以下に、この発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
実施の形態1に係る画像形成装置は、例えばモノクロプリンタとして構成されたものである。この画像形成装置本体1の内部には、図1に示すように、像保持体としての感光体ドラム2が矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転するように配置されている。感光体ドラム2は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。
感光体ドラム2の像保持面は、当該感光体ドラム2に接触した状態で回転する帯電ロール等の接触型の帯電装置3によって予め定められた電位に一様に帯電される。帯電装置3には、帯電用電圧として直流電圧又は交流電圧が重畳された直流電圧が印加される。
帯電装置3によって帯電された感光体ドラム2の像保持面は、露光装置4による画像露光を受けて静電潜像が形成される。露光装置4としては、複数のLED発光素子を感光体ドラム2の軸方向に沿って直線状に配列したLED発光素子アレイと、LED発光素子アレイの各LED発光素子から照射される光束を感光体ドラム2の表面に結像するロッドレンズを同じく感光体ドラム2の軸方向に沿って直線状に配列したロッドレンズアレイとからなるLEDプリントヘッドが用いられる。露光装置4は、画像信号に基づいて各LED発光素子が発光し、帯電された後の感光体ドラム2の周面に対してロッドレンズを介して照射することにより静電潜像を形成するものである。露光装置4には、潜像形成時になると画像形成装置に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。なお、露光装置4としては、LEDプリントヘッドに限定されるものではなく、レーザー光を画像信号に応じて感光体ドラム2の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
感光体ドラム2の周面に形成された静電潜像は、現像装置5によって顕像化され、トナー像となる。現像装置5は、図1に示すように、開口部と現像剤6の収容室が形成された筐体7の内部に、現像剤6を保持して感光体ドラム2と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール8と、現像剤6を現像ロール8に供給するパドル状の供給部材9と、現像剤6を攪拌しながら搬送する2つのスクリューオーガ等の攪拌搬送部材10、11と、現像ロール8に保持される現像剤6の量(層厚)を規制する層厚規制部材12などを配置して構成したものである。この現像装置6には、その現像ロール8と感光体ドラム2の間に現像用電圧を図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール8や供給部材9、攪拌搬送部材10、11は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記現像剤6としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。但し、これに限定されるものではなく、上記現像剤としては、例えば、トナーのみからなる一成分現像剤を使用しても良い。
感光体ドラム2の周面に形成されたトナー像は、転写装置12により記録媒体としての記録用紙13上に転写される。転写装置12は、感光ドラム2の周囲に接触して従動回転するとともに転写用電圧が供給される転写ロールを備えた接触型の転写装置(以下、単に「転写ロール」という)である。転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
また、記録用紙13上に転写されずに感光体ドラム2の表面に残留した残留トナーや紙粉等の付着物は、清掃装置14によって除去される。清掃装置14は、図1に示すように、一部が開口する容器状の本体15と、転写後の感光体ドラム2の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板16と、清掃板16によって清掃された残留トナー等の付着物を収容する相対的に容量が大きく設定された収容部17と、清掃板16によって清掃された残留トナー等の付着物を収容部17の内部へと搬送する搬送部材18とを備えている。清掃板16としては、例えば、ゴム等の弾性体からなるブレードが用いられる。
この実施の形態では、図1に示すように、転写ロール12を除いた画像形成部材である感光体ドラム2、帯電装置3、露光装置4、現像装置5、清掃装置14がプロセスカートリッジ20として一体的に構成されており、プロセスカートリッジ20は、画像形成装置本体1に着脱自在となっている。このプロセスカートリッジ20は、感光体ドラム2が寿命に達した場合など、画像形成装置本体1の図示しないカバーを開閉することにより交換することができる。
転写ロール12によってトナー像が転写された記録用紙13は、定着装置21へと搬送されて未定着トナー像が定着処理を受ける。定着装置21は、筐体22の内部に配置され、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される加熱ロール23と、この加熱ロール23に圧接される無端状の加圧ベルト24とを備えるように構成されたものである。なお、定着装置21の入口側には、記録用紙13を案内するガイド板25が配置されている。
記録用紙13は、画像形成装置本体1の下部に配置された給紙装置26から給紙される。給紙装置26は、所望のサイズ、種類等の記録用紙13を積載した状態で収容する用紙収容体27と、用紙収容体27から記録用紙13を1枚ずつ送り出す送出装置28とで主に構成されている。送出装置28は、例えば、給紙ロール29とその表面に圧接するように配置された分離パッド30の組み合わせからなる。用紙収容体27は、その一部が画像形成装置本体1の正面(使用者が操作時に向き合う側面)から突出しているとともに、必要に応じて画像形成装置本体1の正面側に引き出すことが可能に取り付けられている。
給紙装置26から供給された記録用紙13は、レジストロール対31まで一旦搬送され、感光体ドラム2の表面に形成されるトナー像と同期をとって、レジストロール対31によって感光体ドラム2と転写ロール12とが接触する転写位置へと搬送される。
定着装置21によって未定着トナー像が定着された記録用紙13は、定着装置21の出口部に配置された切り替えレバー32を支軸33を中心にして時計回り方向に回転させて、出口案内部材34を介して用紙排出ロール対35により、片面プリントの場合には、そのまま、画像形成装置本体1の上部に設けられた排出トレイ36上に排出される。
ところで、この実施の形態は、記録用紙13の両面に画像を形成することが可能となっており、両面用の搬送装置40を備えている。
両面用の搬送装置40は、図1に示すように、用紙排出ロール対35によって排出される記録用紙13の搬送方向を反転させるとともに搬送経路を切り替える反転機構41と、反転機構41によって搬送方向が反転された記録用紙13をその表裏を反転した状態で感光体ドラム2と転写ロール12とが接触する転写位置へ再度搬送するための両面用の搬送通路42と、両面用の搬送通路42の途中に配置された搬送ロール対43とを備えている。
反転機構41は、定着装置21の出口側に配置された切り替えレバー32と、用紙排出ロール対35とで構成される。切り替えレバー32は、支軸33を中心にして回転自在に設けられており、定着装置21から排出された記録用紙13が通過する際には、支軸33を中心にして図示の基準位置から時計回り方向に回転し、記録用紙13の後端が通過した後、自重によって元の基準位置に復帰する。用紙排出ロール対35は、記録用紙13の搬送方向を排出トレイ36へと排出する矢印に示す回転方向(正転方向)と、正転方向とは逆に記録用紙13を画像形成装置本体1の内部へと搬送する回転方向(逆転方向)とに切り替え可能である。両面プリント時には、切り替えレバー32が一度時計回り方向に回転した後に元の基準位置に復帰したことを示す信号が図示しない検知手段から出力されることにより、記録用紙13の後端が切り替えレバー32を通過したことが検知され、用紙排出ロール対35の回転方向が逆転方向に切り替えられる。
両面用の搬送通路42は、大別して、定着装置21の上部に略水平方向に沿って配置された第1の搬送通路42aと、この第1の搬送通路42aの記録用紙13の搬送方向の端部に下方に向けて湾曲した湾曲部42a’を介して連続し、鉛直方向の下方へ向けて相対的に長く延在する第2の搬送通路42bと、この第2の搬送通路42bの下端部に設けられ、記録用紙13の搬送方向を下方へ向けた状態からレジストロール対35へ向けた上方に変更する湾曲した第3の搬送通路42cに区分される。レジストロール対35から感光体ドラム2と転写ロール12とが接触する転写位置までの搬送通路は、片面プリント時と共通している。
第1の搬送通路42aは、その上側面が画像形成装置本体1aの天井部分に設けられた天上部案内部材43と、天上部案内部材43に隣接して配置され、先端部の下面が下方へ向けて湾曲した形状に形成された湾曲案内部材44とから構成される。また、第1の搬送通路42aの下側面は、用紙排出ロール対35へと記録用紙13を案内する出口案内部材34と、切り替えレバー32と、定着装置21の筐体22の上部に設けられた上部案内部材45とから構成される。
第2の搬送通路42bは、その右側面が後述するように転写ロール12を保持する保持部材62と一体に形成される通路形成部92と、背面カバー60の内面に設けられたカバー部案内部材64とから構成されている。一方、第2の搬送通路42bの左側面は、定着装置2の筐体22の側面に設けられた側面案内部材49と、後述するように、両面用の搬送装置本体61に設けられた案内部材87、88とからなる。
第3の搬送通路42cは、後述するように、両面用の搬送装置本体61に設けられた下端部案内部材85、86によって構成されている。なお、第3の搬送通路42acの下端部案内部材86は、画像形成装置本体1側に設けるように構成しても良い。
両面用の搬送装置40は、図2に示すように、画像形成装置本体1の背面に設けられた開口部50を覆う背面カバー60の内面に装着されている。両面用の搬送装置40は、図3に示すように、背面カバー60と、背面カバー60に装着される両面用の搬送装置本体61と、両面用の搬送装置本体61に装着され、転写ロール12を保持するとともに、両面用の通路形成部92が一体に形成された保持部材62とを備えている。
背面カバー60は、図4に示すように、上端部の中央に、背面カバー60の開閉操作を行う操作部材63が、上下方向に沿って予め定められた距離だけ移動自在に取り付けられている。また、背面カバー60の内面には、第2の搬送通路42bの一部を成す複数の平板状の案内部材64が記録用紙13の搬送方向に沿って設けられているとともに、これら複数の案内部材64は、記録用紙5の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配置されている。複数の案内部材64の中間部には、搬送ロール対43の駆動ロール43bが収容される凹部65が設けられている。さらに、背面カバー60の内面には、複数の案内部材64の記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿った両側に、当該背面カバー60に両面用の搬送装置本体61を取り付けるための矩形の平板状に形成された取付部材66、67が、中央部と下端部にそれぞれ起立した状態で設けられている。これらの取付部材66、67には、その先端寄りの外側面に円筒状又は円柱状に形成された突起68、69が外方へ向けて設けられている。
さらに、背面カバー60は、図4に示すように、その上部の記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿った両側に、保持部材62の上端部を案内するための案内用の凹部70がそれぞれ対向するように形成されている。また、案内用凹部70の外側には、背面カバー60を閉じた際に画像形成装置本体1側の定着装置21の操作レバー71(図2参照)を押圧する押圧部材72が設けられている。
なお、図2中、符号73は背面カバー60に両面用の搬送装置本体61を取り付ける際の位置決め部を示している。
両面用の搬送装置本体61は、図5(a)(b)に示すように、記録用紙13の搬送方向と交差する方向の両端に側壁部73、74を有している。両側壁部73、74の内側面には、図5(b)に示すように、当該両面用の搬送装置本体61を背面カバー60に取り付けるための凹所75、76と、当該凹所75、76の内部に開口された挿入孔77、78とが設けられている。両側壁部73、74の凹所75、76及び挿入孔77、78は、図4に示す背面カバー60の取付部材66、67と突起68、69とが挿入されることによって、両面用の搬送装置本体61を背面カバー60に装着するためのものである。両面用の搬送装置本体61の一方の側壁部73には、背面カバー60に設けられた位置決め部73に装着される位置決め用の突部79が、側方に突出した状態で設けられている。
また、両面用の搬送装置本体61には、図5に示すように、保持部材62を上下方向に沿って移動自在に装着するための装着用の長孔80、81が、両側壁部73、74の上下にそれぞれ開口されている。
さらに、両面用の搬送装置本体61には、図5(a)に示すように、その表面側(装置の内部側)の上部に搬送ロール対43のピンチロール43aが、記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて回転自在にそれぞれ取り付けられている。また、各ピンチロール43aの下方には、図5(a)及び図6に示すように、両面用の搬送装置本体61に装着された保持部材62を上方に押圧するためのコイルスプリング等からなる弾性部材Sの下端部を保持する突出部82が設けられている。
また、両面用の搬送装置本体61には、図5(a)及び図6に示すように、その表面側の下方にレジストロール対35の一方のロール35bを収容する凹所83が形成されているとともに、凹所83の上部には、レジストロール対35によって搬送される記録用紙13を感光体ドラム2と転写ロール12とが接触する転写領域の上流側へと導く複数の案内部材84が斜め上方に向けて突出した状態で設けられている。さらに、両面用の搬送装置本体61の下部には、第3の搬送通路42cを形成する下端部案内部材85、86が間隙を介して対向するように配置されている。また、下方に位置する下端部案内部材86は、搬送不良を起こした記録用紙13の除去等が容易となるように、両面用の搬送装置本体の両側壁72、73に対して図示しない支点を中心にして矢印方向に沿って回動自在に装着されており、背面カバー60を閉じた際に予め定められた位置に固定される。
一方、両面用の搬送装置本体61の裏面側には、図5(b)に示すように、搬送ロール対43の2つ駆動ロール43bが上述したピンチロール43aに接触した状態でそれぞれ配置されている。駆動ロール43bは、両面用の搬送装置本体61の両側壁73、74に図示しない軸受け部材を介して回転自在に支持された駆動軸88に取り付けられている。また、駆動軸88の一方の端部は、一方の側壁部74から外方へ突出しており、当該駆動軸88の突出部には、駆動用のギア89が取り付けられている。このギア89は、背面カバー60を閉じた際に、画像形成装置本体1側の図示しないギアと噛み合わされることで回転駆動力が伝達される。
また、両面用の搬送装置本体61の裏面側には、図5(b)に示すように、駆動ロール43bの上方に第2の搬送通路42bの一部を形成する相対的に長さの短い複数の平板状の案内部材87が、記録用紙13の搬送方向に沿って設けられているとともに、これら複数の案内部材87は、記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配置されている。また、駆動ロール43bの下方には、第2の搬送通路42bの下方部分を形成する平板状の案内部材88が、記録用紙13の搬送方向に沿って設けられているとともに、これら複数の案内部材88は、記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配置されている。なお、複数の案内部材88の円弧状に湾曲した下端部は、第3の搬送通路42cを形成する上方の下端部案内部材85と連続している。
さらに、両面用の搬送装置本体61の両側壁部73、74には、図5に示すように、その下端部に両面用の搬送装置本体61を画像形成装置本体1に開閉自在に装着するための円筒状又は円柱状のヒンジ部89が外方へ向けて突出した状態でそれぞれ設けられている。上記ヒンジ部89は、図3に示すように、両面用の搬送装置本体61に保持部材62及び背面カバー60を装着した状態で、画像形成装置本体1の開口部50の下端部に設けられた受け部90に挿入され、背面カバー60が画像形成装置本体1に対して開閉自在に装着される。
保持部材62には、図7に示すように、転写ロール12を保持する保持部91と、両面用の搬送通路42bの一部(上端部)を形成する通路形成部92とが一体に形成されている。通路形成部92は、保持部91の上端部の背面側であって且つ上方に保持部91と略平行となるように配置されている。保持部91の下端部には、図7(a)及び図8に示すように、転写ロール12を回転自在に収容するための断面略半円筒形状に形成された収容部93が転写ロール12の軸方向に沿って設けられているとともに、収容部93の転写ロール12の軸方向に沿った両端部には、転写ロール12の回転軸を軸受部材94、95を介して回転自在に保持する一部が開口した円環状の軸受部96、97が設けられている。
また、保持部材62には、図7に示すように、転写ロール12の上部に、当該転写ロール12を通過した記録用紙13を定着装置21へと案内する複数の平板状の案内部材98が、記録用紙13の搬送方向に沿って設けられているとともに、これら複数の案内板98は、記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配置されている。
さらに、上記保持部材62の保持部91には、記録用紙13の搬送方向と交差する方向の両端部に設けられた両側壁を兼ねる連結部99、100を介して両面用の搬送通路形成部92が一体に形成されている。この両面用の搬送通路形成部92は、第2の搬送通路42bの上端部に位置する搬送通路を形成する部材である。搬送通路形成部92には、複数の平板状の案内部材101が記録用紙13の搬送方向に沿って設けられているとともに、これら複数の案内板101は、記録用紙13の搬送方向と交差する方向に沿って予め定められた間隔を隔てて配置されている。また、案内部材101の下端部には、背面カバー60の内面に設けられたカバー部案内部材64の上端部が挿入される複数の凹部102が、カバー部案内部材64の上端部に対応した位置に設けられている。保持部材62は、合成樹脂等による射出成型などによって、保持部91と搬送路形成部材92とが連結部99、100を含めて一体に形成されている。
また、上記保持部材62の記録用紙13の搬送方向と交差する方向の両端部に設けられた連結部99、100には、その上端部と中間部と下端部の3箇所に、保持部材62を背面カバー60及び両面用の搬送装置本体61に移動自在に取り付けるための円筒状又は円柱状の突起103、104、105がそれぞれ外方へ向けて形成されている。これらの突起103、104、105のうち、上端部に位置する突起103は、図3に示すように、背面カバー60の上端部の両端部にそれぞれ設けられた案内孔70に挿入され、中間部と下端部に位置する突起104、105は、図3に示すように、両面用の搬送装置本体61の両側壁部73、74に上下に離間して設けられた長孔80、81にそれぞれ挿入される。その結果、保持部材62は、背面カバー60及び両面用の搬送装置本体61に対して上下方向に沿って移動自在に装着される。
また、上記保持部材62の裏面側には、図8に示すように、両面用の搬送装置本体61に設けられた押圧部材Sの上端部を保持する突出部106が設けられており、保持部材62は、図9に示すように、両面用の搬送装置本体61に対して長孔80、81の範囲内において上方に移動する方向に押圧されている。その結果、保持部材62の上端部に当接する操作部材63も突出する方向に押圧される。
保持部材62の上端部の中央には、図9に示すように、背面カバー60に設けられた操作部材63の内部に水平方向に沿って突出するように設けられた作動板107の下面が当接している。背面カバー60を開いた状態では、図10に示すように、操作部材63が保持部材62によって突出した状態に保持されており、背面カバー60を閉じる際に、操作部材63を下方に押し下げて保持部材62を下方の予め定められた位置に移動させることで、操作部材63の作動板107は、図9に示すように、画像形成装置本体1側の規制部材108によって上方への移動が規制され、背面カバー60は閉じた状態に維持される。
その際、保持部材62に設けられた転写ロール12は、図2及び図11に示すように、その軸方向に沿った両端部に設けられた軸受部材94、95が画像形成装置本体1の予め定められた位置に設けられた凹部109に位置決めされ、感光体ドラム2の表面に接触した状態となる。
背面カバー60を開く際には、図9に示すように、操作部材63を押し下げた状態で当該背面カバー60を時計回り方向に回転させることにより、操作部材63の規制部材108による規制が解除され、画像形成装置本体1から解放される。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置は、次のように動作する。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置では、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、現像装置5や定着装置21等が始動する。
そして、プロセスカートリッジ50においては、図1に示すように、まず感光体ドラム2が矢印Aで示す方向に回転し、帯電装置3が感光体ドラム2の表面を所要の極性(実施の形態1では負極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置4が、帯電後の感光体ドラム2の表面に対し、画像形成装置に入力される画像の信号に基づいて発光される各LED発光素子からの光束を照射し、その表面に所要の電位差で構成される静電潜像を形成する。
続いて、現像装置5が、感光体ドラム2に形成された静電潜像に対し、所要の極性(負極性)に帯電されたトナーを現像ロール8から供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、感光体ドラム2に形成された静電潜像は、トナーで現像されたトナー像として顕像化される。
続いて、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が転写位置まで搬送されると、転写ロール12によって記録媒体としての記録用紙13上に転写される。記録用紙13は、給紙装置26の用紙収容体27から送出装置28によって1枚ずつ送り出され、レジストロール対31で一旦停止し、感光体ドラム2上のトナー像と同期したタイミングでレジストロール対31によって転写位置へと搬送される。なお、感光体ドラム2の表面に残留した残留トナーや紙粉等の付着物は、清掃装置14によって除去される。
続いて、トナー像が転写された記録用紙13は、案内部材98に沿って定着装置21まで搬送される。定着装置21では、回転する加熱ロール23と加圧ベルト24との間の接触部に転写後の記録用紙13を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙13に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙13は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、用紙排出ロール対35により、例えば、画像形成装置本体1の上部に設けられた排出トレイ36上に画像面を下にして排出される。
以上の動作により、片面にモノクロの画像が形成された記録用紙13が出力される。
また、記録用紙13の両面に画像を形成する場合には、図12に示すように、片面(第1面)に画像が形成された記録用紙5を用紙排出ロール対35によって排出トレイ36上にそのまま排出せずに、定着装置21によって片面に未定着トナー像が定着された記録用紙13の後端が、定着装置21の出口部に配置された切り替えレバー32を通過したことが、当該切り替えレバー32に設けられた図示しない検知手段によって検知されると、用紙排出ロール対35を逆転方向に回転駆動させる。
すると、記録用紙13は、その後端を先頭にして逆方向に搬送されることで表裏が反転され、両面用の第1の搬送通路42a、第2の搬送通路42b及び第3の搬送通路42cを介して、再度レジストロール対31へと搬送され、感光体ドラム2の周面に形成されたトナー像と同期をとって、レジストロール対31によって感光体ドラム2と転写ロール12とが接触する転写位置へと搬送され、記録用紙13の裏面(第2面)にトナー像が転写される。
続いて、トナー像が転写された記録用紙13は、案内部材98に沿って定着装置21まで搬送され、定着装置21によって未定着のトナー像が記録用紙13の裏面に定着される。最後に、定着が終了した後の記録用紙13は、用紙排出ロール対35により、画像形成装置本体1の上部に設けられた排出トレイ36上に排出される。
ところで、この実施の形態では、図7に示すように、感光体ドラム2上から記録用紙13へトナー像を転写する転写ロール12を保持する保持部材62に、両面用の搬送通路42bを形成する通路形成部92が一体に形成されている。この通路形成部92は、第1の搬送通路42aを搬送された記録用紙5の搬送方向を、下方へと変化させる湾曲部の下部に配置されている。
そのため、従来は、図13に示すように、保持部材121と通路形成部材122とを別部材として構成し、これら保持部材121と通路形成部材122とを互いに連結した場合には、通路形成部92の取付位置に誤差が生じ易く、保持部材121と通路形成部材122との平行度が保持されない場合がある。すると、転写ロール12を保持した保持部材62と通路形成部材122との平行度のずれに応じて、記録用紙13の搬送経路長が記録用紙13の搬送方向と交差する方向の両端部で異なり、記録用紙13に斜行等が生じ、記録用紙13の裏面に形成される画像に位置ずれ等が生じる虞れがある。
これに対して、この実施の形態では、図7に示すように、転写ロール12を保持する保持部材62に、両面用の搬送通路を形成する通路形成部92が一体に形成されているため、図14に示すように、通路形成部92と転写ロール12を保持した保持部材62との平行度を維持することができ、記録用紙13に斜行等の搬送不良が発生するのを抑制することができる。その結果、記録用紙13の両面に良好に画像を形成することができる。付言すると、例えば背面カバー60が正規の位置に閉じられていない等の理由で、通路形成部材92が記録用紙13の搬送方向に対して斜めに取り付けられている場合であっても、通路形成部材92と保持部材62とが別部材とされた構成に比べて、記録用紙13の裏面に形成される画像への位置ずれが抑制される。
また、上記保持部材62と一体に形成される通路形成部92の配置は、特に限定されるものではないが、図1に示すように、両面用の搬送経路42bのうち、特に湾曲部42a’の近傍に配置することが効果的である。