JP2013217359A - ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置 - Google Patents

ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013217359A
JP2013217359A JP2012098173A JP2012098173A JP2013217359A JP 2013217359 A JP2013217359 A JP 2013217359A JP 2012098173 A JP2012098173 A JP 2012098173A JP 2012098173 A JP2012098173 A JP 2012098173A JP 2013217359 A JP2013217359 A JP 2013217359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
valve
rocker arm
camshaft
exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012098173A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2012098173A priority Critical patent/JP2013217359A/ja
Publication of JP2013217359A publication Critical patent/JP2013217359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】動弁系のアライメント誤差の吸収及び適正クリアランス調整を確実、容易にし、シリンダヘッドを小型化できる強制開閉動弁装置を提供する。
【解決手段】SOHCロッカアーム式強制開閉動弁装置においてローラフォロワ24を採用し、カムフォロワアームとバルブリフトアームを一体形成すると共に、バルブ軸に固定された筒部上下に鍔部を有するリテーナの係合位置調整機構を、小型、軽量構造としバルブ31を強制開閉することで、出力向上を図りつつ開弁角を狭くでき、オーバーラップ角の設定自由度を増すことを可能にすると共に、鍔部の角度誤差吸収を容易にしたものにおいて、バルブスプリング39を廃止又は小型化し出きた空間等にカム、ロッカアーム、点火プラグホール61、又はインジェクタホール、吸気ポート1IN等を配置し、シリンダヘッド1の小型化及びシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくし、吸気効率及びタンブル流の向上図る。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、二輪車或いは自動車等におけるSOHC強制開閉内燃機関において、ローラフォロワにてカムに接触するカムフォロワアーム部と、バルブに固定され上下に鍔を有するリテーナに係合しバルブをリフトするバルブリフトアーム部を、一体に形成したロッカアームを用いた動弁装置の、動弁ユニットのレイアウトに関するものである。
ロッカアーム式強制開閉動弁装置としては、カムに接触するフォロワがスリッパ式の特許文献1が開示されている。
特開昭63−68707号公報
近年、カムとの接触抵抗低減の為にローラフォロワを採用した内燃機関は増加傾向にあり、ロッカアーム式強制開閉動弁装置にて、ローラフォロワを開閉カム両側に採用したものとして特許文献2、3が開示されている。
特開昭58−202318号公報 特開2005−120967号公報
アライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保を、ロッカアーム側、又は開閉片方をリテーナの位置調整にて行う例が多いが、リテーナの位置調整のみにてネジ以外の方法で行うものとしては特許文献4、5、6が開示されている。
特開平5−321617号公報 特開2001−12216号公報 特開2006−258059号公報
筒部の上下に鍔部を有し、バルブに円錐状二つ割りコッタと止めネジにて固定するものとして、特許文献7が開示されている。
実開平4−6705号公報
ロッカアーム式SOHC強制開閉動弁装置としては、カムに接触するフォロワがスリッパ式の特許文献8〜12が開示されている。
特開昭60−3412号公報 特開昭60−108513号公報 特開平6−221119号公報 特開昭60−128914号公報 特開2003−74410号公報
ガソリン又はディーゼルエンジン用の動弁装置としては、バルブ戻しスプリングにより、カムにて与えられたリフトカーブに沿って、使用回転域でのジャンプ、バウンスを許容範囲内に抑え、リフトさせるものが広く採用されている。しかし、ジャンプ、バウンスによる騒音、破損等を避ける為、加速度を上げることに制限があり、リフトカーブをより矩形に近づけることが困難で、開弁面積をより広くできないので、出力を上げる為には開弁角を大きくとる必要があるが、吸、排気オーバーラップの増大による吹き抜けや、吸気遅閉じによる吸気逆流等の問題があり限度がある。
対策として、特許文献1に開示された様なスリッパフォロワのロッカアーム式強制開閉内燃機関が二輪車等に採用されているが、カムとフォロワが摺動接触の為メカロス、摩耗が大きくなる欠点がある。またDOHCとしている為に動弁装置が大柄になり性能面では優れるがコスト、重量面で不利である。
メカロス対策として、ローラフォロワを採用する方法は広く知られており、強制開閉内燃機関に採用した例として特許文献2、3が開示されているが、アライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保をネジによるリテーナの位置調整で行うもので、バルブ軸ネジ部の強度不足を招き易く、軸径の細い小型内燃機関には採用しにくい。
また鍔部の角度誤差によりバルブリフトアーム部端との接触も端部で点接触となり易く、面圧増加による摩耗や破損の危険度が増す。それらの対策が往復運動部の重量増によるメカロス増をもたらす。
リテーナの位置調整のみでネジ以外の方法で行うものとしては特許文献4、5、6が開示されているが、鍔間を油圧で調整するものは往復運動部重量が重くなり、スプリングで調整するものは鍔部の角度誤差は吸収できるが、最圧縮までの間でスキマが変化してしまい、スプリングが弱いと加速度の方向変化時のリフトカーブが波を打ってしまう。スプリングを強くすれば波は小さくできるがメカロスが増えてしまう欠点がある。さらに、バルブ戻しスプリングの無い(又はスプリング力が小さい)強制開閉内燃機関は、閉じ時におけるスプリングによるカムシャフトを回す力が無い(小さい)為、高回転域でのメカロスがバルブ戻しスプリング有りより大きくなる傾向にある。
筒部の上下に鍔部を有し、バルブに円錐状二つ割りコッタと止めネジにて固定するものとして、特許文献7が開示されているが、鍔部の角度誤差によりバルブリフトアーム部端との接触も端部で点接触となり易く、面圧増加による摩耗や破損の危険度が増すと共に、ダブルナット締結では無いので止めネジが弛み易い。
コスト、重量対策として、SOHCにする方法は広く知られており、強制開閉内燃機関に採用した例として特許文献8〜12が開示されているが、すべてがスリッパ式フォロワで、アライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保を、ネジによるリテーナの位置調整で行うものか、開閉ロッカアームにて挟み込むリテーナ部の厚さを調整するもので、いずれも前述の問題を抱えており解決していない。また、カムシャフト軸が吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近(シリンダ軸芯付近)に配置されており、2気筒までなら点火プラグ又はインジェクタをカムシャフト軸方向に傾斜させて配置可能だが、3気筒以上では困難となる。また取付傾斜を強くする必要がある為、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要があり、圧縮比低下及びS/V比(燃焼室表面積比=燃焼室表面積/燃焼室容積)の悪化を招いている。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたもので、ロッカアーム式SOHC強制開閉内燃機関において、ローラフォロワを採用し、カムフォロワアームとバルブリフトアームを一体形成すると共に、バルブ軸に固定された筒部上下に鍔部を有するリテーナのバルブリフトアーム部端との係合位置調整機構を小型、軽量構造とし、バルブリフトアーム端を係合させバルブを強制開閉する動弁装置の、動弁ユニットのレイアウトに関するものである。
DOHCよりコスト、重量面で有利なSOHCにて、リテーナのバルブリフトアーム部端との係合位置調整機構を小型、軽量構造とすることで、バルブリフトカーブを矩形に近づけ、出力向上を図りつつ、開弁角を狭くできオーバーラップ角の設定自由度を増すことを可能にすると共に、メカロス低減、アライメント誤差の調整及び適正クリアランスを確保し、鍔部の角度誤差吸収を容易にすると共に、バルブスプリングを廃止又は小型化し出きた空間等に、カム、ロッカアーム、点火プラグホール(ガソリンエンジン時)、又はインジェクタホール(ディーゼルエンジン時)、吸気ポート等を配置し、シリンダヘッドの小型化及びシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくし、吸気効率及びタンブル流の向上を目的とする。
上述の課題を解決する為の請求項1の発明は、ロッカアーム式強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部をカムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した一本のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸を並列配置し、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸の上側に配置すると共に、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置したことを特徴とする。
ローラフォロワ採用によりカムとの接触抵抗を低減でき、バルブリフトアーム部とカムフォロワアーム部一体化による剛性向上、及びアライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保を、シム厚調整等にて行うことによるバルブ往復運動部重量の軽減により、メカロスの低減、高回転化が可能となる。
また、カムシャフト及びロッカアームシャフトを一本とし吸、排気バルブ軸Vバンク内に、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側に配置したことで、鉄系部品の削減によるコスト、重量軽減が図れると共に、肉厚の金属材料を必要とするシリンダヘッド高を低く、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くできることにより、シリンダヘッドの小型、軽量化が図れ、しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。
また、請求項2の発明は、請求項1、9の発明において、1気筒あたり複数の吸、排気バルブを有する強制開閉内燃機関において、開閉カム山部をカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブユニット最大外周包括線より吸、排気バルブ軸側にオーバーラップさせて配置したことを特徴とする。
吸、排気方向のシリンダヘッド幅、及び吸、排気バルブ軸Vバンク角を狭くできるので、一層のシリンダヘッド小型、軽量化が図れると共に、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできる。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、カムシャフト軸に平行方向より視て、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸に近いバルブ軸に対しカムシャフト軸より遠ざけて、吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近に配置したことを特徴とする。
SOHC強制開閉内燃機関ではカムシャフト一本に吸、排気の開閉カムを軸方向並列に配置することになり、カムシャフト軸受スパンが狭い小排気量内燃機関では、カムに接触するローラフォロワ部をシリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、左右バルブ間より外側でバルブユニットに当たらない所に配置することが困難となるので、大部分を左右バルブ間に配置せざるを得ない。故にローラフォロワをカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブユニットにオーバーラップしない所に配置する必要があり、レバー比(バルブステム接触点揺動スパン/カム接触点揺動スパン)を1.8程度以下の妥当な設定にする為には、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸に近いバルブ軸に対し、カムシャフト軸よりより遠ざけた位置に配置する必要がある。
吸、排気ロッカアームのレバー比は、リフト誤差を抑え、剛性を確保する為に出来る限り1に近づけるのが高回転エンジンでは理想だが、一般的に吸気リフト量が排気リフト量より大きく、カム山高さを吸、排気同じ位に揃える為には吸、排気リフト量比分吸気レバー比を大きくとることになるが、レバー比を大きくした分リフト誤差が大きくなると共に剛性が落ちるので、レバー比を妥当な値に設定する為に排気レバー比が大きい場合は吸、排気リフト量比分吸気レバー比を大きくとることができなくなる。
吸、排気ロッカアームの剛性が同程度となる同等レバー比まで吸気レバー比を小さくすれば性能面で許容できるので、吸、排気共、同等レバー比に近づける為に、ロッカアームシャフト軸を吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近に配置するものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、12の発明において、点火プラグホール(インジェクタホール)をカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブとカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸の間の吸、排気バルブ軸Vバンク内に、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、点火プラグホール(インジェクタホール)側のバルブをリフトするロッカアームのバルブリフトアーム間に配置したことを特徴とする。
請求項3の発明の様に、カムシャフト軸から遠いバルブをリフトするロッカアームのレバー比を、カムシャフト軸に近いバルブのロッカアーム比並みにすることによりできた空間や、請求項12の発明の様に、吸、排気カム山高さを揃えることで長くなるバルブリフトアームによりできた空間を利用し、点火プラグホール(インジェクタホール)をカムシャフト軸から遠いバルブに略平行に配置すると共に、カムシャフト軸から遠いバルブをリフトするロッカアームのバルブリフトアーム(シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、略バルブ軸を通りロッカアームシャフト軸に直角に配置される)間に配置することで、吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)を配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、請求項5の発明は、請求項1、9、12の発明において、点火プラグホール(インジェクタホール)を吸気バルブ側に配置したことを特徴とする。
点火プラグホール(インジェクタホール)が邪魔をしないので、吸気ポート側より冷却が必要な排気ポート側の左右排気バルブのバルブシート付近の排気ポート間に水通路を設け易くなる。
また、請求項6の発明は、請求項1、12の発明において、吸、排気ロッカアームにおいて、揺動軸部を軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設け、分割された揺動軸部に開閉カムフォロワアーム部を配置すると共に、左右バルブリフトアーム部先端付近を連結し、分割された揺動軸部の間に他方のロッカアームの片方の揺動軸部を配置したことを特徴とする。
請求項1の発明において、カムシャフト軸に近いバルブをリフトするロッカアームの閉弁カムフォロワアーム部と、遠いバルブをリフトするロッカアームの開弁カムフォロワアーム部を、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、シリンダ中心に対し外側に配置することで、それらの間に点火プラグホール(インジェクタホール)を配置できると共に、遠いバルブをリフトするロッカアーム揺動軸部二ヶ所を長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。
また、請求項7の発明は、請求項6、11、19の発明において、ロッカアーム揺動軸部間を連結したことを特徴とする。
ロッカアームの剛性及び揺動軸受穴の加工精度を向上できる。
また、請求項8の発明は、請求項1の発明において、カムシャフト軸に近いバルブをリフトするロッカアームにおいて、閉弁ローラフォロワをバルブリフトアーム部に設けたことを特徴とする。
ロッカアームの軽量化及び剛性向上が図れる。
また、請求項9の発明は、ロッカアーム式強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部をカムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二列のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及び二列のロッカアームシャフト軸を並列配置し、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸の上側に配置すると共に、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置したことを特徴とする。
請求項1の発明では、レバー比を1より相当大きくとる必要があるが、本発明ではレバー比を1付近まで近づけることが可能となり、剛性向上、往復運動部重量軽減により高回転化が可能となる。
また、請求項10の発明は、請求項9、18の発明において、カムシャフト軸より遠いバルブをリフトするロッカアームの揺動軸部及びロッカアームシャフトを左右に分割し、その間に点火プラグホール(インジェクタホール)を配置したことを特徴とする。
吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)を配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、請求項11の発明は、請求項9、18の発明において、吸気ロッカアームにおいて、揺動軸部を軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設け、分割された揺動軸部に開閉カムフォロワアーム部を配置すると共に、左右バルブリフトアーム部先端付近を連結したしたことを特徴とする。
ロッカアームの揺動軸部を左右二ヶ所の長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。
また、吸気側に配置した点火プラグホール(インジェクタホール)が邪魔をしないので、吸気ポート側より冷却が必要な排気ポート側の左右排気バルブのバルブシート付近の排気ポート間に水通路を設け易くなる。
また、請求項12の発明は、ロッカアーム式強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部をカムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した一本のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアームシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、カムシャフト軸をロッカアームシャフト軸の上側に配置すると共に、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置したことを特徴とする。
カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に配置する請求項1、9の発明に比べ、シリンダヘッド高が高くなるが、バルブ軸を短くでき往復運動部重量の軽減により、メカロスの低減、高回転化が図れる。また吸、排気バルブ軸Vバンク角を狭くでき燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできると共に、シリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。
また、請求項13の発明は、ロッカアーム式強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部をカムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二軸のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンクの排気バルブ軸外側にカムシャフト軸を、カムシャフト軸下側の排気バルブ軸外側に排気ロッカアームシャフト軸を、カムシャフト軸横の排気バルブ上側に吸気ロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置したことを特徴とする。
シリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。また、シリンダ軸より吸気ポート側の吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くできるので、シリンダ軸を水平に近い配置とした内燃機関での高さを抑えることができる利点が発生する。(請求項18の発明も同様)
また、請求項14の発明は、請求項13、18の発明において、吸、排気バルブ軸Vバンク角を略平行な狭角としたことを特徴とする。
請求項13、18の発明効果を有しつつ、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできる。
また、請求項15の発明は、請求項13の発明において、点火プラグホール(インジェクタホール)をカムシャフト軸に平行方向より視て、吸、排気バルブ軸Vバンク内とし、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、吸気ロッカアームのバルブリフトアーム及び揺動軸に囲まれた中に配置したことを特徴とする。
排気ロッカアームの開弁カムに接触するローラフォロワ部が、リテーナ部に当たらないようにする為にレバー比を1以上にする必要があり、吸気ロッカアームのレバー比を排気ロッカアーム並みとすることによりできた吸気ロッカアームのアーム内空間に、点火プラグホール(インジェクタホール)を配置することで、吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、略シリンダ中心にシリンダ軸に平行に点火又は噴射中心を配置でき、燃焼室壁面に対する傾斜を最少にできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、請求項16の発明は、請求項13の発明において、排気ロッカアームのバルブリフトアーム部と開弁カムフォロワアーム部をロッカアーム揺動軸に直角方向より視て、軸方向で重ならない位置に配置したことを特徴とする。
バルブリフトアーム部先端のリテーナ部と係合する部分を加工する時に、開弁カムフォロワアーム部先端が邪魔になるので、先端に当たらないようにした工具でのブローチ加工等が考えられるが、本発明を採用することにより、開弁カムフォロワアーム部に当たらない幅の工具を選べば、係合形状を倣う方向でも加工でき加工の選択肢を広げることができる。
また、請求項17の発明は、請求項13、18の発明において、カムシャフト軸とロッカアームシャフト軸の軸芯をシリンダヘッドカバー合せ面上に配置したことを特徴とする。
ロッカアームシャフトにロッカアームを組付けた状態でカムシャフトと共にシリンダヘッドにセットでき、組み立て易い。また、ロッカアームシャフト加工穴の液封をシリンダヘッドカバーガスケットにて行えるので、プラグボルト類が不要となる。
また、請求項18の発明は、ロッカアーム式強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部をカムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二列のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンクの排気バルブ軸外側にカムシャフト軸を、カムシャフト軸上側の排気バルブ軸外側に排気ロッカアームシャフト軸を、カムシャフト軸横の排気バルブ側に吸気ロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置したことを特徴とする。
肉厚の金属材料を必要とするシリンダヘッド高を低く、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くできることにより、シリンダヘッドの小型、軽量化が図れ、しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。また、請求項13の発明に比べ、排気バルブより傘径が大きく重くなる吸気バルブの軸長を短くできるので、高回転化が図れる。
また、請求項19の発明は、請求項18の発明において、吸気ロッカアームの揺動軸部及びロッカアームシャフトを左右に分割し、その間に排気バルブを配置したことを特徴とする。
レバー比を大きくしなくても、吸気バルブ及び点火プラグホール(インジェクタホール)を配置できる。
本発明により、動弁系のメカロス低減及び軽量化、シリンダヘッドの小型、軽量化、吸気効率、燃焼速度向上を図りつつ、アライメント誤差の吸収及び適正クリアランス調整を確実、容易にするSOHC強制開閉動弁装置を提供できる。
以下、図面により、本発明による動弁装置及びそれを備えた内燃機関の好適な実施形態を説明する。本発明による動弁装置は二輪車や自動車等に搭載される各種ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに適用可能である。
第一実施形態の動弁装置は請求項1〜8の具体的実施例で、吸、排気共通のカムシャフトユニット10及びロッカアームシャフト26とを含む。また、吸気側においてロッカアームユニット20と、バルブユニット30を、排気側においてロッカアームユニット20EXと、バルブユニット30EXとを含む。
(図1−1、2及び図1−3〜7参照)
カムシャフトユニット10はカムシャフト軸に平行方向より視て、排気バルブユニット30EXに対し吸、排気バルブ軸Vバンクの内側に排気バルブユニット30EXに沿って配置され、開閉カム山部をカムシャフト軸に平行方向より視て、リテーナ部の下側リテーナ34よりシリンダヘッド合せ面側(下側)で、バルブユニット最大外周包括線Lより排気バルブ軸側にオーバーラップさせて配置している。(図1−2参照)
カムシャフト及びロッカアームシャフトを一本とし吸、排気バルブ軸Vバンク内に、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側に配置したことで、鉄系部品の削減によるコスト、重量軽減が図れると共に、肉厚の金属材料を必要とするシリンダヘッド高を低く、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くできることにより、シリンダヘッドの小型、軽量化が図れ、しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れると共に、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできる。
図1−13は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置の図1−2相当断面図である。
それに対し、第一実施形態を採用することにより、同一排気量にて、シリンダヘッド高16%、シリンダヘッド幅27%、シリンダヘッドカバー高7%減となっている。
シリンダ軸に対する吸気ポートの角度は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置に対し、10°小さくできており、同一リフト特性にて2%※1程度の体積効率向上を期待でき、その増加率を強制開閉化による開口時間面積増加率に乗じた吸気効率向上が図れる。
※1高リフト域の流量係数改善によりシリンダ軸に対する吸気ポートの角度が小さくなるにつれ略一定の割合(2%/10°)で体積効率が向上するとの実験結果が公表されている。
図1−14はバルブ戻しスプリング付動弁装置(破線)と第一〜第五実施形態の強制開閉動弁装置(実線)のバルブリフトカーブ例である。本例は強制開閉化にてバルブ戻しスプリング付に対し作用角、リフト高を変えず開口面積を拡大した例で出力向上が狙いであるが、有効面積(開口面積と流量係数の積)を同等にすると作用角を狭く出きるので燃費、排ガスを低減出きる選択肢が広がる。
カムシャフトユニット10において、カムシャフト11はシリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2に回転自在に軸支される。カムシャフト11には各気筒毎に排気開弁カム11EXO及び吸気閉弁カム11をシリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、シリンダ中心に対し外側に配置し、排気開弁カム11EXOに近いシリンダ中心側の側部に、吸気開弁カム11を、吸気閉弁カム11に近いシリンダ中心側の側部に、排気閉弁カム11EXCが軸方向並列に配置に配置される。(図1−1参照)
排気開弁カムフォロワアーム部21EXa及び吸気閉弁カムフォロワアーム部21をシリンダ中心に対し外側に配置することにより、吸気側シリンダ中心付近に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置できる。
なお、カムシャフト11は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成してカムシャフト軸受部等に注油することができる。専用の潤滑油路が不要となり、しかも重量軽減できる。
バルブ戻しスプリング付動弁装置におけるカムシャフトの材質は鋳鉄とするのが一般的であるが、強制開閉動弁装置はバルブ閉じ時にスプリングによるカムシャフトを回す力が無い(小さい)為、高回転域でのメカロスがバルブ戻しスプリング付より大きくなる傾向にある。対策として往復運動部重量軽減が有効であり、ローラフォロワ部を小型化する必要がある。その為にはカムとの許容接触ヘルツ応力を高める必要があり、カムシャフトの材質を許容接触ヘルツ応力を鋳鉄の倍近くにできる浸炭鋼とするのが望ましい。
カムシャフト11の一端にはドリブンスプロケット12が圧入固着されている。ドリブンスプロケット12とクランクシャフト(以下図示せず)の一端に形成されるドライブスプロケットとの間にカムチェーンがチェーンガイド、チェーンテンショナ、チェーンアジャスタ等により適正走行するよう巻回装架される。(図1−1参照)
他の一端にはプラグ13が圧入固着されており中空穴を塞ぎ油路を形成している。
排気開弁カム11EXO、閉弁カム11EXCの具体的な諸元については吸気開弁カム11、閉弁カム11と異なる。
吸、排気ロッカアームユニット20、20EXは図1−2に示すように、シリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より離れた側(上側)に、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムシャフト11に近い排気バルブユニット30EXに対しカムシャフト11より遠ざけて、吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近に配置されたロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支される。
SOHC強制開閉内燃機関ではカムシャフト一本に吸、排気の開閉カムを軸方向並列に配置することになり、カムシャフト軸受スパンが狭い小排気量内燃機関では、カムに接触するローラフォロワ部をバルブ軸方向より視て、左右バルブ間より外側でバルブユニットに当たらない所に配置することが困難となるので、左右バルブ間に配置せざるを得ない。故に、ローラフォロワをカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブユニットにオーバーラップしない所に配置する必要があり、レバー比を1.8程度以下の妥当な設定にする為には、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸に近いバルブ軸に対し、カムシャフト軸よりより遠ざけた位置に配置する必要がある。吸、排気ロッカアームのレバー比は、リフト誤差を抑え、剛性を確保する為に出来る限り1に近づけるのが高回転エンジンでは理想だが、一般的に吸気リフト量が排気リフト量より大きく、カム山高さを吸、排気同じ位に揃える為には吸、排気リフト量比分吸気レバー比を大きくとることになるが、レバー比を大きくした分リフト誤差が大きくなると共に剛性が落ちるので、レバー比を妥当な値に設定する為に排気レバー比が大きい場合は吸、排気リフト量比分吸気レバー比を大きくとることができなくなる。吸、排気ロッカアームの剛性が同程度となる同等レバー比まで吸気レバー比を小さくすれば性能面で許容できるので、吸、排気共同等レバー比に近づける為に、ロッカアームシャフト軸を吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近に配置するものである。
吸気ロッカアーム21は図1−3に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21と閉弁カムフォロワアーム部21を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、吸気バルブユニット30のリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21とも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置されたロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されており、ロッカアームシャフト26の軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図1−2参照)
尚、全ての実施形態においてローラフォロワ24には側面にオイル溝が施され、外部からのオイルミストをニードルベアリング23に導き潤滑している。(図1−3参照)
本実施例では、バルブリフトアーム先端のリテーナ部の上下シムとの接触点のバルブ軸直角方向移動量をなるべく小さくしバルブ軸を抉る力を抑える為に、リテーナ鍔部上下接触面間中心のストローク中心付近にロッカアーム揺動軸芯を配置しているが、バルブリフトアーム部揺動角が小さく接触点のバルブ軸直角方向移動量小さい場合や、バルブ軸径大、低回転エンジン等拗れに対する強度がある場合は、レイアウトの都合で揺動軸芯をストローク範囲より多少外に外してもよい。
ローラフォロワ採用によりカムとの接触抵抗を低減でき、バルブリフトアーム部とカムフォロワアーム部一体化による剛性向上、及びアライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保を、シム厚調整等にて行うことによるバルブ往復運動部重量の軽減により、メカロスの低減、高回転化が可能となる。
ローラフォロワ24及びニードルベアリング23は、カム及びピン22との接触ヘルツ応力を許容範囲に収めると共に、ベアリング部寿命を設定耐久時間以上にする為に加速度の大きさに合った寸法にする必要があるが、メカロス低減、高回転化の観点より出来る限り小型化を図る必要がある。故に、ローラフォロワ24、ニードルベアリング23、ピン22の材質はベアリング鋼や浸炭鋼を用いるのが一般的であるが、それに特殊熱処理やショットピーニング等の処理を追加し、耐ヘルツ応力、コロガリ摩耗耐久性の向上を図るべきである。
カムベースサークルとローラフォロワとのクリアランスを適正に調整する方法としてはローラフォロワの外径で調整するのが現実的であり、開弁カムフォロワアーム部21と閉弁カムフォロワアーム部21双方のローラフォロワ径を調整するより、片方は予め決められたものを組付けておき、他方のローラフォロワ径にて調整する方が効率的である。片方のローラフォロワ径にて調整する方法にも、現物のヘッドに仮組しジグにて適正外径を測定し片方のローラフォロワを部組する方法と、適正クリアランスになると考えられる寸法に前後した数種のロッカアームを予め用意しておき、現物のヘッドに仮組後クリアランスを測定し、合うものを選択組付けする方法が考えられるが、前方法は少量生産に、後の方法は大量生産に向いた方法と言える。
バルブリフトアーム部21は、揺動軸部21の軸方向左右バルブ軸付近で二本の櫛状に形成されており、先端部リテーナ付近でさらに二股に分かれリテーナ筒部左右の鍔部の上下シムに接触係合すると共に、連結アーム21にて連結されている。鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21に平行な線上とする。揺動軸部21は軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設けられ、左右の揺動軸部21dR、21dLの間に排気ロッカアーム21EXの右揺動軸部21EXdRが配置され、左揺動軸部21dLの左側部に排気ロッカアーム21EXの左揺動軸部21EXdLが配置され、ロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されている。左右の揺動軸部21dR、21dLは連結アーム21にて連結されており、バルブリフトアーム部21、揺動軸部21、連結アーム21、21にてロの字状に形成され、その中に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが吸気バルブユニット30に略平行に配置されている。(図1−3、5、7参照)
ロッカアームの揺動軸部を左右二ヶ所の長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。また、左右揺動軸部連結により、ロッカアームの剛性及び揺動軸受穴の加工精度を向上できる。
吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、吸気側に配置した点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが邪魔をしないので、吸気ポート側より冷却が必要な排気ポート側の左右排気バルブのバルブシート付近の排気ポート間に水通路を設け易くなる。(図1−12参照)
本実施形態ではバルブリフトアーム部21先端のリテーナ部シムとの係合部を二股とし、接点を一バルブ当たり左右二点としているが、強制開閉動弁装置の場合バルブスプリングが無いか、あってもコイルスプリングでは無い場合が多く、たとえコイルスプリングを用いたとしても、バルブシールスプリングとして使う為バネ力が弱く、リフト時にバルブをステム軸周りに回す力が弱く傘部の偏摩耗を防ぐ機能が低いので、二股を止め片側の鍔部にのみ当てることでステム軸周りに回すようにしてもよい。
但し、バルブを拗らせてリフトする力が強いのでバルブステム軸の細い小型エンジンや、高回転エンジンでは他の対策が必要となる場合がある。
開閉カムをV字状のカムフォロワアーム部で挟み込み、カムフォロワアーム部と一体のバルブリフトアーム部端をバルブに固着されたリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合することで、バルブ戻しスプリング無しで、カムのリフトカーブを各部クリアランスを加えた範囲内でバルブに伝達することができる。
排気ロッカアーム21EXは図1−4に示すように、バルブリフトアーム部21EXcの右バルブリフトアーム部21EXcRに沿って、側部に右揺動軸部21EXdRより櫛状に形成した中バルブリフトアーム部21EXcCを設け、中央バルブリフトアーム部21EXcCと右バルブリフトアーム部21EXcRのローラフォロワがリテーナ部に当たらない位置に架渡し圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を配置し、カムフォロワアーム部とバルブリフトアーム部を共用とした以外は基本的に吸気ロッカアーム21と同じである。
カムフォロワアーム部とバルブリフトアーム部を共用することにより、ロッカアームの軽量化及び剛性向上が図れる。
ロッカアームシャフト26はカムシャフトハウジング2に設けられた軸受穴に挿入され、サークリップ27にて軸方向を係止されている。(図1−3参照)
また、ロッカアームシャフト26は中空構造とし、両端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、吸、排気ロッカアーム21、21EXの揺動軸部21d、21EXdを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。(図1−3、4参照)
なお、ロッカアームシャフト26の中空構造を利用し、カムシャフトハウジングに潤滑油路を設ければ、吸気カムシャフト11軸受部の潤滑が可能となり、重量増加となるが中空穴加工を廃止することもできる。
吸気バルブユニット30は、図1−2に示すように、吸気バルブステム31が吸気バルブガイド1−3によってガイドされる二つの吸気バルブ31を備える。
吸気バルブ31がリフトすることにより、吸気ポート1INを介してエアクリーナ、インテークパイプ(図示せず)から導かれ制御バルブ(図示せず)により流量を制御された空気と、吸気通路または燃焼室にインジェクタ(図示せず)から噴霧される燃料との混合気が各気筒に導入される。
図1−2に示す実施例は係止片(33)としてバルブ戻しスプリング付動弁装置に一般的に使われている円錐状二つ割りコッタを用いたもので、各吸気バルブステム31の頂部付近のコッタ溝に係止したコッタ33に、筒部下内側にコッタに係合するテーパ部を有し、上内側に雌ねじを、下外側に鍔を設けた下側リテーナ34に、止めネジ35を締めつけることで吸気バルブ31に固定し、止めネジ35に鍔付ナット36を締め付けることで上下鍔付のリテーナ部を形成している。
係止片(33)は下側リテーナの軸方向固定が出きればよいので、円形断面の合口付リング又は円形断面の半円状係止片を用いる等、様々な係止片が考えられる。
鍔とバルブリフトロッカアーム部のリテーナ接触部の間にシム挿入を可能としつつ、雄ネジに対し二つのナットで締め付けることで弛みにくくしている。
バルブリフトアーム部21先端とリテーナ部の上下鍔部との間に平ワッシャ状のシム37を配置し、その厚さを調整することで、アライメント誤差の調整及び適正クリアランスの確保をしている。(図1−2参照)
なお、平ワッシャ状のシム37では角度誤差を吸収する機能が無いので、バルブリフトアーム部21先端との当たりが端部にならないよう、図1−8に示すようバルブリフトアーム部21先端にはクラウニングが付けられている。但し、リテーナ上下鍔部のバルブリフトアーム部端との接触面の角度精度を良くしても、接触部二ケ所の片方でしか当たらず、バルブを拗らせてリフトする確率が高いので、バルブステム軸の細い小型エンジンや、高回転エンジンでは他の対策が必要となる場合がある。
図1−9が角度誤差を吸収、バルブを拗らせてリフトすることの無いようにし、バルブステム軸の細い小型エンジンや、高回転エンジンに対応する角度誤差吸収シムを示す。シム37のリテーナ鍔側接触面37を山型とし接触をロッカアーム揺動軸に略直角な線状とし、シム37とバルブリフトアーム部21先端のシム接触部との接触線に対し、バルブ軸方向より視て略直交させると共に、直交を保持するストッパ37を設けることにより、前方向の角度誤差を吸収し、バルブリフトアーム部21先端にクラウニングが無くても常に、シム37とバルブリフトアーム部21先端のシム接触部の接触が線状に保たれ、接触ヘルツ応力を減らし摩耗を低減できる。
下側リテーナ34及び鍔付ナット36の材質は鋼とするのが一般的であるが、メカロス低減、高回転化の為にチタンやアルミとする時は、シム37と下側リテーナ34及び鍔付ナット36の間に鋼のワッシャを追加し、リテーナ鍔側接触面37の山型部との接触ヘルツ応力に耐えられるようにする。
図1−10が無リフト時に適正クリアランスを確保しバルブステム熱膨張によるバルブ突き上げを防止しつつ、リフト時のクリアランスを狭めることで加速度の方向変化時の波打ちを小さくし、カムにより与えられたリフトカーブにより近いカーブでバルブをリフトする、バルブリフトアーム部先端の形状を示す。
本実施例では、バルブリフトアーム部先端のリテーナ鍔部シムとの接触部形状を、無リフト時バルブリフトアーム位置において、バルブ軸方向寸法を上下シム接触面間寸法より適正クリアランス〔冷機無リフト時にロッカアームをバルブがリフトしない側(この場合バルブリフトアームを上側)に揺動させ、カムにローラフォロワを押し当てた状態で、バルブリフトアーム部端と下側シムとの隙間を、吸気側0.1mm、排気側0.2mm程度(所謂タペットクリアランス)とすると共に、バルブリフトアーム部先端と上側シムとの隙間を最少限で確保する〕を差し引いた寸法とし、バルブリフトアームがバルブリフト方向に揺動するに従ってバルブ軸方向寸法を広げる曲線としている。
この実施例では単一R故、最大リフト時にクリアランスが最小となる。
リフト時出きるだけ早く最少クリアランスとし、最大リフトまで維持するのが広範囲でリフトカーブの波打ちを抑え理想的故、2次曲線化して出きるだけ早く最少クリアランスとした後最大リフトまで最少クリアランスを保持するのが良い。
但し、接触部形状は無リフト時に適正クリアランスtを確保しつつ、バルブ軸方向寸法を最大限広げても上下シム接触面間寸法T以上には出来ない条件があるので、図1−10において無リフト時の下シム面Lより適正クリアランスを差し引いた面L0’と、上シム面U、最大リフト時の下シム面LMAXと上シム面UMAXで囲まれた範囲内で広げることになるので、バルブ軸方向寸法を略上下シム接触面間寸法まで広げれるのは中間リフト付近になってしまう。故に、バルブリフトアーム部先端が下シム側に接触している離、着座付近ではクリアランスを縮められないが、等速度領域から加速度の方向が変わりリフトカーブが波を打つ領域ではクリアランスを縮めることが出きるので、波打ちを抑え騒音を低減出きる。
下側リテーナ34の鍔部下面には円筒状ガイド34が設けられ、シリンダヘッド1のバルブガイド1−3圧入部上側のバルブスプリングシート38との間に円筒状ガイド34及びバルブガイド1−3によりガイドされるバルブスプリング39が収められている。バルブスプリング39はコイルスプリングでバルブ傘部とバルブシートとのシール機能のみを有するバネ荷重の弱いものとする。(図1−2参照)
図1−11がバルブ着座時にバルブシートとバルブフェイスを密着させシールするバルブスプリング39を皿バネとし、往復運動部重量を軽減すると共に、バルブステム熱膨張によるバルブ突き上げを防止する為に必要なバルブリフトアーム部先端とシム及びリテーナ部との隙間を皿バネで押さえつけ常時0に保つことで騒音を低減する構造を示す。皿バネ荷重でリフトカーブの波打ちを抑えられる場合は、バルブリフトアーム部先端の接触部形状を上下シム接触面間寸法より適正クリアランスを差し引いた寸法を直径とした円形とし、全揺動区間でバルブ軸方向寸法が一定となるようにし、メカロス低減を図ることが出きる。荷重特性を非線形にできる皿バネの特性を活かし、取付荷重と最圧縮荷重との差を小さく抑えメカロスの低減も図れる。
バルブスプリング39をコイルスプリングから皿バネに変更し、上側のシム37と鍔付ナット36との間に配置している。鍔付ナット36には段付ポケット36が設けられ皿バネのバルブスプリング39が収められている。本実施例では鍔付ナット36に段付ポケットを設けているが、上側のシム37に設けてもよい。
バルブステム熱膨張によるバルブ突き上げを防止する為に必要なバルブリフトアーム部先端とシム及びリテーナ部との隙間設定手順は、先ず、リテーナ部にシム37をバルブリフトアーム部先端の上下に入れ、皿バネ39を除いた状態で鍔付ナット36を締め付ける。その後、(冷機無リフト時)ロッカアームをバルブがリフトしない側(この場合バルブリフトアームを上側)に揺動させ、カムにローラフォロワを押し当てた状態で、適正クリアランス[バルブリフトアーム部端と下側シムとの隙間を、吸気側0.1mm、排気側0.2mm程度(所謂タペツトクリアランス)とすると共に、バルブリフトアーム部先端と上側シムとの隙間を最少限で確保]にできるようシム厚調整する。シム厚調整後皿バネ39を入れる。
なお、排気バルブユニット30EXは、吸気バルブユニット30と基本構成が同様であり、説明は省略する。但し、排気バルブ31EXの具体的な諸元については吸気バルブ31と異なる。
この場合、シリンダ内の燃焼ガスは排気ポート1EXを介して、排気管(図示せず)を通って排出される。
シリンダヘッド1及びシリンダヘッドカバー3にあけられた穴に、点火プラグホールチューブ(インジェクタホールチューブ)61を挿入し、Oリング62にて液封することで点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを形成している。
点火プラグホール(インジェクタホール)1IGはカムシャフト軸に平行方向より視て、吸気バルブユニット30とカムシャフトユニット10及び吸、排気ロッカアームシャフトユニット20、20EXの間で、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、吸気ロッカアームの左右バルブリフトアーム部21cR、21cLと閉弁カムフォロワアーム部21及び排気ロッカアームの開弁カムフォロワアーム部21EXaの間に配置されている。(図1−2参照)
カムシャフト軸から遠いバルブをリフトするロッカアームのレバー比を、カムシャフト軸に近いバルブのレバー比並みにすることによりできた空間を利用し、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGをカムシャフト軸から遠いバルブに略平行に配置すると共に、カムシャフト軸から遠いバルブをリフトするロッカアームのバルブリフトアーム(シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、略バルブ軸を通りロッカアームシャフト軸に直角に配置される)間に配置することで、吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
第二実施形態による動弁装置は請求項9〜11の具体的実施例で、第一実施形態がバルブ軸Vバンク内の一本のロッカアームシャフトに、吸、排気のロッカアームを揺動自在に軸支したのに対し、吸、排気別々の二列のロッカアームシャフトにて揺動自在に軸支するもので、吸、排気共通のカムシャフトユニット10及び吸気ロッカアームシャフト26,26,26及び排気ロッカアームシャフト26EXとを含む。また、吸気側においてロッカアームユニット20と、バルブユニット30を、排気側においてロッカアームユニット20EXと、バルブユニット30EXとを含む。
(図2−1、2及び図1−3〜6参照)
これらのうち第一実施形態と基本的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
カムシャフトユニット10において、第一実施形態と違う点は、カムシャフト11のカムの軸方向配置とレバー比の違いによるカム山寸法で、それ以外は基本的に同じである。カムシャフト11には各気筒毎にシリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、シリンダ中心付近に排気開弁カム11EXOを、その両側側部に吸気開弁カム11及び閉弁カム11を配置、排気バルブユニット30EXの外側で吸気開弁カム11の側部に排気閉弁カム11EXCが配置される。(図2−1、2、6参照)
上記カム配置により、吸気閉弁カムフォロワアーム部21及び開弁カムフォロワアーム部21の揺動軸部21dR、21dLをシリンダ中心に対し外側に配置でき、吸気側シリンダ中心付近に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置できる。
開閉カム山部も第一実施形態同様に、カムシャフト軸に平行方向より視て、リテーナ部の下側リテーナ34よりシリンダヘッド合せ面側(下側)で、バルブユニット最大外周包括線Lより排気バルブ軸側にオーバーラップさせて配置し、カムシャフトを一本とし吸、排気バルブ軸Vバンク内のシリンダヘッド合わせ面側に配置したことにより、鉄系部品の削減によるコスト、重量軽減が図れると共に、肉厚の金属材料を必要とするシリンダヘッド高を低く、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くできることにより、シリンダヘッドの小型、軽量化が図れ、しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れると共に、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできる。
吸、排気ロッカアームユニット20、20EXは、図2−2に示すように、シリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より離れた側(上側)に、カムシャフト軸に平行方向より視て、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフトユニット10と共に排気バルブユニット30EXに沿って配置した排気ロッカアームシャフト26EXと、吸、排気バルブ軸Vバンク内で、吸、排気ロッカアームユニット20、20EXの開弁カムフォロワアーム部が揺動可能なスパンで、排気バルブユニット30EXに対し、カムシャフトユニット10より離れた側に、同軸上に配置した吸気ロッカアームシャフト26、26、26に揺動自在に軸支される。
カムシャフトユニット10がシリンダヘッド合せ面側(下側)に配置されたことで、肉厚の金属材料を必要とするシリンダヘッド高を低くできるので、軽量化が図れる。
第一実施形態では、レバー比を1より相当大きくとる必要があるが、本実施形態ではレバー比を1付近まで近づけることが可能となり、剛性向上、往復運動部重量軽減により高回転化が可能となる。
吸気ロッカアーム21は図2−3、5に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21と閉弁カムフォロワアーム部21を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、吸気バルブユニット30のリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21とも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された吸気ロッカアームシャフト26、26又は26、26に揺動自在に軸支されており、吸気ロッカアームシャフト26、26、26の軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図2−2参照)
バルブリフトアーム部21は、揺動軸部21の軸方向左右バルブ軸付近で二本の櫛状に形成されており、先端部リテーナ付近でさらに二股に分かれリテーナ筒部左右の鍔部の上下シムに接触係合すると共に、連結アーム21にて連結されている。鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21に平行な線上とする。揺動軸部21は軸方向で左右のバルブリフトアーム付近に分割して設けられており、左右の揺動軸部21dR、21dLが吸気ロッカアームシャフト26、26又は26、26に揺動自在に軸支されている。
左右の揺動軸部21dR、21dLは連結アーム21にて連結されており、バルブリフトアーム部21、揺動軸部21、連結アーム21、21にてロの字状に形成され、その中に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが吸気バルブユニット30に略平行に配置されている。(図2−1、2、3、5参照)
ロッカアームの揺動軸部を左右二ヶ所の長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。また、左右揺動軸部連結により、ロッカアームの剛性及び揺動軸受穴の加工精度を向上できる。
吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、吸気側に配置した点火プラグホール(インジェクタホール)が邪魔をしないので、吸気ポート側より冷却が必要な排気ポート側の左右排気バルブのバルブシート付近の排気ポート間に水通路を設け易くなる。(図2−7参照)
本実施形態ではバルブリフトアーム部21先端のリテーナ部シムとの係合部を二股とし、接点を一バルブ当たり左右二点としているが、強制開閉動弁装置の場合バルブスプリングが無いか、あってもコイルスプリングでは無い場合が多く、たとえコイルスプリングを用いたとしても、バルブシールスプリングとして使う為バネ力が弱く、リフト時にバルブをステム軸周りに回す力が弱く傘部の偏摩耗を防ぐ機能が低いので、二股を止め片側の鍔部にのみ当てることでステム軸周りに回すようにしてもよい。
但し、バルブを拗らせてリフトする力が強いのでバルブステム軸の細い小型エンジンや、高回転エンジンでは他の対策が必要となる場合がある。
排気ロッカアーム21EXは図2−4に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフオロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21EXaと閉弁カムフォロワアーム部21EXbを、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、開弁カムフォロワアーム部21EXaをシリンダ中心付近に、閉弁カムフォロワアーム部21EXbを右バルブ右リフトアーム部21EXcRRの側部に一体形成すると共に、排気バルブユニット30EXのリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21EXcとも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された排気ロッカアームシャフト26EXに揺動自在に軸支されており、排気ロッカアームシャフト26EXの軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図2−2参照)
バルブリフトアーム部21EXcは揺動軸部21EXdの軸方向に櫛状に形成されており、一バルブ当たり二本とし(本実施形態例では複数バルブ故、右バルブリフトアーム部21EXcRRと21EXcRL、、左バルブリフトアーム部21EXcLRと21EXcLLの四本となっている。)、リテーナ筒部左右の上下鍔部に係合し、鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21EXdに平行な線上とする。(図2−4参照)
吸気ロッカアームシャフト26、26、26は、カムシャフトハウジング2、2、2に同軸上に設けられた軸受穴に圧入固定されている。
また、吸気ロッカアームシャフト26、26、26は中空構造とし、端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、吸気ロッカアーム21の左右揺動軸部21dR、21dLを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。(図2−1、2、3参照)
排気ロッカアームシャフト26EXは、カムシャフトハウジング2に設けられた軸受穴に挿入され、サークリップ27にて軸方向を係止されている。
また、ロッカアームシャフト26EXは中空構造とし、両端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムシャフトハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、排気ロッカアーム21EXの揺動軸部21EXdを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。(図2−2、4参照)
吸気バルブユニット30、排気バルブユニット30EXは(図2−8)に示すように、角度誤差吸収シム37のストッパ37bの形状を変えた以外は、第一実施形態と、詳細諸元は違うが基本的には同様であり、説明は省略する。
点火プラグホール(インジェクタホール)1IGはカムシャフト軸に平行方向より視て、吸気バルブユニット30とカムシャフトユニット10の間で、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、左右の吸気バルブリフトアーム部21cR、21cL及び揺動軸部21dR、21dLと連結アーム21、21にてロの字状に形成された吸気ロッカアームの中に、吸気バルブユニット30に沿って略平行に配置されている。(図2−1参照)
直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置(図1−13)に対し、第二実施形態を採用することにより、同一排気量にて、シリンダヘッド高18%、シリンダヘッド幅24%減、シリンダヘッドカバー高7%減となっている。シリンダ軸に対する吸気ポートの角度は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置に対し15°小さくできおり、同一リフト特性にて3%※1程度の体積効率向上を期待でき、その増加率を強制開閉化による開口時間面積増加率に乗じた吸気効率向上が図れる。
第三実施形態による動弁装置は請求項12の具体的実施例で、第一実施形態が吸、排気ロッカアームユニット20、20EXをシリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より離れた側(上側)に、カムシャフトユニット10がシリンダヘッド合せ面側(下側)に配置されているのに対し、それらの配置を逆とし、カムシャフトユニット10をシリンダヘッド合せ面に対し吸、排気ロッカアームユニット20、20EXより離れた側(上側)に、吸、排気ロッカアームユニット20、20EXをシリンダヘッド合せ面側(下側)に配置するもので、カムシャフトユニット10と、吸気側においてロッカアームユニット20と、バルブユニット30とを含む。また、排気側においてロッカアームユニット20EXと、バルブユニット30EXとを含む。
(図3−1、2及び図3−3、4参照)
これらのうち第一実施形態と基本的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
カムシャフトユニット10はカムシャフト軸に平行方向より視て、吸、排気バルブ軸Vバンク内に排気バルブユニット30EX側に配置される。(図3−2参照)
カムシャフトユニット10において、カムシャフト11はシリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2に回転自在に軸支される。カムシャフト11には各気筒毎にシリンダ中心側に排気開弁カム11EXOと吸気閉弁カム11を軸方向に並べて配置し、排気開弁カム11EXOの外側側部に吸気開弁カム11を、吸気閉弁カム11の外側側部に排気閉弁カム11EXCが配置される。(図3−1、2参照)
上記により、排気開弁カムフォロワアーム部21EXa及び吸気閉弁カムフォロワアーム部21をカムシャフト軸に平行方向より視て、排気バルブユニット30EX側に配置できると共に、排気閉弁カムフォロワアーム部21EXb及び吸気開弁カムフォロワアーム部21をシリンダ中心より外側に配置できるので、間に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置できる。
吸、排気ロッカアームユニット20、20EXは図3−2に示すように、シリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より近い側(下側)に、カムシャフト軸に平行方向より視て、吸、排気バルブ軸Vバンク内の排気バルブユニット30EX側に揺動軸が配置される。カムシャフトユニット10がシリンダヘッド合せ面より離れた側(上側)に配置されたことで、シリンダヘッド高が高くなるが、バルブ軸を短くでき往復運動部重量の軽減により、メカロスの低減、高回転化が図れると共に、シリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。
直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置(図1−13)に対し、第三実施形態を採用することにより、同一排気量にて、シリンダヘッド高21%、シリンダヘッドカバー高16%増となるが、シリンダヘッド幅は27%減となっている。シリンダ軸に対する吸気ポートの角度は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置に対し20°小さくできており、同一リフト特性にて4%※1程度の体積効率向上を期待でき、その増加率を強制開閉化による開口時間面積増加率に乗じた吸気効率向上が図れる。
吸気ロッカアーム21は図3−3、5に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21と閉弁カムフォロワアーム部21を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、吸気バルブユニット30のリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21とも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置されたロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されており、ロッカアームシャフト26の軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図3−2参照)
バルブリフトアーム部21は、揺動軸部21の軸方向左右バルブ軸付近で二本の櫛状に形成されており、先端部リテーナ付近でさらに二股に分かれリテーナ筒部左右の鍔部の上下シムに接触係合すると共に、連結アーム21にて連結されている。鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21に平行な線上とする。揺動軸部21は軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設けられ、左右の揺動軸部21dR、21dLの間に排気ロッカアーム21EXの右揺動軸部21EXdRが配置され、左揺動軸部21dLの左側部に排気ロッカアーム21EXの左揺動軸部21EXdLが配置され、ロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されている。左右の揺動軸部21dR、21dLは連結アーム21にて連結されており、バルブリフトアーム部21、揺動軸部21、連結アーム21、21にてロの字状に形成され、その中に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが吸気バルブユニット30に略平行に配置されている。(図3−3、5参照)
ロッカアームの揺動軸部を左右二ヶ所の長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。また、左右揺動軸部連結により、ロッカアームの剛性及び揺動軸受穴の加工精度を向上できる。
吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
また、吸気側に配置した点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが邪魔をしないので、吸気ポート側より冷却が必要な排気ポート側の左右排気バルブのバルブシート付近の排気ポート間に水通路を設け易くなる。(図3−8参照)
排気ロッカアーム21EXは図3−4に示すように、吸気ロッカアーム21に対しバルブリフトアーム部寸法が違う以外は基本的に同様構造ゆえ説明を省略する。
ロッカアームシャフト26はシリンダヘッド1に設けられた軸受穴に挿入され、カムチェーン側は閉じ穴、その反対側はプラグボルト28にて軸方向を係止されている。
(図3−3参照)
また、ロッカアームシャフト26は中空構造とし、片側をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、吸、排気ロッカアーム21、21EXの揺動軸部21dR、21dL、21EXdR、21EXdLを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。(図3−3、4参照)
吸気バルブユニット30、排気バルブユニット30EX共に、第一及び第二実施形態と詳細諸元は違うが基本的には同様であり、説明は省略する。
点火プラグホール(インジェクタホール)1IGはカムシャフト軸に平行方向より視て、吸気バルブユニット30とカムシャフトユニット10及び吸、排気ロッカアームシャフトユニット20、20EXの間で、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、吸気ロッカアームの左右バルブリフトアーム部21cR、21cLと開弁カムフォロワアーム部21及び排気ロッカアームの閉弁カムフォロワアーム部21EXbの間に配置されている。(図3−1、2参照)
第四実施形態による動弁装置は請求項13〜17の具体的実施例で、第二実施形態がカムシャフト及び吸、排気ロッカアームシャフトを吸、排気バルブ軸Vバンク内に配置したのに対し、カムシャフトを排気バルブ外側に、排気ロッカアームシャフトをカムシャフト下側の排気バルブ外側に、吸気ロッカアームシャフトを排気バルブ上側に配置し、吸、排気バルブ軸Vバンクを狭角とするもので、吸、排気共通のカムシャフトユニット10及び吸気ロッカアームシャフト26及び排気ロッカアームシャフト26EXとを含む。また、吸気側においてロッカアームユニット20と、バルブユニット30を、排気側においてロッカアームユニット20EXと、バルブユニット30EXとを含む。(図4−1、2及び図4−3〜6参照)
これらのうち第二実施形態と基本的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
カムシャフトユニット10はカムシャフト軸に平行方向より視て、排気バルブユニット30EXに対し吸、排気バルブ軸Vバンクの外側に配置されている。(図4−2参照)
カムシャフトユニット10において、カムシャフト11はシリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2に回転自在に軸支される。カムシャフト11には各気筒毎にシリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、シリンダ中心付近に排気開弁カム11EXOを配置し、その右側部に排気閉弁カム11EXC、左側部に吸気開弁カム11を配置し、排気閉弁カム11EXCの右側部に吸気閉弁カム11が軸方向並列に配置される。
(図4−1、2参照)
カムシャフト11の一端にはドリブンスプロケット12が圧入固着されている。ドリブンスプロケット12とクランクシャフト(以下図示せず)の一端に形成されるドライブスプロケットとの間にカムチェーンがチェーンガイド、チェーンテンショナ、チェーンアジャスタ等により適正走行するよう巻回装架される。
他の一端にはプラグ13が圧入固着されており中空穴を塞ぎ油路を形成している。
排気開弁カム11EXO、閉弁カム11EXCの具体的な諸元については吸気開弁カム11、閉弁カム11と異なる。
吸気ロッカアームユニット20は図4−2に示すように、カムシャフトユニット10横の排気バルブユニット30EX上側に配置された吸気ロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支される。排気ロッカアームユニット20EXは、シリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より近い側(下側)に、カムシャフト軸に平行方向より視て、排気バルブユニット30EXに対し吸、排気バルブ軸Vバンク外側に配置された排気ロッカアームシャフト26EXに揺動自在に軸支される。
吸気ロッカアーム21は図4−3、5に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21aと閉弁カムフォロワアーム部21を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、吸気バルブユニット30のリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21とも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された吸気ロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されており、吸気ロッカアームシャフト26の軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図4−2参照)
バルブリフトアーム部21は、揺動軸部21の軸方向左右バルブ軸付近で二本の櫛状に形成されており、先端部リテーナ付近でさらに二股に分かれリテーナ筒部左右の鍔部の上下シムに接触係合すると共に、連結アーム21にて連結されている。鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21に平行な線上とする。揺動軸部21は中間部に点火プラグホールチューブ(インジェクタホールチューブ)61との接触を避ける逃げが設けられ、吸気ロッカアームシャフト26に揺動自在に軸支されている。バルブリフトアーム部21、揺動軸部21、連結アーム21にてロの字状に形成された吸気ロッカアーム21の中に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが配置されている。(図4−3参照)
排気ロッカアームの開弁カムに接触するローラフォロワ部が、リテーナ部に当たらないようにする為にレバー比を1以上にする必要があり、吸気ロッカアームのレバー比を排気ロッカアーム並みとすることによりできた吸気ロッカアームのアーム内空間に、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置することで、吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できる、燃焼室壁面に対する傾斜を最少にできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置(図1−13)に対し、第四実施形態を採用することにより、同一排気量にて、シリンダヘッド高7%、シリンダヘッドカバー高6%増となるが、シリンダヘッド幅は19%減となっている。シリンダ軸に対する吸気ポートの角度は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置に対し25°小さくできており、同一リフト特性にて5%※1程度の体積効率向上を期待でき、その増加率を強制開閉化による開口時間面積増加率に乗じた吸気効率向上が図れる。
排気ロッカアーム21EXは図4−4、6に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21EXaと閉弁カムフォロワアーム部21EXbを、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、開弁カムフォロワアーム部21EXaをシリンダ中心付近でアーム部が揺動軸方向でバルブリフトアーム部21EXcRLに重ならない位置に、閉弁カムフォロワアーム部21EXbを揺動軸21EXd右端に一体形成すると共に、排気バルブユニット30EXのリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21EXCとも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された排気ロッカアームシャフト26EXに揺動自在に軸支されており、排気ロッカアームシャフト26EXの軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図4−2参照)
バルブリフトアーム部先端のリテーナ部と係合する部分を加工する時に、開弁カムフオロワアーム部先端が邪魔になるので、先端に当たらないようにした工具でのブローチ加工等が考えられるが、開弁カムフオロワアーム部に当たらない幅の工具を選べば、係合形状を倣う方向でも加工でき加工の選択肢を広げることができる。
バルブリフトアーム部21EXcは揺動軸部21EXdの軸方向に櫛状に形成されており、一バルブ当たり二本とし(本実施形態例では複数バルブ故、右バルブリフトアーム部21EXcRRと21EXcRL、、左バルブリフトアーム部21EXcLRと21EXcLLの四本となっている。)、リテーナ筒部左右の上下鍔部に係合し、鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21EXdに平行な線上とする。(図4−4参照)
吸気ロッカアームシャフト26はカムシャフト11と共に、シリンダヘッドカバー合せ面上を軸芯としたシリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2の軸受穴に挿入され、サークリップ27にて軸方向を係止されている。(図4−2参照)
また、吸気ロッカアームシャフト26は中空構造とし、端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムシャフトハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、吸気ロッカアーム21の揺動軸部21を潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。(図4−1〜3、5参照)
ロッカアームシャフトにロッカアームを組付けた状態でカムシャフトと共にシリンダヘッドにセットできるので、組み立て易い。また、ロッカアームシャフト加工穴の液封をシリンダヘッドカバーガスケットにて行えるので、プラグボルト類が不要となる。
排気ロッカアームシャフト26EXは、シリンダヘッド1に設けられた軸受穴に挿入され、カムチェーン側は閉じ穴、その反対側はプラグボルト28にて軸方向を係止されている。(図4−4参照)
また、排気ロッカアームシャフト26EXは中空構造とし、片側をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッドに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、排気ロッカアーム21EXの揺動軸部21EXdを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びカム山部、ローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。
(図4−4、6参照)
吸気バルブユニット30は、排気バルブユニット30EXと共にシリンダ軸に略平行に配置されVバンク角を狭角としている。これはカムシャフトユニット10排気ロッカアームユニット20EXを排気バルブユニット30EXの外側に、吸気ロッカアームユニット20を排気バルブユニット30EXの上側に配置することで実現しており、Vバンク角を狭角にすることで、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできると共に、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くでき、シリンダ軸を水平に近い配置とした内燃機関での高さを抑えることができる利点が発生する。しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。
吸気バルブユニット30、排気バルブユニット30EX共に、第一実施形態と、詳細諸元は違うが基本的には同様であり、説明は省略する。
点火プラグホール(インジェクタホール)1IGはシリンダ軸中心付近に、シリンダ軸に平行に配置されており、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
第五実施形態による動弁装置は請求項18、19の具体的実施例で、第四実施形態に対し、排気ロッカアームシャフトの配置をカムシャフト下側から上側に、吸気ロッカアームシャフトの配置を排気バルブ上側からカムシャフト横の排気バルブ側に変更するもので、吸、排気共通のカムシャフトユニット10及び吸気ロッカアームシャフト26、26、26及び排気ロッカアームシャフト26EXとを含む。また、吸気側においてロッカアームユニット20と、バルブユニット30を、排気側においてロッカアームユニット20EXと、バルブユニット30EXとを含む。
(図5−1、2及び図5−3〜7参照)
これらのうち第四実施形態と基本的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化するものとする。
カムシャフトユニット10において、カムシャフト11はシリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2に回転自在に軸支される。カムシャフト11には各気筒毎にシリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、シリンダ略中心に排気閉弁カム11EXCを配置し、その右側部に排気開弁カム11EXO、左側部に吸気閉弁カム11を配置し、排気開弁カム11EXOの右側部に吸気開弁カム11が軸方向並列に配置される。
(図5−1、2参照)
吸気ロッカアームユニット20は図5−2に示すように、カムシャフトユニット10横の排気バルブユニット30EXに重なる位置に配置された吸気ロッカアームシャフト26、26、26に揺動自在に軸支される。排気ロッカアームユニット20EXは、シリンダヘッド合せ面に対しカムシャフトユニット10より遠い側(上側)に、カムシャフト軸に平行方向より視て、排気バルブユニット30EXに対し吸、排気バルブ軸Vバンク外側に配置された排気ロッカアームシャフト26EXに揺動自在に軸支される。
吸気ロッカアーム21は図5−3、7に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21と閉弁カムフォロワアーム部21を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、吸気バルブユニット30のリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21とも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された吸気ロッカアームシャフト26、26、26に揺動自在に軸支されており、吸気ロッカアームシャフト26、26、26の軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図5−2参照)
バルブリフトアーム部21は、揺動軸部21側で軸方向排気バルブ外側から、吸気バルブ側で軸方向吸気バルブ軸付近としたハの字状に形成されており、先端部リテーナ付近でさらに二股に分かれリテーナ筒部左右の鍔部の上下シムに接触係合すると共に、連結アーム21にて連結されている。鍔部との間に配置されたシムとの接点は略バルブ軸を通り揺動軸部21に平行な線上とする。揺動軸部21は中間部で分割されており、左右の揺動軸部21dR、21dLが吸気ロッカアームシャフト26、26又は26、26に揺動自在に軸支されている。
左右の揺動軸部21dR、21dLは連結アーム21にて連結されており、バルブリフトアーム部21、揺動軸部21、連結アーム21、21にて台形状に形成され、その中に点火プラグホール(インジェクタホール)1IGが配置されている。(図5−7参照)
ロッカアームの揺動軸部を左右二ヶ所の長いスパンにできるので、バタツキが抑えられ左右バルブのリフト誤差を小さくできる。また、左右揺動軸部連結により、ロッカアームの剛性及び揺動軸受穴の加工精度を向上できる。
吸、排気バルブ軸Vバンク角及びカムシャフト軸受スパンを大きくすることなく、点火プラグホール(インジェクタホール)1IGを配置でき、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置(図1−13)に対し、第五実施形態を採用することにより、同一排気量にて、シリンダヘッドカバー高は同等となるが、シリンダヘッド高15%、シリンダヘッド幅は21%減となっている。シリンダ軸に対する吸気ポートの角度は直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置に対し25°小さくできており、同一リフト特性にて5%※1程度の体積効率向上を期待でき、その増加率を強制開閉化による開口時間面積増加率に乗じた吸気効率向上が図れる。
排気ロッカアーム21EXは図5−4、6に示すように、先端部に圧入固着されたピン22にニードルベアリング23を介して回転自在に軸支され、各カムに接触するローラフォロワ24を有する開弁カムフォロワアーム部21EXaと閉弁カムフォロワアーム部21EXbを、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、閉弁カム11EXCに接触するローラフォロワを、バルブリフトアーム部21EXcの右バルブ左リフトアーム部21EXcRLと左バルブ右リフトアーム部21EXcLRの間で略シリンダ中心に配置し、バルブリフトアームを張出し延長する形で閉弁カムフォロワアーム部21EXbを形成し、開弁カムフォロワアーム部21EXaを閉弁カムフォロワアーム部21EXbの右側部に一体形成すると共に、排気バルブユニット30EXのリテーナ部の上下鍔内にシムを介して係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部21EXcとも一体とし、カムシャフト軸に平行に配置された排気ロッカアームシャフト26EXに揺動自在に軸支されており、排気ロッカアームシャフト26EXの軸芯はバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置される。(図5−2、4、6参照)
吸気ロッカアームシャフト26、26、26は、シリンダヘッド1及びカムシャフトハウジング2、2、2に合わせ面で同軸上に設けられた軸受穴に、それらに挟み込まれ固定されている。また、吸気ロッカアームシャフト26、26、26は中空構造とし、端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムシャフトハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、吸気ロッカアーム21の左右揺動軸部21dR、21dLを潤滑する。(図5−1、2参照)
排気ロッカアームシャフト26EXは、カムシャフトハウジング2に設けられた軸受穴に挿入され、サークリップ27にて軸方向を係止されている。また、排気ロッカアームシャフト26EXは中空構造とし、両端をプラグ26−2にて栓をし潤滑油路を形成、シリンダヘッド、カムシャフトハウジングに形成された潤滑油路を通り供給されるオイルにて、排気ロッカアーム21EXの揺動軸部21EXdを潤滑すると共に、ニードルベアリング23及びローラフォロワ24にオイルジェット噴射潤滑している。
(図5−1、2、4参照)
吸気バルブユニット30は、排気バルブユニット30EXと共にシリンダ軸に略平行に配置されVバンク角を狭角としている。これはカムシャフト軸に平行方向より視て、カムシャフトユニット10、排気ロッカアームユニット20EXを排気バルブユニット30EXの外側に、吸気ロッカアームユニット20を排気バルブユニット30EXに重なる位置に配置することで実現しており、Vバンク角を狭角にすることで、燃焼室の高圧縮比化、及びS/V比を小さくできると共に、吸、排気方向のシリンダヘッド幅を狭くでき、シリンダ軸を水平に近い配置とした内燃機関での高さを抑えることができる利点が発生する。しかもシリンダ軸に対する吸気ポートの角度を小さくでき、吸気効率及びタンブル流の向上が図れる。また、吸気ロッカアームユニット20を排気バルブユニット30EXに重なる位置に配置したことにより、第四実施形態より吸気バルブユニット30のバルブ軸を短くでき高回転化を可能としている。
吸気バルブユニット30、排気バルブユニット30EX共に、第一実施形態と、詳細諸元は違うが基本的には同様であり、説明は省略する。
点火プラグホール(インジェクタホール)1IGはシリンダ軸中心付近に、シリンダ軸に平行に配置されており、略シリンダ中心に点火又は噴射中心を配置できると共に、燃焼室壁面に対する傾斜も小さくできるので、点火プラグ先端の電極を燃焼室に露出させる為や、インジェクタ先端から噴射される燃料が燃焼室の壁に当たらないようにする為の窪みを燃焼室に作る必要が無く、圧縮比低下及びS/V比の悪化を招かない。
以下、実施形態例図は動弁装置の収まるシリンダヘッドブロック部にて説明し、動弁装置を駆動するカムチェーン関係は図示、説明共に省略する。本実施形態で説明するエンジンユニットは並列2気筒であって、各気筒において吸気側(IN)、排気側(EX)それぞれに2つのバルブを有する。但し、本発明は2気筒に限定されるものでは無く、単気筒及び3気筒以上の多気筒内燃機関に採用可能である。
なお、各図では必要に応じて一部図面化を省略している。第二から第五実施形態については第一実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いる。
第一実施形態に係る動弁装置を示す平面図(図1−2のA−A線に沿う断面図)である。 図1−1のB−B線に沿う断面図である。 図1−2のC−C線に沿う断面図である。 図1−2のD−D線に沿う断面図である。 図1−3のE−E線に沿う断面図である。 図1−4のF−F線に沿う断面図である。 図1−2のG−G線に沿う断面図である。 図1−2のH−H線に沿う断面図である。 角度誤差吸収シムの詳細図である。 バルブリフトアーム部先端のリテーナ係合形状詳細図である。 皿バネ式バルブスプリングの詳細図である。 排気ポート断面図(水通路図)である。(図1−2のJ−J断面図) 直打式バルブ戻しスプリング付動弁装置の図1−2相当断面図である。 バルブリフトカーブ図である。
第二実施形態に係る動弁装置を示す平面図(図2−2のA−A線に沿う断面図)である。 図2−1のB−B線に沿う断面図である。 図2−2のC−C線に沿う断面図である。 図2−2のD−D線に沿う断面図である。 図2−2のE−E線に沿う断面図である。 図2−2のF−F線に沿う断面図である。 排気ポート断面図(水通路図)である。(図2−2のG−G断面図) 角度誤差吸収シムの詳細図である。
第三実施形態に係る動弁装置を示す平面図(図3−2のA−A線に沿う断面図)である。 図3−1のB−B線に沿う断面図である。 図3−2のC−C線に沿う断面図である。 図3−2のD−D線に沿う断面図である。 図3−3のE−E線に沿う断面図である。 図3−4のF−F線に沿う断面図である。 図3−2のG−G線に沿う断面図である。 排気ポート断面図(水通路図)である。(図3−2のH−H断面図)
第四実施形態に係る動弁装置を示す平面図(図4−2のA−A線に沿う断面図)である。 図4−1のB−B線に沿う断面図である。 図4−2のC−C線に沿う断面図である。 図4−2のD−D線に沿う断面図である。 図4−2のE−E線に沿う断面図である。 図4−2のF−F線に沿う断面図である。
第五実施形態に係る動弁装置を示す平面図(図5−2のA−A線に沿う断面図)である。 図5−1のB−B線に沿う断面図である。 図5−2のC−C線に沿う断面図である。 図5−2のD−D線に沿う断面図である。 図5−2のP矢視図である。 図5−2のF−F線に沿う断面図である。 図5−2のG−G線に沿う断面図である。
1 シリンダヘッド 1IN 吸気ポート 1EX 排気ポート
IG 点火プラグホール(インジェクタホール)
1−2 吸気バルブシート
1−2EX 排気バルブシート
1−3 吸気バルブガイド
1−3EX 排気バルブガイド
1−4 砂抜き穴プラグ
2 カムシャフトハウジング
右カムシャフトハウジング
中カムシャフトハウジング
左カムシャフトハウジング
2−1 ボルト
3 シリンダヘッドカバー
3−2 シリンダヘッドカバーガスケット
3−3 シリンダヘッドカバーボルト
10 カムシャフトユニット
11 カムシャフト
11 吸気開弁カム 11 吸気閉弁カム
11EXO 排気開弁カム 11EXC 排気閉弁カム
12 ドリブンスプロケット
13 プラグ
20 吸気ロッカアームユニット
21 吸気ロッカアーム 21 開弁カムフォロワアーム部
21 閉弁カムフォロワアーム部
21 バルブリフトアーム部
21cR 右バルブリフトアーム部
21cL 左バルブリフトアーム部
21 揺動軸部
21dR 右揺動軸部
21dL 左揺動軸部
21 連結アーム
21 連結アーム
20EX 排気ロッカアームユニット
21EX 排気ロッカアーム 21EXa 開弁カムフォロワアーム部
21EXb 閉弁カムフォロワアーム部
21EXc バルブリフトアーム部
21EXcR 右バルブリフトアーム部
21EXcRR 右バルブ右リフトアーム部
21EXcRL 右バルブ左リフトアーム部
21EXcC 中バルブリフトアーム部
21EXcL 左バルブリフトアーム部
21EXcLR 左バルブ右リフトアーム部
21EXcLL 左バルブ左リフトアーム部
21EXd 揺動軸部
21EXdR 右揺動軸部
21EXdL 左揺動軸部
21EXe 連結アーム
21EXf 連結アーム
22 ピン
23 ニードルベアリング
24 ローラフォロワ
26 (吸気)ロッカアームシャフト 26 吸気右ロッカアームシャフト
26 吸気中ロッカアームシャフト
26 吸気左ロッカアームシャフト
26EX 排気ロッカアームシャフト
26−2 プラグ
27 サークリップ
28 プラグボルト
29 ワッシャ
30 吸気バルブユニット
31 吸気バルブ 31 吸気バルブステム
30EX 排気バルブユニット
31EX 排気バルブ 31EXa 排気バルブステム
32 バルブステムシール
33 係止片(コッタ)
34 下側リテーナ 34 円筒状ガイド
35 止めネジ
36 鍔付ナット 36 段付ポケット
37 シム 37 リテーナ鍔側接触面
37 ストッパ
38 バルブスプリングシート
39 バルブスプリング
61 点火プラグホールチューブ(インジェクタホールチューブ)
62 Oリング
L バルブユニット最大外周包括線
図1−11がバルブ着座時にバルブシートとバルブフェイスを密着させシールするバルブスプリング39を皿バネとし、往復運動部重量を軽減すると共に、バルブステム熱膨張によるバルブ突き上げを防止する為に必要なバルブリフトアーム部先端とシム及びリテーナ部との隙間を皿バネで押さえつけ常時0に保つことで騒音を低減する構造を示す。皿バネ荷重でリフトカーブの波打ちを抑えられる場合は、バルブリフトアーム部先端の接触部形状を上下シム接触面間寸法より適正クリアランスを差し引いた寸法を直径とした円形とし、全揺動区間でバルブ軸方向寸法が一定となるようにし、メカロス低減を図ることが出きる。荷重特性を非線形にできる皿バネの特性を活かし、取付荷重と最圧縮荷重との差を小さく抑えメカロスの低減も図れる。
バルブスプリング39をコイルスプリングから皿バネに変更し、上側のシム37と鍔付ナット36との間に配置している。鍔付ナット36には段付ポケット36aが設けられ皿バネのバルブスプリング39が収められている。本実施例では鍔付ナット36に段付ポケットを設けているが、上側のシム37に設けてもよい。
バルブステム熱膨張によるバルブ突き上げを防止する為に必要なバルブリフトアーム部先端とシム及びリテーナ部との隙間設定手順は、先ず、リテーナ部にシム37をバルブリフトアーム部先端の上下に入れ、皿バネ39を除いた状態で鍔付ナット36を締め付ける。その後、(冷機無リフト時)ロッカアームをバルブがリフトしない側(この場合バルブリフトアームを上側)に揺動させ、カムにローラフォロワを押し当てた状態で、適正クリアランスバルブリフトアーム部端と下側シムとの隙間を、吸気側0.1mm、排気側0.2mm程度(所謂タペツトクリアランス)とすると共に、バルブリフトアーム部先端と上側シムとの隙間を最少限で確保にできるようシム厚調整する。シム厚調整後皿バネ39を入れる。

Claims (19)

  1. 吸、排気弁の開閉作動をロッカアームを介して行う強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した一本のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸を並列配置し、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸の上側に配置すると共に、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置した動弁装置。
  2. 1気筒あたり複数の吸、排気バルブを有する強制開閉内燃機関において、開閉カム山部をカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブユニット最大外周包括線より吸、排気バルブ軸側にオーバーラップさせて配置した請求項1、9に記載した動弁装置。
  3. カムシャフト軸に平行方向より視て、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸に近いバルブに対しカムシャフト軸より遠ざけて、吸、排気バルブ軸Vバンク中央付近に配置した請求項1に記載した動弁装置。
  4. 点火プラグホール(インジェクタホール)をカムシャフト軸に平行方向より視て、バルブとカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸の間の吸、排気バルブ軸Vバンク内に、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、点火プラグホール(インジェクタホール)側のバルブをリフトするロッカアームのバルブリフトアーム間に配置した請求項1、12に記載した動弁装置。
  5. 点火プラグホール(インジェクタホール)を吸気バルブ側に配置した請求項1、9、12に記載した動弁装置。
  6. 吸、排気ロッカアームにおいて、揺動軸部を軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設け、分割された揺動軸部に開閉カムフォロワアーム部を配置すると共に、左右バルブリフトアーム部先端付近を連結し、分割された揺動軸部の間に他方のロッカアームの片方の揺動軸部を配置した請求項1、12に記載した動弁装置。
  7. ロッカアーム揺動軸部間を連結した請求項6、11、19に記載した動弁装置。
  8. カムシャフト軸に近いバルブをリフトするロッカアームにおいて、閉弁ローラフォロワをバルブリフトアーム部に設けた請求項1に記載した動弁装置。
  9. 吸、排気弁の開閉作動をロッカアームを介して行う強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二列のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及び二列のロッカアームシャフト軸を並列配置し、カムシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、ロッカアームシャフト軸をカムシャフト軸の上側に配置すると共に、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置した動弁装置。
  10. カムシャフト軸より遠いバルブをリフトするロッカアームの揺動軸部及びロッカアームシャフトを左右に分割し、その間に点火プラグホール(インジェクタホール)を配置した請求項9、18に記載した動弁装置。
  11. 吸気ロッカアームにおいて、揺動軸部を軸方向で左右のバルブリフトアーム部付近に分割して設け、分割された揺動軸部に開閉カムフォロワアーム部を配置すると共に、左右バルブリフトアーム部先端付近を連結した請求項9、18に記載した動弁装置。
  12. 吸、排気弁の開閉作動をロッカアームを介して行う強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した一本のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンク内にカムシャフト軸及びロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアームシャフト軸をシリンダヘッド合せ面側(下側)に、カムシャフト軸をロッカアームシャフト軸の上側に配置すると共に、揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置した動弁装置。
  13. 吸、排気弁の開閉作動をロッカアームを介して行う強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二軸のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンクの排気バルブ軸外側にカムシャフト軸を、カムシャフト軸下側の排気バルブ軸外側に排気ロッカアームシャフト軸を、カムシャフト軸横の排気バルブ上側に吸気ロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置した動弁装置。
  14. 吸、排気バルブ軸Vバンク角を略平行な狭角とした請求項13、18に記載した動弁装置。
  15. 点火プラグホール(インジェクタホール)をカムシャフト軸に平行方向より視て、吸、排気バルブ軸Vバンク内とし、シリンダヘッド合せ面に直角方向より視て、吸気ロッカアームのバルブリフトアーム及び揺動軸に囲まれた中に配置した請求項13に記載した動弁装置。
  16. 排気ロッカアームのバルブリフトアーム部と開弁カムフオロワアーム部をロッカアーム揺動軸に直角方向より視て、軸方向で重ならない位置に配置した請求項13に記載した動弁装置。
  17. カムシャフト軸とロッカアームシャフト軸の軸芯をシリンダヘッドカバー合せ面上に配置した請求項13、18に記載した動弁装置。
  18. 吸、排気弁の開閉作動をロッカアームを介して行う強制開閉内燃機関において、一本のカムシャフトに吸気及び排気の開、閉弁カムを軸方向に並列に配置し、ローラフォロワにて接触するカムフォロワアーム部を、カムシャフト軸に平行方向より視て、カムを挟むV字状に一体形成すると共に、バルブ軸に固定され上下に鍔を形成したリテーナ部の、上下鍔間に係合しバルブをリフトさせるバルブリフトアーム部と、カムフォロワアーム部とを一体とし、その揺動軸部をカムシャフト軸に平行に配置した吸、排気別々の二列のロッカアームシャフトにて軸支し、吸、排気バルブ軸Vバンクの排気バルブ軸外側にカムシャフト軸を、カムシャフト軸上側の排気バルブ軸外側に排気ロッカアームシャフト軸を、カムシャフト軸横の排気バルブ側に吸気ロッカアームシャフト軸を並列配置し、ロッカアーム揺動軸芯をバルブ軸方向でリテーナ鍔部上下接触面間中心の略ストローク範囲内に配置した動弁装置。
  19. 吸気ロッカアームの揺動軸部及びロッカアームシャフトを左右に分割し、その間に排気バルブを配置した請求項18に記載した動弁装置。
JP2012098173A 2012-04-05 2012-04-05 ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置 Pending JP2013217359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012098173A JP2013217359A (ja) 2012-04-05 2012-04-05 ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012098173A JP2013217359A (ja) 2012-04-05 2012-04-05 ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013217359A true JP2013217359A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49589721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012098173A Pending JP2013217359A (ja) 2012-04-05 2012-04-05 ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013217359A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101114581B1 (ko) 캠 캐리어 어셈블리
US8210147B2 (en) Sliding valve aspiration system
US8776756B2 (en) Sliding valve aspiration
US8763575B2 (en) Valve train mechanism of internal combustion engine
JP4025622B2 (ja) 汎用単気筒エンジン
WO2008052402A1 (fr) Moteur à quatre temps à arbre à cames en tête
US6953015B2 (en) Engine
CA2451944A1 (en) Internal combustion engine
JP2013217359A (ja) ローラロッカアーム式sohc強制開閉動弁装置
AU2007306907B2 (en) 4-cycle engine
US6543401B2 (en) Camshaft drive mechanism
JP2013217358A (ja) ローラロッカアーム式強制開閉動弁装置
US8794204B2 (en) Valvetrain for overhead valve engine
US8161923B2 (en) Link type variable stroke engine
JP2014159802A (ja) 排気1軸、吸気2軸カムシャフト3次元カム式連続無段可変動弁装置
JP2007205299A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP6327018B2 (ja) エンジンの動弁構造
JP2014020358A (ja) 内軸スライド式カム位相可変動弁装置
JP2008002334A (ja) 内燃機関のシリンダヘッドユニット及びそのシリンダヘッドユニットに備えられたスペーサ
JP2007239496A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
US20160201526A1 (en) Helical torsion valve spring assembly
JP4471893B2 (ja) オイルの噴射孔が設けられたカム軸を備える内燃機関
JP2013221495A (ja) ローラロッカアーム式3次元カム連続無段可変動弁装置
JP2014199034A (ja) 内燃機関及びコネクティングロッド
JP2013087676A (ja) エンジンの動弁装置