JP2013207032A - ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができるダイシング−ダイボンディングテープを提供する。
【解決手段】本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープ1は、粘接着剤層3と、粘接着剤層3の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層4と、非粘着層4の粘接着剤層3側と反対の表面に積層されている中間フィルム6と、中間フィルム6の非粘着層4側とは反対の表面に積層されているダイシング層5とを備える。ダイシング層5は、基材5Aと、基材5Aの表面に積層されている粘着部5Bとを有する。ダイシング層5は粘着部5B側から中間フィルム6の表面に積層されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープ1は、粘接着剤層3と、粘接着剤層3の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層4と、非粘着層4の粘接着剤層3側と反対の表面に積層されている中間フィルム6と、中間フィルム6の非粘着層4側とは反対の表面に積層されているダイシング層5とを備える。ダイシング層5は、基材5Aと、基材5Aの表面に積層されている粘着部5Bとを有する。ダイシング層5は粘着部5B側から中間フィルム6の表面に積層されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、粘接着剤層付き半導体チップを得るために用いられ、該粘接着剤層付き半導体チップをダイボンディングするために用いられるダイシング−ダイボンディングテープに関する。また、本発明は、該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に関する。
半導体ウェーハから半導体チップを切り出す際には、先ダイシング法と呼ばれているダイシング法が用いられている。先ダイシング法の一例は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
先ダイシング法では、先ず、半導体ウェーハの表面に切り込みを形成する。次に、切り込みが形成された半導体ウェーハの表面に、保護シートを貼り付ける。その後、半導体ウェーハの裏面を切り込み部分まで研削して、半導体ウェーハの厚みを薄くし、個々の半導体チップに分割する。個々の半導体チップに分割された分割後半導体ウェーハの表面には、保護シートが貼り付けられている。
また、上記先ダイシング法により得られた個々の半導体チップを基板上に容易に実装するために、半導体チップの裏面にダイボンディング層が貼り付けられることが多い。このダイボンディング層付き半導体チップを得るために、ダイボンディング層とダイシング層とを備えるダイシング−ダイボンディングテープが用いられている。
上記ダイシング−ダイボンディングテープの一例として、下記の特許文献2には、接着シートと基材(ダイシングテープ)とが積層されたダイシング−ダイボンディングテープが開示されている。このダイシング−ダイボンディングテープにおける接着シートは、ダイボンディング層であり、半導体チップに接着剤層を積層して、接着剤層付き半導体チップを得るためのシートである。
また、従来、半導体ウェーハに接着剤層を貼り付けた後に、接着剤層とともに半導体ウェーハを切断するために、ダイシング−ダイボンディングテープが用いられている。
上記ダイシング−ダイボンディングテープの一例として、下記の特許文献3には、ポリイミド系接着剤層と、該ポリイミド系接着剤層の一方の表面に積層されたポリイミド工程フィルムと、上記ポリイミド工程フィルムの上記ポリイミド系接着剤層側とは反対の表面に積層されたエキスパンド用シートとを有するダイシング−ダイボンディングテープが開示されている。上記エキスパンド用シートは、軟質フィルムと該軟質フィルムの一方の表面に積層された感圧性接着剤層とを有する。上記エキスパンド用シートは、感圧性接着剤層側からポリイミド工程フィルムの表面に積層されている。上記ポリイミド系接着剤層は、半導体チップのダイボンディングに用いられる。
特許文献2に記載のダイシング−ダイボンディングテープを用いて接着剤層付き半導体チップを得る際には、ダイシング−ダイボンディングテープを接着シート側から、分割後半導体ウェーハに貼り付ける。次に、レーザー光を照射したり、加熱又は冷却等したりして、接着シートを改質させる。次に、ダイシングテープを引き伸ばすことにより改質された接着シートを引き伸ばして、該接着シートを分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断し、かつ個々の半導体チップを離間して、半導体チップの下面に切断された接着剤層を形成する。その後、接着剤層付き半導体チップを基材から剥離して、取り出す。取り出された接着剤層付き半導体チップは、接着剤層側から基板上に実装される。
特許文献2に記載のダイシング−ダイボンディングテープでは、ダイシングテープを引き伸ばすことにより改質された接着シートを引き伸ばして、半導体ウェーハを切断した後、接着剤層付き半導体チップを基材から剥離して、取り出す際に、接着剤層付き半導体チップを良好にピックアップすることが困難なことがある。
特許文献3に記載のダイシング−ダイボンディングテープでも、接着剤層とともに半導体ウェーハを切断して、エキスパンド用シートを引き延ばして、ダイシングテープを引き伸ばすことにより改質された接着シートを引き伸ばして、接着剤層付き半導体チップを基材から剥離して、取り出す際に、接着剤層付き半導体チップを良好にピックアップすることが困難なことがある。
本発明の目的は、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができるダイシング−ダイボンディングテープ、並びに該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた粘接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、粘接着剤層と、前記粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、前記非粘着層の前記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されている中間フィルムと、前記中間フィルムの前記非粘着層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備え、前記ダイシング層が、基材と前記基材の一方の表面に積層されている粘着部とを有し、前記ダイシング層は前記粘着部側から前記中間フィルムの表面に積層されている、ダイシング−ダイボンディングテープが提供される。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープのある特定の局面では、前記非粘着層の厚みが10μm以上、80μm以下である。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープのある特定の局面では、前記非粘着層の厚みと前記中間フィルムの厚みとの合計が100μm以下である。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープのある特定の局面では、前記非粘着層の材料が、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体である。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープのある特定の局面では、前記中間フィルムの材料が、ポリオレフィン樹脂である。
本発明の広い局面によれば、上述したダイシング−ダイボンディングテープを用いて、かつ、保護シート及び前記保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハを有する積層体を用いて、前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、前記保護シートを前記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、前記ダイシング層を引き伸ばすことにより前記粘接着剤層と前記非粘着層と前記中間フィルムとを引き伸ばし、前記粘接着剤層を前記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断し、かつ前記分割後半導体ウェーハにおける個々の前記半導体チップを離間させる工程と、ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法が提供される。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、該粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、半導体ウェーハの表面に、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割するための切り込みを形成する工程と、切り込みが形成された前記半導体ウェーハの表面に保護シートを貼り付ける工程と、前記保護シートが貼り付けられた前記半導体ウェーハの裏面を研削し、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割し、前記積層体を得る工程とをさらに備える。
本発明の広い局面によれば、上述したダイシング−ダイボンディングテープと、半導体ウェーハとを用いて、前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記半導体ウェーハに貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハと前記粘接着剤層とをダイシングする工程と、ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法が提供される。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、粘接着剤層と、該粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、該非粘着層の上記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されている中間フィルムと、該中間フィルムの上記非粘着層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備えており、更に上記ダイシング層が、基材と該基材の一方の表面に積層されている粘着部とを有し、上記ダイシング層は上記粘着部側から上記中間フィルムの表面に積層されているので、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、粘接着剤層と、該粘接着剤層の一方の表面に積層されている非粘着層と、該非粘着層の上記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されている中間フィルムと、該中間フィルムの上記非粘着層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備える。上記非粘着層は、非粘着性を有する。上記ダイシング層は、基材と、該基材の一方の表面に積層されている粘着部とを有する。上記ダイシング層は上記粘着部側から上記中間フィルムの表面に積層されている。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープにおける上述した構成の採用により、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
また、先ダイシング法により粘接着剤層付き半導体チップを得る場合に、本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープにおける上述した構成の採用により、上記ダイシング層を引き伸ばすことにより上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムとが引き伸ばされたときに、上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って、上記粘接着剤層を精度よく切断できる。この結果、切断破片が粘接着剤層に付着し難くなる。このため、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
具体的には、分割後半導体ウェーハの片面に上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムと上記ダイシング層とを積層した後、上記ダイシング層を引き伸ばすことにより上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムとが引き伸ばされたときに、上記非粘着層が切断されたり、割れたりせずに、分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って、粘接着剤層のみを精度よく切断することが可能になる。なお、上記分割後半導体ウェーハの片面に積層された粘接着剤層と非粘着層と中間フィルムとダイシング層とを引き伸ばしたときに、該粘接着剤層のみが切断される性質を割裂性と呼ぶことがある。
本発明では、上記粘接着剤層を加熱又は冷却したり、またはレーザー光を照射したりするなどの粘接着剤層を改質してもよいが、改質しなくとも、上記粘接着剤層を常温で精度よく切断できる。粘接着剤層を改質しない場合でも、粘接着剤層付き半導体チップの製造効率をかなり高めることができる。さらに、上記粘接着剤層を改質させるための設備を準備する必要もない。
また、先ダイシング法により半導体ウェーハを切断せずに、粘接着剤層に半導体ウェーハを貼り付けた後にダイシング刃などで粘接着剤層とともに半導体ウェーハを切断する場合には、本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープにおける上述した構成の採用により、特に非粘着層の下方に中間フィルムが存在する状態で半導体ウェーハを切断することにより、切り屑が生じ難くなり、切り屑が粘接着剤層に付着し難くなる。また、粘接着剤層と非粘着層との界面でより一層確実に剥離することが可能になる。このため、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。特に、ダイシング刃を用いて半導体ウェーハを切断する工程により、ダイシング刃が摩耗し、ダイシング刃の切断性が低くなることがある。本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープにおける上述した構成の採用により、摩耗したダイシング刃で粘接着剤層とともに半導体ウェーハを切断した場合であっても、切り屑が生じ難くなり、更に粘接着剤層と非粘着層との界面でより一層確実に剥離することが可能になる。
上記非粘着層の23℃での破断伸びは好ましくは10%以上、より好ましくは50%を超え、更に好ましくは100%以上である。破断伸びが大きいほど、上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムと上記ダイシング層とを引き伸ばしたときに、上記非粘着層が切断されたり、割れたりせずに、上記粘接着剤層をより一層精度よく切断できる。
上記中間フィルムの23℃での破断伸びは、上記非粘着層の23℃での破断伸びよりも大きいことが好ましく、好ましくは11%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは51%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは100%以上、更に好ましくは101%以上、更に好ましくは110%以上、特に好ましくは150%以上である。破断伸びが大きいほど、上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムと上記ダイシング層とを引き伸ばしたときに、上記非粘着層が切断されたり、割れたりせずに、上記粘接着剤層をより一層精度よく切断できる。
上記中間フィルムの23℃での破断伸びは、上記非粘着層の23℃での破断伸びよりも1%以上大きいことが好ましく、10%以上大きいことがより好ましく、50%以上大きいことが更に好ましい。
上記破断伸びを高くする方法としては、上記非粘着層及び上記中間フィルムの材料として、ポリオレフィン樹脂を用いる方法、並びにポリブタジエン樹脂を用いる方法等が挙げられる。
上記破断伸びは、引張試験装置(例えば、オリエンテック社製「RCT−1310A」)を用いて、幅10mm、標線間距離25mm、引張速度500mm/minの条件で測定でき、次式より求める。
破断伸び(%)=(L−25)/25×100
L:非粘着層又は中間フィルムが破断したときの標線間距離(mm)を表す
L:非粘着層又は中間フィルムが破断したときの標線間距離(mm)を表す
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、ダイシング時に、上記ダイシング層の外周部分に環状のダイシングリングが貼り付けられることが好ましい。上記ダイシング層の径は、上記非粘着層の径よりも大きいことが好ましく、上記中間フィルムの径よりも大きいことが好ましい。
上記ダイシング層の径は、上記ダイシングリングの内径よりも大きいことが好ましい。上記ダイシング層の径は、上記ダイシングリングの外径と同じか、又は上記ダイシングリングの外径よりも小さいことが好ましい。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの第1の製造方法(第1のダイシング法)は、上述したダイシング−ダイボンディングテープを用いて、かつ、保護シート及び該保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハを有する積層体を用いて、上記ダイシング−ダイボンディングテープの上記粘接着剤層を、上記積層体の上記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、上記保護シートを上記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、上記ダイシング層を引き伸ばすことによって上記粘接着剤層と上記非粘着層と上記中間フィルムとを引き伸ばし、上記粘接着剤層を上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断し、かつ上記分割後半導体ウェーハにおける個々の上記半導体チップを離間させる工程と、ダイシングの後に、上記半導体チップが貼り付けられた上記粘接着剤層を上記非粘着層から剥離し、半導体チップを上記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える。本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの第1の製造方法は、上記ダイシング層を環状の上記ダイシングリングに貼り付ける工程を備えることが好ましい。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの第1の製造方法では、切断破片の発生を抑えつつ、上記粘接着剤層を、上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って精度よく切断できる。この結果、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの第2の製造方法(第2のダイシング法)は、上述したダイシング−ダイボンディングテープと、半導体ウェーハとを用いて、上記ダイシング−ダイボンディングテープの上記粘接着剤層を、上記半導体ウェーハに貼り付ける工程と、上記半導体ウェーハと上記粘接着剤層とをダイシングする工程と、ダイシングの後に、上記半導体チップが貼り付けられた上記粘接着剤層を上記非粘着層から剥離し、半導体チップを上記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備えることが好ましい。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの第2の製造方法では、切り屑の発生を抑えつつ、上記半導体ウェーハと上記粘接着剤層とを精度よく切断できる。さらに、粘接着剤層と非粘着層との界面での剥離が容易になる。この結果、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
(ダイシング−ダイボンディングテープ)
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す図である。図1(a)は部分切欠平面図であり、図1(b)は図1(a)中のI−I線に沿う部分切欠正面断面図である。なお、図1及び後述の図では、図示の便宜上、寸法及び大きさは、実際の寸法及び大きさから適宜変更している。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す図である。図1(a)は部分切欠平面図であり、図1(b)は図1(a)中のI−I線に沿う部分切欠正面断面図である。なお、図1及び後述の図では、図示の便宜上、寸法及び大きさは、実際の寸法及び大きさから適宜変更している。
図1(a)及び(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、長尺状の離型層2を有する。離型層2の上面に、粘接着剤層3と、非粘着層4と、中間フィルム6と、ダイシング層5とがこの順に積層されている。粘接着剤層3の一方の表面(第1の表面)に、非粘着層4が積層されている。粘接着剤層3の他方の表面(第2の表面)に離型層2が積層されている。非粘着層4の一方の表面(第1の表面)に粘接着剤層3が積層されている。非粘着層4の粘接着剤層3側とは反対の他方の表面(第2の表面)に、ダイシング層5が積層されている。
長尺状の離型層2の上面に、粘接着剤層3、非粘着層4、中間フィルム6及びダイシング層5を有する複数の積層物が等間隔に配置されている。該積層物の側方において、離型層2の上面に保護シートが設けられていてもよい。
粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6の平面形状は、略円形である。ダイシング層5の平面形状は略円形である。粘接着剤層3の径は、非粘着層4及び中間フィルム6の径と同じであってもよく、異なってもよい。非粘着層4の径は、中間フィルム6の径と同じであってもよく、異なってもよい。非粘着層4及び中間フィルム6の径は、粘接着剤層3の径よりも大きいことが好ましい。非粘着層4及び中間フィルム6の外周側面は、粘接着剤層3の外周側面よりも外側に張り出していることが好ましい。また、非粘着層4及び中間フィルム6の外周側面は、粘接着剤層3により覆われていないことが好ましい。粘接着剤層3と非粘着層4と中間フィルム6との大きさがこのような好ましい関係を満足すると、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、非粘着層4が設けられている位置に対応する部分に半導体ウェーハを正確に位置合わせできる。また、半導体ウェーハを粘接着剤層3により一層確実に貼り付けることができる。中間フィルム6の外周側面は、非粘着性を有することが好ましく、粘着性を有さないことが好ましい。
ダイシング層5の径は、粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6の径よりも大きい。ダイシング層5の外周側面は、粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6の外周側面よりも外側に張り出している。ダイシング層5と粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6との大きさがこのような好ましい関係を満足することによっても、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の非粘着層4が貼り付けられている部分に、半導体ウェーハを正確に位置合わせすることができる。貼り付けの後には、半導体ウェーハが貼り付けられた粘接着剤層3の一方の表面上に非粘着層4を確実に配置できる。このため、非粘着層4からの粘接着剤層3の剥離性を高めることで、ダイシングの後に、粘接着剤層3付き半導体チップを、非粘着層4から容易に剥離できる。特に、非粘着層4が非粘着性を有する非粘着層であることによって、粘接着剤層3付き半導体チップを、非粘着層4からより一層容易に剥離できる。このため、生産ロスを低減でき、歩止まりを向上できる。さらに、ダイシングリングと半導体ウェーハとを異なる層に貼り付けることができるので、粘接着剤層3と非粘着層4と中間フィルム6とダイシング層5とをそれぞれ最適な材料により構成できる。このため、切削性及びピックアップ性と、ダイボンディング後の接合信頼性とを高くすることができる。
離型層2は、例えば、離型フィルムである。離型層2は、粘接着剤層3の半導体ウェーハが貼り付けられる他方の表面を保護し、ロール状の製品形態で提供するために用いられる。なお、離型層2は、必ずしも用いられていなくてもよい。
離型層2を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。
離型層2の表面は離型処理されていてもよい。離型層は単層であってもよく、複数層であってもよい。離型層が複数層である場合には、各層は異なる樹脂により形成されていてもよい。
離型層2の取扱い性又は剥離性をより一層高める観点からは、離型層2の厚みは、好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下である。
粘接着剤層3は、半導体チップのダイボンディングに用いられる層である。粘接着剤層3は、半導体チップを基板又は他の半導体チップ等に接合するために用いられる。
粘接着剤層3は、例えば適宜の硬化性樹脂などの硬化性化合物を含む硬化性樹脂組成物、又は熱可塑性樹脂等により形成される。硬化前の上記硬化性樹脂組成物は柔らかいので、外力により容易に変形する。粘接着剤層3付き半導体チップを得た後に、得られた粘接着剤層3付き半導体チップを粘接着剤層3側から基板等の被着体に積層する。その後、熱又は光のエネルギーを与えて、粘接着剤層3を硬化させることにより、粘接着剤層3を介して、被着体に半導体チップを強固に接合させることができる。
上記硬化性樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤が用いられる。該硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤もしくはジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、及びカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。硬化速度又は硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
粘接着剤層3の厚みは特に限定されない。粘接着剤層3の厚みは、一般的には5μm以上、150μm以下である。半導体装置の設計寸法に応じて、適正な粘接着剤層の厚みが選定される。
非粘着層4は、非粘着性を有する。なお、「非粘着性」とは、表面が粘着性を有さないだけでなく、表面を指で触ったときにくっつかない程度の粘着性を有する場合も含まれることとする。具体的には、「非粘着」とは、非粘着層4をステンレス板に貼り付けて、非粘着層4を300mm/分の剥離速度で剥離したときに、粘着力が0.05N/25mm幅以下であることを意味する。
非粘着層4は、例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の粘着性を有する組成物を用いて形成できる。非粘着層4が非粘着性を有するようにするためには、活性エネルギー線の照射量を多くすればよい。非粘着層4が粘着性を有するようにするためには、活性エネルギー線を照射しなかったり、活性エネルギー線の照射量を少なくしたりすればよい。
非粘着層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物や、ポリオレフィン樹脂により形成されていることが好ましい。非粘着層4の材料は、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体であることが好ましい。この場合には、非粘着層4の極性、貯蔵弾性率又は破断伸びを容易に制御及び設計できる。また、非粘着層4の材料が、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性をより一層高めることができる。
上記アクリル系ポリマーは特に限定されない。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーとして、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーが好適に用いられる。炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーの使用により、非粘着層4の極性が充分に低くなり、非粘着層4の表面エネルギーが低くなり、かつ粘接着剤層3の非粘着層4からの剥離性が高くなる。
上記組成物は、活性エネルギー線反応開始剤及び熱反応開始剤の内の少なくとも一方を含むことが好ましく、活性エネルギー線反応開始剤を含むことがより好ましい。活性エネルギー線反応開始剤は、光反応開始剤であることが好ましい。
上記活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れ、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
上記光反応開始剤として、例えば、光ラジカル発生剤又は光カチオン発生剤等を使用できる。上記熱反応開始剤としては、熱ラジカル発生剤等が挙げられる。上記組成物には、粘着力を制御するためにイソシアネート系架橋剤を添加してもよい。
非粘着層4の厚みは特に限定されない。非粘着層4の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。非粘着層4の厚みが上記下限以上であると、エクスパンド性がより一層高くなる。非粘着層4の厚みが上記上限以下であると、厚みがより一層均一になり、ダイシングの精度がよく一層高くなる。非粘着層4の厚みは、10μm以上、80μm以下であることが特に好ましい。非粘着層4の厚みは、10μm以上、80μm以下であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性がより一層良好になる。
ダイシング層5は、基材5Aと、基材5Aの一方の表面(第1の表面)に積層された粘着部5Bとを有する。粘着部5Bは粘着剤層であることが好ましい。非粘着層4の他方の表面に、ダイシング層5が粘着部5B側から貼り付けられている。ダイシング層5は、非粘着層4を介して粘接着剤層3に間接的に貼り付けられている。
中間フィルム6の材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。中間フィルム6の材料がポリオレフィン樹脂であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性をより一層高めることができる。
中間フィルム6の厚みは特に限定されない。中間フィルム6の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは50μm以下である。中間フィルム6の厚みが上記下限以上であると、エクスパンド性がより一層高くなる。中間フィルム6の厚みが上記上限以下であると、厚みがより一層均一になり、ダイシングの精度がよく一層高くなる。
非粘着層4の厚みと中間フィルム6の厚みとの合計は、好ましくは2μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。非粘着層4の厚みと中間フィルム6の厚みとの合計が上記下限以上であると、エクスパンド性がより一層高くなる。非粘着層4と中間フィルム6との合計の厚みが上記上限以下であると、厚みがより一層均一になり、ダイシングの精度がよく一層高くなる。非粘着層4の厚みと中間フィルム6の厚みとの合計は、100μm以下であることが特に好ましい。非粘着層4と中間フィルム6との合計の厚みが100μm以下であると、半導体ウェーハの切断時の割裂性、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性がより一層良好になる。
非粘着層4と中間フィルム6との剥離力は、粘接着剤層3と非粘着層4との剥離力よりも大きいことが好ましい。
非粘着層4の厚みの中間フィルム6の厚みに対する比(非粘着層4の厚み/中間フィルム6の厚み)は好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下である。非粘着層4の厚みの中間フィルム6の厚みに対する比が上記下限以上及び上記上限以下であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性がより一層良好になる。
ダイシング層5は、粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6の外周側面よりも外側に張り出している延長部5xを有する。ダイシング層5の延長部5xの片面が、粘着部5Bにより離型層2の上面に貼り付けられている。すなわち、粘接着剤層3、非粘着層4及び中間フィルム6の外周側面よりも外側の領域で、ダイシング層5が離型層2の上面に貼り付けられている。
ダイシング層5が延長部5xを有するのは、粘接着剤層3の他方の表面に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の外周側面よりも外側に位置する延長部5xの粘着部5Bに、ダイシングリングを貼り付けるためである。
ダイシング層5の基材5Aを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。なかでも、エクスパンド性に優れており、環境負荷が小さいため、ポリオレフィン樹脂が好適に用いられる。
粘着部5Bは特に限定されない。粘着部5Bを構成する粘着剤の具体例として、アクリル系粘着剤、特殊合成ゴム系粘着剤、合成樹脂系粘着剤及びゴム系粘着剤等が挙げられる。なかでも、感圧タイプのアクリル系粘着剤が好ましい。感圧タイプのアクリル系粘着剤が用いられた場合、ダイシングリングを粘着部5Bからより一層容易に剥離できる。さらに、粘着部5Bのコストを低減できる。
中間フィルム6とダイシング層5との剥離力は、粘接着剤層3と非粘着層4との剥離力よりも大きいことが好ましい。このような剥離力を満足するように粘着部5Bが構成されていることが好ましい。
ダイシング層5の厚みは特に限定されない。ダイシング層5の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは60μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。ダイシング層5の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、離型層2の剥離性及びダイシング層5のエクスパンド性がより一層高くなる。
図1(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1では、ダイシング層5は略円形である。図2(a)及び(b)に、ダイシング−ダイボンディングテープの変形例を示す。図1(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1と図2(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ11とでは、ダイシング層の形状のみが異なる。ダイシング−ダイボンディングテープ1におけるダイシング層5及びダイシング−ダイボンディングテープ11におけるダイシング層12はともに略円形である。ダイシング−ダイボンディングテープ11におけるダイシング層12は貼付起点12Cを有する。より具体的には、ダイシング層12は、貼付起点12C部分を除いて円形である。ダイシング層12は、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面よりも外側に張り出している延長部12xを有する。ダイシング層12の延長部12xの片面が、粘着部12Bにより離型層2の上面に貼り付けられている。
このように、ダイシング層の一部の領域に貼付起点が設けられていていることが好ましい。また、1つのダイシング層に複数の貼付起点が設けられていることが好ましく、少なくとも2つの貼付起点が設けられていることが好ましい。1つのダイシング層に複数の貼付起点が設けられている場合には、ダイシング層の一端側と該一端側とは反対の他端側とに、貼付起点が設けられていることが好ましい。この場合には、ダイシング−ダイボンディングテープの使用時の方向性をなくすことができる。また、例えば、一端側の貼付起点からダイシング層をうまく貼り付けられない場合などに、他端側の貼付起点からダイシング層を貼り付けることが可能である。より具体的には、一端側の貼付起点からダイシング層をうまく貼り付けられない場合などに、長尺状のダイシング−ダイボンディングテープを一旦巻き取った後に、再度巻き出すことにより、他端側の貼付起点からダイシング層を貼り付けることが可能である。
(粘接着剤層付き半導体チップの製造方法)
次に、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合の粘接着剤層3付き半導体チップの製造方法の一例を以下説明する。
次に、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合の粘接着剤層3付き半導体チップの製造方法の一例を以下説明する。
先ず、ダイシング−ダイボンディングテープ1と、積層体21とを用意する。
図3(d)に示すように、積層体21は、保護シート22と、保護シート22の一方の表面(第1の表面)に積層されている分割後半導体ウェーハ23とを有する。分割後半導体ウェーハ23は個々の半導体チップに分割されている。分割後半導体ウェーハ23の平面形状は略円形である。
積層体21は、図3(a)〜(d)に示す各工程を経て、以下のようにして得ることができる。
先ず、図3(a)に示すように、半導体ウェーハ23Aを用意する。半導体ウェーハ23Aは分割前半導体ウェーハである。半導体ウェーハ23Aの平面形状は略円形である。半導体ウェーハ23Aの表面には、マトリックス状にストリートによって区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。
図3(b)に示すように、用意した半導体ウェーハ23Aを表面側からダイシングする。ダイシングの後、半導体ウェーハ23Aは分断されていない。半導体ウェーハ23Aの表面には、個々の半導体チップに分割するための切断部分23a(切り込み)が形成されている。ダイシングは、例えば、高速回転するブレードを備えるダイシング装置等を用いて行われる。
次に、図3(c)に示すように、半導体ウェーハ23Aの表面に、保護シート22を貼り付ける。その後、半導体ウェーハ23Aの裏面を研削し、半導体ウェーハ23Aの厚みを薄くする。ここでは、半導体ウェーハ23Aの裏面は、切断部分23aまで研削している。このようにして、図3(d)に示す積層体21を得ることができる。
半導体ウェーハ23Aの裏面は、切断部分23aまで研削することが好ましい。研削は、例えば研削磁石等を備えるグラインダなどの研削機を用いて行われる。研削時には、半導体ウェーハ23Aの表面には保護シート22が貼り付けられているので、回路に研削屑が付着しない。また、研削後に半導体ウェーハ23Aが個々の半導体チップに分割されても、複数の半導体チップがばらばらにならずに保護シート22に貼り付けられたままである。
積層体21を得た後、図4(a)に示すように、積層体21を保護シート22側からステージ25上に載せる。ステージ25上には、分割後半導体ウェーハ23の外周側面から一定間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング26が設けられている。ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3の他方の表面を、分割後半導体ウェーハ23の裏面に貼り付ける。また、露出したダイシング層5の延長部5xに位置する粘着部5Bを、円環状のダイシングリング26に貼り付ける。
図6(a)にダイシング層5をダイシングリング26に貼り付ける際の状態を正面断面図で示し、図6(b)にダイシング層5をダイシングリング26に貼り付けた後の状態を平面図で示す。
図6(a)及び(b)に示すように、通常、ダイシング層5をダイシングリング26に貼り付ける際には、剥離エッジ32を用いて、ダイシング層5を離型層2の上面から剥離する。ダイシング層5をダイシングリング26に貼り付けて、ロール31で押さえ付ける。そして、粘接着剤層3、非粘着層4、中間フィルム6及びダイシング層5に皺が生じないように、粘接着剤層3、非粘着層4、中間フィルム6及びダイシング層5を引き伸ばしながら、ダイシング層5の外周部分をダイシングリング26に貼り付ける。なお、図6(b)では、非粘着層4及び中間フィルム6の径はA、ダイシング層5の径はB、ダイシングリング26の内径はX、ダイシングリング26の外径はYである。
ダイシング層5をダイシングリング26に貼り付けた後、図4(b)に示すように、粘接着剤層3が貼り付けられた分割後半導体ウェーハ23をステージ25から取り出して、裏返す。このとき、ダイシングリング26をダイシング層5に貼り付けた状態で取り出す。取り出した分割後半導体ウェーハ23を表面が上方になるように裏返して、別のステージ27上に載せる。
次に、図5(a)に示すように、分割後半導体ウェーハ23の表面から保護シート22を剥離する。保護シート22を剥離する際に、剥離を容易にするために、保護シート22を加熱してもよい。ただし、保護シート22を加熱する際に、粘接着剤層3を改質しないほうが好ましい。
次に、図5(b)に示すように、粘接着剤層3と非粘着層4と中間フィルム6とダイシング層5とを引き伸ばして、粘接着剤層3をのみを切断する。このとき、分割後半導体ウェーハ23の切断部分23aに沿って切断し、かつ分割後半導体ウェーハ23における個々の半導体チップを離間させる。粘接着剤層3は、分割後半導体ウェーハ23の裏面に貼り付けられているため、分割後半導体ウェーハ23の切断部分23aに沿って、すなわちダイシングラインに沿って、粘接着剤層3を切断できる。粘接着剤層3の切断の後に、粘接着剤層3には切断部分3aが形成される。
なお、本明細書では、粘接着剤層3を引き伸ばして切断することを、割裂するともいう。粘接着剤層3を引き伸ばして切断する作業(割裂)には、ダイシングも含まれることとし、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、粘接着剤層3を引き伸ばして切断する(割裂する)ために用いることができる。ダイシング−ダイボンディングテープ1は、言い換えれば、割裂−ダイボンディングテープとも言える。
粘接着剤層3を引き伸ばす方法としては、例えば、ダイシングリング26を押し下げる方法、並びに粘接着剤層3の下方から突き上げて、粘接着剤層3、非粘着層4、中間フィルム6及びダイシング層5に、図5(b)に示す力Aを付与する方法が挙げられる。力Aの付与により、ダイシング層5が外側に向かって引っ張られ、それに呼応して非粘着層4及び中間フィルム6が外側に向かって引っ張られる力B1,B2が付与され、結果として粘接着剤層3が引き伸ばされる。
非粘着層4、中間フィルム6とダイシング層5の大きさが特定の上記関係を満たすことが好ましい。この場合には、粘接着剤層3、非粘着層4、中間フィルム6及びダイシング層5を引き伸ばすことにより、非粘着層4が切断されることなく、分割後半導体ウェーハ23の切断部分23aに沿って、粘接着剤層3のみをより一層精度よく切断できる。このため、半導体チップの下方において、粘接着剤層3の欠けが生じ難い。粘接着剤層3を精度よく切断できるため、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性が高くなる。粘接着剤層3の欠けが生じ難いので、粘接着剤層3付き半導体チップを接着対象部材に積層して接着させた場合に、半導体チップが傾き難く、かつ半導体チップの接合信頼性が高くなる。
粘接着剤層3と非粘着層4と中間フィルム6とダイシング層5とを引き伸ばす前又は間に、粘接着剤層3を改質しないことが好ましい。粘接着剤層3と非粘着層4と中間フィルム6とダイシング層5を引き伸ばす前又は間に、粘接着剤層3を改質するために、粘接着剤層3を加熱(保護シート22を剥離するための加熱を除く)及び冷却せず、かつレーザー光を照射しないことが好ましい。ただし、粘接着剤層3を改質してもよい。粘接着剤層3を改質しない場合であっても、粘接着剤層3付き半導体チップの製造効率がかなり高くなる。
粘接着剤層3を切断した後、粘接着剤層3が積層された状態で、半導体チップを粘接着剤層3ごと非粘着層4から剥離して、取り出す。このようにして、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。ダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合には、分割後半導体ウェーハ23が貼り付けられている粘接着剤層3部分の下方には、非粘着性を有する非粘着層4が位置しているので、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性が高くなる。粘接着剤層3の切断の後、粘接着剤層3付き半導体チップを非粘着層4から剥離する前に、ダイシング層5を引き伸ばして、個々の半導体チップ間の間隔をさらに拡張してもよい。
次に、図7(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた粘接着剤層3付き半導体チップの製造方法の他の例を以下説明する。
先ず、上述したダイシング−ダイボンディングテープ1と、半導体ウェーハ41とを用意する。半導体ウェーハ41の平面形状は円形である。半導体ウェーハ41は個々の半導体チップに分割されていない。
図7(a)に示すように、半導体ウェーハ41を裏返して、裏返された半導体ウェーハ41を表面側からステージ25上に載せる。ステージ25上には、半導体ウェーハ41の外周側面から一定間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング26が設けられている。ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3の他方の面を、半導体ウェーハ41の裏面に貼り付ける。また、露出したダイシング層5の外周部分を、ダイシングリング26に貼り付ける。
次に、図7(b)に示すように、粘接着剤層3が貼り付けられた半導体ウェーハ41をステージ25から取り出して、裏返す。このとき、ダイシングリング26をダイシング層5の粘着部5Bに貼り付けられた状態で取り出す。取り出した半導体ウェーハ41を表面が上方になるように裏返して、別のステージ27上に載せる。次に、半導体ウェーハ41を粘接着剤層3ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する。半導体ウェーハ41及び粘接着剤層3をそれぞれ、両面を貫通するように分断する。ダイシングの後に、半導体ウェーハ41に切断部分41aが形成され、粘接着剤層3に切断部分3aが形成される。非粘着層4に切り込みが形成されてもよい。但し、非粘着層4は切断されないことが好ましい。
次に、ダイシング層5を引き延ばして、半導体チップを粘接着剤層3ごと非粘着層4から剥離して、取り出すことにより、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(アクリル系ポリマー1)
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光ラジカル発生剤であるイルガキュア651(チバガイギ社製、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、及びラウリルメルカプタン0.01重量部を酢酸エチルに溶解させ、溶液を得た。この溶液に紫外線を照射して重合を行い、ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。さらに、この溶液の固形分100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)3.5重量部を反応させて、アクリル共重合体(アクリル系ポリマー1)を得た。得られたアクリル系ポリマー1の重量平均分子量は70万であり、酸価は0.86(mgKOH/g)であった。
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光ラジカル発生剤であるイルガキュア651(チバガイギ社製、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、及びラウリルメルカプタン0.01重量部を酢酸エチルに溶解させ、溶液を得た。この溶液に紫外線を照射して重合を行い、ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。さらに、この溶液の固形分100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)3.5重量部を反応させて、アクリル共重合体(アクリル系ポリマー1)を得た。得られたアクリル系ポリマー1の重量平均分子量は70万であり、酸価は0.86(mgKOH/g)であった。
また、基材層を形成するための組成物を構成する材料として、以下の化合物を用意した。
(光重合開始剤)
イルガキュア651(チバ・ジャパン社製)
イルガキュア651(チバ・ジャパン社製)
(オリゴマー)
U324A:新中村化学工業社製、ウレタンアクリルオリゴマー(10官能のウレタンアクリルオリゴマー)、重量平均分子量:1,300
U324A:新中村化学工業社製、ウレタンアクリルオリゴマー(10官能のウレタンアクリルオリゴマー)、重量平均分子量:1,300
(架橋剤)
コロネートL−45:日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート系架橋剤
コロネートL−45:日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート系架橋剤
(実施例1)
実施例1では、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープを形成した。
実施例1では、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープを形成した。
上記アクリル系ポリマー1を100重量部と、イルガキュア651を1重量部と、ウレタンアクリルオリゴマーであるU324Aを15重量部と、コロネートL−45を1重量部とを配合し、組成物を得た。得られた組成物を離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工し、110℃で5分間乾燥し、溶媒を除去し、組成物層を形成した。
次に、得られた組成物層の全領域に、水銀灯を用いて、2000mJ/cm2のエネルギーとなるように光を照射し、組成物層を硬化させた。このようにして、非粘着性を有する非粘着層(厚み10μm)を得た。
また、中間フィルムとして、ポリエチレン(PE)樹脂により形成されたポリオレフィン樹脂フィルム(厚み20μm)を用意した。
得られた非粘着層及び用意した中間フィルムを用いて、以下の要領で、ダイシング−ダイボンディングテープを作製した。
G−2050M(日油社製、エポキシ含有アクリルポリマー、重量平均分子量Mw20万)15重量部と、EXA−7200HH(DIC社製、ジシクロペンタジエン型エポキシ)70重量部と、HP−4032D(DIC社製、ナフタレン型エポキシ)15重量部と、YH−309(三菱化学社製、酸無水物系硬化剤)38重量部と、2MAOK−PW(四国化成社製、イミダゾール)8重量部と、S320(チッソ社製、アミノシラン)2重量部と、MT−10(トクヤマ社製、表面疎水化ヒュームドシリカ)4重量部とを配合し、配合物を得た。得られた配合物を溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)に固形分60重量%となるように添加し、攪拌し、塗液を得た。
得られた塗液を離型PETフィルム上に厚み7μmになるように塗工し、110℃のオーブン内で2分間加熱乾燥した。このようにして、離型PETフィルム上に、粘接着剤層を形成した。その後、粘接着剤層を円形に切り抜いた。
次に、粘接着剤層の離型PETフィル側とは反対の表面上に、得られた非粘着層を60℃でラミネートし、ラミネート体を得た。その後、非粘着層の上記粘接着剤層側とは反対の表面に、用意した中間フィルムを60℃でラミネートし、ラミネート体を得た。非粘着層及び中間フィルムが粘接着剤層よりも大きく、非粘着層及び中間フィルムが粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するように、非粘着層及び中間フィルムを円形に切り抜いた。
その後、中間フィルムの非粘着層側とは反対の表面上に、ダイシング層であるエレグリップUHP−0810FX(オレフィン基材(基材の厚み80μm)の片面にアクリル系粘着部(粘着剤層)(粘着部の厚み10μm)が形成されたUV硬化型ダイシングテープ、電気化学工業社製)を粘着部側から貼り付けた。
その後、ダイシング層を切り抜いた。このようにして、離型PETフィルム/粘接着剤層/非粘着層/中間フィルム/ダイシング層(中間フィルム側に粘着部、中間フィルムとは反対側に基材)がこの順で積層された積層構造を有するダイシング−ダイボンディングテープを作製した。
(実施例2〜7)
非粘着層及び中間フィルムの厚みを下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
非粘着層及び中間フィルムの厚みを下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(比較例1)
非粘着層の厚みを下記の表1に示すように変更したこと、並びに中間フィルムを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
非粘着層の厚みを下記の表1に示すように変更したこと、並びに中間フィルムを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(比較例2)
非粘着層を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
非粘着層を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(比較例3)
離型剤により表面が離型処理されたポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚み50μm)を用意した。
離型剤により表面が離型処理されたポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚み50μm)を用意した。
実施例1で得られた粘接着剤層の離型PETフィルム側とは反対の表面上に、用意した離型PENフィルムを60℃でラミネートし、ラミネート体を得た。離型PENフィルムが粘接着剤層よりも大きく、離型PENフィルムが粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するように、離型PENフィルムを円形に切り抜いた。
その後、離型PENフィルムの非粘着層側とは反対の表面上に、ダイシング層であるエレグリップUHP−0810FX(オレフィン基材(基材の厚み80μm)の片面にアクリル系粘着部(粘着剤層)(粘着部の厚み10μm)が形成されたUV硬化型ダイシングテープ、電気化学工業社製)を粘着部側から貼り付けた。
その後、ダイシング層を切り抜いた。このようにして、離型PETフィルム/粘接着剤層/離型PENフィルム/ダイシング層(中間フィルム側に粘着部、中間フィルムとは反対側に基材)がこの順で積層された積層構造を有するダイシング−ダイボンディングテープを作製した。
(評価)
(1)破断伸び
実施例及び比較例における非粘着層及び中間フィルムを用意した。上記非粘着層及び中間フィルムの23℃での破断伸びは、オリエンテック社製「RCT−1310A」を用いて、MD方向に幅10mm、標線間距離25mm、引張速度500mm/minの条件で測定し、次式より求めた。破断伸びを下記の基準で判定した。
(1)破断伸び
実施例及び比較例における非粘着層及び中間フィルムを用意した。上記非粘着層及び中間フィルムの23℃での破断伸びは、オリエンテック社製「RCT−1310A」を用いて、MD方向に幅10mm、標線間距離25mm、引張速度500mm/minの条件で測定し、次式より求めた。破断伸びを下記の基準で判定した。
破断伸び(%)=(L−25)/25×100
L:基材が破断したときの標線間距離(mm)を表す
L:基材が破断したときの標線間距離(mm)を表す
[破断伸びの判定基準]
A:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が50%以上
B:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が10%以上、50%未満
C:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が10%未満
A:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が50%以上
B:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が10%以上、50%未満
C:中間フィルムの破断伸びが非粘着層の破断伸びよりも大きく、中間フィルムの破断伸びと非粘着層の破断伸びとの差の絶対値が10%未満
(2)第1のダイシング法での割裂性及びピックアップ性
実施例1〜7及び比較例1,3について、第1のダイシング法による評価を実施した。
実施例1〜7及び比較例1,3について、第1のダイシング法による評価を実施した。
直径300mm(12inch)の半導体ウェーハ(シリコンウェーハ、厚み700μm)の表面に深さ100μmの切り込みを縦横10mmピッチで入れた。次に、半導体ウェーハの表面に保護シートであるバックグラインディングテープ イクロスSB135S−BN(三井化学社製、オレフィンの片面にアクリル系粘着剤が塗布されている)をアクリル系粘着剤側からラミネートした。次に、半導体ウェーハの厚みが50μmになるまで半導体ウェーハの裏面の研磨と鏡面仕上げを行った。このようにして、保護シートと、分割後半導体ウェーハとの積層体を得た。
内径が350mm、外径が380mmであるダイシングリングを用意した。次に、ウェーハマウンターDAM−812M(タカトリ社製)を用いてダイシング−ダイボンディングテープを積層体の分割後半導体ウェーハの裏面及びダイシングリングに貼り付けた。尚、積層体の分割後半導体ウェーハを載せるステージは60℃に設定した。
次に、粘接着剤層が貼り付けられた分割後半導体ウェーハをステージから取り出して、裏返し、別のステージ上に載せた。その後、分割後半導体ウェーハの表面から、60℃で保護シートを剥離した。このとき、粘接着剤層は改質しなかった。
ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、23℃でエクスパンド量4.5mmとして、粘接着剤層と非粘着層とダイシング層とを引き伸ばして、粘接着剤層を切断した。
粘接着剤層の切断の後に、分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って粘接着剤層が切断されている個々の半導体チップの数の割合(割裂性)を評価した。割裂性を下記の基準で判定した。
[割裂性の判定基準]
○:粘接着剤層は100%割裂し、非粘着層は割れていない
△:粘接着剤層は100%割裂したが、非粘着層の一部が割れた
×:粘接着剤層が割裂しなかった
○:粘接着剤層は100%割裂し、非粘着層は割れていない
△:粘接着剤層は100%割裂したが、非粘着層の一部が割れた
×:粘接着剤層が割裂しなかった
次に、割裂後に、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、コレットサイズ9mm角、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップニードル19ピン、温度23℃の条件で、20個の粘接着剤層付き半導体チップを連続してピックアップした。粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を下記の基準で判定した。
[ピックアップ性の判定基準]
○○:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無く、粘接着剤層に切断破片が付着していない
○:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無いが、粘接着剤層に切断破片がわずかに付着している
△:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無いが、粘接着剤層に切断破片が多く付着している
×:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップがある
○○:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無く、粘接着剤層に切断破片が付着していない
○:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無いが、粘接着剤層に切断破片がわずかに付着している
△:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップが無いが、粘接着剤層に切断破片が多く付着している
×:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップがある
(3)第2のダイシング法でのダイシング性及びピックアップ性
実施例1〜7及び比較例2,3について、第2のダイシング法による評価を実施した。
実施例1〜7及び比較例2,3について、第2のダイシング法による評価を実施した。
ダイシング−ダイボンディングテープの離型層を粘接着剤層から剥離し、粘接着剤層を露出させた。露出した粘接着剤層を直径8inchのシリコンウェーハ(厚み80μm)の一方の面に60℃の温度でラミネートし、評価サンプルを作製した。
ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、評価サンプルを10mm×10mmのチップサイズにダイシングした。このとき、ダイシング性を下記の基準で判定した。
[ダイシング性の判定基準]
○:粘接着剤層は完全にダイシングされ、非粘着層又は中間フィルムの切断破片がカーフ内に残っていない
△:粘接着剤層は完全にダイシングされたが、非粘着層又は中間フィルムの切断破片がカーフ内に残った
×:粘接着剤層は完全にダイシングされたが、非粘着層又は中間フィルムの切断破片が粘接着剤層に付着した
○:粘接着剤層は完全にダイシングされ、非粘着層又は中間フィルムの切断破片がカーフ内に残っていない
△:粘接着剤層は完全にダイシングされたが、非粘着層又は中間フィルムの切断破片がカーフ内に残った
×:粘接着剤層は完全にダイシングされたが、非粘着層又は中間フィルムの切断破片が粘接着剤層に付着した
ダイシング後に、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、コレットサイズ9mm角、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップニードル19ピン、温度23℃の条件で、20個の粘接着剤層付き半導体チップを連続してピックアップした。粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を上記第1のダイシング法におけるピックアップ性と同様の基準で判定した。
結果を下記の表1に示す。
1…ダイシング−ダイボンディングテープ
2…離型層
3…粘接着剤層
3a…切断部分
4…非粘着層
5…ダイシング層
5A…基材
5B…粘着部
5x…延長部
6…中間フィルム
11…ダイシング−ダイボンディングテープ
12…ダイシング層
12A…基材
12B…粘着部
12C…貼付起点
12x…延長部
21…積層体
22…保護シート
23…分割後半導体ウェーハ
23A…半導体ウェーハ
23a…切断部分
25…ステージ
26…ダイシングリング
27…ステージ
31…ロール
32…剥離エッジ
41…半導体ウェーハ
41a…切断部分
2…離型層
3…粘接着剤層
3a…切断部分
4…非粘着層
5…ダイシング層
5A…基材
5B…粘着部
5x…延長部
6…中間フィルム
11…ダイシング−ダイボンディングテープ
12…ダイシング層
12A…基材
12B…粘着部
12C…貼付起点
12x…延長部
21…積層体
22…保護シート
23…分割後半導体ウェーハ
23A…半導体ウェーハ
23a…切断部分
25…ステージ
26…ダイシングリング
27…ステージ
31…ロール
32…剥離エッジ
41…半導体ウェーハ
41a…切断部分
Claims (8)
- 粘接着剤層と、
前記粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、
前記非粘着層の前記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されている中間フィルムと、
前記中間フィルムの前記非粘着層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備え、
前記ダイシング層が、基材と前記基材の一方の表面に積層されている粘着部とを有し、前記ダイシング層は前記粘着部側から前記中間フィルムの表面に積層されている、ダイシング−ダイボンディングテープ。 - 前記非粘着層の厚みが10μm以上、80μm以下である、請求項1に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
- 前記非粘着層の厚みと前記中間フィルムの厚みとの合計が100μm以下である、請求項1又は2に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
- 前記非粘着層の材料が、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
- 前記中間フィルムの材料が、ポリオレフィン樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイシング−ダイボンディングテープを用いて、かつ、
保護シート及び前記保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハを有する積層体を用いて、
前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、
前記保護シートを前記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、
前記ダイシング層を引き伸ばすことにより前記粘接着剤層と前記非粘着層と前記中間フィルムとを引き伸ばし、前記粘接着剤層を前記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断し、かつ前記分割後半導体ウェーハにおける個々の前記半導体チップを離間させる工程と、
ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。 - 半導体ウェーハの表面に、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割するための切り込みを形成する工程と、
切り込みが形成された前記半導体ウェーハの表面に保護シートを貼り付ける工程と、
前記保護シートが貼り付けられた前記半導体ウェーハの裏面を研削し、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割し、前記積層体を得る工程とをさらに備える、請求項6に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のダイシング−ダイボンディングテープと、半導体ウェーハとを用いて、
前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記半導体ウェーハに貼り付ける工程と、
前記半導体ウェーハと前記粘接着剤層とをダイシングする工程と、
ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012073462A JP2013207032A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 |
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Publications (1)
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JP2013207032A true JP2013207032A (ja) | 2013-10-07 |
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JP2012073462A Pending JP2013207032A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013207032A (ja) |
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2012
- 2012-03-28 JP JP2012073462A patent/JP2013207032A/ja active Pending
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