JP2013218924A - 光電変換素子、及び光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換効率が良好で光応答性に優れた光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池等の光電変換装置を実現する。
【解決手段】光電変換素素子10は、透明性材料からなる基板1の表面に透明性材料からなる陽極2が形成され、該陽極2の表面に分極層3及び電荷分離層4が順次形成され、かつ、この電荷分離層4の表面に陰極5が形成されている。電荷分離層4は、電子移動度と正孔移動度とが異なる亜鉛フタロシアニン等の有機化合物半導体と、電子伝導性を有するフラーレンC60等のドーパントとを含有し、光照射によって生成された電子と正孔とを分離する。分極層は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】光電変換素素子10は、透明性材料からなる基板1の表面に透明性材料からなる陽極2が形成され、該陽極2の表面に分極層3及び電荷分離層4が順次形成され、かつ、この電荷分離層4の表面に陰極5が形成されている。電荷分離層4は、電子移動度と正孔移動度とが異なる亜鉛フタロシアニン等の有機化合物半導体と、電子伝導性を有するフラーレンC60等のドーパントとを含有し、光照射によって生成された電子と正孔とを分離する。分極層は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は光電変換素子、及び光電変換装置に関し、より詳しくは光電変換層が非シリコン系の半導体材料を含有した薄膜光学系の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池等の光電変換装置に関する。
近年の光エレクトロニクスやエネルギー需要の高まりを受け、自然エネルギーの有効利用を促進する観点から、太陽光発電システムなどの光電変換装置の開発が盛んに行われている。
太陽光発電システムの中心的役割を担う太陽電池は、従来より、主として単結晶又は多結晶シリコンを原料に使用して製造されているが、原料であるシリコンの供給が安定しないことや、製造コストが低下しない等の理由で、十分な普及には至っていない。
このため、近年では原料にシリコンを用いない非シリコン系太陽電池の開発が進められている。
非シリコン系太陽電池としては、例えば、Cu、In、Se等のI−III−VI族元素を含有した化合物半導体薄膜やその微粒子を光電変換層に利用したCIS(カルコパイライト)系太陽電池や有機材料を光電変換層に使用した有機太陽電池が知られている。
これら非シリコン系太陽電池は、原料供給が安定しており、また、製造プロセスもシリコン系太陽電池に比べ、比較的簡便であるなどの利点が指摘されている。
このうちCIS系太陽電池としては、特許文献1に示すように、一般式:CuGa1−xFex(Se1−ySy)2(式中、xは0<x<1であり、yは0<y≦1である。)で示される組成を有する化合物半導体薄膜を光吸収層に使用した太陽電池が提案されている。
また、有機太陽電池には、湿式で光化学反応に基づいて動作する色素増感型太陽電池、有機半導体材料を使用した全固体型の有機薄膜太陽電池などが知られている。
色素増感型太陽電池は、例えば、ルテニウム錯体などからなる色素で増感された酸化チタン等の酸化物半導体を作用電極とした湿式太陽電池であり、前記酸化チタン等の安価な化合物半導体の利用が可能と考えられている。また、この色素増感型太陽電池は、可視光成分の多い太陽光を、色素の使用によって効率よく光電変換することが可能であり、薄型でフレキシブルな太陽電池が実現可能とされている。
そして、この種の色素増感型太陽電池としては、例えば、特許文献2に示すように、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる酸化物半導体電極と対向電極とを電荷移動層を介して対向配置し、前記色素が特定の一般式で表される分子のLUMO準位が−3.0〜−1.8eVの化合物であり、かつ、該酸化物半導体電極が酸化チタンを含有する光電変換素子が提案されている。
一方、有機薄膜太陽電池は、p型有機半導体と仕事関数の小さな金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子を用いたものなどが知られている。
そして、例えば、特許文献3には、光照射によって可逆的に導電性が変化する有機分子と、当該有機分子を結合させた微粒子とで構成された導電路形成層を備えた光応答素子が提案されている。
しかしながら、特許文献1のようなCIS系太陽電池では、シリコン系太陽電池と同様、高い純度の材料を用いて組成を高精度に制御する必要があり、このため、製造工程が複雑になり、工程数の増加や製造コストの高騰化を招くおそれがある。
さらに、この種のCIS系太陽電池では、光電変換の反応が光吸収層である半導体層と電極等との接合界面に限定されるため、照射光によって生成するキャリアが少なく、光電変換効率が低いという問題がある。
また、化合物半導体の微粒子を光吸収層に利用したCIS系太陽電池では、反応領域が拡大することから、光照射によって生成されるキャリアが増加すると考えられる。
しかしながら、キャリアを外部に取り出すためには、化合物半導体の微粒子同士を数珠状に連接させていわゆるパーコレーション状態にする必要があり、そのためには前記微粒子は、通常、40体積%以上の高い体積含有量を必要とすることから、所望の高い光電変換効率を得るのは困難な状況にある。
また、特許文献2のような色素増感型太陽電池では、光励起によって発生する正孔が有機化合物中を移動するため、光電変換層の劣化を招くおそれがあり、このため所望の十分な長寿命を得ることができず、しかも色素であるルテニウム錯体の資源的制約や高コスト、経時安定性の不足を招くおそれがある。さらに、この種の色素増感型太陽電池は、湿式であるため、組み立てや外装封止が煩雑化するおそれがある。
一方、特許文献3のように有機半導体材料を光電変換層に使用した光応答素子では、光電変換の反応が照射光を吸収する有機半導体層と電極との接合界面に限定されるため、CIS系太陽電池と略同様、光照射によって生成するキャリアが少なく、このため所望の高い光電変換効率を有する太陽電池を得るのが困難である。さらに、この光応答素子を太陽電池に使用した場合は、光励起によって発生する正孔が有機半導体層中を移動するため、他の有機半導体材料や酸素等の不純物と反応して反応性の高い荷電ラジカルが発生し易く、このため上述した色素増感型太陽電池と同様、光電変換層の劣化を招き易く、所望の長寿命を得るのが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光電変換効率が良好で光応答性に優れた光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池等の光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行なったところ、正孔と電子の移動度が異なる半導体材料と電子伝導性を有するドーパントとを電荷分離層材料に使用すると共に、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成された分極層を電荷分離層の表面に形成することにより、光照射によって生成したキャリアを効率よく電子と正孔とに分離することができ、かつ分極層は高誘電率化し、これによりキャリアを電荷分離層に効果的に蓄積することができ、また、電子を外部に効率良く取り出すことができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る光電変換素子は、光電変換層が一対の電極間に介在された光電変換素子であって、前記光電変換層が、光照射によって生成された電子と正孔とを分離する電荷分離層と、該電荷分離層の一方の表面に形成された分極層とを有し、前記電荷分離層は、電子移動度と正孔移動度とが異なる半導体材料と、電子伝導性を有するドーパントとを含有すると共に、前記分極層は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成されていることを特徴としている。
これにより光照射によって生成されたキャリアの電荷分離効率が大きくなる。また、光照射時には分極層が高誘電率を有することから、電荷分離層に蓄積された電子を効率良く取り出すことが可能となる。したがって、内部量子効率が大きく、良好な光電変換効率を有する光応答性に優れた光電変換素子を得ることができる。
また、本発明の光電変換素子は、前記イオン液体が、アンモニウム塩類、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類及びピロリジニウム塩類からなる群から選択された少なくとも一種を含むのが好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、前記半導体材料が、分子性結晶化合物を含有しているのが好ましい。
これにより、電極上に膜形成を容易に行なうことができると共に内部量子効率が向上し、より一層良好な光電変換効率を有する光電変換素子を得ることが可能となる。
また、本発明の光電変換素子は、前記分子性結晶化合物が、有機金属錯体化合物、ビラジカルを含有した有機化合物、及びラジカルダイマーを含有した有機化合物のうちのいずれかを含むのが好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、前記分子性結晶化合物が、金属フタロシアニン、4,4‘−ビス(1,2,3,5−ジチアジアゾイル)、イミダゾールビラジカル化合物のうちのいずれかを含むのが好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、前記一対の電極は、仕事関数が互いに異なる材料で形成されているのが好ましい。
これにより、移動度の大きい電子が、移動度の小さい正孔を置き去りにするような形態で電子と正孔とを分離することが可能となり、電子のみを効果的に外部に取り出すことが可能となる。
また、本発明の光電変換素子は、前記一対の電極のうち、一方の電極は、透明性材料で形成され、かつ、前記一方の電極は、表面積が他方の電極よりも小さく形成されているのが好ましい。
すなわち、本発明の光電変換素子は、大きな電荷分離効率を得ることができることから、電極の形成されていない部分にもキャリアを集めることができる。したがって、太陽光等の光が他方の電極上に照射されていれば、一方の電極の近傍域に光が照射されている場合であっても、斯かる他方の電極の近傍域に照射された光エネルギーを有効活用することが可能となる。また、一方の電極にIn等の希少金属を含む場合は省資源化にも寄与することができる。
また、本発明の光電変換素子は、前記一対の電極は線状に形成されると共に、一方の電極と他方の電極とは交差状に配され、かつ、前記一対の電極のうち、前記一方の電極は透明性材料で形成されているのも好ましい。
この場合も、上述と同様、太陽光等の光が他方の電極上に照射されていれば、一方の電極の近傍域に光が照射されている場合であっても、所望の大きな光電流を得ることが可能となり、他方の電極の近傍域に照射された光エネルギーを有効活用することが可能となる。
また、本発明に係る光電変換装置は、光を断続的に遮断する遮断機構と、上述したいずれかに記載の光電変換素子とを備え、前記遮断機構と前記光電変換素子とが電気的に接続されていることを特徴としている。
これにより、光電変換素子は電荷分離効率が良好で電子を効率良く外部に取り出せることができることから、光照射時には大きな正の過度電流を得ることができ、かつ光遮断時には大きな負の過度電流を得ることができる。これにより大きな交流電流を有する太陽電池等の光電変換装置を得ることが可能となる。
本発明の光電変換素子によれば、光電変換層が一対の電極間に介在された光電変換素子であって、前記光電変換層が、光照射によって生成された電子と正孔とを分離する電荷分離層と、該電荷分離層の一方の表面に形成された分極層とを有し、前記電荷分離層は、電子移動度と正孔移動度とが異なる半導体材料と、電子伝導性を有するドーパントとを含有すると共に、前記分極層は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成されているので、光照射によって電荷分離層に形成されたキャリアは正孔と電子とに効率良く分離される。そして、正孔は電荷分離層内に留まることから、イオン液体を主成分とする分極層には大きな分極作用が付与され、分極層は高誘電率化する。
このようにして多量のキャリアが電荷分離層に蓄積され、電子を外部に効率良く取り出せることから、内部量子効率が大きく、良好な光電変換効率を有する光電変換素子を得ることができる。
本発明の光電変換装置によれば、光を遮断する遮断機構と、上述したいずれかに記載の光電変換素子とを備え、前記遮断機構と前記光電変換素子とが電気的に接続されているので、電子を光電変換素子から外部に効率良く取り出せることから、光照射時には大きな正の過度電流を得ることができる。その結果、光遮断時には大きな負の過度電流を得ることができる。これにより大きな交流電流を有する太陽電池等の光電変換装置を得ることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す断面図である。
すなわち、この光電変換素素子10は、透明性材料からなる基板1の表面に透明性材料からなる陽極(一方の電極)2が形成され、該陽極2の表面には分極層3及び電荷分離層4が順次形成され、かつ、この電荷分離層4の表面に陰極(他方の電極)5が形成されている。そして、分極層3と電荷分離層4とで光電変換層6を形成している。
基板1は、光透過が可能で平滑な透明性材料であれば特に限定されるものではなく、ソーダライムガラスやコーニングガラス、無アルカリガラス等のガラス材料の他、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のプラスチック材料を使用することができる。特に、プラスチック材料の場合は、厚さが0.1mm程度の柔軟性を有する材料を基板材料として利用することができる。
陽極2は、シート抵抗が数Ω/□〜数100Ω/□の光透過性を有する透明性導電材料であればよく、スズドープ酸化インジウム(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ等を薄膜化して使用することができ、さらにポリピロールやポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン等の導電性高分子材料を薄膜化して使用することもできる。
尚、陽極2は、表面積を陰極5よりも小さく形成するのが好ましい。本光電変換素子10は、後述するように大きな電荷分離効率を得ることができることから、陽極2の形成されていない部分にも電子を集めることができる。したがって、太陽光等の光が陰極5上に照射されていれば、陽極2の近傍域に光が照射されている場合であっても、斯かる陽極2の近傍域に照射された光エネルギーを有効活用することが可能となる。また、陰極5にIn等の希少金属を含む場合は省資源化にも寄与することができる。
また、陰極5は、陽極2とは異なる仕事関数を有する導電性材料で形成されるのが好ましく、具体的には陽極材料よりも仕事関数の小さい金属材料、例えば、Al、Au、Ag、Cu、Ni、Pt、Mg合金等の金属材料を好んで使用することができる。
光電変換層6を形成する電荷分離層4は、光照射によって生成されたキャリア(電子・正孔)が正孔と電子とに容易に分離されるように、正孔移動度と電子移動度とが異なる半導体材料、及び電子伝導性を有するドーパントを含有している。
ここで、半導体材料としては、正孔移動度と電子移動度とが異なるものであれば限定されるものではなく、各種の有機材料や無機材料の使用が可能であるが、膜形成の容易性やより一層の良好な内部量子効率を得る観点からは分子結晶性化合物を使用するのが好ましい。
分子結晶性化合物の中でも、特にp型の有機化合物半導体、例えば、有機金属錯体化合物、ビラジカルを含有した有機化合物(以下、「ビラジカル有機化合物」という。)、ラジカルダイマーを含有した有機化合物(以下、「ラジカルダイマー有機化合物」という。)の中から選択された一種又は二種以上の組み合わせを使用するのが好ましい。
有機金属錯体化合物は、有機化合物と金属とが水素結合又は配位結合によって結合した化合物であり、化学式(1)〜(4)に示すように、4つのフタル酸イミドがN原子を介して環状に架橋されたフタロシアニンとZn、Cu、Ti、Ni等の金属とが結合した金属フタロシアニンや、化学式(5)に示すように、4つのピロールがC原子を介して環状に架橋されたポルフィリンとZn等の金属とが結合した金属ポルフィリン等を挙げることができる。
また、ビラジカル有機化合物は、分子構造中に2つのラジカル、すなわち2つの不対電子を有しており、例えば、チアジル系有機化合物を使用することができる。
このチアジル系有機化合物の範疇に属する化合物としては、化学式(6)で示す4,4’−ビス(1,2,3,5−ジチアジアゾイル)(以下、「BDTDA」という。)や、化学式(7)〜(9)で示す化合物を挙げることができる。
また、ビラジカル有機化合物には、化学式(10)に示すようなニトロキシビラジカル系有機化合物、化学式(11)に示すような炭素ビラジカル系有機化合物、化学式(12)に示すようなイミダゾールビラジカル系有機化合物を挙げることができる。
尚、ラジカル有機化合物は、分子構造中に1つの不対電子のみを有することから、電子スピン共鳴スペクトルでその種類や濃度を測定することができるが、ビラジカル有機化合物は、分子構造中に2つのラジカルを有し、これら2つのラジカルがスピンを打ち消し合うため、電子スピン共鳴スペクトルでは観測されない。
ラジカルダイマー有機化合物は、安定ラジカル2個が会合して相互作用したものであり、その種類は特に限定されず、化学式13に示すような窒素ラジカルを含有した二量体の他、ニトロキシラジカル、ニトロニルニトロキシラジカル、フェルダジルラジカル、フェノキシラジカル、ピクリノヒドラジルラジカル、フェナレニルラジカル、チオアミニルラジカル等の各種ラジカルを含有した二量体を挙げることができる。また、化学式14に示すようなテトラシアノキノジメタン錯塩などの荷電ラジカルの二量体等を挙げることができ、さらに上述したチアジル系有機化合物等のビラジカル化合物が二量体化した有機化合物もラジカルダイマー有機化合物の範疇に含まれる。
また、ドーパントは、電荷分離層4内で上述した半導体材料と共に電荷移動錯体を形成する。
このようなドーパントとしては、電子伝導性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、C60やC70等のフラーレン類などのn型有機半導体材料、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子材料などの導電性材料を使用することができ、これらドーパント材料を2種類以上混合して使用してもよい。
また、上記分極層3は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成され、これにより光照射時における分極層3の誘電率が向上し、光照射により生成されたキャリアを電荷分離層4に高効率で蓄積することができる。
そして、このようなイオン液体としては、上述したように陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなり、かつ常温で液体であるイオン分子であれば特に限定されるものではなく、陽イオン種としては、例えば、2−エチルイミダゾリウム、3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類;ジエチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、トリエチル(2−メトキシエトキシメチル)アンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム塩類、更にはアルキルピリジニウム等のピリジニウム塩類、ジアルキルピロリジニウム等のピロリジニウム塩類、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルフォニウム等、各種の陽イオンを使用することができる。
また、陰イオン種としては、例えば、Cl−、Br−、I−などのハロゲン化物アニオン、BF4 −、B(CN)4 −、B(C2O4)2 −等のホウ素化物アニオン、(CN)2N−、[N(CF3)2]−、[N(SO2CF3)2]−等のアミドアニオンやイミドアニオン、RSO3 −(Rは、「脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基」を示す。以下、同様)、RSO4 −、RfSO3 −(Rfは、「含フッ素ハロゲン化炭化水素基」を示す。以下、同様)、RfSO4 −等のスルフェートアニオン又はスルフォネートアニオン、Rf 2P(O)O−、PF6 −、Rf 3PF3 −等のリン酸アニオン、SbF6等のアンチモンアニオン;その他、ラクテート、硝酸イオン、トリフルオロアセテート等、各種の陰イオンを使用することができる。
このように形成された光電変換素子では、矢印A方向から陽極2に太陽光やレーザ光等の光が照射されると、電荷分離層4でキャリアが生成される。そして、電荷分離層4は、電子移動度と正孔移動度とが異なる半導体材料と電子伝導性を有するドーパントを含有していることから、陰極5と電荷分離層4との界面では電子と正孔との移動度の差が大きくなり、電子と正孔とが高効率で分離する。そして、分極層3は陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体を主成分としていることから、分極層3には大きな分極作用が生じて高誘電率化し、多量のキャリアが電荷分離層4に蓄積される。そして、光照射時には正孔は電荷分離層4に留まる一方で、電子は陰極5から外部に効率良く取り出され、大きな内部量子効率を有し光電変換効率が良好で光応答性に優れた大きな光電流を得ることが可能となる。
次に、上記光電変換素子の製造方法を詳述する。
まず、透明性材料からなる基板1を用意し、該基板1に対し真空蒸着法やスパッタリング等の薄膜形成法を使用し、該基板1の表面にITO等からなる陽極2を形成する。
一方、真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成法を使用し、前記基板1とは異なる第2の基板(図示せず)上にAl等の陰極5を形成する。
ここで、第2の基板としては特に限定されるものではなく、全体の線膨張率を一致させる観点からは、第1の基板と同一のものを使用するのが好ましい。
次に、第2の基板上に形成された陰極5の表面に電荷分離層4を形成する。
すなわち、亜鉛フタロシアニン(以下、「ZnPc」という。)等の半導体材料とフラーレンC60等のドーパントとを、例えばモル比率で1:1の割合で混合し、アセトン等の溶媒中に溶解させて電荷分離層用溶液を作製する。次いで、スピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード法等の方法で陽極2上に電荷分離層用溶液を塗工した後、乾燥させる。そしてこれにより半導体材料とドーパントとの間の相互作用によって強固に絡み合い、電荷移動錯体からなる電荷分離層4が形成される。
尚、電荷分離層4の形成方法は、上述した方法以外に、半導体材料とドーパントとを同時に加熱・蒸発させる共蒸着法で形成してもよい。
また、電荷分離層4の膜厚は、特に限定されるものではないが、一般には可視光の波長である300nm以上100μm以下の厚みに形成される。
このようにして作製された陽極2と陰極5上の電荷分離層4とを10〜100μmの間隔でスペーサを介して対向させ、イオン液体の導入口を残して周囲を紫外線硬化型エポキシ樹脂で接着する。次いで、導入口からイオン液体を減圧注入し、注入後に紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて導入口を封止する。そしてこれにより光電変換素子が作製される。
図2は、上記光電変換素子10を備えた光電変換装置の動作状態を模式的に示した概念図である。すなわち、この光電変換装置は、遮断機構7を具備した外部回路(図示せず)を有し、該外部回路(遮断機構7)が光電変換素子10と電気的に接続されている。
図2(a)は光照射時、図2(b)は光遮断時におけるキャリアの動作状態を示している。
すなわち、光照射されると、電荷分離層4にはキャリア(電子・正孔)が生成される。そして、電荷分離層4は、電子移動度と正孔移動とが異なる半導体材料と、電子伝導性を有するドーパントを含有していることから、電子移動度と正孔移動度との間には大きな差が生じ、図2(a)に示すように、電子と正孔に高効率で分離する。そして、陰極5の界面付近で電荷分離された電子は、正孔を置き去りにするような形態で陰極5から外部回路を経て陽極2に達する。一方、正孔は電荷分離層4に留まって分極層3に大きな分極作用を付与し、これにより分極層3は高誘電率化し、定常状態に達する。
このように上記光電変換装置は、電子と正孔とが高効率で分離されたキャリアが電荷分離層4に蓄積され、正孔は分極層3に大きな分極を発生させて分極層3は高誘電率になる一方、電子は陰極5から外部回路を経て陽極2に流れることから大きな正の過渡電流が出現し、その後、光電流は徐々に低下する。
一方、光遮断時は、分極層3で生じた分極作用が解消され、電子は照射時と逆方向に陽極2から外部回路を経て陰極5に流れ、陰極5から電荷分離層4に輸送され、該電荷分離層4で電子と正孔は再結合する。そしてその結果、光遮断時には、正の過度電流と同程度に大きな負の過度電流が流れることになる。
本光電変換装置では、上述した光照射と光遮断とを断続的に繰り返すことにより、上述した過程が交互に生じ、これにより大きな交流電流を取り出すことができる。しかも、この光電変換装置では、電子が陰極5界面→外部回路→陽極2界面又は陽極2界面→外部回路→陰極5界面の間を移動し、これにより正負の大きな過度電流を得ていることから、電荷分離層4が大きなキャリア移動度を有さなくても大きな光電流を得ることが可能となる。
尚、遮断機構7は、照射光をオン−オフ制御できるのであれば、特に限定されるものではなく、例えば遮光層を物理的に移動させたり、液晶等を利用した光スイッチ等を使用することが可能である。
図3は本発明に係る光電変換素子の第2の実施の形態を模式的に示す断面図である。また、図4は図3の底面図であり、説明の都合上、透明性材料からなる基板11は二点鎖線で示している。
すなわち、この光電変換素子は、基板11上に幅Wの陽極12を線状に形成し、該陽極12上に分極層13及び電荷分離層14を順次形成し、該電荷分離層14上に前記陽極12と十字状に交差するように幅W′の陰極15が線状に形成されている。
この光電変換素子では、上述したように大きな電荷分離効率を得ることができることから、矢印B方向から照射する場合、陰極15上に光が照射されていれば、照射光が陽極12上になく該陽極12の近傍域であっても、所望の大きな光電流を得ることが可能となり、陽極12の近傍域に照射された光エネルギーを有効活用することが可能となる。
このように陽極12及び陰極15を、用途やデバイス構成等に応じ、任意の形状にパターニングするのも好ましい。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。上記第1及び第2の実施の形態では、陰極5、15の表面に電荷分離層4、14を設けているが、陰極5、15への電子の移動を制御したり電荷分離層4、14と陰極5、15との接着性を向上させる観点から、電荷分離層4、14と陰極5、15との間に電荷注入調整層やバッファー層、下地層を設けるのも好ましい。また、光照射面で乱反射を誘発させて光電変換効率の更なる向上を図る観点から、陽極2、12の表面が微小凹凸構造を有するように形成するのも好ましい。
また、上記光電変換素子は、各構成要素が大気雰囲気に晒されるような形態とされているが、陰極5、15側や基板1、11側に必要に応じて保護層を設けるのも好ましい。
また、電荷分離層4、14を形成する半導体材料についても二種以上混合してもよく、特性に影響を及ぼさない範囲で添加剤を含有させてもよい。
また、分極層3、13についても、主成分がイオン液体で形成されていればよく、分極性能に影響を及ぼさない範囲で、必要に応じ各種添加物が含有されていてもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
尚、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔試料の作製〕
板厚0.7mmの無アルカリガラス(基板)にITOをターゲットにスパッタリングを行ない、無アルカリガラス上に膜厚240nmのITO膜(陽極)を作製し、次いでITO膜が形成された無アルカリガラスをアセトンで30分間超音波洗浄し、クリーンベンチ内で乾燥させた。
板厚0.7mmの無アルカリガラス(基板)にITOをターゲットにスパッタリングを行ない、無アルカリガラス上に膜厚240nmのITO膜(陽極)を作製し、次いでITO膜が形成された無アルカリガラスをアセトンで30分間超音波洗浄し、クリーンベンチ内で乾燥させた。
一方、真空蒸着法を使用し、第2の無アルカリガラス(第2の基板)上に膜厚550nmのAl膜(陰極)を形成した。
次に、化学式(1)で示すZnPcとフラーレンC60とをモル比率で1:1となるように混合し、混合物を得た。
次いで、Al膜が形成された第2の無アルカリガラスを真空蒸着機に配し、蒸着温度190〜200℃で混合物を共蒸着し、ZnPc及びフラーレンC60が強固な相互作用で結合した膜厚30nmの電荷移動錯体からなる電荷分離層を形成した。尚、成膜速度は0.1〜0.2nm/sであった。
このようにして作製されたITO膜とAl膜上の電荷分離層とを100μmのスペーサを介して対向させ、イオン液体の導入口を残して周囲を紫外線硬化型エポキシ樹脂で接着した。
次に、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム(CH3OC2H4N+CH3(C2H5)2)(以下、「DEME」という。)とビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CF3SO2)2N−)(以下、「TFSI」という。)という)の組み合わせからなるイオン液体を用意した。
そして、減圧注入法を使用して、前記イオン液体をITO膜と電荷分離層との間に注入し、膜厚100μmの分極層を形成した。
これによりセル構造がAl/ZnPc:C60/DEME−TFSI/ITOからなる実施例1の試料を作製した。
また、分極層をポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF」という。)のN−メチルピロリドン溶液(12質量%)で作製した以外は、上述と同様の方法・手順でセル構造がAl/ZnPc:C60/PVDF/ITOからなる比較例1の試料を作製した。
〔試料の評価〕
波長532nmのグリーンレーザを使用し、バイアス電圧を0Vにして実施例1及び比較例1の各試料にパルス光を照射し、光照射と光遮断とを繰り返し、光電流密度の経時変化を調べた。
波長532nmのグリーンレーザを使用し、バイアス電圧を0Vにして実施例1及び比較例1の各試料にパルス光を照射し、光照射と光遮断とを繰り返し、光電流密度の経時変化を調べた。
図5はその測定結果を示し、実線が実施例1、破線は比較例1である。尚、図中、横軸が時間(ms)、縦軸が光電流密度(μA/cm2)を示している。
この図5から明らかなように、比較例1は、光照射と光遮断とを繰り返しても光電流密度に大きな変化は生じず、大きな光電流を取り出すことができないことが分かった。これは分極層がPVDFを主成分として形成されているため、イオン液体に比べて高誘電率を実現することができず、光照射時に大きな正の過度電流が発生せず、その結果光遮断時にも大きな負の過度電流は発生せず、このため所望の大きな交流電流を得ることができなかったものと思われる。
これに対し実施例1は、分極層がDEME−TFSIからなるイオン液体で形成されているので、光照射時に大きな正の過渡電流が出現し、その後、電流が低下し、光遮断時には正の過度電流と同程度の負の過度電流が得られた。そして、この光照射と光遮断とを断続的に繰り返すことにより、定常的に大きな交流電流が得られることが分かった。
また、正の過渡電流のピーク値から求めた内部量子効率は65%であり、光電変換素子の光応答性としては十分に高いことが確認された。
〔試料の作製〕
実施例1及び比較例1と同一材料を使用し、メタルマスクを使用し、図6に示すように、無アルカリガラス21上に幅Wが1mmのITO膜(陽極)22を形成した。
実施例1及び比較例1と同一材料を使用し、メタルマスクを使用し、図6に示すように、無アルカリガラス21上に幅Wが1mmのITO膜(陽極)22を形成した。
同様にメタルマスクを使用し、幅W′が1mmのAl膜(陰極)25を第2の無アルカリガラス上に形成し、その後、Al膜25上に電荷分離層23を形成した。そして、ITO膜22とAl膜25とが十字状に交差するように配し、実施例1と同様の方法・手順で減圧注入法によりITO膜22と電荷分離層23との間に分極層24を形成し、これにより実施例2及び比較例2の試料を作製した。
〔試料の評価〕
波長532nmのグリーンレーザを使用し、Al膜25上であってITO膜22の図中左端部から1mmずつ矢印B方向に距離Dだけ変位させた位置にパルス光を照射し、ピーク電流を測定した。
波長532nmのグリーンレーザを使用し、Al膜25上であってITO膜22の図中左端部から1mmずつ矢印B方向に距離Dだけ変位させた位置にパルス光を照射し、ピーク電流を測定した。
図7はその測定結果を示し、●印が実施例2であり、△印が比較例2である。斜線部は、照射領域がITO膜22内であることを示している。横軸はITO膜22の左端部からの距離D(mm)、縦軸はピーク光電流(−)である。尚、ピーク光電流は、全体を1.0に正規化し、最大ピーク光電流に対する比率で示している。
この図7から明らかなように、比較例2はITO膜22上の左端部では良好なピーク光電流を得ることができるが、ITO膜22の右端部ではピーク光電流は左端部の約0.5に低下し、ITO膜22から離間すると光電流が殆ど検出できないことが分った。これは、分極層にPVDFを使用し、イオン液体を使用していないため、大きな分極作用を得ることができず、このため電子を外部に効率良く取り出せることができず、ITO膜22の左端部では大きな光電流が得られたものの、ITO膜22から離間すると光電流が得られなくなったものと思われる。
これに対し実施例2では、ITO膜22内では略同等のピーク光電流を得ることができ、ITO膜22の左端部から5mm(右端から4mm)離間した位置でも、ピーク光電流は、ITO膜22内に照射した場合に対し0.4以上となった。すなわち、本発明の光電変換装置は、光がAl膜25上に照射されていれば、ITO膜22の近傍域に照射された場合であっても光エネルギーを有効活用できることが分かった。
〔試料の作製〕
実施例1で使用したZnPcに代えて化学式(6)で示すBDTDAを使用した以外は、実施例1と同様の方法・手順を使用し、セル構造がAl/BDTDA/DEME−TFSI/ITOからなる実施例3の試料を作製した。
実施例1で使用したZnPcに代えて化学式(6)で示すBDTDAを使用した以外は、実施例1と同様の方法・手順を使用し、セル構造がAl/BDTDA/DEME−TFSI/ITOからなる実施例3の試料を作製した。
〔試料の評価〕
バイアス電圧を0Vとして波長532nmのグリーンレーザのパルス光を照射し、光照射と光遮断とを繰り返したところ、実施例1と同様、光照射後に大きな正の過渡電流が出現し、その後、電流が低下し、光遮断によって正の過度電流と同程度の負の過度電流が得られることが分かった。
バイアス電圧を0Vとして波長532nmのグリーンレーザのパルス光を照射し、光照射と光遮断とを繰り返したところ、実施例1と同様、光照射後に大きな正の過渡電流が出現し、その後、電流が低下し、光遮断によって正の過度電流と同程度の負の過度電流が得られることが分かった。
また、正の過渡電流のピーク値から求めた内部量子効率は50%以上であり、光電変換素子の光応答性としては十分に高いことが確認された。
光電変換効率が良好で、光応答性に優れた光電変換素子及び太陽電池等の光電変換装置が実現可能である。
2、12 陽極(一方の電極)
3、13 分極層
4、14 電荷分離層
5、15 陰極(他方の電極)
6 光電変換層
7 遮断機構
10 光電変換素子
3、13 分極層
4、14 電荷分離層
5、15 陰極(他方の電極)
6 光電変換層
7 遮断機構
10 光電変換素子
Claims (9)
- 光電変換層が一対の電極間に介在された光電変換素子であって、
前記光電変換層が、光照射によって生成された電子と正孔とを分離する電荷分離層と、該電荷分離層の一方の表面に形成された分極層とを有し、
前記電荷分離層は、電子移動度と正孔移動度とが異なる半導体材料と、電子伝導性を有するドーパントとを含有すると共に、
前記分極層は、主成分が陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなるイオン液体で形成されていることを特徴とする光電変換素子。 - 前記イオン液体は、アンモニウム塩類、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類及びピロリジニウム塩類からなる群から選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子
- 前記半導体材料は、分子性結晶化合物を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光電変換素子。
- 前記分子性結晶化合物は、有機金属錯体化合物、ビラジカルを含有した有機化合物、及びラジカルダイマーを含有した有機化合物のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項3記載の光電変換素子。
- 前記分子性結晶化合物は、金属フタロシアニン、4,4‘−ビス(1,2,3,5−ジチアジアゾイル)、イミダゾールビラジカル化合物のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項4記載の光電変換素子。
- 前記一対の電極は、仕事関数が互いに異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記一対の電極のうち、一方の電極は透明性材料で形成され、
かつ、前記一方の電極は、表面積が他方の電極よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光電変換素子。 - 前記一対の電極は線状に形成されると共に、一方の電極と他方の電極とは交差状に配され、
かつ、前記一対の電極のうち、前記一方の電極は透明性材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光電変換素子。 - 照射光を断続的に遮断する遮断機構と、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光電変換素子とを備え、
前記遮断機構と前記光電変換素子とが電気的に接続されていることを特徴とする光電変換装置。
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JP2012089604A JP2013218924A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 光電変換素子、及び光電変換装置 |
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JP2016186968A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 株式会社カネカ | 光電変換装置及びその製造方法 |
CN109755400A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-05-14 | 云谷(固安)科技有限公司 | 一种发光元件以及显示面板 |
-
2012
- 2012-04-10 JP JP2012089604A patent/JP2013218924A/ja active Pending
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