JP2013229483A - リアクトル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広の集合導線をエッジワイズに巻回したコイルを有するリアクトルにおいて放熱特性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】本明細書で開示するリアクトル10は、巻回軸Ra−Rbの径方向(X方向、Z方向)に幅広の線材をエッジワイズに巻いたコイル20を備えている。コイル20の線材は、導線23a、23b、23c、23d、23e、23fを並列に並べた全体が幅広の集合導線21で構成されており、集合導線21の途中に、コイル内側に位置した導線23aがコイル外側に移るとともにコイル外側に位置した導線23fがコイル内側に移るように集合導線23全体が180度捻られている反転部21rを備える。反転部21rの前後で、集合導線21を構成する導線23aなどの各位置がそれぞれ内外で入れ替わり、集合導線21の放熱が促進されて放熱特性が向上する。
【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、リアクトル及びその製造方法に関する。特に、幅広の線材をエッジワイズに巻いたコイルを備えたリアクトル及びその製造方法に関する。本明細書における「リアクトル」は、インダクタとも称される。
平角線を、幅広の面が常にコイル端面を向くように巻回することをエッジワイズ巻きと呼ぶ。エッジワイズ巻きしたコイルは、巻線の抵抗値が低くなることや、周波数特性が向上するなどの利点がある。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車では走行用モータの消費電力が数十キロワットと大きく、モータの駆動系回路は大電流を扱うため、モータの駆動系回路にはエッジワイズ巻きのコイルを有するリアクトルを使用することが多い。エッジワイズ巻きしたコイルを有するリアクトルの例が特許文献1や特許文献2に開示されている。
特開2011−243663号公報 実開昭60−30522号公報
特許文献1には、1本の平角線をエッジワイズ巻きにしたコイルを備えたリアクトルが開示されている。エッジワイズ巻きしたコイルは上記した利点があるが、その半面、平角線に渦電流が発生し、渦電流損失による発熱が生じ易い。特許文献2には、1本の平角線ではなく、複数の導線を並列に並べて全体を幅広にした集合導線をエッジワイズ巻きしたリアクトルが開示されている。この技術によると、複数の導線に流れる電流の不平衡が低減される。しかしながら、集合導線を用いると、導線間の熱伝導率が平角線の幅方向の熱伝導率よりも低いため、コイル内側に位置する導線の熱が散逸し難く、温度が不均一になってしまう。本明細書は、集合導線をエッジワイズに巻回したコイルを有するリアクトルにおいて放熱特性を向上させる技術を提供する。
本明細書が開示するリアクトルは、複数の導線を並列に並べて全体を幅広とした集合導線をエッジワイズ巻きしたコイルを備える。そのコイルは、集合導線の途中に、コイル内側に位置した導線がコイル外側に移るとともにコイル外側に位置した導線がコイル内側に移るように集合導線全体が180度捻られている反転部を備える。
集合導線は、反転部により、コイル内側に位置した導線がコイル外側に移るとともにコイル外側に位置した導線がコイル内側に移るように集合導線全体が180度捻られている。即ち、集合導線は、反転部の前後で、コイル径方向の最内側で最も外気に触れ難く放熱され難い位置に存在する導線がコイル径方向の最外側に反転し、最も外気に触れて冷却され易い位置に存在する導線が最内側に反転して、両導線の位置が入れ替わる。同様に、コイルの最内側からエッジワイズの幅方向中央に向かって順に位置する各導線は、それぞれコイル最外側からエッジワイズの幅方向中央に向かって反転して位置が入れ替わる。これにより、放熱し難い位置の導線が外気で冷却され易い位置に移動するので、集合導線の放熱が促進される。
上記のリアクトルでは、反転部を、コイルを巻回軸方向に沿って見たときに反転部以外におけるコイルの外縁よりも外側に突出して設けてもよい。これにより、外部に突出した反転部はその全体で集合導線の熱を放熱する。
また、コイルは、四隅に湾曲部を有する丸角の矩形状に巻回されているとともに、反転部を境界に、反転部の一方側に位置する第1サブコイルと他方側に位置する第2サブコイルとが巻回軸の方向に隣接して構成されており、反転部は、第1サブコイルの湾曲部から第2サブコイルの湾曲部に向かって延びており、コイルを巻回軸方向に沿って見たときの反転部の曲率半径が湾曲部の曲率半径よりも大きくなるように構成してもよい。これにより、反転部の両端は湾曲部により湾曲しているため、並列に並んで集合している複数の導線の整列を乱れ難くするとともに、反転部を比較的小さなループで曲げられる。
コイルはコアに巻回されることもある。その場合、コアは、一つでもよいし、コイル巻回軸方向に分割されており分割されたサブコア同士がギャップを有して配置されたコアであってもよい。後者の場合、反転部は、コアに形成されるギャップに向かい合う位置に設けるのがよい。コアにギャップが形成されるリアクトルでは、一般に、そのギャップの近傍で発熱し易い。そのため、反転部をギャップに向かい合う位置に設けることで、冷却効率が高まる。分割された複数のサブコアは、例えば樹脂でモールドされ、全体として一つのコアを構成する。
また、本明細書が開示するリアクトルの好適な改良では、反転部を、反転部以外におけるコイルの外縁よりも外側に突出するループ状に形成し、そのループ内に冷却用パイプを配置してもよい。ループ内の空間に冷却用パイプを配置することで、集合導線の各導線をほぼ均一に冷却することができる。冷却用パイプは、内部を冷媒が流れる単純なパイプでであってもよいし、ヒートパイプであってもよい。
本明細書は、上記したリアクトルに適した製造方法も提供する。その製造方法は、複数の導線を並列に並べて全体を幅広にした1本の集合導線をエッジワイズ巻きにした連続する2つのコイルであって一方のコイルにおいてコイル内側に位置する導線が他方のコイルにおいてはコイル外側に位置するように巻かれた2つのコイルを形成する第1工程と、第1工程で形成された2つのコイルを、巻回の方向と軸を揃えるとともに、相互に繋がっている側のコイル端面同士が隣接する(向かい合う)ように配置する第2工程と、を備える。
第1工程で2つのコイルを形成した後、第2工程で、巻回の方向と軸を揃えるとともに、相互に繋がっている側のコイル端面同士が向かい合うように2つのコイルを配置する。即ち、2つのコイルを別々に巻回した後に、一方のコイルと他方のコイルとを捻るようにして両者を向かい合わせることで、2つのコイルを同一の軸で巻く場合に比べて、巻回時における荷重がコイル間の接続部分にかかり難い。
また、2つのコイルは、四隅に湾曲部を有する丸角の矩形状に巻回されており、2つのコイルを結ぶ集合導線のコイル間接続部分であって集合導線が180度捻れている反転部が、一方のコイルの湾曲部と他方のコイルの湾曲部を結ぶように延びており、コイル巻回軸方向に沿って見たときに、反転部が、湾曲部の曲率半径よりも大きい曲率半径で湾曲するようにしてもよい。これにより、反転部の両端は湾曲部により湾曲しているため、並列に並んで集合している複数の導線の整列を乱れ難くするとともに、反転部を比較的小さなループで曲げられる。
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
リアクトルの構成例を示す斜視図である。 リアクトルに発生する渦電流を模式的に示す説明図である。図2(A)は平角線に発生する渦電流を模式的に示しており、図2(B)は、集合導線に発生する渦電流を模式的に示している。 コイルの断面を模式的に示す説明図である。図3(A)は集合導線を使った従来のコイルの断面を模式的に示し、図3(B)は実施例のコイルの断面を示す。 リアクトルの反転部及び湾曲部を示す説明図である。図4(A)は反転部を模式的に示しており、図4(B)は湾曲部を模式的に示している。 リアクトルの製造工程Aを示す説明図である。 リアクトルの製造工程Bを示す説明図である。 リアクトルの製造工程Cを示す説明図である。 リアクトルの製造工程Dを示す説明図である。 変圧器の構成例を示す斜視図である。 変圧器の他の構成例を示す斜視図である。
図面を参照して実施例のリアクトルを説明する。図1にリアクトル10の模式的斜視図を示す。リアクトル10は、例えば、コア11とコイル20とから構成されており、電気自動車もしくはハイブリッド車のインバータや電圧コンバータに使用される。
コア11は、磁性材の粉体を焼結した磁性コアで、複数個に分割されており、全体として、例えば、角柱形状やロ字形状を成すように構成されている。本実施形態では、コア11は、巻回軸Ra−Rbの延びる方向に沿ってサブコア11a(分割コア11a)とサブコア11b(分割コア11b)に分割されている。図1には図示されていないが、コア11の周囲が樹脂部材で被われていることもある。図1では、コア11の一部分を図示して他の部分を省略しているため、コア11が角柱形状に見えることに留意されたい。
コイル20は、幅広帯状の集合導線21を巻回軸Ra−Rb方向(Y方向)に積み重ねるようにして、一端部(始端)21sから他端部(終端)21tに向けてコア11に巻き付けられるエッジワイズ巻線で、2つのサブコイル20a、20bと反転部21rにより構成されている。即ち、コイル20は、巻回軸Ra−Rbの径方向(X、Z方向)に幅広の線材をエッジワイズにコア11に巻いたものであり、反転部21rの前後のターンで、一端部21s側のサブコイル20aと他端部21t側のサブコイル20bとに分けて構成されている。コイルは、丸角の矩形状に巻かれている。丸角の矩形状とは、四隅が湾曲部21a、21b、21c、21d(以下、これらの符号は「21a−21d」と総称する)により丸くなり角のない長方形状又は正方形状のことである。なお、図1に示す座標系では、Y方向が巻回軸Ra−Rb方向、X方向及びZ方向が巻回軸Ra−Rbの径方向(コイルの径方向)に相当する。
一般的なエッジワイズ巻きでは、前記した特許文献1に開示されているように線材として平角線が用いられる。平角線は幅広であるためリアクトルの磁束線により発生する渦電流損もその分、大きくなる。図2(A)に、平角線101に発生する渦電流ECを模式的に示す。これに対して、図2(B)に示すように、平角線101をその幅方向に細かく分割したように、複数の導線23a、23b、23c、23d、23e、23f(以下、これらの符号は「23a−23f」と総称する)を並列に並べて全体が幅広の集合導線21を構成することで、それぞれの導線に発生する渦電流ECは小さくなる。分割数をnとすると、平角線101の場合に比べて渦電流損はほぼ1/(n)に減る。なお、それぞれの導線は絶縁材でコーティングされており、相互に導通はしておらず、複数の導線にわたって大きな渦電流が発生することはない。
そこで本実施形態では、コア11に巻き付ける線材(巻き線)として、複数の導線23a−23fを並列に並べて全体を幅広とした細線並列状の集合導線21を採用する。隣接する導線同士は接着剤(ロウ材含む)で接合されており、複数の導線23a−23fで構成されてはいるが、接合した後は1本の平角線のように扱うことができる。前述したように各導線は絶縁材でコーティングされており、接合してはいるが相互に絶縁されている。そのような集合導線21を採用することによって、平角線よりも渦電流損を低減している。ここでは、並列に並べる導線を6本に設定しているが、これは説明を容易にするための便宜的な数で、導線の本数は、渦電流損と抵抗損の関係により適宜設定される。
このように集合導線21を複数の導線23a−23fで構成することにより、平角線の場合に比べて渦電流損がほぼ1/(n)に減少することから、渦電流による発熱量は平角線よりも小さくなる。しかしその反面、集合導線21では、隣接する導線同士は絶縁コーティングを介して接しているため、集合導線21の幅方向に対する熱伝導率が平角線の場合に比べて低下する。例えば、巻回された集合導線21のうち、コア11に近い部分に位置する内側の導線(コイルの径方向の内側の導線)は、コア11から遠いコイル20の外縁で冷却器や外気に触れる外側の導線(コイルの径方向の外側の導線)に熱が伝わり難い。そのため、コア11に近い内側導線は、コア11から遠い外側導線よりも温度が上昇し易い。
具体例として、図3(A)を参照して説明する。図3(A)に、細線並列状の導線a−fにより構成される集合導線121をコア11に単純にエッジワイズに巻き付けた構成を採るリアクトル(従来例)の模式的な断面図を示す。この断面は、図1に示すXY平面で切断したものである。この図においては、夫々の導線を矩形枠で表現しており枠内のアルファベットが導線の各符号に対応する。
この図3(A)からわかるように、導線aは常にコイルの径方向の内側に位置し、導線fは常にコイルの径方向の外側に位置する。各導線のコイル径方向の位置は変わらない。そして、前述したように、集合導線121の幅方向の熱伝導率は通常の平角線と比較すると大きくはない。それゆえ、最もコア11に近い導線aの温度は高くなり、コイル径方向の外側にいくにつれて導線の温度は低くなる。これは、最も外側に位置する導線fは冷却器や外気に接触することができるので内側の導線よりも放熱し易いからである。
コア11が複数個に分割されて、サブコア11aとサブコア11bの間にギャップGが存在する場合には、ギャップGの位置でコイル径方向の内側が特に発熱し易い。そのため、図3(A)の例では、コイルの径方向の最も内側の導線aのうち、太線で囲まれた導線aの温度がさらに高くなる。このようにコア11に単に集合導線121をエッジワイズに巻き付けた構成では、渦電流損が減少しても、幅方向の熱伝導効率の低下によりコイル径方向の内側に熱が溜まり易い。なお、ギャップGは、エアギャップ(空隙)のほかに、セラミック製のギャップ板などが設けられてもよい。
そこで本実施形態では、図3(B)に示すような構成を採る。図3(B)にリアクトル10の模式的な断面図を示す。この図では、図3(A)と同様に、導線23a−23fを矩形枠で表現しており、枠内のアルファベットは導線の各符号の末尾記号に対応する。図3(B)の下から上に向かって集合導線21の途中で、サブコイル20aの内側(コイル径方向の内側)に位置した導線23aがサブコイル20bの外側(コイル径方向の外側)に移るとともにサブコイル20aの外側に位置した導線23fがサブコイル20bの内側に移るように、集合導線21の全体を180度捻った反転部21rをコイル20に備える。反転部21rは図1に図示されており、詳細は図4を参照して後述する。
この図3(B)から、反転部分(図3(B)に示す矢印Aの部分)を境界に、集合導線21は、サブコア11aに最も近く冷却器や外気に触れ難く放熱され難い位置に存在する導線23aがサブコア11bから最も遠い側に反転し、サブコア11aの最も遠い側で冷却器や外気に触れることができて冷却され易い位置に存在する導線23fがサブコア11bに最も近い側に反転して、導線23aと導線23fの位置が入れ替わる。同様に、サブコア11aに最も近い側からエッジワイズの幅方向中央に向かって順に位置する各導線23b、23cは、それぞれサブコア11bから最も遠い側からエッジワイズの幅方向中央に向かって反転して位置が入れ替わる。
これにより、反転部21rよりも一端部21s側で放熱し難い位置に存在している導線23a、23b、23cが、反転部21rよりも他端部21t側では冷却器や外気により冷却され易い位置に移動する。そのため、集合導線21の放熱が促進されるので、放熱特性が向上する。一方、反転部21rよりも一端部21s側では放熱し易い位置に存在している導線23f、23e、23dは、反転部21rよりも他端部21t側ではサブコア11bに近くて放熱器などにより冷却され難い位置に移動する。そのため、放熱が進み難くなるので、集合導線21全体として発熱の偏りが減少する。また、通過磁束の内外周差も相殺するので、コイル20の内外周を循環する余分な電流の発生も抑制する。
反転部21rは、図1に示すように、コイル20の巻回軸Ra−Rb方向のほぼ中央、つまりサブコイル20aとサブコイル20bとの間で、巻回軸方向に沿って見たときにコイル20の外縁よりも外側に突出するように設けられている。即ち、反転部21rの一端側はサブコイル20aの終端に、また反転部21rの他端側はサブコイル20bの始端に、それぞれ相当する。なお、図1では、サブコイル20aとサブコイル20bとの境界を明確にするため便宜的に両者間の境界線を他の実線よりも太く表現している。ここからは図4も参照して説明する。図4(A)に、反転部21rの外観を図示する。
図3(B)に示すように、サブコイル20aの終端である引出部21xと、サブコイル20bの始端である引込部21yは、いずれもコア11のギャップG部分に位置するため、この間に設けられる反転部21rもギャップGに向かい合って位置する。そして、反転部21rはコイル20の径方向外側に突出しており、反転部21r全体が外気に直接接触する。それゆえ、反転部21rとその周辺では良く放熱する。これにより、特に発熱し易いギャップGの近傍についての冷却効率が特に高められる。なお、引出部21x及び引込部21yの名称は、理解を容易にするための便宜上のものである。そのため、コイル20を、他端部21tから一端部21sに向けて巻く場合には、サブコイル20bの引込部21yが「引出部21x」になり、またサブコイル20aの引出部21xが「引込部21y」になる。
図4(A)に示すように、反転部21rは、集合導線21の表裏が反転するように集合導線21を180度捻って捻れ部21qを形成する。これにより、集合導線21を構成する導線23a−23fはその並び順が逆になるため、コア11に対して内側と外側が入れ替わる。本実施形態では、反転部21rよりも一端部21s側(引出部21xの側)では、コア11に最も近い側から導線23a→導線23b→導線23c→導線23d→導線23e→導線23fの順番に並んでおり、反転部21rよりも他端部21t側(引込部21yの側)では、コア11に最も近い側から導線23f→導線23e→導線23d→導線23c→導線23b→導線23aの順番に並ぶ。
このように反転部21rは、サブコイル20aの引出部21xからコイル20の外側に引き出されて捻れ部21qで180度捻られた後、コイル20の内側に向けてヘの字形状に曲げられてサブコイル20bの引込部21yに引き込まれる。ヘの字形状にゆるやかに屈曲する部分の曲率半径は、巻回軸Ra−Rbに沿って見たとき、集合導線21の四隅に位置する湾曲部21c、21dの曲率半径よりも大きくなるように設定されている。
具体的には、図4(B)に示すように、湾曲部21c、21dの曲率半径をRcとすると、捻れ部21qの曲率半径)Rtは、Rcよりも大きくなるように設定されている。これにより、引出部21x及び引込部21yにおいて並列に並んで集合している導線23a−23fの整列を乱れ難くするとともに、反転部21rを比較的小さなループで曲げることが可能となる。なお、図4(B)に示す一点鎖線は、コイル20が巻回される際に形成される、湾曲部21c及び湾曲部21dの屈曲開始位置と屈曲終了位置を示すもので、各ターンにおけるいずれの湾曲部21a−21dについても同様に設定された同じ位置と同じ区間で曲げられている。
また、図4(A)に示すように、湾曲部から反転部21rへ、そして次の湾曲部へ移行する部分では、集合導線21を構成する各導線23a−23fは、いずれも、湾曲部を約半分過ぎた位置から(即ち45度湾曲した位置から)コイル径方向の外側にまっすぐに延びており、さらに各導線は同じ距離だけ直進した位置から180度捻れつつ、ヘの字に反転し、次の湾曲部に向かう。次の湾曲部でも夫々の導線は、反転部がない場合の湾曲部の45度の位置で元の巻回に合流する。このように、各導線は、平行を維持したまま捻れつつ湾曲しており同じカーブを描くので、巻き線の整列が崩れ難い。
上記のリアクトル10は、図5A、図5B、図5C、及び図5Dに示す工程で製造される。図5A、図5B、図5C、及び図5Dは、それぞれ、製造工程A、B、C,及びDに対応する。また、製造工程AからCが第1工程の一例に対応し、製造工程Dが第2工程の一例に相当する。
図5A乃至図5Cに示すように、リアクトル10を巻回する巻線装置50は、主に、枠本体51と、この枠本体51を回転させる図略の回転駆動部と、集合導線21を供給する供給部55で構成されている。枠本体51は、直交する2本の回転軸J、Kの交点を中心にほぼ正方形状に形成される立方体形状をなしており、回転駆動部により回転可能に構成されている。本実施形態では回転軸Jを中心に反時計回りに回転する。
この枠本体51には、回転軸に対して径方向断面形状が丸角の矩形状に形成される2つの巻枠52、53が形成されている。この丸角の矩形状は、リアクトル10のコア11の断面形状よりも一回り大きなサイズであり、これらの巻枠52、53に巻回されたコイル20をコア11の周囲に位置させることが可能に設定されている。
図5Aに示すように、まず工程Aでは、回転軸Jを中心に枠本体51が所定のターン数回転して、供給部55から供給される集合導線21を巻枠52に巻き付けることで、サブコイル20aを巻回する。このとき供給部55から最初に送り出される集合導線21の一端部21sは、サブコイル20aの下側に位置する。
次の工程B(図5B参照)では、巻回されたサブコイル20aが、枠本体51から一旦、取り外された後、一端部21s側が上側に位置するように上下反転されて、枠本体51の側面に位置する巻枠53に取り付けられる。このときサブコイル20aから引き出された引出部21xは、枠本体51の角を乗り越えて巻枠52に巻き付け可能に引き回される。この枠本体51の角を乗り越える部位が、反転部21rの捻れ部21qに相当する。
続く工程C(図5C参照)では、巻枠52によりサブコイル20bが巻回される。枠本体51は、サブコイル20aを巻回した工程Aと同様に、回転軸Jを中心に所定のターン数回転して、供給部55から供給される集合導線21を巻枠52に巻き付ける。巻き終わりの最後に供給部55から送り出される集合導線21がコイル20の他端部21tとなる。
このように工程A、B、及びCを経て巻回されたコイル20は、枠本体51から取り外され、図5Dに示す工程Dに移る。工程Dでは、サブコイル20a、20bの巻回方向が同じ向きになり、かつ両巻回軸(J,K)が揃うように、これらを重ね合わせる。つまり、反転部21rを介して相互に繋がっている側のコイル端面同士が隣接するように(向かい合うように)、サブコイル20a、20bを配置する。これにより、コイル20が完成する。
本実施形態の製造工程では、工程A−工程Cでサブコイル20a、20bを巻回した後に、工程Dでサブコイル20aとサブコイル20bとを折り畳むようにして両者を向かい合わせるため、サブコイル20a、20bを同一の軸で巻く場合に比べて、巻回時における荷重がコイル間の接続部分に加わり難くなる。これにより、並列に並んだ導線23a−23fの整列状態が乱れたり、コイル20が断線したりする可能性を小さくしている。
次に、上述したリアクトル10を利用した変圧器の構成例を図6及び図7に基づいて説明する。図6には、変圧器の一の構成例(変圧器70a)を示す斜視図が示されている。また図7には、変圧器の他の構成例(変圧器70b)を示す斜視図が示されている。
図6に示すように、変圧器70aは、1次側のコイル120aと2次側のコイル120bを、ロ字形状に形成されるコア11にそれぞれ巻回した変圧器である。変圧器70aは、コイル120a、120bを冷却する冷却器5の上に設置される。1次側の入力端子はコイル120aの一端部21sと他端部21tであり、また2次側の出力端子はコイル120bの一端部21sと他端部21tである。なお、コイル120aの他端部21tとコイル120bの一端部21sとをバスバーなどで電気的に接続することで、図6に示すデバイスはリアクトルとして機能する。
コア11は、複数のサブコアによりロ字形状を構成している。例えば、直線状に2列に並べた角柱形状のサブコアをコ字形状のサブコアで両側から挟むように位置させることでロ字形状を構成する。これらサブコア同士の間にはギャップが形成されており、このギャップ付近に反転部21rが位置する。
このように変圧器70aを構成することにより、前述したリアクトル10と同様、変圧器70aは、コア11と、巻回軸Ra−Rbの径方向に幅広の線材をエッジワイズ巻きしたコイル120a、120bとを備える。コイル120a、120bは、導線23a−23fを並列に並べて全体を幅広とした集合導線21をエッジワイズに巻回した構成を有しており、集合導線21の途中に、コイル内側(径方向の内側)に位置した導線23aがコイル外側(径方向の外側)に移るとともにコイル外側に位置した導線23fがコイル内側に移るように集合導線23全体が180度捻られている反転部21rを備える。別言すれば、コイル120a、120bは、それぞれ、図1に示したコイル20のサブコイル20a、20b、及び、2個のサブコイルの連結部分であり集合導線21が180度捻られた反転部21rを備える。このような構成により、コイル120a、120bのいずれにおいても、反転部21rの前後で、集合導線21を構成する導線23a−23fの各位置がそれぞれ内外で入れ替わるので、放熱し難い位置の導線23a、23bなどが冷却器5で冷却され易い位置に移動して集合導線21の放熱が促進されて放熱特性が向上する。
変圧器70aの改良として、反転部21rのループにヒートパイプ30(冷却用パイプ)を通した構成も好適である。即ち、図7に示すように、反転部21rのループ内に、冷却媒体を通すヒートパイプ30を通す。このヒートパイプ30は、外周壁に電着塗装を施すことにより電気的な絶縁を確保している。これにより、冷却用に新たなスペースを設けることなく集合導線21の各導線23a−23fをほぼ均一に冷却することができ、さらに集合導線21の放熱が促進されて放熱特性が向上する。ループに冷却用パイプを通すことの利点として他に次の2点がある。一つは、空間(ループ内側空間)を有効利用して変圧器の大型化を避けることができる。他の一つは、反転部をギャップに向かい合う位置に設けた場合、反転部がより高温となるため、反転部の近傍に冷却用パイプを配置することで冷却効率が向上する。
実施例の技術に関する留意点を述べる。実施例のリアクトルでは集合導線は6本の導線を並列に並べて接合したものであった。集合導線を構成する導線の数は6に限られない。集合導線は他の数の導線を並列に並べて接合した構成を有していてもよい。
変圧器70a、70bもリアクトルのカテゴリに属する。リアクトル10や変圧器70a、70bでは、コイル20(120a、120b)を2つのサブコイル20a、20bで構成しその間に反転部21rを1つ設けたが、サブコイルを3つ以上に設定してそれぞれの間に反転部21rを設ける構成にしてもよい。
サブコア11a、11bで構成されるコア全体がコアの一例に相当する。サブコイル20aが第1サブコイルの一例に、またサブコイル20bが第2サブコイルの一例に相当する。導線23a−23fが複数の導線の一例に相当する。ヒートパイプ30がパイプの一例に相当する。図5A−図5Cに示す製造工程A−Cが第1工程の一例に相当し、図5Dに示す製造工程Dが第2工程の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
5:冷却器
10:リアクトル
11:コア
20、120a、120b:コイル
20a、20b:サブコイル
21、121:集合導線
21a−21d:湾曲部
21r:反転部
21x:引出部
21y:引込部
23a−23f:導線
30:ヒートパイプ(冷却用パイプ)
50:巻線装置
51:枠本体
52、53:巻枠
55:供給部
70a、70b:変圧器
G:ギャップ
J、K:回転軸
Ra−Rb:巻回軸

Claims (7)

  1. 複数の導線を並列に並べた全体が幅広の集合導線をエッジワイズ巻きしたコイルを備えており、
    前記コイルは、集合導線の途中に、コイル内側に位置した導線がコイル外側に移るとともにコイル外側に位置した導線がコイル内側に移るように集合導線全体が180度捻られている反転部を有することを特徴とするリアクトル。
  2. 反転部は、コイルを巻回軸方向に沿って見たときに反転部以外におけるコイルの外縁よりも外側に突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. コイルは、四隅に湾曲部を有する丸角の矩形状に巻回されているとともに、反転部を境界に、反転部の一方側に位置する第1サブコイルと他方側に位置する第2サブコイルとが巻回軸の方向に隣接して構成されており、
    反転部は、第1サブコイルの湾曲部から第2サブコイルの湾曲部に向かって延びており、コイルを巻回軸方向に沿って見たときの反転部の曲率半径が湾曲部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. コイルは、ギャップを有して配置されたコアに巻回されており、
    反転部は、コアに形成されるギャップに向かい合う位置に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のリアクトル。
  5. 反転部は、コイルを巻回軸方向に沿って見たときに反転部以外におけるコイルの外縁よりも外側に突出するループ状に形成され、
    冷却用パイプが反転部のループ内を通過していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のリアクトル。
  6. 複数の導線を並列に並べた全体が幅広の集合導線をエッジワイズ巻きにした2つのコイルであって一方のコイルにおいてコイル内側に位置する導線が他方のコイルにおいてはコイル外側に位置するように巻かれた2つのコイルを形成する第1工程と、
    第1工程で形成された2つのコイルを、巻回の方向と軸を揃えるとともに、相互に繋がっている側のコイル端面同士が隣接するように配置する第2工程と、
    を備えることを特徴とするリアクトルの製造方法。
  7. 2つのコイルは、四隅に湾曲部を有する丸角の矩形状に巻回されており、
    2つのコイルを結ぶ集合導線のコイル間接続部分であって集合導線が180度捻れている反転部が、一方のコイルの湾曲部と他方のコイルの湾曲部を結ぶように延びており、
    コイル巻回軸方向に沿って見たときに、反転部が、湾曲部の曲率半径よりも大きい曲率半径で湾曲していることを特徴とする請求項6に記載のリアクトルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016207749A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 株式会社豊田自動織機 コイル部品およびコイル部品の成形方法
JP2018182183A (ja) * 2017-04-19 2018-11-15 Fdk株式会社 リアクトル、リアクトル用ボビン

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