JP2013226855A - 飛行体用電源装置及び航空機 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機等の飛行体での使用に好適な、二次電池の電源装置を提供する。
【解決手段】航空機等の飛行体に搭載され、二次電池である溶融塩電池Bによって構成される飛行体用電源装置であって、溶融塩を電解液とする溶融塩電池本体と、溶融塩電池本体を収容する電池容器11と、電池容器11に設けられ、電池容器11の外部から内部への通気を阻止しつつ、電池容器11の内外気圧差が所定値を超える場合に放圧動作を行う安全弁12とを備えたものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、溶融塩を電解液とする溶融塩電池に関し、特に、航空機等の飛行体への溶融塩電池の適用に関する。
電子機器類の電源として、エネルギー密度の高い二次電池であるリチウムイオン電池が多く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。このリチウムイオン電池は、電解液として有機溶媒を用いている。有機溶媒は揮発しやすいので、電解液を収容する電池容器は密封して使用される。但し、過充電や短絡等により内部圧力が高くなった場合の放圧用に、安全弁が設けられている。
一方、航空機には複数の電池が搭載されており、主として、エンジンのスタータ用や、電子機器類のバックアップ用の電源として使用されている。これらの電池としては、鉛蓄電池やニッケルカドミウム電池が主として使用されてきたが、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池に置き換えることによって、機体を軽量化することができる、と提言されている(例えば、非特許文献1参照。)
特開2009−93799号公報(段落[0002])
「航空機用大型リチウムイオン電池の開発」、株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション、テクニカルレポート、2010年6月、第7巻、第1号
しかしながら、航空機に電源として搭載されるリチウムイオン電池は、高度が高くなると、気圧が低下した環境にさらされる。このような環境で、安全弁付きのリチウムイオン電池が使用された場合、電池容器内の気圧は、周囲よりも相対的に高い状態になるので、内部のガスが安全弁を介して外へ抜ける。ガスが抜けることにより電池容器内は気圧が下がり、有機溶媒は揮発し易くなる。こうして、揮発したガスが外へ抜け続けることにより、電解液が失われると、電池は使用不能になる。また、有機溶媒は可燃性であるため、高い安全性を求められる航空機用として、リチウムイオン電池は必ずしも好適ではない。
一方、上記のようにガスが外へ抜けることを阻止するためには、電池容器内が高い圧力となり、かつ、外部の気圧が下がったときにも外へ膨らまないように、電池容器を頑丈に製造して完全密閉構造にしなければならない。しかし、これは現実には容易ではなく、また、電池全体が大型化してしまう難点がある。
また、リチウムイオン電池は50℃以上になると劣化し易くなり、80℃以上では熱暴走を起こす場合がある。航空機の場合、気温の高い地域での使用もあるので、50℃未満に安定して温度を維持することは、容易ではない。
かかる課題に鑑み、本発明は、航空機等の飛行体での使用に好適な、二次電池の電源装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、飛行体に搭載され、二次電池である溶融塩電池によって構成される飛行体用電源装置であって、当該溶融塩電池が、溶融塩を電解液とする溶融塩電池本体と、前記溶融塩電池本体を収容する電池容器と、前記電池容器に設けられ、前記電池容器の外部から内部への通気を阻止しつつ、前記電池容器の内外気圧差が所定値を超える場合に放圧動作を行う安全弁とを備えたものである。
上記のような飛行体用電源装置は、飛行体が高い高度を飛ぶことにより気圧が下がると、当該電源装置の設置場所によっては、減圧された環境となる場合がある。この場合、電池容器内に存在するガスが安全弁を介して外部へ抜けることはあるが、溶融塩は不揮発性でガス化しないので、抜けない。ガスが外部へ抜けた後、飛行体が地上に戻ると、電池容器内は負圧の状態となるが、安全弁により、水分を含む空気は電池容器内に侵入しない。また、溶融塩電池は、例えばリチウムイオン電池と比較して使用可能温度上限が高く、かつ、不燃性である。従って、例えば50℃を超える高温にさらされても、劣化や熱暴走の恐れが無く、また、火災の恐れも無い。
(2)また、上記(1)の飛行体用電源装置において、溶融塩は、NaFSA、NaTFSA及びNaFTAのうち少なくとも1つを含む混合物であることが好ましい。
ここで、NaFSA、NaTFSA、及びNaFTAは、それぞれ、ナトリウム ビスフルオロスルフォニルアミド、ナトリウム ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド、及びナトリウム フルオロスルフォニル−トリフルオロメチルスルフォニルアミドを表す。
また、これらのNaFSA等は、NaカチオンとFSAアニオン等からなる塩を形成する。
このような溶融塩は、比較的低融点であるため、少ない加熱で高濃度のイオンが溶解した状態を実現することができる。
(3)また、上記(1)又は(2)の飛行体用電源装置において、飛行体とは例えば航空機である。
この場合、地上では、例えば補助動力装置を始動させるために当該電源装置を使用することができるほか、上空では航空機に搭載された各種制御機器の無停電電源装置(UPS)に当該電源装置を使用することができる。また、メインエンジン動作中は発電機から当該電源装置を充電することができる。
(4)また、上記(1)又は(2)の飛行体用電源装置において、電池容器内における安全弁に、撥水性の多孔質シートが取り付けられていてもよい。
このような多孔質シートが例えば電池容器内における安全弁の口近傍に設けられた場合、安全弁から外部へ放出されるガスは多孔質シートを通過できるが、電解液は、多孔質シートにはじかれ、外へ出ない。従って、ガス放出と共に電解液が外部に漏れることを防止できる。
(5)また、本発明の航空機は、貨物室内に、上記(1)又は(2)に記載の飛行体用電源装置を搭載したものである。
貨物室内は、所定の高度を巡航中の場合、例えば0.8気圧となるが、溶融塩電池はこの環境でも何ら支障なく好適に使用することができる。
本発明の飛行体用電源装置によれば、航空機等の飛行体での使用に好適な、二次電池の電源装置を提供することができる。
溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。 溶融塩電池本体(電池としての本体部分)の積層構造を簡略に示す斜視図である。 図2と同様の構造についての横断面図である。 電池容器に収容された状態の溶融塩電池の外観の概略を示す斜視図である。 安全弁の詳細な構造の一例を示す断面図である。 溶融塩電池を外箱内に複数個並べて、組電池としての電源装置を構成した状態の一例を示す斜視図(一部断面を含む。)である。 電源装置を例えば航空機に搭載した場合の、機内の電力供給系統の一例を示すブロック図である。 周囲の気圧と、溶融塩電池の内部の気圧との関係を示す略図である。
《溶融塩電池の基本構造》
以下、本発明の一実施形態に係る溶融塩電池について、図面を参照して説明する。
図1は、溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。図において、発電要素は、正極1、負極2及びそれらの間に介在するセパレータ3を備えている。正極1は、正極集電体1aと、正極材1bとによって構成されている。負極2は、負極集電体2aと、負極材2bとによって構成されている。
正極集電体1aの素材は、例えば、アルミニウム不織布(線径100μm、気孔率80%)である。正極材1bは、正極活物質としての例えばNaCrOと、アセチレンブラックと、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、N−メチル−2−ピロリドンとを、質量比85:10:5:100の割合で混練したものである。そして、このように混練したものを、アルミニウム不織布の正極集電体1aに充填し、乾燥後に、100MPaにてプレスし、正極1の厚みが約1mmとなるように形成される。
一方、負極2においては、アルミニウム製の負極集電体2a上に、負極活物質としての例えば錫を含むSn−Na合金が、メッキにより形成される。
正極1及び負極2の間に介在するセパレータ3は、ガラスの不織布(厚さ200μm)又はポリオレフィンシート(厚さ50μm)に電解質としての溶融塩を含浸させたものである。この溶融塩は、例えば、NaFSA56mol%と、KFSA(カリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)44mol%との混合物であり、融点は57℃である。融点以上の温度では、溶融塩は溶融し、高濃度のイオンが溶解した電解液となって、正極1及び負極2に触れている。また、この溶融塩は不燃性である。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃である。
なお、上述した各部の材質・成分や数値は好適な一例であるが、これらに限定されるものではない。
例えば、溶融塩としては、上記の他、NaFSAと、LiFSA、KFSA、RbFSA又はCsFSAとの混合物も好適である。また、有機カチオン等よりなる他の塩を混合する場合もあり、一般には、溶融塩は、(a)NaFSAを含む混合物、(b)NaTFSAを含む混合物、(c)NaFTAを含む混合物、が適する。また、(a)〜(c)のうち2以上を混合することも可能である。これらの場合、各混合物の溶融塩は、比較的低融点となるので、少ない加熱で高濃度のイオンが溶解した状態を実現し、溶融塩電池を作動させることができる。
《溶融塩電池の具体的構造》
次に、より具体的な溶融塩電池の発電要素の構成について説明する。図2は、溶融塩電池本体(電池としての本体部分)10の積層構造を簡略に示す斜視図、図3は同様の構造についての横断面図である。
図2及び図3において、複数(図示しているのは6個)の矩形平板状の負極2と、袋状のセパレータ3に各々収容された複数(図示しているのは5個)の矩形平板状の正極1とが、互いに対向して図3における上下方向すなわち積層方向に重ね合わせられ、積層構造を成している。
セパレータ3は、隣り合う正極1と負極2との間に介在しており、言い換えれば、セパレータ3を介して、正極1及び負極2が交互に積層されていることになる。実際に積層する数は、例えば、正極1が20個、負極2が21個、セパレータ3は「袋」としては20袋であるが、正極1・負極2間に介在する個数としては40個である。なお、セパレータ3は、袋状に限定されず、分離した40個であってもよい。
なお、図3では、セパレータ3と負極2とが互いに離れているように描いているが、溶融塩電池の完成時には互いに密着する。正極1も、当然に、セパレータ3に密着している。また、正極1の縦方向及び横方向それぞれの寸法は、デンドライトの発生を防止するために、負極2の縦方向及び横方向の寸法より小さくしてあり、正極1の外縁が、セパレータ3を介して負極2の周縁部に対向するようになっている。
上記のように構成された溶融塩電池本体10は、例えばアルミニウム合金製で直方体状の電池容器に収容され、素電池すなわち、電池としての物理的な一個体を成す。
図4は、このような電池容器11に収容された状態の溶融塩電池Bの外観の概略を示す斜視図である。なお、図2,図3における正極1及び負極2のそれぞれからは、端子(正極1の端子1tのみ図示している。)が電池容器11の外部へ引き出される。図4において、電池容器11の上部には、内部の気圧が過度に上昇したときに放圧するための安全弁12が設けられている。なお、電池容器11の内面には絶縁処理が施されている。電池容器11は、例えば正面・背面に密着させる後述のヒータによって暖められ、その結果、電解質の塩は、溶融塩の電解液となる。
図5は、安全弁12の詳細な構造の一例を示す断面図である。安全弁12は、袋ナット121、ボルト122、栓部123、ばね124、Oリング125、及び、多孔質シート126によって構成されている。袋ナット121の内周面に形成された雌ねじ部121aは、ボルト122の外周面に形成された雄ねじ部122aと螺合する。袋ナット121の中央及び、ボルト122の中央には、それぞれ通気孔121b及び122bが形成されている。ボルト122は鍔部122cを抜け止めとして、電池容器11に固定されている。この安全弁12は、図5に示す状態から袋ナット121をさらに締め込んでOリング125を押しつぶした状態で使用される。多孔質シート126は、ボルト122の鍔部122cの下面に取り付けられている。
上記多孔質シート126は、例えばPTFE(四フッ化エチレン樹脂)のような撥水性の材料からなる薄膜フィルタで、通気性がある。具体的には、ポアフロン(登録商標)メンブレンが好適である。厚さは、例えば30〜100μm程度である。電池容器11内のガスは多孔質シート126を通過して、安全弁12から外部へ放出され得るが、電解液は、多孔質シート126にはじかれ、外へ出ない。従って、ガス放出と共に電解液が外部に漏れることを確実に防止できる。
上記2つの通気孔121b及び122bが互いに連通すれば、電池容器11の内部のガスが外部へ放出され得る状態となるが、通常は、ばね124の付勢を受けた栓部123が通気孔122bの上端に圧接しているので、電池容器11の内部は、外部から見て封止された状態となり、外部から内部への通気は阻止されている。内部の気圧が高まって、気圧が栓部123を押し上げようとする力が、ばね124の付勢力以上になると、栓部123が押し上げられてボルト122の通気孔122bと袋ナット121の通気孔121bとが互いに連通する。これにより、内部のガスが放出され、放圧される。内部の圧力が下がれば、栓部123は、再び、通気孔122bの上端を塞ぐ。
《電源装置としての一形態》
図6は、上記のように構成された素電池としての溶融塩電池Bを、外箱13内に複数個並べた組電池としての電源装置100を構成した状態の一例を示す斜視図(一部断面を含む。)である。但し、溶融塩電池Bの端子等、細部の図示は省略している。なお、この並びの方向と直交する方向(奥行き方向)にも複数列に溶融塩電池を並べて、多数の溶融塩電池によって電源装置100を構成することができる。
各溶融塩電池Bは、必要とする出力(電圧、電流)に応じて、互いに直列又は直並列に接続される。これにより、電源装置100は、所望の電圧・電流の定格で使用することができる。各電池容器11間には、面状のヒータ14が装着されている。このヒータ14で加熱することにより、溶融塩電池Bは、溶融塩の融点以上になるように加熱される。実際には、安定的な溶融状態とするため、全体が85℃〜95℃になるように加熱される。これにより、溶融塩が融解して、充電及び放電が可能な状態となる。
上記外箱13は例えば、全体としては概ね直方体であり、本体部13aと、蓋部13bとによって構成されている。多数の溶融塩電池を並べて構成された電源装置100を収容した後、蓋部13bは、例えばボルトにより、本体部13aに固定される。外箱13は、断熱性に優れた材質や構造のものが好ましく、材質としては例えばセラミックが好適である。また、電源装置100は、ヒータ14と共に、外箱13に収容される。なお、電源装置100からの出力線や、ヒータ14への給電線は、例えば、外箱13に壁貫通のブッシュ等(図示せず。)を設けて引き通される。外箱13は密封状態ではなく、一定の内外通気が可能である。
このようにして、外箱13に収容された電源装置100とすることにより、ヒータ14から発せられる熱が外箱13の外へ逃げにくくなり、外箱13による電源装置100の保温効果が得られる。従って、熱効率が改善され、より少ない電力で、溶融塩を融点以上の温度に維持することができる。
但し、電源装置100は、必ずしも外箱13に収容されなければならない訳ではなく、外箱無しの状態で、単に集合させた状態で使用することも可能である。
《航空機への搭載》
図7は、上記のような電源装置100を例えば航空機200(この図は民間航空機を想定している。)に搭載した場合の、機内の電力供給系統の一例を示すブロック図である。図において、例えば航空機200が地上で停止し、メインエンジン102が停止している、とする。この状態では、電源装置100は、補助動力装置(APU:Auxiliary Power Unit)101のスタータとして電力を供給することができる。補助動力装置101はメインエンジン102とは別に搭載された小型のエンジンであり、図示しない付属の補機により、機内の各部に圧縮空気、油圧、電力等を供給することができる。
補助動力装置101から供給される電力その他を用いて、メインエンジン102が始動すると、発電機103が発電を開始する。電力コントロールセンター104は、発電した電力に基づいて、機体及び機内で必要な各種の安定した電圧に変換して、電力を供給する。重要な電力については、無停電電源装置(UPS)105を介して、飛行に関する制御機器106や、その他の各種設備(照明設備、機械設備、客室設備等)107に供給される。電源装置100は、無停電電源装置105のバッテリとなる。例えば瞬間的な停電があった場合は、無停電電源装置105の動作により、制御機器106等に、安定して電力を供給することができる。発電機103が運転されている間は、電力コントロールセンター104から無停電電源装置105に供給される電圧により、電源装置100が充電される。
《航空機における気圧の環境》
次に、上記電源装置100の溶融塩電池Bにおける電池容器11内の気圧について説明する。製造時の溶融塩電池Bは、例えば、内部が大気圧の状態である。
図8の(a)は、航空機が高い高度に達しているとき、すなわち気圧が下がっているときの、溶融塩電池Bの内外気圧の関係を示す略図である。この場合、地上で内部が大気圧であれば上空では内部の気圧が外部より相対的に高い状態となる。この内外気圧差が安全弁12の設定圧力を超えると、安全弁12は放圧動作し、内部の気圧も外部の気圧に近づく。すなわち、電池容器11の内部は、減圧された気圧となる。
一般に、所定高度で巡航中の航空機の貨物室(旅客機の貨物室又は貨物機の貨物室)は、0.8気圧である。この低い気圧により、内外気圧差が安全弁12の設定圧力を超えると、放圧動作が行われ、内部の気圧も外部の気圧に近づき、減圧された気圧となる。
なお、内部の気圧を減圧する過程で水分が飛ばされ(排出され)、電池容器11内部の水分は極めて低いレベルになる。仮に水分が多く残っていると、ヒータ加熱時にNOxやSOxが発生し、また、微量ではあるがHFが発生することもある。これらのガスは電池の劣化を招き、電池寿命を短くする一因となる。従って、水分を可能な限り減らすことは、電池を長寿命に維持する上で好適である。
一方、溶融塩(電解液)は不揮発性であり、ガス化しない。そのため、減圧されることの影響は実質的に無いと言える。また、減圧されても、電池容器11内は真空ではなく、若干のガス(主として空気)が残っている。このガスは、固体の塩を加熱により溶融させる際に、対流によって電池容器11内の均熱性確保に寄与する。
一方、航空機が地上に戻ると、図8の(b)に示すように電池容器11の内部より外部の大気圧の方が高い気圧であり、安全弁12は閉じたままである。すなわち、このときの安全弁12は、電池容器11の内部の減圧状態を維持する逆止弁のような役割をしている。以後、飛行回数が増えても電池容器11の内部の状態は基本的に変わらず、航空機用の二次電池として安定して使用することができる。
《まとめ》
以上のように、電源装置100は、航空機が高い高度を飛ぶことにより気圧が下がると、当該電源装置100の設置場所によっては、減圧された環境となる場合がある。この場合、電池容器11内に存在するガスが安全弁12を介して外部へ抜けることはあるが、溶融塩は不揮発性でガス化しないので、抜けない。ガスが外部へ抜けた後、航空機が地上に戻ると、電池容器11内は負圧の状態となるが、安全弁12により、水分を含む空気は電池容器11内に侵入しない。
また、溶融塩電池Bは、例えばリチウムイオン電池と比較して使用可能温度上限が高く、かつ、不燃性である。従って、例えば50℃を超える高温にさらされても、劣化や熱暴走の恐れが無く、また、火災の恐れも無い。
すなわち、かかる溶融塩電池Bを用いた電源装置100は、航空機での使用に好適である。
また、電源装置100は、地上では、例えば補助動力装置101を始動させるために使用することができるほか、上空では航空機200に搭載された各種制御機器106の無停電電源装置(UPS)105に使用することができる。また、メインエンジン102の動作中は発電機103から電源装置100を充電することができる。
《その他》
なお、上記実施形態では、航空機として民間航空機を想定して説明したが、自衛隊機、軍用機、また、大型機から小型機まで、種々あり得る。さらに、航空機以外の飛行体として例えば、ヘリコプター、飛行船、再利用型ロケット、人工衛星にも、上記の電源装置100を使用可能である。
また、上記の電源装置100は、宇宙空間での使用にも適する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10:溶融塩電池本体
11:電池容器
12:安全弁
100:電源装置
126:多孔質シート
200:航空機
B:溶融塩電池

Claims (5)

  1. 飛行体に搭載され、二次電池である溶融塩電池によって構成される飛行体用電源装置であって、前記溶融塩電池は、
    溶融塩を電解液とする溶融塩電池本体と、
    前記溶融塩電池本体を収容する電池容器と、
    前記電池容器に設けられ、前記電池容器の外部から内部への通気を阻止しつつ、前記電池容器の内外気圧差が所定値を超える場合に放圧動作を行う安全弁と
    を備えていることを特徴とする飛行体用電源装置。
  2. 前記溶融塩は、NaFSA、NaTFSA及びNaFTAのうち少なくとも1つを含む混合物である請求項1記載の飛行体用電源装置。
  3. 前記飛行体とは航空機である請求項1又は2に記載の飛行体用電源装置。
  4. 前記電池容器内における前記安全弁に、撥水性の多孔質シートが取り付けられている請求項1又は2に記載の飛行体用電源装置。
  5. 貨物室内に、請求項1又は2に記載の飛行体用電源装置を搭載したことを特徴とする航空機。
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