JP2013227722A - 壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法、及び壁高欄 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁高欄において、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させ、ひび割れ処理を美しく仕上げられるようにする。
【解決手段】型枠2にコンクリートを打設して壁高欄10を施工する際に、型枠2に設けられる収縮目地形成用突部3からスリット形成用板4を突出させた状態でコンクリートを打設してひび割れ誘発目地12・13を施工する。具体的には、収縮目地形成用突部3を形成する面木2にスリット形成用板4を挟み込んで突出させる。そして、収縮目地形成用突部3及びスリット形成用板4を壁高欄10のハンチ部11まで形成する。また、スリット形成用板4としてアクリル板を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】型枠2にコンクリートを打設して壁高欄10を施工する際に、型枠2に設けられる収縮目地形成用突部3からスリット形成用板4を突出させた状態でコンクリートを打設してひび割れ誘発目地12・13を施工する。具体的には、収縮目地形成用突部3を形成する面木2にスリット形成用板4を挟み込んで突出させる。そして、収縮目地形成用突部3及びスリット形成用板4を壁高欄10のハンチ部11まで形成する。また、スリット形成用板4としてアクリル板を使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、壁高欄にひび割れを誘発させるための目地を施工する方法と、その施工方法によりひび割れ誘発目地が形成された壁高欄に関する。
自動車専用道路などに設置される壁高欄は、国土交通省などの仕様書で延長10mに1箇所、図4及び図5に示すように、収縮目地として深さ30mmのVカットを壁部にのみ設置するよう規定されている。
しかし、実際には仕様どおり施工してもひび割れは十分に制御できず、Vカットとは異なる位置にひび割れが発生することが多く、高品質の壁高欄を仕上げるためには施工業者は仕様書の規定以上の対策を自主的に実施せざるを得ない。
しかし、実際には仕様どおり施工してもひび割れは十分に制御できず、Vカットとは異なる位置にひび割れが発生することが多く、高品質の壁高欄を仕上げるためには施工業者は仕様書の規定以上の対策を自主的に実施せざるを得ない。
一方、特許文献1において、道路橋の壁高欄や地覆などの壁状の鉄筋コンクリート構造物に断面を貫通するひび割れが発生した場合においても、補修を必要とせず、設置が容易で所要の耐久性と壁の構造上の一体性の確保を可能とする目地が提案される。
これはステンレス鉄筋を利用したひび割れ誘発用の目地で、道路橋の壁高欄や地覆などの壁状構造物に、3〜10m間隔で壁の延長方向に対して等間隔となるように設置する。この目地は壁の横断方向にロの字型などの形状に加工したステンレス鉄筋を配置することにより、また、壁の表面側に目地棒などの切り欠きを設置することにより、壁の断面積を欠損させて目地部分にひび割れの発生を誘導する構造とする。
これはステンレス鉄筋を利用したひび割れ誘発用の目地で、道路橋の壁高欄や地覆などの壁状構造物に、3〜10m間隔で壁の延長方向に対して等間隔となるように設置する。この目地は壁の横断方向にロの字型などの形状に加工したステンレス鉄筋を配置することにより、また、壁の表面側に目地棒などの切り欠きを設置することにより、壁の断面積を欠損させて目地部分にひび割れの発生を誘導する構造とする。
また、壁高欄を対象としたものではないが、ひび割れ誘発目地材として、予め構造体内に埋め込んでおくタイプの製品も提供されており(例えば特許文献2、3参照)、ひび割れ誘発効果については一定の実績がある。
ところで、壁高欄は床版や柱・梁などと比較すると重要な構造部材とはいえず、また水密性を要求されるものでもないため、ひび割れが嫌われる理由は主に見栄え上の問題である。
従って、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させ、ひび割れ処理を美しく仕上げられる技術が求められる。
この点、特許文献1のようなステンレス鉄筋利用のひび割れ誘発用目地や、特許文献2、3のような市販のひび割れ誘発目地材は、壁高欄に適用するには過剰品質でコストが合わない。
従って、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させ、ひび割れ処理を美しく仕上げられる技術が求められる。
この点、特許文献1のようなステンレス鉄筋利用のひび割れ誘発用目地や、特許文献2、3のような市販のひび割れ誘発目地材は、壁高欄に適用するには過剰品質でコストが合わない。
本発明の課題は、壁高欄において、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させ、ひび割れ処理を美しく仕上げられるようにすることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
型枠にコンクリートを打設して壁高欄を施工する際に、
前記型枠に設けられる収縮目地形成用突部からスリット形成用板を突出させた状態で前記コンクリートを打設してひび割れ誘発目地を施工する、壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法を特徴とする。
型枠にコンクリートを打設して壁高欄を施工する際に、
前記型枠に設けられる収縮目地形成用突部からスリット形成用板を突出させた状態で前記コンクリートを打設してひび割れ誘発目地を施工する、壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法を特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記収縮目地形成用突部を形成する面木に前記スリット形成用板を挟み込んで突出させることを特徴とする。
請求項1に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記収縮目地形成用突部を形成する面木に前記スリット形成用板を挟み込んで突出させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または2に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記収縮目地形成用突部及びスリット形成用板を前記壁高欄のハンチ部まで形成することを特徴とする。
請求項1または2に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記収縮目地形成用突部及びスリット形成用板を前記壁高欄のハンチ部まで形成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1から3のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記スリット形成用板としてアクリル板を使用することを特徴とする。
請求項1から3のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法であって、
前記スリット形成用板としてアクリル板を使用することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法により前記ひび割れ誘発目地を形成した壁高欄を特徴とする。
請求項1から4のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法により前記ひび割れ誘発目地を形成した壁高欄を特徴とする。
本発明によれば、壁高欄において、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させて、ひび割れ処理を美しく仕上げることができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1は本発明を適用した型枠の一実施形態の構成を示すもので、1は鉄筋、2は面木、3は収縮目地形成用突部、4はスリット形成用板である。
(実施形態)
図1は本発明を適用した型枠の一実施形態の構成を示すもので、1は鉄筋、2は面木、3は収縮目地形成用突部、4はスリット形成用板である。
図示のように、型枠を構成する面木2の収縮目地形成用突部3の間にアクリル板によるスリット形成用板4を挟み込んでおく。
具体的には、面木2の収縮目地として深さ30mmのVカットを形成する収縮目地形成用突部3の間に、厚さ3mm程度のアクリル板によるスリット形成用板4を挟み込み、後のコンクリート打設による壁高欄の躯体内にVカットの先端から20mm程度突き出す。
具体的には、面木2の収縮目地として深さ30mmのVカットを形成する収縮目地形成用突部3の間に、厚さ3mm程度のアクリル板によるスリット形成用板4を挟み込み、後のコンクリート打設による壁高欄の躯体内にVカットの先端から20mm程度突き出す。
ここで、スリット形成用板4としてアクリル板を使用したのは入手しやすく、加工が容易で、適度な剛性を有し、かつ表面が平滑であるため、脱型時に撤去が容易となるからである。
また、アクリル板によるスリット形成用板4の突き出しを20mm程度としたのは、鉄筋1のかぶりを確保し、目地が耐久性上の弱点とならないようにするためである。突き出しを大きくする程、断面欠損率が高くなり、ひび割れの誘発は確実になるが、耐久性確保の観点からは不利になるため、ひび割れ誘発効果を検証した上で適切な突き出し量として20mm程度を定めた。
また、アクリル板によるスリット形成用板4の突き出しを20mm程度としたのは、鉄筋1のかぶりを確保し、目地が耐久性上の弱点とならないようにするためである。突き出しを大きくする程、断面欠損率が高くなり、ひび割れの誘発は確実になるが、耐久性確保の観点からは不利になるため、ひび割れ誘発効果を検証した上で適切な突き出し量として20mm程度を定めた。
図2は本発明による壁高欄10の断面に対する収縮目地12の設置を示すもので、図示のように、深さ30mmの収縮目地12のVカットの中央から20mm程度のスリット13が形成されている。
そして、図3に示すように、Vカットによる収縮目地12及びスリット13の設置範囲を仕様書の規定からハンチ部11まで延長する。
これにより、従来制御できていなかったハンチ部11のひび割れも制御が可能となった。
これにより、従来制御できていなかったハンチ部11のひび割れも制御が可能となった。
また、土木学会のコンクリート標準示方書では、ひび割れ誘発目地による断面欠損率の目安値を30〜50%としているが、図5に示した従来は、14.7%であったのに対し、実施形態では、図3に示す壁高欄10の断面積に対する断面欠損率は32.2%となり、下限値近くではあるが目安値に適合する。
以上によるひび割れ誘発目地の設置ピッチを5m間隔とすることで、壁高欄10には目地以外の場所でひび割れの発生はみられなかった。
なお、Vカット部にコーキングを行うことは、従来方法と同じである。
また、Vカット部の補強鉄筋にエポキシ樹脂塗布仕様等による防錆対策を施すことも有効である。
また、Vカット部の補強鉄筋にエポキシ樹脂塗布仕様等による防錆対策を施すことも有効である。
以上、実施形態のひび割れ誘発目地の施工方法により施工される壁高欄10によれば、深さ30mmの収縮目地12のVカットの中央から20mm程度のスリット13を形成したことで、低コストで確実に目地部にひび割れを誘発させて、ひび割れ処理を美しく仕上げることができる。
(変形例)
以上の実施形態においては、深さ30mmの収縮目地と20mm程度のスリットとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、 各部の寸法は任意に設定してもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
以上の実施形態においては、深さ30mmの収縮目地と20mm程度のスリットとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、 各部の寸法は任意に設定してもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 鉄筋
2 面木
3 収縮目地形成用突部
4 スリット形成用板
10 壁高欄
11 ハンチ部
12 収縮目地
13 スリット
2 面木
3 収縮目地形成用突部
4 スリット形成用板
10 壁高欄
11 ハンチ部
12 収縮目地
13 スリット
Claims (5)
- 型枠にコンクリートを打設して壁高欄を施工する際に、
前記型枠に設けられる収縮目地形成用突部からスリット形成用板を突出させた状態で前記コンクリートを打設してひび割れ誘発目地を施工することを特徴とする壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法。 - 前記収縮目地形成用突部を形成する面木に前記スリット形成用板を挟み込んで突出させることを特徴とする請求項1に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法。
- 前記収縮目地形成用突部及びスリット形成用板を前記壁高欄のハンチ部まで形成することを特徴とする請求項1または2に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法。
- 前記スリット形成用板としてアクリル板を使用することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法により前記ひび割れ誘発目地を形成したことを特徴とする壁高欄。
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JP2012098297A JP2013227722A (ja) | 2012-04-24 | 2012-04-24 | 壁高欄のひび割れ誘発目地の施工方法、及び壁高欄 |
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---|---|---|---|---|
JPS55180803U (ja) * | 1979-06-12 | 1980-12-25 | ||
JP2011111839A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Nippon Concrete Gijutsu Kk | 壁状構造物の目地 |
JP2011236639A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Ohbayashi Corp | 誘発ひび割れの止水構造及びそれに用いる誘発ひび割れ用止水部材並びに誘発ひび割れ止水構造の構築方法 |
JP2011236641A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Ohbayashi Corp | ひび割れ誘発板及びそれを用いたひび割れ誘発構造並びにその構築方法 |
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2012
- 2012-04-24 JP JP2012098297A patent/JP2013227722A/ja active Pending
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