用いている。方向検出装置は、第1,第2の受光素子1a,1bを少なくとも1組有し、第1の受光素子1aと第2の受光素子1bとは逆極性であり、第1,第2の受光素子1a,1bそれぞれの出力を合わせた第1の検知信号S1を出力する第1の赤外線検出部1を備えている。方向検出装置は、第3の受光素子2aからの第2の検知信号S2を出力する第2の赤外線検出部2を備えている。方向検出装置は、第1の検知信号S1の変動方向と第2の検知信号S2の変動方向とに基づいて、被検知体Kの移動方向を検出する信号処理部3を備えている。
これにより、本実施形態の方向検出装置は、被検知体Kの温度に関わらず、被検知体Kの移動方向を精度よく検出することができる。
第1の赤外線検出部1および第2の赤外線検出部2は、図2に示すように、ベース基板4の一面に設けられる。ベース基板4は、単結晶のシリコン基板を用いているが、これに限らず、例えば、多結晶のシリコン基板、SOI(Silicon on Insulator)基板、酸化マグネシウム基板、ガラス基板などを用いることもできる。そして、ベース基板4の一面は、正方形状に部分的に薄くしたダイアフラム41が形成されている。また、ダイアフラム41の外周には、ベース基板4とダイアフラム41との間を熱的に絶縁するために、ベース基板4を厚み方向に掘り込んだ掘込部(図示なし)を設けてもよい。
第1の赤外線検出部1は、焦電型の受光素子1a,1bを一組備える。2つの受光素子1a,1bは、ダイアフラム41上に並んで形成される。以降、受光素子1a,1bの並設方向を左右方向と称し、ダイアフラム41上において左右方向に直交する方向を上下方向と称す。なお、受光素子1aは、本発明の第1の受光素子に相当し、受光素子1bは、本発明の第2の受光素子に相当する。
受光素子1a,1bの各々は、図3に示すように、正極(+)および負極(−)の電極を有し、受光素子1a,1bは、互いに逆極性となるように直列接続される。具体的に、受光素子1a,1bの各正極(+)同士は、配線パターンP1を介して互いに接続している。さらに、ベース基板4の左右両側縁には、出力端子To1、GND端子Tg1が各々設けられている。そして、受光素子1aの負極(−)は、配線パターンP2を介して出力端子To1に接続する。さらに、受光素子1bの負極(−)は、配線パターンP3を介してGND端子Tg1に接続する。
第2の赤外線検出部2は、1つの焦電型の受光素子2aを備える。受光素子2aは、受光素子1a,1bの下方に形成され、受光素子1a,1bの左右方向のギャップの略中央に対向して配置される。なお、受光素子2aは、本発明の第3の受光素子に相当する。
受光素子2aは、図4に示すように、正極(+)および負極(−)を有する。さらに、ベース基板4の左右両側縁には、出力端子To2およびGND端子Tg2が、出力端子To1およびGND端子Tg1の各下方に設けられている。そして、受光素子2aの正極(+)は、配線パターンP4を介して出力端子To2に接続する。さらに、受光素子2aの負極(−)は、配線パターンP5を介してGND端子Tg2に接続する。
受光素子1a,1b,2aは、それぞれの検知エリアを移動する被検知体Kが放射する赤外線を受光する。赤外線を受光した受光素子1a,1b,2aは、焦電効果によって、正極−負極間に電圧を発生する。なお、被検知体Kは、人体(身体、手、指等)や物体等の熱源である。
第1の赤外線検出部1は、出力端子To1−GND端子Tg1間に検知信号S1(第1の検知信号)を発生する。この検知信号S1は、受光素子1aの出力電圧V1a(正極からみた負極の電位)と受光素子1bの出力電圧V1b(負極からみた正極の電位)との和になる(図3参照)。第2の赤外線検出部2は、出力端子To2−GND端子Tg2間に検知信号S2(第2の検知信号)を発生する。この検知信号S2は、受光素子2aの出力電圧V2a(負極からみた正極の電位)になる(図4参照)。検知信号S1,S2は、信号処理部3に入力される。さらに、GND端子Tg1,Tg2の両方が接続する共通電位G0も、信号処理部3に入力される。
信号処理部3は、増幅部31と、A/Dコンバータ(ADC)32と、演算部33とを備える。検知信号S1,S2は、増幅部31で増幅された後、A/Dコンバータ32でデジタル信号に変換される。演算部33は、A/Dコンバータ32が出力するデジタルの検知信号S1,S2に基づいて、被検知体Kの移動方向を検出する。
そして、方向検出装置が、信号処理部3による検出結果を図示しないコンピュータ等の外部機器に出力することによって、被検知体Kの移動方向を用いた外部機器の操作を実現できる。つまり、ジェスチャー等の人体の動作や、物体の動きによって、外部機器を操作することが可能となる。
次に、この信号処理部3による移動方向検出処理について、説明する。なお、信号処理部3は、被検知体Kの移動方向を検出するための信号処理において、共通電位G0を正のオフセット電圧Voだけオフセットしており、以降の説明に用いる信号波形は、共通電位G0をオフセットさせた状態の波形を示す。
以降、温度が周囲温度より高い被検知体Kを被検知体KHとし、温度が周囲温度より低い被検知体Kを被検知体KLとする。
まず、温度が周囲温度より高い被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図5(a)のように変動する。なお、電圧波形がオフセット電圧Voより増大した後にオフセット電圧Voにまで減少する変動を正変動と称す。また、電圧波形がオフセット電圧Voより減少した後にオフセット電圧Voにまで増大する変動を負変動と称す。
被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは、正変動した後に負変動する。そして、出力電圧V1bが正変動した後に、右側の受光素子1aの出力電圧V1aは負変動し(図5(a)では、出力電圧V1bが負変動したタイミングで負変動している)、その後、出力電圧V1aは正変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、正変動した後に大きく負変動し、その後、正変動する。
また、被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、図5(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、正変動した後に負変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、正変動した後に負変動する。
信号処理部3の演算部33は、増幅部31およびA/Dコンバータ32を通過した検知信号S1,S2(図5(a)(b))の最初の変動方向を検出し、最初の変動が正変動、負変動のいずれであるかを判定する。この演算部33による検知信号S1,S2の変動方向検出は、検知信号S1,S2のピーク値検出、または検知信号S1,S2と閾値との比較によって行われる。なお、このピーク値検出、閾値比較の各処理は従来周知であり、詳細な説明は省略する。
まず、演算部33は、検知信号S1の最初の変動は正変動であると判定する。また、演算部33は、検知信号S2の最初の変動は正変動であると判定する。
そして、演算部33は、検知信号S1の最初の変動方向を「正」、検知信号S2の最初の変動方向を「正」と判定し、検知信号S1の最初の変動方向「正」と検知信号S2の最初の変動方向「正」との積(出力積)を演算する。この場合の出力積は、「正」×「正」=「正」となる。演算部33は、出力積=「正」の場合、被検知体K(この場合は、被検知体KH)が左から右に移動したと判定する。
また、被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図6(a)のように変動する。
被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、右側の受光素子1aの出力電圧V1aは、負変動した後に正変動する。そして、出力電圧V1aが負変動した後に、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは正変動し(図6(a)では、出力電圧V1aが正変動したタイミングで正変動している)、その後、出力電圧V1bは負変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、負変動した後に大きく正変動し、その後、負変動する。
また、被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、図6(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、正変動した後に負変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、正変動した後に負変動する。
信号処理部3の演算部33は、増幅部31およびA/Dコンバータ32を通過した検知信号S1,S2(図6(a)(b))の最初の変動方向を検出する。まず、演算部33は、検知信号S1の最初の変動は負変動であると判定する。また、演算部33は、検知信号S2の最初の変動は正変動であると判定する。
そして、演算部33は、検知信号S1の最初の変動方向を「負」、検知信号S2の最初の変動方向を「正」と判定し、検知信号S1の最初の変動方向「負」と検知信号S2の最初の変動方向「正」との積(出力積)を演算する。この場合の出力積は、「負」×「正」=「負」となる。演算部33は、出力積=「負」の場合、被検知体K(この場合は、被検知体KH)が、右から左に移動したと判定する。
一方、温度が周囲温度より低い被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図7(a)のように変動する。
被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは、負変動した後に正変動する。そして、出力電圧V1bが負変動した後に、右側の受光素子1aの出力電圧V1aは正変動し(図7(a)では、出力電圧V1bが正変動したタイミングで正変動している)、その後、出力電圧V1aは負変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、負変動した後に大きく正変動し、その後、負変動する。
また、被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、図7(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、負変動した後に正変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、負変動した後に正変動する。
信号処理部3の演算部33は、増幅部31およびA/Dコンバータ32を通過した検知信号S1,S2(図7(a)(b))の最初の変動方向を検出する。まず、演算部33は、検知信号S1の最初の変動は負変動であると判定する。また、演算部33は、検知信号S2の最初の変動は負変動であると判定する。
そして、演算部33は、検知信号S1の最初の変動方向を「負」、検知信号S2の最初の変動方向を「負」と判定し、検知信号S1の最初の変動方向「負」と検知信号S2の最初の変動方向「負」との積(出力積)を演算する。この場合の出力積は、「負」×「負」=「正」となる。演算部33は、出力積=「正」の場合、被検知体K(この場合は、被検知体KL)が左から右に移動したと判定する。
また、被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図8(a)のように変動する。
被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、右側の受光素子1aの出力電圧V1aは、正変動した後に負変動する。そして、出力電圧V1aが正変動した後に、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは負変動し(図8(a)では、出力電圧V1aが負変動したタイミングで負変動している)、その後、出力電圧V1bは正変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、正変動した後に大きく負変動し、その後、正変動する。
また、被検知体KLが、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動した場合、図8(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、負変動した後に正変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、負変動した後に正変動する。
信号処理部3の演算部33は、増幅部31およびA/Dコンバータ32を通過した検知信号S1,S2(図8(a)(b))の最初の変動方向を検出する。まず、演算部33は、検知信号S1の最初の変動は正変動であると判定する。また、演算部33は、検知信号S2の最初の変動は負変動であると判定する。
そして、演算部33は、検知信号S1の最初の変動方向を「正」、検知信号S2の最初の変動方向を「負」と判定し、検知信号S1の最初の変動方向「正」と検知信号S2の最初の変動方向「負」との積(出力積)を演算する。この場合の出力積は、「正」×「負」=「負」となる。演算部33は、出力積=「負」の場合、被検知体K(この場合は、被検知体KL)が、右から左に移動したと判定する。
このように、演算部33は、温度が周囲温度より高い被検知体K(被検知体KH)、温度が周囲温度より低い被検知体K(被検知体KL)のいずれであっても、検知信号S1,S2に基づいて、被検知体Kの左右の移動方向を検出できる。
上述のように、本方向検出装置は、左右方向に並設した2つの受光素子1a,1bによって、被検知体Kの左右方向の移動であるか否かを検出している。さらに、本方向検出装置は、1つの受光素子2aによって、温度が周囲温度より高い被検知体KHと温度が周囲温度より低い被検知体KLとを区別している。そして、演算部33は、受光素子1a,1bによる検知信号S1と、受光素子2aによる検知信号S2とを組み合わせて、被検知体KH,KLの左右方向における移動方向を検出している。すなわち、本方向検出装置は、被検知体Kの温度に関わらず、被検知体Kの移動方向を精度よく検出することができる。
また、温度が周囲温度より高い被検知体KHが、上下方向(上→下または下→上)に移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図9(a)のように変動する。図9(a)において、右側の受光素子1aの出力電圧V1a、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、略0になる。
また、被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を上下方向に移動した場合、図9(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、正変動した後に負変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、正変動した後に負変動する。
信号処理部3の演算部33は、増幅部31およびA/Dコンバータ32を通過した検知信号S1,S2(図9(a)(b))の最初の変動方向を検出する。まず、演算部33は、検知信号S1が略0であり、ピーク値が存在しないので、検知信号S1は変動無しと判定する。また、演算部33は、検知信号S2の最初の変動は正変動であると判定する。
そして、演算部33は、検知信号S1の最初の変動方向を「0」、検知信号S2の最初の変動方向を「正」と判定し、検知信号S1の最初の変動方向「0」と検知信号S2の最初の変動方向「正」との積(出力積)を演算する。この場合の出力積は、「0」×「正」=「0」となる。演算部33は、出力積=「0」の場合、検知無しと判定する。
また、温度が周囲温度より低い被検知体KLが上下方向(上→下または下→上)に移動した場合、受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは、図10(a)のように変動する。図10(a)において、右側の受光素子1aの出力電圧V1a、左側の受光素子1bの出力電圧V1bは互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1(=V1a+V1b)は、略0になる。
また、方向検出装置の検知領域を被検知体KLが上下方向に移動した場合、図10(b)に示すように、受光素子2aの出力電圧V2aは、負変動した後に正変動する。したがって、第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S2(=V2a)も、負変動した後に正変動する。
而して演算部33は、検知信号S1が略0であり、ピーク値が存在しないので、検知信号S1は変動無しと判定する。したがって、被検知体KHが上下方向に移動する場合と同様に、出力積は「0」となり、演算部33は、検知無しと判定する。
このように、本方向検出装置は、左右方向に並設した受光素子1a,1bを用いることによって、左右方向に移動する被検知体Kを検出するが、上下方向に移動する被検知体Kは検出しない。したがって、特定の方向(この場合は左右方向)に移動する被検知体Kのみを検出できる。また、一対の受光素子1a,1bを逆極性に直列接続することによって、同相ノイズをキャンセルしており、検知信号S1の耐ノイズ性が向上している。
また、受光素子1a,1bを上下方向に並設すれば、上下方向に移動する被検知体Kのみを検出することができる。上下方向に移動する被検知体Kを検出するために演算部33が行う処理は、左右方向に移動する被検知体Kを検出する上述の処理と略同様であり(被検知体Kの移動方向のみが略90度異なる)、詳細な説明は省略する。
また、演算部33は、検知信号S1またはS2の各ピークが発生する時間差に基づいて、被検知体Kの移動速度を検出することもできる。この場合、演算部33は、受光素子1a,1bの間隔データを予め保持している。
次に、第1の赤外線検出部1の概略構造を図11に示し、第2の赤外線検出部2の概略構造を図12に示す。
第1の赤外線検出部1の受光素子1a,1b、第2の赤外線検出部2の受光素子2aは、所謂、MEMS赤外線センサで構成されている。
MEMS赤外線センサは、下部電極101、上部電極102、焦電膜103を備える。下部電極101は、ダイアフラム41上に形成され、下部電極101におけるダイアフラム41側とは反対側に焦電膜103が形成される。そして、焦電膜103における下部電極101とは反対側に上部電極102が形成される。
MEMS赤外線センサは、焦電膜103の焦電材料として、鉛系の酸化物強誘電体の一種であるPZTを採用している。しかし、鉛系の酸化物強誘電体は、PZTに限らず、例えば、PZT−PLT、PLTやPZT−PMNなどやその他の不純物を添加したPZT系強誘電体などを採用してもよい。
また、MEMS赤外線センサは、下部電極101の材料として、Ptを採用し、上部電極102の材料として、NiCrなどの導電性を有する赤外線吸収材料を採用しているが、これらの材料は特に限定するものではない。下部電極101の材料としては、例えば、Au、Al、Cuなどを採用してもよい。また、上部電極102の材料としては、Ni、金黒などの導電性を有する赤外線吸収材料を採用してもよい。MEMS赤外線センサは、上部電極102の材料として、導電性を有する赤外線吸収材料を採用した場合、上部電極102が赤外線吸収膜を兼ねることとなる。
そして受光素子1a,1bは、図11に示すように、ダイアフラム41上において、互いに逆極性となるように直列接続されている。受光素子1a,1bの上部電極102同士は、配線パターンP1を介して互いに接続される。受光素子1aの下部電極101は、配線パターンP2を介して出力端子To1に接続し、受光素子1bの下部電極101は、配線パターンP3を介してGND端子Tg1に接続する。
さらに、図12に示すように、受光素子2aの上部電極102は、配線パターンP4を介して出力端子To2に接続し、受光素子2aの下部電極101は、配線パターンP5を介してGND端子Tg2に接続する。
また、第1の赤外線検出部1として、図13に示すように、受光素子1a,1bを互いに逆極性となるように並列接続してもよい。この場合、受光素子1aの負極(−)と受光素子1bの正極(+)とが出力端子To1に接続し、受光素子1aの正極(+)と受光素子1bの負極(−)とがGND端子Tg1に接続する。
具体的には、図14に示すように、受光素子1aの下部電極101と受光素子1bの上部電極102とが配線パターンP6を介して互いに接続し、受光素子1aの下部電極101が配線パターンP7を介して出力端子To1に接続している。また、受光素子1aの上部電極102と受光素子1bの下部電極101とが配線パターンP8を介して互いに接続し、受光素子1bの下部電極101が配線パターンP9を介してGND端子Tg1に接続している。
一対の受光素子1a,1bを逆極性に並列接続することによっても、同相ノイズをキャンセルでき、検知信号S1の耐ノイズ性が向上する。
(実施形態2)
本実施形態の方向検出装置は、図15に示す回路構成を備え、図16に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の第1の赤外線検出部1は、受光素子1a,1bの組に加えて、受光素子1c,1dの組をダイアフラム41上に設ける。2つの受光素子1c,1dは、ダイアフラム41上において上下方向に並んで形成され、受光素子1a,1bの並設方向(左右方向)と、受光素子1c,1dの並設方向(上下方向)とは、互いに直交する。この受光素子1a,1bの組と受光素子1c,1dの組とは、左右方向に並んで配置され、受光素子2aは、受光素子1a,1bの組と受光素子1c,1dの組との左右方向のギャップに対向して、このギャップの下方に配置される。なお、受光素子1cは、本発明の第1の受光素子に相当し、受光素子1dは、本発明の第2の受光素子に相当する。
受光素子1c,1dの各々は、図17に示すように、正極(+)および負極(−)を有し、受光素子1c,1dは、互いに逆極性となるように直列接続される。具体的に、受光素子1c,1dの各正極(+)同士は、配線パターンP11を介して互いに接続している。さらに、ベース基板4の右側縁には、出力端子To11、GND端子Tg11が各々設けられている。そして、受光素子1cの負極(−)は、配線パターンP12を介して出力端子To11に接続する。さらに、受光素子1dの負極(−)は、配線パターンP13を介してGND端子Tg11に接続する。
そして、出力端子To11−GND端子Tg11間に検知信号S11(第1の検知信号)を発生する。この検知信号S11は、受光素子1cの出力電圧V1c(正極からみた負極の電位)と受光素子1dの出力電圧V1d(負極からみた正極の電位)との和になる(図17参照)。検知信号S11は、信号処理部3に入力される。さらに、GND端子Tg11は共通電位G0に接続し、信号処理部3に入力される。
また、本実施形態において、受光素子1a,1bが接続する出力端子To1、GND端子Tg1は、ベース基板4の上側縁に設けられている。
そして、本方向検出装置は、左右方向に並設した2つの受光素子1a,1bによって、被検知体Kの左右方向の移動を検出している。また、上下方向に並設した2つの受光素子1c,1dによって、被検知体Kの上下方向の移動を検出している。さらに、本方向検出装置は、1つの受光素子2aによって、温度が周囲温度より高い被検知体KHと温度が周囲温度より低い被検知体KLとを区別している。
そして、演算部33は、受光素子1a,1bによる検知信号S1と、受光素子1c,1dによる検知信号S11と、受光素子2aによる検知信号S2とを組み合わせて、被検知体KH,KLの左右方向および上下方向における移動方向を検出している。すなわち、本方向検出装置は、被検知体Kの温度に関わらず、被検知体Kの左右および上下の移動方向を、精度よく検出することができる。
例えば、被検知体Kの移動方向が左右方向である場合、演算部33は、実施形態1と同様に、検知信号S1,S2(図18(a)(b)参照)を用いて、被検知体Kの左右の移動方向を検出することができる。また、被検知体Kの移動方向が左右方向である場合、上下方向に並設した受光素子1cの出力電圧V1c、受光素子1dの出力電圧V1dは互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S11(=V1c+V1d)は、略0になる((図18(c)参照)。而して演算部33は、検知信号S11が略0であり、ピーク値が存在しないので、検知信号S11は変動無しと判定する。したがって、検知信号S11と検知信号S2との出力積は「0」となり、演算部33は、被検知体Kの上下の移動方向は検知無しと判定する。なお、図18(a)〜(c)は、温度が周囲温度より高い被検知体KHが左から右へ移動した場合について、各波形を例示している。また、演算部33は、被検知体KHが右から左へ移動した場合や、温度が周囲温度より低い被検知体KLが左右方向に移動した場合も同様に、左右の移動方向のみを検出し、上下の移動方向は検知無しと判定する。
また、被検知体Kの移動方向が上下方向である場合、演算部33は、検知信号S11,S2(図19(a)(b)参照)を用いて、被検知体Kの上下の移動方向を検出することができる。また、被検知体Kの移動方向が上下方向である場合、左右方向に並設した受光素子1aの出力電圧V1a、受光素子1bの出力電圧V1bは互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S1(=V1a+V1b)は、略0になる(図19(c)参照)。而して演算部33は、検知信号S1が略0であり、ピーク値が存在しないので、検知信号S1は変動無しと判定する。したがって、検知信号S1と検知信号S2との出力積は「0」となり、演算部33は、被検知体Kの左右の移動方向は検知無しと判定する。なお、図19(a)〜(c)は、温度が周囲温度より高い被検知体KHが下から上へ移動した場合について、各波形を例示している。また、演算部33は、被検知体KHが上から下へ移動した場合や、温度が周囲温度より低い被検知体KLが上下方向に移動した場合も同様に、上下の移動方向のみを検出し、左右の移動方向は検知無しと判定する。
このように、1つの方向検出装置を用いて、被検知体Kの左右の移動方向、被検知体Kの上下の移動方向の両方を検出することができる。
なお、上下方向に移動する被検知体Kを検出するために演算部33が行う処理は、左右方向に移動する被検知体Kを検出する上述の処理と略同様であり(被検知体Kの移動方向のみが略90度異なる)、説明は省略する。
(実施形態3)
本実施形態の方向検出装置は、図20に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。なお、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の第1の赤外線検出部1は、受光素子1a〜1dの各々を、受光素子1aが右辺、受光素子1bが左辺、受光素子1cが上辺、受光素子1dが下辺を構成する正方形状に配置する。受光素子2aは、受光素子1a〜1dが形成する正方形の略中心に配置される。ここで、受光素子1a,1bの並設方向(左右方向)と、受光素子1c,1dの並設方向(上下方向)とは、互いに直交する。さらに、受光素子1a,1bは受光素子2aを挟んで配置され、受光素子1c,1dも受光素子2aを挟んで配置されている。
この図20に示す第1の赤外線検出部1は、受光素子1a−1b間のギャップ、受光素子1c−1d間のギャップの各々を大きくすることができる。したがって、受光素子1aの出力電圧V1aと受光素子1bの出力電圧V1bとの位相差、受光素子1cの出力電圧V1cと受光素子1dの出力電圧V1dとの位相差を各々大きくすることができ、検知信号S1,S11の各振幅を大きくすることができる。
演算部33による検知信号S1,S11を用いた変動方向検出は、検知信号S1,S11のピーク値検出、または検知信号S1,S11と閾値との比較によって行われる。したがって、演算部33は、検知信号S1,S11の振幅が大きい方が、検知信号S1,S11の正変動/負変動の判定処理の精度を向上させることができ、被検知体Kの移動方向の検出精度も向上する。
また、受光素子1a−1b間のギャップが大きくなることによって、受光素子1a−1b間において、一方の熱エネルギーが他方に影響を及ぼす熱クロストークの発生を抑制することができる。同様に、受光素子1c−1d間のギャップが大きくなることによって、受光素子1c−1d間において、一方の熱エネルギーが他方に影響を及ぼす熱クロストークの発生を抑制することができる。
例えば、図21(a)は、受光素子1a−1b間にギャップD1を設定し、図22(a)は、受光素子1a−1b間にギャップD2を設定しており、ギャップD1<ギャップD2とする。図21(b)は、ギャップD1に設定された受光素子1a,1bの各出力電圧V1a,V1bを示し、図22(b)は、ギャップD2に設定された受光素子1a,1bの各出力電圧V1a,V1bを示す。
この場合、図21(b)において、ギャップD1に設定された受光素子1a,1bの各出力電圧V1a,V1bは、互いの位相差Φ1が小さいので、互いの出力を打ち消し合う。したがって、出力電圧V1a,V1bの和である検知信号S1の振幅は小さくなる。
一方、図22(b)において、ギャップD2に設定された受光素子1a,1bの各出力電圧V1a,V1bは、互いの位相差Φ2が大きいので、互いの出力を強め合う。したがって、出力電圧V1a,V1bの和である検知信号S1の振幅は大きくなる。
したがって、ギャップD2に設定した受光素子1a,1bを用いる方が、ギャップD1に設定した受光素子1a,1bを用いる場合に比べて、検知信号S1の振幅が大きくなり、被検知体Kの移動方向の検出精度が向上する。また、受光素子1c−1d間のギャップと検知信号S11の振幅との関係も同様である。
なお、本実施形態において、受光素子1a,1bが接続する出力端子To1、GND端子Tg1は、ベース基板4の上側縁に設けられている。また、受光素子1c,1dが接続する出力端子To11、GND端子Tg11は、ベース基板4の下側縁に設けられている。また、受光素子2aが接続する出力端子To2、GND端子Tg2は、ベース基板4の下側縁に設けられている。
(実施形態4)
本実施形態の方向検出装置は、図23に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。なお、実施形態3と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の第1の赤外線検出部1は、正方形状のダイアフラム41の各辺の縁近傍において、矩形状の受光素子1a〜1dの各々の長手方向を、正方形の各辺に沿って配置している。すなわち、受光素子1a〜1dの各々は、ダイアフラム41の外周縁に沿って配置されている。また、受光素子2aは、受光素子1a〜1dが形成する正方形の略中心に配置される。
ここで、受光素子1a,1bの並設方向(左右方向)と、受光素子1c,1dの並設方向(上下方向)とは、互いに直交する。さらに、受光素子1a,1bは受光素子2aを挟んで配置され、受光素子1c,1dも受光素子2aを挟んで配置されている。
具体的に、矩形状の受光素子1aは、ダイアフラム41の右辺の縁近傍において、右辺に沿って配置され、矩形状の受光素子1bは、ダイアフラム41の左辺の縁近傍において、左辺に沿って配置される。さらに、矩形状の受光素子1cは、ダイアフラム41の上辺の縁近傍において、上辺に沿って配置され、矩形状の受光素子1dは、ダイアフラム41の下辺の近傍において、下辺に沿って配置される。
すなわち、受光素子1a〜1dは、ダイアフラム41内において、できるだけ間隔を空けて配置される。したがって、ダイアフラム41内で、受光素子1a〜1d同士の干渉を避けながら、受光素子1a〜1dの各長辺の寸法をできるだけ長くすることができ、検知領域をできるだけ広くすることが可能になる。
また、受光素子2aは、正方形状のダイアフラム41の略中心(受光素子1a〜1dが形成する正方形の略中心)に配置されている。したがって、受光素子2aと受光素子1a〜1dの各々との間の熱コンダクタンスを均一化でき、受光素子1a〜1dの各感度を略同一にすることが可能になる。
また、正方形状のダイアフラム41の互いに対向する上辺と下辺の各中心を通る中心軸X1、正方形状のダイアフラム41の互いに対向する左辺と右辺の各中心を通る中心軸X2とする(図23参照)。受光素子1a,1bは、中心軸X1に対して線対称に配置され、受光素子1c,1dは、中心軸X2に対して線対称に配置されている。したがって、受光素子1a,1bの各々に入射する各赤外線量を均一化でき、受光素子1c,1dの各々に入射する各赤外線量も均一化できる。
なお、本実施形態において、受光素子1a,1bが接続する出力端子To1、GND端子Tg1は、ベース基板4の左側縁に設けられている。また、受光素子1c,1dが接続する出力端子To11、GND端子Tg11、受光素子2aが接続する出力端子To2、GND端子Tg2は、ベース基板4の下側縁に設けられている。
(実施形態5)
本実施形態の方向検出装置は、図24に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。そして、受光素子1a〜1dの各々を円弧状に形成しており、受光素子1a〜1dの各々は、受光素子2aを中心とする同心円C上に配置される。なお、実施形態4と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
受光素子1a〜1dの各々を円弧状に形成し、受光素子1a〜1dの各々を90度づつずらして同心円C上に配置している。したがって、赤外線が受光素子1a−受光素子2a−受光素子1bを通過する距離L1〜L3(実線部分)は、その入射角度に関わらず一定になる(L1≒L2≒L3)。赤外線が受光素子1c−受光素子2a−受光素子1dを通過する距離も、同様に、その入射角度に関わらず一定になる。
したがって、受光素子1a,1bが出力する出力電圧V1a,V1bの位相差は、左右方向を中心とする所定領域において、赤外線の入射角に関わらず、一定になる。また、受光素子1c,1dが出力する出力電圧V1c,V1dの位相差も、上下方向を中心とする所定領域において一定になる。
而して、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1は、左右方向を中心とする所定領域において、赤外線の入射角に関わらず、一定になる。また、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S11も、上下方向を中心とする所定領域において一定になる。
したがって、本方向検出装置は、被検知体Kが放射する赤外線の入射角に関わらず、被検知体Kの移動方向を精度よく検出することができる。
一方、図25に示す矩形状の受光素子1a〜1dを用いた場合、赤外線が受光素子1a−受光素子2a−受光素子1bを通過する距離L11〜L13(実線部分)は、その入射角度によって変化する(L11≠L12≠L13)。したがって、第1の赤外線検出部1が出力する検知信号S1,S11は、被検知体Kが放射する赤外線の入射角によって変化し、被検知体Kの移動方向の検出精度が悪化する虞がある。
(実施形態6)
図26に示す本実施形態の方向検出装置は、第1の赤外線検出部1と、第2の赤外線検出部2と、信号処理部3とを備える。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の方向検出装置は、図26に示すように、被検知体Kから受光した赤外線に応じた信号を、極性を有する一対の電極から出力する焦電型の受光素子1e,1fを用いている。方向検出装置は、第1,第2の受光素子1e,1fを少なくとも1組有し、第1の受光素子1eと第2の受光素子1fとは逆極性であり、第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれの出力を合わせた第1の検知信号S3を出力する第1の赤外線検出部1を備えている。方向検出装置は、第3の受光素子として第3の受光素子と兼用させた第2の受光素子1fからの第2の検知信号S4を出力する第2の赤外線検出部2を備えている。方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向と第2の検知信号S4の変動方向とに基づいて、被検知体Kの移動方向を検出する信号処理部3を備えている。
これにより、本実施形態の方向検出装置は、被検知体Kの温度に関わらず、被検知体Kの移動方向を精度よく検出することができる。
より具体的には、第1の赤外線検出部1は、第1の受光素子1e、第2の受光素子1fおよび第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれの出力を加算する加算器6を有している。第1の赤外線検出部1は、加算器6から第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれの出力とを合わせた第1の検知信号S3を出力する。第2の赤外線検出部2は、第3の受光素子を第2の受光素子1fと兼用させ、第2の受光素子1fが第2の検知信号S4を出力する。
以降、受光素子1e,1fの並設方向を左右方向と称し、左右方向に直交する方向を上下方向と称す。なお、受光素子1eは、本発明の第1の受光素子に相当し、受光素子1fは、本発明の第2の受光素子あるいは第3の受光素子に相当する。すなわち、受光素子1fは、本発明の第3の受光素子と第2の受光素子とを兼用させ、第2の受光素子を第3の受光素子としても機能させている。
受光素子1e,1fの各々は、図26に示すように、正極(+)および負極(−)の電極を有し、受光素子1e,1fは、互いに逆極性となるように一端が接続されている。
具体的には、受光素子1e,1fは、MEMS赤外線センサにおける赤外線検出部12に設けられている。赤外線検出部12は、受光素子1e,1fをギャップを介して左右方向に配置している。受光素子1eの正極(+)および受光素子1fの負極(−)は、それぞれ赤外線検出部12におけるGND端子Tg3と接続している。受光素子1eの負極(−)は、赤外線検出部12における出力端子To3と接続している。受光素子1fの正極(+)は、赤外線検出部12における出力端子To4と接続している。
第2の赤外線検出部2は、1つの焦電型の受光素子たる第3の受光素子を第2の受光素子1fと兼用している。
受光素子1e,1fは、それぞれの検知エリアを移動する被検知体Kが放射する赤外線を受光する。赤外線を受光した受光素子1e,1fは、焦電効果によって、正極−負極間に電圧を発生する。赤外線検出部12の受光素子1eは、出力端子To3−GND端子Tg3間に、信号を発生する。また、赤外線検出部12の受光素子1fは、出力端子To4−GND端子Tg3間に信号を発生する。
第1の赤外線検出部1は、加算器6を介して、受光素子1fの信号を出力電圧として検知する検知器5fからの出力電圧と、受光素子1eの信号を出力電圧として検知する検知器5eからの出力電圧とを加算して、検知信号S3(第1の検知信号)を出力する。この検知信号S3は、受光素子1eの出力電圧(正極からみた負極の電位)と受光素子1fの出力電圧(負極からみた正極の電位)との和になる。
また、第2の赤外線検出部2は、赤外線検出部12における出力端子To4−GND端子Tg3間に発生する受光素子1fの信号を検知器5fに入力する。第2の赤外線検出器2は、受光素子1fの信号を出力電圧として検知する検知器5fからの出力電圧(負極からみた正極の電位)を検知信号S4(第2の検知信号)として出力する。検知信号S3,S4は、信号処理部3に入力される。さらに、方向検出装置は、受光素子1e,1fの両方が接続する共通電位G0も、信号処理部3に入力される。
信号処理部3は、第1の赤外線検出部1および第2の赤外線検出部2が出力する検知信号S3,S4に基づいて、実施形態1の方向検出装置と同様にして、被検知体Kの移動方向を検出する。
そして、方向検出装置が、信号処理部3による検出結果を図示しないコンピュータ等の外部機器に出力することによって、被検知体Kの移動方向を用いた外部機器の操作を実現できる。
言い換えれば、本実施形態の方向検出装置は、シングル素子たる受光素子1eと、受光素子1eと極性の異なるシングル素子たる受光素子1fとを備えている。方向検出装置は、受光素子1eの信号を検出する検出器5eおよび受光素子1feの信号を検出する検出器5fを備えている。方向検出装置は、検出器5e,5fそれぞれの出力を加算器6により加算する加算機能を有している。方向検出装置の第1の赤外線検出部1は、加算器6が検出器5e,5fの出力を加算し、二つの焦電型の受光素子の電極が逆になるように接続させたデュアル・タイプの赤外線センサからの出力と同様の信号を出力する。また、方向検出装置の第2の赤外線検出部2は、正もしくは負の極性のシングル素子を備えたシングル・タイプの赤外線センサからの出力と同様、受光素子1fからの単独の信号を出力する。
これにより、本実施形態の方向検出装置は、実施形態1の方向検出装置の如く、3つの受光素子1a,1b,2aを用いることなく、被検知体Kの移動方向を検出することができる。
なお、第1の赤外線検出部1は、受光素子1eと受光素子1fとを並列に接続させるものを示しているが、並列に接続させたものだけに限られず、互いに逆極性となるように直列に接続させるものでもよい。また、第2の赤外線検出部2は、受光素子1fの出力を単独で読み出したものだけに限られず、受光素子1eと受光素子1fとの差動出力を検知信号S4として用いてもよい。本実施形態の方向検出装置は、第1の赤外線検出部1における検出器5e,5fや加算器6は、MEMS赤外線センサにおける赤外線検出部12内に組み込んで形成してもよいし、信号処理部3内に組み込んで形成してもよい。
方向検出装置は、検出器5e,5fをMEMS赤外線センサにおける赤外線検出部12内に組み込んで形成する場合、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を利用して検出器5e,5fを構成することができる。また、方向検出装置は、検出器5e,5fや加算器6を信号処理部3内に組み込んで形成する場合、受光素子1e,1fからの信号の検出や加算を信号処理部3における回路処理により行うことができ、比較的簡単な構成にできる。
(実施形態7)
図27に示す本実施形態の方向検出装置は、第1の赤外線検出部1と、第2の赤外線検出部2と、信号処理部3とを備える。なお、実施形態6と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の第1の赤外線検出部1では、図27に示すように、第1の赤外線検出部1は、信号を積分する積分器7e1,7e2を備えている。第1の赤外線検出部1は、積分器7e1,7e2により第1、第2の受光素子1e,1fそれぞれを合わせた出力を2回積分した結果を第1の検知信号S3として出力する。第2の赤外線検出部2は、信号を積分する積分器7fを備えており、積分器7fにより第2の受光素子1fの出力を1回積分した結果を第2の検知信号S4として出力する。
信号処理部3は、第1の検知信号S3の変動方向および第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、被検知体Kの移動方向を検出する。
なお、信号処理部3は、演算部33内に各検知信号S3,S4の変動方向における正負の符号を判定する符号判定部33a,33bを備えている。本実施形態の方向検出装置では、信号処理部3に増幅部31やA/Dコンバータ32を図示していない。
以下、信号処理部3における移動方向検出処理について、説明する。
まず、温度が周囲温度よりも高い被検知体KHが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれを合わせた出力は、正変動した後に大きく負変動し、その後、正変動する信号となる(図28(a)を参照)。
第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれを合わせた出力の信号は、積分器7e1により1回積分されることで、正変動した後に負変動する信号となる(図28(b)を参照)。
次に、第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれを合わせた出力は、積分器7e1で積分された信号を更に1回積分されることで、正変動する信号となる(図28(c)を参照)。方向検出装置は、第1の赤外線検出部1から第1の検知信号S3として、図28(c)に示す正変動する信号を出力する。
また、本実施形態の方向検出装置では、温度が周囲温度よりも高い被検知体Kが、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動した場合、第2の受光素子1fからの出力は、正変動した後に負変動する信号となる(図28(d)を参照)。
第2の受光素子1fからの出力は、積分器7fにより1回積分されることで、正変動する信号となる(図28(e)を参照)。方向検出装置は、第2の赤外線検出部2から第1の検知信号S4として、図28(c)に示す正変動する信号を出力する。第1の赤外線検出部1および第2の赤外線検出部2は、図示していないが、被検知体KHが右から左へ移動した場合、被検知体KHが方向検出装置の検知領域を左から右へ移動する図28の場合と同様にして、対応する検知信号S3,S4を出力する。また、第1の赤外線検出部1および第2の赤外線検出部2は、図示していないが、温度が周囲温度より低い被検知体Kが方向検出装置の検知領域を左右方向に移動する場合、図28の場合と同様にして、対応する検知信号S3,S4を出力する。
次に、信号処理部3における第1,第2の検知信号S3,S4を用いた符号情報について説明する。
図29は、本実施形態の方向検出装置に対する被検知体Kの移動方向と、被検知体Kの温度が周囲温度より高い被検知体KHか、温度が周囲温度より低い被検知体KLかの区別を示している。
方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向が正変動であり、第2の検知信号S4の変動方向が正変動である場合、被検知体Kが方向検出装置の検知領域を左から右へ移動しており、周囲温度より高い被検知体KHであると判断する。すなわち、信号処理部3では、第1の検知信号S3の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「正」であると検知する。また、信号処理部3は、第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「正」であると検知する。信号処理部3は、第1,第2の検知信号S3,S4の変動方向における符号が共に「正」の場合、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動する被検知体KHを検出する(図29の左上欄を参照)。
次に、方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向が負変動であり、第2の検知信号S4の変動方向が正変動である場合、被検知体Kが方向検出装置の検知領域を右から左へ移動しており、周囲温度より高い被検知体KHであると判断する。すなわち、信号処理部3では、第1の検知信号S3の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「負」であると検知する。また、信号処理部3は、第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「正」であると検知する。信号処理部3は、第1の検知信号S3の変動方向における符号が「負」で、第2の検知信号S4の変動方向における符号が「正」の場合、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動する被検知体KHを検出する(図29の右上欄を参照)。
また、方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向が正変動であり、第2の検知信号S4の変動方向が負変動である場合、被検知体Kが方向検出装置の検知領域を左から右へ移動しており、周囲温度より低い被検知体KLであると判断する。すなわち、信号処理部3では、第1の検知信号S3の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「正」であると検知する。また、信号処理部3は、第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「負」であると検知する。信号処理部3は、第1の検知信号S3の変動方向における符号が「正」で、第2の検知信号S4の変動方向における符号が「負」の場合、方向検出装置の検知領域を左から右へ移動する被検知体KLを検出する(図29の左下欄を参照)。
同様に、方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向が負変動であり、第2の検知信号S4の変動方向が負変動である場合、被検知体Kが方向検出装置の検知領域を右から左へ移動しており、周囲温度より低い被検知体KLであると判断する。すなわち、信号処理部3では、第1の検知信号S3の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「負」であると検知する。また、信号処理部3は、第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した符号情報が「負」であると検知する。信号処理部3は、第1,第2の検知信号S3,S4の変動方向における符号が共に「負」の場合、方向検出装置の検知領域を右から左へ移動する被検知体KLを検出する(図29の右下欄を参照)。
このように、本実施形態の方向検出装置は、被検知体Kの左右の移動方向、被検知体Kが周囲温度より高い被検知体KHであるか、周囲温度より低い被検知体KLであるかを検出することができる。
本実施形態の方向検出装置における信号処理部3は、実施形態1や実施形態6における信号処理部3の如く、受光素子1eの出力電力と、受光素子1fの出力電力との位相差や各振幅を判定することなく、被検知体Kの移動方向を検出することができる。したがって、実施形態6の方向検出装置は、本実施形態の方向検出装置における信号処理部3を用いて構成してもよい。
信号処理部3は、第1の検知信号S3を符号判定部33aに設けたコンパレータ(図示していない)等により所定の基準値との大小を比較することで符合判定する。信号処理部3は、第2の検知信号S4を符号判定部33bに設けたコンパレータ(図示していない)等により符号判定する。信号処理部3は、各符合判定した符号情報を用いて被検知体Kの移動方向を検出する。信号処理部3は、第1,第2の検知信号S3,S4を、例えば、コンパレータ若しくは、1ビットのA/Dコンバータを用いて論理値に変換してから符号判定してもよい。信号処理部3は、適宜のプログラムに基づいて駆動するパーソナルコンピュータ等を利用して、第1,第2の検知信号S3,S4の変動方向における「正」、「負」の符号を判定して被検知体Kの移動方向を検出できる。
また、本実施形態の方向検出装置では、第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれは、第1,第2の受光素子1e,1fの出力を出力電圧として検知する検出器5e,5fを各別に備えている。本実施形態の方向検出装置では、図30に示すように、積分器7e1,7fは、検出器5e,5fと兼用することもできる。これにより、方向検出装置は、検出器5e,5fの数を削減することが可能となり、回路規模をより小さくさせることが可能となる。
(実施形態8)
図31に示す本実施形態の方向検出装置は、第1の赤外線検出部1と、第2の赤外線検出部2と、信号処理部3とを備える。なお、実施形態7と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の方向検出装置は、図31に示すように、被検知体Kから受光した赤外線に応じた信号を、極性を有する一対の電極から出力する焦電型の受光素子1e,1fを用いている。方向検出装置は、第1,第2の受光素子1e,1fを少なくとも1組有し、第1の受光素子1eと第2の受光素子1fとは逆極性であり、第1,第2の受光素子1e,1fそれぞれの出力を合わせた第1の検知信号S3を出力する第1の赤外線検出部1を備えている。方向検出装置は、第3の受光素子として第3の受光素子と兼用させた第1,第2の受光素子1e,1fからの第2の検知信号S4を出力する第2の赤外線検出部2を備えている。方向検出装置は、第1の検知信号S3の変動方向と第2の検知信号S4の変動方向とに基づいて、被検知体Kの移動方向を検出する信号処理部3を備えている。
より具体的には、記第1の赤外線検出部1は、第1の受光素子1eの出力と第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力とを合わせた第1の検知信号S3を出力する。
第2の赤外線検出部2は、第1の受光素子1e、第2の受光素子1fおよび第1の受光素子1eの出力と第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力を極性反転させた出力とを加算する加算器6を有している。第2の赤外線検出部2は、第3の受光素子を第1の受光素子1eと第2の受光素子1fと兼用させている。第2の赤外線検出部2は、第1の受光素子1eの出力と第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力を極性反転させた出力とを合わせた第2の検知信号S4を出力する。
なお、第1の赤外線検出部1は、差動検出部14により第1の受光素子1eの出力と、第2の受光素子1fとの出力を合わせている。また、第2の赤外線検出部2は、極性反転部13により、第2の受光素子1fの出力を極性反転させている。第1の赤外線検出部1は、信号を積分する積分器7e1,7e2を備えている。第1の赤外線検出部1は、この積分器7e1,7e2により第1の受光素子1eの出力と第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力とを合わせた信号を2回積分した結果を第1の検知信号S3として出力する。極性反転部13や差動検出部14は、オペアンプを利用して構成することができる。
第2の赤外線検出部2は、信号を積分する積分器7fを備えている。第2の赤外線検出部2は、この積分器7fにより第1の受光素子1eの出力と第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力を極性反転させた出力とを合わせた信号を1回積分した結果を第2の検知信号S4として出力する。
信号処理部3は、第1の検知信号S3の変動方向および第2の検知信号S4の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、被検知体Kの移動方向を検出する。
本実施形態の方向検出装置は、被検知体Kの温度に関わらず、被検知体Kの移動方向を精度よく検出することができる。
ところで、MEMS赤外線センサや信号処理部3では、外部の静電気放電(ESD)などにより破壊されることや誤動作が生じることを抑制するため、静電気を吸収するESD保護用ダイオードD11を設ける場合がある。本実施形態の方向検出装置では、図31に示すように、赤外線検出部12における出力端子To3と、検知器5eとの間にカソード端子を接続させ、アノード端子をグランド側に接続させたESD保護用ダイオードD11を設けている。同様に、本実施形態の方向検出装置は、赤外線検出部12における出力端子To4と、検知器5fとの間にカソード端子を接続させ、アノード端子をグランド側に接続させたESD保護用ダイオードD11を設けている。ここで、MEMS赤外線センサや信号処理部3では、ESD保護用ダイオードD11による漏れ電流が生ずる恐れがる。方向検出装置は、漏れ電流に伴うオフセット電流が生ずる場合、積分器7e1,7e2,7fによる積分結果はオフセット電流がない場合と比較して大きく異なる場合がある。
例えば、方向検出装置では、オフセットリーク電流がない場合、受光素子の出力(図33(a)を参照)を積分すれば、信号形状が左右対称な正変動の信号を検出可能することができる(図33(b)を参照)。
これに対し、方向検出装置では、例えば、オフセットリーク電流が重畳されオフセット誤差Eを含む受光素子の出力(図33(c)を参照)を積分すれば、信号形状が左右非対称な正変動の信号を検出する恐れがある(図33(d)を参照)。
本実施形態の方向検出装置は、第1の受光素子1eの出力(図32(a)を参照)と、第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力(図32(b)を参照)を極性反転させた出力(図32(c)を参照)とを合わせている。本実施形態の方向検出装置は、第1の受光素子1eの出力と、第1の受光素子1eとは逆極性の第2の受光素子1fの出力を極性反転させた出力とを合わせた第2の検知信号S4を用いることで、オフセット誤差Eを低減することが可能となる(図32(e)を参照)。
本実施形態の方向検出装置では、第1の受光素子1eの正の極性の出力と、第1の受光素子1eとは逆極性の負の極性の第2の受光素子1fの出力とを合わせた第1の検知信号S3を出力すると、図32(d)に示す出力の結果を出力できる。
これにより、本実施形態の方向検出装置は、ジェスチャー等の人体の動作のように、信号帯域が比較的低周波の信号のオフセット成分を除去しつつ、比較的簡単な構成とすることが可能となる。
(実施形態9)
本実施形態の方向検出装置は、図34に示す第1の赤外線検出部1と、第2の赤外線検出部2と、信号処理部3とを備える。なお、実施形態7と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の方向検出装置では、図34に示すように、第1の受光素子1eと積分器7e1,7e2との間に設けており第1の受光素子1eの出力のオフセット成分を除去して加算器6に出力する第1のオフセット成分除去部8eを設けている。方向検出装置は、第2の受光素子1fと積分器7fとの間に設けており第2の受光素子1fの出力のオフセット成分を除去して加算器6に出力する第2のオフセット成分除去部8fを設けている。
第1のオフセット成分除去部8eおよび第2のオフセット成分除去部8fは、それぞれ遮断周波数より高い周波数の成分が減衰することを抑制させながら、遮断周波数より低い周波数の成分を逓減させるハイパスフィルタを用いればよい。
これにより、本実施形態の方向検出装置は、第1の受光素子1eや第2の受光素子1fからの信号に、オフセットリーク電流による図35(a)に示すオフセット誤差Eを含む場合でも、オフセット成分を除去した信号に修正することができる(図35(b)を参照)。したがって、本実施形態の方向検出装置は、比較的簡単な構成で、被検知体Kの移動方向を、正確に検出することができる。
(実施形態10)
本実施形態の方向検出装置は、図36に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。なお、実施形態6と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の方向検出装置は、図36に示すように、第1,第2の受光素子1e,1fの並設方向(左右方向)と直交する直交方向(上下方向)に第2の受光素子1fと並設する第4の受光素子1gを有している。
方向検出装置は、第4の受光素子1gと第2の受光素子1fとは逆極性であり、第2,第4の受光素子1f,1gぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号S5を出力する第3の赤外線検出部11を備えている。
信号処理部3は、図示していないが、第1の検知信号S3が所定の第1閾値よりも小さい場合、被検知体Hの移動方向を第1,第2の受光素子1e,1fの並設方向と直交する直交方向であると検出する。信号処理部3は、第3の検知信号S5が所定の第2閾値よりも小さい場合、被検知体Kの移動方向を第2,第4の受光素子1f,1gの並設方向と直交する直交方向であると検出する。
具体的には、受光素子1e,1f,1gは、MEMS赤外線センサにおける赤外線検出部12に設けられている。赤外線検出部12は、受光素子1e,1fをギャップを介して左右方向に配置している。また、赤外線検出部12は、受光素子1f,1gをギャップを介して上下方向に配置している。受光素子1eの正極(+)、受光素子1fの負極(−)および受光素子1gの正極(+)は、それぞれ赤外線検出部12におけるGND端子Tg3と接続している。受光素子1eの負極(−)は、赤外線検出部12における出力端子To3と接続している。受光素子1fの正極(+)は、赤外線検出部12における出力端子To4と接続している。受光素子1gの負極(−)は、赤外線検出部12における出力端子To5と接続している。
受光素子1e,1f,1gは、それぞれの検知エリアを移動する被検知体Kが放射する赤外線を受光する。赤外線を受光した受光素子1e,1f,1gは、焦電効果によって、正極−負極間に電圧を発生する。赤外線検出部12の受光素子1eは、出力端子To3−GND端子Tg3間に、信号を発生する。また、赤外線検出部12の受光素子1fは、出力端子To4−GND端子Tg3間に信号を発生する。さらに、赤外線検出部12の受光素子1gは、出力端子To5−GND端子Tg3間に、信号を発生する。
第1の赤外線検出部1は、加算器6を介して、受光素子1fの信号を出力電圧として検知する検知器5fからの出力電圧と、受光素子1eの信号を出力電圧として検知する検知器5eからの出力電圧とを加算して、第1の検知信号S3を出力する。
また、第2の赤外線検出部2は、赤外線検出部12における出力端子To4−GND端子Tg3間に発生する受光素子1fの信号を検知器5fに入力する。第2の赤外線検出器2は、受光素子1fの信号を出力電圧として検知する検知器5fからの出力電圧(負極からみた正極の電位)を第2の検知信号S4として出力する。検知信号S3,S4は、信号処理部3に入力される。
さらに、第3の赤外線検出部11は、加算器6を介して、受光素子1fの信号を出力電圧として検知する検知器5fからの出力電圧と、受光素子1gの信号を出力電圧として検知する検知器5gからの出力電圧とを加算して、第3の検知信号S5を出力する。
また、方向検出装置は、受光素子1e,1fの両方が接続する共通電位G0も、信号処理部3に入力される。
次に、この信号処理部3による移動方向検出処理について、説明する。
例えば、被検知体Kの移動方向が左右方向である場合、演算部33は、実施形態6と同様に、検知信号S3,S4を用いて、被検知体Kの左右の移動方向を検出することができる。また、被検知体Kの移動方向が左右方向である場合、上下方向に並設した受光素子1f,1gの信号は、互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S5は、所定の第2閾値よりも小さい略0になる。而して演算部33は、検知信号S5が予め設定した所定の第2閾値よりも小さい場合、被検知体Kの上下の移動方向は信号の検知が無く、左右の移動方向であると検知する。
また、被検知体Kの移動方向が上下方向である場合、演算部33は、検知信号S4,S5を用いて、被検知体Kの上下の移動方向を検出することができる。また、被検知体Kの移動方向が上下方向である場合、左右方向に並設した受光素子1e,1fの信号は、互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S3は、所定の第1閾値よりも小さい略0になる。而して演算部33は、検知信号S3が予め設定した所定の第1閾値よりも小さい場合、被検知体Kの左右の移動方向は信号の検知が無く、上下の移動方向であると検知する。
すなわち本方向検出装置は、実施形態6の方向検出装置と比較して、受光素子1gを1つ追加するだけで、被検知体Kの左右および上下の移動方向を精度よく検出できる。
なお、方向検出装置は、正極(+)と負極(−)の極性を逆とする各受光素子1e,1f,1gの配置の構成のものでもよいし、受光素子1e,1f,1gの配置方向を90度、または180度回転させた位置でも同様に機能させることができる。
(実施形態11)
本実施形態の方向検出装置は、図36に示す第1の赤外線検出部1、第2の赤外線検出部2を備える。本実施形態の方向検出装置は、実施形態10と信号処理部3での信号処理が異なる点が主として相違する。なお、実施形態10と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
本実施形態の方向検出装置では、図36に示すように、第1,第2の受光素子1e,1fの並設方向と直交する直交方向に第2の受光素子1fと並設する第4の前記受光素子1gを有している。方向検出装置は、第4の受光素子1gと第2の受光素子1fとは逆極性であり、第2,第4の受光素子1e,1gぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号S5を出力する第3の赤外線検出部11を備えている。
信号処理部3は、図示していないが、少なくとも第1,第2,第4の受光素子1e,1f,1gそれぞれに出力が生じていることを検出する。信号処理部3は、第1の検知信号S3が所定の第3閾値よりも小さく且つ、第3の検知信号S5が所定の第4閾値よりも小さいことを検出する。この場合、信号処理部3は、被検知体Kの移動方向を第1,第2,第4の受光素子1e,1f,1gが配置された平面と垂直な方向に沿った方向であると検出する。
例えば、被検知体Kの移動方向が、赤外線検出部12全体を覆うように、各受光素子1e,1f,1gが配置された平面と垂直な垂直方向である場合、演算部33は、第1,第2,第4の受光素子1e,1f,1gそれぞれに出力が生ずる。また、被検知体Kの移動方向が垂直方向である場合、左右方向に並設した受光素子1e,1fの信号は、互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S3は、所定の第3閾値よりも小さい略0になる。同様に、被検知体Kの移動方向が垂直方向である場合、上下方向に並設した受光素子1f,1gの信号は、互いに逆方向に略同時に変動する。したがって、検知信号S5は、所定の第4閾値よりも小さい略0になる。演算部33は、第1,第2,第4の受光素子1e,1f,1gそれぞれに出力が生じており、第1の検知信号S3が所定の第3閾値よりも小さく且つ、第3の検知信号S5が所定の第4閾値よりも小さい場合、被検知体Kの移動方向が垂直方向であると検出する。
すなわち本方向検出装置は、実施形態6の方向検出装置と比較して、受光素子1gを1つ追加するだけで、被検知体Kの移動方向が、第1,第2,第4の受光素子1e,1f,1gが配置された水平面と垂直な垂直方向であることを検知できる。
1 赤外線検出部(第1の赤外線検出部)
1a,1e 受光素子(第1の受光素子)
1b,1f 受光素子(第2の受光素子)
1g 受光素子(第4の受光素子)
2 赤外線検出部(第2の赤外線検出部)
2a 受光素子(第3の受光素子)
3 信号処理部
4 ベース基板
5e,5f 検出器
6 加算器
7e1,7e2,7f 積分器
8e,8f オフセット成分除去部(第1,第2のオフセット成分除去部)
41 ダイヤフラム

Claims (15)

  1. 被検知体から受光した赤外線に応じた信号を、極性を有する一対の電極から出力する焦電型の受光素子を用いた方向検出装置であって、
    第1,第2の前記受光素子を少なくとも1組有し、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた第1の検知信号を出力する第1の赤外線検出部と、
    第3の前記受光素子からの第2の検知信号を出力する第2の赤外線検出部と、
    前記第1の検知信号の変動方向と前記第2の検知信号の変動方向とに基づいて、前記被検知体の移動方向を検出する信号処理部と
    を備える
    ことを特徴とする方向検出装置。
  2. 前記第1の赤外線検出部は、逆極性に直列接続または逆極性に並列接続した前記第1,第2の受光素子を少なくとも1組有し、前記第1,第2の受光素子の直列回路または前記第1,第2の受光素子の並列回路の両端から前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた前記第1の検知信号を出力し、
    前記第2の赤外線検出部は、前記第3の受光素子を1つ有し、この第3の受光素子が第2の検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の方向検出装置。
  3. 前記第1,第2の受光素子の組を2組備え、一方の組の前記第1,第2の受光素子の並設方向と、他方の組の前記第1,第2の受光素子の並設方向とは、互いに直交することを特徴とする請求項2記載の方向検出装置。
  4. 前記第1,第2の受光素子の組において、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは、前記第3の受光素子を挟んで配置されることを特徴とする請求項2または3記載の方向検出装置。
  5. 前記第1,第2の受光素子の各々は、ベース基板に形成したダイアフラムの外周縁に沿って配置されることを特徴とする請求項4記載の方向検出装置。
  6. 前記第3の受光素子は、ベース基板に形成したダイアフラムの略中心に配置されることを特徴とする請求項4または5記載の方向検出装置。
  7. 前記第1〜第3の受光素子は、ベース基板に形成した四角状のダイアフラムに設けられ、前記第1,第2の受光素子の各組において、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子とは、前記ダイアフラムの互いに対向する辺の各中心を通る中心軸に対して対称に配置されることを特徴とする請求項4乃至6いずれか記載の方向検出装置。
  8. 前記第1の赤外線検出部は、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子および前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を加算する加算器を有し、該加算器から前記第1,第2の受光素子それぞれの出力を合わせた前記第1の検知信号を出力し、
    前記第2の赤外線検出部は、前記第3の受光素子を前記第2の受光素子と兼用させ、前記第2の受光素子が前記第2の検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の方向検出装置。
  9. 前記第1の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1,第2の受光素子それぞれを合わせた出力を2回積分した結果を前記第1の検知信号として出力し、
    前記第2の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第2の受光素子の出力を1回積分した結果を前記第2の検知信号として出力し、
    前記信号処理部は、前記第1の検知信号の変動方向および前記第2の検知信号の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、前記被検知体の移動方向を検出することを特徴とする請求項8記載の方向検出装置。
  10. 前記第1の赤外線検出部は、前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力とを合わせた前記第1の検知信号を出力し、
    前記第2の赤外線検出部は、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子および前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを加算する加算器を有し、前記第3の受光素子を前記第1の受光素子と前記第2の受光素子と兼用させ、前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを合わせた前記第2の検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の方向検出装置。
  11. 前記第1の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力とを合わせた信号を2回積分した結果を前記第1の検知信号として出力し、
    前記第2の赤外線検出部は、信号を積分する積分器を備えており、この積分器により前記第1の受光素子の出力と該第1の受光素子とは逆極性の前記第2の受光素子の出力を極性反転させた出力とを合わせた信号を1回積分した結果を前記第2の検知信号として出力し、
    前記信号処理部は、前記第1の検知信号の変動方向および前記第2の検知信号の変動方向における正負の符号を判定した各符号情報を用いて、前記被検知体の移動方向を検出することを特徴とする請求項10記載の方向検出装置。
  12. 前記第1の受光素子と前記積分器との間に設けており前記第1の受光素子の出力のオフセット成分を除去して前記加算器に出力する第1のオフセット成分除去部と、
    前記第2の受光素子と前記積分器との間に設けており前記第2の受光素子の出力のオフセット成分を除去して前記加算器に出力する第2のオフセット成分除去部と
    を備えたことを特徴とする請求項9記載の方向検出装置。
  13. 前記第1,第2の受光素子それぞれは、前記第1,第2の受光素子の出力を出力電圧として検知する検出器を各別に備えており、前記積分器は、前記検出器と兼用することを特徴とする請求項9記載の方向検出装置。
  14. 前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向に前記第2の受光素子と並設する第4の前記受光素子を有し、該第4の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第2,第4の受光素子ぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号を出力する第3の赤外線検出部を備え、
    前記信号処理部は、前記第1の検知信号が所定の第1閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向であると検出し、前記第3の検知信号が所定の第2閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第2,第4の受光素子の並設方向と直交する直交方向であると検出することを特徴とする請求項8乃至13いずれか記載の方向検出装置。
  15. 前記第1,第2の受光素子の並設方向と直交する直交方向に前記第2の受光素子と並設する第4の前記受光素子を有し、該第4の受光素子と前記第2の受光素子とは逆極性であり、前記第2,第4の受光素子ぞれぞれの出力を合わせた第3の検知信号を出力する第3の赤外線検出部を備え、
    前記信号処理部は、少なくとも前記第1,第2,第4の受光素子それぞれに出力が生じており、前記第1の検知信号が所定の第3閾値よりも小さく且つ、前記第3の検知信号が所定の第4閾値よりも小さい場合、前記被検知体の移動方向を前記第1,第2,第4の受光素子が配置された平面と垂直な方向に沿った方向であると検出することを特徴とする請求項8乃至13いずれか記載の方向検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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