JP2013209154A - 嵌合容器の蓋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓋10を、周縁部11と中央部12とから構成する。周縁部11は第1の合成樹脂製シートから成型されており外縁に嵌合部11aを中央に開口11bをそれぞれ有する。中央部12は第2の合成樹脂製シートから成型されており、外縁に屈曲部12aを有する。周縁部11の嵌合部11aと中央部12の屈曲部12aが重なり合った状態で、両者は接着されている。第1の合成樹脂製シートよりも第2の合成樹脂製シートのほうが厚みが小さくなっている。中央部12の厚みが、一定以上の厚みが必要となる嵌合部11aを含む周縁部11よりも小さくしたため、全体の厚みが均一である場合に比べて合成樹脂材料の量を低減することができ、材料コストを抑えることができる。
【選択図】図1
Description
これら嵌合容器の容器本体および蓋は、それぞれ合成樹脂製のシートを真空成型等することにより形成されており、その厚みはシートの厚みとほぼ等しいため均一である。
この厚みが小さすぎると容器本体と蓋の嵌合部のはめ合い強度(弾性)が不足し、嵌合部同士が外れやすくなってしまうため、ある程度大きい必要がある。
上記のような嵌合容器の場合、嵌合部以外の箇所については、嵌合部と同程度の強度までは必要でないため、これらの箇所の厚みを嵌合部よりも小さくすると、材料コストを低減することが可能である。
さらに、このような方法は、真空成型等と延伸とを組み合わせるため、工程が複雑になって加工のコストが嵩むとともに、真空成型機と延伸機とが必要となって加工装置が大型化してしまう問題もある。
なお周縁部の中央部との重なり合う範囲は特に限定されず、環状の周縁部の全部が中央部の外縁部と重なり合っていてもよい。
また周縁部が環状であるとは、円環状に限られず、楕円環状、方環状、多角環状など中心部が開口している形状全般を意味する。
また周縁部11は、その中央に方形の開口11bを有する。この開口11bは適宜打ち抜き等により形成されている。
中央部12の屈曲部12aは、周縁部11の嵌合部11aの内面に沿って当接しており、ここで互いに接着されている。この状態で中央部12の屈曲部12aを除いた箇所は、周縁部11の開口を閉塞している。
また周縁部11と中央部12のうち、中央部12のみに、図示省略の印刷が適宜施されているものとする。
まず、第1の合成樹脂製シートについては、周縁部11の嵌合部11aのはめ合い強度を一定以上とするためには、ある程度の厚みが必要である一方、厚みが大きすぎると材料コストが嵩むからである。
次に、第2の合成樹脂製シートについては、厚みを小さくするほど中央部12の材料コストを低減することができる一方、嵌合部11aのような強度は不要であるものの厚みが小さすぎると破孔や破れが生じてしまうからである。
また第1および第2の合成樹脂製シートの材質も特に限定されないが、非晶質ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、二軸延伸ポリスチレン、塩化ビニルなどが例示できる。
まず第1の合成樹脂製シートs1が巻き取られたシートロール(原反ロール)R1および第2の合成樹脂製シートs2が巻き取られたシートロールR2を準備する。これらシートロールR1,R2から、それぞれシートs1、s2が送りロールF等によりシールロールSへと送られ、このシールロールSにより互いに重なり合った状態で両者を接着し積層シートを形成する。
したがって、積層シートを下方より見た場合には、図中下方に矢印で示すように、第1の合成樹脂製シートs1に設けられた複数の開口から、第2の合成樹脂製シートs2の一部が覗いて見える構造となっている。
最後にカッタCにより積層シートを個別の蓋に分割、カットして蓋10が完成する。
積層シートの蓋10が取り除かれた残余の箇所は、集塵ロールGによりさらに下流に送られて処分される。
この実施形態では、第1実施形態とは異なり、積層シートを形成する前に第1の合成樹脂製シートS1を打ち抜く作業はおこなわない。
ここでは、まず第1の合成樹脂製シートs1が巻き取られたシートロールR1および第2の合成樹脂製シートs2が巻き取られたシートロールR2を準備し、これらからそれぞれシートs1、s2が送りロールF1、F2等によりシールロールSへと送られ、このシールロールSにより互いに重なり合った状態で両者を接着し積層シートを形成する。
ただし、シートロールR1における接着では、シートs1、s2は全面で接着せず開口11bに相当する部分を未接着又はシート全体を仮接着にしておき、後述するハーフカッタC1によってこの部分を取り除く。
未接着又は仮接着にする方法としては、予めシートs1又はs2に部分的にシーラントを印刷するなどの方法にて調製することができるし、シールロールSを部分加熱する方法などによっても調製できる。
次に、この成型された積層シートは、ハーフカッタC1へと送られ、このハーフカッタC1により、第2の合成樹脂製シートs2は打ち抜かれず、第1の合成樹脂製シートs1の周縁部11の未接着又は仮接着した開口11bに相当する箇所だけが打ち抜かれる。
ここでハーフカッタC1は、そのハーフカットをおこなうトムソン刃に吸盤を付属させておき、この吸盤により周縁部の開口11bに相当する打ち抜き屑を吸着しライン上から取り除けるようにしておくのが好ましい。また図示のように、ハーフカッタC1の下流側に、打ち抜き屑のバキューム機構を別途設けるなどしてもよい。この打ち抜き屑は、集めて溶融させ、シート材料としてリサイクルすることができる。
最後にカッタC2により積層シートを個別の蓋に分割、カットされて蓋10が完成する。
積層シートの蓋10が取り除かれた残余の箇所は、集塵ロールGによりさらに下流に送られて処分される。
ここでは、まずシールバケットBにあらかじめ成型された容器本体20をセットし、このセットされた容器本体20に内容物30を充填しておく。
次に内容物30が充填されシールバケットBにセットされた容器本体に、あらかじめ第2の合成樹脂製シートから成型された中央部12を被せる。
さらにその上にあらかじめ第1の合成樹脂製シートから成型された周縁部11を被せる。
なお図4では、図面が煩雑になることを避けるため、嵌合部11a等は省略している。
これにより、周縁部11と中央部12とが熱接着されて蓋10が完成するとともに、その蓋10が内容物30の充填された容器本体20のフランジにも熱接着されて食品包装体も完成する。蓋10の完成とその容器本体20への接着とが同時におこなわれるため、工程が簡略化される。
ここでは、あらかじめ第2の合成樹脂製シートから成型された中央部12と、同じくあらかじめ第1の合成樹脂製シートから成型された周縁部11とを、シールバケットBの上に重ね合わせてセットし、図示省略のヒータプレートHを押し当ててヒートシールをおこなう。
これにより、周縁部11と中央部12とが接着されて蓋10が完成する。なお、蓋10と容器本体20との接着は別工程でおこなう。
第3実施形態に比べて、包装体の全体を完成させる際の工程数は増えるものの、ヒートシール時にシールバケットBとヒータプレートHの間に容器本体20のフランジが介在しない分だけ、周縁部11と中央部12との接着は、より強固かつ確実におこなうことができる。
この容器本体20は、平面視が方環状の周縁部21と、平面視が方形の中央部22と、からなり、互いに重なり合う箇所同士が接着されている。
また底壁21aはその中央に円形の開口21eを有する。この開口21eは打ち抜き等により形成されている。
周縁部21と異なり、中央部22の底壁22aには、開口は形成されていない。周縁部21と中央部22のうち、中央部22のみに図示省略の印刷が施されている。
ここで第1の合成樹脂製シートは第2の合成樹脂製シートよりも厚みが大きくなっている。
周縁部11、21の開口11b、21eも、実施形態の方形に限られず、円形、楕円形、多角形などでもよい。
蓋10の全体形状も実施形態の扁平なものに限られず、たとえばドーム型でもよい。容器本体20も同様に、たとえばボウル型でもよい。
嵌合部11a、22dの形状も実施形態に限られず、要は凹凸嵌合していればよい。
また実施形態では、周縁部11の嵌合部11aと中央部12の屈曲部12aとをほぼ相似形としているが、相似形である必要はなく、要は周縁部11と中央部12の少なくとも一部が重なり合い、この重なり合う箇所で互いに接着されていればよい。
11 周縁部
11a 嵌合部
11b 開口
12 中央部
12a 屈曲部
20 容器本体
21 周縁部
21a 底壁
21b 周壁
21c フランジ
21d 嵌合部
21e 開口
22 中央部
22a 底壁
22b 周壁
22c フランジ
22d 嵌合部
30 内容物
R1,R2 シートロール
F,F1,F2 送りロール
D ダイカットロール
S シールロール
P 成型機
C、C1,C2 カッタ
G 集塵ロール
B シールバケット
H ヒータプレート
Claims (14)
- 蓋および容器本体のそれぞれ周縁に設けられた凹凸状の嵌合部同士をはめ合わせることにより、容器本体の開口が蓋により封止される合成樹脂製の嵌合容器の蓋であって、
第1の合成樹脂製シートから成型された前記嵌合部を含む平面視環状の周縁部と、
前記第1の合成樹脂製シートよりも厚みの小さな第2の合成樹脂製シートから成型された中央部と、を備え、
前記周縁部と前記中央部とは少なくともその一部が重なり合い、この重合箇所が接着されている嵌合容器の蓋。 - 前記第1の合成樹脂製シートの厚みは、150〜1000μmであり、
前記第2の合成樹脂製シートの厚みは、10〜100μmである請求項1に記載の嵌合容器の蓋。 - 前記中央部のみに印刷が施されている請求項1または2に記載の嵌合容器の蓋。
- 前記中央部に相当する箇所があらかじめ打ち抜かれた第1の合成樹脂製シートと、前記第2の合成樹脂製シートとを貼り合わせて積層シートを形成する工程と、
この積層シートを成型機に通して圧空・真空成型をおこなう工程と、を含む請求項1から3のいずれかに記載の嵌合容器の蓋の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートと前記第2の合成樹脂製シートとを貼り合わせて積層シートを形成する工程と、
この積層シートを成型機に通して圧空・真空成型をおこなう工程と、
この成型された積層シートをハーフカットして前記第1の合成樹脂製シートのみの前記中央部に相当する箇所を打ち抜く工程と、を含む請求項1から3のいずれかに記載の嵌合容器の蓋の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートを圧空・真空成型し、前記中央部に相当する箇所を打ち抜いて前記周縁部を形成する工程と、
前記第2の合成樹脂製シートを圧空・真空成型して前記中央部を形成する工程と、
前記周縁部と前記中央部のみを重ね合わせて熱シールする工程と、を含む請求項1から3のいずれかに記載の嵌合容器の蓋の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートを圧空・真空成型し、前記中央部に相当する箇所を打ち抜いて前記周縁部を形成する工程と、
前記第2の合成樹脂製シートを圧空・真空成型して前記中央部を形成する工程と、
前記周縁部と前記中央部とを前記容器本体の嵌合部の上に重ね合わせて熱シールし前記周縁部と前記中央部の接着と同時に前記容器本体を封止する工程と、を含む請求項1から3のいずれかに記載の嵌合容器の蓋の製造方法。 - 蓋および容器本体のそれぞれ周縁に設けられた凹凸状の嵌合部同士をはめ合わせることにより、容器本体の開口が蓋により封止される合成樹脂製の嵌合容器の容器本体であって、
第1の合成樹脂製シートから成型された前記嵌合部を含む平面視環状の周縁部と、
前記第1の合成樹脂製シートよりも厚みの小さな第2の合成樹脂製シートから成型された中央部と、を備え、
前記周縁部と前記中央部とは少なくともその一部が重なり合い、この重合箇所が接着されている嵌合容器の容器本体。 - 前記第1の合成樹脂製シートの厚みは、150〜1000μmであり、
前記第2の合成樹脂製シートの厚みは、10〜100μmである請求項8に記載の嵌合容器の容器本体。 - 前記中央部のみに印刷が施されている請求項8または9に記載の嵌合容器の容器本体。
- 前記中央部に相当する箇所があらかじめ打ち抜かれた第1の合成樹脂製シートと、前記第2の合成樹脂製シートとを貼り合わせて積層シートを形成する工程と、
この積層シートを成型機に通して圧空・真空成型をおこなう工程と、を含む請求項8から10のいずれかに記載の嵌合容器の容器本体の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートと前記第2の合成樹脂製シートとを貼り合わせて積層シートを形成する工程と、
この積層シートを成型機に通して圧空・真空成型をおこなう工程と、
この成型された積層シートをハーフカットして前記第1の合成樹脂製シートのみの前記中央部に相当する箇所を打ち抜く工程と、を含む請求項8から10のいずれかに記載の嵌合容器の容器本体の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートを圧空・真空成型し、前記中央部に相当する箇所を打ち抜いて前記周縁部を形成する工程と、
前記第2の合成樹脂製シートを圧空・真空成型して前記中央部を形成する工程と、
前記周縁部と前記中央部のみを重ね合わせて熱シールする工程と、を含む請求項8から10のいずれかに記載の嵌合容器の容器本体の製造方法。 - 前記第1の合成樹脂製シートを圧空・真空成型し、前記中央部に相当する箇所を打ち抜いて前記周縁部を形成する工程と、
前記第2の合成樹脂製シートを圧空・真空成型して前記中央部を形成する工程と、
前記周縁部と前記中央部とを前記蓋の嵌合部の上に重ね合わせて熱シールし前記周縁部と前記中央部の接着と同時に前記蓋を封止する工程と、を含む請求項8から10のいずれかに記載の嵌合容器の容器本体の製造方法。
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