以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球がゲート32に入賞(通過)したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「3」,「5」,「7」の3つの数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。なお、図1には示していないが、第1始動入賞口13の上方(真上)に複数の釘が遊技盤6上に狭い間隔で配置されている。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13への遊技球の入賞は困難である(ほとんど第1始動入賞口13に遊技球が入賞しない)。
なお、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が困難な構成であれば、第1始動入賞口13の真上に狭い間隔で複数の釘を配置する構成に限られず、第1始動入賞口13自体を遊技球が入賞困難な形状にしてもよい。例えば、第1始動入賞口13の開口部に右側のみ遊技球の直径と同じ位の間隔が開いている蓋を形成してもよい。この場合、遊技球が遊技領域7の左側領域に打ち出されたとき(いわゆる左打ちであって通常の遊技では一般に左打ちが行われる)は第1始動入賞口13に遊技球が入賞せず、遊技球が遊技領域7の右側領域に打ち出されたとき(いわゆる右打ちが行われたとき)は第1始動入賞口13に遊技球が入賞する可能性がある。
また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。そして、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
なお、第1始動入賞口13は遊技球の入賞が困難な入賞口であるが、遊技球が入賞したときに始動入賞を発生させるので、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14の役割は同じである。
第2始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20は、開閉板を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
可変入賞球装置15の左右には、ゲート32が形成されている。ゲート32に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、ゲートスイッチ32aによって検出される。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(開放状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数(ゲート通過記憶数)を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、この実施の形態では、ゲート通過記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
この実施の形態では、可変表示装置9は、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示と可変表示装置9による飾り図柄の可変表示とは同期している。なお、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示器10は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、ゲート32や第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、可変入賞球装置15の開放動作の終了または前回の可変表示の終了)、普通図柄の当り判定が行われる(ステップS125参照)。この実施の形態では、普通図柄が当りになる確率(普通図柄の当選確率)は、遊技状態が通常遊技状態のときは1/150に設定され、遊技状態が確変状態(普通図柄の当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態であり、確率変動状態ともいう)のときは1/1(つまり100%)に設定されている。そして、普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄保留記憶表示器41についてのゲート通過記憶数を1増やす。
普通図柄表示器10における普通図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。普通図柄の当り判定で当りと決定されると、普通図柄の停止図柄が当り図柄となる。このとき、飾り図柄の停止図柄も当り図柄となる。停止時の停止図柄が当り図柄になると、可変入賞球装置15が開閉動作を所定回数繰り返し実行する。すなわち、可変入賞球装置15が開放して開状態となり、所定時間経過後に閉鎖して閉状態となるという動作を所定回数繰り返す。可変入賞球装置15が開状態になると、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなる(始動入賞し易くなる)。通常は、可変入賞球装置15の開閉動作の期間中に5個以上(特別図柄の保留記憶数の上限値以上)の遊技球が第2始動入賞口14に入賞する。
第2始動入賞口14に遊技球が入賞し第2始動口スイッチ14aで検出されると、その始動入賞にもとづいて特別図柄の大当り判定が行われる(ステップS56参照)。この実施の形態では、特別図柄が当りになる確率(特別図柄の当選確率)は、遊技状態が通常遊技状態のときは95/100(つまり95%)に設定され、遊技状態が確変状態のときは1/1(つまり100%)に設定されている。このように、特別図柄の当選確率は非常に高い確率に設定されているので、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかにかかわらず、非常に高い確率で大当りになると決定される。大当りと決定されると、大当りの種別(大当りが通常大当りか確変大当りか)が決定される(ステップS59参照)。この実施の形態では、9/10の確率(つまり90%の確率)で確変大当りと決定される。
第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて特別図柄の変動が開始され所定時間経過後に停止して停止図柄が導出表示される。大当り判定にて大当りにすると決定された場合は、特別図柄表示器8において特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態に移行すると、大当り遊技が2ラウンドだけ継続される。この実施の形態では、特別可変入賞装置20が開放されてから一定期間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば1個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技における1ラウンドである。なお、特別可変入賞装置20の開放期間(ラウンド期間)は任意であり、5秒などの期間であってもよい。
大当りが確変大当りであった場合は、大当り遊技が終了するときに遊技状態が確変状態に移行される。遊技状態が確変状態のときは、普通図柄の当選確率が1/1となっているので、ゲート32に遊技球が入賞すると当りとなる。そして、可変入賞球装置15の開閉動作が実行され、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、大当り判定および大当り種別の判定が行われる。遊技状態が確変状態のときは、特別図柄の当選確率も1/1となっているので、大当り判定で常に大当りと決定される。従って、大当り遊技状態に移行されることになる。
大当りが通常大当りであった場合は、大当り遊技が終了するときに遊技状態が通常遊技状態に移行される。遊技状態が通常遊技状態のときは、普通図柄の当選確率が1/150となっているので、ゲート32に遊技球が入賞しても普通図柄の当り判定で当りと判定される可能性は低くなり、可変入賞球装置15の開閉動作が行われにくい状態となる。その結果、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が発生しにくくなり、大当り遊技状態に移行されにくくなる。
以上のように、この実施の形態では、通常遊技状態のときは、普通図柄が当りになる確率が低いが、一旦、普通図柄が当りになると、非常に高い確率で確変大当りとなり、さらに大当り遊技の終了後に確変状態に移行される。その結果、普通図柄の当りおよび特別図柄の確変大当りが連続して発生することになる。なお、大当り遊技は2ラウンドしか継続されず、また、大入賞口に遊技球が1個入賞すると1ラウンドが終了するので、1回の大当りに対する出球獲得数は少ない。
次に、普通図柄の停止図柄、特別図柄の停止図柄、および飾り図柄の停止図柄について説明する。
(1)普通図柄の停止図柄:
上述したように、普通図柄表示器10にて可変表示される普通図柄は「○」と「×」である。そして、「○」が当り図柄であり、「×」がはずれ図柄である。
(2)特別図柄の停止図柄:
上述したように、特別図柄表示器8にて可変表示される特別図柄は「3」,「5」,「7」である。このうち、「5」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄(確変大当りを生じさせる大当り図柄)であり、「3」が非確変図柄(非確変大当り(通常大当り)を生じさせる大当り図柄)である。
(3)飾り図柄の停止図柄:
上述したように、可変表示装置9にて可変表示される左中右の飾り図柄は、それぞれ、「0」〜「9」である。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
飾り図柄の当り図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。具体的には、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」である。
なお、この実施の形態では、普通図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とが対応しており、普通図柄の停止図柄がはずれ図柄になると飾り図柄の停止図柄もはずれ図柄になり、普通図柄の停止図柄が当り図柄になると飾り図柄の停止図柄も当り図柄になる。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかにRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20(開閉板)を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAM(図示せず)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、停止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、停止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数(変動パターン決定用乱数)であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数(ランダム3初期値決定用乱数)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:普通図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。この場合、大当り判定用乱数の初期値を決定するためのソフトウェア乱数(大当り判定初期値決定用乱数)を用いて大当り判定用乱数の初期値を変更(更新)するように構成するのが好ましい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口(特別可変入賞装置20)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10および可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7および図8は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8や特別可変入賞装置20(大入賞口)を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。ステップS313では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図7には示していないが、保留記憶カウンタの値を1増やしたときは、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS315)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS316)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS316のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS317)。ステップS317においても、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS318)。なお、このときも、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値0〜6)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り)を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(具体的には「1」)に更新する。
特別図柄変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始されてから導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動時間は一定時間(すなわち、特別図柄の変動パターンは1種類)とされている。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄変動パターン設定処理でセットされた変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。特別図柄が停止表示される時間(図柄停止時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(具体的には「3」)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄変動中処理でセットされた図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされているかどうかを確認する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマ(この実施の形態では大入賞口制御タイマは特別図柄プロセスタイマと同じタイマを用いている。なお、大入賞口制御タイマを特別図柄プロセスタイマと別のタイマとしてもよい。)にセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(具体的には「4」)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置20を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置20を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(具体的には「6」)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置20を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS307に応じた値(具体的には「7」)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図9は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図10に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図10に示された極性と逆極性であってもよい。
図11は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図11に示す例において、コマンド8000(H)〜800D(H)は、普通図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C02(H)は、特別図柄表示器8における特別図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C02(H)を図柄情報指定コマンドまたは表示結果コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定されたこと(つまり確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンドである。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図11に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図12は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図12において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は普通図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、普通図柄の各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「当り図柄」となる場合の変動パターン(当り専用の変動パターン)とに区別されている。
はずれ専用の変動パターンは、通常遊技状態のときのリーチを伴わない通常変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。なお、この実施の形態では、確変状態のときは常に当りと判定されるので、はずれ専用の変動パターンは、常に通常遊技状態のときに選択される。
当り専用の変動パターンは、確変状態(確変時短状態)のときの特別表示状態の変動パターンと、通常遊技状態のときのノーマルリーチを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのロングリーチを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのスーパーリーチAを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのスーパーリーチBを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのスーパーリーチCを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのスーパーリーチDを伴う変動パターンと、通常遊技状態のときのスーパーリーチEを伴う変動パターンとに分けられている。この実施の形態では、特別表示状態の変動パターンだけが確変状態のときに選択され、それ以外の当り専用の変動パターンは通常遊技状態のときに選択される。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行すると、可変表示装置9において、普通図柄に変動に同期した飾り図柄の変動が実行されず、可変入賞球装置15の開閉動作中の制御に応じた表示内容(例えば「画面下の電チューに入賞させろ!」というような指示文の表示)や大当り中の演出が実行される。従って、特別表示状態の変動パターンは、他の当り専用の変動パターンとは異なり、普通図柄の変動を開始させるため変動パターンではなく、当りが発生したことと可変表示装置9において特別な表示状態(可変入賞球装置15の開閉動作中の表示状態、大当り中の表示状態)に制御させることを指定している。なお、特別表示状態の変動パターンは、変動時間の異なるものが複数種類設けられていてもよい。なお、遊技状態が確変状態のときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別表示状態の変動パターンコマンドを受信した場合にも特別図柄に関する演出制御コマンドを優先して可変表示装置9の表示状態を制御するようにしてもよい。なお、通常遊技状態のときにも特別図柄に関する演出制御コマンドを優先して可変表示装置9の表示状態を制御するようにしてもよい。
以上のように、図12に示す変動パターンによれば、通常遊技状態のときに普通図柄がはずれと判定された場合は、通常変動の変動パターン(「00H」)、ノーマルリーチの変動パターン(「02H」)、ロングリーチの変動パターン(「03H」)、スーパーリーチA〜Cの変動パターン(「04H」〜「06H」)のいずれかが選択され、通常遊技状態のときに普通図柄が当りと判定された場合は、ノーマルリーチの変動パターン(「07H」)、ロングリーチの変動パターン(「08H」)、スーパーリーチA〜Eの変動パターン(「09H」〜「0DH」)のいずれかが選択され、確変状態のときは、常に確変時通常変動の変動パターン(「01H」)が選択される。
しかし、このような変動パターンの構成に限られるわけではない。例えば、図12に示す確変時通常変動の変動パターン(「01H」)を無くし、確変状態のときの変動パターン(確変状態のときは常に普通図柄が当りと判定される)として、通常遊技状態のときに普通図柄が当りと判定された場合の変動パターン(「07H」〜「0DH」)よりも変動時間の短い変動パターンを設けるようにしてもよい。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(具体的には「0」)となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値(保留記憶カウンタの値)を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS56)。
図14は、大当り判定処理(大当り判定処理モジュール)を示すフローチャートである。図14に示すように、大当り判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態ともいう)であるか否かを確認する(ステップS81)。なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認することにより行われる。
遊技状態が通常遊技状態であるときは(ステップS81のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態のときの大当り判定で使用する通常時大当り判定テーブルを選択し(ステップS82)、ステップS55で読み出した大当り判定用乱数値と通常時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する(ステップS83)。一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS81のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態のときの大当り判定で使用する確変時大当り判定テーブルを選択し(ステップS85)、ステップS55で読み出した大当り判定用乱数値と確変時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する(ステップS86)。
ここで、図15に示すように、大当り判定用乱数値は0〜65535の範囲で更新される。そして、遊技状態が通常遊技状態の場合、図15(A)に示すように、読み出された大当り判定用乱数値が0〜62257の値のときは「大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が62258〜65535の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時大当り判定テーブルでは、大当り判定用乱数値の更新範囲0〜65535のうち0〜62257の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は約95%となっている。一方、遊技状態が確変状態の場合、図15(B)に示すように、読み出された大当り判定用乱数値が0〜65535の値のときに「大当り」と決定される。すなわち、確変時大当り判定テーブルでは、大当り判定用乱数値の更新範囲0〜65535と同じ0〜65535の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、確変状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は100%となっている。
以上のように、遊技状態が通常遊技状態のときは高い確率で大当りとなり、遊技状態が確変状態のときは常に(100%の確率で)大当りとなる。従って、図14に示す大当り判定処理において、遊技状態が通常遊技状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS83にて「大当り」と決定されたかどうかを確認し(ステップS84)、「大当り」と決定されたときは(ステップS84のY)、大当りフラグをセットする(ステップS87)。一方、遊技状態が確変状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS86にて常に「大当り」と決定されるので、「大当り」と決定されたかどうかを確認せずに、大当りフラグをセットする(ステップS87)。
図13の説明に戻ると、大当り判定処理(ステップS56)の後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされたかどうかを確認する(ステップS57)。大当りフラグがセットされていないとき(ステップS57のN)、すなわち、はずれと決定されたときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS56にて決定した表示結果に応じた図柄情報(ここでは、はずれ)を図柄情報バッファにストア(格納)する(ステップS62)。
なお、ステップS62において、図柄情報バッファに表示結果に応じた図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)が実行され、コマンドセット処理(図示せず)が実行され、コマンド送信処理(図示せず)が実行される。これにより、表示結果に応じた図柄情報指定コマンド(ここでは、はずれ指定コマンド)が送信される。
図13には示していないが、はずれ図柄は一種類「5」しか設けられていないので、はずれが決定されたことによって、はずれ図柄も自動的に決定される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS63)。そして、処理を終了する。
ステップS57において大当りフラグがセットされているときは(ステップS57のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS58)、確変大当りとするか否かを判定する処理(確変大当りとするか通常大当りとするかを決定する大当り種別決定処理)を実行する(ステップS59)。
ここで、図16に示すように、大当り種別決定用乱数値は0〜9の範囲で更新される。そして、読み出された大当り種別決定用乱数値が0の値のときは「通常大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が1〜9の値のときは「確変大当り」と決定される。従って、この実施の形態では、確変大当りと決定される確率(確変決定率)は90%となっている。確変決定率が90%であるということは、通常遊技状態のときに確変大当りとなって確変状態に移行される割合が90%であるとともに、確変状態のときに確変大当りとなって確変状態が継続される割合も90%であるということになる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS59で決定した大当り種別が確変大当りかどうかを確認し(ステップS60)、確変大当りであるときは、確変大当りが決定されたことを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS61)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS59にて決定した表示結果(大当り種別)に応じた図柄情報を図柄情報バッファにストア(格納)する(ステップS62)。
なお、ステップS62において、図柄情報バッファに表示結果に応じた図柄情報がストアされた後に、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)が実行され、コマンドセット処理(図示せず)が実行され、コマンド送信処理(図示せず)が実行される。これにより、表示結果に応じた図柄情報指定コマンド(ここでは、通常大当り指定コマンドまたは確変大当り指定コマンド)が送信される。
図13には示していないが、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「3」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定されることになる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS63)。そして、処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の変動時間を設定し、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(ステップS211)。この実施の形態では、特別図柄の変動時間は、特別図柄の表示結果(停止図柄)がはずれ、通常大当りまたは確変大当りのいずれであるかを問わずに一定時間(例えば5秒)とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始させ(ステップS212)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS213)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS221)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS222)、タイムアップしていなければ(ステップS222のN)、そのまま処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS222のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS223)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の停止図柄を停止表示させる図柄停止時間をセットし、タイマをスタートさせる(ステップS224)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS225)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS231)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)する(ステップS232)。タイムアップしていなければ(ステップS232のN)、そのまま処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS232のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS233)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS233のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間:例えば3秒)をセットする(ステップS234)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS235)、コマンドセット処理を実行する(ステップS236)。これによって、ファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS237)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS233のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS238)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS403)、コマンドセット処理を実行する(ステップS404)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。
なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(ラウンド時間)をセットする(ステップS407)。なお、ラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS408)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS422)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS422のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS423)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS423のN)、そのまま処理を終了する。
カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS423のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(この実施の形態では1個)になっているか否かを確認し(ステップS425)、入賞個数カウンタの値が所定数になっていれば(ステップS426のY)、ステップS426の処理に移行する。なお、図21に示す例では、ステップS424の処理後に、入賞個数カウンタの値が所定数(この実施の形態では1個)になっているか否かを確認するように構成されているが(ステップS425)、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が1個入賞するとラウンドが終了するので、ステップS425の処理を省略してもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS422のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS425のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞装置20)を閉鎖する制御を行う(ステップS426)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS427)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS428)、コマンドセット処理を実行する(ステップS429)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)をセットし(ステップS430)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に応じた値(具体的には「6」)に更新する(ステップS431)。なお、インターバル時間は、例えば2秒とされる。
図22は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS443)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS443のN)、大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS444)、コマンドセット処理を実行する(ステップS445)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS446)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS447)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマにラウンド時間をセットする(ステップS448)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS449)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS450)、コマンドセット処理を実行する(ステップS451)。これによって、エンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS452)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(具体的には「7」)に更新する(ステップS453)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りが確変大当りであったかどうかを確認する(ステップS473)。なお、確変大当りであったかどうかは、確変大当りフラグがセットされているどうかで確認することができる。
確変大当りであったときは(ステップS473のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグがセットされていなければ確変フラグをセットする(ステップS474)。確変大当りでなかったとき(すなわち通常大当りであったとき)は(ステップS473のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグがセットされていれば確変フラグをリセットする(ステップS475)。そして、大当りフラグをリセットし(ステップS476)、確変大当りフラグがセットされている場合は確変大当りフラグをリセットする(ステップS477)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS478)。
なお、ステップS475で確変フラグをリセットするように構成されているが、大入賞口開放前処理に移行されるとき(ステップS233のYのとき)に確変フラグをリセットするようにしてもよい。このように大入賞口開放前処理に移行されるときに確変フラグをリセットすることによって、大当り遊技中に可変入賞球装置15の開放制御がされる確率が低くなり、特別図柄の保留記憶数がずっとなくならないという状態が発生するのを回避することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図24は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112〜S114)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS112)。最大値に達していなければ(ステップS112のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数である変動パターン決定用乱数(ランダム2)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う(ステップS113)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する(ステップS114)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S104に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS301):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、ゲート32への入賞の発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)を普通図柄プロセスタイマにセットした後、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド:図柄確定指定コマンドともいう)を演出制御基板80に送信する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか否かを確認し、高確率状態であれば、高確率状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低確率状態(通常遊技状態)であれば、低確率状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS104):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図25は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する普図当り判定処理を実行する(ステップS125)。
図26は、普図当り判定処理を示すフローチャートである。図26に示すように、普図当り判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認する(ステップS91)。なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認することにより行われる。
遊技状態が通常遊技状態であるときは(ステップS91のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態のときの当り判定で使用する通常時普図当り判定テーブルを選択し(ステップS92)、ステップS124で読み出した普通図柄当り判定用乱数値と通常時普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定する(ステップS93)。一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS91のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態のときの当り判定で使用する確変時普図当り判定テーブルを選択し(ステップS95)、ステップS124で読み出した普通図柄当り判定用乱数値と確変時普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定する(ステップS96)。
ここで、図27に示すように、普通図柄当り判定用乱数値は0〜149の範囲で更新される。そして、遊技状態が通常遊技状態の場合、図27(A)に示すように、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が7の値のときは「当り」と決定され、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が0〜6,8〜149の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時普図当り判定テーブルでは、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149のうち7の値だけが当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに普図当り判定で当りと決定される確率(普通図柄の当選確率)は1/150となっている。一方、遊技状態が確変状態の場合、図15(B)に示すように、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が0〜149の値のときに「当り」と決定される。すなわち、確変時普図当り判定テーブルでは、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149と同じ0〜149の値が当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、確変状態のときに普図当り判定で当りと決定される確率(普通図柄の当選確率)は100%(1/1)となっている。
以上のように、遊技状態が通常遊技状態のときは低い確率で大当りとなり、遊技状態が確変状態のときは常に(100%の確率で)大当りとなる。従って、図26に示す普図当り判定処理において、遊技状態が通常遊技状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS93にて「当り」と決定されたかどうかを確認し(ステップS94)、「当り」と決定されたときは(ステップS94のY)、普図当りフラグをセットする(ステップS97)。一方、遊技状態が確変状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS96にて常に「当り」と決定されるので、「当り」と決定されたかどうかを確認せずに、普図当りフラグをセットする(ステップS97)。
図25の説明に戻ると、その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS126)。
図28は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、普図当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。普図当りフラグがセットされているときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態が確変状態であるかどうかを確認する(ステップS132)。なお、遊技状態が確変状態であるかどうかは、確変フラグがセットされているかどうかによって確認される。遊技状態が確変状態でなく通常遊技状態であるときは(ステップS132のN)、通常遊技状態において当りとなるときに使用する通常時当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS133)。
通常時当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常遊技状態において当りのときに選択される変動パターン(「07H」〜「0DH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS132のY)、確変状態において当りとなるときに使用する確変時当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS134)。
確変時当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した確変状態において当りのときに選択される変動パターン(「01H」)のみ設定され、この変動パターンに判定値が割り当てられている。
普図当りフラグがセットされていないときは(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態においてはずれとなるときに使用するはずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS135)。
はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(「00H」,「02H」〜「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS133,S134,S135にて決定した変動パターン決定テーブルを用いて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS136)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに変動パターンで特定される普通図柄の変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる(ステップS137)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS136において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを送信するための変動コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS138)、コマンドセット処理を実行する(ステップS139)。これにより、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御が実行される。
その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS140)。
なお、上記の図28では、ステップS138,S139の処理で変動パターンコマンドを送信するように構成していたが、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)で変動パターンコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、ステップS136で決定した変動パターンに応じた変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする。そして、飾り図柄コマンド制御処理において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされたことにもとづいて、決定された変動パターンの内容を示す変動パターンコマンドを送信する制御を実行する。なお、この実施の形態では、飾り図柄コマンド制御処理において、変動パターンコマンドを送信した後に続けて(2ms後に)表示結果コマンドを送信するように構成されている。
また、この実施の形態では、飾り図柄コマンド制御処理において、普通図柄の変動開始時(普通図柄のゲート通過記憶数が−1となったとき)および遊技球のゲート32通過時(普通図柄のゲート通過記憶数が+1となったとき)に普通図柄のゲート通過記憶数を指定するゲート通過記憶数指定コマンド(図11では図示せず)も送信する。普通図柄の変動開始時のゲート通過記憶数指定コマンドは、表示結果コマンドが送信された後に続けて(2ms後に)送信される。
図29は、普通図柄変動処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS143)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS144)、コマンドセット処理を実行する(ステップS145)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS146)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS137)。
図30は、普通図柄停止処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS151)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS151のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS152)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS151のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS153)。
普図当りフラグがセットされているときは(ステップS153のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS154)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。なお、普通電動役物作動時間は遊技状態が通常遊技状態のときと確変状態のときとで異なる時間としてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグがセットされているかどうかを確認することによって、遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか低確率状態(通常遊技状態)であるかを確認する(ステップS155)。
高確率状態であるときは(ステップS155のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図31に示す高確率時テーブル(確変状態の場合のテーブル)に設定されている開放パターンを選択する(ステップS156)。一方、低確率状態であるときは(ステップS155のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図31に示す低確率時テーブル(通常遊技状態の場合のテーブル)に設定されている開放パターンを選択する(ステップS157)。図31に示す例では、低確率時テーブルには、開放時間が2.0秒で、開放回数が3回の開放パターンのデータが設定されている。また、高確率時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。なお、図31に示す開放パターンでは、開放回数が3回や2回とされているが、開放回数を1回として合計の開放時間が経過するまで開放を続けるようにしてもよい。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS156またはS157で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS158)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS159)。
ステップS153において、普図当りフラグがセットされていないと判断したときは(ステップS153のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS160)。
図32は、普通電動役物作動処理(ステップS104)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS170の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満である場合は(ステップS166のY)、ステップS170の処理に移行する。
普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、その後に普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定されることになる(ステップS161のY参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、可変入賞球装置15の開放制御(ステップS170〜S174)を実行しないようにしている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放しているときは、ソレノイド16を駆動して普通電動役物を閉鎖する(ステップS168)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常処理移行時間タイマをスタートさせる(ステップS169)。通常処理移行時間タイマは、普通図柄プロセスタイマがタイムアウト(ステップS161のY)してから普通図柄通常処理に移行(ステップS178)されるまでの時間差(タイムラグ)を計測するためのタイマである。そして、処理を終了する。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定すると(ステップS161のY)、通常処理移行時間タイマを−1し(ステップS176)、通常処理移行時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS177)。通常処理移行時間タイマがタイムアウトすれば(ステップS177のY)、普図当りフラグをリセットし(ステップS178)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS179)。上記のステップS169,S176,S177の処理によって、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしてから所定時間経過後に普通図柄通常処理に移行されることになる。「所定時間」は例えば3秒程度の時間とする。
ステップS170では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS170)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS171)。タイムアウトしていなければ(ステップS171のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS171のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放パターンが終了したかどうかを判定する(ステップS172)。開放パターンが終了していなければ(ステップS172のN)、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS173)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS174)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS170〜S174の処理によって、低確率状態(通常遊技状態)のときの開放パターンと高確率状態(確変状態)のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低確率状態のときは、開放時間が2.0秒であり開放回数が3回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、さらに1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高確率状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
上記のような開放パターンが終了したときは(ステップS172のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常処理移行時間タイマをスタートさせ(ステップS175)、処理を終了する。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定すると(ステップS161のY)、通常処理移行時間タイマを−1し(ステップS176)、通常処理移行時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS177)。通常処理移行時間タイマがタイムアウトすれば(ステップS177のY)、普図当りフラグをリセットし(ステップS178)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS179)。上記のステップS175,S176,S177の処理によって、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしてから所定時間経過後に普通図柄通常処理に移行されることになる。
図33は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図33に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図34は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図35は、図34に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図35に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図2に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図2では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図36は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図36に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図37は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図33に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図38は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図39は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図40に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図33参照)。
図41は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362Aでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)を確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS304の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上である場合には(ステップS362BのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS363AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が4であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS104の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が4である場合(ステップS363BのY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が4でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が4でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において大当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図32に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高確率状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では3回または2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15が閉鎖されるタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖したタイミングと普通図柄通常処理に移行されるタイミングとの時間差を設けている。すなわち、可変入賞球装置15に遊技球が8個入賞して特別図柄プロセスタイマの値がクリアされた場合(ステップS167)または可変入賞球装置15の開放パターンが終了した場合(ステップS172のY)は、通常処理移行時間タイマをスタートさせ(ステップS169,S175)、通常処理移行時間タイマで所定時間を計測し(ステップS176,S177)、通常処理移行時間タイマがタイムアウトしたときに(ステップS177のY)、普通図柄通常処理に移行させる(ステップS179)ように構成している。そして、通常処理移行時間タイマが計測する所定時間を、第2始動入賞口14(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長く設定している(例えば3秒に設定している)。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞し、普通図柄通常処理に移行された後に第2始動口スイッチ14aで遊技球の入賞が検出されることがなくなり、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを確実に防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値を4から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が4から0になった時点(例えば、図32のステップS179の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が4でないと判定されたときに(ステップS363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないと判定されたときに(ステップS362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が4未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が4でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図42は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる(図36参照)。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図36参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図43は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図4におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS255のY)、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技が行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS255のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図40参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259,S260)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS259)、コマンドセット処理を実行する(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が4である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が4でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が4でなければ(ステップS261のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図40参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265,S266)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS265)、コマンドセット処理を実行する(ステップS266)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS261のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS362Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値を4から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図44は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(例えば、飾り図柄の停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図45は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
図46および図47は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800D(H))であれば(ステップS613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS614)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS615)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する飾り図柄決定処理を実行する(ステップS616)。飾り図柄決定処理では、変動パターンコマンドの内容がはずれ専用の変動パターンであり、リーチを伴わない変動パターンである場合は、非リーチ図柄(ばらけ目)のはずれ図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容がはずれ専用の変動パターンであり、リーチを伴う変動パターンである場合は、リーチ図柄のはずれ図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が当り専用の変動パターンである場合は、当り図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C02(H))であれば(ステップS617のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドの内容(はずれ、通常大当り、または確変大当り)に応じた図柄情報受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C00XX(H))であれば(ステップS619のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数(保留記憶数)にもとづいて、RAMに設けられている演出側保留記憶カウンタの値を更新する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが、大当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A001(H))であれば(ステップS621のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが、大当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H))であれば(ステップS623のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディング受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド:9000(H))であれば(図47のステップS645のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS646A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS646B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS646C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンド(9200(H))であれば(ステップS647AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS647B)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンド(D000(H))であれば(ステップS648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS649)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば(ステップS648のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS650)。例えば、受信した演出制御コマンドが飾り図柄停止指定コマンドであれば、そのコマンドに応じたフラグ(確定コマンド受信フラグ)をセットする。そして、ステップS611に移行する。
図48は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理におけるステップS615で設定される。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。また、飾り図柄(および普通図柄)が当り図柄で停止したときは、可変入賞球装置15の開閉動作中の制御に応じた表示内容を可変表示装置9の表示画面に表示する。
大当り遊技移行処理(ステップS804):特別図柄の表示結果が大当りの場合は、大当り遊技に移行させる(大当り表示処理に移行させる)制御を実行し、特別図柄の表示結果がはずれの場合は、所定の条件の成立にもとづいて大当り遊技に移行させない(変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させる)制御を実行する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS807):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。
大当り終了演出処理(ステップS808):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディングの表示内容(大当り遊技の終了の報知)を表示する。また、特別図柄の表示結果が確変大当りの場合は、大当り遊技に継続させる(大当り遊技移行処理に移行させる)制御を実行し、特別図柄の表示結果が通常大当りの場合は、所定の条件の成立にもとづいて大当り遊技に移行させない(変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させる)制御を実行する。
図49は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図49に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図50は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動パターン、変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図51は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に(ステップS823のN)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS824)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
異常報知中フラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS825)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、可変表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS824とステップS825の処理を分ける必要はない。
また、ステップS825の処理を行うときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS827)。
図52は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(普通図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図53は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報受信フラグがセットされたかどうかを確認する(ステップS850)。図柄情報受信フラグはステップS618にてセットされる。図柄情報受信フラグがセットされたということは、特別図柄の変動開始のタイミングであることを意味する。なお、この実施の形態では、普通図柄が当り図柄で停止して、可変入賞球装置15の開閉動作が行われたことによって第2始動入賞が発生した時点で特別図柄の変動が開始されるので、普通図柄の停止図柄が確定したこと(飾り図柄停止指定コマンドを受信したこと)を示す確定コマンド受信フラグがセットされる前に、図柄情報受信フラグがセットされることはない。
図柄情報受信フラグがセットされていないときは(ステップS850のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS851のY)、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、コマンド解析処理において決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は(ステップS854のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(例えば図柄情報受信フラグなど)をリセットし(ステップS855)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS856)。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄が当り図柄である場合は(ステップS854のY)、普通図柄の停止図柄も当り図柄が導出表示されており、可変入賞球装置15の開閉動作が実行される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変入賞球装置15の開閉動作中の制御に応じた表示内容を可変表示装置9において表示する(ステップS857)。例えば、「画面下の電チュー(可変入賞球装置15)に入賞させろ!」というような指示文を可変表示装置9の画面に表示する。
ステップS850において、図柄情報受信フラグがセットされた場合は(ステップS850のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技移行処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS858)。
なお、飾り図柄(および普通図柄)が当り図柄となって(ステップS854のY)、可変入賞球装置15が開閉動作を実行したとしても、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しない可能性もある。この場合、特別図柄の変動が開始されず、図柄情報受信フラグがセットされずに飾り図柄変動停止処理で処理が停止してしまうおそれがある(常にステップS850でNとなってしまうおそれがある)。従って、飾り図柄が当り図柄であると判断した場合に(ステップS854のY)、タイマをスタートさせて時間を計測し、所定時間が経過しても図柄情報受信フラグがセットされなかった場合は、所定のフラグをリセットするとともに、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が困難となるような構成としているので、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する可能性は低いが、可能性が0ではない。仮に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞した場合は、プレミアム演出などの特別な演出を実行して、演出制御プロセス処理を大当り遊技移行処理に移行させる。
図54は、演出制御プロセス処理における大当り遊技移行処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り遊技移行処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、特別図柄の表示結果が大当り(確変大当り、通常大当り)であるかどうかを確認する(ステップS861)。特別図柄の表示結果が大当りかどうかは、図柄情報受信フラグの内容によって確認することができる。
特別図柄の表示結果がはずれであるときは(ステップS861のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出側保留記憶カウンタの値を確認することにより、特別図柄の保留記憶数が0であるかどうかを確認する(ステップS862)。特別図柄の保留記憶数が0である場合は(ステップS862のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態が確変状態であるかどうかを確認する(ステップS863)。現在の遊技状態が確変状態であるかどうかは、大当り終了演出処理(ステップS808)でセット・リセットされる演出側確変フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。現在の遊技状態が確変状態でなければ(ステップS863のN)、大当り遊技に移行させないように制御する。
特別図柄の表示結果がはずれである場合は、直ちに大当り遊技に移行させることができない。また、特別図柄の表示結果がはずれであったとしても、特別図柄の保留記憶数が0でない場合は、特別図柄の変動が再び開始され、高い確率で特別図柄の表示結果が大当りと決定されるが、特別図柄の保留記憶数が0である場合は、特別図柄の変動が直ちに開始されず大当りが再び発生しない。さらに、特別図柄の保留記憶数が0であったとしても、遊技状態が確変状態であれば、普通図柄が当りとなって可変入賞球装置15が開放され、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、その始動入賞にもとづいて高い確率で特別図柄の表示結果が大当りとなるが、遊技状態が確変状態でない場合は、普通図柄が当りとなる可能性が低いので、可変入賞球装置15が直ちに開放される可能性は低い。従って、上記の条件(ステップS861のN、S862のY、S863のN)が成立した場合には、大当り遊技に移行させないように制御する。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(図柄情報受信フラグ、セットされている場合は変動パターン受信フラグや確定コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS864)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS865)。
ステップS861において、特別図柄の表示結果が大当りであると判定された場合は(ステップS861のY)、大当り遊技に移行させる制御を実行する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされるまで待機する(ステップS866)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS866のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS867)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS868)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に更新する(ステップS869)。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる(ステップS650参照)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、キャラクタ同士が戦うバトル演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(バトル演出とともにラウンド数に応じたラウンド表示などを実行する演出)を選択する(ステップS907)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図56は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる(ステップS650参照)。大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS922)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、バトル演出を実行するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS924)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS925)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(バトル演出とともにラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS928)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS928)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS929)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS930)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS931)。
図57は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS807)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS940)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS940のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS941のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS942)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS943)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS944)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS945)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS946)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS947)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS948)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS949)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS950)。
ステップS940においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS940のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS951)、エンディングの表示内容(大当りの終了の報知)を表示する(ステップS952)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS808)に対応した値に設定する(ステップS953)。
図58は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の表示結果が通常大当りであったかどうかを確認する(ステップS971)。特別図柄の表示結果が通常大当りかどうかは、図柄情報受信フラグの内容によって確認することができる。なお、RAMには前回の図柄情報受信フラグを格納する前回フラグ領域と今回の図柄情報受信フラグを格納する今回フラグ領域とが設けられている。そして、ステップS940でYとなった後、大当り終了演出処理を開始するまでの間に特別図柄の表示結果を示す図柄情報受信フラグの内容を今回フラグ領域から前回フラグ領域にシフトさせるとともに、今回フラグ領域をクリアする。なお、コマンド解析処理において、図柄情報指定コマンドを受信したときには(ステップS617のY)、ステップS618において図柄情報受信フラグが今回フラグ領域にセットされる。ステップS971の処理では、次の図柄情報受信フラグの受信にもとづいてコマンド解析処理で図柄情報受信フラグの内容が今回フラグ領域に格納されるまで(ステップS618参照)、前回フラグ領域に格納されている図柄情報受信フラグの内容にもとづいてステップS971の判定が行われる。そして、次の図柄情報受信フラグの受信にもとづいて図柄情報受信フラグの内容が今回フラグ領域に格納されると、ステップS977において図柄情報受信フラグがセットされたと判定される。すなわち、ステップS977においては今回フラグ領域に図柄情報受信フラグがセットされたか否かが判定される。
ステップS971において、特別図柄の表示結果が通常大当りであったときは(ステップS971のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が確変状態であることを示す演出側確変フラグがセットされている場合は、その演出側確変フラグをリセットする(ステップS972)。そして、特別図柄の保留記憶数が0であるかどうかを確認する(ステップS973)。ここで、特別図柄の表示結果が通常大当りである場合は、確変状態が終了し通常遊技状態に移行されることになる(ステップS473,S475参照)。また、特別図柄の保留記憶数が0である場合は、特別図柄の変動が直ちに開始されず大当りが再び発生しない。従って、このような場合は(ステップS971のY、S972のY)、所定のフラグ(セットされている場合は変動パターン受信フラグや確定コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS974)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS975)。
特別図柄の表示結果が通常大当りでなく確変大当りであった場合は(ステップS971のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出側確変フラグがセットされていないときは、その演出側確変フラグをセットし(ステップS976)、ステップS977の処理に移行する。また、特別図柄の保留記憶数が0でない場合(ステップS973のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS977の処理に移行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報受信フラグが今回フラグ領域にセットされるまで待機する(ステップS977)。すなわち、次の特別図柄の変動が開始されるまで待機する。そして、図柄情報受信フラグがセットされると(ステップS977のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技移行処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS978)。
以上のように、飾り図柄(および普通図柄)がはずれ図柄である場合は(ステップS854のN)、変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させて、飾り図柄の変動を再開させる(ステップS856)。また、飾り図柄(および普通図柄)が当り図柄である場合でも(ステップS854のY)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)に遊技球が入賞しなければ、変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させて、飾り図柄の変動を再開させる(ステップS856)。また、飾り図柄(および普通図柄)が当り図柄であり(ステップS854のY)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)に遊技球が入賞した場合は(ステップS858のY)、大当り遊技移行処理に移行させる(ステップS859)。そして、大当り遊技移行処理において、特別図柄の表示結果がはずれであり(ステップS861のN)、特別図柄の保留記憶数が0であり(ステップS862のY)、遊技状態が確変状態でない場合は(ステップS863のN)、変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させて、飾り図柄の変動を再開させる(ステップS856)。また、大当り遊技移行処理において、特別図柄の表示結果が大当りである場合は(ステップS861のY)、大当り表示処理に移行させて、大当り遊技が開始させる(ステップS869)。また、大当り終了演出処理において、特別図柄の表示結果が通常大当りであり(ステップS971のY)、特別図柄の保留記憶数が0である場合は(ステップS973のY)、変動パターンコマンド受信待ち処理に移行させて、飾り図柄の変動を再開させる(ステップS975)。また、大当り終了演出処理において、特別図柄の表示結果が確変大当りである場合(ステップS971のN)、また特別図柄の表示結果が通常大当りである場合でも特別図柄の保留記憶数が0でない場合は(ステップS973のN)、大当り遊技移行処理に移行させる(ステップS978)。
図59は、可変表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図59(A)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図59(B)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図59(C)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図59(C)の右側参照)。
図60は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1001)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図47におけるステップS646B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1006に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS646Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1002)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1003,S1004)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1005)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1006では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1007)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1008)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図59(C)参照)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1009)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1010)。
図61は、可変表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図61(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図61(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図61(C)には、可変表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、可変表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では4)未満のとき、または普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では4)以外のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が発生したときに抽出した乱数値(大当り判定用乱数値および普通図柄当り判定用乱数値)と予め設定された判定値とを比較し、それらが合致したことにもとづいて当り(特別図柄の大当り、普通図柄の当り)にすると判定し(ステップS313,S317,S55,S56,S113,S124,S125)、可変入賞装置(特別可変入賞装置20、可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するが(ステップS304〜S306、ステップS104)、所定の条件が成立したときは(ステップS81のY、ステップS91のY)、乱数値がどのような値であるかにかかわらず、乱数値が判定値と合致するものとして(すなわち100%の確率で当りと判定して)可変入賞装置を開放する制御を実行するように構成されているので、抽出した乱数値が予め設定された判定値と合致していないとき(はずれのとき)に対応した処理自体が不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。例えば、特別図柄が100%大当りであるので自動的に大当りフラグをセットすればよく、大当りと決定されたかどうかを確認して大当りフラグをセットする必要がなくなる。また、普通図柄が100%当りであるので自動的に普図当りフラグをセットすればよく、当りと決定されたかどうかを確認して普図当りフラグをセットする必要がなくなる。その結果、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
また、この実施の形態では、確変状態に移行されたことを条件に、100%の確率で当りと判定するように構成されているので(ステップS81,S85,S86,S91,S95,S96)、確変状態のときには当りが高い割合で連続して発生することになる。その結果、遊技の面白みが増して遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、例えば、普通図柄当り判定用乱数にもとづいて普通図柄の当り図柄を決定するときに生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS1001〜S1005参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
なお、上記の実施の形態では、図41のステップS362Bおよび図43のステップS255において特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるかどうかで大入賞口への異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしていたが、特別図柄プロセスフラグの値が4のとき(大入賞口開放前処理の実行時)は、特別可変入賞球装置20が未だ開放されていない状態であるので、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるかどうかで異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が4以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに1個の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。例えば、大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行っていたが、異なる異常入賞報知を行うようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(ステップS259でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとステップS265でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行う。
なお、上記の実施の形態では、遊技状態が通常遊技状態のときは、特別図柄の当選確率を95%とし、遊技状態が確変状態のときに、特別図柄の当選確率を100としていた。しかし、このような構成に限られず、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかにかかわらず、特別図柄の当選確率を常に100%ととしてもよい。すなわち、普通図柄が当りとなり可変入賞球装置15が開放されて第2始動入賞が発生すれば、特別図柄は常に大当りになるようにしてもよい。この場合、遊技状態を確認して大当り判定テーブルを切り替える処理や大当りフラグをセットする処理は不要となる。また、大当りフラグによって大当りかどうかを確認する処理(例えばステップS57,S233)も不要となる。よって、より一層、プログラム容量の削減や処理負担の軽減を実現することが可能となる。
また、特別図柄の当選確率を100%とする場合は、大当り判定用乱数自体をなくすとともに、大当り判定処理もなくしてもよい。このような構成の場合では、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りが確定することになるので、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りフラグをセットするようにしてもよい。そして、この場合は、特別図柄の変動が終了し特別図柄が停止すると、大当りフラグがセットされたことを確認し、大当りフラグがセットされていたときは、大入賞口開放前処理に移行させる。または、特別図柄の始動入賞が発生した時点で大当りフラグをセットしないようにしてもよい。そして、この場合は、特別図柄の変動が終了し特別図柄が停止すると、自動的に大入賞口開放前処理に移行させる。このような構成によれば、より一層、プログラム容量の削減や処理負担の軽減を実現することが可能となる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の変動時間を特定可能な変動パターンを1種類とし、特別図柄の変動時間も一定とされていたが、特別図柄の変動時間を特定可能な変動パターンを複数種類設け、特別図柄変動パターン設定処理で大当り判定の結果や大当り種別の結果に応じた変動パターンを選択するようにしてもよい。また、特別図柄変動パターン決定処理で決定した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100にて変動パターンコマンドで特定される変動パターン(変動時間)に応じた演出を実行するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1に示した遊技機は、通常の遊技においては第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞しにくくするとともに、普通図柄の変動に合わせて飾り図柄の変動を行い、普通図柄および飾り図柄が当りになると、それに連動させて特別図柄を大当りにして特別可変入賞装置20を開放するように構成された特殊な遊技機であった。これに対し、この実施の形態2に示す遊技機は、通常の遊技において第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、普通図柄が当りになると第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなり、特別図柄の変動に合わせて飾り図柄の変動を行い、特別図柄および飾り図柄が大当りになると特別可変入賞装置20を開放するように構成された一般の遊技機(遊技店に数多く設置されている遊技機)である。以下、そのような遊技機の構成について説明する。
図62は、実施の形態2における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。図62示す特別図柄通常処理において、ステップS51〜S55,S57,S60〜S63の処理は、図13に示した特別図柄通常処理と同じ処理であるので、同一符号を付して重複する説明を省略する。一方、図13に示した特別図柄通常処理では、大当り判定処理(ステップS56)で大当りとするか否かを決定し、大当り種別を決定する処理(ステップS58,S59)で確変大当りとするか否かを決定していたが、図62示す特別図柄通常処理では、大当り判定処理(ステップS56A)で大当りとするか否かと大当り種別(確変大当りとするか否か)とを決定するように構成されている。従って、図13におけるステップS58,S59の処理は省略されている。また、大当り種別決定用乱数も省略されている。
図63は、実施の形態2における大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。図63に示すように、この実施の形態2では、大当り判定用乱数値は0〜65535の範囲で更新される。そして、遊技状態が通常遊技状態の場合、図63(A)に示すように、読み出された大当り判定用乱数値が0〜99の値のときは「通常大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が100〜199の値のときは「確変大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が200〜65535の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時大当り判定テーブルでは、大当り判定用乱数値の更新範囲0〜65535のうち0〜199の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は約1/328となっている。また、大当り判定用乱数値が0〜99のときは通常大当りと決定され、100〜199のときは確変大当りと決定されるので、大当りが決定される割合に対する確変大当りが決定される割合は1/2(=50%)である。すなわち、確変大当りと決定される確率(確変決定率)は50%となっている。
一方、遊技状態が確変状態の場合、図63(B)に示すように、読み出された大当り判定用乱数値が0〜999の値のときは「通常大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が1000〜1999の値のときは「確変大当り」と決定され、読み出された大当り判定用乱数値が2000〜65535の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時大当り判定テーブルでは、大当り判定用乱数値の更新範囲0〜65535のうち0〜1999の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は約1/33となっている。また、大当り判定用乱数値が0〜999のときは通常大当りと決定され、1000〜1999のときは確変大当りと決定されるので、大当りが決定される割合に対する確変大当りが決定される割合は1/2(=50%)である。すなわち、確変大当りと決定される確率(確変決定率)は50%となっている。
なお、図63(B)に示す確変時大当り判定テーブルでは、100%の確率で大当りと決定するわけではないので、大当り判定処理(ステップS56A)の具体的な構成は、図14に示した構成と異なる。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるかどうかを確認し、通常遊技状態であるときは、図63(A)に示す通常時大当り判定テーブルを選択し、確変状態であるときは、図63(B)に示す確変時大当り判定テーブルを選択する。そして、選択した大当り判定テーブルにおいて設定されている判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、大当りとするか否かと確変大当りとするか否かの判定を行う。そして、いずれの場合も、大当りと決定したかどうかを確認し、大当りにすると決定したときは大当りフラグをセットする。
図64は、実施の形態2における特別図柄変動パターン設定処理を示すフローチャートである。上記の実施の形態1では、特別図柄の変動パターンは1種類(特別図柄の変動時間は一定)としていたが、この実施の形態2では、特別図柄の変動パターンを複数種類設け、特別図柄変動パターン設定処理で変動パターン(変動時間)の選択を行う。なお、特別図柄変動パターン設定処理で選択する変動パターンは、はずれ専用の変動パターンとして、通常遊技状態のときの通常変動の変動パターンと、確変状態のときの通常変動の変動パターンと、通常遊技状態および確変状態のときの複数種類のリーチの変動パターンが設けられ、大当り専用の変動パターンとして複数種類のリーチの変動パターンが設けられているものとする。
特別図柄変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。
大当りフラグがセットされていないときは(ステップS201のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態が確変状態であるかどうかを確認する(ステップS203)。なお、遊技状態が確変状態であるかどうかは、確変フラグがセットされているかどうかによって確認される。遊技状態が確変状態でなく通常遊技状態であるときは(ステップS203のN)、通常遊技状態のときに使用する通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS204)。
一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS203のY)、確変状態のときに使用する確変時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。確変時はずれ用変動パターンテーブルには、予め確変状態においてはずれのときに選択される変動パターン(確変状態のときの通常変動の変動パターンと、複数種類のリーチを伴う変動パターン)が設定され、それらの変動パターンに複数の判定値が割り振られている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数(始動入賞の発生にもとづいて抽出された特別図柄の変動パターンを決定するために用いる乱数)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS202,S204,S205にて決定した変動パターン決定テーブルを用いて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS206)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動パターンで特定される特別図柄の変動時間をセットし、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(ステップS207)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS206において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを送信するための変動コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS208)、コマンドセット処理を実行する(ステップS209)。これにより、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御が実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドにもとづいて、特別図柄の変動パターンに応じた飾り図柄の変動中の演出を演出装置(可変表示装置9、スピーカ27など)を用いて実行する。これによって、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動が実現される。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS210)。
図65は、実施の形態2における普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。上記の実施の形態1では、普通図柄の変動パターンを複数種類設け、普通図柄変動パターン設定処理で普通図柄の変動パターンを選択するように構成されていたが、この実施の形態2では、普通図柄の変動パターンは遊技状態ごとに1種類(通常遊技状態のときの変動パターン(変動時間)と確変状態のときの変動パターン(変動時間))しか設けていない。従って、普通図柄の変動パターンを選択する必要がないので、図65では普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を省略している。また、ステップS113では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいてソフトウェア乱数値として普通図柄当り判定用乱数値と変動パターン決定用乱数値とを抽出するようにしていたが、変動パターン決定用乱数値は特別図柄の変動パターンを選択するために使用するので、この実施の形態2では、始動入賞の発生にもとづいて変動パターン決定用乱数値を抽出し(ステップS313,S317)、ステップS113では普通図柄当り判定用乱数値のみ抽出するようにしている。それ以外の構成については、図24と同様であるため、説明を省略する。
図66は、実施の形態2における普図当り判定処理を示すフローチャートである。上記の実施の形態1では、遊技状態が通常遊技状態のときは普通図柄の当選確率を1/150とし、遊技状態が確変状態のときは普通図柄の当選確率を1/1(100%)としていたが、この実施の形態2では、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかを問わずに普通図柄の当選確率を常に1/1(100%)としている。具体的には、この実施の形態2の普図当り判定テーブルでは、図67に示すように、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149と同じ0〜149の値が当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態2では、普図当り判定で当りと決定される確率は常に100%(1/1)となっている。従って、図66に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数値と普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定するが(ステップS98A)、100%当りとしているので、当りとなったかどうかの判定を行わずに普図当りフラグをセットする(ステップS98B)。なお、当りとなったかどうかの判定を行った上で普図当りフラグをセットするようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過が発生したときに抽出した乱数値(普通図柄当り判定用乱数値)と予め設定された判定値とを比較し、それらが合致したことにもとづいて当り(普通図柄の当り)にすると判定し(ステップS113,S124,S125)、可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するが(ステップS104)、乱数値がどのような値であるかにかかわらず、乱数値が判定値と合致するものとして(すなわち100%の確率で当りと判定して)可変入賞装置を開放する制御を実行するように構成されているので、抽出した乱数値が予め設定された判定値と合致していないとき(はずれのとき)に対応した処理自体が不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。例えば、普通図柄が100%当りであるので自動的に普図当りフラグをセットすればよく、当りと決定されたかどうかを確認して普図当りフラグをセットする必要がなくなる。その結果、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態2では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて普通図柄当り判定用乱数値を抽出し(ステップS113)、抽出した乱数値と当り判定値とを比較して当りとするか否かを決定していたが、普通図柄の当選確率は100%としていたので、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行う必要がない。そこで、この実施の形態3では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットするようにし、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないようにしたものである。
図68は、実施の形態3における乱数を示す説明図である。図68に示すように、この実施の形態3では、ソフトウェア乱数として変動パターン(ここでは特別図柄の変動パターン)を決定するための変動パターン決定用乱数しか設けていない。この実施の形態3では、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないようにしたので、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)やランダム3初期値決定用乱数(ランダム4)を設ける必要がないからである。また、実施の形態2で説明したように、大当り判定用乱数を用いて大当りとするか否かと大当りの種別(通常大当りとするか確変大当りとするか)とを決定する場合には、大当り種別決定用乱数も設ける必要がないからである。
図69は、実施の形態3における普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。上記の実施の形態2では、遊技球のゲート通過にもとづいてソフトウェア乱数値として普通図柄当り判定用乱数値を抽出するようにしていたが(ステップS113)、この実施の形態3では、普通図柄当り判定用乱数自体を設けていないので、ソフトウェア乱数値を抽出する処理を設けていない。一方、遊技球のゲート通過にもとづいてゲート通過記憶数の値に対応した保存領域に(普通図柄判定用バッファ)に普図当り指定値を格納する(ステップS113A)。ここで、普図当り指定値は、遊技球のゲート通過にもとづいて自動的に普通図柄が当りとなることを示すデータである。普図当り指定値が格納されたことにもとづいて、後述するように、普通図柄通常処理で普図当りフラグがセットされる(ステップS124A参照)。それ以外の構成については、図65と同様であるため、説明を省略する。
図70は、実施の形態3における普通図柄通常処理を示すフローチャートである。実施の形態3における普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でない場合には(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り指定値を読み出し(ステップS122A)、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123A)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、読み出した普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットする(ステップS124A)。上述したように、この実施の形態3では普通図柄の当り判定を行わないので、図70では、図25に示したステップS122〜S125の処理に代えてステップS122A〜S124Aの処理を実行している。なお、この実施の形態3では、実施の形態2と同様に普通図柄変動パターン設定処理を省略しているので、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS127)、普通図柄の変動を開始させる処理を行う(ステップS128)。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)を示す値に更新して、普通図柄変動処理に移行させている(ステップS126A)。
以上のように、この実施の形態3では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過が発生したときに乱数値(普通図柄当り判定用乱数値)を抽出せずに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにして、普図当りフラグのセットにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するように構成されているので、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、普図当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。なお、上記の実施の形態3では、ゲート通過が発生したときに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにしていたが、ゲート通過が発生したときに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、保存領域に普図当り指定値が格納されていることにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するようにしてもよい。この場合は、普図当りフラグをセットする必要はない。ただし、ステップS123Aで保存領域の内容をシフトするのではなく、普通電動役物作動処理に移行するときに保存領域の内容をシフトする。又は、保存領域とは別に今回の変動のための変動用領域を設け、変動開始時に保存領域の先頭のデータを変動用領域に移し、他の保存領域のデータはそれぞれ1つずつシフトさせるようにする。
なお、上記の実施の形態3では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットするようにし、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないようにしていたが、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当りフラグをセットするようにし、大当り判定用乱数値を用いて大当り判定を行わないようにしてもよい。具体的には、特別図柄プロセス処理において、第1始動口スイッチ13aがオンし(ステップS311のY)、保留記憶数が4でないと判定された場合(ステップS312のN)、ステップS313で大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出せず、保留記憶数に応じた保存領域に大当り指定値を格納する。また、第2始動口スイッチ14aがオンし(ステップS315のY)、保留記憶数が4でないと判定された場合も(ステップS316のN)、ステップS317で大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出せず、保留記憶数に応じた保存領域に大当り指定値を格納する。そして、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理において、保留記憶数が0でない場合には(ステップS52のN)、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている大当り指定値を読み出し、保留記憶カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする。そして、読み出した大当り指定値にもとづいて大当りフラグをセットする。さらに、特別図柄通常処理において、大当り判定に関わる処理(図13や図62に示したステップS55〜S57の処理)を省略する。このような構成によれば、大当り判定用乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば大当り判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
また、遊技状態が確変状態のときにのみ、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットする処理を実行するようにしてもよい。すなわち、ゲート通過にもとづいて普通図柄当り判定用乱数を抽出して保存領域に保存し(ステップS113)、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でないときに(ステップS121のN)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにだけ、当り判定を行わずに普図当りフラグをセットして普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行し(ステップS153のYで、ステップS159の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、普通図柄当り判定用乱数にもとづいて当り判定を行い(ステップS122〜S125)、当り判定で当りと判定されたときに普図当りフラグをセットし(ステップS97参照)、普図当りフラグがセットされたことにもとづいて普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行する(ステップS153のYで、ステップS159の処理を実行する)ようにしてもよい。さらに、遊技状態が確変状態のときのみ、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当りフラグをセットする処理を実行するようにしてもよい。すなわち、始動入賞にもとづいて大当り判定用乱数を抽出して保存領域に保存し(ステップS313,S317)、特別図柄通常処理において、保留記憶数が0でないときに(ステップS52のN)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにだけ、大当り判定を行わずに大当りフラグをセットして大当り遊技に移行させる処理を実行し(ステップS233のYで、ステップS237の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、大当り判定用乱数にもとづいて大当り判定を行い(ステップS53〜S56)、大当り判定で大当りと判定されたときに大当りフラグをセットし、大当りフラグがセットされたことにもとづいて大当り遊技(大入賞口開放前処理)に移行させる処理を実行する(ステップS233のYで、ステップS237の処理を実行する)ようにしてもよい。
また、上記の実施の形態3では、ゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにしていたが(ステップS124A)、ゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値を格納せずに(ステップS113A,S122Aを実行せずに)、ゲート通過記憶数の値が0でないことにもとづいて(ステップS121のN)、自動的に普図当りフラグをセットするようにしてもよい。
実施の形態4.
上記の実施の形態3では、ゲート通過が発生したときにゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値を格納し、格納された普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットするようにして、普図当りフラグのセットにもとづいて可変入賞球装置15を開放する制御を実行するようにしていたが、この実施の形態4では、普図当りフラグをセットせずに、普通図柄の変動が終了して普通図柄が停止したら自動的に可変入賞球装置15を開放する制御を実行するようにしたものである。
この実施の形態4では、普図当りフラグをセットしないので、普通図柄プロセス処理において、ゲート通過記憶数に対応する保存領域に普図当り指定値を格納する処理を行わない。すなわち、図69のステップS113Aの処理を省略する。また、普通図柄通常処理において、保存領域に格納されている普図当り指定値を読み出す処理、および普図当りフラグをセットする処理を行わない。すなわち、図70のステップS122A,S124Aの処理を省略する。
図71は、実施の形態4における普通図柄停止処理を示すフローチャートである。図71に示すように、この実施の形態4では、普通図柄の変動時間が経過したとき、つまり、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときに(ステップS151のY)、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認せずに、普通電動役物作動時間を普通図柄プロセスタイマにセットする処理(ステップS154)や、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを設定する処理(ステップS155〜S158)を実行し、普通電動役物作動処理に移行させる(ステップS159)ようにしている。すなわち、図30におけるステップS153,S160を省略している。
図72は、実施の形態3と実施の形態4との処理の相違を示す説明図である。図72に示すように、実施の形態3では、ゲート32に遊技球が通過したことにもとづいて(ステップS111のY)、ゲート通過記憶数が4でない場合には(ステップS112のN)、ゲート通過記憶数に対応する保存領域に普図当り指定値を格納し(ステップS113A)、ゲート通過記憶数カウンタの値を+1する(ステップS114)。そして、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でない場合に、保存領域に格納されている普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットする(ステップS124A)。そして、普通図柄停止処理(図30)において、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS152)、セットされていれば、普通電動役物作動処理に移行させて(ステップS159)、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放制御を実行する。これに対し、実施の形態4では、ゲート32に遊技球が通過したことにもとづいて(ステップS111のY)、ゲート通過記憶数が4でない場合には(ステップS112のN)、ゲート通過記憶数カウンタの値を+1する処理(ステップS114)のみ実行する。そして、普通図柄停止処理(図71)において、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認せずに、普通電動役物作動処理に移行させて(ステップS159)、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放制御を実行する。
以上のように、この実施の形態4では、普通図柄の停止図柄が導出表示されたことにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するように構成されているので、実施の形態3の場合と同様に、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、普図当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。さらに、普図当りフラグもセットされないので、普図当りフラグがセットされたかどうかを確認する処理も不要となり、より一層、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
なお、上記の実施の形態4では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に可変入賞球装置15の開閉動作(普通電動役物作動処理)を実行するようにしていたが、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当り遊技に移行させて特別可変入賞装置20の開閉動作を行わせるようにしてもよい。具体的には、特別図柄プロセス処理において、保留記憶数に対応する保存領域に大当り指定値を格納する処理を行わない。また、特別図柄通常処理において、保存領域に格納されている大当り指定値を読み出す処理、および大当りフラグをセットする処理を行わない。また、大当りフラグを確認する処理(ステップS57,S84,S233)を行わず、常に大入賞口開放前処理に移行させるようにする。このような構成によれば、大当り判定用乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば大当り判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。さらに、大当りフラグもセットされないので、大当りフラグがセットされたかどうかを確認する処理も不要となり、より一層、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
また、遊技状態が確変状態のときにのみ、ゲート32への遊技球の通過にもとづいて自動的に可変入賞球装置15の開閉動作(普通電動役物作動処理)を実行するようにしてもよい。すなわち、確変状態のときにだけ、当り判定や普図当りフラグのチェックを行わずに普通図柄の変動停止にもとづいて普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行し(普通図柄の変動が停止したときに(ステップS151のY)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにステップS159の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、普図当りフラグがセットされていることを確認したことを条件に普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行する(例えば、ゲート通過にもとづいて普通図柄当り判定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて普図当り判定を行い、当りと判定したときに普図当りフラグをセットし、普通図柄の変動が停止したときに(ステップS151のY)、確変状態かどうかを判定し、通常遊技状態のときに普図当りフラグがセットされているかどうかを確認し、普図当りフラグがセットされていればステップS159の処理を実行する)ようにしてもよい。さらに、遊技状態が確変状態のときのみ、始動入賞口13,14への遊技球の通過にもとづいて自動的に大当り遊技に移行させて特別可変入賞装置20の開閉動作を行わせるようにしてもよい。すなわち、確変状態のときにだけ、大当り判定や大当りフラグのチェックを行わずに特別図柄の変動停止にもとづいて大当り遊技に移行させる処理を実行し(特別図柄の変動が停止したときに(ステップS232のY)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにステップS237の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、大当りフラグがセットされていることを確認したことを条件に大当り遊技(大入賞口開放前処理)に移行させる処理を実行する(例えば、始動入賞の発生にもとづいて大当り判定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて大当り判定を行い、大当りと判定したときに大当りフラグをセットし、特別図柄の変動が停止したときに(ステップS232のY)、確変状態かどうかを判定し、通常遊技状態のときに大当りフラグがセットされているかどうかを確認し、大当りフラグがセットされていればステップS237の処理を実行する)ようにしてもよい。
次に、本発明の特有の効果について説明する。従来から、遊技球がゲートを通過すると普通図柄の変動を行わずに常に普通電動役物(可変入賞球装置、電動チューリップ)を開放するように制御する遊技機は存在する。しかし、そのような制御では、ゲートの通過検出にもとづいて普通図柄プロセス処理を進めて普通電動役物を開放し、普通電動役物の開放制御が終了した後に、再びゲートの通過検出がなされなければ普通電動役物の開放制御を実行しないものである。つまり、ゲートの通過検出は普通図柄通常処理でのみ(開放制御中でない状態のときにのみ)実行される。従って、普通電動役物の開放制御中にゲートを通過した場合には保留記憶(ゲート通過数の記憶)を行うことはできなかった。これに対し、本発明では、フラグ(指定値)又は乱数値をゲートの通過検出時に記憶しておく構成であるので、普通電動役物の開放制御中にゲートの通過検出が行われた場合でも、普通電動役物の開放制御が終了したときに保留記憶としてフラグ又は乱数値が記憶されているので、そのフラグ又は乱数値にもとづいて普通電動役物の開放制御を実行することができる。また、保留記憶としてフラグ又は乱数値を記憶しない場合でも、保留記憶数(ゲート通過記憶数)をカウンタで記憶しておくことによって保留記憶にもとづく普通電動役物の開放制御を実行することができる。
また、背景技術で説明した特許文献1では、所定の条件が成立した場合に100%の当選確率で大当りとする構成であるが、大当り判定を行うための大当り判定テーブルのデータが必要であり、また、大当り判定テーブルを用いて大当り判定する処理、大当り判定の判定結果にもとづく内容を設定する処理などを実現するためのプログラムも必要となる。その結果、必要なROMの容量が大きくなってしまうおそれがある。これに対し、本発明(特に、実施の形態3,4)では、大当りの判定自体をなくしているので、大当り判定テーブルのデータが不要となるとともに、大当り判定する処理、大当り判定の判定結果にもとづく内容を設定する処理などを実現するためのプログラムも不要となる。その結果、必要なROMの容量を削減することができるとともに、マイクロコンピュータの処理負担も軽減させることができる。
以下、上記の実施の形態1〜4の変形例について説明する。
上記の実施の形態1〜4では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、特別図柄表示器8における特別図柄の変動や可変表示装置9における飾り図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。従って、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得されてしまうことが生じ得る。そこで、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成するのが好ましい。
具体的には、特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたとき、つまり、図43のステップS264のNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われているかどうか、具体的には特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理(ステップS302)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する。特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは、ステップS311以降の処理を実行する。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは、特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口への異常入賞が検出された時点で、特別図柄の変動中でないときは、直ちに特別図柄の変動が禁止され、特別図柄の変動中であったときは、特別図柄の変動を継続させ、次の特別図柄の変動が禁止されることになる。
また、演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動が行われているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する。演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは、飾り図柄変動中処理(ステップS802)を実行する。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、飾り図柄の変動中でないときは、直ちに飾り図柄の変動が禁止され、飾り図柄の変動中であったときは、飾り図柄の変動を継続させ、次の飾り図柄の変動が禁止されることになる。
以上のような構成によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の変動および可変表示装置9における飾り図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態2では、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動については継続させ、異常入賞にもとづく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞にもとづく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態1〜4では、図41に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(ステップS363AのY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(実施の形態1では「4」、実施の形態2〜4では普通図柄変動パターン設定処理が省略されているので例えば「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞にもとづいて賞球の払い出しが行われないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
具体的には、スイッチ処理において、ステップS338の処理の実行後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、例えば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
また、上記の変形例では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしてもよい。
具体的には、特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口通過処理(ステップS311〜S314の処理)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にセットされる。具体的には、実施の形態1の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」であるときに第2始動口スイッチ14aがオンしたときである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、無効フラグがセットされているときは、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行せず、無効フラグがセットされていないときに、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞にもとづく乱数の抽出などを行わないようにすることができ、異常入賞にもとづく変動が禁止され、異常入賞にもとづく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この場合は、異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止することはできないので、実施の形態1(図41の賞球個数加算処理)で説明したような異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
なお、上記の実施の形態1〜4では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
上記の各実施の形態において、特別図柄の大当り中の演出として例えば以下のような演出を実行する。まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて特別図柄の始動入賞記憶数(保留記憶数)を認識する。このとき、始動入賞記憶数が4つであったとする。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の保留記憶数が4つのときに、最初の始動入賞記憶にもとづく特別図柄の変動が通常大当り(非確変大当り)かどうかを図柄情報指定コマンドにもとづいて認識する。通常大当りであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドにもとづいて大当り中の演出(ラウンド中、インターバル中、エンディング中の演出)として、相手のキャラクタのうちで強い者(自分のキャラクタが弱い者でもよい)を表示し、キャラクタ同士を対決させる演出を実行する(大当り中の演出は、ラウンド毎に演出(表示態様)を異ならせてもよいし、異ならせなくてもよい)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次の始動入賞記憶にもとづく特別図柄の変動が開始されるときに図柄情報指定コマンドを受信し、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて大当りの種類を認識する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドにもとづいて大当り中の演出を実行する。このとき、保留記憶を消化するときの大当り中の演出については大当りの種類により異ならせる。例えば、通常大当りであれば相手のキャラクタが攻撃し(遊技者にとって不利な演出)、確変大当りであれば自分のキャラクタが攻撃する(遊技者にとって有利な演出)。この場合、1回の大当り中の演出でいずれかのキャラクタが攻撃する。次に、4つの始動入賞記憶のうちの最後の始動入賞記憶にもとづく特別図柄の変動を開始するときに図柄情報指定コマンドを受信し、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて大当りの種類を認識する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドにもとづいて大当り中の演出を実行する。このとき、特別図柄の保留記憶が最後のときの特別図柄の変動が大当りの場合に、確変大当りであれば大当り中の演出として自分のキャラクタが勝つ演出を実行し(負けた後に復活して勝つ救済演出を実行してもよい)、通常大当りであれば相手のキャラクタが勝つ演出を実行する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中の演出との整合を考慮して、救済演出を実行するか否か、救済演出を実行するときの演出の内容を選択する必要がある。例えば、自分のキャラクタが先に攻撃した場合は自分のキャラクタが勝利することに予め決めているような場合には、救済演出を実行しないことを選択する。また、自分のキャラクタが負けた場合にも、負け方によって救済演出の態様を異ならせている場合には、負け方に応じた救済演出を選択する。
また、上記の各実施の形態では、遊技状態は通常遊技状態と確変状態とされていたが、その他の遊技状態として時短状態(特別図柄または普通図柄の変動時間が短縮される時間短縮状態)を設けてもよい。例えば、確変状態のときに通常大当りになって確変状態が終了するとき時短状態に移行させ、あるいは大当り後は常に時短状態に移行させるようにしてもよい。時短状態に移行されたときに、特別図柄の当選確率を向上させることはできないが、普通図柄の当選確率を向上させることができる。時短状態の移行に合わせて普通図柄の当選確率を向上させる場合、普通図柄の当選確率を100%にしてもよい。その場合、時短状態の移行に合わせて、普通図柄の当選確率だけ向上させるものでもよい。また、普通図柄の当選確率だけでなく、普通図柄の変動時間の短縮、特別図柄の変動時間の短縮、可変入賞球装置15の開放時間の延長のいずれか1つを普通図柄の当選確率の向上に合わせた状態に制御するようにしてもよく、また、いずれか複数を組み合わせた状態に制御するようにしてもよく、さらに、これら全てを組み合わせた状態に制御するようにしてもよい。
また、確変状態は回数切り(確変状態に移行した後(確変大当りの終了後)、例えば100回の変動回数だけ確変状態に制御する)構成であってもよい。また、時短状態も回数切り(時短状態に移行した後、例えば100回の変動回数だけ時短状態に制御する)構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、確変大当りの決定率(大当りのうち確変大当りにする確率)は所定の確率(例えば90%)とされていたが、100%の確率で確変大当りとしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、確変大当りの終了時(確変フラグがセットされた後)に転落抽選(確変大当りを終了させるかどうかを判定する抽選処理であって、パンク抽選ともいう)を実行するようにして、確変状態を終了させるようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態が転落したことを示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変状態の終了を認識させるようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを特定可能な演出制御コマンド(例えば普通図柄の変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変状態が終了したか否かを認識させるようにしてもよい。
また、入賞が困難な第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときに実行される演出とは異なる演出を実行するようにしてもよい。例えば、あたかも確変状態に突然移行されたように見せかける演出を実行するようにしてもよい。また、あたかも時短状態に突然移行されたように見せる演出を実行するようにしてもよい。また、プレミアム演出などの特別な演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、演出のバリエーションが増し、遊技の興趣が向上する。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄に関する演出制御コマンドとして、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていた。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドのみ送信し、図柄情報指定コマンドを送信しないようにしてもよい。この場合、変動パターンコマンドの内容によって演出制御用マイクロコンピュータ100ではずれ/当りを認識するようにする。このような構成によれば、コマンド数を削減することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り演出に関する演出制御コマンドとして、特別図柄の変動パターンコマンド、ファンファーレコマンド、エンディングコマンド等を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、これらのコマンドにもとづいて大当り中の演出を実行していた。しかし、上記のコマンドのいずれかにもとづいて大当り中の演出を実行するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、普通図柄の変動の停止に応じて飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンド(確定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信していたが、このコマンドを送信せずに、変動パターンから特定可能な変動時間が経過したときに飾り図柄の変動を停止させるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行うように構成されている場合は、遊技状態が通常遊技状態か確変状態かで大当り判定テーブルを切り替えるように構成していたが、このような構成に限られず、大当り判定用乱数を抽出するが、確変状態のときは大当り判定テーブルを用いた大当り判定を行わずに常に大当りと決定し、通常遊技状態のときは大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行うように構成されていてもよい。同様に、普図当り判定テーブルを用いて普図当り判定を行うように構成されている場合は、遊技状態が通常遊技状態か確変状態かで普図当り判定テーブルを切り替えるように構成していたが、このような構成に限られず、普通図柄当り判定用乱数を抽出するが、確変状態のときは普図当り判定テーブルを用いた普図当り判定を行わずに常に当りと決定し、通常遊技状態のときは普図当り判定テーブルを用いて普図当り判定を行うように構成されていてもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
また、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(3)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技状態として、通常状態(例えば通常遊技状態)と、通常状態であるときに比べて遊技者にとって有利な状態に制御されやすい特別遊技状態(例えば確変状態)とがあり、通常状態において開閉制御手段による可変入賞装置の開放状態への制御を禁止する開放禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄に関しては、ステップS81でNとなり、通常遊技状態のときは大当り判定を実行して自動的な大当りフラグ(又は大当り指定値)のセットを禁止し、ステップS83においてはずれと判定されたことにもとづいてステップS87の処理を実行しないことによりステップS233でNとなる部分、また普通図柄に関しては、ステップS91でNとなり、通常遊技状態のときは普図当り判定を実行して自動的な普図当りフラグ(又は普図当り指定値)のセットを禁止し、ステップS93においてはずれと判定されたことにもとづいてステップS97の処理を実行しないことによりステップS153でNとなる部分)を備えていてもよい。そのような構成によれば、遊技状態として、通常状態と通常状態であるときに比べて遊技者にとって有利な状態に制御されやすい特別遊技状態とがあり、通常状態において開閉制御手段による可変入賞装置の開放状態への制御を禁止する開放禁止手段を備えているので、特別遊技状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(2)第1の始動領域(例えば、第2始動入賞口14)において遊技球が検出されたことにもとづいて特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8)と、第2の始動領域(例えば、ゲート32)において遊技球が検出されたことにもとづいて普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2可変表示装置(例えば、普通図柄表示器10)とを備え、第1可変表示装置に第1特定表示結果(例えば、特別図柄の大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な状態としての特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させ、第2可変表示装置に第2特定表示結果(例えば、普通図柄の当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な状態として可変入賞装置としての普通可変入賞装置(例えば、可変入賞球装置15)を第1の始動領域において遊技球が検出されない閉鎖状態から検出されやすい開放状態に変化させる(例えば、普通電動役物作動処理(ステップS104)を実行する)遊技機であって、普通可変入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS261を実行する部分)と、開閉判定手段によって普通可変入賞装置が閉鎖状態であると判定されているときに(例えばステップS261のN)、第1の始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて(例えばステップS264のN)、入賞異常の報知を実行する異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS265,S266を実行する部分、および演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS707(図60)を実行する部分)と、を備えていてもよい。そのような構成によれば、普通可変入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段と、開閉判定手段によって普通可変入賞装置が閉鎖状態であると判定されているときに、第1の始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて、入賞異常の報知を実行する異常報知手段とを備えているので、普通可変入賞装置(ここでは電動チューリップ)に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、普通可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。
(3)第1の始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)において遊技球が検出されたことにもとづいて特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8)を備え、第1可変表示装置に第1特定表示結果(例えば、特別図柄の大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な状態としての特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させ、該特定遊技状態において可変入賞装置としての特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20)を遊技球が入賞しない閉鎖状態から入賞しやすい開放状態に変化させる(例えば、ステップS304〜S307を実行する)遊技機であって、特別可変入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS255を実行する部分)と、開閉判定手段によって特別可変入賞装置が閉鎖状態であると判定されているときに(例えばステップS255のN)、特別可変入賞装置への遊技球の入賞が検出されたことにもとづいて(例えばステップS258のN)、入賞異常の報知を実行する異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS259,S260を実行する部分、および演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS707(図60)を実行する部分)と、を備えていてもよい。そのような構成によれば、特別可変入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段と、開閉判定手段によって特別可変入賞装置が閉鎖状態であると判定されているときに、特別可変入賞装置への遊技球の入賞が検出されたことにもとづいて、入賞異常の報知を実行する異常報知手段とを備えているので、特別可変入賞装置(ここでは大入賞口)に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。