JP2013211762A - 不揮発性集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】無駄な書き込み電流を抑制する。
【解決手段】一端をデータ入力端子に接続した第1のスイッチ素子と、一端を第1のスイッチ素子の他端に接続し、他端をデータ出力端子に接続した第1の磁性素子と、第1の磁性素子の他端に、ソース/ドレインを接続した第1のMOSトランジスタと、一端を第1のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第1の電源に接続した第1の磁気抵抗素子と、を備え、第1の磁性素子は、第1のスイッチ素子がオンとなった際に自身に流れる電流の方向に応じて磁気の方向を変化可能とする素子であって、第1の磁気抵抗素子は、第1の磁性素子によって生じた磁界の方向に応じて抵抗値が2つの状態を取り得る素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、不揮発性集積回路に係り、特に、磁気抵抗素子を備える不揮発性集積回路に係る。
電子の電荷を利用する半導体デバイス技術と電子のスピンを利用する磁気デバイス技術を共に利用したスピントロニクス技術は、近年注目をされている分野である。代表的なものとして、磁気抵抗素子(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子がある。MTJ素子は、磁化が一方向に固定された磁化固定層と磁化が二方向に変化する磁化自由層とが、薄い絶縁膜(トンネルバリア膜)を挟んで形成された構造とされる。磁化固定層、トンネルバリア膜、磁化自由層を貫通するように電流を流すときに、MTJ素子は抵抗素子として働く。磁化自由層の磁化が磁化固定層の磁化と平行であるとき、MTJ素子の抵抗値は低くなり(低抵抗状態)、磁化自由層の磁化が磁化固定層と反並行であるとき、MTJ素子の抵抗値は高くなる(高抵抗状態)。低抵抗状態のときを「0」、高抵抗状態のときを「1」として扱えば、0/1の論理状態を保有するメモリとして使用することができる。MTJ素子に書き込まれた情報は、集積回路の電源を切っても失われない。すなわち書き込まれた0/1の情報(ビット情報)は不揮発性である。
MTJ素子は、高集積化可能で高速で動作させることができるので、従来のSRAM(Static RAM)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)を置き換えることが考えられた。不揮発性を兼ね備えたRAMで、MRAM(Magnetic Random Access Memory)と呼ばれ、現在では実用化段階に入っている。
ところで、近年の半導体デバイス微細化及び回路の大規模化に伴い、消費電力の増大を軽減することが求められる。消費電力を抑制するための手段としては、使用されていない回路ブロック、あるいは集積回路全体の電源供給を止める方法が一般的に知られている。電源停止の前に、回路内にあるデータの初期値や中間処理値、処理後のデータをハードディスクやフラッシュメモリなどのストレージデバイスに退避させ、電源回復後に再びデータを転送する方法である。しかしながら、この手法は電源制御を複雑化させることや、データの退避、転送などによって回路動作の回復に時間がかかると言った問題点が存在した。
この問題点を解決するため、MTJ素子とラッチ回路やフリップフロップ回路を組み合わせた不揮発性ラッチ回路が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の不揮発性ラッチ回路は、1ビットのデータを保持するようにクロスカップルされた第1インバータ及び第2インバータと、それぞれが、第1及び第2のMTJ素子とを有し、MTJ素子の抵抗値を変化させる磁気反転電流が供給できるように構成された回路である。このような不揮発性ラッチ回路は、集積回路の内部に組み込むことができ、不揮発性メモリへのデータの退避や転送と言った動作をさせなくても、回路内の情報を不揮発的に保持することができる。且つ、電源を切る必要の無いときなどは、通常のラッチ回路などとほぼ同等に扱うことができるため、汎用性の高い回路である。
また、特許文献2には、データを一時的に保持するラッチ回路と、絶縁膜を挟んで積層される第1磁性層と第2磁性層とを含む第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子と、前記ラッチ回路の状態に応じて、前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子の磁化状態を相補に変化させる電流供給部とを具備し、前記第1磁気抵抗素子の前記第1磁性層と前記第2磁気抵抗素子の前記第1磁性層とは直列接続され、前記ラッチ回路は、前記磁化状態に対応するデータを、前記ラッチ回路が保持するデータとする機能を有する不揮発性ラッチ回路が開示されている。
国際公開第2009/072511号 国際公開第2009/078242号
以下の分析は本発明において与えられる。
ところで、特許文献1、2に記載の不揮発性ラッチ回路は、MTJ素子にデータを書き込むときには、ストア・イネーブル信号/WEをローレベルにして磁化反転に必要な電流を流す。そのため、ストア・イネーブル信号/WEを入力する端子を制御するための回路が必要であり、書き込み動作時に伴い、この回路で電力が消費される。
図13に、従来の不揮発性ラッチ回路の書き込み動作のタイミングチャートの例を示す。図13に示すように、ストア・イネーブル信号/WEがローレベルになったとき、MTJ素子への書き込み電流が流れて、MTJ素子の抵抗値が変化する。MTJ素子へ書き込みを行うために、ある一定の時間を持って書き込み電流を流している。しかしながら、MTJ素子の抵抗値が変化した後も、期間T1、T2、T4に示すように、ストア・イネーブル信号/WEがハイレベルになる時間まで無駄な書き込み電流が流れ続けてしまっている。
また、データQとMTJ素子の保持データが等しい場合、すなわちMTJ素子の抵抗値を変化させる必要のない場合であっても、ストア・イネーブル信号/WEがローレベルである間、期間T3、T5に示すように、MTJ素子に書き込み電流を流してしまっている。
これらの書き込み電流は、いずれも本来必要のない無駄なMTJ素子へのストア電流であり、スピントロニクス論理集積回路において削減すべき課題の一つである。
したがって、本発明の目的は、無駄な書き込み電流を抑制する不揮発性集積回路を提供することにある。
本発明の1つのアスペクト(側面)に係る不揮発性集積回路は、一端をデータ入力端子に接続した第1のスイッチ素子と、一端を第1のスイッチ素子の他端に接続し、他端をデータ出力端子に接続した第1の磁性素子と、第1の磁性素子の他端に、ソース/ドレインを接続した第1のMOSトランジスタと、一端を第1のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第1の電源に接続した第1の磁気抵抗素子と、を備え、第1の磁性素子は、第1のスイッチ素子がオンとなった際に自身に流れる電流の方向に応じて磁気の方向を変化可能とする素子であって、第1の磁気抵抗素子は、第1の磁性素子によって生じた磁界の方向に応じて抵抗値が2つの状態を取り得る素子である。
本発明によれば、書き込み動作に伴う消費電力をより低減することができる。
本発明の第1の実施例に係る不揮発性集積回路の回路図である。 本発明の第1の実施例に係る磁壁移動素子とMTJ素子の配置を示す図である。 図2の一点鎖線Aにおける断面図である。 図2の一点鎖線Bにおける断面図である。 本発明の第1の実施例に係る不揮発性集積回路の書き込み時(ストア時)の動作タイミングチャートである。 本発明の第1の実施例に係る不揮発性集積回路のリストア時の動作タイミングチャートである。 本発明の第2の実施例に係る不揮発性集積回路の回路図である。 本発明の第2の実施例に係る不揮発性集積回路の書き込み時(ストア時)の動作タイミングチャートである。 本発明の第2の実施例に係る不揮発性集積回路のリストア時の動作タイミングチャートである。 本発明の第3の実施例の不揮発性集積回路の回路図である。 本発明の第3の実施例に係る磁壁移動素子とMTJ素子の配置を示す図である。 図11の一点鎖線Aにおける断面図である。 従来の不揮発性ラッチ回路の書き込み動作のタイミングチャートの例を示す。
以下、本発明を実施するための形態について、概説する。なお、以下の概説に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるための例示であり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の一つの実施形態に係る不揮発性集積回路は、一端をデータ入力端子(図1のDに対応)に接続した第1のスイッチ素子(図1のM5に相当)と、一端を第1のスイッチ素子の他端に接続し、他端をデータ出力端子(図1のn2に相当)に接続した第1の磁性素子(図1の11に相当)と、第1の磁性素子の他端に、ソース/ドレインを接続した第1のMOSトランジスタ(図1のM2に相当)と、一端を第1のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第1の電源に接続した第1の磁気抵抗素子(図1のMTJ1に相当)と、を備え、第1の磁性素子は、第1のスイッチ素子がオンとなった際に自身に流れる電流の方向に応じて磁気の方向を変化可能とする素子であって、第1の磁気抵抗素子は、第1の磁性素子によって生じた磁界の方向に応じて抵抗値が2つの状態を取り得る素子である。
不揮発性集積回路において、データ入力端子と第1のスイッチ素子とデータ出力端子と第1の磁性素子と第1のMOSトランジスタと第1の磁気抵抗素子とをそれぞれ2組分備え、第1のMOSトランジスタとは逆導電型である第2のトランジスタ(図1のM1に相当)を2個備え、それぞれの第1のMOSトランジスタは、それぞれ第2のトランジスタとそれぞれインバータ回路を構成し、それぞれのインバータ回路がクロスカップルされるように接続され、それぞれの第1のスイッチ素子は、同一のタイミングで開閉されるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、それぞれのインバータ回路の出力同士を接続する第2のスイッチ素子(図1のM7に相当)を備え、第1の磁気抵抗素子に書き込まれたデータを読み出す時に、それぞれの第1のスイッチ素子は開放状態とされると共に、第2のスイッチ素子は短絡状態とされるようにしてもよい。
マスタースレーブラッチ回路において、上記の不揮発性集積回路をスレーブラッチ回路(図7の32に相当)として構成するようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁性素子(図10の21に相当)の他端に、ソース/ドレインを接続し、第1のMOSトランジスタとは逆導電型である第2のMOSトランジスタ(図10のM25に相当)と、一端を第2のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第2の電源に接続した第2の磁気抵抗素子(図10のMTJ21に相当)と、をさらに備え、第2の磁気抵抗素子は、第1の磁気抵抗素子(図10のMTJ22に相当)と同様に構成される素子であって、第1の磁気抵抗素子とは抵抗値の状態が相反するように第1の磁性素子に対して配置されるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁気抵抗素子に書き込まれたデータを読み出す時において、第1のスイッチ素子(図10のM23、M24に相当)は開放状態とされると共に、第1および第2のMOSトランジスタ(図10のM25、M26に相当)は短絡状態とされるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1および第2の磁気抵抗素子(図11のMTJ21、MTJ22に相当)は、第1の磁性素子(図11の21に相当)が発生する磁界の中心軸に対して対称となるように配置され、第1および第2の磁気抵抗素子と第1の磁性素子とは磁気的に結合するようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁気抵抗素子は、強磁性膜を有し、強磁性膜の面に対して平行な方向の磁場を形成する強磁性トンネル接合素子で構成されるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁性素子は、強磁性膜の面に対して垂直な方向の磁場を発生する磁壁移動素子で構成されるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁性素子は、強磁性膜の面に対して垂直な方向の磁場を発生するスピン磁化反転素子で構成されるようにしてもよい。
本発明の他の実施形態に係る不揮発性集積回路は、データ入力端子に接続された第1のスイッチ素子と、一方が第1のスイッチ素子に接続され、他方がデータ出力端子に接続された第1の磁性素子と、第1の磁性素子に、ソースあるいはドレインが接続された第1のトランジスタと、第1のトランジスタに接続された第1の強磁性トンネル接合素子を具備する。
不揮発性集積回路において、第1のトランジスタを構成の一部とする第1のインバータと、第1のインバータにクロスカップルされた第2のインバータと、第1のインバータの電源端子に直列接続された第1の強磁性トンネル接合素子と、第2のインバータの電源端子に直列接続された第2の強磁性トンネル接合素子を具備するようにしてもよい。
本発明のさらに他の実施形態に係る不揮発性集積回路は、クロスカップルされた第1のインバータと第2のインバータと、第1のインバータの電源端子が第1の強磁性トンネル接合素子に直列接続され、第2のインバータの電源端子が第2の強磁性トンネル接合素子に直列接続され、第1のインバータへの入力と第1のインバータの間に接続された第1の磁性素子と、第2のインバータへの入力と第2のインバータの間に接続された第2の磁性素子を具備する。
不揮発性集積回路において、双安定回路に接続された第1の磁性素子と第2の磁性素子がそれぞれ相補的にデータを保持するようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1および第2の強磁性トンネル接合素子は、第1および第2の強磁性トンネル接合素子を形成する強磁性膜の面に平行な方向の磁場を形成し、第1および第2の磁性素子は、第1および第2の磁性素子を形成する強磁性膜の面に垂直な方向の磁場を有しているようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、双安定回路にデータが書き込まれるときに、第1および第2の磁性素子に不揮発的にデータを書き込み、第1の磁性素子から発生する磁場によって、第1の強磁性トンネル接合素子にデータが書き込まれ、第2の磁性素子から発生する磁場によって、第2の強磁性トンネル接合素子にデータが書き込まれるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1の磁性素子は第1の強磁性トンネル接合素子と磁気的に結合されており、第2の磁性素子は第2の強磁性トンネル接合素子と磁気的に結合されているようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、双安定回路に保持されているデータと入力されるデータとが異なる状態のときのみ、第1および第2の磁性素子にデータを書き込むための電流が流れるようにしてもよい。
不揮発性集積回路において、第1および第2の少なくともいずれか一方の磁性素子として磁壁移動素子を具備してもよい。
不揮発性集積回路において、第1および第2の少なくともいずれか一方の磁性素子としてスピン磁化反転素子を具備してもよい。
以上のような不揮発性集積回路によれば、書き込み動作に直接係る回路と端子を削減することができる。また、書き込み動作に係る無駄な書き込み電流を抑制することができる。したがって、書き込み動作に伴う消費電力をより低減することができる。さらに、従来技術におけるストア・イネーブル信号/WEを入力する端子が不要なため、この端子に係る回路の設計も不要である。また、ラッチ動作における書き換えもより簡単に行うことができる。
以下、実施例に即し、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る不揮発性集積回路の回路図である。図1において、不揮発性集積回路は、二つの磁壁移動素子11、12と、二つのMTJ素子MTJ1、MTJ2と、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成されるインバータと、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成されるインバータと、NMOSトランジスタM5、M6と、PMOSトランジスタM7と、インバータIV1、IV2とを備える。
PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2とPMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4は、クロスカップルされた二つのインバータを構成し、この二つのインバータによりラッチ回路が構成される。PMOSトランジスタM1、M3のソース側の端子は、電源電位Vddを有する電源線に接続される。NMOSトランジスタM2、M4のソースは、それぞれMTJ素子MTJ1、MTJ2の端子n3、/n3に接続される。PMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2のドレインは、ノードn2に接続され、PMOSトランジスタM3及びNMOSトランジスタM4のドレインはノード/n2に接続される。更に、ノードn2は、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4のゲートに共通に接続され、ノード/n2は、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2のゲートに共通に接続される。ノードn2は、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの出力として機能する共に、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの入力としても機能する。同様に、ノード/n2は、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの出力として機能すると共に、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの入力としても機能する。
MTJ素子MTJ1、MTJ2は、不揮発性集積回路への電源供給が行われないときに、不揮発的にラッチ回路のデータを記憶するために使用される。本実施例では、MTJ素子MTJ1、MTJ2は、2端子素子として構成される。MTJ素子MTJ1の一端はグランドに接続され、他端はノードn3に接続され、MTJ素子MTJ1にはトンネル電流Itがn3からグランドへ流れる。MTJ素子MTJ2の一端はグランドに接続され、他端は、ノード/n3に接続され、MTJ素子MTJ2にはトンネル電流/Itが/n3からグランドへ流れる。
磁壁移動素子11は、2端子素子で構成され、ノードn1、n2の端子を持つ。n1はNMOSトランジスタM5のソース/ドレインに接続され、n2はPMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの出力、及び、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの入力に接続される。磁壁移動素子12もノード/n1、/n2の端子を持つ2端子素子である。/n1はNMOSトランジスタM6のソース/ドレインに接続され、/n2はPMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの出力、及び、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの入力に接続される。
PMOSトランジスタM7は、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの出力と、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの出力との間に接続され、ゲートにリストア・イネーブル信号/LBが供給される。リストア・イネーブル信号/LBがローレベルになると、PMOSトランジスタM7がオンとされ、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2で構成するインバータの出力と、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4で構成するインバータの出力との間は短絡される。リストア・イネーブル信号LBがハイレベルになると、PMOSトランジスタM7がオフとされ、2つのインバータの出力間は、開放されて電気的に切り離される。
NMOSトランジスタM5、M6は、2つのインバータがクロスカップルされたラッチ回路に対し、入力データD、/Dを供給し、ラッチ回路に書き込まれたデータを書き換えるスイッチ素子の役割を果す。ここで入力データD、/Dは、相補的なデータである。NMOSトランジスタM5は、クロック信号CLKを受け取るゲートと、ノードn1に接続されたソース/ドレインと、入力データDを受け取るドレイン/ソースとを有する。同様にNMOSトランジスタM6は、クロック信号CLKを受け取るゲートと、ノード/n1に接続されたソース/ドレインと、入力データ/Dを受け取るドレイン/ソースとを有する。
インバータIV1、IV2は、それぞれ外部に出力データ/Q、Qを出力する役割を果す。ここで出力データQ、/Qは、互いに相補的なデータである。インバータIV1は、入力端をPMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2からなるインバータの出力であるノードn2に接続し、出力端から出力データ/Qを出力する。インバータIV2は、入力端をPMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4からなるインバータの出力であるノード/n2に接続し、出力端から出力データQを出力する。
次に、磁壁移動素子とMTJ素子との関係について説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係る磁壁移動素子とMTJ素子の配置を示す図である。図3は、図2の一点鎖線Aにおける断面図である。図4は、図2の一点鎖線Bにおける断面図である。図2〜4に示すように、磁壁移動素子11はMTJ素子MTJ1と磁気的に結合され、磁壁移動素子12はMTJ素子MTJ2と磁気的に結合される。なお、図3、4では、磁壁移動素子11とMTJ素子MTJ1の配置を示している。以下、磁壁移動素子11とMTJ素子MTJ1との関係について述べる。磁壁移動素子12とMTJ素子MTJ2との関係も同様である。
図3に示すように、磁壁移動素子11は、磁壁移動素子を形成する磁性膜の面内に垂直な方向の磁場を有し、磁化方向が上向き及び下向きにそれぞれ固定された磁化固定層21a、21bを素子の両端部に有する。磁化固定層21a、21bの上部あるいは下部に、それぞれ導電層22a、22bを備え、ビアなどを介して配線へ接続される二端子素子である。図3に示す磁壁移動素子11の例の場合、磁化方向が上を向いている磁化固定層21aは、導電層22aを介してノードn1に接続され、磁化方向が下を向いている磁化固定層21bは、導電層22bを介してノードn2に接続される。これら二つの磁化固定層21a、21bに挟まれるように、磁化方向が上、下どちらにも向くことができる磁化自由層23を形成する。磁化自由層23の磁化方向が、ノードn1側の磁化固定層21aの磁化方向と同じである場合には、磁壁24bが磁化自由層23とノードn2側の磁化固定層21bの境界に形成される。逆に、磁化自由層23の磁化方向がノードn2側の磁化固定層21bと同じである場合には、磁壁24aがノードn1側の磁化固定層21aと磁化自由層23の境界に形成される。
このような磁壁24a、24bは、磁壁移動素子11に電流を流すことによって移動する。すなわち、磁化自由層23の磁化の向きが変化する。磁壁24bが磁化自由層23とノードn2側の磁化固定層21bの境界に存在するとき、ノードn1から書き込み電流Iwを流すと、磁壁の位置はノードn1端子側の磁化固定層21aと磁化自由層23の境界へ移動する。この場合、磁化自由層23はノードn2側の磁化固定層21bと同じ下向きの磁化方向になる。同様に、磁壁24aがノードn1側の磁化固定層21aと磁化自由層23の境界に存在するとき、ノードn2から書き込み電流Iwを流すと、磁壁の位置は磁化自由層23とノードn2端子側の磁化固定層21bの境界に移動する。この場合、磁化自由層23はn1端子に接続される磁化固定層21aと同じ上向きの磁化方向になる。
MTJ素子MTJ1(MTJ2)は、磁壁移動素子11(12)に対して、平面的には例えば図2に示すように配置される。磁壁移動素子11(12)とMTJ素子MTJ1(MTJ2)は、磁気的に結合されていれば、図2に示す位置関係に限定されない。
図3に示すように、MTJ素子MTJ1は、下部及び上部にそれぞれ導電層25a、25bを備え、ビアなどを介して配線に接続される2端子素子である。2端子素子の一端である導電層25bはグランドに、他端である導電層25aはノードn3に接続される。図3に示したMTJ素子MTJ1の例では、導電層25a、磁化固定層26、トンネルバリア膜27、磁化自由層28、導電層25bの順に下から積層された構造を有する。MTJ素子MTJ1の構造は、磁化固定層26と磁化自由層28の磁化方向がMTJ素子を形成する磁性膜の面に対して平行であれば良いのであって、図3、図4の構造に限定されず、多種多様の形とすることができる。面内平行磁場を有する磁性膜は、トンネル磁気抵抗効果の大きいものが多く、MTJ素子の抵抗値の差分で保存されたデータを読み取るような回路に非常に向いている。
次に、磁壁移動素子とMTJ素子がどのように磁気的に結合しているかについて説明する。図4において、磁壁移動素子11の磁化自由層23の磁化方向は、(a)または(b)に示す所望の向きになる。磁壁移動素子11の磁化自由層23の磁化方向の変化を受けて、MTJ素子MTJ1の磁化自由層28の磁化方向が変化する。図4において、点線で示したような、磁壁移動素子11から生じる漏れ磁場によって、MTJ素子MTJ1の磁化自由層28の磁化方向を制御する。磁壁移動素子11、12によってそれぞれ制御されるMTJ素子MTJ1、MTJ2は、それぞれ相補的な磁気抵抗値を持つように制御される。
次に、第1の実施例の不揮発性集積回路の動作を詳細に説明する。図5に、不揮発性集積回路の書き込み時(ストア時)の動作タイミングチャートを示す。
クロックCLK信号がハイレベルになると、NMOSトランジスタM5、M6がオン状態となって、入力データD、/Dがノードn1、/n1にそれぞれ入力される。入力データD、/Dが、ノードn2、/n2にそれぞれ保持されているデータとは異なる場合、すなわち、ノードn1、n2間、及びノード/n1、/n2間に電位差が生じる場合、磁壁移動素子11、12に電流が流れる。この電流が、図5の例えばタイミングt0〜t1の間に流れる磁壁移動素子11への書き込み電流Iwとなる。入力データDがハイレベルであって、ノードn2に保持されていたデータがローレベルであるとき、磁壁移動素子11を流れる書き込み電流Iwの向きをプラスに取ると、プラスの書き込み電流Iwが流れる。したがって、磁壁移動素子11の磁壁は、ノードn1側に接続される磁化固定層21aと磁化自由層23との境界に移動し、磁壁移動素子11の磁化自由層の磁化方向は、図4(a)に示すように上を向く。磁壁移動素子11の磁化自由層から生ずる上向きの磁場を受けて、MTJ素子MTJ1の磁化自由層28の磁化方向は右方向とされ、MTJ素子MTJ1の磁化固定層26の磁化方向と反対となり、MTJ素子MTJ1は高抵抗状態となる(図5のタイミングt1)。
一方、ローレベルの入力データ/Dを入力されたノード/n1からハイレベルの状態にあった/n2に、マイナスの書き込み電流が磁壁移動素子12を介して流れる。したがって、磁壁移動素子12の磁壁は、ノード/n2に接続される磁化固定層と磁化自由層との境界に移動して、磁壁移動素子12の磁化自由層の磁化方向は、図4(b)に示すように下を向く。磁壁移動素子12の磁化自由層から生ずる下向きの磁場を受けて、MTJ素子MTJ2の磁化自由層の磁化方向は、左方向とされ、MTJ素子MTJ2の磁化固定層の磁化方向と同じになり、MTJ素子1は低抵抗状態となる。
次に、タイミングt2においてCLK信号がハイレベルになって、ローレベルの入力信号Dが入力された場合、磁壁移動素子11にはマイナスの書き込み電流Iwが流れ、MTJ素子MTJ1は低抵抗状態になる。
さらに、タイミングt4においてCLK信号がハイレベルになって、もたらされる入力信号Dが、ノードn2と同じローレベルであるならば、ノードn1とn2間に電位差は生じない。したがって、磁壁移動素子11に書き込み電流Iwは流れず、MTJ素子MTJ1は低抵抗状態のままを保つ。言い換えれば、入力データとMTJ素子に保持されているデータとが一致しているときには、新たな書き込みは行われない。すなわち、先行技術にあったような、無駄な書き込み電流が発生しない。
また、書き込みに用いられる電流は、PMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2と、PMOSトランジスタM3およびNMOSトランジスタM4とで構成されるラッチ回路のデータ書き込みによる充放電電流を利用している。したがって、書き込み電流を発生させる別の回路が不要であって、従来技術におけるストア・イネーブル信号/WEの入力端子のような書き込み電流を流すための端子や回路も必要としない。これは、不揮発性論理回路を組み込んだ集積回路を設計するに当たって、不揮発性論理回路の取り扱いが簡単になるといった利点を有する。且つ、書き込みに要する電流を別途確保する必要がないことから、回路のおける消費電力が低減するという非常に大きな利点も有する。
次に、リストア動作について、図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。クロック信号CLKをローレベルにした状態で、リストア・イネーブル信号/LBをローレベルにすると、PMOSトランジスタM7がオン状態になる。したがって、クロスカップルされた、M1、M2で構成されるインバータと、M3、M4で構成されるインバータの入出力が互いに短絡される。このとき、ノードn2、/n2の電位は、電源電位Vddとグランド電位の中間電位となる。ノードn2、/n2のそれぞれの電位V(n2)、V(/n2)は、MTJ素子MTJ1、MTJ2の抵抗値に応じて次のように変化する。MTJ素子MTJ1が高抵抗状態であって、MTJ素子MTJ2が低抵抗状態である場合、V(n2)>V(/n2)となる。また、MTJ素子MTJ1が低抵抗状態であって、MTJ素子MTJ2が高抵抗状態である場合、V(n2)<V(/n2)となる。すなわち、MTJ素子MTJ1、MTJ2の磁化状態として保存された1ビットのデータを相補の電圧として、ノードn2と/n2に呼び出すことができる。
図6において、/LBをハイレベルにすると、PMOSトランジスタM7はオフ状態となる。したがって、ノードn2、/n2の電位差は、クロスカップルされた、M1、M2で構成されるインバータと、M3、M4で構成されるインバータとの正転増幅作用により、論理振幅まで増幅される。これにより、MTJ素子MTJ1、MTJ2に保存されたデータが、M1〜M4で構成されたラッチ回路に再び読み込まれる。したがって、電源を落とした状態から、電源投入後に、上述したリストア動作を行えば、MTJ素子MTJ1、MTJ2に保存されたデータがM1〜M4で構成されるラッチ回路へ転送され、電源遮断前の状態を呼び起こすことが可能となる。
以上、本発明の第1の実施例について詳述したが、不揮発性集積回路は、図1に示した回路に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において適宜変更され得る。例えば、不揮発性集積回路は、ハイスルー型の不揮発性集積回路として構成されているが、ロースルー型の不揮発性集積回路構成に変更することができる。また、例えば、クロックト・インバータを用いた不揮発性集積回路にも適用可能である。もちろん、不揮発性集積回路のレイアウト、セルの配置や磁化固定層の磁化方向に応じて、セルレイアウトや配線接続を適宜変更しても構わない。
また、磁性素子の構造や形状は、図2〜4に例示した構成に限定されない。さらに、磁壁移動素子に限らず、例えば、スピン注入磁化反転方式の素子を使用することも可能である。また、磁気抵抗素子の構造や形状も、図2〜4に例示したMTJ素子に限定されない。磁壁移動素子などと磁気的な接合を有するレイアウト構造であれば、MTJ素子を、ラッチ回路の電源電圧側に配置することも可能である。
本発明の第2の実施例として、不揮発性集積回路が、遅延型フリップフロップ(D−FF)回路として動作するように構成した回路を説明する。第2の実施例の不揮発性D−FF回路は、一般的に用いられるマスター・スレーブ方式のD−FF回路において、第1の実施例で示した不揮発性集積回路をスレーブ・ラッチ回路として適用する。図7は、本発明の第2の実施例に係る不揮発性集積回路の回路図である。
不揮発性集積回路は、マスター・ラッチ31と、スレーブ・ラッチ32と、インバータIV12、IV13とを備える。マスター・ラッチ31は、縦続接続されるPMOSトランジスタM11、M12、NMOSトランジスタM13、M14からなるクロックト・インバータCI1、縦続接続されるPMOSトランジスタM15、M16、NMOSトランジスタM17、M18からなるクロックト・インバータCI2と、インバータIV3とで構成される。
クロックト・インバータCI1を構成するPMOSトランジスタM11とNMOSトランジスタM14のゲートには、入力データDが入力される。PMOSトランジスタM12のゲートには、インバータIV12、IV13によるクロック信号CLKの非反転信号p1が入力される。NMOSトランジスタM13のゲートには、インバータIV12によるクロック信号CLKの反転信号/p1が入力される。クロックト・インバータCI1の出力は、ノードn4に接続される。インバータIV11は、入力端をノードn4に接続し、出力端をスレーブ・ラッチ32の入力であるノードn5に接続する。
クロックト・インバータCI2を構成するPMOSトランジスタM15とNMOSトランジスタM18のゲートには、ノードn5が接続される。PMOSトランジスタM16のゲートには、クロック信号CLKの反転信号/p1が入力され、NMOSトランジスタM17のゲートには、クロック信号CLKの非反転信号p1が入力される。クロックト・インバータCI2は、入力端をノードn5に接続し、出力端をノードn4に接続する。クロックト・インバータCI2は、インバータIV11に対しクロスカップルされている。ノードn5は、マスター・ラッチ31の出力端子として機能する。
スレーブ・ラッチ32は、図1で例示した不揮発性集積回路と同様の回路構成を有する。マスター・ラッチ31のノードn5から出力された出力信号は、NMOSトランジスタM5を介してノードn1に供給されると共に、インバータIV3とNMOSトランジスタM6を介してノード/n1に供給される。NMOSトランジスタM5、M6のゲートには、クロック信号CLKの非反転信号p1が供給される。
MTJ素子から読み出しを行わない通常動作のとき、/LBはハイレベルに固定される。
クロック信号CLKがローレベルのとき、M12、M13がオンとなり、マスター・ラッチ31のクロックト・インバータCI1が活性化され、入力データDはノードn5まで伝達される。一方、クロックト・インバータCI2は、M16、M17がオフとなり、非活性状態になる。また、NMOSトランジスタM5、M6がオフ状態となるため、スレーブ・ラッチ32には入力データDは伝達されない。ノード/n2とn2で保持しているデータが反転されてそれぞれ出力データQ、/Qとして出力される。
クロック信号CLKがハイレベルになると、M12、M13がオフとなり、クロックト・インバータCI1が非活性状態になる。一方、M16、M17がオンとなり、クロックト・インバータCI2が活性状態になり、ノードn4とn5の信号状態が保持される。同時にNMOSトランジスタM5、M6がオンとなって、マスター・ラッチ31の状態がノードn2及び/n2に伝達され、出力データ/Q、Qとして出力される。
図8は、第2の実施例の不揮発性集積回路の書き込み動作(ストア動作)を示すタイミングチャートである。第1の実施例に示した不揮発性集積回路の書き込みと同様に、入力されるデータDと、スレーブ・ラッチ32に保持されているデータとが異なるとき、磁壁移動素子11、12に書き込み電流が流れ、MTJ素子MTJ1、MTJ2の磁化自由層の磁化方向を変えて、入力されたデータをMTJ素子MTJ1、MTJ2の抵抗値として保存する。MTJ素子MTJ1、MTJ2には相補的なデータが書き込まれる。入力されるデータDと、スレーブ・ラッチ32に保持されているデータが一致しているとき、MTJ素子MTJ1、MTJ2の抵抗状態は、すでに所望の抵抗値となっているため、書き込み電流は流れず、書き込みは行われない。
リストア動作のタイミングチャートを図9に示す。第1の実施例と同様に、クロック信号CLKをローレベルに設定し、/LBをローレベルに設定する。このとき、スレーブ・ラッチ32では、NMOSトランジスタM5、M6がオフ状態となり、PMOSトランジスタM7がオン状態となる。したがって、クロスカップルされた、M1とM2からなるインバータと、M3、M4からなるインバータの入力及び出力が短絡される。この結果、MTJ素子MTJ1が高抵抗状態であって、MTJ素子MTJ2が低抵抗状態である場合、V(n2)>V(/n2)となる。また、MTJ素子MTJ1が低抵抗状態、MTJ素子MTJ2が高抵抗状態の場合、V(n2)<V(/n2)となる。/LBをハイレベルにしてPMOSトランジスタM7をオフ状態にすると、ノードn2、/n2にリストアされた電位差が論理振幅状態まで増幅され、出力データ/Q、Qとして外部に出力される。
上述したリストア動作は、多くの場合、電源投入時に実行される。これにより、MTJ素子MTJ1、MTJ2に保存されていた1ビットのデータが、初期値としてスレーブ・ラッチ32に転送され、電源遮断前の状態を呼び出すことが可能となる。
以上、本発明の第2の実施例について詳述したが、これは図7に示す回路に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において適宜変更され得る。例えば、第1の実施例の不揮発性集積回路をロースルー・ラッチに構成を変更した上でマスター・ラッチ31に適用することもできる。
図10は、本発明の第3の実施例の不揮発性集積回路の回路図である。この不揮発性集積回路は、磁壁移動素子21と、二つのMTJ素子MTJ21、MTJ22と、PMOSトランジスタM21とNMOSトランジスタM22からなるインバータと、PMOSトランジスタM23、NMOSトランジスタM24からなるスイッチ素子と、PMOSトランジスタM25と、NMOSトランジスタ26と、コンデンサC1と、PMOSトランジスタM27とNMOSトランジスタM28からなるインバータとを備える。
PMOSトランジスタM21とNMOSトランジスタM22からなるインバータは、入力データDを入力し、出力をノードn21に接続する。PMOSトランジスタM23とNMOSトランジスタM24は、それぞれ一端をノードn21に接続されるノードn22に接続し、それぞれ他端をノードn23に接続し、ゲートをそれぞれリストア・イネーブル信号LE、/LEに接続する。磁壁移動素子21は、一端をノードn23に接続し、他端をノードn24に接続する。MTJ素子MTJ21は、一端を電源電位Vddを有する電源線に接続し、他端をPMOSトランジスタM25のソースに接続する。MTJ素子MTJ22は、一端をグランドに接続し、他端をNMOSトランジスタM26のソースに接続する。PMOSトランジスタM25は、ドレインをノードn24に接続し、ゲートに/LEを接続する。NMOSトランジスタM26は、ドレインをノードn24に接続し、ゲートにLEを接続する。コンデンサC1は、一端を接地し、他端をノードn24に接続されるノードn25に接続する。コンデンサC1は、磁壁移動素子21に流れる電流Iwを調整するために挿入する。コンデンサC1の容量が大きいほど、磁壁移動素子21に流れる電流Iwを大きくし、且つ流れる時間を長くすることができる。このような調整が不要な場合には、コンデンサC1をもちろん挿入しなくても良い。PMOSトランジスタM27とNMOSトランジスタM28からなるインバータは、入力端をノードn24に接続されるノードn26に接続し、出力端からQを出力する。
なお、磁壁移動素子21とMTJ素子MTJ21、MTJ22とは、それぞれ磁気的に結合され、MTJ素子MTJ21とMTJ22は、磁気的に結合されない。
次に、磁壁移動素子とMTJ素子との関係について説明する。図11は、本発明の第3の実施例に係る磁壁移動素子とMTJ素子の配置を示す図である。図12は、図11の一点鎖線Aにおける断面図である。磁壁移動素子21は、第1の実施例で詳述した構成と同様の構成をしており、自身を流れる電流Iwの向きによって、磁壁移動素子21の磁化自由層の磁化方向を変える。すなわち、M21とM22からなるインバータから受け取った出力データに応じて磁化自由層の磁化方向が決定される。磁壁移動素子21の磁化自由層から生ずる漏れ磁場がMTJ素子MTJ21、MTJ22の磁化自由層に作用して、これらの磁化方向を変え、MTJ素子MTJ21、MTJ22の磁化抵抗値として、入力データDの情報を不揮発的に記憶する。MTJ素子MTJ21、MTJ22の抵抗値は、相補的な値を取るように図11、12に示すように配置される。
通常動作時において、LEはローレベルとされる。この場合、スイッチ素子であるPMOSトランジスタM23とNMOSトランジスタM24は、オン状態となり、PMOSトランジスタM21とNMOSトランジスタM22からなるインバータからの出力データを、そのまま磁壁移動素子21へ伝える。また、PMOSトランジスタM25及びNMOSトランジスタM26はオフ状態となるため、MTJ素子MTJ21、MTJ22は電気的にノードn24から切り離される。
以上のようなMTJ素子へのデータの不揮発的な書き込みが通常動作と同時に可能であることは、本実施例の回路の大きな利点となる。
リストア時には、LEはハイレベルとされる。PMOSトランジスタM23及びNMOSトランジスタM24がオフ状態となり、PMOSトランジスタM21とNMOSトランジスタM22からなるインバータからの出力データを遮断する。PMOSトランジスタM25とNMOSトランジスタM26はオン状態となり、MTJ素子MTJ21、MTJ22をノードn24に短絡する。このとき、ノードn24の電位は、電源電位Vddとグランド電位の中間電位となる。ノードn24の電位V(n4)は、MTJ素子MTJ21が低抵抗状態であって、MTJ素子MTJ22が高抵抗状態である場合をV(1)とし、MTJ素子MTJ21が高抵抗状態であって、MTJ素子MTJ22が低抵抗状態である場合をV(0)とすると、V(1)>V(0)である。したがって、PMOSトランジスタM27とNMOSトランジスタM28からなるインバータの閾値を、V(0)とV(1)の中間に取れば、ノードn24の電位V(n24)=V(0)のとき、出力Qはハイレベルになり、V(n24)=V(1)のとき、出力Qはローレベルになる。すなわち、MTJ素子MTJ21、MTJ22の磁化状態として保存された1ビットのデータを出力データQとして呼び出すことができる。
以上、本発明の第3の実施例について詳述したが、これは図10に示す回路に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において適宜変更され得る。例えば、V(n24)に現れる電位を増幅するのは、本実施例に示したインバータによる増幅に限らず、他の増幅回路を用いても可能である。また、MTJ素子MTJ21、MTJ22の構造や形状も、図11、12に例示したものに限定されず、磁壁移動素子21の構造や形状も例示したものに限定されない。さらに、磁性素子は、磁壁移動素子だけに限らず、例えば、スピン注入磁化反転方式の素子を使用することも可能である。
なお、前述の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
11、12、21 磁壁移動素子
21a、21b、26 磁化固定層
22a、22b、25a、25b 導電層
23、28 磁化自由層
24a、24b 磁壁
27 トンネルバリア膜
31 マスター・ラッチ
32 スレーブ・ラッチ
C1 コンデンサ
CI1、CI2 クロックト・インバータ
IV1、IV2、IV3、IV13 インバータ
M2、M4、M5、M6、M13、M14、M17、M18、M22、M24、M26、M28 NMOSトランジスタ
M1、M3、M7、M11、M12、M15、M16、M21、M23、M25、M27 PMOSトランジスタ
MTJ1、MTJ2、MTJ21、MTJ22 MTJ素子

Claims (10)

  1. 一端をデータ入力端子に接続した第1のスイッチ素子と、
    一端を前記第1のスイッチ素子の他端に接続し、他端をデータ出力端子に接続した第1の磁性素子と、
    前記第1の磁性素子の他端に、ソース/ドレインを接続した第1のMOSトランジスタと、
    一端を前記第1のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第1の電源に接続した第1の磁気抵抗素子と、
    を備え、
    前記第1の磁性素子は、前記第1のスイッチ素子がオンとなった際に自身に流れる電流の方向に応じて磁気の方向を変化可能とする素子であって、
    前記第1の磁気抵抗素子は、前記第1の磁性素子によって生じた磁界の方向に応じて抵抗値が2つの状態を取り得る素子であることを特徴とする不揮発性集積回路。
  2. 前記データ入力端子と前記第1のスイッチ素子と前記データ出力端子と前記第1の磁性素子と前記第1のMOSトランジスタと前記第1の磁気抵抗素子とをそれぞれ2組分備え、
    前記第1のMOSトランジスタとは逆導電型である第2のトランジスタを2個備え、
    それぞれの前記第1のMOSトランジスタは、それぞれ前記第2のトランジスタとそれぞれインバータ回路を構成し、
    それぞれの前記インバータ回路がクロスカップルされるように接続され、
    それぞれの前記第1のスイッチ素子は、同一のタイミングで開閉されることを特徴とする請求項1記載の不揮発性集積回路。
  3. それぞれの前記インバータ回路の出力同士を接続する第2のスイッチ素子を備え、
    前記第1の磁気抵抗素子に書き込まれたデータを読み出す時に、それぞれの前記第1のスイッチ素子は開放状態とされると共に、前記第2のスイッチ素子は短絡状態とされることを特徴とする請求項2記載の不揮発性集積回路。
  4. 請求項2または3記載の不揮発性集積回路をスレーブラッチ回路として構成するマスタースレーブラッチ回路。
  5. 前記第1の磁性素子の他端に、ソース/ドレインを接続し、前記第1のMOSトランジスタとは逆導電型である第2のMOSトランジスタと、
    一端を前記第2のMOSトランジスタのドレイン/ソースに接続し、他端を第2の電源に接続した第2の磁気抵抗素子と、
    をさらに備え、
    前記第2の磁気抵抗素子は、前記第1の磁気抵抗素子と同様に構成される素子であって、前記第1の磁気抵抗素子とは抵抗値の状態が相反するように前記第1の磁性素子に対して配置されることを特徴とする請求項1記載の不揮発性集積回路。
  6. 前記第1の磁気抵抗素子に書き込まれたデータを読み出す時において、前記第1のスイッチ素子は開放状態とされると共に、前記第1および第2のMOSトランジスタは短絡状態とされることを特徴とする請求項5記載の不揮発性集積回路。
  7. 前記第1および第2の磁気抵抗素子は、前記第1の磁性素子が発生する磁界の中心軸に対して対称となるように配置され、前記第1および第2の磁気抵抗素子と前記第1の磁性素子とは磁気的に結合することを特徴とする請求項5記載の不揮発性集積回路。
  8. 前記第1の磁気抵抗素子は、強磁性膜を有し、前記強磁性膜の面に対して平行な方向の磁場を形成する強磁性トンネル接合素子で構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の不揮発性集積回路。
  9. 前記第1の磁性素子は、前記強磁性膜の面に対して垂直な方向の磁場を発生する磁壁移動素子で構成されることを特徴とする請求項8記載の不揮発性集積回路。
  10. 前記第1の磁性素子は、前記強磁性膜の面に対して垂直な方向の磁場を発生するスピン磁化反転素子で構成されることを特徴とする請求項8記載の不揮発性集積回路。
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JP2017510016A (ja) * 2014-01-28 2017-04-06 クアルコム,インコーポレイテッド 3フェーズgshe−mtj不揮発性フリップフロップ

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