JP2013208838A - 印刷物検査方法および印刷物検査装置並びにインクジェット印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット方式のラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出する。
【解決手段】 2次元の撮像課像データと参照印刷データとを比較することにより検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。さらに、撮像課像データと参照印刷データの各積算値を比較することにより、「ノズル欠け」の欠点を検出する。各欠点の色情報を比較することにより、不良吐出を生じているラインヘッドを特定する。「インク垂れ」と「用紙汚れ」を正確に区別できるので、ラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる。
【選択図】図2
【解決手段】 2次元の撮像課像データと参照印刷データとを比較することにより検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。さらに、撮像課像データと参照印刷データの各積算値を比較することにより、「ノズル欠け」の欠点を検出する。各欠点の色情報を比較することにより、不良吐出を生じているラインヘッドを特定する。「インク垂れ」と「用紙汚れ」を正確に区別できるので、ラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェット方式で印刷された印刷物を撮像してインクジェット方式のラインヘッドの不良吐出部位を検出するための印刷物検査方法および印刷物検査装置並びにインクジェット印刷装置に関する。
従来、インクジェット印刷装置は、印刷媒体をロール搬送し、その搬送経路上に設けられたインクジェット方式の印刷ユニットで印刷媒体に印刷を施している。印刷ユニットは、カラー印刷の場合、搬送経路に沿って例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色のインクジェット方式のラインヘッドが配置されている。各色のラインヘッドは、印刷媒体の幅方向(主走査方向)の印刷領域の全体をカバーするように主走査方向に配列されている。したがって、この種のインクジェット印刷装置では、ラインヘッドを主走査方向に移動させることなく、印刷媒体を搬送経路方向(副走査方向)に送りながら印刷媒体に印刷を行うことができる。この方式はワンパス方式と呼ばれる。
この種のインクジェット印刷装置は様々な要因により印刷物に不良個所(以下、「欠点」ともいう)を生じる。本明細書において「欠点」とは、本来印刷物に印字されるべきデータと実際に出力された印刷物との差異をいう。ここで「印字」とは、文字の形成のみならず、文字を含む広い意味での画像を形成する概念をいう。欠点は原因や形状により分類され、主に「インク垂れ」、「ノズル欠け」、「用紙汚れ」がある。
「インク垂れ」は、インクジェットノズルにゴミなどの異物が付着すると、吐出されたインクが異物に付着し、一定量を超えると異物に付着していたインクが用紙に垂れることで生じる。「インク垂れ」が生じると、用紙には本来印字されるはずのない色のインクが付着する。
「ノズル欠け」は、インクジェットノズル内でインクが詰まることにより、ノズルからインクが吐出されなくなることで生じる。「ノズル欠け」が生じると本来印字されるべき印字物に色抜けが起こる。
「用紙汚れ」は、印刷装置で印刷を行う前に既に用紙に汚れが付着している場合をいう。藁半紙などの用紙のように、印刷媒体自体の特性として汚れがある場合や、白紙などの印刷媒体でも、印字を行う前の状態から汚れが存在する場合がある。
「インク垂れ」や「ノズル欠け」のように、インクジェットノズルが吐出不良の状態になると、それを解消するためのクリーニングやヘッド交換などのメンテナンスを行う。そのために、ラインヘッドの不良吐出部位を検出する必要がある。従来、ラインヘッドの不良吐出部位を検出するための技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1に記載の技術は、印刷ユニットの下流側位置に、ラインヘッドと同じ方向、即ち印刷媒体の幅方向に複数個のラインセンサを設置し、これらのラインセンサで印刷媒体を搬送方向に相対的に走査している。そして、ラインセンサで走査して読み取った濃度値の搬送方向の積算値を、印字されるべき印刷データの搬送方向の積算値と比較することにより、ラインヘッドの不良吐出部位を検出している。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
特許文献1に記載の技術によれば、ラインセンサで印刷媒体を搬送方向に相対的に走査して読み取った濃度値を搬送方向に積算して用いるので、印刷媒体の搬送方向に出現する欠点の形態変化(例えば、搬送方向に連続する細長い汚れか、あるいは搬送方向に並ぶ点状の汚れか等)を判別することができない。そのため、印刷媒体に元々存在する汚れ(用紙汚れ)であるにもかかわらず、それをラインヘッドの吐出不良(例えば、インク垂れ)であると誤って判断するなどの問題点がある。
特許文献1に記載の技術によれば、ラインセンサで印刷媒体を搬送方向に相対的に走査して読み取った濃度値を搬送方向に積算して用いるので、印刷媒体の搬送方向に出現する欠点の形態変化(例えば、搬送方向に連続する細長い汚れか、あるいは搬送方向に並ぶ点状の汚れか等)を判別することができない。そのため、印刷媒体に元々存在する汚れ(用紙汚れ)であるにもかかわらず、それをラインヘッドの吐出不良(例えば、インク垂れ)であると誤って判断するなどの問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、インクジェット方式のラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる印刷物検査方法および印刷物検査装置並びにインクジェット印刷装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記の目的を達成するために次のような構成を備えている。
すなわち、本発明は、印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットによって印刷された印刷物の検査方法であって、印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像過程と、前記撮像画像データと前記印刷ユニットに入力される参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出過程と、前記検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出過程と、前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出過程と、 前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出過程と、前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定過程と、前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知過程とを備えている。
すなわち、本発明は、印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットによって印刷された印刷物の検査方法であって、印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像過程と、前記撮像画像データと前記印刷ユニットに入力される参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出過程と、前記検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出過程と、前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出過程と、 前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出過程と、前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定過程と、前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知過程とを備えている。
本発明によれば、まず撮像過程で印刷媒体の印字領域の撮像画像データを取得する。続いて汚れ検出過程で撮像画像データと参照印刷データとを比較して、「汚れ」の欠点を検出する。印刷媒体に「インク垂れ」や「用紙汚れ」があると、その箇所の撮像画像データの濃度値は参照画像データよりも高くなる。汚れ種別検出過程では、「インク垂れ」の形態的特徴、すなわち、「インク垂れ」は比較的に大きく、また印刷媒体の搬送方向に細長く伸びているという特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、その他の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。一方、「ノズル欠け」が生じた場合、印刷媒体に濃度値の低いのスジが搬送方向に現れる。したがって、ノズル欠け検出過程では、撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、同じく参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出する。
不良吐出部位候補検出過程では、以上のようにして検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、各色ごとのラインヘッドにおいて各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する。カラー印刷では印刷の各色ごとにラインヘッドがあるので、各欠点の座標情報(すなわち、印字媒体の幅方向の座標情報)だけでは、どのラインヘッドに不良吐出部位があるのかを特定できない。そこで、ラインヘッド特定過程において、「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定する。ある色のラインヘッドに「ノズル欠け」あるいは「インク垂れ」が発生していれば、その色の撮像画像データと参照画像データの色情報の差分が大きくなるはずである。以上の過程により、不良吐出が生じているラインヘッドと、そのラインヘッドの中の不良吐出部位が特定され、その情報が報知される。
本発明によれば、汚れ種別検出過程で「インク垂れ」の形態的特徴に基づいて、「インク垂れ」と「用紙汚れ」を区別している。したがって、「用紙汚れ」を誤って「インク垂れ」と判断することがないので、ラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる。また、参照印刷データの濃度積算値と撮像画像データの濃度積算値とを比較しているので、「ノズル欠け」を精度よく検出することもできる。さらに、「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の撮像画像データの色情報と参照印刷データの色情報との差分の絶対値に着目することにより、不良吐出部位が存在するラインヘッドを容易に特定することもできる。
本発明において、撮像過程では、印刷媒体の幅方向に配置されたラインセンサで印刷媒体をその搬送方向に相対的に走査することにより撮像画像データを取得するのが好ましい(請求項2)。このようにすれば、搬送経路に沿って搬送される印刷媒体の印字領域の撮像画像データを容易に取得することができる。
本発明において、汚れ検出過程では、参照印刷データの太らせ処理過程を含み、撮像画像データと太らせ処理を行った参照印刷データとを比較するのが好ましい(請求項3)。撮像画像データには、画像のエッジに虚報(ノイズ)が発生しやすい。参照印刷データを太らせ処理した上で、撮像画像データの濃度値が太らせ処理をした参照印刷データの濃度値よりも高くなっているという条件を付すことにより、画像エッジの虚報の影響を回避することができる。
本発明において、汚れ種別検出過程では、「汚れ」の欠点の面積と、前記欠点の長辺と短辺の比であるアスペクト比とに基づき、「インク垂れ」の欠点と「用紙汚れ」の欠点とを区別するのが好ましい(請求項4)。この手法によれば、「インク垂れ」の形態的特徴を容易に判別することができる。
「インク垂れ」の形態的特徴の判別は、上記以外に、「汚れ」の欠点の面積と、欠点の重心モーメントとに基づいて行ってもよい(請求項5)。
あるいは、「汚れ」の欠点の面積と、欠点のチェインコードヒストグラムとに基づき、「インク垂れ」の形態的特徴を判別してもよい(請求項6)。
本発明において、ラインヘッド特定過程では、撮像画像データを印刷の表色系に変換する過程を含み、印刷の表色系に変換された撮像画像データの各欠点の色情報と、参照印刷データの各欠点の色情報との差分を印刷色ごとに求めるのが好ましい(請求項7)。このようにすれば、不良吐出部位が存在するラインヘッドを容易に特定することができる。
本発明において、更に、撮像画像データと参照印刷データとを比較して、参照印刷データの濃度値が撮像画像データの濃度値よりも高くなっている箇所を「印刷の欠落」の欠点として検出する印刷の欠落検出過程を備えるの好ましい(請求項8)。このようにすれば、
「ノズル欠け」、「インク垂れ」、「用紙汚れ」の他に、「印刷の欠落」を検出することもできる。
「ノズル欠け」、「インク垂れ」、「用紙汚れ」の他に、「印刷の欠落」を検出することもできる。
本発明において、印刷の欠落検出過程では、撮像画像データの太らせ処理過程を含み、太らせ処理を行った撮像画像データと参照印刷データとを比較するのが好ましい(請求項9)。撮像画像データには、画像のエッジに虚報(ノイズ)が発生しやすい。撮像画像データを太らせ処理した上で、参照印刷データの濃度値が太らせ処理をした撮像画像データの濃度値よりも高くなっているという条件を付すことにより、画像エッジの虚報の影響を回避することができる。
また、本発明は、印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットによって印刷された印刷物を検査する印刷物検査装置であって、印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶手段と、前記印刷ユニットに入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶手段と、前記撮像画像データ記憶手段に記憶されている撮像画像データと前記参照印刷データ記憶手段に記憶されている参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出手段と、前記汚れ検出手段で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出手段と、前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出手段と、前記ノズル欠け検出手段で検出された「ノズル欠け」、および前記汚れ種別検出手段で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出手段と、前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定手段と、前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする(請求項10)。
前記撮像手段によって取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶手段と、前記印刷ユニットに入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶手段と、前記撮像画像データ記憶手段に記憶されている撮像画像データと前記参照印刷データ記憶手段に記憶されている参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出手段と、前記汚れ検出手段で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出手段と、前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出手段と、前記ノズル欠け検出手段で検出された「ノズル欠け」、および前記汚れ種別検出手段で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出手段と、前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定手段と、前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする(請求項10)。
さらに、本発明は、印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットを備えたインクジェット印刷装置であって、前記インクジェット印刷装置は、印刷された印刷物を検査する印刷物検査装置を備え、前記印刷物検査装置は、印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段によって取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶手段と、前記印刷ユニットに入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶手段と、前記撮像画像データ記憶手段に記憶されている撮像画像データと前記参照印刷データ記憶手段に記憶されている参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出手段と、前記汚れ検出手段で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出手段と、前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出手段と、前記ノズル欠け検出手段で検出された「ノズル欠け」、および前記汚れ種別検出手段で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出手段と、前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定手段と、前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする(請求項11)。
本発明によれば、「インク垂れ」の形態的特徴に基づいて、「インク垂れ」と「用紙汚れ」を区別しているので、「用紙汚れ」を誤って「インク垂れ」と判断することがない。したがって、ラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる。また、参照印刷データの濃度積算値と撮像画像データの濃度積算値とを比較しているので、「ノズル欠け」を精度よく検出することもできる。さらに、本発明によれば、「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の撮像画像データの色情報と参照印刷データの色情報との差分の絶対値に着目しているので、不良吐出部位が存在するラインヘッドを容易に特定することもできる。
以下、図面を参照して本発明に係るインクジェット印刷装置の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るインクジェット印刷装置の全体を示す概略構成図である。
図1は、実施例1に係るインクジェット印刷装置の全体を示す概略構成図である。
本実施例に係るインクジェット印刷装置は、給紙部1と、インクジェット方式の印刷装置本体3と、排紙部5とを備えている。給紙部1は、例えば、印刷媒体であるロール状に巻かれた連続紙WPを繰り出し供給する。印刷装置本体3は、供給された連続紙WPに対して印刷を行う。排紙部5は、印刷された連続紙WPをロール状に巻き取り回収する。
給紙部1は、ロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、印刷装置本体3に対して連続紙WPを巻き出して供給する。排紙部5は、印刷装置本体3で印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とすると、給紙部1は印刷装置本体3の上流側に配置され、排紙部5は印刷装置本体3の下流側に配置されている。
印刷装置本体3は、給紙部1から繰り出された連続紙WPを排紙部5側へ向けてロール搬送するために、搬送経路に沿って上流側から順に複数個の駆動ローラ7、9、11、13を備えている。駆動ローラ7、9、13は、それぞれ押えローラ15と協働して連続紙WPを挟み込んで搬送する。駆動ローラ11は、連続紙WPに印刷されたインクを乾燥させるためのヒートローラである。以下、「駆動ローラ11」を「ヒートローラ11」とも呼ぶ。ヒートローラ11では押えローラへのインク付着を避けるために押えローラを用いていない。搬送経路には駆動ローラ7、9、11、13の他に連続紙WPを案内する複数個のガイドローラ17が設けられている。
上流側から第2番目の駆動ローラ9の下流側にインクジェット方式の印刷ユニット19が設けられている。印刷ユニット19は、インク滴を吐出するラインヘッド21を備えている。具体的には、図1および図3示すように、搬送経路に沿って上流側から順に(図3中に搬送方向を符号TDで示す)、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)について個別に4個のラインヘッド21K、21C、21M、21Yが設けられている。ラインヘッド21K、21C、21M、21Yは、連続紙WPの幅方向の印刷領域の全体をカバーするように搬送方向と直交する水平方向に延びている。これにより、連続紙WPの幅方向における印刷領域をヘッドが移動することなく印刷することができる。ラインヘッド21K、21C、21M、21Yは、それぞれ複数個(例えば、20個)のインクジェットヘッド23を連ねて形成されている。そして、各インクジェットヘッド23には、図示しない複数個のインクノズルが連続紙WPの幅方向に連ねて形成されている。
図1に戻って、各ラインヘッド21K、21C、21M、21Yに備えられたインクノズルは、各々のインク吐出のタイミングをヘッドドライブ回路29によって制御されている。印刷ユニット19の下流側に乾燥部31が設けられている。乾燥部31は、前述したヒートローラ11を備える。ヒートローラ11は図示しない赤外線ランプを内蔵している。ヒートローラ11の周面に沿って、ヒートローラ11の周面に向けて温風を吹き出す温風噴出部33が設けられている。
乾燥部31の下流側に検査部35が設けられている。検査部35は、連続紙WPの幅方向に配置されたラインセンサ37を備えている(図3参照)。検査部35は、ラインセンサ37で印刷された連続紙WPの印刷領域を走査することにより、印刷領域の2次元画像である撮像画像データを取得する。ラインセンサ37は、本発明の撮像手段に相当する。検査された連続紙WPは駆動ローラ13で下流側に繰り出されて排紙部5に巻き取り回収される。
また、印刷装置本体3の搬送経路に沿って、連続紙WPに作用する張力を測定するために複数個の張力センサ39、41、43が設けられている。張力センサ39は、駆動ローラ7、9間で連続紙WPに作用する張力を検出する。張力センサ41は、駆動ローラ9とヒートローラ11との間で連続紙WPに作用する張力を検出する。張力センサ43は、ヒートローラ11と駆動ローラ13との間で連続紙WPに作用する張力を検出する。
さらに、実施例1に係るインクジェット印刷装置は、主制御部45と操作部47を備えている。主制御部45は、インクジェット印刷装置の各構成を統括的に制御し、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。操作部47は、インクジェット印刷装置を操作するものであって、例えば、タッチパネルや各種のスイッチで構成される。
また、実施例1に係るインクジェット印刷装置は、印刷された連続紙WPを検査する印刷物検査装置49を備えている。なお、上述した検査部35およびラインセンサ37は、印刷物検査装置49に含まれる構成部品である。
次に、図2を参照して、実施例1に係るインクジェット印刷装置の備わる印刷物検査装置49の構成について説明する。図2は、印刷物検査装置およびインクジェット印刷装置の概略構成を示すブロック図である。
印刷物検査装置49は、上述したラインセンサ37と、このラインセンサ37で取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶部51と、印刷ユニット19に入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶部53と、印刷物検査処理部55とを備える。印刷物検査処理部55は、中央演算処理装置(CPU)で構成されている。
印刷物検査処理部55は、コンピュータプログラムで実現される次のような機能的構成を備えている。すなわち、印刷物検査処理部55は、汚れ検出部57、汚れ種別検出部59、ノズル欠け検出部61、不良吐出部位候補検出部63、ラインヘッド特定部65を備えている。
汚れ検出部57は、撮像画像データ記憶部51に記憶されている撮像画像データと参照印刷データ記憶部53に記憶されている参照印刷データとを比較して、撮像画像データの濃度値が参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する。
汚れ種別検出部59は、汚れ検出部57で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、連続紙WPの搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。
ノズル欠け検出部61は、撮像画像データを連続紙WPの搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、参照印刷データを連続紙WPの搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出する。
不良吐出部位候補検出部63は、ノズル欠け検出部61で検出された「ノズル欠け」、および汚れ種別検出部59で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報(連続紙WPの幅方向の座標)に基づいて、各色ごとのラインヘッド21K、21C、21M、21Yにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する。
ラインヘッド特定部65は、検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の撮像画像データの色情報と、参照印刷データにおける欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色(K、C、M、Y)ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッド21を不良吐出部位が存在するラインヘッド21として特定する。
さらに、印刷物検査装置49は、特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段として、例えば表示器67を備えている。
インクジェット印刷装置の主制御部45は、駆動ローラ7、9、11、13を個別に駆動する複数個のモータ69の回転速度を制御する。各モータ69は所定の回転速度比(ドロー比)で駆動されることにより、駆動ローラ間で張力が発生するようになっている。それらの張力が張力センサ39、41、43で検出される。主制御部45は、駆動ローラ間の張力が目標張力になるように、各モータ69の回転速度を調整する。
次に、上述した構成を備えたインクジェット印刷装置に備わる印刷物検査装置49の動作を説明する。
まず、図4を参照して、インクジェット印刷装置の印刷物(連続紙WP)に発生する不良個所(欠点)について説明する。図4(a)〜(d)は、ラインセンサ37で読み取られた連続紙WPの印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データであり、(a)は欠点のない撮像画像、(b)はインク垂れD1のある撮像画像、(c)はノズル欠けD2のある撮像画像、(d)は用紙汚れD3のある撮像画像である。なお、図4中に「GREEN」の文字は印刷された印字である。
図4(b)と(d)とを比べると明らかなように、インク垂れD1は、用紙汚れD3に比べて、大きさ(面積)が大きく、かつ、連続紙WPの搬送方向(矢印で示す)の伸びているという形態的特徴を有している。また、図4(c)から明らかなように、ノズル欠けD2の部分は、他の正常な部分に比べて濃度値が低いという特性を有している。一般に、ノズル欠けD2は、連続紙WPの搬送方向にスジ状に現れる。
ところで、上述した特許文献1に記載の技術は、ラインセンサで印刷媒体を搬送方向に相対的に走査して読み取った濃度値を搬送方向に積算して用いるので、例えば、図5に示すように、連続紙WPの搬送方向に用紙汚れD3が離散して並んだ場合に、複数個の汚れD3の濃度値が積算されるために、その積算値が閾値THを超える結果、それをインク垂れと誤って判断してしまう。その結果、図5に符号23Aで示した座標をもつ部位のヘッドに吐出不良が存在すると誤って判断してしまう。
また、図6に示すようなインク垂れD1が発生した場合、23Aから23Cの座標をもつ部位のヘッドにインク垂れが生じているにもかかわらず、23Aと23Cの座標をもつ部位の濃度積算値(図6で符号Eを付した領域の濃度積算値)が閾値THよりも低いために、23Aと23Cの座標をもつ部位のヘッドの吐出不良(インク垂れ)を見逃してしまう恐れがある。
本実施例の印刷物検査装置によると図5に示した用紙汚れや、図6に示したインク垂れであっても、精度良く検出することができる。このことは以下に詳しく説明する。
以下、図7のフローチャートを参照して実施例に係る印刷物検査装置の動作を説明する。
ステップS1:撮像過程
印刷されて搬送されている連続紙WPをラインセンサ37で走査することにより印刷領域の撮像画像データを取得する。撮像画像データは、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画像データである。この撮像画像データは撮像画像データ記憶部51に記憶される。
印刷されて搬送されている連続紙WPをラインセンサ37で走査することにより印刷領域の撮像画像データを取得する。撮像画像データは、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画像データである。この撮像画像データは撮像画像データ記憶部51に記憶される。
ステップS2:データ比較検査過程
データ比較検査過程は、大きく分けて汚れ検出過程(ステップS21)と印刷の欠落検出過程(ステップS22)とがある。以下、図8を参照して説明する。図8は、汚れ検出過程と印刷の欠落検出過程の模式図である。
データ比較検査過程は、大きく分けて汚れ検出過程(ステップS21)と印刷の欠落検出過程(ステップS22)とがある。以下、図8を参照して説明する。図8は、汚れ検出過程と印刷の欠落検出過程の模式図である。
ステップS21:汚れ検出過程
まず、参照画像データの変換処理を行う。参照画像データ記憶部53に記憶された参照画像データはブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)の各データである。これらの参照画像データを撮像画像データと同じ赤(R)、緑(G)、青(B)の各データに変換する。一般に参照画像データの解像度は撮像画像データよりも高いので、参照画像データの画素を纏めて撮像画像データの解像度に合わせる。
まず、参照画像データの変換処理を行う。参照画像データ記憶部53に記憶された参照画像データはブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)の各データである。これらの参照画像データを撮像画像データと同じ赤(R)、緑(G)、青(B)の各データに変換する。一般に参照画像データの解像度は撮像画像データよりも高いので、参照画像データの画素を纏めて撮像画像データの解像度に合わせる。
以下、図8を参照して説明する。図8において、PR0は変換された参照画像データ、PD0は撮像画像データである。撮像画像中の汚れを検出するために、参照画像データPR0を太らせ処理する。図8中の符号PR1は太らせ処理された参照画像データである。撮像画像データPD0から太らせ処理された参照画像データPR1を減算し、減算結果が「正」の画素、即ち、撮像画像データPD0の濃度値が参照画像データPR1よりも高くなっている画素を抽出することにより、「汚れ」の画像PAを得ることができる。
ここで参照画像データPR0を太らせ処理するのは次の理由による。撮像画像データPD0のエッジ近傍には虚報(ノイズ)が存在しやすい。参照画像データを太らせ処理して減算することにより、撮像画像データPD0のエッジ近傍の虚報が汚れとして検出されるのを防止することができる。
ステップS22:印刷の欠落検出過程
汚れの検出過程とは逆に、参照画像データPR0から太らせ処理された撮像画像データPD1を減算し、減算結果が「正」の画素、即ち、参照画像データPR0の濃度値が撮像画像データPD1よりも高くなっている画素を抽出することにより、「印刷の欠落」の画像PBを得ることができる。印刷の欠落検出過程で撮像画像データを太らせ処理するのは、汚れの検出過程と同様に、撮像画像データPD0のエッジ近傍の虚報が「印刷の欠落」として検出されるのを防止するためである。
汚れの検出過程とは逆に、参照画像データPR0から太らせ処理された撮像画像データPD1を減算し、減算結果が「正」の画素、即ち、参照画像データPR0の濃度値が撮像画像データPD1よりも高くなっている画素を抽出することにより、「印刷の欠落」の画像PBを得ることができる。印刷の欠落検出過程で撮像画像データを太らせ処理するのは、汚れの検出過程と同様に、撮像画像データPD0のエッジ近傍の虚報が「印刷の欠落」として検出されるのを防止するためである。
ステップS3:汚れ種別検出過程
汚れ検出過程(ステップS21)で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。例えば、「汚れ」の欠点に対して、面積と、長辺(連続紙WPの搬送方向)と短辺(連続紙WPの幅方向)の比であるアスペクト比とによるフィルタリングを行うことにより、「インク垂れ」による欠点を検出することができる。本実施例で、欠点の面積が5mm2以上で、かつ、アスペクト比が3:1以上の値をとる欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出している。本実施例において、欠点の検出とは、欠点の種別(「インク垂れ」または「用紙汚れ」)と、欠点の座標情報(連続紙WPの幅方向の座標情報)とを知ることである。
汚れ検出過程(ステップS21)で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する。例えば、「汚れ」の欠点に対して、面積と、長辺(連続紙WPの搬送方向)と短辺(連続紙WPの幅方向)の比であるアスペクト比とによるフィルタリングを行うことにより、「インク垂れ」による欠点を検出することができる。本実施例で、欠点の面積が5mm2以上で、かつ、アスペクト比が3:1以上の値をとる欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出している。本実施例において、欠点の検出とは、欠点の種別(「インク垂れ」または「用紙汚れ」)と、欠点の座標情報(連続紙WPの幅方向の座標情報)とを知ることである。
ステップS4:ノズル欠け検出過程
撮像画像データを連続紙WPの搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出する。以下、図9を参照して説明する。図9に示すように、撮像画像データPD0を連続紙WPの搬送方向に積算することにより、撮像画像データの濃度積算値IDを得る。濃度積算値IDの線図中の符号Fは、ノズル欠けの領域を示している。一方、参照画像データPR0を連続紙WPの搬送方向に積算することにより、参照画像データの濃度積算値IRを得る。参照画像データの濃度積算値IRを感度補正して、レベルを撮像画像データの濃度積算値IDに合わせる。感度補正された参照画像データの濃度積算値IR´から撮像画像データの濃度積算値IDを減算し、その減算値が「正」、即ち、参照データの濃度積算値IR´が撮像画像データの濃度積算値IDよりも高くなっている箇所(連続紙WPの幅方向の座標情報)を「ノズル欠け」の欠点FDとして検出する。
撮像画像データを連続紙WPの搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出する。以下、図9を参照して説明する。図9に示すように、撮像画像データPD0を連続紙WPの搬送方向に積算することにより、撮像画像データの濃度積算値IDを得る。濃度積算値IDの線図中の符号Fは、ノズル欠けの領域を示している。一方、参照画像データPR0を連続紙WPの搬送方向に積算することにより、参照画像データの濃度積算値IRを得る。参照画像データの濃度積算値IRを感度補正して、レベルを撮像画像データの濃度積算値IDに合わせる。感度補正された参照画像データの濃度積算値IR´から撮像画像データの濃度積算値IDを減算し、その減算値が「正」、即ち、参照データの濃度積算値IR´が撮像画像データの濃度積算値IDよりも高くなっている箇所(連続紙WPの幅方向の座標情報)を「ノズル欠け」の欠点FDとして検出する。
ステップS5:不良吐出部位候補の検出過程
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報(連続紙WPの幅方向の座標情報)に基づいて、各色ごとのラインヘッドにおいて各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する。本実施例では、不良吐出部位の候補は、各ラインヘッド21を構成しているインクジェットヘッド23を単位として検出される。欠点の座標情報の解像度を上げれば、インクジェットヘッド23内のインクノズル単位に不良吐出部位の候補を検出することも可能である。しかし、吐出不良が発生したときのメンテナンスは、一般にインクジェットヘッド23ごとの洗浄や交換のように、インクジェットヘッド23単位で行われるので、不良吐出部位の候補としてインクジェットヘッド23の座標を特定できれば充分である。図10に示すように、本実施例では、K、C、M、Yの4つのラインヘッド21K、21C、21M、21Yを有するので、一つの欠点D1の座標に対して、領域Eで囲う4つの不良吐出部位(本実施例では、不良吐出のインクジェットヘッド23)の候補が挙げられる。
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報(連続紙WPの幅方向の座標情報)に基づいて、各色ごとのラインヘッドにおいて各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する。本実施例では、不良吐出部位の候補は、各ラインヘッド21を構成しているインクジェットヘッド23を単位として検出される。欠点の座標情報の解像度を上げれば、インクジェットヘッド23内のインクノズル単位に不良吐出部位の候補を検出することも可能である。しかし、吐出不良が発生したときのメンテナンスは、一般にインクジェットヘッド23ごとの洗浄や交換のように、インクジェットヘッド23単位で行われるので、不良吐出部位の候補としてインクジェットヘッド23の座標を特定できれば充分である。図10に示すように、本実施例では、K、C、M、Yの4つのラインヘッド21K、21C、21M、21Yを有するので、一つの欠点D1の座標に対して、領域Eで囲う4つの不良吐出部位(本実施例では、不良吐出のインクジェットヘッド23)の候補が挙げられる。
ステップS6:ラインヘッド特定過程
検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の撮像画像データの色情報と、参照印刷データにおける欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定する。具体的には、次のように各処理が進められる。
検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の撮像画像データの色情報と、参照印刷データにおける欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定する。具体的には、次のように各処理が進められる。
(1)データ変換処理
上記の各ステップで用いた撮像画像データと参照画像データは共に、R、G、Bデータであった。この過程では、これらのRGB表色系を印刷色のCMYK表色系に変換する。表色系の変換は、例えば次の式を用いて行うことができる。
C=(1−R−K)/(1−K)
M=(1−G−K)/(1−K)
Y=(1−B−K)/(1−K)
K=min(1−R,1−G,1−B)
上記の各ステップで用いた撮像画像データと参照画像データは共に、R、G、Bデータであった。この過程では、これらのRGB表色系を印刷色のCMYK表色系に変換する。表色系の変換は、例えば次の式を用いて行うことができる。
C=(1−R−K)/(1−K)
M=(1−G−K)/(1−K)
Y=(1−B−K)/(1−K)
K=min(1−R,1−G,1−B)
(2)次に、撮像画像データのC、M、Y、Kの各色と、参照画像データのC、M、Y、Kの各色との差分を算出する。差分は次の式で求められる。
ΔC=CR−CD
ΔM=MR−MD
ΔY=YR−YD
ΔK=KR−KD
上式において、CR、MR、YR、KRは参照画像データのC、M、Y、Kの各色成分、CD、MD、YD、KDは撮像画像データのC、M、Y、Kの各色成分である。差分が「正」であれば「ノズル欠け」、「負」であれば「インク垂れ」の欠点である。ラインヘッド特定過程では、各色の差分ΔC、ΔM、ΔY、ΔKの絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定する。
ΔC=CR−CD
ΔM=MR−MD
ΔY=YR−YD
ΔK=KR−KD
上式において、CR、MR、YR、KRは参照画像データのC、M、Y、Kの各色成分、CD、MD、YD、KDは撮像画像データのC、M、Y、Kの各色成分である。差分が「正」であれば「ノズル欠け」、「負」であれば「インク垂れ」の欠点である。ラインヘッド特定過程では、各色の差分ΔC、ΔM、ΔY、ΔKの絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定する。
ステップS7:報知過程
以上のステップS1〜S6によって不良吐出のラインヘッドとその不良吐出部位(本実施例では、不良吐出のインクジェットヘッド23を特定する情報)を、図2に示した表示器67などに表示する。このような報知により、不良吐出のインクジェットヘッド23に対してクリーニングを行う。そのインクジェットヘッド23の前回のクリーニングから今回のクリーニングまでの期間が予め定められた期間以下であれば、そのヘッド23が損傷している可能性があるので、作業者に対してヘッドの交換を促す警告を表示する。
以上のステップS1〜S6によって不良吐出のラインヘッドとその不良吐出部位(本実施例では、不良吐出のインクジェットヘッド23を特定する情報)を、図2に示した表示器67などに表示する。このような報知により、不良吐出のインクジェットヘッド23に対してクリーニングを行う。そのインクジェットヘッド23の前回のクリーニングから今回のクリーニングまでの期間が予め定められた期間以下であれば、そのヘッド23が損傷している可能性があるので、作業者に対してヘッドの交換を促す警告を表示する。
以上のように、本実施例に係る印刷物検査装置によれば、「インク垂れ」欠点の形態的特徴である面積とアスペクト比と基づいて、「インク垂れ」と「用紙汚れ」を区別しているので、図5に示したように連続紙WPの搬送方向に「用紙汚れ」が並ぶような場合にも、「用紙汚れ」を誤って「インク垂れ」と判断することがない。したがって、ラインヘッドの不良吐出部位を精度よく検出することができる。また、「インク垂れ」欠点の形態的特徴に着目しているので、図6に示したような「インク垂れ」の欠点D1であっても、積算値の低い部位(図6に符号Eで示した領域)が抽出されないということがない。したがって、このような欠点D1の場合にも、座標23A,23B,23Cを有するインクジェットヘッドの部位を不良吐出部位の候補として確実に検出することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上記実施例では、欠点の面積とアスペクト比に基づいて「インク垂れ」と「用紙汚れ」を区別しているが、「インク垂れ」の形態的特徴としてはこれに限らず、「汚れ」の欠点の面積と、その欠点の重心モーメントとに基づいて区別するようにしてもよい。「重心モーメント」は、物体の形状特徴を表すことができる。特に「正規重心モーメント」は、分散の広がり具合がモーメント値に影響しなくなるので、図形のスケールに対して不変となるので好ましい。アスペクト比の代わりに重心モーメントを用いる方法として、「インク垂れ」の欠点からn次までの正規重心モーメントを求めて、それを基準とし、検出された「汚れ」の欠点のn次までの正規重心モーメントと比較することで、その「汚れ」の欠点が「インク垂れ」か否かを判別することができる。比較方法として、例えばユークリッド距離を計算して、閾値以下であれば「インク垂れ」と判断することができる。
(2)また、「インク垂れ」の形態的特徴として、前記(1)のもの以外に、「汚れ」の欠点の面積と、欠点のチェインコードヒストグラムを用いて、「インク垂れ」と「用紙汚れ」を区別してもよい。チェインコードヒストグラムは、線図形の長さや方向(縦長か、あるいは横長か)の情報をあたえる。したがって、「インク垂れ」欠点のチェインコードヒストグラムを予め求めて、それを基準とし、検出された「汚れ」の欠点のチェインコードヒストグラムと比較することで、その「汚れ」の欠点が「インク垂れ」か否かを判別することができる。
(3)実施例では、ノズル欠けを検出するための濃度値の比較にRGBの各濃度値を用いているが、参照印刷データの濃度値が撮像画像データの濃度値よりも高いという特徴を検出できるのであれば、他の手段を使ってもよい。例えば、XYZ表色系やL*a*b*表色系などの色空間の濃度値を比較してもよい。
(4)実施例では、4色印刷機向けに、不良吐出部位の候補から、不良吐出部位を特定するために、欠変点の撮像画像データと参照印刷データの各色情報の差分を行う際に、RGB表色系の各データをCMYK表色系に変換した。これを例えば、CMYKOG(ここで、Oはオレンジ、Gはグリーン)やCMYKRB(ここで、Rは赤、Bは青)などで表現される色空間に変換すれば6色印刷機などにも対応することができる。
WP … 連続紙
37 … ラインセンサ
49 … 印刷物検査装置
51 … 撮像画像データ記憶部
53 … 参照画像データ記憶部
55 … 印刷物検査処理部
57 … 汚れ検出部
59 … 汚れ種別検出部
61 … ノズル欠け検出部
63 … 不良吐出部位候補検出部
65 … ラインヘッド特定部
67 … 表示器
37 … ラインセンサ
49 … 印刷物検査装置
51 … 撮像画像データ記憶部
53 … 参照画像データ記憶部
55 … 印刷物検査処理部
57 … 汚れ検出部
59 … 汚れ種別検出部
61 … ノズル欠け検出部
63 … 不良吐出部位候補検出部
65 … ラインヘッド特定部
67 … 表示器
Claims (11)
- 印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットによって印刷された印刷物の検査方法であって、
印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像過程と、
前記撮像画像データと前記印刷ユニットに入力される参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出過程と、
前記検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出過程と、
前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出過程と、
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出過程と、
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定過程と、
前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知過程と
を備えた印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記撮像過程は、印刷媒体の幅方向に配置されたラインセンサで印刷媒体をその搬送方向に相対的に走査することにより撮像画像データを取得する印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記汚れ検出過程は、前記参照印刷データの太らせ処理過程を含み、前記撮像画像データと太らせ処理を行った前記参照印刷データとを比較する印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記汚れ種別検出過程は、「汚れ」の欠点の面積と、前記欠点の長辺と短辺の比であるアスペクト比とに基づき、「インク垂れ」の欠点と「用紙汚れ」の欠点とを区別する印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記汚れ種別検出過程は、「汚れ」の欠点の面積と、前記欠点の重心モーメントとに基づき、「インク垂れ」の欠点と「用紙汚れ」の欠点とを区別する印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記汚れ種別検出過程は、「汚れ」の欠点の面積と、前記欠点のチェインコードヒストグラムとに基づき、「インク垂れ」の欠点と「用紙汚れ」の欠点とを区別する印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、
前記ラインヘッド特定過程は、前記撮像画像データを印刷の表色系に変換する過程を含み、印刷の表色系に変換された前記撮像画像データの各欠点の色情報と、前記参照印刷データの各欠点の色情報との差分を印刷色ごとに求める印刷物検査方法。 - 請求項1記載の印刷物検査方法において、前記方法は更に、
前記撮像画像データと前記参照印刷データとを比較して、前記参照印刷データの濃度値が前記撮像画像データの濃度値よりも高くなっている箇所を「印刷の欠落」の欠点として検出する印刷の欠落検出過程を備える印刷物検査方法。 - 請求項8記載の印刷物検査方法において、
前記印刷の欠落検出過程は、前記撮像画像データの太らせ処理過程を含み、太らせ処理を行った前記撮像画像データと前記参照印刷データとを比較する印刷物検査方法。 - 印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットによって印刷された印刷物を検査する印刷物検査装置であって、
印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶手段と、
前記印刷ユニットに入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶手段と、
前記撮像画像データ記憶手段に記憶されている撮像画像データと前記参照印刷データ記憶手段に記憶されている参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出手段と、
前記汚れ検出手段で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出手段と、
前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出手段と、
前記ノズル欠け検出手段で検出された「ノズル欠け」、および前記汚れ種別検出手段で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出手段と、
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定手段と、
前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする印刷物検査装置。 - 印刷媒体の幅方向の印刷領域の全体をカバーするインクジェット方式のラインヘッドがカラー印刷の各色別に印刷媒体の搬送経路に沿って配置されている印刷ユニットを備えたインクジェット印刷装置であって、
前記インクジェット印刷装置は、印刷された印刷物を検査する印刷物検査装置を備え、
前記印刷物検査装置は、
印刷された印刷媒体を撮像して印刷領域の2次元カラー画像である撮像画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された撮像画像データを記憶する撮像画像データ記憶手段と、
前記印刷ユニットに入力される参照印刷データを記憶する参照印刷データ記憶手段と、
前記撮像画像データ記憶手段に記憶されている撮像画像データと前記参照印刷データ記憶手段に記憶されている参照印刷データとを比較して、前記撮像画像データの濃度値が前記参照印刷データの濃度値よりも高くなっている箇所を「汚れ」の欠点として検出する汚れ検出手段と、
前記汚れ検出手段で検出された「汚れ」の欠点の中から、欠点の大きさが一定値以上で、かつ、印刷媒体の搬送方向に伸びているという形態的特徴を有する欠点を「インク垂れ」の欠点とし、それ以外の欠点を「用紙汚れ」の欠点として検出する汚れ種別検出手段と、
前記撮像画像データを印刷媒体の搬送方向に積算した撮像画像データの濃度積算値と、前記参照印刷データを印刷媒体の搬送方向に積算した参照印刷データの濃度積算値とを比較して、参照印刷データの濃度積算値が撮像画像データの濃度積算値よりも高くなっている箇所を「ノズル欠け」の欠点として検出するノズル欠け検出手段と、
前記ノズル欠け検出手段で検出された「ノズル欠け」、および前記汚れ種別検出手段で検出された「インク垂れ」の各欠点の座標情報に基づいて、前記各色ごとのラインヘッドにおいて前記各欠点と共通の座標情報を有する部位を不良吐出部位の候補として検出する不良吐出部位候補検出手段と、
前記検出された「ノズル欠け」および「インク垂れ」の各欠点の前記撮像画像データの色情報と、前記参照印刷データにおける前記欠点位置に対応する参照印刷データの色情報との差分を印刷色ごとに求め、その差分の絶対値が所定値以上の大きさである色のラインヘッドを不良吐出部位が存在するラインヘッドとして特定するラインヘッド特定手段と、
前記特定されたラインヘッドの不良吐出部位を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とするインクジェット印刷装置。
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