JP2013210450A - コンタクトレンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンタクトレンズ30は、装用者の眼球表面に整合するように形成された第1の面、及び第1に関して装用者の眼球と反対側で光が入射する側の第2の面とを有する、光学的に透明なレンズ本体と、第2の面上に形成された遮光性の薄膜とを含む。薄膜は、第2の面の周辺から所定距離までの周辺領域40に形成された部分、及び周辺領域以外の中央領域42に形成された部分に区分されている。薄膜の中央領域423に形成された部分には、装用者の虹彩方向に光を透過させるための複数個のピンホール50〜58等が形成されている。
【選択図】図1
Description
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るコンタクトレンズ30は、いわゆるカラーコンタクトレンズであって、透明なコンタクトレンズ本体60の表面に、フタロシアニン系着色剤、アントラキノン系着色剤、又は金属酸化物系着色剤等により着色されたポリマーからなる不透明膜62とを含む。不透明膜62の表面は中央領域42と周辺領域40とに区分けされている。周辺領域40の周囲と中央領域42の周囲とは同心円をなす。
第1の実施の形態に係るコンタクトレンズ30では、ピンホールが同心円上に整然と配置されている。こうした配置では、見る対象によってモアレが生じることがあり得る。そうした問題を防ぐためには、ピンホールを不規則に配置すればよい。ここでいう「不規則」とは、モアレの発生を防ぐことが目的である。モアレは何らかの周期的な縞模様の干渉により生ずるので、周期的な配置にならないような位置にピンホールを形成すればよい。典型的には一定の周期で配置される格子の格子点位置にピンホールが配置されるようではモアレが発生するおそれが高い。そこで、ピンホールがそのような格子点位置にならないようにピンホールを配置する。
図4を参照して、第3の実施の形態に係るコンタクトレンズ110が第2の実施の形態に係るコンタクトレンズ70と異なるのは、図3において中央領域42の中心部付近に形成されているピンホール90に代えて、図3のピンホール90よりも直径の大きなピンホール130が形成されている点、及び、ピンホール92〜98等の大きさが同一のピンホールに代えて、大きさが様々であるピンホール132〜138を持つ点である。本実施の形態では、これらピンホールの直径は0.5mm〜8mm程度の大きさである。その他の点では、コンタクトレンズ110はコンタクトレンズ70と同じ構成を持つ。なお、特に中心部には径が比較的大きなピンホールが集まっているが、周辺部にも比較的大きなピンホールが形成されている。
乱視には方向がある。乱視の方向を特定するために乱視軸と呼ばれるものが定義され、その乱視軸を特定した後に乱視矯正のためのレンズを調製する必要がある。コンタクトレンズの場合も例外ではない。そのため、コンタクトレンズを使用して乱視を矯正する場合には、コンタクトレンズが眼球表面で自由に回転しないようにする必要がある。そのための工夫の一つが、プリズムバラストと呼ばれるものである。プリズムバラストとは、コンタクトレンズにおいて装用時に下部に位置すべき部分の厚みを大きく重くする手法である。このような部分を作ることにより、この部分が常に眼球の下方に安定して位置することになり、コンタクトレンズの回転を防止できる。また、乱視の場合にはコンタクトレンズにより乱視を強制するための光学的度をコンタクトレンズに持たせることが多い。そのため、従来は、コンタクトレンズが部分的に厚くなり、プリズムバラストとあわせて装用者の装用感を悪くする。
第4の実施の形態では、ピンホールの形状は楕円形であった。通常、ピンホールの形状は瞳孔の形状(すなわち円形)に近い方が良いと思われる。これは、カメラレンズにおいて、光束が通る開口部(絞り)の形状が円形だと得られる像の「ボケ」が美しくなり、絞りの形状が角張っていると「ボケ」が好ましくなくなるという現象と同様である。ピンホール形状として楕円を用いれば、それによって網膜上に形成される像の印象が良くなるということである。しかし、ピンホールの形状が楕円形に限定されるというわけではない。例えば、図6に示すコンタクトレンズ190のように、不透明膜の中央領域42内に、角部を丸めた長方形のピンホール210〜218を多数形成してもよい。このようなピンホールを使用しても乱視の矯正が可能であり、かつ得られる像の印象は悪化しない。
第4及び第5の実施の形態に係るコンタクトレンズでは、楕円形又は角を丸めた長方形のピンホールの長軸及び短軸の方向が、いずれのピンホールの場合にも同様であった。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。乱視軸の方向は、測定者により多少異なる場合もあるし、白内障の初期等には2本以上の乱視軸が混在する場合もある。したがって、ピンホールの長軸及び短軸の方向を全て一致させる必要はないと考えることもできる。
以上のように本発明によれば、視力矯正用のコンタクトレンズにおいて、眼球表面で移動してもその影響が小さく、急に暗いところに入っても明るい像を得ることができるコンタクトレンズを提供できる。さらに、乱視矯正用のコンタクトレンズの場合、装用感を改善できる。
40 周辺領域
42 中央領域
50、52、54、56、58、90、92、94、96、98、130、132、134、136、138、170、172、174、176、178、210、212、214、216、218、260、262、264、266、268 ピンホール
60 コンタクトレンズ本地
62 不透明膜
Claims (6)
- 装用者の眼球表面に整合するように形成された第1の面、及び前記第1に関して装用者の眼球と反対側で光が入射する側の第2の面とを有する、光学的に透明なレンズ本体と、
前記第2の面上に形成された遮光性の薄膜とを含み、
前記薄膜は、前記第2の面の周辺から所定距離までの周辺領域に形成された部分、及び前記周辺領域以外の中央領域に形成された部分に区分され、
前記薄膜の前記中央領域に形成された部分には、装用者の虹彩方向に光を透過させるための複数個のピンホールが形成されている、コンタクトレンズ。 - 前記複数個のピンホールは、前記中央領域の中心に形成された第1のピンホールと、前記中央領域に、各々離隔して形成された複数個の第2のピンホールとからなる、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
- 前記複数個のピンホールはいずれも円形である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
- 前記複数個のピンホールはいずれも同じ大きさである、請求項3に記載のコンタクトレンズ。
- 前記複数個のピンホールは、全てが所定間隔の格子の格子点の位置にはならないように配置されている、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のコンタクトレンズ。
- 前記レンズ本体の一部は、装用時にレンズが不必要に回転しないように、他の領域よりも厚く形成された領域であって、乱視軸に対する基準軸を規定する基準領域をなしており、
前記複数個のピンホールは、楕円形又は角を丸めた長方形であり、かつ前記複数個のピンホールの長軸が前記基準領域により規定される前記基準軸に対して所定の関係を満たすように配置されている、請求項1、請求項2、請求項4又は請求項5に記載のコンタクトレンズ。
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