JP2013207930A - 回転電機のステータ構造 - Google Patents

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隆裕 筒井
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Abstract

【課題】回転電機におけるステータを軸方向に大型化させた場合でも、低コストで、高精度に組み付けることができる。
【解決手段】回転電機10を構成するステータ12には、複数の鋼板50を厚さ方向に積層させ、且つ、軸方向に2分割された第1及び第2ステータ部28、32から構成され、前記第1及び第2ステータ部28、32がハウジング16の内部に収納され固定される際、前記第1ステータ部28の一端面54と、該第1ステータ部28に臨む前記第2ステータ部32の他端面56との間に、軸方向に所定間隔となる第1間隙64を設けている。この第1間隙64は、第1ステータ部28における鋼板50の厚さ寸法の積み上げ公差の最大値と略同等以上となるように設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機又は発電機として動作する回転電機のステータ構造に関し、一層詳細には、ステータのスロットに収納され回転磁界を発生させる導電体を有した回転電機のステータ構造に関する。
従来から、円環状に形成されたステータと、該ステータの中心部に回転自在に挿入されるロータとを有し、前記ステータのスロットに巻回されたコイルによって回転磁界を発生させ、前記ロータを回転させる回転電機が知られている。
このような回転電機としては、例えば、特許文献1に開示されるように、ステータコアを含むステータと、前記ステータコアを収納するハウジングとを備え、前記ステータコアの軸方向に沿って挿通させた複数の締結部材を前記ハウジングに対して締結することで、前記ステータコアを前記ハウジングに対して固定している。また、特許文献2に開示される回転電機では、有底円筒状のケースの内部にステータが圧入されることで、該ステータが前記ケースに対して一体的に固定される。
特開2009−153269号公報 特開2007−221855号公報
上述したような回転電機では、近年、さらなる出力の向上が求められており、出力向上を目的として、例えば、回転電機を構成するステータ及びロータの直径を大きくした場合には、前記ロータに付与される遠心力が増加してしまい、高回転領域まで駆動させることが困難となる。そのため、ロータの径を大きくせずに、前記ロータの軸方向に沿った長さを大きくすることで出力向上を図ることが考えられる。
しかしながら、上述した特許文献1に係る回転電機では、ロータと共にステータの軸方向の長さを長くした場合、締結部材の長さもそれに伴って長くなるため、前記締結部材によってステータを固定する際に、倒れが発生することとなる。また、特許文献2に係る従来技術では、ケースの内径とステータの外径に精度が求められ、該精度を確保するための加工コスト等による製造コストの増加が懸念される。さらに、軸方向の長さが長くなることで、ステータを圧入する際の圧入荷重が増加し、例えば、前記圧入を行うために大型のプレス機が必要となる。さらにまた、ステータに装着されたコイルが発熱した際、熱をケースの外部へと放熱させることが困難であり、出力の低下を招くこととなる。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、軸方向に大型化させた場合でも、低コストで、高精度に組み付けることが可能な回転電機のステータ構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、複数のスロットに導電体が配置されるステータと、前記ステータの内部に回転自在に設けられるロータとを有した回転電機であって、
前記ステータは、軸方向に設けられる第1ステータ部と第2ステータ部とを備え、
前記第1及び第2ステータ部は、ハウジングに対して前記軸方向に固定され、且つ、前記ハウジングに対する前記第1ステータ部の固定部位と、前記第2ステータ部の固定部位とが、周方向に互いにオフセットして配置されることを特徴とする。
本発明によれば、回転電機を構成するステータを、軸方向に沿った第1及び第2ステータ部から構成し、前記回転電機をハウジングに固定する際に、前記第1ステータ部と第2ステータ部とを軸方向に固定すると共に、前記第1ステータ部の前記ハウジングに対する固定部位と、前記第2ステータ部の前記ハウジングに対する固定部位とが、周方向にオフセットするように配置して固定する。
従って、ステータを軸方向に分割構造とした第1ステータ部と第2ステータ部とから構成することで、前記ステータをハウジングに対して固定する際に倒れが生じることが回避され、前記ハウジングに対して確実且つ高精度に組み付けることができる。また、第1及び第2ステータ部は、その固定部位を介してハウジングへそれぞれ固定される構造としているため、前記固定を簡便且つ低コストで行うことができる。
さらに、第1及び第2ステータ部を、軸方向に沿った同一方向でハウジングに対して固定することにより、前記第1及び第2ステータ部を収容するハウジングの開口端部を片方とすることができるため、前記ハウジングの構造を簡素化できると共に、前記第1及び第2ステータ部を含む回転電機の組付性を向上させることができる。
さらにまた、第1ステータ部と第2ステータ部との間に、軸方向に沿って所定距離で形成された間隙を形成することにより、前記間隙によって第1及び第2ステータ部の間において、該第1及び第2ステータ部の軸方向に沿ったばらつきを吸収することが可能となるため、前記第1ステータ部と第2ステータ部とが組み付け時において接触することが防止され、それに伴って、前記第1及び第2ステータ部の傾きや倒れの発生を防止できる。
またさらに、ロータには、間隙と軸方向において対向し、冷媒の流通する冷媒通路を備えることにより、前記冷媒通路を通じて前記間隙へと冷媒を供給することで、第1及び第2ステータ部に設けられ、通電作用下に発熱する導電体を前記冷媒によって好適に冷却することが可能となる。
また、冷媒通路は、間隙に対して軸方向に沿った距離を小さく形成することにより、前記冷媒通路から前記間隙へと供給される冷媒の供給量を抑制することができるため、前記冷媒の供給過多によるフリクションの増加を防止することができる。
さらに、間隙に、導電体で発生した熱を外部へと排出するためのフィンを設けることにより、前記フィンを介して回転電機の内部で発生した熱を、該間隙を通じてより一層効率的に外部へと排出することが可能となる。
また、第1ステータ部と第2ステータ部とを、単一のロータを有した回転電機に用いるとよい。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、回転電機を構成するステータを、軸方向に沿った第1ステータ部と第2ステータ部とから構成することで、前記ステータをハウジングに対して固定する際に倒れが生じることが回避され、前記ハウジングに対して確実且つ高精度に組み付けることができると共に、前記第1及び第2ステータ部は、その固定部位を介してハウジングへそれぞれ固定される構造としているため、前記固定を簡便且つ低コストで行うことができる。
本発明の実施の形態に係るステータ構造の適用された回転電機の全体断面図である。 図1の第1及び第2ステータ部を有したステータの外観斜視図である。 図2のステータを示す正面図である。 図1における第1ステータ部と第2ステータ部との隣接部位近傍を示す拡大断面図である。 図2に示す第1ステータ部の一端面に弾性体を装着した状態を示す平面図である。 図5の弾性体が第1ステータ部と第2ステータ部との間に挟持された状態を示す拡大断面図である。 第1ステータ部と第2ステータ部との間に放熱フィンの装着される変形例に係るステータを示す分解斜視図である。 図7の第1及び第2ステータ部の隣接部位近傍を示す拡大図である。 第1ステータ部の外周面に放熱リブの設けられたステータの変形例を示す平面図である。 図1に示すロータにガイドリングの装着された状態を示す分解斜視図である。 図10のロータの一部省略外観斜視図である。
本発明に係る回転電機のステータ構造について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るステータ構造の適用された回転電機を示す。
この回転電機10は、例えば、3相交流ブラシレス式モータであり、図1に示されるように、円環状に形成されるステータ12と、前記ステータ12の内部に回転自在に設けられるロータ14とを有する。そして、回転電機10は、図示しないU相端子、V相端子及びW相端子それぞれを介して図示しない電力源から供給される電力に基づき前記ロータ14が回転駆動する。
そして、回転電機10は、例えば、有底円筒状のハウジング16の内部に収納され、側方に向かって開口した前記ハウジング16の開口端部18がカバー部材20によって閉塞される。ハウジング16の下部には、例えば、潤滑油等の冷媒が蓄えられるタンク部22が形成され、該タンク部22には、前記冷媒を後述するロータ14のシャフト66内へと供給するための供給配管24が接続され、前記供給配管24の途中には、前記冷媒をタンク部22から供給配管24へと供給可能なポンプ26が設けられている。
また、ハウジング16には、ステータ12を構成する第1ステータ部28が収納される第1収納部30と、該第1収納部30に対して開口端部18側(矢印A1、A2方向)に形成され、前記ステータ12を構成する第2ステータ部32が収納される第2収納部34とを有し、前記第1収納部30の端部には、該第1収納部30の延在方向(矢印A1、A2方向)に対して直交した第1取付部36が形成され、前記第2収納部34の端部には、該第2収納部34の延在方向(矢印A1、A2方向)に対して直交した第2取付部38が形成される。第1及び第2取付部36、38は、略平行に形成され、後述する締結ボルト62の螺合されるボルト穴40が形成される。
このステータ12は、図1〜図4に示されるように、例えば、略同一形状に形成された第1及び第2ステータ部28、32からなり、前記第1及び第2ステータ部28、32は、円環状のステータコア42a、42bと、前記ステータコア42a、42bから内径側に突出して形成されたティース44と、前記ティース44に対して外周側に設けられたスロット46に装着される複数の導電体48とからそれぞれ構成される。
ステータコア42a、42bは、複数の鋼板50を軸方向(矢印A1、A2方向)に積層し、周方向に等間隔離間した複数の加締めピン52によって該軸方向へと一体的に加締めることで形成される。なお、上述したような鋼板50は、一般的に、厚さ寸法に誤差を有しているばらつきがあるため、該誤差を考慮して厚さ寸法の公差が設定されている。この公差は、基準の厚さ寸法に対して厚くなるプラス方向と、該厚さ寸法に対して薄くなるマイナス方向というように所定範囲で設定されている。
また、ステータコア42a、42bは、軸方向(矢印A1、A2方向)に沿った一端面54及び他端面56が互いに略平行で、且つ、該軸方向に対して直交した平面状に形成され、その外周面から外周側へと突出したボス58a、58bがそれぞれ形成される。このボス58a、58bは、ステータコア42a、42bの周方向に沿って互いに等角度離間して複数設けられる。なお、ここでは、ステータコア42a、42bの周方向に沿って互いに60°毎離間した3つのボス58a、58bがそれぞれ設けられる場合について説明する。
ボス58a、58bの中央部には、ステータコア42a、42bの軸方向に沿って貫通した貫通孔60が形成され、前記ステータコア42a、42bをハウジング16に固定する際に用いられる締結ボルト62がそれぞれ挿通される。
そして、第1ステータ部28と第2ステータ部32とは、軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って一直線上に設けられ、且つ、互いの中心が同軸上となるように配置されると共に、前記第1ステータ部28のボス58aと前記第2ステータ部32のボス58bとが、周方向に沿って約30°だけ位相(オフセット)するように配置される(図2及び図3参照)。すなわち、図3に示されるように、第1及び第2ステータ部28、32を含むステータ12を軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って見た際、第1及び第2ステータ部28、32のボス58a、58bが6個で互いに等角度離間するように配置された状態となる。
そして、ハウジング16の内部において、第1ステータ部28がタンク部22側(矢印A1方向)、第2ステータ部32がカバー部材20側(矢印A2方向)となるように配置され、前記第1ステータ部28の他端面56を、ハウジング16の第1取付部36に当接させた状態で、貫通孔60に挿通された締結ボルト62をボルト穴40に螺合させる。
一方、前記第2ステータ部32の他端面56を、ハウジング16の第2取付部38に当接させた状態で、貫通孔60に挿通された締結ボルト62をボルト穴40に螺合させる。これにより、第1及び第2ステータ部28、32がハウジング16の内部に収納された状態で固定される(図1参照)。
また、図4に示されるように、第1ステータ部28の一端面54と第2ステータ部32の他端面56との間には、前記第1及び第2ステータ部28、32の軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って所定間隔の第1間隙64が設けられる。この第1間隙64は、前記軸方向(矢印A1、A2方向)と直交する第1及び第2ステータ部28、32の周方向に沿って略一定距離となるように形成される。また、第1間隙64の軸方向(矢印A1、A2方向)に沿った距離L1は、第1ステータ部28を構成する複数の鋼板50を積層した際、それぞれの鋼板50の厚さ寸法の公差を軸方向(矢印A1、A2方向)に積み上げた最大公差と同等若しくは大きくなるように設定される。
すなわち、第1ステータ部28に軸方向(矢印A2方向)への積み上げ公差が生じた場合でも、第1間隙64でばらつきを吸収することで前記第1ステータ部28と第2ステータ部32との接触を確実に回避可能となる。
ロータ14は、軸状に形成されたシャフト66と、該シャフト66の外周側に連結される一組の第1及び第2ロータ本体68、70とを有し、前記シャフト66は、例えば、前記第1及び第2ロータ本体68、70の中心に形成されたシャフト孔72に対してそれぞれ圧入されることで一体的に連結される。
シャフト66は、その一端部がハウジング16の中央に形成された孔部に軸受74aを介して回転自在に支持され、一方、他端部は、カバー部材20の中央に形成された孔部に軸受74bを介して回転自在に支持される。
一方、シャフト66の内部には、一端部から他端部側に向かって軸方向(矢印A2方向)に延在する供給孔76が形成され、前記一端部において前記供給孔76が供給配管24と接続されている。
また、シャフト66には、供給孔76に対して径方向に貫通した複数の吐出孔78が形成され、前記吐出孔78を通じて前記供給孔76と前記シャフト66の外周側とが連通している。この吐出孔78は、例えば、シャフト66の周方向に沿って等間隔離間して設けられる。
第1及び第2ロータ本体68、70は、シャフト66を介して同軸上に連結されると共に、互いに対向する前記第1ロータ本体68の端面と第2ロータ本体70の端面との間には、該第1及び第2ロータ本体68、70の軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って所定間隔の第2間隙80が形成される。この第2間隙80は、シャフト66の吐出孔78と一直線上となる位置に形成され、前記吐出孔78から吐出された冷媒が流通可能に形成されると共に、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間に形成された第1間隙64とも一直線上となるように形成される。
すなわち、シャフト66の吐出孔78、ロータ14の第2間隙80、ステータ12の第1間隙64が、回転電機10の径方向に一直線上となるように配置されている。
また、第2間隙80は、図4に示されるように、第1間隙64の距離L1と比較して軸方向の距離L2が小さく設定されている。
一方、第1及び第2ロータ本体68、70における外周面近傍には、磁石82の装着される複数の装着孔84が軸方向に貫通し、且つ、周方向に沿って互いに等間隔離間して形成される(図10参照)。
そして、ハウジング16のタンク部22に貯留された冷媒が、ポンプ26を作動させることで供給配管24を通じてシャフト66の供給孔76へと供給され、前記シャフト66を含むロータ14が回転することで前記冷媒が遠心力によって径方向外側に向かって開口した複数の吐出孔78から外周側へと吐出され、第2間隙80、第1間隙64を通じてステータ12の径方向外側へと供給される。
本発明の実施の形態に係るステータ構造の適用された回転電機10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に第1及び第2ステータ部28、32をハウジング16に対して組み付ける場合について説明する。なお、回転電機10の収納されるハウジング16には、供給配管24、ポンプ26が予め所定位置に組み付けられ、且つ、第1及び第2ステータ部28、32の各スロット46には、それぞれ導電体48が予め装着された状態とする。
先ず、第1ステータ部28を、その他端面56側(矢印A1方向)からハウジング16の内部に挿入し、第1収納部30に収納すると共に、外周側に設けられたボス58aの他端面56をそれぞれハウジング16の第1取付部36に当接させる。そして、ボス58aの貫通孔60にそれぞれ挿通した締結ボルト62を第1取付部36のボルト穴40に対して螺合させることにより、第1ハウジング16が、第1収納部30に収納され、各ボス58aの他端面56が第1取付部36に当接した状態で固定される。
次に、第2ステータ部32を、他端面56側(矢印A1方向)からハウジング16の内部に挿入し、第2収納部34に収納する。この場合、第2ステータ部32の他端面56と第1ステータ部28の一端面54とが対向した状態となる。
そして、第2ステータ部32において、外周側に設けられたボス58bの他端面56をそれぞれハウジング16の第2取付部38に当接させ、貫通孔60に挿通させた締結ボルト62を前記第2取付部38のボルト穴40に対して螺合させる。これにより、第2ステータ部32が、第2収納部34に収納され、各ボス58bの他端面56が第2取付部38に当接した状態で固定される。これにより、ハウジング16の第1及び第2収納部30、34において、第1ステータ部28と第2ステータ部32とが同軸上に配置された状態で固定される。
この際、複数の鋼板50が積層され構成された第1ステータ部28に、該鋼板50の厚さ方向、すなわち、軸方向(矢印A1、A2方向)に積み上げ公差が生じていない場合には、前記第1ステータ部28の一端面54と第2ステータ部32の他端面56との間に、軸方向(矢印A1、A2方向)に所定間隔の第1間隙64が形成される。
なお、積み上げ公差が発生しない場合とは、鋼板50の厚さ寸法にばらつきがなく該厚さ寸法が予め設定された基準寸法で形成され、該鋼板50を積層させ第1ステータ部28を構成した際に、その軸方向の寸法が設計寸法と一致する場合である。
一方、第1ステータ部28を構成する複数の鋼板50が、厚さ方向(軸方向)に積み上げ公差を有している場合には、第1取付部36へ取り付けられた他端面56を基準として一端面54の軸方向(矢印A2方向)への位置が変化する。具体的には、第1ステータ部28の積み上げ公差が、プラス方向に最大となる場合には、前記第1ステータ部28の軸方向に沿った厚さが大きくなるため、それに伴って、前記第1ステータ部28の一端面54が、積み上げ公差のない場合と比較して第2ステータ部32側(矢印A2方向)に接近した位置となる。
この際、第1間隙64の距離L1は、第1ステータ部28の積み上げ公差がプラス方向、すなわち、第2ステータ部32に接近する方向(矢印A2方向)に最大となった場合の距離と同等、若しくは、それに対して大きく設定されているため、前記第1ステータ部28の一端面54が第2ステータ部32の他端面56に対して接触することがない。すなわち、第1ステータ部28の積み上げ公差が、第1間隙64によって好適に吸収されるため、第2ステータ部32との接触が回避される。
また、第1ステータ部28の積み上げ公差が、マイナス方向に最大となる場合には、前記第1ステータ部28の軸方向に沿った厚さが小さくなるため、それに伴って、前記第1ステータ部28の一端面54が、積み上げ公差のない場合と比較して第2ステータ部32から離間した位置となる。そのため、第1ステータ部28が第2ステータ部32に対して接触することがなく、しかも、第1間隙64の軸方向(矢印A1、A2方向)に沿った距離が大きくなる。
次に、ハウジング16の開口端部18からロータ14を第1及び第2ステータ部28、32の内部に挿通させ、シャフト66の一端部をハウジング16に設けられた軸受74a、74bに挿入する。これにより、シャフト66の供給孔76と供給配管24とが接続される。そして、シャフト66の他端部を保持した状態で、ハウジング16の開口端部18を閉塞するようにカバー部材20を装着し、該カバー部材20の孔部に設けられた軸受74a、74bに前記他端部を挿通させることで回転自在に保持する。
これにより、ロータ14が、第1及び第2ステータ部28、32の内部に回転自在に支持され、且つ、その吐出孔78が、第1ロータ本体68と第2ロータ本体70との間に形成された第2間隙80、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間に形成された第1間隙64に対して径方向に一直線上に配置された状態で組み付けられる。
以上のように、本実施の形態では、回転電機10を構成するステータ12を、軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って2分割され、且つ、複数の鋼板50を厚さ方向に積層させることで形成された第1ステータ部28と第2ステータ部32とから構成すると共に、前記ハウジング16の内部に回転電機10を収容して固定する際に、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間に、所定間隔の第1間隙64を設ける。そして、第1間隙64の軸方向に沿った距離L1を、第2ステータ部32に対してハウジング16の奥に設けられる第1ステータ部28における厚さ方向の積み上げ公差の最大値より大きく設定することで、前記第1ステータ部28の積み上げ公差が最大となった場合でも、互いに対向するようにハウジング16内に固定された第2ステータ部32に対する前記第1ステータ部28の接触を確実に回避できる。
これにより、複数の鋼板50の積み上げ公差に起因した第1及び第2ステータ部28、32の傾きや倒れを防止することができ、前記第1及び第2ステータ部28、32をハウジング16の内部に対して確実且つ高精度に組み付けることが可能となる。
また、第1間隙64は、第1ステータ部28で生じた積み上げ公差を吸収可能であると共に、該積み上げ公差が小さく、第1及び第2ステータ部28、32の組み付け時において、前記第1間隙64が残存している場合には、シャフト66から供給される冷媒を、ロータ14の吐出孔78、第2間隙80からステータ12に装着された導電体48側へと供給する冷媒供給通路としても機能させることが可能となる。
この場合、冷媒を供給可能な第1及び第2間隙64、80は、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間に設けられているため、最も放熱を行いにくい導電体48の中央部近傍を効果的に冷却することが可能となり、それに伴って、回転電機10の出力向上及び連続駆動時間を延ばすことが可能となる。
さらに、第1及び第2ステータ部28、32を、互いの外周面に設けられたボス58a、58bが周方向に等角度毎にずれて配置されるようにハウジング16に対して組み付けることにより、前記第1ステータ部28が有する固定振動数と、前記第2ステータ部32が有している固定振動数とを好適に相殺させることができる。
さらに、第1及び第2ステータ部28、32を、軸方向に沿った同一方向でハウジング16に対して固定することにより、前記第1及び第2ステータ部28、32を収容する前記ハウジング16の開口端部18を片方のみに設けらればよいため、前記ハウジング16の構造を簡素化できると共に、前記第1及び第2ステータ部28、32を含む回転電機10の組付性を向上させることができる。
さらにまた、冷媒の流通する第2間隙80の軸方向に沿った距離L2を、第1間隙64の距離L1に対して小さく形成することにより、前記第2間隙80から前記第1間隙64へと供給される前記冷媒の供給量を抑制することができるため、前記冷媒の供給過多によるフリクションの増加を防止することができる。
一方、第1ステータ部28の組み付けられたハウジング16に対して第2ステータ部32を組み付ける際、例えば、図5及び図6に示されるように、前記第2ステータ部32に臨む第1ステータ部28の一端面54に、ゴムやエラストマー等の弾性材料からなる弾性体86を設けることで、前記第2ステータ部32を前記弾性体86に当接させた状態で、第2取付部38に対して組み付けることができる。
そのため、第2ステータ部32をハウジング16に対して安定して組み付けることが可能となり、その組付作業性を向上させることができる。この弾性体86は、例えば、第1ステータ部28の一端面54において、ボス58aの内周側となる位置に周方向に沿って等間隔となるように配置するとよい(図5参照)。このように弾性体86を配置することにより、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間の第1間隙64を通じて外周側へと冷媒を流通させる際に、前記弾性体86が流路を妨げることがなく好適である。
次に、上述したようにハウジング16の内部に組み付けられた第1及び第2ステータ部28、32を含む回転電機10の動作について簡単に説明する。
先ず、図示しない電力源からU相端子、V相端子及びW相端子に対して電力が供給されることで、導電体48に通電され、それに伴って、前記導電体48が励磁することで回転磁界が生じ、磁極となる複数の磁石82の装着されたロータ14が回転駆動する。
また、同時に、ハウジング16の内部に設けられたポンプ26が駆動することで、タンク部22の冷媒が供給配管24へと吸い上げられ、シャフト66の供給孔76へと供給される。このシャフト66は高速で回転しているため、供給孔76に供給された冷媒は遠心力によって内周面側へと移動し、複数の吐出孔78を通じて第1及び第2ロータ本体68、70の間に形成された第2間隙80、ステータ12に設けられた第1間隙64へと径方向に供給される。そして、ステータ12のスロット46に装着された導電体48へと供給されることで、通電作用下に発熱している前記導電体48が前記冷媒によって冷却される。
この冷媒は、導電体48を冷却した後、さらに径方向外側へと移動して、ステータ12の外周側に沿って流通して重力作用下にタンク部22へと循環して再使用に供される。
なお、タンク部22には、潤滑油の代わりに、冷媒としてエアを蓄えておき、前記エアを導電体48へと供給することで冷却を行うようにしてもよい。
また、第1ステータ部28と第2ステータ部32との間の第1間隙64に、図7及び図8に示されるように、例えば、放熱プレート90を設けるようにしてもよい。この放熱プレート90は、例えば、薄板をプレス成形することで円環状に形成され、第1及び第2ステータ部28、32において外周面とスロット46の外周側との間に配置可能な直径で形成される。また、放熱プレート90は、円環状に形成されたベース部92と、前記ベース部92に対して軸方向に断面矩形状に突出し、且つ、周方向に沿って等角度離間して形成された複数のフィン部94とを有する。フィン部94は、ベース体の中心から径方向外側に向かうように放射状に形成されている。
そして、放熱プレート90は、例えば、ベース部92が第1ステータ部28の一端面54に当接し、フィン部94の端面が第2ステータ部32の他端面56に当接することで、前記第1ステータ部28と第2ステータ部32との間に挟持され、回転電機10の中心側から外周側に向かってフィン部94が貫通しているため、前記中心側で発生した熱をフィン部94を通じて第1及び第2ステータ部28、32の外周側へと逃がすことが可能となる。
さらに、図9に示されるように、ステータ100を構成する第1及び第2ステータ部102、104の外周面に、径方向外側に向かって突出し、周方向に沿って等間隔離間した複数の放熱用リブ106を設けるようにしてもよい。これにより、第1及び第2ステータ部102、104における外周面の表面積を増加させることができるので、通電によって発熱した導電体48の熱を前記第1及び第2ステータ部102、104の外周面を介して外部へと好適に放熱することができる。
換言すれば、複数の放熱用リブ106を第1及び第2ステータ部102、104の外周面に設けることで、放熱面積を大きくし、それに伴って、放熱性能を向上させている。
また、図10及び図11に示されるように、ロータ14を構成する第1ロータ本体68と第2ロータ本体70との間に、シャフト66の供給孔76から吐出される冷媒をステータ12側へと案内するガイドリング110を設けるようにしてもよい。このガイドリング110は、薄板でリング状に形成され、第1ロータ本体68の端面と第2ロータ本体70の端面との間に挟持される。ガイドリング110の表面には、該ガイドリング110の中心側から径方向外側に向かって所定角度で傾斜した複数のガイド部112が形成され、前記ガイド部112の傾斜方向は、該ガイド部112の外周側が内周側に対して前記ロータ14の回転方向に対して反対方向へ向かうように傾斜している。
これにより、ロータ14が回転している際に、シャフト66の吐出孔78から外周側へと吐出された冷媒が、第1ロータ本体68と第2ロータ本体70との間に設けられたガイドリング110の表面へと導かれ、前記ロータ14の遠心力によってガイド部112に沿ってステータ12側へと確実且つ安定的に導かれ供給される。
なお、本発明に係る回転電機のステータ構造は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…回転電機 12、100…ステータ
14…ロータ 16…ハウジング
20…カバー部材 22…タンク部
24…供給配管 26…ポンプ
28、102…第1ステータ部 30…第1収納部
32、104…第2ステータ部 34…第2収納部
36…第1取付部 38…第2取付部
42a、42b…ステータコア 48…導電体
50…鋼板 58a、58b…ボス
64…第1間隙 66…シャフト
68…第1ロータ本体 70…第2ロータ本体
76…供給孔 78…吐出孔
80…第2間隙 86…弾性体
90…放熱プレート 92…ベース部
94…フィン部 106…放熱用リブ
110…ガイドリング 112…ガイド部

Claims (7)

  1. 複数のスロットに導電体が配置されるステータと、前記ステータの内部に回転自在に設けられるロータとを有した回転電機であって、
    前記ステータは、軸方向に設けられる第1ステータ部と第2ステータ部とを備え、
    前記第1及び第2ステータ部は、ハウジングに対して前記軸方向に固定され、且つ、前記ハウジングに対する前記第1ステータ部の固定部位と、前記第2ステータ部の固定部位とが、周方向に互いにオフセットして配置されることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  2. 請求項1記載のステータ構造において、
    前記第1及び第2ステータ部は、前記軸方向に沿った同一方向で前記ハウジングに対して固定されることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  3. 請求項1又は2記載のステータ構造において、
    前記第1ステータ部と前記第2ステータ部との間には、前記軸方向に沿って所定距離で形成された間隙が形成されることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  4. 請求項3記載のステータ構造において、
    前記ロータには、前記間隙と軸方向において対向し、冷媒の流通する冷媒通路を備えることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  5. 請求項4記載のステータ構造において、
    前記冷媒通路は、前記間隙に対して前記軸方向に沿った距離が小さく形成されることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のステータ構造において、
    前記間隙には、前記導電体で発生した熱を外部へと排出するためのフィンが設けられることを特徴とする回転電機のステータ構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のステータ構造において、
    前記第1ステータ部と前記第2ステータ部とが、単一の前記ロータを有した回転電機に用いられることを特徴とする回転電機のステータ構造。
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