JP2013228912A - 車両監視装置、車両監視システム及び車両の監視方法 - Google Patents

車両監視装置、車両監視システム及び車両の監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際に異常が発生する前に、車両Vに損害が発生する状況を判断する。
【解決手段】車両Vに損害が発生する可能性のある状況下においてソナー1a〜1dの検出波から抽出される波形の特徴を判断基準Sとして設定し、設定された判断基準Sを参照して検出された検出波から抽出された波形の特徴に基づいて、車両Vに損害が発生する可能性があるか否かを判断する。判断基準は、一のソナー1a〜1dが取得する検出波に物体の検出を示すオン信号と物体の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴と、複数のソナー1a〜1dが取得するオン信号とオフ信号とが順番に含まれる第2の波形の特徴と、一のソナー1a〜1dが取得する検出波に所定時間以上継続するオン信号が含まれる第3の波形の特徴と、一のソナー1a〜1dがオン信号を取得した後に、所定時間以上経過してから隣のソナー1a〜1dがオン信号を取得する第4の波形の特徴とのうち、いずれか一つ以上を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に設置されたソナーを利用して、車両の周囲を監視する車両監視装置、車両監視システム及び車両の監視方法に関する。
この種の装置に関し、ドアの接触センサなどが検出した外部からの刺激を検出した場合には、カメラに周囲を撮像させ、その画像情報を外部の携帯電話等に転送する防犯装置が知られている(特許文献1)。
特開2006−107279号公報
しかしながら、従来の技術では、不法行為と判断されるような刺激が感知された後に撮像された画像が送信されるので、画像が送信されたときには既に不法行為が実行され、車両等に損害が生じてしまうという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、不法行為が実行される前に、車両に損害が生じる可能性のある状況を判断することである。
本発明は、予め定義された、車両に損害が発生する可能性のある状況下において検波センサの検出波から抽出される波形の特徴に基づく判断基準を参照し、実際に検出された検出波から抽出される特徴に基づいて、車両に損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、検出波から抽出された波形の特徴と、車両に損害が発生する可能性があるか否かを判断するために設定された判断基準における波形の特徴とに基づいて、車両の安否を判断するので、実際に違法行為がされる前に注意喚起又は警告を発することができる。この結果、車両に損害が生じることを防止することができる。
本発明に係る実施形態の監視装置を含む車両監視システムの構成図である。 ソナーの設置例を示す図である。 人間が車両Vの近傍を通過する状況を示す図である。 図3Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの近傍を通過する他の状況を示す図である。 図4Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの近傍を通過する、さらに他の状況を示す図である。 図5Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの周囲をうろつく状況の例を示す図である。 図6Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの周囲をうろつく状況の他の例を示す図である。 図7Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの周囲で立ち止まる状況の例を示す図である。 図8Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vの周囲で立ち止まる状況の他の例を示す図である。 図9Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vを物色する状況の例を示す図である。 図10Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 人間が車両Vを物色する状況の他の例を示す図である。 図11Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 第5の波形の特徴の一例を示す図である。 第6の波形の特徴の一例を示す図である。 他車両VXが車両Vの近傍を移動する状況の例を示す図である。 図13Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 他車両が車両Vの近傍を移動する状況の他の例を示す図である。 図14Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 車両間を人間が移動する状況を示す図である。 図15Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 車両Vの隣の他車両のドライバが、他車両の後部座席に荷物を置いて、他車両に乗り込み、他車両を発進させる状況を示す図である。 図16Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 図16Aに示す状況下においてソナーの検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。 本実施形態の監視装置の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る車両監視装置を、車両を監視するための車両監視システム1000に適用した場合を例にして説明する。なお、監視の対象は車両に限定されず、本発明に係る車両監視装置は二輪車、船、重機、フォークリフト等の移動体を監視することもできる。
図1は、本実施形態に係る監視装置100を含む車両監視システム1000のブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態の車両監視システム1000は、車両Vに設置された4つのソナー1a〜1dと(以下、ソナー1と総称することもある)、監視装置100と、車両コントローラ200と、通信装置400と、外部端末装置800と、を有する。監視装置100は、通信装置400を介して外部端末装置800と情報の授受を行うことができる。車両監視システム1000は、車両コントローラ200と情報の授受が可能なイグニッションスイッチ500と、出力装置300と、を備えることができる。これらの各装置はCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
また、本実施形態の車両監視システム1000において、監視装置100は、通信装置400を介して携帯電話、スマートフォンその他の外部端末装置800(コンピュータ)と相互に通信が可能である。また、外部端末装置800は、通信装置810を備え、監視装置100から通信装置810を介して取得した車両Vに損害が発生する可能性があるか否かの判断結果を含む監視情報を、ディスプレイ821やスピーカ822を含む出力装置820を用いてユーザに提示することができる。外部端末装置800を所持するユーザは、監視装置100から送出された車両Vの監視情報を、外部端末装置800を用いて視聴することができる。
図2は、本発明の実施形態において物体の存在及び近接に応じた検出波を取得する検波センサとして採用されるソナー1a〜1dを車両Vに取り付けた場合の配置例を示す図である。本実施形態におけるソナー1は、送信器により波を検出対象に対して発信し、その反射波を受信器で受信することにより物体の存在の有無、その位置、接近・離隔(移動)を非接触で検出することができるセンサである。本実施形態のソナー1は、検出媒体として、超音波などの音波、電磁波などの電波を用いることができ、検出空間内で生じた上記検出媒体の変化を抽出し、検出空間における検出対象の物理的状態を検出する。各センサにおいて用いられる検出媒体の変化の変換手法、検出対象による物理的変化の検出手法は出願時に知られているものを適宜に使用することができる。具体的に、本発明の検波センサとしては、ソナー1などの音波センサ及び/又は電波センサを用いることができる。
本実施形態では、超音波センサ、ソナー(SONAR:Sound navigation and ranging)などの音波センサ、及び/又はRFセンサ(radio frequency sensor)などの電波センサを、ソナー1として利用する。音波センサ2と電波センサ2とは、いずれか一方を選択的に用いることもできるし、両方のセンサを協働させて用いることもできる。
本実施形態のソナー1は、一つだけ設置してもよいし、複数個を車両Vに設置してもよい。複数のソナー1を設ける場合には、図2に示すように、ソナー1a〜1dが、車両Vの外部の異なる位置に各々設置され、車両Vの周囲の物体の存在並びに物体までの距離及び距離の変化を検出する。図2に示す、車両Vの前方右側の所定位置に設置されたソナー1aは、車両Vの前方右側のエリア1a´の空間に存在する物体の存在等を検出し、ソナー1bは、エリア1b´の空間に存在する物体の存在等を検出し、ソナー1cは、エリア1c´の空間に存在する物体の存在等を検出し、ソナー1dは、エリア1d´の空間に存在する物体の存在等を検出する。各ソナー1a〜1dは、それぞれのアドレス(配置)に応じた識別子が付されており、制御装置10は、各識別子に基づいて各ソナー1のそれぞれを識別することができる。ソナー1a〜1dは車両Vのボディの外周に沿って右回り(時計回り)にソナー1a、1b、1c、1dの順に配置されているので、制御装置10は、このソナー1の配置の順序(ソナー1a、1b、1c、1d)を考慮して、各ソナー1の検出波を分析することにより、物体の挙動、物体の移動方向や移動速度を観察することができる。
なお、本例では、車両Vの車室内とは反対側の方向を検出方向とするソナー1a〜1dの例を示す。ソナー1a〜1dは、ボディの外側へ出力波を出射し、物体に反射して戻る検出波を受信する。検出波を出力する検出方向は特に限定されず、車両Vの前方向又は後方向、左右方向、斜め前方向又は斜め後方向のいずれをも検出方向とすることができる。本実施形態のソナー1は、車両Vの進行方向に対して略直角の横方向に向けて出力波を出射し、車両Vの左右両脇に存在する物体の動きを捉える。なお、ソナー1の配置数及び配置位置は、車両Vの大きさ、形状、検出領域の設定手法等に応じて適宜に決定することができる。
また、同図に示すように、本実施形態に係る監視装置100の制御装置10は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する処理を実行させるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、監視装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えている。
本実施形態に係る監視装置100の制御装置10は、制御機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。以下、監視装置100の制御装置10が実現する判断基準設定機能、測距機能、判断機能、報知機能、通信機能について説明する。
まず、判断基準設定機能について説明する。
本実施形態の制御装置10は、監視動作の開始信号の入力に応じてソナー1a〜1dを起動させる。本実施形態の監視動作は、車両Vから乗員が離れる際に開始させることが好ましい。特に限定されないが、本実施形態では、イグニッションスイッチ500に入力されたエンジンのオフ信号、ポジショニングスイッチ(図示せず)に入力されたパーキングシフトへのオン信号、又は、監視装置100のスイッチ(図示せず)に入力された監視開始信号などを監視動作の開始信号とすることができる。
開始信号が入力されると、制御装置10は、ソナー1を起動させ、ソナー1が受信した検出波を制御装置10へ送出させる。
制御装置10は、ソナー1から検出波を取得すると、検出波の波形パターンの特徴を抽出し、波形パターンの特徴に基づいて、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する。
具体的に、本実施形態の制御装置10は、予め定義された判断基準Sに基づいて、上記判断を実行する。判断基準Sは、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するために設定された基準であり、想定される「車両Vに損害が発生する可能性のある状況」の下で、ソナー1その他の検波センサの検出波から抽出される波形の特徴に基づいて定義された基準である。判断基準Sは、制御装置10のROM12又はRAM13にアクセス可能な状態で記憶されており、車両監視時において参照される。
本実施形態の監視装置100では、単に「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」のではなく、(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vを物色する、といった人間(物体)の動きがあるときには、車両Vに損害が発生する可能性があると推測する。つまり、本実施形態の監視装置100は、「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する状況」では車両Vに損害が発生する可能性は低いと判断し、上記(1)〜(3)の動きがある場合を「車両Vに損害が発生する可能性がある状況」として、これらの状況に応じた判断基準Sを設定する。
本実施形態の監視装置100が動作する駐車場などにおいて、人間や車が車両Vの横を通過することは頻繁に生じる。本実施形態の監視装置10は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を、実際に異常が発生する前に判断することを目的とするが、物体が車両Vに接近したことを一々警告していたのでは、ユーザに煩わしさを感じさせるおそれがある。本実施形態の監視装置100は、「実際に異常は発生していないが、車両Vに損害が発生する蓋然性が高い」場面を具体的に想定し、その想定された各状況の下で検出される検出波の波形の特徴に基づく判断基準Sを定義することにより、精度の高い監視を行うことができる。
以下、図面に基づいて、判断基準Sの内容について説明する。まず、図3〜5に基づいて、単に、「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」状況及びこの状況下におけるソナー1の検出波から抽出される波形の特徴について説明し、続く図6〜11に基づいて、「車両Vに損害が発生する可能性がある状況」の例示として、上記(1)〜(3)の状況及びこの状況下におけるソナー1の検出波から抽出される波形の特徴について説明する。
図3Aは、単に、「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」状況を示し、図3Bは図3Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図3Aに示すように、人間Mが車両Vの右側のサイドドアの横を矢印q1方向へ立ち止まることなく歩き、単に車両Vの近傍を通過する状況では、図3Bに示すように、車両Vの右前方のソナー1aによりタイミングt1からt2において検出された検出波にオン信号1a´が含まれ、車両Vの後方右側ソナー1bによりタイミングt3からt4において検出された検出波にオン信号1b´が含まれる。なお、本願添付の検出波を示す図面において、各センサ1の基準軸zよりも図中下側方向に所定値以上の値を示す波形がオン信号である。先述したように、複数のソナー1a〜1dは、車両Vの外周に所定方向に沿って順番に配置されているため、各ソナー1は人間Mの動きに応じてオン信号を検出する。例えば、図3Aに示すように、人間Mが車両Vの近傍を通過する際には、図3Bに示すように、まず、ソナー1aの検出波にタイミングt1でオン信号が出現し、その後のタイミングt3でソナー1bの検出波にオン信号が出現する。もしも、人間Mが矢印q1とは反対方向へ歩く場合には、先に、ソナー1bの検出波にオン信号1b´が出現し、その後に、ソナー1aの検出波にオン信号1a´が出現する。
図3A,3Bに示すように、人間が立ち止まることなく、例えば4km/h程度で通り過ぎる場合には、ソナー1のオン信号の検出時間(例えばt1〜t2までの時間、又はt3〜t4までの時間)、ソナー1aのオン検出終了タイミングt2からソナー1bのオン検出開始タイミングt3までの時間(間隔)は例えば2秒程度の短い時間である。
図4Aは、単に、「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」他の状況の例を示し、図4Bは図4Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図4Aに示すように、人間Mが車両Vの周りを矢印q2方向に沿って立ち止まることなく歩き、車両Vの近傍を通過する状況では、図4Bに示すように、まず、タイミングt1において車両Vの前方右側のソナー1aの検出波にオン信号1a´が出現し、次のタイミングt2において車両Vの後方右側ソナー1bの検出波にオン信号1b´が出現し、さらに次のタイミングt3において車両Vの後方左側ソナー1cの検出波にオン信号1c´が出現し、最後にタイミングt4において車両Vの後方左側ソナー1dの検出波にオン信号1d´が出現する。
各ソナー1においてオン信号が検出される順番は、人間Mの動きに応じて決定される。図4Aに示すように人間Mが矢印q2に沿って車両Vの周りを周回する場合には、図4Bに示すように、、人間Mが図4Aに示す位置からソナー1a、ソナー1b、ソナー1c、ソナー1dの順序でオン信号が検出される。本例では、車両Vの周りを一周する例を示すが、車両Vの脇を矢印q2a又は矢印q2bに沿って通り抜ける場合も同様である。
図5Aは、単に、「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」さらに他の状況の例を示し、図5Bは図5Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図5Aに示すように、人間Mが車両Vの後ろを矢印q3方向に沿って立ち止まることなく歩き、単に車両Vの近傍を通過する状況では、図5Bに示すように、車両Vの後方右側のソナー1bと後方左側のソナー1cとにおいて検出された検出波にオン時間の短い(例えば、150ms〜500ms程度の瞬間的な)オン信号が検出される傾向がある。また、人間Mと車両Vとの距離などによっては、図5Bに示す例のように、オン信号が検出されると予測されるタイミングの破線B領域において、オン信号が検出されない場合もある。
単に「人間(物体)が車両Vの近傍を通過する」場合は、人間Mは車両Vに興味を示すことがなく、車両Vに損害が発生する可能性は低いと判断できる。これに対し、人間Mが(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色する、といった場合には、車両Vに損害が発生する可能性は高いと判断できる。本発明の本実施形態において、「車両Vに損害が生じる」とは、車両Vに傷がつけられる、車両Vに破損が生じる、車両Vが盗難される、車両Vの部品(タイヤなど)が盗難される、車両Vの車室内の物品(荷物、装置)が盗難される、などの状況を含む。このように「車両Vに損害が生じる」前には、「車両Vに損害が発生する可能性のある状況」が形成される。
以下、「車両Vに損害が発生する可能性のある状況」の例示として、上記(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色する、といった状況及び各状況下におけるソナー1の検出波から抽出される波形の特徴についてそれぞれ説明する。
図6Aは、「人間Mが車両Vの周囲をうろつく(1)状況」の一例を示し、図6Bは図6Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図6Aに示すように、人間Mは車両Vの近傍で立ち止まり、人間Mが矢印q6に沿って動く。図6Aは、ある範囲を行ったり来たりする、いわゆる「うろつき」が生じる状況を示す。この状況下においては、図6Bに示すように、基準線Z(1a)から下側へ所定値以上の出力値を示すオン信号と基準線Z(1a)を示すオフ信号とが所定時間内に複数回繰り返されている。
このように「うろつき」が行われる状況下において、一のソナー1aが取得する検出波からは、人間M(物体)の検出を示すオン信号と人間M(物体)の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴を抽出することができる。本実施形態では、一のソナー1aが取得する検出波に人間M(物体)の検出を示すオン信号と人間M(物体)の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴を「車両Vに損害が発生する可能性がある状況」であるか否かを判断するための判断基準Sとして定義する。さらに具体的に、オン信号とオフ信号とが所定時間内Tに所定回数N以上繰り返されるという第1の波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして定義することもできる。所定時間内T及び所定回数Nは、実験等により適宜に定義することができる。
同じく、図7Aは、「人間Mが車両Vの周囲をうろつく(1)」という状況の他の例を示し、図7Bは図7Aに示す状況下において複数のソナー1(1a、1b)の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図7Aに示すように、人間Mは車両Vの近傍で立ち止まり、人間Mが矢印q7に沿って動く。図7Aに示す「うろつき」の例は、図6Aに示す「うろつき」よりも人間Mの動き回る範囲が大きい点において異なる。この状況下においては、図7Bに示すように、基準線Z(1a)又はZ(1b)から下側へ所定値以上の出力値を示すオン信号と基準線Z(1a)又はz(1b)を示すオフ信号とが所定時間内に複数回繰り返されている。具体的には、タイミングt1〜t2においてソナー1aの検出波においてオン信号とオフ信号とが繰り返された後、タイミングt2〜t3においてソナー1bの検出波においてオン信号とオフ信号とが繰り返され、さらに、タイミングt3以降においてソナー1aの検出波においてオン信号とオフ信号とが検出されている。また、単に人間が車両Vの周囲を通過する場合には、図3B〜図5Bに示すように、隣り合うソナー1aとソナー1bとはほぼ回数のオン信号が検出されるが、「うろつき」が生じる状況では、隣り合うソナー1aとソナー1bとにおけるオン信号の検出回数の差が所定値以上となる傾向がある。このため、隣り合うソナー1aとソナー1bとにおけるオン信号の検出回数の差は所定値以上となることを、「うろつき」が生じる状況の判断基準Sとすることができる。
このように相対的に広い範囲で「うろつき」が行われる状況下において、複数のソナー1が取得する検出波からは、人間M(物体)の検出を示すオン信号と人間M(物体)の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴を抽出することができる。本実施形態では、複数の異なるソナー1a〜1dが取得する検出波に人間M(物体)の検出を示すオン信号と人間M(物体)の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第2の波形の特徴を「車両Vに損害が発生する可能性がある状況」であるか否かを判断するための判断基準Sとして定義する。さらに具体的に、複数のソナー1の検出波においてオン信号とオフ信号とが所定時間内Tに所定回数N以上繰り返されるという第2の波形の特徴、一のソナー1の検出波においてオン信号とオフ信号とが検出された後に、他の一つ以上のソナー1の検出波においてオン信号とオフ信号とが検出されるという第2の波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして定義することもできる。所定時間内T及び所定回数Nは、実験等により適宜に定義することができる。
また、先述したように、人間Mが立ち止まらずに通過する場合(図3B及び図4B参照)には、隣り合うソナー1a→1b→1c→1d→1aの順で、各ソナー1の検出波にオン信号が検出され、そのオン信号の検出回数も人間Mの移動速度に応じて同じ程度となるはずであるが、図7Bに示すように、人間Mが所定領域をうろつく場合には、タイミングt1〜t3までの間に、互いに隣り合うソナー1aの検出波に含まれるオン信号の検出回数が3回であるのに対して、ソナー1bの検出波に含まれるオン信号の検出回数が1回と不均等になる。この点を考慮して、隣り合う複数のソナー1の各検出波においてオン信号とオフ信号の所定時間内の検出回数の差が所定値以上であることの特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして定義することもできる。
図8Aは、「人間Mが車両Vの周囲で立ち止まる(2)」という状況を示し、図8Bは図8Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図8Aに示すように、人間Mは車両Vの近傍で一時的に立ち止まり、矢印q8に沿って動く。図8Aは、車両Vの後側から前側へ移動する間に、車両Vのドア近傍で停止する、いわゆる「立ち止まり」が生じる状況を示す。この状況下においては、図8Bに示すように、ソナー1cの検出波には基準線Z(1c)から下側へ所定値以上の出力値を示すオン信号が含まれ、ソナーdの検出波においては基準線Z(1a)から下側に所定値以上の出力値を示すオン信号が含まれている。具体的には、タイミングt1〜t2においてソナー1cの検出波においてオン信号が検出された後、タイミングt3以降においてソナー1cの隣のソナー1dの検出波においてオン信号が検出されている。タイミングt1〜t2の間隔は、人間Mの歩行スピード(4km/h程度)に対応した2秒程度であるが、タイミングt2〜t3の間隔は約6秒程度である。これは、ソナー1cの検出領域からソナー1dの検出領域まで移動するのに6秒程度の時間がかかっているということであり、人間Mは車両Vの周囲を単に通り過ぎるのではなく、途中、人間Mが車両周囲で立ち止まる状況を示す。
本実施形態では、一のソナー1が取得する検出波に人間M(物体)の検出を示すオン信号が含まれ、その後に、一のソナー1と所定方向に沿う距離が最も近い他のソナー1(つまり、隣り合う位置に配置されたソナー1)の検出波に人間M(物体)の検出を示すオン信号が含まれ、一のソナー1cにより検出されたオン信号の検出タイミングt2と、他のソナー1dにより検出されたオン信号の検出タイミングとの時間(t1〜t2)が所定時間以上である第3の波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして定義することができる。
図9Aは、「人間Mが車両Vの近くで立ち止まる(2)」という状況の他の例を示し、特に、人間Mが車両Vの極めて近くに接近している状況を示す。図9Bは図9Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図9Aに示すように、人間Mが車両Vに接近し、人間Mの位置がソナー1aの検出範囲の境界近傍である状況下においては、図9Bに示すように、ソナー1aの検出波には基準線Z(1a)から下側へ所定値以上の出力値を示すオン信号が短時間だけ検出される。なお、本例においては、ソナー1aとソナー1bの検出領域は重複していない。このように、いずれか一つのソナー1の検出波に、物体の検出を示す状態が所定時間未満のオン信号が含まれる波形の特徴を、「人間Mが車両Vの近くで立ち止まる(2)」という状況を判断するための判断基準Sとして設定することができる。
図10Aは、「人間Mが車両Vの物色する(3)」という状況を示し、図10Bは図10Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図10Aに示すように、オーナー以外の人間Mが車両Vに接近して長時間その場所に居続ける場合には、車両Vの車室内の物品や車両Vの部品(タイヤなど)を物色している状況である可能性がある。この状況下においては、図10Bに示すように、ソナー1aの検出波には基準線Z(1a)から下側へ所定値以上の出力値を示すオン信号が含まれ、ソナー1bの検出波においては基準線Z(1b)から下側に所定の出力値以上を示すオン信号が含まれている。しかも、ソナー1bが取得する検出波には、人間M(物体)の検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれている。具体的には、タイミングt1〜t2においてソナー1aの検出波においてオン信号が検出された後、タイミングt2以降においてソナー1bの検出波において継続してオン信号が検出されている。タイミングt1〜t2の間隔は、人間Mの歩行スピード(4km/h程度)に対応した2秒程度であるが、タイミングt2以降において物体が検出されているオン状態は3分以上継続している。これは、人間Mが、ソナー1bの検出領域(車体から2〜3m)程度の距離内に存在しつづけているということであり、人間Mが車両Vに何かしらの意図を持って接近しており、車両Vに異常が発生する可能性が高い状況であると判断できる。
本実施形態では、一のソナー1が取得する検出波に、人間Mの検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれる第4の波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして定義することができる。
以上のように、(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色するといった各状況に応じて具体的な判断基準Sを設定することにより、自車両Vにおいていずれかの状況が生じているか否かを判断することができるので、実際に車両Vに異常が発生する前に注意喚起又は警告を発することができる。この結果、車両Vに損害が生じることを未然に防止することができる。
以上、人間Mが(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色する状況と、これらの状況に応じた判断基準Sについて説明したが、ソナー1等の検波センサにより検出される物体は人間Mとは限らない。しかし、車両Vに損害を与える主体は人間Mであるので、監視精度を向上させる観点からは、上記(1)〜(3)の状況が生じたか否かを判断するととともに、上記(1)〜(3)の状況を形成する主体が人間Mであるか否かを判断できることが望ましい。
このため、本実施形態の監視装置100は、上記(1)〜(3)の状況を判断するための判断基準Sに加えて、上記(1)〜(3)の状況を形成する主体が人間Mであるか否かを判断するための判断基準Sを定義する。
具体的に、本実施形態の監視装置100は、第1〜第4の何れか一つの波形の特徴を備える検出波について、検出波に含まれるオン信号の検出値が所定の値域内で増減する第5の波形の特徴、又は物体の検出を示すオン信号からその物体の非検出を示すオフ信号に切り替わる前後又は物体の非検出を示すオフ信号から物体の検出を示すオン信号に切り替わる前後に、所定時間内にオン信号とオフ信号が複数回以上切り替わる第6の波形の特徴を、さらに、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を判断するための判断基準Sとして設定する。図12Aは第5の波形の特徴の一例を示し、図12Bは第6の波形の特徴の一例を示す。図12A及び図12Bは、上述した図3〜図11に示す波形の一部を特徴が分かりやすいように拡大したものである。
図12Aは、人間Mが(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色するという各状況下において見られる第5の波形の特徴の一例である。図12Aに示すように、第5の波形の特徴は、検出波に含まれるオン信号の検出値が所定の値域内で増減する。図12Aに示すM1部分の波形に注目すると、検出波のオン信号が検出されるt1〜t2の間の波形は直線ではなく、所定の値域内で増減するゆらぎが見られる。
また、図12Bは、人間Mが(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、又は(3)車両Vの物色するという各状況下において見られる第6の波形の特徴の一例である。図12Bに示すように、第6の波形の特徴は、所定時間内にオン信号とオフ信号が複数回以上切り替わる。図12Bに示すM2部分の波形に注目すると、物体の非検出を示すオフ信号から物体の検出を示すオン信号に切り替わるタイミングt1の前はフラットではなく、タイミングt1前のタイミングt0にオン信号が微小時間だけ出現するひげ状の波形が見られる。
他方、図13A及び図14Aに示すように、自車両Vの近傍において検出される物体が他の車両VXである場合の検出波を図13B及び図14Bに示す。図13Aは、他車両VXが自車両Vの隣に駐車する場合の状況を示し、図13Bは図13Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す。図13BのVX1部分の波形に注目すると、ソナー1dの検出波のオン信号が検出されるt1以降の波形は直線状であり、増減などのゆらぎは見られない。ソナー1cの検出波のオン信号においても同様である。また、同じくVX1部分の波形に、物体の非検出を示すオフ信号から物体の検出を示すオン信号に切り替わるタイミングt1の前はフラットであり、ひげ状の波形は見られない。
また、図14Aは、自車両Vの隣に駐車されていた他車両VXが、出庫する場合の状況を示し、図14Bは図14Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す。図14BのVX2部分の波形に注目すると、ソナー1cの検出波のオン信号が検出されるt1〜t2の波形は直線状であり、増減などのゆらぎは見られない。ソナー1dの検出波のオン信号においても同様である。また、同じくVX2部分の波形に、物体の検出を示すオン信号から物体の非検出を示すオフ信号に切り替わるタイミングt3の前後はフラットであり、ひげ状の波形は見られない。
なお、発明者らは様々の状況下において収集した検出波を分析・検討することにより、上記第5及び第6の波形の特徴を見出した。この第5又は第6の波形の特徴が、他車両VXには見られずに人間が検出対象となった場合に見られる正確な理由は不明ではあるが、他の物体には見られない、歩行時や作業時における人間Mの四肢の動きや、人間M特有の身体の揺れなどによって生じるものであると考えられる。
本実施形態の監視装置100の判断基準設定機能は、以上に説明した(1)〜(3)などの車両Vに損害が発生する可能性のある状況下において、ソナー1の検出波から抽出される第1〜第4のうちの何れか一つ以上の波形の特徴と、必要に応じて第5又は第6の波形の特徴とを、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するための判断基準Sとして設定する。
このように、自車両Vの近傍において他車両VXなどの人間以外の物体が動いている状況において検出された検出波からは第5及び第6の波形の特徴は抽出されないので、第5及び第6の波形の特徴に基づく判断基準Sによれば、状況を形成する主体が人間であるか否かを判断することができる。これにより、自車両Vに損害が発生する可能性がある状況をさらに、高い精度で判断することができる。
次に、本実施形態の監視装置100の測距機能について説明する。監視装置100は、ソナー1により検出された検出波に基づいて物体までの距離を計測する。物体までの距離の計測手法は特に限定されず、出力波と受信波との時間差に基づいて距離を求めるなどの出願時に知られている手法を適宜に用いることができる。
検波センサとして電波センサを用いる場合には、制御装置10は、車両Vの近傍の所定領域内に物体が存在するか否かを、電波センサの検出波の受信強度に基づいて判断することができる。RFセンサなどの電波センサの検出波の受信強度は物体との距離に応じるので、所定値以上の受信強度を示す場合には、物体が車両Vから所定距離未満の所定領域内に存在すると判断することができる。電波センサを用いた距離の検知は、出願時における技術を用いることができる。
また、特に限定されないが、検波センサとして超音波センサを用いる場合には、制御装置10は、車両Vの近傍の所定領域内に物体が存在するか否かを、超音波センサの検出波の戻り時間や減衰に基づいて判断することができる。超音波センサなどの音波センサの検出波の戻り時間や減衰は物体との距離に応じるので、所定値未満の戻り時間を示す場合等には、物体が車両Vから所定距離未満の所定領域内に存在すると判断することができる。音波センサを用いた距離の検知は、出願時における技術を用いることができる。
ところで、車両Vの近傍に存在する人間Mに対応する検出波の出力値は、状況によって異なる場合がある。例えば、人間Mの背後に他車両や壁などが存在する場合の検出波は、人間Mの背後に何も物体が存在しない場合の検出波よりも小さくなる傾向がある。
図15Aは、自車両Vと他車両VXとの間を人間Mが立ち止まらずに通り過ぎる状況の例を示し、図15Bは図15Aに示す状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。図15Aに示すように、人間Mが車両Vの周りを矢印q15方向に沿って立ち止まることなく歩き、単に車両Vの近傍を通過する状況では、図15Bに示すように、車両Vの前方左側のソナー1dによりタイミングt1において検出された検出波にオン信号が含まれ、車両Vの後方左側ソナー1cによりタイミングt2において検出された検出波にオン信号が含まれる。破線で囲んだ部分は、ソナー1dにより検出された他車両VXの存在に対応する検出波であり、人間Mの存在に対応するt1におけるオン信号に比べて、基準軸z(1d)に対する出力値が小さく平坦な特徴を有する。図5Bに示す他車両VXが存在する場合における、人間Mの存在に対応するオン信号を含む検出波の形状の特徴は、図4Bの他車両VXが存在しない場合のそれと共通するが、背後に他車両VXが存在するために人間Mの存在に対応するオン信号の出力値dの量、すなわち、他車両VXの検出波との差は小さくなる傾向がある。オン信号の出力値dの量が小さくなることにより、車両Vから人間Mまでの距離が正確に計測できないおそれがある。
このため、本実施形態の監視装置100は、物体までの距離を計測する際に、前回の車両監視処理の終了時に算出した距離を記憶し、次回の車両監視処理においては、先に記憶した距離を初期値として、物体までの距離を算出する。前回の車両監視処理の終了時は、本装置の停止指令が入力された時、本監視処理の解除指令が入力された時、イグニッションキーがオフに入力された時など、任意に設定することができ、その際に直前に測距した距離の値を記憶する。
本実施形態の監視装置100は、停車時にイグニッションキーがオフに入力された時など、前回の車両監視処理の終了時に算出した距離を記憶し、次回の車両監視処理においては、記憶した距離を初期値として、物体までの距離を算出する。
これにより、前回の車両監視処理の終了時、たとえば自車両Vが停車する時に、自車両VXの駐車スペースの隣に他車両VXが存在する場合には、他車両VXまでの距離が計測される。そして、この他車両VXまでの距離が記憶される。次回の車両監視処理時において、この距離を基準(初期値)にすれば、背後に他車両VXが存在することによってオン信号の出力値dの量が小さくなることによる影響を低減し、自車両Vと他車両VXとの間に存在する人間Mなどの物体までの距離を正確に計測することができる。
続いて、具体的な例を示して、自車両Vの隣に他車両VXが存在する場合に起きる状況と、その状況下において検出される検出波について説明する。図16Aの上側の図は、自車両Vの隣に他車両VXが存在する場合において、他車両VXのドライバである人間Mは矢印q16方向に沿って後部ドアに接近し、他車両VXの後部座席に荷物を置いたり子供を乗せたりしてから、他車両VXの運転席に乗り込み、図16Aの下側の図に示すように、他車両VXは自車両Vの隣の駐車スペースから出庫するという状況を示し、図16B及び16Cは、図16Aに示す状況をそれぞれ異なる人間M1、M2により形成された場合に検出されたソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を示す図である。
図16Bは、人間M1により形成された、自車両Vの隣に駐車された他車両VXの後部座席に荷物を置いてから、他車両VXの運転席に乗り込み、その後発進するという状況下における検出波の特徴であり、図16Cは、人間M1とは別人の人間M2により形成された、自車両Vの隣に駐車された他車両VXの後部座席に子供を乗せてから、他車両VXの運転席に乗り込み、その後発進するという状況下における検出波の特徴である。人間M1、M2は別人であるので、動きが同一になることはないが、共通の状況下であるので、図16Bと図16Cにおける検出波は共通の波形の特徴を有する。なお、図16B及び図16Cは上述の図3〜15に示す検出波のグラフと信号強度の軸の上下が逆になっており、オン信号は、基準軸zから図中上側に所定値以上の値を示す。
図16Bに示すソナー1dの検出波にタイミングt1前後の破線エリア16aには、人間Mの接近に伴うゆらぎが見られる。また、ソナー1dの検出波にタイミングt2前後の破線エリア16bには、人間Mの接近に伴う短い時間のオン信号が見られる。このタイミングt2前後の破線エリア16cには、ソナー1cとソナー1aにも150ms程度の短いオン信号が見られる。このように、一の物体に対して車両Vの異なる位置に配置された複数のソナー1が同時に同じ特徴の検出波を取得する可能性は低いため、このような場合には誤検知である可能性が高いため、異なるソナー1が同時に検出した検出波のうち前後に他の検出波が見られない検出波については無視することができる。このような150ms程度の短いオン信号は誤検出と判断することもできる。実際に物体に応じた検出波であれば、もっと長い時間(300ms以上、500ms以上)のオン信号が検出できるはずであるが、150ms程度で復帰する(オン信号からオフ信号に変化する)場合には、誤検出による検出波として無視することができる。また、ソナー1cの検出波にタイミングt3前後の破線エリア16dには、他車両VXのドアを開ける人間Mの動作に伴うゆらぎのある検出波が見られる。
図16Cに示すソナー1dの検出波にタイミングt1前後の破線エリア16eには、人間Mの接近に伴うゆらぎが見られる。また、ソナー1cの検出波にタイミングt2〜t3の破線エリア16fには、他車両VXのドアを開ける人間Mの動作に伴うゆらぎのある検出波が見られる。ソナー1bの検出波にタイミングt4前後の破線エリア16gには、150ms程度の短い時間のオン信号が見られる。図16Aの状況においてはソナー1bのオン信号は人間Mに由来するものではなく、150ms程度でオン信号からオフ信号に復帰しているため、物体に対応しない(誤った)信号であると判断することができる。
このように、予め定義したとおりに車両V及び他車両VXを配置し、その周囲において人間Mを動かして所望の状況の下で取得した検出波を分析することにより、誤検出と判断できるオン信号の態様を分析することができる。本実験によれば、異なるセンサ1a〜1dが同時にオン信号を検出した場合には、同時に検出されたオン信号のうち、その前後に他のオン信号が検出されたオン信号以外は誤検出された信号として判断することができる。例えば図16Bにおける破線エリア16cに示すソナー1c及びソナー1aのオン信号は誤検出として判断することができる。また、本実験によれば、発現したオン信号が例えば150ms程度の短い時間に解消し、オフ状態に復帰する場合には、そのオン信号は誤検出された信号として判断することができる。これにより、検出波に基づいて車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断することができる。
次に、本実施形態の監視装置100の判断機能について説明する。
本実施形態の監視装置100の制御装置10は、設定された判断基準Sを参照し、ソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴に基づいて、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する。
具体的に、本実施形態の制御装置10は、設定された判断基準Sにおける波形の特徴と、実際にソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴とを比較し、特徴点の類似度を算出する。波形の類似度の算出方法は、特に限定されないが、実際に検出された検出波に含まれるオン信号の検出タイミング、オン信号の強度、オン信号の検出継続時間と、判断基準Sの波形の特徴とを対比し、その相違点又は共通点に基づいて両波形の類似度を算出してもよいし、二つの波形に含まれる各データをマッチングし、その差分により両波形の類似度を算出してもよいし、その他の出願時に知られている波形の類似度を求める手法を適宜に適用することができる。
本実施形態の制御装置10は、実際にソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴と、各判断基準Sにおける波形の特徴との類似度が所定値以上である場合には、その判断基準Sに対応する「車両Vに損害が発生する可能性のある状況」であると判断する。なお、判断基準設定手段は、上述の第1〜第4の波形の特徴を順番に一つずつ設定し、いずれかの波形の特徴に対応する判断基準Sに基づいて「車両Vに損害が発生する可能性のある状況」であると判断された場合には、次の判断基準Sの検討を中止するようにしてもよい。
本実施形態の制御装置10は、車両Vのタイヤを盗むという不法行為が行われることを未然に防止するために、(3)車両Vの物色するという状況を想定した「一のソナー1が取得する検出波に、人間Mの検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれる」という第4の波形の特徴が判断基準Sとして設定された場合には、人間M(物体)の検出を示すオン信号が検出されたときの人間M(物体)までの距離が所定距離未満であり、かつ、このオン信号が所定時間以上継続する場合には、車両Vのタイヤの盗難が図られ、車両Vに損害が発生する可能性がある状況であると判断する。所定距離は、車両Vやタイヤの大きさなどに応じて適宜設定することができ、車両Vから1m以内、50cm以内などの値を設定することができる。
本実施形態の制御装置10は、さらに人間Mが(物体)車両Vに近接している場合には、車両Vに損害が発生する可能性がある状況であると判断する。これにより、タイヤの盗難が行われる状況を正確に判断し、損害の発生を未然に防止することができる。
ところで、実際に車両Vのドアが所有者以外の者に解錠されることや、車両Vが傾いたことが検出された場合には、すでに、車両Vには異常が発生しており、車両Vに対する不法行為が既遂されている状態である。このように、他人が車両Vに触れた状態では、車両Vには何かしらの損害が発生している。
こうした不法行為の発生を未然に防止するためには、車両Vに何も起きていなくても車両Vに近づく移動体又は車両Vの近傍に存在する移動体のすべてを警戒することが有用であるが、単に車両Vの近くを通り過ぎる歩行者までをも不審者として誤判断することは好ましくない。特に車両Vの出力装置300により警告を発する処理を行う場合には、単なる歩行者に対して警告を発し、歩行者に不快な思いをさせるおそれがある。また、車両Vの所有者の外部端末装置800の出力装置820に車両Vに損害が発生する可能性があるという内容の警告を送出する場合には、単なる歩行者が通過する度に警告を繰り返し送ると、車両監視システム1000に対する利用者の信頼が損なわれる。
これに対して、本実施形態では、予め車両Vに損害が発生する可能性のある状況を設定し、その状況下において、ソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するための判断基準Sとして設定するので、この判断基準Sと、実際に取得された検出波から抽出される波形の特徴とに基づいて、単に通り過ぎるのではなく、車両Vに損害が生じる可能性がある状況であるか否かを監視し、注意喚起又は警告を発することができる。この結果、車両Vの状態を監視して、車両Vに損害が発生することを未然に防止しつつも、単に歩行者が車両Vの通り過ぎる状況では、車両Vに損害が発生すると過敏な判断することを防止することができる。
最後に、本実施形態の監視装置100の出力機能について説明する。本実施形態の制御装置10は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であると判断した場合には、判断結果を車両Vが備える出力装置300を介して報知することができる。本実施形態の車両監視システム1000の出力装置300は、ディスプレイ301、スピーカ302、ホーン303、ライト304を含む。これらは、監視装置100の指令により動作させることができるが、車両コントローラ200を介して動作させることもできる。
本実施形態の監視装置100の制御装置10は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるという判断結果を、ナビゲーション装置などに用いられるディスプレイ301やスピーカ302を介して出力する。例えば、制御装置10は、「車両に異常が発生しました。通報します。」などの文字をディスプレイ301に大きく点滅表示し、及び/又はスピーカ302を介して警告音とともに音声出力する。これとともに又は独立して、ホーン303を鳴らし、ライト304を点灯又は点滅させる。このように制御装置10が車両Vに損害が発生する可能性のある状況であることを周囲に報知することにより、車両Vに不法行為をしようとして接近した人間Mに不法行為を断念させることができる。結果として、車両Vに損害が発生することを未然に防止することができる。
また、制御装置10は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であると判断した場合には、判断結果を車両Vの外部の外制御装置800に送出する。また、外部端末装置800は、監視装置100の制御装置10と通信を行う通信手段810と、通信手段810を介して監視装置100側から取得した車両Vに損害が発生する可能性がある旨の判断結果を含む監視情報を出力するディスプレイ821、スピーカ822を含む出力手段820を備えているので、車両Vの管理者は外部端末装置800を用いて車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かの情報を視聴することができる。
車両Vの管理者は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを外部端末装置800を用いて知ることができるので、管理者は車両Vに損害が発生することを防ぐために必要な処置、例えば警備者への通報などを行うことができる。これにより、車両Vに接近した人間Mの不法行為を阻止し、車両Vに損害が発生することを未然に防止することができる
続いて、図17のフローチャート図に基づいて、本実施形態の車両監視システム1000の制御手順を説明する。
まず、監視装置100は、監視処理の開始要求を待機する。監視装置100は、監視装置100のスイッチに入力された起動命令を取得した場合、イグニッションキーがオフに入力された場合、又は外部端末装置800から取得した起動命令を取得した場合に監視処理の開始要求を取得したと判断し、ステップ20へ進む。
監視装置100は、監視処理の開始要求を受け付けた後に、ステップ20において、ソナー1に検出処理を開始させ、ソナー1の検出波を取得する。
ステップ30において、監視装置100は、取得した検出波から波形の特徴を抽出する。
続く、ステップ40において、監視装置100は、予め定義された状況に関する判断基準Sを順次設定し、設定された判断基準Sを参照する。
ステップS50において、監視装置100は、第1〜第4の波形の特徴に基づく判断基準Sのうち、設定されたいずれか一つ以上又はすべての判断基準Sにおける波形の特徴と、実際にソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴とを比較し、特徴点の類似度を算出する。この処理は、第1〜第4の波形の特徴に基づく判断基準Sのすべてについて順番に行ってもよいし、第1〜第4の波形の特徴のうち何れか一つ以上の所定の波形の特徴に基づく判断基準Sについて行ってもよい。
ステップS60において、監視装置100は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する。具体的に、ステップ50で算出された、設定された判断基準Sの波形の特徴と検出波から抽出された波形の特徴との類似度が所定値以上である場合には、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であると判断してステップS70へ進むか、ステップS130へ進んで判断結果を記憶する。他方、ステップ50で算出した類似度が所定値未満である場合には、車両Vに損害が発生する可能性のある状況ではないと判断してステップS20へ戻る。
さらに、ステップS70において、監視装置100は、車両Vに損害が発生する状況を形成する物体が人間Mであるか否かを判断するために、設定された第5の及び/又は第6の波形の特徴に基づく判断基準Sを参照する。そして、ステップS80において、監視装置100は、設定された判断基準Sにおける波形の特徴と、実際にソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴とを比較し、特徴点の類似度を算出する。この処理は、第5及び第6の波形の特徴に基づく判断基準Sについて順番に行ってもよいし、第5又は第6の波形の特徴のいずれかに基づく判断基準Sについて行ってもよい。
ステップS90において、監視装置100は、車両Vに損害が発生する可能性のある状況を人間Mが形成しているか否かを判断する。具体的に、ステップ80で算出した類似度が所定値以上である場合には、車両Vに損害が発生する可能性のある状況は人間Mによるものであると判断してステップS110へ進むか、ステップS130へ進んで判断結果を記憶する。他方、ステップ90で算出した類似度が所定値未満である場合には、車両Vに損害が発生する可能性のある状況は人間Mによって形成されたものではないと判断してステップS150へ進み、記憶及び出力処理を行う。
続くステップS110において物体の検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれる第4の波形の特徴と所定値以上の類似度を示す検出波が検出された場合には、車両Vを物色している可能性があると判断できるので、さらにステップS120以降の処理を行う。他方、ステップS110において、物体の検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が検出されなければ、ステップS150へ進んで、その旨を記憶及び出力する。
ステップS120では、人間M(物体)までの距離を算出する。そして、ステップS130において、ステップS120で算出した距離が所定距離未満の状態であり、かつその状態が所定時間以上継続するか否かを判断する。所定距離未満の距離が算出され、所定時間以上継続した場合にはステップS140へ進み、タイヤの盗難が図られている可能性が高いと判断し、ステップS150へ進んで、その旨を記憶及び出力する。他方、ステップS130において、人間までの距離が所定距離未満であり、所定時間継続しない場合には、ステップS150へ進んで、その旨を記憶及び出力する。
なお、ステップS60において車両Vに損害が発生する可能性のある状況であると判断された場合や、ステップS90において検出物体が人間Mであると判断された場合にも、ステップS150へ進んで、その旨を記憶及び出力することができる。
ステップS150における出力処理としては、監視装置100は、判断結果を出力装置300を介して周囲に報知する処理、及び/又は車両監視システム1000の通信装置400を介して外部端末装置800へ送出する処理を行うことができる。
具体的に、監視装置100は、車両Vのディスプレイ301に異常を検知した旨を文字や図形で表示する、スピーカ302で異常を検知した旨を音声で出力する、車載又は駐車場に配置されたカメラが撮像した監視対象物体の画像をディスプレイ301に表示する、車両コントローラ200を介して車両Vのライトを点滅させ又は車両Vのホーンを鳴らすなどの出力処理を実行させることができる。
また、上記出力処理と並行して、監視装置100は、通信装置400を介して車両Vに損害が発生する可能性がある旨の監視情報を外部端末装置800に送信することができる。外部端末装置800は通信装置810を介して車両Vに損害が発生する可能性がある旨の情報を受信し、ディスプレイ821又はスピーカ822を用いてをユーザにこの情報を提供する。
イグニッションキーがオンに入力された場合や、監視処理終了の指令が入力された場合には、監視処理を終了する。
なお、本実施形態では、監視装置100が車両Vに配置された場合を例にして説明したが、本発明の本実施形態に係る車両Vその他の移動体の監視方法を、ソナー1、出力装置300、通信装置400を制御可能なクライアント(コンピュータ・制御装置)と情報の授受が可能なサーバ(コンピュータ・制御装置)において実行することもできる。サーバは、クライアントと離隔した場所に配置することができる。
サーバは、車両V側に配置されたクライアントに以下の指令を送出して、監視方法を実行することができる。指令の内容は、車両Vに設置された複数のソナー1に検出波を取得させ、車両Vに損害が発生する可能性のある状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴を、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するために設定された上述の判断基準Sを参照させ、ソナー1により検出された検出波から抽出された波形の特徴に基づいて、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断させる。処理の具体的な内容は、本実施形態の監視装置100、車両監視システム1000と共通するのでこれらの説明を援用する。
本発明は以上のように構成され、以上のように作用するので、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の監視装置100、車両監視システム1000によれば、予め定義された、車両Vに損害が発生する可能性のある状況下においてソナー1の検出波から抽出される波形の特徴に基づく判断基準Sを参照し、実際に検出された検出波から抽出される特徴に基づいて、車両Vに損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するので、実際に車両Vに異常が発生する前に注意喚起又は警告を発することができる。この結果、車両Vに損害が生じることを未然に防止することができる。特に、本実施形態では、(1)車両Vの周囲をうろつく、(2)車両Vの周囲で立ち止まる、(3)車両Vの物色するといった各状況に応じて、第1〜第4の波形の特徴に基づく具体的な判断基準Sを設定することにより、自車両Vにおいていずれかの状況が生じているか否かを判断することができるので、実際に車両Vに異常が発生する前に注意喚起又は警告を発することができる。この結果、車両Vに損害が生じることを未然に防止することができる。
(2)各状況を形成する物体が他車両VXではなく、人間Mである場合に見られる第5又は第6の波形の特徴に基づく判断基準Sを定義することにより、状況を形成する主体が人間であるか否かを判断することができる。これにより、自車両Vに損害が発生する可能性がある状況をさらに、高い精度で判断することができる。
(3)本実施形態の制御装置10は、人間M(物体)の検出を示すオン信号が検出されたときの人間M(物体)までの距離が所定距離未満であり、かつ、このオン信号が所定時間以上継続する場合には、タイヤの盗難が図られている可能性があり、車両Vに損害が発生する可能性がある状況であると判断する。これにより、タイヤの盗難が行われる状況を正確に判断し、損害の発生を未然に防止することができる。
(4)前回の車両監視処理の終了時、たとえば自車両Vが停車する時に、自車両VXの駐車スペースの隣に他車両VXが存在する場合には、他車両VXまでの距離を計測し、記憶する。次回の車両監視処理時において、この距離を基準(初期値)にすれば、背後に他車両VXが存在することによってオン信号の出力値dの量が小さくなることによる影響を低減し、自車両Vと他車両VXとの間に存在する人間Mなどの物体までの距離を正確に計測することができる。
(5)本実施形態の車両監視システム1000によれば、車両Vに損害が発生する可能性についての判断結果を、車両Vのオーナーなどの監視者が所持する外部端末装置800へ送出することにより、車両Vに関する注意を促すことができる。監視者は車両Vに損害が生じないようにするための対策を採ることができる。結果として、車両Vの損害の発生を防止することができる。
(6)本実施形態における車両Vの監監視方法を使用した場合においても、監視装置100、車両監視システム1000と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
なお、以上説明したすべての実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本明細書では、本発明に係る車両監視装置の一態様として監視装置100及び車両監視システム1000を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本明細書では、本発明に係る車両監視装置の一態様として、CPU11、ROM12、RAM13を含む制御装置10を備える監視装置100を一例として説明するが、これに限定されるものではない。
また、本明細書では、検波センサと、判断基準設定手段と、測距手段と、判断手段とを有する本発明に係る車両監視装置の一態様として、ソナー1と、判断基準設定機能と、測距機能と、判断機能とを実現する制御装置10を備える監視装置100を説明するが、これに限定されるものではない。
本明細書では、本発明に係る車両監視システムの一態様として、本願発明に係る監視装置100と、車両コントローラ200と、通信装置400と、外部の端末装置800とを備えた車両監視システム1000を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1000…車両監視システム
1a〜1d…ソナー
100…監視装置
V…車両
10…制御装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
200…車両コントローラ
300…出力装置
301…ディスプレイ
302…スピーカ
303…ホーン
304…ライト
500…イグニッションスイッチ
400…通信装置
800…端末装置
810…通信装置
820…画像処理装置
830…ディスプレイ

Claims (6)

  1. 車両のボディの異なる位置に設置され、物体の存在に応じた検出波を取得する複数の検波センサと、
    前記車両に損害が発生する可能性のある状況下において前記検波センサの検出波から抽出される波形の特徴を、前記車両に損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断するための判断基準として設定する判断基準設定手段と、
    前記設定された判断基準を参照し、前記検波センサにより検出された検出波から抽出された波形の特徴に基づいて、前記車両に損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する判断手段と、を備え、
    前記判断基準設定手段は、
    前記一の検波センサが取得する検出波に前記物体の検出を示すオン信号と前記物体の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴、
    前記複数の異なる検波センサが取得する各検出波に前記物体の検出を示すオン信号と前記物体の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第2の波形の特徴、
    前記一の検波センサが取得する検出波に前記物体の検出を示すオン信号が含まれ、その後に、前記一の検波センサと所定方向に沿う距離が最も近い他の前記検波センサの検出波に前記物体の検出を示すオン信号が含まれ、前記一の検波センサにより検出された前記オン信号の検出タイミングと、前記他の検波センサにより検出された前記オン信号の検出タイミングとの時間が所定時間以上である第3の波形の特徴、及び、
    前記一の検波センサが取得する検出波に、前記物体の検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれる第4の波形の特徴、からなる一群の波形の特徴のうち少なくとも一つ以上の波形の特徴を前記判断基準として設定することを特徴とする車両監視装置。
  2. 前記判断基準設定手段は、
    前記第1〜第4の何れか一つの波形の特徴を備える検出波について、
    前記検出波に含まれる前記オン信号の検出値が所定の値域内で増減する第5の波形の特徴、又は、
    前記物体の検出を示すオン信号から前記物体の非検出を示すオフ信号に切り替わる前後又は前記物体の非検出を示すオフ信号から前記物体の検出を示すオン信号に切り替わる前後に、所定時間内に前記オン信号と前記オフ信号が複数回以上切り替わる第6の波形の特徴を、さらに前記判断基準として設定することを特徴とする請求項1に記載の車両監視装置。
  3. 前記検波センサにより検出された検出波に基づいて前記物体までの距離を計測する測距手段をさらに備え、
    前記第4の波形の特徴が判断基準として設定された場合には、
    前記判断手段は、前記物体の検出を示すオン信号が検出されたときの前記物体までの距離が所定距離未満であり、かつ、当該オン信号が所定時間以上継続する場合には、前記車両のタイヤの盗難が図られ、前記車両に損害が発生する可能性がある状況であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両監視装置。
  4. 前記測距手段は、前回の車両監視処理の終了時に算出した距離を記憶し、次回の車両監視処理においては、前記記憶した距離を初期値として、前記物体までの距離を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両監視装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載された車両監視装置と、前記車両監視装置と相互に情報の授受が可能な外部端末装置とを備え、
    前記車両監視装置は、前記判断手段の判断結果を前記外部端末装置に送出する通信手段を有し、
    前記外部端末装置は、前記車両監視装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記車両監視装置から取得した車両に損害が発生する可能性があるか否かの判断結果を出力する出力手段と、を有することを特徴とする車両監視システム。
  6. 車両のボディの異なる位置に設置された検波センサに、物体の存在に応じた検出波を取得させ、
    予め定義された、前記車両に損害が発生する可能性のある状況下において前記検波センサの検出波から抽出される波形の特徴に基づく判断基準を参照し、前記検波センサにより検出された検出波から抽出された波形の特徴に基づいて、前記車両に損害が発生する可能性のある状況であるか否かを判断する、車両の監視方法であって、
    前記判断基準は、
    前記一の検波センサが取得する検出波に前記物体の検出を示すオン信号と前記物体の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第1の波形の特徴、
    前記複数の異なる検波センサが取得する各検出波に前記物体の検出を示すオン信号と前記物体の非検出を示すオフ信号とが繰り返し含まれる第2の波形の特徴、
    一の前記検波センサが取得する検出波に前記物体の検出を示すオン信号が含まれ、その後に、前記一の検波センサと所定方向に沿う距離が最も近い他の前記検波センサの検出波に前記物体の検出を示すオン信号が含まれ、前記一の検波センサにより検出された前記オン信号の検出タイミングと、前記他の検波センサにより検出された前記オン信号の検出タイミングとの時間が所定時間以上である第3の波形の特徴、及び、
    前記一の検波センサが取得する検出波に、前記物体の検出を示す状態が所定時間以上継続するオン信号が含まれる第4の波形の特徴、からなる一群の波形の特徴のうち少なくとも一つ以上の波形の特徴である。
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