JP2013213969A - スクリーン、スクリーン製造用型の製造方法及びスクリーンの製造方法 - Google Patents

スクリーン、スクリーン製造用型の製造方法及びスクリーンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】観察される画像の輝度を高めることができるスクリーン、スクリーン製造用型の製造方法、及び、スクリーンの製造方法を提供すること。
【解決手段】画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーン1であって、光が入射される入射面2を有し、入射面2には、それぞれ光を反射させる凹状のレンズ要素3(31〜33)が複数配置され、それぞれのレンズ要素3のうち、当該スクリーンに予め設定された光の出射位置から遠い位置のレンズ要素33の曲率半径R3は、当該出射位置に近い位置のレンズ要素31の曲率半径R1に比べて大きい。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像を表示するスクリーン、スクリーン製造用型の製造方法、及び、スクリーンの製造方法に関する。
従来、プロジェクター等の画像投射装置から投射された画像を表示するスクリーンが知られている。このようなスクリーンとして、プロジェクターとの距離が短い場合でも、当該プロジェクターから入射された光を正面側の観察位置に反射できるスクリーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のスクリーンでは、画像が投射される投射面に、それぞれ入射された光を反射させる反射層が形成された凹部が複数配列されている。これら凹部に入射された投射光は、当該スクリーンに予め設定された視野角内の観察位置に反射されて画像として視認される。これら凹部は、基準点を中心とする円弧状の配列線に沿ってそれぞれ配列されており、当該基準点からの放射方向に沿って隣り合う凹部の中心間距離は、当該凹部が基準点から離れるに従って大きくなるように設定されている。
特開2011−69859号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のようなスクリーンでは、上記凹部の曲率半径は全ての凹部で略同じである。このため、上記中心間距離が大きい領域(すなわち、基準点から遠い領域)の凹部では、当該凹部の上記放射方向に沿う寸法が大きいことから、当該凹部の底部から周縁部までの高さ寸法が、必要以上に大きくなる。
ここで、このような基準点から遠い凹部には、投射面の法線方向から見て基準点と投射光の出射位置とが重なる場合、大きな入射角(投射面の法線に対する投射光の角度)で投射光が入射される。
このため、上記高さ寸法が大きいと、大きな入射角で入射される投射光が、本来入射されるべき凹部ではなく、当該凹部に対して基準点側の凹部に入射されてしまう。このような場合、当該投射光が適切な方向に反射されず、上記観察位置に反射される光の光量が少なくなり、観察される画像の輝度が低下するという問題がある。
このような問題から、上記高さ寸法を小さくするために、凹部の曲率半径を従来の凹部に比べて一律に大きくすると、基準点から遠い凹部だけでなく、基準点に近い凹部の曲率半径も大きくなる。このような基準点に近い凹部では、前述の中心間距離が短いことから、上記高さ寸法が小さくなりすぎてしまい、投射光を前述の観察位置に反射させる凹曲面の面積を確保できず、観察される画像の輝度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、観察される画像の輝度を高めることができるスクリーン、スクリーン製造用型の製造方法、及び、スクリーンの製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様に係るスクリーンは、画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンであって、前記光が入射される入射面を有し、前記入射面には、それぞれ光を反射させる凹状のレンズ要素が複数配置され、それぞれの前記レンズ要素のうち、当該スクリーンに予め設定された前記光の出射位置から遠い位置のレンズ要素の曲率半径は、前記出射位置に近い位置のレンズ要素の曲率半径に比べて大きいことを特徴とする。
このような構成によれば、出射位置から遠いレンズ要素においては、当該レンズ要素の中心から周縁部までの高さ寸法を小さくすることができるとともに、当該出射位置に近いレンズ要素においては、当該高さ寸法が小さくなりすぎることを抑制できる。従って、各レンズ要素の適切な位置に光を入射させることができる他、当該レンズ要素において光を適切に反射可能な領域の面積を確保できるので、前述の視野角内において観察される画像の輝度を高めることができる。
上記第1の態様では、前記レンズ要素は、前記入射面及び当該入射面の延長面のいずれかの面上に設定された基準点を中心とする円弧状の仮想の基準線に沿って配置され、前記基準点は、前記入射面の法線方向から見て前記出射位置と重なる位置に設定され、前記基準点からの放射方向に沿って隣り合う2つの前記レンズ要素の中心間距離は、当該レンズ要素の曲率半径の2倍より小さいことが好ましい。
このような構成によれば、入射面の法線方向から見て出射位置と重なる基準点を中心とする円弧状の仮想の基準線に沿ってレンズ要素が配列されているので、当該出射位置から出射された光を、各レンズ要素に入射させやすくすることができる。
また、基準点からの放射方向に沿って隣り合う2つのレンズ要素の中心間距離は、レンズ要素の曲率半径の2倍より小さいので、各レンズ要素は、周縁を共有するように密に配置される。これによれば、入射面においてレンズ要素以外の平坦面が形成されることを防ぐことができ、画像を形成する光とは異なる光(例えば、室内灯等の光)が視野角内に反射されることを抑制できる。この他、各レンズ要素において上記高さ寸法を確実に小さくできる他、視野角内の観察位置に反射される光の光量を多くすることができる。
従って、観察される画像の輝度を一層高めることができる。
上記第1の態様では、前記曲率半径及び前記中心間距離は、前記基準点から離れるに従ってそれぞれ大きくなることが好ましい。
ここで、前述のように、レンズ要素の位置が出射位置から離れるに従って、当該レンズ要素に入射される光の入射角は大きくなる。このため、中心間距離及び曲率半径が各レンズ要素で一定であると、レンズ要素の配置位置によっては、上記高さ寸法が高くなりすぎたり低くなりすぎたりする他、必要な箇所にレンズ要素を密に配置できない。
これに対し、各レンズ要素の曲率半径及び中心間距離は、基準点から離れるに従ってそれぞれ大きくなる。これによれば、基準点から遠いレンズ要素においては、上記高さ寸法を確実に小さくでき、当該レンズ要素の適切な領域に光を確実に入射させることができる。また、基準点に近いレンズ要素においては、上記高さ寸法が低くなりすぎないようにした上で、当該レンズ要素を密に配置できる。
従って、観察される画像の輝度を確実に高めることができる。
上記第1の態様では、前記基準点は、前記入射面の中心線上に設定され、1つの前記仮想の基準線に沿って配列された複数の前記レンズ要素のうち、前記基準点に向かう方向に沿う直線と前記中心線とが略45°で交差する位置のレンズ要素の曲率半径は、当該基準線に沿って配列された複数のレンズ要素のうち、前記中心線上に位置するレンズ要素の曲率半径に比べて大きいことが好ましい。
ここで、基準点から遠い基準線に沿って配列される複数のレンズ要素では、基準点に向かう方向に沿う直線(すなわち、レンズ要素と基準点とを結ぶ直線)と、入射面の中心線との交差角に応じて、基準線に沿う方向に隣り合う各レンズ要素の中心間距離は設定され、これに伴い、放射方向に沿う寸法及び基準線に沿う方向の寸法も設定される。
例えば、基準線に沿って配列される複数のレンズ要素のうち、中心線に対して上記直線が略45°の交差角で交差する位置のレンズ要素にて、放射方向に沿う寸法及び基準線に沿う寸法は最大となり、中心線上に位置するレンズ要素にて、当該各方向の寸法は最小となるように設定される。これは、以下の理由による。
すなわち、上記直線が45°の交差角で交差する位置のレンズ要素では、基準線の接線に対する垂線(当該レンズ要素における基準線の法線)と、出射位置に重なる基準点からの放射方向との間にずれが生じやすく、この場合には、入射された光を前述の視野角内に有効に反射させる領域(有効反射領域)が、当該レンズ要素と基準点とを結ぶ直線から外側(入射面の中心に対して外側)にずれる。このため、このずれに対応するためにレンズ要素の凹曲面の面積を確保する必要があることから、上記のようにレンズ要素の各方向の寸法が設定される。
これに対し、ある1つの基準線に沿って配列される複数のレンズ要素のうち、上記直線と入射面の中心線との交差角が略45°で交差する位置のレンズ要素の曲率半径を、当該中心線上に位置するレンズ要素の曲率半径より大きくすることで、レンズ要素における有効反射領域がずれる場合でも、当該有効反射領域の面積を確保できる。従って、前述の視野角内に反射される光の光量を高めることができ、観察される画像の輝度を高めることができる。
また、本発明の第2の態様に係るスクリーン製造用型の製造方法は、画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンを製造するためのスクリーン製造用型の製造方法であって、凹部が形成された母型を製造する母型製造工程と、前記母型を用いて前記スクリーン製造用型である成形型を製造する成形型製造工程とを含み、前記母型製造工程は、前記母型となる基板にマスク層を形成するマスク層形成手順と、前記マスク層に複数の孔を形成する孔形成手順と、エッチングにより前記複数の孔のそれぞれを中心とする複数の凹部を前記基板に形成する凹部形成手順とを含み、前記凹部形成手順では、前記基板における第1領域の侵食が、第2領域の侵食より進むように、前記エッチングを実施することを特徴とする。
これによれば、それぞれ曲率半径の異なる凹部を基板に形成できるので、第1領域を前述の基準点から遠い領域とし、第2領域を当該基準点に近い領域とすることで、前述のスクリーンを好適に製造できる。
ここで、母型の製造に際して、エッチングにより基板に凹部を形成する場合、エッチングレート(エッチングの進み易さ)が基板におけるマスク層が形成される面内で異なる場合がある。例えば、当該面の中央付近では、エッチングレートは略均一であるが、当該面の端部に向かうに従って、エッチングレートが高くなったり低くなったりする場合がある。更に、基板を縦置きした状態でエッチングすると、基板における上側の領域と下側の領域とでエッチングレートに差異が生じる。
このようなエッチングレートの差異により、所望の形状の凹部を基板に形成できず、ひいては、所望の形状のレンズ要素をスクリーンに形成できないという問題がある。
これに対し、上記製造方法によれば、凹部形成手順にて、基板におけるエッチングレートが高くなる領域では基板の侵食を抑え、エッチングレートが低くなる領域では基板の侵食が進むようにして、基板の侵食が均一となるようにエッチングを実施することも可能である。従って、当該基板に所望の形状の凹部を適切に形成でき、ひいては、所望の形状のレンズ要素が形成されたスクリーンを製造できる。また、これにより、スクリーンにおけるレンズ要素の配置自由度を向上できるので、スクリーンの設計自由度を向上でき、更には、より視野角の広いレンズ要素の配列パターンや、表示画像の輝度を向上できるレンズ要素の配列パターンを実現できる。
一方、上記製造方法のように基板の侵食具合を調整するのではなく、複数回に分けてエッチングを実施することで、凹部の形状を調整することも考えられる。しかしながら、このような方法では、形成された凹部の上記高さ寸法は、1回のエッチングで形成される凹部の高さ寸法と変わらない他、凹部の内側に凹部が更に形成されるので、製造された成形型を用いて製造されたスクリーンでは、見栄えが悪く、また、入射された光を前述の視野角内に適切に反射できない可能性もある。
これに対し、上記第2の態様の製造方法を実施することで、複数回に分けてエッチングする場合に形成される凹部の曲率半径より大きな曲率半径の凹部を局所的に形成することができ、当該凹部の上記高さ寸法を小さくできる。また、エッチング自体は1回だけであるので、凹部の内側に更に凹部が形成されることはなく、製造された成形型を用いて製造されたスクリーンの見栄えをよくすることができる。この他、エッチングを複数回実施する場合に比べて、母型の製造工程を簡略化できる他、入射された光を前述の視野角内に適切に反射できるスクリーンを製造できる。
上記第2の態様では、前記凹部形成手順では、当該凹部形成手順に要する処理時間における前記第1領域のエッチング時間が、当該処理時間における前記第2領域のエッチング時間より長くなるように、前記エッチングを実施することが好ましい。
これによれば、基板における第1領域の侵食を、第2領域の侵食より確実に進ませることができる。従って、曲率半径の異なる凹部を基板に確実に形成できる。
上記第2の態様では、前記凹部形成手順では、前記第1領域に形成された孔部に応じて設けられる量に対して、前記第2領域に形成された孔部に応じて設けられる量が多くなるように、エッチング溶液に対する阻害物質が前記マスク層に設けられた前記基板に対して、前記エッチングを実施することが好ましい。
このようなエッチング溶液としては、希フッ酸を例示できる。また、阻害物質は、エッチング溶液に徐々に溶解して、当該エッチング溶液が孔部を介して基板に到達する時間を調整する物質を挙げることができる。このような阻害物質としては、エッチング溶液が希フッ酸である場合には、フッ素系材料の他、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセリン、ポリエチレングリコール及び水溶性ワックスのような水溶性有機物質、更には、沸点の高いアルカン炭化水素を例示できる。
ここで、阻害物質が設けられた孔部では、エッチング溶液が基板に達しないため、当該エッチング溶液による基板の侵食が進まない。また、阻害物質がエッチング溶液に対して徐々に溶け出すことにより、当該阻害物質の量に応じて、エッチング溶液が孔部を介して基板に到達するまでの時間を調整できる。
これによれば、孔部Hに応じてマスク層に設けられる阻害物質の量を調整することで、エッチングの処理時間におけるエッチング時間を局所的に調整できるので、第2領域に対して、第1領域における基板の侵食を確実に進めることができる。従って、曲率半径の異なる凹部を基板に確実に形成できる。
本発明の第3の態様に係るスクリーンの製造方法は、画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンの製造方法であって、前述のスクリーン製造用型の製造方法により製造された成形型を用いて、前記スクリーンを製造するスクリーン製造工程を含むことを特徴とする。
これによれば、前述のスクリーンを好適に製造できる。
本発明の第1実施形態に係るスクリーンの使用態様を示す模式図。 前記第1実施形態におけるスクリーンを示す正面図。 前記第1実施形態におけるレンズ要素の一例を示す斜視図。 前記第1実施形態におけるレンズ要素に入射される光の方向と、当該レンズ要素における有効反射領域の位置との関係を示す図。 前記第1実施形態におけるレンズ要素に入射される光の方向と、当該レンズ要素における有効反射領域の位置との関係を示す図。 前記第1実施形態におけるレンズ要素に入射される光の方向と、当該レンズ要素における有効反射領域の位置との関係を示す図。 前記第1実施形態における入射面の各領域の位置を示す図。 前記第1実施形態における各領域に形成されるレンズ要素を示す断面図。 前記第1実施形態に対する比較例のスクリーンを示す断面図。 前記第1実施形態における比較例のスクリーンを示す断面図。 前記第1実施形態におけるスクリーンの製造工程を示すフローチャート。 前記第1実施形態における母型製造工程を示す模式図。 前記第1実施形態における母型製造工程の一部、成形型製造工程及びスクリーン製造工程を示す模式図。 本発明の第2実施形態に係るスクリーンを示す正面図。 前記第2実施形態におけるレンズ要素の一例を示す斜視図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るスクリーン1の使用態様を示す模式図である。
本実施形態に係るスクリーン1は、図1に示すように、当該スクリーン1の正面側下方に設定された出射位置PPに位置するプロジェクターPJから斜方入射される投射光PLを正面側に反射させて、当該投射光PLにより形成される画像を表示する反射型スクリーンである。このスクリーン1における正面は、投射光PLが入射される入射面2であり、入射面2に入射された投射光PLは、予めスクリーン1の視野角内に設定され、かつ、当該入射面2の中心CPにおける法線方向に位置する観察位置VPに向けて主に反射される。これにより、観察位置VPに位置する観察者VRは、表示された画像を観察できる。
図2は、スクリーン1を示す正面図である。
入射面2は、図2に示すように、正面視で横長の長方形状に形成されている。この入射面2の延長面2A上で、かつ、前述の出射位置PPと重なる位置に、当該入射面2の基準点SPが設定されている。これら基準点SP及び出射位置PPは、本実施形態では、入射面2の幅方向中央を通る中心線CL上に設定されている。
入射面2には、それぞれ基準点SPを中心とする同心円(円及び楕円を含む)の一部を構成する円弧状の仮想の基準線SLに沿って、後述するレンズ要素3が複数配列されている。これら各レンズ要素3において、基準点SPからの放射方向(A方向)の寸法は10〜100μmであり、基準線SLに沿う方向の寸法は10〜50μmである。
なお、図2においては、代表的な基準線SLを図示しているが、実際にはより細かい間隔で基準線SLは設定されている。また、図2においては、図示された基準線SLの符号も一部省略している。
[レンズ要素の構成]
図3は、レンズ要素3の一例を示す斜視図である。
レンズ要素3は、前述の基準線SLに沿って形成され、これにより、入射面2には、各基準線SLに沿うレンズ要素3の列(レンズ列)が複数形成される。
これらレンズ要素3は、図3に示すように、正面視略円形状の底部である平坦部3A(図7参照)と、当該平坦部3Aの周縁から凹曲面状に広がる凹曲面部3Bと、当該凹曲面部3Bに隣接する他のレンズ要素3の凹曲面部3Bとの境界である周縁部3Cとを有する。そして、各レンズ要素3には、反射層41、保護層42及び反射抑制層43が形成されている。
反射層41は、レンズ要素3において出射位置PPに対向する位置に形成されている。換言すると、反射層41は、レンズ要素3においてA方向先端側(基準点SPとは反対側)に形成されている。この反射層41が形成される領域内には、入射された投射光PLを観察位置VPに向けて反射させる有効反射領域ARが含まれる。なお、本実施形態では、反射層41は、アルミニウム薄膜により形成されているが、銀等の蒸着膜や光学多層膜により形成されていてもよい。
保護層42は、反射層41を覆うように形成され、当該反射層41の剥離を防止する。この保護層42は、本実施形態では、ポリメチルメタアクリレート樹脂とテフロンパウダー(「テフロン」は登録商標)との混合物により形成されているが、他の材料により形成されていてもよい。また、保護層42は、本実施形態では、反射層41を覆う程度に形成されているが、入射面2全体に形成されていてもよい。更に、反射層41とスクリーン1を形成する基材との密着度が高い場合等、当該基材の材料によっては、保護層42は無くてもよい。
反射抑制層43は、レンズ要素3におけるA方向基端側(基準点SP側)に形成されている。この反射抑制層43は、入射面2が鉛直方向に沿うようにスクリーン1を配置した際に、上方に位置する室内灯等から斜方入射される外光の反射を抑制して、観察位置VPにて観察される画像のコントラストを向上させる。
なお、本実施形態では、反射抑制層43は、黒色樹脂による光吸収層として形成されているが、これに限らず、入射された光の反射が抑制される材料であれば、他の材料により形成されていてもよい。また、反射抑制層43の色は黒に限らず他の色でもよく、基材の材料及び色によっては、反射抑制層43は無くてもよい。
[レンズ要素の配列]
このようなレンズ要素3の配列は、各レンズ要素3により投射光PLを好適に反射できるように設定される。
具体的に、基準線SLの間隔は、図2に示したように、基準点SPから離れるに従って大きくなるように設定されている。このため、A方向に沿って隣り合う2つのレンズ要素3の中心間距離(平坦部3Aの中心間の距離であり、以降「A方向に沿う中心間距離」という)、及び、各レンズ要素3のA方向に沿う寸法は、基準点SPから離れるに従って大きくなる。
また、基準線SLに沿って隣り合う2つのレンズ要素3の中心間距離(以降「基準線SLに沿う中心間距離」という)、及び、当該基準線SLに沿うレンズ要素3の寸法も、基準点SPから離れるに従って大きくなる。
一方で、A方向に沿う中心間距離は、レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線(すなわち、レンズ要素3から基準点SPに向かう方向に沿う直線)と、中心線CLとの交差角が45°となる位置の当該レンズ要素3において最大となり、当該交差角が45°から小さくなるに従って、また、当該交差角が45°から大きくなるに従って小さくなる。
また、同一の基準線SLに沿うレンズ列では、レンズ要素3の基準線SLに沿う寸法は、上記直線と中心線CLとの交差角が45°となる位置のレンズ要素3において最大となり、当該交差角が45°から小さくなるに従って、また、上記交差角が45°から大きくなるに従って小さくなる。
なお、A方向に沿う中心間距離、及び、基準線SLに沿う中心間距離は、それぞれ、各レンズ要素3の曲率半径の2倍より小さい値であるため、前述のように、各レンズ要素3は、周縁部3Cを共有するように密に配置される。
このようにレンズ要素3を配列するため、基準点SPに近い基準線SLの軌跡は、真円の一部を構成する円弧状となるが、基準点SPから遠くなるに従って基準線SLの軌跡は、横長の楕円の一部を形成する円弧状となる。
このようなレンズ要素3の配列による効果を、以下に説明する。
図4〜図6は、レンズ要素3に入射される光の方向と、当該レンズ要素3における有効反射領域ARの位置との関係を示す図である。これらのうち、図4は、中心線CL上に位置するレンズ要素3を示す模式図である。また、図5は、レンズ要素3及び基準点SPを結ぶ直線と中心線CLとの交差角が45°となるレンズ要素3のうち、基準点SPに近い位置のレンズ要素3を示す模式図であり、図6は、当該基準点SPから遠い位置のレンズ要素3を示す模式図である。
出射位置PPと重なる基準点SPが設定された中心線CL上に位置するレンズ要素3では、図4に示すように、当該レンズ要素3での基準線SLの法線Tは、当該レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線と一致する。このようなレンズ要素3では、当該レンズ要素3の凹曲面部3Bにおける基準点SPとは反対側の領域の中央近傍に有効反射領域ARが設定される。このため、適切に投射光PLが入射される程度に寸法(A方向に沿う寸法及び基準線SLに沿う寸法)が小さいレンズ要素3を、中心間距離(A方向に沿う中心間距離及び基準線SLに沿う中心間距離)を小さくして密に配置することで、各レンズ要素3の有効反射領域ARにて反射される光の光量を多くすることができ、観察される画像の輝度を高めることができる。
また、図5に示すように、レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線と、中心線CLとの交差角が45°となるレンズ要素3のうち、基準点SPに近いレンズ要素3(例えば、真円の一部である円弧状の基準線SLに沿って配列されるレンズ要素3)では、当該レンズ要素3での基準線SLの法線Tと、当該レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線とが一致する。このようなレンズ要素3では、当該レンズ要素3の凹曲面部3Bにおける基準点SPとは反対側の領域の中央近傍に有効反射領域ARが設定される。
しかしながら、当該レンズ要素3は中心線CLに対して傾斜するように配列されるため、有効反射領域ARの面積を確保するためには、中心線CL上の前述のレンズ要素3に比べて、A方向に沿う寸法及び基準線SLに沿う寸法を大きくする必要があり、これに伴い、A方向に沿う中心間距離及び基準線SLに沿う中心間距離を大きくする必要がある。
このようなことから、有効反射領域ARの面積を確保できる最小限の寸法のレンズ要素3を、各中心間距離を小さくして密に配置することで、各レンズ要素3の有効反射領域ARにて反射される光の光量を多くすることができ、観察される画像の輝度を高めることができる。
ここで、基準点SPからレンズ要素3の位置が離れるに従って、当該レンズ要素3に入射される投射光PLの入射角(入射面2の法線に対する投射光PLの交差角)は大きくなる。このため、A方向に沿う中心間距離が十分に大きくない場合には、レンズ要素3の周縁部3Cにより、本来入射されるべきレンズ要素3に投射光PLが入射されない事態が生じうる。
これに対しても、基準点SPから離れるに従って、A方向に沿う中心間距離が大きくなり、各レンズ要素3のA方向に沿う寸法が大きくなるようにレンズ要素3を配置することで、各レンズ要素3の凹曲面部3Bの面積を大きくし、投射光PLが、当該凹曲面部3Bにおける有効反射領域ARに入射されやすくしている。
一方、図6に示すように、レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線と、中心線CLとの交差角が45°となるレンズ要素3のうち、基準点SPから遠いレンズ要素3(例えば、横長の楕円の一部である円弧状の基準線SLに沿って配列されるレンズ要素3)では、当該レンズ要素3での基準線SLの法線Tと上記直線とが一致しない。このようなレンズ要素3では、有効反射領域ARは、当該法線T上の位置から、凹曲面部3Bにおける基準点SP側とは反対側の領域の中央近傍から外側(中心線CLから離れる方向)にずれる。このずれ量は、上記交差角が45°である位置のレンズ要素3において最大となり、当該交差角が45°から小さくなるに従って、また、当該交差角が45°から大きくなるに従って小さくなり、中心線CL上のレンズ要素3では、当該ずれ量は無くなる。
このため、基準点SPから離れた基準線SLに沿って配列されたレンズ要素3においては、上記交差角が45°となる位置のレンズ要素3におけるA方向の寸法及び基準線SLに沿う寸法も最大となり、当該交差角が45°より小さくなるに従って、また、当該交差角が45°より大きくなるに従って小さくなるように、各寸法が設定される。
これにより、凹曲面部3Bにおいて有効反射領域ARの面積を確保した上で、レンズ要素3を密に配置できるので、表示画像の輝度を高めることができる。
しかしながら、上記のように入射面2にレンズ要素3を配置した場合、基準点SPから遠いレンズ要素3においては、A方向に沿う寸法及び基準線SLに沿う寸法が大きいことから、平坦部3A(図7参照)からの周縁部3Cの高さ寸法が大きくなりやすい。この場合、前述のように、適切なレンズ要素3に投射光PLが入射されない事態が生じうる。
これに対し、本実施形態に係るスクリーン1では、上記のようにレンズ要素3を配列する他、レンズ要素3の曲率半径を入射面2における位置に応じて変更することにより、上記高さ寸法を調整している。
[レンズ要素の曲率半径]
以下、曲率半径の異なるレンズ要素3(31〜33)の配置と、当該曲率半径及び上記高さ寸法の関係とについて説明する。
図7は、入射面2における領域21〜23の位置を示すスクリーン1の正面図である。図8は、各領域21〜23において前述の交差角が45°となる位置に形成されるレンズ要素31〜33を示す断面図である。
上記レンズ要素3が形成される入射面2は、図7に示すように、3つの領域21〜23に区分され、当該各領域21〜23には、図8に示すように、それぞれ曲率半径が異なるレンズ要素3(31〜33)が配置されている。
領域21(図7)は、入射面2において基準点SPから所定寸法内の領域であり、当該領域21には、レンズ要素31(図8)が配置されている。
領域23(図7)は、本実施形態では、領域23は、基準点SPから所定寸法離れ、かつ、レンズ要素3及び基準点SPを結ぶ直線と中心線CLとの交差角が45°となる部位を中心とした所定範囲内の領域である。この領域23は、本実施形態では、中心線CLとの交差角が45°であるA方向と入射面2の端部との交点とのうち、基準点SPから遠い交点を中心とし、かつ、中心線CLに達しない程度の寸法を有する領域である。この領域23の形状は、真円に限らず、楕円でもよい。このような領域23には、レンズ要素33(図8)が配置されている。
領域22(図7)は、入射面2において領域21,23以外の領域であり、当該領域22には、レンズ要素32(図8)が配置されている。
図8に示すように、レンズ要素31〜33のうち、領域23に形成されるレンズ要素33の曲率半径R3は、他のレンズ要素31,32の曲率半径R1,R2より大きい。また、領域21に形成されるレンズ要素31の曲率半径R1は、レンズ要素32の曲率半径R2より小さい。すなわち、各レンズ要素3の曲率半径は、基準点SPから離れるに従って大きくなり、各レンズ要素31〜33の曲率半径R1〜R3の関係は、R1<R2<R3である。
なお、レンズ要素3は、後述する孔部Hを中心としてエッチングにより形成されたレンズ型LTに基づいて形成されるので、当該レンズ要素3の曲率半径は、平坦部3Aの周縁に対応する入射面2の部位から凹曲面部3Bの表面までの寸法である。
一方、A方向に沿って隣り合う2つのレンズ要素3の中心間距離は、前述のように、基準点SPから離れるに従って大きくなる。このため、レンズ要素33のA方向に沿う中心間距離L3は、レンズ要素31のA方向に沿う中心間距離L1及びレンズ要素32のA方向に沿う中心間距離L2より大きく、当該中心間距離L1は、中心間距離L2より小さい。すなわち、各レンズ要素31〜33の中心間距離L1〜L3の関係は、L1<L2<L3である。
このように、レンズ要素3の曲率半径及びA方向に沿う中心間距離は、基準点SPからの当該レンズ要素3の位置に応じて異なる。
なお、レンズ要素32の曲率半径R2は、本実施形態では、当該レンズ要素32の位置が基準点SPから離れるに従ってR1からR3に増加するように設定される。しかしながら、これに限らず、曲率半径R2は、一定の値でもよい。また、領域22において領域21,23に近接する部位に配置されるレンズ要素32の曲率半径が、次第に増加するように設定してもよい。
図9は、スクリーン1の比較例であるスクリーン1Aを示す断面図であり、詳しくは、当該スクリーン1Aにおいて前述の交差角が45°となる位置に形成されるレンズ要素9Aを示す断面図である。なお、スクリーン1Aは、レンズ要素3と同様の機能を有し、かつ、平坦部9AA、凹曲面部9AB及び周縁部9ACを有するレンズ要素9Aの曲率半径がR2で略一定である他は、スクリーン1と同様の構成を備えている。
ここで、図9に示すように、入射面2に前述の基準線SLに沿って、曲率半径がR2で一律のレンズ要素9Aが形成されたスクリーン1Aにおいて、基準点SPから離れた領域23では、レンズ要素9AのA方向に沿う中心間距離がL3であると、平坦部9AAから周縁部9ACまでの高さ寸法HAが、曲率半径が大きいレンズ要素33の高さ寸法HS(図8参照)に比べて高くなる。換言すると、A方向に沿う中心間距離が同じである場合、曲率半径が大きいレンズ要素の方が当該高さ寸法は小さくなる。
このため、基準点SPから遠い領域23に形成されるレンズ要素33においては、曲率半径を大きくすることで、周縁部3Cの高さ寸法を小さくすることができ、大きい入射角で入射される投射光PLを当該レンズ要素33の凹曲面部3Bに入射させやすくすることができる。そして、当該凹曲面部3Bに形成された反射層41により、投射光PLを前述の視野角内に効率よく反射させることができる。
図10は、スクリーン1の比較例であるスクリーン1Bを示す断面図であり、詳しくは、当該スクリーン1Bにおいて前述の交差角が45°となる位置に形成されるレンズ要素9Bを示す断面図である。なお、スクリーン1Bは、レンズ要素3と同様の機能を有し、かつ、平坦部9BA、凹曲面部9BB及び周縁部9BCを有するレンズ要素9Bの曲率半径がR3で略一定である他は、スクリーン1と同様の構成を備えている。
一方、図10に示すように、入射面2に前述の基準線SLに沿って、曲率半径がR3で一律のレンズ要素9Bが形成されたスクリーン1Bでは、基準点SPから遠い領域23に形成されるレンズ要素9Bにおける上記高さ寸法は、レンズ要素33の高さ寸法HSと同じ寸法となる。
しかしながら、基準点SPに近い領域21では、レンズ要素9Bの中心間距離はL1であるので、入射面2に沿う面に対するレンズ要素9Bの凹曲面部9BBの傾斜が小さくなる。このため、当該領域21においては、有効反射領域ARの面積が小さくなり、前述の視野角内に反射される光の光量が少なくなる。
これに対し、本実施形態におけるスクリーン1では、基準点SPに近い領域21に形成されるレンズ要素31の曲率半径R1を、他の領域22,23に形成されるレンズ要素32,33の曲率半径R2,R3より小さくしている。これにより、有効反射領域ARの面積を確保しつつ、各レンズ要素31を密に配置することができる。従って、視野角内に反射される光の光量を多くすることができ、観察される画像の輝度を高めることができる。
以上のように、本実施形態に係るスクリーン1では、基準点SPから遠い領域であり、かつ、レンズ要素3と基準点SPとを結ぶ直線が中心線CLと交差角45°で交差する位置を中心とする領域23に、曲率半径が他のレンズ要素3より大きいレンズ要素33を配置した。これにより、レンズ要素33におけるA方向に沿う寸法及び基準線SLに沿う寸法を大きくして、有効反射領域ARの面積を確保した上で、各レンズ要素33における周縁部3Cの高さ寸法を小さくすることができる。このため、当該有効反射領域ARに投射光PLを入射させやすくすることができる。
また、基準点SPに近い領域21に、曲率半径が他のレンズ要素3より小さいレンズ要素31を配置した。これにより、有効反射領域ARの面積を確保した上で、当該レンズ要素31を密に配置できる。
従って、スクリーン1に設定された視野角内に反射される光の光量を増やすことができ、表示画像の輝度を高めることができる。
[スクリーンの製造工程]
図11は、スクリーン1の製造工程を示すフローチャートである。
以上説明したスクリーン1は、図11に示すように、母型を製造する母型製造工程S1と、製造された母型を用いてスクリーン製造用型である成形型を製造する成形型製造工程S2と、当該成形型を用いてスクリーン1を製造するスクリーン製造工程S3とを経ることで製造される。
[母型製造工程]
図12(A)〜図12(E)は、上記スクリーン1の製造工程における母型製造工程S1を示す模式図である。また、図13(A)〜図13(F)は、母型製造工程S1における凹部形成手順S14及び洗浄・乾燥手順S15と、成形型製造工程S2及びスクリーン製造工程S3とを示す模式図である。
母型製造工程S1には、マスク層形成手順S11、孔形成手順S12、阻害物質配置手順S13、凹部形成手順S14及び洗浄・乾燥手順S15が含まれる。
マスク層形成手順S11では、図12(A)に示すように、母型MTとなる基板Pの平坦面PFにマスク層MSを形成する。このような基板Pとして、青板ガラス、ソーダライム系ガラス、硼珪酸ガラス及び石英ガラスを例示できる。また、マスク層MSは、スパッタにより形成されるクロム層を例示できるが、他の材料で形成されてもよい。また、マスク層MSの形成方法としても、スピンコート法、バーコート法、自己組織化膜を形成する方法等を採用できる。
孔形成手順S12では、図12(B)に示すように、レーザー光の照射等により、マスク層MSに初期孔と呼ばれる孔部Hを形成する。これら孔部Hは、各レンズ要素3の平坦部3Aの中心に対応して形成される。換言すると、平坦部3Aは、孔部Hの跡である。なお、当該レーザー光として、YAGレーザーの1倍波、2倍波、3倍波或いはマキシマレーザーを採用できる。
阻害物質配置手順S13では、図12(C)に示すように、マスク層MSに対して、孔部Hを覆うように阻害物質Sを配置する。本実施形態では、阻害物質Sの層が形成されるように、当該阻害物質Sをスプレー方式及びインクジェット方式等によりマスク層MSに塗布する。
この阻害物質Sは、エッチング溶液ESが孔部Hを介して基板Pに接触することを阻害する物質である。この阻害物質Sは、マスク層MSに配置された際には固体状態を維持し、エッチング溶液ESに晒された際には当該エッチング溶液ESにより徐々に溶ける性質を有し、更に、エッチング溶液ESによる基板Pの侵食を妨げないものである。
このような阻害物質Sとしては、エッチング溶液ESの種類にも依るが、当該エッチング溶液ESが希フッ酸である場合には、フッ素系材料の他、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセリン、ポリエチレングリコール及び水溶性ワックスのような水溶性有機物質、更には、沸点の高いアルカン炭化水素を例示できる。
この阻害物質配置手順S13においては、阻害物質Sは、前述の領域21に対応する基板Pの領域P1の層厚が最も厚くなるように塗布される。すなわち、領域21の孔部Hには、最も多くの阻害物質Sが配置される。
一方、領域23に対応する基板Pの領域P3には、当該阻害物質Sは塗布されない。
更に、領域22に対応する基板Pの領域P2には、当該阻害物質Sは、基準点SPに対応する位置から離れるに従って層厚が厚くなるように塗布される。
このような各領域P1〜P3の孔部Hに対する阻害物質Sの量の関係は、領域21〜23に形成される各レンズ要素3の曲率半径R1〜R3の関係と逆である。
すなわち、曲率半径が大きいレンズ要素33に応じたレンズ型を形成する領域には、阻害物質Sを設けないか、或いは、設けても層厚が薄くなるように塗布する。また、曲率半径が小さいレンズ要素31に応じたレンズ型を形成する領域には、層厚が厚くなるように多くの阻害物質Sを設ける。
一方、領域P2には、当該領域P2に対応する領域22に配置されるレンズ要素32の曲率半径R2に応じて阻害物質Sを配置するので、当該レンズ要素32の曲率半径R2が一定である場合には、領域P2に配置される阻害物質Sの厚さ及び量は一定となる。
なお、阻害物質Sは孔部Hを覆うように設けられればよく、阻害物質Sを層状に設けるのではなく、当該阻害物質Sを各孔部Hに応じて設けてもよい。
凹部形成手順S14では、阻害物質Sが設けられた基板Pをエッチング溶液ESに浸して、予め定められた時間、エッチング処理を実施し、レンズ要素3に応じた凹部であるレンズ型LTを形成する。なお、前述のように、当該エッチング溶液ESには、本実施形態では希フッ酸が用いられている。
この凹部形成手順S14では、図12(D)に示すように、まず、阻害物質Sが設けられていない領域P3(本発明の第1領域に相当)のエッチングが進む。このため、当該領域P3にて基板Pの侵食が進み、レンズ要素33に応じたレンズ型LT(LT3)の形成が進む一方で、領域P1,P2(本発明の第2領域に相当)でのエッチングは進行しない。
この後、エッチング処理時間が経過するに従って、阻害物質Sは、エッチング溶液ESに徐々に溶け込む。このため、図12(E)に示すように、領域P2が孔部Hを介してエッチング溶液ESと接触して基板Pが侵食され、レンズ要素32に応じた凹状のレンズ型LT(LT2)の形成が進む。この際、領域P3でのエッチングも進行している。この時点では、領域P1に塗布された阻害物質Sは完全にはエッチング溶液ESに溶け込んでいないので、当該領域P1でのエッチングは開始されない。
そして、図13(A)に示すように、領域P1に設けられた阻害物質Sがエッチング溶液ESに完全に溶け込むと、当該領域P1での基板Pの侵食が開始され、レンズ要素31に応じた凹状のレンズ型LT(LT1)の形成が始まる。これにより、各領域P1〜P3におけるレンズ型LT1〜LT3の形成が進行する。
このように、凹部形成手順S14では、前述の阻害物質Sがマスク層MSに配置されていることにより、エッチングの開始時間(すなわち、エッチング溶液ESによる基板Pの侵食開始時間)が領域P1〜P3でそれぞれ異なり、これにより、各領域P1〜P3におけるエッチング時間が異なることとなる。換言すると、当該阻害物質Sにより、各領域P1〜P3でのエッチングの開始時間に時間差が生じる。このため、基板Pには、各領域P1〜P3に応じて曲率半径の異なるレンズ型LT1〜LT3が、それぞれ形成される。
洗浄・乾燥手順S15では、図13(B)に示すように、凹部形成手順S14を開始してから所定時間経過後の基板P(すなわち、レンズ型LTが形成された基板P)からマスク層MS及びエッチング溶液ESを除去し、当該基板Pの洗浄及び乾燥を実施する。
このようにして成形された基板Pが母型MTであり、当該洗浄・乾燥手順S15の終了により、母型製造工程S1が終了される。
[成形型製造工程]
次に、製造された母型MTを用いて、成形型製造工程S2が実施される。この成形型製造工程S2には、図11に示したように、第1中間型製造手順S21、第2中間型製造手順S22及び最終型製造手順S23が含まれる。
第1中間型製造手順S21では、図13(C)に示すように、母型MTから、凹状のレンズ型LTに応じた凸状のレンズ型N11が形成された第1中間型N1を製造する。本実施形態では、当該第1中間型N1をニッケル電鋳により製造しているが、他の方法により製造してもよい。
第2中間型製造手順S22では、図13(D)に示すように、第1中間型N1から、凸状のレンズ型N11が転写されて、凹状のレンズ型N21が形成された第2中間型N2を製造する。本実施形態では、当該第2中間型N2は、紫外線硬化型樹脂を用いた2P法(Photo‐polymerization法)で製造しているが、他の方法により製造してもよい。
最終型製造手順S23では、図13(E)に示すように、第2中間型N2のレンズ型N21に応じた凸状のレンズ型N31が形成された最終型N3(スクリーン製造用の型である成形型)を製造する。本実施形態では、当該最終型N3は、ニッケル電鋳により製造される。
なお、成形型製造工程S2においては、第1中間型製造手順S21及び第2中間型製造手順S22を省略してもよい。すなわち、ニッケル電鋳等により、母型MTから最終型N3(上記成形型)を直接製造してもよい。
[スクリーン製造工程]
次に、最終型N3を用いて、スクリーン製造工程S3が実施される。このスクリーン製造工程S3には、図11に示したように、凹凸形成手順S31及び層形成手順S32が含まれる。
凹凸形成手順S31では、図13(F)に示すように、最終型N3においてレンズ型N31が形成された面に、スクリーン1を形成する基材10を加熱しつつ押圧し、当該レンズ型N31に応じた形状を当該基材10に転写する。これにより、当該基材10には、レンズ型N31に応じた凹部101が形成される。
層形成手順S32では、最終型N3から剥離された基材10の凹部101に対して、前述の反射層41、保護層42及び反射抑制層43を、蒸着及び噴霧等の方法により形成する。これにより、当該凹部101が前述のレンズ要素3の機能を有することとなり、スクリーン1が製造される。
以上説明した本実施形態に係るスクリーン1によれば、以下の効果がある。
入射面2を正面視した際に出射位置PPと重なる基準点SPから遠いレンズ要素33の曲率半径R3は、他のレンズ要素3の曲率半径より大きくし、また、当該基準点SPに近いレンズ要素31の曲率半径R1は、他のレンズ要素3の曲率半径より小さい。
これによれば、レンズ要素33の平坦部3Aから周縁部3Cまでの高さ寸法HSを小さくすることができるとともに、レンズ要素31における当該高さ寸法が小さくなりすぎることを抑制できる。従って、各レンズ要素3の適切な位置に光を入射させることができる他、当該レンズ要素3における有効反射領域ARの面積を確保できるので、観察される画像の輝度を高めることができる。
各レンズ要素3は、基準点SPを中心とする円弧状の基準線SLに沿って配列されているので、当該基準点SPと重なる出射位置PPから出射された光を、各レンズ要素3に適切に入射させることができる。
また、レンズ要素3のA方向に沿う中心間距離、及び、基準線SLに沿う中心間距離は、レンズ要素3の曲率半径の2倍より小さい。このため、各レンズ要素3は、周縁部3Cを互いに共有するように密に配置される。これによれば、入射面2においてレンズ要素3以外の平坦面が形成されないので、投射光PL以外の光(例えば、室内灯等の光)が視野角内に反射されることを抑制できる。従って、観察される画像の輝度を一層高めることができる。
各レンズ要素3の曲率半径及びA方向に沿う中心間距離は、基準点SPから離れるに従ってそれぞれ大きくなるので、基準点SPから遠いレンズ要素33における高さ寸法HSを確実に小さくでき、当該レンズ要素33の有効反射領域ARに投射光PLを確実に入射させることができる。また、基準点SPに近いレンズ要素31においては、上記高さ寸法が低くなりすぎないようにした上で、当該レンズ要素31を密に配置できる。従って、観察される画像の輝度を確実に高めることができる。
ある1つの基準線SLに沿って配列される複数のレンズ要素3のうち、領域23に位置するレンズ要素33の曲率半径R3は、当該中心線CL上に位置するレンズ要素3の曲率半径より大きい。これによれば、レンズ要素3における有効反射領域ARがずれても、当該有効反射領域ARの面積を確保できる。従って、前述の視野角内に反射される光の光量を高めることができ、観察される画像の輝度を高めることができる。
上記製造方法によれば、曲率半径がそれぞれ異なるレンズ要素3が配列されたスクリーン1を好適に製造できる。
また、凹部形成手順S14に要する処理時間における領域P3のエッチング時間が、領域P1,P2のエッチング時間より長くなるように、エッチングを実施することで、当該領域P3における基板Pの侵食を、領域P1,P2における基板Pの侵食より確実に進ませることができる。従って、曲率半径の異なるレンズ型LT(LT1〜LT3)を基板Pに確実に形成できる。
阻害物質Sが設けられた孔部Hでは、エッチング溶液ESが基板Pに達しないため、凹部形成手順S14の開始当初では、当該エッチング溶液ESによる基板Pの侵食が進まない。この阻害物質Sは、エッチング溶液ESに対して徐々に溶け出すことにより、当該阻害物質Sの量に応じて、エッチング溶液ESが孔部Hを介して基板Pに到達するまでの時間を調整できる。これによれば、孔部Hに応じてマスク層MSに設けられる阻害物質Sの量を調整することで、凹部形成手順S14の処理時間におけるエッチング時間を局所的に調整できるので、領域P1,P2に対して、領域P1における基板Pの侵食を確実に進めることができる。従って、曲率半径の異なるレンズ型LTを基板Pに確実に形成できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るスクリーンは、基準点SPから所定寸法以上離れた位置にレンズ要素の形状が異なる他は、前述のスクリーン1と同様の構成を有する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、本実施形態に係るスクリーン11を示す正面図である。
本実施形態に係るスクリーン11は、前述のスクリーン1と同様の構成及び機能を有する。この他、当該スクリーン11の入射面2には、前述の領域21〜23の他、基準点SPから所定範囲内の領域24(図14における右上がりの斜線により示される領域24)と、当該領域24の外側に位置する領域25とに分けられる。
これら領域24,25のうち、領域24には、前述の基準線SLに沿ってレンズ要素3が配置されている。一方、領域25には、前述の基準線SLに沿って複数のレンズ要素5(図15参照)が配置されている。
なお、本実施形態では、領域24には、領域21と領域22の一部とが含まれ、領域25には、領域22の他の一部と領域23とが含まれているが、このような領域24,25の区分は、適宜変更可能である。
図15は、領域25に形成されたレンズ要素5を示す斜視図である。
レンズ要素5は、図15に示すように、A方向に沿って互いに隣接する第1凹部51及び第2凹部52により形成されている。
第1凹部51は、A方向先端側(基準点SPとは反対側)に位置する。この第1凹部51は、前述のレンズ要素3と同様の形状を有しており、円形状の平坦部(図示省略)と、当該平坦部の周縁から凹曲面状に広がる凹曲面部512と、周縁部513とを有する。この凹曲面部512の曲率半径は、レンズ要素3と同様にレンズ要素5の位置に応じて設定される。
第2凹部52は、第1凹部51に対してA方向基端側(基準点SP側)に位置する。この第2凹部52は、大きい入射角で入射される投射光PLを、第1凹部51の有効反射領域ARに導くものである。換言すると、第2凹部52は、第1凹部51における平坦部から周縁部513までの高さ寸法を更に小さくする。この第2凹部52は、第1凹部51と同様に、円形状の平坦部(図示省略)、凹曲面部522及び周縁部523とを有する。この周縁部523と、第1凹部51の周縁部513とは、一部が重複する。
なお、凹曲面部522の曲率半径は、レンズ要素5の形成容易性(詳しくは、レンズ要素5に応じたレンズ型LTの形成容易性)を考慮し、凹曲面部512の曲率半径と同じ寸法に設定されている。しかしながら、凹曲面部522の曲率半径は適宜変更可能である。また、各レンズ要素5における前述の中心間距離(詳しくは、レンズ要素5の第1凹部51の中心と、隣接する他のレンズ要素5の第1凹部51の中心との間の距離)は、前述のレンズ要素3に、当該レンズ要素5の位置に応じて設定される。
このようなレンズ要素5では、反射層41及び保護層42は、当該レンズ要素5における基準点SPとは反対側の領域を中心として形成される。このため、当該反射層41及び保護層42は、主に第1凹部51に形成される。
一方、反射抑制層43は、レンズ要素5における基準点SP側の領域を中心として形成される。このため、当該反射抑制層43は、主に第2凹部52に形成される。
このようなスクリーン11は、前述のスクリーン1の製造方法と同様の方法により製造される。なお、当該方法において、マスク層MSに形成される孔部Hは、レンズ要素3の平坦部3Aの他、第1凹部51及び第2凹部52の各平坦部に応じて形成される。
以上説明した本実施形態に係るスクリーン11及び当該スクリーン11の製造方法によれば、前述のスクリーン11と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
すなわち、プロジェクターPJからの光の入射角が大きい領域25に、第1凹部51及び第2凹部52を有するレンズ要素5が配置されるので、第1凹部51の凹曲面部512における有効反射領域ARに、当該光を更に入射させやすくすることができる。従って、スクリーン11の視野角を一層向上できる。
なお、図11には、1つの第1凹部51に対して1つの第2凹部52が形成されたレンズ要素5が示されているが、1つの第1凹部51に対して複数の第2凹部52が形成されていてもよい。
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、領域23に配置されるレンズ要素33の曲率半径を、領域21,22に配置されるレンズ要素31,32の曲率半径より大きくするとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、これら領域21〜23の区分は、適宜変更可能である。すなわち、出射位置PPから遠いレンズ要素3の曲率半径が、近いレンズ要素3の曲率半径より大きければよい。また、前述の製造方法に限らず、このような構成のスクリーンを製造できれば、他の製造方法を採用してもよい。
前記各実施形態では、各レンズ要素3は、基準点SPを中心とする円弧状の仮想の基準線SLに沿って配列されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、各レンズ要素は、ランダムに配置されていてもよく、所定の方向に対してそれぞれ平行な仮想の基準線に沿って配列されていてもよい。この際、各レンズ要素の中心間距離も適宜変更可能である。
前記各実施形態では、阻害物質Sの量により、各領域P1〜P3でのエッチングの進み方を調整して、レンズ型LTの曲率半径、ひいては、基材10に形成される凹部101(レンズ要素3)の曲率半径を調整したが、本発明はこれに限らない。例えば、エッチング溶液ESの濃度に分布を持たせて、エッチング処理を施すことにより、レンズ型(レンズ要素)の曲率半径を調整してもよい。すなわち、エッチングレートを局所的に調整できれば、エッチング溶液ESの濃度を調整した上で基板Pの侵食を抑制する物質を添加する等、他の方法を採用してもよい。更に、各孔部Hに応じたエッチング時間を個別に調整してもよい。
前記各実施形態では、阻害物質Sを設けることでエッチングの開始時間を遅らせるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、孔部Hが形成されたマスク層MSの上に、酸化ケイ素等の層を形成し、これによりエッチングの開始時間を遅らせる構成としてもよい。
前記各実施形態では、基準点SPは、中心線CL上で、かつ、延長面2Aに設定されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、基準点SPの位置は、適宜変更可能であり、入射面2上に設定されていてもよく、中心線CL上でなくてもよい。
本発明は、画像を表示するスクリーン、当該スクリーンを製造するための型の製造方法、更に、スクリーンの製造方法として好適に利用できる。
1,11…スクリーン、2…入射面、3(31〜33)、5…レンズ要素、2A…延長面、CL…中心線、H…孔部、MS…マスク層、MT…母型、P…基板、N3…最終型(成形型)、PP…出射位置、P1,P2…領域(第2領域)、P3…領域(第1領域)、S…阻害物質、SL…基準線、SP…基準点、S1…母型製造工程、S2…成形型製造工程、S11…マスク層形成手順、S12…孔形成手順、S14…凹部形成手順。

Claims (8)

  1. 画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンであって、
    前記光が入射される入射面を有し、
    前記入射面には、それぞれ光を反射させる凹状のレンズ要素が複数配置され、
    それぞれの前記レンズ要素のうち、当該スクリーンに予め設定された前記光の出射位置から遠い位置のレンズ要素の曲率半径は、前記出射位置に近い位置のレンズ要素の曲率半径に比べて大きい
    ことを特徴とするスクリーン。
  2. 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
    前記レンズ要素は、前記入射面及び当該入射面の延長面のいずれかの面上に設定された基準点を中心とする円弧状の仮想の基準線に沿って配置され、
    前記基準点は、前記入射面の法線方向から見て前記出射位置と重なる位置に設定され、
    前記基準点からの放射方向に沿って隣り合う2つの前記レンズ要素の中心間距離は、当該レンズ要素の曲率半径の2倍より小さい
    ことを特徴とするスクリーン。
  3. 請求項2に記載のスクリーンにおいて、
    前記曲率半径及び前記中心間距離は、前記基準点から離れるに従ってそれぞれ大きくなる
    ことを特徴とするスクリーン。
  4. 請求項3に記載のスクリーンにおいて、
    前記基準点は、前記入射面の中心線上に設定され、
    1つの前記仮想の基準線に沿って配列された複数の前記レンズ要素のうち、前記基準点に向かう方向に沿う直線と前記中心線とが略45°で交差する位置のレンズ要素の曲率半径は、当該基準線に沿って配列された複数のレンズ要素のうち、前記中心線上に位置するレンズ要素の曲率半径に比べて大きい
    ことを特徴とするスクリーン。
  5. 画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンを製造するためのスクリーン製造用型の製造方法であって、
    凹部が形成された母型を製造する母型製造工程と、
    前記母型を用いて前記スクリーン製造用型である成形型を製造する成形型製造工程とを含み、
    前記母型製造工程は、
    前記母型となる基板にマスク層を形成するマスク層形成手順と、
    前記マスク層に複数の孔を形成する孔形成手順と、
    エッチングにより前記複数の孔のそれぞれを中心とする複数の凹部を前記基板に形成する凹部形成手順とを含み、
    前記凹部形成手順では、前記基板における第1領域の侵食が、第2領域の侵食より進むように、前記エッチングを実施する
    ことを特徴とするスクリーン製造用型の製造方法。
  6. 請求項5に記載のスクリーン製造用型の製造方法において、
    前記凹部形成手順では、当該凹部形成手順に要する処理時間における前記第1領域のエッチング時間が、当該処理時間における前記第2領域のエッチング時間より長くなるように、前記エッチングを実施する
    ことを特徴とするスクリーン製造用型の製造方法。
  7. 請求項6に記載のスクリーン製造用型の製造方法において、
    前記凹部形成手順では、前記第1領域に形成された孔部に応じて設けられる量に対して、前記第2領域に形成された孔部に応じて設けられる量が多くなるように、エッチング溶液に対する阻害物質が前記マスク層に設けられた前記基板に対して、前記エッチングを実施する
    ことを特徴とするスクリーン製造用型の製造方法。
  8. 画像を形成する光が入射され、当該画像を表示するスクリーンの製造方法であって、
    請求項5から請求項7のいずれかに記載のスクリーン製造用型の製造方法により製造された成形型を用いて、前記スクリーンを製造するスクリーン製造工程を含む
    ことを特徴とするスクリーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016101404A1 (zh) * 2014-12-26 2016-06-30 海信集团有限公司 超短焦激光投影显示屏幕和超短焦激光投影设备
WO2023199926A1 (ja) * 2022-04-15 2023-10-19 デクセリアルズ株式会社 スクリーン及びその製造方法、並びに金型

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