JP2013224334A - ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス - Google Patents

ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2013224334A
JP2013224334A JP2013162950A JP2013162950A JP2013224334A JP 2013224334 A JP2013224334 A JP 2013224334A JP 2013162950 A JP2013162950 A JP 2013162950A JP 2013162950 A JP2013162950 A JP 2013162950A JP 2013224334 A JP2013224334 A JP 2013224334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
temperature
mixture
thf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013162950A
Other languages
English (en)
Inventor
Jing Liao
ジン リャオ
Tao Wang
タオ ワン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Sharp and Dohme LLC
Original Assignee
Merck Sharp and Dohme LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Sharp and Dohme LLC filed Critical Merck Sharp and Dohme LLC
Publication of JP2013224334A publication Critical patent/JP2013224334A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/77Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D307/92Naphthofurans; Hydrogenated naphthofurans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors

Abstract

【課題】高純度の式Iaの中間体化合物、例えば、式Iの化合物を常に調製するための方法を提供することである。
【解決手段】本出願は薬学的に活性なヒンバシン(himbacine)類似化合物を合成するための新規プロセス、およびそれらの合成において有用な式Iのフラニル−カルバミン酸エステル中間体を開示する。この主題化合物は、有用な薬学的性質を有するトロンビン(thrombin)受容体アンタゴニストとして有用である。
Figure 2013224334

【選択図】なし

Description

(関連する出願との相互参照)
本出願は、2007年10月24日に出願された米国仮出願第61/000,164号に基づき、そしてその優先権を主張する。この仮出願はその全体が参照により本明細書中で援用される。
(発明の分野)
本出願は、例えば、薬学的に活性なヒンバシン(himbacine)類似化合物の調製における中間体としての有用性を有する式Iaのフラニル−カルバミン酸エステルを高純度で調製する新規プロセスを開示する。
Figure 2013224334
(発明の背景)
本出願中のこの項、またはいずれの項において、任意の刊行物を特定することは、そのような刊行物が本発明の従来技術であるとの承認ではない。
本明細書中でその全体が参照により援用される、特許文献1は、トロンビン(thrombin)受容体アンタゴニストとして作用することが知られ、有用な薬学的な活性を有するヒンバシン類似体、(例えば、式IIの化合物)を記載する。
Figure 2013224334
いくつかの調製スキームにおいて、式Iaの化合物、例えば、式Iの化合物
Figure 2013224334
は、望ましい薬学的な性質を有するヒンバシン類似化合物(例えば、式IIの化合物)の調製における重要な中間体である。2006年1月12日出願され、そして特許文献2(’450公開)として公開される米国特許出願番号第11/331,324号は、その全体が参照により本明細書中で援用され、実施例7において、式Iの化合物からの式IIの化合物の調製を開示する。市販の出発原料からの式Iaの中間体化合物の調製は、例えば、’450公開の、13ページ[0074]パラグラフから16ページ[0078]パラ
グラフに記載されるように、多段階合成を用いて達成されている。例えば、’450公開は、8ページに、スキーム1に合致した式Iaの化合物の調製を記載する。
Figure 2013224334
’450公開に記載される手順により提供される式Iaの化合物の純度は、調製プロセスにおいて用いられる式Ic(スキーム1を参照)の前駆体化合物の純度に対し非常に敏感である。例えば、[0098]パラグラフから始まる’450公開の実施例7を参照。’450公開に合致して合成されるとき、式Iの化合物を含む生成物は、式IIの化合物の合成における使用に対して適切な純度を有する式Iの化合物を常に提供するために、複数回の再結晶を必要とする。精製を行わないとき、標的化合物の収率および取り扱い性は大きく損なわれる。
米国特許第6,063,847号明細書 米国出願公開第2006/0247450号明細書
(本発明の目的と要旨)
前述を考慮すると、必要とされるものは、高純度の式Iaの中間体化合物、例えば、式Iの化合物を常に調製するための方法である。さらに、必要とされるものは、式Iaの化合物を提供するプロセスであり、そのプロセスにおいて、生成物の純度は前駆体原料の純度により敏感でなく、そして、そのプロセスは式Iaの化合物を高純度で常に提供するための再結晶工程の必要性を最小化する。必要とされるものはまた、商業スケールでの調製に適したバッチサイズにも適用可能な、式Iの化合物を提供するプロセスである。これらの、および他の目的および/または利点は本発明により提供される。
本発明の一つの好ましい局面は、式Iaの化合物の精製された形態を提供するためのプロセスであり、
Figure 2013224334
そのプロセスは:
(a)実質的にアセトンまたは2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)を含む溶媒中に、第一の温度(ここで、第一の温度とは、周囲の温度より高く、そして式Iの化合物の結晶を含む懸濁液を形成するのに適した範囲内であるように選択されるものである)で式Iの化合物を含む飽和溶液を提供し、そして、その混合物を、必要に応じて撹拌しながら、その溶液を上記の第一の温度で、式Iの化合物の懸濁液を形成するのに十分な時間保持すること;
(b)必要に応じて、工程「a」において形成した懸濁液の温度を第二の温度まで下げること。ここで上記第二の温度とは周囲の温度より低い温度である;
(c)必要に応じて、工程「b」からの懸濁液を撹拌すること。この間、その懸濁液は、約3.0モル%未満の、好ましくは約2.0モル%未満の不純物を有し、そして工程「a」において提供される溶液中に最初に存在する式Iの化合物を少なくとも約80%含む結晶生成物を析出させるために十分な時間、上記の第二の温度で保持する;および
(d)必要に応じて、工程「c」において析出した結晶生成物を単離すること。
を含む。
いくつかの実施形態において、精製された式Iaの化合物を溶媒和物の形態で提供することが好ましい。いくつかの実施形態において、工程「b」における第二の温度を約(−5)℃から約(+10)℃までの間から選択することが好ましい。いくつかの実施形態において、約3時間までの時間、好ましくは約1時間から約3時間かけて、工程「b」における懸濁液の温度を上記第一の温度から上記第二の温度へと下げることが好ましい。任意の工程「c」を利用するいくつかの実施形態において、約1時間から約2時間までの時間をかけて撹拌を実行することが好ましい。いくつかの実施形態において、随意の工程「d」を実行後、単離された析出物を溶媒和物の形態で提供するために、周囲の温度に近い温度で単離された析出物を乾燥することが好ましい。
いくつかの実施形態において、本発明のプロセスを実行し、アセトンを精製用溶媒として用いて式Iの化合物の精製された形態を提供し、これにより式Iの化合物の結晶性アセトン一溶媒和物の形態を提供し、ここで、結晶性の一溶媒和物である生成物は、以下の特徴を有する重クロロホルム中のNMRスペクトルを与えることが好ましい。:
H NMR (CDCl)δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H),4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.19(s,6H,アセトン),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.23(m,5H),1
.17(q,J=11.5Hz、2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)。
いくつかの実施形態において、本発明のプロセスを実行し、2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)を精製用溶媒として用いて式Iの化合物の精製された形態を提供し、これにより式Iの化合物の結晶性2−Me−THF一溶媒和物の形態を提供し、ここで、結晶性の一溶媒和物である生成物は、以下の特徴を有する重クロロホルム中のNMRスペクトルを与えることが好ましい。:
H NMR (CDCl)δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H)4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.98−3.86(m,2H,2−Me−THF),3.73−3.68(m,1H,2−Me−THF),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.92−1.79(m,3H,2−Me−THF),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.45−1.36(m,1H,2−メチル−THF),1.23(m,5H),1.22(d,3H,2−Me−THF),1.17(q,J=11.5Hz,2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)。
一つの実施形態において、上記の析出プロセスは、スキームIIに従う、式Iaの化合物の合成のためのプロセスへと組み入れられ、
Figure 2013224334
そのプロセスは以下を含む;
(i)式Ibの化合物のTHF溶液を提供すること;
(ii)工程「i」からのTHF溶液を初めクロロギ酸エチルで処理し、そしてトリエチルアミンをその後加えることにより提供される反応混合物中で式Iaのアミドを形成すること;
(iii)同じ体積の水およびメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)を加え
、そして、その後得られた有機相および水相を分離することにより工程「ii」の反応混合物の後処理すること;
(iv)工程「iii」からの分離された有機相と、同じ体積の水および炭酸塩基溶液のアリコートとを混合させること;
(v)工程「iv」において提供された混合物のpHを、水性の酸を用いて約pH6から約pH7.5までのpHに調節し、そして、上記の混合物の水相および有機相を分離すること;
(vi)以下の工程;
a)工程「v」において得られる、分離された有機相と精製用溶媒とを混合させること。ここで、精製用溶媒はアセトンまたは2−Me−THFである;
b)上記の混合物が濃縮されるまで、この混合物を共沸させること;および
c)上記混合物中の溶媒が実質的に上記の精製用溶媒になるまで、工程「a」および「b」を繰り返すこと;
を含むプロセスにより、工程「v」において得られる、分離された有機相中の溶媒を修飾すること;および
(vii)工程「vii」において提供される相を冷却し、これにより式Iaの化合物の実質的に純粋な溶媒和物の形態を析出させること
上記プロセスのいくつかの実施形態において、式Iaの化合物が、式Iの化合物であることが好ましく、したがって式Ic、IbおよびIaの化合物各々の存在におけるRおよびRはフェニルである。
いくつかの実施形態において、パラジウム触媒および水/THF混合反応媒体を用いて、式Icの化合物
Figure 2013224334
を水素添加することにより式Ibの化合物を与えることは好ましい。
本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、炭酸塩基溶液として5%重炭酸ナトリウム水溶液を工程「iv」において用いることは好ましい。本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、混合物のpHを調節するために硫酸水溶液を工程「v」において、用いることは好ましい。本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、工程「vi」における溶媒修飾の実行の前に溶媒を留去することにより、分離した有機相を濃縮することは好ましい。
本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、スキームIの合成プロセスで工程「vii」は、式Iaの化合物の飽和溶液を第一の温度で保持することを含み、ここで、式Iaの化合物の結晶の核生成が形成され、式Iaの化合物の懸濁液を生成し、続いて、式Iaの化合物の結晶性形態、好ましくは結晶性の溶媒和物形態が修飾された有機相から析出する第二の温度まで温度を下降させ、好ましくは、第2の温度、好ましくは式Iaの化合物の結晶性形態の析出が最大となる周囲よりも低い温度で、その相を保持する。工程「vii」において析出する式Iaの化合物の溶媒和物の形態が式Iの化合物の2−メチル
−テトラヒドロフラン一溶媒和物の形態またはアセトン一溶媒和物の形態である、いくつかの実施形態において、好ましくは、上記第一の温度は約45℃から約60℃までの温度であり、そして上記第二の温度は、好ましくは約(−5℃)から約(+10℃)までの温度である。
本発明のこれらの、および他の局面は、以下の記述にさらに記載される。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I
Figure 2013224334

の化合物の精製され、析出した形態を提供するためのプロセスであって、
(a)実質的にアセトンまたは2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)を含む溶媒中に、第一の温度で(ここで、該第一の温度とは、周囲の温度より高く、そして該式Iの化合物の結晶を含む懸濁液を形成するのに適した範囲内であるように選択されるものである)、式Iの化合物を含む飽和溶液を提供し、そして、必要に応じて該混合物を撹拌しながら、該溶液を該第一の温度で、該式Iの化合物の懸濁液を形成するのに十分な時間保持する、工程;
(b)必要に応じて、工程「a」において形成した該懸濁液の温度を第二の温度まで下げる工程であって、ここで該第二の温度とは周囲の温度より低い温度である、工程;
(c)必要に応じて、工程「b」からの該懸濁液を撹拌する工程であって、工程「a」において提供される溶液中に最初に存在する式Iの化合物を少なくとも約80%含み、かつ約3.0モル%未満の不純物を有する結晶生成物を析出させるために十分な時間、該該懸濁液を第二の温度で保持しながら撹拌する、工程;および
(d)必要に応じて、工程「c」において析出した該結晶生成物を単離する、工程;
を包含する、プロセス。
(項目2)
請求項1に記載のプロセスであって、ここで、工程「c」が実行されるとき、第二の温度で、そして約2.0モル%未満の不純物を有する結晶生成物を析出させるのに十分な時間、工程「c」が実行される、プロセス。
(項目3)
請求項2に記載のプロセスであって、ここで、前記第一の温度が約45℃から約60℃までの温度である、プロセス。
(項目4)
請求項3に記載のプロセスであって、ここで、前記第二の温度が約(−5)℃から約(+10)℃までの温度である、プロセス。
(項目5)
請求項4に記載のプロセスであって、ここで、工程「a」における前記溶液が前記第一の温度で約1時間保持される、プロセス。
(項目6)
請求項5に記載のプロセスであって、ここで、工程「b」において、前記温度が前記第一の温度から前記第二の温度に下げられる前記時間が約3時間の時間である、プロセス。
(項目7)
請求項6に記載のプロセスであって、ここで、アセトンまたは2−メチル−テトラヒドロフランである精製用溶媒を、式Iの化合物、メチル第三級ブチルエーテル、およびテトラ
ヒドロフランを含む溶液に加え、そして残留する前記溶媒が本質的に該精製用溶媒になるまで揮発物を留去することにより、工程「a」における前記溶液が提供される、プロセス。
(項目8)
式Ia
Figure 2013224334

の化合物の合成のためのプロセスであって、
(a)式Ib
Figure 2013224334

の化合物のTHF溶液を提供する工程;
(b)工程「a」からの該THF溶液を初めクロロギ酸エチルで処理し、そしてトリエチルアミンをその後加えることにより提供される反応混合物中で式Iaの該アミドを形成する工程;
(c)同じ体積の水およびメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)を加え、そして、その後得られた有機相および水相を分離することにより、工程「b」からの該反応混合物を後処理する工程;
(d)工程「c」からの該分離された有機相と、同じ体積の水および炭酸塩基溶液のアリコートとを混合させる工程;
(e)工程「d」において提供された混合物のpHを、水性の酸を用いて約pH6から約pH7.5までのpHに調節し、そして、該混合物の水性部分および有機部分を分離する工程;
(f)以下の工程:
(i)工程「e」において得られる、該分離された有機相と精製用溶媒とを混合させる工程であって、ここで、該精製用溶媒はアセトンまたは2−Me−THFである工程;
(ii)該混合物が濃縮されるまで、工程「f(i)」からの該混合物を共沸蒸留する工程;および
(iii)工程「f(ii)」における該混合物中の該溶媒が実質的に該精製用溶媒に含むまで、工程「f(i)」および「f(ii)」を繰り返す工程;
を包含するプロセスにより、工程「e」において得られる該分離された有機相中の該溶媒を修飾する、工程;および
(g)工程「f(iii)」において提供される該相を冷却し、これにより式Iaの化合物の実質的に純粋な溶媒和物の形態を析出させる工程:
を包含する、プロセス。
(項目9)
請求項8に記載のプロセスであって、ここで、パラジウム触媒および水/THF混合反応
媒体を用いて、
式Ic
Figure 2013224334

の化合物を水素添加することにより、式Ibの化合物が提供される、プロセス。
(項目10)
請求項9に記載のプロセスであって、ここで、それぞれの出現におけるR およびR がフェニルであり、そして、したがって形成する前記式Iaの化合物は
式I
Figure 2013224334

の化合物である、プロセス。
(項目11)
請求項10に記載のプロセスであって、ここで、工程「d」において、前記炭酸塩基溶液が5%重炭酸ナトリウム水溶液である、プロセス。
(項目12)
請求項11に記載のプロセスであって、ここで、工程「e」において、前記溶液のpHを調節するために用いられる、前記水性の酸が硫酸水溶液である、プロセス。
(項目13)
請求項12に記載のプロセスであって、ここで、工程「f」における前記精製用溶媒を加える前に、溶媒を留去することにより、工程「e」において形成される前記分離された有機部分が濃縮される、プロセス。
(項目14)
請求項13に記載のプロセスであって、ここで、前記冷却工程である工程「g」が:
(i)工程「f」において調製される前記修飾された有機相の温度を第一の温度へと調節する工程であって、ここで該第一の温度は周囲より高い温度であり、かつ式Iaの化合物を含む懸濁液の形成を可能にするように選択され、そして該修飾された有機相を、該第一の温度で、該式Iaの化合物を含む懸濁液を形成するのに十分に長い時間保持する工程;および
(ii)工程「i」において形成された該懸濁液の温度を第二の温度へと調節する工程であって、ここで、該第二の温度は周囲より低く、そして工程「f」において調製された該修飾された有機相に最初に存在する該式Iaの化合物の少なくとも約80%を含み、かつ約2.0モル%未満の不純物を有する結晶生成物を生成するのに十分な時間、その温度で該懸濁液を静置する工程;
を包含する、プロセス。
(項目15)
請求項14に記載のプロセスであって、ここで、前記第一の温度が約45℃から約60℃までの温度である、プロセス。
(項目16)
請求項15に記載のプロセスであって、ここで、工程「g(i)」の間、前記懸濁液が撹拌される、プロセス。
(項目17)
請求項16に記載のプロセスであって、工程「g(ii)」からの前記析出した固体を単離することをさらに包含する、プロセス。
(項目18)
請求項16に記載のプロセスであって、ここで、前記第二の温度が約(−5℃)から(+10)℃である、プロセス。
(項目19)
請求項18に記載のプロセスであって、ここで、工程「g(ii)」において前記懸濁液の温度が前記第一の温度から前記第二の温度に約3時間の時間をかけて調節される、プロセス。
(項目20)
請求項19に記載のプロセスにより調製される化合物であって、ここで、前記精製用溶媒がアセトンであり、そして該生成物が以下の特徴を有する重クロロホルム中のNMRスペクトル: H NMR (CDCl )δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H),4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.19(s,H アセトン),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.23(m,5H),1.17(q,J=11.5Hz、2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)を与える、化合物。
(項目21)
請求項19に記載のプロセスにより調製される化合物であって、ここで、前記精製用溶媒が2−メチル−テトラヒドロフランであり、そして該生成物が以下の特徴を有する重クロロホルム中のNMRスペクトル: H NMR (CDCl )δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H)4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.98−3.86(m,2H,2−Me−THF),3.73−3.68(m,1H,2−Me−THF),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.92−1.79(m,3H,2−Me−THF),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.45−1.36(m,1H,2−メチル−THF),1.23(m,5H),1.22(d,3H,2−Me−THF),1.17(q,J=11.5Hz,2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)を与える、化合物。
(発明の詳細な記述)
式Iの化合物を提供するためプロセスは、’450公開の実施例7に記載され、その記載は本明細書中で参照により援用される。上記スキームIに対する参照とともに、’450公開は、パラジウム触媒上での水素添加により式Icの化合物から式Ibの化合物を調製すること(ここで、それぞれの例において、RおよびRはそれぞれフェニルである)、および、続いてそれにより形成されたアミン中間体を、クロロギ酸エステルとを反応させ、式Iのカルバミン酸エステル化合物を提供することを記載する。’450公開の実施例7の教示に従って、反応後に反応混合物をエタノール/水混合物で処理することにより得られる混合物から式Iの化合物を析出させ、続いて上記混合物を共沸させることで、クロロギ酸エステル反応を後処理するとき、上述で言及されるように、’450公開に記載のプロセスは、式Iの中間体化合物における高い不純物水準を提供する。
種々の溶媒(例えば、メチル−tert.−ブチルエーテル(MTBE));および種々の溶媒/アンチソルベント系(例えば、酢酸エチル/ヘプタンおよびトルエン/ヘプタン)を用いて、’450公開に記載のプロセスに従って作製された式Iの化合物を含む析出物のアリコートを再結晶する試みは、油状物の形成という結果となった。これらの油状物は、式Iの化合物の合成において、減少した不純物プロフィールを与えず、また’450公開に記載のプロセスから提供された式IIの生成物化合物の質における改善も提供しなかった。
したがって、一つの局面において、本発明を’450公開のプロセスへと適用し、’450公開に従って作製される式Iaの化合物を含む析出生成物中に存在する不純物の水準を減少させることにより、本発明のプロセスは、’450公開に記載されるような合成プロセスにおける改善を提供する。
発明者らは、驚いたことに、(後処理後の)式Iaの化合物を含む反応混合物と精製用溶媒とを混合し、そしてその後、続いて濃縮しそして揮発性物質を除去するという本発明のプロセスが、それらから式Iaの化合物の一アセトン溶媒和物の形態または一2−メチル−テトラヒドロフラン溶媒和物の形態(例えば、式Iの化合物の一アセトン溶媒和物)のいずれかを析出させ、’450公開に記載のプロセスに従ってエタノール/水溶媒を用いて後処理した反応混合物を混合させることから得られる式Iaの化合物を含む析出物質と比較して、実質的に、より低いパーセンテージの、析出物質中に存在する不純物を含む形態で式Iaの化合物を提供することを見出した。
本発明のプロセスが式Iaの化合物を調製するための反応スキームの一部であるとき、好ましくは、式Iaの化合物を提供するプロセスは、上記に参照される’450公開(その実施例7を参照)に記載の方法論に従い、反応混合物中の生成物をメチル−第三級ブチルエーテル(MTBE)中へと抽出する工程を経て実行される。本発明に従って、そのように得られる、式Iaの化合物を含む抽出物は、その後、精製用溶媒(例えば、2−メチル−テトラヒドロフランまたはアセトン)と混合され、そして濃縮物中に残留する溶媒が実質的に上記精製用溶媒を含むまで上記混合物を共沸で留去することにより濃縮される。このように提供される濃縮物の温度は、その後、式Iaの化合物の結晶性溶媒和物の形態
(例えば、式Iの化合物の結晶性一アセトン溶媒和物)の形成が始まる温度(第一結晶化温度)まで下げられ、所望の式Iaの化合物の結晶性一溶媒和生成物を含む結晶懸濁液または析出生成物を形成する。式Iの化合物の一アセトン溶媒和物の形態を提供するプロセスのいくつかの実施形態において、上記濃縮物の温度は、約45℃から約60℃である第一結晶化温度に保持されることが好ましい。
アセトンまたは2−メチル−テトラヒドロフランのいずれかを精製用溶媒として用いて式Iaの化合物が精製されるいくつかの実施形態において、アセトン溶媒和物の結晶性形態または一2−メチル−テトラヒドロフラン溶媒和物の結晶性形態それぞれにおいて式Iaの化合物の析出を開始させるために十分な時間、第一結晶化温度で上記濃縮物を保持した後に、その溶液の温度は、制御された方法で周囲より低い温度に下げられ、ここで、冷却速度および最終温度は、濃縮物から析出する化合物の結晶性溶媒和物の形態の量が最大となるように選択され、この間、析出した結晶性物質中の、上記精製プロセスにより提供される不純物が低水準で保たれる。好ましくは、式Iaの化合物が式Iの化合物であるとき、第一結晶化温度は約45℃から約60℃までの温度であり、そして第二結晶化温度は約(−5℃)から約(+10℃)までの温度であるが、これらの範囲外にある温度値が、本発明のプロセスからはずれることなく、使用され得ることは理解される。いくつかの実施形態において、1時間までの時間、より好ましくは、約1時間、第一結晶化温度を保持することは好ましいが、本発明のプロセスからはずれることなく、より長い時間もまた使用され得る。いくつかの実施形態において、約3時間の時間をかけて第一結晶化温度から第二結晶化温度まで下げることは好ましいが、本発明のプロセスからはずれることなく、より速いおよび、より遅い冷却速度もまた使用され得る。いくつかの実施形態において、約1時間から約2時間までの時間、第二結晶化温度を保持することは好ましいが、本発明のプロセスからはずれることなく、より長い、およびより短い保持時間も使用され得る。いくつかの実施形態において、第二結晶化温度での保持時間の一部または全部で上記スラリーが撹拌され得ることは理解される。
任意の手法により調製される式Iaの化合物のアリコートを利用し、そして上記化合物のアリコートを、その溶媒から式Iaの化合物のアリコートが式Iaの化合物の一溶媒和物結晶性形態(例えば、式Iの化合物の一アセトン溶媒和物)として再析出する精製用溶媒(例えば、アセトンおよび2−メチル−テトラヒドロフラン)に溶解させることで、本発明の利点は実現され得ると理解されるが、アセトン溶媒和物の形態における反応混合物からの式Iaの化合物の単離へと導く後処理手順の一部として、本発明が式Iaの化合物を調製するプロセスへと統合されるとき、本発明はその最上の有用性を見出すことが理解される。
理論により強制されることを望むことなく、種々の水準で、式Ic’のイミンが未反応の不純物として存在する反応混合物を、逆に本発明のプロセスにより提供される結晶性溶媒和物の純度に悪く達成する(effect)ことなく、用いる後処理プロセスの一部として、本発明が実行され得ることが考えられるが、いくつかの実施形態において、可能な限り完了に近づくまでイミンを反応させ、いくつかの不斉中心を有する高価な試薬である、式Ic’の化合物の利用を最大にすることが好ましい。
望まれるならば、単離され、精製された式Iaの化合物の一アセトン溶媒和物のアセトンからの再結晶化物を、アセトンからの再結晶によりさらに精製され得ることは理解される。したがって、提供される物質の純度をさらに改善するために、本発明のプロセスは追加の精製プロセスと組み合わせられ得るが、大部分の応用において、反応混合物のアセトン後処理物から式Iの化合物の結晶性アセトン溶媒和物を析出させる本反応のプロセスは、式IIの化合物の調製に使用するのに適した純粋な物質を提供する。いくつかの実施形態において、本発明のプロセスが使用され、式Iaの化合物において、約3.0モル%未
満の、不純物の水準を提供する。いくつかの実施形態において、本発明のプロセスが使用され、式Iaの化合物において約2.0モル%未満の、不純物の水準を提供し、到達する不純物の水準は、後処理される反応混合物中の不純物の水準、上記プロセスが実行される、選択された温度の管理、および上記プロセスから得られる固体と精製用溶媒との間の接触時間に依存する。式Iの化合物を提供する反応混合物の後処理において、他の精製用溶媒が用いられるとき、望まれるならば、他の公知の手法により上記析出生成物はまた、さらに精製され得ることは理解される。
以下は本発明の析出プロセスを例示し、そして式Iaの生成物がエタノール/水反応媒体から直接析出される際に得られる生成物と本反応のプロセスとを比較する実施例である。
実施例において用いられる試薬および溶媒は市販のものであり、そうではないと記載されない限り、それらは受領したままの状態で使用した。公開されているクロマトグラフィー法により一般に決定されるように、使用した基質の99%が消費されたときを一般に反応工程の完了とした。
実施例1:アセトン析出プロセスを用いる式Iの化合物の調製
Figure 2013224334
撹拌機、温度計および窒素導入口を装備した三ツ口フラスコ中に、式Ic’の化合物(100g)、THF(600ml)、10%パラジウム−炭素(50%湿、35g)および水(400ml)を連続して加えた。その混合物を室温で10分間撹拌し、そしてその後50℃に加熱した。ギ酸(70ml)をゆっくりと加え、この間、温度は45℃と55℃の間を保持した。温度を45℃と55℃の間に保持しながら、この反応混合物を7時間
撹拌した。HPLCにより反応が完了したと判断した後、上記反応混合物を20℃に冷却し、そして、60mLの25%硫酸を加えることにより、その反応混合物のpHがpH1からpH2の間になるまで、そのpHを調製した。上記反応混合物のpHを調製した後、反応混合物にTHF(200mL)を加え、そして、その混合物をCeliteのパッドを通してろ過し、上記の触媒を除いた。上記フラスコをTHF(300mL)、水(300mL)および25%HSO(1.5mL)の混合物のアリコートを用いてリンスした。このリンス液を上記のCeliteおよび触媒のケーキに通した。この合わせた反応混合物溶液を清浄なフラスコ中へと戻し入れ、そしてその溶液を10℃未満へと冷却した。その溶液の温度を10℃未満の温度に保持し、そして、30mLの25%NaOHを加えることにより、溶液のpHをpH9に調節し、この間上記の温度を保持した。pH調節に続いて、その後150gのNaClを上記溶液へと加え、そして、それを20℃まで加温し、そして二相を分離した。その水相を400mLのTHFで抽出し、そして上記有機相と合わせた。合わせた有機物をブライン溶液(200mLの水中に、40gのNaCl)を用いて洗浄した。その有機相を冷却し、そして0℃と10℃の間に保持し、その後クロロギ酸エチル(30ml)を上記の合わせた有機物に加えた。クロロギ酸エチルの添加が完了した後、56mLのトリエチルアミンをゆっくりと上記反応混合物に加え、この間、温度を0℃〜10℃の間の保持した。反応混合物の温度を0℃と10℃の間に保ちながら、上記混合物を30分間撹拌した。HPLCにより、反応が完了したと判断したとき、200mlのMTBEおよび200mlの水を、反応混合物に加え、そして二相を分離した。その有機相に別の200mlの水および30mlの5%重炭酸ナトリウム溶液を加えた。混合物の温度を15℃と25℃の間に保ちながら、その混合物を1時間撹拌した。1時間の撹拌の最後において、上記混合物のpHがpH6とpH7.5の間になるまで、25%水性硫酸を混合物に加え、そして二相を分離した。分離した有機層を常圧で300mLまで濃縮し、そしてアセトン(1000mL)を濃縮した有機層に加えた。得られた溶液を共沸蒸留させ、300mLの体積にした。追加のアセトン(800mL)を濃縮溶液に加え、そして得られた溶液を450mLの体積まで常圧で濃縮した。その溶液を冷却し、そして、析出物を観測するまで(約1時間)、温度を45℃と60℃の間に保持し、続いて3時間かけて(−5℃)から(+10℃)までの温度へとその溶液を冷却することにより、濃縮したアセトン溶液から式Iの化合物が析出した。得られたスラリーの温度を(−5℃)と(+10℃)の間に保ち、そしてさらに1〜2時間撹拌した。冷却撹拌期間が完了後、析出した固体を減圧ろ過により単離した。そのろ過ケーキを、(−5℃)と(+10℃)の間の温度に保持した250mlのアセトンで洗浄した。固体生成物を減圧下、15℃と25℃の間に保持した温度で、6時間乾燥し、式Iの化合物の一アセトン溶媒和物の形態を、白色から黄色がかった白色の粉末(90g、84モル%収率、99.3面積%純度)として与えた。融点134℃〜139℃;HH NMR (CDCl)δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H),4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.19(s,H アセトン),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.23(m,5H),1.17(q,J=11.5Hz、2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)。
実施例1a:2−メチル−テトラヒドロフラン析出プロセスを用いる式Iの化合物の調

反応生成物の後処理後に、式Iの化合物を析出させるために2−メチル−テトラヒドロ
フラン精製用溶媒を用い、実施例1に概説される反応の二度目を実行した。従って、撹拌機、温度計および窒素導入口を装備した三ツ口フラスコ中に、式Ic’の化合物(100g)、THF(600ml)、10%パラジウム−炭素(50%湿、35g)および水(400ml)を連続して加えた。その混合物を室温で約10分間撹拌し、そしてその後5
0℃に加熱した。ギ酸(70ml)をゆっくりと加え、この間、温度を45℃と55℃の間に保持した。その後、この温度範囲を保持しながら、この反応混合物を4時間撹拌した。HPLCにより、反応が完了したと判断した後、上記反応混合物を20℃に冷却し、そして、60mLの25%HSOを添加し、そのpHをpH1とpH2の間のpHへと調節した。上記反応混合物のpHを調製した後、反応混合物にTHF(200mL)を加え、その後、その混合物をCeliteのパッドを通してろ過し、上記の触媒を除いた。THF(300mL)、水(300mL)および25%HSO(1.5mL)の混合溶液を用いて上記フラスコおよび触媒をリンスし、そして上記のCeliteに通した。式Ib’の化合物を含む、合わせた溶液を清浄なフラスコ中へと戻し入れ、そして、その
混合物を10℃未満へと冷却した。反応混合物の温度を10℃未満に保持しながら、30mLの25%水性NaOH(30mL)を添加して、そのpHをpH9に調節した。
NaOHの添加に続いて、そして、この間、反応混合物の上記温度を保持することを続けながら、150gのNaClを加えた。その反応混合物を20℃まで加温し、そして、二相を分離した。その水相をTHF(400mL)で抽出した。その抽出物および有機相を合わせ、そしてブライン溶液(200mLの水中40gのNaCl)で洗浄した。
その有機相を分離し、そして冷却し、そして0℃から10℃までの温度で保持した。冷却した有機相中にクロロギ酸エチル(30ml)を加えた。その混合物を0℃から10℃までの温度で保持し、この間、その混合物に56mLのトリエチルアミンをゆっくりと加えた。クロロギ酸エチルの添加が完了したとき、上記の温度を保持しながら、上記混合物を撹拌した。HPLCにより反応が完了したと判断した後、200mLのMTBEおよび100mLの水を、上記の反応混合物に加え、続いて100mLの25%HSOをゆっくりと添加した。得られた有機相を分離し、そして70℃と80℃の間の温度で、この有機相から揮発物を留去することにより、300mLの体積へと濃縮した。その濃縮物に1000mlの2−メチル−テトラヒドロフランを加え、そして、その混合物を常圧蒸留により、300mLの体積へと濃縮した。この濃縮物に800mLの2−メチル−テトラヒドロフランを加え、そして得られた混合物を500mlの体積へと常圧で濃縮した。その溶液を冷却し、そして、析出物を観測するまで(約1時間)、45℃と60℃の間の温度を保持し、続いて3時間かけて(−5℃)から(+10℃)までの温度へとその溶液を冷却することにより、濃縮した2−メチル−テトラヒドロフラン溶液から式Iの化合物が析出した。得られたスラリーの温度を(−5℃)と(+10℃)の間に保ち、そしてさらに1〜2時間撹拌した。冷却撹拌期間が完了後、析出した固体を減圧ろ過により単離した。そのろ過ケーキを、(−5℃)と(+10℃)の間の温度に保持した200mlの2−メチル−テトラヒドロフランで洗浄した。単離した固体生成物を70℃に保たれた温度で、エアドラフト(air draft)オーブン中で12時間乾燥し、式Iの化合物を、一(2−メチル−テトラヒドロフラン)溶媒和物で、白色から黄色がかった白色の粉末(90g、80モル%収率、HPLC面積%純度により98.4%純度)として与えた;HH NMR (CDCl)δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H)4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.98−3.86(m,2H,2−Me−THF),3.73−3.68(m,1H,2−Me−THF),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.92−1.79(m,3H,2−Me−THF),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.45−1.36(m,1H,2−メチル−THF),1.23(m,5H),1.22(d,3H,2−Me−THF),1.17(q,J=11.5Hz,2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)。
実施例2:エタノール/水析出プロセスを用いる式Iの化合物の調製
反応生成物の後処理後に、式Iの化合物を析出させるためにエタノール/水精製用溶媒を用い、実施例1に概説される反応の三度目を実行した。従って、撹拌機、温度計および窒素導入口を装備した三ツ口フラスコ中に、式Ic’の化合物(100g)、THF(600ml)、10%パラジウム−炭素(50%湿、35g)および水(400ml)を連続して加えた。その混合物を室温で約10分間撹拌し、そしてその後50℃に加熱した。ギ酸(70ml)をゆっくりと加え、この間、温度を45℃と55℃の間に保持し、その後、この温度範囲を保持しながら、この反応混合物を4時間撹拌した。HPLCにより反応が完了したと判断した後、上記反応混合物を20℃に冷却し、そして、60mLの25%HSOを添加し、そのpHをpH1とpH2の間のpHへと調節した。反応混合物にTHF(200mL)を加え、その後、その混合物をCeliteのパッドを通してろ過し、上記の触媒を除いた。THF(300mL)、水(300ml)および25%HSO(1.5mL)の混合溶媒を用いて、上記のフラスコおよび触媒をリンスし、そして上記のCeliteを通してろ過した。式Ib’の化合物を含む、合わせた溶液を、清浄なフラスコ中へと戻し入れ、そして、その混合物を10℃未満へと冷却した。30mLの25%水性NaOH(30mL)を添加し、そのpHをpH9へと調節し、この間、この反応混合物の温度を10℃未満に保持した。反応混合物の上記温度を保持しながら、150gのNaClを加えた。その反応混合物を20℃まで加温し、そして二相を分離した。その水相をTHF(400mL)で抽出した。その抽出物および上記の有機相を合わせ、そしてブライン溶液(200mLの水中40gのNaCl)で洗浄した。得られた有機相を分離し、そして5℃まで冷却した。上記の有機相の温度を保持しながら、56mLのトリエチルアミンを上記の冷有機相に加え、続いて、23.6mLのクロロギ酸エチルをゆっくりと添加した。クロロギ酸エチルの添加が完了したとき、上記の混合物を20℃まで加温し、そして30分間撹拌した。HPLCにより反応が完了したと判断した後、200mLのMTBEおよび100mLの水をその反応混合物に加え、続いて100mLの25%HSOをゆっくりと加えた。得られた有機相を分離し、そして70℃と80℃の間の温度で、この有機相から揮発物を留去することにより、300mLの体積へと濃縮した。この濃縮物に1000mLのエタノールを加え、そしてこの混合物を常圧蒸留により300mLの体積へと濃縮した。この濃縮物に別の800mLのエタノールを加え、そして常圧蒸留を繰り返し、300mL体積の濃縮物を与えた。一般に、THFの含有量がGCにより5%規格化面積未満であると観測するまで、エタノールの添加およびその後の蒸留による濃縮を繰り返す。
上記濃縮物の温度を60℃と85℃の間に保持し、そして水(250mL)をその濃縮
物に加えた。その混合物を55℃と65℃の間の温度に冷却し、そして種結晶を用いて、混合物から式Iの化合物を析出させた。1時間の撹拌そして上記濃縮物の温度を55℃と
65℃の間の温度に保持した後、150mlの水をこの温度で加え、そしてその混合物を、55℃と65℃の間の温度で一時間静置した。その後、その混合物を冷却し、そして15℃と25℃の間の温度で保持してさらに3時間の撹拌を伴い、そしてその後減圧濾過により、生成物を濃縮物から分離し、そしてエタノール−水で洗浄した。その生成物を50℃〜60℃で乾燥し、黄色がかった白色固体(86g、収率:85%)を与えた、融点188.2℃ H NMR(CDCl) δ 7.25−7.55(m,10H),4.89(m,1H),4.51(bs,1H),4.09(d,J=6.98Hz,2H),3.49(brs,1H),2.41(m,2H),2.25(m,1H),2.06(d,J=10.8Hz,2H),1.96(d,J=10.9Hz,1H),1.83(ddd,J=13.5,6.09,2.51Hz,1H),1.63(m,1H),1.52(d,J=5.8Hz,3H),1.23(m,5H),1.17(q,J=11.5Hz,2H),0.92(q,J=11.5Hz,1H)。MS(ESI) M+Hに対して計算値491 実測値:491。
実施例3:実施例1および実施例2に従って調製された化合物中の不純物水準の比較
実施例1および実施例1aに記載される、式Iの化合物の一アセトン溶媒和物および一
(2−メチル−テトラヒドロフラン)溶媒和物それぞれの調製のための手順、および実施例2に記載される、エタノール/水から析出する結晶性物質の調製のための手順を繰り返した。繰り返した各々の手順に対して、各手順の試料中に存在する不純物の水準は、HPLC法により評価した。その結果は以下の表1中に示される。
Figure 2013224334
単離された析出物の試料のHPLCにより決定され、100%に規格化した、(析出した生成物に起因するHPLCピークの面積/試料中に存在する検出可能な不純物に起因するHPLCピーク面積の総量)で表される。
これらのデータは、本発明のプロセスが2−メチル−テトラヒドロフラン溶媒和物中に存在する不純物水準が約10分の1への減少、およびアセトン溶媒和物の析出生成物中に存在する不純物の総量において、10分の1よりも少ない量への減少を提供することを示す。これらのデータはまた、本発明のプロセスが上記析出物中に存在する不純物の水準の改善を提供しつつ、従来のプロセスから得られる式Iの化合物の収率を維持または上回る
ことを示す。
上述の本発明の記載は、例示的であること、および限定しないことが意図される。本明細書中に記載される実施形態における種々の変更または修飾が当業者に着想され得る。本発明の範囲または意図から外れることなく、これらの変更は為され得る。

Claims (1)

  1. 本明細書の一部に記載の発明。
JP2013162950A 2007-10-24 2013-08-06 ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス Pending JP2013224334A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16407P 2007-10-24 2007-10-24
US61/000,164 2007-10-24

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010531178A Division JP5432910B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-22 ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013224334A true JP2013224334A (ja) 2013-10-31

Family

ID=40251794

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010531178A Expired - Fee Related JP5432910B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-22 ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス
JP2013162950A Pending JP2013224334A (ja) 2007-10-24 2013-08-06 ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010531178A Expired - Fee Related JP5432910B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-22 ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP2212307B1 (ja)
JP (2) JP5432910B2 (ja)
CN (1) CN101910148B (ja)
AR (1) AR068996A1 (ja)
CA (1) CA2703487A1 (ja)
ES (1) ES2398502T3 (ja)
HK (1) HK1146271A1 (ja)
MX (1) MX2010004453A (ja)
WO (1) WO2009055416A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101137636A (zh) * 2005-01-14 2008-03-05 先灵公司 Himbacine类似物的外型选择性合成
DK1848705T3 (da) * 2005-01-14 2010-06-14 Schering Corp EXO- og diastereoselektive synteser af himbacin-analoger

Also Published As

Publication number Publication date
CN101910148B (zh) 2014-06-04
WO2009055416A1 (en) 2009-04-30
EP2212307B1 (en) 2012-11-28
CA2703487A1 (en) 2009-04-30
ES2398502T3 (es) 2013-03-19
JP5432910B2 (ja) 2014-03-05
MX2010004453A (es) 2010-07-28
JP2011500822A (ja) 2011-01-06
CN101910148A (zh) 2010-12-08
EP2212307A1 (en) 2010-08-04
AR068996A1 (es) 2009-12-23
HK1146271A1 (en) 2011-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2017304887B2 (en) Polymorphic forms of belinostat and processes for preparation thereof
JP2011006379A (ja) {2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル5−イソプロピルエステル}(アゼルニジピン)の再結晶方法、アゼルニジピンのイソプロピルアルコール付加体、およびアゼルニジピンの製造方法
JP4656604B2 (ja) イノシン誘導体及びその製造方法
JP2019532075A (ja) 重水素化イミダゾリジンジオン系化合物を調製する方法
WO2014048404A1 (en) A method of preparing a highly pure potassium salt of azilsartan medoxomil
JP5432910B2 (ja) ドデカヒドロ−ナフト−フラニル−カルバミン酸エステル中間体調製のための高純度合成プロセス
WO2006132424A1 (ja) 4(3h)-キナゾリノン誘導体の製造方法
US8093384B2 (en) Processes for the preparation of alfuzosin
JP2012020970A (ja) {2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル5−イソプロピルエステル}の製造方法
JP5952748B2 (ja) フタロイルアムロジピンの新規結晶形態およびそれを用いる高純度なアムロジピンベシル酸塩の製造方法
EP2547663A1 (en) A process for the preparation of highly pure ambrisentan
KR20030050412A (ko) 레바미피드의 제조방법
EP3356372B1 (en) Novel process for preparing thienopyrimidine compound and intermediates used therein
JP2014530248A (ja) ボセンタンの酸付加塩
JP2003515600A (ja) {2−[4−(α−フェニル−p−クロロベンジル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}酢酸の製法及びそのための新規な中間体
JPWO2006083010A1 (ja) 4−アセチルピリミジン化合物の製造方法およびその結晶
KR100982720B1 (ko) 4-카르바모일-1-β-D-리보푸라노실이미다졸륨-5-올레이트의 생산을 위한 중간체로서의 2-아미노말론아미드의제조방법
JP2023503647A (ja) 1-(4-ベンジルオキシ-ベンジル)-3-メチル-チオ尿素の新規結晶形の製造方法
JP2011515328A (ja) アトルバスタチンの効率的な製造方法
JP2022025121A (ja) プロリンアミド化合物の製造方法
JP2007277224A (ja) トランス−4−アミノ−1−メチルシクロヘキサノール類の製造方法
CN116947852A (zh) 一种瑞美吉泮中间体的合成方法
JPWO2002044136A1 (ja) N保護−β−アミノアルコールの製造法およびN保護−β−アミノエポキシドの製造法
JP2002533325A (ja) アリールピペリジンカルビノール中間体および誘導体の製造方法
JPH11116546A (ja) 7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130806

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140805

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20141030

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141105

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150331