JP2013214032A - 半導体リソグラフィー用重合体の評価方法、および、該評価方法を含む半導体リソグラフィー用重合体製造方法 - Google Patents
半導体リソグラフィー用重合体の評価方法、および、該評価方法を含む半導体リソグラフィー用重合体製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】下記工程(1)および工程(2)を含む半導体リソグラフィー用重合体の評価方法:工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程;工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程。また、濁度または透過率の測定が、密閉または略密閉された測定容器を用いて実施する上記評価方法。
【選択図】なし
Description
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術およびEUVエキシマレーザー(波長:13nm)リソグラフィー技術が研究されている。
また、例えば、照射光の短波長化およびパターンの微細化に好適に対応できるレジスト組成物として、酸の作用により酸脱離性基が脱離してアルカリ可溶性となる重合体と、光酸発生剤とを含有する、いわゆる化学増幅型レジスト組成物が提唱され、その開発および改良が進められている。
例えば下記特許文献1には、単量体として、(A)ラクトン環を有する脂環式炭化水素基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、(B)酸の作用により脱離可能な基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、および(C)極性の置換基を有する炭化水素基または酸素原子含有複素環基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステルを用いてなるレジスト用の重合体が記載されている。
下記特許文献4、5には、レジスト用重合体を含む樹脂をレジスト溶剤に溶解させ、該溶液についての動的光散乱を測定して得られる特定のパラメータから、該樹脂を用いたレジスト組成物における現像欠陥の発生度合い、パターン寸法のばらつき(LER)の度合い、または液中異物発生の度合いを予測する方法が記載されている。
工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程、
工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程、
である。
また、本発明の方法によれば、リソグラフィー用重合体を含むリソグラフィー用組成物の特性を、実際にリソグラフィー用組成物を調製しなくても評価することができる。
これらにより、リソグラフィー用重合体の簡便に高精度で評価、品質管理、製造と、生産性の向上を実現することができる。
本発明において評価の対象となるリソグラフィー用重合体は、リソグラフィー工程に用いられる重合体であれば、特に限定されずに適用することができる。
例えば、ポジ型またはネガ型のレジスト膜の形成に用いられるポジ型またはネガ型レジスト用重合体、レジスト膜の上層に形成される反射防止膜(TARC)、またはレジスト膜の下層に形成される反射防止膜(BARC)の形成に用いられる反射防止膜用重合体、ギャップフィル膜の形成に用いられるギャップフィル膜用重合体、トップコート膜の形成に用いられるトップコート膜用重合体が挙げられる。
吸光性基とは、レジスト組成物中の感光成分が感度を有する波長領域の光に対して、高い吸収性能を有する基であり、具体例としては、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、キノキサリン環、チアゾール環等の環構造(任意の置換基を有していてもよい。)を有する基が挙げられる。特に、照射光として、KrFレーザ光が用いられる場合には、アントラセン環または任意の置換基を有するアントラセン環が好ましく、ArFレーザ光が用いられる場合には、ベンゼン環または任意の置換基を有するベンゼン環が好ましい。
これらのうち、吸光性基として、保護されたまたは保護されていないフェノール性水酸基を有するものが、良好な現像性・高解像性の観点から好ましい。
上記吸光性基を有する構成単位・単量体として、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
液浸リソグラフィーに用いられるトップコート膜用重合体の例としては、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体、水酸基が置換したフッ素含有基を有する構成単位を含む重合体等が挙げられる。
以下、リソグラフィー用重合体の代表例としてレジスト用重合体(以下、単に重合体ということもある。)を挙げて本発明を説明するが、他のリソグラフィー用重合体も同様に適用できる。
レジスト用重合体は、レジスト膜の形成に用いられる重合体であれば、特に限定されずに適用することができる。
「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
酸脱離性基を有する構成単位を含む重合体は、レジスト組成物として用いた場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターンの形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の含有量は、感度および解像度の点から、重合体を構成する全構成単位のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、極性基を有する構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する構成単位を有することが好ましい。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
重合体がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「親水性基」とは、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、親水性基としてヒドロキシ基、シアノ基を有することが好ましい。
重合体における親水性基を有する構成単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤を使用する重合では、重合開始剤のラジカル体が反応溶液中に生じ、このラジカル体を起点として単量体の逐次重合が進行する。本発明のレジスト用重合体の製造に用いられる重合開始剤は、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましく、10時間半減期温度が重合温度条以下であるものを用いることが好ましい。例えばリソグラフィー用重合体を製造する場合の好ましい重合温度は50〜150℃であり、重合開始剤としては10時間半減期温度が50〜70℃のものを用いることが好ましい。また重合開始剤が効率的に分解するためには、重合開始剤の10時間半減期温度と重合温度との差が10℃以上であることが好ましい。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;が挙げられる。アゾ化合物がより好ましい。
本発明の重合体の製造方法においては重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記すこともある。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記すこともある。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合反応終了時の反応器内の液(重合反応溶液)の固形分濃度が20〜40質量%程度となる量が好ましい。
以下、リソグラフィー用重合体の製造方法の代表例としてレジスト用重合体の製造方法を挙げて説明するが、他のリソグラフィー用重合体も同様に適用できる。
レジスト用重合体は、ラジカル重合法によって得ることができる。重合方法は特に限定されず、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法を適宜用いることができる。
特に、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する工程を容易に行える点、重合体の分子量を比較的低くしやすい点から、溶液ラジカル重合法が好ましい。そのうちで、製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体を簡便に得やすい点から、滴下重合法が更に好ましい。
なお、滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、または単量体や重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。滴下は、連続的または間欠的に行ってもよい。
本発明の評価方法は、リソグラフィー用重合体、重合体の良溶媒、重合体の貧溶媒から成る溶液を、濁度または透過率で評価する方法であり、(1)試験溶液を調整する試験溶液調整工程と、(2)濁度または透過率を測定する評価工程を含む。
試験溶液は、リソグラフィー用重合体、重合体の良溶媒、重合体の貧溶媒を含む。
調製の手順は、重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加しても良いし、または良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に重合体を溶解させても良く、さらに、重合体、良溶媒、貧溶媒の混合を同時に行っても良い。このうち、重合体の析出が起こりにくく、溶液が不均一になりにくい点で、重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加する方法が、最も好ましい。
良溶媒の種類およびリソグラフィー用重合体と良溶媒の比は、重合体と良溶媒が全体に均一に混合する状態になれば、特に制限はない。例えば、重合体が良溶媒に完全溶解しても良く、濁りがあっても試験溶液全体が均一であれば良い。重合体と良溶媒の比は、0.5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%が更に好ましい。本評価方法では、貧溶媒の共存により、重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させ、その時の濁度または透過率を測定するため、0.5質量%〜30質量%の濃度であれば、重合体が良溶媒に完全に溶解するとともに、重合体の貧溶媒の共存により濁度や透過率で重合体間の差異を検出しやすくなる。
このような濁度または透過率の範囲にするために、重合体と良溶媒による溶液に、徐々に貧溶媒を加えて随時濁度または透過率を測定しても良いし、予備実験によって貧溶媒添加量と濁度または透過率の関係を見積もり、あらかじめ貧溶媒の添加量を決定しても良い。このうち、あらかじめ貧溶媒の添加量を決めることが、精度や効率の点で好ましい。
本評価方法では、貧溶媒を共存させることで、重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させる。これにより、重合体中の難溶解成分の凝集が起こり、貧溶媒を共存させない場合と比較して濁度や透過率に変化が生じる。本評価方法では、この難溶解成分を検出し、重合体全体の溶解性を評価していると言える。貧溶媒が共存しない条件下では、難溶解成分も他の成分と変わらず良溶媒に均一に溶解しているため、難溶解成分の検出、それによる重合体全体の溶解性の比較は不可能である。
好ましい良溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
特に、評価対象のレジスト用重合体がアクリル系重合体である場合、良溶媒としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、乳酸エチル、THF、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を用い、貧溶媒としてIPE(ジイソプロピルエーテル)、ヘキサン、ヘプタン、メタノールを用いることが好ましい。
上記試験溶液について濁度または透過率を測定する。濁度または透過率の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS K0101やISO7027にて規定されているような、透過光式、散乱光式、積分球式、表面散乱式の濁度計による濁度測定などが挙げられる。透過率測定においては、例えば、紫外可視分光光度計による測定が挙げられ、リソグラフィー用重合体がアクリル系重合体である場合、測定波長として可視光領域の波長が好ましく、具体的には380〜780nmが好適である。
また、2種以上の重合体の比較を行う場合は、撹拌時間の差は1時間以内であることが望ましく、30分以内であることがさらに望ましい。
また、正確な測定を行うために、試験溶液の調整および撹拌温度、濁度および透過率の測定は、指定した温度の±3℃の範囲で実施するのが好ましく、±2℃の範囲で実施するのが更に好ましく、±1℃の範囲で実施するのが最も好ましい。
また、2種以上の重合体の比較を行う場合は、試験溶液の調整、撹拌、測定の各工程で、温度を統一することが望ましい。
温度管理方法は特に限定はされないが、例えば、作業を行う部屋全体の温度を管理しても良いし、内部の温度を管理した、グローブボックスやドラフトチャンバーの中で作業を行っても良い。また撹拌については、上記の他、恒温の水槽やエアバスを用いても良い。
また、感度が良いということは、レジスト組成物の露光後のアルカリ溶解性が良好であることを意味しており、例えば、現像欠陥(ディフェクト)、およびパターン寸法のばらつき(LER)等の現像特性も良いと推測される。すなわち、感度が良いということは、現像特性等のリソグラフィー特性も良いと推測される。
したがって、本発明の評価方法を用いることによって、レジスト用組成物の現像特性の評価だけでなく、リソグラフィー用重合体の均一性によって変動するリソグラフィー特性の評価が可能である。
溶剤(S)
S−1:乳酸エチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S−3:メタノール
S−4:水
S−5:ジイソプロピルエーテル(IPE)
重合開始剤(R)
R−1:ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V−601(製品名))
R−2:アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
M−2:ECHMA(1−エチルシクロヘキシルメタクリレート)
M−3:HAdMA(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)
M−4:MAdMA(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート)
M−5:BZMA(ベンジルメタクリレート)
M−6:HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
分子設計における構成単位の組成比は、A−1〜3はα−GBLMA:ECHMA:HAdMA=40:40:20(モル%)、B−1〜2α−GBLMA:MAdMA:HAdMA=45:35:20(モル%)としている。
(工程1)窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、表1、2の工程1部分に記載の混合比で調製した混合溶液を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。上記混合比は、各重合体における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め求められた組成である。
(工程2)表1、2の工程2部分に記載の混合比で調製した混合溶液を滴下漏斗より一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を3時間保持した。
(工程3)工程2における混合溶液の滴下開始と同時に、表1、2の工程3部分に記載の混合比で調製した混合溶液を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。本工程で滴下する重合開始剤量によって、重合工程の初期に生成する重合体の重量平均分子量が変化するが、各重合体の目標とする重合平均分子量に近くなるよう設定している。
(工程4)次いで、表1、2の工程4部分に記載の混合比で調製した混合溶媒を、得られた反応溶液の約7倍量準備し、攪拌しながら反応溶液を滴下して、白色のゲル状物の沈殿を得て、濾別した。
(工程5)表1、2の工程5部分に記載の混合比で調製した混合溶媒を、工程4と同量準備し、濾別した沈殿をこの混合溶媒中に投入した。これを濾別、回収し、減圧下60℃で約40時間乾燥し、各重合体の粉末を得た。
分子設計における構成単位の組成比は、BZMA:HEMA:α−GBLMA=25:25:50(モル%)としている。
(工程1)窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、表3の工程1部分に記載の混合比で調製した混合溶液を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。上記混合比は、各重合体における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め求められた組成である。
(工程2)表3の工程2部分に記載の混合比で調製した混合溶液を滴下漏斗より一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を3時間保持した。
(工程3)工程2における混合溶液の滴下開始と同時に、表3の工程3部分に記載の混合比で調製した混合溶液を別の滴下漏斗より0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。本工程で滴下する重合開始剤量によって、重合工程の初期に生成する重合体の重量平均分子量が変化するが、各重合体の目標とする重合平均分子量に近くなるよう設定している。
(工程4)次いで、得られた反応溶液の50質量%のPGMEをフラスコに投入し、反応溶液を希釈した。その後、表3の工程4部分に記載の溶媒を、得られた反応溶液の約4倍量準備し、攪拌しながら反応溶液を滴下して、白色のゲル状物の沈殿を得て、濾別した。これを回収し、減圧下60℃で約40時間乾燥し、各重合体の粉末を得た。
重合体A−1〜A−3、B−1〜2、C−1〜2について重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を以下の方法で測定した。
約20mgのサンプルを5mLのTHFに溶解し、0.5μmのメンブランフィルターで濾過して試料溶液を調製し、この試料溶液を東ソー製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)装置:HCL−8220(製品名)を用いて、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。この測定において、分離カラムは、昭和電工社製、Shodex GPC LF−804L(製品名)を3本直列にしたものを用い、溶剤はTHF(テトラヒドロフラン)、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mLで、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用した。測定結果を表4〜6に示す。
リソグラフィー用重合体における、各構成単位の組成比(単位:モル%)を、1H−NMRの測定により求めた。
この測定において、日本電子(株)製、JNM−GX270型 超伝導FT−NMRを用い、約5質量%のサンプル溶液(溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(A−1〜3、B−1〜2)、重水素化クロロホルム(C−1〜2))を直径5mmφのサンプル管に入れ、観測周波数270MHz、シングルパルスモードにて、1H 64回の積算を行った。測定温度は測定溶媒が重水素化ジメチルスルホキシドの場合は60℃、重水素化クロロホルムの場合は40℃で行った。測定結果を表4〜6に示す。
(試験溶液の調製)
重合体A−1〜3を、表7に記載の配合を用い、試験溶液A−1−1〜A−3−1を準備した。良溶媒に重合体を完全溶解させたあとに、貧溶媒を添加する手順とし、貧溶媒添加後4時間撹拌して、試験溶液とした。溶液調整時・撹拌時の温度は25℃±1℃とした。
濁度計として、Orbeco−Hellige社製、TB200(製品名)を用いた。装置専用セルに試験溶液A−1−1〜A−3−1をそれぞれ入れ、濁度を測定した。専用セルは専用蓋により密閉状態とし、濁度測定時の温度は25℃±1℃とした。結果を表13に示す。
紫外可視分光光度計として、島津製作所社製、UV−3100PC(製品名)を用い、光路長10mmの石英製角型セルに測定用溶液A−1−1〜A−3−1をそれぞれ入れ、波長400nmにおける透過率を測定した。角型セルは、覆いにより略密閉状態とし、透過率測定時の温度は25℃±1℃とした。結果を表13に示す。
<実施例2〜3>
(試験溶液の調製)
重合体A−1〜3を、表10に記載の配合を用い、試験溶液A−1−2〜A−3−2を準備した。溶液調整時・撹拌時の温度は25℃±1℃とした。
実施例1と同様にして測定した。結果を表16に示す。
実施例1と同様にして測定した。結果を表16に示す。
重合体B−1〜2、C−1〜3を用い、表11、12に記載の配合にて、実施例1と同様の方法にて試験溶液B−1−2〜B−2−2、C−1−2〜C−2−2を準備し、濁度系による評価および紫外可視分光光度計による評価を行った。結果を表17〜18に示す。
リソグラフィー用重合体A−1〜3、B−1〜2をそれぞれ用いてリソグラフィー用のレジスト組成物を調製し、これを用いてドライリソグラフィーを行ったときの感度を以下の方法で測定した。
(レジスト組成物の調製)
下記の配合成分を混合してレジスト組成物を得た。
レジスト用重合体:10部、
光酸発生剤(みどり化学(株)社製、製品名:TPS−105、トリフェニルスルホニウムトリフレート):0.2部、
レベリング剤(日本ユニカー(株)社製、製品名:L−7001):0.2部、
溶媒(PGMEA):90部。
上記で得たレジスト組成物を、6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PB)して、厚さ300nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン社製、製品名:VUVES−4500)を用い、露光量を変えて18ショットの露光を行った。1ショットは10mm×10mmの矩形領域に対する全面露光である。次いで110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン社製、製品名:RDA−790)を用い、23.5℃にて2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で65秒間現像し、現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。各露光量ごとに、初期膜厚に対する、60秒間現像した時点での残存膜厚の割合(以下、残膜率という。単位:%)を求めた。
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm2)の対数と、残膜率(%)との関係をプロットした曲線(以下、露光量残膜率曲線という)を作成し、前記露光量残膜率曲線が残膜率=0%の直線と交わる点における露光量(mJ/cm2)(以下、Ethという)の値を求めた。Ethとは、残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。Ethが小さいほど感度が高い。結果を表13、14、16、17に示す。
また表16〜18(比較例1〜3)に示す通り、試験溶液が重合体の貧溶媒を含まない条件下では、重合体の良溶媒に対する溶解性を、正確に示すことができず、レジスト用重合体においてEthとの相関関係も示されなかった。
Claims (4)
- 下記工程(1)および工程(2)を含む半導体リソグラフィー用重合体の評価方法:
工程(1)半導体リソグラフィー用重合体、前記重合体の良溶媒および前記重合体の貧溶媒を含む試験溶液を調製する工程、
工程(2)前記試験溶液の濁度または透過率を測定する工程。 - 前記濁度または透過率の測定が、密閉または略密閉された測定容器を用いて実施する、請求項1に記載の評価方法。
- 前記重合体の貧溶媒の添加量をあらかじめ決定する工程を更に含む、請求項1または2に記載の評価方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の評価方法を含む、半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
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