JP2013224922A - 複眼カメラ装置、及びそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な状況においても高精度且つ高速な認識(測距)処理が可能な複眼カメラ装置を提供する。
【解決手段】光学フィルタ12、22及び撮像素子を備えた複数の撮像ユニット10、20と、各撮像素子が各光学フィルタ12、22を介して取得した撮影画像について画像処理を行う画像処理手段30と、を備え、光学フィルタのうちの少なくとも一つは、他の光学フィルタの特性と同じ第1の光学特性を有する領域12bと、第1の光学特性とは異なる第2の光学特性を有する領域12aと、を備え、画像処理手段30は、各撮像素子が取得した複数の撮影画像における、第1の光学特性に応じた第1の画像領域と、第2の光学特性に応じた第2の画像領域について、異なる画像処理を行うようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、視差情報を取得可能な複眼カメラ装置及びそれを備えた車両に関する。
近年、車載用のステレオカメラの普及が進んでおり、このようなステレオカメラを用いることで、車両前方の距離画像を生成し、その距離画像に基づいて障害物を認識して障害物までの距離を計測することにより、衝突の防止や車間距離制御のために運転者に警告を発したり、ブレーキやステアリングなどの制御装置の操作を実行することが出来ることが知られている。
さらに、近年は解像度などのセンサ性能が高まったこともあり、車載環境におけるセンシングの中心ニーズが高速道路から市街地へと移行してきている。
市街地環境では、高速道路等に比べてセンシングの対象となる環境が、特に多様となっている。従って、測距性能としての「高空間分解能化」及び「高精度測距」と、多様化した状況に対応するための「カラー情報の付加」が求められる。
市街地では、高速道路等よりも交通量が多く車間距離も短いため、ブレーキ制御のために求められる測距性能はよりシビアであるために「高空間分解能化」及び「高精度測距」が求められ、また、「カラー情報」に基づいて前方を走行する車両のテールランプや、信号機等の色、白線・黄白線を検出してアクセル制御等を行うことが出来れば、非常に有用である。
上記の事項の内、「高空間分解能」と「高精度測距」には、カメラに備えるセンサの高解像度化が最も有効であることが知られているが、高解像度化したセンサを用いた視差計算は、処理が複雑になり、処理に時間がかかるという問題がある。
さらに、「カラー情報を付加」するために、特許文献1に記載のようにカラーステレオカメラを用いた場合、カラーフィルタを搭載したことによるカラー補間処理が入るために、クリアフィルタで構成されたステレオカメラに対して測距精度が劣化するという問題がある。
以下に、従来のカラーステレオカメラの問題点を詳しく説明する。
図8は、従来のカラーステレオカメラの構成を示す図である。
図8に示すカラーステレオカメラにおける左右のカメラ110A、110Bは、夫々撮像素子111及びカラーフィルタ112を備えている。
それぞれのカメラのカラーフィルタ112はそれぞれ同じ特性のカラーフィルタである。
図8に示すように、カラーフィルタ112は、RGB各画素の領域に分割されおり、各画素領域では、カメラに入光した光学画像情報のうち、RGBの各成分のみが通過して撮像素子111により検出されるようになっている。
図8に示す構成のカラーステレオカメラは、例えば、下記の何れかの方法で視差を計算する。
一つには、カラーフィルタ112を含む夫々のカメラ110A、110Bで取得され、且つカラー補間(各成分画像の合成)が施されたカラー画像における、各RGB画像(画素)に対して視差計算を実行する方法がある。
また、(カラー補間を行わない)原画像における各RGB画像(画素)に対して、視差計算を実行するようにしてもよい。
あるいは、(カラー補間を行わない)原画像の各RGB画像(画素)に対して、補間画像を工夫して視差計算を実施する画像の枚数を低減し、それらの画像に対して視差計算を実行するようにしてもよい。
これらのいずれの方法を用いるにしても、視差計算を実施する画像の枚数が多くなり、特に最初に挙げた方法では補間処理が必要であるため、処理時間に膨大な時間がかかるという問題がある。
このような問題に対応するため、カラー補間計算ステップにおいて、カラー画像を輝度画像(Y画像)と色情報画像(UV画像)とに分離して計算し、そのうちの輝度情報のみを視差計算に利用するという方法も考え得る。
しかしながら、この場合、視差計算には補間された輝度画像が利用されることになり、特に距離測定のばらつきの幅が大きくなるので、測距精度は大きく下がることになる。
すなわち、カラーステレオカメラを構成しようとした場合には、高空間分解能+高精度測距を実現するためには、モノクロステレオカメラ以上の高解像度センサが必要になる一方で、同様の解像度をもったセンサを利用した場合でも、カラー情報が入るために、モノクロステレオカメラよりも処理時間が余計に必要になる、という2つの相反する課題(高解像度化が必要+処理時間の増大)を抱えることになる。
本発明は、上記の相反する課題を解決し、複眼カメラでの高解像度化・高空間分解能化及び処理速度の高速化をシンプルな構成で実現し、高精度且つ高速な画像処理が可能な複眼カメラ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、光学フィルタ及び撮像素子を備えた複数のカメラユニットと、前記各撮像素子が前記各光学フィルタを介して取得した撮影画像について画像処理を行う画像処理手段と、を備え、前記複数の光学フィルタは所定の第1の光学特性を有する第1の領域を備えると共に、前記複数の前記光学フィルタのうちの少なくとも一つは前記第1の光学特性とは異なる第2の光学特性を有する第2の領域を更に備え、前記画像処理手段は、各撮像素子が取得した複数の前記撮影画像における、前記第1の光学特性に応じた第1の画像領域と、前記第2の光学特性に応じた第2の画像領域について、異なる画像処理を行う複眼カメラ装置を特徴とする。
上記のように構成したので、本発明によれば、複眼カメラ装置において異なる複数の光学特性を有する画像に対して画像処理が可能になり、高精度且つ高速な画像処理が可能な複眼カメラ装置を実現することが出来る。
本発明の第1の実施の形態に係るステレオカメラの構成例を示す図。 本実施形態のステレオカメラの画像処理部の構成を示す図。 ステレオカメラの原理を示す図。 基準カメラにおける画素パタンを示す図。 第2の実施形態にかかるフィルタ構成を示した図。 第3の実施形態にかかるフィルタ構成を示した図。 本実施形態のステレオカメラを適用した車両を説明する概略図。 従来のカラーステレオカメラの構成を示す図。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複眼カメラ装置の一例としてのステレオカメラの構成例を示す図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るステレオカメラ1は、左右に基準カメラ10及び比較カメラ20を備えている。
基準カメラ10(カメラユニット)は、撮像素子11と、その上面に設けた光学フィルタ12と、撮像素子11に光を集光するレンズ13とを備えている。
また、比較カメラ20(カメラユニット)は、撮像素子21と、その上面に設けた光学フィルタ22と、撮像素子21に光を集光するレンズ23とを備えている。
図1(b)は、各カメラにおける撮像素子及び光学フィルタを詳細に示した図であり、図1(b)において、基準カメラ10の光学フィルタ12と、比較カメラ20の光学フィルタ22とは互いに光学特性が異なったフィルタである。従って、撮像素子11と撮像素子21とにより取得される画像(撮影画像)も、画像特性が互いに異なっている。
基準カメラ10の光学フィルタ12はカラーフィルタであり、その各RGB画素領域(カラー領域:第2の領域)12a((第2の光学特性:カラー特性)の間にクリア領域(第1の領域)12b(第1の光学特性:クリア特性)を配置した特種フィルタである。
かかる構成により、カラー領域12aを使用して色情報を検出出来るとともに、クリア領域12bを使用して画像情報としての輝度情報を検出することが出来る。
従って、基準カメラ10のクリア領域12bを用いて検出した輝度情報と、比較カメラ20のクリアフィルタ22を用いて取得した輝度情報のみを用いて、シンプルな視差計算処理を行うことが出来る。さらに、輝度情報のみを用いることでカラー画像から補間された画像を使うことがなくなるため、視差計算の制度も高精度に保つことが出来る。
また、視差計算用のモノクロ画像(クリア領域12bを通した第1の画像領域)とカラー画像(カラー領域12aを通した第2の画像領域)とで処理を分割することにより、処理を高速化できるので、高解像度のセンサを使うことが可能になる。これによって、分解能を劣化することのないステレオカメラを実装できる。
なお、クリアフィルタ22としては、輝度の情報を得られればよく、NDフィルタを用いても良い。また、フィルタ自体を有さなくても良い。
図2は、本実施形態のステレオカメラの画像処理部の構成を示す図である。
図2に示すように、画像処理部30は、RAM32と、視差計算部31と、CPU33と、RAM34と、を備えている。
RAM32は、基準カメラ10で撮影された基準撮影画像と、比較カメラ20で撮影された比較撮影画像とが入力されるフレームバッファとして機能する。
視差計算部31は、RAM32に入力された基準撮影画像のクリア領域12b通過成分と、比較撮影画像とを用いて視差計算を行う。視差計算部31としてはFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)が使用可能である。
CPU33は、所定のプログラムに従って、基準撮影画像のうちのカラー領域12a通過成分(RGB画素成分)に基づく認識処理を実行する。
RAM34は、CPU33による処理のための一時データや処理プログラムを一時的に展開して格納する。
視差計算部31による処理もCPU33による処理とすることも可能であるが、処理速度を考慮すると、ハードウェアによる処理がより望ましい。
図3は、ステレオカメラの原理を示す図である。
図3にステレオカメラの原理を示す。基線長B(カメラ間の距離)と焦点距離fと視差d(視点による物体の結像点の位置の差)、物体までの距離Zの情報を使い、式(1)に表される形で、物体までの距離を算出する。ここで、視差計算とは、数式1におけるdを算出することを言う。

Figure 2013224922
・・・(1)
このdは、基準カメラ10で撮像された基準撮影画像10Aと、比較カメラ20で撮像された比較撮影画像20Aとの、各画素の対応位置を意味しており、これは一般的には、注目画素の周辺数画素を使ったブロックマッチングによって算出される。
たとえば周辺画素を含むブロックサイズを9x9と想定した場合、下記式(2)に示されるようなSAD(Sum of Absolute Difference)などによって計算されるとする。
ブロックマッチングの方法としては、SAD以外にも、SSD(Sum of Squared Differences)やNCC(Normalized Cross Correlation)、ZSAD(Zero-mean Sum of Absolute Differences)など、様々な手法が提案されており、いずれの手法を利用してもよい。
Figure 2013224922
・・・(2)
このブロックマッチングによる視差計算は、この式(2)で表される計算を、基準撮影画像10Aの注目画素に対して比較撮影画像20A側で1画素づつ(もしくは小数補間されたサブピクセル合成画像づつ)計算していき、最も相関している位置を視差dとして算出するものである。
このように、ある画素について視差を探索するには、少なくとも想定可能な視差d以上の画素数分の処理が必要になるため、多くの時間を必要とする。
例えば、1画素ごとに視差dを探索するための画素をずらして探索する長さ(探索幅)が64画素だとした場合、ある画像を処理するための処理時間は、1画素分の視差を探索するために1クロックサイクルかかるとしても、1画面を処理するために64倍の処理時間がかかることになる。一般に1画素分の相関値を計算するために1クロックサイクルで処理が実現されるということは不可能であり、これは相関を行うブロックサイズによって指数的にさらに増大する。このため、視差計算時間を短縮することは大きな課題となっている。これを一般化した式で表すと、下記(3)式のようになる。
1画面分の視差計算時間=視差算出画素数×(1画素の相関計算時間×探索幅)
・・・(3)
従って、視差dは撮像素子11、21に集光された光の情報がそのまま利用されることが望ましい。
これに対して、カラーカメラでは、撮像素子上にRGBなどの各色のフィルタが実装されるため、それらを通して集光した光情報から補間計算を実行してRGBの原色画像を作成し、それぞれの色画素に対して視差計算を施して、最後にそれらから最終的な判断をする、といった利用のされ方がなされる。
このような計算をすることによって、視差としての信頼度(ミスマッチを減らす)を向上することは可能になるが、集光情報をそのまま利用するわけではないので、測距精度の劣化が問題となる。それと同時に、処理時間が膨大にかかるという問題が生じる。
図1に示すステレオカメラでは、基準カメラ10にカラーフィルタ12を実装し、比較カメラ20には、モノクロ画像を撮像するクリアフィルタ22を実装する。
従って、カラー画像は基準カメラ10側にのみ撮像されることになる。しかし、ステレオカメラを利用した場合でも、画像認識に利用するカラー情報は基準カメラ10側のみである。
また、基準カメラ10において、クリア領域12bが存在する分、カラー領域12aの解像度は当然低くなるが、たとえば車載環境などでリアルタイム画像認識を行う場合、カラー画像の解像度はそれほど必要にならない。
それは、補間処理において、撮像環境による色変化の影響を大きく受けてしまうために、遠方の小物体のカラー情報は信頼できないこと、カラー画像は処理時間が長くなってしまうこと、が理由である。
この特性を利用し、カラーフィルタの間にクリアフィルタを入れて実装する。このような構成をとることによって、輝度情報をそのまま利用した視差計算の実行が可能になる。
図4は、基準カメラにおける撮像素子における画素パタンを示す図である。
図4に示すように、ステレオカメラ前方にあるカラーの物体の位置、すなわち、撮像素子11におけるカラー物体の結像位置(カラー画素の位置)毎に視差計算に用いる輝度情報の画素位置が異なっている。
図4(a)は結像パタン1を示しており、ブロックサイズが7x7の結像領域14において、RGB画素は12画素、輝度情報画素は37画素である。
図4(b)は結像パタン2を示しており、同じサイズの結像領域14において、RGB画素は16画素、輝度情報画素は33画素である。
図4(c)は結像パタン3を示しており、同じサイズの結像領域14において、RGB画素は9画素、輝度情報画素は40画素である。
図4(d)は結像パタン4を示しており、同じサイズの結像領域14において、RGB画素は12画素、輝度情報画素は37画素である。
従来のステレオカメラであれば、モノクロ画像の場合はそのまま、またカラー画像の場合は、原色画像ごとにこの計算を各画素について行う。これは、背景技術の欄で説明した通りである。
本実施形態では、たとえば図1の構成でステレオカメラを構築した場合でブロックサイズが7x7の場合、図3のように4種類の基準画像側のブロックの構成のパタンが存在する。
このように、画素ごとに、ブロックマッチングにおいて利用する計算画素位置を変化させながら視差計算を実施する。
このとき、視差計算は上述したように、基準画像10Aの各注目画素について、比較画像20Aの比較画素を1画素ずつずらしていき、その場所で、注目画素を中心としたブロックと比較計算を行うことになる。
そのために、たとえば図1のカラーフィルタのような構成を比較カメラ20側でも持っていた場合、比較撮影画像20A側の画素探索位置によってはブロックマッチングの構成がまったく異なることになり、視差を算出することが不可能になる。
そのために、比較撮影画像20A側でもクリアフィルタ22を実装することで、基準側のどのような画素位置でのブロック構成に対しても適用することが可能になる。
つまり、図1のような構成例の場合、図4のように4種類のブロックマッチング方法(ブロックマッチングのブロック内計算画素位置選択方法)を用意すればよいことになる。
ただしこのとき、図4に示すようにブロックマッチング計算に利用する画素数が可変になると、計算値の単位も異なり、同じ視差探索幅画素内でも、単位が異なる。
この問題を解消するためには、ブロックマッチング計算を実施する際に、計算結果を画素数で割って正規化するという方法、もしくは計算画素数については常に発生しうるパタンの最低数(図4の場合だと33)に決めておき、それよりも多い画素位置は計算に含まない方法、等が考えられる。
なお、一般的に、視差計算は図2に記載のようにハードウェア化することが多いので、除算器を含む画素数による正規化は処理が遅くなることが多い。
従って、計算画素数を決定しておく方が、ハードウェアのリソースを効率よく使えたり、並列化が実装しやすいなどのメリットがある。
また、本実施形態では、図1(b)に示すようなフィルタ構成とすることで、カラー補間なしで処理を実行することを前提としているため、高精度なフィルタ実装技術が必要になる。
ただし、各カメラに対してフィルタずれを計測し、各画素の輝度情報率を算出、その係数をかけて輝度部のみの情報を抽出するキャリブレーション工程を設けた構成としてもよい。
なお、本実施形態のステレオカメラを実現した場合、カラー画像には解像度の劣化がみられる。図4から明らかなように、カラー領域12aの面積は、クリア領域12bの存在により解像度が小さくなっている。
ただし、リアルタイム画像認識においてはカラー画像の高解像度化はまだ求められることは少ないために大きな問題にはならない。しかし、仮に高解像度化の必要性があったとしても、撮像素子を高解像度化することで対応可能になる。
現在、車載などのリアルタイム画像認識装置においては、デジタルカメラや携帯電話などの高解像度センサは処理しきれないが、本構成とすることで、そのような高解像度センサも有効に活用することが可能になる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る光学フィルタの構成を示す図である。
撮像素子を高解像度化する以外にも、カラー画像としての解像度が欲しい場合、図5に示すように、フィルタ内でカラー情報の比率を上げて実装してもよい。
上述した図1の場合では、4画素に1画素の割合でカラー領域12aを設けていた。
これに対して、図5(a)のパタン1では、横方向の視差解像度を重視(1/1)して縦方向の視差画像解像度を1/2にして、4画素中2画素をカラー領域12aに割り当てている。図5(b)のパタン2では、逆に縦方向の視差画像解像度を重視するパタンとなっている。さらに、図5(c)に示すパタン3では、縦横の視差解像度を均等に割り振った構成となっている。
パタン1やパタン2の場合、カラー画像の色比率計算が正方ベースではなくなるので、それにあわせた計算としなければならない。
こういったフィルタ構成については、アプリケーションの要求にあわせて、カラー画像と視差画像の比率を調整、設計する必要がある。
いずれの場合でも、比較カメラ20のフィルタ22をクリアフィルタとすることで、視差計算については高精度な計算が可能である。
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係る光学フィルタの構成を示す図である。
基準カメラ10と比較カメラ20の両方にカラー画像が欲しい場合は、図6のように、両方に図1(b)に示すような光学フィルタを装備することで、双方のカメラからカラー画像を取得することが可能になる。
すなわち、比較カメラ20側の光学フィルタ22をカラーフィルタとし、RGB画素領域(カラー領域22a)22aの間にクリア領域22bを配置した特種フィルタとして構成する。
図6の(a)〜(c)に示す視差0位置、視差1位置、視差2位置等においてブロックマッチングを行うことによって、視差情報を得ることが可能である。
この場合も、フィルタ構成を左右で変更するという第一の特徴を使うことで、高精度測距を実現することが可能になる。
なお、仮に両方のカメラでカラー画像を取得したい場合でも、図1のカラーカメラ側のような構成で両眼を構成した場合、図5のように1ラインおきにクリアフィルタがあるので、そのままでもブロックサイズを大きくとることで視差計算を十分有効に実装することが可能である。
なお、本実施例では2眼のステレオカメラにおいて説明しているが、同様の構成・原理が適用できるため、カメラを2台以上搭載した複数の測距カメラ装置で実現してもよい。
<その他の実施形態>
図7は、本実施形態の距離計測装置を適用可能な車両を示す模式図である。
本実施形態の画像処理システムは、車両前方の画像を取得するための撮像ユニット41と、取得した画像に基づいて車両40の前方に存在する他の車両までの距離を算出する等の処理を行う画像解析ユニット42を有している。撮像ユニット41は、車両40が走行する前方の画像を撮像できるように、座席のルームミラー位置等に設置されている。撮像ユニット41で撮像された車両前方の画像は、画像信号化されて画像解析ユニット42に入力される。画像解析ユニット42は、撮像ユニット41から出力された画像信号を解析する。
撮像ユニット41として、上記実施形態の撮像ユニット10、20を適用できる。
また、画像解析ユニット42の一部の機能として、上記実施形態の画像処理部30(視差計算部31、CPU33)を適用することが出来る。
車両走行制御ユニット48は、画像解析ユニット42で計算された距離に基づいてハンドルやブレーキの制御も行うことが出来る。
また、画像処理部30による画像処理により赤信号が検出された時に、ブレーキを制御して安全に停車できるようにするという応用も可能である。
1 ステレオカメラ、10 基準カメラ、10A 基準撮影画像、11 撮像素子、12 カラーフィルタ、12a カラー領域、12b クリア領域、13 レンズ、14 結像領域、20 比較カメラ、20A 比較撮影画像、21 撮像素子、22 クリアフィルタ、23 レンズ、30 画像処理部、31 視差計算部、32 RAM、33 CPU、34 RAM
特開2005−346393公報

Claims (6)

  1. 光学フィルタ及び撮像素子を備えた複数のカメラユニットと、前記各撮像素子が前記各光学フィルタを介して取得した撮影画像について画像処理を行う画像処理手段と、を備え、
    前記複数の光学フィルタは所定の第1の光学特性を有する第1の領域を備えると共に、前記複数の前記光学フィルタのうちの少なくとも一つは前記第1の光学特性とは異なる第2の光学特性を有する第2の領域を更に備え、
    前記画像処理手段は、各撮像素子が取得した複数の前記撮影画像における、前記第1の光学特性に応じた第1の画像領域と、前記第2の光学特性に応じた第2の画像領域について、異なる画像処理を行うことを特徴とする複眼カメラ装置。
  2. 前記複数の光学フィルタはすべて前記第2の領域を有することを特徴とする請求項1に記載の複眼カメラ装置。
  3. 前記画像処理手段は、前記第1の画像領域に含まれる画像情報に基づいて、前記撮影画像間の視差を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の複眼カメラ装置。
  4. 前記第2の画像領域に含まれる画像情報は、カラー情報であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の複眼カメラ装置。
  5. 前記視差計算を行う前記第1の画像領域のサイズ及び構成画素の位置は、前記第2の画像領域の位置に基づいて動的に変更されることを特徴とする請求項3に記載の複眼カメラ装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の複眼カメラ装置を備えたことを特徴とする車両。
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