JP2013210177A - プレート式熱交換器 - Google Patents

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Tomokazu Kikuno
智教 菊野
Takashi Yoshioka
俊 吉岡
Shogo Ota
尚吾 太田
Kanji Akai
寛二 赤井
Kento Kagohara
絢人 楮原
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Abstract

【課題】2枚のプレートを接合する際に、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所の位置ずれを防止することができるプレート式熱交換器の提供。
【解決手段】熱交換器10は、プレス成形した2枚の金属プレート80,90を接合して形成される流路21を積層して構成されるプレート式熱交換器において、金属プレート80,90の接合部分である縁部85,86,95,96が、金属プレート80,90の基準面に対して傾斜している傾斜面を含む。また、傾斜面は、金属プレート80,90の接合時に、互いに対向して重なり合うように配置される。
【選択図】図7

Description

本発明は、プレート式熱交換器に関する。
従来より、対となる2枚のプレートを接合して流路を形成し、この流路を積層して構成されるプレート式熱交換器がある。
例えば、特許文献1(特開2007−255826号公報)に開示されているプレート式熱交換器では、伝熱プレートの接合箇所に凹状の封入凹部が設けられており、対となる2枚の伝熱プレートを、その断面形状が封入凹部の底部を基準面として対称となるように配置し、封入凹部の底部外面同士を接合することで、流路が形成される。このプレート式熱交換器では、伝熱プレートの接合箇所に封入凹部を設けることで、伝熱プレートを接合する際の接合箇所の密着性を確保している。
しかしながら、特許文献1に開示されている伝熱プレートの構成では、一方の封入凹部の底部外面が他方の封入凹部底部外面に対してずれた状態で、2枚の伝熱プレートが接合されてしまうおそれがある。対となる2枚のプレートが、予め設計されている接合位置からずれて接合されると、流路の気密性が低下することで、熱交換器の性能に問題が生じるおれがある。
そこで、本発明の課題は、2枚のプレートを接合する際に、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所の位置ずれを防止することができるプレート式熱交換器を提供することにある。
本発明の第1観点に係るプレート式熱交換器は、プレス成形した2枚のプレートを接合して形成される流路を積層して構成されるプレート式熱交換器において、プレートの縁部が、プレートの基準面に対して傾斜している傾斜面を含む。プレートの縁部は、プレートにおいて接合される部分である。また、傾斜面は、プレートの接合時に、互いに対向して重なり合うように配置される。
本発明の第1観点に係るプレート式熱交換器では、プレート接合時に、接合される縁部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように配置される。このため、接合箇所であるプレートの縁部同士の密着性を確保することができる。また、対向する傾斜面同士が接触することで、一方のプレートに対する他方のプレートの基準面に平行な方向への移動が規制されるため、一方のプレートに対して他方のプレートを所定の位置に配置させることができる。この結果、接合箇所の位置ずれを防止することができる。
これによって、2枚のプレートを接合する際に、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所の位置ずれを防止することができる。
本発明の第2観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点のプレート式熱交換器において、縁部は、プレートの外周部である。このプレート式熱交換器では、プレート接合時に、プレートの外周部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように、接合される2枚のプレートが配置されるため、一方のプレートの外周部の傾斜面と他方のプレートの外周部の傾斜面とが接触することで、一方のプレートに対する他方のプレートの基準面に平行な方向への移動を規制することができる。この結果、接合されるプレートの位置決めができると共に、接合箇所であるプレートの外周部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第3観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点又は第2観点のプレート式熱交換器において、プレートには、積層した流路同士を連通させるための開口が形成されている。また、縁部は、開口の周縁部である。このプレート式熱交換器では、プレート接合時に、プレートの開口周縁部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように、接合される2枚のプレートが配置されるため、一方のプレートの開口周縁部の傾斜面と他方のプレートの開口周縁部の傾斜面とが接触することで、一方のプレートに対する他方のプレートの基準面に平行な方向への移動を規制することができる。この結果、接合されるプレートの位置決めができると共に、接合箇所であるプレートの開口周縁部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第4観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかのプレート式熱交換器において、縁部は、傾斜面を挟んで階段状に形成されている。このプレート式熱交換器では、プレートの接合時に、階段状の縁部を互いに重ね合わせることで、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所であるプレートの縁部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第5観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点から第4観点のいずれかのプレート式熱交換器において、縁部は、溶接により接合されている。このプレート式熱交換器では、接合箇所である縁部同士の密着性が確保される構成であるため、縁部が溶接により接合される場合であっても、プレート同士が接合されないおそれを低減することができる。
本発明の第6観点に係るプレート式熱交換器は、第5観点のプレート式熱交換器において、縁部は、MIG溶接により接合されている。MIG溶接は、ステンレス鋼や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、等のあらゆる金属の高品質な溶接を実現する。これにより、プレート同士が接合されないおそれを低減することができる。
本発明の第7観点に係るプレート式熱交換器は、第6観点のプレート式熱交換器において、縁部は、CMT溶接により接合されている。CMT溶接は、低入熱のため、軽量で薄いプレート同士の突き合わせ溶接が可能である。これにより、プレート同士が接合されないおそれを低減することができる。
本発明の第8観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかのプレート式熱交換器において、傾斜面は、湾曲している。また、縁部は、基準面に直交する方向の断面が略U字状を呈する。このプレート式熱交換器では、縁部の基準面に直交する方向の断面が略U字状を呈することから、接合されるプレートにおいて、上側に配置されるプレートの縁部の突出寸法を下側に配置されるプレートの縁部の突出寸法よりも小さくすることで、対向する縁部同士の密着性を向上させることができる。
本発明の第9観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかのプレート式熱交換器において、傾斜面は、平面である。また、縁部は、基準面に直交する方向の断面が略凸状を呈する。このプレート式熱交換器では、縁部の基準面に直交する方向の断面が略凸状を呈することから、接合されるプレートにおいて、上側に配置されるプレートの縁部の突出寸法を下側に配置されるプレートの縁部の突出寸法よりも小さくすることで、対向する縁部同士の密着性を向上させることができる。
本発明の第10観点に係るプレート式熱交換器は、第8観点又は第9観点のプレート式熱交換器において、縁部は、レーザー溶接により接合されている。このプレート式熱交換器では、接合箇所である縁部同士の密着性が確保される構成であることから、縁部がレーザー溶接で接合される場合であっても、プレート同士を接合できないおそれを低減することができる。
本発明の第11観点に係るプレート式熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかのプレート式熱交換器において、縁部の接合時に互いに対向して重なり合うように配置される傾斜面のうち、内側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度は、外側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度よりも小さい。このプレート式熱交換器では、内側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度が、外側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度よりも小さいため、対向する傾斜面同士の密着性を向上させることができる。
本発明の第1観点に係るプレート式熱交換器では、プレート接合時に、接合される縁部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように配置されるため、2枚のプレートを接合する際に、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所の位置ずれを防止することができる。
本発明の第2観点に係るプレート式熱交換器では、プレート接合時に、プレートの外周部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように、2枚のプレートが配置されるため、接合されるプレートの位置決めができると共に、接合箇所であるプレートの外周部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第3観点に係るプレート式熱交換器では、プレート接合時に、プレートの開口周縁部の傾斜面が互いに対向して重なり合うように、接合される2枚のプレートが配置されるため、接合されるプレートの位置決めができると共に、接合箇所であるプレートの開口周縁部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第4観点に係るプレート式熱交換器では、プレートの接合時に、階段状の縁部を互いに重ね合わせることで、接合箇所の密着性を確保することができると共に、接合箇所であるプレートの縁部同士の位置ずれを防止することができる。
本発明の第5観点から第7観点のいずれかに係るプレート式熱交換器では、接合箇所である縁部同士の密着性が確保される構成であるため、縁部が溶接により接合される場合であっても、プレート同士が接合されないおそれを低減することができる。
本発明の第8観点に係るプレート式熱交換器では、縁部の基準面に直交する方向の断面が略U字状を呈することから、接合されるプレートにおいて、上側に配置されるプレートの縁部の突出寸法を下側に配置されるプレートの縁部の突出寸法よりも小さくすることで、対向する縁部同士の密着性を向上させることができる。
本発明の第9観点に係るプレート式熱交換器では、縁部の基準面に直交する方向の断面が略凸状を呈することから、接合されるプレートにおいて、上側に配置されるプレートの縁部の突出寸法を下側に配置されるプレートの縁部の突出寸法よりも小さくすることで、対向する縁部同士の密着性を向上させることができる。
本発明の第10観点に係るプレート式熱交換器では、接合箇所である縁部同士の密着性が確保される構成であることから、縁部がレーザー溶接で接合される場合であっても、プレート同士を接合できないおそれを低減することができる。
本発明の第11観点に係るプレート式熱交換器では、内側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度が、外側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度よりも小さいため、対向する傾斜面同士の密着性を向上させることができる。
本実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。 本実施形態に係る熱交換器の外観の一部を示す図。 本実施形態に係る熱交換器の断面図。 本発明の熱交換器の平面構成を模式的に示す図。 第1プレートを説明するための図。 第2プレートを説明するための図。 扁平管の断面図。 外周部の部分拡大図。 開口周縁部の部分拡大図。 熱交換器の製造工程を説明するための図。 変形例Aに係る熱交換器の部分断面図。 変形例Aに係る熱交換器の備える扁平管の接合部の部分拡大図。 変形例Bに係る熱交換器の備える扁平管の断面図。 変形例Cに係る熱交換器の備える扁平管の接合部を説明するための図。 変形例Cに係る熱交換器の備える扁平管の接合部を説明するための図。 参考例に係る熱交換器の備える扁平管の接合部を説明するための図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明に係る熱交換器10の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)熱交換器の構成
図1は、熱交換器10の構成の概要を示す概念図である。図2は、熱交換器10の外観を示す部分斜視図である。図3は、図2のIII-IIIで切断した熱交換器10の断面図である。図4は、熱交換器10の平面構成を模式的に示す図である。なお、図2では、扁平管20の凸部89の記載が省かれている。
熱交換器10は、プレス成形した2枚のプレートを接合して形成される流路21を積層して構成されるプレート式熱交換器である。この熱交換器10は、図1、図2及び図3に示すように、複数の扁平管20と、複数の扁平多穴管40と、複数の扁平多穴管40に冷媒を流すための出入口分配管50と、を含んで構成される。また、複数の扁平管20は、各扁平管20同士が、出入口部30で連通している。なお、本実施形態の熱交換器10は、5本の扁平管20と4本の扁平多穴管40とが交互に積層されている。ただし、これら積層される扁平管20や扁平多穴管40の数は、要求される性能などに応じて適宜選択されるものであり、扁平管20や扁平多穴管40の数が、本実施形態より多くてもよく(例えば、扁平管20の数が20本など)、或いは、少なくてもよい。また、本実施形態では、最下段と最上段に扁平管20が配置されているが、扁平多穴管40を最下段や最上段に配置することもできる。
熱交換器10は、水熱交換器であって、水と二酸化炭素冷媒(CO2冷媒)とが使用されている。より詳しくは、この熱交換器10は、例えば、ヒートポンプ式給湯装置などに用いられ、冷媒回路を循環するCO2冷媒と、水循環回路を循環する水と、の間の熱交換を行う。そして、扁平管20には低圧の水が流れ、扁平多穴管40には超臨界状態になっている高圧のCO2冷媒が流れる。このため、扁平多穴管40は、扁平管20よりも高い耐圧が要求される。一方で、水が流れる扁平管20は高い耐食性が要求される。したがって、水が流れる扁平管20に設けられる流路21は1つであるが、高い耐圧が要求される扁平多穴管40には、多数の細かい流路41が設けられている。なお、熱交換器10に採用される冷媒は、CO2冷媒に限られず、フロン系冷媒等を含む自然冷媒であることが好ましい。
扁平多穴管40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、又は、ステンレス等で形成される。このような細かい多数の流路21を有する扁平多穴管40の形成には、アルミニウムやアルミニウム合金の引き抜き加工や押し出し加工が好適に用いられ、このような加工を用いることにより安価に扁平多穴管40を製造することができる。
扁平管20は、水の腐食性を考慮して、ステンレス鋼や銅合金で形成されていることが好ましい。また、扁平管20をアルミニウムやアルミニウム合金から作ることもできるが、この場合には、水の流路21となる内面にアルマイト加工や樹脂加工コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。
熱交換器10は、図1や図4に示すように、扁平管20及び扁平多穴管40が左右方向(水平方向)に延びるように配置されており、扁平管20と扁平多穴管40とが上下方向に積層されている。また、熱交換器10は、図1に示す状態において、出入口部30として、扁平管20の右端部に配置される右側出入口部31と、左端部に配置される左側出入口部32と、を含んでおり、出入口分配管50として、扁平多穴管40の右端部に配置される右側出入口分配管51と、左端部に配置される左側出入口分配管52と、を含んでいる。また、右側出入口部31の端部に位置する出入口ポート34は、配管(図示せず)などと接続されている。なお、ここでは、説明を解りやすくするために図1に示す状態に熱交換器10を置いた場合について説明しているが、この熱交換器10は、必ずしも図1に示す状態で使用されなければならないものではない。例えば、扁平管20と扁平多穴管40とが左右方向(水平方向)に積層された状態で熱交換器10を使用することもできる。
扁平管20の側では、水が、左側出入口部32に入り、5本の扁平管20に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口部31から出る。そして、水は、扁平管20の流路21を流れる間に、扁平多穴管40の流路41を流れるCO2冷媒から与えられる熱で加熱される。
また、扁平多穴管40の側では、CO2冷媒が、左側出入口分配管52に入り、4本の扁平多穴管40に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口分配管51から出る。そして、CO2冷媒は、扁平多穴管40の流路41を流れる間に、扁平管20の流路21を流れる水に熱を奪われて冷却される。
(2)金属プレートの構造
図5(a)は、扁平管20の流路21と出入口部30を形成するための第1プレート80の平面図である。図5(b)は、図5(a)のb-bで切断した第1プレート80を示す図である。図5(c)は、図5(a)のc-cで切断した第1プレート80を示す図である。図6(a)は、扁平管20の流路21と出入口部30を形成するための第2プレート90の平面図である。図6(b)は、図6(a)のb-bで切断した第2プレート90を示す図である。図6(c)は、図6(a)のc-cで切断した第2プレート90を示す図である。図7は、第1プレート80と第2プレート90とが重ね合わされた状態を示す図である。図8A(a)は、外周部85,95の部分拡大図である。図8A(b)は、第1プレート80の外周部85を説明するための図である。図8A(c)は、第2プレート90の外周部95を説明するための図である。図8B(a)は、開口周縁部86,96の部分拡大図である。図8B(b)は、第2プレート90の開口周縁部96を説明するための図である。図8B(c)は、第1プレート80の開口周縁部86を説明するための図である。なお、図8A(a)及び図8B(a)の符号Gは、第1プレート80と第2プレート90との接合部を示している。
金属プレート80,90の平面形状は、左右に長い略長方形状であって、一方の長辺80a,90aの左右の両端部には、膨出部81,82,91,92が形成されている。また、膨出部81,82,91,92には、それぞれ円形の開口81a,82a,91a,92aが形成されている。これら開口81a,82a,91a,92aは、いずれも同じ大きさである。また、これら開口81a,82a,91a,92aは、長辺80a,90aの仮想延長線よりも外側にはみ出して形成されている。なお、開口81a,82a,91a,92aの形状や大きさ或いは位置は、流量や流路21に合わせて設定される。また、本実施形態の金属プレート80,90は、板厚が0.3mmのステンレス鋼によって形成されている。ただし、金属プレート80,90として、本実施形態の板厚より薄いものが用いられてもよい。後述するように、本実施形態の熱交換器10は、金属プレート80,90同士の接合箇所である縁部同士の密着性が確保される構成であることから、プレートの板厚が0.3mm以下であっても、縁部を溶接することができる。
また、金属プレート80,90には、凹面部83,93がプレス加工によって形成されている。凹面部83,93は、金属プレート80,90の外周縁に沿って形成された、外周縁よりも内側の領域である。そして、開口81a,82a,91a,92aは、凹面部83,93に形成されている。なお、開口81a,82a,91a,92aは、図5及び図6に示すように、凹面部83,93の中でもさらに一段深くなった凹部84,94に形成されている。
さらに、金属プレート80,90は、縁部に含まれる傾斜面の傾斜方向が異なる2種類の金属プレートからなる。以下より、2種類の金属プレートのうちの一方を、第1プレート80(図5参照)といい、他方を第2プレート90(図6参照)という。なお、金属プレート80,90の縁部には、金属プレート80,90の外周縁を含む外周部85,95と、開口81a,82a,91a,92aの周縁を含む開口周縁部86,96とが含まれる。また、金属プレート80,90の縁部の傾斜面は、凹面部83,93が形成されるプレス加工の際に形成される。
第1プレート80の外周部85は、図5に示すように、凹面部83の端部から連続しており凹面部底面83aに対して平行な方向に延びる第1平面部85aと、第1平面部85aの端部から第1平面部85aに対して交差する方向に延びる第1傾斜部85bと、を含む。第1傾斜部85bは、第1プレート80の外周全周に渡って配置されており、第1平面部85aから離れる方向に、凹面部底面83a側に向かって延びている。そして、第1傾斜部85bは、第1平面部85aの面85dに対して所定角度だけ傾斜する第1傾斜面85cを含んでいる(図8A参照)。
また、第1プレート80の開口周縁部86は、膨出部81,82の凹部底面84aから凹部底面84aに対して交差する方向に延びる第1開口傾斜部86bを含む。第1開口傾斜部86bは、開口縁全周に渡って配置されており、凹部底面84aから離れる方向に、第1平面部85a側に向かって延びている。そして、第1開口傾斜部86bは、凹部底面84aに対して所定角度だけ傾斜する第1開口傾斜面86cを含んでいる(図8B参照)。
なお、以下より、説明の便宜上、第1プレート80に形成されている開口81a,82aのうち、図5において右側に位置する開口を右側第1開口81aといい、左側に位置する開口を左側第1開口82aという。
第2プレート90の外周部95は、図6に示すように、凹面部93の端部から連続しており凹面部底面93aに対して平行な方向に延びる第2平面部95aと、第2平面部95aの端部から第2平面部95aに対して交差する方向に延びる第2傾斜部95bと、を含む。第2傾斜部95bは、第2プレート90の外周全周に渡って配置されており、第2平面部95aから離れる方向に、凹面部底面93aとは反対側に向かって延びている。そして、第2傾斜部95bは、第2平面部95aの面95dに対して所定角度だけ傾斜する第2傾斜面95cを含んでいる(図8A参照)。
また、第2プレート90の開口周縁部96は、膨出部91,92の凹部底面94aに対して交差する方向に延びる第2開口傾斜部96bを含む。第2開口傾斜部96bは、開口縁全周に渡って配置されており、凹部底面94aから離れる方向に、第2平面部95aとは反対側に向かって延びている。そして、第2開口傾斜部96bは、凹部底面94aに対して所定角度だけ傾斜する第2開口傾斜面96cを含んでいる(図8B参照)。
なお、以下より、説明の便宜上、第2プレート90に形成されている開口91a,92aのうち、図6において右側に位置する開口を右側第2開口91aといい、左側に位置する開口を左側第2開口92aという。
第1プレート80の長辺80aと第2プレート90の長辺90aとが一致し、かつ、第1プレート80の右側第1開口81aと第2プレート90の左側第2開口92aとが対向し、第1プレート80の左側第1開口82aと第2プレート90の右側第2開口91aとが対向するように、第1プレート80と第2プレート90とが重ね合わされた状態で、第1プレート80の外周部85と第2プレート90の外周部95とが接合されてシールされることで、1本の扁平管20が形成される。これにより、第1プレート80の凹面部83と第2プレート90の凹面部93とによって、流路21が形成される(図7参照)。この流路21は、右側第1開口81a、左側第1開口82a、右側第2開口91a及び左側第2開口92aまで続いている。また、扁平管20において、右側第1開口81aと左側第2開口92aとが対向するように配置されており、左側第1開口82aと右側第2開口91aとが対向するように配置されているため、扁平管20の出入口部30は真直ぐに形成されることになる。
また、第1プレート80の外周部85と第2プレート90の外周部95とが接合される際に、第1プレート80と第2プレート90とが上述のように重ね合わされると、第1傾斜部85bと第2傾斜部95bとが同じ方向に向かって傾斜しており、図8A(a)に示すように、第1傾斜面85cと第2傾斜面95cとが対向する。このため、第1プレート80と第2プレート90とが重ね合わされたときに、第1傾斜面85cが第2傾斜面95cに当接することで、第1プレート80の水平方向へのスライド移動が規制される。
さらに、対向する傾斜面85c,95cの傾斜方向が斜め上方向である外周部85,95では、平面部85a,95aの面85d,95dを基準面とすると、図8Aに示すように、上側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度A1が、下側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度A2よりも所定角度(本実施形態では、5度)だけ小さくなるように、各傾斜面が設計されている。具体的には、図8Aに示すように、外周部85,95では、第1平面部85aの面85dに対する第1傾斜面85cの立ち上げ角度A1が、第2平面部95aの面95dに対する第2傾斜面95cの立ち上げ角度A2よりも5度だけ小さい。
一方で、対向する傾斜面86c,96cの傾斜方向が斜め下方向である開口周縁部86,96では、凹部底面84a,94aを基準面とすると、下側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度A1が、上側に位置する傾斜面の基準面に対する立ち上げ角度A2よりも所定角度(本実施形態では、5度)だけ小さくなるように、各傾斜面が設計されている。具体的には、図8Bに示すように、開口周縁部86,96では、立ち上げ方向に対して上側に位置する第1開口傾斜面86cの凹部底面84aに対する立ち上げ角度A1が、立ち上げ方向に対して下側に位置する第2開口傾斜面96cの凹部底面94aに対する立ち上げ角度A2よりも5度だけ小さい。
また、凹面部83,93が形成されるプレス加工の際に、凹面部底面83a,93aには、凹面部底面83a,93aから流路21側に突出する凸部89,99が形成される。凸部89,99は、図5及び図6に示すように、長辺80a,90aに対して同じ角度で傾斜するように、所定の間隔をあけて配置されている。このように、凸部89,99が形成されていることで、流路21を水が流れるときに乱流が発生することにより、水と金属プレート80,90との間の熱伝達効率が向上する。
なお、凹面部83,93の凹面部底面83a,93aに凸部89,99が形成されていない構成であってもよいが、水と金属プレート80,90との間の熱伝達効率を向上させるためには、凸部89,99が形成されていることが好ましい。また、凸部89,99に限定されず、凸部に代えて凹部が形成されていてもよく、或いは、ディンプルのような形状であっても、同様の効果を期待できる。
(3)扁平管と扁平多穴管との積層構造
(3−1)熱交換器の平面構造
熱交換器10は、上面視において、扁平管20及び扁平多穴管40が真直ぐに並んだ構成を有している。そして、図4に示すように、右側出入口部31及び左側出入口部32が扁平多穴管40の脇に配置されている。
一方、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52は、扁平多穴管40の両端部に配置されている。このため、製造時に、扁平多穴管40を曲げる必要がなく、真直ぐに成形できるため、扁平多穴管40に曲げ応力が作用して扁平多穴管40が破損するなどの不具合が生じにくく、製造が容易である。
(3−2)熱交換器の製造工程
熱交換器10の製造は、第1プレート80及び第2プレート90、等、各パーツを接合して組み立てることにより行われる。接合は、後述するように、主に、溶接やろう付け、ハンダ付け、等、熱を加えることにより行われる。この場合、後の接合温度の方が先の接合温度よりも高いと、後の接合を行なっている際に先の接合部分が離れる恐れがある。そのため、接合温度の高い順に接合していくことが好ましい。
そこで、熱交換器10の製造工程では、まず、第1プレート80の第1傾斜面85cと第2プレート90の第2傾斜面95cとが互いに対向して重なり合うように、第1プレート80が第2プレート90の上側に重ねられる(図9(a)参照)。そして、第1傾斜面85cの端部と第2傾斜面95cの端部とが、溶接によって接合される。これにより、第1プレート80と第2プレート90との周囲が固定されると同時にシールされ、1本の扁平管20が形成される。
次に、図9(b)に示すように、扁平管20が積み重ねられながら、出入口部30の形成が行われる。具体的には、第1プレート80の右側第1開口81aの開口周縁部86と、第2プレート90の左側第2開口92aの開口周縁部96とが溶接により接合され、第1プレート80の左側第1開口82aの開口周縁部86と、第2プレート90の右側第2開口91aの開口周縁部96とが溶接により接合される。より具体的には、第2開口傾斜面96cと第1開口傾斜面86cとが対向して重なり合うように、扁平管20同士が配置され、右側第1開口81aの第1開口傾斜面86cの端部と左側第2開口92aの第2開口傾斜面96cの端部とが溶接により接合され、左側第1開口82aの第1開口傾斜面86cの端部と右側第2開口91aの第2開口傾斜面96cの端部とが溶接により接合される。なお、扁平管20は上側に第1プレート80が位置しており下側に第2プレート90が位置しているため、扁平管20を上述のように重ねると、第1開口傾斜部86bの上側に第2開口傾斜部96bが配置されることになる。これにより、出入口部30(右側出入口部31及び左側出入口部32)が形成される。また、この接合により、互いに隣接する扁平管20同士が固定されると同時に、出入口部30の内壁と外壁との間がシールされる。
なお、本実施形態においては、溶接は、MIG(Metal Insert Gas)溶接、特にその中でもCMT(Cold Metal Transfer)溶接で行われる。MIG溶接は、シールドガスとして不活性ガスを供給しながら、ワイヤを消耗式の電極として用いる溶接であり、ステンレス鋼や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、等のあらゆる金属の高品質な溶接を実現する。CMT溶接は、短絡した瞬間にワイヤを引き戻すことでアークが与える入熱がすぐに減少し、そのため、低入熱の溶接を実現する。低入熱のため、第1プレート80及び第2プレート90のような軽量で薄いパーツであっても変形させずに精密に溶接することが可能である。溶接に使用するワイヤとしては、第1プレート80及び第2プレート90がステンレス鋼製の場合は、ステンレス鋼(SUS)系ワイヤ、第1プレート80及び第2プレート90が銅合金製の場合は、銅系ワイヤが好ましい。
また、本実施形態では、外周部85,95及び開口周縁部86,96が溶接(例えば、CMT溶接)によって接合されているが、ロウ付けによって接合されてもよい。
一方で、扁平管20の積層及び出入口部30の形成と並行して、扁平多穴管40と右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の組み立てが行われる。扁平多穴管40の外径に合わせて形成された右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の複数の開口部(図示省略)に扁平多穴管40が嵌め込まれる。そして、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52に複数の扁平多穴管40が、手ロウ付けや高周波ロウ付け等のロウ付けやハンダ付けなどで固定される。このようにして形成された扁平多穴管40と右側出入口分配管51と左側出入口分配管52とからなる組立体に、出入口部30が形成された扁平管20の組立体が嵌め込まれる(図9(c)参照)。
最後に、扁平管20と扁平多穴管40とが交互に積層された状態で、扁平管20と扁平多穴管40との接合部分が、ハンダ付けやロウ付け、又は、高温伝導接着剤で接合される。これにより、図9(d)に示すような熱交換器10が完成する。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態では、第1プレート80と第2プレート90との接合箇所である外周部85,95及び開口周縁部86,96は、それぞれ、基準面に対して傾斜している第1傾斜面85c、第2傾斜面95c、第1開口傾斜面86c及び第2開口傾斜面96cを含む。また、第1傾斜面85cと第2傾斜面95c、及び、第1開口傾斜面86cと第2開口傾斜面96cは、それぞれ、第1プレート80と第2プレート90と接合時に、互いに対向して重なり合うように配置される。このため、第1プレート80と第2プレート90との接合時に、接合箇所となる外周部85,95、及び、開口周縁部86,96の密着性を確保することができる。また、第1傾斜面85c、第2傾斜面95c、第1開口傾斜面86c及び第2開口傾斜面96cを利用して、第1プレート80及び第2プレート90の接合時の位置ずれを防止することができる。
これによって、第1プレート80及び第2プレート90を接合する際に、接合箇所である外周部85,95及び開口周縁部86,96の密着性を確保することができると共に、接合箇所である外周部85,95及び開口周縁部86,96の位置ずれを防止することができている。
(4−2)
本実施形態では、第1プレート80及び第2プレート90の接合時に、外周部85,95の第1傾斜面85cと第2傾斜面95cとが互いに対向して重なり合うように、第1プレート80及び第2プレート90が配置される。第1傾斜面85c及び第2傾斜面95cは、第1プレート80及び第2プレート90の外周全域に渡って配置されているため、第1プレート80及び第2プレート90の接合時の位置決めをすることができる。また、第1傾斜面85cが第2傾斜面95cに接触することで、第1プレート80の水平方向へのスライド移動を規制することができるため、接合箇所である外周部85,95の位置ずれを防止することができている。
(4−3)
本実施形態では、第1プレート80及び第2プレート90の接合時に、開口周縁部86,96の第1開口傾斜面86cと第2開口傾斜面96cとが互いに対向して重なり合うように、第1プレート80及び第2プレート90が配置される。第1開口傾斜面86c及び第2開口傾斜面96cは、第1プレート80及び第2プレート90の開口周縁部86,96の全域に渡って配置されているため、第1プレート80及び第2プレート90の接合時の位置決めをすることができる。また、第2開口傾斜面96cと第1開口傾斜面86cとが接触することで、第2プレート90の水平方向へのスライド移動を規制することができるため、接合箇所である開口周縁部86,96の位置ずれを防止することができている。
(4−4)
本実施形態では、接合箇所である外周部85,95及び開口周縁部86,96の密着性が確保される構成であるため、外周部85,95及び開口周縁部86,96が溶接によって接合されても、第1プレート80及び第2プレート90を確実に接合することができる。
(4−5)
本実施形態では、第1平面部85aの面85dに対する第1傾斜面85cの立ち上げ角度が、第2平面部95aの面95dに対する第2傾斜面95cの立ち上げ角度よりも5度だけ小さい。このため、第1プレート80及び第2プレート90が図7のように重ね合わせられた場合、内側に位置する第1傾斜面85cの基準面に対する立ち上げ角度が、外側に位置する第2傾斜面95cの基準面に対する立ち上げ角度よりも小さくなる。この結果、第1傾斜面85cの端部近傍と第2傾斜面95cの端部近傍との密着性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1開口傾斜面86cの凹部底面84aに対する立ち上げ角度が、第2開口傾斜面96cの凹部底面94aに対する立ち上げ角度よりも5度だけ小さい。このため、扁平管20同士が接合されるとき、すなわち、図9(b)のように第1プレート80の上側に第2プレート90が重ねられたときには、内側に位置する第1開口傾斜面86cの基準面に対する立ち上げ角度が、外側に位置する第2開口傾斜面96cの基準面に対する立ち上げ角度よりも小さくなる。この結果、第1開口傾斜面86cの端部近傍と第2開口傾斜面96cの端部近傍との密着性を向上させることができる。
(4−6)
本実施形態では、第1プレート80及び第2プレート90の板厚は、0.3mmである。一般に、板厚が薄いほど溶接するのが難しくなるが、本実施形態では、接合箇所の密着性を向上させることができる構成であることから、第1プレート80及び第2プレート90の板厚が0.3mmであっても、第1プレート80及び第2プレート90を溶接することができる。
また、溶接には、MIG溶接、特に低入熱のCMT溶接を用いることにより、板厚の薄い第1プレート80及び第2プレート90を精密に溶接することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
図10は、変形例Aに係る熱交換器100の部分断面図である。図11(a)は、外周部185,195の部分拡大図である。図11(b)は、開口周縁部186,196の部分拡大図である。
上記実施形態では、第1プレート80と第2プレート90との接合箇所である外周部85,95が、平面部85a,95aと、傾斜面85c,95cを含む傾斜部85b,95bとから構成されており、開口周縁部86,96が、開口傾斜面86c,96cを含む開口傾斜部86b,96bから構成されている。
これに代えて、金属プレートの縁部が、傾斜面、或いは、開口傾斜面を挟んで、階段状に設けられていてもよい。
例えば、図10に示すように、各プレート180,190の外周部185,195が、凹面部の端部から延びる内側平面部185a,195aと、内側平面部185a,195aの端部から延びており傾斜面185c,195cを含む傾斜部185b、195bと、傾斜部185b、195bの端部から内側平面部185a,195aと平行な方向に延びる外側平面部185e,195eと、から構成されており、各プレート180,190の開口周縁部186,196が、凹部底面184a,194aと、凹部底面184a,194aの端部から延びており開口傾斜面186c,196cを含む開口傾斜部186b,196bと、開口傾斜部186b,196bから凹部底面184a,194aに平行な方向に延びる開口平面部186e,196eと、から構成されていてもよい。より具体的には、第1プレート180の外周部185は、内側第1平面部185aと、第1傾斜部185bと、外側第1平面部185eとから構成されており、第1プレート180の開口周縁部186は、凹部底面184aと、第1開口傾斜部186bと、第1開口平面部186eと、から構成されている。また、第2プレート190の外周部195は、内側第2平面部195aと、第2傾斜部195bと、外側第2平面部195eとから構成されており、第2プレート190の開口周縁部196は、凹部底面194aと、第2開口傾斜部196bと、第2開口平面部196eと、から構成されている。
そして、図11(a)に示すように、第1傾斜部185bの傾斜面185cと第2傾斜部195bの傾斜面195cとが対向して重なり合うように配置されて、第1プレート180の外周部185と第2プレート190の外周部195とが接合されることで、1本の扁平管が形成される。さらに、図11(b)に示すように、第2開口傾斜部196bの開口傾斜面196cと第1開口傾斜部186bの開口傾斜面186cとが対向して重なり合うように配置されて、第1プレート180の開口周縁部186と第2プレート190の開口周縁部196とが接合されることで、出入口部が形成される。
接合箇所である外周部185,195の全域及び開口周縁部186,196の全域をこのように構成することで、各プレート180,190の接合時に、第1傾斜部185bの傾斜面185cと第2傾斜部195bの傾斜面195c、及び、第1開口傾斜部186bの開口傾斜面186cと第2開口傾斜部196bの開口傾斜面196cを利用して、接合箇所の位置決めをすることができる。また、第1傾斜部185bの傾斜面185cと第2傾斜部195bの傾斜面195cとが接触することで、第1プレート180の水平方向へのスライド移動を規制することができるため、外周部185,195の位置ずれを防止することができる。さらに、第2開口傾斜部196bの開口傾斜面196cと第1開口傾斜部186bの開口傾斜面186cとが接触することで、第2プレート190の水平方向へのスライド移動を規制することができるため、開口周縁部186,196の位置ずれを防止することができる。
なお、本変形例においても、第1傾斜部185bの傾斜面185cの内側第1平面部185aの面(基準面)に対する立ち上げ角度を、第2傾斜部195bの傾斜面195cの内側第2平面部195aの面(基準面)に対する立ち上げ角度より小さくし、第1開口傾斜部186bの開口傾斜面186cの凹部底面184a(基準面)に対する立ち上げ角度を、第2開口傾斜部196bの開口傾斜面196cの凹部底面194a(基準面)に対する立ち上げ角度より小さくしてもよい。
また、図10の符号40は、扁平多穴管を示している。
(5−2)変形例B
図12は、変形例Bに係る熱交換器の備える扁平管の断面図である。
上記実施形態では、2枚の金属プレート80,90のうち、両方の金属プレート80,90の縁部85,86,95,96に、傾斜面85c,86c,95c,96cが形成されている。
これに代えて、縁部の接合時に、上側に位置するプレートの縁部のみに、基準面に対して所定の立ち上げ角度を有する傾斜面を形成してもよい。
例えば、図12に示すように、上側に位置する第1プレート280にはプレス加工により凹面部283を設けると共に、外周部285に、凹面部283の側面283dを基準面として凹面部283の底面283a側に傾斜するように傾斜部285bを形成する。一方で、下側に位置する第2プレート290には、プレス加工により凹面部293のみを形成する。この場合、上側に位置する第1プレート280の外周部285の傾斜面285cと、下側に位置する凹面部293の傾斜した側面293dとを利用して、接合箇所の位置決めを行うことができる。そして、傾斜部283bの端部と凹面部293の側面端部295とが溶接等により接合されることで、1本の扁平管が形成される。
接合箇所である外周部285や開口周縁部(図示せず)をこのように形成することで、接合時に下側に位置する外周部(側面端部)や開口周縁部に傾斜面を形成するための加工をする必要がないため、傾斜面を形成するための加工工程を製造工程から省くことができる。
なお、図12では、第1プレート280の凹面部283の底面283a及び第2プレート290の凹面部293の底面293aに設けられている凸部を省略して描いている。
(5−3)変形例C
図13(a)は、第1プレート380の外周部385の断面図である。図13(b)は、第2プレート390の外周部395の断面図である。図13(c)は、第1プレート380と第2プレート390との接合部Gを示す図である。図14(a)は、第1プレート480の外周部485の断面図である。図14(b)は、第2プレート490の外周部495の断面図である。図14(c)は、第1プレート480と第2プレート490との接合部Gを示す図である。
上記実施形態では、外周部85,95の端部同士、及び、開口周縁部86,96の端部同士が、それぞれ接合されている。
これに代えて、外周部及び開口周縁部の端部以外が接合されてもよい。
例えば、外周部及び開口周縁部の断面が、略U字状を呈するように形成されている場合について、図13を用いて説明する。なお、図13では、外周部385,395近傍のみを描いている。
第1プレート380の外周部385は、右側第1平面部385aと、右側第1平面部385aの面(基準面)に対して傾斜している右側第1傾斜部385bと、左側第1平面部385eと、左側第1平面部385eの面(基準面)に対して傾斜している左側第1傾斜部385fと、右側第1傾斜部385bと左側第1傾斜部385fとを繋ぐ頂部385gとから構成されている。また、右側第1傾斜部385bと左側第1傾斜部385fとは、それぞれ、湾曲する傾斜面385c,385hを有しており、外周部385を基準面に直交する方向に切断すると、外周部385が、図13(a)に示すように、略U字状を呈する。
第2プレート390の外周部395は、右側第2平面部395aと、右側第2平面部395aの面(基準面)に対して傾斜している右側第2傾斜部395bと、左側第2平面部395eと、左側第2平面部395eの面(基準面)に対して傾斜している左側第2傾斜部395fと、右側第2傾斜部395bと左側第2傾斜部395fとを繋ぐ頂部395gとから構成されている。また、右側第2傾斜部395bと左側第2傾斜部395fとは、それぞれ、湾曲する傾斜面395c,395hを有しており、外周部395を基準面に直交する方向に切断すると、外周部395が、図13(b)に示すように、略U字状を呈する。
そして、図13(c)に示すように、右側第1傾斜部385bの傾斜面385cと右側第2傾斜部395bの傾斜面395cとを互いに対向して重ね合うように配置し、左側第1傾斜部385fの傾斜面385hと左側第2傾斜部395fの傾斜面395hとを互いに対向して重ね合うように配置して、頂部385g,395gを溶接(例えば、レーザー溶接)することで、第1プレート380と第2プレート390とを接合することができる。外周部385,395をこのような構成にすることで、第1プレート380及び第2プレート390の接合時の位置決めを行うことができると共に、接合位置がずれるおそれを低減することができる。
また、上側に位置する第1プレート380の外周部385の突出寸法(基準面の仮想延長面から頂部385gまでの寸法)L1を、下側に位置する第2プレート390の外周部395の突出寸法(基準面の仮想延長面から頂部395gまでの寸法)L2よりも小さくすることで、接合箇所である頂部385g,395gの密着性を向上させることができる。第1プレート380と第2プレート390とがレーザー溶接により接合される場合には、接合箇所の密着性を確実にするために、このような構成であることが好ましい。
また、例えば、外周部485,495及び開口周縁部の断面が、略凸字状を呈するように形成されている場合について、図14を用いて説明する。なお、図14では、外周部485,495近傍のみを描いている。
第1プレート480の外周部485は、右側第1平面部485aと、右側第1平面部485aの面(基準面)に対して傾斜している右側第1傾斜部485bと、左側第1平面部485eと、左側第1平面部485eの面(基準面)に対して傾斜している左側第1傾斜部485fと、右側第1傾斜部485bと左側第1傾斜部485fとを繋ぐ中央第1平面部485gとから構成されている。また、右側第1傾斜部485bと左側第1傾斜部485fとは、それぞれ、平坦な(湾曲していない)傾斜面485c、485hを有しており、外周部485を基準面に直交する方向に切断すると、外周部485が、図14(a)に示すように、略凸状を呈する。
第2プレート490の外周部495は、右側第2平面部495aと、右側第2平面部495aの面(基準面)に対して傾斜している右側第2傾斜部495bと、左側第2平面部495eと、左側第2平面部495eの面(基準面)に対して傾斜している左側第2傾斜部495fと、右側第2傾斜部495bと左側第2傾斜部495fとを繋ぐ中央第2平面部495gとから構成されている。また、右側第2傾斜部495bと左側第2傾斜部495fとは、それぞれ、平坦な(湾曲していない)傾斜面495c、495hを有しており、外周部495を基準面に直交する方向に切断すると、外周部495が、図14(b)に示すように、略凸状を呈する。
そして、図14(c)に示すように、右側第1傾斜部485bの傾斜面485cと右側第2傾斜部495bの傾斜面495cとを互いに対向して重ね合うように配置し、左側第1傾斜部485fの傾斜面485hと左側第2傾斜部495fの傾斜面495hとを互いに対向して重ね合うように配置して、中央第1平面部485g及び中央第2平面部495gの一部を溶接(例えば、レーザー溶接)することで、第1プレート480と第2プレート490とを接合することができる。外周部485,495をこのような構成にすることで、第1プレート480及び第2プレート490の位置決めを行うことができると共に、接合位置がずれるおそれを低減することができる。
また、上側に位置する第1プレート480の外周部485の突出寸法(基準面の仮想延長面から中央第1平面部485gまでの寸法)L3を、下側に位置する第2プレート490の外周部495の突出寸法(基準面の仮想延長面から中央第2平面部495gまでの寸法)L4よりも小さくすることで、接合箇所である中央第1平面部485g及び中央第2平面部495gの密着性を向上させることができる。第1プレート480と第2プレート490とがレーザー溶接により接合される場合には、接合箇所の密着性を確実にするために、このような構成であることが好ましい。
なお、図13(c)及び図14(c)の符号Gは、接合部を示している。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、1本の扁平管20を形成するために、第2プレート90の上側に第1プレート80を重ねた場合、接合箇所となる外周部85,95では、第1傾斜部85b及び第2傾斜部95bが斜め上方向に向かって延びている。一方で、出入口部30を形成するために、第1プレート80の上側に第2プレート90を重ねた場合、接合箇所となる開口周縁部86,96では、第1開口傾斜部86b及び第2開口傾斜部96bが斜め下方向に向かって延びている。しかしながら、外周部の有する傾斜部同士の傾斜方向、及び、開口周縁部の有する開口傾斜部同士の傾斜方向が同じ方向であれば、傾斜部や開口傾斜部の傾斜方向はこれに限定されない。
(6)参考例
図15は、参考例に係る熱交換器の備える扁平管の断面図である。
本発明に代えて、プレートの外周部及び開口周縁部に、基準面に対して傾斜する傾斜面を設けずに、2枚のプレートを接合してもよい。
例えば、外周部及び開口周縁部の断面が略L字状を呈するように形成されている場合について、図15を用いて説明する。なお、図15では、外周部585,595近傍のみを描いている。また、図15の符号Gは、接合部を示している。
第1プレート580は、第1底面部583と、第1底面部583の面583aから直交する方向に延びる第1側面部583dとから構成されている。また、第2プレート590は、第2底面部593と、第2底面部593の面593aから直交する方向に延びる第2側面部593dとから構成されている。この場合、1本の扁平管を形成する際に、上側に位置する第1プレート580の外周部585に相当する第1側面部583dの外側面583eと、下側に位置する第2プレート590の外周部595に相当する第2側面部593dの内側面593eとを利用して、接合箇所を密着させると共に、接合箇所の位置決めを行うことができる。これにより、本発明に係る熱交換器10よりも製造精度が必要とされるが、プレートの外周部及び開口周縁部に傾斜面を形成するための加工をする必要がないため、傾斜面を形成するための加工工程を製造工程から省くことができる。
本発明は、プレート同士の密着性を確保することができると共に、プレート同士の位置ずれを防止することができるため、プレート式熱交換器への適用が有効である。
21 流路
81a 開口/右側第1開口(開口)
82a 開口/左側第1開口(開口)
85c 傾斜面/第1傾斜面(傾斜面)
86 開口周縁部(縁部/周縁部)
86c 傾斜面/第1開口傾斜面(傾斜面)
91a 開口/右側第2開口(開口)
92a 開口/左側第2開口(開口)
95c 傾斜面/第2傾斜面(傾斜面)
96 開口周縁部(縁部/周縁部)
96c 傾斜面/第2開口傾斜面(傾斜面)
283d 側面(基準面)
293d 側面(傾斜面)
10,100 熱交換器(プレート式熱交換器)
80,180,280,380,480 金属プレート/第1プレート(プレート)
84a,94a,184a,194a 凹部底面(基準面)
85,185,285,385,485,95,195,395,495 外周部(縁 部)
85d,95d 面(基準面)
90,190,290,390,490 金属プレート/第2プレート(プレート)
185c,195c,186c,196c,285c,385c,385h,395c ,395h,485c,485h,495c,495h 傾斜面
特開2007−255826号公報

Claims (11)

  1. プレス成形した2枚のプレート(80,90,180,190,280,290,380,390,480,490)を接合して形成される流路(21)を積層して構成されるプレート式熱交換器において、
    前記プレートにおいて接合される部分である前記プレートの縁部(85,86,95,96,185,195,285,385,395,485,495)は、前記プレートの基準面(84a,85d,94a,95d,184a,194a,283d)に対して傾斜している傾斜面(85c,86c,95c,96c,185c,195c,186c,196c,285c,293d,385c,385h,395c,395h,485c,485h,495c,495h)を含み、
    前記傾斜面は、前記プレートの接合時に、互いに対向して重なり合うように配置される、
    プレート式熱交換器(10,100)。
  2. 前記縁部(85,95,185,195,285,385,395,485,495)は、前記プレートの外周部である、
    請求項1に記載のプレート式熱交換器。
  3. 前記プレートには、積層した前記流路同士を連通させるための開口(81a,82a,91a,92a)が形成されており、
    前記縁部(86,96)は、前記開口の周縁部である、
    請求項1又は2に記載のプレート式熱交換器。
  4. 前記縁部(185,195)は、前記傾斜面を挟んで階段状に形成されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
  5. 前記縁部は、溶接により接合されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
  6. 前記縁部は、MIG溶接により接合されている、
    請求項5に記載のプレート式熱交換器。
  7. 前記縁部は、CMT溶接により接合されている、
    請求項6に記載のプレート式熱交換器。
  8. 前記傾斜面(385c,385h,395c,395h)は、湾曲しており、
    前記縁部(385,395)は、前記基準面に直交する方向の断面が略U字状を呈する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
  9. 前記傾斜面(485c、485h,495c、495h)は、平面であり、
    前記縁部(485,495)は、前記基準面に直交する方向の断面が略凸状を呈する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
  10. 前記縁部は、レーザー溶接により接合されている、
    請求項8又は9に記載のプレート式熱交換器。
  11. 前記縁部の接合時に互いに対向して重なり合うように配置される前記傾斜面のうち、内側に位置する前記傾斜面の前記基準面に対する立ち上げ角度は、外側に位置する前記傾斜面の前記基準面に対する立ち上げ角度よりも小さい、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016061504A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 株式会社パロマ グリル用バーナ
KR101786876B1 (ko) * 2016-12-20 2017-10-17 이래오토모티브시스템 주식회사 오일 쿨러
KR101813048B1 (ko) * 2014-10-30 2017-12-29 린나이코리아 주식회사 플레이트 접합형 열교환기

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