JP2013214932A - 圧電素子 - Google Patents

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賞純 岡林
Kazuho Uchida
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Abstract

【課題】 本発明は、高い圧電性を有する圧電素子を提供する。
【解決手段】 本発明の圧電素子Aは、エレクトレットシート1の両面に電極板2、2が積層されてなる圧電素子であって、上記エレクトレットシート1と上記電極板2、2との対向面間には空間部3が形成されており、上記電極板2、2によって上記エレクトレットシート1を変形させることによって電荷を発生させることを特徴とするので、エレクトレットシートの内部に帯電した電荷は勿論のこと、従来のエレクトレットシートでは有効に利用し難かったエレクトレットシートの表面に帯電した電荷も有効に利用することができ、電極板によってエレクトレットシートを変形させることによって良好な電気応答が生じ、優れた圧電性を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた圧電性を有する圧電素子に関する。
エレクトレットは絶縁性の高分子材料に電荷を注入することにより、内部に永久帯電を付与した材料である。エレクトレットは繊維状に成形して集塵フィルターなどとして広く用いられている。
合成樹脂製の発泡シートは気泡を形成している気泡膜及びこの近傍部を帯電させることによってセラミックスに匹敵する非常に高い圧電性を示すことが知られている。このような合成樹脂製の発泡シートを用いたエレクトレットは、その優れた感度を利用して音響ピックアップや各種圧力センサーなどへの応用が提案されている。
このような合成樹脂製の発泡シートの圧電性を高める方法として気泡を微細化させることが行われている。そして、特許文献1には、気泡を微細化させる方法が開示されており、従来のエレクトレットよりも高い性能が得られているものの、複雑な工程を経る必要があるといった問題点を有する。
特開2007−145960号公報
本発明は、高い圧電性を有する圧電素子を提供する。
本発明の圧電素子は、エレクトレットシートの両面に電極板が積層されてなる圧電素子であって、上記エレクトレットシートと上記電極板との対向面間には空間部が形成されており、上記電極板によって上記エレクトレットシートを変形させることによって電荷を発生させることを特徴とする。
エレクトレットシートは、汎用のエレクトレットシートを用いることできる。エレクトレットシートは、合成樹脂シートに汎用の要領で電荷を注入することによって合成樹脂シートを帯電させて製造することができる。
そして、合成樹脂シートは、合成樹脂非発泡シートであっても合成樹脂発泡シートであってもよいが、合成樹脂発泡シートであることが好ましい。合成樹脂発泡シートであると、合成樹脂発泡シート中の気泡がエレクトレットシートに加わった外力によって容易に変形し、その結果、合成樹脂発泡シート内及び合成樹脂発泡シートの表面に帯電している正電荷と負電荷との相対的な位置関係がより変動し易く、この変動によって電気応答がより容易に生じ、よって、エレクトレットシートはより優れた圧電性を示す。
合成樹脂発泡シートの見掛け密度は、低いと、エレクトレットシートの機械的強度が低下することから、合成樹脂発泡シートが電極板によって変形させられた後、合成樹脂発泡シートが元の形状に回復しないことが原因となって、圧電素子の圧電性が低下し又は圧電性が変化する虞れがあり、高いと、合成樹脂発泡シートの変形が小さくなり、エレクトレットシートの圧電性の向上度合いが低くなることがあるので、0.05〜0.5g/cm3が好ましく、0.1〜0.4g/cm3がより好ましい。なお、合成樹脂発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222に準拠して測定された値をいう。
上述では合成樹脂シートは発泡させることによって、合成樹脂発泡シート内部の気泡の気泡壁面に保持される電荷によって作られる電界を利用できるのに加え、合成樹脂非発泡シートに比べ外力によって容易に変形し易く、変形による電気応答がより容易に生じる場合を説明したが、合成樹脂シートを発泡させる代わりに、合成樹脂非発泡シートに外力によって変形可能な中空粒子を含有させてもよい。このような中空粒子としては、ガラスバルーン、中空セラミックバルーン、中空合成樹脂バルーンなどが挙げられ、合成樹脂と中空粒子との界面に電荷を保持し易く、エレクトレットシートが長期間に亘って優れた性能を維持し易いので、中空合成樹脂バルーン、ガラスバルーンが好ましい。
中空粒子の平均粒径は、小さいと、中空粒子を含有させた効果が発現せず、エレクトレットシートの圧電性がそれ程向上しないことがあり、大きいと、エレクトレットシートの機械的強度が低下することがあるので、0.03〜300μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。なお、中空粒子の平均粒径は、JIS Z8901に準拠して測定された値をいう。
中空粒子の真密度(粒子密度)は、小さいと、エレクトレットシートに外力を加えて変形させた場合に中空粒子が破損してエレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、大きいと、中空粒子を含有させた効果が発現せず、エレクトレットシートの圧電性がそれ程向上しないことがあるので、0.1〜0.9g/cm3が好ましく、0.2〜0.7g/cm3がより好ましい。なお、中空粒子の真密度は、気体置換型ピクノメータ法により測定することができる。中空粒子の真密度は、例えば、島津製作所社から商品名「アキュピックII1340シリーズ」にて市販されている乾式自動密度計を用いて測定することができる。
合成樹脂シート中における中空粒子の含有量は、少ないと、中空粒子を含有させた効果が発現せず、エレクトレットシートの圧電性がそれ程向上しないことがあり、多いと、エレクトレットシートの機械的強度が低下することがあるので、合成樹脂の総量100重量部に対して1〜60重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましい。
なお、合成樹脂シートには、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、金属害防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤が含有されていてもよい。
上記エレクトレットを構成している合成樹脂としては、絶縁性であって電荷を注入して帯電可能であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの含窒素又は含酸素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系樹脂が挙げられ、エレクトレット性の高いことから、ポリオレフィン系樹脂、含フッ素系樹脂が好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は単独で用いられても併用されてもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ホモプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、小さいと、エレクトレットシートの電荷の保持性が低下してエレクトレットシートの性能が長期間に亘って安定的に維持されないことがあるので、1100MPa以上が好ましく、1100〜2500MPaがより好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して測定された値をいう。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、大きいと、エレクトレットシートの電荷の保持性が低下してエレクトレットシートの圧電性が長期間に亘って安定的に維持されなくなることがあり、小さいと、エレクトレットシートの成形性が低下することがあるので、0.1〜100g/10分が好ましく、0.5〜50g/10分がより好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS 7210に準拠して測定された値をいう。
合成樹脂としてポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを併用する場合、合成樹脂中におけるポリエチレン系樹脂の含有量は、少なすぎても多すぎても、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、5〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましい。又、合成樹脂としてポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを併用する場合、合成樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は上記と同様の理由で10〜95重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
更に、合成樹脂シートは架橋されていることが好ましい。合成樹脂の架橋構造によって合成樹脂シート内に帯電した電荷が合成樹脂シートの外部に散逸されるのを抑制され、エレクトレットシートは長期間に亘ってエレクトレットシートの変形に伴う電荷発生量を高く安定的に持続することができる。
合成樹脂シートの架橋度は、小さいと、合成樹脂の架橋度合いが低くなり、架橋による電荷の散逸を抑制する効果が殆ど得られないことがあり、大きいと、合成樹脂の架橋度が高くなり過ぎて合成樹脂シートの柔軟性が低下して、エレクトレットシートの変形が不十分となってエレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、7〜70重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
なお、合成樹脂シートの架橋度は下記の要領で測定する。先ず、合成樹脂シートをAg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出することができる。
架橋度(重量%)=(B/A)×100
合成樹脂非発泡シートの製造方法としては、例えば、合成樹脂を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたTダイからシート状に押出して合成樹脂非発泡シートを製造し、この合成樹脂非発泡シートを必要に応じて架橋する方法が挙げられる。
又、合成樹脂発泡シートの製造方法としては、合成樹脂及び発泡剤を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたTダイから発泡性樹脂シートを押出し、この発泡性樹脂シートを必要に応じて架橋した上で、発泡性樹脂シートを加熱して発泡させて合成樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。
合成樹脂非発泡シート又は発泡性樹脂シートの架橋方法としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂非発泡シート又は発泡性樹脂シートに多官能モノマーの存在下にて電離性放射線を照射する方法が挙げられる。なお、電離性放射線としては、例えば、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。
上記多官能モノマーとしては、特に限定されないが、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びアリル基からなる群から選ばれた官能基を分子内に二個以上含有している多官能モノマーが好ましく、ビニル基を二個以上含有している多官能モノマー、アクリロイル基を二個以上含有している多官能モノマー、メタクリロイル基を二個以上含有している多官能モノマーがより好ましく、ビニル基を二個含有している多官能モノマー、メタクリロイル基を二個含有している多官能モノマーが特に好ましい。
上記多官能モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、シアノエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
合成樹脂非発泡シート又は発泡性樹脂シート中における多官能モノマー成分の量は、少なすぎると、合成樹脂の架橋度合いが低くなって帯電した電荷を逃しやすくなり、エレクトレットシートの変形に伴う電荷発生量が低下することがあり、多すぎると、合成樹脂の架橋度が高くなり過ぎて合成樹脂シートの柔軟性が低下して、エレクトレットシートの変形が不十分となってエレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、合成樹脂非発泡シート又は発泡性樹脂シートを構成している合成樹脂の総量100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましい。
合成樹脂非発泡シート又は発泡性樹脂シートに照射する電離性放射線の量は、少ないと、合成樹脂に導入される架橋構造が少なくなって、架橋による電荷の散逸を抑制する効果が殆ど得られないことがあり、多いと、合成樹脂の架橋度が高くなり過ぎて合成樹脂シートの柔軟性が低下して、エレクトレットシートの変形が不十分となってエレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、0.1〜200kGyが好ましく、1〜100kGyがより好ましい。
合成樹脂シートに電荷を注入する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、一方の平板電極をアースすると共に他方の平板電極を高圧直流電源に接続して、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(2)合成樹脂シートにγ線や電子線などの電離性放射線を照射して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(3)合成樹脂シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、合成樹脂シートに高電圧を印加させてコロナ放電処理を行って合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法などが挙げられ、合成樹脂シートに容易に電荷を注入することができるので、上記(3)の方法が好ましい。
上記(1)(3)の方法において、合成樹脂シートに印加する電圧の大きさは、小さいと、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、大きいと、アーク放電してしまい、却って、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、5〜50kVが好ましく、10〜30kVより好ましい。
本発明の圧電素子では、上記エレクトレットシートの両面に電極板が積層されている。このような電極板としては、導電性を有しておればよく、例えば、アルミニウム板、銅板などの金属板、導電性半導体蒸着フィルム、金属蒸着フィルムなどが挙げられ、金属板が好ましく、アルミニウム板がより好ましい。
そして、本発明の圧電素子Aでは、図1〜6に示したように、エレクトレットシート1の表面に凹凸部1a、1aが形成されており、このエレクトレットシート1の表面の凹凸部1a、1aの頂部11a、11a・・・に接触した状態にて電極板2、2がエレクトレットシート1の表面に積層されている。なお、図1は、エレクトレットシート1が非発泡シートから形成されている場合を示し、図2は、エレクトレットシート1が発泡シートから形成されている場合を示している。
なお、電極板2、2は、エレクトレットシート1の表面の凹凸部1a、1aの頂部11a、11a・・・の全てと接触している必要はないが、電極板2、2によってエレクトレットシート1を効率良く変形させて、電荷発生量を高くすることができるので、凹凸部表面に形成されている凹凸部1aの全てと接触していることが好ましい。
エレクトレットシート1の表面に形成されている凹凸部1aとしては、エレクトレットシート1の表面と、この表面に対向する電極板2、2の表面との間に空間部3、3が形成されておればよく、形状について限定はない。エレクトレットシート1の表面に形成されている凹凸部1aとしては、例えば、図3〜5に示したような四角錘形状、三角錘形状などの角錐形状、円錐形状、図6に示したような四角柱状、三角柱状などの角柱形状、円柱形状などの柱形状などの凸部をエレクトレットシートの表面に形成することによって形成されたものが挙げられる。エレクトレットシート1の表面に形成される凸部としては、頂部となるほど細くなり変形し易いことから、錘形状が好ましい。
図3〜6では、エレクトレットシート1の表面に規則的に凸部を形成することによって凹凸部1aを形成した場合を説明したが、エレクトレットシート1の表面に不規則に凹凸を形成することによって、梨子地などのような不規則な形状を有する凹凸部1aを形成した場合であってもよい。
エレクトレットシート1の表面に凹凸部を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、エンボスロールによる加工、プレス成型加工、切削加工などが挙げられる。
上述のように、エレクトレットシート1の両面に電極板2、2が積層されており、空間部3を介してエレクトレットシート1の表面と電極板2の表面とが所定間隔を存して対向した状態となっている。
エレクトレットシート1は電荷が注入されて帯電しているが、エレクトレットシート1は内部よりも表面に多くの電荷を保持した状態となっている。
エレクトレットシート1の表面に電極板2、2が全面的に接触した状態で積層されていると、エレクトレットシート1の表面に保持された電荷が電極板2、2を通じて消失してしまうが、本発明の圧電素子Aでは、電極板2、2とエレクトレットシート1とが部分的に接触した状態で、エレクトレットシート1の両面に電極板2、2が積層されており、電極板2、2が接触していないエレクトレットシート1の表面では、電極板2、2を通じて電荷が消失することなく、電荷が保持された状態となっている。
即ち、本発明の圧電素子は、エレクトレットシート1の表面により多く存在している電荷を利用して優れた圧電性の発現を図るために、エレクトレットシート1と電極板2、2との対向面間に空間部を形成し、エレクトレットシート1の表面に電極板2、2が接触していない部分を形成し、この部分に電荷を確実に保持させることによって、エレクトレットシート1の電荷発生量を多くして圧電性の向上を図っている。
更に、エレクトレットシート1の表面に凹凸部を形成しているので、エレクトレットシート1の表面積が多くなっており、よって、エレクトレットシート1の表面に保持されている電荷量も多くすることができ、その結果、エレクトレットシート1の圧電性も向上させることができる。
優れた圧電性を有するエレクトレットシート1を電極板2、2によって変形させることによって本発明の圧電素子は良好な電気応答を生じる。
エレクトレットシート1の表面とこれに対向する電極板2との対向面間に形成される空間部3には、電極板2、2によってエレクトレットシート1を変形することができれば絶縁性の充填材が充填されていてもよい。なお、絶縁性とは、JIS K6911に準拠して測定された抵抗値が1×106Ω・cm以上であることをいう。
本発明の圧電素子は、上述の如き構成を有しており、エレクトレットシートは帯電しているが、エレクトレットシートの表面により多くの電荷が保持されており、この電荷を有効に利用するために、エレクトレットシートと電極板との対向面間に空間部が形成された状態にエレクトレットシートの両面に電極板を積層し、エレクトレットシートの表面に電極板が接触していない部分を形成し、電極板を通じてエレクトレットシートの表面に保持された電荷が消失しないように構成している。
従って、本発明の圧電素子は、エレクトレットシートの内部に帯電した電荷は勿論のこと、従来のエレクトレットシートでは有効に利用し難かったエレクトレットシートの表面に帯電した電荷も有効に利用することができ、電極板によってエレクトレットシートを変形させることによって良好な電気応答が生じ、よって、本発明の圧電素子は優れた圧電性を有する。
又、上記圧電素子において、エレクトレットシートの表面に凹凸部を形成しているので、エレクトレットシートの表面積を増大させ、エレクトレットシートの表面に保持している電荷量を多くすることができ、よって、エレクトレットシートの電荷発生量を多くして圧電素子の圧電性を向上させることができる。
更に、上記圧電素子において、エレクトレットシートが合成樹脂発泡シートである場合には、エレクトレットシートをより変形し易くして、エレクトレットシートに形成されている見掛け上、分極状態にて存在している正電荷及び負電荷の相対位置をより容易に変動させ、この変動に伴ってより良好な電気応答を生じ、よって、本発明の圧電素子はより優れた圧電性を有する。
本発明の圧電素子の一例を示した模式断面図である。 本発明の圧電素子を他の一例を示した模式断面図である。 エレクトレットシートの表面に形成した凹凸部の一例を示した断面図である。 エレクトレットシートの表面に形成した凹凸部の一例を示した平面図である。 エレクトレットシートの表面に形成した凹凸部の一例を示した斜視図である。 エレクトレットシートの表面に形成した凹凸部の他の一例を示した斜視図である。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、曲げ弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分)50重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分)50重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド3.3重量部、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)3.5重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオプロピオネート0.3重量部、並びに、金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を含有する合成樹脂組成物を二軸押出機に供給して190℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイから厚みが0.21mmの発泡性樹脂シートを押出した。
この発泡性樹脂シートに電子線を加速電圧300kVの条件下にて25kGy照射して発泡性樹脂シートを架橋した。この発泡性樹脂シートを250℃の熱風オーブンに供給してアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性樹脂シートを発泡させ、見かけ密度が0.2g/cm3で且つ厚さ0.5mmの合成樹脂発泡シートを得た。合成樹脂発泡シートの架橋度は、36重量%であった。更に、得られた合成樹脂発泡シートを150℃の雰囲気下にて一軸延伸して厚みが0.3mmの合成樹脂発泡シートを得た。
次に、合成樹脂発泡シートをその表面温度が140℃となるように加熱して溶融状態とした上で、合成樹脂発泡シートを一対のエンボスロール間に供給して合成樹脂発泡シートの両面に正四角錘状の凸部を縦横に1.4mm間隔毎に碁盤目状に形成して合成樹脂発泡シートの両面に凹凸部を形成した。なお、合成樹脂発泡シートの両面に形成された正四角錐状の凸部は、その底面が一辺1.2mmの正方形で且つ高さが80μmであった。
上記合成樹脂発泡シートに電圧−10kV、放電距離10 mm及び電圧印加時間1分の条件下にてコロナ放電処理をすることによって合成樹脂発泡シートに電荷を注入して帯電させてエレクトレットシートを得た。
得られたエレクトレットシート1の両面に、両面に凸部が形成されず平坦面に形成され且つ厚みが300μmのアルミニウム板2、2を電極板として積層させて圧電素子Aを製造した。圧電素子Aにおいて、エレクトレットシート1の両面に形成された正四角錐状の凸部11の全ての頂部11aがアルミニウム板2、2に接触した状態となっていた。
(実施例2)
合成樹脂発泡シートの両面に、底面が一辺1mmの正方形で且つ高さが20μmである凸部を縦横に0.5mm間隔毎に碁盤目状に形成したこと以外は実施例1と同様の要領で圧電素子を製造した。
(実施例3)
合成樹脂発泡シートの両面に、底面が一辺1mmの正方形で且つ高さが10μmである凸部を縦横に0.5mm間隔毎に碁盤目状に形成したこと以外は実施例1と同様の要領で圧電素子を製造した。
(実施例4)
合成樹脂発泡シートの両面に、底面が一辺1mmの正方形で且つ高さが100μmである凸部を縦横に0.5mm間隔毎に碁盤目状に形成したこと以外は実施例1と同様の要領で圧電素子を製造した。
(実施例5)
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、曲げ弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分)50重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分)50重量部、並びに、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオプロピオネート0.3重量部を含有する樹脂組成物を二軸押出機に供給して190℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイから合成樹脂シートを押出した。
次に、合成樹脂シートをその表面温度が140℃となるように加熱して溶融状態とした上で、合成樹脂シートを一対のエンボスロール間に供給して合成樹脂シートの両面に正四角錘状の凸部を縦横に1mm間隔毎に碁盤目状に形成して合成樹脂シートの両面に凹凸部を形成した。なお、合成樹脂シートの両面に形成された正四角錐状の凸部は、その底面が一辺1mmの正方形で且つ高さが50μmであった。
上記合成樹脂シートに電圧−10kV、放電距離10 mm及び電圧印加時間1分の条件下にてコロナ放電処理をすることによって合成樹脂シートに電荷を注入して帯電させてエレクトレットシートを得た。
得られたエレクトレットシート1の両面に、両面に凸部が形成されず平坦面に形成され且つ厚みが300μmのアルミニウム板2、2を電極板として積層させて圧電素子Aを製造した。圧電素子Aにおいて、エレクトレットシート1の両面に形成された正四角錐状の凸部11の全ての頂部11aがアルミニウム板2、2に接触した状態となっていた。
(実施例6)
合成樹脂シートの両面に、底面が一辺1mmの正方形で且つ高さが10μmである凸部を縦横に1mm間隔毎に碁盤目状に形成したこと以外は実施例1と同様の要領で圧電素子を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様の要領でエレクトレットシートを製造した。このエレクトレットシート1の両面全面に導電性ペーストを塗布、乾燥させて電極を形成して圧電素子を製造した。
(比較例2)
実施例4と同様の要領でエレクトレットシートを製造した。このエレクトレットシート1の両面全面に導電性ペーストを塗布、乾燥させて電極を形成して圧電素子を製造した。
得られた圧電素子の素子に荷重を掛けた状態における単位力あたりに発生する電荷量を電荷発生量(pC/N)として評価し、その結果を表1に示した。
(発生電荷量(pC/N))
実施例及び比較例毎に同様の要領で一辺が10mmの平面正方形状の圧電素子を製造した。この圧電素子に加振機を用いて荷重Fが1N、動的荷重が±0.25N、周波数が110Hzの条件下にて押圧力を加え、その時に発生する電荷Q(pC)を計測した。電荷Q(pC)を荷重F(N)で除することによって発生電荷量(pC/N)を算出した。
Figure 2013214932
1 エレクトレットシート
1a 凹凸部
11 凸部
11a 頂部
2 電極板
3 空間部
A 圧電素子

Claims (4)

  1. エレクトレットシートの両面に電極板が積層されてなる圧電素子であって、上記エレクトレットシートと上記電極板との対向面間には空間部が形成されており、上記電極板によって上記エレクトレットシートを変形させることによって電荷を発生させることを特徴とする圧電素子。
  2. エレクトレットシートの表面に凹凸部が形成されており、この凹凸部によって上記エレクトレットシートと電極板との対向面間に空間部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. エレクトレットシートがポリオレフィン系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電素子。
  4. エレクトレットシートが合成樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の圧電素子。
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