JP2013231243A - 刺繍用枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易な取り付け作業でありながら刺繍用基布を全体的に均一に且つ強固に張ることができ、また刺繍作業中もこの強固な張設力が継続して維持できる新規な刺繍用枠の開発を課題とする。
【解決手段】 本発明は、刺繍用基布Cを張設するための枠本体10を主要部材として成る刺繍用枠1であって、枠本体10には断面凹状の受入溝20が、枠本体10に沿って巡回状に形成されて成り、刺繍用基布Cを枠本体10に張設するにあたっては、枠本体10に刺繍用基布Cを被せた後、受入溝20に弾性を有する押さえ部材30を刺繍用基布Cとともに嵌め込むことによって、刺繍用基布Cを枠本体10に張設するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、布(刺繍用基布)に刺繍を行うにあたり事前に刺繍用基布を弛みなく張る(いわゆる「ピンと張る」)ための刺繍用枠に関するものである。
刺繍を行うためには事前に刺繍用基布を刺繍用枠や刺繍用台に弛みなく張設するものであり、このような刺繍用枠としては、従来、例えば二重円環(二重リング)の間に刺繍用基布を挟み込んで張設するものがあり、これは外側の円環(リング)をネジ等で締め付けて径サイズを縮め、刺繍用基布を二重リングの間で強く挟み込むようにしたものである(例えば特許文献1参照)。
また、他の手法としては、例えば展開状態で矩形状を成す刺繍用基布を張設するには、刺繍用基布の前後両端を棒部材に巻き付けておき、これを相互に引っ張るように設置するとともに、刺繍用基布の左右両端縁に、ほぼ等間隔に糸を掛けて、結果的に刺繍用基布を四方から均等に引っ張るようにしたものもある(例えば特許文献2参照)。
更に他の手法としては、刺繍用基布を張設する枠の全周に凸状の突起を一周設けておき、枠に刺繍用基布を被せた後、この突起の上方から刺繍用基布の端縁をクリップで挟み込んで張設するものもある(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、このような従来手法にあっては、以下のような問題点があった。
まず上記特許文献1・3による手法では、張設時に刺繍用基布を枠に強固に張設しても、刺繍を行っている間に、この張設力が次第に弱まり、作業中に刺繍用基布が弛んでくるという問題が払拭できなかった。
また、例えば上記特許文献2による手法では、このような問題、つまり刺繍作業中に刺繍用基布が弛んでしまうことは抑制できても、特許文献2による張設手法は、極めて大掛かりであり、刺繍用基布を全体的に均一に張るには相応の手間が掛かったり、熟練を要したりするという問題があった。
このようなことから、刺繍用基布を枠に張設するにあたっては、極めて簡単な手法でありながらも強固に張設することができ、しかもこの張設力が刺繍作業中も継続して維持できる新たな手法が求められていた。
実用新案出願公告第8624号公報 実用新案出願公告第10681号公報 特開昭63−182465号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、容易な取り付け作業でありながら刺繍用基布を全体的に均一に且つ強固に張ることができ、また刺繍作業中もこの強固な張設力が継続して維持できる新規な刺繍用枠の開発を試みたものである。
すなわち請求項1記載の刺繍用枠は、
刺繍用基布を張設するための枠本体を主要部材として成る刺繍用枠において、
前記枠本体には断面凹状の受入溝が、枠本体に沿って巡回状に形成されて成り、
刺繍用基布を枠本体に張設するにあたっては、枠本体に刺繍用基布を被せた後、受入溝に弾性を有する押さえ部材を刺繍用基布とともに嵌め込むことによって、刺繍用基布を枠本体に張設するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項2記載の刺繍用枠は、前記請求項1記載の要件に加え、
前記受入溝は、枠本体の上面に形成されることを特徴として成るものである。
また請求項3記載の刺繍用枠は、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記枠本体に形成される受入溝は、複数のパートを周回状もしくは循環状に接続して成るものであり、各パートの接続部において、受入溝が枠外へと貫通するように形成されることを特徴として成るものである。
また請求項4記載の刺繍用枠は、前記請求項3記載の要件に加え、
前記押さえ部材を受入溝に嵌め込むにあたっては、ほぼ対向するパート同士を一対のペアとして交互に嵌め込んで行くことを特徴として成るものである。
また請求項5記載の刺繍用枠は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、
前記受入溝が屈曲部を有する場合には、この屈曲部の上面部分にコーナRが形成されることを特徴として成るものである。
また請求項6記載の刺繍用枠は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、
前記枠本体には、刺繍用基布を張設したのち外部に露見する押さえ部材を覆い隠す飾り縁が被せられることを特徴として成るものである。
また請求項7記載の刺繍用枠は、前記請求項1、2、3、5または6記載の要件に加え、
前記枠本体には、枠本体に張設された刺繍用基布を適宜の高さや姿勢に維持する支持脚が設けられることを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、刺繍用基布を枠本体に張設するには、あたかも網戸の網を張り替えるときのように、枠本体に沿って巡回状に形成された受入溝に、弾性を有する押さえ部材を嵌め込んで行くため、刺繍用基布の張設が確実に且つ容易に行える。
また請求項2記載の発明によれば、押さえ部材を収容する受入溝が枠本体の上面に形成されるため、刺繍用基布を枠本体に張設する作業が極めて安定した状態で行える。すなわち刺繍用基布を枠本体に張設する際には、例えば枠本体を床面に置く等、安定した状態で嵌め込み作業を行うことができ、また押さえ部材を嵌め込む方向も、載置した枠本体の上方から行えるため(重力方向に力が掛けられるため)、嵌め込み作業がより確実に且つ容易に行えるものである。
また請求項3記載の発明によれば、枠本体に形成される受入溝は、複数のパート(直線状または曲線状の辺)を周回状または循環状に接続して成り、なお且つ各パートの接続部においては受入溝が枠外(例えば二方向)に貫通する枠外開放部を有するように形成されるため、例えばパートと同数の押さえ部材を用いるとともに、該押さえ部材の嵌め込み開始端及び終了端を枠外開放部に折り返し状に収めることで、刺繍用基布を枠本体に均一に且つ強固に張設することができ、しかもその張設作業が極めて容易に行えるものである。
もちろん枠外開放部は偏平状に形成することも可能であり、またこのような枠外開放部に押さえ部材を途切れさせずに一続きとなって回り込ませる場合には(収容する場合には)、当該部位に押さえ部材を曲げながら(変形させながら)溝内に押し込む作業が、比較的、力の弱い女性でも容易に行い得るものである。
また請求項4記載の発明によれば、押さえ部材を受入溝に嵌め込むにあたっては、ほぼ対向するパート同士を一対のペアとして交互に嵌め込んで行くため、刺繍用基布に掛かるテンションのバランスが採り易く、結果として刺繍用基布を全体的に均等に張ることができる。
また請求項5記載の発明によれば、受入溝が屈曲部を有する場合、この屈曲部の上面部分にコーナRが形成されるため、当該部分に押さえ部材を曲げながら嵌め込む作業が極めて行い易いものとなる。
また請求項6記載の発明によれば、枠本体に飾り縁を取り付けることにより、刺繍用基布を張設した状態で外部に露見する押さえ部材を隠蔽するため、刺繍用基布を張設した枠本体(刺繍用枠)を刺繍の完成作品としてそのまま展示に利用することができ合理的である。
また請求項7記載の発明によれば、枠本体に張設された刺繍用基布を適宜の高さや姿勢に維持する支持脚が設けられるため、刺繍を行う作業者の作業性向上に寄与する。すなわち支持脚によって刺繍用基布を適宜の高さや姿勢に維持すれば、刺繍用基布の下方から光を採り込み易く、刺繍を行う際に刺繍用基布に刺す針の位置が見易くなるものである。
また、このような支持脚は展示にも利用することができ、例えば支持脚の一部に小径部を形成しておき、ここを展示室壁面に固定した断面L字状のアングル材などに引っ掛けて作品(刺繍を終えた刺繍用基布)を固定すれば、作品の数が多くても均一に角度が揃えられ、多数の作品展示が極めて容易に行えるものである。
刺繍用基布を枠本体に張設した状態で描いた、本発明の刺繍用枠の一例を示す斜視図である。 刺繍用枠の主要部材である枠本体の一例を示す斜視図(a)、並びに上面から視た平面図(b)である。 二本の押さえ部材を用いて、刺繍用基布を枠本体に張設して行く様子(初期段階)を示す二種の平面図(a)・(a)′である。 刺繍用基布を枠本体に張設して行く様子を段階的に示す平面図(a)・(b)である。 刺繍用基布を枠本体に張設して行く様子(最終段階)を示す平面図(a)、並びに四本の押さえ部材を用いて刺繍用基布を枠本体に張設した場合を示す平面図(b)である。 縦枠及び横枠の接続部(四隅)を枠外に突出させ、枠本体を井桁状に組むようにした実施例を示す平面図である。 縦枠と横枠との接続部で、受入溝を枠外まで貫通させないようにした実施例を示す平面図(枠本体の平面図)であり、且つ該接続部で縦枠に形成された受入溝(縦溝)のみを枠外まで貫通させるようにした実施例を部分的に併せ示す説明図である。 枠本体を円環状に形成しながらも受入溝を複数のパート(辺)に分けて形成し、その接続部において受入溝を枠外二方向に貫通させるようにした実施例を示す平面図(a)、並びにこの枠本体に対し二本の押さえ部材を用いて刺繍用基布を張設するようにした一実施例を示す平面図(b)、並びにこの枠本体に対し四本の押さえ部材を用いて刺繍用基布を張設するようにした他の実施例を示す平面図(c)である。 枠本体が正九角形の環状である場合に、各辺(パート)に押さえ部材を嵌め込んで行く一実施例(好ましい嵌め込み順序の一例)を示す平面図である。 押さえ部材を最初に受入溝に嵌め込むにあたり、枠本体に被せた刺繍用基布の端縁がずれないように刺繍用基布を位置決めする仮押さえ部を具えた枠本体を示す断面図である。 枠本体の外側面部分に受入溝を巡回状に形成するようにした実施例を示す枠本体の斜視図である。 枠本体を複数用意する場合、枠本体の大きさを異なるサイズに形成し、入れ子状に収容できるようにした実施例を示す斜視図である。 巡回部のコーナ部(枠本体の接続部)に偏平状の枠外開放部を形成した枠本体を示す平面図(a)、並びにこの枠外開放部を示す二種の斜視図(b)・(c)である。 枠本体に設ける支持脚の種々のパターンを示す説明図(a)〜(e)である。 押さえ部材を枠本体の受入溝に嵌め込む際に使用する嵌め込み器具を示す側面図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
本発明の刺繍用枠1は、一例として図1・2に示すように、刺繍用基布Cを全体的に弛みなく均一に張設する(いわゆる「ピンと張る」)ための枠本体10を主要部材として成るものであり、枠本体10に張設された刺繍用基布Cの内側(枠本体10の内側開口部)が刺繍を行う部位(領域)となる。
以下、枠本体10について説明する。枠本体10は、本実施例では平面から視て矩形環状を成すように形成され、縦枠11と横枠12とを二本ずつ組み合わせて成るものであり、この組み合わせ部を接続部10Jとする。もちろん枠本体10は、必ずしも矩形環状に形成される必要はなく、円環状や楕円環状等でも構わない。
なお、本実施例では、枠本体10の内側開口部を半分にした場合(横枠12を半分の長さにした場合)に、縦と横の辺の比が黄金比になるように形成されている。
ここで上記縦枠11と横枠12の「縦」と「横」についての区別であるが、これには明確な基準はなく、対向する一組の辺同士を「縦」とした場合、これにほぼ直交する他の辺同士が「横」となり、言わば便宜上の区別である。因みに、縦枠11を更に左右で区別したい場合には、図2(b)に示すように、(向かって)左側のものを左辺11L、右側のものを右辺11Rとする。また横枠12を更に上下で区別したい場合には、上側のものを上辺12U、下側のものを下辺12Dとして区別する。
なお、枠本体10(縦枠11及び横枠12)は一例として木製であり、これは刺繍を行う作業者が直接、刺繍用枠1(枠本体10)に触れるため、作業者が木のぬくもりや自然の優しさをより実感できるようにするためである。しかし、刺繍用枠1(枠本体10)の主たる機能は、刺繍用基布Cを弛みなく均一に張ることであるため、この点では枠本体10の素材として、金属や合成樹脂など他の素材も適用できるものである。
また本発明では、このような枠本体10に刺繍用基布Cを張設するにあたり、事前に枠本体10に対し、この枠に沿う受入溝20を巡回状(周回状)に形成しておき(特に本実施例では、刺繍を行う作業者の対向正面となる枠本体上面に形成)、ここに弾性を有する押さえ部材30を、刺繍用基布Cの端縁を噛み込むように嵌め込んで、刺繍用基布Cを枠本体10に張設(固定)するものである。ここで押さえ部材30としては、例えば網戸を張り替える際に用いられる押さえゴムが一般に用いられるものであり、このものは中央部に孔が開口された円形断面であり、断面中央部の孔はゴムの長手方向に連続して開口されている。またゴムの外周面長手方向には、小さい突起が幾筋も形成されているのが一般的である。
また受入溝20も、上述したように枠本体10に沿って一周、輪を描くように閉ループ状に形成されるが(この部分を巡回部20Sとする)、本実施例では縦枠11と横枠12との接続部10Jにおいて、受入溝20が二方向で枠外まで貫通するように(通じるように)形成される。ここで枠外に貫通するように(通じるように)形成された部位を枠外開放部20Pとする。すなわち本実施例では、上記図2(b)に示すように、縦枠11と横枠12との接続部10Jで、受入溝20がそのまま枠外まで至るように、言わば十字状を成すように形成されるものである。
なお、受入溝20についても、縦/横で区別したい場合には、枠と同様に、縦溝21/横溝22とする。また、受入溝20についても枠本体10と同様に、例えば縦溝21を更に左と右(左辺と右辺)に区別することができ、横溝22も更に上と下(上辺と下辺)に区別することができるが、特に符号などは付さないものである。
また本実施例では、枠本体10が矩形環状であり、受入溝20がこれに沿って巡回状に形成されることから、受入溝20も巡回部20Sの四隅、つまり接続部10Jで屈曲状に形成されるものである。また、この四隅(接続部10J)では、受入溝20が十字状に形成されるため、この十字状部分つまり縦溝21と横溝22との交差部分も屈曲状に形成されるものであり、このような屈曲部には、例えば上記図2(b)に示すように、上面部分にコーナRが形成されることが好ましい。これにより、屈曲部(屈曲状に形成される受入溝20)に押さえ部材30を曲げながら嵌め込む作業が極めて行い易くなり、また刺繍用基布Cを枠本体10に対し、より確実に且つ強固に張設することができるものである。
また、刺繍用枠1の上面側には、例えば上記図1に示すように、飾り縁50が被せられる(取り付けられる)ことがあり、これは枠本体10に刺繍用基布Cを張設した状態では、外部に押さえ部材30が露見するため、これを覆い隠すためである。なお、このような飾り縁50は、刺繍を終えた後の刺繍用基布C(作品)を、枠本体10に張設したまま展示する場合に特に適するものである(これについては後述する)。
ここで、上記図1では、飾り縁50が、枠本体10の上面及び外側面を覆い隠すように、断面L字状の枠部材として図示しているが、飾り縁50の主目的は、枠本体10に嵌め込まれた押さえ部材30を露見させないことであるため、飾り縁50は必ずしもこの断面形状に限定されるものではない。
また、枠本体10には、例えば上記図1に示すように、枠本体10に張設された刺繍用基布Cを適宜の高さや姿勢に維持するための支持脚40を設けることが好ましい(言わば刺繍用台としての形態)。これは(枠本体10に支持脚40を設け、刺繍用基布Cを適宜の高さや姿勢に維持するのは)、張設後の刺繍用基布Cの下方から光を採り込み、刺繍を行う際に刺繍用基布Cに刺す針の位置を見易くするためである(刺繍作業の向上)。もちろん、刺繍用基布Cの織目が粗い場合や素材自体が透過素材であれば、刺繍用基布Cを適宜の高さや姿勢に維持することで、より一層、刺繍の行い易さは向上するものである。
なお支持脚40の枠本体10への一般的な取り付け方としては、例えば図1の部分図に示すように、予め枠本体10の下面(ここでは四隅)に鬼目ナット40N(メネジブロック)を埋設しておくとともに、これに螺合する雄ネジ40Bを支持脚40の頭部に突設しておくものであり、装着するには支持脚40を回転させながら雄ネジ40Bを枠本体10の鬼目ナット40Nにねじ込むことで取り付け得るものである。
また、このような支持脚40も展示利用に寄与し得るため、以下これについて説明する。
例えば図14(e)に示すように、支持脚40の一部が部分的に小径となるように形成しておき(ここを小径部41とする)、この小径部41を展示室壁面に設けた断面L字状のアングル材などに引っ掛けて刺繍用枠1つまり刺繍を終えた刺繍用基布C(作品)を固定すれば、多数の作品があっても、全ての角度が容易に且つ一様に揃えられ、多数の作品展示が能率的に行えるものである。因みに、小径部41の形成にあたっては、支持脚40を部分的に切り欠く手法以外にも考えられ、例えば支持脚40に短寸の脚座部42を螺合により継ぎ足せるようにしておき、この支持脚40と短寸の脚座部42との間にクリアラスを設けることで、上記小径部41を確保することが可能である。
次に、刺繍用基布C(端縁)を押さえ部材30とともに受入溝20に嵌め込み、刺繍用基布Cを枠本体10に張設する態様について説明する。ここで上記図1では、枠本体10(受入溝20)が、四つの枠部材つまり左辺11L、右辺11R、上辺12U、下辺12Dで形成されており、各辺に一本ずつの押さえ部材30を嵌め込んでいるが(計四本の押さえ部材30を使用)、以下の説明では二本の押さえ部材30を使用して刺繍用基布Cを枠本体10に張設する態様について説明する。なお、この場合、一本の押さえ部材30の長さは、少なくとも「受入溝20(巡回部20S)の長さの半分」以上とするものである。
因みに、押さえ部材30を受入溝20に嵌め込むにあたっては、例えば図15に示すような嵌め込み器具Tを用いることが好ましく、これは通常の網戸張り替え用の器具であり、グリップの一方の先端部に回転自在のローラRを具えるとともに、もう一端部に押さえ部材30を受入溝20に強く押し込むためのヘラPを具えるものである。ここでヘラPは、押さえ部材30の嵌め込み開始端30Sや嵌め込み終了端30Eを受入溝20に深く押し込む場合や、受入溝20の屈曲部分で押さえ部材30を強固に(深く)溝内に押し込む場合等に用いるものである。
刺繍用基布Cを枠本体10に張設するには、まず刺繍用基布Cを枠本体10に被せるものである。この際、刺繍用基布Cを枠本体10の大きさに合わせ、例えば枠本体10の外形程度に予めカットしておけば、刺繍用基布Cの端縁を枠本体10に固定した後、刺繍用基布Cの縁をカットする必要がなく合理的である。しかしながら、刺繍用基布Cは、例えば押さえ部材30を受入溝20に嵌め込む際に一緒に溝内に引きずり込まれるため、この移動量(ズレ)が見込み難い場合などには、刺繍用基布Cを枠本体10の外形よりも一回り大きなサイズにしておいても構わない。もちろん、ここでの刺繍用基布Cのサイズ(一回り大きなサイズ)とは、押さえ部材30の受入溝20への嵌め込み作業が阻害されない程度の大きさにとどめるものである。
その後、上述した嵌め込み器具T(主にローラR)を使って押さえ部材30を受入溝20に嵌め込んで行くものである。ここで図3(a)に示す実施例では、下辺12D(横枠12)から押さえ部材30を嵌め込んで行くものであり、より詳細には、下辺12Dの左側から右側に押さえ部材30を嵌め込んでいる。
なお、押さえ部材30を受入溝20に嵌め込んで行く際には、上述したように刺繍用基布Cも受入溝20内に一緒に引きずり込まれて行くため、刺繍用基布C自体が多少移動する。このため、この嵌め込み作業においては、刺繍用基布Cを枠本体10にクリップ等で挟み付け、刺繍用基布Cの位置決め、特にここでは刺繍用基布Cの下側の端縁の位置決めを行いながら押さえ部材30を嵌め込んで行くことが好ましい。
このようにして下辺12D(横枠12)のみに押さえ部材30を嵌め込んだら、この状態で当該押さえ部材30の嵌め込み作業を一時中断する。このため、当該押さえ部材30は、後半部分が右辺11R(受入溝20)に収まる長さ分ほど余ることになる。
また、図3(a)では、下辺12Dに嵌め込む押さえ部材30の嵌め込み開始端30Sを、まず左辺11L下部の枠外開放部20Pに嵌め込み、この状態から押さえ部材30をほぼ90度曲げるようにして下辺12Dの受入溝20(左から右)に嵌め込んで行っており、これは下辺12Dに押さえ部材30を嵌め込む際に、押さえ部材30が受入溝20に沿って移動してしまうことを防止するためである。しかしながら、押さえ部材30の嵌め込み開始端30Sを、真っ直ぐに受入溝20に嵌めておいても、このような移動の心配がない場合には、押さえ部材30の嵌め込み開始端30Sは、図3(a)′に示すように、下辺12D左部の枠外開放部20Pに嵌めておいても構わない。因みに、この嵌め込み開始端30Sは、例えば押さえ部材30を下辺12Dの右端まで嵌め込み終わった段階で、本図3(a)′に矢印で示すように、左辺11L下部の枠外開放部20Pに嵌め替えることが好ましい。
次に、この状態で、一例として図4(a)に示すように、もう一本の別の押さえ部材30を上辺12U(横枠12)に嵌め込んで行くものであり、ここでは上辺12Uの右側から左側に押さえ部材30を嵌め込んでいる。なお、上辺12Uに押さえ部材30を嵌め込んで行く際には、既に下辺12Dに嵌め込んだ押さえ部材30が受入溝20から浮き上がってこない程度に、刺繍用基布Cを上辺12Uの外方側に引っ張って(テンションを掛けて)、押さえ部材30を嵌め込んで行くことが好ましい。
また、ここでも押さえ部材30の嵌め込み開始端30Sは、当初、上辺12U右部の枠外開放部20Pに真っ直ぐに嵌めておき、後で右辺11R上部の枠外開放部20Pに嵌め替えることが可能である。
このように本実施例では、下辺12Dに押さえ部材30を嵌め込んだら、これに対向する上辺12Uに押さえ部材30を嵌め込んで行くものであり、対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行くものである。これは押さえ部材30を受入溝20に嵌め込むに従い、刺繍用基布Cも受入溝20内に引きずり込まれ、刺繍用基布C上にテンションが作用するためである。すなわち、対向する辺同士を一対のペアとして、交互に押さえ部材30を嵌め込んで行く方が、刺繍用基布Cに掛かるテンションのバランスが採り易く、またその後に行う残余の対辺同士への嵌め込みも行い易くなり、結果として刺繍用基布Cを全体的に均等に張ることができるためである。もちろん、このような点から言えば、上辺12Uに押さえ部材30を嵌め込んでから、下辺12Dに押さえ部材30を嵌め込んで行くことも、対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行く形態となる。
また本実施例では、縦枠11よりも横枠12の方が長かったため、長辺である横枠12(下辺12D)から押さえ部材30を嵌め込んで行ったが、最初に左辺11Lに押さえ部材30を嵌め込んだ場合には、次に右辺11Rに押さえ部材30を嵌め込んで行くことが、対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行く形態となり好ましい。なお、対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行くことが望ましいのは、例えば図5(b)に示すように、押さえ部材30を四本用いて、各辺に一本ずつの押さえ部材30を嵌め込んで行く場合にも共通する思想である。
このようにして下辺12Dに対向する上辺12Uに押さえ部材30の前半部分を嵌め込んだら、今度は例えば図4(b)に示すように、この押さえ部材30の後半部分を、引き続き、左辺11Lに向かうコーナに押し込み(嵌め込み)、更にここから左辺11Lの下側(下辺12Dに嵌めた最初の押さえ部材30の嵌め込み開始端30S)に向かうように受入溝20に嵌め込んで行くものである。ここで、左辺11Lに嵌めた押さえ部材30の嵌め込み終了端30Eは、同図4(b)に示すように、左辺11Lの受入溝20(巡回部20S)からほぼ90度曲げて、下辺12D左部の枠外開放部20Pに押し込むことが好ましい。
その後、下辺12Dに前半部分のみを嵌めておいた押さえ部材30を、右辺11Rに嵌め込んで行く。具体的には、図4(b)から図5(a)に示すように、まず押さえ部材30における、下辺12D右部の枠外開放部20Pに嵌めていた部位のみを、一旦ここから外し、右辺11Rに向かうコーナに嵌め替え、続いてここから右辺11Rの上側(上辺12Uに嵌めた二本目の押さえ部材30の嵌め込み開始端30S)に向かうように受入溝20に嵌め込んで行くものである。
なお、ここでも当該押さえ部材30の嵌め込み終了端30Eは、図5(a)に示すように、右辺11Rの受入溝20(巡回部20S)からほぼ90度曲げて、上辺12U右部の枠外開放部20Pに嵌め込むことが好ましい。
このように、本実施例では、押さえ部材30の嵌め込み開始端30S及び終了端30Eとを90度曲げて枠外開放部20Pに嵌め込むものであり、これにより刺繍用基布Cの全外周縁を強固に固定でき、且つ刺繍用基布Cを均一に張設することができるものである。また、このために強固な張設力が継続し、刺繍作業中等に刺繍用基布Cが弛むこともほとんどないものである。
このようにして、刺繍用基布Cの外周端縁を枠本体10に固定したら、枠本体10(枠外開放部20P)から外に飛び出た押さえ部材30(余剰部分)をカッターなどで切断する。この際、押さえ部材30は、受入溝20(枠外開放部20P)に嵌め込まれた部分が、この溝によって半円筒状に強固に保持された状態となっている(断面としては約半周程度の保持)。このため枠からはみ出た余剰部分の切断においては、例えばカッターの刃を枠本体10の端面に沿って移動させるのみで、押さえ部材30を枠本体10の端面に合わせて綺麗に切断でき、その後に取り付け得る飾り縁50もスムーズに嵌めることができるものである。
なお、刺繍用基布Cが枠本体10の外形よりも一回り大きい場合には、この段階で刺繍用基布Cを枠本体10の外形に合わせてカットすることができる。もちろん、上述したように、当初の段階で刺繍用基布Cが、枠本体10の外形程度にカットされていれば、この段階でのカットは省略することができる。
以上述べた態様が、二本の押さえ部材30を枠本体10に嵌め込んで行く好ましい態様であるが、押さえ部材30の数は、上述したように辺の数と同数でも構わない。具体的には、例えば図5(b)に示すように、押さえ部材30を四本とし、各辺に一本ずつの押さえ部材30を嵌め込んで行くことが可能である。ただし、このような場合であっても、上述したように対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行くことが望ましく、同図5(b)中に記載した「1st」〜「4th」は、このような押さえ部材30の好ましい嵌め込み順序の一例を示したものである。
なお、押さえ部材30の嵌め込み開始端30S及び終了端30Eは、必ずしも全ての端部を90度折り曲げて枠外開放部20Pに収める必要はなく、押さえ部材30を受入溝20に対しほぼ真っ直ぐに嵌め込んでも刺繍用基布Cが強固に張設でき、またその強さが維持できる場合には、同図5(b)の部分図に併せ示すように、押さえ部材30のいずれか一方の端部を90度曲げないようにすることも可能であるし、押さえ部材30の全ての端部を受入溝20に対しほぼ真っ直ぐに嵌め込むことも可能である。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、先に述べた基本の実施例では、枠本体10の四隅が枠の外側に突出するものではなかったが、例えば図6に示すように、枠本体10の四隅が枠外まで突出し、井桁状に形成されても構わないものである。
また、基本の実施例では、枠本体10に形成される受入溝20は、縦枠11と横枠12との接続部10Jにおいて枠外開放部20Pを有する形状、つまり接続部10Jで枠外まで到達するように形成されたが、例えば図7に示すように接続部10Jで枠外まで貫通しないように、言わば通常の網戸の溝のように巡回部20Sのみで受入溝20を形成することも可能である。
また、受入溝20は、例えば図7の部分図に示すように、縦溝21または横溝22のうちいずれか一方を接続部10Jにおいて枠外まで貫通させることも可能である(図7の部分図では右辺11Rに形成される縦溝21のみ枠外まで貫通させ、当該部位を枠外開放部20Pとしている)。因みに、このような受入溝20の形成態様は、図5(b)の部分図に示した押さえ部材30の嵌め込み方(収め方)に適する態様となる。
また、上述した基本の実施例では、枠本体10の平面視形状として主に矩形環状のものを示したが、枠本体10としては上述したように円環状や楕円環状等の平面視形状も考えられ、この場合にも、受入溝20は枠外まで貫通させること、つまり枠外開放部20Pを形成することが可能である。具体的には、例えば図8(a)に示すように、枠本体10が円環状の場合、枠本体10や受入溝20を長さ方向に等分し(ここでは四等分)、その一つひとつを辺(枠を構成するパート)と考えて、その接続部10Jを枠外二方向に貫通させ得るものである。
これを踏まえると受入溝20は、複数のパート(直線状または曲線状の辺)から成ると捉えることができ、これら各パートを周回状もしくは循環状に接続することにより、枠本体10に沿う巡回部20Sを構成するものと言え、また受入溝20は、各パートの接続部10Jにおいて受入溝20(巡回部20S)を枠外二方向に貫通させるように形成すると言える。これにより(受入溝20を接続部10Jで枠外二方向に貫通させることにより)、押さえ部材30を複数本(例えば辺の数と同数)に分けて刺繍用基布Cを張設し易く、また押さえ部材30の嵌め込み開始端30S及び終了端30Eを巡回部20Sから屈曲状に曲げて枠外開放部20Pに固定することができ、刺繍用基布Cを枠本体10に対し強固に且つ均一に張設することができるものである。更に、このような形態であれば、枠本体10から飛び出た押さえ部材30を切断するにあたっても、枠本体10の端部や外形を切断時のガイドとしてカッターの刃を移動させればよく、枠本体10の外形に沿った綺麗な切断が行え、その後に取り付け得る飾り縁50もスムーズに嵌めることができるものである。
なお、図8(b)に示すものは、円環状の枠本体10に対し、二本の押さえ部材30で刺繍用基布Cを張設した例であり、図8(c)に示すものは、パート(辺)の数と同数の四本の押さえ部材30で刺繍用基布Cを張設した一例である。因みに、本図8(c)中の「1st」〜「4th」という記載も、このような押さえ部材30の好ましい嵌め込み順序の一例を示したものである。
また、対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材30を嵌め込んで行くには(このような嵌め方を厳密に行うには)、辺(パート)の数は偶数が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、辺(パート)の数は奇数でも構わない。すなわち、例えば円環状の枠本体10(受入溝20の巡回部20S)を幾つかのパートに区分するには、120度ずつ三等分するよりは、90度ずつ四等分した方が、刺繍用基布Cを均一に張設する上でも、その作業性の観点からも望ましい。しかしながら、辺の分割数や枠本体10のサイズ等によっては、枠本体10を72度ずつ五等分しても、あるいは40度ずつ九等分しても良く、このような場合には、必ずしも180度対向した辺同士を一対のペアと考えるのではなく、ほぼ反対側に位置する辺を対向位置と捉え、これらの辺に押さえ部材30を交互に嵌め込んで行けば良いものである(本明細書ではこのような嵌め込み方も「(ほぼ)対向する辺同士を一対のペアとして交互に押さえ部材を嵌め込んで行く」手法に包含されるものである)。具体的には、例えば図9に示すように、枠本体10が正九角形の環状である場合、まず本図中の「1st」の辺(パート)に押さえ部材30を嵌め込み、次いで「1st」のほぼ対向位置となる「2nd」の辺に押さえ部材30を嵌め込んで行き、次いで「3rd」の辺に押さえ部材30を嵌め込んで行くものであり、その後はこのような嵌め込み方を「4th」、「5th」、「6th」、「7th」、「8th」、「9th」と繰り返して行くものである。
また刺繍用基布Cを枠本体10に被せ、最初に押さえ部材30を受入溝20に嵌め込んで行く際には、上述したように、刺繍用基布Cも多少受入溝20内に引きずり込まれて行くため、最初に被せた位置から幾らか移動してしまうものであり、これが張設後に刺繍用基布Cの織目位置のズレとなって生じ得るものである。このため枠本体10には、例えば図10に示すように、凸状の仮押さえ部15を形成しておくことが好ましく、このような仮押さえ部15に刺繍用基布Cの端縁を巻き付けるようにした後、クリップCL等で挟み付けてから、受入溝20に押さえ部材30を嵌め込んで行けば、上記のようなズレが防止できるものである。
なお、このような仮押さえ部15は、必ずしも枠本体10の全周に形成する必要はなく、例えば最初に押さえ部材30を嵌め込んで行く辺(パート)に形成するだけでも構わない。
また上述した基本の実施例では、主に枠本体10の上面(刺繍作業中は作業者の対向正面となり、展示の際には観賞者の対向正面となる面)に受入溝20を形成する例を示したが、受入溝20は、必ずしも枠本体10の上面に形成される必要はなく、例えば図11に示すように、枠本体10の外側面部分に巡回状に形成することも可能である。
また上述した基本の実施例では、枠本体10(刺繍用枠1)の大きさの相違(サイズ違い)について特に言及していないが、複数の刺繍作業を並行して行いたい場合などは想定され得ることであり、そのような場合には複数の枠本体10に個々に刺繍用基布Cを張設する必要がある。このような場合、例えば図12に示すように、大小異なるサイズの枠本体10を入れ子状になるように形成しておけば、例えば作業途中(刺繍途中)の枠本体10を保管して置く際、大きなサイズの枠本体10の内側に小さなサイズの枠本体10を収容することができコンパクトに収納できるものである。なお、本図12では、大小二つの枠本体10は、いずれも同じ形状・構成のものを示したが、例えば大きなサイズの枠本体10のみ図6で示した井桁状に形成したり、小さなサイズの枠本体10のみ図11で示したように受入溝20を枠本体10の外側面部分に形成する等のバリエーション展開は種々考えられる。
また受入溝20は、通常、断面視での大きさ(押さえ部材30を受け入れるサイズ)を、一周全て均一にするのが一般的であるが(例えば網戸の溝など)、本発明ではこの溝サイズを部分的に変更することが可能であり、例えば押さえ部材30の嵌め込みを開始する部分のみ溝サイズを大きく形成しておくと、作業開始が極めて容易となる。すなわち(このようなことを考慮するのは)、刺繍は女性が行うことが多く、従って刺繍用基布Cを張設する作業つまり押さえ部材30を嵌める作業も必然的に女性が行うことが多く、このため当該作業をより一層容易に行うためには、極力、作業開始がやり易く、作業自体も極めて簡単であることが望まれるためである。
また、このようなことから、例えば二本の押さえ部材30を用いて刺繍用基布Cを枠本体10に固定する際、嵌め込み開始端30Sを各辺(各パート)の中央部に位置させたい場合、つまり押さえ部材30を各辺の中央部から嵌め込み始める場合等には、各辺の中央部分の溝サイズを他の部位(各辺の両端付近や接続部10J)に比べて多少大きめに形成しておくことが好ましい。
また上述した基本の実施例では、基本的に刺繍用基布Cの全外周縁(四辺)を枠本体10に固定するように説明したが、刺繍用基布Cの張設にあたっては、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、例えば刺繍用基布Cの全外周縁(四辺)を枠本体10に固定すると、刺繍可能領域が小さくなり過ぎてしまう場合等には、全四辺のうちの三辺のみ、あるいは対向する二辺のみを枠本体10に固定して刺繍を行うことも可能である。もちろん、刺繍可能領域を広げるという点では、当初は刺繍用基布Cの全外周縁(四辺)を枠本体10に固定しておき、必要なときだけ該当部分(辺)の固定を解除して(つまり押さえ部材30を取り外して)、拡張した領域に刺繍を行うことも可能である。因みに、このような場合(受入溝20に嵌め込んでおいた押さえ部材30を部分的に取り外して、溝内に入り込んでいた刺繍用基布Cを受入溝20から取り出して刺繍を行う場合)には、例えば各辺に一本ずつの押さえ部材30を嵌め込んで刺繍用基布Cを張設するなど、押さえ部材30を複数本に分けておき、部分的な固定解除を容易にすることが好ましい。
なお、刺繍用基布Cの全外周縁を固定しなくても刺繍が行える(刺繍用基布Cの四辺のうち最低二辺を固定すればよい)という点では、もともと枠本体10の内側開口部よりも小さいサイズの刺繍用基布Cを用いることも可能である。
また、上述した基本の実施例では、枠外開放部20Pについては、枠本体10に沿って形成される受入溝20(巡回部20S)を接続部10Jでそのまま枠外まで到達させ(例えば枠外二方向に貫通させ)、これを枠外開放部20Pとする形態を主として説明した。この場合、当然ながら枠外開放部20Pは、巡回部20Sと同じ形状(溝状)に形成される。しかしながら、枠外開放部20Pは、必ずしも巡回部20Sと同じ溝状に形成する必要はなく、例えば図13(a)に示すように、巡回部20Sのコーナ部(特に本図では左辺11L及び右辺11Rの上下両端)を切り欠いて平滑状に形成し、この平滑面を枠外開放部20Pとすることも可能である。因みに、ここでは本図(b)の斜視図に示すように、巡回部20Sの底部(溝底)とほぼ同じ深さ(高さ)で枠本体10を平滑状に切り欠いて枠外開放部20Pを形成している。
なお、巡回部20Sのコーナ部に、このような平滑状の枠外開放部20Pを形成するのは、当該枠外開放部20Pが存在しない受入溝20の場合(巡回部20Sのみで受入溝20を構成した場合)には、巡回部20Sのコーナ部に押さえ部材30を嵌め込む作業が、押さえ部材30を曲げながら(変形させながら)溝内に深く押し込む作業となるため、比較的強い力が必要であり、特に女性が当該作業を行うにはやりづらいためである。
因みに、巡回部20Sのコーナ部に、このような偏平状の枠外開放部20Pを形成する形態は、押さえ部材30が当該コーナ部で途切れずに、一続きとなって回り込むような収まりが好ましいので、押さえ部材30の嵌め込み開始端30S及び終了端30Eがコーナ部に位置する場合には、該コーナ部に必ずしも枠外開放部20Pを形成する必要はない(必ずしも全てのコーナ部に偏平状の枠外開放部20Pを形成する必要はない)。
また、偏平状の枠外開放部20Pがコーナ部での押さえ部材30の収まり(嵌め込み易さ)を意図したものであることを考慮すれば、受入溝20(巡回部20S)のコーナ部に形成する枠外開放部20Pは、例えば本図(c)の斜視図に示すように、上辺12U及び下辺12Dの左右両端を切り欠いて平滑状に形成しても構わないし、本図(b)・(c)の切欠き面を双方合わせて、より大きな平滑面(枠外開放部20P)とすることも可能である。
また上述した基本の実施例では、枠本体10に四本の支持脚40を設け、枠本体10をある一定の高さでほぼ水平に維持する、言わばテーブルや台としての形態を図示したが、支持脚40の数は必ずしも四本に限定されるものではなく、例えば図14(a)に示すように、横枠12の上辺12Uに二本の支持脚40を設けるとともに、もう一方の下辺12D中央部に支持脚40を一本設けることも可能である。これも言わば枠本体10をテーブル状とする形態ではあるが、この場合例えば作業者は、刺繍作業中、下辺12Dに設けた一本の支持脚40の両脇に脚部を位置させることができ、作業者としては楽な姿勢で、なお且つ枠本体10(刺繍用枠1)を安定させた状態で作業が行えるものである。
また図14(b)に示す枠本体10は、上辺12Uに二本の支持脚40を設けただけの実施例であり、通常の状態では、刺繍用基布Cの張設面が傾斜状態に設定される。ただし、この枠本体10は、張設された刺繍用基布C(被刺繍面)が、刺繍を行う作業者の対向正面に、より近づくため、作業者にとっては被刺繍面(刺繍領域)が見易く、作業性が向上するものである。また、本図14(b)に示す枠本体10(上辺12Uに二本の支持脚40を設けただけの形態)は、例えば図14(e)に示すように、枠本体10を展示に利用する際にも観賞者の対向正面に、より近づくため、観賞し易いものとなる。
また図14(c)に示す枠本体10は、上辺12Uに支持脚40を一本だけ設けた実施例であり、枠本体10の自立安定性としては低いかも知れないが、基本的には図14(b)と同様の作用・効果を狙ったものである。因みに、本実施例では、例えば作業者が枠本体10の下辺12D側を自らの脚部などに載せて刺繍作業を行うことができるものである。
更に、上述した基本の実施例や上記図14(a)〜(c)に示す支持脚40は、いずれも枠本体10とは別体で形成され、必要に応じて枠本体10にネジ止め(螺合)等によって装着する形態となるが、例えば図14(d)に示すように、支持脚40は枠本体10に対して回動自在に取り付けておくことも可能であり(いわゆる折り畳み式)、枠本体10を適宜の高さや角度で保持したい場合に、支持脚40を折り畳み状態から展開させて用いるものである。なお、このような折り畳み式の支持脚40としては、必ずしも矩形板状の左右一体式のものである必要はなく、例えば本図中に二点鎖線で示すように、左右別々の支持脚40として形成しても良いし、これらを部分的に連結しても構わない。
また図14(e)に示す実施例は、上述したように、このような支持脚40を展示に利用した場合を図示したものであり、例えば支持脚40の一部に形成した小径部41を展示室壁面に固定した断面L字状のアングル材などに引っ掛けて、刺繍を終えた刺繍用基布C(作品)を設置する(飾る)ものであり、これにより多くの作品の角度を容易に且つ一様に揃えることができ、多数の作品展示が極めて容易に行えるものである。
1 刺繍用枠
10 枠本体
20 受入溝
30 押さえ部材
40 支持脚
50 飾り縁

10 枠本体
10J 接続部
11 縦枠
11L 左辺
11R 右辺
12 横枠
12U 上辺
12D 下辺
15 仮押さえ部

20 受入溝
20S 巡回部
20P 枠外開放部
21 縦溝
22 横溝

30 押さえ部材
30S 嵌め込み開始端
30E 嵌め込み終了端

40 支持脚
40B 雄ネジ
40N 鬼目ナット
41 小径部
42 脚座部

C 刺繍用基布
CL クリップ
T 嵌め込み器具
R ローラ
P ヘラ

Claims (7)

  1. 刺繍用基布を張設するための枠本体を主要部材として成る刺繍用枠において、
    前記枠本体には断面凹状の受入溝が、枠本体に沿って巡回状に形成されて成り、
    刺繍用基布を枠本体に張設するにあたっては、枠本体に刺繍用基布を被せた後、受入溝に弾性を有する押さえ部材を刺繍用基布とともに嵌め込むことによって、刺繍用基布を枠本体に張設するようにしたことを特徴とする刺繍用枠。
  2. 前記受入溝は、枠本体の上面に形成されることを特徴とする請求項1記載の刺繍用枠。
  3. 前記枠本体に形成される受入溝は、複数のパートを周回状もしくは循環状に接続して成るものであり、各パートの接続部において、受入溝が枠外へと貫通するように形成されることを特徴とする請求項1または2記載の刺繍用枠。
  4. 前記押さえ部材を受入溝に嵌め込むにあたっては、ほぼ対向するパート同士を一対のペアとして交互に嵌め込んで行くことを特徴とする請求項3記載の刺繍用枠。
  5. 前記受入溝が屈曲部を有する場合には、この屈曲部の上面部分にコーナRが形成されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の刺繍用枠。
  6. 前記枠本体には、刺繍用基布を張設したのち外部に露見する押さえ部材を覆い隠す飾り縁が被せられることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の刺繍用枠。
  7. 前記枠本体には、枠本体に張設された刺繍用基布を適宜の高さや姿勢に維持する支持脚が設けられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の刺繍用枠。
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