JP2013220374A - 有機性汚泥の凝集・脱水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
有機性汚泥を十分に凝集・脱水でき、かつ、無機凝集剤の添加量を減少させ、脱水ケーキの焼却時の焼却灰の発生量を最小限に抑えることのできる有機性汚泥の脱水方法を提供することである。
【解決手段】
有機性汚泥に無機凝集剤(A)を添加・混合した後、負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)を添加・混合し、次いで分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)を添加・混合して凝集・脱水することを特徴とする有機性汚泥の凝集・脱水方法を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は有機性汚泥の凝集・脱水方法に関する。さらに詳しくは下水、し尿及び/又は産業排水等の微生物処理から発生する有機性汚泥(特に難濾過性の有機性汚泥)の凝集・脱水方法に関する。
下水、し尿等の微生物処理から発生する有機性汚泥は、カチオン性高分子凝集剤を使って脱水されてきたが、近年、有機性汚泥の難濾過性に起因して、従来のカチオン性高分子凝集剤だけでは十分な脱水率が得られなくなってきた(特に、消化汚泥及びこれを含む有機性汚泥の場合にこの傾向が顕著である。)。
このような問題解決のため、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄、塩化鉄、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等の無機凝集剤を多量に添加して対処すると、汚泥処理設備の損傷の原因になるばかりでなく、脱水ケーキ焼却後の焼却灰の量が著しく増加するという問題があり、焼却灰は一般に埋め立て処分が必要であることから、処分場確保という問題もあった。
そこで、つぎの(1)〜(3)の方法が提案されている。
(1)廃水に無機凝集剤を添加した後、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート60〜100モル%含有し且つ固有粘度が1.0〜3.0dl/gのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系有機凝結剤を添加して一次凝集させた後、更に高分子凝集剤を添加して二次凝集させ、次いで、固液分離することを特徴とする廃水の凝集処理方法(特許文献1)。
(2)消化汚泥に、無機凝集剤(A)を添加、混合し、次にアニオン性水溶性ポリマー(B)を添加、混合し、その後、カチオン性水溶性ポリマー(C)を添加、混合することを特徴とする、(A)、(B)および(C)を組み合わせてなる凝集剤を用いる消化汚泥の処理方法(特許文献2)。
(3)(a)有機性汚泥へ、有機性汚泥の焼却灰をpH2以下の酸水溶液に加えて得られるスラリーおよび無機凝集剤を添加するステップ、(b)次いで有機高分子凝集剤を添加するステップ、及び(c)得られる有機質汚泥を脱水するステップ、を含む有機性汚泥の脱水方法(特許文献3)。
特開2011−131166号公報 特開2005−296772号公報 特開2004−081959号公報
しかし、提案されているこれらの方法では、必ずしも十分な結果を与えるとは限らず、すなわち、有機性汚泥(特に、下水及び/又は屎尿の微生物処理から発生する有機性汚泥、さらには、消化汚泥及びこれを含む有機性汚泥)の十分な凝集・脱水と、無機凝集剤の添加量の減少とを両立させることができない場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、有機性汚泥(特に、下水及び/又は屎尿の微生物処理から発生する有機性汚泥、さらには、消化汚泥及びこれを含む有機性汚泥)を十分に凝集・脱水でき、かつ、無機凝集剤の添加量を減少させ、脱水ケーキの焼却時の焼却灰の発生量を最小限に抑えることのできる有機性汚泥の脱水方法を提供することを目的とする。
本発明の有機性汚泥の凝集・脱水方法の特徴は、有機性汚泥に無機凝集剤(A)を添加・混合した後、負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)を添加・混合し、次いで分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)を添加・混合して凝集・脱水する点を要旨とする。
本発明の有機性汚泥の脱水方法によれば、有機性汚泥(特に、下水及び/又は屎尿の微生物処理から発生する有機性汚泥、さらには、消化汚泥及びこれを含む有機性汚泥)を十分に凝集・脱水でき、かつ、無機凝集剤の添加量を減少させ、脱水ケーキの焼却時の焼却灰の発生量を最小限に抑えることができる。
したがって、無機凝集剤添加による費用の削減のみならず、汚泥処理設備の損傷が軽減され、焼却灰の埋め立て処分場の問題も軽減される。
本発明の凝集・脱水方法を適用できる有機性汚泥としては、排水の生物学的処理により発生する汚泥(有機性汚泥)であれば制限ないが、下水、し尿及び/又は産業排水等の微生物処理から発生する有機性汚泥が好ましく、さらに好ましくは下水及び/又は屎尿の微生物処理から発生する有機性汚泥、特に好ましくは消化汚泥及びこれを含む有機性汚泥、最も好ましくは消化汚泥を含む難濾過性の有機性汚泥である。
無機凝集剤(A)としては、公知の無機凝集剤等が使用でき、たとえば、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄、塩化第2鉄及び硫酸アルミニウム等が挙げられる。これらのうち、ポリ硫酸鉄及びポリ塩化アルミニウムが好ましく、さらに好ましくはポリ硫酸鉄である。
無機凝集剤(A)の添加量は、適宜選択できるが、有機性汚泥の固形分(TS)重量当たり、1〜8重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜7.5重量%、特に好ましくは3〜7重量%、最も好ましくは3〜6.5重量%である。この範囲であると、脱水ケーキ焼却灰を最小化でき、かつ、優れた脱水率を発現できる。
なお、無機凝集剤(A)の添加量(重量%)は、当業界の慣習に従った値である。すなわち、無機凝集剤(A)がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムの場合、JIS K1475−1996又はJIS K1450−1996で規定されたAlに変換した量を意味し、無機凝集剤(A)がポリ硫酸鉄の場合、全鉄に換算した量を意味し、無機凝集剤(A)が塩化鉄の場合、塩化鉄の量を意味する。
有機性汚泥の固形分は、下水道試験法(下巻)(日本下水道協会発行、1997年)に記載の方法に準拠して測定される。すなわち、有機汚泥の固形分は、105℃の順風乾燥機中で、恒量になるまで乾燥し、乾燥後の重量を計測することにより得られる。
有機性汚泥と無機凝集剤(A)と混合は均一混合できれば混合方法に制限はなく、通常の混合方法が適用できる(たとえば、攪拌機つき混合槽、回転式ブレンダー、ラインブレンド等を用いて混合できる。)。以下に続く、無機微粒子(B)、水溶性高分子(C)との混合においても同様に、均一混合できれば混合方法に制限はなく、通常の混合方法が適用できる。
無機凝集剤(A)は、無機凝集剤(A)の水溶液として有機性汚泥に添加・混合することが好ましい。
無機凝集剤(A)の水溶液として添加・混合する場合、無機凝集剤(A)の水溶液の濃度は適宜決定できるが、無機凝集剤(A)がポリ塩化アルミニウムの場合、JIS K1475−1996で規定されたAlに変換した濃度として、10〜11重量%が好ましく、同様に、硫酸アルミニウムの場合、JIS K1450−1996で規定されたAlに変換した濃度として、8〜8.2重量%が好ましく、また、同様に、塩化第2鉄の場合、約37重量%(旧JIS K1447−1956)が好ましく、また、同様に、ポリ硫酸鉄の場合、全鉄として、約11重量%が好ましい。
負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)としては、水中で負のゼータ電位を持つ公知の無機微粒子等が使用でき、金属酸化物{珪酸ソーダ、アルミナゾル又はチタン酸ソーダ等}及び金属水酸化物{α−水酸化アルミニウム等}等が挙げられる。これらのうち、脱水効果の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは珪酸ソーダであり、珪酸ソーダの中で、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が2.5〜150(3〜40がさらに好ましく、特に好ましくは3.1〜30)である珪酸ソーダが好ましい。
なお、無機凝集剤(A)が水溶性であるのに対して、無機微粒子(B)が水不溶性である点で相違する。
負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)のメジアン粒径は、5〜500nmが好ましく、さらに好ましくは5〜300nm、特に好ましくは8〜200nm、最も好ましくは10〜100nmである。
なお、メジアン粒径は透過電子顕微鏡(TEM)観察により測定される。
負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)の添加量は、有機性汚泥の容量に基づいて、2.5〜400mg/Lが好ましく、さらに好ましくは4〜300mg/L、特に好ましくは5〜250mg/L、最も好ましくは50〜200mg/Lである。この範囲であると、脱水ケーキ焼却灰を最小化でき、かつ、優れた脱水率を発現できる。
負のゼータ電位を有する無機機微粒子(B)は、無機微粒子(B)の水性液体として添加・混合することが好ましい。無機微粒子(B)の水性液体として添加・混合する場合、無機微粒子(B)の水性液体は、水性液体に無機微粒子(B)を微分散したものであればよいが、透明液状又はコロイド状であることが好ましい。そしてこの場合、負のゼータ電位を有する金属酸化物無機微粒子(B)の粒径が小さくなるに従って、乳濁から半透明、さらに透明な外観を示す。
水性液体としては、水以外に、安定化剤(乳酸、酢酸、アンモニア等)や水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、アセトン等)を含有してもよい。この水性液体は塩基性であることが好ましい。
負のゼータ電位を有する無機機微粒子(B)の水性液体として添加・混合する場合、負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)の水性液体の濃度は適宜決定できるが、10〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜39重量%、特に好ましくは18〜38重量%である。負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)が珪酸ソーダの場合、二酸化珪素の濃度として、15〜38重量%が好ましく、さらに好ましくは16〜31重量%である。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)としては、公知のカチオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤等が使用でき、たとえば、次の水溶性エチレン性不飽和単量体(ノニオン性単量体、カチオン性単量体、アニオン性単量体)等を構成単量体とするカチオン性又は両性の高分子凝集剤が含まれる。
(1)ノニオン性単量体
(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等}、(メタ)アクリルアミド{(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド等}及び他のビニルモノマー{アクリロニトリル及びN−ビニル−2−ピロリドン等}等。
(2)カチオン性単量体
以下のアミノ基含有化合物のアミン塩{塩酸塩、硫酸塩及びリン酸塩等}及び第四級アンモニウム塩{メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩及びベンジルクロライド塩等}等。
アミノ基含有(メタ)アクリレート{N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等}、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド{N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等}又はアミノ基含有ビニル化合物{p−アミノスチレン、2−ビニルピリジン、ビニルアニリン及び(メタ)アリルアミン等}。
(3)アニオン性単量体
不飽和カルボン酸{(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びビニル安息香酸等}、不飽和スルホン酸{ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等}及びこれらの塩{アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)塩、アンモニウム塩及びアミン(炭素数1〜20)塩等。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)としては、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートの第4級アンモニウム塩を必須構成単量体としてなることが好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートの第4級アンモニウム塩を必須構成単量体としてなるカチオン性又は両性の水溶性高分子、特に好ましくはジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートの第4級アンモニウム塩を必須構成単量体としてなるカチオン性の水溶性高分子、最も好ましくはジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライドによる第4級アンモニウム塩を構成単量体としてなるカチオン性の水溶性高分子である。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)は、これらの水溶性エチレン性不飽和単量体を単独重合してもよく、共重合してもよい。また、水不溶性不飽和単量体や架橋性単量体を共重合してもよい。
水不溶性不飽和単量体を共重合する場合、この使用割合(モル%)は、全ての単量体のモル数に基づいて、0.1〜40が好ましく、さらに好ましくは0.2〜20、特に好ましくは0.5〜10である。
架橋性単量体を共重合する場合、この使用割合(モル%)は、全ての単量体のモル数に基づいて、0.0001〜5が好ましく、さらに好ましくは0.001〜1、特に好ましくは0.01〜0.5である。
水不溶性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、ω−メトキシエチル(メタ)アクリレート及びω−メトリキシプロピル(メタ)アクリレート等が含まれる。
架橋性単量体としては、架橋性(メタ)アクリルアミド{N,N−メチレンビスアクリルアミド等}、架橋性(メタ)アクリレート{エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(ポリ)(2〜4)(メタ)アクリレート等}、架橋性ビニル単量体{ジビニルアミン、トリビニルアミン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜50)ジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、グリセリンジビニルエーテル及びペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等}、架橋性(メタ)アリル単量体{ジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(炭素数1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、エチレングリコールジ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜50)ジ(メタ)アリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アリルエーテル及びテトラアリロキシエタン等}及び熱架橋性単量体{エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセリントリグリシジルエーテル等}等が含まれる。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の製造方法に制限はないが、水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で製造することが好ましい(たとえば、特開平1−138210号公報や特開2004−181449号公報が参考となる。)。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の添加量は、有機性汚泥の固形分(TS)重量当たり、0.5〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.6〜2.8重量%、特に好ましくは0.7〜2.5重量%、最も好ましくは1.3〜2.3重量%である。この範囲であると、脱水ケーキ焼却灰を最小化でき、かつ、優れた脱水率を発現できる。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)は、分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の水溶液として、添加・混合することが好ましい。
分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の水溶液として添加・混合する場合、分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の水溶液の濃度は、0.05〜0.35重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.33重量%、特に好ましくは0.15〜0.3重量%である。
本発明の有機性汚泥の凝集・脱水方法において、(1)有機性汚泥に、無機凝集剤(A)を添加・混合した後に、(2)得られた有機性汚泥・無機凝集剤(A)混合体と、負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)を添加・混合し、(3)次いで、得られた有機性汚泥・無機凝集剤(A)・無機微粒子(B)混合体と、分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)を添加・混合するものであり、以上の(1)→(2)→(3)の順番と異なる順番で添加したり、混合しても、本発明の効果は得られない。
凝集・脱水に使用する脱水機としては凝集・脱水できれば制限なく、非ろ布式脱水機(遠心脱水機、スクリュープレス及び毛細管脱水機等)及びろ布式脱水機(ベルトプレス及びフィルタープレス等)のいずれにも適用できる。これらのうち、スクリュープレス及びフィルタープレスが好ましく、さらに好ましくはスクリュープレスである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
実施例及び比較例において使用した無機凝集剤(A)の水溶液は、次の通りである。
A1:ポリ硫酸鉄の水溶液(日鉄鉱業株式会社、全鉄として約11重量%の水溶液)
A2:ポリ塩化アルミニウムの水溶液(浅田化学工業株式会社、Alとして10〜11重量%の水溶液)
実施例において使用した無機微粒子(B)の水性液体は、次の通りである。
B1:珪酸ソーダ水分散液(水性透明液、三ツ輪化学工業株式会社、SI−1000、SiOとして26.7重量%、NaOとして8.1重量%を含む水分散液、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)=3.41、メジアン粒径約20nm)
B2:珪酸ソーダ水分散液(水性透明液、東曹産業株式会社、高モル珪酸ソーダH、SiOとして16重量%、NaOとして0.7重量%を含む水分散液、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)=19〜29、メジアン粒径7〜13nm)
実施例及び比較例において使用した水溶性高分子(C)の水溶液はそれぞれ次の通りである。
(C1):ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級化物(塩化トリメチルアンモニオエチルアクリレート:80モル%)とアクリルアミド(20モル%)との共重合体の水溶液(0.2%の水溶液、塩粘度62mPa・s、コロイド当量値4.3meq./g)
(C2)ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級化物(塩化トリメチルアンモニオエチルアクリレート:40モル%)とアクリルアミド(40モル%)とアクリル酸(20モル%)との共重合体の水溶液(部分架橋物、0.2%の水溶液、塩粘度38mPa・s、コロイド当量値 カチオン3.1meq./g、アニオン1.6meq./g)
なお、塩粘度(mPa・s)は、以下のようにして測定した。
回転計付き攪拌モーター、攪拌軸及びプロペラ型3枚羽根(直径5cm)からなる攪拌機で、500mlのガラスビーカーに入れたイオン交換水286.5gを攪拌しながら(回転数450rpm)、これに精秤した測定試料1.500gをママコにならないように少量づつ添加し、その後20℃で2時間攪拌して溶解させた後、食塩12.00gを加えて、さらに20℃で30分間撹拌してから、得られた溶解液を200mlトールビーカーに移し、恒温水槽中で25℃±0.5℃に調節し、JIS K5101−6−2:2004に準拠して、回転粘度を測定した。
また、コロイド当量値(meq./g)は、コロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する方法)により、pH4.0で測定した。
<実施例1〜6、比較例1〜3>
関西地方の某下水処理場から採取した消化汚泥(pH7.2、TS1.5%、有機分71%、M−アルカリ度2700mg/L)200mLを300mLのビーカーに採り、表1に示した無機凝集剤(A)の水溶液、無機微粒子(B)の水性液体、水溶性高分子(C)の水溶液を、この順番で添加・混合した後、得られたフロックをナイロン製ろ布(T−1189、直径9cm)に移して自然ろ過し、ろ布上に残った汚泥を小型圧搾機で1分間脱水して、脱水ケーキを得た。
この脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(w1)してから、順風乾燥機内(105±5℃で2時間)で乾燥した後、乾燥ケーキの重量(w2)を測定して、次式からケーキ含水率(%)を算出した。この結果を表1に併記した。

(ケーキ含水率)=(w1−w2)×100/w1
また、得られた脱水ケーキを電気炉で950℃×120分間の条件で焼却し、残った灰の重量(w3)を測定した。無機凝集剤及び無機微粒子を使用しなかった比較例1で得た脱水ケーキについて、同様にして得た灰の重量(w4)を測定し、次式から、灰の増加率(%)を算出した。この結果を表1に併記した。

(灰の増加率)=(w4−w3)×100/w4
Figure 2013220374
なお、表1中の添加量の数字は、以下の通りである。
無機凝集剤(A1)の水溶液:有機性汚泥の固形分(TS)重量当たりの全鉄の量(%)。
無機凝集剤(A2)の水溶液:有機性汚泥の固形分(TS)重量当たりのAlの量(%)。
無機微粒子(B)の水分散液:有機性汚泥の容量当たりの金属酸化物(SiO及びNaO)の添加量(mg/L)。
水溶性高分子(C)の水溶液:有機性汚泥の固形分(TS)重量当たりの「分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)」の量(%)。
<比較例4>
無機凝集剤(A)、無機微粒子(B)、水溶性高分子(C)の添加順序を、実施例1〜6の順番ではなく、無機微粒子(B)、無機凝集剤(A)、水溶性高分子(C)の順番で添加・混合したこと以外、実施例1と同様に消化汚泥を凝集・脱水したところ、ケーキ含水率は84.2%であった。
<比較例5>
無機凝集剤(A)、無機微粒子(B)、水溶性高分子(C)の添加順序を、実施例1〜6の順番ではなく、まず、無機微粒子(B)及び無機凝集剤(A)を同時に添加・混合した後、水溶性高分子(C)を添加・混合したこと以外、実施例1と同様に汚泥を凝集・脱水したところ、ケーキ含水率は85.1%であった。
本発明の凝集・脱水方法(実施例1〜6)では、従来技術(比較例2、3)に比べて、灰の増加量が顕著に少なく、かつケーキ含水率も低位に維持されるという優れた結果が得られた。
また、比較例1では、無機凝集剤(A)に由来する灰の増加はないものの、ケーキ含水率が非常に高かった。また、本発明における添加順序と異なる添加順序である比較例4、5においても、ケーキ含水率が高く、いずれも実用できないと予想し得る。
本発明の凝集・脱水方法は、下水等の処理で生じた有機性汚泥の凝集・脱水に好適に用いられる。とくに従来、大量の無機凝集剤を添加して処理せざるを得なかった難濾過性汚泥の高度な脱水が少量の無機凝集剤の添加できるため、脱水ケーキ焼却後の焼却灰の発生量増加が極小量ですむ。加えて、汚泥処理設備とくに焼却設備への悪影響が大幅に低減される。また、燃焼効率が上がるため燃焼用重油量の低減にも寄与することから、本発明は、下廃水処理に極めて有用である。

Claims (5)

  1. 有機性汚泥に無機凝集剤(A)を添加・混合した後、負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)を添加・混合し、次いで分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)を添加・混合して凝集・脱水することを特徴とする有機性汚泥の凝集・脱水方法。
  2. 負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)のメジアン粒径が5〜500nmである請求項1に記載の凝集・脱水方法。
  3. 負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)が珪酸ソーダであり、珪酸ソーダのSiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が2.5〜150である請求項1又は2に記載の凝集・脱水方法。
  4. 無機凝集剤(A)の添加量が有機性汚泥の固形分(TS)重量当たり、1〜8重量%であり、
    負のゼータ電位を有する無機微粒子(B)の添加量が有機性汚泥の容量に基づいて2.5〜400mg/Lであり、
    分子内にカチオン性基を含有する水溶性高分子(C)の添加量が有機性汚泥の固形分(TS)重量当たり、0.5〜3重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の凝集・脱水方法。
  5. 有機性汚泥が下水及び/又は屎尿の微生物処理から発生する有機性汚泥である請求項1〜5のいずれかに記載の凝集・脱水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016093777A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 大王製紙株式会社 汚泥の脱水助剤

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