JP2013226153A - トチュウのメバロン酸経路の酵素をコードする遺伝子 - Google Patents
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Abstract
【課題】トチュウのイソプレノイド化合物の生合成に関与する遺伝子群を提供すること。
【解決手段】トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸の合成に関与する遺伝子を提供する。本発明の遺伝子は、HMG-CoAシンターゼをコードする。イソペンテニル二リン酸の合成は、イソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路であるメバロン酸経路で行われる。メバロン酸経路には、以下の酵素が関与する:(1)アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ;(2)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoAシンターゼ;(3)HMG-CoAレダクターゼ;(4)メバロン酸キナーゼ;(5)ホスホメバロン酸キナーゼ;および(6)メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ。
【選択図】なし
【解決手段】トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸の合成に関与する遺伝子を提供する。本発明の遺伝子は、HMG-CoAシンターゼをコードする。イソペンテニル二リン酸の合成は、イソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路であるメバロン酸経路で行われる。メバロン酸経路には、以下の酵素が関与する:(1)アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ;(2)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoAシンターゼ;(3)HMG-CoAレダクターゼ;(4)メバロン酸キナーゼ;(5)ホスホメバロン酸キナーゼ;および(6)メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ。
【選択図】なし
Description
本発明は、トチュウのイソプレノイド化合物の生合成に関与する遺伝子群に関する。
イソプレノイド化合物の一種であるポリイソプレン(ゴム)は、イソプレン単位の重合の様式の違いからシス型とトランス型とに分類される。長鎖シス型ポリイソプレンを生産する植物としては、タンポポ、アキノノゲシなどの多くの植物が知られている。パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)が生産するシス型ポリイソプレンは、天然ゴムとして商業的に広く利用されている。一方、長鎖トランス型ポリイソプレンについては、天然にはグッタペルカノキなどの少数の植物が生産することが知られているが、商業的には利用されていない。現在、トランス型ポリイソプレンは、化学的に合成され、ゴルフボール外皮、ギプス、スポーツプロテクターなどに使用されている。トランス型ポリイソプレンは、低融点および高弾性を示す熱可塑性エラストマーであり、絶縁体としても有用である。
イソプレノイド化合物は、炭素数5の化合物であるイソペンテニル二リン酸(IPP)を単位とする縮合反応により生成される。メバロン酸経路は、イソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路の1つである。動物・植物・菌類では、メバロン酸経路によりIPPが生合成される。
IPP生合成経路として、メバロン酸経路の他に非メバロン酸経路が存在する。植物においては、細胞質ではメバロン酸経路、色素体では非メバロン酸経路が働いているとされている。
メバロン酸経路にて作用する酵素の遺伝子は、種々の植物において公知である。例えば、Kutki(Picrorhiza kurrooa)(根にはイリドイド配糖体が多く含まれる)では、アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(塩基配列はGenBank登録番号DQ347964およびアミノ酸配列は登録番号ABC74567)、パラゴムノキ(シス型ポリイソプレンを合成する)では、HMG-CoAシンターゼ(塩基配列は登録番号AF429389およびアミノ酸配列は登録番号AAS46245)、HMG-CoAレダクターゼ(塩基配列は登録番号X54659およびアミノ酸配列は登録番号P29057)、メバロン酸キナーゼ(塩基配列は登録番号AF429384およびアミノ酸配列は登録番号AAL18925)、ホスホメバロン酸キナーゼ(塩基配列は登録番号AF429385およびアミノ酸配列は登録番号AAL18926)、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ(塩基配列は登録番号AF429386およびアミノ酸配列は登録番号AAL18927)が登録されている。
中国原産の木本植物であるトチュウ(杜仲、Eucommia ulmoides Oliver)は、繊維状の長鎖トランス型ポリイソプレンを産生する。トチュウの葉、樹皮、および種皮には大量のトランス型ポリイソプレンが含まれている(非特許文献1)。
また、トチュウは、その樹皮が滋養強壮および高血圧症の民間治療薬として、古くから用いられている。トチュウには、イソプレノイド化合物の一種であるイリドイドの配糖体(ゲニポシド酸)が含まれており(非特許文献2および3)、これには血圧降下作用があるとされている。
以上のように、トチュウは、トランス型ポリイソプレンおよびイリドイドのような有用なイソプレノイド化合物を含んでいる。
ゴム高含有植物を作製するために、トチュウにおけるIPP生合成経路に関与する遺伝子の取得が望まれている。従来、目的の生物種からある機能を有する相同遺伝子を取得する場合、公知遺伝子のDNA断片を用いたハイブリダイゼーションスクリーニング、または公知遺伝子の塩基配列を利用した縮重PCRとこれに引き続く5'-RACE、3'-RACEおよびRT-PCRとを組み合わせる方法が利用されてきた。しかしながら、これらの方法は確実性が低く、大変煩雑である。特に、目的遺伝子の保存領域が不明なものについては、これらの方法は適用されにくい。
トチュウの遺伝子配列の解析が行われている(非特許文献4および5)。非特許文献4には、メバロン酸経路に関与する酵素の1つであるHMG-CoAレダクターゼの遺伝子およびその配列が報告されている。しかし、メバロン酸経路に関与するそれ以外の酵素に関しては未だ報告はない。
Bamba T, Fukusaki E, Nakazawa Y, およびKobayashi A, In-situ chemical analyses of trans-polyisoprene by histochemical staining and Fourier transform infrared microspectroscopy in a rubber-producing plant, Eucommia ulmoides Oliver. Planta 215: 934-939 (2002)
Kawasaki, T., Uezono, K., およびNakazawa, Y., Antihypertensive mechanism of food for specified health use: "Eucommia leaf glycoside" and its clinical application, J. Health Sci., 22, 29-36 (2000)
Nakamura, T., Nakazawa, Y., Onizuka, S., Tanaka, C., Yahara, S. およびNohara, T., Studies on the constituents of Eucommia ulmoides iridoids from the leaves, Natural Medicines, 51, 275-277 (1997)
Jiang J, Kai G, Cao X, およびChen F, Molecular cloning of a HMG-CoA reductase gene from Eucommia ulmoides Oliver. Biosci Rep 26: 171-181 (2006)
Hou H-W, Zhou Y-T, Mwange K-N, Li W-F, He X-Q, およびCui K-M, ABP1 expression regulated by IAA and ABA is associated with the cambium periodicity in Eucommia ulmoides Oliv. J Exp Bot 57: 3857-3867 (2006)
本発明は、トチュウのイソプレノイド化合物の生合成に関与する遺伝子群を提供することを目的とする。
本発明は、トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸の合成に関与する遺伝子を提供する。上記遺伝子は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の1位から408位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号4に記載のアミノ酸配列の1位から408位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号6に記載のアミノ酸配列の1位から463位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号8に記載のアミノ酸配列の1位から466位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号12に記載のアミノ酸配列の1位から629位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号14に記載のアミノ酸配列の1位から591位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号16に記載のアミノ酸配列の1位から387位までのアミノ酸からなるタンパク質、配列番号18に記載のアミノ酸配列の1位から506位までのアミノ酸からなるタンパク質、および配列番号20に記載のアミノ酸配列の1位から418位までのアミノ酸からなるタンパク質からなる群から選択されるタンパク質をコードする。
1つの実施態様では、上記遺伝子は、配列番号1に記載の塩基配列の101位から1327位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号3に記載の塩基配列の128位から1354位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号5に記載の塩基配列の172位から1563位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号7に記載の塩基配列の216位から1616位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号11に記載の塩基配列の32位から1921位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号13に記載の塩基配列の60位から1835位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号15に記載の塩基配列の61位から1224位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号17に記載の塩基配列の682位から2202位までのヌクレオチドを含む遺伝子、および配列番号19に記載の塩基配列の68位から1324位までのヌクレオチドを含む遺伝子からなる群から選択される。
さらなる実施態様では、上記遺伝子は、配列番号1に記載の塩基配列の1位から1516位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号3に記載の塩基配列の1位から1757位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号5に記載の塩基配列の1位から1892位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号7に記載の塩基配列の1位から1833位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号9に記載の塩基配列の1位から1825位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号11に記載の塩基配列の1位から2057位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号13に記載の塩基配列の1位から2225位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号15に記載の塩基配列の1位から1341位までのヌクレオチドを含む遺伝子、配列番号17に記載の塩基配列の1位から2432位までのヌクレオチドを含む遺伝子、および配列番号19に記載の塩基配列の1位から1542位までのヌクレオチドを含む遺伝子からなる群から選択される。
本発明によれば、トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸の合成に関与する遺伝子が提供される。
本発明は、トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸(IPP)の合成に関与する遺伝子を提供する。IPPの合成は、イソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路であるメバロン酸経路で行われる。メバロン酸経路には、以下の酵素が関与する:(1)アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(acetyl-CoA C-acetyltransferase);(2)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)シンターゼ(3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA(HMG-CoA)synthase);(3)HMG-CoAレダクターゼ(HMG-CoA reductase);(4)メバロン酸キナーゼ(mevalonate kinase);(5)ホスホメバロン酸キナーゼ(phosphomevalonate kinase);および(6)メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ(mevalonate pyrophosphate decarboxylase)(「ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ」ともいう)。メバロン酸経路では、(1)アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼによりアセチル-CoAからアセトアセチル-CoAが合成され、(2)HMG-CoAシンターゼによりアセトアセチル-CoAからHMG-CoAが合成され、(3)HMG-CoAレダクターゼによりHMG-CoAがメバロン酸に変換され、(4)メバロン酸キナーゼおよび(5)ホスホメバロン酸キナーゼによりメバロン酸がメバロン酸5−二リン酸に変換され、そして(6)メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼによりイソペンテニル二リン酸(IPP)が生成される。
本発明の遺伝子は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の1位から408位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号2のタンパク質」ともいう);配列番号4に記載のアミノ酸配列の1位から408位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号4のタンパク質」ともいう);配列番号6に記載のアミノ酸配列の1位から463位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号6のタンパク質」ともいう);配列番号8に記載のアミノ酸配列の1位から466位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号8のタンパク質」ともいう);配列番号12に記載のアミノ酸配列の1位から629位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号12のタンパク質」ともいう);配列番号14に記載のアミノ酸配列の1位から591位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号14」のタンパク質ともいう);配列番号16に記載のアミノ酸配列の1位から387位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号16のタンパク質」ともいう);配列番号18に記載のアミノ酸配列の1位から506位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号18のタンパク質」ともいう);および配列番号20に記載のアミノ酸配列の1位から418位までのアミノ酸からなるタンパク質(以下、「配列番号20のタンパク質」ともいう)からなる群から選択されるタンパク質をコードする。配列番号10の1位から466位までのアミノ酸からなるタンパク質は、配列番号8のタンパク質と同じである。
配列番号2のタンパク質および配列番号4のタンパク質は、(1)アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼである。配列番号2のタンパク質は、配列番号1に記載の塩基配列の101位から1327位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号1の全塩基配列(1位から1516位)からなり得る。配列番号4のタンパク質は、配列番号3に記載の塩基配列の128位から1354位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号3の全塩基配列(1位から1757位)からなり得る。
配列番号6のタンパク質および配列番号8のタンパク質は、(2)HMG-CoAシンターゼである。配列番号6のタンパク質は、配列番号5に記載の塩基配列の172位から1563位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号5の全塩基配列(1位から1892位)からなり得る。配列番号8のタンパク質は、配列番号7に記載の塩基配列の216位から1616位まで(または配列番号9に記載の塩基配列の216位から1616位まで)のヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子には、例えば、配列番号7に記載の塩基配列の1位から1833位までのヌクレオチドからなる遺伝子、および配列番号9に記載の塩基配列の1位から1825位までのヌクレオチドからなる遺伝子が含まれる。配列番号9に示される塩基配列を有する遺伝子は、その1689位から1825位までの領域において、配列番号7に示される塩基配列を有する遺伝子の1689位から1833位までの領域に対して、6箇所(配列番号7に記載の塩基配列の1689位、1709位、1713位、1745位、1756位、および1820位)の置換および1箇所(配列番号7に記載の塩基配列の1777位)の欠失および3’末端のポリアデニル部位の短縮を有する。
配列番号12のタンパク質および配列番号14のタンパク質は、(3)HMG-CoAレダクターゼである。配列番号12のタンパク質は、配列番号11に記載の塩基配列の32位から1921位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号11の全塩基配列(1位から2057位)からなり得る。配列番号14のタンパク質は、配列番号13に記載の塩基配列の60位から1835位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号13の全塩基配列(1位から2225位)からなり得る。
配列番号16のタンパク質は、(4)メバロン酸キナーゼである。配列番号16のタンパク質は、配列番号15に記載の塩基配列の61位から1224位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号15の全塩基配列(1位から1341位)からなり得る。
配列番号18のタンパク質は、(5)ホスホメバロン酸キナーゼである。配列番号18のタンパク質は、配列番号17に記載の塩基配列の682位から2202位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号17の全塩基配列(1位から2432位)からなり得る。
配列番号20のタンパク質は、(6)メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼである。配列番号20のタンパク質は、配列番号19に記載の塩基配列の68位から1324位までのヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされ得る。この遺伝子は、例えば、配列番号19の全塩基配列(1位から1542位)からなり得る。
本発明の遺伝子は、上記のアミノ酸配列を有する酵素と機能的に同等な酵素を発現可能であるか、または上記の塩基配列を有する遺伝子と同様に機能し得る限り、1または数個のアミノ酸残基が異なるタンパク質をコードするか、または1または数個の塩基が異なるものでもあり得る。このような配列の相違は、塩基の置換、欠失、および/または挿入に由来し得、天然による変異誘発または人為的な変異誘発(例えば、部位特異的変異導入法の使用)のいずれでも生じ得る。遺伝子の機能の特定は、例えば、以下の実施例2に本質的に記載される方法のような、当業者が通常用いる方法を用いて行い得る。
本発明の遺伝子は、当業者が通常用いる方法を用いて、本明細書に記載の配列情報に基づいてプローブまたはプライマーを作製し、トチュウの染色体DNAもしくはcDNAを鋳型として用いるPCRによって目的の断片を得ることができる。もちろん、RNAを鋳型として逆転写PCRを利用してもよい。本発明の遺伝子は、DNA、RNAなどの天然のポリヌクレオチドに加え、人工的なヌクレオチド誘導体を含む人工的な分子であり得る。また本発明の遺伝子は、DNA−RNAのキメラ分子でもあり得る。
本発明の遺伝子は、当業者が通常用いる方法を用いて、酵母のような微生物、および植物に導入し得る。本発明の遺伝子は、宿主において、1つまたは複数、あるいは全部が発現されるように、形質転換され得る。例えば、メバロン酸経路に存在する一群の酵素(上記の(1)から(6))の少なくとも1つを発現するように構成してもよい。
本発明の遺伝子は、トランス型ポリイソプレンあるいはイリドイドを大量に含有する遺伝子組換え植物(例えば、トチュウ)を作製するために好適に用いられ得る。本発明の遺伝子は、例えば、トチュウに形質転換することにより、ゴムを多く含む植物を作製するために用いられ得る。
以下に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1:トチュウにおけるEST解析)
(材料)
トチュウ植物体試料として、愛媛県生名村に生育するトチュウ標準木より5月下旬に採取した若い当年枝の師部(樹皮)および木部を使用した。
(材料)
トチュウ植物体試料として、愛媛県生名村に生育するトチュウ標準木より5月下旬に採取した若い当年枝の師部(樹皮)および木部を使用した。
酵母の変異株ライブラリは、市販のYKO Heterozygous Essential Strain Collection-Glycerol Stocks(Open Biosystems社)を使用した。
(トチュウからのRNA抽出)
トチュウ植物体試料(当年枝の師部および木部)約4gを、液体窒素で冷却しつつ乳鉢・乳棒で破砕し、試料の10倍量(w/v)の2×CTAB溶液(2%(w/v)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)、1%(w/v)2-メルカプトエタノール、0.1M Tris-HCl(pH9.5)、1.4M NaCl、20mM EDTA)に懸濁した。これを65℃にて10分間インキュベートし、次いでクロロホルム/イソアミルアルコールで処理(洗浄)した(2回くり返す)。回収した水層に1/4(v/v)量の10M LiClを加えて混合し、−20℃にて2時間インキュベートし、RNAの選択的沈殿を行った。これを遠心分離し、沈殿を適量のトリス-EDTA(TE)緩衝液に溶解、遠心分離し、上清を回収して、多糖類を排除した。回収した上清をフェノール処理、フェノール/クロロホルム処理、およびクロロホルム/イソアミルアルコール処理し、再度LiClによるRNAの選択的沈殿を行った。沈殿を70%エタノールで洗浄し、減圧乾燥し、次いでジエチルピロカーボネート(DEPC)処理水に溶解した。得られたRNAを吸光度測定により定量し、そして電気泳動によって確認した。木部約4gから0.84mgおよび師部約4gから2mgのRNAが得られた(260nmと280nmとにおける吸収の比は、それぞれ1.956および1.991であった)。
トチュウ植物体試料(当年枝の師部および木部)約4gを、液体窒素で冷却しつつ乳鉢・乳棒で破砕し、試料の10倍量(w/v)の2×CTAB溶液(2%(w/v)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)、1%(w/v)2-メルカプトエタノール、0.1M Tris-HCl(pH9.5)、1.4M NaCl、20mM EDTA)に懸濁した。これを65℃にて10分間インキュベートし、次いでクロロホルム/イソアミルアルコールで処理(洗浄)した(2回くり返す)。回収した水層に1/4(v/v)量の10M LiClを加えて混合し、−20℃にて2時間インキュベートし、RNAの選択的沈殿を行った。これを遠心分離し、沈殿を適量のトリス-EDTA(TE)緩衝液に溶解、遠心分離し、上清を回収して、多糖類を排除した。回収した上清をフェノール処理、フェノール/クロロホルム処理、およびクロロホルム/イソアミルアルコール処理し、再度LiClによるRNAの選択的沈殿を行った。沈殿を70%エタノールで洗浄し、減圧乾燥し、次いでジエチルピロカーボネート(DEPC)処理水に溶解した。得られたRNAを吸光度測定により定量し、そして電気泳動によって確認した。木部約4gから0.84mgおよび師部約4gから2mgのRNAが得られた(260nmと280nmとにおける吸収の比は、それぞれ1.956および1.991であった)。
(トチュウcDNAライブラリの作製)
トチュウ師部および木部由来RNA試料から、日立計測器サービス株式会社にてG−キャッピング法によりcDNAライブラリを作製した。師部由来のcDNAライブラリは、ライブラリーサイズが3.8×105、インサート率が、88%(24サンプル/アガロースゲル電気泳動)、完全長率が86%(インサートのあるクローンに対して)であった。木部由来のcDNAライブラリは、ライブラリーサイズが2.2×105、インサート率が79%(24サンプル/アガロースゲル電気泳動)、完全長率が63%(インサートのあるクローンに対して)であった。
トチュウ師部および木部由来RNA試料から、日立計測器サービス株式会社にてG−キャッピング法によりcDNAライブラリを作製した。師部由来のcDNAライブラリは、ライブラリーサイズが3.8×105、インサート率が、88%(24サンプル/アガロースゲル電気泳動)、完全長率が86%(インサートのあるクローンに対して)であった。木部由来のcDNAライブラリは、ライブラリーサイズが2.2×105、インサート率が79%(24サンプル/アガロースゲル電気泳動)、完全長率が63%(インサートのあるクローンに対して)であった。
(EST配列の配列解析)
北里大学北里生命科学研究所ゲノム情報学研究室にて、トチュウ師部および木部由来cDNAライブラリの各々約20000クローンについて配列解析を行った。配列解析により得られた配列情報から、インサートを保持しないクローンおよび配列が読めていないクローンを除去し、精度の高い配列情報を得た。師部および木部のライブラリについて、それぞれ16567および16113の精度の高いEST配列が得られた(合計32680)。
北里大学北里生命科学研究所ゲノム情報学研究室にて、トチュウ師部および木部由来cDNAライブラリの各々約20000クローンについて配列解析を行った。配列解析により得られた配列情報から、インサートを保持しないクローンおよび配列が読めていないクローンを除去し、精度の高い配列情報を得た。師部および木部のライブラリについて、それぞれ16567および16113の精度の高いEST配列が得られた(合計32680)。
得られた配列について、グループ分け(clustering)および注釈付け(annotation)を行った。「グループ分け」は、EST配列の中で同一の配列、類似した配列をグループ分けする。グループ分けのために、NTTソフトウェアのVISUALBIO clusteringを使用した。「注釈付け」は、既知遺伝子との比較によりEST配列の注釈付けを行う。注釈付けには、NCBI BLASTを使用した相同性検索を用いた。検索の際に使用したデータベースは、nr(All non-redundant GenBank CDS translations+PDB+SwissProt+PIR(Peptide Sequence Database))である。
グループ分けおよび注釈付けで得られた情報により、アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ、HMG-CoAシンターゼ、HMG-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードすると推定されるEST配列を見いだした。これらの酵素はいずれも、トチュウのイソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路に関与する酵素である。
(実施例2:アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子1)
(完全cDNAの取得)
実施例1の解析により得られた配列から、3'-RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends, RACE)により3'末端側の配列を決定し、完全長のcDNAを取得した。
(完全cDNAの取得)
実施例1の解析により得られた配列から、3'-RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends, RACE)により3'末端側の配列を決定し、完全長のcDNAを取得した。
3'-RACEには、3'-Full RACE Core Set(タカラバイオ株式会社)を使用した。逆転写反応には、oligo-dTプライマーを使用した。PCRによる増幅には、oligo-dTプライマーと、既知配列の一部と同じ配列のセンスプライマーとを使用した。センスプライマーは、実施例1で得たアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計した。実施例1で得たRNAを鋳型として、1回目にN192-82-tree_1968_3R_s1(配列番号21)を、そして2回目にN192-82-tree_1968_3R_s2(配列番号22)をセンスプライマーとして使用し、PCRを指示書どおりに行った。逆転写反応およびPCRにより得られた増幅断片をpT7BlueベクターにTAクローニングし、配列解析した。
得られた完全長のcDNAは、配列番号1の塩基配列を有する。配列番号1に記載の塩基配列の146位から1299位までヌクレオチドで示される領域の塩基配列は、Kutkiのアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(GenBank登録番号DQ347964)と82%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、101位から1327位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号2に示す通りである。配列番号2に記載の全アミノ酸配列(1位から408位)は、Kutkiのアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(登録番号ABC74567)と89%の相同性を有する。
(酵母変異株ライブラリを用いた相補性試験)
得られたcDNAの機能を、酵母変異株ライブラリを用いた相補性試験を用いて確認した。この相補性試験は、以下の通りに行った。
得られたcDNAの機能を、酵母変異株ライブラリを用いた相補性試験を用いて確認した。この相補性試験は、以下の通りに行った。
pYES2ベクター(invitrogen)のマルチクローニングサイトの40bpと同じ配列を付加したセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーを用いたPCR(95℃にて5分を1サイクル;95℃にて1分、54℃にて1分、および72℃にて1分を30サイクル;72℃にて7分を1サイクル;ならびに4℃ ∞を1サイクル)により、目的遺伝子の翻訳領域の配列を増幅した。
この増幅断片と、制限酵素処理により直鎖状にしたpYES2ベクターとを、Ura−の酵母株Y22800(EUROSCARF)に導入した。この酵母は、解析対象とするアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子が酵母の生育にとって必須であるため、相補試験のバックグラウンドとして、一方の対立遺伝子のみが目的遺伝子を欠損しているヘテロ二倍体を用いた。遺伝子導入には、Frozen-EZ Yeast Transformation II(ZYMO RESEARCH)を使用した。形質転換後の酵母を最少完全培地(ウラシルなし)に播いて、30℃で培養した。生育したコロニーを新しい最少完全培地(ウラシルなし)に播き、次いで30℃で培養した。酵母変異株はウラシル要求性であり、pYES2ベクターには、URA3遺伝子(オロチジン5'-リン酸デカルボキシラーゼをコードする)の配列が含まれているので、形質転換した菌体のみが生育する。生育した菌体がインサートを含むことをPCRによりチェックし、次いで、この菌体をYPDA培地に移し、30℃で培養した。これを胞子形成培地に移し、25℃で培養し、得られた胞子を四分子分析に供した。
pYES2ベクターのマルチクローニングサイトに挿入した目的遺伝子の上流にGAL1プロモーターが存在するので、目的遺伝子は、ガラクトース存在下でのみ発現誘導される。したがって、YPD培地またはYPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育の有無を判定した。YPD培地では、変異株由来の二分子は致死であり、野生型由来の二分子のみが生育する。一方、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上では、GAL1プロモーターを有するpYES2ベクターが挿入遺伝子の発現を誘導するため、機能を相補できれば、変異株由来のものが生存可能となり、三分子または四分子が生育すると考えられる。このように相補の確認を行うことによって、目的遺伝子の機能特定を行った。
さらに、四分子分析により得られた8胞子嚢由来のコロニー(一倍体と考えられる)を、(A)YPG培地(炭素源:ガラクトース)、(B)最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)、(C)YPG培地(炭素源:ガラクトース、抗生物質G418を含む)、または(D)YPD培地(炭素源:グルコース)にレプリカした。
プラスミドを保持している株は、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)で生育すると考えられる。変異株は、G418耐性遺伝子を有するので、(C)のYPG培地(炭素源:ガラクトース、抗生物質G418を含む)で生育すると考えられる。これらの培地における生育の結果から、プラスミドを保持した一倍体の変異株を判別できる。(D)のYPD培地(炭素源:グルコース)では、プラスミドを保持した変異株(一倍体)は生育できないはずであるが、実際には生育の有無が判別し難かったため、ストリークすることで生育の有無を判別した。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_1968_s(配列番号23)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_1968_a(配列番号24)を用いて、上記の「完全cDNAの取得」で得たcDNAを鋳型としてPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、上記の相補性試験に供した。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例3:アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子2)
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-84-tree_11012_3R_s1(配列番号25)(1回目)およびN192-84-tree_11012_3R_s2(配列番号26)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-84-tree_11012_3R_s1(配列番号25)(1回目)およびN192-84-tree_11012_3R_s2(配列番号26)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
得られた完全長のcDNAは、配列番号3の塩基配列を有する。配列番号3に記載の塩基配列の173位から1305位までヌクレオチドで示される領域の塩基配列は、Kutkiのアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(登録番号DQ347964)と83%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、128位から1354位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号4に示す通りである。配列番号4に記載の全アミノ酸配列(1位から408位)は、Kutkiのアセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ(登録番号ABC74567)と87%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_11012_s(配列番号27)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_11012_a(配列番号28)を用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供し、実施例2と同様の結果が得られた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、アセチル-CoA C-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例4:HMG-CoAシンターゼをコードする遺伝子1)
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たHMG-CoAシンターゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-71-tree_6098_3R_s1(配列番号29)(1回目)およびN192-71-tree_6098_3R_s2(配列番号30)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たHMG-CoAシンターゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-71-tree_6098_3R_s1(配列番号29)(1回目)およびN192-71-tree_6098_3R_s2(配列番号30)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
得られた完全長のcDNAは、配列番号5の塩基配列を有する。配列番号5に記載の塩基配列の172位から1187位までのヌクレオチドで示される領域および1390位から1439位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列はそれぞれ、パラゴムノキのHMG-CoAシンターゼ(登録番号AF429389)と83%および86%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、172位から1563位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号6に示す通りである。配列番号6に記載の全アミノ酸配列(1位から463位)は、パラゴムノキのHMG-CoAシンターゼ(登録番号AAS46245)と85%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_6098_s(配列番号31)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_6098_a(配列番号32)を用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供した。変異株として、Ura−のHMG-CoAシンターゼ欠損株であるY26527(EUROSCARF)を用いた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、HMG-CoAシンターゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例5:HMG-CoAシンターゼをコードする遺伝子2)
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たHMG-CoAシンターゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-36-tree_10370_3R_s1(配列番号33)(1回目)およびN192-36-tree_10370_3R_s2(配列番号34)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。2通りの完全長cDNAが得られた。
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たHMG-CoAシンターゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-36-tree_10370_3R_s1(配列番号33)(1回目)およびN192-36-tree_10370_3R_s2(配列番号34)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。2通りの完全長cDNAが得られた。
得られた第一の完全長のcDNAは、配列番号7の塩基配列を有する。配列番号7に記載の塩基配列の234位から1496位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列は、Hevea brasiliensisのHMG-CoAシンターゼ(登録番号AF429389)と81%の相同性を有する。得られた第二の完全長のcDNAは、配列番号9の塩基配列を有する。この第二のcDNAは、その1689位から1825位までの領域において、第一のcDNAの1689位から1833位までの領域に対して6箇所(第一のcDNAの1689位、1709位、1713位、1745位、1756位、および1820位)の置換および1箇所(第一のcDNAの1777位)の欠失および3’末端のポリアデニル部位の短縮を有する。配列番号9の塩基配列も、配列番号7の塩基配列と同様に、パラゴムノキのHMG-CoAシンターゼ(登録番号AF429389)と81%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、両塩基配列とも216位から1616位までであった。これらのcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列はそれぞれ、配列番号8および10に示す通りであり、これらは同じ配列である。この推定アミノ酸配列は、配列番号8に記載の6位から452位までのアミノ酸領域において、パラゴムノキのHMG-CoAシンターゼ(登録番号AAS46245)と84%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_10370_s(配列番号35)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_10370_a(配列番号36)を用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供した。変異株として、Ura−のHMG-CoAシンターゼ欠損株であるY26527(EUROSCARF)を用いた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、HMG-CoAシンターゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例6:HMG-CoAレダクターゼをコードする遺伝子1)
HMG-CoAレダクターゼをコードする遺伝子については、完全長のcDNAを取得するために、5'-RACE、3'-RACEおよび逆転写反応を組み合わせる方法を用いた。この方法のために、5'-Full RACE Core Set(TaKaRa)および3'-Full RACE Core Set(TaKaRa)を使用した。5'-RACE用のアンチセンスプライマーとして、N192-45-tree_8220_5R_a1(配列番号37)(1回目)およびN192-45-tree_8220_5R_a2(配列番号38)(2回目)を、3'-RACE用のセンスプライマーとして、N192-45-tree_8220_5R_3R_s1(配列番号39)(1回目)およびN192-45-tree_8220_5R_3R_s2(配列番号40)(2回目)を、そして逆転写反応用にN192-45-tree_8220_5R_p(配列番号41)を、実施例1で得たHMG-CoAレダクターゼをコードすると推定されるEST配列に基づいて設計した。実施例1で得たRNAを鋳型として用い、これらの反応により得られた増幅断片を、実施例2と同様にして、pT7BlueベクターにTAクローニングし、配列解析した。
HMG-CoAレダクターゼをコードする遺伝子については、完全長のcDNAを取得するために、5'-RACE、3'-RACEおよび逆転写反応を組み合わせる方法を用いた。この方法のために、5'-Full RACE Core Set(TaKaRa)および3'-Full RACE Core Set(TaKaRa)を使用した。5'-RACE用のアンチセンスプライマーとして、N192-45-tree_8220_5R_a1(配列番号37)(1回目)およびN192-45-tree_8220_5R_a2(配列番号38)(2回目)を、3'-RACE用のセンスプライマーとして、N192-45-tree_8220_5R_3R_s1(配列番号39)(1回目)およびN192-45-tree_8220_5R_3R_s2(配列番号40)(2回目)を、そして逆転写反応用にN192-45-tree_8220_5R_p(配列番号41)を、実施例1で得たHMG-CoAレダクターゼをコードすると推定されるEST配列に基づいて設計した。実施例1で得たRNAを鋳型として用い、これらの反応により得られた増幅断片を、実施例2と同様にして、pT7BlueベクターにTAクローニングし、配列解析した。
得られた完全長のcDNAは、配列番号11の塩基配列を有する。配列番号11に記載の塩基配列の260位から303位までのヌクレオチドで示される領域、773位から936位までのヌクレオチドで示される領域、および1148位から1845位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列はそれぞれ、リンゴ(Malus x domestica)のHMG-CoAレダクターゼ(登録番号AF315713)と88%、82%、および81%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、32位から1921位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号12に示す通りである。この推定アミノ酸配列は、配列番号12に記載の33位から612位までのアミノ酸領域において、カンレンボク(Camptotheca acuminata)のHMG-CoAレダクターゼ(登録番号P48021)と78%の相同性を有する。また、非特許文献4に記載のHMG-CoAレダクターゼ(登録番号AAV54051)とは、配列番号12に記載の33位から612位までのアミノ酸領域において73%の相同性を有する。したがって、配列番号11の塩基配列は、非特許文献4に記載の遺伝子とは別の遺伝子座に由来するHMG-CoAレダクターゼ遺伝子であると考えられる。
(実施例7:HMG-CoAレダクターゼをコードする遺伝子2)
5'-RACE用のアンチセンスプライマーとして、N192-47-tree_13453_5R_a1(配列番号42)(1回目)およびN192-47-tree_13453_5R_a2(配列番号43)(2回目)を、3'-RACE用のセンスプライマーとして、N192-47-tree_13453_5R_3R_s1(配列番号44)(1回目)およびN192-47-tree_13453_5R_3R_s2(配列番号45)(2回目)を、そして逆転写反応用にN192-47-tree_13453_5R_p(配列番号46)を、実施例1で得たHMG-CoAレダクターゼをコードすると推定されるEST配列に基づいて設計したこと以外は、実施例6と同様にして、完全長cDNAを得た。
5'-RACE用のアンチセンスプライマーとして、N192-47-tree_13453_5R_a1(配列番号42)(1回目)およびN192-47-tree_13453_5R_a2(配列番号43)(2回目)を、3'-RACE用のセンスプライマーとして、N192-47-tree_13453_5R_3R_s1(配列番号44)(1回目)およびN192-47-tree_13453_5R_3R_s2(配列番号45)(2回目)を、そして逆転写反応用にN192-47-tree_13453_5R_p(配列番号46)を、実施例1で得たHMG-CoAレダクターゼをコードすると推定されるEST配列に基づいて設計したこと以外は、実施例6と同様にして、完全長cDNAを得た。
得られた完全長のcDNAは、配列番号13の塩基配列を有する。配列番号13に記載の塩基配列の169位から373位までのヌクレオチドで示される領域、751位から1600位までのヌクレオチドで示される領域、および1637位から1720位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列はそれぞれ、カンレンボクのHMG-CoAレダクターゼ(登録番号U72145)と79%、80%、および89%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、60位から1835位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号14に示す通りである。この推定アミノ酸配列は、配列番号14に記載の1位から588位までのアミノ酸領域において、タバコ(Nicotiana tabacum)のHMG-CoAレダクターゼ(登録番号AAB87727)と78%の相同性を有する。また、非特許文献4に記載のHMG-CoAレダクターゼ(登録番号AAV54051)とは、配列番号14に記載の1位から589位までのアミノ酸領域において75%の相同性を有する。したがって、配列番号13の塩基配列もまた、非特許文献4に記載の遺伝子とは別の遺伝子座に由来するHMG-CoAレダクターゼ遺伝子であると考えられる。
(実施例8:メバロン酸キナーゼをコードする遺伝子)
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たメバロン酸キナーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したtree 1729 primer(配列番号47)(1回目)およびtree 1729 primer nest(配列番号48)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たメバロン酸キナーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したtree 1729 primer(配列番号47)(1回目)およびtree 1729 primer nest(配列番号48)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
得られた完全長のcDNAは、配列番号15の塩基配列を有する。配列番号15に記載の塩基配列の616位から1104位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列は、パラゴムノキのメバロン酸キナーゼ(登録番号AF429384)と83%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、61位から1224位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号16に示す通りである。配列番号16に記載の全アミノ酸配列(1位から387位)は、パラゴムノキのメバロン酸キナーゼ(登録番号AAL18925)と77%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_1729_s(配列番号49)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_1729_a(配列番号50)を用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供した。変異株として、Ura−のメバロン酸キナーゼ欠損株であるY20794(EUROSCARF)を用いた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、メバロン酸キナーゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例9:ホスホメバロン酸キナーゼをコードする遺伝子)
実施例1で得たcDNAライブラリを鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行うことにより、部分配列を取得した。この縮重PCRに用いたプライマーは、1回目は、センスプライマーとしてS_No.243_P.10_1(配列番号51)およびアンチセンスプライマーとしてAS_No.243_P.10_1(配列番号52)、そして2回目はセンスプライマーとしてS_No.243_P.10_2(配列番号53)およびアンチセンスプライマーとしてAS_No.243_P.10_2(配列番号54)であり、プライマーの設計は、BAD93946(Arabidopsis thaliana)、AAL18926(Hevea brasiliensis)、CAB52264(Schizosaccharomyces pombe)、NP593421(Schizosaccharomyces pombe)、P24521(Saccharomyces cerevisiae)、およびXP329795(Neurospora crassa)の6つのアミノ酸配列の保存領域に基づいて行った。PCRの条件は、以下の通りであった:
(1stPCR)
95℃にて5分を1サイクル;95℃にて1分、55℃にて1分、および72℃にて1分30秒を30サイクル;72℃にて7分を1サイクル;ならびに4℃ ∞を1サイクル;
(2ndPCR)
95℃にて5分を1サイクル;95℃にて1分、55℃にて1分、および72℃にて1分30秒を30サイクル;72℃にて7分を1サイクル;ならびに4℃ ∞を1サイクル。
実施例1で得たcDNAライブラリを鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行うことにより、部分配列を取得した。この縮重PCRに用いたプライマーは、1回目は、センスプライマーとしてS_No.243_P.10_1(配列番号51)およびアンチセンスプライマーとしてAS_No.243_P.10_1(配列番号52)、そして2回目はセンスプライマーとしてS_No.243_P.10_2(配列番号53)およびアンチセンスプライマーとしてAS_No.243_P.10_2(配列番号54)であり、プライマーの設計は、BAD93946(Arabidopsis thaliana)、AAL18926(Hevea brasiliensis)、CAB52264(Schizosaccharomyces pombe)、NP593421(Schizosaccharomyces pombe)、P24521(Saccharomyces cerevisiae)、およびXP329795(Neurospora crassa)の6つのアミノ酸配列の保存領域に基づいて行った。PCRの条件は、以下の通りであった:
(1stPCR)
95℃にて5分を1サイクル;95℃にて1分、55℃にて1分、および72℃にて1分30秒を30サイクル;72℃にて7分を1サイクル;ならびに4℃ ∞を1サイクル;
(2ndPCR)
95℃にて5分を1サイクル;95℃にて1分、55℃にて1分、および72℃にて1分30秒を30サイクル;72℃にて7分を1サイクル;ならびに4℃ ∞を1サイクル。
上記部分配列では3’末端および5’末端の塩基配列情報が得られなかったので、実施例1で得たRNAを鋳型として、5'-RACE、3'-RACEおよび逆転写反応を行った。この方法のために、5'-Full RACE Core Set(TaKaRa)および3'-Full RACE Core Set(TaKaRa)を使用した。5'-RACE用のアンチセンスプライマーとして、1回目にNo.243_P.51_race_a1(配列番号56)および2回目にNo.243_P.51_race_a2(配列番号55)を、3'-RACE用のセンスプライマーとして、1回目にNo.243_P.51_race_s1(配列番号57)および2回目にNo.243_P.51_race_s2(配列番号58)を、そして逆転写反応用として、No.243_P.51_race_p(配列番号59)を、得られた部分断片の情報に基づいて設計した。これにより、3’末端および5’末端の塩基配列情報を得た。
3’末端および5’末端の塩基配列情報に基づいてcDNAライブラリースクリーニング用プローブを設計し、センスプライマーとして配列番号60のプライマーを、そしてアンチセンスプライマーとして配列番号61のプライマーを用いてPCRを行った。得られた断片をプローブとして、実施例1で得たcDNAライブラリをスクリーニングした。得られた断片をpT7BlueベクターにTAクローニングし、配列解析した。
得られたcDNA断片の全塩基配列は、配列番号17に記載の通りである。配列番号17に記載の塩基配列の681位から886位までのヌクレオチドで示される領域、922位から1000位までのヌクレオチドで示される領域、1042位から1285位までのヌクレオチドで示される領域、1339位から1732位までのヌクレオチドで示される領域、および1807位から2054位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列はそれぞれ、パラゴムノキのホスホメバロン酸キナーゼ(登録番号AF429385)と83%、84%、81%、81%、および78%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、682位から2202位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号18に示す通りである。配列番号18に記載の全アミノ酸配列(1位から506位)は、パラゴムノキのホスホメバロン酸キナーゼ(登録番号AAL18926)と78%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとして配列番号62のプライマーおよびアンチセンスプライマーとして配列番号63のプライマーを用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供した。変異株として、Ura−のホスホメバロン酸キナーゼ欠損株であるY20806(EUROSCARF)を用いた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子の機能が特定できた。
(実施例10:メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子)
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-102-tree_13103_3R_s1(配列番号64)(1回目)およびN192-102-tree_13103_3R_s2(配列番号65)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
3'-RACE用のセンスプライマーとして、実施例1で得たメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードすると推定されるEST配列の情報に基づいて設計したN192-102-tree_13103_3R_s1(配列番号64)(1回目)およびN192-102-tree_13103_3R_s2(配列番号65)(2回目)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、完全長cDNAを得た。
得られた完全長のcDNAは、配列番号19の塩基配列を有する。配列番号19に記載の塩基配列の100位から1325位までのヌクレオチドで示される領域の塩基配列は、パラゴムノキのメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ(登録番号AF429386)と80%の相同性を有する。オープンリーディングフレームは、68位から1324位までであった。このcDNAによりコードされる推定アミノ酸配列は、配列番号20に示す通りである。この推定アミノ酸配列は、配列番号20に記載の5位から418位までのアミノ酸領域において、パラゴムノキのメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ(登録番号AAL18927)と84%の相同性を有する。
本実施例では、センスプライマーとしてN219-36-tree_13103_s(配列番号66)およびアンチセンスプライマーとしてN219-36-tree_13103_a(配列番号67)を用いて、上記で得たcDNAを鋳型としたこと以外は、実施例2と同様にPCRを行い、目的の翻訳領域の配列を増幅した。この増幅断片を、実施例2と同様に相補性試験に供した。変異株として、Ura−のメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ欠損株であるY25418(EUROSCARF)を用いた。四分子分析では、YPG培地(炭素源:ガラクトース)上での生育が観察された。さらに、8胞子嚢由来のコロニーを用いた生育観察より、(B)の最少完全培地(炭素源:ガラクトース、ウラシルを含まない)での生育が観察された。この結果、相補により、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子の機能が特定できた。
本発明によれば、トチュウのイソプレノイド化合物の生合成における初期の合成経路であるメバロン酸経路の諸酵素をコードする遺伝子が提供される。本発明の遺伝子は、トランス型ポリイソプレンあるいはイリドイドを大量に含有する遺伝子組換え植物(例えば、トチュウ)を作製するために好適に用いられ得る。
Claims (3)
- トチュウにおけるメバロン酸からイソペンテニル二リン酸の合成に関与する遺伝子であって、該遺伝子が、
配列番号6に記載のアミノ酸配列の1位から463位までのアミノ酸からなるタンパク質または配列番号8に記載のアミノ酸配列の1位から466位までのアミノ酸からなるタンパク質
をコードする、遺伝子。 - 前記遺伝子が、
配列番号5に記載の塩基配列の172位から1563位までのヌクレオチドを含む遺伝子または配列番号7に記載の塩基配列の216位から1616位までのヌクレオチドを含む遺伝子
である、請求項1に記載の遺伝子。 - 前記遺伝子が、
配列番号5に記載の塩基配列の1位から1892位までのヌクレオチドを含む遺伝子または配列番号7に記載の塩基配列の1位から1833位までのヌクレオチドを含む遺伝子
である、請求項2に記載の遺伝子。
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