JP2013228504A - アクチュエータ、レンズユニット、及びカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】像振れ補正用レンズを駆動させるアクチュエータにおいて、移動枠の移動を高精度に制御できるようにする。
【解決手段】アクチュエータ1は、固定枠12と、移動枠14と、移動枠14を固定枠12に対して平行移動できるように支持する支持手段と、移動枠14に取り付けられた駆動用コイル及び固定枠12に取付けられた駆動用磁石20a、20b、20cにより構成された駆動手段と、駆動用コイルに位置指令信号を送信するコントローラと、コントローラと通信可能なコネクタ28a、28b、28cと、駆動用コイルとコネクタ28a、28b、28cの間を接続するフレキシブル基板26a、26b、26cと、を備え、フレキシブル基板26a、26b、26cは同形状であり、少なくとも一部が補正用レンズの光軸を中心として回転対称となり、かつ、補正用レンズを円弧状に取り囲むように設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】アクチュエータ1は、固定枠12と、移動枠14と、移動枠14を固定枠12に対して平行移動できるように支持する支持手段と、移動枠14に取り付けられた駆動用コイル及び固定枠12に取付けられた駆動用磁石20a、20b、20cにより構成された駆動手段と、駆動用コイルに位置指令信号を送信するコントローラと、コントローラと通信可能なコネクタ28a、28b、28cと、駆動用コイルとコネクタ28a、28b、28cの間を接続するフレキシブル基板26a、26b、26cと、を備え、フレキシブル基板26a、26b、26cは同形状であり、少なくとも一部が補正用レンズの光軸を中心として回転対称となり、かつ、補正用レンズを円弧状に取り囲むように設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像用レンズの像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータ、このアクチュエータを用いたレンズユニット及びカメラに関する。
像振れを防止するために、像振れ補正アクチュエータ(以下、アクチュエータという)により像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させるいわゆる手振れ補正機構を備えたレンズユニットが用いられている。
このような像振れ補正用レンズを移動させるためのアクチュエータとして、例えば、特許文献1には、レンズ鏡筒内に固定された固定枠と、この固定枠に対して移動可能に支持された移動枠と、移動枠に取り付けられた像振れ補正用レンズと、移動枠又は固定枠の何れか一方に埋め込まれた複数の駆動用磁石、及び移動枠又は固定枠の他方の複数の駆動用磁石に対応する位置に設けられた駆動用コイルからなる駆動手段と、像振れを補正するために必要な移動枠の移動量を決定し、この移動量に応じた制御信号を駆動用コイルに対して送信するコントローラとを備えたアクチュエータが開示されている。
ここで、特許文献1に記載されたアクチュエータでは、駆動用コイルは駆動用磁石に比べて軽量であるため、軽量な駆動用コイルを移動枠に取り付けることが望ましい。駆動用コイルを移動枠に取り付ける場合には、駆動用コイルへ制御信号を送信するために、フレキシブル基板により駆動用コイルの取付けられた移動枠とコントローラとを接続する必要がある。このような場合、例えば、図14に示すように、移動枠の形状に合わせて成形され、移動枠に取り付けられる円環状の円環部50aと、円環部と50aコントローラとを連結する連結部50bとを有するフレキシブル基板50が用いられていた。
しかしながら、このように成形されたフレキシブル基板を用いてしまうと、移動枠を移動させる際にフレキシブル基板から移動枠に作用する光軸を中心とする半径方向の反発力が、周方向に対して均一ではないため、移動枠の移動の制御が困難になる。
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、移動枠に、この移動枠を移動させるための駆動用コイルが取り付けられた、像振れ補正用レンズを駆動させるためのアクチュエータにおいて、像振れ補正用レンズが取り付けられた移動枠に対するフレキシブル基板による反発力の方向による不均一性を小さくし、移動枠の移動を容易に高精度に制御できるようにすることである。
上記の問題を解決するべく、本発明は、撮像用レンズの一部である像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、固定部と、補正用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、可動部の補正用レンズの周囲に取り付けられた3つ以上の駆動用コイル、及び3つ以上の駆動用コイルのそれぞれに対応するように固定部に取付けられた3つ以上の駆動用磁石からなり、可動部を固定部に対して並進移動させる駆動手段と、3つ以上の駆動用コイルに、可動部の移動量に応じた位置指令信号を送信する制御手段と、固定部上に3つ以上の駆動用コイルのそれぞれに対応して設けられ、制御手段と通信可能な3つ以上の接続部と、駆動用コイルと、対応する接続部との間をそれぞれ通信可能に接続する3つ以上のフレキシブル基板と、を備え、3つ以上のフレキシブル基板は同形状であり、このフレキシブル基板の少なくとも一部が補正用レンズの光軸を中心として回転対称となり、かつ、補正用レンズを円弧状に取り囲むように設けられている、ことを特徴とする。
このような構成の本発明によれば、駆動用コイルと、制御手段と通信可能な接続部との間を接続するフレキシブル基板が、撮像用レンズを取り囲むように円弧状に設けられているため、移動部が移動する際にフレキシブル基板から移動部へ作用する反発力を抑えることができ、移動部のスムーズな移動を実現できる。
また、複数のフレキシブル基板により移動枠と接続部とを接続しているため、フレキ幅を狭めることができ、フレキシブル基板の配置スペースを省スペース化できる。また、フレキシブル基板を小さくすることができるため、フレキシブル基板を、シートを切断して製造する際に、基板シートの無駄を減らすことができる。
フレキシブル基板を撮像用レンズの光軸を中心として回転対象となるように配置したため、移動枠を並進運動及び回転運動させる際に、フレキシブル基板からの反発力が運動方向によらず略一定となり、移動枠のよりスムーズな移動を実現できる。
本発明において、好ましくは、複数の駆動用コイルは、それぞれ、光軸を中心として周方向に隣接する駆動用コイルの近傍に設けられた接続部にフレキシブル基板を介して接続されている。
このような構成の本発明によれば、複数のフレキシブル基板が互いに干渉することなく、各フレキシブル基板の長さを長くすることができる。これにより、フレキシブル基板の反発力をより小さくすることができる。
本発明において、好ましくは、フレキシブル基板は、該フレキシブル基板の少なくとも一部の表面が光軸に対して平行になるように、設けられている。
このような構成の本発明によれば、移動枠を並進運動及び回転運動させる際のフレキシブル基板の反発力を、フレキシブル基板を移動方向に水平に設けた場合に比べて抑えることができる。
また、本発明のレンズユニットは、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、これら撮像用レンズの一部を可動部に取り付けた本発明のアクチュエータと、を有することを特徴としている。
さらに、本発明のカメラは、カメラ本体と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明のアクチュエータによれば、像振れ補正用レンズが取り付けられた移動枠に対するフレキシブル基板による反発力の方向による不均一性が小さくなり、移動枠の移動を容易に高精度に制御できる。
以下、本発明の一実施形態によるアクチュエータを備えたカメラについて説明する。
図1は、本実施形態のアクチュエータを備えたカメラの構成を示す断面概略図である。同図に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、撮像用レンズのうちの像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振動を検出する振動検出手段であるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。なお、以下の説明において、「接眼側」とは、カメラ本体4側(すなわち、図1における右側)を示し、「対物側」とは接眼側の逆側(すなわち、図1における左側)を示す。
図1は、本実施形態のアクチュエータを備えたカメラの構成を示す断面概略図である。同図に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、撮像用レンズのうちの像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振動を検出する振動検出手段であるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。なお、以下の説明において、「接眼側」とは、カメラ本体4側(すなわち、図1における右側)を示し、「対物側」とは接眼側の逆側(すなわち、図1における左側)を示す。
レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けられ、入射した光を撮像素子Fに結像させるように構成されている。
円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34a、34bによって振動を検出し、検出された振動に基づいてアクチュエータ10を作動させて像振れ補正用レンズ16を光軸に直交する平面内で移動させ、カメラ本体4内の撮像素子Fに合焦される画像を安定化させている。本実施形態においては、ジャイロ34a、34bとして、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ補正用レンズ16は、1枚のレンズによって構成されているが、複数枚のレンズからなるレンズ群であっても良い。
次に、図2乃至図7を参照して、アクチュエータ10の構成を説明する。図2は、アクチュエータ10の接眼側斜視図、図3は、アクチュエータ10の接眼側正面図、図4はアクチュエータ10の対物側背面図である。また、図5は、図3におけるV−V線に沿う側断面図である。また、図6(a)は、移動枠及びフレキシブル基板を示す接眼側斜視図、(b)は対物側斜視図である。また、図7はフレキシブル基板の展開図である。
図2乃至図5に示すように、アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6内に固定された固定部である固定枠12と、この固定枠12に対して移動可能に支持された可動部である移動枠14と、この移動枠14を支持する可動部支持手段である3つの支持ボール18と、固定枠12に設けられた接続部としてのコネクタ28a、28b、28c、及び移動枠14に設けられた駆動用コイル22a、22b、22cを接続する、同一形状に成形されたフレキシブル基板26a、26b、26cを有する。
さらに、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた3つの駆動用磁石20a、20b、20cと、移動枠14の、各駆動用磁石20a、20b、20cに対応する位置に取り付けられた3つの駆動用コイル22a、22b、22cと、を有する。各駆動用磁石20a、20b、20cは、対応する駆動用コイル22a、22b、22cと対向している。
これら駆動用磁石20a、20b、20c、及びこれらに対応する位置に取り付けられた3つの駆動用コイル22a、22b、22cはリニアモーターを構成し、移動枠14を固定枠12に対して並進運動させ、且つ回転運動させることができる駆動手段として機能する。
さらに、図4乃至図6に示すように、各駆動用コイル22a、22b、22cの巻線の内側には、磁気センサであるホール素子24a、24b、24cが配置されている。各ホール素子24a、24b、24cは、これらと夫々向き合うように配置されている各駆動用磁石20a、20b、20cの磁気を検出して、固定枠12に対する移動枠14の位置を検出するように構成されている。これらのホール素子24a、24b、24c及び駆動用磁石20a、20b、20cは、位置検出手段を構成する。
また、図1に示すように、アクチュエータ10は、ジャイロ34a、34bによって検出された振動と、ホール素子24a、24b、24cによって検出された移動枠14の位置情報に基づいて、各駆動用コイル22a、22b、22cに流す制御信号(電流)を制御する制御手段であるコントローラ36を有する。固定枠12のカメラ本体4側の面には、コネクタ28a、28b、28cが設けられ、ホール素子24a、24b、24c及び駆動用コイル22a、22b、22cは、対応するフレキシブル基板26a、26b、26cを介して、夫々コネクタ28a、28b、28cに接続されている。さらに、各コネクタ28a、28b、28cは、コントローラ側コネクタ29に回路基板12cを介して接続され、このコントローラ側コネクタ29は、コントローラ接続用フレキシブル基板30を通じてコントローラ36に接続されている。
アクチュエータ10は、移動枠14を、レンズ鏡筒6に固定された固定枠12に対して、撮像素子Fに平行な平面内で移動させ、これにより移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16を移動させ、レンズ鏡筒6が振動しても撮像素子Fに結像される像が乱れることがないように駆動される。
固定枠12は、移動枠14側に位置する略円環状の枠材12aと、枠材12aの接眼側に取り付けられた固定ヨーク12bと、固定ヨーク12bの接眼側にねじ固定された回路基板12cとを備える。枠材12a、固定ヨーク12b及び回路基板12cの中心には、像振れ補正用レンズ16の光軸を中心に略同じ半径の円形開口が形成されている。枠材12aには、後述するようにフレキシブル基板26a、26b、26cを挿通させるための開口13a、13b、13cが形成されている。また、枠材12aには、像振れ補正用レンズ16の光軸を中心として円周状に120°の角度ごとに対となる矩形開口(図示せず)が形成されており、駆動用磁石20a、20b、20cはこれら矩形開口にはまり込んだ状態で保持されている。固定ヨーク12bは、開口部中心から等間隔に3つの枝部が延びており、各枝部は駆動用磁石20a、20b、20cの接眼側に位置している。
図4及び図6に示すように、移動枠14は、略円環状の形状を有し、固定枠12の中に、固定枠12の縁に取り囲まれるように配置されている。移動枠14の中央の開口には、像振れ補正用レンズ16が取り付けられている。また、移動枠14の外縁部には、直径が支持ボール18よりも大きく、深さが支持ボールの直径よりも小さな円柱状の凹部からなり、固定枠12側に開口する収容部14aが形成されている。収容部14aは、中心角120゜の間隔を隔てて、各駆動用コイル22a、22b、22cの間に位置するように配置されている。支持ボール18は、その一部が固定枠12側に露出するような状態で収容部14aに収容されている。固定枠12の駆動用磁石20により移動枠14が吸着されるため、各支持ボール18は、固定枠12と移動枠14との間に挟持されている。これにより、移動枠14は固定枠12に平行な平面上に支持され、各支持ボール18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定枠12に対する任意の方向の並進運動及び回転運動が許容される。なお、本実施形態では、可動部支持手段として支持ボール18を用いているが、移動枠14が固定枠12に対して平行移動可能であればよく、ローラ等の支持手段を用いることも可能である。
3つの駆動用コイル22a、22b、22cは、その中心が、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上にそれぞれ配置されている。本実施形態においては、駆動用コイル22aは光軸の鉛直上方に配置され、駆動用コイル22b、22cは、駆動用コイル22aに対して光軸を中心とする円周上に中心角120゜ずつ間隔を隔てて配置されている。即ち、駆動用コイル22a、22b、22cは、光軸を中心として回転対称に配置されている。また、駆動用コイル22a、22b、22cは、夫々、その巻線が角の丸い矩形状に巻かれ、この矩形の中心線が円周の半径方向と一致するように配置されている。
なお、回転対象とは中心軸周りに所定の角度回転させた後の位置又は形状が、回転前の位置又は形状と一致することをいう。
なお、回転対象とは中心軸周りに所定の角度回転させた後の位置又は形状が、回転前の位置又は形状と一致することをいう。
駆動用磁石20a、20b、20cは、夫々長方形の形状を有し、固定枠12を構成する枠材12aに形成された矩形開口に嵌め込まれた状態で固定されている。また、駆動用磁石20a、20b、20cは、移動枠14の円周上の各駆動用コイル22a、22b、22cに対応する位置に位置決めされている。なお、本明細書において、駆動用コイルに対応する位置とは、駆動用コイルによって形成される磁界の影響が実質的に及ぶ位置を意味している。
固定枠12を構成する回路基板12cには、各フレキシブル基板26a、26b、26cを接続するための接続部としての3つのコネクタ28a、28b、28cが設けられている。コネクタ28aは、フレキシブル基板26aを介して、対応する駆動用コイル22a及びホール素子24aと接続されている。これと同様に、コネクタ28b、cは、フレキシブル基板26b、26cを介して、対応する駆動用コイル22b、22c及びホール素子24b、24cと接続されている。
コネクタ28aは、接続される駆動用コイル22aに対して、像振れ補正用レンズ16の光軸を中心として、概ね120度回転した位置に取り付けられている。すなわち、駆動用コイル22aは、この駆動用コイル22aに対して周方向に隣接する駆動用コイル22bの近傍(本実施形態では、固定枠12の接眼側表面の駆動用コイル22bの裏側にあたる位置)に設けられたコネクタ28aに、フレキシブル基板26aを介して接続されている。これと同様に、各駆動用コイル22b、22cは、これら駆動用コイル22b、22cに対して周方向に隣接する駆動用コイル22c、22aの近傍に設けられたコネクタ28b、28cにフレキシブル基板26b、26cを介して接続されている。
また、回路基板12c上にはコントローラ36と接続するためのコントローラ側コネクタ29が設けられており、各コネクタ28a、28b、28cとコントローラ側コネクタ29とは回路基板12cを介して送受信可能に接続されている。また、図1に示すように、コントローラ側コネクタ29はコントローラ側フレキシブル基板30を介してコントローラ36と接続されている。
これにより、コントローラ36からコントローラ接続用フレキシブル基板30を介してコントローラ側コネクタ29に入力された信号は、各コネクタ28a、28b、28cに送られ、さらに、各フレキシブル基板26a、26b、26cを介して、駆動用コイル22a、22b、22cへ送られる。また、ホール素子24a、24b、24cから出力された信号は、各フレキシブル基板26a、26b、26cを介して、各コネクタ28a、28b、28cに送られ、コントローラ側コネクタ29から、まとめてコントローラ接続用フレキシブル基板30を介してコントローラ36へ送信される。
図7は、本実施形態で用いられるフレキシブル基板26aを示す図である。同図に示すように、フレキシブル基板26aは、略S状に形成され、一端に駆動用コイルに接続されるコイル接続部26a1が形成されており、コイル接続部26a1より延びる第1の水平部26a2と、第1の部分26a2より直交左方向に伸びる垂直部26a3と、垂直部26a3に対して直交右方向に延びる第2の水平部26a4と、第2の水平部26a4に対して直交右方向に延びるコネクタ接続部26a5とを備える。
図2乃至図6に示すように、フレキシブル基板26aは、コイル接続部26a1が移動枠14の駆動用コイル22aが取り付けられた位置の対物側の面に取り付けられており、このコイル接続部26a1に駆動用コイル22a及びホール素子24aが取付けられている。また、コイル接続部26a1の対物側には吸着ヨーク25aが取り付けられている。コイル接続部26a1に連続する第1の水平部26a2は、固定枠12を構成する枠材12aに形成された開口13a近傍まで移動枠14に平行に延びている。そして、第1の水平部26a2に連続する垂直部26a3は、第1の水平部26a2に対して、接眼側に垂直に屈曲されており、枠材12aの開口13aを挿通し、固定枠12を構成する回路基板12cよりも接眼側まで延びている。垂直部26a3に連続する第2の水平部26b4は、回路基板12cと平行になるように垂直部26a3に対して屈曲されており、回路基板12cに沿ってコネクタ28aの近傍まで延びている。第2の水平部26a4に連続するコネクタ接続部26a5は、第2の水平部26a4に対して垂直に屈曲されており、先端部がコネクタ28aに接続されている。
図2及び図6に示されているように、フレキシブル基板26aの第2の水平部26a4は、固定枠12に形成された開口の外側に沿って外側に凸となるような湾曲形状を呈しており、さらに、その面が補正用レンズ16の光軸に対して平行になっている。
ここでは、フレキシブル基板26aについて説明したが、他のフレキシブル基板26b、26cも、同様に駆動用コイル22b、22c及びホール素子24b、24cと、コネクタ28b、28cを接続している。すなわち、フレキシブル基板26a、26b、26cは、補正用レンズ16の光軸に対して、120°の回転対称となるように設けられている。
次に、図8を参照して、駆動用磁石が及ぼす磁力について説明する。駆動用磁石20aの接眼側には固定ヨーク12bが位置しており、駆動用コイル22aの対物側には吸着ヨーク25aが位置している。また、駆動用磁石20a、20b、20cは、その磁極の境界線である着磁境界線Cが、各駆動用磁石が配置されている円周の半径方向に一致するように向けられている。これにより、駆動用磁石20a、固定ヨーク12b及び吸着ヨーク25aは、磁気回路を構成し、図8(a)に矢印で示す磁力線を形成する(図8(a)では駆動用磁石20aについて示す)。これにより、駆動用コイル22aに電流が流れると、駆動用コイル22aには、各駆動用磁石20aが配置された円周の接線方向の駆動力を受ける。
なお、本明細書において、着磁境界線Cとは、駆動用磁石の両端が夫々S極、N極となるように着磁されているとき、その着磁されている磁極の境界線を言うものとする。従って、本実施形態においては、着磁境界線Cは、長方形の駆動用磁石の長辺の中点を通るように位置する。また、図8(b)に示すように、駆動用磁石20aは、その厚さ方向にも極性が変化しており、図8(b)において左下の角がS極、右下がN極、左上がN極、右上がS極になっている。
次に、図8及び図9を参照して、各駆動用磁石が受ける駆動力を説明する。図9(a)は、駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置と、駆動用磁石が受ける駆動力との関係を示すグラフであり、図9(b)乃至(e)は、グラフ中のb乃至e点における駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置を示している。
まず、図8(a)に示すように、駆動用磁石20aの第1磁石部20a1である左半部は、駆動用コイル22aの第1巻線部22a1である左端部に、図8(a)において下方から上方に向かう磁力線を及ぼす。同様に、駆動用磁石20aの第2磁石部20a2である右半部は、駆動用コイル22aの第2巻線部22a2である右端部に、図8(a)において上方から下方に向かう磁力線を及ぼす。
一方、図9(b)に矢印で示す方向の電流が駆動用コイル22aに流れると、駆動用コイル22aの第1巻線部22a1には図8(a)の手前側から奥に向かって電流が流れ、第2巻線部22a2には図8(a)の奥から手前側に向かって電流が流れる。駆動用磁石20aによって形成された磁界中において、このような電流が流れると、駆動用コイル22aを図8(a)における右方向に移動させる駆動力が発生する。
図9(a)に示すように、この駆動力は、駆動用磁石20a及び駆動用コイル22aが図9(b)に示す位置関係にある時、即ち、駆動用磁石20aの着磁境界線Cが駆動用コイル22aの中心に位置するとき最大になる。また、駆動力は、最大の位置から駆動用コイル22aが右又は左にずれるに従って減少する。さらに、駆動用コイル22aが図9(c)に示す位置(図9(a)におけるc点)まで右方向に移動されると、駆動力はゼロになる。駆動用コイル22aをさらに移動させ、図9(d)に示す位置(図9(a)におけるd点)に達すると、駆動力の方向が逆転し、駆動用コイル22aは、左方向の駆動力を受けるようになる。このように、駆動力が逆転した状態では、駆動用コイル22aは、その第2磁石部20a2と駆動用コイル22aの第1巻線部22a1の間で発生する駆動力のみを受ける。従って、駆動力が逆転した領域における駆動力の最大値は、図9(b)の状態における駆動力よりも小さくなる。
一方、駆動用コイル22aが左方向に移動された場合も、駆動力は減少し、図9(e)に示す位置(図9(a)におけるe点)においてゼロとなる。また、駆動用コイル22aがさらに左方向に移動された場合には、駆動力の方向が逆転し、駆動用コイル22aは、左方向の駆動力を受けるようになる。
以上説明した駆動力は、駆動用コイル22aに図9(b)における時計回りの電流が流れた場合のものであり、駆動用コイル22aに反時計回りの電流が流れた場合には、駆動力の方向が全て反転する。即ち、駆動用コイル22aに反時計回りの電流が流れている場合には、図9(a)の点e〜点cの領域で左方向の駆動力が発生し、点eの左側の領域及び点cの右側の領域では右方向の駆動力が発生する。また、上記では、駆動用コイル22aと駆動用磁石20aの間に発生する駆動力について説明したが、他の2組の駆動用コイル及び駆動用磁石の間に発生する駆動力についても全く同様である。
なお、本実施形態によるカメラ1のアクチュエータ10では、駆動用コイルの第1巻線部と駆動用磁石の第1磁石部、及び第2巻線部と第2磁石部が対向し、十分な駆動力が発生する通常作動領域内において像振れ防止制御が実行される。
次に、図10及び図11を参照して、移動枠14の位置検出を説明する。
図10及び図11は、駆動用磁石20aの移動とホール素子24aから出力される信号との関係を説明する図である。図10に示すように、ホール素子24aの感度中心点Sが、駆動用磁石20aの着磁境界線C上に位置する場合には、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。移動枠14と共にホール素子24aが移動され、ホール素子24aの感度中心点が駆動用磁石20aの着磁境界線上から外れると、ホール素子24aの出力信号が変化する。
図10及び図11は、駆動用磁石20aの移動とホール素子24aから出力される信号との関係を説明する図である。図10に示すように、ホール素子24aの感度中心点Sが、駆動用磁石20aの着磁境界線C上に位置する場合には、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。移動枠14と共にホール素子24aが移動され、ホール素子24aの感度中心点が駆動用磁石20aの着磁境界線上から外れると、ホール素子24aの出力信号が変化する。
図10に示すように、ホール素子24aが駆動用磁石20aに対して着磁境界線Cに直交する方向、即ち、X軸方向に移動すると、ホール素子24aは、正弦波状の信号を発生する。従って、この移動量が微小である場合には、ホール素子24aは、駆動用磁石20aに対するホール素子24aの移動距離にほぼ比例した信号を出力する。本実施形態において、ホール素子24aの移動距離が、駆動用磁石20aの長辺の長さの3%程度以内の場合には、ホール素子24aから出力される信号は、ホール素子24aの感度中心点Sと駆動用磁石20aの着磁境界線Cの間の距離にほぼ比例する。また、本実施形態では、アクチュエータ10は、通常作動領域においては各ホール素子の出力が距離にほぼ比例する範囲内で作動する。
図11(a)乃至(c)に示すように、ホール素子24aの感度中心点S上に駆動用磁石20aの着磁境界線Cが位置する場合には、図11(b)のようにホール素子24aが駆動用磁石20aに対して回転移動した場合、図11(c)のようにホール素子24aが駆動用磁石20aの着磁境界線Cの方向に移動した場合ともに、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。また、図11(d)乃至(f)に示すように、駆動用磁石20aの着磁境界線Cがホール素子24aの感度中心点Sから外れた場合には、感度中心点Sと着磁境界線Cの距離rに比例した信号がホール素子24aから出力される。従って、感度中心点Sから着磁境界線Cまでの距離rが同じであれば、図11(d)のようにホール素子24aが着磁境界線Cに直交する方向に移動した場合、図11(e)のようにホール素子24aが並進及び回転移動した場合、図11(f)のように任意の方向に並進移動した場合とも、何れも同じ大きさの信号がホール素子24aから出力される。
ここでは、ホール素子24aについて説明したが、他のホール素子24b、24cも、それらに対応する駆動用磁石20b、20cとの位置関係に基づいて同様の信号を出力する。このため、各ホール素子24a、24b、24cによって検出された信号に基づいて、移動枠14が固定枠12に対して並進移動及び回転移動した位置を特定することができる。
次に、図12を参照して、アクチュエータ10による像振れ防止制御を説明する。図12は、コントローラ36における信号処理を示すブロック図である。図12に示すように、レンズユニット2の振動は、2つのジャイロ34a、34bによって時々刻々検出され、コントローラ36に内蔵されたレンズ位置指令信号生成手段である演算回路38a、38bに入力される。本実施形態においては、ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング運動の角速度を、ジャイロ34bはピッチング運動の角速度を夫々検出するように構成され、配置されている。
演算回路38a、38bは、ジャイロ34a、34bから時々刻々入力される角速度に基づいて、像振れ補正用レンズ16を移動させるべき位置を時系列で指令するレンズ位置指令信号を生成する。すなわち、演算回路38aは、ジャイロ34aによって検出されるヨーイング運動の角速度を時間積分し、所定の光学特性補正を行うことによってレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxを生成し、同様に、演算回路38bは、ジャイロ34bによって検出されるピッチング運動の角速度に基づいてレンズ位置指令信号の鉛直方向成分Dyを生成するように構成されている。このようにして得られたレンズ位置指令信号に従って、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることにより、写真撮影の露光中にレンズユニット2が振動した場合にも、カメラ本体4内の撮像素子Fに合焦される像は乱れることなく安定化される。
コントローラ36に内蔵されたコイル位置指令信号生成手段は、演算回路38a、38bによって生成されたレンズ位置指令信号に基づいて、各駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成するように構成されている。コイル位置指令信号は、像振れ補正用レンズ16をレンズ位置指令信号で指定された位置へ移動させたときの、各駆動用コイル22a、22b、22cとそれに対応した駆動用磁石20a、20b、20cの位置関係を表す信号である。すなわち、各駆動用コイルがコイル位置指令信号によって指令された位置に移動されると、その結果、像振れ補正用レンズ16は、レンズ位置指令信号によって指令された位置へ移動される。本実施形態においては、駆動用コイル22aが光軸の鉛直上方に設けられているので、駆動用コイル22aに対するコイル位置指令信号raは、演算回路38aから出力されるレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxと等しくなる。従って、駆動用コイル22aに対するコイル位置指令信号を生成するコイル位置指令信号生成手段である演算回路40aは、演算回路38aから出力をそのまま出力する。一方、駆動用コイル22b、22cに対するコイル位置指令信号rb、rcは、レンズ位置指令信号の水平方向成分Dx及び鉛直方向成分Dyに基づいて、コイル位置指令信号生成手段である演算回路40b、40cによって生成される。
一方、ホール素子24a、24b、24cによって測定された、各駆動用コイルに対する駆動用磁石の移動量は、磁気センサアンプ42a、42b、42cによって所定の倍率に増幅される。駆動回路44a、44b、44cは、演算回路40a、40b、40cから出力された各コイル位置指令信号ra、rb、rcと、各磁気センサアンプ42a、42b、42cから出力された信号との差に比例した電流を各駆動用コイル22a、22b、22cに流す。従って、コイル位置指令信号と各磁気センサアンプからの出力に差がなくなると、即ち、各駆動用磁石がコイル位置指令信号によって指令された位置に到達すると、各駆動用コイルには電流が流れなくなり、駆動用磁石に作用する駆動力がゼロになる。
次に、図13を参照して、移動枠14を並進運動させる場合における、レンズ位置指令信号とコイル位置指令信号との関係を説明する。図13は、固定枠12上に配置された駆動用磁石20a、20b、20c、及び移動枠14上に配置された駆動用コイル22a、22b、22cの位置関係を示す図である。まず、3つの駆動用磁石20a、20b、20cは、点Qを中心とする円の円周上に、各着磁境界線Cが半径方向に向くように夫々配置されている。また、移動枠14が動作中心位置にある場合には、駆動用コイル22a、22b、22c及び各ホール素子24a、24b、24cは、その中心点(ホール素子においては感度中心点)Sa、Sb、Scが、各駆動用磁石20a、20b、20cと点Qを原点とする半径Rの円周と、各着磁境界線Cとの交点上に夫々位置している。移動枠14は、この動作中心位置を中心に並進移動され、像振れ防止制御が実行される。
次に、点Qを原点とする水平軸線をX軸、鉛直軸線をY軸とし、図13に実線で示すように、画像安定化用レンズ16の中心点Q1が、Y軸方向にDy、X軸方向に−Dx並進移動された場合を考える。移動枠14をこのように移動させると、駆動用コイル22a、22b、22cの中心点Sa、Sb、Scは、Sa´、Sb´、Sc´へと移動する。駆動用磁石20aの着磁境界線Cと点Sa´との間の距離をra、駆動用磁石20bの着磁境界線Cと点Sb´との間の距離をrb、駆動用磁石20cの着磁境界線Cと点Sc´との間の距離をrcとする。この距離ra、rb、rcは、画像安定化用レンズ16をY軸方向にDy、X軸方向に−Dx移動させたとき、各ホール素子24a、24b、24cによって検出される移動距離に該当する。これらの距離ra、rb、rcは、X軸方向、Y軸方向の移動距離Dx、Dyに対して一意的に決定されるものである。従って、画像安定化用レンズ16をX軸方向、Y軸方向に夫々Dx、Dy移動させるためには、これに対応した距離ra、rb、rcをコイル位置指令信号として与えればよい。
ここで、各距離ra、rb、rcの正の方向を図13に矢印a、b、cで示すように定義すると、ra、rb、rcと、Dx、Dyの関係は次の(数式1)で与えられる。
図12を参照して説明した各演算回路40a、40b、40cは、夫々上記数式1に対応する演算を実行して、各コイル位置指令信号を生成している。
次に、移動枠14を回転運動させる場合におけるコイル位置指令信号を説明する。移動枠14を回転運動させるには、各コイル位置指令信号として同一の値を与えればよい。即ち、移動枠14を角度θ[rad]だけ時計回りに回転させるための各コイル位置指令信号は、
によって与えられる。このように、各駆動用磁石が各駆動用コイルに対して同一距離接線方向に移動されることにより、移動枠14は、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態を保持しながら、光軸を中心に回転される。
次に、図1及び図12を参照して、本発明の実施形態によるカメラ1の作用を説明する。まず、カメラ1の手ブレ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をオンにすることにより、レンズユニット2に備えられたアクチュエータ10が作動される。レンズユニット2に取り付けられたジャイロ34a、34bは、所定周波数帯域の振動を時々刻々検出し、コントローラ36に内蔵された演算回路38a、38bに出力する。ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング方向の角速度の信号を演算回路38aに出力し、ジャイロ34bはピッチング方向の角速度の信号を演算回路38bに出力する。演算回路38aは、入力された角速度信号を時間積分して、ヨーイング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて水平方向のレンズ位置指令信号Dxを生成する。同様に、演算回路38bは、入力された角速度信号を時間積分して、ピッチング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyを生成する。演算回路38a、38bによって時系列で出力されるレンズ位置指令信号によって指令される位置に、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることによって、カメラ本体4の撮像素子Fに合焦される像が安定化される。
演算回路38aによって出力された水平方向のレンズ位置指令信号Dxは、演算回路40aを介して、駆動用コイル22aに対するコイル位置指令信号raとして出力される。また、演算回路40bには、水平方向のレンズ位置指令信号Dx及び鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyが入力され、数式1の中段の式に基づいて駆動用コイル22bに対するコイル位置指令信号rbが生成される。同様に、演算回路40cには、レンズ位置指令信号Dx、Dyが入力され、数式1の下段の式に基づいて駆動用コイル22cに対するコイル位置指令信号rcが生成される。
一方、駆動用コイル22aに対応するホール素子24aは磁気センサアンプ42aに検出信号を出力する。磁気センサアンプ42aによって増幅された検出信号は、駆動用コイル22aに対するコイル位置指令信号raから差し引かれ、これらの差に比例した電流が、駆動回路44aを介して駆動用コイル22aに出力される。同様に、ホール素子24bの検出信号とコイル位置指令信号rbの差に比例した電流が駆動回路44bを介して駆動用コイル22bに出力され、ホール素子24cの検出信号とコイル位置指令信号rcの差に比例した電流が駆動回路44cを介して駆動用コイル22cに出力される。
各駆動用コイルに電流が流れることにより、電流に比例した磁界が発生する。この磁界により各駆動用コイルに対応して配置された各駆動用磁石は夫々、コイル位置指令信号ra、rb、rcによって指定された位置に近づく方向の駆動力を受け、移動枠14が移動される。駆動用磁石が、この駆動力によってコイル位置指令信号により指定された位置に到達すると、コイル位置指令信号とホール素子の検出信号が一致するので駆動回路の出力はゼロとなり、駆動力もゼロになる。また、外乱、又は、コイル位置指令信号の変化等により、各駆動用磁石がコイル位置指令信号により指定された位置から外れると、再び各駆動用コイルに電流が流され、各駆動用磁石はコイル位置指令信号によって指定された位置に戻される。
以上の作用が時々刻々繰り返されることにより、各駆動用磁石を有する移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16が、レンズ位置指令信号に追従するように移動される。これにより、カメラ本体4の撮像素子Fに合焦される像が安定化される。
以上説明したように、本実施形態のカメラによれば、駆動用コイルと、コントローラと通信可能な接続部との間を接続するフレキシブル基板が、補正用レンズを取り囲むように円弧状に設けられているため、移動枠が移動する際にフレキシブル基板から移動枠へ作用する反発力を抑えることができ、移動枠のスムーズな移動を実現できる。
また、本実施形態によれば、複数のフレキシブル基板により移動枠と接続部とを接続しているため、フレキ幅を狭めることができ、フレキシブル基板の配置スペースを省スペース化できる。
また、図14に示す従来用いられていたフレキシブル基板では、移動枠の開口部に対応した開口部を設ける必要があり、基板シートを切断してフレキシブル基板を製造する際に、無駄となる基板シートの量(面積)が大きかった。これに対して、本実施形態によれば、フレキシブル基板を小さくすることができ、さらに開口を設ける必要がなくなるため、フレキシブル基板を、シートを切断して製造する際に、基板シートの無駄を減らすことができる。
また、図14に示す従来用いられていたフレキシブル基板では、移動枠の開口部に対応した開口部を設ける必要があり、基板シートを切断してフレキシブル基板を製造する際に、無駄となる基板シートの量(面積)が大きかった。これに対して、本実施形態によれば、フレキシブル基板を小さくすることができ、さらに開口を設ける必要がなくなるため、フレキシブル基板を、シートを切断して製造する際に、基板シートの無駄を減らすことができる。
また、本実施形態によれば、各駆動コイルに対してそれぞれフレキシブル基板を設け、各フレキシブル基板を補正用レンズの光軸を中心として回転対象となるように配置したため、移動枠を並進運動及び回転運動させる際に、フレキシブル基板からの反発力が運動方向によらず略一定となり、移動枠のよりスムーズな移動を実現できる。
また、本実施形態によれば、各駆動用コイルが、それぞれ光軸に対して周方向に隣接する駆動用コイルの近傍に設けられたコネクタにフレキシブル基板を介して接続されているため、複数のフレキシブル基板が互いに干渉することなく、各フレキシブル基板の長さを長くすることができる。これにより、フレキシブル基板の反発力をより小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、フレキシブル基板の第2の水平部が、その表面が補正用レンズの光軸に平行になるように設けられているため、移動枠を並進運動及び回転運動させる際のフレキシブル基板の反発力を、フレキシブル基板を運動方向に水平に設けた場合に比べて抑えることができる。
なお、本実施形態では、本発明を撮像素子で光電変形するカメラ、すなわち、デジタルカメラに適用していたが、本発明は、フィルムカメラや、静止画又は動画撮像用の任意のカメラに適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
また、本実施形態では、移動枠を並進運動及び回転運動させることが可能なように構成された場合について説明したが、これに限らず、移動枠を並進運動のみさせる場合にも、本発明を適用できる。
また、本実施形態では、駆動用コイル、駆動用磁石、フレキシブル基板及びコネクタを3つ用いる場合について説明したが、これに限らず、それぞれ4つ以上用いる場合であっても、本発明を適用できる。
また、本実施形態では、駆動用コイル、駆動用磁石、フレキシブル基板及びコネクタを3つ用いる場合について説明したが、これに限らず、それぞれ4つ以上用いる場合であっても、本発明を適用できる。
また、本実施形態では、コネクタを固定枠の接眼側表面に設け、フレキシブル基板を固定枠の枠材に設けられた開口を挿通させてコネクタに接続しているが、これに限らず、移動枠が移動する際に干渉しなければ、固定枠の対物側の面に配置してもよい。
1 カメラ
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 鏡筒
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ
12 固定枠(固定部)
14 移動枠(可動部)
16 補正用レンズ
18 支持ボール
20a、20b、20c 駆動用磁石
22a、22b、22c 駆動用コイル
24a、24b、24c ホール素子
26a、26b、26c フレキシブル基板
28a、28b、28c コネクタ(接続部)
34a、34b ジャイロ
36 コントローラ(制御手段)
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 鏡筒
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ
12 固定枠(固定部)
14 移動枠(可動部)
16 補正用レンズ
18 支持ボール
20a、20b、20c 駆動用磁石
22a、22b、22c 駆動用コイル
24a、24b、24c ホール素子
26a、26b、26c フレキシブル基板
28a、28b、28c コネクタ(接続部)
34a、34b ジャイロ
36 コントローラ(制御手段)
Claims (5)
- 撮像用レンズの一部である像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、
固定部と、
前記補正用レンズが取り付けられた可動部と、
この可動部を、前記固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、
前記可動部の前記補正用レンズの周囲に取り付けられた3つ以上の駆動用コイル、及び前記3つ以上の駆動用コイルのそれぞれに対応するように前記固定部に取付けられた3つ以上の駆動用磁石からなり、前記可動部を前記固定部に対して並進移動させる駆動手段と、
前記3つ以上の駆動用コイルに、前記可動部の移動量に応じた位置指令信号を送信する制御手段と、
前記固定部上に前記3つ以上の駆動用コイルのそれぞれに対応して設けられ、前記制御手段と通信可能な3つ以上の接続部と、
前記駆動用コイルと、対応する前記接続部との間をそれぞれ通信可能に接続する3つ以上のフレキシブル基板と、を備え、
前記3つ以上のフレキシブル基板は同形状であり、このフレキシブル基板の少なくとも一部が前記補正用レンズの光軸を中心として回転対称となり、かつ、前記補正用レンズを円弧状に取り囲むように設けられている、ことを特徴とするアクチュエータ。 - 各駆動用コイルは、この駆動用コイルに対して前記光軸を中心として周方向に隣接する駆動用コイルの近傍に設けられた接続部にフレキシブル基板を介して接続されている、請求項1に記載されたアクチュエータ。
- 前記フレキシブル基板は、該フレキシブル基板の前記少なくとも一部の表面が前記光軸に対して平行になるように、設けられている、請求項1又は2に記載されたアクチュエータ。
- レンズ鏡筒と、
このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、
これら撮像用レンズの一部を上記可動部に取り付けた請求項1乃至3の何れか1項に記載のアクチュエータと、
を有することを特徴とするレンズユニット。 - カメラ本体と、
請求項4に記載のレンズユニットと、
を有することを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012099560A JP2013228504A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | アクチュエータ、レンズユニット、及びカメラ |
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ID=49676208
Family Applications (1)
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JP2012099560A Pending JP2013228504A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | アクチュエータ、レンズユニット、及びカメラ |
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-
2012
- 2012-04-25 JP JP2012099560A patent/JP2013228504A/ja active Pending
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