JP2013214032A - 半導体リソグラフィー用重合体の評価方法、および、該評価方法を含む半導体リソグラフィー用重合体製造方法 - Google Patents

半導体リソグラフィー用重合体の評価方法、および、該評価方法を含む半導体リソグラフィー用重合体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リソグラフィー用重合体の溶媒への溶解性を簡便に高精度で評価できる方法を提供する。
【解決手段】下記工程(1)および工程(2)を含む半導体リソグラフィー用重合体の評価方法:工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程;工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程。また、濁度または透過率の測定が、密閉または略密閉された測定容器を用いて実施する上記評価方法。

【選択図】なし

Description

本発明は、半導体リソグラフィー用重合体の評価方法、および、該評価方法を含む半導体リソグラフィー用重合体製造方法に関する。
半導体素子、液晶素子等の製造工程においては、近年、リソグラフィーによるパターン形成の微細化が急速に進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術およびEUVエキシマレーザー(波長:13nm)リソグラフィー技術が研究されている。
また、例えば、照射光の短波長化およびパターンの微細化に好適に対応できるレジスト組成物として、酸の作用により酸脱離性基が脱離してアルカリ可溶性となる重合体と、光酸発生剤とを含有する、いわゆる化学増幅型レジスト組成物が提唱され、その開発および改良が進められている。
ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用重合体としては、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。
例えば下記特許文献1には、単量体として、(A)ラクトン環を有する脂環式炭化水素基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、(B)酸の作用により脱離可能な基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、および(C)極性の置換基を有する炭化水素基または酸素原子含有複素環基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステルを用いてなるレジスト用の重合体が記載されている。
ところで、リソグラフィー用重合体の溶媒に対する溶解性は、製造から使用の様々な段階で重要となる物性である。溶解性の評価方法としては、下記特許文献2、3のように目視または透過率により評価するのが一般的である。
また、レジスト用重合体は、これを含有するレジスト組成物を使用して良好なパターンを形成できるかどうかが重要である。かかるレジスト用重合体の評価は、実際にレジスト組成物を調製して、該レジスト組成物の各種現像特性等を測定する方法が一般的である。
下記特許文献4、5には、レジスト用重合体を含む樹脂をレジスト溶剤に溶解させ、該溶液についての動的光散乱を測定して得られる特定のパラメータから、該樹脂を用いたレジスト組成物における現像欠陥の発生度合い、パターン寸法のばらつき(LER)の度合い、または液中異物発生の度合いを予測する方法が記載されている。
特開2002−145955号公報 特開2006−036894号公報 特開2011−144365号公報 特開2005−091407号公報 特開2011−048354号公報
しかしながら、分子量分布や組成分布を精密に制御している次世代リソグラフィー用重合体においては、構造の差異や溶媒への溶解性の差異は僅かであるため、その重合体同士の差は特許文献2、3に記載の方法では検出することができず、次世代のリソグラフィー用重合体に適した方法となっていないのが現状である。
また、特許文献4、5に記載の方法では、実際にレジスト組成物を調製して現像を行わなくてもレジスト性能を評価できるものの、レジスト用重合体溶液の濃度や貧溶媒の添加量を変化させながら光散乱測定を行うため、操作が煩雑という問題があった。
また、レジスト用重合体以外のリソグラフィー用重合体、例えばリソグラフィー工程において、レジスト膜の上層若しくは下層に形成される反射防止膜、ギャップフィル膜、トップコート膜等の薄膜形成に用いられる重合体についても同様に、これを含有するリソグラフィー用組成物が、高精度の微細加工を行うための性能(リソグラフィー特性)を備えているかどうかが重要である。そして、実際にリソグラフィー用組成物を調製してリソグラフィー工程を行わなくても、リソグラフィー用重合体の、リソグラフィー用組成物としたときの性能を簡便に評価できる方法が望まれていた。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、リソグラフィー用重合体の溶媒への溶解性を簡便に高精度で評価できる方法を提供することを目的とする。またリソグラフィー用重合体の、リソグラフィー用組成物としたときのリソグラフィー特性を、実際にリソグラフィー用組成物を調製しなくても簡便に高精度で評価できる方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、下記工程(1)および工程(2)を含む半導体リソグリフィー用重合体の評価方法:
工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程、
工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程、
である。
本発明の第2の態様は、前記、濁度または透過率の測定が、密閉または略密閉された測定容器を用いて実施する第1の態様に記載の評価方法である。
本発明の第3の態様は、前記重合体の貧溶媒の添加量をあらかじめ決定する工程を更に含む、第1または第2の態様に記載の評価方法である。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の評価方法を含む、半導体リソグリフィー用重合体の製造方法である。
本発明の方法によれば、リソグラフィー用重合体の溶媒に対する溶解性を、簡便に高精度で評価することができる。
また、本発明の方法によれば、リソグラフィー用重合体を含むリソグラフィー用組成物の特性を、実際にリソグラフィー用組成物を調製しなくても評価することができる。
これらにより、リソグラフィー用重合体の簡便に高精度で評価、品質管理、製造と、生産性の向上を実現することができる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
<リソグラフィー用重合体>
本発明において評価の対象となるリソグラフィー用重合体は、リソグラフィー工程に用いられる重合体であれば、特に限定されずに適用することができる。
例えば、ポジ型またはネガ型のレジスト膜の形成に用いられるポジ型またはネガ型レジスト用重合体、レジスト膜の上層に形成される反射防止膜(TARC)、またはレジスト膜の下層に形成される反射防止膜(BARC)の形成に用いられる反射防止膜用重合体、ギャップフィル膜の形成に用いられるギャップフィル膜用重合体、トップコート膜の形成に用いられるトップコート膜用重合体が挙げられる。
レジスト用重合体の例としては、酸脱離性基を有する構成単位の1種以上と、極性基を有する構成単位の1種以上とを含む重合体が挙げられる。
反射防止膜用重合体の例としては、吸光性基を有する構成単位と、レジスト膜と混合を避けるため、硬化剤などと反応して硬化可能な反応性官能基を有する構成単位とを含む重合体が挙げられる。
吸光性基とは、レジスト組成物中の感光成分が感度を有する波長領域の光に対して、高い吸収性能を有する基であり、具体例としては、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、キノキサリン環、チアゾール環等の環構造(任意の置換基を有していてもよい。)を有する基が挙げられる。特に、照射光として、KrFレーザ光が用いられる場合には、アントラセン環または任意の置換基を有するアントラセン環が好ましく、ArFレーザ光が用いられる場合には、ベンゼン環または任意の置換基を有するベンゼン環が好ましい。
上記任意の置換基としては、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、またはアミド基等が挙げられる。
これらのうち、吸光性基として、保護されたまたは保護されていないフェノール性水酸基を有するものが、良好な現像性・高解像性の観点から好ましい。
上記吸光性基を有する構成単位・単量体として、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化剤などと反応して硬化可能な反応性官能基とは、具体例としては、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、エポキシ基等が挙げられ、これらを有する構成単位・単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ギャップフィル膜用重合体の例としては、狭いギャップに流れ込むための適度な粘度を有し、レジスト膜や反射防止膜との混合を避けるため、硬化剤などと反応して硬化可能な反応性官能基を有する構成単位を含む重合体、具体的にはヒドロキシスチレンと、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の単量体との重合体が挙げられる。
液浸リソグラフィーに用いられるトップコート膜用重合体の例としては、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体、水酸基が置換したフッ素含有基を有する構成単位を含む重合体等が挙げられる。
これらのリソグラフィー用重合体を分子設計通りに共重合反応させることは容易でなく、分子量や単量体の組成比にばらつきが生じる。また分子設計が同じでも、製造方法が異なると、分子量や単量体の組成比におけるばらつきの度合いが異なり、リソグラフィー工程にあってはかかる製造方法の違いだけでも性能に差が生じ得る。本発明の評価方法によれば、そのような製造方法の違いによる性能の差も評価できるため、リソグラフィー用重合体は本発明における評価対象の重合体として好ましい。
<レジスト用重合体>
以下、リソグラフィー用重合体の代表例としてレジスト用重合体(以下、単に重合体ということもある。)を挙げて本発明を説明するが、他のリソグラフィー用重合体も同様に適用できる。
レジスト用重合体は、レジスト膜の形成に用いられる重合体であれば、特に限定されずに適用することができる。
具体的には、酸脱離性基を有する構成単位の1種以上と、極性基を有する構成単位の1種以上とを含むレジスト用重合体が好ましい。該レジスト用重合体は、酸脱離性基を有する単量体の1種以上と、極性基を有する単量体の1種以上とからなる単量体混合物を重合して得られる。
[酸脱離性基を有する構成単位・単量体]
「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
酸脱離性基を有する構成単位を含む重合体は、レジスト組成物として用いた場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターンの形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の含有量は、感度および解像度の点から、重合体を構成する全構成単位のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基、および重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。重合性多重結合とは重合反応時に開裂して共重合鎖を形成する多重結合であり、エチレン性二重結合が好ましい。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
特に、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト組成物を製造する場合には、酸脱離性基を有する単量体の好ましい例として、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[極性基を有する構成単位・単量体]
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、極性基を有する構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する構成単位を有することが好ましい。
(ラクトン骨格を有する構成単位・単量体)
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
重合体がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が特に好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β―ガンマブチロラクトン(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α―ガンマブチロラクトン(メタ)アクリレート、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物等も挙げられる。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(親水性基を有する構成単位・単量体)
本明細書における「親水性基」とは、−C(CF−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、親水性基としてヒドロキシ基、シアノ基を有することが好ましい。
重合体における親水性基を有する構成単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル、単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、環式炭化水素基を有する単量体(シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。
親水性基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<重合開始剤>
重合開始剤を使用する重合では、重合開始剤のラジカル体が反応溶液中に生じ、このラジカル体を起点として単量体の逐次重合が進行する。本発明のレジスト用重合体の製造に用いられる重合開始剤は、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましく、10時間半減期温度が重合温度条以下であるものを用いることが好ましい。例えばリソグラフィー用重合体を製造する場合の好ましい重合温度は50〜150℃であり、重合開始剤としては10時間半減期温度が50〜70℃のものを用いることが好ましい。また重合開始剤が効率的に分解するためには、重合開始剤の10時間半減期温度と重合温度との差が10℃以上であることが好ましい。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;が挙げられる。アゾ化合物がより好ましい。
<溶媒>
本発明の重合体の製造方法においては重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記すこともある。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記すこともある。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合反応終了時の反応器内の液(重合反応溶液)の固形分濃度が20〜40質量%程度となる量が好ましい。
<リソグラフィー用重合体の製造方法>
以下、リソグラフィー用重合体の製造方法の代表例としてレジスト用重合体の製造方法を挙げて説明するが、他のリソグラフィー用重合体も同様に適用できる。
レジスト用重合体は、ラジカル重合法によって得ることができる。重合方法は特に限定されず、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法を適宜用いることができる。
特に、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する工程を容易に行える点、重合体の分子量を比較的低くしやすい点から、溶液ラジカル重合法が好ましい。そのうちで、製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体を簡便に得やすい点から、滴下重合法が更に好ましい。
滴下重合法においては、重合容器内を所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤を、各々独立に、または任意の組み合わせで、重合容器内に滴下する。単量体は、単量体のみで滴下してもよく、または単量体を溶媒に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。重合容器に予め溶媒を仕込んでもよく、仕込まなくてもよい。重合容器に予め溶媒を仕込まない場合、単量体または重合開始剤は、溶媒がない状態で重合容器中に滴下される。
上記重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、単量体溶液に溶解させてもよく、または溶媒のみに溶解させてもよい。単量体および重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、重合容器中に滴下してもよく、各々独立した貯槽から重合容器中に滴下してもよい。または、各々独立した貯槽から重合容器に供給する直前で混合して、重合容器中に滴下してもよい。上記単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
なお、滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、または単量体や重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。滴下は、連続的または間欠的に行ってもよい。
<評価方法>
本発明の評価方法は、リソグラフィー用重合体、重合体の良溶媒、重合体の貧溶媒から成る溶液を、濁度または透過率で評価する方法であり、(1)試験溶液を調整する試験溶液調整工程と、(2)濁度または透過率を測定する評価工程を含む。
<(1)試験溶液調製工程>
試験溶液は、リソグラフィー用重合体、重合体の良溶媒、重合体の貧溶媒を含む。
調製の手順は、重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加しても良いし、または良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に重合体を溶解させても良く、さらに、重合体、良溶媒、貧溶媒の混合を同時に行っても良い。このうち、重合体の析出が起こりにくく、溶液が不均一になりにくい点で、重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加する方法が、最も好ましい。
良溶媒の種類およびリソグラフィー用重合体と良溶媒の比は、重合体と良溶媒が全体に均一に混合する状態になれば、特に制限はない。例えば、重合体が良溶媒に完全溶解しても良く、濁りがあっても試験溶液全体が均一であれば良い。重合体と良溶媒の比は、0.5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%が更に好ましい。本評価方法では、貧溶媒の共存により、重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させ、その時の濁度または透過率を測定するため、0.5質量%〜30質量%の濃度であれば、重合体が良溶媒に完全に溶解するとともに、重合体の貧溶媒の共存により濁度や透過率で重合体間の差異を検出しやすくなる。
本明細書における良溶媒とは、常温(25℃)において、リソグラフィー用重合体を、5質量倍量以下の溶媒量で完全に溶解できる溶媒をいう。特に3質量倍量以下の溶媒量でリソグラフィー用重合体を完全に溶解できるものを用いることが好ましい。試験溶液に用いる良溶媒は1種単独の溶媒でもよく2種以上の混合物でもよい。混合溶媒の場合は、混合後に上記良溶媒の条件を満たすものであれば、良溶媒として用いることができる。
一方、貧溶媒とは、常温(25℃)において、リソグラフィー用重合体に対し、5質量倍量の単独溶媒を加えて撹拌しても全く溶解しない溶媒をいう。特に10質量倍量の単独溶媒を加えても全く溶解しないものを用いることが好ましい。混合溶媒の場合は、混合後に上記貧溶媒の条件を満たすものであれば、貧溶媒として用いることができる。
貧溶媒の量は、重合体の析出が起こらない範囲であれば特に限定されず、また重合体の分子量や組成によって、最適な量が異なるが、概ね以下が目安となる。すなわち、後述の濁度が4.0〜20.0NTUとなる範囲、または400nmでの透過率が86〜97%となる範囲で添加するのが好ましく、濁度が5.0〜15.0NTUとなる範囲、または400nmでの透過率が89〜96%となる範囲で添加するのが更に好ましく、濁度が6.0〜10.0NTUとなる範囲、または400nmでの透過率が93〜95%となる範囲で添加するのが最も好ましい。
このような濁度または透過率の範囲にするために、重合体と良溶媒による溶液に、徐々に貧溶媒を加えて随時濁度または透過率を測定しても良いし、予備実験によって貧溶媒添加量と濁度または透過率の関係を見積もり、あらかじめ貧溶媒の添加量を決定しても良い。このうち、あらかじめ貧溶媒の添加量を決めることが、精度や効率の点で好ましい。
本評価方法では、貧溶媒を共存させることで、重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させる。これにより、重合体中の難溶解成分の凝集が起こり、貧溶媒を共存させない場合と比較して濁度や透過率に変化が生じる。本評価方法では、この難溶解成分を検出し、重合体全体の溶解性を評価していると言える。貧溶媒が共存しない条件下では、難溶解成分も他の成分と変わらず良溶媒に均一に溶解しているため、難溶解成分の検出、それによる重合体全体の溶解性の比較は不可能である。
良溶媒としては、リソグラフィー用組成物を調製する際に用いられる公知のリソグラフィー溶媒から適宜選択して用いることができる。1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましい良溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
貧溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水などを用いることができる。貧溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、評価対象のレジスト用重合体がアクリル系重合体である場合、良溶媒としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、乳酸エチル、THF、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を用い、貧溶媒としてIPE(ジイソプロピルエーテル)、ヘキサン、ヘプタン、メタノールを用いることが好ましい。
<(2)評価工程>
上記試験溶液について濁度または透過率を測定する。濁度または透過率の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS K0101やISO7027にて規定されているような、透過光式、散乱光式、積分球式、表面散乱式の濁度計による濁度測定などが挙げられる。透過率測定においては、例えば、紫外可視分光光度計による測定が挙げられ、リソグラフィー用重合体がアクリル系重合体である場合、測定波長として可視光領域の波長が好ましく、具体的には380〜780nmが好適である。
濁度または透過率を測定する際、試験溶液を入れる容器は、密閉または略密閉された容器であることが望ましい。「密閉または略密閉された容器」とは、溶剤の揮発が抑制できれば特に限定はされず、容器に専用の蓋をしても良く、覆いをかぶせても良い。
試験溶液は、貧溶媒を加えた時点から測定まで一定時間撹拌することが好ましい。撹拌時間は、試験溶液が均一になれば、特には限定されないが1〜8時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。貧溶媒の添加により、重合体の良溶媒への溶解性が低くなり、一時的に析出またはそれに近い状態になる。撹拌時間が1時間以下であると、試験溶液が均一になる前に測定をすることになり、正しい値が得られない。一方、撹拌時間が8時間以上であると、撹拌中に良溶媒・貧溶媒の揮発が徐々に起き、溶液の組成が初期と変わってしまう可能性がある。
また、2種以上の重合体の比較を行う場合は、撹拌時間の差は1時間以内であることが望ましく、30分以内であることがさらに望ましい。
試験溶液の調製および撹拌温度、濁度および透過率の測定温度は、特に限定されないが、15℃〜35℃が好ましく、より好ましくは、20℃〜30℃である。重合体のへの溶解性は、溶液温度によって異なるため、試験溶液の調整、撹拌、測定はすべて同一の温度で評価することが好ましく、そのため、温度が安定しやすい、室温に近い温度で測定を行うことが好ましい。
また、正確な測定を行うために、試験溶液の調整および撹拌温度、濁度および透過率の測定は、指定した温度の±3℃の範囲で実施するのが好ましく、±2℃の範囲で実施するのが更に好ましく、±1℃の範囲で実施するのが最も好ましい。
また、2種以上の重合体の比較を行う場合は、試験溶液の調整、撹拌、測定の各工程で、温度を統一することが望ましい。
温度管理方法は特に限定はされないが、例えば、作業を行う部屋全体の温度を管理しても良いし、内部の温度を管理した、グローブボックスやドラフトチャンバーの中で作業を行っても良い。また撹拌については、上記の他、恒温の水槽やエアバスを用いても良い。
リソグラフィー用重合体がレジスト用重合体である場合、試験溶液組成を一定にした場合の濁度または透過率は、後述の実施例に示されるように、レジスト用重合体をレジスト組成物としたときの感度と相関している。すなわち、重合体の物性、重合体の重量平均分子量や組成等の相違がない場合には、濁度が小さいほど、または透過率が大きいほど感度が良い。したがって、濁度または透過率を用いて感度の評価を行うことができる。
また、感度が良いということは、レジスト組成物の露光後のアルカリ溶解性が良好であることを意味しており、例えば、現像欠陥(ディフェクト)、およびパターン寸法のばらつき(LER)等の現像特性も良いと推測される。すなわち、感度が良いということは、現像特性等のリソグラフィー特性も良いと推測される。
なお、後述の実施例に示されるように、貧溶媒の共存により、リソグラフィー用重合体の良溶媒への溶解性が低下し、析出してくる成分は、重合体のうちでも比較的高分子量の成分であり、かつ構成単位の組成が設計値から比較的大きく外れている成分である。このことから、該成分は重合体の不均一性を増大させる成分であると考えられる。そして本発明における上記濁度が小さいほど、または透過率が大きいほど、かかる重合体における均一性が高いことを意味し、均一性が高いために感度等の現像特性が良くなっていると考えられる。
したがって、本発明の評価方法を用いることによって、レジスト用組成物の現像特性の評価だけでなく、リソグラフィー用重合体の均一性によって変動するリソグラフィー特性の評価が可能である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表1〜3に記載の配合を用い、下記合成手順にて、重合体A−1〜3、B−1〜2、C−1〜3を合成した。
重合体の合成に使用した溶剤、重合開始剤を以下に示す。
溶剤(S)
S−1:乳酸エチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S−3:メタノール
S−4:水
S−5:ジイソプロピルエーテル(IPE)
重合開始剤(R)
R−1:ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V−601(製品名))
R−2:アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
重合体の合成に使用した単量体(M−1)〜(M−6)を以下に示す。
Figure 2013214032
M−1:α−GBLMA(α―ガンマブチロラクトンメタクリレート)
M−2:ECHMA(1−エチルシクロヘキシルメタクリレート)
M−3:HAdMA(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)
M−4:MAdMA(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート)
M−5:BZMA(ベンジルメタクリレート)
M−6:HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)

Figure 2013214032
Figure 2013214032
Figure 2013214032
重合体A−1〜A−3およびB−1〜2の合成
分子設計における構成単位の組成比は、A−1〜3はα−GBLMA:ECHMA:HAdMA=40:40:20(モル%)、B−1〜2α−GBLMA:MAdMA:HAdMA=45:35:20(モル%)としている。
(工程1)窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、表1、2の工程1部分に記載の混合比で調製した混合溶液を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。上記混合比は、各重合体における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め求められた組成である。
(工程2)表1、2の工程2部分に記載の混合比で調製した混合溶液を滴下漏斗より一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を3時間保持した。
(工程3)工程2における混合溶液の滴下開始と同時に、表1、2の工程3部分に記載の混合比で調製した混合溶液を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。本工程で滴下する重合開始剤量によって、重合工程の初期に生成する重合体の重量平均分子量が変化するが、各重合体の目標とする重合平均分子量に近くなるよう設定している。
(工程4)次いで、表1、2の工程4部分に記載の混合比で調製した混合溶媒を、得られた反応溶液の約7倍量準備し、攪拌しながら反応溶液を滴下して、白色のゲル状物の沈殿を得て、濾別した。
(工程5)表1、2の工程5部分に記載の混合比で調製した混合溶媒を、工程4と同量準備し、濾別した沈殿をこの混合溶媒中に投入した。これを濾別、回収し、減圧下60℃で約40時間乾燥し、各重合体の粉末を得た。
重合体C−1〜2の合成
分子設計における構成単位の組成比は、BZMA:HEMA:α−GBLMA=25:25:50(モル%)としている。
(工程1)窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、表3の工程1部分に記載の混合比で調製した混合溶液を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。上記混合比は、各重合体における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め求められた組成である。
(工程2)表3の工程2部分に記載の混合比で調製した混合溶液を滴下漏斗より一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を3時間保持した。
(工程3)工程2における混合溶液の滴下開始と同時に、表3の工程3部分に記載の混合比で調製した混合溶液を別の滴下漏斗より0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。本工程で滴下する重合開始剤量によって、重合工程の初期に生成する重合体の重量平均分子量が変化するが、各重合体の目標とする重合平均分子量に近くなるよう設定している。
(工程4)次いで、得られた反応溶液の50質量%のPGMEをフラスコに投入し、反応溶液を希釈した。その後、表3の工程4部分に記載の溶媒を、得られた反応溶液の約4倍量準備し、攪拌しながら反応溶液を滴下して、白色のゲル状物の沈殿を得て、濾別した。これを回収し、減圧下60℃で約40時間乾燥し、各重合体の粉末を得た。
(リソグラフィー用重合体の重量平均分子量)
重合体A−1〜A−3、B−1〜2、C−1〜2について重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を以下の方法で測定した。
約20mgのサンプルを5mLのTHFに溶解し、0.5μmのメンブランフィルターで濾過して試料溶液を調製し、この試料溶液を東ソー製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)装置:HCL−8220(製品名)を用いて、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。この測定において、分離カラムは、昭和電工社製、Shodex GPC LF−804L(製品名)を3本直列にしたものを用い、溶剤はTHF(テトラヒドロフラン)、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mLで、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用した。測定結果を表4〜6に示す。
(リソグラフィー用重合体における構成単位の組成比)
リソグラフィー用重合体における、各構成単位の組成比(単位:モル%)を、H−NMRの測定により求めた。
この測定において、日本電子(株)製、JNM−GX270型 超伝導FT−NMRを用い、約5質量%のサンプル溶液(溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(A−1〜3、B−1〜2)、重水素化クロロホルム(C−1〜2))を直径5mmφのサンプル管に入れ、観測周波数270MHz、シングルパルスモードにて、H 64回の積算を行った。測定温度は測定溶媒が重水素化ジメチルスルホキシドの場合は60℃、重水素化クロロホルムの場合は40℃で行った。測定結果を表4〜6に示す。
Figure 2013214032
Figure 2013214032
Figure 2013214032
<実施例1>
(試験溶液の調製)
重合体A−1〜3を、表7に記載の配合を用い、試験溶液A−1−1〜A−3−1を準備した。良溶媒に重合体を完全溶解させたあとに、貧溶媒を添加する手順とし、貧溶媒添加後4時間撹拌して、試験溶液とした。溶液調整時・撹拌時の温度は25℃±1℃とした。
(濁度計による評価)
濁度計として、Orbeco−Hellige社製、TB200(製品名)を用いた。装置専用セルに試験溶液A−1−1〜A−3−1をそれぞれ入れ、濁度を測定した。専用セルは専用蓋により密閉状態とし、濁度測定時の温度は25℃±1℃とした。結果を表13に示す。
(紫外可視分光光度計による評価)
紫外可視分光光度計として、島津製作所社製、UV−3100PC(製品名)を用い、光路長10mmの石英製角型セルに測定用溶液A−1−1〜A−3−1をそれぞれ入れ、波長400nmにおける透過率を測定した。角型セルは、覆いにより略密閉状態とし、透過率測定時の温度は25℃±1℃とした。結果を表13に示す。
<実施例2〜3>
重合体B−1〜2、C−1〜3を用い、表8、9に記載の配合にて、実施例1と同様の方法にて試験溶液B−1−1〜B−2−1、C−1−1〜C−2−1を準備し、濁度系による評価および紫外可視分光光度計による評価を行った。結果を表14〜15に示す。
<比較例1>
(試験溶液の調製)
重合体A−1〜3を、表10に記載の配合を用い、試験溶液A−1−2〜A−3−2を準備した。溶液調整時・撹拌時の温度は25℃±1℃とした。
(濁度計による評価)
実施例1と同様にして測定した。結果を表16に示す。
(紫外可視分光光度計による評価)
実施例1と同様にして測定した。結果を表16に示す。
<比較例2〜3>
重合体B−1〜2、C−1〜3を用い、表11、12に記載の配合にて、実施例1と同様の方法にて試験溶液B−1−2〜B−2−2、C−1−2〜C−2−2を準備し、濁度系による評価および紫外可視分光光度計による評価を行った。結果を表17〜18に示す。
[感度評価]
リソグラフィー用重合体A−1〜3、B−1〜2をそれぞれ用いてリソグラフィー用のレジスト組成物を調製し、これを用いてドライリソグラフィーを行ったときの感度を以下の方法で測定した。
(レジスト組成物の調製)
下記の配合成分を混合してレジスト組成物を得た。
レジスト用重合体:10部、
光酸発生剤(みどり化学(株)社製、製品名:TPS−105、トリフェニルスルホニウムトリフレート):0.2部、
レベリング剤(日本ユニカー(株)社製、製品名:L−7001):0.2部、
溶媒(PGMEA):90部。
(ドライリソグラフィー)
上記で得たレジスト組成物を、6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PB)して、厚さ300nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン社製、製品名:VUVES−4500)を用い、露光量を変えて18ショットの露光を行った。1ショットは10mm×10mmの矩形領域に対する全面露光である。次いで110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン社製、製品名:RDA−790)を用い、23.5℃にて2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で65秒間現像し、現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。各露光量ごとに、初期膜厚に対する、60秒間現像した時点での残存膜厚の割合(以下、残膜率という。単位:%)を求めた。
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm)の対数と、残膜率(%)との関係をプロットした曲線(以下、露光量残膜率曲線という)を作成し、前記露光量残膜率曲線が残膜率=0%の直線と交わる点における露光量(mJ/cm)(以下、Ethという)の値を求めた。Ethとは、残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。Ethが小さいほど感度が高い。結果を表13、14、16、17に示す。
Figure 2013214032

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Figure 2013214032

Figure 2013214032
表13〜15(実施例1〜3)に示す通り、本発明の評価方法の結果は、リソグラフィー用重合体の良溶媒に対する溶解性を、定量的に示すことができ、評価の手順も簡便である。また、A−1〜3またはB−1〜2のようなレジスト用重合体における本発明の評価方法の結果は、現像欠陥やLERと関連性のあるEthに相関関係が示され、間接的にリソグラフィー特性を評価することができることを確認した。C−1〜2のような反射防止膜用重合体においては、溶解性が良好であるほど、基材上に塗膜した際の面内におけるリソグラフィー性能のばらつきの低減に結びつくことから、本発明の評価方法の結果により、リソグラフィー特性そのものを示していると言える。
また表16〜18(比較例1〜3)に示す通り、試験溶液が重合体の貧溶媒を含まない条件下では、重合体の良溶媒に対する溶解性を、正確に示すことができず、レジスト用重合体においてEthとの相関関係も示されなかった。

Claims (4)

  1. 下記工程(1)および工程(2)を含む半導体リソグラフィー用重合体の評価方法:
    工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程、
    工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程。
  2. 前記濁度または透過率の測定が、密閉または略密閉された測定容器を用いて実施する、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記重合体の貧溶媒の添加量をあらかじめ決定する工程を更に含む、請求項1または2に記載の評価方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の評価方法を含む、半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
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