JP2013212926A - エンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法 - Google Patents

エンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、故障が少なく、構成が簡易でロープのテンションに応じてロープを移動することができるエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を提供することを課題とする。
【解決手段】駆動源により回転駆動する駆動軸と、駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられた外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って設けられたローラ体と、該ローラ体の一端側又は両端側に連結した弾性体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、少なくともロープを巻回ドラムの溝に取り入れ移動する側のローラ体の端部側近傍で、弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向よりローラ体の外側面を押圧することで、巻回ドラムの回転方向へのローラ体の移動を阻止する押圧阻止体が設けられていることである。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周に沿って設けられた防球用ネット、屋内空間部に吊り張りする防球用ネット、又は空間部に設置するテントに連結したロープを駆動し、該ネット又はシートを昇降移動、又は平行移動するのに用いるエンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法に関するものである。
技術の背景
従来、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周に沿って吊り張りする防球用ネットは、台風等の強風の影響を受けるために防球用ネットの下方に移動して吊り張りを解除する必要がある。
そこで、上記防球用ネットを昇降移動するために、空間部の外周に沿って立設した支柱の上下方向に沿ってエンドレス状に架け渡した駆動用ロープと、該駆動用ロープを駆動するために支柱に取り付けられたエンドレス方式のウインチと、前記駆動用ロープに並行に架け渡したガイド用ロープと、該ガイド用ロープにリング体を介して挿通し、上端側を駆動用ロープに連結した防球用ネットから構成され、前記エンドレス方式のウインチを駆動し駆動用ロープを支柱の上下方向に沿って移動することで、防球用ネットをガイド用ロープに沿って昇降移動する。
また、屋内空間部に吊り張りする防球用ネットは、屋内空間部の使用目的に応じて空間部の外周、又は間仕切り用として防球用ネットを吊り張りするが、屋内空間部の使用を変更する場合は、防球用ネットを収納する。
そこで、上記防球用ネットを移動するために、天井側にエンドレス状に架け渡し、エンドレス方式のウインチで駆動する駆動用ロープと、該駆動用ロープに連結した複数の吊下用ロープと、該吊下用ロープを挿通するリング体が設けられ、下端側で錘を介して連結した防球用ネットから構成され、前記エンドレス方式のウインチを駆動して駆動用ロープを移動し、各吊下用ロープを昇降移動することで防球用ネットを空間部に吊り張り及び収納する。
テントの場合も同様に、テントの吊り張り方向に沿って駆動用ロープをエンドレス状に吊り張りし、該ロープにテントの先端側を連結し、該駆動用ロープを駆動するエンドレス方式のウインチから構成され、該エンドレス方式のウインチを駆動して駆動用ロープを移動することでテント用の複数枚のシートを移動してテントを吊り張りする。
上記各装置に使用するエンドレス方式のウインチは、例えば、特開2000−351580に記載のように、駆動源に連結して回転駆動する駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられて回転する巻回ドラムと、巻回ドラムの外周縁に沿って略V字状に形成された溝と、該溝に沿って設けられ、溝よりのロープの離脱を防止するローラ体と、該ローラの両端側に連結したバネと、ロープを溝側に案内移動する案内ローラから構成されている。
また、他のエンドレス方式のウインチは、特開2007−63013に記載のように、上記ロープを巻回ドラム側に案内移動する案内ガイド及び複数個の案内ローラから構成されている。
上記エンドレス方式のウインチを用いて、ロープを移動する場合は、巻回ドラムの溝に一方側より取り入れ、巻回ドラムを回転しながら取り入れたロープをローラ体で溝側に押圧しながら巻回ドラムに巻回し、他方側よりロープを溝より取り出し移動する。この際、ローラ体は巻回ドラムの回転方向に沿って移動することでロープを強く溝側に押圧する。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、上記エンドレス方式のウインチは、ローラ体の両端側にバネが連結され、巻回ドラムを回転してロープを移動すると該巻回ドラムの回転方向に沿ってローラ体が移動すると、ロープの溝への取り入れ側は、バネが緊張し溝側にロープを強く押圧し、ロープの溝よりの取り出す側はバネが弛緩しロープの溝側への押圧を解除するが、ローラ体の移動が大きければロープの溝よりの取り出し側は、ロープに係るテンションが弱くなり、ロープに弛み又は撓みが発生し、適切なロープの移動ができない欠点があった。
また、ローラ体の移動量が大きいと、バネが強く緊張し続けるために、バネの耐久性の面で大きな欠点があった。
また、ローラ体の移動量が大きいとローラ体によるロープへの溝側への押圧が強く、ロープの磨耗、破損の原因になるという欠点があった。
また、ローラ体の両端側にバネを連結した構成は、ローラ体の移動が大きく、故障の原因となり易く頻繁なメンテナンスを必要とする。
また、ローラ体の一端側を固定し、他端側をバネに連結する構成の場合は、溝へのロープの取り入れ側及びロープの取り出し方向の変更が適切にできず、特に一端側を固定した側でのロープの取り入れ側がスムーズに行えないという欠点があった。
また、ローラ体の移動を常に阻止する構成では、ロープにかかる荷重の大小にかかわらずローラ体の移動を阻止するためにロープにかかる荷重に応じた適切な押圧力の付与という点で大きな問題があった。
そこで、本発明は上記問題点を解決し、ロープを巻回ドラムの回転方向に沿って無駄なく移動でき、故障が少なく、メンテナンスが容易で、ロープにかかるテンションの相違に対応することのできるエンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するために、請求項1は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、駆動軸の設けられたウインチ本体と、前記駆動軸に取り付けられ、外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記ロープの巻回した溝に沿って設けられたローラ体と、該ローラ体の一端側又は両端側に連結した弾性体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、少なくともロープを巻回ドラムの溝に取り入れ移動する側のローラ体の端部側近傍で、弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向よりローラ体の外側面を押圧するとともに、巻回ドラムの回転方向へのローラ体の移動を阻止する押圧阻止体が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2は、駆動源を駆動しウインチ本体に設けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に設けられた巻回ドラムを回転して巻回ドラムに形成された溝に沿って設けられ、端部を弾性体に連結したローラ体で押圧しながらロープを取り入れ移動するとともに溝より取り出し移動するエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法において、溝への取り入れ移動するロープ又は取り出し移動するロープにかかる荷重に応じて巻回ドラムの回転方向に沿って移動するローラ体の移動を所望の位置で阻止しながらロープを取入れ移動及びロープを取り出し移動するとともに、少なくとも溝へ取り入れ移動したロープへのローラ体による押圧を押圧補助することを特徴とする。
発明の作用・効果
本発明のエンドレス方式のウインチの作用効果について説明する。
先ず、ウインチ本体にロープを取り入れると、ロープは巻回ドラムの一方側よりローラ体で押圧して溝に取り入れられ、巻回ドラムの回転方向に沿ってローラ体で押圧された状態で巻回移動し、その後、巻回ドラムの他方側で溝より取り出されウインチ本体より取り出し移動する。
この際、少なくともロープの巻回ドラムの溝への取り入れ側では、弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向よりローラ体の外側面を押圧するとともにローラ体の移動を阻止する押圧阻止体が設けられているために、ローラ体の端部側がロープの荷重で溝より離反する方向に引っ張られると、ローラ体を弾性体による引っ張りで緊張するとともに引っ張り方向と交差する方向より押圧阻止体でローラ体の外側面より巻回ドラムの溝側に押圧し、ロープを適切に巻回ドラムの溝へ押圧しながら取り入れ移動する。
また、ローラ体は押圧阻止体部分を始点として溝に沿っての移動が阻止されているために、必要以上に巻回ドラムの回転に伴って移動することがなく、常に巻回ドラムの溝に沿って巻回されたロープを適切に押圧しながら移動できる。
しかも、巻回ドラムの溝よりロープを取り出す側においても、ローラ体の移動が制限されるためにローラ体の端部側が弛緩することなく、適切に溝側にロープを押圧できる。
このため、ロープに弛み又は撓みが発生することがなくスムーズなロープの取り入れ移動及び取り出し移動を行うことができる。
また、押圧阻止体をローラ体の両端側に設けることで、巻回ドラムの回転方向を変更しても、常にロープの取り入れ側のローラ体を弾性体による引っ張りで緊張するとともに押圧阻止体でローラ体の外側面より溝側に押圧し、ロープを適切に溝へ取り入れ移動し、ロープを巻回ドラムの回転に沿って溝側に適切に押圧し、ロープを適切に溝より取り出し移動することができる。
このように、本発明のエンドレス方式のウインチは、ロープを巻回ドラムの溝側にロープを適切に取り入れ移動、また、溝側よりロープを適切に取り出し移動することができる。
また、押圧阻止体を弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向に設けることで、強い力でローラ体を押圧することなく、ローラ体の移動の阻止及びローラ体の溝側への押圧を押圧補助できるので、ロープの磨耗が少なく連続した使用を可能とする。
さらに、押圧阻止体の構成が簡易であり、故障が少なく頻繁なメンテナンスを必要としない。
次に、エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法は、駆動源でウインチ本体に設けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に取り付けられた巻回ドラムを回転する。その後、ロープを巻回ドラムの一方の溝側より取り入れると、該ロープを溝側に押圧しながらローラ体を移動して溝に沿ってロープを巻回し、他方側より取り出し移動する。
この際、ローラ体の少なくとも取り入れ側の端部では、ロープの荷重に応じてローラ体によるロープの巻回ドラムの溝側への押圧を補助するとともに、ローラ体の移動を所望の位置で阻止しながらロープを取り入れ移動するために、ロープの荷重に応じてロープを適切に押圧しながら取り入れ移動することができ、またロープの取り出し側でも巻回ドラムの溝側に押圧した状態で取り出し移動することができる。
このように、ロープにかかる荷重に応じて、ローラ体の弾性体を変更することなくスムーズにロープを移動することができる。
本発明は、簡易な構成で常に適切にロープを移動することができ、スムーズなロープ移動を可能とする。
また、ロープの荷重に応じてローラ体の移動を適切な所望の位置に制限でき、ロープの押圧による磨耗等を解消することができ、頻繁なメンテナンスを必要としない。
以下、本発明のエンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明のエンドレス方式のウインチの第1実施例を示す概略説明平面図であり、図2は図1のエンドレス方式のウインチを用いたロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図であり、図3は図1のエンドレス方式のウインチを用いたロープの取り出し移動を示す概略説明平面図であり、図4は本発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を示すフローチャートであり、図5は本発明のエンドレス方式のウインチの第2実施例を示す概略説明平面図であり、図6は押圧阻止体の他実施例を示す概略説明平面図であり、図7は図6の押圧阻止体の作用を示す概略説明平面図である。
(第1実施例)
本発明のエンドレス方式のウインチ1は、モータ等の駆動源(図示せず)と、該駆動源により回転駆動する駆動軸2の設けられたウインチ本体3とか構成され、前記駆動軸2には略円盤状で、外周縁に沿って略V字状の溝4の形成された巻回ドラム5が取り付けられ、該巻回ドラム5の溝4に沿って複数のローラ11をそれぞれ連結板12で連結することで形成されたローラ体6が設けられている。
前記ローラ体6の両端側のローラ11A、11Bは、それぞれウインチ本体3に固定された弾性体としてのバネ7に連結され、巻回ドラム5の回転方向に沿って移動することで一方(ロープ10の取り入れ側)のバネ7を緊張し、他方(ロープ10の取り出し側)のバネ7を弛緩しながら移動する。
上記ローラ体6の移動距離はロープ10にかかる荷重の大小に応じて決定され、荷重が大きい場合はバネ7が強く緊張し端部ローラ11Aを溝4より離反する方向に押圧(R2)しながらローラ体6の移動が大きく、荷重が小さい場合はバネ7の緊張が少なく端部ローラ11Aより離反する方向に押圧(R1)しながらローラ体6の移動は少ない。
前記ローラ体6の一方の端部ローラ11A側近傍で該ローラ体6に近接し、前記バネ7の張力方向と交差する方向でローラ体6の外側面より巻回ドラム5の軸方向に沿って押圧阻止体15が設けられている。
前記押圧阻止体15は、巻回ドラム5の軸方向にローラ体6を押圧することで、ローラ体6の巻回ドラム5の回転方向に沿っての移動時にその端部ローラ11A側がロープ10にかかる荷重に応じて溝4より離反する方向に広がると、押圧阻止体15でローラ体6の外側面より押圧し、ローラ体6の端部側の押圧部分を始点として巻回ドラム5の回転方向に伴ってのローラ体6の移動を阻止する。
上記押圧阻止体15の具体的構成は、阻止体8と、該阻止体8を付勢する弾性体としてのバネ9から構成されて、前記阻止体8を所望のローラ11間を連結する連結板12間に挿入してローラ体6による溝4側へ押圧を補助するとともに、該押圧によりローラ体6の移動を阻止することで、溝4に沿ってローラ体6を適切に配置し巻回されたロープ10を適切に押圧する。
または、阻止体8でローラ11を直接押圧してローラ体6の移動を阻止することも可能である。
さらに、該阻止体8を駆動軸2にベアリングを介してフリーの状態で設けた支持体8Aに移動可能に連結することで、ローラ体6の外側面での設置位置を微調整でき、より適切なローラ体6への押圧及びローラ体6の移動阻止を行える。
即ち、ローラ体6の移動に伴って端部側ローラ11Aの近傍のローラ11を阻止体8で押圧しながら所望量支持体8Aを回動する。
また、前記支持体8Aを回動することで、1つの阻止体8でローラ体6の両端側を同様に押圧及び移動阻止することができ、駆動軸2の回転方向に応じて自在に変更することができる。
また、阻止体8は支持体8Aに連結しているために、阻止体8の形状も自在に形成でき、円形上に形成することも可能である。
さらに、阻止体8を付勢するバネ9も同様に支持体8Aに取り付けることで、支持体8を駆動軸2側に付勢する力を容易に調整することができる。
また、上記押圧阻止体15の設置位置は、バネ7の張力方向と交差する方向であれば、ロープ10にかかる荷重に応じて自在に設置でき、また、荷重が大きいほど、該押圧阻止体15のバネ9を強くしたり、ローラ体6の端部により近接して設置することで、ローラ体6の移動を少なくし制限することも可能である。
上記の構成により、巻回ドラム5の溝4へのロープ10の取り入れ側では巻回ドラム5の回転によるローラ体6の移動が阻止され、ロープ10を適切に押圧しながら取り入れ移動し、ロープ10の取り出し側では、ローラ体6の移動が制限されているために、バネ7が弛緩することなく端部のローラ11B部分でも、ロープ10を溝4側へ押圧した状態で適切に取り出しできる。
従って、巻回ドラム5の溝4への取り入れ側及び溝4よりの取り出し側において、ロープ10に弛み又は撓みが発生することなく移動できる。
例えば、溝4への取り入れ側のロープ10の荷重が大きい場合は、ローラ体6の端部ローラ6Bがロープ10の引っ張りにより溝4より離反する方向に移動するが、押圧阻止体15の阻止体8が強く連結板12間に深く挿入してローラ体6の端部側を強く押圧しローラ体6を介してロープ10を押圧するとともに、該押圧によりローラ体6の端部部分を始点として、ローラ体6の移動を所望の位置で阻止してロープ10を溝4側に適切に押圧して取り入れ移動し、溝4より取り出し側は、ローラ体6の移動が阻止されているために端部ローラ11Bが適切にロープ10を溝4側に押圧した状態でロープ10を取り出し移動する。
また、溝4への取り入れ側のロープ10の荷重が小さい場合は、ローラ体6の端部ローラ11Aのロープ10による引っ張りが弱く、ローラ体6の端部ローラ11A側の溝4よりの離反が小さく、押圧阻止体15の押圧力が弱くてもローラ体6を介しての押圧し、ローラ体6の移動を阻止し、ロープ10を適切に押圧して巻回ドラム5の回転方向に沿って移動する。
また、前記巻回ドラム5の近傍には溝4へのロープ10の取り入れ及び取り出しを補助する一対の案内ローラ14がローラ体6の両端部側のウインチ本体3に軸支している。
本発明のエンドレス方式のウインチ1は、上記のように構成され、次にネット又はシートに連結したロープ10を移動する場合について説明する。
ネット又はシート(図示せず)に連結されたロープ10を、エンドレス方式のウインチ1で移動する場合は、先ず、ロープ10の先端を一方の案内ローラ14を介してウインチ本体3に取り入れ、巻回ドラム5の溝4側に移動する。
溝4側に移動したロープ10は、押圧ローラ6に押圧された状態で巻回ドラム5の回転方向に沿って移動して溝4に沿って巻回する。
その後、ロープ10は、他方側で溝4より離反し、案内ローラ14を介してウインチ本体3より取り出し移動する。
上記ロープ10の溝4への取り入れ及び溝4に沿っての巻回時、ローラ体6の巻回ドラム5の回転方向に沿っての移動は、その端部側の押圧阻止体15のバネ9で押圧された阻止体8で所望の位置で阻止されるために、ローラ体6による溝4への押圧が一定状態に維持され、巻回されたロープ10全体を適切な押圧力で押圧することができる。
また、ロープ10も溝4よりの取り出し側では、ローラ体6の移動が阻止されているためにバネ7が弛緩することなく、適切な溝4への押圧が可能であり、ロープ10に荷重がかかっている場合でもスムーズに移動することができる。
そして、ロープ10にかかる荷重が大きい場合は、ロープ10の引っ張りによりローラ体6のバネ7を強く緊張し、端部側が巻回ドラム5より離反して直線状に強く引っ張られるために、押圧阻止体15の阻止体8が深くローラ体6の端部側の連結板12間に当接状態で押圧し、ローラ体6を強く押圧補助するとともに、該押圧部分を始点としてローラ体6の移動を強く阻止する。
また、ロープ10にかかる荷重が小さい場合は、ローラ体6のバネ7の緊張が弱くローラ体6の巻回ドラム5よりの離反が少なく弱い引っ張りのために、阻止体8の連結板12への押圧補助も弱く、またその移動の阻止も弱く作用する。
次に、ロープ10を逆方向に移動する場合は、上記巻回ドラム5を逆回転してロープ10を移動すると、ローラ体6は巻回ドラム5の回転方向に沿って移動し、ロープ10の取り出し側で、阻止体8により押圧補助するとともにその移動を阻止して、適切にロープ10を溝4側に押圧して移動することができる。
このように、ローラ体6の移動を制御することで、ロープ10にかかる荷重に関わらず常に適切にロープ10を溝4側に押圧して移動することができる。
また、ロープ10の溝4への取り入れがスムーズに行えるとともに、ロープ10の取り出し側でもローラ体6の端部側ローラ11Bが弛緩せず、スムーズに取り出しすることができる。
また、押圧阻止体15の阻止体8の設置位置でローラ体6の端部側の押圧位置を決定できローラ体6の移動距離を自在に設定することができるために、ロープ10の荷重に応じて、その設置位置を調整することができる。
上記実施例において、押圧阻止体15をローラ体6の一端側近傍のみに設けた構成として説明したが、本発明において押圧阻止体15の設置位置はこれに限定するものでなく、例えば、押圧阻止体15をローラ体6の両端側に設けることで、巻回ドラム5の回転方向を変更しても、同様にロープ10の取り入れ側のローラ体6による押圧を補助するとともに、巻回ドラム5の回転によるローラ体6の移動を阻止し、ロープ10を適切に移動することができる。
また、上記ローラ体6の両端側近傍に押圧阻止体15を設ける場合は、その設置位置をそれぞれ異なった位置に設置することで、ロープ10の溝4への取り入れ側及び取り出し側の荷重の相違に対応することができる。
(第2実施例)
本発明のエンドレス方式のウインチ1は、第1実施例とは押圧阻止体15が相違する構成である。
上記押圧阻止体15は、ローラ体6の端部のローラ11Aに一端側を接し、他端側に阻止体8の設けられたテコ式の板状体16から構成されている。
このため、端部のローラ11Aが板状体16を押すことで、阻止体8をローラ体6の連結板12を押圧補助するとともにその移動を阻止する。
また、この場合も上記支持体8Aに阻止体8及び板状体16を連結することで、その設置位置を自在に調整することも可能である。
従って、ローラ体6が巻回ドラム5の回転方向に沿って移動する際、ロープ10にかかる荷重が大きいと、溝4へのロープ10の取り入れ側では、バネ7が強く緊張しローラ体6が直線状に強く引っ張られ、端末のローラ11Aが板状体16の端部を強く押し、阻止体8をローラ体6の連結板12を強く押圧補助するとともに、ローラ体6の回転方向への移動を所望の位置で確実に阻止することができる。
ロープ10の溝4よりの取り出し側は、ローラ体6の移動が阻止されているために、バネ7が弛緩することなくローラ体6を引っ張っているために、取り出し側のロープ10への荷重が弱い場合でも、ロープ10が弛むことなく、またロープ10への荷重が強い場合でも、溝4よりロープ10を取り出し移動できる。
また、ロープ10にかかる荷重が小さいと、溝4へのロープ10の取り入れ側では、バネ7の緊張が弱くローラ体6は直線状に強く引っ張られないために、端末のローラ11Aの板状体15へ強く押さないために、阻止棒8のローラ体6側への移動が少なく、ローラ体6は少しの移動でロープ10を溝4側に押圧しながら取り入れ及び溝4に沿って巻回できる。
ロープ10の溝4よりの取り出し側は、ローラ体6の移動が少ないので、バネ7が弛緩することなくローラ体6を引っ張り端部ローラ11Bでロープ10を溝4側に押圧し、溝4よりスムーズに取り出し移動できる。
このように、本発明はロープ10かかる荷重に応じて押圧阻止体15の押圧力を調整することができるので、ローラ体6の移動をロープ10の荷重に応じて適切に調整し、ロープ10を溝4側に押圧した状態で取り入れ及び取り出し移動することができる。
また、本発明の押圧阻止体15は、実施例のように、ローラ体6の端部の一方側に設ける場合に限定されず、例えば、ローラ体6の両端側に設けることも可能である。この際も、支持体8Aを2本用いて対応することができる。
本発明のエンドレス方式のウインチの第1実施例を示す概略説明平面図 図1のエンドレス方式のウインチを用いたロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図 図1のエンドレス方式のウインチを用いたロープの取り出し移動を示す概略説明平面図 本発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動を示すフローチャート 本発明のエンドレス方式のウインチの第2実施例を示す概略説明平面図 押圧阻止体の他実施例を示す概略説明平面図 図6の押圧阻止体の作用を示す概略説明平面図
1−エンドレス方式のウインチ、2−駆動軸、3−ウインチ本体、4−溝、5−巻回ドラム、6−ローラ体、10−ロープ、15−押圧阻止体
上記課題を解決するために、請求項1は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、前記駆動軸に取り付けられ、外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記ロープの巻回した溝に沿って設けられたローラ体と、該ローラ体の両端側に連結した弾性体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、少なくともロープを巻回ドラムの溝に取り入れ移動する側のローラ体の端部側近傍で、弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向よりローラ体の外側面を押圧するとともに、押圧部分を始点として巻回ドラムの回転方向へのローラ体の移動を阻止する押圧阻止体が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2は、駆動源を駆動しウインチ本体に設けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に設けられた巻回ドラムを回転して、巻回ドラムに形成された溝に沿って設けられ両端部を男性体に連結したローラ体で押圧しながらロープを取り入れ移動するとともに溝より取り出し移動するエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法において、溝への取り入れ移動するロープ又は取り出し移動するロープにかかる荷重の大小に応じて巻回ドラムの回転方向に沿って移動するローラ体の移動をローラ体の端部側近傍の押圧部分を始点とした位置で阻止しながらロープを取り入れ移動及びロープを取り出し移動するとともに、少なくとも溝へ取り入れ移動したロープへのローラ体による押圧をローラ体の端部側近傍の位置で押圧移動することを特徴とする。

Claims (2)

  1. 駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、前記駆動軸に取り付けられ、外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記ロープの巻回した溝に沿って設けられたローラ体と、該ローラ体の一端側又は両端側に連結した弾性体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、少なくともロープを巻回ドラムの溝に取り入れ移動する側のローラ体の端部側近傍で、弾性体によるローラ体の張力方向と交差する方向よりローラ体の外側面を押圧するとともに巻回ドラムの回転方向へのローラ体の移動を阻止する押圧阻止体が設けられていることを特徴とするエンドレス方式のウインチ。
  2. 駆動源を駆動しウインチ本体に設けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に設けられた巻回ドラムを回転して、巻回ドラムに形成された溝に沿って設けられ端部を弾性体に連結したローラ体で押圧しながらロープを取り入れ移動するとともに溝より取り出し移動するエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法において、溝への取り入れ移動するロープ又は取り出し移動するロープにかかる荷重に応じて巻回ドラムの回転方向に沿って移動するローラ体の移動を所望の位置で阻止しながらロープを取り入れ移動及びロープを取り出し移動するとともに、少なくとも溝へ取り入れ移動したロープへのローラ体による押圧を押圧補助することを特徴とするエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法。
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