JP2013223262A - 共鳴型非接触給電システム - Google Patents

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克俊 中谷
Masanori Sagawa
正憲 佐川
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Abstract

【課題】送電側共鳴コイルから受電側共鳴コイルへ高効率で電力を伝送することができる周波数帯を広げることが可能な共鳴型非接触給電システムを提供する。
【解決手段】共鳴型非接触給電システム1は、交流電源2と前記交流電源2から電力が供給される送電側共鳴コイル5とを有する送電側装置11と、前記送電側共鳴コイル5から電磁界共鳴によって電力が供給される受電側共鳴コイル6を有する受電側装置12とを備え、前記送電側共鳴コイル5の内側の面積と前記受電側共鳴コイル6の内側の面積とが異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁界共鳴方式による共鳴型非接触給電システムに関する。
従来、電磁界共鳴方式によって、給電側から受電側にワイヤレスで負荷に給電する非接触給電システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の車両用共鳴型非接触給電システムは、電源から電力の供給を受ける送電側共鳴コイルと、送電側共鳴コイルからの電力を受電する車両側の受電側共鳴コイルと、受電側共鳴コイルが受電した電力を蓄える蓄電池とから構成される。
特開2012−34468号公報
電磁界共鳴方式による共鳴型非接触給電システムは、例えばコイルに鎖交する磁束の変化によって負荷側に給電する電磁誘導方式に比較して、送電側及び受電側の共鳴コイルの共振周波数から外れた周波数帯で電力伝送を行うと、急激に電力伝送効率が下がってしまう。つまり、送電側共鳴コイルに供給される電力の周波数の変動によって電力伝送効率が大きく変動し、性能の安定性が損なわれる。
そこで本発明は、送電側共鳴コイルから受電側共鳴コイルへ高効率で電力を伝送することができる周波数帯を広げることが可能な共鳴型非接触給電システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、交流電源と前記交流電源から電力が供給される送電側共鳴コイルとを有する送電側装置と、前記送電側共鳴コイルから電磁界共鳴によって電力が供給される受電側共鳴コイルを有する受電側装置とを備え、前記送電側共鳴コイルの内側の面積と前記受電側共鳴コイルの内側の面積とが異なる共鳴型非接触給電システムを提供する。
また、前記送電側共鳴コイルの内側の面積よりも前記受電側共鳴コイルの内側の面積が大きいとよい。
また、前記送電側共鳴コイルの内側の面積は、前記受電側共鳴コイルの内側の面積の1.96倍以上であるとよい。
本発明に係る共鳴型非接触給電システムによれば、送電側共鳴コイルから受電側共鳴コイルへ高効率で電力を伝送することができる周波数帯を広げることができる。
本実施の形態に係る共鳴型非接触給電システムの構成を示す構成図である。 (a)は送電側共鳴コイルを示す一方からの斜視図であり、(b)は受電側共鳴コイルを示す一方からの斜視図である。 (a)は送電側共鳴コイルを示す他方からの斜視図であり、(b)は受電側共鳴コイルを示す他方からの斜視図である。 送電側共鳴コイルのコイル径と受電側共鳴コイルのコイル径とを変えた場合の交流電源が出力する交流電力の周波数と電力の伝送損失との関係を示すグラフである。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る共鳴型非接触給電システム1の一構成例を図1,図2及び図3を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る共鳴型非接触給電システム1の構成を示す構成図である。図2(a)は送電側共鳴コイル5を示す一方からの斜視図であり、図2(b)は受電側共鳴コイル6を示す一方からの斜視図である。図3(a)は送電側共鳴コイル5を示す他方からの斜視図であり、図3(b)は受電側共鳴コイル6を示す他方からの斜視図である。
この共鳴型非接触給電システム1は、電磁界共鳴方式によって送電側装置11から受電側装置12に非接触で電力を供給するものであり、受電側装置12は、例えば走行用の駆動源として電気モータを有する車両や、あるいは携帯電話等の携帯情報端末である。
共鳴型非接触給電システム1は、高周波の交流電力を供給する交流電源2と交流電源2から電力が供給される送電側共鳴コイル5とを有する送電側装置11と、送電側共鳴コイル5から電磁界共鳴によって電力が供給される受電側共鳴コイル6と受電側共鳴コイル6から電力が供給される蓄電池7とを有する受電側装置12とを備えている。
送電側共鳴コイル5は、断面形状が円状であり、樹脂からなる円筒部材50と、円筒部材50に対して螺旋状に巻きつけられた第1エナメル線51及び第2エナメル線52とを有する。第1エナメル線51は、円筒部材50の軸方向の中心側から一方側に向かって、一端から他端が円筒部材50に対して螺旋状に巻きつけられている。第2エナメル線52は、円筒部材50の軸方向の中心側から他方側に向かって、一端から他端が円筒部材50に対して螺旋状に巻きつけられている。
第1エナメル線51及び第2エナメル線52の一端には、同軸ケーブル用のコネクタ31が接続される。第1エナメル線51の一端は、コネクタ31の中心導体311に対して電気的に接続される。第2エナメル線52の一端は、コネクタ31の外部導体312に対して電気的に接続される。
第1エナメル線51及び第2エナメル線52の他端は、短絡しておらず、第1エナメル線51及び第2エナメル線52は、開経路を形成する。
受電側共鳴コイル6は、送電側共鳴コイル5と同様に、断面形状が円状であり、樹脂からなる円筒部材60と円筒部材60に対して螺旋状に環状となるように巻きつけられた第1エナメル線61と第2エナメル線62とを有する。
第1エナメル線51,61及び第2エナメル線52,62は、中心に導体、導体の外周に絶縁性であるエナメル被覆を有する。本実施の形態のエナメル線は、例えば導体が銅であり、その外周にエナメル被覆を有している。
第1エナメル線61は、円筒部材60の軸方向の中心側から一方側に向かって、一端から他端が円筒部材60に対して螺旋状に巻きつけられている。第2エナメル線62は、円筒部材60の軸方向の中心側から他方側に向かって、一端から他端が円筒部材60に対して螺旋状に巻きつけられている。
第1エナメル線61及び第2エナメル線62の一端には、同軸ケーブル用のコネクタ33が接続される。第1エナメル線61の一端は、コネクタ33の中心導体331に対して電気的に接続される。第2エナメル線62の一端は、コネクタ33の外部導体332に対して電気的に接続される。
第1エナメル線61及び第2エナメル線62の他端は、短絡しておらず、第1エナメル線61及び第2エナメル線62は、開経路を形成する。なお、第1エナメル線61及び第2エナメル線62は、閉経路であっても、短経路であってもよい。
送電側共鳴コイル5のコイル径と受電側共鳴コイル6のコイル径とは異なる。送電側共鳴コイル5のコイル径と受電側共鳴コイル6のコイル径とが異なることによって、送電側共鳴コイル5の内側の面積と受電側共鳴コイル6の内側の面積とが異なる。本実施の形態では、例えば送電側共鳴コイル5は、コイル径が300mm、コイルの内側の面積が2.83×10mmである。例えば受電側共鳴コイル6は、コイル径が350mm、コイルの内側の面積が3.85×10mmである。
交流電源2は、予め設定された共鳴型非接触給電システム1の共振周波数に等しい周波数の交流電力を出力する。本実施の形態では、例えば数十MHz程度の高周波電力を出力する。
交流電力を出力する交流電源2には、コネクタ32が接続される。交流電源2の一方の出力側は、コネクタ32の中心導体に電気的に接続される。交流電源2の他方の出力側は、コネクタ32の外部導体に電気的に接続される。
交流電源2のコネクタ32と送電側共鳴コイル5のコネクタ31との間は、電力伝送用同軸ケーブルであるパワーケーブル41によって電気的に接続される。従って、交流電源2と送電側共鳴コイル5との間は、コネクタ31,32及びパワーケーブル41を介して電気的に接続され、交流電源2から送電側共鳴コイル5に電力が供給される。
蓄電池7には、コネクタ34が接続される。蓄電池7の一方の入力側は、コネクタ34の中心導体に電気的に接続される。蓄電池7の他方の出力側は、コネクタ34の外部導体に電気的に接続される。
蓄電池7のコネクタ34と受電側共鳴コイル6のコネクタ33との間は、電力伝送用同軸ケーブルであるパワーケーブル42によって電気的に接続される。従って、蓄電池7と受電側共鳴コイル6との間は、コネクタ33,34及びパワーケーブル42を介して電気的に接続される。
送電側共鳴コイル5と受電側共鳴コイル6とは、同軸上に位置するように、所定の間隔を空けて配設される。本実施の形態では、例えば送電側共鳴コイル5と受電側共鳴コイル6との間隔は200mmである。
交流電源2から送電側共鳴コイル5に供給された電力は、電磁界共鳴によって受電側共鳴コイル6に供給される。受電側共鳴コイル6に供給された電力は、コネクタ33,34及びパワーケーブル42を介して蓄電池7に供給される。蓄電池7には、供給された交流電力を直流電力に変換する整流器が内蔵されている。蓄電池7は、整流器によって交流電力から直流電力に変換された電力を化学反応によって蓄電する。蓄電池7は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池からなる二次電池である。蓄電池7に蓄えられた電力は、例えば電気モータの駆動や、CPU(Central Processing Unit)等を備えた電子回路の動作のために供される。
次に、送電側共鳴コイル5のコイル径と受電側共鳴コイル6のコイル径とが異なることによる効果について、図4を参照して説明する。図4は、送電側共鳴コイル5のコイル径と受電側共鳴コイル6のコイル径とを変えた場合の交流電源2が出力する交流電力の周波数と電力の伝送損失との関係を示すグラフである。以下、送電側共鳴コイル5のコイル径を記号φ、受電側共鳴コイル6のコイル径を記号φで表すこととする。また、送電側共鳴コイル5の内側の面積を記号S、受電側共鳴コイル6の内側の面積を記号Sで表すこととする。
この実験では、送電側共鳴コイル5と受電側共鳴コイル6のコイル間距離を200mm、φを300mm,350mm、φを300mm,250mmの組合せとする4パターンとして伝送損失を測定した。グラフの横軸は、交流電源2の出力した電力の周波数であり、縦軸は、交流電源2と蓄電池7との間における電力の伝送損失である。グラフ中の「◆」でプロットする曲線はφ=300mm,φ=300mmの場合を示し、「×」でプロットする曲線はφ=350mm,φ=300mmの場合を示し、「■」でプロットする曲線はφ=300mm,φ=250mmの場合を示し、「▲」でプロットする曲線はφ=350mm,φ=250mmの場合の特性を示す。
また、以降の説明では、伝送損失が−3dBとなる点での周波数の幅を帯域幅Δfとし、φ=300mm,φ=300mmの時の帯域幅をΔf、φ=350mm,φ=300mmの時の帯域幅をΔf、φ=300mm,φ=250mmの時の帯域幅をΔf、φ=350mm,φ=250mmの時の帯域幅をΔfとする。それぞれの帯域幅を表1に示す。
Figure 2013223262
図4及び表1より、φとφとが同じ場合(φ=300mm,φ=300mm)の帯域幅Δfが1.44MHzであるのに対して、コイル径比φ/φが1.40、コイル面積比S/Sが1.96の場合(φ=350mm,φ=250mm)には、帯域幅Δfは1.60MHzとなり、帯域幅Δfが11.2%広がっている。
(実施の形態の効果)
以上に説明した本実施の形態によれば、送電側共鳴コイル5のコイル径φ(コイルの内側の面積S)と受電側共鳴コイル6のコイル径φ(コイルの内側の面積S)とが一定の範囲内で異なるようにすることによって、帯域幅Δfを広くすることができる。すなわち、送電側共鳴コイル5から受電側共鳴コイル6へ高効率(伝送損失が3dB以下)で電力を伝送することができる周波数帯を広げることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、第1エナメル線51,61及び第2エナメル線52,62のエナメル被覆の材料はポリウレタンとしたが、種々のポリエステル材料や、ポリイミドであってもよい。また、エナメル被覆は、異なる材料を複数層被覆することによって形成してもよい。
また、受電側共鳴コイル6及び送電側共鳴コイル5の断面形状は、円状であるとしたが、多角形状、楕円形状や中空形状等であってもよい。
また、送電側共鳴コイル5のコイル径と受電側共鳴コイル6のコイル径との組合せについて、データを示したものだけでなく、送電側共鳴コイル5のコイル径(もしくはコイル内側の面積)と受電側共鳴コイル6のコイル径(もしくはコイル内側の面積)とが異なり、高効率で電力を伝送することができる周波数帯を広げることができる組合せであればよい。
1…共鳴型非接触給電システム、2…交流電源、5…送電側共鳴コイル、6…受電側共鳴コイル、7…蓄電池、11…送電側装置、12…受電側装置、31,32,33,34…コネクタ、41,42…パワーケーブル、50,60…円筒部材、51,61…第1エナメル線、52,62…第2エナメル線、311,331…中心導体、312,332…外部導体

Claims (3)

  1. 交流電源と前記交流電源から電力が供給される送電側共鳴コイルとを有する送電側装置と、
    前記送電側共鳴コイルから電磁界共鳴によって電力が供給される受電側共鳴コイルを有する受電側装置とを備え、
    前記送電側共鳴コイルの内側の面積と前記受電側共鳴コイルの内側の面積とが異なる
    共鳴型非接触給電システム。
  2. 前記送電側共鳴コイルの内側の面積よりも前記受電側共鳴コイルの内側の面積が大きい
    請求項1に記載の共鳴型非接触給電システム。
  3. 前記送電側共鳴コイルの内側の面積は、前記受電側共鳴コイルの内側の面積に対して1.96倍以上である
    請求項2に記載の共鳴型非接触給電システム。
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