JP2013210441A - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示部に含まれる偏光板に埃などの異物が含まれる場合であっても、その異物が使用者に画像上の異物として視認されないHMDを提供すること。
【解決手段】光源と、液晶表示部と、接眼光学系構造体とを備えるヘッドマウントディスプレイである。液晶表示部は、透過型の液晶パネルと、第1偏光板と、第2偏光板とを有する。液晶パネルは、マトリクス状に配列された複数の画素を含む。第1偏光板は、液晶パネルと光源との間の光路に設けられる。第2偏光板は、液晶パネルと接眼光学系との間の光路に設けられる。第1偏光板と液晶パネルとは、空気層を挟んで接眼光学系による焦点深度以上に離間する。
【選択図】図4
【解決手段】光源と、液晶表示部と、接眼光学系構造体とを備えるヘッドマウントディスプレイである。液晶表示部は、透過型の液晶パネルと、第1偏光板と、第2偏光板とを有する。液晶パネルは、マトリクス状に配列された複数の画素を含む。第1偏光板は、液晶パネルと光源との間の光路に設けられる。第2偏光板は、液晶パネルと接眼光学系との間の光路に設けられる。第1偏光板と液晶パネルとは、空気層を挟んで接眼光学系による焦点深度以上に離間する。
【選択図】図4
Description
本発明はヘッドマウントディスプレイに関し、特に液晶表示部の構成に特徴のあるヘッドマウントディスプレイに関する。
従来、使用者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDという)が知られている。HMDによって提示される虚像によって、使用者は、眼の前方に画像を視認する。HMDは、例えば光源と、表示部と、接眼光学系とを備える。表示部としては、例えば特許文献1にあるように、液晶表示部が利用可能である。
HMDは、使用者に虚像を提示する。このとき、使用者の網膜には、接眼光学系と使用者の眼の水晶体とによって、液晶表示部に含まれる画素が結像する。従って、仮に液晶表示部に埃などの異物が画素の近傍に存在する場合、この異物も使用者の網膜に結像する。その結果、画像上に異物が視認される。画像上の異物は、画像自体の視認を阻害するため、問題である。
埃などの異物が画像上に視認されることを防止するために、液晶表示部の表面に埃が付着することを防止する方法が考えられる。例えば、液晶表示部と接眼光学系とを、クリーンルームで密封することによって、液晶表示部の表面への埃の付着が防止される。しかし、液晶表示部に一般的に含まれる偏光板自体が、異物の原因となる場合もある。具体的には、偏光板の製造工程において、偏光板の内部に埃が混入する場合がある。この場合、液晶表示部の表面への埃の付着を防止しても、偏光板に含まれる埃が使用者に異物として視認されてしまう。特に、液晶の画素と光源との間に存在する偏光板に埃が含まれる場合、液晶の画素が回折格子として作用することで、埃が拡大されて使用者に視認される。この場合、接眼光学系側に存在する偏光板に埃が含まれる場合よりも、画像自体の視認がさらに阻害される。
本発明は、液晶表示部に含まれる偏光板に埃などの異物が含まれる場合であっても、その異物が使用者に画像上の異物として視認されないHMDを提供することを目的とする。
本発明を反映した一側面は、光源と、前記光源からの光を変調することで画像光を形成可能な液晶表示部と、前記液晶表示部からの前記画像光を集光し、使用者の瞳孔に前記画像光を導くことが可能な接眼光学系とを備え、前記液晶表示部は、一対の透明基板の間に液晶層が挟持され、マトリクス状に配列された複数の画素を含む透過型の液晶パネルと、空気層を挟んで前記接眼光学系による焦点深度以上に前記液晶パネルと離間し、前記液晶パネルと前記光源との間の光路に設けられる第1偏光板と、前記液晶パネルと前記接眼光学系との間の光路に設けられる第2偏光板とを有する、ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイである。
液晶パネルと第1偏光板とが、空気層を挟んで接眼光学系による焦点深度以上に離間される。この構成によって、液晶パネルにおける画素は使用者の網膜に結像するが、第1偏光板は使用者の網膜に結像しない。その結果、仮に第1偏光板に埃などの異物が混入しても、使用者はこの異物をピンぼけした状態で視認するため、この異物は画像上の異物として視認されない。第1偏光板は液晶パネルと光源との間に設けられるため、液晶パネルと第1偏光板とが密着している従来の液晶表示部の構成では、第1偏光板中の異物によって画像の視認が阻害される。しかし、本発明では、液晶パネルと第1偏光板とが、空気層を挟んで接眼光学系による焦点深度以上に離間されるため、画像の視認は阻害されない。
また、前記液晶表示部は、前記液晶パネルと前記第1偏光板との間の光路に設けられる光拡散層をさらに有し、前記光拡散板は、前記液晶パネル及び前記第1偏光板に対して、空気層を挟んで離間されてもよい。
液晶パネルと第1偏光板との間の光路に、光拡散層が設けられる。光拡散層は、液晶パネルと第1偏光板と空気層を挟んで離間される。仮に第1偏光板に埃などの異物が混入していても、埃からの光は、光拡散層によって拡散される。そのため、使用者は、この異物を、拡散層を通した上でピンぼけした状態で視認する。従って、この異物が画像上の異物として視認されることを、さらに防止できる。
また、前記光拡散層は、前記結像光学系を介して形状を視認できないサイズの粒子によって形成されてもよい。
光拡散層は、使用者が結像光学系を介して形状を視認できないサイズの粒子によって形成される。「結像光学系を介して形状を視認できないサイズ」とは、例えば、結像光学系を通して使用者が光拡散層を見た場合の、眼の分解能よりも小さいサイズのことである。従って、使用者は、光拡散層を形成する粒子の形状を視認できない。その結果、光拡散層表面の凹凸などに起因する表示品質の劣化(画像の輝度ムラなど)を防止できる。
また、前記光源は、点光源から拡がる拡散光が前記液晶パネルに直接入射する直射型光源であり、前記第1偏光板は、前記焦点深度以上であって、前記拡散光が前記液晶パネルの全面を照射可能な距離よりも短い距離だけ前記液晶パネルから離間してもよい。
直射型光源からの光は、所定の拡がり角度を持って拡散する。そのため、直射型光源からの光が液晶表示部の全面を照らすように、直射型光源と液晶表示部とは離間される。仮に、直射型光源からの拡散光が液晶パネルの全面を照射可能な距離よりも、液晶パネルと第1偏光板が離間されていると、直射型光源から出た光の一部は液晶パネルから外れてしまい、光量を損失する。一方で、本発明によれば、第1偏光板が、焦点深度以上であって拡散光が液晶パネルの全面を照射可能な距離よりも短い距離だけ液晶パネルから離間する。従って、直射型光源からの拡散光を効率よく利用する設計が可能になる。
また、前記第2偏光板は、空気層を挟んで前記接眼光学系による焦点深度以上に前記液晶パネルと離間してもよい。
液晶パネルと第2偏光板とが、空気層を挟んで接眼光学系による焦点深度以上に離間される。この構成によって、仮に第2偏光板に埃などの異物が混入しても、使用者はこの異物をピンぼけした状態で視認するため、この異物は画像上の異物として視認されない。
本発明によれば、液晶表示部に含まれる偏光板に埃などの異物が含まれる場合であっても、その異物が使用者に画像上の異物として視認されないHMDが提供される。
以下、本発明の一側面を反映した実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略し、または他の構成などに置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
[HMD1の構成]
先ず、図1を用いて、HMD1の概要について説明する。なお、図1における前後方向、左右方向及び上下方向は、使用者がHMD1を眼鏡フレーム91によって頭部に装着した状態における、使用者の前後方向、左右方向及び上下方向に準ずる。HMD1は、眼鏡フレーム91に着脱可能に取り付けられる。眼鏡フレーム91は使用者の頭部に装着される。HMD1は筐体2を備える。筐体2は四角筒状の樹脂部材であり、平面視L字型に形成されている。筐体2は液晶表示部10と、レンズ系20とを内蔵する(図3参照)。筐体2の右端には、ハーフミラー30が上下方向から挟持されている。
先ず、図1を用いて、HMD1の概要について説明する。なお、図1における前後方向、左右方向及び上下方向は、使用者がHMD1を眼鏡フレーム91によって頭部に装着した状態における、使用者の前後方向、左右方向及び上下方向に準ずる。HMD1は、眼鏡フレーム91に着脱可能に取り付けられる。眼鏡フレーム91は使用者の頭部に装着される。HMD1は筐体2を備える。筐体2は四角筒状の樹脂部材であり、平面視L字型に形成されている。筐体2は液晶表示部10と、レンズ系20とを内蔵する(図3参照)。筐体2の右端には、ハーフミラー30が上下方向から挟持されている。
次に、眼鏡フレーム91について説明する。図1に示すように、眼鏡フレーム91は、左テンプル92、右テンプル93、中央フレーム部94及びHMD支持部96を備える。前後方向に延びる左テンプル92は、使用者の左耳に掛けられる部分である。前後方向に延びる右テンプル93は、使用者の右耳に掛けられる部分である。左右方向に延びる中央フレーム部94は、左テンプル92の前端部と、右テンプル93の前端部との間に渡設されている。中央フレーム部94の左右方向における中央部分には、鼻当て部95が設けられる。HMD支持部96は、中央フレーム部94の上面左端側に設けられている。HMD支持部96は、下方延出部98を備える。下方延出部98は、使用者の顔の左前方において上下方向に延出されている。下方延出部98は、HMD支持部96に形成された左右方向に延びる溝96aに対して、摺動可能に係合する。下方延出部98の左右方向への摺動によって、HMD1の左右方向における位置が調整される。
図2及び図3を用いて、HMD1の構成を詳細に説明する。なお、図2では、眼鏡フレーム91は省略される。また、図3では、筐体2の断面は省略される。図2に示されるように、筐体2の眼鏡フレーム91に対向する部分には、取り付け溝21が設けられている。取り付け溝21は、上下方向に伸長する。取り付け溝21の後端は、左右方向の幅が狭まっている。取り付け溝21に対して、眼鏡フレーム91のHMD支持部96に設けられた下方延出部98が摺動可能に係合する。下方延出部98に取り付けられた筐体2が上下方向に摺動することで、HMD1の上下方向における位置が調整される。なお、下方延出部98に取り付けられた筐体2に対して使用者が上下方向に力を与えない場合、取り付け溝21と下方延出部98との間に働く摩擦力によって、HMD1の上下方向位置は維持される。
図3に示されるように、筐体2は、液晶表示部10と、レンズ系20とを内蔵する。なお、図3では簡略化のため、筐体2が省略されている。また、液晶表示部10の内部構成も、後に図4を用いて詳述されるため、ここでは説明及び図示を省略する。液晶表示部10から出射した画像光Limは、レンズ系20によって集光される。集光された画像光Limは、ハーフミラー30によってその一部が反射され、使用者の眼EBに導かれる。一方で、外界からの光の一部もハーフミラー30を通過し、使用者の眼EBに入射する。従って、使用者は、画像光Limによって表される画像を、外界の風景に重畳した状態で視認する。
液晶表示部10は、筐体2内部の左端に設けられる。液晶表示部10は、画像情報に基づいた画像光Limを形成する。液晶表示部10は、駆動のための駆動回路や、外部からの映像信号を受信する通信回路を含んで構成される。また、外部の映像機器に接続され、映像信号の受信や電源供給を行う伝送ケーブル40が、この通信回路に電気的に接続され、筐体2から後側に伸長する。なお、液晶表示部10の詳細な構成は、図4を用いて後述される。
レンズ系20は、レンズ20aとレンズホルダー20bとで構成される。レンズホルダー20bの左端は、液晶表示部10の右端に接触する。レンズホルダー20bの右側内部には、レンズ20aが保持される。レンズ20aは、左右方向に整列する複数のレンズによって構成される。本実施形態では、レンズ20aは、所望の光学特性を達成するために、複数のレンズで構成される。しかし、レンズ20aは、単一のレンズで構成されても差し支えない。レンズ系20は、画像光Limを集光してハーフミラー30へと導く。即ち、レンズ系20とハーフミラー30とによって、接眼光学系が構成される。なお、HMD1によって使用者は虚像を視認するため、レンズ20aによって集光された画像光Limは、拡散光または平行光である。即ち、「集光」とは、全体として正のパワーを有する光学系の入射光束に対する作用のことであり、出射光束が収束光となっていることに限定されない。
ハーフミラー30は、筐体2の右端に接続される。ハーフミラー30は、筐体2との接続部分から、右後に伸長する。即ち、ハーフミラー30は、眼鏡フレーム91に取り付けられた状態において、筐体2から離間するに従い使用者に近づくように伸長する。ハーフミラー30は、例えば、ガラスや光透過性樹脂(アクリル、ポリアセタールなど)などの板状透明部材の表面に対して、透過率が50%となるようにアルミニウムなどの金属を蒸着することで形成される。なお、ハーフミラー31の透過率は50%でなくてもよい。
[液晶表示部10の内部構成]
図4を用いて、液晶表示部10の内部構成を説明する。なお、図4は、図3と同一の断面において、液晶表示部10の内部構成を示した図である。図4において、紙面垂直方向が上下方向に対応する。液晶表示部10は、基板11、第1ケース12a、第2ケース12b、第1偏光板13a,第2偏光板13b、光源14、光拡散層15、及び液晶パネルLを有する。なお、液晶表示部10に含まれる駆動回路や及び通信回路は、図4では省略される。
図4を用いて、液晶表示部10の内部構成を説明する。なお、図4は、図3と同一の断面において、液晶表示部10の内部構成を示した図である。図4において、紙面垂直方向が上下方向に対応する。液晶表示部10は、基板11、第1ケース12a、第2ケース12b、第1偏光板13a,第2偏光板13b、光源14、光拡散層15、及び液晶パネルLを有する。なお、液晶表示部10に含まれる駆動回路や及び通信回路は、図4では省略される。
第1ケース12aは、左右方向に延びる四角柱状の部材である。第1ケース12aの内部は中空に構成される。第1ケース12aの左右方向における中央部分には、周囲より幅が狭い狭幅部分12a1が形成される。第1ケース12aの左右両端には、周囲より幅が広い広幅部分12a2が形成される。第1ケース12aは、例えば、ABSやポリカーボネートなどの樹脂材料によって構成される。
光拡散層15は、矩形の板状部材である。光拡散層15の前後上下方向のサイズは、第1ケース12aの内壁の前後上下方向のサイズよりも小さく、且つ、狭幅部分12a1の内壁の前後上下方向のサイズよりも大きく形成される。光拡散層15は、第1ケース12aの左側の開口から第1ケース12aの内部に挿入され、狭幅部分12a1の左側に配置される。光拡散層15と狭幅部分12a1とは、接着剤などを用いて固定される。拡散層15は、例えば紫外線硬化型のアクリルポリマーなどの球形微粒子を透明樹脂材料の中に分散させることで構成される。なお、球形微粒子の粒径は、レンズ系20を介して形状を視認できないサイズである。このサイズは、例えば、レンズ系20を通して使用者が光拡散層15を見た場合の眼の分解能よりも小さいサイズのことである。具体的な数値としては、例えば30μm以下が望ましい。
基板11は、樹脂材料によって構成される矩形の板状部材である。基板11の前後上下方向のサイズは、第1ケース12aの内壁の前後上下方向のサイズよりも大きく、且つ広幅部分12a2の内壁の前後上下方向のサイズよりも小さい。基板11は、左側の広幅部分12aに接触し、第1ケース12aの左側の開口を閉じる。基板11と左側の広幅部分12aとは、接着剤などを用いて固定される。
光源14は、基板11の右側の面の中心部分に固定される。光源14の中心部には、点光源としてのLED(Light Emitting Diode)14aが設けられる。LED14aは、上下方向に整列した赤緑青の3色の素子によって、白色光を放射可能に構成される。光源14には、LED14aへの配線や、LED14aを保持するケースなどが含まれる。LED14aからの光Lsは、所定の広がり角を持つ拡散光として、液晶パネルLに入射する。そのため、光源14と液晶パネルLとの間隔は、光Lsが液晶パネルLの全面を照射可能な距離だけ離間される。この距離より間隔が短い場合、光Lsが液晶パネルLには光の当たらない領域が発生する。一方、この距離より間隔が長い場合、光Lsの一部が液晶パネルLの外に漏れてしまう。光源14と液晶パネルLとの間隔は、一例として、約5mmである。
第2ケース12bは、左右方向に延びる四角柱状の部材である。第2ケース12aの内部は中空に構成される。第2ケース12bの右側端部には、周囲より幅が広い広幅部分12b1が形成される。第2ケース12bの左端は、基板11の右側の面に接着剤などによって固定される。第2ケース12bの外壁の前後上下方向のサイズは、第1ケース12aの内壁の前後上下方向のサイズよりも小さい。第2ケース12bは、第1ケース12aの左側開口から、第1ケース12aの内部に挿入される。第1ケース12aの左側の広幅部分12aに基板11が固定されるため、第2ケース12bは、第1ケース12aの内部に保持される。なお、基板11と第2ケース12bと左右方向の長さの合計は、第1ケース12aの左右方向における左端から狭幅部分12a1の左側までの距離よりも短い。従って、第2ケース12bの右端と、光拡散層15とは離間される。なお、第2ケース12bは、第1ケース12aと同じ材料で構成される。
第1偏光板13aは、入射した光の内、特定方向に偏光した光の成分のみを透過する。第1偏光板13aの前後上下方向のサイズは、第2ケース12bの内壁の前後上下方向のサイズよりも大きく、且つ広幅部分12b1の内壁の前後上下方向のサイズよりも小さい。第1偏光板13aは、広幅部分12b1に接触し、第2ケース12bの右側の開口を閉じる。そのため、光源14は、基板11と第1偏光板13aとによって、第2ケース12b内に閉じ込められた状態となる。第1偏光板13aと広幅部分12b1とは、接着剤などを用いて固定される。第1偏光板13aは、例えば、ヨウ素化合物分子が吸着配向されたポリビニルアルコール層の両面を、トリアセチルセルロースの層によって挟むことで形成される。なお、第1偏光板13aは、光源14よりも液晶パネルLに近い位置に存在する。そのため、第1偏光板13aは、光Lsが液晶パネルLの全面を照射可能な距離よりも短い距離だけ、液晶パネルLから離間する。
液晶パネルLは、マトリクス状に配列された複数の画素を含む透過型の表示素子である。液晶パネルLの前後上下方向のサイズは、第1ケース12aの内壁の前後上下方向のサイズよりも小さく、且つ、狭幅部分12a1の内壁の前後上下方向のサイズよりも大きく形成される。液晶パネルLは、第1ケース12aの右側の開口から第1ケース12aの内部に挿入され、狭幅部分12a1の右側に配置される。そのため、液晶パネルLと第1偏光板13aとは、空気層AL1を挟んで離間する。液晶パネルLと狭幅部分12a1とは、接着剤などを用いて固定される。なお、本実施形態において、液晶パネルLは、TN(Twisted Nematic)方式を例として説明される。しかし、液晶パネルLは、縦電界方式、横電界方式など、他の方式であってもよい。
液晶パネルLは、一対の透明基板16a,16b、画素電極17a、共通電極17b、液晶層18、及びカラーフィルタ層19を含む。液晶層18は、液晶分子と、その液晶分子を挟む一対の配向層によって構成される。一対の透明基板16a,16bは、液晶層18の左右両側を挟持する。一対の透明基板16a,16bは、例えばガラス板である。画素電極17aは、透明基板16aの右側の面上に形成される。画素電極17aに設けられた個別電極は、複数の画素に対応した液晶層18の位置に、それぞれ接続される。カラーフィルタ層19は、透明基板16bの左側の面上に形成される。カラーフィルタ層19は、サブ画素に対応した赤色緑青の光を透過させる着色層を含む。共通電極17bは、カラーフィルタ層19の左側に形成される。共通電極17bは、複数の画素の全てに対応し、液晶層18の全面に接続される。画素電極17a及び共通電極17bは、例えば、ITO(Indium tin oxide)などの透明電極で構成される。なお、画素電極17a及び共通電極17bには、不図示のFPC(Flexible Printed Circuit)ケーブルなどが接続される。FPCケーブルは、第1ケース12aの外に取り出され、駆動回路に接続される。
第2偏光板13bは、入射した光の内、特定方向に偏光した光の成分のみを透過する。第2偏光板13bの前後上下方向のサイズは、第1ケース12aの内壁の前後上下方向のサイズよりも大きく、且つ、広幅部分12a2の内壁の前後上下方向のサイズよりも小さい。第2偏光板13bは、右側の広幅部分12a2に接触し、第1ケース12aの右側の開口を閉じる。第1偏光板13aと広幅部分12b1とは、接着剤などを用いて固定される。なお、第2偏光板13bと液晶パネルLとは、空気層AL2を挟んで離間している。
[液晶表示部10の構成による作用効果]
図5を用いて、本実施形態において、偏光板に埃などの異物が含まれる場合であっても、その異物が使用者に画像上の異物として視認されない理由を説明する。
図5を用いて、本実施形態において、偏光板に埃などの異物が含まれる場合であっても、その異物が使用者に画像上の異物として視認されない理由を説明する。
図5(A)には、液晶パネルL上の一点からの画像光Limが実線で、第1偏光板13a上の一点からの光Lp1が点線で、第2偏光板13b上の一点からの光Lp2が破線で、それぞれ示される。画像光Limは、レンズ系20によって集光され、使用者の眼EBに入射する。使用者は画像を視認するため、使用者の眼EBのピントは、液晶パネルLに対して合う。換言すれば、画像光Limは、使用者の眼EBの水晶体によって収束され、網膜R上の一点に結像する。
第1偏光板13aは、空気層AL1を挟んで、液晶パネルLから使用者の眼EBから遠い側に、距離aだけ離間する。距離aは、例えば1.5mm程度である。そのため、光Lp1は、レンズ系20によって集光され、画像光Limよりも収束した状態で使用者の眼EBに入射する。光Lp1は、使用者の眼EBの水晶体によって、網膜Rよりも手前に結像する。換言すれば、網膜Rは、光Lp1の焦点位置から拡散した状態の光Lp1を受け取る。
第2偏光板13bは、空気層AL2を挟んで、液晶パネルLから使用者の眼EBに近い側に、距離bだけ離間する。そのため、光Lp2は、レンズ系20によって集光され、画像光Limよりも拡散した状態で使用者の眼EBに入射する。光Lp2は、使用者の眼EBの水晶体によって、網膜Rよりも後方に結像する。換言すれば、網膜Rは、結像前の光Lp2を受け取る。距離bは、例えば1.5mm程度である。
第1偏光板13a及び第2偏光板13bは、空気層を挟んで液晶パネルLと離間する。この配置によって、光Lp1及び光Lp2は、網膜R上に結像しない。換言すれば、使用者は、液晶パネルLを視認している場合、ピントのぼけた状態で第1偏光板13a及び第2偏光板13bを視認することとなる。そのため、仮に第1偏光板13a及び第2偏光板13bに埃などの異物が含まれていても、異物の像は網膜R上に結像しない。従って、異物は、使用者に視認されない。
埃が使用者に視認されないために、最低限必要とされる焦点深度ψを、定量的に検討する。図5(B)に示されるように、液晶パネルLの液晶層18から焦点深度ψだけ離間した位置において、画像光Limは、幅δの広がりを持つ。この幅δは、使用者の眼EBの分解能において点源として認識されるために許容される、最大の幅と定義される。換言すれば、焦点深度ψの範囲において、一点から射出される光は、使用者の眼にて点源と認識される。反対に、焦点深度ψの範囲から外れた位置の一点から射出される光は、使用者の眼によって点源ではなく、広がった光として認識される。
使用者の視力として視力1.0を仮定した場合、ユーザの眼EBは、角度分解能で約1分(=1/60°)を有する。HMD1において、ユーザの瞳孔からレンズ系20のハーフミラー30側の端面までの距離L1は30mm、レンズ系20のハーフミラー30側の端面から液晶パネルLの液晶層18の位置までの距離L2は35mmである(図5参照)。使用者が、液晶層18の位置において認識可能なサイズ、換言すれば、液晶層18の位置における許容ボケの幅δは、以下の式にて定義される。
δ=2×65×tan(1/60)≒0.038mm ・・・ (数1)
この幅δを用いて、焦点深度ψは、以下のように表される。
ψ=2×F×δ ・・・ (数2)
なお、Fはレンズ系20のF値である。F値は一般に、
F=f/D ・・・ (数3)
で求められる。本実施形態において、レンズ20の焦点距離fは、30mmである。また、使用者の瞳孔が絞りとして作用するため、開口直径Dは、使用者の瞳孔径に対応する。一般に、瞳孔径は、入射光量に応じて2〜8mmの範囲を有する。
δ=2×65×tan(1/60)≒0.038mm ・・・ (数1)
この幅δを用いて、焦点深度ψは、以下のように表される。
ψ=2×F×δ ・・・ (数2)
なお、Fはレンズ系20のF値である。F値は一般に、
F=f/D ・・・ (数3)
で求められる。本実施形態において、レンズ20の焦点距離fは、30mmである。また、使用者の瞳孔が絞りとして作用するため、開口直径Dは、使用者の瞳孔径に対応する。一般に、瞳孔径は、入射光量に応じて2〜8mmの範囲を有する。
(数2)及び(数3)より、瞳孔径が最小の2mmの場合の焦点深度ψは、1.14mmとなる。一方、瞳孔径が最大の8mmの場合の焦点深度ψは、0.29mmとなる。即ち、瞳孔径が最小時に、焦点深度ψは最大になる。
本実施形態では、距離a及び距離bは、最大の焦点深度ψである1.14mmよりも大きく設定されている。そのため、仮に第1偏光板13a及び第2偏光板13bに埃などの異物が含まれる場合であっても、使用者はこの異物をピンぼけした状態で視認する。従って、画像の視認は阻害されない。また、光拡散層15が、液晶パネルLと第1偏光板13aとの間の光路に設けられている。第1偏光板13aからの光は、光拡散層15によって拡散される。そのため、仮に第1偏光板に異物が混入している場合、異物からの光は、拡散層を通した上でピンぼけした状態で視認される。従って、画像の視認は、さらに阻害されない。また、光拡散層15を構成する粒子の粒径は、視力1.0の場合の眼の分解能である約0.038mmよりも小さく、30μm以下である。そのため、使用者は、粒子の形状を視認できない。その結果、光拡散層15の表面の凹凸などに起因する、画像の輝度ムラなどを防止できる。なお、光拡散層15を構成する粒子の粒径は、30μm以下に限定されない。例えば、使用者の視力として0.5を想定する場合、粒径は60μm以下であってもよい。一方、使用者の視力として2.0を想定する場合、粒径は15μm以下であってもよい。
本発明は、上記した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下に、その一例を述べる。
前記した実施形態において、接眼光学系は、レンズ系20とハーフミラー30とによって構成される。しかし、接眼光学系の構成は、この構成に限定されない。例えば、自由曲面プリズムなどの光学素子を用いることによって、レンズ系20の機能とハーフミラー30との機能が代替されても差し支えない。即ち、接眼光学系は、液晶表示部からの画像光Limを集光し、使用者の瞳孔に導くことが可能であれば、どのような構成であってもよい。
前記した実施形態において、HMD1は、使用者の一方の眼前に配置される、いわゆる単眼型のHMDである。しかし、使用者の両方の眼前にHMDが配置される両眼型のHMDであっても、本発明の範囲に含まれる。
前記した実施形態において、光源14は、点光源であるLED14aから拡がる拡散光が液晶パネルLに直接入射する、直射型光源である。しかし、例えば面光源としてのバックライトが、光源として用いられてもよい。
1 HMD
2 筐体
10 液晶表示部
11 基板
12a 第1ケース
12b 第2ケース
13a 第1偏光板
13b 第2偏光板
14 光源
14a LEDチップ
15 光拡散層
16a,16b 透明基板
17a 画素電極
17b 共通電極
18 液晶層
19 カラーフィルタ層
20 レンズ系
20a レンズ
20b レンズホルダー
30 ハーフミラー
91 眼鏡フレーム
2 筐体
10 液晶表示部
11 基板
12a 第1ケース
12b 第2ケース
13a 第1偏光板
13b 第2偏光板
14 光源
14a LEDチップ
15 光拡散層
16a,16b 透明基板
17a 画素電極
17b 共通電極
18 液晶層
19 カラーフィルタ層
20 レンズ系
20a レンズ
20b レンズホルダー
30 ハーフミラー
91 眼鏡フレーム
Claims (5)
- 光源と、
前記光源からの光を変調することで画像光を形成可能な液晶表示部と、
前記液晶表示部からの前記画像光を集光し、使用者の瞳孔に前記画像光を導くことが可能な接眼光学系とを備え、
前記液晶表示部は、
一対の透明基板の間に液晶層が挟持され、マトリクス状に配列された複数の画素を含む透過型の液晶パネルと、
空気層を挟んで前記接眼光学系による焦点深度以上に前記液晶パネルと離間し、前記液晶パネルと前記光源との間の光路に設けられる第1偏光板と、
前記液晶パネルと前記接眼光学系との間の光路に設けられる第2偏光板とを有する、
ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。 - 前記液晶表示部は、前記液晶パネルと前記第1偏光板との間の光路に設けられる光拡散層をさらに有し、
前記光拡散層は、前記液晶パネル及び前記第1偏光板に対して、空気層を挟んで離間される、
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。 - 前記光拡散層は、前記結像光学系を介して形状を視認できないサイズの粒子によって形成される、
請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。 - 前記光源は、点光源から拡がる拡散光が前記液晶パネルに直接入射する直射型光源であり、
前記第1偏光板は、前記焦点深度以上であって、前記拡散光が前記液晶パネルの全面を照射可能な距離よりも短い距離だけ前記液晶パネルから離間する、
請求項1〜3の何れか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。 - 前記第2偏光板は、空気層を挟んで前記接眼光学系による焦点深度以上に前記液晶パネルと離間する、
請求項1〜4の何れか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012079220A JP2013210441A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | ヘッドマウントディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012079220A JP2013210441A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | ヘッドマウントディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013210441A true JP2013210441A (ja) | 2013-10-10 |
Family
ID=49528350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012079220A Pending JP2013210441A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | ヘッドマウントディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013210441A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08262432A (ja) * | 1995-03-27 | 1996-10-11 | Sony Corp | 液晶表示装置 |
JPH11295683A (ja) * | 1997-09-11 | 1999-10-29 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置およびその製造方法並びに投射型表示装置 |
JP2002174808A (ja) * | 2000-12-06 | 2002-06-21 | Nitto Denko Corp | 液晶セル基板および液晶表示装置 |
JP2002221703A (ja) * | 1995-03-14 | 2002-08-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 液晶表示装置およびそれを用いたビューファインダ |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012079220A patent/JP2013210441A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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A02 | Decision of refusal |
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